説明

医療装置の移送のための装置及び方法

医療装置から延在する支柱(200)は、第1及び第2支持構造の間における医療装置の移送を円滑に実行する。第1及び第2構造のそれぞれは、取付レセプタクル(115、151)を含み、これらの取付レセプタクルは、支柱を受け入れることにより、レセプタクルの軸に沿った支柱の位置に応じて、支柱の周りにおいて緊密に又は緩く嵌合するべく構成されている。第1レセプタクル(115)が、支柱を保持し、且つ、第1方向において移動した際に、支柱は、第2レセプタクル(151)内に移動可能であり、次いで、第2レセプタクルを第2方向に移動させることにより、支柱の周りにおいて第2レセプタクルを締め付け、且つ、第1レセプタクルを緩める。第2レセプタクルが支柱を保持している際には、支柱が第1レセプタクルに進入する時点まで第1レセプタクルを第1方向に移動可能であり、且つ、次いで、第2レセプタクルを第2方向とは反対の方向に移動させることにより、支柱の周りにおいて第2レセプタクルを緩め、且つ、第1レセプタクルを締め付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療装置用の方法及び付属品に関し、且つ、更に詳しくは、医療装置の移送を円滑に実行する方法及び付属品に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、診断のための造影及び/又は治療の適用に有用なものなどの多くのタイプの外部医療装置は、しばしば、少なくとも2つの取付又は支持構造の間において移送する必要がある。支持構造の第1のものは、例えば、病院又は診療所内において医療装置を搬送するカートなどの1つの場所から別の場所に医療装置を移送するのに有用なものであってよく、且つ、支持構造の第2のものは、例えば、病室、手術室、又は診断室内において患者用のベッド又はテーブルの近傍に永久的に配置されるものであってよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しばしば、これらの外部医療装置は、その重量が相対的に大きく(或いは、嵩張る場合があり)、この結果、これらの装置の1つの支持構造から別の支持構造への移送を担当する操作者は、その装置の重量を安全に処理するだけでなく、その装置を1つの構造から安全に解放すると共にもう1つの構造に対して安全に取り付けることを保証するべく、特定レベルの体力と協調の感覚を備えている必要がある。従って、医療装置の移送を円滑に実行するための装置及び方法に対するニーズが存在している。
【0004】
添付の図面は、本開示の特定の方法及び実施形態を例示するためのものであり、且つ、従って、本発明の範囲を限定するものではない。これらの図面は、(特記されていない限り)縮尺が正確ではなく、且つ、以下の詳細な記述における説明との関連において使用されるべく意図されている。以下、同一の符号によって同一の要素を表記している添付図面との関連において、方法及び実施形態について説明することとする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本開示の実施形態をそれぞれが利用可能である第1及び第2支持構造との関連における医療システムの斜視図である。
【図2】いくつかの実施形態による装置移送パッケージ又はシステムに包含可能な様々な要素の斜視図である。
【図3】いくつかの実施形態による装置移送パッケージ又はシステムに包含可能な様々な要素の斜視図である。
【図4】いくつかの実施形態による装置移送パッケージ又はシステムに包含可能な様々な要素の斜視図である。
【図5A】本開示のいくつかの方法を示す概略図である。
【図5B】本開示のいくつかの方法を示す概略図である。
【図5C】本開示のいくつかの方法を示す概略図である。
【図5D】本開示のいくつかの方法を示す概略図である。
【図5E】本開示のいくつかの方法を示す概略図である。
【図6】いくつかの実施形態による支持構造に取り付けられた医療装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、その特性が例示を目的としたものであり、従って、本発明の範囲、適用性、又は構成をなんら限定することを意図したものではない。むしろ、以下の説明は、例示用の方法及び実施形態を実施するための実際的な実例を提供している。当業者は、提供されている例の多くが、利用可能な適切な代替肢を有することを認識するであろう。
【0007】
図1は、医療装置100を含む医療システムの斜視図である。装置100を第1支持構造110に取り付けるべく、装置から延在する細長い支柱120が示されている。図1は、第1支持構造110を、第2支持構造150の近傍に転動されてきたカートとして示している。図示の実施形態によれば、第2支持構造150は、患者テーブル10のレールによって形成されており、例えば、医療装置100から行われる造影剤の注入によって円滑に実施される血管造影などの診断造影のために、この患者テーブル上に患者を配置可能である。尚、医療装置100は、血管造影のための造影剤注入装置として示されているが、例えば、その他のタイプの造影及び/又は治療の適用に有用な任意のその他のタイプの医療装置を、本開示の医療システムに含んでもよく、且つ/又は、本開示の装置移送システム及び/又は方法から利益を享受するように構成してもよいことに留意されたい。
【0008】
図1は、装置100の取付けのために細長い支柱120がその内部に挿入されるカート110の取付具115と、例えば、図5E及び図6に示されているように、医療装置100を取り付け可能なレール150の取付具151と、を更に示している。いくつかの実施形態によれば、支柱120は、医療装置100と一体化されており、且つ、例えば、カート110からレール150へ、且つ/又は、レール150からカート110へなど、2つの支持構造の間における装置100の移送を円滑に実行するべく構成されている。或いは、この代わりに、別個の細長い支柱が、移送を円滑に実行するように構成され、且つ、支柱120が、この別個の支柱と相互交換可能となるように構成されるか又はこの別個の支柱を受け入れるように適合される。
【0009】
図2は、いくつかの実施形態による細長い移送支柱200の斜視図である。図2は、支柱200を示しており、この支柱は、長手方向の軸1に沿って実質的にアライメントされており、且つ、第1端部201と、第1及び第2テーパー化セグメント210、220と、これらのテーパー化セグメント210、220の間に延在する移送セグメント260と、を含む。いくつかの実施形態によれば、テーパー化セグメント210及び220は、支柱200の截頭円錐部分によって形成され、これらの截頭円錐部分のそれぞれは、実質的に軸1に沿ってアライメントされている。図2は、第2テーパー化セグメント220の小さい直径224から延在する任意選択の第2移送セグメント270を更に示している。第1端部201は、任意選択の第3テーパー化セグメント230の小さい直径235と一致するように示されており、この第3テーパー化セグメントは、直径235から大きな直径236にテーパー化されており、且つ、医療装置100の取付ボア(図示されてはいない)内に受け入れられるべく構成されている(図1及び図6)。取付けボアは、支柱200がその内部に取り付けられた際に支柱200がカート110の取付具115内に延在できるように、支柱120の端部内に配置してもよく、或いは、取付ボアは、医療装置100の下部又は側壁内に配置してもよく、且つ、支柱120は、支柱120を移送支柱200と交換できるように、そこから着脱自在であってもよい。代替実施形態によれば、前述のように、図1の支柱120も、移送支柱200のように、例えば、第1及び第2テーパー化セグメント210、220と、少なくとも移送セグメント260(並びに、任意選択により、移送セグメント270)と、を含むように構成してもよい。
【0010】
図2を更に参照すれば、第1テーパー化セグメント210は、大きな直径211から移送セグメント260に隣接した小さな直径212までテーパー化されるように示されており、且つ、第2テーパー化セグメント220は、大きな直径223から移送セグメント270に隣接した小さな直径224までテーパー化されるように示されている。図示の実施形態によれば、テーパー化セグメント210、220のそれぞれは、例えば、図3及び図4に示されているもののような対応する取付具115、151の取付レセプタクル内に嵌合するように適合されている。
【0011】
図3及び図4は、それぞれ、いくつかの実施形態による取付具115及び151の斜視図である。図3は、長手方向軸3に沿って延在すると共に半径方向の開口部351及び軸方向の開口部353を含む取付具115の取付レセプタクル305を示しており、且つ、図4は、長手方向軸4に沿って延在すると共に半径方向の開口部451及び軸方向の開口部453を含む取付具151の取付レセプタクル405を示している。いくつかの好適な実施形態によれば、支柱200の第1テーパー化セグメント210は、例えば、半径方向の開口部351を通じた直径212の軸方向の運動を介して取付レセプタクル305内に受け入れられるべく構成されており、且つ、第2テーパー化セグメント220は、例えば、半径方向の開口部451を通じた直径224の軸方向の運動を介して取付レセプタクル405内に受け入れられるべく構成されている。それぞれの取付レセプタクル305及び405内におけるテーパー化セグメント210及び220の受入及び嵌合については、更に詳細に後述することとする。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、取付レセプタクル305及び405のそれぞれは、それぞれ、テーパー化された内側表面356及び456を有しており、これらの内側表面は、それぞれの開口部351、451における大きな直径からそれぞれのレセプタクル305、405内の小さな直径までテーパー化されている。内側表面356、456は、いくつかの実施形態によれば、例えば、好ましくは、アルミニウムである金属や硬質プラスチックなどの相対的に硬い材料から形成してもよい。図2を再度参照すれば、いくつかの実施形態によるテーパー化セグメント210、220のそれぞれも、同様に、それぞれの内側表面356、456との摺動係合を許容するべく、金属又は硬質プラスチックなどの十分に硬い材料から形成されてもよいが、いくつかの好適な実施形態によれば、テーパー化セグメント210、220を形成する材料は、例えば、摩損を回避するべく、内側表面356、456を形成する材料ほどには硬くない。いくつかの例示用の実施形態によれば、セグメント210、220、230のそれぞれは、例えば、(DuPont(商標)社から入手可能な)Delrin(登録商標)アセタル樹脂などのポリアセタル樹脂のような相対的に硬いプラスチックから形成され、且つ、支柱200の相対的に硬いコア290上に取り付けられており、コアは、ステンレススチールから形成してもよい。
【0013】
支持構造の間において医療装置100などの医療装置を移送するのに有用なパッケージ又はシステムに、取付具115、151及び支柱200のそれぞれを含めてもよい。図3は、いくつかの実施形態によるカート110に対する着脱自在の装着を円滑に実行できるボア320を含む取付具115を示しているが、いくつかの好適な実施形態によれば、取付具115は、カート110と一体になったコンポーネントである。図4は、一対の留め具45と、図1、図5A〜図5E、及び図6に示されているように、例えば、レール150などの支持構造の一部の周りに嵌合するべく構成された溝450と、を含む取付具151を示しており、留め具45は、それぞれ、支持構造の一部上の固定場所において取付具151を固定するべく、締め付けてもよく、且つ、例えば、レール150などの支持構造の一部に沿って取付具151の場所を調節するべく、緩めてもよい。
【0014】
図5Aは、本開示のいくつかの方法を示す一連の概略図のうちの第1の概略図である。図5Aは、移送支柱200が装置100の下部から下方に延在するように医療装置100に対して装着された移送支柱200を示している。図示の実施形態によれば、移送支柱200は、例えば、第1支持構造510の取付具115が装置100を保持及び/又は支持可能なように、医療装置100に堅固に固定されている。移送支柱200及び医療装置100を(図5Aに示されているように)取付具115によって支持された状態とする方式については、図2及び図3を参照して説明可能である。例えば、支柱200の移送セグメント260は、レセプタクル350の軸方向の開口部353を通じた移送セグメント260の運動を容易にする長さL1及び直径を有する。いくつかの実施形態によれば、移送セグメント260の長さL1は、軸方向の開口部353の長さよりも長く、且つ/又は、移送セグメント260の直径は、軸方向の開口部353の幅よりも小さい。いくつかの実施形態によれば、軸方向の開口部353は、この軸方向の開口部を通じた、且つ、レセプタクル305内への、移送セグメント260のガイドを容易にするべく、テーパー化されてもよい。移送セグメントがレセプタクル305内に移動したら、第1テーパー化セグメント210の小さな直径212は、レセプタクル305の半径方向の開口部351の上方において、実質的にアライメントされた状態となる。次いで、支柱200の第1テーパー化セグメント210の小さな直径212は、半径方向の開口部351を通じて取付レセプタクル305内に軸方向に運動可能であり、この結果、第1テーパー化セグメント210の外側表面は、取付レセプタクル305の内側表面356に対して楔留めされ、且つ、重力により、取付レセプタクル内において保持されることになる。
【0015】
図5Aは、装置100を第1支持構造510から取付具151が装着された第2支持構造550(例えば、図1のレール150)に移送するべく、支柱200を第1支持構造510(例えば、図1のカート110)の取付具115を介して移動させる方向を表す矢印A1を示している。図5Bとの関連において図5Aを参照すれば、矢印A1に沿った取付レセプタクル405の軸方向の開口部453への進入のために、第2移送セグメント270が取付具115によってアライメントされていることが理解されよう。いくつかの代替実施形態によれば、移送支柱200は、第2移送セグメント270を必要とすることなしに、第2テーパー化セグメント220の小さい直径224の近傍において終端してもよく、この場合には、取付具151の取付レセプタクル405は、いくつかの実施形態によれば、軸方向の開口部453を含む必要がないことに留意されたい。但し、いくつかの好適な実施形態は、例えば、図5Bに示されているように、取付レセプタクル405の半径方向の開口部451の上方における第2テーパー化セグメント220のアライメントを円滑に実行するべく、第2移送セグメント270を含む。図5Aを更に参照すれば、両方向矢印「f」は、矢印A1と略直交していると共に、図5Aに示されているように、半径方向の開口部351及び451を相互にオフセットさせるべく、取付具115、151のうちの1つ又は両方を当初移動させておいてもよい方向を示している。
【0016】
図5Bは、取付具151を移動させてもよい方向を表す矢印B1を更に示しており、矢印B1の方向は、図5Aの矢印A1が表すものと略直交している。図示の方法によれば、取付具115及び支柱200は、支柱200のテーパー化セグメント220の周りにおける取付レセプタクル405の嵌合を締め付けるべく、取付具151が矢印B1に沿って移動している間、静止状態に留まる。図2及び図4を再度参照すれば、支柱200の第2テーパー化セグメント220は、半径方向の開口部451が軸方向においてセグメント220の小さな直径224を過ぎて矢印B1に沿って移動した際に(或いは、この逆も又同様であって、小さな直径224が半径方向の開口部451を過ぎてレセプタクル405内に移動した際に)、第2テーパー化セグメントの外側表面が取付レセプタクル405の内側表面456に対して楔留めされるように構成されていることが理解されよう。又、図5Bは、取付具151及び第2支持構造550が相対的に静止した状態に留まっている間に、取付具151との関係において(支柱200及び装置100に沿って)取付具115を移動させてもよい方向を表す矢印B2をも示している。
【0017】
図5Cは、支柱200のセグメント220の周りにおける取付レセプタクル405の締め付けられた嵌合を示しており、これは、重力と共に、医療装置100を支持するべく十分なものであろう。図5Cは、レセプタクル405内において支柱200を更に固定するべく任意選択の固定部材205を回転させてもよい方向を表す矢印C1を更に示している。図2を再度参照すれば、固定部材205は、任意選択の固定メカニズム275の一部として示されており、この固定メカニズムは、第2移送セグメント270上に形成されており、且つ、噛合するねじ山207の組を更に含む。図示の実施形態によれば、固定部材205は、軸方向の開口部451を通じたレセプタクル405から外への支柱200の第2テーパー化セグメント220の軸方向の運動を防止するべく、図5Dに示されているように、ねじ山207と係合するナットタイプの留め具である。図2を更に参照すれば、第2移送セグメント270の長さL2と、その直径とは、第2移送セグメント270が、図5Bに示されているように、レセプタクル405の軸方向の開口部453を通過できるようなものになっていることが理解されよう。
【0018】
図5Dは、取付具151が、図5Cに示されている位置から移動した方向を表す矢印D1を示しており、この運動は、矢印B1に沿った以前の運動に対して平行である。図示の方法によれば、矢印D1に沿った取付具151の運動は、第1支持構造510の取付具115との関係において支柱200及び医療装置100をも運動させ、これにより、図5Eに示されているように、第1支持構造510が支柱200及び医療装置100から分離される際に、支柱200の第1テーパー化セグメント210の周りにおける取付レセプタクル305の嵌合を緩め、且つ、取付レセプタクル305の軸方向の開口部353を通過するように支柱200の移送セグメント260を位置決めするべく機能する。支柱200が固定部材205を含んでいない代替実施形態によれば、或いは、部材205が締め付けられない代替方法によれば、まず、支柱200の第2テーパー化セグメント220の周りにおけるレセプタクル405の嵌合を締め付け、且つ、次いで、支柱200の第1テーパー化セグメント210の周りにおけるレセプタクル305の嵌合を緩めるべく、矢印B1及びD1に沿った別個の運動を単一の運動に組み合わせてもよいことに留意されたい。
【0019】
図5Eは、第1支持構造510が支柱200及び医療装置100から分離される、図5Aの矢印A1によって表記されたものとは反対の方向を表す矢印E1を示している。図5E及び図6は、例えば、装置100が患者の診断造影及び/又は治療の適用を円滑に実行するべく動作している間に、第2支持構造550が医療装置100を支持するように、取付具151内に保持された支柱200を示しており、患者も、第2支持構造550によって支持されてもよい。
【0020】
図5A〜図5Eは、図5Eから図5Aへという逆の順番において、例えば、医療装置100を別の場所に搬送するべく、第2支持構造550から第1支持構造510に医療装置100を移送する本開示の方法を更に示している。図5Eは、第1支持構造510及び取付具115を医療装置100、支柱200、及び取付具151の近傍に戻してもよい方向を表す矢印E2を示している。図5Dは、支柱200の移送セグメント260が軸方向の開口部353を介して取付レセプタクル305に進入するように、矢印E2に沿って移動した取付具115を示している。図5Dは、支柱200が依然として取付具151の取付レセプタクル405内において固定部材205を介して固定された状態にある間に、支柱200の第1テーパー化セグメント210の周りにおける取付具115の取付レセプタクル305の嵌合を締め付けるべく、取付具151を移動させてもよい方向を表す矢印D2を更に示している。支柱200の周りにおける取付レセプタクル305の締め付けられた嵌合が図5Cに示されている。図5Cは、取付具151のレセプタクル405内における支柱200の固定を解放するべく、矢印C2に沿って回転される固定部材205を更に示しており、且つ、図5Bは、支柱200の第2テーパー化セグメント220の周りにおけるレセプタクル405の嵌合を緩めるべく取付具151を移動させる方向を表す矢印B2を示している。従って、要すれば、矢印D2及びB2によって表された方向における取付具151の運動は、まず、支柱200の第1テーパー化セグメント210の周りにおけるレセプタクル305の嵌合を締め付け、且つ、次いで、支柱200の第2テーパー化セグメント220の周りにおけるレセプタクル405の嵌合を緩めるべく、機能する。矢印B1及びD1との関係において前述したように、固定部材205が存在しないか又は予め締め付けられていない場合には、同様に、矢印B2及びD2に沿った運動を単一の運動に組み合わせてもよい。最後に、図5Aを参照すれば、矢印A2は、医療装置100と、装着された支柱200と、を第2支持構造550から分離するべく、取付具115を移動させる方向を表している。支柱200が第2移送セグメント270を含んでいる図示の実施形態によれば、図5Bに示されている位置への矢印B2に沿った運動により、移送セグメント270は、取付レセプタクル405の軸方向の開口部453を通過するように、アライメントされることに留意されたい。
【0021】
個別の取付具151及び115を運動させるべく、支持構造110/510及び150/550を運動させるものと本開示から推測することも可能であるが、本発明の実施形態は、これに限定されるものではないことに留意されたい。例えば、支持構造110/510及び150/550のいずれか又はすべてを、例えば、図5A〜図5Eの関連する矢印A1/2、B1/2、D1/2、E1/2のいずれか又はすべてに沿った対応する取付レセプタクル305、405の独立した運動を許容するように、適合させてもよく、このような独立的な運動は、例えば、支持構造に結合されると共にその内部に取付レセプタクルが形成されたフィードバック制御されたアームを関節接続することにより、円滑に実行可能であろう。更には、矢印A1/2、E1/2、及び矢印B1/2、D1/2と関連する運動は、好ましくは、それぞれ、水平方向及び垂直方向であるが、いくつかの代替方法によれば、これらの運動は、水平方向及び垂直方向から傾斜させてもよいものと考えられる。
【0022】
以上の詳細な説明においては、特定の実施形態を参照し、本発明について説明した。但し、添付の請求項に規定されている本発明の範囲を逸脱することなしに、様々な変更及び変形を実施可能であることを理解されたい。例えば、取付具を対応する支持構造に装着する方法に関係した本明細書に記述されている取付具の特定の構成は、その特性が例示を目的としたものに過ぎず、従って、その他の構成も本発明の実施形態にとって好適であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1支持構造と第2支持構造の間において医療装置を移送する方法であって、
第2支持構造の取付具の近傍に第1支持構造の取付具を配置するステップと、
医療装置に装着された支柱を、第1方向において、第2支持構造の取付具のレセプタクル内に移動するステップであって、支柱が第2支持構造の取付具のレセプタクル内に移動する際に、支柱が第1支持構造の取付具のレセプタクル内において保持される、ステップと、
支柱が第2支持構造の取付具のレセプタクル内に移動した後に、第2支持構造の取付具を第2方向において移動するステップであって、第2方向は、第1方向に略直交している、ステップと、
を有し、
第2支持構造の取付具を第2方向において移動するステップは、第1支持構造を支柱及び支柱に装着された医療装置から分離することができるように、支柱の周りにおける第2支持構造の取付具のレセプタクルの嵌合を締め付け、且つ、支柱の周りにおける第1支持構造の取付具のレセプタクルの嵌合を緩めることを特徴とする方法。
【請求項2】
第2支持構造の取付具との関係における第2方向における支柱の運動を防止するべく、第2支持構造の取付具のレセプタクル内において支柱を固定するステップを更に有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2支持構造の取付具のレセプタクル内において支柱を固定するステップは、第2支持構造の取付具に対して支柱上のナットを締め付けるステップを有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第2方向において第2支持構造の取付具を移動するステップは、
第2支持構造の取付具のレセプタクル内において支柱を固定する前に、支柱の周りにおける第2支持構造の取付具のレセプタクルの嵌合を締め付けるべく、第2方向において第1距離にわたって第2支持構造の取付具を移動するステップと、
支柱の周りにおける第1支持構造の取付具のレセプタクルの嵌合を緩めるべく、更に第2方向において第2距離にわたって第2支持構造の取付具を移動するステップと、
を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
第1支持構造はカートを有し、第1及び第2支持構造の取付具を配置するステップは、カートを第2支持構造の近傍に転動させるステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第2支持構造は患者テーブルのレールを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第1及び第2支持構造の取付具を配置するステップは、第1支持構造の取付具のレセプタクル内の開口部が第2支持構造の取付具のレセプタクル内の開口部の高さからオフセットされた高さに位置するように、第1及び第2支持構造のいずれか又は両方の取付具を第2方向に略平行な方向に移動するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1方向は水平方向であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第2方向は垂直方向であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
支柱が、第2構造の取付具の前記レセプタクル内に留まりつつ、第1支持構造の取付具のレセプタクルから出るように、第1支持構造の取付具を第1方向とは反対の方向に移動することにより、第1支持構造を支柱及び該支柱に装着された医療装置から分離するステップを更に有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
支柱が第1支持構造の取付具のレセプタクルに進入するように、第1支持構造の取付具を第1方向において移動して戻すステップと、
支柱が第1支持構造の取付具のレセプタクルに進入した後に、第2支持構造の取付具を第3方向において移動するステップであって、第3方向は第2方向の反対である、ステップと、
を更に有し、
第2支持構造の取付具を第3方向において移動するステップは、第1支持構造の取付具が支柱及び該支柱に装着された医療装置を第2支持構造から分離することができるように、支柱の周りにおける第2支持構造の取付具のレセプタクルの嵌合を緩め、且つ、支柱の周りにおける第1支持構造の取付具のレセプタクルの嵌合を締め付けることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第2方向における第2支持構造の取付具との関係における支柱の移動を防止するべく、支柱及び該支柱に装着された医療装置から第1支持構造を分離する前に第2支持構造の取付具のレセプタクル内において支柱を固定するステップと、
第1方向とは反対の方向において第1支持構造の取付具を移動する前に、第2支持構造の取付具のレセプタクル内における支柱の固定を解放するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第2支持構造の取付具のレセプタクル内において支柱を固定するステップは、第2支持構造の取付具に対して支柱上のナットを締め付けるステップを有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第3方向において第2支持構造の取付具を移動するステップは、
第2支持構造の取付具のレセプタクル内における支柱の固定を解放する前に、支柱の周りにおける第2支持構造の取付具のレセプタクルの嵌合を緩めるべく、第3方向において第1距離にわたって第2支持構造の取付具を移動するステップと、
支柱の周りにおける第1支持構造の取付具のレセプタクルの嵌合を締め付けるべく、更に第3方向において第2距離にわたって第2支持構造の取付具を移動するステップと、
を有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
第1方向は水平方向であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
第2及び第3方向は垂直方向であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
第1支持構造と第2支持構造の間において医療装置を移送するのに有用なシステムであって、
システムは細長い移送用の支柱を有し、
支柱は、
医療装置に対する着脱自在の装着のために適合された第1端部と、
第1直径の部分から第2直径の部分まで支柱の長手方向軸に沿ってテーパー化された第1テーパー化セグメントであって、第1直径の部分は、第2直径の部分よりも大きく、且つ、第2直径の分よりも第1端部に近接して配置されており、且つ、第2直径の部分が、第1支持構造の取付レセプタクルの半径方向の開口部を通じて第1支持構造の取付レセプタクル内に軸方向において移動すると、第1テーパー化セグメントの外側表面が第1支持構造の取付レセプタクルの内側表面に対して楔留めされるように構成された第1テーパー化セグメントと、
第3直径の部分から第4直径の部分まで長手方向軸に沿ってテーパー化された第2テーパー化セグメントであって、第3直径の部分は、第4直径の部分よりも大きく、且つ、第4直径の部分よりも第1端部に近接して配置されており、且つ、第4直径の部分が第2支持構造の取付レセプタクルの半径方向の開口部を通じて第2支持構造の取付レセプタクル内に軸方向に移動すると、第2テーパー化セグメントの外側表面が第2支持構造の取付レセプタクルの内側表面に対して楔留めされるように構成された第2テーパー化セグメントと、
第1及び第2テーパー化セグメントの間に延在すると共に第1及び第3直径を下回る直径を有する第1移送セグメントであって、第1支持構造の取付レセプタクルの軸方向の開口部を通じて第1支持構造の取付レセプタクル内に且つこれから外に自由に移動するべくサイズ設定された第1移送セグメントと、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項18】
支柱は、
第2端部と、
第2テーパー化セグメントと第2端部の間に延在すると共に第1及び第3直径を下回る直径を有する第2移送セグメントであって、第2支持構造の取付レセプタクルの軸方向の開口部を通じて第2支持構造の取付レセプタクル内に且つこれから外に自由に運動するべくサイズ設定された第2移送セグメントと、
を更に有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
支柱は固定メカニズムを更に有し、固定メカニズムは、第2テーパー化セグメントの外側表面が第2支持構造の取付レセプタクルの内側表面に対して楔留めされた際に、第2支持構造の取付レセプタクルとの関係における第2テーパー化セグメントの更なる軸方向の移動を防止するべく、固定メカニズムを起動することができるように第2端部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
固定メカニズムは、ナットタイプの留め具と、噛合する一組のねじ山と、を有することを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
支柱は、第5直径の部分から第6直径の部分まで長手方向軸に沿ってテーパー化された第3テーパー化セグメントを更に有し、第5直径の部分は、第6直径の部分より小さく、且つ、支柱の第1端部と一致していることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
第1支持構造に対する着脱自在の装着のために適合可能な取付具を更に有し、取付具は、第1支持構造に対して装着された際に、第1支持構造の取付レセプタクルを形成することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
第1支持構造の取付レセプタクルの内側表面は、第1支持構造の取付レセプタクルの半径方向の開口部における大きな直径から第1支持構造の取付レセプタクル内の小さな直径までテーパー化されていることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
第2支持構造への着脱自在の装着のために適合可能な取付具を更に有し、取付具は、第2支持構造に対して装着された際に、第2支持構造の取付レセプタクルを形成することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項25】
第2支持構造の取付レセプタクルの内側表面は、第2支持構造の取付レセプタクルの半径方向の開口部における大きな直径から第2支持構造の取付レセプタクル内の小さな直径までテーパー化されていることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
第2支持構造の取付レセプタクルは軸方向の開口部を含み、
支柱は、第2端部と、第2移送セグメントと、を更に有し、且つ、
第2移送セグメントは、第2テーパー化セグメントと第2端部の間に延在し、且つ、第1及び第3直径の部分より小さい直径を有し、第2移送セグメントは、第2支持構造の取付レセプタクルの軸方向の開口部を通じて第2支持構造の取付レセプタクル内に、且つ、これから外に自由に移動するべくサイズ設定されていることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
第2支持構造は患者テーブルのレールを有することを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
第1支持構造への着脱自在の装着のために適合可能な第1取付具であって、第1支持構造に対して装着された際に、第1支持構造の取付レセプタクルを形成する第1取付具と、
第2支持構造への着脱自在の装着のために適合可能な第2取付具であって、第2支持構造に対して装着された際に、第2支持構造の取付レセプタクルを形成する第2取付具と、
を更に有することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項29】
医療装置と、該医療装置に装着されると共に医療装置から延在する細長い移送用の支柱と、を有する医療システムであって、
細長い移送用の支柱は、
第1直径の部分から第2直径の部分まで長手方向軸に沿ってテーパー化された第1テーパー化セグメントであって、第1直径の部分は、第2直径の部分より大きく、且つ、第2直径の部分よりも医療装置に近接して配置されており、且つ、第2直径の部分が第1構造の取付レセプタクルの半径方向の開口部を通じて第1構造の取付レセプタクル内に軸方向に移動すると、第1テーパー化セグメントの外側表面が医療装置を支持する第1構造の取付レセプタクルの内側表面に対して楔留めされるように構成された第1テーパー化セグメントと、
第3直径の部分から第4直径の部分まで長手方向軸に沿ってテーパー化された第2テーパー化セグメントであって、第3直径の部分は、第4直径の部分を上回り、且つ、第4直径の直径よりも第1テーパー化セグメントに近接して配置されており、且つ、第4直径の部分が第2構造の取付レセプタクルの半径方向の開口部を通じて第2構造の取付レセプタクル内に軸方向に移動すると、第2テーパー化セグメントの外側表面が医療装置を支持する第2構造の取付レセプタクルの内側表面に対して楔留めされるように構成された第2テーパー化セグメントと、
第1及び第2テーパー化セグメントの間に延在し、且つ、第1及び第3直径の部分を下回る直径を有する第1移送セグメントであって、第1及び第2構造の支持の間における医療装置の移送のために、第1構造の取付レセプタクルの軸方向の開口部を通じて第1構造の取付レセプタクル内に且つこれから外に自由に移動するべくサイズ設定された第1移送セグメントと、
を有することを特徴とする医療システム。
【請求項30】
細長い移送用の支柱は、
端部と、
第2テーパー化セグメントと端部の間に延在し、且つ、第1及び第3直径の部分よりも小さい直径を有する第2移送セグメントであって、第1及び第2構造の支持の間における医療装置の移送のために、第2構造の取付レセプタクルの軸方向の開口部を通じて第2構造の取付レセプタクル内に且つこれから外に自由に移動するべくサイズ設定された第2移送セグメントと、
を更に有することを特徴とする請求項29記載の医療システム。
【請求項31】
細長い移送支柱は固定メカニズムを更に有し、該固定メカニズムは、第2テーパー化セグメントの外側表面が第2構造の取付レセプタクルの内側表面に対して楔留めされた際に、第2構造の取付レセプタクルとの関係における第2テーパー化セグメントの更なる軸方向の移動を防止するべく、固定メカニズムを起動することができるように端部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項30に記載の医療システム。
【請求項32】
固定メカニズムは、ナットタイプの留め具と、噛合する一組のねじ山と、を有することを特徴とする請求項31に記載の医療システム。
【請求項33】
第1構造への着脱自在の装着のために適合可能な取付具を更に有し、取付具は、第1構造に対して装着された際に、第1構造の取付レセプタクルを形成することを特徴とする請求項29に記載の医療システム。
【請求項34】
第1構造の取付レセプタクルは、第1構造の取付レセプタクルの半径方向の開口部における大きな直径の部分から第1構造の取付レセプタクル内の小さな直径の部分までテーパー化されていることを特徴とする請求項33に記載の医療システム。
【請求項35】
第2構造への着脱自在の装着ために適合可能な取付具を更に有し、該取付具は第2構造に対して装着された際に、第2構造の取付レセプタクルを形成することを特徴とする請求項29に記載の医療システム。
【請求項36】
第2構造の取付レセプタクルは、第2構造の取付レセプタクルの半径方向の開口部における大きな直径の部分から第2構造の取付レセプタクル内の小さな直径の部分までテーパー化されていることを特徴とする請求項35に記載の医療システム。
【請求項37】
第2構造の取付レセプタクルは軸方向の開口部を含み、
支柱は、端部と、第2移送セグメントと、を更に有し、且つ、
第2移送セグメントは、第2テーパー化セグメントと端部の間に延在し、且つ、第1及び第3直径の部分より小さい直径を有し、第2移送セグメントは、第1及び第2構造の支持の間における医療装置の移送のために、第2構造の取付レセプタクルの軸方向の開口部を通じて第2構造の取付レセプタクル内に且つこれらから外に自由に移動するべくサイズ設定されていることを特徴とする請求項35に記載の医療システム。
【請求項38】
第2構造は患者テーブルのレールを有することを特徴とする請求項35に記載の医療システム。
【請求項39】
第1構造への着脱自在の装着のために適合可能な第1取付具であって、第1構造に対して装着された際に、第1構造の取付レセプタクルを形成する第1取付具と、
第2構造への着脱自在の装着のために適合可能な第2取付具であって、第2構造に対して装着された際に、第2構造の取付レセプタクルを形成する第2取付具と、
を更に有することを特徴とする請求項29に記載の医療システム。
【請求項40】
医療装置を搬送するためのカートを更に有し、カートは、医療装置を支持するべく第1構造を含むことを特徴とする請求項29に記載の医療システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−505064(P2013−505064A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529773(P2012−529773)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/046263
【国際公開番号】WO2011/034685
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(508286762)アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】