説明

半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法

【課題】半導体製造の微細なパターン形成に用いられるレジスト膜形成用組成物等の塗膜形成用組成物に好適に用いられる半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法の提供。
【解決手段】本発明は、少なくとも、酸によって分解してアルカリ現像液に可溶性になる構造を有する繰り返し単位(A)と、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(B)とを有する半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法であり、該繰り返し単位を与えるエチレン性二重結合を有する2種類以上のモノマーを含む溶液を、加熱した溶媒中に滴下することによりラジカル重合させて半導体リソグラフィー用共重合体を製造するに際し、滴下する前のモノマーを含む溶液中に重合抑制成分として、重合禁止剤又は酸素を共存させ、この溶液を加熱した溶媒中に滴下してラジカル重合させる半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法に関する。
【選択図面】なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体リソグラフィーにおいて使用されるレジストポリマー、反射防止膜ポリマー及び多層レジストの下層膜ポリマー等の塗膜形成用ポリマーとして好適な共重合体の製造方法に関し、特に、分子量10万以上の高分子量成分(ハイポリマー)を含まず、レジストパターンの欠陥(ディフェクト)の発生が極めて少ない共重合体を得ることが可能な半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造におけるリソグラフィーにおいては、集積度の増大に伴い、より微細なパターンの形成が求められている。パターンの微細化には露光光源の短波長化が不可欠であるが、現在ではフッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー(波長248nm)によるリソグラフィーが主流になりつつあり、フッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザー光(波長193nm)による線幅線幅100nm以下のリソグラフィーも実用化されようとしている。更には、フッ素ダイマー(F2)エキシマレーザー光(波長157nm)、極紫外線(EUV)、X線、電子線等を用いた短波長の各種放射線リソグラフィー技術が開発段階にある。
【0003】
これら半導体リソグラフィーにおいては、レジストポリマーに酸を作用させることにより、レジストポリマーのアルカリ現像液に対する溶解性が変化することを利用して、基板に転写するためのパターンを形成するレジスト膜や、該レジスト膜の上層若しくは下層等に種々の塗布膜が適用されている。例えば下層膜としては、基板からの反射光を抑えて微細なレジストパターンを正確に形成するための反射防止膜や、パターンが形成された基板に更にレジストパターンを形成する際に該基板表面を平坦化する目的でレジスト膜の下層に使用される平坦化膜、レジストパターンをドライエッチングにより転写するための多層レジストにおける下層膜等が挙げられる。
【0004】
上記レジスト膜等の塗布膜は、それぞれの塗布膜の機能を有したリソグラフィー用共重合体とその他の添加剤を有機溶剤に溶解した塗布液を調製し、これをスピンコーティングなどの方法で基板に塗布した後、必要により加熱するなどして溶媒を除去して形成される。これらのリソグラフィー用共重合体には、レジスト膜や反射防止膜に求められる光学的性質、化学的性質、塗布性や基板或いは下層膜に対する密着性等の物理的性質に加え、微細なパターン形成を妨げる異物がないことなどの塗膜用共重合体としての基本的な性質が求められている。
【0005】
レジスト膜に用いられるレジストポリマーとしては、酸の作用によってアルカリ現像液への溶解性が低下するネガ型と、酸の作用によってアルカリ現像液への溶解性が増大するポジ型とがある。ポジ型のレジストポリマーは、非極性置換基が酸によって分解してアルカリ現像液に可溶な極性基が発現する構造を有する繰り返し単位と、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位を必須成分とし、必要に応じてレジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調節するための極性若しくは非極性の置換基を有する繰り返し単位を含んで構成される。基板密着性を付与するための極性基を有する繰り返し単位としては、例えば、露光源としてKrFエキシマレーザーを用いる場合ではヒドロキシスチレン類が主に用いられており、ArFエキシマレーザーを用いる場合では、ヒドロキシスチレン類が波長193nmの光を吸収するため、極性基を有する(メタ)アクリレート類などが検討されている。
【0006】
このようなポジ型レジストポリマーとしては、KrF系では、例えば(メタ)アクリル
酸系モノマーとスチレン系モノマーを組み合わせた共重合体(例えば、特許文献1〜4等参照)やヒドロキシスチレンの一部をアセタールで保護したポリマー(例えば、特許文献5〜8等参照)などが知られており、ArF系では、例えば、ラクトン構造を有する(メタ)アクリル酸系モノマーの共重合体(例えば、特許文献9〜10等参照)などが知られている。
【0007】
反射防止膜に用いられるポリマーとしては、スチレン、スチレン誘導体、アントラセニルメチル(メタ)アクリレートなどの芳香核含有ビニル化合物と、アクリルアミド誘導体やヒドロキシル基、エポキシ基を含有したビニル化合物、必要に応じてアルキル(メタ)アクリレートなどを共重合させたポリマー(例えば、特許文献11〜14等参照)が知られている。又、平坦化膜に用いられるポリマーとしては、ヒドロキシスチレンと、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のモノマーとの共重合体等(例えば、特許文献15等参照)が知られている。
【0008】
一方、レジストパターンが微細化するにつれ、レジストパターンの欠陥についてもより微細なものまで管理する必要に迫られており、上記の半導体リソグラフィー用の塗膜形成用ポリマーについてもより厳しい性能が求められている。レジストパターンの欠陥の原因として、レジスト組成物中の異物の存在が挙げられ、従来、このようなレジスト溶液中の異物は、レジスト組成物溶液を微小孔径のフィルターやゼータ電位を有するフィルター等でろ過することで除去する方法がとられており(例えば、特許文献16〜17等参照)、この方法で環境に存在する塵などの異物(コンタミ)は完全に除去することができた。しかし、極微小の難溶解性物質についてはろ過によっては完全に除去することができず、半導体リソグラフィーにおけるパターン形成の微細化において大きな障害となっていた。
【0009】
本発明者等の検討によれば、このような極微小の難溶解性物質のひとつとして、分子量が10万以上の微量の高分子量成分(以下、「ハイポリマー」という場合がある。)が、レジストパターンの形成において重大な影響を及ぼしていることが判ってきた。即ち、ポリマーの溶解性は一般に分子量に依存しており、ハイポリマー分子はレジスト溶媒やアルカリ水に溶けにくく、見かけ上は溶媒やアルカリ水に溶解していても、リソグラフィーで微細なパターンを形成したときに欠陥が発生する原因になると考えられるのである。更に、ハイポリマーが存在すると、レジスト溶液を保存中に、経時的にハイポリマーを核として不溶解性の異物(液中パーティクル)が成長し、析出してくると考えられる。このような不溶解性異物は、レジストパターンの欠陥の原因となる可能性が極めて高く、保存時の液中パーティクルの増加量が少ない半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法の提供が強く望まれていた。
【0010】
レジストポリマーをはじめとする半導体リソグラフィー用の塗膜形成用ポリマーは、一般に原料モノマーのラジカル溶液重合によって製造することができるが、重合温度に達する前に微量のラジカルが発生すると、モノマー濃度と比べてラジカル濃度が低いため、下記式(1)で示される関係によりハイポリマーが生成し、これがレジストパターンの形成において上記のような重大な影響を及ぼしていると考えられる。
∝[M]/[R・] … (1)
(ここで、Pは生成するポリマーの分子量、[M]はモノマー濃度、[R・]はラジカル濃度を表す。)
【0011】
例えば、モノマーと重合開始剤を溶媒に溶解し、重合温度に加熱して重合させるいわゆる一括重合法の場合、昇温前の保持時間や、重合温度に到達するまでの時間において、モノマー濃度に比べて微量のラジカルが発生するためハイポリマーが生成しやすく、又、モノマーを重合溶媒に溶解し、重合温度に加熱した後で重合開始剤を添加する方法(例えば、特許文献18等参照)も知られているが、この方法では、モノマーのみを含む溶液を加
熱している間に、モノマー溶液中の不純物等が原因で微量発生するラジカルによってハイポリマーが生成しやすいという欠点がある。更に、モノマー及び重合開始剤を溶媒に溶解した溶液を重合温度に加熱した溶媒中に滴下して重合させる、いわゆる滴下重合法(例えば、特許文献19〜24等参照)も知られているが、この方法においても、モノマーと重合開始剤を混合してから滴下するまでの保持時間中に微量発生するラジカルによって、ハイポリマーが生成するという問題がある。
【0012】
加えて、ラジカル重合反応においては、溶媒を脱気したりモノマーを精製するなどして、重合前にあらかじめ酸素や重合禁止剤等のラジカル捕捉性物質を除去することがしばしば実施される(例えば、特許文献25等参照)が、しかしながら、本発明者等の検討によれば、このような操作はかえってハイポリマー生成の原因となることが判った。
【特許文献1】特開昭59−45439号公報
【特許文献2】特開平5−113667号公報
【特許文献3】特開平7−209868号公報
【特許文献4】特開平11−65120号公報
【特許文献5】特開昭62−115440号公報
【特許文献6】特開平4―219757号公報
【特許文献7】特開平3−223860号公報
【特許文献8】特開昭4−104251号公報
【特許文献9】特開平9−73173号公報
【特許文献10】特開平10−239846号公報
【特許文献11】特開2000−313779号公報
【特許文献12】特開2001−27810号公報
【特許文献13】特開2001−192411号公報
【特許文献14】特開2001−226324号公報
【特許文献15】特開2003−57828号公報
【特許文献16】特開平5−307263号公報
【特許文献17】特開2001−350266号公報
【特許文献18】特開2001−109153号公報
【特許文献19】特開平4−269754号公報(実施例)
【特許文献20】特開平5−39444号公報(実施例)
【特許文献21】特開平5−247386号公報(実施例)
【特許文献22】特開平5−311110号公報(実施例)
【特許文献23】特開平11−231538号公報
【特許文献24】国際公開第99/50322号
【特許文献25】特開2003−221403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は前記のような背景技術に鑑みなされたものであり、その目的は、半導体製造の微細なパターン形成に用いられるレジスト膜形成用組成物、多層レジストの下層膜形成用組成物及び反射防止膜形成用組成物などの塗膜形成用組成物に好適に用いられると共に、(ハイポリマーを含まず、保存安定性に優れ、半導体リソグラフィーに用いたときにレジストパターンの欠陥が極めて少ない)半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、ラジカル重合により半導体リソグラフィー用共重合体を製造する際に、モノマーを含む溶液中に重合抑制成分を、当業者の技術的常識に反し、敢えて共存させることによりハイポリマーの生成を抑制するこ
とができることを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
即ち本発明は、少なくとも一般式(1)〜(8)で表される、酸によって分解してアルカリ現像液に可溶性になる構造を有する繰り返し単位(A)と、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(B)とを有する半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法であり、該繰り返し単位を与えるエチレン性二重結合を有する2種類以上のモノマーを含む溶液を、加熱した溶媒中に滴下することによりラジカル重合させて半導体リソグラフィー用共重合体を製造するに際し、滴下する前のモノマーを含む溶液中に重合抑制成分として、モノマーに対して20モルppm以上5000モルppm以下の重合禁止剤(但し、含窒素安定フリーラジカル作用剤を除く)又は400モルppm以上10,000モルppm以下の酸素を共存させ、この溶液を加熱した溶媒中に滴下してラジカル重合させることを特徴とする半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法を提供するものである。
一般式(1)
【化9】

(式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、−ORはオルソ位には結合しない。)
一般式(2)
【化10】

(式中、Rは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表わす。)
一般式(3)
【化11】

(式中、Re及びReはいずれか一方が水素原子で、他方は−C(=O)OR基を表わす。)
一般式(4)
【化12】

(式中、Rは水素原子又はトリフルオロメチル基を表わす。)
一般式(5)
【化13】

(式中、Rはメチル基を表わす。)
一般式(6)
【化14】

(式中、Rは水素原子を表わす。)
一般式(7)
【化15】

(式中、Rは水素原子又はトリフルオロメチル基を表わす。)
一般式(8)
【化16】

{式(1)〜(8)において、Rが酸解離性基の場合は繰り返し単位(A)を、極性基の場合は繰り返し単位(B)を表し、酸解離性保護基としてのRは、tert−ブチル基、tert−アミル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル-1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−プロピル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−メチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基、8−エチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等の飽和炭化水素基;1−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエチル基、1−メトキシメチル基、2−エトキシメチル基、1−iso−プロポキシメチル基、1−n−ブトキシメチル基、1−tert−ブトキシメチル基、1−シクロペンチルオキシメチル基、1−シクロヘキシルオキシメチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシメチル基、tert−ブトキシカルボニル基を表し、極性基としてのRは、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、1,3−シクロヘキサンカルボラクトン、2,6−ノルボルナンカルボラクトン、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、メバロン酸δ−ラクトン、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基を表す。}
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、重合抑制成分を共存させることにより、特に重合温度より低い温度で微量発生するラジカルを捕捉することができるため、ハイポリマーを含まない半導体リソグラフィー用共重合体を製造することができる。又、本発明方法により得られる共重合体は、ハイポリマー及びそれに起因する不溶解性異物が生成しないので、保存中の経時的な液中パーティクルの生成が少なく、半導体リソグラフィーに用いた場合にレジストパターン欠陥の発生が少ないことが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明において、半導体リソグラフィー用共重合体を製造する際のラジカル共重合に用いられる原料モノマーとしては、一般に、レジストポリマー、多層レジストの下層膜ポリマー及び反射防止膜ポリマー等の製造に使用されるエチレン性二重結合を有するモノマーであれば、特に制約なく使用することができるが、得られる半導体リソグラフィー用共重合体の解像性や透明性の点で、アクリル酸エステル系モノマー及び/又はメタクリル酸エステル系モノマーの少なくとも一種を含むことが好ましい。
【0018】
まず、本発明により得られた共重合体をポジ型レジストポリマーとして使用する場合、この共重合体は、少なくとも、酸によって分解してアルカリ現像液に可溶となる構造を有する繰り返し単位、より具体的には、非極性置換基が酸によって分解してアルカリ現像液に可溶な極性基が発現する構造を有する繰り返し単位(A)と、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(B)を必須成分とし、必要に応じ、レジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調節するための非極性の置換基を有する繰り返し単位(C)を含んで構成される。
【0019】
酸によって分解してアルカリ現像液に可溶となる繰り返し単位(A)は、従来よりレジストとして一般的に用いられている構造を意味し、酸によって分解してアルカリ可溶性になる構造を有するモノマーを重合させるか、或いは、アルカリ可溶性の構造を有するモノマーを重合させた後、アルカリ可溶性の構造におけるアルカリ可溶性基を有する置換基(アルカリ可溶性置換基)を、アルカリに溶解せず酸によって解離する保護基(酸解離性保護基)で保護することにより得ることができる。
【0020】
酸によって分解してアルカリ可溶性になる構造を有するモノマーとしては、アルカリ可溶性置換基を含有するモノマーに、酸解離性保護基が結合した化合物を挙げることができ、例えば、非極性の酸解離性保護基で保護されたフェノール性水酸基、カルボキシル基やヒドロキシフルオロアルキル基を有する化合物などを挙げることができる。
【0021】
このようなモノマーとしては、例えばp−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン等のヒドロキシスチレン類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、2−トリフルオロメチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸、カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメタクリレート等のエチレン
性二重結合を有するカルボン酸類;p−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)スチレン、2−(4−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)シクロヘキシル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルアクリレート、2−(4−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)シクロヘキシル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルトリフルオロメチルアクリレート、5−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)メチル−2−ノルボルネンなどのヒドロキシフルオロアルキル基を有するモノマーなどを挙げることができる。
【0022】
酸解離性保護基としては、例えば、tert−ブチル基、tert−アミル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル-1−シ
クロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−プロピル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−メチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基、8−エチル−8−テトラシクロ[
4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等の飽和炭化水素基;1−メトキシエチル基、2
−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエチル基、1−メトキシメチル基、2−エトキシメチル基、1−iso−プロポキシメチル基、1−n−ブトキシメチル基、1−tert−ブトキシメチル基、1−シクロペンチルオキシメチル基、1−シクロヘキシルオキシメチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシメチル基、tert−ブトキシカルボニル基等の含酸素炭化水素基などを挙げることができる。
【0023】
これらの酸解離性保護基の中でも、脂環構造を含むものは、得られたレジストポリマーのエッチング耐性が高くなり、又、酸解離性保護基の有無によるアルカリ現像液への溶解性の差が大きくなるので好ましい。脂環構造の具体的な例としては、脂環構造が、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、イソボルナン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ
ン環等の、炭素数5〜20の脂環構造を挙げることができる。
【0024】
アルカリ可溶性の構造を有するモノマーを重合させた後、アルカリ可溶性の構造におけるアルカリ可溶性置換基を、酸解離性保護基で保護する場合は、前記のアルカリ可溶性基を有する化合物をそのまま重合反応に用い、その後、酸触媒のもとでビニルエーテルやハロゲン化アルキルエーテルなどのアルカリに溶解しない置換基を与える化合物と反応させることにより、酸解離性保護基を導入することができる。反応に用いる酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、強酸性イオン交換樹脂等を挙げることができる。
【0025】
一方、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(B)を与えるモノマーとしては、例えば、極性基としてフェノール性水酸基、カルボキシル基やヒドロキシフルオロアルキル基を有する化合物などを挙げることができ、具体的には例えばアルカリ可溶性基を含有するモノマーとして前記説明したヒドロキシスチレン類やエチレン性二重結合を有するカルボン酸類、ヒドロキシフルオロアルキル基を有するモノマー
、及び、これらに更に極性基が置換したモノマーのほか、ノルボルネン環、テトラシクロドデセン環等の脂環構造に極性基が結合したモノマーなどを挙げることができる。
【0026】
置換基として繰り返し単位(B)に導入される上記極性基としては、ラクトン構造を含むものが特に好ましく、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、1,3−シクロヘキサンカルボラクトン、2,6−ノルボルナンカルボラクトン、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、メバロン酸δ−ラクトン等のラクトン構造を含む置換基を挙げることができる。又、ラクトン構造以外の極性基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基などのヒドロキシアルキル基などを挙げることができる。
【0027】
更に、必要に応じ含有される、レジスト溶剤やアルカリ現像液への溶解性を調節するための非極性の置換基を有する繰り返し単位(C)を与えるモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p-メチルスチレン、インデン等のエチレン性二重結合を有する芳香族化合物;アクリル酸、メタクリル酸、トリフルオロメチルアクリル酸、ノルボルネンカルボン酸、2−トリフルオロメチルノルボルネンカルボン酸、カルボキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメタクリレート等のエチレン性二重結合を有するカル
ボン酸に酸安定性非極性基が置換したエステル化合物;ノルボルネン、テトラシクロドデセン等のエチレン性二重結合を有する脂環式炭化水素化合物などを挙げることができる。又、前記カルボン酸にエステル置換する酸安定性非極性置換基の例としては、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、2−アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
ドデシル基等を挙げることができる。
【0028】
これらのモノマーは、繰り返し単位(A)、(B)及び(C)のそれぞれについて1種類若しくは2種類以上を混合して用いることができ、得られるレジストポリマー中の各繰り返し単位の組成比は、レジストとしての基本性能を損なわない範囲で選択することができる。即ち、一般に、繰り返し単位(A)は10〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましい。又、繰り返し単位(B)の組成比は30〜90モル%であることが好ましく、40〜90モル%であることがより好ましいが、同一の極性基を有するモノマー単位については、70モル%以下とすることが好ましい。更に、繰り返し単位(C)の組成比は、0〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは0〜40モル%の範囲で選択することが望ましい。
【0029】
又、本発明により得られた共重合体を多層レジストの下層塗膜や反射防止膜用のポリマーとして使用する場合は、レジストポリマーの構造から、酸で分解してアルカリ可溶性になる構造を有する繰り返し単位(A)を除いた構造のポリマーが使用される。共重合体中の各繰り返し単位の組成比は、塗膜の使用目的により異なるため一概には規定できないが、一般に、繰り返し単位(B)の組成比は10〜100モル%の範囲から選択され、繰り返し単位(C)の組成比は0〜90モル%の範囲から選択される。
【0030】
更に、本発明により得られた共重合体を反射防止膜として使用する場合は、架橋点と、フォトリソグラフィーにおいて照射された放射線を吸収する構造とを含む必要があり、架橋点としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基などの、エステル結合やウレタン結合等により架橋可能な反応性の置換基が挙げられる。架橋点となる反応性置換基を含有するモノマーとしては、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン類の他、これまで例示してきたモノマーに上記水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基などの反応性置換基が置換したモノマーを適宜用いることができる。
【0031】
放射線を吸収する構造は、使用する放射線の波長により異なるが、例えばArFエキシマレーザー光に対しては、ベンゼン環及びその類縁体を含む構造が好適に用いられる。このような構造を含むモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレンなどのスチレン類及びその誘導体;置換又は非置換のフェニル(メタ)アクリレート、置換又は非置換のナフタレン(メタ)アクリレート、置換又は非置換のアントラセンメチル(メタ)アクリレート等のエチレン性二重結合を有する芳香族含有エステル類などを挙げることができる。この放射線を吸収する構造を有するモノマーは、極性基の有無により前記繰り返し単位(B)又は(C)のどちらとして導入されても良いが、放射線を吸収する構造を有するモノマーとしての組成比は10〜100モル%の範囲から選択されることが好ましい。
【0032】
本発明において、半導体リソグラフィー用共重合体は、重合溶媒中、重合開始剤の存在下に上記のモノマー群から選択される2種類以上のモノマーをラジカル重合させて得ることができる。
【0033】
重合反応に用いる重合開始剤としては、一般にラジカル発生剤として用いられているものであれば特に制限されないが、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸
)等のアゾ化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート等の有機過酸化物を単独若しくは混合して用いることができる。
【0034】
連鎖移動剤は特に用いる必要はないが、例えばドデシルメルカプタン, メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、4,4−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヒドロキシ−1−メルカプトブタンなどの既知のチオール化合物を単独若しくは混合して用いることができる。
【0035】
重合開始剤及び連鎖移動剤の使用量は、重合反応に用いる原料モノマーや重合開始剤、連鎖移動剤の種類、重合温度や、重合溶媒、重合方法、精製条件等の製造条件により異なるので一概に規定することはできないが、所望の分子量を達成するための最適な量を使用する。一般に、共重合体の重量平均分子量が高すぎると、塗膜形成時の使用される溶媒やアルカリ現像液への溶解性が低くなり、一方、低すぎると塗膜性能が悪くなることから、重量平均分子量が2,000〜40,000の範囲になるよう調整することが好ましく、更に、3,000〜30,000の範囲になるよう調整することがより好ましい。
【0036】
共重合体を製造する際の重合方法としては溶液重合が好ましく、原料モノマー、重合開始剤及び必要に応じて連鎖移動剤を重合溶媒に溶解した状態でラジカル共重合させることが好ましい。溶液重合は、例えば、全てのモノマー、重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤を重合溶媒に溶解して重合温度に加熱するいわゆる一括重合法や、モノマーを溶媒に溶解し、重合温度に加熱した後で重合開始剤を添加する開始剤添加法、モノマー、重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤の一部若しくは全てを混合若しくは独立して重合温度に加熱した重合系内に滴下するいわゆる滴下重合法などにより実施することができる。なかでも、滴下重合法はロット間差を小さくすることができるため好適である。
【0037】
本発明は、上記一括重合法において重合槽に仕込む溶液や、滴下重合法において重合槽に供給するモノマー溶液等、重合温度に加熱する前のモノマーを含む溶液或いは重合温度に加熱した重合系内に滴下する前のモノマーを含む溶液中に、重合抑制成分を共存させることを必須とする。尚、モノマーを含む溶液は、液状モノマーであればモノマーのみから
なる場合もあるが、一般にモノマーと溶媒を含み、更に、必要に応じて重合開始剤や連鎖移動剤等を含む。
【0038】
本発明において、モノマーを含む溶液中に共存させる重合抑制成分としては、一般に重合禁止剤として使用されている化合物又は酸素を挙げることができ、重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤を何れも使用することができる。重合禁止剤の具体的な例としては、ハイドロキノン及び4−メトキシフェノール、tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン誘導体;ベンゾキノン及びメチルベンゾキノン、tert−ブチルベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体;カテコール及び4−tert−ブチルカテコール等のカテコール誘導体;フェノチアジン及びその誘導体;N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン及びその誘導体;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル及びその誘導体等を挙げることができ、これらを単独若しくは混合して用いることができる。
【0039】
モノマーを含む溶液に共存させる重合禁止剤の量は、少なすぎるとラジカルを捕捉する効果が低いためモノマーに対して20モルppm以上であることが好ましく、モノマーと重合開始剤が共存する溶液の場合は、重合開始剤の量に対して0.1モル%以上であることが好ましい。又、重合禁止剤の量の上限については特に制限されないが、多すぎると重合反応が十分進まず、又、精製を行ったあとでも共重合体中に残存し、化合物によってはリソグラフィーに用いる放射線を吸収してしまうこともあるので、モノマーに対して5,000モルppm以下とすることが好ましく、3,000モルppmとすることがより好ましい。モノマーと重合開始剤が共存する溶液の場合は、重合開始剤に対しては20モル%以下とすることが好ましく、10モル%以下とすることがより好ましい。
【0040】
酸素もラジカル捕捉能があるため、本発明の重合抑制成分として用いることができるが、上記した重合禁止剤よりもラジカル捕捉効果は低いので、上記した重合禁止剤を用いず、酸素のみによって本発明の目的を達成するためには、比較的多量の酸素を共存させる必要がある。この場合、モノマー溶液中に溶存させる酸素量は、モノマーに対して400モルppm以上が好ましく、重合開始剤が共存する場合は重合開始剤に対して2モル%以上とすることが好ましい。
【0041】
上記した濃度の酸素をモノマーと共存させる方法としては、モノマーを含む溶液を酸素又は空気雰囲気下に保持したり、溶液中に酸素又は空気をバブリングする方法が挙げられる。又、モノマーを含む溶液の調製に、酸素又は空気雰囲気下に保持した溶媒若しくは酸素又は空気をバブリングさせた溶媒を用いてもよい。
【0042】
尚、酸素雰囲気下で重合させることは安全上に問題があること、又、加熱によって重合系内の溶存酸素濃度が変化するため共重合体を安定した品質で得ることが難しくなることから、必要以上に多量の酸素を共存させることは好ましくない。従って、溶存酸素量の上限はモノマーに対して10,000モルppm(1モル%)以下とすることが好ましく、重合開始剤が共存する場合は重合開始剤に対して50モル%以下とすることが好ましい。又、重合系内のガスゾーンについては、モノマーを含む溶液を導入する前若しくは重合温度に加熱する前に窒素等の不活性ガスで置換し、ガスゾーンの酸素濃度が爆発限界を超えないようにする。
【0043】
モノマーを含む溶液及び/又は重合反応に用いる溶媒としては、原料モノマー、得られた共重合体、重合開始剤及び連鎖移動剤を安定して溶解しうる溶媒であれば特に制限されない。好適な溶媒の具体な例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチル等のエ
ステル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができ、これらを単独又は混合して用いることができる。
【0044】
又、重合溶媒の使用量には特に制限はないが、通常、モノマー1重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。溶媒の使用量があまりに少なすぎるとモノマーが析出したり高粘度になりすぎて重合系を均一に保てなくなったりする場合があり、多すぎるとモノマーの転化率が不十分であったり共重合体の分子量が所望の値まで高めることができなかったりする場合がある。
【0045】
モノマーを含む溶液の調製温度又は加熱前若しくは滴下前の保持温度は、モノマーが溶解し、保持時間中にモノマーと、重合開始剤や連鎖移動剤を共存させる場合は重合開始剤や連鎖移動剤が分解したり析出しない温度を選択する。具体的には、モノマーを含む溶液に重合開始剤を共存させる場合は、重合開始剤の分解を防止するため、溶液の温度は通常、例えば、50℃以下、好ましくは40℃以下とする。一方、モノマーを含む溶液に重合開始剤が共存しない場合は、モノマーをより高温で調製又は保存したほうがモノマーの溶解度が向上し、より高濃度の溶液を得ることができるため、好ましい。但し、加熱状態で長時間保持する場合は、温度が高いと重合阻害成分の存在下においても重合してしまうので、保持温度は50℃以下とすることが好ましい。又、モノマーを含む溶液中のモノマーの濃度は、通常5〜100重量%、好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは15〜50重量%の範囲から選択する。
【0046】
又、重合の反応条件は特に制限されないが、一般に反応温度は60℃〜100℃程度であり、反応時間は、重合方法により異なるので一概に規定できないが、例えば、一括重合の場合、重合温度到達後の反応時間は1〜24時間、好ましくは2〜12時間の間を選択する。滴下重合の場合は、滴下時間が長い方が重合系内のモノマー組成及び濃度とラジカル濃度が一定に保てるので、滴下時間中に生成するポリマーの組成、分子量が均一になりやすく好ましいが、逆に滴下時間が長すぎると時間当たりの生産効率及び滴下液中のモノマーの安定性の面から好ましくない。従って、滴下時間は0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間の間を選択する。滴下終了後は未反応モノマーが残るので、一定時間、重合温度を維持しながら熟成することが好ましい。熟成時間は8時間以内、好ましくは1〜6時間の中から選択する。
【0047】
上記重合反応により得られた重合反応液は、貧溶媒と接触させて固形物を析出(以下、再沈という)させ、溶液部分をろ過などの方法で除去する工程(以下、再沈精製工程という)と、必要に応じて、得られた固形物を貧溶媒若しくは貧溶媒と良溶媒の混合溶媒を加えて固形物を洗浄し、未反応モノマー、オリゴマー、重合開始剤、連鎖移動剤及びこれらのカップリング生成物等の不純物を含む溶液部分をろ過などの方法で除去する工程(以下、洗浄精製工程という)によって精製することができる。尚、得られた固形物を、必要に応じて乾燥し、良溶媒を含む溶媒で再溶解した後、再び再沈精製工程を繰り返してもよく、同様に、得られた固形物を必要に応じて乾燥し、貧溶媒若しくは貧溶媒と良溶媒の混合溶媒による洗浄精製工程を繰り返しても良い。
【0048】
各工程で用いる良溶媒は、共重合体をはじめ未反応モノマー、オリゴマー、重合開始剤、連鎖移動剤及びこれらのカップリング反応生成物が溶解する溶媒であれば特に制限されないが、製造工程の管理上、先に挙げた重合溶媒と同じものが好ましい。又、貧溶媒は、共重合体を析出させる溶媒であれば特に制限されないが、例えば、水;メタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素類及びこれらの混合溶媒等を挙げることができる。各工程においては、良溶媒又は貧溶媒を単独で用いるほか、共重合体、モノマー、オリゴマー、重合開始剤、連鎖移動剤及びこれらのカップリン
グ生成物に対する溶解性を適度に制御するために、良溶媒と貧溶媒を混合して用いることもできる。
【0049】
再沈精製工程及び洗浄精製工程における溶媒の種類と量、及び、各精製工程の繰り返し回数の選定においては、共重合体及び不純物の設定温度における溶解性を勘案の上、残モノマーが1%以下、特に好ましくは0.5%以下、更に好ましくは0.2%以下となるよ
うな条件を選択することが好ましい。通常、このような濃度以下まで不純物を除去するためには、再沈精製工程を1回実施し、洗浄精製工程を好ましくは1回以上、より好ましくは2回以上実施する。
【0050】
このようにして精製した後の共重合体は、乾燥し粉体として取り出すか、若しくは乾燥前若しくは乾燥後に良溶媒を投入して再溶解し、溶液として取り出すことができる。再溶解に用いる良溶媒は、重合溶媒として挙げたものを同様に用いることができる。再溶解後の溶液は、極微小な固形分、不溶解性の異物或いは金属分等を除去するために、平均孔径が0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下のミクロポアを有するフィルターに通液することが好ましい。
【0051】
本発明の製造方法により得られた共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、分子量10万以上の高分子量成分(ハイポリマー)の含有量が0.1%以下と極めて少なく、溶媒への溶解性及び及び保存安定性に優れ、レジストパターンの欠陥(ディフェクト)の発生を極めて少なくすることが可能であり、半導体リソグラフィー用の塗膜形成用ポリマーとして有用である。
【0052】
得られた共重合体を半導体リソグラフィー用の塗膜形成用ポリマーとして用いる場合は、精製後の共重合体溶液に塗膜形成用の溶媒を供給しながら、精製時に使用した他の溶媒を減圧下で留去するなどして塗膜形成用溶液に仕上げることができる。塗膜形成用の溶媒としては、共重合体を溶解するものであれば特に制限されないが、通常、沸点、半導体基板やその他の塗布膜への影響、リソグラフィーに用いられる放射線の吸収を勘案して選択される。塗膜形成用に一般的に用いられる溶媒の例としては、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルアミルケトン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン等の溶媒が挙げられ、溶媒の使用量は特に制限されないが、通常、共重合体1重量部に対して1重量部〜20重量部の範囲である。
【0053】
共重合体をレジストポリマーとして用いる場合は、この塗膜形成用溶液に、更に感放射線性酸発生剤、及び、放射線に暴露されない部分への酸の拡散を防止するための含窒素化合物等の酸拡散制御剤を添加して、レジスト組成物に仕上げることができる。感放射線性酸発生剤としては、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジスルホニルジアゾメタン化合物等、一般的にレジスト用原料として使用されているものを用いることができる。
【0054】
又、レジスト組成物には、更に必要に応じて、溶解抑止剤、増感剤、染料等レジスト用添加剤として慣用されている化合物を添加することができ、レジスト組成物中の各成分(レジスト溶媒を除く)の配合比は特に制限されないが、一般に、ポリマー濃度10〜50質量%、感放射線性酸発生剤0.1〜10質量%、酸拡散制御剤0.001〜10質量%の範囲から選択される。
【0055】
又、得られた共重合体を反射防止膜として使用する場合は、単独若しくはポリマー間の架橋が可能な二官能以上のイソシアネート、アミン、エポキシド等と混合して使用される。
【0056】
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中、濃度を示す%は、ハイポリマーの含有量(%:面積百分率)を除き、特に定義のない限り質量基準である。又、重合反応に供するモノマー溶液中の重合禁止剤及び溶存酸素の定量、得られた共重合体中のハイポリマーの定量、及び、保存安定性の評価は次に示す方法で実施した。
(1)重合禁止剤量の定量方法
モノマー溶液中の重合禁止剤濃度は、HPLCにより定量した。分析条件及び定量方法は以下の通りである。
【0057】
装 置: 島津製作所製LC−10AD
検出器: UV254nm
カラム: GLサイエンス Inertsil ODS−3V
移動相: アセトニトリル/水=9/1(容量比)
試 料: モノマー溶液0.1gをアセトニトリル1mlに溶解して試料を調製した。
定 量: ビスフェノールAを内部標準物質として内部標準法にて定量した。

【0058】
(2)溶存酸素量の定量方法
モノマー溶液の溶存酸素量は、溶存酸素計にて測定した。測定装置及び測定条件は以下の通りである。
装 置: オービスフェア model 3650
測定条件:温度25〜30℃、通液速度50ml/min
【0059】
(3)ハイポリマーの定量方法
共重合体中のハイポリマーは、GPCにより定量した。分析条件及び定量方法は以下の通りである。
装 置: 東ソー製GPC8020
検出器: 示差屈折率(RI)検出器
カラム: 昭和電工製KF−804L(×3本)
試 料: 重合終了後の重合液をサンプリングし、ポリマー濃度が1%となるようにテトラヒドロフランで希釈して試料を調製した。
定 量: GPCに、上記試料を15μl注入し、目的とするポリマーのピーク面積Aを求め、次いで上記試料を150μl注入し、ハイポリマーピークの面積Aを求めた。この結果から次の計算式(2)に基づいてポリマー中のハイポリマー含有量(%)を算出した。

ハイポリマーの含有量(%)=――――――――――×100 … (2)
(A×10+A
【0060】
(4)共重合体の保存安定性評価方法
共重合体の15%プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)溶液を0.05μmのメンブレンフィルターでろ過し、3ヶ月間室温にて保管後の液中パーティクルを測定した。
装 置: リオン社製KS−40B
評 価: パーティクルサイズ0.2μm以上の異物が100個/ml未満の場合を○、1000個/ml以上の場合を×とした。
【実施例1】
【0061】
窒素雰囲気に保ったモノマー溶液調製槽にメチルエチルケトン(以下、「MEK」と記
す。)5500g、5−アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(以下「NLA」と記す。)2080g、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート(以下、「EAM」と記す。)2480gと、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」と記す。)80g、重合禁止剤として4−メトキシフェノール(以下、「MEHQ」と記す。)50mgを仕込んで溶解し、モノマー溶液を調製して25〜30℃に保った。モノマー溶液をサンプリングしてMEHQ量を定量したところ、対モノマーで27モルppm、対重合開始剤で0.11モル%であった。又、モノマー溶液の溶存酸素量を定量したところ、対モノマーで166モルppmであった。重合禁止剤及び溶存酸素の測定結果を表1にまとめた。
【0062】
次いで、窒素雰囲気に保った重合槽に、MEK3500gを投入して撹拌しながら80℃に昇温した後、モノマー溶液を4時間かけて80℃に保った重合槽内に供給して重合さ
せた。供給終了後、重合温度を80℃に保ったまま2時間熟成させ、室温まで冷却して重合液を取り出した。得られた重合液を70kgの含水メタノールに滴下してポリマーを沈殿させ、ろ過した。得られたウエットケーキをメタノール70kgで洗浄してろ過した後、MEKに再溶解し、キュノ製フィルター40QSHに通液した。次いで、減圧下で加熱してMEKを追い出しながらPGMEAを投入して溶剤置換し、ポリマー15%を含むPGMEA溶液を調製した。得られたポリマーの組成、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ハイポリマーの含有量及びPGMEA溶液の保存安定性の評価結果を表2に示した。
【実施例2】
【0063】
窒素雰囲気に保ったモノマー溶液調製槽にMEK9000g、NLA2080g、EAM2480g、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート(以下、「HAM」と記す。)2220gと、重合開始剤としてAIBN110g、重合禁止剤としてMEHQ100mgを仕込んで溶解し、モノマー溶液を調製して25〜30℃に保った。モノマー溶液中の重合禁止剤及び溶存酸素の測定結果を表1にまとめた。
【0064】
次いで、窒素雰囲気に保った重合槽に、MEK5000gを投入して撹拌しながら80℃に昇温した後、モノマー溶液を4時間かけて80℃に保った重合槽内に供給して重合させた。供給終了後、重合温度を80℃に保ったまま2時間熟成させ、室温まで冷却して重合液を取り出した。得られた重合液を100kgの含水メタノールに滴下してポリマーを沈殿させ、ろ過した。得られたウエットケーキをメタノール100kgで洗浄してろ過した後、MEKに再溶解し、キュノ製フィルター40QSHに通液した。次いで、減圧下で加熱してMEKを追い出しながらPGMEAを投入して溶剤置換し、ポリマー15%を含むPGMEA溶液を調製した。得られたポリマーの組成、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ハイポリマーの含有量及びPGMEA溶液の保存安定性の評価結果を表2に示した。
【実施例3】
【0065】
窒素雰囲気に保ったモノマー溶液調製槽にMEK7700g、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(以下「NLM」と記す。)2220g、EAM2480g、メタクリル酸(以下、「MA」と記す。)90gと、重合開始剤としてAIBN80g、重合禁止剤としてMEHQ50mgを仕込んで溶解し、モノマー溶液を調製して25〜30℃に保った。モノマー溶液中の重合禁止剤及び溶存酸素の測定結果を表1にまとめた。
【0066】
次いで、窒素雰囲気に保った重合槽に、MEK3300gを投入して撹拌しながら80℃に昇温した後、モノマー溶液を4時間かけて80℃に保った重合槽内に供給して重合さ
せた。供給終了後、重合温度を80℃に保ったまま2時間熟成させ、室温まで冷却して重
合液を取り出した。得られた重合液を80kgの含水メタノールに滴下してポリマーを沈殿させ、ろ過した。得られたウエットケーキをメタノール80kgで洗浄してろ過した後、MEKに再溶解し、キュノ製フィルター40QSHに通液した。次いで、減圧下で加熱してMEKを追い出しながらPGMEAを投入して溶剤置換し、ポリマー15%を含むPGMEA溶液を調製した。得られたポリマーの組成、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、ハイポリマーの含有量及びPGMEA溶液の保存安定性の評価結果を表2に示した。
【実施例4】
【0067】
モノマー溶液調製槽を空気雰囲気に保ち、MEHQを添加しなかった以外は実施例1と同様にして実施した。結果を表1及び表2に示した。
【実施例5】
【0068】
MEHQの添加量を5gとした以外は実施例1と同様にして実施した。結果を表1及び表2に示した。
比較例1〜3
【0069】
MEHQを添加しなかった以外は実施例1〜3と同様に実施した。結果を表1及び表2
に示した。尚、重合禁止剤を添加しなかった実施例4及び比較例1〜3で検出された数ppmオーダーの重合禁止剤(MEHQ)は、使用したモノマーの製造過程で使用されたものが残留していると考えられる。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
この結果から明らかなように、モノマーに重合禁止剤を添加せず、且つ、モノマー溶液調製槽を窒素雰囲気下に保つ方法ではハイポリマーが生成し、保存期間中に不溶解性の異物の成長が認められた。一方、本発明においては、モノマーを含む溶液中に重合抑制成分
として重合禁止剤又は酸素を一定量以上共存させることにより、ハイポリマーが発生せず、保存安定性に優れたレジスト用ポリマーが得られることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明により、半導体製造の微細なパターン形成に用いられるレジスト膜形成用組成物、多層レジストの下層膜形成用組成物及び反射防止膜形成用組成物などの塗膜形成用組成物に好適に用いられると共に、(ハイポリマーを含まず、半導体リソグラフィーに用いたときにレジストパターンの欠陥が極めて少ない)半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一般式(1)〜(8)で表される、酸によって分解してアルカリ現像液に可溶性になる構造を有する繰り返し単位(A)と、半導体基板に対する密着性を高めるための極性基を有する繰り返し単位(B)とを有する半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法であり、該繰り返し単位を与えるエチレン性二重結合を有する2種類以上のモノマーを含む溶液を、加熱した溶媒中に滴下することによりラジカル重合させて半導体リソグラフィー用共重合体を製造するに際し、滴下する前のモノマーを含む溶液中に重合抑制成分として、モノマーに対して20モルppm以上5000モルppm以下の重合禁止剤(但し、含窒素安定フリーラジカル作用剤を除く)又は400モルppm以上10,000モルppm以下の酸素を共存させ、この溶液を加熱した溶媒中に滴下してラジカル重合させることを特徴とする半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、−ORはオルソ位には結合しない。)
一般式(2)
【化2】

(式中、Rは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表わす。)
一般式(3)
【化3】

(式中、Re及びReはいずれか一方が水素原子で、他方は−C(=O)OR基を表わす。)
一般式(4)
【化4】

(式中、Rは水素原子又はトリフルオロメチル基を表わす。)
一般式(5)
【化5】

(式中、Rはメチル基を表わす。)
一般式(6)
【化6】

(式中、Rは水素原子を表わす。)
一般式(7)
【化7】

(式中、Rは水素原子又はトリフルオロメチル基を表わす。)
一般式(8)
【化8】

{式(1)〜(8)において、Rが酸解離性基の場合は繰り返し単位(A)を、極性基の場合は繰り返し単位(B)を表し、酸解離性保護基としてのRは、tert−ブチル基、tert−アミル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル-1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−プロピル−2−アダマンチル基、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、8−メチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基、8−エチル−8−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル基等の飽和炭化水素基;1−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエチル基、1−メトキシメチル基、2−エトキシメチル基、1−iso−プロポキシメチル基、1−n−ブトキシメチル基、1−tert−ブトキシメチル基、1−シクロペンチルオキシメチル基、1−シクロヘキシルオキシメチル基、1−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシメチル基、tert−ブトキシカルボニル基を表し、極性基としてのRは、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、1,3−シクロヘキサンカルボラクトン、2,6−ノルボルナンカルボラクトン、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オン、メバロン酸δ−ラクトン、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル基を表す。}
【請求項2】
滴下する前のモノマーを含む溶液が重合開始剤を含み、該溶液中に共存させる重合禁止剤の量が前記溶液中の重合開始剤に対して0.1モル%以上20モル%以下である請求項1に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
【請求項3】
重合禁止剤がハイドロキノン、ベンゾキノン、カテコール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル及びこれらの誘導体から選ばれる1種以上の化合物である請求項1又は2に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
【請求項4】
滴下する前のモノマーを含む溶液が重合開始剤を含み、該溶液中に共存させる酸素の量が、前記溶液中の重合開始剤に対して2モル%以上50モル%以下である請求項1に記載の半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。
【請求項5】
重合溶媒中、重合開始剤の存在下にエチレン性二重結合を有する2種類以上のモノマーをラジカル重合させて半導体リソグラフィー用共重合体を製造するに際し、モノマーを含む溶液中に重合抑制成分として、モノマーに対して20モルppm以上の重合禁止剤又は400モルppm以上の酸素を共存させ、この溶液によりラジカル重合させる半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法であって、モノマーを含む溶液が重合開始剤を含み、該溶液中に共存させる酸素の量が、前記溶液中の重合開始剤に対して2モル%以上であることを特徴とする半導体リソグラフィー用共重合体の製造方法。

【公開番号】特開2006−124716(P2006−124716A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−334595(P2005−334595)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【分割の表示】特願2003−413438(P2003−413438)の分割
【原出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【出願人】(000157603)丸善石油化学株式会社 (84)
【Fターム(参考)】