説明

医薬品

本発明は、各場合において、有効成分として、AIDS、癌または精神もしくは神経の疾患の処置に適用可能な、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)ならびに発芽大麦または発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、ならびにグレープバインのグレープジュースのアルコール発酵、およびmusazeおよびキイチゴの葉から得られた液体を含有する医薬品を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の最初の部分において与えられる特徴を有する、後天性免疫不全症候群(AIDS)、癌、および精神または神経系の疾患の少なくとも1つを処置するための植物薬理学的医薬品に関する。
【背景技術】
【0002】
当該分野の技術水準から、AIDS、癌または神経疾患の処置のための、複数の医薬品が公知であり、これらは、一方において、かなりの製造コストがかかり、他方において、制限された範囲の効果に関連する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、医薬品を利用可能にすることであり、これは、極端に小さい財政上の手段の支出によって、容易かつ迅速に製造され得、そして非常に広い範囲の効果を有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に従って、この目的は、請求項1に与えられる特徴の顕著な一部によって、医薬品の型に従って解決される。
【0005】
特に好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0006】
本発明の枠組みの範囲内で、医薬品が提供され、これは、各場合において、有効成分として、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)ならびに発芽大麦、発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、ならびにグレープバインのグレープジュースのアルコール発酵により、そしてmusazeおよびキイチゴの葉から得られた液体の含有量を含む。
【0007】
本発明に従う医薬品を含むこれらの有効成分の特別な利点は、これらが、世界の市場で入手可能であり、そして例外的に好ましい価格で大量に入手可能であることである。
【0008】
本発明に従って、使用されるべき有効成分は、例えば、それらの果肉、複数の果実、ジュース、ミルク、穀粒、繊維、細胞フィラメント、菌糸体、胚乳、葉、花、芽、外皮または茎からなり得る。
【0009】
そうであるから、本発明に従う医薬品は、各場合において、有効成分として、アンズ(prunus armenica)の果肉または仁、ココヤシ(cocos nucifera)の繊維または胚乳、ホップ(humulus lupulus)の複数の果実、発芽大麦、発芽オート麦、発芽ライ麦、または発芽小麦、および細胞フィラメントまたは真菌の菌糸体、グレープバイン由来のグレープジュースのアルコール発酵ならびにmusazeおよびキイチゴの葉の果実または外皮によって得られる液体を含有する。
【0010】
好ましい実施形態において、本発明に従う医薬品は、上の成分または有効成分由来の抽出物に加えて、1つまたは複数の一般的な担体材料、補助手段および/または添加物を含み、例えば、錠剤または糖衣錠または坐剤または滴剤の形態で製造され得る。
【0011】
すでに示されたように、医薬品は、有効成分の固体成分の代わりまたはそれに加えて、植物有効成分または活性植物成分由来の1つまたは複数の抽出物を含み得る。
【0012】
この抽出物は、一般的な抽出手段で補助する個々の成分または有効成分混合物全体の固体−液体または液体−液体抽出によって、そして抽出溶液の引き続く部分的または完全な蒸発によって得られ得る。
【0013】
関連する抽出の使用において、本発明に従って、例えば、温抽出または冷抽出が存在するかならびに抽出方法が連続的または非連続的であるかの問題がある。
【0014】
好ましくは、本発明に従って、本発明者らは、Soxhlet抽出、パーフォレーションまたはパーコレーションによって、連続抽出方法で処理する。
【0015】
本発明に従う非連続抽出の使用において、これは、振盪(shaking out)、浸出(leaching out)または消化の問題であり得る。
【0016】
本発明に従う医薬品の特に好ましい実施形態において、抽出物は、1つの個々の有効成分または有効成分の混合物全体由来の1つの固定された有効成分の含量調整抽出物の1つを示す。
【0017】
この抽出物は、エタノールまたはエタノール−水混合物を使用する冷浸またはパーコレーションによって得られ得る。
【0018】
本発明に従って使用されるべき抽出物は、例えば、乾燥抽出物(extracta sicca)および/または液体抽出物(extracta fluidica)および/または粘性抽出物(extracta spissa)からなり得る。
【0019】
本発明に従う医薬品は、滴剤またはエアロゾルの形態、あるいは静脈内、動脈内、筋肉内、皮下または腰内注射もしくは注入のための溶液の形態で、摂取される液体の形態で配合され得る。
【0020】
特に好ましい実施形態において、医薬品は、各場合に、有効成分として、必要な場合に、通常の担体材料、補助手段および/または添加物材料と一緒に、例えば10重量%〜20重量%の範囲のアンズ(prunus armenica)、例えば10重量%〜20重量%の範囲のココヤシ(cocos nucifera)、例えば10重量%〜20重量%の範囲のホップ(humulus lupulus)、および例えば10重量%〜20重量%の範囲の発芽大麦、10重量%〜20重量%の範囲の発芽ライ麦、または10重量%〜20重量%の範囲の発芽小麦、および例えば10重量%〜20重量%の範囲の真菌の成分および/または抽出物、例えば10重量%〜20重量%の範囲のグレープバインのグレープジュースのアルコール発酵、例えば10重量%〜20重量%の範囲のmusaze、例えば10重量%〜20重量%の範囲のキイチゴの葉によって得られた液体を含有し得る。
【0021】
とりわけ、個々の活性物質成分の有効成分含量が、少なくともいくらか成長基質の条件に依存して、ケースバイケースで変化するという理由のために、上に与えられた重量パーセントデータの範囲が示される。
【0022】
本発明に従う医薬品について、有効成分“真菌”は、例えば、クロロフィルフリーの真核生物、特に原生生物(真菌様原生生物)および/または真菌(高等な真菌)を含む群より選択され得る。
【0023】
詳細には、本発明に従う有効成分“真菌(mycete)”は、原生生物(下等真菌)変形菌、粘菌類、細胞性粘菌(acrasiomycete)、変形菌門ネコブカビ綱(plasmodiophoromycote)、labyrinthulomycote oomycote、hypochytriomycoteおよびツボカビ綱(chytridiomycote)ならびに真菌(高等真菌) 接合菌類(zygomycote)、子嚢菌類(ascomycete)、endomycete、ascomycete、担子菌類(basidiomycoa)、ustomycete、basidiomyceteのような群より選択され得、不完全な真菌(deutermycete)を含む。
【0024】
“真菌(mycete)”有効成分として、皮膚糸状菌、イースト菌または白カビ菌の成分または抽出物は、本発明に従って考慮され得る。
【0025】
有効成分として、“グレープバイン由来のグレープジュースのアルコール発酵により得られた液体”は、特にトロリンゲルブドウまたはEdelvernatsch由来の、例えば、ワイン、好ましくは白ワインまたは赤ワインとして考えられ得る。
【0026】
調査により、本発明に従う医薬品は、とりわけ、後天性免疫不全症候群(AIDS)の処置のための固体および液体形態の両方で効果的であり、そして/または癌(cancer)、悪性腫瘍、癌(carcinoma)、肉腫、および/または精神もしくは神経系の疾患に適していることが示された。
【0027】
本発明に従って、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)、ならびに発芽大麦、発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、グレープバインのグレープジュースのアルコール発酵から得た液体、ならびにmusazeおよびキイチゴの葉由来の液体は、後天性免疫不全症候群(AIDS)の処置について有用である。
【0028】
あるいはまたはさらに、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)、ならびに発芽大麦、発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、グレープバインのグレープジュースのアルコール発酵から得た液体、ならびにmusazeおよびキイチゴの葉由来の液体は、癌(cancer)、悪性腫瘍、癌(carcinoma)および肉腫の処置について有用である。
【0029】
あるいはまたはさらに、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)、ならびに発芽大麦、発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、グレープバインのグレープジュースのアルコール発酵から得た液体、ならびにmusazeおよびキイチゴの葉由来の液体は、精神または神経系の疾患の処置について有用である。
【0030】
さらに、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)、ならびに発芽大麦、発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、グレープバインのグレープジュースのアルコール発酵から得た液体、ならびにmusazeおよびキイチゴの葉由来の液体は、糖尿病の処置のために有用であることが示されている。
【0031】
要約すると、特に費用効率的な有効成分の使用に基づいて、そして簡単な製造方法による医薬品の本発明に従う製造可能性に基づいて、本発明は、AIDS、癌および精神の少なくとも1つの処置について、非常に幅広い範囲の効果を有する医薬品の費用効率的な、簡単かつ迅速な調製を初めて可能にすることに注意すべきである。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
各場合において、有効成分として、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)ならびに発芽大麦または発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、ならびにグレープバインのグレープジュースのアルコール発酵およびmusazeおよびキイチゴの葉から得られた液体の含有量により特徴付けられる、医薬品。
【請求項2】
請求項1に記載の有効成分、およびそれらの果肉、複数の果実、ジュース、ミルク、仁(kernel)、繊維、細胞フィラメント、菌糸体(myzelles)、胚乳、葉、花、芽、外皮(hull)または茎からなることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品。
【請求項3】
各場合において、有効成分として、アンズ(prunus armenica)の果肉または胚乳、ココヤシ(cocos nucifera)の繊維または胚乳、ホップ(humulus lupulus)の複数の果実、発芽大麦、発芽オート麦、発芽ライ麦、または発芽小麦、および細胞フィラメントまたは真菌の菌糸体、グレープバイン由来のグレープジュースのアルコール発酵ならびにmusazeおよびキイチゴの葉の果実または外皮によって得られる液体の含有量により特徴付けられる、先の請求項のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項4】
請求項1に記載の抽出物および/または成分抽出物に加えて、一般的な担体材料、補助手段および/または添加物を含み、これが、錠剤または糖衣錠または坐剤または滴剤の形態で製造されることを特徴とする、先の請求項のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項5】
一般的な抽出手段で補助する個々の成分または有効成分混合物の固体−液体または液体−液体抽出によって、そして抽出溶液の引き続く部分的または完全な蒸発によって、抽出物が得られ得ることを特徴とする、請求項1に記載の医薬品。
【請求項6】
温または冷抽出が存在するかならびに抽出方法が連続的または非連続的であるかが問題であること特徴とする、請求項1または5に記載の医薬品。
【請求項7】
連続抽出方法が、Soxhlet抽出、パーフォレーションまたはパーコレーションであり、これに対して、非連続抽出方法が、振盪(shaking out)、浸出(leaching out)または消化であり得ることを特徴とする、請求項1,5または6に記載の医薬品。
【請求項8】
抽出物が、1つの個々の有効成分または有効成分の混合物全体(これは、エタノールまたはエタノール−水混合物を使用する冷浸またはパーコレーションによって得られ得る)由来の1つの固定された有効成分含量の調整された抽出物の1つを示す、請求項1,5,6または7に記載の医薬品。
【請求項9】
乾燥抽出物(extracta sicca)および/または液体抽出物(extracta fluidica)および/または粘性抽出物(extracta spissa)を扱うことを特徴とする、請求項1,5,6または8に記載の医薬品。
【請求項10】
滴剤またはエアロゾルの形態、あるいは静脈内、動脈内、筋肉内、皮下または腰内注射もしくは注入のための溶液の形態で、摂取される液体の形態で配合され得ることを特徴とする、請求項1,5,6,8または9のいずれかに記載の医薬品。
【請求項11】
通常の担体材料、補助手段および/または添加物と一緒に、各場合に、有効成分として、10重量%〜20重量%の範囲のアンズ(prunus armenica)、10重量%〜20重量%の範囲のココヤシ(cocos nucifera)、10重量%〜20重量%の範囲のホップ(humulus lupulus)の成分および/または抽出物、および10重量%〜20重量%の範囲の発芽大麦、10重量%〜20重量%の範囲の発芽ライ麦、または10重量%〜20重量%の範囲の発芽小麦、および10重量%〜20重量%の範囲の真菌、ならびに10重量%〜20重量%の範囲の例えばグレープバインのグレープジュースのアルコール発酵、10重量%〜20重量%の範囲の例えばmusaze、10重量%〜20重量%の範囲のキイチゴの葉によって得られた液体を含有し得ることを特徴とする、先の請求項に記載の医薬品。
【請求項12】
有効成分真菌が、クロロフィルフリーの真核生物、特に原生生物(真菌様原生生物)および/または真菌(高等な真菌)を含む群より選択されることを特徴とする、先の請求項に記載の医薬品。
【請求項13】
後天性免疫不全症候群(AIDS)および/または癌(cancer)、悪性腫瘍、癌(carcinoma)、肉腫、および/または精神もしくは神経系の疾患の処置に適していることを特徴とする、先の請求項に記載の医薬品。
【請求項14】
後天性免疫不全症候群(AIDS)の処置のための医薬品の調製のための、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)、ならびに発芽大麦、発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、グレープバインのグレープジュースのアルコール発酵から得た液体、ならびにmusazeおよびキイチゴの葉由来の液体の使用。
【請求項15】
癌(cancer)、悪性腫瘍、癌(carcinoma)および肉腫の処置のための医薬品の調製のための、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)、ならびに発芽大麦、発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、グレープバインのグレープジュースのアルコール発酵から得た液体、ならびにmusazeおよびキイチゴの葉由来の液体の使用。
【請求項16】
精神または神経系の疾患の処置のための医薬品の調製のための、アンズ(prunus armenica)、ココヤシ(cocos nucifera)およびホップ(humulus lupulus)、ならびに発芽大麦、発芽ライ麦、または発芽小麦および真菌の成分および/または抽出物、グレープバインのグレープジュースのアルコール発酵から得た液体、ならびにmusazeおよびキイチゴの葉由来の液体の使用。



【公表番号】特表2007−532588(P2007−532588A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507649(P2007−507649)
【出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【国際出願番号】PCT/DE2004/001100
【国際公開番号】WO2005/099727
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(505108546)
【Fターム(参考)】