説明

半導体チップと基板との間の半田接続部およびその製造

【課題】半導体チップと基板との間の半田接続部の位置が一致したまま、ずれることのないようにする製造プロセスを提供する。
【解決手段】基板3は、半田付け可能な表面領域4を有しており、当該半田付け可能な表面領域4上には、半田層が配置される。当該半田層には、上記半導体チップの裏面10が固定される。上記半田層は、繰り返し溶解可能かつ耐真空性の半田材料6を含んでいる。上記半田接続部1を製造するためには、まずボンディングプロセスによって、上記表面領域上に上記半導体チップ2が固定される。次に、空隙を含まない半田層を達成するために、溶融状態にある上記半田層を有する、ボンディングされた半田接続部1が、真空半田付け炉内において真空引きされる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔背景〕
本発明は、半導体チップと基板との間の半田接続部(soldered connection)、およびその製造プロセスに関する。このような基板は通常、半田付け可能な表面領域を有しており、当該表面領域上に半田材料層が形成される。当該半田材料層上には、半導体チップの裏面が固定される。この固定は、ダイボンディングプロセスによって行われる。しかしダイボンディング技術は、チップ面積が25mmを超える場合、および電力損失密度(power loss density)が大きい場合には適さない。これは、ダイボンディング中に半田層内に形成される空隙によって電流分布が不均一となり、これによって局所的な過熱が生じるため、半導体デバイスの動作中に基板から半導体チップが分離する現象が起こるためである。さらに、ダイボンディング後の製造工程において温度が上昇した場合、空隙内に捕獲されていた揮発性物質によって応力が掛けられ、半田材料層が損傷する危険性がある。
【0002】
このため、半田接続部の半田材料層にダイボンディング技術によって残留する空隙が許容されるように、ダイボンディングプロセスによって行われる半導体チップの固定は、電力損失密度が低いと考えられる小面積のチップの製造に制限される。従って、電力損失密度が大きい場合には、半田ペーストまたは事前に打ち抜きされた半田プレートレット(solder platelet)を用いて行う真空工程を含んだ、半田技術が用いられる。真空半田付け工程のためには、一体的にボンディングされる部品を、高いコスト負担の元で準備する必要がある。これは、真空半田付け工程において、例えば半導体チップ、半田プレートレット、および基板の表面領域となる部分の位置が一致したまま、ずれることのないようにするためである。
【特許文献1】JP 05−291 314 A
【特許文献2】DE 42 35 908 A1
【特許文献3】DE 10 2005 001 713 A1
【特許文献4】EP 1 350 588 A2
【非特許文献1】In Vakuumloetanlagen:Oxidations-und lunkerfreies Loeten. In: Elektronik Produktion und Prueftechnik(EPP), ISSN 0943-0962, November 1994, Seite 38-40.
【非特許文献2】Energiesparendes Loetverfahren fuer lunkerfreie Verbindung: Im Vakuum loeten. In: Elektronik Produktion und Prueftechnik (EPP), ISSN 0943-0962, Juni 2001, Seite 24.
【0003】
〔概要〕
半導体チップと、半田材料層が上部に形成される、半田付け可能な表面領域を有する基板との間に位置する、半田接続部が示されている。当該半導体チップの裏面は、当該半田材料層に固定されており、当該半田材料層は、繰り返し溶解可能かつ耐真空性の半田材料を含んでいる。
【0004】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の典型的な実施形態について、添付図面を参照しながら以下に説明する。これらの図面では、同様の参照符号は同様の箇所を示している。図面は以下の通りである:
図1は、典型的な半田接続部の概略断面図である。
【0005】
図2は、典型的な半田接続部の概略断面図である。
【0006】
図3〜図7は、半田接続部の製造中における部品の基本図である。
【0007】
図3は、半導体チップおよび基板を有するダイボンダのダイボンディング位置の基本図である。
【0008】
図4は、ダイボンディングプロセスの完了後における、半田接続部の基本図である。
【0009】
図5は、真空半田付け炉内に導入された後における、図4に係る半田接続部の基本図である。
【0010】
図6は、排出工程完了後における、半田接続部の基本図である。
【0011】
図7は、真空半田付け炉から除去された後における、半田接続部の基本図である。
【0012】
図8は、半田接続部を製造するためのバッチ処理の基本図である。
【0013】
図9は、半田接続部を製造するためのさらなるバッチ処理の基本図である。
【0014】
図10は、半田接続部を製造するための連続的なプロセスの基本図である。
【0015】
〔詳細な説明〕
図1は、典型的な半田接続部1の概略的な断面である。半田接続部1は、半導体チップ2と、半田付け可能な表面領域4を有する基板3との間に形成される。半田付け可能な表面領域4上には、半田材料層5が形成される。半田材料層5は、繰り返し溶解可能かつ耐真空性である、半田材料6を含有している。典型的な本実施形態では、半田材料6は、SnAg、PbSnAg、PbSn、あるいはPbSnInから成る群から選択された材料を含有しており、基板3は、リードフレーム8のチップアイランド7によって形成された表面領域4を有している。リードフレーム8は、チップアイランド7に加えて、リード26をさらに有している。当該リード26は、例えば、チップアイランド7を囲み、また半導体デバイスの外部端子を形成する外部リード内に伸びている。
【0016】
半田材料が繰り返し溶解可能とは、半田材料の、溶解と凝固とが交互に繰り返された後においても、深刻な微構造的変化、構造的変化、結晶性変化、あるいは化学的変化が何ら生じないことを意味していると理解される。半田材料が耐真空性であるとは、半田材料中の揮発性物質が真空中に排出された後に、不揮発性半田材料成分の連続的な溶融フィルム(contiguous molten film)を形成することを意味していると理解される。
【0017】
リード26は、パッケージ(ここには図示せず)内において、被膜12を有していてよい。当該被膜12は、例えば銅または銅合金を含有したリード材料のボンディング性を向上させる。チップアイランド7の二次元的範囲、ひいては表面領域4の二次元的範囲は、本実施形態においては、半田材料層5によってチップアイランド7上に固定された半導体チップ2の裏面10の二次元的範囲よりも広い。
【0018】
この場合、半田材料層5は空隙を有していないため、揮発性物質を含んでいない。また、半田材料層5およびチップアイランド7は、シリコン結晶からなる半導体チップ2よりも高い熱伝導率を有している。このため、本発明の本実施形態における半田接続部1は、半導体チップの失われた熱の放熱を促進するため、パワー半導体チップに適している。これに対応して、チップ領域4またはチップアイランド7および上記半導体チップ2の面積Aは、25mm以上である。また、パワー半導体の出力をさらに上げるために、表面領域4および半導体チップ2の面積Aを225mm以上とすることも想定される。
【0019】
半導体チップの表面17上に位置する接触領域16が、ボンディング接続15をリード26の接触端子領域14に接続することによって接続される後のボンディングプロセスを行うに当たり、半田材料層5に空隙が含まれていないことは有利である。図1では、これら接続部材15は、破線によって概略的に示されている。
【0020】
図2は、別の典型的な半田接続部30の概略断面を示している。図1に示されている部品と同一の機能を有する部品は、同一の参照符号によって示されており、これらについて別に説明することはしない。典型的な一実施形態では、基板3は絶縁材料9を含んでいる。この絶縁材料9はセラミックであってよく、例えばセラミックシートであってよく、多層セラミックシートであってもよい。これらは、プラスチックよりも高い熱安定性を有している。しかし基板3は、熱的要件が低い場合は、塑性体あるいはプラスチックシートを含んでいてもよい。
【0021】
典型的な本実施形態では、絶縁材料9からなる基板の上面13上には、パターン形成された金属被膜12が配置されている。このパターン形成された金属被膜12は、半田材料層5を受容するための、半田付け可能な表面領域4と、半導体チップ2と、半導体チップ2の上面17上に位置する接触領域16に接続部材15を対応させるための接触端子領域14とを有している。コンタクトビア27は、絶縁材料9からなる基板3を貫いて、外部接触領域28との電気的接続を形成することができる。外部接触領域28は、基板3の下面29上に形成されている。外部接触領域28はまた、ここでは破線で示されている接続部材15および半田接続部5が完成されるとすぐに、下面29から半導体チップ2の接触領域16へのアクセスを可能にするために用いることができる。
【0022】
基板3上のパターン形成された金属被膜12は、銅、銀、ニッケル、ニッケル/パラジウム/金、あるいはこれらの合金の内のいずれか1つの材料を含んでいる。これらの材料は、表面領域4内の半田付け可能な層として優良であることが確認されており、加熱中においては、その上部に、半田材料層5が広がる。半導体チップ2の半導体材料の半田付け性を改善するために、半導体チップ2の裏面10に被膜11が形成される。被膜11は、アルミニウム、金、銀、あるいはパラジウム/金、あるいはこれらの合金の内のいずれか1つの材料を含有していてよい。
【0023】
上記基板3上にはまた、多数の半導体チップ2を基板3上に一体的に固定することのできる多数の半田接続部30が形成されていてよい。上記基板3上には、多くの場合において、様々な技術および電気回路のための半導体モジュールのために、多数の半導体チップ2が形成され、そして対応する半田接続部30によって固定される。
【0024】
図3〜図7は、半田接続部30の製造中における部品の基本図である。この点において、図3は、真空ピペットによって保持および事前調整された半導体チップ2を有する標準化されたダイボンダ19のダイボンディング位置24の基本図である。この目的のために、ダイボンディング打ち抜き工具32の支持表面31上において、ダイボンディング打ち抜き工具32内の中心穴33によって、矢印Aの方向に負圧が生成される。これによって、半導体チップ2の上面17が支持表面31と向かい合って配置される。半導体チップ2の裏面10は、ダイボンディング位置24において基板3と表面領域4とをアラインメントした後に、例えばアルミニウム、金、銀、あるいはパラジウム/金、あるいはこれらの合金からなる群のいずれかの材料を含んだ裏面被膜11と共に、半田材料層5を有する表面領域4上に浮遊している。
【0025】
本実施例においては絶縁材料9を含んだセラミックシートまたはプラスチックシートである基板3の導入前には、基板3の上面13に、パターン形成された金属被膜が形成されている。基板3は、まずその全表面積が金属によって被膜され、そしてパターン形成されたレジストマスクがフォトリソグラフィによって形成される。次に、この全面積金属被膜をパターン形成するために、ドライエッチング処理またはウェットエッチング処理が行われる。このエッチング処理中、上記レジストマスクは、パターン形成された金属被膜12が形成されるように保護する。続いて、上記レジストマスクが再び除去される。この目的のために、金属被膜12は、銅、銀、ニッケル、ニッケル/パラジウム/金、あるいはこれらの合金からなる群のいずれかの物質として形成される。上記全面積の金属被膜は、基板3の絶縁材料9を金属箔を用いてめっきすることによって行うことができ、あるいは、電解槽内において金属を堆積することによって絶縁材料9を積層することによって行うことができる。
【0026】
基板3の全面積に金属被膜をパターン形成する別の方法としては、レーザービームあるいはレーザー書き込みビームを用いて全面積に金属被膜をパターン形成する方法が可能である。また、基板3の表面13を事前に全面積メタライゼーションすることなく、既にパターン形成された金属被膜12を、基板3の絶縁材料9に印刷法を用いて形成するプロセスを用いることも可能である。このような印刷法としては、スクリーン印刷処理、ステンシル印刷処理、あるいはジェット印刷処理を用いることができる。ジェット印刷処理を用いる場合、インクジェット印刷処理の場合と同様に、上記パターン形成された金属被膜は、半田接続部30に必要な表面領域4が図3に示されている接触端子領域14と同時に形成されるように形成される。
【0027】
しかし、これによって基板3の準備は完了しない。ダイボンディング位置24に基板3を導入する前に、金属被膜12をパターン形成することによって形成された表面領域4に、半田材料層5が塗布される。上記金属被膜12は、SnAg、PbSnAg、PbsN、あるいはPbSnInからなる群のいずれかの材料を含んでいてよく、また基板3の半田付け可能な表面領域4上に自身を分散させることができる。
【0028】
ダイボンディング位置24では、半導体チップ2を有するダイボンディング打ち抜き工具32を表面領域4にアライメントした後に、半田材料層5が、矢印Cの方向および/または矢印Bの方向に行われる第1の加熱によって、融点TS1において溶解され、続いて裏面被膜11を有する半導体チップ2の裏面10が、矢印Dの方向に向かって、半田材料層5上に降下される。
【0029】
さらに、ダイボンディング打ち抜き工具32の超音波震動によって、形成中の半田接続部内にソーナーエネルギー(sonar energy)が導入される。このため、初期段階において、半田材料6を熱エネルギーによって完全に溶解する必要はなく、熱エネルギーおよびソーナーエネルギーが重畳された際には、溶融半田からなる層のみが形成される。このためダイボンディングプロセス中において、半田材料6からなる高揮発性の成分によって、半田材料層5内に空隙が形成される。これは、半導体デバイスの電力密度が高い場合、および、これに対応して半導体チップ2の面積Aが大きく、25mm以上あるいは225mm以上である場合は、不都合である。
【0030】
半導体チップ2の裏面10または裏面被膜11は、基板3の上面領域4の半田材料6を含んでいる被膜の代わりに、ボンディングプロセス前に半田材料6によって被膜されるようにしてよい。
【0031】
図4は、ダイボンディングプロセス完了後の半田接続部30を示す基本図である。ダイボンディングプロセスを完了するためには、基板3の表面領域4と半導体チップ2の裏面10との間に、半田材料層5が形成されるように半田材料6を配置した後、基板3に半導体チップ2が一体的にボンディングされる。図4には、ダイボンディングプロセス中に形成された空隙34が、単に原理的に示されている。これら空隙34は、半田材料6から成る、大きさがサブミクロン程度の高揮発性成分の塊または塊状として半田材料6内に示されている。
【0032】
図5は、図4に係る半田接続部30を、真空半田付け炉20内に導入した後の状態を示す基本図である。真空半田付け炉20の加熱スペース18において、矢印Bおよび/または矢印Cの方向に適切に熱供給することによって、空隙34を有する半田材料6が第2の時間において溶解する。これによって、空隙34内に含有されている揮発性成分が、真空半田付け炉20の容積から矢印Eの方向に真空引きされるように、真空炉位置25の容積から矢印Eの方向に排出される。この目的のためには、半田材料6の融点をわずかに超過させて、半導体チップ2と基板3の表面領域4との間の溶融ギャップ(melting gap)に対応する運動を発生させて、これに対応する溶融半田材料6の表面張力における差によって、半田材料層5の縁部35および36内に空隙34を移動させる必要がある。
【0033】
図6は、真空炉位置25における排出工程の完了後における半田接続部30を示す基本図である。この時点では、図7に示されているように、半田材料層5は空隙を全く含んでいない状態となっているため、半田材料層5と、半導体チップ2と、基板3とを有する半田接続部30を、図5および図6に示されているように、真空半田付け炉20から除去することができる。続いて、これら3つの部品を有する半田接続部30はさらなる製造工程に移され、さらなるプロセスおよび完成品のために利用することができる。
【0034】
図8〜図10は、半田接続部を製造するために用いることのできる様々な方法を示している。ダイボンダおよび真空半田付け炉、バッチ処理、あるいは連続なプロセスを用いた、半導体チップのダイボンディング固定を組み合わせることができる。
【0035】
図8は、図1および図2に示されている半田接続部1または30を製造するためのバッチ処理21の基本図である。バッチ処理21を用いる場合、まず、標準化されたダイボンダ19内において、ダイボンディングプロセスを用いて、基板3上に半導体チップ2が継続的かつ連続的に、ダイボンディング位置24に固定される。続いて、基板キャリアプレートまたはベースプレート37上において、基板3と半導体チップ2とがまとめられる。上記ベースプレート37は、半田付け炉20の加熱スペース18内に配置できるように、真空半田付け炉20の実現性および容量と、サイズおよび数量において対応している。次に、半導体チップ2と基板3との間に配置された、半田材料から成る固定層(fixing layer)から、加熱と真空引きすることとによって空隙が除去される。バッチ処理21の典型的な本実施形態では、例えば9つの半導体チップ2を同時に加熱および排出することが可能であり、また加熱スペース18に応じて、上記数量を任意に増やすことも可能である。
【0036】
図9は、半田接続部1または30を製造するためのバッチ処理21の別の実施例を示す基本図である。本実施例においてもまた、標準化されたダイボンダ19は、第1の加熱工程において、個々の半導体チップ2をダイボンディング位置24において基板3上に連続的に固定する。次に、これらのチップは、真空半田付け炉20の加熱スペース18内において個々に積層され、そして第2の加熱工程によって加熱される。これらのチップはさらに、半導体チップ2と基板3との間に、半田材料から成る、空隙を含んでいない層が生成されるように、排出によって処理される。
【0037】
図10は、半田接続部1および30を製造するための連続的なプロセス22の基本図である。この連続的なプロセスを用いる場合、ダイボンダ19および真空半田付け炉20は、連続的な製造設備23内に配置される。連続的な製造設備23内では、(例えば真空スライドを有する)真空ロック41および42が、個々の領域38、39、40間に配置されている。これらの真空ロック41および42によって、不活性雰囲気ガス下にある第1の領域38内においてダイボンダ19が機能することができる一方、真空半田付け炉20内などの真空下にある第2の領域39内において加熱を行うことができ、そして最終的には、半田接続部1が製造設備23から除去される前に、空隙を含んでいない状態となった半田材料層を、不活性ガスあるいは真空下にある領域40内に配置することが可能となる。このような製造設備23は、エネルギーを節減できるという利点がある。これは、上記バッチ処理を用いた場合のように、ボンディング工程と排出工程との間において、領域38および39において、半導体チップと、半田材料と、基板との組み合わせを室温にまで完全に冷却する必要はないからである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】典型的な半田接続部の概略断面図である。
【図2】典型的な半田接続部の概略断面図である。
【図3】半田接続部の製造中における部品の基本図であり、半導体チップおよび基板を有するダイボンダのダイボンディング位置の基本図である。
【図4】半田接続部の製造中における部品の基本図であり、ダイボンディングプロセスの完了後における、半田接続部の基本図である。
【図5】半田接続部の製造中における部品の基本図であり、真空半田付け炉内に導入された後における、図4に係る半田接続部を示す基本図である。
【図6】半田接続部の製造中における部品の基本図であり、排出工程完了後における、半田接続部の基本図である。
【図7】半田接続部の製造中における部品の基本図であり、真空半田付け炉から除去された後における、半田接続部の基本図である。
【図8】半田接続部を製造するためのバッチ処理の基本図である。
【図9】半田接続部を製造するためのさらなるバッチ処理の基本図である。
【図10】半田接続部を製造するための連続的なプロセスの基本図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと基板との間の半田接続部であって、
半田付け可能な表面領域を有する基板と、
少なくとも1つの半導体チップと、
上記半導体チップと上記基板の上記表面領域との間に位置しており、且つ、繰り返し溶解可能且つ耐真空性の半田材料を含有した半田材料層とを含んでいる、半田接続部。
【請求項2】
上記半田材料層は、SnAg、PbSnAg、PbsN、あるいはPbSnInからなる群のいずれか1つの半田材料を含有している、請求項1に記載の半田接続部。
【請求項3】
上記表面領域および上記半導体チップの面積Aは、25mm以上である、請求項1または請求項2に記載の半田接続部。
【請求項4】
上記表面領域および上記半導体チップの面積Aは、225mm以上である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項5】
上記半導体チップはパワー半導体チップである、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項6】
上記表面領域は、銅、銀、ニッケル、ニッケル/パラジウム/金、あるいはこれらの合金からなる群のいずれか1つの材料を含有している、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項7】
上記基板は、表面領域としてリードフレームのチップアイランドを含んでいる、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項8】
上記基板は絶縁材料を含んでおり、上記表面領域は金属積層または金属被膜を含んでいる、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項9】
上記絶縁材料はセラミックを含有している、請求項8に記載の半田接続部。
【請求項10】
上記絶縁材料はプラスチックを含有している、請求項8に記載の半田接続部。
【請求項11】
上記半導体チップは、裏面が上記表面領域内の上記半田材料層上に配置されており、且つ、当該裏面上において、アルミニウム、金、銀、あるいはパラジウム/金、あるいはこれらの合金のうちのいずれか1つの材料から成る被膜を含んでいる、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項12】
上記基板は、シリコン結晶から成る半導体チップよりも高い熱伝導率を有している、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項13】
上記表面領域は、上記半導体チップよりも広い二次元的範囲を有している、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項14】
上記基板上には、多数の半導体チップが互いに隣接して配置されている、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項15】
上記基板は、パターン形成された金属被膜を上面に有している、請求項14に記載の半田接続部。
【請求項16】
上記パターン形成された金属被膜は、少なくとも1つのチップアイランドと、素子を上記半導体チップの接触領域に接続する接触端子領域とを含んでいる、請求項1〜請求項15のいずれか一項に記載の半田接続部。
【請求項17】
半田接続部を製造するプロセスであって、
半田付け可能な表面領域を有する基板を設ける工程と、
上面および半田付け可能な裏面を有する半導体チップを設ける工程と、
上記半田付け可能な表面領域あるいは上記半田付け可能な裏面に、半田材料を塗布する工程と、
上記半導体チップを、第1の溶解によって上記基板に一体的にボンディングし、そして上記表面領域と上記裏面との間に半田材料層を形成するために上記半田材料を配置する工程と、
上記一体的にボンディングされた構造を、真空引き可能な加熱スペース内に導入する工程と、
上記半田材料に対して真空下において第2の溶解を行うことによって、上記半田材料層から揮発性物質を排出させ、次に、半田接続部を形成するために上記半田材料を配置する工程とを含んでいる、プロセス。
【請求項18】
上記第1の溶解および第2の溶解は、上記半田材料の融点と同じ融点で行われる(TS1=TS2)、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
上記第1の溶解のための上記融点(TS1)は、上記第2の溶解のための上記融点(TS2)よりも低い、請求項17に記載のプロセス。
【請求項20】
上記半導体チップを上記基板に一体的にボンディングする上記工程のために、ダイボンディングプロセスが用いられる、請求項17〜請求項19のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
上記半導体チップを上記基板に一体的にボンディングする上記工程のために、標準化されたダイボンダ(standardized die bonder)が用いられる、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
真空下において上記半田材料に対して上記第2の溶解を行う上記工程のために、標準化された真空半田付け炉が用いられる、請求項17〜請求項21のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
上記ダイボンディングおよび真空溶解のために、基板の多数の半田付け可能な表面領域上に多数の半導体チップが配置されるバッチ処理が用いられる、請求項17〜請求項22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
上記ダイボンディングおよび真空溶解のために、少なくとも1つのダイボンディング位置および真空炉位置を含む連続枚葉式製造装置(continuous production installation)内において多数の半導体チップが次々と処理される連続的なプロセスが用いられる、請求項17〜請求項22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
上記半田付け可能な表面領域あるいは上記半田付け可能な裏面に半田材料を塗布するために、低フラックス(low-flux)の半田材料が塗布される、請求項17〜請求項24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
上記半田付け可能な表面領域あるいは上記半田付け可能な裏面に、半田材料として、SnAg、PbSnAg、PbsN、あるいはPbSnInからなる群のうちのいずれか1つの材料が塗布される、請求項17〜請求項24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項27】
25mm以上の面積Aを有する上記表面領域と上記半導体チップとの間に、半田接続部が製造される、請求項17〜請求項26のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項28】
225mm以上の面積Aを有する上記表面領域と上記半導体チップとの間に、半田接続部が製造される、請求項17〜請求項26のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項29】
上記表面領域とパワー半導体チップとの間に、半田接続部が製造される、請求項17〜請求項28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
上記半田接続部の上記基板の上記表面領域として、リードフレームのチップアイランドが用いられる、請求項17〜請求項29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項31】
上記表面領域に半田材料を塗布する上記工程の前に、上記表面領域が、銅、銀、ニッケル、ニッケル/パラジウム/金、あるいはこれらの合金からなる群のうちのいずれか1つの材料によって被覆される、請求項17〜請求項29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項32】
上記基板としてセラミックシートが用いられる、請求項17〜請求項31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
上記基板としてプラスチックシートが用いられる、請求項17〜請求項31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項34】
上記半田接続部を製造する上記工程の前に、上記半導体チップの上記裏面が、アルミニウム、金、銀、あるいはパラジウム/金、あるいはこれらの合金からなる群のうちのいずれか1つの材料によって被覆される、請求項17〜請求項33のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項35】
上記半導体チップはシリコン結晶ウェハから製造される、請求項17〜請求項34のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項36】
半田接続部を製造する上記工程の前に、少なくとも1つのチップアイランドと、上記半導体チップの接触領域に部材を接続するための接触端子領域とを有する、パターン形成された金属被膜が上記基板に形成される、請求項17〜請求項35のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項37】
上記基板の全表面積が金属で被覆され、次に、パターン形成された金属被膜を形成する上記工程のために、パターン形成されたレジストマスクがフォトリソグラフィによって形成される、請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
パターン形成された金属被膜を形成する上記工程のために、ドライエッチング処理またはウェットエッチング処理が行われ、当該ドライエッチング処理中または当該ウェットエッチング処理中に、上記レジストマスクが上記パターン形成された金属被膜が形成されるように保護し、当該保護後に上記レジストマスクが除去される、請求項36または請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
上記全面積金属被膜は、レーザービームによってパターン形成される、請求項37に記載のプロセス。
【請求項40】
上記パターン形成された金属被膜は、印刷法によって形成される、請求項36に記載のプロセス。
【請求項41】
上記パターン形成された金属被膜は、スクリーン印刷法によって形成される、請求項36に記載のプロセス。
【請求項42】
上記パターン形成された金属被膜は、ステンシル印刷法によって形成される、請求項36に記載のプロセス。
【請求項43】
上記パターン形成された金属被膜は、ジェット印刷法によって形成される、請求項36に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−277757(P2008−277757A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−50828(P2008−50828)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】