説明

医薬組成物

【課題】 糖尿病などの予防・治療に有用な、医薬組成物を提供する。
【解決手段】
下式で示される化合物、またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分とする医薬組成物。


(式中、R1はハロゲンまたはアルキルであり、R2は水素またはハロゲンであり、Arはハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、フェニル、ピリジル、チエニルなどで置換されていてもよい、フェニルまたはチエニル、等を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の治療においては食事療法および運動療法が必須であるが、これだけで充分なコントロールが得られないときは、必要に応じてインスリンまたは経口糖尿病薬が使用される。現在、糖尿病治療薬としては、ビグアナイド系化合物、スルホニルウレア系化合物、インスリン抵抗性改善薬およびα−グルコシダーゼ阻害薬が用いられている。しかしながら、ビグアナイド系化合物には乳酸アシドーシス、スルホニルウレア系化合物には重篤な低血糖、インスリン抵抗性改善薬には浮腫および心不全、α−グルコシダーゼ阻害薬には腹部膨満および下痢などの副作用があり、このような問題点のない新しい糖尿病治療薬の開発が望まれている。
【0003】
近年、糖尿病の進展に、糖尿病の病態そのものである高血糖自身が関与する、というグルコース・トキシシティー・セオリーが提唱されている。慢性的な高血糖が、インスリン分泌を低下させると共に、インスリン感受性を低下させ、これがさらなる血糖値の上昇を引き起こすという悪循環を生むとするものである〔非特許文献1、非特許文献2等参照〕。本理論によれば、高血糖を是正することは、様々な合併症を抑制するのみならず、前述の悪循環を断ち切ることで、糖尿病の効率的な治療にもつながることになる。
【0004】
高血糖を是正するための一つの方法としては、血中の過剰な糖を尿中に直接排泄させるやり方が考えられる。例えば、腎臓の近位尿細管に存在するナトリウム依存性グルコース輸送担体(SGLT)を阻害することで、腎臓での糖再吸収を阻害し、糖の尿中排泄を促進して血糖を降下させることができる。事実、SGLT阻害作用を有するフロリジンを、糖尿病モデル動物に持続的に皮下投与して高血糖を是正し、血糖値を長期間正常に保つことによって、インスリン分泌およびインスリン抵抗性が改善することが確認されている〔非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5等〕。
【0005】
また、糖尿病モデル動物にSGLT阻害薬を長期間処置することにより、該モデル動物の腎臓への悪影響や血漿中電解質の異常を全く引き起こすことなく、インスリン分泌応答およびインスリン感受性を改善し、かつ糖尿病性腎症や神経障害の発症・進展を抑制することが報告されている。〔非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8等〕。
【0006】
以上のことから、SGLT阻害薬は糖尿病患者において血糖値を低下させることによって、インスリン分泌およびインスリン抵抗性を改善し、かつ糖尿病及び糖尿病性合併症の発症進展を抑制することが期待される。
【0007】
特許文献1には、下記構造を有するアリールC−グリコシド化合物が記載されている。
【0008】
【化1】

【0009】
この化合物はSGLT阻害薬として、糖尿病等の予防・治療に有用であることが示されている。
【0010】
【特許文献1】WO01/27128パンフレット
【非特許文献1】ダイアベトロジア(Diabetologia)第28巻、第119頁(1985年)
【非特許文献2】ダイアベテス ケア(Diabetes Care)、第13巻、第610頁(1990年)
【非特許文献3】ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスチゲーション(J. Clin. Invest.)、第79巻、第1510頁(1987年)
【非特許文献4】ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスチゲーション(J. Clin. Invest.)、第80巻、第1037頁(1987年)
【非特許文献5】ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスチゲーション(J. Clin. Invest.)、第87巻、第561頁(1991年)
【非特許文献6】ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J. Med. Chem.)第42巻、第5311頁(1999年)
【非特許文献7】ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Br. J. Pharmacol.)第132巻、第578頁(2001年)
【非特許文献8】ウエタら、ライフ・サイエンシズ(Life Sci.)第76巻、第2655頁(2005年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、優れたSGLT阻害作用を有する化合物を有効成分とする、新規医薬組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、下記式(I)で示される化合物、またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分とする医薬組成物に関する。
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、R1はハロゲンまたはアルキルであり、R2は水素またはハロゲンであり、Arは
【0015】
【化3】

【0016】
であり、R3とR4は互いに独立して、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、フェニル、ハロフェニル、シアノフェニル、ピリジル、ハロピリジル、チエニル、またはハロチエニルであるか、あるいはR3とR4は結合している炭素原子と共に縮合ベンゼン環、縮合フラン環または縮合ジヒドロフラン環を形成する。)
本発明の有効成分である式(I)の化合物は、哺乳類の腸および腎臓に存在するナトリウム依存性グルコース輸送担体の阻害活性を有し、本発明の医薬組成物は、血糖降下剤、糖尿病や糖尿病性合併症(たとえば網膜症、神経障害、腎症)、肥満の治療・予防剤、および創傷治癒促進剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
“ハロゲン”または“ハロ”とは、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を指称し、塩素またはフッ素が好ましい。
【0018】
“アルキル”とは、炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素鎖の1価基を指称する。炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1から2のアルキルがより好ましい。具体的には、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、これらの各種分枝鎖異性体等が挙げられる。
【0019】
“アルカノイル”とは、上記の“アルキル”がカルボニル基に結合したものを指称する。
【0020】
“アルコキシ”とは、上記の“アルキル”が酸素原子に結合したものを指称する。
【0021】
“アルキルチオ”とは、上記の“アルキル”が硫黄原子に結合した基を指称する。
【0022】
“シクロアルキル”とは、炭素数3〜6の単環飽和炭化水素環の1価基を指称する。シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
【0023】
さらに、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロフェニル、ハロピリジル、ハロチエニルなる用語は、それぞれ、1つ以上のハロゲン原子(フッ素や塩素など)で置換された、アルキル、アルコキシ、フェニル、ピリジル、またはチエニルを指称する。具体的には、CHF2、CF3、CHF2O、CF3O、CF3CH2、CF3CH2O、FCH2CH2O、ClCH2CH2O、FC6H4、ClC6H4、BrC6H4、IC6H4、FC5H3N、ClC5H3N、BrC5H3N、FC4H2S、ClC4H2S、およびBrC4H2Sが挙げられる。
【0024】
同様に、“シアノフェニル”は1つ以上のシアノ基で置換されたフェニル基を指称する。
【0025】
本発明の有効成分(I)において、R1がハロゲンであり、R2が水素であり、R3とR4が独立して水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、フェニル、ハロフェニル、シアノフェニル、ピリジル、またはハロピリジルであるか、あるいはR3とR4が、結合する炭素原子と共に、縮合ベンゼン環、縮合フラン環、縮合ジヒドロフラン環を形成している化合物が好ましい。
【0026】
より好ましくは、R3とR4が独立して水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシであるか、あるいはR3とR4が結合する炭素原子と共に縮合フラン環、または縮合ジヒドロフラン環を形成している化合物である。
【0027】
さらに好ましくは、Arが
【0028】
【化4】

【0029】
である。
【0030】
ここでより好ましくは、R3がハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシである。
【0031】
他に好ましくは、R1が塩素である。
【0032】
さらに好ましくは、R3がハロゲン、ハロアルキル、またはハロアルコキシである。
【0033】
最も好ましくは、R1がフッ素であり、R3がアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシである。
【0034】
また他に好ましくは、Arが
【0035】
【化5】

【0036】
である。
【0037】
なかでも好ましくは、R1がハロゲン、R3がハロゲン又はアルキルである。
【0038】
さらにまた他に好ましくは、Arが
【0039】
【化6】

【0040】
(ここにおいて、
【0041】
【化7】

【0042】
は単結合または二重結合を表す。)
である。
【0043】
本発明の医薬組成物の有効成分としてとりわけ好ましいのは、
4−クロロ−3−(4−エチルフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−エトキシフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(5−ブロモチオフェン−2−イルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−フルオロ−3−(4−エチルフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−クロロフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−フルオロ−3−(4−エトキシフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−ブロモフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(ベンゾ〔b〕フラン−5−イルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−(ジフルオロメチル)フェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−ヨードフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;および
4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
から選ばれる化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩である。
【0044】
本発明の有効成分(I)は、ナトリウム依存性グルコース輸送担体の阻害活性を有し、優れた血糖降下作用を示す。このため、本発明の医薬組成物は、糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、遅延創傷治癒、インスリン抵抗性、高血糖症、高インスリン血症、高脂肪酸血症、高グリセロール血症、高脂血症、肥満症、高トリグリセリド血症、X症候群、メタボリック症候群、糖尿病性合併症、アテローム硬化症、過血糖あるいは高血圧症などの予防または治療剤として好適に使用することができる。とりわけ、糖尿病(1型または2型糖尿病など)、糖尿病性合併症(たとえば網膜症、神経障害、腎症)、または肥満の予防または治療剤として、あるいは過血糖(特に食後の過血糖)の予防または治療剤として好適に使用することができる。
【0045】
本発明の有効成分(I)は、遊離の形でもまたその薬理学的に許容しうる塩の形でも本発明の目的に用いることができる。薬理学的に許容しうる塩としては、たとえばリチウム、ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属塩;カルシウムまたはマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩;並びに亜鉛またはアルミニウムとの塩;および有機塩基たとえばアンモニウム、コリン、ジエタノールアミン、リジン、エチレンジアミン、t−ブチルアミン、t−オクチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−メチルグルコサミン、トリエタノールアミンおよびデヒドロアビエチルアミンとの塩;塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩;あるいはギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との塩;またはアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。
【0046】
また、有効成分(I)の薬理学的に許容しうる塩とは、その分子内塩、溶媒和物あるいは水和物等をいずれも含む。
【0047】
本発明の有効成分である化合物(I)およびその薬理学的に許容しうる塩は、経口的にも非経口的にも投与することができ、経口もしくは非経口投与に通常用いられる医薬担体を用いて、適当な製剤とすることができる。かかる医薬担体としては、例えば、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドン等)、賦形剤(乳糖、砂糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン等)、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ等)、崩壊剤(バレイショデンプン等)および湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)等をあげることができる。また、これら医薬製剤は、経口投与する場合には、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤の如き固形製剤であってもよく、溶液、懸濁液、乳液の如き液体製剤であってもよい。一方、非経口投与する場合には、例えば、注射用蒸留水、生理的食塩水、ブドウ糖水溶液等を用いて注射剤や点滴剤として、あるいは坐剤等とすることができる。
【0048】
本発明の有効成分(I)またはその薬理学的に許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体重、状態或いは疾患の種類・程度によっても異なるが、通常、1日当り約0.1〜50mg/kg、とりわけ約0.1〜30mg/kg程度とするのが好ましい。
【0049】
本発明の有効成分(I)は、SGLT阻害作用を有し、これにより尿中への糖の排泄を促進し、血糖降下作用を奏する。インスリン非依存型糖尿病モデル動物に、本発明の有効成分を投与したところ、血糖値の改善が見られた。
【0050】
また、本発明の有効成分は、毒性が低いという特徴も有する。
【0051】
本発明の有効成分は、式(II)
【0052】
【化8】

【0053】
(式中、R5はヒドロキシ基の保護基を表し、他の記号は前記と同一意味を有する。)
で示される化合物を脱保護し、要すれば薬理学的に許容しうる塩とすることにより製造することができる。
【0054】
水酸基の保護基としては、慣用の保護基を用いることができ、例えばベンジル基、アセチル基、トリメチルシリル基などのアルキルシリル基を用いることができる。また水酸基の保護基としては、隣接する水酸基とともにアセタールやシリルアセタールを形成していてもよい。そのような保護基としては、イソプロピリデン基やsec-ブチリデン基などのアルキリデン基、ベンジリデン基、またはジ−tert−ブチルシリレン基などのジアルキルシリレン基があげられる。
【0055】
脱保護は、除去される保護基の種類に応じ、還元、加水分解、酸処理、フッ化物処理などの常法により実施することができる。
【0056】
還元の場合には、例えば、適当な溶媒中(メタノール、エタノールなど)、水素雰囲気下、触媒(パラジウム−炭素、白金など)を用いて処理すればよい。
【0057】
加水分解の場合には、適当な溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、水など)、塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)で処理すればよい。
【0058】
酸処理の場合は、適当な溶媒中(例えば、メタノール、エタノールなど)、酸(例えば、塩酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸など)で処理すればよい。
【0059】
フッ化物処理の場合には、適当な溶媒中(メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフランなど)、フッ化物(フッ化水素、フッ化水素−ピリジン、フッ化テトラブチルアンモニウム等)で処理すればよい。
【0060】
式(II)で示される化合物は、以下の製造工程1−3のいずれかの方法で製造することができる。
製造工程1
【0061】
【化9】

【0062】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
まず、式(V)で示される化合物と式(VI):
Ar-COCl (VI)
(ただし、記号は前記と同一意味を有する)
で示される化合物を縮合して、式(IV)で示される化合物を製造する。
【0063】
縮合は、適当な溶媒中(例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素)、ルイス酸(例えば、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩など)の存在下に、冷却下から加熱下(例えば、−30℃〜60℃)で実施することができる。
【0064】
次に、式(IV)で示される化合物を還元して、式(III)で示される化合物を製造する。
【0065】
還元は、適当な溶媒中(例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メタノール、エタノールなどのアルコール類など)、還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム(塩化セリウムの存在下または非存在下に使用)、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウムなど)で、冷却下から室温(例えば、−30℃〜25℃)で処理することにより実施することができる。
【0066】
そして、式(III)で示される化合物を還元して、式(II)で示される化合物を製造する。
【0067】
還元は、適当な溶媒中(アセトニトリル、ジクロロメタンなど)、酸(トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、四塩化チタンなどのルイス酸)の存在下、冷却下から室温(例えば、−30℃〜25℃)でシラン試薬(トリエチルシラン、トリイソプロピルシランなど)で処理することにより、実施できる。
製造工程2
【0068】
【化10】

【0069】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
まず、式(V)で示される化合物をホルミル化して、式(VII)で示される化合物を製造する。
【0070】
ホルミル化は適当な溶媒中(例えば、ジメチルホルムアミド、ジクロロエタンなど)、室温から加熱下(例えば、25〜80℃)に、フィルスマイヤ−試薬(ジメチルホルムアミド又はN-メチルホルムアニリドを、オキシ塩化リン、塩化チオニルまたは塩化オキサリルで処理して生成させる)を用いることにより実施できる。
【0071】
次に、式(VII)で示される化合物と、ArLi、ArMgBr、ArZnBr、Ar(Me)2LiZn、またはArB(OH)2(ただし、Meはメチル、Arは前記と同一意味を有する)をカップリングさせることにより、式(III)で示される化合物を製造する。
【0072】
ArLi、ArMgBr、ArZnBr、またはAr(Me)2LiZnを用いたカップリングは、適当な溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなど)、冷却下から室温(例えば、-78℃〜25℃)で実施することができる。
【0073】
ArB(OH)2を用いたカップリングは、適当な溶媒中(例えば、テトラヒドロフランなど)、触媒(例えば、(アセチルアセトナト)ジカルボニルロジウム(I)など)とリガンド(例えば、1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなど)の存在下、室温から加熱下(例えば、25〜100℃)に実施することができる。
【0074】
そして、式(III)で示される化合物を還元して式(II)で示される化合物を製造する。還元は製造工程1に記載の方法と同様にして実施できる。
製造工程3
【0075】
【化11】

【0076】
(式中、Ar1はフェニル又はチエニルであり、Xは臭素又はヨウ素であり、Ar2はフェニル、ハロフェニル、シアノフェニル、ピリジル、ハロピリジル、チエニル、ハロチエニル、R6はシクロアルキルであり、他の記号は前記と同一意味を有する)
式(II-A)で示される化合物とAr2B(OH)2、またはR6B(OH)2(ただし、記号は前記と同一意味を有する)で示される化合物を反応させ、式(II-B)で示される化合物を製造することができる。
【0077】
カップリング反応は、適当な溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、またはそれらの混合溶媒など)、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウムなど)と塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)の存在下、室温から加熱下(例えば、25〜150℃)に実施することができる。
【0078】
原料化合物である式(V)の化合物は、以下の式に示される工程により製造することができる。
【0079】
【化12】

【0080】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する。)
まず、式(XI)で示される化合物とD-グルコースを、適当な溶媒中(例えば、メタノール、エタノールなど)、触媒(例えば、塩化アンモニウム、酢酸など)の存在もしくは非存在下に縮合させることにより、式(X)で示される化合物を製造する。
【0081】
次に、式(X)の化合物を、適当な溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタンなど)、室温又は冷却下に酸化剤(2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンなど)で処理することにより、式(VIII)で示される化合物を製造する。
【0082】
そして常法により式(VIII)で示される化合物の水酸基を保護することにより、式(V)で示される化合物を製造することができる。
【0083】
なお、酸化剤で処理する工程と水酸基を保護する工程は、その順を入替えて実施してもよい。
【0084】
式(XI)で示される化合物は以下の工程により、製造することができる。
【0085】
【化13】

【0086】
(ただし、R7はアルキルであり、他の記号は前記と同一意味を有する。)
まず、式(XV)で示される化合物を、適当な溶媒中(メタノール、エタノール、トルエンなど)、酸(たとえば、塩化亜鉛、塩酸、ポリリン酸、トリフルオロ酢酸など)の存在下、加熱して環化することにより、式(XIV)で示される化合物を製造する。
【0087】
次に、式(XIV)で示される化合物を適当な溶媒中(例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、水など)、室温又は冷却下、塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなど)で加水分解することにより、式(XIII)で示される化合物を製造する。
【0088】
さらに、式(XIII)で示される化合物を、適当な溶媒中(例えば、キノリンなど)、触媒(例えば、銅)の存在下に脱炭酸して、式(XII)で示される化合物を製造する。
【0089】
そして、式(XII)で示される化合物を、適当な溶媒中(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンなど)、室温または加熱下、酸(例えば、トリフルオロ酢酸、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩)の存在下、還元剤(例えば、トリエチルシラン、水素化ホウ素亜鉛)で処理することにより、式(XI)で示される化合物を製造することができる。
【0090】
式(XV)で示される化合物は、式(XVI)
【0091】
【化14】

【0092】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する)
で示される化合物と、適当な溶媒中(アセトニトリル、メタノール、エタノール、水)、室温又は加熱下に、酸(塩酸、酢酸など)の存在下、CH3COCO2R7(ただし、R7は前記と同一意味を有する)と反応させることにより製造するか、あるいは、式(XVII)
【0093】
【化15】

【0094】
(ただし、記号は前記と同一意味を有する)
で示される化合物を、適当な溶媒中(水、メタノール、エタノール)、室温又は冷却下、酸(例えば、塩酸など)の存在下に亜硝酸ナトリウムで処理して、対応するジアゾニウム塩化合物を製した後、適当な溶媒中(例えば、メタノール、エタノール、水)、室温又は冷却下に、塩基(酢酸ナトリウム、水酸化カリウムなど)の存在下でCH3COCO2R7(ただし、R7は前記と同一意味を有する)と反応させることにより製造することができる。
【0095】
以下、本発明の医薬組成物の有効成分について、例を上げて説明する。
【0096】
製造例1:
(1)4-クロロインドリン(2.88 g)、D-グルコース(3.38 g)およびエタノール(150 ml)−水(10 ml)の混合物を、アルゴン気流下、終夜還流した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム:メタノール=100:0〜88:12)で精製して、4-クロロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドリン(3.35 g)を得た。APCI-Mass m/Z 316/318 (M+H)
(2)上記化合物(3.3 g)を1,4-ジオキサン(150 ml)に溶解し、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(2.85 g)を加えた。混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;溶出溶媒クロロホルム:メタノール=100:0〜86:14)で精製して、4-クロロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドール(2.01 g)を得た。APCI-Mass m/Z 314/316 (M+H)
(3)上記化合物(2.01 g)をジクロロメタン(100 ml)に懸濁し、無水酢酸(4.24 ml)、N,N-ジイソプロピルアミン(7.8 ml)および4-(ジメチルアミノ)ピリジン(78 mg)を順に加えた。室温で30分攪拌後、混合物をクエン酸水溶液、水、飽和重曹水で順に洗浄した。有機層を乾燥し、溶媒を留去した。残渣をジエチルエーテル−ヘキサンから結晶化して、4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(2.94 g)を得た。APCI-Mass m/Z 499/501 (M+NH4).
(4)上記化合物(800 mg)及び塩化4-エチルベンゾイル(0.317 ml)のジクロロメタン(30 ml)溶液に塩化アルミニウム(1.11 g)を0℃で加えた。同温で1時間攪拌後、混合物を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜55:45)で精製して、4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-エチルフェニル ケトン(970 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 614/616 (M+H).
(5)上記化合物(960 mg)をテトラヒドロフラン(12 ml)−エタノール(6 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウム(592 mg)を加えた。室温で1.5時間攪拌後、反応混合物を冷やした0.5N塩酸に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-エチルフェニル メタノールを得た。本品は精製することなく、次の工程に使用した。
(6)上記化合物のアセトニトリル(10 ml)−ジクロロメタン(20 ml)溶液に、アルゴン気流下、トリエチルシラン(1.25 ml)および三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩(0.99 ml)を0℃で加えた。同温で15分攪拌後、飽和重曹水を加えた。有機溶媒を留去した後、残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、減圧濃縮して、粗体の4-クロロ-3-(4-エチルフェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(一部、脱アセチル化された)を得た。これをクロロホルム(30 ml)に溶かし、無水酢酸(0.673 ml)、トリエチルアミン(0.871ml)および4-(ジメチルアミノ)ピリジン(触媒量)を加えた。室温で30分攪拌後、洗浄し、乾燥した。溶媒を留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=85:15〜0:40)で精製して、4-クロロ-3-(4-エチルフェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(514 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 617/619 (M+NH4).
(7)上記化合物(510 mg)をテトラヒドロフラン(10 ml)−メタノール(5 ml)に溶かし、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、3滴)を加えた。室温で30分攪拌後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製して、4-クロロ-3-(4-エチルフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドール(337 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 432/434 (M+H)。
【0097】
製造例2:
(1)4-フルオロインドリン(185 mg)、D-グルコース(267 mg)及び水(0.74 ml)−エタノール(9 ml)の混合物をアルゴン雰囲気下で24時間還流した。溶媒を留去して、粗体の4-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドリンを得た。本品は精製せずに次工程に用いた。
(2)上記化合物をクロロホルム(8 ml)に懸濁し、ピリジン(0.873 ml)、無水酢酸(1.02 ml)および4-(ジメチルアミノ)ピリジン(触媒量)を加えた。室温で21時間攪拌後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルに溶かし、10%硫酸銅(II)水溶液、飽和重曹水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜60:40)で精製して、4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドリン(365 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 468 (M+H).
(3)上記化合物(348 mg)を1,4-ジオキサン(14 ml)に溶かし、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(306 mg)を加えた。室温で33時間攪拌後、飽和重曹水を加え、有機溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄、乾燥後、活性炭で処理した。ろ過後、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜60:40)で精製した後、エタノールから結晶化して、4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(313 mg)を得た。融点:132−135℃ APCI-Mass m/Z 483 (M+NH4).
(4)上記化合物(301 mg)と塩化4-エチルベンゾイル(0.124 ml)のジクロロメタン(12 ml)溶液に、攪拌下、塩化アルミニウム(431 mg)を0℃で加え、同温で1時間攪拌後、混合物を氷水(15 ml)に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜55:45)で精製して、4-エチルフェニル 4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル ケトン(378 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 598 (M+H).
(5)上記化合物(375 mg)のエタノール(4 ml)−テトラヒドロフラン(8 ml)溶液に、攪拌下、塩化セリウム(III)7水和物(701 mg)と水素化ホウ素ナトリウム(71.2 mg)を0℃で加えた。同温で1時間攪拌後、0.5N塩酸を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去し、粗体の4-エチルフェニル 4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル メタノールを得た。本品は、精製せずに次工程に用いた。
(6)上記化合物のアセトニトリル(8 ml)−ジクロロメタン(4 ml)溶液に、アルゴン雰囲気下、トリエチルシラン(0.501 ml)および三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩(0.398 ml)を-10℃で加えた。同温で10分攪拌後、飽和重曹水を加え、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥後、溶媒を留去して、粗体の3-(4-エチルフェニルメチル)-4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(一部、脱アセチル化された)を得た。本品をクロロホルム(11 ml)に溶かし、ピリジン(0.152ml)、無水酢酸(0.178 ml)および4-(ジメチルアミノ)ピリジン(7.7 mg)を加えた。室温で1時間攪拌後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(40 ml)に溶かし、10%硫酸銅水溶液、飽和重曹水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣を、加熱下、エタノール中で粉末化して、3-(4-エチルフェニルメチル)-4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(335 mg)を得た。 融点:188-189℃. APCI-Mass m/Z 601 (M+NH4).
(7)上記化合物(321 mg)をメタノール(3 ml)−テトラヒドロフラン(6 ml)に溶かし、ナトリムメトキシド(28%メタノール溶液、1滴)を加えた。室温で3時間攪拌後、混合物を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)で精製して、3-(4-エチルフェニルメチル)-4-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドール(226 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 433 (M+NH4)。
【0098】
製造例3:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールと塩化4-エトキシベンゾイルを製造例2-(4)と同様に処理して、4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-エトキシフェニル ケトンを得た。APCI-Mass m/Z 630/632 (M+H).
(2)上記化合物(500 mg)を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-エトキシフェニル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物のアセトニトリル(10 ml)−ジクロロメタン(5 ml)溶液に、アルゴン雰囲気下、トリエチルシラン(0.634 ml)および三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩(0.503 ml)を-10℃で加えた。同温で40分攪拌した後、飽和重曹水を加え、有機溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をエタノールから結晶化して、4-クロロ-3-(4-エトキシフェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(430 mg)を得た。融点:166−169℃. APCI-Mass m/Z 633/635 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-エトキシフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 465/467 (M+NH4)。
【0099】
製造例4
製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-(メチルチオ)ベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-(メチルチオ)フェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 450/452 (M+H)。
【0100】
製造例5:
製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールと塩化4-メトキシベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-メトキシフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 434/436 (M+H)。
【0101】
製造例6:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールと塩化4-クロロベンゾイルを製造例2-(4)と同様に処理して、4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-クロロフェニル ケトンを得た。APCI-Mass m/Z 620/622 (M+H).
(2)上記化合物を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-クロロフェニル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物を製造例3-(3)と同様にして、4-クロロ-3-(4-クロロフェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。融点:214−216℃. APCI-Mass m/Z 623/625 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-クロロフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 438/440 (M+H)。
【0102】
製造例7:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールと5-ブロモチオフェン-2-カルボニルクロリドを製造例2-(4)と同様に処理して、4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 5-ブロモ-2-チエニル ケトンを得た。APCI-Mass m/Z 670/672 (M+H).
(2)上記化合物を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 5-ブロモ-2-チエニル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物を製造例3-(3)と同様に処理して、3-(5-ブロモ-2-チエニルメチル)-4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 融点:185−187℃. APCI-Mass m/Z 673/675 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、3-(5-ブロモ-2-チエニルメチル)-4-クロロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 505/507 (M+NH4)。
【0103】
製造例8:
(1)製造例2-(3)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-エトキシベンゾイルを製造例2-(4)と同様に処理して、4-エトキシフェニル 4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル ケトンを得た。 APCI-Mass m/Z 614 (M+H).
(2)上記化合物を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体の4-エトキシフェニル 4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物を製造例3-(3)と同様に処理して、3-(4-エトキシフェニルメチル)-4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。融点:146−148℃. APCI-Mass m/Z 617 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、3-(4-エトキシフェニルメチル)-4-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 449 (M+NH4)。
【0104】
製造例9:
製造例2-(3)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-メトキシベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4-フルオロ-3-(4-メトキシフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 435 (M+NH4)。
【0105】
製造例10:
製造例2-(3)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-(メチルチオ)ベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4-フルオロ-3-(4-(メチルチオ)フェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 451 (M+NH4)。
【0106】
製造例11:
製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-メチルベンゾイルを製造例2-(4),(5),(6)及び(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-メチルフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 418/420 (M+H)。
【0107】
製造例12:
製造例2-(3)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-(2-フルオロエチルオキシ)ベンゾイルを製造例2-(4),(5),(6)及び(7)と同様に処理して、4-フルオロ-3-(4-(2-フルオロエチルオキシ)フェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 467 (M+NH4)。
【0108】
製造例13:
製造例2-(3)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-(2-クロロエチルオキシ)ベンゾイルを製造例3と同様に処理して、3-(4-(2-クロロエチルオキシ)フェニルメチル)-4-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 483/485 (M+NH4)。
【0109】
製造例14:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-ブロモベンゾイルを製造例2-(4)と同様に処理して、4-ブロモフェニル 4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル ケトンを得た。 APCI-Mass m/Z 664/666 (M+H).
(2)上記化合物を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体の4-ブロモフェニル 4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物を製造例3-(3)と同様に処理して、3-(4-ブロモフェニルメチル)-4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。融点:223−225℃. APCI-Mass m/Z 667/669 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、3-(4-ブロモフェニルメチル)-4-クロロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 482/484 (M+H)。
【0110】
製造例15:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールとベンゾ[b]フラン-5-カルボニルクロリドを製造例2-(4)と同様に処理してベンゾ[b]フラン-5-イル 4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル ケトンを得た。APCI-Mass m/Z 626/628 (M+H).
(2)上記化合物を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体のベンゾ[b]フラン-5-イル 4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル メタノールを得た。本品は、精製せずに次工程に用いた。
(3)上記化合物を製造例3-(3)と同様に処理して、3-(ベンゾ[b]フラン-5-イルメチル)-4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。融点:186−188℃ APCI-Mass m/Z 629/631 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、3-(ベンゾ[b]フラン-5-イルメチル)-4-クロロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 444/446 (M+H)。
【0111】
製造例16:
製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールと5-エチルチオフェン-2-カルボニルクロリドを製造例2-(4),(5),(6)および(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(5-エチルチオフェン-2-イルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 455/457 (M+NH4)。
【0112】
製造例17:
製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールおよび塩化4-(2-フルオロエチルオキシ)ベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-(2-フルオロエチルオキシ)フェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 466/468 (M+H)。
【0113】
製造例18
製造例2-(3)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールおよび5-エチルチオフェン-2-カルボニルクロリドを製造例2-(4),(5),(6)および(7)と同様に処理して、3-(5-エチルチオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 439 (M+NH4)。
【0114】
製造例19
製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールと塩化4-(2-クロロエチルオキシ)ベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-(2-クロロエチルオキシ)フェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 499/501 (M+NH4)。
【0115】
製造例20:
(1)製造例2-(3)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールとベンゾ[b]フラン-5-カルボニルクロリドを製造例2-(4)と同様に処理して、ベンゾ[b]フラン-5-イル 4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル ケトンを得た。 APCI-Mass m/Z 627 (M+NH4), 610 (M+H).
(2)上記化合物を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体のベンゾ[b]フラン-5-イル 4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物を製造例3-(3)と同様に処理して、3-(ベンゾ[b]フラン-5-イルメチル)-4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 融点:184−185℃. APCI-Mass m/Z 613 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、3-(ベンゾ[b]フラン-5-イルメチル)-4-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 445 (M+NH4)。
【0116】
製造例21:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(300 mg)と2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-5-カルボニルクロリド(171 mg)をジクロロメタン(9 ml)に溶かし、塩化アルミニウム(166 mg)を0℃で加えた。同温で2.5時間攪拌後、混合物を氷水(50 ml)に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-5-イル ケトン(477 mg)(一部、脱アセチル化された)を得た。この化合物をクロロホルム(9 ml)に溶かし、ピリジン(0.151 ml)、無水酢酸(0.177 ml)及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(7.6 mg)を加えた。室温で16時間攪拌後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(100 ml)に溶かし、10%硫酸銅水溶液、飽和重曹水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜60:40)で精製して、4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-5-イル ケトン(346 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 628/630 (M+H).
(2)上記化合物を製造例2-(5)、(6)及び(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-5-イルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 463/465 (M+NH4)。
【0117】
製造例22:
(1)4-ブロモインドリンを製造例2-(1),(2)および(3)と同様に処理して4-ブロモ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。融点:166−167℃. APCI-Mass m/Z 543/545 (M+NH4), 526/528 (M+H).
(2)上記化合物と塩化4-エチルベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4-ブロモ-3-(4-エチルフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 476/478 (M+H)。
【0118】
製造例23:
(1)4-メチルインドリンを製造例2-(1)、(2)および(3)と同様に処理して、4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 融点:156−157℃. APCI-Mass m/Z 479 (M+NH4).
(2)上記化合物と塩化4-エチルベンゾイルを製造例3と同様に処理して、3-(4-エチルフェニルメチル)-4-メチル-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 412 (M+H)。
【0119】
製造例24:
製造例2-(3)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールと塩化4-メチルベンゾイルを製造例2-(4),(5),(6)及び(7)と同様に処理して、4-フルオロ-3-(4-メチルフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 419 (M+NH4)。
【0120】
製造例25:
(1)製造例2-(3)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(3.50 g)とN,N-ジメチルホルムアミド(3.49 ml)を1,2-ジクロロエタン(70 ml)に溶かし、オキシ塩化リン(2.10 ml)を加えた。70℃で1時間攪拌した後、水を0℃で加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄後、乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜50:50)で精製した後、エタノール(20 ml)から再結晶して、4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-カルボキシアルデヒド(2.93 g)を得た。 融点:190−192℃. APCI-Mass m/Z 511 (M+NH4).
(2)マグネシウム(71 mg)とテトラヒドロフラン(2 ml)の混合物を攪拌下、1-ブロモ-4-ジフルオロメチルベンゼン(587 mg)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)溶液を滴下した。混合物をドライヤーで加熱しながら、1,2-ジブロモエタン(4滴)を加えた。マグネシウムが消失するまで混合物を室温で攪拌した後、4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-カルボキシアルデヒド(350 mg)のテトラヒドロフラン(4 ml)溶液を、アルゴン雰囲気下、-78℃で滴下した。同温で1時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。 混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥後、溶媒を留去して、粗体の4-(ジフルオロメチル)フェニル 4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物とトリエチルシラン(0.57 ml)のジクロロメタン(4 ml)−アセトニトリル(8 ml)溶液に、アルゴン雰囲気下、攪拌しながら三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩(0.50 ml)を-10℃で加えた。混合物を同温で30分間攪拌し、飽和重曹水を加え、有機溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、乾燥後、アミノシラン処理シリカゲルパッドを用いてろ過した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5〜60:40)で精製して、3-(4-(ジフルオロメチル)フェニルメチル)-4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(183 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 623 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、3-(4-(ジフルオロメチル)フェニルメチル)-4-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 455 (M+NH4)。
【0121】
製造例26:
(1)製造例25-(1)で得られた4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-カルボキシアルデヒド(350 mg)、4-(ジフルオロメトキシ)ベンゼンボロン酸(399 mg)、(アセチルアセトナト)ジカルボニルロジウム(I)(37 mg)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(79 mg)および水(3.6 ml)−1,2-ジメトキシエタン(3.6 ml)の混合物を、アルゴン雰囲気下、80℃で18時間攪拌した。 室温まで冷却後、水を加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥後、アミノシラン処理シリカゲルパッドを用いてろ過した。ろ液を減圧濃縮して、粗体の4-(ジフルオロメトキシ)フェニル 4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(2)上記化合物を製造例25-(3)と同様に処理して、3-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニルメチル)-4-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(40 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 639 (M+NH4).
(3)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、3-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニルメチル)-4-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 471 (M+NH4)。
【0122】
製造例27:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールと塩化4-フルオロベンゾイルを製造例2-(4)と同様に処理して、4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-フルオロフェニル ケトンを得た。APCI-Mass m/Z 604/606 (M+H).
(2)上記化合物(520 mg)を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-フルオロフェニル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物をジクロロメタン(10 ml)−アセトニトリル(20 ml)に溶かし、トリエチルシラン(0.688 ml)及び三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩(0.546 ml)をアルゴン雰囲気下、-10℃で加えた。同温で30分攪拌後、飽和重曹水を加えた。酢酸エチルで抽出し,洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜3:2)で精製して、4-クロロ-3-(4-フルオロフェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(454 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 607/609 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-フルオロフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 422/424 (M+H)。
【0123】
製造例28:
(1)4,6-ジクロロインドリン(6.57 g)及びD-グルコース(10.70 g)の水(25 ml)−エタノール(160 ml)溶液を3日間、還流した。有機溶媒を留去後、飽和食塩水と硫酸アンモニウムを加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥後、溶媒を留去して、粗体の4,6-ジクロロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドリンを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(2)上記化合物をクロロホルム(150 ml)に懸濁し、ピリジン(27.57 ml)、無水酢酸(32.23 ml)及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(触媒量)を加えた。室温で終夜攪拌後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルに溶かし、10%硫酸銅水溶液、飽和重曹水、および食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をエタノールから結晶化させて、4,6-ジクロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドリン(5.362 g)を得た。APCI-Mass m/Z 518/520 (M+H).
(3)上記化合物(5.36 g)を1,4-ジオキサン(70 ml)−水(4 ml)に溶かし、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(5.19 g)を加えた。室温で5日間攪拌後、飽和重曹水を加え、有機溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(アミノシラン処理シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=3:1〜3:2)で精製して、4,6-ジクロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(4.08 g)を得た。PCI-Mass m/Z 533/535 (M+NH4).
(4)上記化合物及び塩化4-エトキシベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4,6-ジクロロ-3-(4-エトキシフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 499/501 (M+NH4)。
【0124】
製造例29:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを製造例25-(1)と同様に処理して、4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-カルボキシアルデヒドを得た。APCI-Mass m/Z 527/529 (M+NH4).
(2)上記化合物及び1-ブロモ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンを製造例25-(2)と同様に処理して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-(トリフルオロメトキシ)フェニル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物を製造例25-(3)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。融点:193−194℃. APCI-Mass m/Z 673/675 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 488/490 (M+NH4)。
【0125】
製造例30:
(1)製造例29-(1)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-カルボキシアルデヒドおよび1-ブロモ-4-ジフルオロメチルベンゼンを製造例25-(2)と同様に処理して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-(ジフルオロメチル)フェニル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(2)上記化合物を製造例25-(3)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-(ジフルオロメチル)フェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 639/641 (M+NH4).
(3)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-(ジフルオロメチル)フェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 454/456 (M+H)。
【0126】
製造例31:
(1)製造例29-(1)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-カルボキシアルデヒド(50 mg)、4-(ジフルオロメトキシ)ベンゼンボロン酸(55 mg)、ヒドロキシル(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)二量体(1.3 mg)、トリ-tert-ブチルホスフィン(0.6 mg)および水(1.0 ml)−1,2-ジメトキシエタン(2.0 ml)の混合物を、アルゴン雰囲気下、80℃で、19時間攪拌した。室温まで冷却後、酢酸エチルで抽出した。有機層を アミノシラン処理シリカゲルパッドを用いてろ過し、ろ液を減圧濃縮して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-(ジフルオロメトキシ)フェニル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(2)上記化合物を製造例25-(3)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(28 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 655/657 (M+NH4).
(3)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 470/472 (M+H)。
【0127】
製造例32:
製造例28-(3)で得られた4,6-ジクロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールおよびベンゾ[b]フラン-5-カルボニルクロリドを製造例3と同様に処理して、3-(ベンゾ[b]フラン-5-イルメチル)-4,6-ジクロロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 478/480 (M+H)。
【0128】
製造例33:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-ヨードベンゾイルを製造例2-(4)と同様に処理して、4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-ヨードフェニル ケトンを得た。APCI-Mass m/Z 711/713 (M+H).
(2)上記化合物を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体の4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル 4-ヨードフェニル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物を製造例27-(3)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-ヨードフェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 715/717 (M+NH4).
(4)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-ヨードフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 530/532 (M+H)。
【0129】
製造例34:
(1)4-クロロ-5-フルオロインドリン(584 mg)、D-グルコース(1.04 g)、及びエタノール(20 ml)−水(3 ml)の混合物を1.5日間還流した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム:メタノール=100:0〜85:15)で精製して、4-クロロ-5-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドリン(1.07 g)を得た。APCI-Mass m/Z 334/336 (M+H).
(2)上記化合物(1.06 g)を1,4-ジオキサン(40 ml)に溶かし、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(865 mg)を加えた。室温で6時間攪拌後、飽和重曹水を加えた。有機溶媒を減圧留去した後、残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去して、粗体の4-クロロ-5-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物をジクロロメタン(50 ml)に溶解し、無水酢酸(2.99 ml)、ピリジン(2.57 ml)及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(触媒量)を加えた。室温で終夜攪拌後、溶媒を留去した。残渣に酢酸エチルを加え、10%クエン酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1)で精製して、4-クロロ-5-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(1.24 g)を得た。 APCI-Mass m/Z 517/519 (M+NH4).
(4)上記化合物及びベンゾ[b]フラン-5-カルボニルクロリドを製造例27と同様に処理して、3-(ベンゾ[b]フラン-5-イルメチル)-4-クロロ-5-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 462/464 (M+H)。
【0130】
製造例35:
製造例34-(3)で得られた4-クロロ-5-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールおよび塩化4-エトキシベンゾイルを製造例27と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-エトキシフェニルメチル)-5-フルオロ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 483/485 (M+NH4)。
【0131】
製造例36:
製造例28-(3)で得られた4,6-ジクロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-ヨードベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4,6-ジクロロ-3-(4-ヨードフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 564/566 (M+H)。
【0132】
製造例37:
製造例34-(3)で得られた 4-クロロ-5-フルオロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールおよび塩化4-ヨードベンゾイルを製造例3と同様に処理して、4-クロロ-5-フルオロ-3-(4-ヨードフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 548/550 (M+H)。
【0133】
製造例38:
製造例23-(1)で得られた 4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-ブロモベンゾイルを製造例27と同様に処理して、3-(4-ブロモフェニルメチル)-4-メチル-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 462/464 (M+H)。
【0134】
製造例39:
製造例23-(1)で得られた 4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-ヨードベンゾイルを製造例27と同様に処理して、3-(4-ヨードフェニルメチル)-4-メチル-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 510 (M+H)。
【0135】
製造例40:
製造例23-(1)で得られた 4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールおよびベンゾ[b]フラン-5-カルボニルクロリドを製造例3と同様に処理して3-(ベンゾ[b]フラン-5-イルメチル)-4-メチル-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 424 (M+H)。
【0136】
製造例41:
製造例22-(1)で得られた4-ブロモ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-ブロモベンゾイルを製造例3と同様に処理して4-ブロモ-3-(4-ブロモフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 526/528/530 (M+H)。
【0137】
製造例42:
製造例22-(1)で得られた4-ブロモ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-ヨードベンゾイルを製造例27と同様に処理して4-ブロモ-3-(4-ヨードフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドール得た。 APCI-Mass m/Z 574/576 (M+H)。
【0138】
製造例43:
製造例22-(1)で得られた 4-ブロモ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及びベンゾ[b]フラン-5-カルボニルクロリドを製造例27と同様に処理して3-(ベンゾ[b]フラン-5-イルメチル)-4-ブロモ-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 488/490 (M+H)。
【0139】
製造例44:
製造例22-(1)で得られた 4-ブロモ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-クロロベンゾイルを製造例27と同様に処理して4-ブロモ-3-(4-クロロフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 482/484 (M+H)。
【0140】
製造例45:
(1)製造例23-(1)で得られた 4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び5-ブロモチオフェン-2-カルボニルクロリドを製造例21-(1)と同様に処理して、5-ブロモ-2-チエニル 4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル ケトンを得た。APCI-Mass m/Z 650/652 (M+H).
(2)上記化合物(978 mg)を製造例2-(5)と同様に処理して、粗体の5-ブロモ-2-チエニル 4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール-3-イル メタノールを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(3)上記化合物のアセトニトリル(20 ml)−ジクロロメタン(10 ml)溶液に、アルゴン雰囲気下、トリエチルシラン(1.20 ml)及び三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩(0.953 ml)を0℃で加えた。同温で40分攪拌後、飽和重曹水を加え、有機溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、乾燥後、溶媒を留去して、粗体の3-(5-ブロモチオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(一部脱アセチル化された)を得た。この粗体の化合物をクロロホルム(30 ml)に溶かし、ピリジン(0.365ml)、無水酢酸(0.426 ml)及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(18.4 mg)を加えた。室温で4時間攪拌後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルに溶かし、10%硫酸銅水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜60:40)で精製し、エタノールから再結晶して、3-(5-ブロモチオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(347 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 636/638 (M+H).
(4)上記化合物(150 mg)、3-シアノベンゼンボロン酸(52 mg)、フッ化セシウム(215 mg)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(27.2 mg)および1,2-ジメトキシエタン(5 ml)の混合物を、アルゴン雰囲気下、100℃で2時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、アミノシラン処理シリカゲルパッドを用いてろ過した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=80:20〜50:50)で精製して、3-(5-(3-シアノフェニル)チオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(120 mg)を得た。 APCI-Mass m/Z 676 (M+NH4).
(5)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、3-(5-(3-シアノフェニル)チオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 491 (M+H)。
【0141】
製造例46:
(1)製造例1-(3)で得られた4-クロロ-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-ピバロイルオキシベンゾイルを製造例2-(4)、(5)及び27-(3)と同様に処理して、4-クロロ-3-(4-ピバロイルオキシフェニルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 689/691 (M+NH4).
(2)上記化合物(915 mg)をテトラヒドロフラン(5 ml)−メタノール(5 ml)に溶かし、氷水で冷却し、10 M 水酸化ナトリウム水溶液(1.09 ml)を加え、室温で4時間攪拌した。混合物を再度氷水で冷却し、2N塩酸で酸性化した。酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄後、乾燥した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム:メタノール=9:1〜5:1)で精製して、4-クロロ-3-(4-ヒドロキシフェニルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドール(568 mg)を得た。 APCI-Mass m/Z 420/422 (M+H)。
【0142】
製造例47:
(1)製造例23-(1) で得られた4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び塩化4-ブロモベンゾイルを製造例2-(4)、(5)及び3-(3)と同様に処理して、3-(4-ブロモフェニルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。融点:190-192℃. APCI-Mass m/Z 630/632 (M+H).
(2)上記化合物(300 mg)、シクロプロピルボロン酸(123 mg)、酢酸パラジウム(II)(5.3 mg)、リン酸三カリウム(354 mg)、トリシクロヘキシルホスフィン(13 mg)およびトルエン(15 ml)−水(0.75 ml)の混合物を、アルゴン雰囲気下、90℃で一晩攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、洗浄後、乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=80:20〜50:50)で精製して、3-(4-シクロプロピルフェニルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(214 mg)を得た。 APCI-Mass m/Z 592 (M+H).
(3)上記化合物を(182 mg)テトラヒドロフラン(5 ml)−メタノール(10 ml)に溶かし、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、1滴)を加えた。室温で2時間攪拌後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム:メタノール=100:0〜85:15)及び高速液体クロマトグラフィー(ダイセル化学社製 キラルパック IA、ヘキサン:エタノール= 90:10)で精製して、3-(4-シクロプロピルフェニルメチル)-4-メチル-1-(β-D-グルコピラノシル)インドール(73 mg)を得た。 APCI-Mass m/Z 424 (M+H)。
【0143】
製造例48:
製造例45-(3)で得られた3-(5-ブロモチオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び4-フルオロベンゼンボロン酸を製造例45-(4)及び2-(7)と同様に処理して、3-(5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 484 (M+H)。
【0144】
製造例49:
製造例45-(3)で得られた 3-(5-ブロモチオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール及び6-フルオロピリジン-3-ボロン酸を製造例45-(4)及び2-(7)と同様に処理して、3-(5-(6-フルオロ-3-ピリジル)チオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 APCI-Mass m/Z 485 (M+H)。
【0145】
製造例50:
製造例45-(3)で得られた 3-(5-ブロモチオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドールおよびベンゼンボロン酸を製造例45-(4)及び2-(7)と同様に処理して、4-メチル-3-(5-フェニルチオフェン-2-イルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 466 (M+H)。
【0146】
製造例51:
(1)製造例45-(3)で得られた 3-(5-ブロモチオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(190 mg)、チオフェン-2-ボロン酸(229 mg)、フッ化セシウム(272 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(34.5 mg)および1,2-ジメトキシエタン(6 ml)の混合物を、アルゴン雰囲気下、6時間還流した。 混合物を酢酸エチルと飽和重曹水で希釈し、有機層をアミノシラン処理シリカゲルパッドを用いてろ過した。ろ液を濃縮して、粗体の4-メチル-3-(5-(2-チエニル)チオフェン-2-イルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(一部脱アセチル化された)を得た。この粗体の化合物をクロロホルム(6 ml)に溶かし、ピリジン(0.121 ml)、無水酢酸(0.141 ml)及び4-(ジメチルアミノ)ピリジン(3.7 mg)を加えた。室温で4時間攪拌後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルに溶かし、10%硫酸銅水溶液、飽和重曹水で洗浄し、乾燥した。溶媒を留去後、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜50:50)と同様に処理して、4-メチル-3-(5-(2-チエニル)チオフェン-2-イルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(134 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 657 (M+NH4).
(2)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、4-メチル-3-(5-(2-チエニル)チオフェン-2-イルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。APCI-Mass m/Z 489 (M+NH4)。
【0147】
製造例52:
(1)製造例45-(3)で得られた3-(5-ブロモチオフェン-2-イルメチル)-4-メチル-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(345 mg)、2-(トリ-n-ブチルスズ)ピリジン(997 mg)、ヨウ化銅(I)(20 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(63 mg)およびトルエン(10 ml)の混合物を、アルゴン雰囲気下、3時間還流した。混合物を酢酸エチルと10%フッ化カリウム水溶液で希釈し、激しく攪拌した。不溶物をろ去し、ろ液の有機層を洗浄、乾燥した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=90:10〜50:50)で精製して、4-メチル-3-(5-(2-ピリジル)チオフェン-2-イルメチル)-1-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノシル)インドール(122 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 635 (M+H).
(2)上記化合物を製造例2-(7)と同様に処理して、4-メチル-3-(5-(2-ピリジル)チオフェン-2-イルメチル)-1-(β-D-グルコピラノシル)インドールを得た。 融点:195-200℃. APCI-Mass m/Z 467 (M+H)。
【0148】
参考例1:
4-クロロインドール(3.15 g)及びトリエチルシラン(8.30 ml)のトリフルオロ酢酸(32 ml)溶液を50℃で30分間攪拌した。溶媒を留去し、飽和重曹水で塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜80:20)で精製して、4-クロロインドリン(2.89 g)を得た。. APCI-Mass m/Z 154/156 (M+H)。
【0149】
参考例2:
水素化ホウ素ナトリウム(560 mg)のジエチルエーテル(6 ml)懸濁液に塩化亜鉛(1.0Mジエチルエーテル溶液、7.4 ml)に滴下した。アルゴン雰囲気下、室温で1日攪拌後、4-フルオロインドール(500 mg)のジエチルエーテル(5 ml)溶液を加えた。アルゴン雰囲気下、室温で 12日間攪拌後、冷却した0.5N塩酸(30 ml)を0℃で加えた。その後、混合物に冷却した2N水酸化ナトリウム水溶液を0℃で加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=100:0〜80:20)で精製して、4-フルオロインドリン(351 mg)を得た。APCI-Mass m/Z 138 (M+H)。
【0150】
参考例3:
5-ブロモチオフェン-2-カルボン酸(875 mg)のジクロロメタン(9 ml)懸濁液に塩化オキサリル(0.567 ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(1滴)を0℃で加え、混合物を室温で2時間攪拌した。混合物を濃縮して5-ブロモチオフェン-2-カルボニルクロリドを得た。本品は精製することなく用いた。
【0151】
参考例4:
(1)4-ヒドロキシ安息香酸メチル(4.03 g)、1-ブロモ-2-フルオロエタン(5.05 g)、炭酸カリウム(10.98 g)及び N,N-ジメチルホルムアミド(68 ml)の混合物を70℃で1時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、水を加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄後、乾燥し、溶媒を留去して、4-(2-フルオロエチルオキシ)安息香酸メチルを得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(2)上記化合物をメタノール(50 ml)−テトラヒドロフラン(20 ml)に溶かし、2N水酸化ナトリウム水溶液(20 ml)を加えた。室温で1時間攪拌後、2時間還流した。溶媒を留去し、残渣を水に溶かした。ジエチルエーテルで洗浄後、0℃で36%塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去し、残渣をヘキサンで粉末化して、4-(2-フルオロエチルオキシ)安息香酸(4.8 g)を得た。 融点:202−203℃. ESI-Mass m/Z 183 (M-H).
(3)上記化合物を参考例3と同様に処理して、塩化4-(2-フルオロエチルオキシ)ベンゾイルを得た。
【0152】
参考例5:
参考例4と同様にして、4-ヒドロキシ安息香酸メチル及び1-ブロモ-2-クロロエタンから塩化4-(2-クロロエチルオキシ)ベンゾイルを得た。
【0153】
参考例6:
参考例3と同様にして、5-エチルチオフェン-2-カルボン酸から5-エチルチオフェン-2-カルボニルクロリドを得た。
【0154】
参考例7:
4-ブロモインドール(881 mg)のアセトニトリル(18 ml)溶液を、アルゴン雰囲気下、0℃でトリエチルシラン(2.15 ml)及び三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯塩(1.71 ml)を加えた。同温で4時間撹拌後、室温で1.5時間撹拌した。混合物に飽和重曹水を加え、有機溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム:酢酸エチル=100:0〜90:10)で精製して、4-ブロモインドリンを得た。APCI-Mass m/Z 198/200 (M+H)。
【0155】
参考例8:
参考例7と同様にして、4-メチルインドールから4-メチルインドリンを製造した。APCI-Mass m/Z 134 (M+H)。
【0156】
参考例9:
1-ブロモ-4-(ジフルオロメトキシ)ベンゼン(1.18 g)及びホウ酸トリイソプロピル(1.34 ml)のテトラヒドロフラン(6 ml)溶液に,n-ブチルリチウム(1.58Mヘキサン溶液、3.68 ml)を、アルゴン雰囲気下、-78℃で滴下した。室温に昇温後、3時間攪拌した。0℃に冷却後、6N塩酸と水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を洗浄後乾燥し、溶媒を留去した。残渣をヘキサン中で粉末化して、4-(ジフルオロメトキシ)ベンゼンボロン酸を得た。 1H-NMR (DMSO-d6) δ 7.12 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.27 (t, J=74.1 Hz, 1H), 7.83 (d, J=8.6 Hz, 2H), 8.08 (br-s, 2H)。
【0157】
参考例10:
(1)3,5-ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(5.07 g)及びピルビン酸エチル(3.96 ml)のエタノール(30 ml)溶液を2時間還流した後、溶媒を留去した。残渣をヘキサン中で粉末化して、2-(3,5-ジクロロフェニルヒドラジノ)プロピオン酸エチル(5.60 g)を得た。APCI-Mass m/Z 275/277 (M+H).
(2)上記化合物(8.16 g)及びポリリン酸(140 g)の混合物を120℃で2時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を洗浄後、乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム)で精製して、4,6-ジクロロインドール-2-カルボン酸エチル(6.22 g)を得た。 APCI-Mass m/Z 258/260 (M+H).
(3)上記化合物(7.20 g)、水酸化カリウム(4.70 g)およびエタノール(100 ml)−水(100 ml)の混合物を2時間還流した。有機溶媒を留去後、水を加え、ジエチルエーテルで洗浄した後、6N塩酸で酸性化した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を洗浄、乾燥後、溶媒を留去して、粗体の4,6-ジクロロインドール-2-カルボン酸を得た。本品は精製することなく次工程に用いた。
(4)上記化合物及び銅(粉末)(800 mg)のキノリン(100 ml)懸濁液を、アルゴン雰囲気下、190℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、ジエチルエーテルで希釈し、不溶物をろ去した。ろ液を6N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜3:1)で精製して、4,6-ジクロロインドール(5.36 g)を得た。ESI-Mass m/Z 184/186 (M-H).
(5)上記化合物を参考例1と同様に処理して、4,6-ジクロロインドリンを得た。ESI-Mass m/Z 186/188 (M-H)。
【0158】
参考例11:
(1)3-クロロ-4-フルオロアニリン(10.0 g)の6N塩酸(35 ml)溶液を0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(4.80 g)の水(6.3 ml)溶液を加えた。同温で25分攪拌後、2-メチルアセト酢酸エチル(11.0 g)、水酸化カリウム(21.2 g)および酢酸ナトリウム(21.2 g)のエタノール(80 ml)−水(100 ml)溶液を0℃で加えた。同温で2時間攪拌後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を洗浄後乾燥し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜3:1)で精製して、2-(3-クロロ-4-フルオロフェニルヒドラジノ)プロピオン酸エチル(6.16 g)を得た。APCI-Mass m/Z 259/261 (M+H).
(2)上記化合物(4.66 g)をトリフルオロ酢酸(150 ml)に溶かし、混合物を4時間還流した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルに溶かした。得られた溶液を洗浄、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製して、4-クロロ-5-フルオロインドール-2-カルボン酸エチル(1.28 g)を得た。融点:180−182℃. ESI-Mass m/Z 240/242 (M-H).
(3)上記化合物を参考例10-(3)、(4)及び1と同様に処理して、4-クロロ-5-フルオロインドリンを得た。APCI-Mass m/Z 172/174 (M+H)。
【0159】
参考例12:
(1)4-ヒドロキシ安息香酸(6.91 g)及びピリジン(12.1 ml)のジクロロメタン(100 ml)溶液に氷水で冷却下、塩化ピバロイル(13.26 g)を加えた。混合物を1.5時間攪拌し、10%塩酸を加えた。有機層を洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。残渣をテトラヒドロフラン(100 ml)−水(15 ml)に溶かし、50℃で17.5時間攪拌した。氷水で冷却後、飽和重曹水で塩基性化した。室温で4時間攪拌後、氷水で冷却下、36%塩酸で酸性化した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥した。溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム:メタノール=50:1〜9:1)で精製し、ジイソプロピルエーテル中で粉末化して、4-ピバロイルオキシ安息香酸(7.10 g)を得た。ESI-Mass m/Z 221 (M-H).
(2)上記化合物を参考例3と同様に処理して、塩化4-ピバロイルオキシベンゾイルを得た。
【0160】
試験例
1.ヒトSGLT2阻害作用確認試験
(1)試験化合物
前記製造例記載化合物を用いた。
(2)試験方法
24穴プレートに、ヒトSGLT2安定発現CHOK1細胞を40x104個/穴で播種した。10%ウシ胎児血清、50 IU/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、400μg/ml Geneticinを含むHam's F-12培地中で、37℃、5% CO2存在下2日間培養した後、メチル-α-D-グルコピラノシド(α-MG)取り込み実験に供した。培地を除去し、緩衝液(137 mM 塩化ナトリウム、5 mM 塩化カリウム、1 mM 塩化カルシウム、1 mM 塩化マグネシウム、50 mM 2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸、20 mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液、pH 7.4)で1回洗浄後、試験化合物を含む緩衝液を1穴あたり250μl加えた。試験化合物は、ジメチルスルフォキシドに溶解し、緩衝液に添加した(DMSOの終濃度0.5%)。また、対照用として、DMSOのみを含む緩衝液を、SGLT非特異的な取り込み量測定用として、SGLT阻害物質フロリジン(終濃度100μM)を含む緩衝液を、それぞれ同様に調製し、同じく1穴あたり250μlずつ添加した。37℃で10分間静置後、α-MGと(U-14C)-α-MG(α-MGの終濃度0.5 mM)を含む緩衝液を、1穴あたり50μlずつ加え、さらに37℃で2時間静置した。次に、細胞に添加した緩衝液を全て除去し、氷冷したリン酸緩衝液を1穴あたり400μlずつ加え、直ちに除去した。この洗浄操作を、さらに2回繰り返し行った。その後、0.3 N NaOHを1穴あたり300μlずつ加え、細胞を可溶化し、可溶化液中の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。結果は、蛋白濃度で補正した。対照の取り込みからSGLT非特異的な取り込みを差し引いた値を100%とし、各試験化合物がそれを50%阻害する濃度(IC50値)を、プロビット法(ロジスティックモデル)によって求めた。
(3)結果
結果は下表のとおりである。
【0161】
【表1】

【0162】
【表2】

【0163】
2.尿糖排泄促進作用確認試験
(1)被験化合物
前記製造例記載化合物を用いた。
(2)実験方法
6週齢の雄性SDラットを2日間代謝ケージで予備飼育後、実験に用いた。被験化合物(30 mg/kg)は、0.2% Tween80を含む0.2% カルボキシメチルセルロース(CMC)溶液に懸濁し、10 ml/kg宛経口投与した。対照群には、溶媒(0.2% Tween80を含む0.2% CMC溶液)のみを経口投与した。1群あたりの匹数は3匹とした。投与直後から代謝ケージにて24時間尿を採集し、グルコース脱水素酵素法にて、尿中のグルコース濃度を測定した。尿量と尿中グルコース濃度から、1日あたりの尿糖排泄量を算出した。
(3)結果
結果は下表のとおりである。なお、1日あたりの尿糖排泄量(mg)は、下式で定義されるAまたはBで表した。
A≧2400 mg; 2400 mg>B≧2000 mg
【0164】
【表3】

【0165】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明の有効成分である式(I)で示される化合物、またはその薬理学的に許容しうる塩は、SGLT阻害作用を有し、血糖降下作用を奏する。このため、本発明の医薬組成物は、血糖降下剤として、また、糖尿病、糖尿病性合併症(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経症など)、肥満、過血糖等の予防・治療剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):

(式中、R1はハロゲンまたはアルキルであり、R2は水素またはハロゲンであり、Arは

であり、ここでR3とR4は、互いに独立して、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、フェニル、ハロフェニル、シアノフェニル、ピリジル、ハロピリジル、チエニル、またはハロチエニルであるか、あるいはR3とR4は、結合している炭素原子と共に縮合ベンゼン環、縮合フラン環または縮合ジヒドロフラン環を形成する。)
で示される化合物、またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分とする医薬組成物。
【請求項2】
R1がハロゲンであり、R2が水素であり、R3とR4が独立して水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、フェニル、ハロフェニル、シアノフェニル、ピリジル、またはハロピリジルであるか、あるいはR3とR4が結合する炭素原子と共に縮合ベンゼン環、縮合フラン環、縮合ジヒドロフラン環を形成する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
R3とR4が独立して水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシであるか、あるいはR3とR4が結合する炭素原子と共に縮合フラン環、または縮合ジヒドロフラン環を形成する、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
Arが

である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
R3がハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、またはハロアルコキシである、請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
R1が塩素である、請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
R3がハロゲン、ハロアルキル、またはハロアルコキシである、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
R1がフッ素であり、R3がアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、またはハロアルコキシである、請求項4記載の医薬組成物。
【請求項9】
Arが

である、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項10】
R1がハロゲン、R3がハロゲン又はアルキルである、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
Arが

(ここにおいて、

は単結合または二重結合を表す。)
である、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項12】
有効成分が、
4−クロロ−3−(4−エチルフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−エトキシフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(5−ブロモチオフェン−2−イルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−フルオロ−3−(4−エチルフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−クロロフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−フルオロ−3−(4−エトキシフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−ブロモフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(ベンゾ〔b〕フラン−5−イルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−(ジフルオロメチル)フェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−(ジフルオロメトキシ)フェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
4−クロロ−3−(4−ヨードフェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;及び
4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルメチル)−1−(β−D−グルコピラノシル)インドール;
から選ばれる化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項13】
血糖降下剤である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項14】
糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、遅延創傷治癒、インスリン抵抗性、高血糖症、高インスリン血症、高脂肪酸血症、高グリセロール血症、高脂血症、肥満症、高トリグリセリド血症、X症候群、メタボリック症候群、糖尿病性合併症、アテローム硬化症、過血糖あるいは高血圧症の予防または治療剤である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項15】
糖尿病、糖尿病合併症、または肥満の予防または治療剤である請求項1記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2008−50353(P2008−50353A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195325(P2007−195325)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】