説明

半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法

【課題】リッジの不具合による素子特性の不安定化を防止することのできる半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】本発明の半導体レーザ素子は、第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる半導体基板1と、半導体基板1上に設けられた第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる第1クラッド層2と、第1クラッド層2上に設けられたIII−V族化合物半導体からなる活性層3と、活性層3上に設けられた第2導電型のIII−V族化合物半導体からなる第2クラッド層4と、第2クラッド層4上に隆起してストライプ状に形成され、上面が側面方向に庇状に突出しているリッジ11とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ストレージ及び光通信等に用いられるリッジ導波路型の半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体レーザ素子においてp側半導体層の表面に、ストライプ状のリッジを形成し、このリッジ下方の活性層を導波路領域とした半導体レーザ素子が提案されている。このようなリッジ導波路型の半導体レーザ素子の一例としては、例えば特許文献1や特許文献2が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されたリッジ導波路型の半導体レーザ素子を製造する場合、従来ではレジストエッチバック法を用いて製造されており、まず基板上に各層をエピタキシャル成長させてリッジを形成すると、基板全面にレジストを塗布していた。このとき、リッジ上面のレジストの厚さは平坦面上の厚さよりも薄く形成されており、例えばアッシングなどによってレジストをエッチバックしてリッジ上面のレジストを除去し、その後に開口したリッジ上面の絶縁膜をエッチング除去してコンタクト層を露出させていた。
【0004】
また、特許文献2では、リッジ上面の絶縁膜にコンタクトホールを開口する技術が開示されている。通常、リッジ上部の幅は1〜2μm程度なので、精度よくコンタクトホールを形成するためにはステッパなどの露光機を用いてレジストパターンを形成している。このとき露光機の合わせ精度や基板の伸縮などを考慮してコンタクトホールの開口部の両側にそれぞれ0.1〜0.2μmぐらいの余裕を残しておく必要がある。そのため、コンタクトホールを形成すると、コンタクトホールの開口部の両側に余裕として残した絶縁膜が微妙に残留していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−179274号公報
【特許文献2】特開昭60−254688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されたレジストエッチバック法による製造方法では、エッチバックを過剰に行った場合、レジストの後退によってリッジ側面の絶縁膜が一部露出してしまうことがあった。そうすると、その後の絶縁膜のエッチング工程で露出したリッジ側面の絶縁膜が除去され、リッジ側面が露出してしまい、この状態で電極を形成すると、リッジと電極が短絡して素子特性が不安定になってしまうという問題点があった。
【0007】
また、上述した特許文献2に開示されたリッジ上面の絶縁膜にコンタクトホールを開口する場合には、リッジ上面の開口部の両側に絶縁膜が残留しているので、残留した絶縁膜がその後の超音波洗浄工程などで欠損する場合があった。特に、絶縁膜は微細な幅で残留しているので、欠損しやすくなっている。そうすると、絶縁膜が欠損したときに下地の半導体層も部分的に剥離・欠落するとともに、欠損部から処理薬液等が浸入してリッジを浸食し、形状の異常が発生して特性が不安定化するという問題が生じていた。
【0008】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、リッジの不具合による素子特性の不安定化を防止することのできる半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明に係る半導体レーザ素子は、第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる第1クラッド層と、前記第1クラッド層上に設けられたIII−V族化合物半導体からなる活性層と、前記活性層上に設けられた第2導電型のIII−V族化合物半導体からなる第2クラッド層と、前記第2クラッド層上に隆起してストライプ状に形成され、上面が側面方向に庇状に突出しているリッジとを備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る半導体レーザ素子は、前記リッジの上面以外は絶縁膜で覆われ、前記リッジの上面全体は絶縁膜が除去されていることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法は、第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる半導体基板上に第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる第1クラッド層を形成する工程と、前記第1クラッド層上にIII−V族化合物半導体からなる活性層を形成する工程と、前記活性層上に第2導電型のIII−V族化合物半導体からなる第2クラッド層を形成する工程と、前記第2クラッド層上に前記第2クラッド層とエッチング液によるエッチング速度が異なる第2導電型のIII−V族化合物半導体からなる半導体層を形成する工程と、前記半導体層の上面にエッチングマスクを形成し、前記第2クラッド層のエッチング速度が前記半導体層のエッチング速度よりも速いエッチング液を使用してエッチングすることにより、上面が側面方向に庇状に突出している突出部を備えたリッジを形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法は、前記リッジを形成する工程の後に、 前記エッチングマスクを除去してから全面に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上にレジストを塗布し、前記レジストをエッジバックすることにより前記リッジ上面の絶縁膜を露出させる工程と、前記リッジの上面全体からエッチングによって前記絶縁膜を除去して前記半導体層を露出させる工程とをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法は、前記突出部の先端と前記突出部の先端から下ろした垂線が前記リッジの側壁と交差する点とを結んだ線分の長さをMとし、前記突出部における前記半導体層と前記絶縁膜との厚さをLとするとき、M>Lとなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法によれば、リッジの上面を側面方向に庇状に突出させたので、レジストをエッチバックする際に過剰にエッチバックしたとしてもリッジ側面の絶縁膜が露出してしまうことはなくなり、レジストエッチバック工程の余裕度が向上して安定的にリッジ上面の絶縁膜を除去することが可能となる。これにより、安定した素子特性を得ることができる。
【0015】
また、本発明に係る半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法によれば、リッジの上面全体から絶縁膜を除去して半導体層を露出させたので、絶縁膜が微細に残留することはなくなり、絶縁膜の欠損によって素子特性が不安定になることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用した一実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法における各工程の断面図である。
【図2】本発明を適用した一実施形態に係る半導体レーザ素子の構造を示す断面図である。
【図3】本発明を適用した一実施形態に係る半導体レーザ素子の突出部の構造を説明するための断面図である。
【図4】本発明を適用した一実施形態に係る半導体レーザ素子の突出部の構造を説明するための断面図である。
【図5】本発明を適用した一実施形態に係る半導体レーザ素子の突出部の構造を説明するための断面図である。
【図6】従来の半導体レーザ素子の製造方法における問題点を説明するための断面図である。
【図7】本発明を適用した一実施形態に係る半導体レーザ素子の効果を説明するための断面図である。
【図8】従来の半導体レーザ素子の製造方法における問題点を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用した一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
[半導体レーザ素子の製造方法]
本実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法について図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法における各工程の断面図を示したものである。
【0019】
図1(a)に示すように、本実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法では、例えば有機金属化学気相成長(MOCVD)法などによって各層をエピタキシャル成長させて積層する。
【0020】
まず第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる半導体基板1上に、第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる第1クラッド層2をエピタキシャル成長させて形成する。半導体基板1としては例えばn型のGaAs基板が好ましく、第1クラッド層2は例えばn型のAlGaInPで形成される。
【0021】
この後、第1クラッド層2上に、III−V族化合物半導体からなる活性層3と、第2導電型のIII−V族化合物半導体からなる第2クラッド層4と、第2導電型のIII−V族化合物半導体からなる障壁緩和層5と、第2導電型のIII−V族化合物半導体からなるコンタクト層6とを順次エピタキシャル成長させて形成する。
【0022】
ここで、活性層3は、例えばアンドープGaInPからなり、多重量子井戸構造で形成されて障壁層(バリア層)と井戸層が交互に積層された構造となっている。ただし、活性層3の構造はこれに限定されるものではなく、例えば一つの井戸層が障壁層に挟まれた単一量子井戸構造でもよく、単一の半導体層によって構成してもよい。本実施形態に係る半導体レーザ素子の発光波長を、例えば630〜690[nm]の波長帯に対応させる場合には、活性層3はGaInP等によって構成することが好ましい。
【0023】
また、第2クラッド層4は例えばp型のAlGaInPで形成され、半導体基板1がGaAs基板である場合には障壁緩和層5はp型のGaInP、コンタクト層6はp型のGaAsで形成することが好ましい。障壁緩和層5とコンタクト層6は、第2クラッド層4とエッチング液によるエッチング速度が異なる半導体層となっている。
【0024】
次に、図1(a)のコンタクト層6上に例えばSiO 膜のような絶縁膜(図示せず)を全面に形成し、フォトリソグラフィによって所定のストライプ状をしたレジストマスクを形成した後、この絶縁膜をエッチングによってストライプ形状にパターニングする。そして、この絶縁膜をエッチングマスクとして用いてエッチングにより第2クラッド層4を所定の深さまでエッチングし、エッチングマスクとして用いた絶縁膜を除去すると、図1(b)に示すようなリッジ11が形成される。このとき、例えば硫酸などのエッチング速度がAlGaInP>GaInPとなるようなエッチング液を使用することにより、リッジ11の上部に庇状の突出部12を形成することができる。
【0025】
次に、こうして形成されたリッジ11と第2クラッド層4の全面に、図1(c)に示すように例えばSiOやSiNなどの絶縁膜15を、例えば300nmの膜厚で形成する。そして、この絶縁膜15の全面に図1(d)に示すように例えばレジスト16を塗布形成する。このとき、半導体基板1上の凸部(リッジ上面)のレジスト16の厚みは、平坦面上の厚さよりも薄く形成されている。
【0026】
こうしてレジスト16が塗布されると、次に例えばアッシングなどによってレジスト16をエッチバックし、図1(e)に示すようにリッジ11の上面のレジスト16を除去する。
【0027】
次に、レジスト16が除去されて開口したリッジ上面の絶縁膜15を上面全体からエッチング除去してコンタクト層6を露出させ、レジスト16を除去すると、図1(f)に示すようにリッジ11の上面全体でコンタクト層6が露出し、リッジ11の上面以外の部分では絶縁膜15に覆われている構造になる。そして、図1(g)に示すように全面にp側電極17を形成すると、図2に示すような半導体レーザ素子が製造される。このとき電極17とコンタクト層6との間はオーミック接触を成している。
【0028】
図2に示すように、本実施形態に係る半導体レーザ素子は、第1導電型のIII−V族化合物半導体であるn型GaAsからなる半導体基板1と、半導体基板1上に設けられた第1導電型のIII−V族化合物半導体であるn型AlGaInPからなる第1クラッド層2と、第1クラッド層2上に設けられたIII−V族化合物半導体であるアンドープGaInPからなる活性層3と、活性層3上に設けられた第2導電型のIII−V族化合物半導体であるp型AlGaInPからなる第2クラッド層4と、第2クラッド層4上に隆起してストライプ状に形成され、上面が側面方向に庇状に突出した突出部12を備えているリッジ11と、リッジ11の上面以外及び第2クラッド層4上に形成された絶縁膜15と、第2導電型のIII−V族化合物半導体であるp型GaInPからなり、突出部12を形成する障壁緩和層5と、第2導電型のIII−V族化合物半導体であるp型GaAsからなり、突出部12を形成するコンタクト層6と、全面に形成されたp側電極17とを備えている。
【0029】
この後、図示していないが、半導体基板1を裏面から研磨することによって所定の厚さに薄化し、半導体基板1の裏面にn側電極を形成することによって本実施形態に係る半導体レーザ素子を製造することができる。
【0030】
次に、本実施形態に係る半導体レーザ素子のリッジ11の上面に形成される庇状の突出部12について図3を参照して説明する。
【0031】
図3は、突出部12におけるオーバーハング量と各部の長さと膜厚との関係を説明するための図である。図3に示すように、庇状の突出部12のリッジ上部からのオーバーハング量をN、突出部12の先端Pと先端Pから下ろした垂線がリッジ11の側壁と交差する点P’とを結んだ線分P−P’の長さをM、リッジ11の上面を被覆する絶縁膜15とコンタクト層6と障壁緩和層5との厚さの総和をLとする。
【0032】
ここで、図4(a)に示すようにオーバーハング量Nが小さい場合、すなわちM<Lとなる場合には、図4(b)に示すようにレジスト16を塗布した後にエッチバックを過剰に行うと(レジストの膜厚減量が多い場合)、図4(c)に示すようにレジスト16の後退によってリッジ側面の絶縁膜15が一部露出してしまう可能性がある。そうすると、その後の絶縁膜15をエッチングする工程で露出した部分の絶縁膜15が除去され、図4(d)に示すようにリッジ11の側面が露出し、この状態で電極を形成すると、リッジ11と電極が短絡して素子特性が不安定になってしまうことがある。
【0033】
一方、図5(a)に示すようにオーバーハング量Nが大きい場合、すなわちM>Lとなるように設定されている場合には、図5(b)に示すようにレジスト16を塗布した後にエッチバックを過剰に行った場合でも、図5(c)に示すようにリッジ上部に形成された庇状の突出部12の影になって庇の直下となるレジスト16が保護され、絶縁膜15が露出することはなくなる。これにより、図5(d)に示すように絶縁膜15をエッチングしても、リッジ11の側面の絶縁膜15が除去されることはなくなり、リッジ11の側面が露出することを確実に防止できる。
【0034】
したがって、本実施形態に係る半導体レーザ素子の製造方法では、M>Lとなるように設定して突出部12を形成することが好ましい。
【0035】
[実施形態の効果]
次に、本実施形態に係る半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法による効果を説明する。
【0036】
従来、例えば特許文献1に開示されているレジストエッチバック法を用いて製造する場合に、エッチバックを過剰に行ってしまうと、図6(a)に示すようにレジスト60の後退によってリッジ側面の絶縁膜61が一部露出してしまうことがあった。そうすると、その後の絶縁膜61のエッチング工程で露出した部分の絶縁膜61が除去され、図6(b)に示すようにリッジ側面が露出してしまう。この状態で電極を形成すると、図6(c)に示すようにリッジ62と電極63が短絡して素子特性が不安定になってしまうという問題点があった。
【0037】
これに対して、本実施形態に係る半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法によれば、リッジ11の上面を側面方向に庇状に突出させたので、レジスト16をエッチバックする際に過剰にエッチバックしたとしても、図7に示すようにリッジ側面の絶縁膜15が露出してしまうことはなくなり、レジストエッチバック工程の余裕度が向上して安定的にリッジ上面の絶縁膜15を除去することが可能となる。これにより、安定した素子特性を得ることができる。
【0038】
また、特許文献2に開示されているリッジ上面にコンタクトホールを開口する技術では、図8(a)に示すように開口部80の両側に余裕として残した絶縁膜81が微妙に残留しているので、図8(b)に示すように残留した絶縁膜81がその後の超音波洗浄工程などで欠損する場合があった。特に、絶縁膜は微細な幅で残留しているので、このような欠損が生じる可能性は高かった。さらに、絶縁膜81が欠損すると、図8(c)に示すように下地の半導体層も部分的に剥離・欠落するとともに、欠損部から処理薬液等が浸入してリッジ82を浸食し、形状に異常が生じて特性が不安定化するという問題点があった。
【0039】
これに対して、本実施形態に係る半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法によれば、リッジ11の上面全体から絶縁膜を除去してコンタクト層6を露出させたので、微細に残留した絶縁膜の欠損によって素子特性が不安定になることはなく、安定した素子特性を得ることができる。
【0040】
さらに、本実施形態に係る半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法によれば、突出部12の先端Pと突出部12の先端Pから下ろした垂線がリッジ11の側壁と交差する点P’とを結んだ線分の長さをMとし、突出部12における障壁緩和層5とコンタクト層6と絶縁膜15との厚さをLとするとき、M>Lとなるようにしたので、レジスト16を過剰にエッチバックした場合でも、突出部12の影となる庇の直下のレジストが保護され、絶縁膜15が露出してしまうことを確実に防止できる。これにより、絶縁膜15のエッチング工程でリッジ側面の絶縁膜15が除去されることはなくなり、リッジ側面が露出して素子特性が不安定になることを確実に防止できる。
【0041】
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
1 半導体基板
2 第1クラッド層
3 活性層
4 第2クラッド層
5 障壁緩和層
6 コンタクト層
11 リッジ
12 突出部
15 絶縁膜
17 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる半導体基板と、
前記半導体基板上に設けられた第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる第1クラッド層と、
前記第1クラッド層上に設けられたIII−V族化合物半導体からなる活性層と、
前記活性層上に設けられた第2導電型のIII−V族化合物半導体からなる第2クラッド層と、
前記第2クラッド層上に隆起してストライプ状に形成され、上面が側面方向に庇状に突出しているリッジと
を備えていることを特徴とする半導体レーザ素子。
【請求項2】
前記リッジの上面以外は絶縁膜で覆われ、前記リッジの上面全体は絶縁膜が除去されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
【請求項3】
第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる半導体基板上に第1導電型のIII−V族化合物半導体からなる第1クラッド層を形成する工程と、
前記第1クラッド層上にIII−V族化合物半導体からなる活性層を形成する工程と、
前記活性層上に第2導電型のIII−V族化合物半導体からなる第2クラッド層を形成する工程と、
前記第2クラッド層上に前記第2クラッド層とエッチング液によるエッチング速度が異なる第2導電型のIII−V族化合物半導体からなる半導体層を形成する工程と、
前記半導体層の上面にエッチングマスクを形成し、前記第2クラッド層のエッチング速度が前記半導体層のエッチング速度よりも速いエッチング液を使用してエッチングすることにより、上面が側面方向に庇状に突出している突出部を備えたリッジを形成する工程と
を含むことを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
【請求項4】
前記リッジを形成する工程の後に、
前記エッチングマスクを除去してから全面に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上にレジストを塗布し、前記レジストをエッチバックすることにより前記リッジ上面の絶縁膜を露出させる工程と、
前記リッジの上面全体からエッチングによって前記絶縁膜を除去して前記半導体層を露出させる工程と
をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
【請求項5】
前記突出部の先端と前記突出部の先端から下ろした垂線が前記リッジの側壁と交差する点とを結んだ線分の長さをMとし、前記突出部における前記半導体層と前記絶縁膜との厚さをLとするとき、M>Lとなることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−222190(P2012−222190A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87160(P2011−87160)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】