説明

医療用処置具

【課題】 鉗子のブレードを患部にアプローチしやすくする。
【解決手段】 軸部の先端と後端にそれぞれ処理部(2)と基部を備え、処理部(2)が軸部に対し継手(4)を介して連結された医療用処置具において、上記継手(4)が、複数個の短管(4a,4b,4c,4d)と、短管(4a,4b,4c,4d)同士をそれらの共通軸を挟む二本の母線上で連結する可撓片(4e)とを有し、この継手(4)を介し処理部(2)が軸部(1)の先端で首振り可能とされたことから、継手(4)が細くかつ短くなり小さい曲率半径で屈曲可能となり、従って患部にアプローチしやすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉗子、鋏、キュレット、吸引管等の医療用処置具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉗子等の医療用処置具は鋏状に構成され、手元のレバーを操作して先端のブレードを開閉動作させ患部の組織等を除去したり、切除したりするようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来の医療用処置具は例えば鉗子であれば軸部の先でブレードを単に開閉動作させるようになっているだけであるから、患者の体内に確保したトンネル状の通路から鉗子を挿入した場合、通路の突き当たりの箇所については処置することができるが、この突き当りの周辺をある程度の広がりを持って処置することができないという問題がある。
【0004】
例えば、下垂体手術のような狭い箇所の手術では、腫瘍を取り除くためには一種類の鉗子で患部にアプローチすることが難しく、処理部の形状を変えた多種類の鉗子を使用して行われる。そのため、手術が煩雑となり術者と患者の双方に負担がかかるという問題がある。
【0005】
また、鉗子の軸部とブレードとの間にヒンジピン等を設けることによりブレードを首振り可能とすることで、上記問題を解決することも可能であるとも考えられるが、その場合は屈曲部の箇所が大径化したり長寸化したりし、却って患部にアプローチし難くなるという問題がある。また、ブレード等を遠隔操作するためのケーブル等を配置し難いという問題がある。
【0006】
したがって、本発明は上記不具合を解消することができる医療用処置具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、軸部(1)の先端と後端にそれぞれ処理部(2)と基部(3)を備え、処理部(2)が軸部(1)に対し継手(4)を介して連結された医療用処置具において、上記継手(4)が、複数個の短管(4a,4b,4c,4d)と、短管(4a,4b,4c,4d)同士をそれらの共通軸を挟む二本の母線上で連結する可撓片(4e)とを有し、この継手(4)を介し処理部(2)が軸部(1)の先端で首振り可能とされた医療用処置具を採用する。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の医療用処置具において、弾性を有する金属管の両側面にそれぞれ複数箇所にわたって切込(4f)を入れることにより、上記継手(4)の短管(4a,4b,4c,4d)及び可撓片(4e)が形成された医療用処置具を採用する。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の医療用処置具において、上記継手(4)の内壁面に、継手(4)を屈曲操作する伝動用線体(26a,26b)の通る溝(4g)が形成された医療用処置具を採用する。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の医療用処置具において、上記継手(4)の中空内にコイルスプリング(10)が挿入された医療用処置具を採用する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、軸部(1)の先端と後端にそれぞれ処理部(2)と基部(3)を備え、処理部(2)が軸部(1)に対し継手(4)を介して連結された医療用処置具において、上記継手(4)が、複数個の短管(4a,4b,4c,4d)と、短管(4a,4b,4c,4d)同士をそれらの共通軸を挟む二本の母線上で連結する可撓片(4e)とを有し、この継手(4)を介し処理部(2)が軸部(1)の先端で首振り可能とされたことから、継手(4)が細くかつ短くなり小さい曲率半径で屈曲可能となり、従って患部にアプローチしやすくなる。また、処理部(2)や継手(4)を操作するためのケーブル、ロッド等を継手(4)の内部の空洞内に収納することができ、従ってこの点からも患部にアプローチしやすくなる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に記載の医療用処置具において、弾性を有する金属管の両側面にそれぞれ複数箇所にわたって切込(4f)を入れることにより、上記継手(4)の短管(4a,4b,4c,4d)及び可撓片(4e)が形成されたことから、継手(4)を簡易に製作することができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の医療用処置具において、上記継手(4)の内壁面に、継手(4)を屈曲操作する伝動用線体(26a,26b)の通る溝(4g)が形成されたことから、継手(4)を屈曲操作するワイヤ、ロッド等の伝動用線体(26a,26b)を継手(4)の内壁面の溝(4g)内に収めることができ、伝動用線体(26a,26b)を円滑に案内することができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の医療用処置具において、上記継手(4)の中空内にコイルスプリング(10)が挿入されたことから、継手(4)の空洞内に人体の組織等が入り込み難くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0016】
図1乃至図5に示すように、この医療用処置具である鉗子は、軸部1の先端と後端にそれぞれ処理部2と基部3を備える。
【0017】
軸部1は、剛性のある例えばステンレス鋼製のパイプ1aで形成され、鼻腔等に挿入可能に細長く形成される。
【0018】
処理部2は、図1〜図4、図6〜図8に示すように、鉗子用の一対のブレード2a,2bを備える。一対のブレード2a,2bはホルダ5に回動可能に支持される。一対のブレード2a,2bの後端はホルダ5の先端に形成された縦溝内の上下にそれぞれ挿入され、縦溝を横断する各支点ピン6によりホルダ5に枢着される。また、各ブレード2a,2bからは支点ピン6を越えて上記縦溝内で重畳するアーム7が突出し、アーム7は重なり合った状態でスライダ8の先端に一本の枢ピン9で連結される。スライダ8はホルダ5を前後方向に貫通するガイド孔5a内にスライド可能に挿入される。図8(A)〜(D)に示すように、スライダ8がホルダ5のガイド孔5a内を前方にスライドすると一対のブレード2a,2bが開き、逆に後方にスライドすると図8(D)〜(A)に示すように一対のブレード2a,2bが閉じる。
【0019】
処理部2は、図1乃至図3に示すように、軸部1の先端に屈曲可能な継手4を介し連結され、図7に示すように、平面上での首振り動作が可能になっている。
【0020】
図6、図7及び図9(A)〜(E)に示すように、継手4は、複数個の短管4a,4b,4c,4dと、短管4a,4b,4c,4d同士をそれらの共通軸を挟む二本の母線上で隙間が空くように連結する可撓片4eとを有する。両端の短管4a,4dはホルダ5と軸部1に連結するので多少長めに形成されるが、中間の短管4b,4cは外径に比べ長さが短い筒体として形成される。可撓片4eは短管4a,4b,4c,4dの端面間において半径方向及び軸方向に延びる板片として形成される。継手4は短管と可撓片とを別個に形成した後で接合することによっても作ることができるが、この実施の形態では、弾性を有する金属管の両側面にそれぞれ複数箇所にわたって半径方向に切込4fを入れることにより短管4a,4b,4c,4d及び可撓片4eが当初から一体で形成され、短管4a,4b,4c,4d同士の間に隙間が形成される。切込4fは図9(A)に示すように半径方向に入れた後に更に軸方向に延長することにより、上記可撓片4eをより長く形成し、板バネを屈曲しやすくすることができる。継手4の短管4b,4c及び可撓片4eは自在に増減可能であり、その増減により処理部2の屈曲角や屈曲方向を適宜変更することができる。金属管としては例えばNi−Ti合金やステンレス鋼を用いることができ、ワイヤカットとマシニングセンタを使用して金属管から継手4を切り出すことができる。
【0021】
また、継手4の内壁面には、継手4を屈曲操作するための図7に示すような伝動用線体であるケーブル26a,26bの通る溝4gが形成される。この溝4gは継手4の内壁面の円筒面において、上記可撓片4eの位置と90度位相がずれた二本の母線上に夫々形成される。伝動用線体としてはケーブル26a,26bのほか、ワイヤ、ロッド等を用いることができるが、この実施の形態では屈曲自在なケーブルが用いられる。二本のケーブル26a,26bが継手4の内面の各溝4g内にスライド可能に収納される。
【0022】
この継手4の後端には、図9(C)(E)に示すように大径の保持穴4hが形成され、この保持穴4h内に軸部1のパイプ1aの先端が挿入され固定される。また、継手4の前端には、図9(C)に示すように大径の係合穴4iが形成され、この係合穴4i内に図8に示すように上記ホルダ5の後部が挿入され保持される。これにより、継手4が図7に示すごとく平面上で屈曲すると、処理部2のブレード2a,2bは軸部1の先で継手4が屈曲する方向に首振り動作することになる。
【0023】
図6及び図7に示すように、上記継手4の中空内にはコイルスプリング10が挿入される。コイルスプリング10は継手4の内側から切込4fを遮蔽するように設けられる。これにより、継手4の空洞内に人体の組織等が入り込み難くし、洗浄、殺菌等を行いやすくすることができる。
【0024】
上記処理部2のブレード2a,2bは、継手4と共に首振り動作が可能なだけでなく継手4上で軸回りに回転可能でもある。すなわち、図8に示すように、ホルダ5の後部の外周には環状溝12が形成され、この環状溝12内に継手の先端に植設されたガイドピン13が挿入される。これにより、スライダ8が軸回りに捩られると、ブレード2a,2b等を介しスライダ8に連結されたホルダ5が、ガイドピン13と環状溝12との摺接作用で継手4に対し軸回りに回転する。
【0025】
基部3は、図1乃至図5に示すように、その前部で軸部1の後端を保持し、その下側には術者が把持するハンドル14が設けられる。また、基部3には、ハンドル14を持つ術者の指で操作しうるように、ブレード開閉操作部15と、ブレード回転操作部16と、ブレード首振り操作部17とが設けられる。
【0026】
ブレード開閉操作部15は、図1乃至図5に示すように、開閉操作レバー15aと、開閉操作レバー15aの動きをブレード2a,2bに伝達する伝動用線体であるワイヤ18とを具備する。開閉操作レバー15aは、ハンドル14を持つ手の指で引くことができるように基部3に支点ピン19を介して保持され、基部3に埋設された弾性体である圧縮コイルバネ32により同じく基部3に埋設されたプランジャ33を介し常時前方に付勢される。ワイヤ18は、ブレード2a,2b後方のスライダ8と開閉操作レバー15aとの間に伝動可能に掛け渡される。具体的には、ワイヤ18は上記軸部1と上記継手4の中空内を前後方向に貫通し、その前端は図8に示すようにスライダ8に連結される。また、後端は軸部1の中空に連通するように基部3に形成された貫通孔を後方に貫通し長さ調整具21に連結される。
【0027】
長さ調整具21は、具体的にはコレットチャックであり、基部3の後端にて貫通孔内に挿入され回動可能に保持されるコレット21aと、コレット21aの外周に螺合するナット21bとを具備する。コレット21aには図示しない複数個のすり割り溝が形成され、ナット21bの回転により縮径するようになっている。ワイヤ18をコレット21aに通しブレード2a,2bの開閉に都合のよい長さに調整した後、ナット21bを回することによりコレット21aでワイヤ18を締め付け固定することができる。
【0028】
ワイヤ18と開閉操作レバー15aとは直結してもよいが、この実施の形態では図1に示すように凹凸部の係合を介して動力的に連結される。すなわち、環状凹溝23aを有するパイプ23がワイヤ18に固着され、このパイプ23及びワイヤ18が開閉操作レバー15aに形成された通孔22を前後方向に貫通する。そして、開閉操作レバー15aの通孔22内に形成された突起22aがパイプ23の環状凹溝23aに嵌り込んでいる。
【0029】
これにより、開閉操作レバー15aは上記圧縮コイルバネ32によりプランジャ33を介して背後から押されて図1中実線で示す位置に停止し、その突起22aが環状凹溝23aを介してパイプ23及びワイヤ18を前方にスライドさせる。その結果、ブレード2a,2bが図1及び図8(D)に示すように開いた状態となる。そこで、開閉操作レバー15aが圧縮コイルバネ32の付勢力に抗して引かれると、開閉操作レバー15aの突起22aが環状凹溝23aを介してパイプ23及びワイヤ18を後方にスライドさせ、その結果図8(C)〜(A)のごとく、ブレード2a,2bが閉じる。
【0030】
ブレード回転操作部16は、図1乃至図5に示すように、回転操作ダイアル16aを備える。回転操作ダイアル16aは、上記基部3に回動可能に連結されたコレット21aに固着され、上記ハンドル14を持つ手の指で回転操作ダイアル16aを回すと、ワイヤ18が軸回りに回転する。上述のごとくワイヤ18の先端はスライダ8を介しブレード2a,2bのアーム7に連結されているので、回転操作ダイアル16aの回転に伴いブレード2a,2bも軸回りに回転する。
【0031】
ブレード首振り操作部17は、図1、図2、図6及び図7に示すように、首振り操作ダイアル17aと、首振り操作ダイアル17aの動きを処理部2に伝達する伝動用線体であるケーブル26a,26bとを具備する。首振り操作ダイアル17aは基部3における開閉操作レバー15aよりもやや前方に支点軸27を介し軸支される。図1及び図2に示すように、首振り操作ダイアル17aの下方の基部3内には、左右二つの滑り子25a,25bが前後方向にスライド自在に配置され、各滑り子25a,25bにケーブル26a,26bの後端がそれぞれ連結される。また、各滑り子25a,25bにはローラ状のカムフォロア31が取り付けられ、操作ダイアル17aにはカムフォロア31が入り込む空洞30が形成され、空洞30内に偏心カム30aが設けられる。偏心カム30aは図2に示すように初期位置において左右の両カムフォロア31に左右対称的に接触する。ケーブル26a,26bは上記ワイヤ18を間に挟むように軸部1内を前方に貫通して伸び、さらに継手4の溝4g内を前方に貫通して伸び、それぞれの前端がホルダ5に連結される。
【0032】
これにより、上記ハンドル14を持つ手の指で首振り操作ダイアル17aを回すと、偏心カム30aとカムフォロア31との摺接により左右の滑り子25a,25bが基部3内を互いに前後逆向きにスライドし、これに伴い左右のケーブル26a,26bが軸部1及び継手4内を互いに逆向きにスライドする。その結果、図7(B)に示すように継手4が平面上で屈曲し、首振り操作ダイアル17aの回転方向に応じて処理部2のブレード2a,2bが継手4と共に首を振る。
【0033】
また、首振り操作ダイアル17aの外周面には多数の凹溝20が所定のピッチで形成され、基部3内にはいずれかの凹溝20に嵌り込む凸片20aが設けられる。凸片20aは図示しないスプリングにより常時凹溝側に付勢される。凸片20aと凹溝20との係合により、ブレード2a,2b及び継手4は所望の首振り位置に保持される。
【0034】
次に、上記構成の医療用処置具の作用について説明する。
【0035】
図10に示すように、例えばこの治療用処置具を下垂体の腫瘍Aの摘出に使用するものとする。まず、図示しない鼻鏡を鼻孔Bから下垂体の方へと挿入し、鼻鏡をガイドとして内視鏡Cを下垂体へと挿入し、内視鏡Cにより患部を照明する。
【0036】
術者が医療用処置具のハンドル14を持ち、開閉操作レバー15aを図示しない弾性体の付勢力に抗して後方へと引く。これにより、ワイヤ18が軸部1及び継手4の内部を後方にスライドし図8(D)〜(A)のごとくブレード2a,2bを閉動作させる。
【0037】
鼻鏡をガイドとしてこの閉じたブレード2a,2bから軸部1を鼻孔B内に挿入する。ブレード2a,2bが下垂体の腫瘍Aに到達すると開閉操作レバー15aを解放する。弾性体の復元作用により開閉操作レバー15aが元の位置に復帰し、これに伴い図8(A)のごとくブレード2a,2bが開く。
【0038】
続いて、回転操作ダイアル16aや首振り操作ダイアル17aを、ハンドル14を持つ手の指で操作し、ブレード2a,2bを軸回りに回転させ、或いは首振り動作させて、ブレード2a,2bを腫瘍Aに接近させる。その際、ワイヤ18やケーブル26a,26bは軸部1及び継手4の内部をスライドする。
【0039】
そこで、開閉操作レバー15aを引き操作し、図8(D)〜(A)のごとくブレード2a,2bを閉動作させ、ブレード2a,2bで腫瘍Aを掴み、首振り操作ダイアル17aを逆向きに操作してブレード2a,2bを軸部1の延長線上に戻した後、軸部1を鼻鏡外に引き出す。これにより、腫瘍Aが体外に除去される。
【0040】
上記操作を腫瘍Aの大きさに応じて繰り返し行い、腫瘍Aの全体を体外に摘出する。
【0041】
このように、軸部1を患者の体内に挿入した場合に基部3の首振り操作部17を操作して継手4の箇所で処理部2を首振り動作させることができるので、患者の体内における処理部2の突き当りの周辺をある程度の広がりを持って処置することができる。また、継手4は細くかつ短いので小さい曲率半径で屈曲可能であり、従って下垂体の腫瘍Aのごとき小さい患部に対してもアプローチしやすい。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば上記実施の形態では内視鏡手術用の鉗子として説明したが、鋏、キュレット、吸引管等の医療用処置具についても適用可能である。鋏、キュレット、吸引管の場合は処理部がそれぞれ一対の刃、キュレット片、吸引口として構成される。吸引管として使用する場合は、軸部等に挿入されるワイヤに代えて吸引パイプが挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る医療用処置具である鉗子の正面図である。
【図2】図1に示す鉗子の平面図である。
【図3】図1に示す鉗子の底面図である。
【図4】図1に示す鉗子の左側面図である。
【図5】図1に示す鉗子の右側面図である。
【図6】図1に示す鉗子の処理部及び継手の拡大正面図である。
【図7】(A)は図1に示す鉗子の処理部近傍の拡大正面図、(B)は継手が屈曲し処理部が首を振った状態を示す拡大正面図である。
【図8】図7(A)中、VIII−VIII線矢視断面図であり、(A)〜(D)は処理部であるブレードが徐々に開く過程を示す。
【図9】継手を示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は(B)図中C−C線矢視断面図、(D)は(B)図中D−D線矢視断面図、(E)は右側面図である。
【図10】図1に示す鉗子を使用した手術例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1…軸部
2…処理部
3…基部
4…継手
4a,4b,4c,4d…短管
4e…可撓片
4f…切込
4g…溝
10…コイルスプリング
26a,26b…ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部の先端と後端にそれぞれ処理部と基部を備え、処理部が軸部に対し継手を介して連結された医療用処置具において、上記継手が、複数個の短管と、短管同士をそれらの共通軸を挟む二本の母線上で連結する可撓片とを有し、この継手を介し処理部が軸部の先端で首振り可能とされたことを特徴とする医療用処置具。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用処置具において、弾性を有する金属管の両側面にそれぞれ複数箇所にわたって切込を入れることにより、上記継手の短管及び可撓片が形成されたことを特徴とする医療用処置具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の医療用処置具において、上記継手の内壁面に、継手を屈曲操作する線体の通る溝が形成されたことを特徴とする医療用処置具。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の医療用処置具において、上記継手の中空内にコイルスプリングが挿入されたことを特徴とする医療用処置具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−102093(P2006−102093A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292433(P2004−292433)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000193612)瑞穂医科工業株式会社 (53)
【出願人】(504373554)サンエー精工株式会社 (4)
【Fターム(参考)】