説明

半導体チップのボンディング方法

【課題】半導体チップが備えるダイアタッチフィルムの周辺部に熱硬化が進行した部分を形成した場合において、その半導体チップを被接合面に強固に接合することのできる半導体チップのボンディング方法を提供することを目的とする。
【解決手段】周辺部の熱硬化が進行したダイアタッチフィルム5を備えた半導体チップ1′をそのダイアタッチフィルム5により被接合面60aに接合するにおいて、ダイアタッチフィルム5を被接合面60aに接触させて半導体チップ1′を被接合面60aに押圧するとき、ダイアタッチフィルム5の周辺部の熱硬化が進行した部分(熱硬化進行部分5a)が半導体チップ1′の外縁から外方に押し出されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイアタッチフィルムを備えた半導体チップのボンディング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体チップを基板等に接合(ボンディング)する際の接着剤としてフィルム(シート)状のダイアタッチフィルム(Die Attach Film:DAF)が多用されている。ダイアタッチフィルムはダイシング前の半導体ウエハに貼付され、半導体ウエハとともに切り分けられるので、切り分けによって得られた半導体チップをそのまま基板等の被接合面へボンディングすることができる。
【0003】
このようなダイアタッチフィルム付きの半導体チップを被接合面へ接合する際には、ヒータ等によって半導体チップを加熱し、ダイアタッチフィルムを軟化させて濡れ広がるようにするので、半導体チップは基板等にしっかりと接合される。しかし、半導体チップの厚さが非常に薄い場合には軟化して濡れ広がったダイアタッチフィルムが半導体チップの表面へ這い上がって圧着ヘッドや半導体チップ上のワイヤボンディング用電極に付着してしまう場合がある。このような不都合に対する対策として従来、半導体チップの外縁から流出したダイアタッチフィルムが半導体チップの表面に這い上がるのを阻止する凸条体を半導体チップの外周に設けるようにしたもの(特許文献1)や、半導体チップが接合される基板側に凹部を設けて半導体チップの外縁から流出したダイアタッチフィルムを流入させるようにしたもの(特許文献2)等が提案されている。
【0004】
ここで、半導体チップに凸状体を形成したり基板側に凹部を形成したりすることは、加工の対象物が微小であるために難しく、コスト高になるという問題点がある。このため、半導体チップと被接合面との間のダイアタッチフィルムが半導体チップの接合時に半導体チップの上面に這い上がらないようにする技術が求められており、例えば、半導体チップが備えるダイアタッチフィルムの周辺部に熱硬化が進行した部分を形成しておき、半導体チップの被接合面への接合時、半導体チップが被接合面に押し付けたときに、熱硬化が進行していないダイアタッチフィルムの中心部が半導体チップの外縁から流出しようとするのが熱硬化進行部分によって抑制される(堰き止められる)ようにすることが考えられる。
【特許文献1】特開2006−196809号公報
【特許文献2】特開2003−318350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように半導体チップが備えるダイアタッチフィルムの周辺部に熱硬化が進行した部分を形成しておいた場合、半導体チップと被接合面の間に接着力を有しないその熱硬化進行部分がとどまってしまった場合には、半導体チップのダイアタッチフィルムが貼り付けられた面の全面を被接合面との接合に使用することができなくなり、半導体チップと被接合面の間の接合力が低下してしまう。
【0006】
そこで本発明は、半導体チップが備えるダイアタッチフィルムの周辺部に熱硬化が進行した部分を形成した場合において、その半導体チップを被接合面に強固に接合することのできる半導体チップのボンディング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の半導体チップのボンディング方法は、周辺部の熱硬化が進行したダイアタッチフィルムを備えた半導体チップをそのダイアタッチフィルムにより被接合面に接合する半導体チップのボンディング方法であって、ダイアタッチフィルムを被接合面に接触させて半導体チップを被接合面に押圧するとき、ダイアタッチフィルムの周辺部の熱硬化が進行した部分が半導体チップの外縁から外方に押し出されるようにする。
【発明の効果】
【0008】
周辺部の熱硬化が進行したダイアタッチフィルムを備えた半導体チップを被接合面に接合すると、熱硬化が進行していないダイアタッチフィルムの中心部が半導体チップの外縁から流出して半導体チップの表面に這い上がることがなく、圧着ヘッドの汚損が防止されるが、本発明における半導体チップのボンディング方法のように、接着力を有しないダイアタッチフィルムの周辺部の熱硬化進行部分が半導体チップの外縁から外方に押し出されるようにすれば、半導体チップのダイアタッチフィルムが貼り付けられた面の全面を被接合面との接合に使用することができるので、半導体チップを被接合面に強固に接合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1において使用するレーザ加工装置の斜視図、図2は本発明の実施の形態1における半導体ウエハの平面図、図3は本発明の実施の形態1において使用するプラズマ処理装置の断面図、図4は本発明の実施の形態1における半導体チップの製造方法の工程手順を示すフローチャート、図5、図6、図7及び図8は本発明の実施の形態1における半導体チップの製造方法の工程説明図、図9は本発明の実施の形態1における切り代領域と切り代両側部領域の説明図、図10は本発明の実施の形態1における境界溝表面平滑化工程の前後における境界溝の表面の変化を示す図、図11は本発明の実施の形態1における半導体チップのボンディング方法の工程説明図である。
【0010】
先ず、図1、図2及び図3を用いて実施の形態1において使用するレーザ加工装置10とプラズマ処理装置30の構成について説明する。
【0011】
図1において、レーザ加工装置10は加工対象となる半導体ウエハ1を水平姿勢に保持するウエハ保持部11、ウエハ保持部11の上方において移動自在に設けられた移動プレート12、移動プレート12に固定されたレーザ照射部13及びカメラ14のほか、移動プレート12を移動させる移動機構15、レーザ照射部13にレーザ光を発生させるレーザ発生部16、移動機構15の駆動制御及びレーザ発生部16におけるレーザ発生制御を行う制御部17、カメラ14の撮像画像から半導体ウエハ1の位置認識を行う認識部18、制御部17に操作信号・入力信号を与える操作・入力部19、制御部17と繋がるワークデータ記憶部20等を有して成る。
【0012】
ウエハ保持部11は上面に半導体ウエハ1を固定保持する真空チャック等の固定保持具を有しており、半導体ウエハ1はこの固定保持具によりレーザ加工が行われる面を上に向けて固定保持される。移動プレート12は移動機構15を介して制御部17によって移動制御がなされ、移動プレート12に固定されたレーザ照射部13及びカメラ14は半導体ウエハ1の上方において三次元的に移動される。レーザ発生部16は制御部17より制御されてレーザ照射部13にレーザ光13aを発生させ、レーザ照射部13は発生したレーザ光13aを下方に照射する。カメラ14は直下に位置する半導体ウエハ1を赤外光により撮像する。認識部18はカメラ14の撮像画像から半導体ウエハ1の位置認識を行い、その結果得られた半導体ウエハ1の位置情報を制御部17へ送信する。
【0013】
制御部17は、認識部18から送信された半導体ウエハ1の位置情報に基づいて半導体
ウエハ1とレーザ照射部13との位置関係を把握し、レーザ照射部13から照射されるレーザ光13aの照射位置を算出する。操作・入力部19はオペレータの操作に応じ、移動機構15の操作信号やレーザ発生部16の作動に関する入力信号等を制御部17に与える。ワークデータ記憶部20には半導体ウエハ1を個々の半導体チップに切り分ける際の区分線となるダイシングライン2(図2も参照)のデータが記憶されており、制御部17はこのワークデータ記憶部20に記憶されたダイシングライン2に沿ってレーザ光13aが照射されるようにレーザ照射部13の移動を制御する。
【0014】
図3において、プラズマ処理装置30は真空チャンバ31、真空チャンバ31内に設けられた下部電極32と上部電極33、下部電極32に高周波電圧を印加する高周波電源部34、冷媒を下部電極32内に循環させる冷却ユニット35、上部電極33内から真空チャンバ31の外部に延び、真空チャンバ31の外部において二股に分かれたガス供給路36、二股に分かれたガス供給路36の一方側の分岐路(第1分岐路36aとする)に接続された酸素ガス供給部37、二股に分かれたガス供給路36の他方側の分岐路(第2分岐路36bとする)に接続されたフッ素系ガス供給部38、第1分岐路36a中に介装された第1開閉弁39及び第1流量制御弁40、第2分岐路36b中に介装された第2開閉弁41及び第2流量制御弁42から成っている。
【0015】
真空チャンバ31の内部は半導体ウエハ1に対してプラズマ処理を行うための密閉空間となっている。下部電極32は真空チャンバ31内において半導体ウエハ1の保持面を上にして設けられており、上部電極33はその下面が下部電極32の上面と対向するように設けられている。
【0016】
下部電極32の上面には真空チャックや静電吸引機構等から成るウエハ保持機構(図示せず)と電気絶縁性材料から成るリング状のフレーム32aが設けられており、半導体ウエハ1はプラズマ処理が施される面を上に向け、フレーム32aによって周囲が囲まれるように支持されて、ウエハ保持機構によって下部電極32の上面に固定される。
【0017】
酸素ガス供給部37内には酸素ガス(酸素を主成分とする混合ガスであってもよい)が封入されており、その酸素ガスは、第1開閉弁39が開弁されているとき(第2開閉弁41は閉弁される)、第1分岐路36a及びガス供給路36を介して上部電極33に供給される。酸素ガス供給部37から上部電極33に供給される酸素ガスの流量は、第1流量制御弁40の開度調節によって行う。また、フッ素系ガス供給部38内には例えば六弗化硫黄(SF)等のフッ素系ガスが封入されており、そのフッ素系ガスは、第2開閉弁41が開弁されているとき(第1開閉弁39は閉弁される)、第2分岐路36b及びガス供給路36を介して上部電極33に供給される。フッ素系ガス供給部38から上部電極33に供給されるフッ素系ガスの流量は、第2流量制御弁42の開度調節によって行う。
【0018】
上部電極33の下面には平板状の多孔質プレート33aが設けられており、ガス供給路36を介して供給された酸素ガスやフッ素系ガスは、この多孔質プレート33aを介して下部電極32の上面に均一に吹き付けられる。
【0019】
次に、図4のフローチャート及び図5〜図8の工程説明図を参照して半導体チップの製造方法を説明する。半導体ウエハ1の回路パターン形成面1aには複数の半導体素子3が形成されており(図5(a))、隣接する半導体素子3の間の部分のダイシングライン2に沿った所定幅Rの切り代領域2a(図2の拡大図も参照)を半導体ウエハ1の厚さ方向に切除すれば半導体ウエハ1を複数の半導体チップに切り分けられる状態となっている。
【0020】
この半導体ウエハ1を切り分けて個々の半導体チップを製造するには、先ず図5(b)
に示すように、半導体ウエハ1の回路パターン形成面1aに粘着質のシート状の保護テープ(例えばUVテープ)4を貼り付ける(保護テープ貼付工程S1)。
【0021】
保護テープ貼付工程S1が終了したら、図5(c)に示すように、裏面研削装置50を用いて半導体ウエハ1の回路パターン形成面1aとは反対側の面(裏面)の研削を行う(裏面研削工程S2)。裏面研削装置50は上面に半導体ウエハ1がその裏面を上方に向けるように設置される回転テーブル51と、回転テーブル51の上方に設けられて下面に砥石52が取り付けられたヘッド部53から成り、ヘッド部53により砥石52を半導体ウエハ1の裏面に押し付けるとともに(図5(c)中に示す矢印A)、回転テーブル51とヘッド部53をそれぞれ上下軸まわりに回転させつつ(図5(c)中に示す矢印B,C)、ヘッド部53を水平面内で揺動させる(図5(c)中に示す矢印D)ことによって半導体ウエハ1の裏面の研削を行う。これにより裏面が削られて厚さが100〜30μm程度まで薄くなった半導体ウエハ1が得られる(図5(d))。
【0022】
裏面研削工程S2が終了したら、図6(a)に示すように、半導体ウエハ1の回路パターン形成面1aとは反対側の面(裏面研削後の半導体ウエハ1の裏面。以下、フィルム層貼付面1bと称する)にフィルム層7を設ける(フィルム層貼付工程S3)。このフィルム層7は、後に行うダイシング(プラズマエッチング)工程S8においてマスクとして機能するものであり、フィルム層貼付面1bに貼り付けられる熱硬化性のダイアタッチフィルム5と、このダイアタッチフィルム5の外面を保護するUVテープ6(保護フィルム)から成る。なお、このフィルム層貼付工程S3は、外面にUVテープ6が貼り付けられたダイアタッチフィルム5を半導体ウエハ1に貼り付けるものであってもよいし、半導体ウエハ1にダイアタッチフィルム5、UVテープ6をこの順で貼り付けていくものであってもよい。
【0023】
フィルム層貼付工程S3が終了したら、半導体ウエハ1をレーザ加工装置10のウエハ保持部11に設置する。このとき半導体ウエハ1は、フィルム層7が設けられた面が上を向くようにする。そして、図6(b),(c)に示すように、ダイシングライン2に沿った所定幅Rの切り代領域2aのフィルム層7をレーザ光13aの照射によって除去してフィルム層7に半導体素子3同士を区分する境界溝8を形成するとともに(境界溝形成工程S4)、切り代領域2aの外側で、後述するダイシング工程S8によって切り分けられた個々の半導体チップが備えるダイアタッチフィルム5の周辺部に相当する所定幅Rの切り代両側部領域2b(図2の拡大図参照)の熱硬化を進行させる(熱硬化進行工程S5)。
【0024】
前述のようにワークデータ記憶部20にはダイシングライン2のデータが記憶されており、制御部17はこのワークデータ記憶部20に記憶されたダイシングライン2のデータに基づいて移動プレート12を(すなわちレーザ照射部13を)移動させる。具体的には、制御部17は、カメラ14及び認識部18を介して得られたレーザ光13aの照射位置と、ワークデータ記憶部20に記憶されたダイシングライン2のデータとを比較し、レーザ光13aの照射位置がダイシングライン2上を移動するように移動機構15を駆動する。
【0025】
また、ワークデータ記憶部20には切り代領域2aの(すなわち境界溝8の)幅Rのデータ及び切り代両側部領域2bの幅Rのデータ(図9も参照)が記憶されており、制御部17はレーザ照射部13からレーザ光13aの出力を調節し、レーザ光13aのパワーレベルが、切り代領域2aではフィルム層7を除去することができ、切り代両側部領域2bではダイアタッチフィルム5の熱硬化を進行させる程度となるようにする。具体的には、図9に示すように、切り代両側部領域2bではダイアタッチフィルム5の熱硬化を進行させることができる最低限のパワーレベルP以上であってフィルム層7を除去できる
最低限のパワーレベルP以下、切り代領域2aではフィルム層7を除去できる最低限のパワーレベルP以上となるような、レーザ光13aの中心部ほど高いパワーレベルとなるパワー分布になるようにする。これにより切り代領域2aのフィルム層7を構成するダイアタッチフィルム5とUVテープ6はレーザ光13aによって除去され、切り代両側部領域2bのフィルム層7を構成するダイアタッチフィルム5はUVテープ6を透過したレーザ光13aによって熱硬化が進行する。
【0026】
或いは、ダイシングライン2に沿ったレーザ光13aの照射を2回行うこととし、1回目の照射では切り代領域2aを含む切り代両側部領域2bにダイアタッチフィルム5の熱硬化を進行させるパワーのレーザ光13aを照射し、2回目の照射では切り代領域2aのみに、フィルム層7を除去できるパワーのレーザ光13aを照射するようにしてもよい。
【0027】
この熱硬化進行工程S5により、ダイアタッチフィルム5の個々の半導体チップに相当する領域の周辺部(切り代両側部領域2b)は熱硬化が進行したものとなる。なお、切り代両側部領域2bの幅Rは、10〜20μm程度であることが好ましい。
【0028】
境界溝形成S4及び熱硬化進行工程S5が終了したら、半導体ウエハ1をレーザ加工装置10のウエハ保持部11から取り外し、プラズマ処理装置30の真空チャンバ31内に搬入して、半導体ウエハ1を下部電極32の上面に固定する(ウエハ搬入工程S6)。このとき、半導体ウエハ1は、フィルム層7が設けられた面が上方に向くようにする。
【0029】
この段階において、レーザ加工された境界溝8の表面は、鋭角に尖ったギザギザな凹凸形状となっている。ここで「境界溝8の表面」とは、レーザ光13aで切り代領域2aのフィルム層7を除去することによって生じたフィルム層7の対向する2つの切断面7aと、これら2つの切断面7aの間から境界溝8に露出した半導体ウエハ1の表面1cから成る面を指す(図6(c)の部分拡大図参照)。境界溝8の表面がギザギザな凹凸形状となるのは、脈動のあるレーザ光13aによってフィルム層7を除去したためにフィルム層7の切断面7aに凹凸部7bができたり、フィルム層7の除去時に周囲に飛散したフィルム層7の残渣7cが境界溝8の表面に付着したりすること等による(図10 (a))。
【0030】
この状態から直ぐに次のプラズマエッチングによるダイシング工程S8を実行すると、切り分けられた半導体チップの側面もギザギザな形状になってしまい、そこに応力集中が発生し易くなる。このため半導体ウエハ1を真空チャンバ31内に搬入したら、プラズマエッチングによるダイシング工程S8を実行する前に、真空チャンバ31内に発生させた酸素ガスのプラズマによって、境界溝形成S4において凹凸形状となった境界溝8の表面の平滑化を行う(境界溝表面平滑化工程S7)。
【0031】
境界溝表面平滑化工程S7では、先ず、プラズマ処理装置30の第2開閉弁41を閉じた状態で第1開閉弁39を開き、酸素ガス供給部37から上部電極33へ酸素ガスを供給させる。これにより上部電極33から多孔質プレート33aを介して半導体ウエハ1の上面に酸素ガスが吹き付けられる。この状態で高周波電源部34を駆動して下部電極32に高周波電圧を印加すると、下部電極32と上部電極33の間に酸素ガスのプラズマPoが発生する(図7(a))。この酸素ガスのプラズマPoは有機物であるフィルム層7(UVテープ6及びダイアタッチフィルム5)を灰化するので、境界溝8の表面は平滑化される(図7(b)、図10(b))。
【0032】
この境界溝8の表面の平滑化は、具体的には、酸素ガス(若しくは酸素ガスを主成分とする混合ガス)のプラズマPoによって境界溝8の表面(フィルム層7の対向する2つの切断面7a)の凹凸部7bを除去し、境界溝8の表面に付着したフィルム層7の残渣7cを除去し、境界溝8の表面(フィルム層7の対向する2つの切断面7a)の凹凸部7bを
均してその凹凸部7bの凹凸周期を大きくすることによって行う(図10(b)参照)。なお、酸素ガスのプラズマにより境界溝8の表面の平滑化を行っている間は、冷却ユニット35を駆動して冷媒を下部電極32内に循環させ、プラズマの熱によって半導体ウエハ1が昇温するのを防止するようにする。
【0033】
酸素ガスのプラズマPo中にフィルム層7が曝露される時間が長ければ長いほどフィルム層7の灰化は進行するが、この境界溝表面平滑化工程S7においてフィルム層7を酸素ガスのプラズマPo中に曝露する時間は、フィルム層7の境界溝8の表面が平滑化されるのに必要な最小限度のものとする。目安として、曝露時間はフィルム層7の(すなわちUVテープ6の)外面側が1〜3μm程度除去されるものであることが好ましい。
【0034】
境界溝表面平滑化工程S7が終了したら、フッ素系ガスによるプラズマエッチングを行って切り代領域2aの半導体ウエハ1を除去し、半導体ウエハ1を複数のフィルム層7付きの半導体チップ1′に切り分ける(ダイシング工程S8)。このプラズマエッチングによるダイシング工程S8では、フィルム層7はプラズマエッチング時のマスクとして機能し、そのうちUVテープ6はダイアタッチフィルム5を高熱環境下から保護する耐熱性フィルムとして機能する。
【0035】
このプラズマエッチングによるダイシング工程S8では、先ず、第1開閉弁39を開から閉に切り換えた状態で第2開閉弁41を開き、フッ素系ガス供給部38から上部電極33へフッ素系ガスを供給させる。これにより上部電極33から多孔質プレート33aを介して半導体ウエハ1の上面にフッ素系ガスが吹き付けられる。この状態で高周波電源部34を駆動して下部電極32に高周波電圧を印加すると、下部電極32と上部電極33の間にフッ素系ガスのプラズマPfが発生する(図7(c))。
【0036】
発生したフッ素系ガスのプラズマPfは、境界溝8に露出しているシリコン製の半導体ウエハ1の露出面1cをエッチングするので、半導体ウエハ1は境界溝8に沿って一括して切り分けられて複数の半導体チップ1′が生成される(図7(d))。このフッ素系ガスのプラズマPfにより半導体ウエハ1の露出面1cのエッチングを行っている間は、冷却ユニット35を駆動して冷媒を下部電極32内に循環させ、プラズマの熱によって半導体ウエハ1が昇温するのを防止するようにする。
【0037】
このダイシング工程S8によって生成された個々の半導体チップ1′はそれぞれフィルム層7を備えており、そのフィルム層7におけるダイアタッチフィルム5の周辺部は熱硬化進行工程S5において熱硬化が進行したものとなっているが、このダイシング工程S8においても、フィルム層7の切断面(境界溝形成工程S4において切除されたフィルム層7の切断面)7aがプラズマ中に曝露されることによって、熱硬化が進行する(熱硬化進行工程S5a)。
【0038】
プラズマエッチングは通常1000℃前後の温度下で行われる一方、ダイアタッチフィルム5の熱硬化が進行する温度は120℃程度であるので、ダイシング(プラズマエッチング)工程S8後の個々の半導体チップ1′が備えるダイアタッチフィルム5の周辺部に相当する切り代両側部領域2bの熱硬化が、このプラズマエッチングの間にも進行することとなる。なお、このプラズマエッチングによるダイシング工程S8では、ダイアタッチフィルム5の温度が120℃以下、プラズマが接する周辺部のみ120℃以上となるように冷却ユニット35の運転条件を設定する。
【0039】
また、境界溝8の表面はその前の境界溝表面平滑化工程S7において平滑化されているので、プラズマエッチングによって形成される半導体ウエハ1の切断面、すなわち半導体チップ1′の側面は平坦なものとなる。また、プラズマエッチングは境界溝8を起点とし
て進行するので、切り分けられた個々の半導体チップ1′の大きさと、各半導体チップ1に貼り付けられているフィルム層7の大きさとはほぼ同じ大きさとなる。
【0040】
ダイシング工程S8が終了したら、真空チャンバ31内から半導体ウエハ1(切り分けられた半導体チップ1′が保護テープ4によって繋がった状態のもの)を搬出する(ウエハ搬出工程S9)。半導体ウエハ1を真空チャンバ31から搬出したら、図8(a)に示すように、その半導体ウエハ1を保護テープ4が貼り付けられた側の面が上になるようにし、下面側のUVテープ6にダイボンディングテープ9を貼り付ける(ボンディングテープ貼付工程S10)。
【0041】
ボンディングテープ貼付工程S10が終了したら、図8(b)に示すように、半導体ウエハ1の回路パターン形成面1aに貼り付けていた保護テープ4を引き剥がす(保護テープ剥離工程S11)。これにより各半導体チップ1′はその半導体チップ1′とほぼ同じ大きさのフィルム層7を下面(フィルム層貼付面1b)側に有し、そのダイアタッチフィルム5を介してダイアタッチフィルム5とUVテープ6の間の粘着力及びUVテープ6とダイボンディングテープ9の間の粘着力によってダイボンディングテープ9の上面に保持された状態となる。
【0042】
保護テープ剥離工程S11が終了したら、ダイアタッチフィルム5と保護フィルムであるUVテープ6の間の接着力を低下させる(接着力低下処理工程S12)。この接着力低下処理工程S12におけるダイアタッチフィルム5と保護フィルムの間の接着力を低下させる処理は、本実施の形態のように保護フィルムがUVテープ6である場合には、UVテープ6に対する紫外線の照射によって行う(図8(c))。この接着力低下処理工程S12によってUVテープ6のダイアタッチフィルム5に対する接着力は弱められ、下面にダイアタッチフィルム5を有した各半導体チップ1′をダイボンディングテープ9から容易に離脱させることができるようになる。そして、このようにボンディングテープ9から離脱させることができるようになった半導体チップ1′は、図示しないピックアップ機構によってピックアップされて、リードフレームや基板等に接合(ボンディング)される。
【0043】
半導体チップ1′を基板60の表面(被接合面60a)に接合するには、先ず、ダイアタッチフィルム5を備えた面を下に向けた半導体チップ1′を圧着ヘッド61の下面に吸着保持し、圧着ヘッド61を被接合面60aの上方に移動させる(図11(a))。そして、圧着ヘッド61を下降させて半導体チップ1′のダイアタッチフィルム5を被接合面60aに接触させた後(図11(b))、図示しないヒータによって半導体チップ1′及び基板60を加熱しつつ、半導体チップ1′を被接合面60aに押圧する(図11(c)。図中に示す矢印E)。このとき、ダイアタッチフィルム5の周辺部の熱硬化が進行した部分(熱硬化進行部分5a)が半導体チップ1′の外縁から外方に押し出されるようにする。
【0044】
ダイアタッチフィルム5の中央部(熱硬化進行部分5aに囲まれた部分)はヒータによる加熱によって軟化しており、半導体チップ1′と被接合面60aとの間を十分に濡れ広がるので、半導体チップ1′は被接合面60aにしっかりとボンディングされる。その一方、接着力を有しない又は接着力が低下したダイアタッチフィルム5の周辺部の熱硬化進行部分5aは半導体チップ1の外方に押し出されるので、半導体チップ1′はそのダイアタッチフィルム5は貼り付けられた面(フィルム貼付面1b)の全面が被接合面60aに接合される。
【0045】
半導体チップ1′が被接合面60aに接合されたら、圧着ヘッド61を上方へ移動させる(図11(d))。これによりダイアタッチフィルム5付きの半導体チップ1′の被接合面60aへの接合が終了する。
【0046】
このように、本実施の形態1における半導体チップの製造方法によれば、半導体チップ1′が備えるダイアタッチフィルム5の周辺部は熱硬化が進行しており、被接合面60aの接合の際に、半導体チップ1′の外縁から流出したダイアタッチフィルム5が半導体チップ1′の上面に這い上がることがないので、圧着ヘッド61や半導体チップ1′上のワイヤボンディング用電極の汚損が防止される。
【0047】
また、本実施の形態1における半導体チップのボンディング方法によれば、半導体チップ1′のダイアタッチフィルム5が貼り付けられた面の全面を被接合面60aとの接合に使用することができるので、半導体チップ1′を被接合面60aに強固に接合することができる。
【0048】
(実施の形態2)
図12は本発明の実施の形態2における半導体チップの製造方法の工程手順を示すフローチャートである。実施の形態2における半導体チップの製造方法は実施の形態1における半導体チップの製造方法に対し、境界溝8を形成する工程と、切り代両側部領域2bの熱硬化を進行させる工程の内容が異なる。図12において図4と同じ符号を付した工程は、実施の形態1と同一内容の工程である。
【0049】
実施の形態1では、切り代領域2aのフィルム層7をレーザ光13aの照射によって除去して境界溝8を形成していたが(図4における境界溝形成工程S4)、実施の形態2では、切り代領域2aのフィルム層7を機械的に切除して境界溝8を形成する(図12における境界溝形成工程S4a)。ここで、フィルム層7の機械的な切除には円形刃等を備えたダイシング装置を用いる。フィルム層7を機械的に切除して境界溝8を形成した場合、その境界溝8には前述の凹凸部7bや残渣7cは生じないので、実施の形態1で行った境界溝表面平滑化工程S7は不要となる。
【0050】
また、第1の実施の形態では、フィルム層7の切り代両側部領域2bにダイアタッチフィルム5の熱硬化を進行させるパワーのレーザ光13aを照射することと、半導体ウエハ1のプラズマエッチング時に、フィルム層7の切断面7aをプラズマ中に暴露することとによってその部分の熱硬化を進行させていたが(図4における熱硬化進行工程S5)、この実施の形態2では、半導体ウエハ1のプラズマエッチング時に、フィルム層7の切断面7aをプラズマ中に曝露することによってのみフィルム層7の切り代両側部領域2bの熱硬化進行を行う(図12における熱硬化進行工程S5a)。
【0051】
前述のように、プラズマエッチングは通常1000℃前後の温度下で行われる一方、ダイアタッチフィルム5の熱硬化を進行させる温度は120℃程度であるので、ダイシング(プラズマエッチング)工程S8後の個々の半導体チップ1′が備えるダイアタッチフィルム5の周辺部に相当する切り代両側部領域2bの熱硬化の進行は、プラズマエッチングと同時に実行されることになる。
【0052】
この実施の形態2においても、実施の形態1において得られた半導体チップ1′と同等の半導体チップ1′が製造され、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、この実施の形態2において得られたダイアタッチフィルム5付きの半導体チップ1′を被接合面60aに接合するボンディング方法の手順は、実施の形態1において説明した手順と同じである。従って、半導体チップ1′を被接合面60aに接合する際には、実施の形態1の場合と同じ効果が得られる。
【0054】
(実施の形態3)
図13は本発明の実施の形態3における半導体チップの製造方法の工程手順を示すフローチャートである。実施の形態3における半導体チップの製造方法は実施の形態1における半導体チップの製造方法に対し、半導体ウエハ1を複数の半導体チップ1′に切り分ける工程の内容が異なる。図13において図4と同じ符号を付した工程は、実施の形態1と同一内容の工程である。
【0055】
実施の形態1では、切り代領域2aのフィルム層7をレーザ光13aの照射によって除去した後、その切り代領域2aが除去されたフィルム層7をマスクとして半導体ウエハ1をプラズマエッチングすることによって半導体ウエハ1を複数の半導体チップ1′に切り分けていたが(ダイシング工程S8)、この実施の形態3では、切り代領域2aのフィルム層7をレーザ光13aの照射によって除去した後、そのフィルム層7を除去した部分から切り代領域2aの半導体ウエハ1を機械的に切除することによって、半導体ウエハ1を複数の半導体チップ1′に切り分ける(図13におけるダイシング工程S8a)。ここで、半導体ウエハ1の機械的な切除には円形刃等を備えたダイシング装置を用いる。但し、この実施の形態2のダイシング工程S8aは、境界溝表面平滑化工程S7が終了し、半導体ウエハ1を真空チャンバ31から搬出し、半導体ウエハ1のフィルム層7側にボンディングテープ9を貼付した後に(ウエハ搬出工程S9及びボンディングテープ貼付工程S10が終了した後に)行う。なお、切り代両側部領域2bの熱硬化を進行させる手順は、実施の形態1の場合と同じである。
【0056】
この実施の形態3においても、実施の形態1において得られた半導体チップ1′と同等の半導体チップ1′が製造され、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0057】
また、この実施の形態3において得られたダイアタッチフィルム5付きの半導体チップ1′を被接合面60aに接合するボンディング方法の手順は、実施の形態1において説明した手順と同じである。従って、半導体チップ1′を被接合面60aに接合する際には、実施の形態1の場合と同じ効果が得られる。
【0058】
(実施の形態4)
図14は本発明の実施の形態4における半導体チップの製造方法の工程手順を示すフローチャートである。実施の形態4における半導体チップの製造方法は実施の形態1における半導体チップの製造方法に対し、境界溝8を形成する工程と、半導体ウエハ1を複数の半導体チップ1′に切り分ける工程の内容が異なる。図14において図4と同じ符号を付した工程は、実施の形態1と同一内容の工程である。
【0059】
この実施の形態4では、半導体ウエハ1の回路パターン形成面1aに保護テープ4を貼付する保護テープ貼付工程S1(図15(a))、半導体ウエハ1の裏面を研削する裏面研削工程S2及び半導体ウエハ1のフィルム層貼付面1bにフィルム層7を貼付するフィルム層貼付工程S3(図15(b))が終了したら、フィルム層7の切り代両側部領域2bの熱硬化を進行させる(熱硬化進行工程S5b。図15(c))。具体的には、フィルム層7の切り代両側部領域2bにフィルム層7の切り代領域2aを加えた幅R(=2R+R。図17(a)参照)の領域にダイアタッチフィルム5の熱硬化を進行させるパワーのレーザ光13aを照射することによって行う。
【0060】
熱硬化進行工程S5bが終了したら、続いて半導体ウエハ1のフィルム層7の表面にダイボンディングテープ9に貼り付け(ダイボンディングテープ貼付工程S10)、半導体ウエハ1の回路パターン形成面1aから保護テープ4を引き剥がす(保護テープ剥離工程S11)。そして、図16(a)に示すように、フレーム62上にダイボンディングテープ9を下にして半導体ウエハ1を載置した後、半導体ウエハ1の回路パターン形成面1a側から円形刃63等を用いて切り代領域2aのフィルム層7及び半導体ウエハ1を機械的
に切除し(図16(b)、図17(b))、半導体ウエハ1を個々の半導体チップ1′に切り分ける(ダイシング工程S8b、図17(c))。ダイシング工程S8bが終了したら、実施の形態1の場合と同様の接着力低下処理工程S12を実行する。
【0061】
この実施の形態4においても、実施の形態1において得られた半導体チップ1′と同等の半導体チップ1′が製造され、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、この実施の形態4において得られたダイアタッチフィルム5付きの半導体チップ1′を被接合面60aに接合するボンディング方法の手順は、実施の形態1において説明した手順と同じである。従って、半導体チップ1′を被接合面60aに接合する際には、実施の形態1の場合と同じ効果が得られる。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態における半導体チップの製造方法は、半導体ウエハ1の表面(回路パターン形成面1aとは反対側のフィルム層貼付面1b)に、この面に貼り付けられる熱硬化性のダイアタッチフィルム5及びダイアタッチフィルム5の外面を保護する保護フィルムとしてのUVテープ6から成るフィルム層7を貼付するフィルム層貼付工程S3と、フィルム層7が貼付された半導体ウエハ1からダイシングライン2に沿った所定幅Rの切り代領域2aを除去して半導体ウエハ1を複数の半導体チップ1′に切り分けるダイシング工程S8(S8a,S8b)を含むものであり、そのうえで、フィルム層貼付工程S3とダイシング工程S8(S8a,S8b)の間若しくはダイシング工程S8中に、切り代領域2aの外側でダイシング工程S8(S8a,S8b)後の個々の半導体チップ1′が備えるダイアタッチフィルム5の周辺部に相当する切り代両側部領域2bの熱硬化を進行させる熱硬化進行工程S5(S5a,S5b)を設けている。
【0064】
この製造方法により製造された半導体チップ1′は、ダイアタッチフィルム5の外面から保護テープ(UVテープ6)を剥がせばそのまま被接合面60aへ接合することができるが、この半導体チップ1′が備えるダイアタッチフィルム5の周辺部には熱硬化が進行した部分(熱硬化進行部分5a)が形成されており、半導体チップ1′の被接合面60aへの接合時、半導体チップ1′が被接合面60aに押し付けられたときに、熱硬化が進行していないダイアタッチフィルム5の中心部が半導体チップ1′の外縁から流出しようとするのが、熱硬化進行部分5aによって抑制される(堰き止められる)。このため、従来のように半導体チップ1′を被接合面60aへ接合する際、半導体チップ1′の外縁から流出したダイアタッチフィルム5が半導体チップ1′の上面に這い上がることがなく、圧着ヘッド61や半導体チップ1′上のワイヤボンディング用電極の汚損が防止される。
【0065】
また、本実施の形態における半導体チップのボンディング方法は、周辺部の熱硬化が進行したダイアタッチフィルム5を備えた半導体チップ1′をそのダイアタッチフィルム5により被接合面60aに接合するものであり、ダイアタッチフィルム5を被接合面60aに接触させて半導体チップ1′を被接合面60aに押圧するとき、ダイアタッチフィルム5の周辺部の熱硬化が進行した部分(熱硬化進行部分5a)が半導体チップ1′の外縁から外方に押し出されるようにする。
【0066】
周辺部の熱硬化が進行したダイアタッチフィルム5を備えた半導体チップ1′を被接合面60aに接合すると、熱硬化が進行していないダイアタッチフィルム5の中心部が半導体チップ1′の外縁から流出して半導体チップ1′の上面に這い上がることがなく、上記のように圧着ヘッド61や半導体チップ1′上のワイヤボンディング用電極の汚損が防止されるが、本実施の形態における半導体チップ1′のボンディング方法のように、接着力を有しないダイアタッチフィルム5の周辺部の熱硬化進行部分5aが半導体チップ1′の外縁から外方に押し出されるようにすれば、半導体チップ1′のダイアタッチフィルム5が貼り付けられた面の全面を被接合面60aとの接合に使用することができるので、半導
体チップ1′を被接合面60aに強固に接合することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
半導体チップのダイアタッチフィルムが貼り付けられた面の全面を被接合面との接合に使用することができるので、半導体チップを被接合面に強固に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1において使用するレーザ加工装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における半導体ウエハの平面図
【図3】本発明の実施の形態1において使用するプラズマ処理装置の断面図
【図4】本発明の実施の形態1における半導体チップの製造方法の工程手順を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1における半導体チップの製造方法の工程説明図
【図6】本発明の実施の形態1における半導体チップの製造方法の工程説明図
【図7】本発明の実施の形態1における半導体チップの製造方法の工程説明図
【図8】本発明の実施の形態1における半導体チップの製造方法の工程説明図
【図9】本発明の実施の形態1における切り代領域と切り代両側部領域の説明図
【図10】本発明の実施の形態1における境界溝表面平滑化工程の前後における境界溝の表面の変化を示す図
【図11】本発明の実施の形態1における半導体チップのボンディング方法の工程説明図
【図12】本発明の実施の形態2における半導体チップの製造方法の工程手順を示すフローチャート
【図13】本発明の実施の形態3における半導体チップの製造方法の工程手順を示すフローチャート
【図14】本発明の実施の形態4における半導体チップの製造方法の工程手順を示すフローチャート
【図15】本発明の実施の形態4における半導体チップの製造方法の工程説明図
【図16】本発明の実施の形態4における半導体チップの製造方法の工程説明図
【図17】本発明の実施の形態4における半導体チップの製造方法の工程説明図
【符号の説明】
【0069】
1′ 半導体チップ
5 ダイアタッチフィルム
5a 熱硬化進行部分
60a 被接合面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺部の熱硬化が進行したダイアタッチフィルムを備えた半導体チップをそのダイアタッチフィルムにより被接合面に接合する半導体チップのボンディング方法であって、
ダイアタッチフィルムを被接合面に接触させて半導体チップを被接合面に押圧するとき、ダイアタッチフィルムの周辺部の熱硬化が進行した部分が半導体チップの外縁から外方に押し出されるようにすることを特徴とする半導体チップのボンディング方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2008−153426(P2008−153426A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339678(P2006−339678)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】