説明

医療用ポンプ

【課題】医療従事者が、医療用ポンプにおいて必要とする薬剤を選択する際に、薬剤の種類を目視で確認して薬剤の選択ミスを視覚的に確実に防ぐことができる医療用ポンプを提供する。
【解決手段】薬剤名を含む投与設定群である予め登録された薬剤ライブラリから、使用する薬剤を選択して、その選択した薬剤を充填した薬剤収納容器であるシリンジ200を装着してシリンジ200内の薬剤を患者に送液するためのシリンジポンプ1であって、薬剤ライブラリを格納したデータベース(DB)150から選択可能な薬剤ライブラリを取得する制御部100と、制御部100の指示により、薬剤ライブラリの各薬剤の名称欄22,23,24には識別用の色分けが施されて表示する表示部3を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者へ薬剤等を送液するための医療用ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用ポンプであるシリンジポンプ,輸液ポンプは、例えば集中治療室(ICU)等で使用されて、患者に対して抗癌剤、麻酔剤、化学療法剤、輸血等、栄養剤等の薬剤の送液処置を、高い精度で比較的長時間行うことに用いられている。シリンジポンプの薬剤の流量制御は、他の輸液ポンプに比較して精密で優れている。
すなわち、薬剤を充填したシリンジ本体は、シリンジポンプに対してクランプを用いて動かないようにセットされ、シリンジポンプは、シリンジ押子を押圧してシリンジ本体内の薬剤を正確に患者側に送液するようになっている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−88564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したシリンジポンプで送液しようとする薬剤の種類は多数あり、薬剤ライブラリには、例えば数千種類、一例として3000種類の薬剤が予め、ホストコンピュータ等に登録されている。この薬剤ライブラリとは、薬剤名を含む薬剤の投与設定群のことであり、予めデータベース化されたものである。医療用ポンプであるシリンジポンプ,輸液ポンプに対しては、薬剤ライブラリのデータベースから、必要とする薬剤の種類を選択して使用するができる。シリンジポンプ,輸液ポンプは、その選択した薬剤を患者に、設定された注入速度(mL/h),注入量(mL)で送液する。この薬剤ライブラリを用いることにより、注入速度(mL/h),注入量(mL)の設定ミスによる誤投与の防止が図られるというメリットはある。
【0005】
しかし、薬剤ライブラリに含まれている薬剤の種類がかなり多いので、医療用ポンプであるシリンジポンプ,輸液ポンプを使用する側では、必要とする薬剤の種類を選択しづらくしかも選択ミスを起こすおそれもある。薬剤ライブラリに含まれている多数の薬剤を分類する1つの方法としては、病棟毎に選択できる薬剤ライブラリを絞り込むプロファイル作業を行うことが考えられる。このプロファイルとは、選択可能な薬剤ライブラリの絞り込みにしようするための分類を記載しており、一般的には病棟毎名を入れて使用する。この病棟毎に選択できる薬剤ライブラリの中に多数の種類の薬剤が含まれており、医療従事者が、シリンジポンプ,輸液ポンプにおいてこれらの多数の種類の薬剤から必要とする薬剤を選択して送液する場合に、十分に薬剤の種類を確認しなければならない。このため、医療従事者が、シリンジポンプ,輸液ポンプにおいて多数の種類の薬剤から必要とする薬剤を選択する際に、視覚的に確認することで薬剤の選択ミスを防ぐことが望まれている。
そこで、本発明は、医療従事者が、医療用ポンプであるシリンジポンプ,輸液ポンプにおいて必要とする薬剤を選択する際に、薬剤の種類を目視で確認して薬剤の選択ミスを視覚的に確実に防ぐことができるようにした医療用ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の医療用ポンプは、薬剤が充填されている薬剤収納容器から前記薬剤を患者に送液するための医療用ポンプであって、薬剤ライブラリを記憶する記憶部、表示部、制御部を備え、前記制御部の指示により、前記薬剤ライブラリから選択された各前記薬剤の名称欄に識別用の色分けを施した表示色で表示する表示部と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、医療従事者が、医療用ポンプにおいて必要とする薬剤を選択する際に、識別用の色分けを施した表示色で表示された薬剤の名称欄を目視で確認することで、薬剤の種類を目視で確認して薬剤の選択ミスを視覚的に確実に防ぐことができる。
【0007】
好ましくは、前記表示部には、前記識別用の表示色が施された複数の前記薬剤の名称欄を含む表示欄が表示されることを特徴とする。
上記構成によれば、医療従事者は表示部に表示された表示欄を目視で確認することで、複数の薬剤の名称と対応する表示色を確認することができる。
【0008】
好ましくは、前記表示部に表示される各前記薬剤の名称欄の表示色が互いに異なる色に設定され、注意喚起を必要とする前記薬剤の名称欄の前記表示色は、使用者の注意を特別引く色を用いることを特徴とする。
上記構成によれば、医療従事者は薬剤を使用する際に注意喚起を必要とする薬剤であることを目視で確認することができる。
好ましくは、前記使用者の注意を特別引く色として、赤色が選択されていることを特徴とする。
赤色は特に可視光の最も長波長帯にあり、特に目立ちやすい。
【0009】
好ましくは、前記制御部は、前記注意喚起を必要とする前記薬剤の名称欄の前記薬剤を前記患者に送液する際には、前記表示部は、前記薬剤の名称欄の背景の表示状態を変更させることを特徴とする。
上記構成によれば、医療従事者は薬剤を使用する際に注意喚起を必要とする薬剤であることを目視で確認する際に、薬剤の名称欄の背景の表示状態が変わるので、この薬剤が注意喚起を必要とすることをさらに目視で確認することができる。
【0010】
好ましくは、前記薬剤収納容器は薬剤識別ラベルが配置され、前記表示部に表示される各前記薬剤の名称欄の名称と前記薬剤収納容器内に充填されている前記薬剤の名称とが同じである場合には、前記表示部に表示される各前記薬剤の名称欄の表示色と、前記シリンジの前記薬剤識別ラベルの表示色が同じ色であることを特徴とする。
上記構成によれば、医療従事者が送液しようとして指定する薬剤の種類と、実際に使用されるシリンジ内の薬剤の種類とが一致していることを確実に目視で確認して、薬剤の選択ミスを防ぐことができる。
好ましくは、前記薬剤収納容器は、シリンジまたは輸液バッグである。
上記構成によれば、医療従事者が送液しようとして指定する薬剤の種類と、実際に使用される薬剤収納容器であるシリンジまたは輸液バッグ内の薬剤の種類とが一致していることを確実に目視で確認して、薬剤の選択ミスを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、医療従事者が、シリンジポンプ,輸液ポンプ等の医療用ポンプにおいて、必要とする薬剤を選択する際に、薬剤の種類を目視で確認して薬剤の選択ミスを視覚的に確実に防ぐことができる医療用ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の医療用ポンプであるシリンジポンプの好ましい実施形態を示す斜視図。
【図2】図1に示す医療用ポンプであるシリンジポンプをW方向から見た斜視図。
【図3】表示部における情報の表示内容例を示す図。
【図4】薬剤ライブラリに関する表示欄における複数の表示例を示す図。
【図5】薬剤ライブラリに関する表示欄における複数の表示例を示す図。
【図6】薬剤ライブラリに関する表示欄における複数の表示例を示す図。
【図7】複数種類の大きさのシリンジの例を示す斜視図。
【図8】シリンジポンプ1における電気な構成例を示す図。
【図9】図1と図2に示す複数台のシリンジポンプを、設定スタンドに搭載した例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、医療用ポンプであるシリンジポンプについて、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。 図1は、本発明のシリンジポンプの好ましい実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示すシリンジポンプをW方向から見た斜視図である。
図1と図2に示すシリンジポンプ1は、例えば集中治療室(ICU、CCU,NICU)等で使用され、患者に対して、抗がん剤、麻酔剤、化学療法剤、輸血等、ビタミン剤等の薬剤の注入処置を、高い精度で比較的長時間行うことに用いられる注入ポンプである。このシリンジポンプ1は、薬剤ライブラリから使用する薬剤を選択して、その選択した薬剤を送液するために用いられる。この薬剤ライブラリは、薬剤ライブラリデータベース(DB)において、予め登録された薬剤名を含む薬剤の投与設定群である薬剤情報である。医療従事者は、この薬剤ライブラリを用いることにより、複雑な投与設定をその都度行わなくても良く、薬剤の選択および薬剤の設定が図れる。
【0014】
図1と図2に示すように、シリンジポンプ1は、薬剤を充填した、薬剤収納容器としてのシリンジ200のシリンジ本体201を、クランプ5を用いて動かないようにセットされる。シリンジポンプ1は、シリンジ200のシリンジ押子202をT方向に押圧してシリンジ本体201内の薬剤を、図2に示すようにチューブ203と留置針204を介して、患者Pに対して正確に送液するようになっている。
シリンジポンプ1は、本体カバー2を有し、この本体カバー2は耐薬品性を有する成型樹脂材料により一体成型されており、仮に薬剤等がかかってもシリンジポンプ1の内部に侵入するのを防ぐことができる防沫処理構造を有している。このように、カバー2が防沫処理構造を有しているのは、シリンジ本体201内の薬剤がこぼれたり、上方に配置されている点滴液がこぼれ落ちたり、周辺で用いる消毒液等が飛散して付着することがあるためである。
【0015】
まず、シリンジポンプ1の本体カバー2に配置された要素について説明する。
図1と図2に示すように、本体カバー2の上部分2Aには、表示部3と、操作パネル部4が配置されている。本体カバー2の下部分2Bには、シリンジ設定部6と、シリンジ押子202を押すためのシリンジ押子駆動部7が配置されている。
表示部3は、カラー表示することができる画像表示装置であり、例えばカラー液晶表示装置を用いている。この表示部3は、日本語表記による情報表記だけでなく、必要に応じて複数の外国語による情報の表示を行うことができる。表示部3は、本体カバー2の上部分2Aの左上位置であって、シリンジ載置部6とシリンジ押子駆動部7の上側に配置されている。操作パネル部4は、本体カバー2の上部分2Aにおいて表示部3の右側に配置され、操作パネル部4には、電源ON/OFFボタン4F、動作インジケータ4A、操作ボタンとしては、図示例では、必要最小限の、早送りスイッチボタン4B、開始スイッチボタン4C、停止スイッチボタン4D、メニュー選択ボタン4Eが4ケ配置されている。
【0016】
図1と図2に示すように、シリンジ設定部6とシリンジ押子駆動部7は、X方向に沿って並べて配置されている。シリンジ設定部6は、図7を用いて後で説明する複数種類の大きさの異なるシリンジ200,300,400を、選択して着脱可能にはめ込んで固定することができる。
図1と図2に示すシリンジ設定部6は、シリンジ本体201を収容する収容部8と、クランプ5を有している。収容部8は、シリンジ本体201を収容するために、ほぼ断面半円形形状の凹部であり、X方向に沿って形成されている。収容部8の端部の壁部分には、チューブ203を着脱可能に挟み込むためのチューブ固定部9が形成されている。
【0017】
クランプ5を操作してシリンジ200をシリンジ設定部6から取り外す際には、クランプ5を図示しないスプリングの力に抗してY1方向(手前方向)に引っ張って、しかもR1方向に90度回すことで、シリンジ本体201はクランプ5による固定を解除して、収容部8のチューブ固定部9内から取り外すことができる。また、クランプ5を操作してシリンジ200をシリンジ設定部6に取り付ける際には、クランプ5を図示しないスプリングの力に抗してY1方向に引っ張ってR2方向に90度回して、スプリングの力によりY2方向に戻すことで、シリンジ本体201は収容部8のチューブ固定部9内に収容してクランプ5により固定することができる。クランプ5により、2.5mL,5mL,10mL,20mL,30mL,50mLの収容量のシリンジを固定することができるように、シリンジ載置部6の収容部8の右端部8Eは一部が切欠部となっている。
【0018】
シリンジ本体201は収容部8のチューブ固定部9内に収容して固定されると、シリンジ押子202がシリンジ押子駆動部7内に配置される。このシリンジ押子駆動部7は、スライダ10を有している。このスライダ10は、図2に示す制御部100からの指令により、シリンジ押子202の押子フランジ205を、シリンジ本体201に対して相対的にT方向に沿って少しずつ押す。これにより、シリンジ本体201内の薬剤をチューブ203と留置針204を通じて、患者Pに対して、通常、注入速度0.1〜150mL/hの範囲で、±1〜3%以内の精度で比較的長時間かけて送液することができる。
なお、図1と図2におけるX方向、Y方向、Z方向は互いに直交しており、Z方向は上下方向である。
【0019】
図2に示す表示部3は、各種の情報をカラー表示できる例えばカラー液晶表示装置である。表示部3における薬剤情報の表示内容例は、図3に示している。この表示部3の表示例は、一例であるので、特に限定されない。
図3に例示するように、表示部3は、例えば閉塞圧レベル表示3A,薬剤投与の予定量(mL)の表示欄3B、薬剤投与の積算量(mL)の表示欄3C、充電履歴の表示欄3D、電圧低下の表示欄3E、注入量(mL)の表示欄3Fの他に、薬剤ライブラリに関する表示欄20をカラー表示するようになっている。なお、図1と図2に示す表示部3の表示内容の図示例では、図面の簡単化のために省略している。
【0020】
ここで、薬剤ライブラリに関する表示欄20における表示例を、図3と図4〜図6を参照して説明する。
図4〜図6は、薬剤ライブラリに関する表示欄20における複数の表示例を示している。
薬剤ライブラリとは、薬剤名を含む薬剤の投与設定群のことであり、病院毎にカスタマイズ(特注)されて、ホストコンピュータ等の薬剤ライブラリデータベース(DB)に予め、更新、変更可能に登録しておき、シリンジポンプ1には、通信ポート140を介して、使用頻度の高い複数の薬剤を予め薬剤ライブラリから薬剤情報を含む薬剤を選択して不揮発性メモリ103(後述)に記憶しておき、その中から医療従事者が選択して投与する際に用いられる。図3と図4(A)に示すように、薬剤ライブラリに関する表示欄20には、薬剤ライブラリ選択メニュー21が表示されている。図示例では、薬剤ライブラリ選択メニュー21には、上から順番に、第1薬剤の名称欄22、第2薬剤の名称欄23、そして第3薬剤の名称欄24が表示されている。この第1薬剤の名称欄22には、例えば抗がん剤の名称が記載され、第2薬剤の名称欄23には、例えば輸血剤の名称が記載され、第3薬剤の名称欄24には、例えば栄養剤の名称が記載される。
【0021】
そして、この第1薬剤の名称欄22の表示色は、「危険」を感じやすい色が用いられ、特別に注意を引く色が選択使用される。このような色としては、例えば赤色であり、この赤色は薬剤としては注意喚起が必要な危険な薬剤であることを示している。第2薬剤の名称欄23の表示色は、第1の薬剤よりも危険度が低いことを感得させる色が選択され、例えば黄色(橙色)であり、この黄色は赤色の薬剤よりはやや危険ではない薬剤であることを示している。そして、第3薬剤の名称欄24の表示色は、第2の薬剤よりもさらに危険度が低いことを感得させる色が選択され、例えば青色であり、この青色は比較的危険ではない薬剤を示している。すなわち、第1薬剤の名称欄22、第2薬剤の名称欄23、そして第3薬剤の名称欄24は、互いに異なる色に色分けされており、色にそれぞれ危険性に関する程度の意味を持たせることで、医療従事者や患者が、それぞれの薬剤がどの程度危険であるかを、視覚的に注意喚起して、確実に区別して認識できるようになっている。
また、当該病院の病棟ごとに、過去の投与実績から危険性が高いとされた薬剤についても上述のように危険度に応じて赤色、黄色、青色で表示するようにしたり、新規に薬剤ライブラリに登録された薬剤についても、赤色、黄色、青色での表示の他に、その旨の注意を喚起する色を付加して表示するようにしてもよい。
このため、医療従事者は、薬剤を使用する際に注意喚起を必要とする薬剤であることを目視で確認することができる。
【0022】
医療従事者が、図2に示すメニュー選択ボタン4Eを押して、図4(A)に示す薬剤ライブラリ選択メニュー21の中の例えば第1薬剤の名称欄22を選択すると、図4(B)に示すように、薬剤ライブラリに関する表示欄20には、第1薬剤の名称欄22の送液量表示22Aと、「送液中」の表示22Bと、第1薬剤の名称欄22を有するカラー表示部32等が表示される。
また、医療従事者が図2に示すメニュー選択ボタン4Eを押して、図5(A)に示す薬剤ライブラリ選択メニュー21の中の第2薬剤の名称欄23を選択しても、図5(B)に示すように、薬剤ライブラリに関する表示欄20には、第2薬剤の名称欄23の送液量表示23Aと、「送液中」の表示23Bと、第2薬剤の名称欄23を有するカラー表示部33等が表示される。
また、医療従事者が図2に示すメニュー選択ボタン4Eを押して、図6(A)に示す薬剤ライブラリ選択メニュー21の中の第3薬剤の名称欄24を選択しても、図6(B)に示すように、薬剤ライブラリに関する表示欄20には、第3薬剤の名称欄24の送液量表示24Aと、「送液中」の表示24Bと、第3薬剤の名称欄24を有するカラー表示部34等が表示される。
なお、図4〜図6に示す送液量の数値は、例示であり、必ずしも実際に送液される量を示すものではない。これにより、医療従事者は、表示部3に表示された薬剤ライブラリに関する表示欄20を目視で確認することで、複数の薬剤の名称と対応する表示色を確認することができる。
【0023】
特に、図4(C)に示すように、赤色表示で危険な第1薬剤を使用している場合には、さらに医療従事者に対して注意喚起を促すために、図4(C)に示す薬剤ライブラリに関する表示欄20の斜線で示す背景領域40を、図4(B)に示す背景領域39とは変えて表示させることが望ましい。この図4(C)に示す薬剤ライブラリに関する表示欄20の斜線で示す背景領域40を、図4(B)に示す背景領域39と変えるやり方としては、背景領域40は、例えば背景色を変更したり、点滅表示させることができる。これに対して、図5(C)に示す黄色の第2薬剤の場合や、図6(C)に示す青色の第3薬剤の場合には、背景領域41には特に変更はしなくてよい。
これにより、医療従事者は薬剤を使用する際に注意喚起を必要とする薬剤であることを目視で確認する際に、薬剤の名称欄の背景の表示状態が変わるので、この薬剤が注意喚起を必要とすることをさらに目視で確認することができる。
【0024】
このような赤色表示で危険な第1薬剤は、例えば粘度が高くチューブ内を閉塞し易い薬剤や、常温では溶存酸素が出てきて気泡が混入し易く、低温管理する必要がある薬剤等であり、薬剤の特性に合わせて色表示を変えることができる。
また、使用対象である薬剤ライブラリに関して、その薬剤ライブラリの使用履歴から、過去にこの薬剤ライブラリが使用されたときに警報が起きたことがある場合には、図4(C)に示すように薬剤ライブラリに関する表示欄20の斜線で示す背景領域40を、例えば背景色を変更したり、点滅表示させることで、医療従事者に対して、視覚的に注意喚起して、確実に区別して認識できる。
【0025】
図7は、上述した複数種類の大きさのシリンジの例を示す斜視図である。
図1と図2では、最も薬剤の収容量が大きいシリンジ200が固定されている例を示している。図7(A)は、最も薬剤の収容量が大きいシリンジ200は、シリンジ本体201と、シリンジ押子202を有しており、シリンジ本体201は本体フランジ209を有し、シリンジ押子202は押子フランジ205を有している。シリンジ本体201には、薬剤の目盛210が形成されている。シリンジ本体201の出口部211には、フレキシブルなチューブ203の一端部が着脱可能に接続される。
図7(B)は、薬剤の収容量が中くらいのシリンジ300は、シリンジ本体301と、シリンジ押子302を有しており、シリンジ本体301は本体フランジ309を有し、シリンジ押子302は押子フランジ305を有している。シリンジ本体301には、薬剤の目盛310が形成されている。シリンジ本体301の出口部311には、フレキシブルなチューブ203の一端部が着脱可能に接続される。
【0026】
図7(C)は、最も薬剤の収容量が小さいシリンジ400は、シリンジ本体401と、シリンジ押子402を有しており、シリンジ本体401は本体フランジ409を有し、シリンジ押子202は押子フランジ205を有している。シリンジ本体401には、薬剤の目盛410が形成されている。シリンジ本体401の出口部411には、フレキシブルなチューブ203の一端部が着脱可能に接続される。
図7(A)に示すシリンジ200は、例えば薬剤の収容量が50mLであり、図7(B)に示すシリンジ300は、例えば薬剤の収容量が10mL、20mL、30mLであり、図7(C)に示すシリンジ400は、例えば薬剤の収容量が2.5mL、5mLである。シリンジ300,400は、図1と図2に示すシリンジ200と同様にして、収容部8のチューブ固定部9内に収容して固定して用いることができる。
【0027】
図7(A)に示す最も薬剤の収容量が大きいシリンジ200のシリンジ本体201には、赤色の薬剤識別ラベル52が貼り付けられ、図7(B)に示すシリンジ300のシリンジ本体301には、黄色の薬剤識別ラベル53が貼り付けられ、そして図7(B)に示すシリンジ400のシリンジ本体401には、青色の薬剤識別ラベル54が貼り付けられている。すなわち、図4(A)と図7(A)〜図7(C)を参照すると、第1薬剤の名称欄22の第1薬剤の名称と赤色と、薬剤識別ラベル52の第1薬剤の名称と赤色と、を一致させている。同様にして、第2薬剤の名称欄23の第2薬剤の名称と黄色と、薬剤識別ラベル53の第2薬剤の名称と黄色と、を一致させている。そして、第3薬剤の名称欄24の第3薬剤の名称と青色と、薬剤識別ラベル54の第3薬剤の名称と青色と、を一致させている。
これにより、医療従事者に対して、薬剤ライブラリ選択メニュー21に表示されている薬剤の種類と、実際に使用しているシリンジ200,300,400内に充填されている薬剤の種類が、一致しているかどうかを視覚的に注意喚起して、確実に区別して使用できるようになっている。
【0028】
次に、図8を参照して、図1と図2に示すシリンジポンプ1における電気な構成例を説明する。
図8において、シリンジポンプ1は、全体的な動作の判断、制御を行う制御部(コンピュータ)100を有している。この制御部100は、例えばワンチップのマイクロコンピュータであり、ROM(読み出し専用メモリ)101,RAM(ランダムアクセスメモリ)102、不揮発性メモリ103、そしてクロック104を有する。クロック104は、所定の操作により現在時刻の修正ができ、現在時刻の取得や、所定の送液作業の経過時間の計測、送液の速度制御の基準時間の計測等ができる。
【0029】
図8に示す制御部100は、電源スイッチボタン4Aと、スイッチ111が接続されている。スイッチ111は、電源コンバータ部112と例えばリチウムイオン電池のような充電池113を切り換えることで、電源コンバータ部112と充電池113のいずれかから制御部100に電源供給する。電源コンバータ部112は、コンセント114を介して商用交流電源115に接続されている。
図8において、収容部8内には、一対の検出スイッチ120,121が配置されている。検出スイッチ120,121は、シリンジ200のシリンジ本体201が、収容部8内に正しく配置されているかどうかを検知して、制御部100に通知する。クランプセンサ122は、クランプ5の位置状態を検知することで、シリンジ本体201がクランプ5により確実にクランプされているかどうかを、制御部100に通知する。
【0030】
シリンジ押子駆動部7のモータ133は、制御部100の指令によりモータドライバ134により駆動されると、送りネジ135を回転させてスライダ10をT方向に移動させる。これにより、スライダ10は、シリンジ押子202をT方向に押圧して、図2に示すシリンジ本体201内の薬剤を、チューブ203を通じて患者Pに対して留置針204を介して正確に送液する。
【0031】
図8において、表示部ドライバ130は、制御部100の指令により表示部3を駆動して、図3〜図6に例示する薬剤情報等を表示するようになっている。スピーカ131は、制御部100の指令により各種の警報内容を音声により告知することができる。
制御部100は、通信ポート140を通じて、デスクトップコンピュータのようなコンピュータ141に対して双方向に通信可能である。このコンピュータ141は、薬剤データベース(DB)150に接続されており、薬剤データベース150に格納されている薬剤情報MF(薬剤名、薬剤メーカー、注入量(mL)の上限・下限値、注入速度の(mL/h)の上限・下限値、禁忌情報)は、コンピュータ141を介して、制御部100の不揮発性メモリ103に記憶させることができる。制御部100は、記憶した薬剤情報MFを基にして、図3〜図6に例示する薬剤情報MF等を表示することができる。
図8において、早送りスイッチボタン4B、開始スイッチボタン4C、停止スイッチボタン4D、メニュー選択ボタン4Eは、制御部100に電気的に接続されている。
【0032】
次に、上述したシリンジポンプ1を使用する際の動作例を説明する。
図8に示す薬剤ライブラリのデータベース150には、例えば3000種類の薬剤が用意されている。図8に示すシリンジポンプ1の制御部100は、コンピュータ141を介して、このシリンジポンプ1を使用する病棟毎に関する薬剤情報MFを、この薬剤ライブラリ150から選択して、コンピュータ141と通信ポート140を通じて、不揮発性メモリ103に取り込む。あるいは、使用頻度の高い複数の薬剤情報は、予め薬剤ライブラリ150から薬剤情報を選択して通信ポート140を通じて、不揮発性メモリ103に取り込んでおく。この場合、病棟毎に使用頻度は異なるので、薬剤ライブラリのデータベース150を全部の病棟に共通の記憶領域、病棟毎の記憶領域に分けておくと、シリンジポンプ1へのダウンロードが容易となり、薬剤ライブラリのデータベース150における、データベースの変更、更新、削除が容易になる。
こうして、例えば、制御部100は、記憶した薬剤情報MFを基にして、図3〜図6に例示する薬剤情報MF等が表示部3において表示できる。
具体的な例として、医療従事者が、図1と図2に示すシリンジポンプ1を用いて、第1薬剤として抗がん剤、第2薬剤として輸血剤、そして第3薬剤としてビタミン含有剤を、通常、注入速度0.1〜150mL/hの範囲で、±1〜3%以内の精度で比較的長時間持続注入する場合を説明する。このため、図3に示す薬剤情報MFに含まれている薬剤ライブラリに関する表示欄20では、第1薬剤の名称欄22に抗がん剤の名称が記載され、第2薬剤の名称欄23に輸血剤の名称が記載され、第3薬剤の名称欄24にビタミン含有剤の名称が記載される。
【0033】
一方、図7(A)に示す最も薬剤の収容量が大きいシリンジ200のシリンジ本体201には、赤色の薬剤識別ラベル52が貼り付けられており、シリンジ本体201内には第1薬剤である抗がん剤が充填されている。図7(B)に示すシリンジ300のシリンジ本体301には、黄色の薬剤識別ラベル53が貼り付けられており、シリンジ本体301内には第2薬剤である輸血剤が充填されている。そして、図7(C)に示すシリンジ400のシリンジ本体401には、青色の薬剤識別ラベル54が貼り付けられており、シリンジ本体401内には第3薬剤である栄養剤が充填されている。
【0034】
すなわち、図4(A)と図7(A)〜図7(C)を参照すると、第1薬剤の名称欄22と薬剤識別ラベル52を予め赤色に一致させ、第2薬剤の名称欄23と薬剤識別ラベル53を予め黄色に一致させ、そして第3薬剤の名称欄24と薬剤識別ラベル54を予め青色に一致させている。これにより、医療従事者は、薬剤ライブラリ選択メニュー21に表示されている薬剤の種類と、実際に使用するシリンジ200,300,400内に充填されている薬剤の種類が、それぞれ一致しているかどうかを視覚的に注意喚起して、薬剤を選択する際に確実に区別して認識できる。
【0035】
図3と図4(A)に示す第1薬剤を、図2(B)に示すチューブ203と留置針204を介して患者Pに対して投与する場合には、医療従事者は、図2(B)に示すシリンジ200をシリンジ設定部6に設定してクランプ5を用いて固定する。図2(B)のチューブ203はチューブ固定部9にはめ込んで固定する。
この際に、医療従事者は、図4(A)に示す薬剤ライブラリ選択メニュー21に表示された第1薬剤の名称欄22の第1薬剤の名称の赤色と、図1と図2に示すシリンジ200の薬剤識別ラベル52に記載されている第1薬剤の名称と赤色が、一致しているかを目視で確認することができる。そして、メニュー選択ボタン4Eを押して、図4(A)に示す薬剤ライブラリ選択メニュー21の中の第1薬剤の名称欄22を選択して、開始スイッチボタン4Cを押して、スライダ10が図2(B)に示す押子フランジ305をT方向に押すことで、シリンジ本体201内の第1薬剤を、図2(B)に示すチューブ203と留置針204を介して患者Pに対して送液することができる。
【0036】
このように、第1薬剤を送液中は、図4(B)に示すように、薬剤ライブラリに関する表示欄20には、第1薬剤の名称欄22の送液量表示22Aと、「送液中」の表示22Bと、カラー表示部32が表示され、しかも図4(C)に示すように、赤色表示で危険な第1薬剤を使用しているので、さらに医療従事者に対して注意喚起を促すために、図4(C)に示す薬剤ライブラリに関する表示欄20の斜線で示す背景領域40を、例えば表示点滅させて表示させることができる。
これにより、医療従事者に対して、赤色の第1薬剤を送液していることをさらに視覚的に注意喚起することができる。第1薬剤を送液が終了すると、医療従事者は、図2(B)に示すクランプ5による固定を解除して、シリンジ200をシリンジ設定部6から外す。
【0037】
また、図3と図5(A)に示す第2薬剤を、図2(B)に示すチューブ203と留置針204を介して患者Pに対して投与する場合には、医療従事者は、図7(B)に示すシリンジ300を図2(B)のシリンジ設定部6に設定してクランプ5を用いて固定する。図2(B)のチューブ203はチューブ固定部9にはめ込んで固定する。この際に、医療従事者は、図5(A)に示す薬剤ライブラリ選択メニュー21に表示された第2薬剤の名称欄23の第2薬剤の名称の黄色と、図7(B)に示す薬剤識別ラベル53に記載されている第2薬剤の名称と黄色が、一致しているかを目視で確認することができる。そして、メニュー選択ボタン4Eを押して、図5(A)に示す薬剤ライブラリ選択メニュー21の中の第2薬剤の名称欄23を選択すると、開始スイッチボタン4Cを押して、図2に示すスライダ10は図7(B)に示す押子フランジ305をT方向に押すことで、シリンジ本体301内の第2薬剤を、図2(B)に示すチューブ203と留置針204を介して患者Pに対して送液することができる。
【0038】
このように、第2薬剤を送液中は、図5(B)と図5(C)に示すように、薬剤ライブラリに関する表示欄20には、第2薬剤の名称欄23の送液量表示23Aと、「送液中」の表示23Bと、カラー表示部33が表示される。これにより、医療従事者に対して、黄色の第2薬剤を送液していることをさらに視覚的に注意喚起することができる。第2薬剤を送液が終了すると、医療従事者は、図2(B)に示すクランプ5による固定を解除して、シリンジ300をシリンジ設定部6から外す。
【0039】
さらに、図3と図6(A)に示す第3薬剤を、図2(B)に示すチューブ203と留置針204を介して患者Pに対して投与する場合には、医療従事者は、図7(C)に示すシリンジ400を図2(B)のシリンジ設定部6に設定してクランプ5を用いて固定する。図2(B)のチューブ203はチューブ固定部9にはめ込んで固定する。この際に、医療従事者は、図6(A)に示す薬剤ライブラリ選択メニュー21に表示された第3薬剤の名称欄24の第2薬剤の名称の青色と、図7(C)に示す薬剤識別ラベル54に記載されている第3薬剤の名称と青色が、一致しているかを目視で確認することができる。そして、メニュー選択ボタン4Eを押して、図6(A)に示す薬剤ライブラリ選択メニュー21の中の第3薬剤の名称欄24を選択すると、開始スイッチボタン4Cを押して、図7(C)に示す押子フランジ405をT方向に押すことで、シリンジ本体401内の第3薬剤を、図2(B)に示すチューブ203と留置針204を介して患者Pに対して送液することができる。
【0040】
このように、第3薬剤を送液中は、図6(B)と図6(C)に示すように、薬剤ライブラリに関する表示欄20には、第3薬剤の名称欄24の送液量表示24Aと、「送液中」の表示24Bと、カラー表示部34が表示される。これにより、医療従事者に対して、青色の第3薬剤を送液していることをさらに視覚的に注意喚起することができる。第2薬剤を送液が終了すると、医療従事者は、図2(B)に示すクランプ5による固定を解除して、シリンジ400をシリンジ設定部6から外す。
【0041】
以上説明したように、病棟毎においてシリンジポンプ1を用いることにより、医療従事者が、この病棟毎において必要とする複数種類の薬剤を視覚的に確認にしながら確実に選択でき、複数種類の薬剤の選択ミスを視覚的に防ぐことができる。すなわち、医療従事者が、シリンジポンプ1において必要とする薬剤を選択する際に、識別用の色分けを施した表示色で表示された薬剤の名称欄を目視で確認することで、薬剤の選択ミスを視覚的に確実に防ぐことができる。
図9は、図1と図2に示す複数台のシリンジポンプ1を、設定スタンド70に搭載した例を示しており、必要に応じて複数台のシリンジポンプ1を同時に使用することができる。
【0042】
本発明の実施形態のシリンジポンプ1は、図7に示す例えば3種類の大きさの薬剤を収容するシリンジ200,300,400を着脱可能に設定するようにしているが、これに限らず2種類あるいは4種類以上のシリンジを設定することもできる。同様にして、図3に示すように、表示部3には、第1薬剤の名称欄から第3薬剤の名称欄を表示している例を示しているが、2種類あるいは4種類以上の薬剤の名称欄を表示するようにしても良い。
ところで、本発明は上記実施形態であるシリンジポンプに限定されず、本発明は輸液バッグに収納された薬剤を、設定された注入速度(mL/h)、注入量(mL)で患者に送液する輸液ポンプ等様々な修正と変更が可能であり、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変形が可能である。医療用ポンプとして、輸液バッグが適用される輸液ポンプの場合、輸液バッグに、色別された薬剤識別ラベルが貼付けられる。
上述では、危険な第1薬剤の色を赤色、第2薬剤の色を黄色、第3第2薬剤の色を青い色としたが、これらの色分けに限定されるものではなく、各医療施設で任意に色分けすることができる。
【符号の説明】
【0043】
1・・・シリンジポンプ、2・・・本体カバー、2A・・・本体カバーの上部分、2B・・・本体カバーの下部分、3・・・表示部、4・・・操作パネル部、4E・・・メニュー選択ボタン、5・・・クランプ、6・・・シリンジ設定部、7・・・シリンジ押子駆動部、8・・・収容部、9・・・チューブ固定部、20・・・薬剤ライブラリに関する表示欄、21・・・薬剤ライブラリ選択メニュー、22・・・第1薬剤の名称欄、22A・・・第1薬剤の名称欄の送液量表示、22B・・・「送液中」の表示、23・・・第2薬剤の名称欄、23A・・・第2薬剤の名称欄の送液量表示、23B・・・「送液中」の表示、24・・・第3薬剤の名称欄、24A・・・第3薬剤の名称欄の送液量表示、24B・・・「送液中」の表示、32、33,34・・・カラー表示部、40・・・薬剤ライブラリに関する表示欄20の斜線で示す背景領域、52,53,54・・・薬剤識別ラベル、100・・・制御部、200,300,400・・・シリンジ、201,301,401・・・シリンジ本体、202,302,402・・・シリンジ押子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤が充填されている薬剤収納容器から前記薬剤を患者に送液するための医療用ポンプであって、
薬剤ライブラリを記憶する記憶部、表示部、制御部を備え、
前記制御部の指示により、前記薬剤ライブラリから選択された各前記薬剤の名称欄に識別用の色分けを施した表示色で表示する表示部と
を有することを特徴とする医療用ポンプ。
【請求項2】
前記表示部には、前記識別用の表示色が施された複数の前記薬剤の名称欄を含む表示欄が表示されることを特徴とする請求項1に記載の医療用ポンプ。
【請求項3】
前記表示部に表示される各前記薬剤の名称欄の表示色が互いに異なる色に設定され、注意喚起を必要とする前記薬剤の名称欄の前記表示色は、使用者の注意を特別引く色を用いることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の医療用ポンプ。
【請求項4】
前記使用者の注意を特別に引く色として、赤色が選択されていることを特徴とする請求項3に記載の医療用ポンプ。
【請求項5】
前記制御部は、前記注意喚起を必要とする前記薬剤の名称欄の前記薬剤を前記患者に送液する際には、前記表示部は、前記薬剤の名称欄の背景の表示状態を変更させることを特徴とする請求項3に記載の医療用ポンプ。
【請求項6】
前記薬剤収納容器には薬剤識別ラベルが配置され、
前記表示部に表示される各前記薬剤の名称欄の名称と前記薬剤収納容器内に充填されている前記薬剤の名称とが同じである場合には、
前記表示部に表示される各前記薬剤の名称欄の表示色と、前記薬剤収納容器の前記薬剤識別ラベルの表示色が同じ色であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の医療用ポンプ。
【請求項7】
前記薬剤収納容器は、シリンジまたは輸液バッグであることを特徴とする請求項1または6に記載の医療用ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−179099(P2012−179099A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42449(P2011−42449)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】