説明

半導体ドーピング用のドーパント混合物

本発明は、ドープ層形成のために後で高温処理に送られる、半導体基板のコーティング用ドーパント混合物に関する。更に、本発明は、この種ドーパント混合物の製造方法およびその使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被ドープ層形成のために後で高温処理が施される半導体基板のコーティング用ドーパント混合物に関する。本発明は、さらに、この種ドーパント混合物の製造方法およびその使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の導電性は、一般的に、半導体材料の原子価より僅かに高い、または僅かに低い原子価を持つ異種原子を半導体材料の結晶構造内へ組み込むことによって高められる。この方法は、原則として、あらゆるタイプの半導体に適用することができるが、しかし特に珪素ベースの半導体に対するドーピングの領域で重要な位置を占めている。例えば五価の燐を珪素原子からなる結晶格子内へ組み込むと、燐原子は結晶格子内で珪素原子に取って代わってその位置を占める。燐は5つの価電子を有するが、それに隣接する4つの珪素原子との結合にはそのうち4つしか必要ではないので、一つの電子は堅固に結合せずに残る。この電子は、エネルギー消費することなく導電に利用される。このような被ドープ材料はn型ドープと言われ、n型導電性を示す。それに対して、半導体の原子価より低い原子価を持つ原子を組み込むと電子欠損が起こり、それがまた同様に導電性を高める。この種の材料はp型ドープと言われ、p型導電性を示す。
【0003】
太陽電池用エミッタの形成時における珪素ウェハ内での燐の拡散は、多くの場合、いわゆるインライン搬送システムを持つ炉で行われる。ウェハは、先ず最初に、燐含有層によりコーティングされ、続いて約800℃〜1,000℃の範囲の温度で処理される。このような高温下において、燐原子がコーティング層からウェハ内へ拡散してエミッタ構造を形成する。このいわゆるインライン拡散は広く普及しているにも拘わらず、拡散工程の前に燐含有層をウェハ上に堆積させることに関しては、これ迄のところ支配的技術はまだ存在しない。
【0004】
インライン拡散は、通常、技術水準の通常の範囲内で行われる今なお広く普及している慣用のPOCl法に比べて多くの利点を有している。この種の方法の枠内では、POClは、通常は、それに適した調製物の中に加えられて層としてウェハ上に塗布され、続いて石英管状炉で熱処理される。この旧来の方法に比べてインライン法は多数の利点を有している。ウェハは殆ど移動させなくて済むので、その結果ウェハ破損の危険は減少する。しかし、インライン法の場合、これ迄のところ、この方法が供し得る効果を活用し難くしている様々な欠点が解消されないままで負担になっている。
【0005】
ドーピング法の効率にとって重要な工程は、ドーピング対象である半導体へのドープ源の塗布にある。半導体への適当なドーパントの注入については、例えばマイクロエレクトロニクス工業の領域において既に幾つかの方法が使用されている。そのような方法の例としては、被ドープ表面に例えばガス状の燐(例えば、ホスファンまたはホスフィン)を蒸着させる化学蒸着法(CVD)がある。半導体表面へのドーパント塗布のための方法としては、例えば、スピンコート法も使用される。この方法では、多くの場合、燐化合物が混合されたゾル/ゲル(有機溶剤中に溶解または懸濁させた珪酸燐ポリマー分子を含む溶液)をドーピングするべき表面に塗布して、それを回転させて移動させ、それによって上記の溶液または懸濁液が表面上に均一に分布される。
【0006】
CVD法によれば、確かに、均一性および純度が非常に高い珪酸燐ガラスが得られるが、しかしその一方で、この方法の実行には、複雑な設備と厳密なプロセスコントロールが要求される。その上、危険な材料が頻繁に使用される。上記のスピンコート法は、確かに、実施が明らかにより容易な代替法ではあるが、この方法の欠点は、それの簡易実施性よりも遙かに重い。例えば、スピンコート法では、実際は、使用材料の僅か約2〜5%しか半導体表面のドーピングに利用されない。これがプロセス全体のコストを強烈に吊り上げている。さらに、スピンコート法では、ドーパントでカバーされない部分が多少残るという危険がある。この危険性は、特に、テキスチャード加工された半導体表面の場合にある。
【0007】
半導体表面へのドーパントの塗布のためのまた別な可能性としては、スクリーン印刷法が既に20年以上も前に使用されている。この方法は、特に、塗布材料の高い粘度に基づいて選択的エミッタを形成することができるという利点を有している。しかし、この方法ではウェハに圧力が加わり、それによってウェハ破損のリスクが明らかに増大する。その上、使用材料は、ドーパントの乾燥中および拡散中に燃焼する多量の有機成分を含んでいる。そのことより、有機残渣が表面に永久的に留まるほど強力に半導体表面に付着するという潜在的問題が生ずる。ドーパントを半導体表面に塗布することのできるまた別な可能な方法としては、例えば、ウェハをドーパント溶液に浸漬する方法がある。この方法では、ウェハは、例えば、然るべきドーパント溶液内を通過する適当なコンベアベルト上に載せられる。同様に、適当なドーパントを含むペーストまたは液体を、ウェハと軽度の圧力作用下で接触しているローラで塗布することもできる。両方法は、再現可能な薄くて一様なドーパント層を表面上に形成するには尋常でないほど多大な困難を伴うという点で共通している。
【0008】
スプレー塗布によりドーパントを半導体表面に付与する試験が何回か実施された。しかし、これは慣用のドーパント混合物の材料特性が原因で極めて困難なものとなった。それは、通常では半導体表面上にドーパント混合物を十分に均一分布させることができなかったからである。ドーパントとして燐酸を使用した試験の中には、特に、室温に維持されたウェハ表面へ燐酸蒸気を適用した試験も含まれている。しかし、高温燐酸および燐酸蒸気の使用は、高温燐酸に起因する強い腐蝕のために非常に問題がある。ところが、燐酸を水溶液から堆積させるのは、半導体表面の表面の性質のために、不十分な程度でしか成功しなかった。水溶液の塗布は、通常、表面上に孤立した液滴を形成させ、それが一様なドーピングを妨げる。
【0009】
欧州特許出願公開第1 414 082 A2号明細書には、有機、無機半導体のドーピング用ドーパントとしての界面活性剤を含む水溶液の使用が開示されている。
【0010】
上記の理由から、ドーパントを、簡単な方法で迅速にかつ自動化可能に、半導体表面、特にウェハ表面に塗布することのできる方法に対する要望があった。特に、できる限り材料損分を少なく、そしてできる限り再現性のある、均一な結果でドーパントの上述のように塗布することを可能にすることに要望があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、従来技術の欠点を回避しつつドーパントを半導体表面に塗布することのできる半導体ドーピング法を提供するという課題に基づくものである。本発明は、さらに、半導体表面上で均一に分布し、半導体表面全体に亘って均一なドーパント濃度を実現し、例えばスプレー塗布などにより簡単に塗布でき、できる限り低水準の経済コストで適用できるドーパント混合物を提供するという課題にも基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明が基づく上記の課題は、下記に説明するドーパント混合物、そのようなドーパント混合物の製造方法、半導体のドーピング法およびドーパント混合物の使用によって解決される。
【0013】
それゆえ、本発明の対象は、半導体表面ドーピング用の少なくとも一種のp型またはn型ドーパント、水、および2種またはそれ以上の界面活性剤からなる混合物を含み、但しこの際、それらの界面活性剤の少なくとも1種は非イオン性界面活性剤である、半導体ドーピング用のドーパント混合物である。
【0014】
本発明のドーパント混合物は、適当な熱処理においてp型またはn型ドープの半導体表面を形成することのできる少なくとも1種の化合物をドーパントとして含んでいる。珪素中でのn型ドープ達成のためには、本発明のドーパント混合物の枠内で然るべき形態において半導体表面への塗布に適している燐砒素およびアンチモンの誘導体が、原則として、ドーパントとして適している。小さなp型ドープの形成には、例えば硼素、アルミニウム、ガリウムまたはインジウムの然るべき誘導体が好適である。
【0015】
本発明によるドーパント混合物は、本発明の別な態様の枠内では、ドーパントとして燐源、砒素源またはアンチモン源を含んでいる。本発明の好ましい態様の枠内では、本発明によるドーパント混合物はドーパントとして燐源を含んでいる。
【0016】
本発明の枠内で使用可能なドーパントは、一方では、半導体表面にできる限り均一に塗布され得るように、本発明のドーパント混合物中への可溶性が十分に高いものであるのがよく、他方では、当該ドーパントは、ドーピングプロセスに不利影響を招く程に、望ましくない時期尚早の反応をドーパント混合物の成分との間で起こすことのないものであるのがよい。本発明のまた別の態様の枠内では、少なくとも10重量%の水と、場合によっては水と混合可能な別な溶剤との混合物に対して可溶性であるように、十分に高い極性を少なくとも有するドーパント源が使用される。本発明のさらに別の態様の枠内では、23℃の水中に少なくとも0.5g/l、例えば少なくとも1g/lまたは5g/lの溶解性を示すドーパント源が使用される。
【0017】
本発明の更に別の態様の一つでは、本発明のドーパント混合物はドーパントとして水溶性の燐原料を含んでいる。ドーパントとしては、例えば燐酸または適当な燐酸誘導体、例えば適当なオリゴ燐酸もしくはポリ燐酸または燐酸エステル、例えば燐酸ビス(2エチルヘキシル)エステル(HDEHP)または燐酸モノ−もしくはジブチルエステル、あるいは上記の物質の2種類またはそれ以上の種類からなる混合物を含むことができる。
【0018】
本発明のドーパント混合物は、然るべきドーパントのほかに水も含んでいる。水は、該ドーパント混合物の枠内では、例えば、ドーパント混合物全体を液状に保つのに十分な量が含まれている。本発明のドーパント混合物は、特に、ドーパント混合物全体をスプレー可能な状態に維持するのに十分な量の水を含んでいる。
【0019】
本発明のドーパント混合物は、ドーパントおよび水のほかに、二種またはそれ以上の界面活性剤からなる混合物を含んでいる。但し、これらの界面活性剤の少なくとも1種類は非イオン性の界面活性剤とする。
【0020】
「二種またはそれ以上の界面活性剤からなる混合物」とは、本発明の枠内では、二種の異なる界面活性剤を含む界面活性剤混合物を意味している。それゆえ、本明細書においては、界面活性剤混合物とは、例えば、混合物中に含まれる各界面活性剤が異なった化学構造を有することから混合物と言うことができる。界面活性剤混合物が、例えば、アルコキシル化などの重合合成反応によって製造された界面活性剤を含む場合は、それは重合合成反応によって生成された範囲内において異なった鎖長を持つオリゴマーを含むということであるから、いまだ混合物と称してはならない。同じ化学基本構造でありながら、しかし分子量の異なる界面活性剤を含む界面活性剤混合物は、本明細書においては、当混合物中の界面活性剤の分子量分布が少なくとも2モードであると認め得る場合に初めて混合物と称することができる。そのような2モード性の存在が認められるのは、例えば、然るべき測定方法、特にゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、光散乱法または浸透圧測定によって、相互間で少なくとも100、好ましくは、少なくとも200または少なくとも500の分子量単位の差のある数平均分子量が測定できた場合である。
【0021】
しかし、本発明においては、本発明のドーパント混合物が、互いに化学組成の異なる少なくとも二種の界面活性剤を含んでいるのが好ましい。
【0022】
本発明のドーパント混合物に使用される界面活性剤の少なくとも1つは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性界面活性剤とは、少なくとも1つの分子部分に高い極性を有するが、電荷を持たない化合物のことである。
【0023】
本発明においては、非イオン性界面活性剤とは、例えば、脂肪族アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、脂肪アミンエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、脂肪酸エステルエトキシレート、その他のアルコキシレート、アルカノールアミド、糖類界面活性剤、酸化アミンおよびその他の非イオン性界面活性剤を指している。
【0024】
本発明においては、非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルオリゴグリコシド、アルケニルオリゴグリコシド、脂肪酸−N−アルキルポリヒドロキシアルキルアミド、アルコールアルコキシレート、アルコキシル化カルボン酸エステル、好ましくは、アルキルオリゴグリコシド、アルケニルオリゴグリコシドが適している。
【0025】
アルキル−および/またはアルケニルオリゴグリコシドは式(I)
RO(G)z (I)
で表わされる公知の非イオン性界面活性剤である。但し、前記式中Rは4〜22個の炭素原子を持つアルキル−および/またはアルケニル基、Gは5または6個の炭素原子を持つ糖残基、zは1〜10の数字を表わしている。これらの界面活性剤は調製有機化学(praeparativ organisch Chemie)の該当する方法に従って得ることができる。
【0026】
上記アルキル−および/またはアルケニルオリゴグリコシドは、5または6個の炭素原子を持つアルドースまたはケトース、とりわけグルコースから誘導することができる。したがって、好ましいアルキル−および/またはアルケニルオリゴグリコシドは、アルキル−および/またはアルケニルオリゴグルコシドである。一般式(I)中の指数zは、オリゴマー化度(DP)、すなわち、モノグリコシドとオリゴグリコシドの分布を示しており、1〜10の数字を表す。実際の化合物においてはpは常に整数でなければならず、この場合ではなかでもz=1〜6の値を取ることができるが、特定のアルキルオリゴグリコシドの値pは分析によって求められた計算値であり、殆どが分数である。
【0027】
アルキル−および/またはアルケニルオリゴグリコシドとしては、平均オリゴマー化度zが1.1〜4.0のものを使用するのが好ましい。応用技術の観点からは、オリゴマー化度が1.7未満、特に1.2〜1.6のアルキル−および/またはアルケニルオリゴグリコシドが好ましい。アルキルまたはアルケニル基Rは、4〜11、好ましくは8〜10個の炭素原子を持つ第一アルコールから誘導することができる。典型例は、ブタノール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール及びウンデシルアルコール、並びにそれらの工業用混合物、例えば工業用脂肪酸メチルエステルの水素添加時に、またはRoelenのオキソ合成からのアルデヒドの水素添加工程で得られるような工業用混合物である。好ましいのは、工業用C〜C12椰子脂肪アルコールの分留時に前留出物として生ずる鎖長C〜C10のアルキルオリゴグルコシド(DP=1〜3)、および工業用C9/11、C12/13、C12/15のオキソアルコールをベースとするアルキルオリゴグルコシド(DP=1〜3)である。
【0028】
この場合特に好ましいのは、Dobanol(R)またはNeodol(R)の名称で市販されているShell社の工業用オキソアルコールである。アルキル−またはアルケニル基Rは、さらに、12〜22、好ましくは12〜18個の炭素原子を持つ第一アルコールからも誘導することができる。その典型例は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パームオレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール、並びに上記のようにして得ることのできるそれらの工業用混合物である。好ましいのは、硬化C12/14椰子−またはパーム核アルコール、あるいは椰子油、パーム核油またはパーム油からのC12/14脂肪族アルコールをベースとするDP1〜3のアルキルオリゴグルコシドである。
【0029】
本発明において、単独の非イオン性界面活性剤としてあるいは他の非イオン性界面活性剤との組み合わせで使用される更に別の部類の適当な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化、またはエトキシル化とプロポキシル化とがされた脂肪酸アルキルエステル、好ましくはアルキル鎖に1〜4個の炭素原子を持つこのような脂肪酸アルキルエステル、特に脂肪酸メチルエステル、例えば、特開昭58−217598A1号公報に記述されているような、あるいは好ましくは、国際公開第90/13533A1号パンフレットに記述されている方法に従って製造されるものが挙げられる。
【0030】
アミンオキシドタイプの非イオン性界面活性剤、例えば、N−椰子アルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドおよびN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド、及び脂肪酸アルカノールアミドタイプの非イオン性界面活性剤も好適であり得る。
【0031】
また、次式(II)、すなわち
【0032】
【化1】

で表わされるポリヒドロキシ脂肪酸アミドも、同様に適した非イオン性界面活性剤である。前記式中、R'COは6〜22個の炭素原子を持つ脂肪族アシル基、Rは水素、1〜4個の炭素原子を持つアルキル基またはヒドロキシルアルキル基、[Z]は3〜10の炭素原子および3〜10のヒドロキシル基を持つ線状または分枝状ポリヒドロキシアルキル基を表す。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドとは、通常、還元糖をアンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンで還元アミン化し、その後、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは塩化脂肪酸にでアシル化することよって得ることのできる公知物質である。
【0033】
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの部類には次式(III)、すなわち
【0034】
【化2】

で表わされる化合物も含まれる。但し、式中、R''は7〜12個の炭素原子を持つ線状または分枝状アルキル基またはアルケニル基、Rは2〜8個の炭素原子を持つ線状、分枝状または環状アルキル基またはアリール基であり、Rは1〜8個の炭素原子を持つ線状、分枝状または環状アルキル基もしくはアリール基またはオキシアルキル基であるが、この際、C1〜4アルキル基またはフェニル基が好ましく、また[Z]は、そのアルキル基が少なくとも2つのヒドロキシル基によって置換された線状ポリヒドロキシアルキル基、またはこの基のアルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化された誘導体を表す。
【0035】
[Z]は、好ましくは、還元糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロースの還元アミン化によって得られる。N−アルコキシ置換、またはN−アリルオキシ置換された化合物は、次に、例えば国際公開第95/07331号パンフレットの教示に従い、触媒としてのアルコキシドの存在下、脂肪酸メチルエステルとの反応によって、所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに転化することができる。
【0036】
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、通常、還元糖をアルキルアミンまたはアルカノールアミンで還元アミン化し、その後脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは塩化脂肪酸でアシル化することによって得ることのできる公知物質である。その製造方法に関しては米国特許第1,985,424号明細書、米国特許第2,016,962号明細書および米国特許第2,703,798号明細書並びに国際公開第92/06984A1号パンフレットが参考になる。本テーマについてはH. Kelkenbergによる概説がTens. Surf. Deterg.第25巻、8〜13ページ(1988年刊)に記載されている。
【0037】
脂肪酸−N−アルキルポリヒドロキシアルキルアミドの使用も多数の文献の記述対象である。欧州特許出願公開第0285768A1号明細書(Huels)からは、例えば増粘剤としての使用が公知である。仏国特許出願公開第1580491A号明細書(Henkel)には、硫酸塩および/またはスルホン酸塩、非イオン性界面活性剤、場合によっては及び石鹸に基づく水性洗剤混合物が記載されており、これは、発泡調節剤として、脂肪酸−N−アルキルグルカミドを含む。独国特許第4400632C1号明細書(Henkel)には、短鎖と長鎖のグルカミドからなる混合物が記載されている。さらに、独国特許出願公開4326959A1号明細書および独国特許出願公開第4309567A1号明細書(Henkel)では、長鎖アルキル基を有するグルカミドをスキンケア剤におけるプソイドセラミドとして使用すること、およびヘアケア用品中でのグルカミドと蛋白加水分解物及びカチオン界面活性剤とを組み合わせて使用することについて報告されている。国際公開第92/06153A1号パンフレット、国際公開第92/06156A1号パンフレット、国際公開第92/06157A1号パンフレット、国際公開第92/06158A1号パンフレット、国際公開第92/06159A1号パンフレットおよび国際公開第92/06160 A1号パンフレット(Procter & Gamble)の対象は、脂肪酸−N−アルキルグルカミドとアニオン性界面活性剤、硫酸塩構造および/またはスルホン酸塩構造を持つ界面活性剤、エーテルカルボン酸、エーテルスルフェート、メチルエステルスルホネートおよび非イオン性界面活性剤との混合物である。このような材料を、種々様々な洗浄剤、食器用洗剤および洗浄剤中に使用することは、国際公開第92/06152A1号明細書、国際公開第92/06154A1号明細書、国際公開第92/06155A1号明細書、国際公開第92/06161A1号明細書、国際公開第92/06162A1号明細書、国際公開第92/06164A1号明細書、国際公開第92/06170A1号明細書、国際公開第92/06170A1号明細書、国際公開第92/06171A1号明細書、および国際公開第92/06172A1号明細書(Procter & Gamble)に記載されている。
【0038】
アルコールエトキシレートも同様に非イオン性界面活性剤として使用することができる。これらは、それらの製造法に依存して脂肪族アルコールエトキシレートまたはオキソアルコールエトキシレートと言われ、そして、好ましくは、次式(IV)、すなわち
R'''−O(CHCHO)H (IV)
で表わされるものである。但し、式中R'''は、6〜22個の炭素原子を持つ線状または分枝状のアルキル−および/またはアルケニル基、nは1〜50の数字を意味している。典型例は、例えば、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2−エチル−ヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パームオレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール、並びにそれらの工業用混合物(例えば、油脂に基づく工業用メチルエステルの高圧水素添加時またはRoelenオキソ合成から得られるアルデヒドの高圧水素添加時に生ずる工業用混合物や、不飽和脂肪族アルコールの二量体化時にモノマー画分として生ずる工業用混合物)への平均して1〜50モル、好ましくは5〜40モル、特に10〜25モル付加物である。好ましいのは、12〜18個の炭素原子を持つ工業用脂肪アルコール、例えば椰子脂肪アルコール、パーム脂肪アルコール、パーム核脂肪アルコールまたは獣脂肪アルコールへの10〜40モルのエチレンオキシドの付加物である。
【0039】
アルコキシル化カルボン酸エステルも同様に非イオン性界面活性剤として使用できる。この種の化合物は従来技術から公知である。例えば、このようなアルコキシル化カルボン酸エステルは、アルコキシル化カルボン酸をアルコールでエステル化することによって得ることができる。しかし、本発明においては、当該化合物は、同族体分布の制限された化合物を与える触媒の使用下で、特にドイツ特許出願公開第3914131A1号明細書に記載のか焼されたハイドロタルサイトの使用下で、カルボン酸エステルをアルキレンオキシドと反応させることにより製造するのが好ましい。この方法によれば、一価アルコールのカルボン酸エステルばかりでなく、多価アルコールのカルボン酸エステルもアルコキシル化することができる。本発明においては、一般式(V)、すなわち、
CO(OAlk)OR (V)
で表わされる一価アルコールのアルコキシル化カルボン酸エステルが好ましい。但し、上記式中、RCOはカルボン酸から誘導された脂肪族アシル基、OAlkはアルキレンオキシド、Rは一価の脂肪族アルコールから誘導された脂肪族アルキル基を表す。特に適しているのは、前記式(V)中、RCOが6〜30個、好ましくは6〜22個、特に好ましくは10〜18個の炭素原子を持つ脂肪族アシル基、OAlkがCHCHO−、CHCHCHO−および/またはCH−CHCHO−基、nが平均して1〜30、好ましくは5〜20、特に好ましくは10〜15の数字、R が1〜4個、好ましくは1および/または2の炭素原子を持つ脂肪族アルキル基を表す同式のアルコキシル化カルボン酸エステルである。好ましいアシル基は、6〜22個の炭素原子を持つ天然由来のまたは合成のカルボン酸から誘導されるが、特に、線状の飽和及び/または不飽和脂肪酸、並びにこれらの工業用混合物、例えば動物性および/または植物性の油脂からの脂肪分解によって得ることができるこのような工業用混合物、例えば、椰子油、パーム核油、パーム油、大豆油、ひまわり油、菜種油、綿実油、魚油、牛脂および豚脂から得ることができる工業用混合物から誘導される。この種のカルボン酸の例としては、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パームオレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸および/またはエルカ酸などがある。好ましいアルキル基は、飽和および/または不飽和であることができる、1〜4個の炭素原子を持つ脂肪族単官能性第一アルコールから誘導される。好適なモノアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノール、特にメタノールが挙げられる。
【0040】
OAlkは、カルボン酸エステルと反応させるアルキレンオキシドを表す。これには、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド、特にエチレンオキシド単品が包含される。特に適しているものは、式(V)中、OAlkがCHCHO基、nが平均10〜15の数字、Rがメチル基を表わす同式で表されるアルコキシル化カルボン酸エステルである。この種化合物の例としては、平均5、7、9または11モルのエチレンオキシドでアルコキシル化されたラウリン酸メチルエステル、椰子脂肪酸メチルエステルおよび獣脂肪酸メチルエステルがある。非イオン性界面活性剤の量は、−最終濃度を基準として− 20〜95、好ましくは50〜80、特に好ましくは60〜70の量で使用することができる。
ヒドロキシ混合エーテル
同様に非イオン性界面活性剤として適しているヒドロキシ混合エーテル(HME)は、非対称エーテル構造及びポリアルキレングリコール要素を有する公知の非イオン性界面活性剤であり、これは、例えば、オレフィンエポキシドを脂肪族アルコールポリグリコールエーテルと一緒に開環反応に付すことによって得られる。このような化合物および硬質表面の洗浄の分野におけるそれの使用は、例えば欧州特許第0693049 B1号明細書および国際公開第94/22800 A1号パンフレット(Oliv)、さらにはこれらの文献中に挙げられた文献の対象である。典型例は、このようなヒドロキシ混合エーテルは、一般式(VI)で表される。
【0041】
−CH(OH)−CHRO(CHCHRO)
式中、Rは2〜18、好ましくは10〜16個の炭素原子を持つ線状または分枝状のアルキル基、Rは、水素、あるいは2〜18個の炭素原子を持つ線状または分枝状のアルキル基、Rは、水素またはメチル、Rは6〜22、好ましくは12〜18個の炭素原子を持つ線状または分枝状のアルキル−および/またはアルケニル基、nは1〜50、好ましくは2〜25、特に5〜15の数字を表し、但し、基RおよびRの炭素原子数の合計は少なくとも4、好ましくは12〜18である。上記の式から明らかなように、HMEは内部オレフィン(Rは水素でない)の開環生成物でも、または末端オレフィン(Rは水素)の開環生成物でもあり得るが、簡易な製造および有利な応用技術上の性質の面から後者のほうが好ましい。同様に、分子の極性部分もポリエチレングリコール鎖またはポリプロピレングリコール鎖であることができる。また同様に、ランダムまたはブロック状分布状態の、PEとPP単位の混合鎖も適している。典型例は、1,2−ヘキセンエポキシド、2,3−ヘキセンエポキシド、1,2−オクテンエポキシド、2,3−オクテンエポキシド、3,4−オクテンエポキシド、1,2−デセンエポキシド、2,3−デセンエポキシド、3,4−デセンエポキシド、4,5−デセンエポキシド、1,2−ドデセンエポキシド、2,3−ドデセンエポキシド、3,4−ドデセンエポキシド、4,5−ドデセンエポキシド、5,6−ドデセンエポキシド、1,2−テトラデセンエポキシド、2,3−テトラデセンエポキシド、3,4−テトラデセンエポキシド、4,5−テトラデセンエポキシド、5,6−テトラデセンエポキシド、6,7−テトラデセンエポキシド、1,2−ヘキサデセンエポキシド、2,3−ヘキサデセンエポキシド、3,4−ヘキサデセンエポキシド、4,5−ヘキサデセンエポキシド、5,6−ヘキサデセンエポキシド、6,7−ヘキサデセンエポキシド、7,8−ヘキサデセンエポキシド、1,2−オクタデセンエポキシド、2,3−オクタデセンエポキシド、3,4−オクタデセンエポキシド、4,5−オクタデセンエポキシド、5,6−オクタデセンエポキシド、6,7−オクタデセンエポキシド、7,8−オクタデセンエポキシド及び8,9−オクタデセンエポキシド並びにこれらの混合物と、6〜22、好ましくは12〜18個の炭素原子を持つ飽和および/または不飽和第一アルコール、例えばカプロンアルコール、カプリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パームオレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール並びこれらの工業用混合物への平均1〜50、好ましくは2〜25、特に好ましくは5〜15モルのエチレンオキシドおよび/または平均1〜10、好ましくは2〜8、特に3〜5モルのプロピレンオキシドの付加物との開環生成物である。HMEは、通常は0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜8重量%、特に3〜5重量%の量で成形物中に含まれる。
【0042】
本発明において特に適した非イオン性界面活性剤は、その上、原則として、水系中で表面張力を低下させること、および特に低い動的表面張力を達成することができるものである。動的表面張力とは、時間が経過するにつれて表面張力が低下することを意味する。市販されている対応する界面活性剤の例としては、例えば、トリトンの名称で販売されている界面活性剤、例えばTriton BG、Triton CG、及びTriton CFグループの化合物、Triton DFグループの化合物、Triton Xシリーズの化合物、Triton CA、Triton N−57またはTriton X−207がある。Tritonの名称で販売されている化合物はミシガン州ミッドランド在のDow Chemicsl社から得ることができる。また、例えば米国特許出願第2002/0014611A1号明細書の段落[0021]に挙げられた化合物も非イオン性界面活性剤として適している。
【0043】
本発明の更に別の態様の一つでは、非イオン性界面活性剤としてTriton DF系列からの化合物、例えばTriton DF−16またはTriton DF−18が使用される。
【0044】
適した非イオン性界面活性剤は、例えば、約8〜約14のHLB値、特に約10〜約13、例えば約11〜約12のHLB値を有する。対応する界面活性剤の5%濃度水溶液のpH値は、好ましくは約5〜約8、例えば約6〜約7である。平衡表面張力(ダイン/cm)は、好ましくは約25〜約36、例えば約26〜約35、または約27〜約33、または約28〜約31、または約29〜約30である。動的表面張力(ダイン/cm)は、約40〜約60、例えば約42〜約58、または約44〜約56、または約46〜約54、または約48〜約52である。25℃の蒸留水中での臨界ミセル濃度(cmc)は、約300〜約600、例えば約350〜約550、または約400〜約500の値が有利であると判明した。適した非イオン性界面活性剤は、好ましくは、発泡性向が弱く、そして苛性アルカリ液およびその他アルカリ溶液中で安定しているものである。
【0045】
本発明のドーパント混合物は、本発明の好ましい態様の一つでは、上記構成成分の他に、弗化界面活性剤を含む。弗化界面活性剤としては、例えば、例えば一般式(R(Q)Zで表わされる界面活性剤が適している。なお前記式中、Rは弗化脂肪族基、aは1または2、Qは結合基、そしてbは1である。
【0046】
は、一般的には、少なくとも3個の炭素原子を持つ、好ましくは飽和状の、弗素化された一価の非芳香族基を表す。弗化脂肪族残基は、例えば線状もしくは分枝状であるか、あるいはそれが十分な数の炭素原子または十分な大きさを有している場合は環状である。基Rは、完全に弗化されていることが好ましいが、しかし当基がそのほかに水素原子、あるいはまた例えば塩素原子を持つことも可能である。但し、後者の例が好ましいのは、基中に含まれる水素原子または塩素原子が2個の炭素原子につき1を越えない場合に限られる。特に適しているのは、約1〜約12個の炭素原子を持つ弗化脂肪族基である。
【0047】
Qは、本件では、一価または多価の結合基を表す。Qは、例えばアルキレン基、例えばメチレンもしくはエチレン、シクロへキシレン、アリーレンなどを、及びヘテロ原子を有する分子要素(例えばオキシ、チオ、カルボニル、スルホニル、スルフィニル、スルホンアミド、カルボンアミド、ウレイレン(Urelylen)、カルバメート、イミノなど)と前記の基との組み合わせを、並びにスルホンアミドアルキレン、カルボンアミドアルキレン、オキシアルキレン(例えば−COC−)、チオジアルキレン(例えば−CSC−)、アルキレンカルバメートなどの組み合わせを意味している。
【0048】
Zは、水溶性を与える極性基またはそのような分子部分、例えばスルホネートまたはスルフェートおよびそれらの金属塩、アミノ基(例えばNHまたはNHR、但しこの場合、Rは1〜4個の炭素原子を持つアルキル基、例えばメチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチルまたは第3ブチルを表わす)、スルホアンモニウムもしくはカルボキシアンモニウム基、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、カルボキシレート、アルコキシレート、フォスフェートなどを表す。本発明においては、例えば、次式
−CHCH−O(CHCHO)−H
で表わされる弗化界面活性剤が使用できる。但し、式中、xは2〜約20、RはCF−(CFCFの構造の過弗化炭化水素残基を表わし、nは2〜約6の数字を表す。この種の過弗化アルキルエトキシレートは、例えば、Zonyl SFO、Zonyl SFNおよびZonyl SF300(E. I. DuPont社)の名称で商業的に入手することができる。その他の適当な弗化炭化水素系界面活性剤としては、特に、DuPont社の両性弗化界面活性剤であるZonyl SFK、DuPont社のアニオン性弗化界面活性剤であるZonyl SF−62、3M社の非イオン性弗化界面活性剤であるFLURAD FC 170、または3M社のアニオン性弗化界面活性剤であるFC 123、または3M社の弗化界面活性剤であるL−18699Aがある。
【0049】
本発明の好ましい態様の一つにおいては、本発明のドーパント混合物は非イオン性の弗化界面活性剤を含む。
【0050】
コーティング層およびコーティング層内の錯体には、当然のことながら、各イオン性弗化界面活性剤のイオンの混合物、好ましくは、各カチオン性弗化界面活性剤のイオンの混合物またはこのような各アニオン性弗化界面活性剤のイオンの混合物も使用することができる。
【0051】
アニオン性弗化界面活性剤は、少なくとも一つの弗素含有疎水基および少なくとも一つの負の帯電体を含む。
【0052】
そのような化合物の例としては、弗化カルボン酸、及び無機または有機カチオンを持つそれらの塩、弗化スルフォン酸、および無機または有機カチオンを持つそれらの塩、弗化有機硫酸、および無機または有機カチオンを持つそれらの塩、弗化ホスフィン酸、弗化ホスホン酸または弗化有機燐酸、および無機または有機カチオンを持つそれらの塩が挙げられる。
【0053】
これら部類の化合物の好ましい例は次のものである:
− 過弗化カルボン酸およびそれらの(好ましくは水溶性の)塩、例えば過弗化アルカン酸、例えば特に、式CF3(CF−i)−000H(nは、好ましくは、7またはそれ以上の数)で表わされる過弗化アルカン酸;
− 部分弗化されたカルボン酸およびカルボン酸塩、例えば、部分弗化アルカン酸、部分弗化アルケン酸、過弗化アルコキシアルカン酸、過弗化アルキルエチレンオキシアルカン酸、過弗化アルコキシ安息香酸、およびスルフィド基、スルホン基、カルボン酸アミド基、ヒドロキシ基、オキソ基および/またはエーテル基を含む部分弗化カルボン酸およびそれらの塩、例えばリチウム−3−[(1H,1H,2H,2H−フルオルアルキル)チオ]−プロピオン酸塩、Zonyl FSA(C)(Du Pont社);
− 過弗化スルフォン酸およびそれらの(好ましくは水溶性の)塩、例えば、式CF3(CFZ)−SOH(式中、mは1またはそれ以上の数)で表わされる過弗化アルカンスルホン酸;
− 部分弗化スルホン酸およびそれらの(好ましくは水溶性の)塩、例えば部分弗化アルカンスルフォン酸、例えば過弗化アルキルエタンスルホン酸、過弗化プロピルエタンスルホン酸、部分弗化アルケンスルホン酸、並びにスルフィド基、カルボン酸アミド基、ヒドロキシ基、オキソ基および/またはエーテル基を含む部分弗化スルホン酸;
− 弗化スルホエステル、例えばスルホ琥珀酸エステル、過弗化アルキルスルホプロピオネート、過弗化アルキルスルホブチレートおよびそれらの塩、例えば過弗化アルキルエチルスルホン酸アンモニウム塩、Zonyl TBS(R)(Du Pont社)、ナトリウム[琥珀酸ジパーフルオルアルキルエチル−ジエステル−2−スルホネート]、Fluowet SB(R)(Clariant GmbH);
− 弗化有機硫酸およびそれらの塩、例えば過弗化アルキル化メチルスルフェート、弗化スルファトポリ(オキシエチレン)、過弗化プロポキシル化スルフェートおよびこれらの塩、
− 弗化ホスフィン酸及び弗化ホスホン酸並びにそれらの(好ましくは水溶性の)塩、例えばFluowet PL80(C)、Hoe S 2746(Clariant GmbH)、弗化有機燐酸およびそれらの塩、例えば過弗化アルキルエチル燐酸、モノ−もしくはビス−(フルオルアルキル)−(エチル)−燐酸、過弗化アルキル燐酸、弗化ホスファトアルキルエステル、例えば燐酸過弗化アルキルエステルアンモニウム塩、Zonyl FSE(R)およびZonyl FSP(R)(Du Pont社)。
【0054】
本発明の好ましい態様の一つでは、本発明のドーパント混合物は非弗化非イオン性の界面活性剤を含む。本発明の更に別の態様の一つでは、本発明のドーパント混合物は非イオン性非弗化界面活性剤と弗化界面活性剤、例えば非イオン性の弗化界面活性剤を含む。
【0055】
本発明のドーパント混合物は、ドーパントを0.01〜80重量%の量、例えば約0.05〜約60重量%、または約0.1〜約50重量%、または約0.5〜40重量%、または約0.8〜約30重量%、または約1.0〜約20重量%、または約1.2〜約15重量%、または約1.5〜約10重量%、または約1.8〜約8重量%の量で含む。重量%の数値は、ドーパント混合物の総重量に基づく値である。
【0056】
本発明のドーパント混合物は、少なくとも二種の界面活性剤からなる混合物を、約0.0011〜約20重量%、例えば約0.005〜約15重量%、または約0.1重量%〜約10重量%の量で含む。本発明のドーパント混合物が弗化界面活性剤を含む場合は、その弗化界面活性剤は、約0.0001〜約5重量%、例えば約0.001〜約2重量%、または約0.01〜約1重量%、例えば約0.05〜約0.8重量%の量で存在する。
【0057】
本発明のドーパント混合物が非弗化非イオン性の界面活性剤を含む場合は、その非弗化非イオン性界面活性剤は、例えば約0.001〜約10重量%、特に0.01〜約8重量%、または約0.05〜約6重量%、または約0.1〜約5重量%、または約0.5〜約3重量%の量で存在する。
【0058】
更に、本発明においては、弗化界面活性剤と非イオン性非弗化界面活性剤の両方の種の界面活性剤が、本発明のドーパント混合物中に存在する場合には、これらが、約50:1〜約1:500の重量比で存在すると、特定の状況下において有利になり得ることが明らかになった。特に好適な重量比は、約10:1〜約1:100、または約1:1〜約1:50、特に約1:2〜約1:15である。
【0059】
本発明のドーパント混合物は水を含む。本発明のドーパント混合物は、原則的に、その水だけではドーパント混合物を液体の状態にするのには十分でない量で水を含むことができる。しかし、このような場合には、本発明のドーパント混合物は、少なくとも約0℃〜約50℃の範囲内の温度において一緒になって該ドーパント混合物の液状の凝集状態を保証する、少なくとも一種の更なる水混和性溶剤を含む。本発明のドーパント混合物は、好ましくは、少なくとも約10重量%、例えば少なくとも約20重量%の量で水を含む。水混和性共溶剤の存在があまり、あるいは全く望ましくない場合には、本発明のドーパント混合物中の水の割合は上記の値より明らかに多くすることができ、例えば、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、あるいは少なくとも約80重量%であることができる。多くの場合では、水の割合を90重量%あるいはそれ以上に、例えば、少なくとも約95重量%にすれば有利になることが判明している。
【0060】
本発明のドーパント混合物は、原則的には、実質上任意の温度で半導体表面に塗布することができるので、本発明においては、本発明のドーパント混合物が室温、すなわち、例えば約23℃の温度で液状であることは必ずしも必要でない。本発明においては、ドーパント混合物が使用温度、すなわち、例えば約0℃〜約100℃の範囲の温度で、特に約5℃〜約50℃の範囲または約10〜約40℃の範囲の温度で液状であることが重要である。当該ドーパント混合物の粘度は、スプレー塗布の可能な範囲内にあるのが好ましい。
【0061】
本発明のドーパント混合物は、上記化合物の他に、さらに一種または複数種の添加剤を含むことができる。この場合、添加物質としては、例えば、水と共に溶剤混合物を形成する化合物が適している。
【0062】
その場合、適した溶剤混合物は、水と少なくとも一種のアルコールからなる。原則的に、水と一種または複数種のアルコールからなる任意の混合物を使用できるが、但し、ドーパント混合物の他の構成分がその溶剤混合物中に十分な量で溶け得ることが条件である。
【0063】
本発明の組成物においては、好ましいアルコールは、少なくとも1g/l、好ましくは少なくとも約10g/lまたは少なくとも約30g/lの水溶性を有する。適したアルコールは1〜約6のOH基、特に約1、2または3の遊離OH基を有するものである。この際、これらのOH基は、第一、第二または第三、好ましくは第一または第二OH基であることができる。特に適しているのは、1〜約10個のC原子を持つ、線状または分枝状で飽和または不飽和の脂肪族または環状アルコール、特に1〜約6個のC原子を持つ、線状または分枝状のモノオール、ジオールまたはトリオールである。本発明の好ましい態様の一つにおいて特に適しているものは、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、(2−メトキシメチルエトキシ)−プロパノール、グリセリンまたはトリメチロールプロパンあるいは上記アルコールの2種類またはそれ以上の種類からの混合物である。上記のジオールまたはトリオールの1つを上記モノアルコールの1つでエーテル化することによって得ることができるような、エーテルアルコールも同様に適している。この際、特に適しているものは、エチレングリコールをエタノール、プロパノールまたはブタノールでエーテル化して得られる生成物、特にエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルグリコール)である。
【0064】
更に、少なくとも1種類のモノアルコールと少なくとも1種類のエーテルアルコールからなる混合物の使用も良好な結果を与えることが判明した。この場合、適しているものは、例えば、エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノールあるいはこれらの2種以上の混合物と、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルまたはブチレングリコールモノエチルエーテルあるいはこれらの2種以上の混合物との混合物である。
【0065】
場合によっては、上記の化合物は、商業的に入手できる界面活性剤の構成分として既に、この種の界面活性剤が本発明のドーパント混合物の調製時に加えられることによって、当該ドーパント混合物を供することができる。
【0066】
本発明のドーパント混合物は、原則的には、個々成分を混合することによって任意の方法で製造することができる。したがって、本発明のドーパント混合物の製造方法も本発明の対象であり、この方法では、半導体表面のドーピングのための少なくとも一種のp型またはn型ドーパント、水、および二種またはそれ以上の界面活性剤を混合し、この際、これらの界面活性剤の少なくとも一種は非イオン性界面活性剤とする。
【0067】
本発明のドーパント混合物が、例えば、ドーパント混合物の本質成分(例えばドーパント自体)の溶解を初めて可能にするか、あるいは、少なくとも当該ドーパント混合物を本発明に従い使用する際に、有益な形でこのような溶解を向上させる構成分を含む場合には、これらの構成分は、例えば、溶解するべき物質に先立ち、適当な順序で添加することができる。
【0068】
このように、本発明のドーパント混合物は、例えば、水中に全く溶解しないかまたは十分には溶けないドーパントを含むことができる。そのような場合には、例えば、可溶化剤などの添加物質をドーパント混合物に加えることが有効であることが判明した。その物質は、例えば、当該ドーパントの溶解性を向上させるアルコールである。そのような場合、例えば、可溶化剤の添加は、溶解すべきドーパントの添加の前または後に行うことができる。しかし、ドーパント混合物の調製の範囲内において、上記可溶化剤、または二種もしくはそれ以上の種類の可溶化剤からなる混合物を、溶解すべき物質の添加前に、例えばドーパントの添加前に添加するのが有利であることが幾つかの例で判明した。
【0069】
本発明のドーパント混合物は、半導体表面のドーピングに適している。この種ドーピングの範囲内において、先ず最初半導体表面に本発明のドーパント混合物を供給する。したがって、本発明のドーパント混合物で処理された半導体表面も本発明の対象である。
【0070】
半導体表面のドーピングの範囲内において、先ず、半導体表面に本発明のドーパント混合物を供給し、そして次の工程において、これを高められた温度下に処理する。したがって、本発明による少なくとも1種のドーパント混合物を半導体表面に供給し、続いて半導体表面を高められた温度下で処理する半導体のドーピング法も本発明の対象である。
【0071】
本発明のドーパント混合物の半導体表面への供給に関しては、本発明のドーパント混合物を半導体表面に塗布できるものであれば、原則として任意の方法が適している。例えば、浸漬法、ブラシコート、ローラ塗布、ドクターブレードでの塗布、スピンコートプリント、あるいはスポンジまたはスポンジ状構造物、例えばローラによる塗布、または例えば超音波ノズルや2成分ノズルによるスプレー、およびその他、液状ドーパント混合物で作業可能な塗布方法がある。
【0072】
本発明においては、本発明のドーパント混合物の半導体表面への塗布のためには、出来る限り少ない材料損失量及び該ドーパント混合物での均一なコーティングの達成に関して出来る限り高い正確さで、かつほぼ全自動の方法においても、特にインライン法でも使用可能な方法を使用した時に特に有利であることが判明した。これに関しては、ドーパント混合物を半導体表面上にスプレーで塗布することが特に好適である。したがって、本発明の好ましい態様の一つでは、半導体表面へのドーパント混合物の適用はスプレーによって行われる。
【0073】
その場合、本発明のドーパント混合物を半導体表面に塗布できるのであれば、原則としていずれのスプレー法も適している。本発明の更に別の態様の一つでは、該ドーパント混合物の塗布のためには、超音波を使用してスプレーを行うスプレー装置が使用される。このような装置は当業者間では公知である。
【0074】
超音波に基づいて作動するスプレーシステムの使用は、様々な利点を有する。例えば、超音波法では、流出量を非常に少量に調整することができるので、格別薄いドーパント混合物層を達成することができる。更に、超音波法は、非常に遅い液滴速度も達成できるので、噴射後に例えば外部空気流によってスプレー霧の形成が可能な点も優れている。このようなスプレー霧の形成は方法の収量を向上させる。なぜならば、スプレーされた物質のほぼ全体が、狙いに忠実に半導体帳面上に位置することができるからである。それにより、いわゆる過剰スプレーは最小限に抑えられ、層の均一性が改善される。したがって、本発明の更に別の態様の一つでは、半導体表面への塗布が超音波スプレーによって行われる。
【0075】
ドーパント混合物の塗布は片面に、あるいは両面ドーピングが望まれる場合には、両面に行うことができる。次いで、半導体表面を例えば乾燥させることができる。これは、例えばコンベア式乾燥機中または拡散炉の特殊域中で行うことができる。本発明においては、乾燥過程を省略することも可能である。
【0076】
次いで、コーティングの直後か、乾燥後か、または場合によっては作業の中断後に、コーティングされた半導体表面を適当な拡散炉中で、例えばコンベア炉または管状炉中で熱処理することができる。コンベア式の炉では、例えばディスク状半導体は水平位置で移動させ、管状炉では半導体を、例えばディスク保持具中に垂直に設置して処理する。
【0077】
本発明の更に別の対象の一つは、半導体表面ドーピング用の少なくとも1種のp型またはn型ドーパント、水、および2種類またはそれ以上の種類の界面活性剤からなる混合物を含み、この際、これらの界面活性剤のうちの少なくとも一種は非イオン性界面活性剤である混合物の、ドーピングされた半導体表面の製造のための使用である。
【実施例】
【0078】
以下では、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例:
3重量%の濃燐酸(85%)、1重量%のTriton DF−16、0.1重量%のZonyl FSH(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル中の50%)および全量100重量%にするための量の水からなる混合物をインライン装置で超音波スプレーにより珪素ウェハにコーティングした。ドーパント混合物の流出量は、スプレー塗布の間、約600mm/分のベルト速度で約4ml/分であった。ドーパントで湿潤したウェハは、縁領域を含め完全にコーティングされた。島状の構造は形成されなかった。拡散後、2.2Ω/sq.のエミッタ層抵抗均一性(平均値46Ω/sq.)が達成できたが、POClの参照プロセスでは1.7Ω/sq.であった。更に太陽電池に加工した後、POCl参照プロセスから加工して得た太陽電池の14.7%に対し、14.9%までの効率を達成することができた。結果は、本発明に基づく方法および本発明のドーパント混合物の優れた効果を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体表面ドーピング用の少なくとも1種類のp型またはn型ドーパント、水、および2種類またはそれ以上の種類の界面活性剤からなる混合物を含み、但しこの際、前記界面活性剤の少なくとも1種が非イオン性界面活性剤である、半導体ドーピング用のドーパント混合物。
【請求項2】
ドーパントとして燐源、砒素源もしくはアンチモン源もしくは硼素源、アルミニウム源、またはガリウム源を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のドーパント混合物。
【請求項3】
ドーパントとして水溶性の燐源を含んでいることを特徴とする、請求項1または2の一項に記載のドーパント混合物。
【請求項4】
ドーパントとして燐酸または燐酸誘導体を含んでいることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項5】
弗化界面活性剤を含んでいることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項6】
非イオン性の弗化界面活性剤を含んでいることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項7】
非イオン性の非弗化界面活性剤を含んでいることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項8】
前記ドーパントを、ドーパント混合物を基準にして0.01〜80重量%の量で含んでいることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項9】
非イオン性の弗化界面活性剤を0.0001〜5重量%の量で含んでいることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項10】
非イオン性の非弗化界面活性剤を0.001〜10重量%の量で含んでいることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項11】
非イオン性の弗化界面活性剤と非イオン性の非弗化界面活性剤を50:1〜1:500の重量比で含んでいることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項12】
水を、少なくとも10重量%の量で含んでいることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項13】
1種類または数種類の添加物質を含んでいることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のドーパント混合物。
【請求項14】
半導体表面ドーピング用の少なくとも1種類のp型またはn型ドーパント、水、および2種類またはそれ以上の種類の界面活性剤を混合し、但しこの際、前記界面活性剤の少なくとも1種類が非イオン性界面活性剤である、請求項1から12のいずれか一項に記載のドーパント混合物の製造方法。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項のドーパント混合物を供したことを特徴とする、半導体表面。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか一項の少なくとも1種類のドーパント混合物を半導体表面に供給し、次いでこの半導体を高められた温度下に処理する、半導体のドーピング方法。
【請求項17】
前記供給がスプレーによって行われることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記供給が超音波スプレーによって行われることを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
半導体表面ドーピング用の少なくとも1種類のp型またはn型ドーパント、水、および2種類またはそれ以上の種類の界面活性剤からなる混合物を含む混合物であって、但しこの際、前記界面活性剤の少なくとも1種類が非イオン性界面活性剤である前記混合物の、ドーピングされた半導体表面製造のための使用。

【公表番号】特表2008−543097(P2008−543097A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515102(P2008−515102)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005195
【国際公開番号】WO2006/131251
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507399689)セントロテルム・フォトヴォルテイクス・アクチエンゲゼルシャフト (5)
【出願人】(503306168)フラウンホーファー・ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ (38)
【Fターム(参考)】