説明

医薬化合物の経皮送達のための組成物と方法

【課題】 本発明は薬学的に活性のある化合物の経皮送達のための組成と方法を対象にする。
【解決手段】 いくつかの実施形態において、経皮パッチ製剤における粘着剤の一部の代わりに薬学的に不活性な成分の添加は、医薬化合物のの膚透過率を増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、アメリカ合衆国を除く全ての国に対して台湾の国営企業である、オリエント ファーマ カンパニー リミデットを出願人として、アメリカ合衆国のみを指定した、アメリカ合衆国の国民であるチン−チー−チャンと、台湾国民であるツェ−チン−リン及びレミーチェンを出願人として、2009年5月30日にPCT国際特許出願として出願されたものである。
関連特許出願の相互参照
本出願は2008年5月30日に出願したアメリカ合衆国仮出願No.61/129、015の利益を主張し、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
薬学的に活性のある成分の経皮的送達は、粘着剤マトリックスを有する経皮パッチを使用することにより行われる。経皮パッチは、皮膚に貼り付けた後、多様な疾病の処理に用いられる。経皮パッチは3つの層a)支持層、b)薬物/粘着剤層およびc)剥離ライナーから構成される。
【0003】
レシピエントの皮膚に経皮パッチを貼り付ける前に、剥離ライナーをはがして薬物/粘着剤層を露出させる。薬物/粘着剤層は支持層にしっかり接着している。それから、薬物/粘着剤層を皮膚上にのせて支持層を少し押し付け、粘着層が皮膚にしっかり接着していることを確認する。
【0004】
経皮パッチ製剤の有用性は、活性成分の脆弱な皮膚への透過によりしばしば減少される。薬学的に活性のある成分の皮膚透過は、主に皮膚の最外層である角質層により制限される。定常状態における皮膚透過はフィックの第1式によってもっともよく記載され、
J=P×C/h(式1)
この場合、Jは定常状態透過流量であり、Pは透過の透過性、Cは初期濃度、及びhは皮膚の厚さである。
【0005】
皮膚の脆弱な透過性は、患者の皮膚を介して薬が浸透するのを阻害し、所望の薬理的応答を達成するのに十分なインビボ濃度を提供することを妨げる。皮膚透過は、例えば、a)薬物の皮膚透過性を増加し、b)皮膚における薬物拡散性を増加し、c)皮膚中の薬物溶解性を増加させることにより向上させることができる。このような技術は、候補薬剤が患者の皮膚を介して浸透し、血流へ入ることを可能にする。これは候補薬剤の有効性を改善し、候補薬剤を経皮的に送達される潜在的な候補にする。
【0006】
様々な特許および文献は、皮膚における薬剤の浸透性を増加させるための皮膚透過エンハンサーの組み込みについて示した。これらエンハンサーは、皮膚中に浸透し、バリア抵抗を可逆的に減少させる。多数の化合物が浸透促進活性を評価され、評価された化合物としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エイゾン(n−ドデシル−アザシクロへプタン−2−オン)、2−ピロリドン、エタノール、デカノール、プロピレングリコール、界面活性剤、テルペンが含まれる。皮膚透過エンハンサーに対して多くの潜在的な作用部位及び作用様式が同定され、例えば、細胞間脂質マトリックスである。該細胞間脂質マトリックスにおいて、反応促進剤が、パッキングモチーフ、細胞内ケラチンドメイン、又は膜中への浸透のための溶剤として作用することにより、組織中への薬物の拡散を増加させることを介して崩壊させる。
【0007】
特許及び文献は、パッチと皮膚における薬剤の溶解性を増加させる化合物の組み入れをさらに説明している。例えばプロピレングリコール、エタノール、乳酸ラウリルとラウリルグリコールの混合物のような化合物は、可溶化剤として使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、皮膚透過エンハンサーは、皮膚刺激を引き起こすことがあるため、皮膚透過性を増加させる代替方法を用いる高い皮膚透過率を有する経皮パッチが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、薬学的に活性のある化合物の経皮的送達のための組成物および方法を対象とする。いくつかの実施形態において、経皮パッチの接着剤の一部の代わりに不活性な薬学的な成分を追加し、医薬化合物の皮膚透過率を増加させる。
特に、経皮パッチは、支持層、薬学的に活性のある成分および少なくとも1つの薬学的に不活性な成分を有する粘着薬物マトリックス、剥離ライナーを含む。パッチの調製方法は、混合物を形成するために少なくとも1つの薬学的に活性のある成分の所定量と少なくとも1つの薬学的に不活性な成分の所定量とを混ぜ合わせる工程と、粘着剤を有する溶液にその混合物を添加する工程と、溶液が均一になるまで溶液を混合する工程と、均一な溶液で剥離ライナーをフィルム被覆する工程と、及び経皮パッチを作成するためにフィルム被覆された剥離ライナーをラミネートする工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の例としての実施形態のパッチ、市販品であるリドダーム由来のリドカインの皮膚透過プロフィールを例示する。(●);リドダーム、(○);例4の製剤
【図2】図2は本発明の例としての実施形態のパッチ、市販品であるリドダーム由来のリドカインの皮膚透過プロフィールを例示する。(●);リドダーム、(○);例10の製剤
【図3】図3は本発明の例としての実施形態のパッチ、市販品であるリドダーム由来のリドカインの皮膚透過プロフィールを例示する。(●);リドダーム、(○);例15の製剤
【図4】図4は本発明の例としての実施形態のパッチ、市販品であるリドダーム由来のリドカインの皮膚透過プロフィールを例示する。(●);リドダーム、(○);例18の製剤
【発明を実施するための形態】
【0011】
前述のほかにも本発明の追加の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照して始める次の詳細の記載から、より容易に明白となる。本発明は添付の図面に関して、多くの典型的な実施形態を使用して、以下により詳細に説明する。
【0012】
典型的な実施形態の詳細な記載
発明の実施形態は、薬学的に活性のある化合物の経皮送達のための組成物および方法を対象とする。経皮パッチ製剤における接着剤の一部の代わりに不活性な薬剤成分の追加により、これら医薬化合物の皮膚透過率を増加させることが意外にも見出された。
【0013】
本明細書中に使用されるように、用語「経皮パッチ」は薬用接着組成物を言い、該薬用接着組成物は、局所的に及び/又は血流中へ薬物の用量を送達するために皮膚に貼り付けることができる。いくつかの実施形態において、経皮パッチは、支持層、薬物/粘着剤マトリックス、剥離層の3つの層を有する。
【0014】
支持層は、任意の適切な材料で作られ、咳適切な材料としては、薬物/接着剤マトリックス中で用いられる成分を通さず、皮膚に貼り付けられる場合に、周囲からパッチを保護し得る。支持層に適した材料としては、例えば、3Mで販売されている Scotchpak 9733 backing filmのような市販されているポリエステルフィルムラミネートを含むがこれらに限定されない。
【0015】
いくつかの実施形態において、剥離ライナーは、粘着剤からはがしやすくするために、Tefron(商標)またはシリコンで片面がコートされる。パッチを皮膚上に貼る前に剥離ライナーを薬物/粘着剤層からはがし、経皮パッチの前方の薬物/粘着剤層を露出させる。いくつかの実施形態において、剥離ライナーをつくるための材料は、例えば3Mから販売されているScotchpak 1022のようなフッ素ポリマーを被覆したポリエステルフィルムの商用的に入手可能なフィルムである。
【0016】
薬物/粘着剤層マトリックスは、少なくとも1つの粘着剤中に組み込まれる薬学的に活性のある化合物を含み得る。薬学的に活性のある成分は、粘着剤中に溶解、分散、懸濁又は、そうでなければ分配され得る。いくつかの実施形態において、薬学的に活性のある成分は、粘着剤中で均一に拡散している。薬剤/粘着剤マトリックスは、剥離ライナー及び支持層の間に挟みこまれ、経皮パッチを構築する。
【0017】
適した粘着剤は、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、シリコーンエラストマー及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、粘着剤は、ポリイソブチレン、ポリアクリレート、又はシリコーンエラストマーである。ポリアクリレートは、Cyten製のGelva737、Gelva788又は例えば、Duro−Tak 87−2852、Duro−Tak 87−2287といったNational Starch and Chemical製のDuro−Tak 溶液として市販されている。これらの粘着剤は溶液として入手可能である。粘着剤を溶解させるのに使用される有機溶媒は、製造手順の間に蒸発させる必要がある。
【0018】
いくつかの実施形態において、粘着剤は感圧接着剤である。例えばパッチに適した感圧接着剤は、ポリアクリレートポリマーである。ポリアクリレート粘着剤は、パッチが所望の期間の間、皮膚上に留まるのを助けるのに使用される。当業者が理解するように、本発明において他の適切な感圧接着剤も同様に使用可能である。
【0019】
薬物/粘着剤層の粘着剤には不活性の成分も含まれる。粘着剤の一部の代わりに、不活性な成分を追加が、活性成分の皮膚に浸透する能力を増加させることを意外にも見出されている。本発明の実施形態において、粘着剤の一部を置き換えて薬理的、化学的に不活性な材料を粘着に組み入れ、これにより粘着剤中の薬学的に活性のある成分の濃度を増加させる。これは薬学的に活性のある成分のさらに高い皮膚透過率に起因することが見出された。
【0020】
フィックの第一法則(上記、式1)によると、浸透流量は、浸透物の初期濃度に比例する。パッチ製剤の開発過程において、キャリア、例えば粘着剤中に、薬学的に活性のある成分を、可能な限り高い最大濃度で達成するよう意図された。粘着剤における薬学的に活性のある成分の溶解性が高すぎる場合、最も高い飽和濃度を達成するために大量の薬学的に活性のある成分を添加する必要がある。この場合、大量の薬剤を添加する必要があるだけでなく、大部分の活性成分は粘着剤に残り、一定期間内に送達されずに無駄になる。
【0021】
本発明の実施形態において、薬学的に不活性な成分が添加され、粘着剤の一部と置換される。薬学的に不活性な成分が添加され、粘着剤溶液中で略均一に分散される。混合物は、ポリエステルフィルム上に被覆され、粘着剤を溶解するのに用いられる有機溶媒を蒸発させるために乾燥させる。
【0022】
粘着剤は連続相であり、薬学的に不活性な成分は不連続相である。薬学的に不活性な成分は、薬学的に活性のある成分と実質的な相互作用をしない。連続相、粘着剤中の薬学的に活性のある成分の濃度が、上昇する。粘着剤中の薬学的に活性のある成分のC(式1における濃度)が、同じ負荷で上昇するため、薬学的に活性のある成分の皮膚透過が増加する。
【0023】
いくつかの実施形態において、薬学的に不活性な成分は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、二酸化チタン、デンプン、二酸化ケイ素又はソルビトールから選択され得る。二酸化ケイ素の量は、重量の約0.2%から約0.5%となり得る。本明細書中に使用されるように、「約」は、示された数字のプラスマイナス10%を言う。
【0024】
好ましくは、二酸化ケイ素の量は、重量の1%から3%の範囲である。他の薬学的に不活性な成分の量は、重量の20%から75%の範囲である。好ましくは、他の薬学的に不活性な成分は、重量の40%から65%の範囲である。いくつかの実施形態において、本明細書中で用いられているパーセンテージは、粘着剤/薬物マトリックスの量の重量による。
【0025】
「薬学的に活性のある成分」は、薬物、ビタミン、又は、薬学的に許容可能な組成物であり、該薬学的に許容可能な組成物は、例えばヒト等の必要としている哺乳類に投与する場合、少なくとも1つの所望の治療効果を与えるものである。いくつかの実施形態において、薬学的に活性のある成分は、経皮パッチで使用される粘着剤中で高い溶解性を備える。
【0026】
いくつかの実施形態において、薬学的に活性のある成分は、その基本形態において化合物である。基本形態での化合物は、油状であり、又は結晶形態で存在し、粘着剤(例:ポリアクリレート)中で高い溶解性を示す。例えば、基本形態でのリドカインとオキシブチニンは、夫々68及び57℃の低い融点を示す。リバスチグミン塩基は、室温で油状である。基本形態でのトルテロジンは、室温で粘性の物質である。これらのポリアクリレート粘着剤中での溶解性は10%以上である。従って、いくつかの実施形態において、その化合物は、本明細書中で開示される組成と方法を用いて、経皮的に送達され得る。いくつかの実施形態において、薬物/粘着剤マトリックスで使用される薬物は、低融点を備える。
【0027】
従って、いくつかの実施形態において、薬学的に活性のある成分は、リドカイン、トルテロジン、オキシブチニン、又はリバスチグミンであり、全ての薬学的に活性のある成分は、粘着剤に溶解する。粘着剤中の薬学的に活性のある成分の量は、重量の約1%から約10%の範囲である。さらに好ましくは、粘着剤中の薬学的に活性のある成分の量は、重量の約3%から約6%である。
【0028】
薬学的に活性のある成分は、鎮痛剤、抗炎症剤、抗精神病薬、解熱剤、抗生物質、抗菌剤、食欲抑制薬、抗ヒスタミン剤、抗ぜんそく薬、抗利尿薬、抗片頭痛薬、抗痙攣薬、鎮静剤、抗多動作用剤、降圧剤、トランキライザー、鬱血除去薬、ベータ遮断薬、及びそれらの組合せとなり得るが、これらに限定されない。追加の代表的な例としては、例えば、アセクロフェナク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、スリンダク及びセレコキシブ等の抗炎症剤;例えば、アセトアミノフェン、アスピリン等の鎮痛剤;例えば、シルデナフィル及びアポモルフィン等の勃起不全治療に使われる薬剤;例えば、スマトリプタン及びエルゴタミン等の片頭痛薬;スコポラミン臭化水素酸塩のような抗コリン剤;ロラタジン、フェキソフェナジン及びセチリジンのような抗ヒスタミン薬;ニトログリセリン及び二硝酸イソソルビドのような心血管治療薬;フロセミド及びスピロノラクトンのような利尿薬;ニモジピン、プロプラノロール、アムロジピン、フェロジピン、ニフェジピン、カプトプリル、ラミプリル、アテノロール及びジルチアゼムのような降圧剤;ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン及びプラバスタチンのような抗高脂血症薬;シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、オメプラゾール及びランソプラゾールのような抗潰瘍薬;メクリジン塩酸塩、オンダンセトロン、グラニセトロン、ラモセトロン及びトロピセトロンのような制吐薬;アミノフィリン、テオフィリン、テルブタリン、フェノテロール、フォルモテロール及びケトチフェンのような抗ぜんそく薬;クロナゼパム、オランザピン及びリスペリドンのような抗精神病薬;ミルタザピン、フルオキセチン及びセルトラリンのような抗うつ薬;ビタミンB1、B2、B6、B12、及びCのようなビタミン;スルフィンピラゾン、ジピリダモール及びチクロピジンのような抗血栓薬;セファクロル、バカンピシリン、スルファメトキサゾール及びリファンピシンのような化学療法薬;デキサメタゾン及びメチルテストステロンのようなホルモン;ピペラジン、イベルメクチン及びメベンダゾールのような駆虫薬;並びに、アカルボーズ、グリクラジド及びグリピジドのような抗糖尿病薬;メマンチン、ドネピジル、ガランタミン、ガランタミン臭化水素酸塩、リバスチグミンのようなアルツハイマー病に有効な薬剤;プラミペキソールのようなパーキンソン病に有効な薬剤;アルプラゾラム、タムスロシン、アルフゾシン、フェンタニールのような疼痛管理に有効な薬剤;酢酸シプロテロン、オキサンドラロンのようなホルモン;クロニジンのような血圧降圧剤;モダフィニルのような覚醒剤;ランゾプラゾールのような胸やけの軽減のための薬剤が挙げられる。当業者が理解するように、粘着剤中でうまく分散させ得る化合物であれば、任意のこれら化合物は、本明細書に記載される経皮パッチにおいて使用され得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、薬学的に活性のある成分量に対する薬剤/粘着剤マトリックスにおける粘着剤の比率は、約9:1から約9.9:0.1(w/w)である。例えば、比率は、約9:1、約9.5:0.5、又は約9.9:0.1(w/w)にすることができる。
【0030】
1つの実施形態において、経皮パッチは、水に不溶性の材料でつくられた支持層、粘着薬剤マトリックス、剥離ライナーを含む。粘着薬剤マトリックスは、例えばリドカイン等の薬学的な成分と、薬学的に不活性な成分と、感圧接着剤を含む。
【0031】
別の実施形態において、薬学的な活性がなく及び不活性な成分を感圧接着剤に加える。薬学的に活性のある成分は、粘着剤中で高い溶解性である。本発明において、薬学的に不活性な、又は不活性な成分は、粘着剤の一部を置き換えるために添加される。
【0032】
リドカインは、本明細書に記載される発明のいくつかの実施形態の利益を例示する試験においてモデル薬剤として使用される。5%(w/w)リドカイン負荷を備える市販のリドダームを、対照薬剤として使用する。
【0033】
リドダームは、5%リドカインを含有する粘着材料から構成され、該粘着材料は、不織ポリエステルフェルト裏材に塗布され、ポリエチレンテレフタラートフィルム剥離ライナーで被覆される。各粘着パッチは、700mgのリドカインと、水性塩基中の他の薬学的に不活性な成分を含む。
【0034】
本発明は、ポリアクリレート粘着剤中のリドカインを製剤化した。粘着剤中のリドカインの濃度は、5%(w/w)に確定されている。しかしながら、ポリアクリレート中のリドカインの溶解性は、高く、10%(w/w)を超える。リドカインは、皮膚に解放しないで粘着剤中に留まる傾向にあり、その結果、低皮膚浸透性となる。粘着剤の一部を置き換えるために、例えば、タルク(化学式HMg(SiO又はMgSi10(OH)を備えるマグネシウムケイ酸塩水和物から構成される無機化合物)又はTiO(二酸化チタン)等の不活性な成分の組み込みは、粘着剤中のリドカイン濃度、又は式中のC値を上昇させ、それ故、リドカインのより高い皮膚透過率をもたらす。
【0035】
以下の例における皮膚透過性試験において示されるように、リドダーム及び例4からのリドカインは、各々12時間で206.96±31.37μg/cm及び111.36±1.79μg/cmの皮膚透過率であった。リドダームからのリドカインの皮膚透過率は、例4からのリドカインの皮膚透過率の1.86倍であった。しかしながら、TiOが添加された例18、19、20では、それらの例からのリドカインの皮膚透過率は、夫々、12時間で203.45±48.37、215.59±20.31、及び250.22±88.12μg/cmである。同じ試験において、リドダームからのリドカインの皮膚透過性は、12時間で129.36±2.78μg/cmである。TiOが添加される場合のこれらのパッチにおけるリドカイン皮膚透過性は、リドカインと比較して1.57、1.67、及び1.94倍を示す。
【0036】
本発明の実施形態は、本明細書中で開示される経皮パッチの調製する方法もまた対象としている。例えば、薬学的に活性のある及び不活性な成分の適切な量は、正確に測定され、少なくとも1つの器に添加される。それから、これらの成分は、粘着剤を含む溶液に溶解又は懸濁される。その混合物は、溶液が均一な混合物になるまで攪拌される。
【0037】
剥離ライナーのシートをパッチコーター(例えば、Warner mathis coater)上に置く。溶液が均一になった後、溶液を剥離ライナーの上に注ぎ、剥離ライナー上に薄膜層を形成する。被覆された剥離ライナーは、オーブンで約40度から80度、例えば60度の温度で、約5分から30分、例えば10分間乾燥させ、溶媒を蒸発させる。
【0038】
乾燥後、乾燥膜被覆剥離ライナーを支持層のシートでラミネートする。このラミネートは、例えばダイカッターを使用して所望の大きさに切断して、経皮パッチを製造する。
【0039】
本発明は、本明細書中で記載される経皮パッチを使用して、疾患または疾病を処置する方法もまた対象としている。例えば、パッチは、治療を必要とする哺乳類に貼り付けられ、薬学的に活性のある成分の所定用量を、所定期間を超えて送達する。いくつかの実施形態において、パッチは、アルツハイマー病やパーキンソン病を処置するためにヒトに塗布され、パッチ中の活性のある成分に依存して、痛みの軽減(例えば、慢性痛又は突発痛のいずれかから)を提供し、及び/又は高血圧を処置する。
【0040】
本明細書中に記載される様々な実施形態又は選択は、任意の及び全ての変更を組み合わすことが可能である。以下の例は、本発明を例示のみ提供しており、本発明を何ら限定することを見なすものではない。
【0041】
(例1)
経皮パッチの調製
1.適切な量の薬学的に活性のある成分及び不活性な成分並びに粘着剤溶液を評価し、容器中で正確に計量する。
2.粘着剤溶液中にその成分を溶解又は懸濁させ、均一になるまで混合する。
3.パッチコーター(例えば、Warner mathis coater)上に剥離ライナーのシートを置く。
4.剥離ライナー上に溶液を注ぎ、剥離ライナー上に薄膜を被覆する。
5.60度の温度であるオーブン中で、10分間の乾燥時間で溶媒を蒸発させ、溶液を乾燥させる。
6.乾燥後、支持層のシートで乾燥したフィルムをラミネートする。
7.ラミネートをダイカッターで所望の大きさに切り取る。
【0042】
(例2)
インビトロでの皮膚透過試験
例1に記載されているリドカインパッチは、リドカインの皮膚透過を測定して決定された。リドダームは、比較目的で本試験に含まれている。リドダームは、10×14cmの大きさのパッチであり、夫々のパッチは、5%(もしくは700mg)のリドカインが負荷される。リドダームは、各5cmに切り取った。
【0043】
ヒト屍体皮膚を介するリドカインのインビトロでの透過性は、VC皮膚拡散セルを用いて行われた。有効浸透面積は0.64cmであった。ヒト屍体皮膚を、所望の大きさに切り取り、角質層側を外側に向けて1のVC皮膚拡散セルの平面上に置いた。剥離ライナーをポリアクリレート薬剤マトリックスからはがした。薬剤マトリックスを角質層の上に置いた。上記をもう1つのVC皮膚拡散セルのためにくりかえした。2組は、互いに固定される。3.5mlの蒸留水中の20%ポリエチレングリコールを、拡散セルのレセプター部位に添加し、皮膚透過試験を開始した。蒸留水の温度を、ウォーターバスからの循環水により37度で維持した。
【0044】
所定の間隔で、すなわち4時間、8時間及び12時間で、レセプター溶媒のそれぞれ0.5mlを取り出した。取り出した後、新鮮な溶媒が、3.5mlの同じ容量を維持するために夫々の時間で添加された。サンプル中のリドカイン濃度を、HPLCを用いて測定した。皮膚透過の結果として、レセプター区画におけるリドカインの累積量が、計算されるとともに報告された。以下の表は、皮膚透過試験の結果として送達されたリドカイン量を示す。
【0045】
(例3)
HPLCアッセイ(リドカイン)
皮膚透過試料におけるリドカイン濃度は、HPLC法により測定した。HPLCの条件は以下に列挙する。
カラム:C18,250x4.6mm、5μ
移動相:36%メタノール及び64%0.1Mリン酸緩衝液(pH3.0)(0.1%トリエタノールアミン含有)
波長:210nm
注入量:10μl
【0046】
HPLCアッセイ(トルテロジン)
皮膚透過試料におけるトルテロジン濃度は、HPLC法により測定した。HPLCの条件は以下に列挙する。
カラム:C18,250x4.6mm、5μ
移動相:46%メタノール及び54%0.1Mリン酸緩衝液(pH3.0)(0.1%トリエタノールアミン含有)
波長:230nm
注入量:10μl
【0047】
(例4)
リドカイン5.0%(w/w)、プロピレングリコール10.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例4からの12時間の間のリドカイン累積量は、111.36±1.79(1.6%)μg/cmであった。
【0048】
(例5)
リドカイン5.0%(w/w)、プロピレングリコール8.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例5からの12時間の間のリドカイン累積量は、124.24±1.79(1.4%)μg/cmであった。
【0049】
(例6)
リドカイン5.0%(w/w)、ミリスチン酸イソプロピル10.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例6からの12時間の間のリドカイン累積量は、377.47±36.78(9.7%)μg/cmであった。
【0050】
(例7)
リドカイン5.0%(w/w)、ミリスチン酸イソプロピル15.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例7からの12時間の間のリドカイン累積量は、386.93±18.89(4.9%)μg/cmであった。
【0051】
(例8)
リドカイン5.0%(w/w)、ミリスチン酸イソプロピル5.0%(w/w)、プロピレングリコール5%、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例8からの12時間の間のリドカイン累積量は、232.67±19.37(8.3%)μg/cmであった。
【0052】
(例9)
リドカイン5.0%(w/w)、プロピレングリコール5.0%(w/w)、Tween−80 5.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例9からの12時間の間のリドカイン累積量は、229.94±49.88(21.7%)μg/cmであった。
【0053】
(例10)
リドカイン5.0%(w/w)、ラウログリコール3.0%(w/w)、タルク30.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例10からの12時間の間のリドカイン累積量は、238.76±21.08(8.8%)μg/cmであった。
【0054】
(例11)
リドカイン5.0%(w/w)、ラウログリコール4.0%(w/w)、タルク30.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例11からの12時間の間のリドカイン累積量は、197.81±31.64(16.0%)μg/cmであった。
【0055】
(例12)
リドカイン5.0%(w/w)、ラウログリコール2.0%(w/w)、シリカゲル 1.5%(w/w)、ステアリン酸マグネシウム 35.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例12からの12時間の間のリドカイン累積量は、207.76±38.37(18.5%)μg/cmであった。
【0056】
(例13)
リドカイン5.0%(w/w)、プロピレングリコール10.0%(w/w)、及びDuro−tak87−2852粘着剤溶液(35.0%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例13からの12時間の間のリドカイン累積量は、79.22±7.76(9.8%)μg/cmであった。
【0057】
(例14)
リドカイン5.0%(w/w)、プロピレングリコール5.0%(w/w)、及びDuro−tak87−2852粘着剤溶液(35%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例14からの12時間の間のリドカイン累積量は、53.73±4.59(8.6%)μg/cmであった。
【0058】
(例15)
リドカイン5.0%(w/w)、ラウログリコール10.0%(w/w)、及びDuro−tak87−2852粘着剤溶液(35.0%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例15からの12時間の間のリドカイン累積量は、36.18±2.43(6.7%)μg/cmであった。
【0059】
(例16)
リドカイン5.0%(w/w)、プロピレングリコール5.0%(w/w)、及びラウログリコール5.0%(w/w)、及びDuro−tak87−2852粘着剤溶液(35.0%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例16からの12時間の間のリドカイン累積量は、33.81±0.88(2.6%)μg/cmであった。
【0060】
(例17)
リドカイン5.0%(w/w)、プロピレングリコール2.0%(w/w)、Tween−80 3.0%(w/w)、ラウログリコール5.0%(w/w)、及びDuro−tak87−2852粘着剤溶液(35%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例17からの12時間の間のリドカイン累積量は、46.58±15.33(32.9%)μg/cmであった。
【0061】
(例18)
リドカイン5.0%(w/w)、TiO55.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例18からの12時間の間のリドカイン累積量は、203.45±48.37(23.8%)μg/cmであった。
【0062】
(例19)
リドカイン5.0%(w/w)、ラウログリコール2.0%、TiO60.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例19からの12時間の間のリドカイン累積量は、215.59±20.31(9.4%)μg/cmであった。
【0063】
(例20)
リドカイン5.0%(w/w)、プロピレングリコール2.0%(w/w)、TiO55.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例20からの12時間の間のリドカイン累積量は、250.22±88.12(35.2%)μg/cmであった。
【0064】
(例21)
リドカイン5.0%(w/w)、ステアリン酸マグネシウム55.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0065】
(例22)
リドカイン5.0%(w/w)、ステアリン酸マグネシウム60.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0066】
(例23)
リドカイン5.0%(w/w)、タルク55.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0067】
(例24)
リドカイン5.0%(w/w)、タルク60.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0068】
(例25)
リドカイン5.0%(w/w)、デンプン55.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0069】
(例26)
リドカイン5.0%(w/w)、デンプン 60.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0070】
(例27)
リドカイン5.0%(w/w)、ソルビトール 55.0%(w/w)、及びGelva737粘着剤溶液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0071】
(例28)
Gelva737粘着剤溶液80.0%及びDuro−tak87−2852着剤溶液溶液20%(w/w)を均一になるまで混合し、粘着剤溶液(粘着剤溶液A)を構築した。
【0072】
(例29)
リドカイン5.0%(w/w)、タルク 20.0%(w/w)、デンプン40.0%(w/w)、及び粘着剤溶液A35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0073】
(例30)
リドカイン5.0%(w/w)、二酸化ケイ素1.0%(w/w)、タルク20.0%(w/w)、デンプン39.0%(w/w)、及び粘着剤溶液A35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0074】
(例31)
リドカイン5.0%(w/w)、二酸化ケイ素2.0%(w/w)、タルク20.0%(w/w)、デンプン38.0%(w/w)、及び粘着剤溶液A35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0075】
(例32)
リドカイン5.0%(w/w)、マグネシウム20.0%(w/w)、デンプン40.0%(w/w)、及び粘着剤溶液A35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0076】
(例33)
リドカイン5.0%(w/w)、二酸化ケイ素1.0%(w/w)、ステアリン酸マグネシウム20.0%(w/w)、デンプン39.0%(w/w)、及び粘着剤溶液A35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0077】
(例34)
リドカイン5.0%(w/w)、二酸化ケイ素2.0%(w/w)、ステアリン酸マグネシウム 20.0%(w/w)、デンプン38.0%(w/w)、及び粘着剤溶液A35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0078】
(例35)
Gelva737粘着剤溶液70.0%及びDuro−tak87−2852粘着剤溶液30%(w/w)を均一になるまで混合し、粘着剤溶液(粘着剤溶液B)を構築した。
【0079】
(例36)
リドカイン5.0%(w/w)、タルク20.0%(w/w)、デンプン40.0%(w/w)、及び粘着剤溶液B35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0080】
(例37)
リドカイン5.0%(w/w)、二酸化ケイ素1.0%(w/w)、タルク 20.0%(w/w)、デンプン 39.0%(w/w)、及び粘着剤溶液B35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0081】
(例38)
リドカイン5.0%(w/w)、二酸化ケイ素2.0%(w/w)、タルク20.0%(w/w)、デンプン38.0%(w/w)、及び粘着剤溶液B35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0082】
(例39)
リドカイン5.0%(w/w)、ステアリン酸マグネシウム20.0%(w/w)、デンプン40.0%(w/w)、及び粘着剤溶液B35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0083】
(例40)
リドカイン5.0%(w/w)、二酸化ケイ素 1.0%(w/w)、ステアリン酸マグネシウム20.0%(w/w)、デンプン39.0%(w/w)、及び粘着剤溶液B35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0084】
(例41)
リドカイン5.0%(w/w)、二酸化ケイ素2.0%(w/w)、ステアリン酸マグネシウム20.0%(w/w)、デンプン38.0%(w/w)、及び粘着剤溶液B35.0%から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。
【0085】
(例42)
トルテロジン6.0%(w/w)及びGelva737粘着液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例42からの24時間の間のトルテロジン累積量は、176.4±14.1(8.0%)μg/cmであった。
【0086】
(例43)
トルテロジン6.0%(w/w)、オレイルアルコール2.0%、及びGelva737粘着液(32.3%ポリアクリレート)から構成される粘着剤マトリックスを、例1に記載される製造手順に従って調製した。インビトロの皮膚透過試験における例43からの24時間の間のトルテロジン累積量は、122.2±23.4(19.1%)μg/cmであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持層と、
薬学的に活性のある成分及び少なくとも1つの薬学的に不活性な成分を含む粘着薬剤マトリックスと、
剥離ライナーと、を含むことを特徴とする経皮パッチ。
【請求項2】
前記粘着薬剤マトリックスが感圧接着剤をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の経皮パッチ。
【請求項3】
前記薬学的に活性のある成分が、室温で油状であることを特徴とする請求項2記載の経皮パッチ。
【請求項4】
前記薬学的に活性のある成分が、リドカイン、オキシブチニン、リバスチグミン、トルテロジン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項3記載の経皮パッチ。
【請求項5】
前記薬学的に活性のある成分が、約80度未満の融点であることを特徴とする請求項2記載の経皮パッチ。
【請求項6】
前記薬学的に活性のある成分がビタミンであることを特徴とする請求項1記載の経皮パッチ。
【請求項7】
前記薬学的に不活性な成分は、タルク、二酸化チタン、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、デキストロース、及びソルビトールからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の経皮パッチ。
【請求項8】
前記感圧粘着剤がポリアクリレートポリマーであることを特徴とする請求項2記載の経皮パッチ。
【請求項9】
リバスチグミンが、前記粘着薬剤マトリックスの重量の約1%から約10%であることを特徴とする請求項4記載の経皮パッチ。
【請求項10】
リバスチグミンが、前記粘着薬剤マトリックスの重量の約1%から約10%であることを特徴とする請求項4記載の経皮パッチ。
【請求項11】
リバスチグミンが、前記粘着薬剤マトリックスの重量の約1%から約10%であることを特徴とする請求項4記載の経皮パッチ。
【請求項12】
リバスチグミンが、前記粘着薬剤マトリックスの重量の約1%から約10%であることを特徴とする請求項4記載の経皮パッチ。
【請求項13】
前記薬学的に不活性な成分が、粘着薬剤マトリックス重量の約20%から約80%であることを特徴とする請求項7記載の経皮パッチ。
【請求項14】
前記粘着薬剤マトリックスが、前記粘着剤に加えて、約0.1から約10%(w/w)の薬学的に活性のある成分、及び、少なくとも1つの薬学的に不活性な成分を含むことを特徴とする請求項1記載の経皮パッチ。
【請求項15】
前記粘着薬剤マトリックスが、粘着剤及び約0.5%から約15%の量で薬学的に活性のある成分を含むことを特徴とする請求項1記載の経皮パッチ。
【請求項16】
経皮パッチの調製方法であって、
前記方法は、
混合物を形成しるために所定量の少なくとも1つの薬学的に活性のある成分と、所定量の少なくとも1つの薬学的に不活性な成分を混合する工程と、
粘着剤を有する溶液に前記混合物を添加する工程と、
前記溶液が均一になるまで前記溶液を混合する工程と、
均一な前記溶液で剥離ライナーをフィルム被覆する工程と、
経皮パッチを作成するためにフィルム被覆された剥離ライナーをラミネートする工程と、を含むことを特徴とする経皮パッチの調製方法。
【請求項17】
前記経皮パッチが所望の大きさに切断されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
処置の必要に応じて哺乳類を処置する方法であって、
前記方法は、
請求項1記載の経皮パッチを哺乳類の皮膚に貼り付ける工程を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−521975(P2011−521975A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511889(P2011−511889)
【出願日】平成21年5月30日(2009.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/045762
【国際公開番号】WO2009/146443
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(510315283)オリエント ファーマ シーオー.,エルティーディー. (1)
【Fターム(参考)】