説明

半導体発光素子

【課題】スロープ効率の低下を抑制し、良好な素子特性が得られる能動MMI型半導体レーザを提供すること。
【解決手段】本発明に係る半導体発光素子は、能動多モード干渉導波路110bと、能動多モード干渉導波路110b内の光強度に応じて形成され、能動多モード干渉導波路110b内の電流量を制御する電流制御構造104bと、を有することを特徴とするものである。電流制御構造104bにより、無効電流を十分低減できると同時に、結合損失をほぼ零にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子に関し、特に高出力半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザには、一般に、高い光出力と単一横モード動作との両立が求められている。例えば、次世代DVD用光源のGaN系青紫色半導体レーザやDVD用光源のAlGaInP系赤色半導体レーザといった光ディスク用半導体レーザでは、高速記録のために高出力動作が、高密度記録のために単一横モード動作が必要である。また、GaN系半導体レーザやAlGaInP系半導体レーザをレーザディスプレイ用光源として用いる場合にも、大画面投射のために高出力動作が必要であり、光学系の小型化には単一モード動作が望ましい。また、光ファイバ通信用InP系長波半導体レーザにおいても、高速大容量通信のためには高出力動作と単一横モード動作の両立が必要となる。
【0003】
これを実現する手段として、例えば特許文献1では、アクティブ(能動)多モード干渉(Multi-Mode Interference;MMI)導波路を用いた能動MMI型半導体レーザ構造が提案されている。通常の半導体レーザでは、単一横モード動作を実現するためには導波路幅を狭くする必要がある。それ故に、素子抵抗が増大して素子の発熱が大きくなり、光出力が低下する。これに対して、能動MMI型半導体レーザでは、能動MMI導波路を主な発光領域とすることで、活性層面積拡大による素子抵抗低減を実現する。これと共に、光の出射端にシングルモード能動導波路を設けることで、高出力動作と単一横モード動作との両立を可能とした。
【0004】
この半導体レーザの特徴は、能動導波路の一部がMMI導波路からなる点である。これにより、素子長を変えることなく主励起領域(利得を発生する領域)の面積を拡大できる。同時に、能動MMI導波路の入出射端では単一横モード光を得ることができるため、単一横モード光出力の大幅な向上が可能となる。この能動MMI型半導体レーザは、例えば、能動MMI導波路の代わりに通常の多モード導波路を用いた場合、単一横モード光が得られない。また、能動MMI導波路の代わりに受動MMI導波路を用いた場合、主励起領域の面積拡大に寄与しない。これらの点で、通常の半導体レーザとは大きく異なる。なお、非特許文献1については後述する。
【特許文献1】特許第3244115号公報
【非特許文献1】Lucas B. Soldano、外1名、「Optical Multi-Mode Interference Devices Based on Self-Imaging: Principles and Applications」、Journal of Lightwave Technology、1995年、Vol.13、No.4、第615〜627頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に開示された能動MMI型半導体レーザは、通常の半導体レーザに比べてスロープ効率(電流増分に対する光出力増分)が低下する問題があった。この理由は、能動MMI導波路における光分布と電流分布が必ずしも一致せず、電流の一部が発光に寄与しない無効成分となるためである。これを図11及び12を参照して説明する。
【0006】
図11は能動MMI型半導体レーザの導波路の平面図の一例である。また、図12(a)及び(b)は、各々図11のXIIA−XIIA及びXIIB−XIIB断面図である。この能動MMI型半導体レーザは、図11に示すように、能動基本モード導波路10a及び2つの能動基本モード導波路10a間に形成された能動MMI導波路10bからなる導波路10を備える。図11中には、電流I及び光Lの分布計算例を各々破線及び実線で示した。
【0007】
また、図12(a)及び(b)に示すように、図11に示す能動MMI型半導体レーザは、n型基板1、n型クラッド層2、活性層3、電流阻止層4、p型クラッド層5、p側電極6、n側電極7及びインナーストライプ構造の導波路10を備える。図12中には、電流Iの分布計算例を破線で示した。なお、図12はあくまで概念図であり、光閉じ込め層やキャップ層などは省略されている。
【0008】
ここで、図11に示すように、例えば、能動MMI導波路10bの中央部では、光Lの強度が低いにも関わらず、電流Iの密度は高くなっており、電流の無効成分が多い。なお、図12ではインナーストライプ構造を例示したが、図11に例示したような能動MMI型半導体レーザの構成であれば、埋め込みヘテロ(Buried Heterostructure;BH)構造や、リッジ構造など、他の断面構造からなる場合でも、同様の問題が生ずる。
【0009】
本発明の目的は、スロープ効率の低下を抑制し、良好な素子特性が得られる能動MMI型半導体レーザを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る半導体発光素子は、
能動多モード干渉導波路と、
前記能動多モード干渉導波路内の光強度に応じて形成され、前記能動多モード干渉導波路内の電流量を制御する電流制御構造と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スロープ効率の低下を抑制し、良好な素子特性が得られる能動MMI型半導体レーザを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0013】
実施の形態1
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザの導波路の平面図である。図1に示すように、実施の形態1に係る能動MMI型半導体レーザの導波路110は、能動基本モード導波路110a及び能動MMI導波路110bを備える。また、導波路110の周囲及び能動MMI導波路110bの中央部に電流阻止層104a及び104bが各々形成されている。
【0014】
また、図2(a)及び(b)に、図1のIIA−IIA及びIIB−IIB断面図を示す。図2に示すように、本実施の形態に係る能動MMI型半導体レーザは、n型基板101、n型クラッド層102、活性層103、電流阻止層104、p型クラッド層105、p側電極106、n側電極107及びインナーストライプ構造の導波路110a、110bを備えている。また、電流Iの分布計算例を図2中に破線で示した。ここで電流阻止層104は、導波路以外の電流を阻止することで活性層103における水平方向の電流分布を制御する。同時に、水平方向に屈折率差を与えることで水平方向の光分布を制御する。なお、図1はあくまで概念図であり、図3に示す光閉じ込め層やキャップ層などは省略されている。
【0015】
本発明の特徴は、能動MMI導波路110b内の一部領域に電流阻止領域104が設けられている点である。これによって、能動MMI導波路110bにおいて光強度の低い中央部への電流を抑制でき、無効電流を低減することができる。
【0016】
図3(a)及び(b)は、図2(a)及び(b)断面図をさらに詳細にしたものである。n型基板101上に、n型バッファ層111、n型クラッド層102、n側光閉じ込め層112、活性層103、キャップ層113、p側光閉じ込め層114及び電流阻止層104が、この順に積層されている。そして、電流阻止層104の一部が除去されて、能動基本モード導波路110a及び能動MMI導波路110bが形成されている。能動基本モード導波路110aはストライプ状に形成されている。また、2本の能動基本モード導波路110aの間に、能動基本モード導波路110aよりも幅広の能動MMI導波路110bが形成されている。さらに、能動MMI導波路110bにおいて、光強度の低い領域に電流阻止層104bが残留して形成されている。電流阻止層104及び導波路110上には、p型クラッド層105及びp型コンタクト層115が、この順に積層されている。また、p型コンタクト層115の上面にp側電極106が設けられ、n型基板101の下面にn側電極107が設けられている。
【0017】
n型基板101は、例えばGaN基板からなる。n型バッファ層111は、例えば厚さ1μmのGaNからなる。n型クラッド層102は、例えば厚さ2μmのAlGaNからなる。n側光閉じ込め層112は、例えば厚さ0.1μmのGaNからなる。活性層103は、例えば厚さ3nmのInGaN井戸層と厚さ4nmのInGaN障壁層とからなる多重量子井戸構造を有する。キャップ層113は、例えば厚さ10nmのAlGaNからなる。p側光閉じ込め層114は、例えば厚さ0.1μmのGaNからなる。電流阻止層104は、例えば厚さ0.1μmのAlNからなり、水平方向の屈折率差により光分布制御層としての機能も兼ね備える。p型クラッド層105は、例えば厚さ2.5nmのGaNと厚さ2.5nmのAlGaNからなる130周期の超格子構造で構成される。p型コンタクト層115は、例えば厚さ0.1μmのGaNからなる。n型不純物は、例えばSiであり、p型不純物は、例えばMgである。
【0018】
各々の導波路の寸法は、例えば以下のように決められる。能動MMI導波路110bの寸法は、例えば非特許文献1に記載のMMI理論を参照して決められる。このMMI理論によって導かれるビート長Lπは式(1)で与えられる。
【数1】

ここで、WはMMI導波路の幅、nは導波路内の等価屈折率、nは導波路外の等価屈折率、λは導波光の自由空間波長である。σは、TEモードのとき0、TMモードのとき1である。MMI導波路の長さLが式(2)を満たすとき、MMI導波路は1×N導波路として動作する。
【数2】

また、式(3)を満たすとき、MMI導波路はN×N導波路として動作する。
【数3】

【0019】
この理論を参照すると、MMI導波路の両端部で単一横モード光が得られるように、MMI導波路を設計することが可能である。例えば上記実施の形態においては、能動MMI導波路102の寸法は、幅が2〜4μm程度の場合、長さは50〜150μm、幅が4〜5μm程度の場合、長さは150〜250μm、幅が5〜6μm程度の場合、長さは250〜350μm、とすると、このMMI導波路の両端部では単一横モード光が得られる。通常の多モード導波路の両端部では多モード光しか得られないのとは大きく異なる。
【0020】
能動基本モード導波路110a及び能動MMI導波路110bの幅は、能動MMI導波路110bの両端部で得た単一横モード光を安定して導波できるように決められる。ここでは、例えば各々1〜2μmである。
【0021】
能動MMI導波路110b内に形成された電流阻止領域104bの形状、大きさ、位置、数は、例えばビーム伝搬法(Beam Propagation Method;BPM)を用いて、結合損失が最小となるように決められる。例えば、図1に示したような菱形とする場合、電流阻止領域104の幅及び長さをそれぞれ、能動MMI導波路110bの幅及び長さの5〜50%、好ましくは10〜30%とする。さらに、能動MMI導波路110b内に形成された電流阻止領域104bの面積は、能動多モード干渉導波路110bの面積の0.25%〜25%であることが好ましい。また、能動MMI導波路110bの中央に1つの電流阻止領域104bを設けることで、無効電流を十分低減できると同時に、結合損失をほぼ零にすることができる。従って、光学特性をほとんど損なうことなく無効電流を低減することができ、良好な素子特性を得ることが可能となる。
【0022】
なお、能動MMI導波路110b内に形成された電流阻止領域104bの形状、大きさ、位置、数は、図1の例示に限定されるものではなく、能動MMI導波路102における光強度の低い領域に対応すれば良い。例えば、図4に示したMMI導波路110bにおける光分布の計算例を参照すると、黒色で示した光強度の低い領域であれば、任意の位置に電流阻止領域を設けても良い。また、電流阻止領域の形状は、楕円形、長方形、六角形など、任意の形状でも良い。また、光強度の低い領域の全てに電流阻止領域を設けなくとも良く、光強度の低い領域の一部に電流阻止領域を設けても良い。
【0023】
次に、図1及び図3を参照して第1の実施の形態に係る半導体レーザの製造方法について説明する。素子構造の製造には、300hPaの減圧MOVPE装置を用いる。キャリアガスには水素と窒素の混合ガスを用い、Ga、Al、Inソースとして、それぞれトリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリメチルインジウムを用いる。n型不純物としてシラン、p型不純物としてビスシクロペンタジエニルマグネシウムを用いる。
【0024】
n型GaN基板101を成長装置に投入後、アンモニアを供給しながら基板を昇温し、成長温度まで達した時点で成長を開始する。1回目の成長では、n型GaNバッファ層111、n型AlGaNクラッド層102、n側GaN光閉じ込め層112、InGaN井戸層とInGaN障壁層からなる多重量子井戸構造を有する活性層103、AlGaNキャップ層113、p側GaN光閉じ込め層114、AlN電流阻止層104を形成する。成長温度は、例えばAlN電流阻止層104は200〜800℃、活性層103は800℃、それ以外は1100℃とする。AlN電流阻止層104は低温で成長するため、1回目の成長終了時はアモルファス状である。
【0025】
その上にSiO膜を堆積し、通常のフォトリソグラフィー技術を用いて、所望の開口部を有するSiOマスクを形成する。次に、燐酸と硫酸の混合液を50〜200℃に保持してエッチング液とし、AlN電流阻止層104に所望の導波路110を形成する。この時、アモルファス状のAlNは容易にエッチングされ、単結晶のGaNはエッチングが困難であるため、選択性が高く制御性の良好なエッチングがなされる。フォトリソグラフィー用マスクの形状を適切に設定することにより、能動基本モード導波路110a及び能動MMI導波路110bを、所望の形状が簡便かつ正確に形成することができる。
【0026】
次に、再び成長装置に投入後、アンモニアを供給しながら基板を昇温し、成長温度まで達した時点で2回目の成長を開始する。この時、AlN電流阻止層104は、基板の昇温過程で単結晶化が進む。次いで、AlGaN/GaN超格子からなるp型クラッド層105、GaNからなるp型コンタクト層115を形成する。その後、上面にp側電極106、下面にn側電極107を形成する。
【0027】
このようにして製造した能動MMI半導体レーザは、光学特性を全く損なうことなく無効電流を低減することができるので、良好な素子特性を得ることが可能となる。
【0028】
実施の形態2
次に、本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザの構成について図を参照して説明する。図5は、実施の形態2に係る半導体レーザの導波路の平面図である。図5に示すように、実施の形態2に係る能動MMI型半導体レーザの導波路210は、実施の形態1と同様に、能動基本モード導波路210a及び能動MMI導波路210bを備える。一方、図5では、図1と異なり、能動MMI導波路210bの中央部に電流阻止層が形成されていない。
【0029】
また、図5には、能動MMI導波路210b上におけるp側電極非形成領域220が示されている。実施の形態1では、図2及び3に示すように、能動MMI導波路210b上の略全面にp側電極206が形成されているが、実施の形態2では、図5に示すように、能動MMI導波路210b内の光強度に応じてパターニングされ、p側電極非形成領域220が設けられている。具体的には、図4に図示した光強度の低い領域に対応するように、p側電極非形成領域220が設けられている。
【0030】
図6は、図5のVI−VI断面図である。n型基板201、n型クラッド層202、活性層203、電流阻止層204、p型クラッド層205、p側電極206、n側電極207及びインナーストライプ構造の導波路210を備えている。また、電流Iの分布計算例を図6中に破線で示した。なお、図6はあくまで概念図であり、図3に示した光閉じ込め層やキャップ層などは省略されている。
【0031】
実施の形態2では、能動MMI導波路210bにおけるp側電極206が、能動MMI導波路210b内の光強度に応じてパターニングされ、p側電極非形成領域220が設けられている。従って、能動MMI導波路210b内の光強度の低い領域への電流供給を抑制でき、無効電流を低減して良好な素子特性を得ることが可能となる。
【0032】
なお、p側電極非形成領域220のパターンは、図5の例示に限定されるものではなく、能動MMI導波路210b内の光分布に対応していれば良い。例えば、図7に示すように、能動MMI導波路210b内において光強度の小さい中央部のみをp側電極非形成領域220としてもよい。
【0033】
実施の形態3
次に、本発明の第3の実施の形態に係る半導体レーザの構成について図を参照して説明する。図8は、実施の形態3に係る半導体レーザの導波路の平面図である。図8に示すように、実施の形態3に係る能動MMI型半導体レーザの導波路310は、実施の形態1と同様に、能動基本モード導波路310a及び能動MMI導波路310bを備える。一方、図8では、図1と異なり、能動MMI導波路310bの中央部に電流阻止層が形成されていない。また、能動MMI導波路310b内の光強度の低い領域に対応して高抵抗領域320が設けられている。
【0034】
図9は、図8のIX−IX断面図である。n型基板301、n型クラッド302、活性層303、電流阻止層304、p型クラッド層305、p側電極306、n側電極307及びインナーストライプ構造の導波路310を備える。また、p型クラッド層306の一部に、高抵抗領域320が設けられている。また、電流Iの分布計算例を図9中に破線で示した。なお、図9はあくまで概念図であり、図3に示した光閉じ込め層やキャップ層などは省略されている。
【0035】
実施の形態3では、能動MMI導波路310b内の光強度の低い領域に対応して高抵抗領域320が設けられている。従って、能動MMI導波路310b内の光強度の低い領域への電流供給を抑制でき、無効電流を低減して良好な素子特性を得ることが可能となる。
【0036】
なお、高抵抗領域320のパターンは、図8の例示に限定されるものではなく、能動MMI導波路310b内の光分布に対応していれば良い。例えば、図10に示すように、能動MMI導波路310b内において光強度の低い中央部のみに高抵抗領域320が設けられても良い。また、高抵抗領域320は既知の手段で形成可能である。例えば、水素などのイオン注入により、所望の高抵抗領域320を正確に形成することができる。
【0037】
また、上記実施の形態及び製造方法は例示であり、様々な変形例が可能であること、また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解され得るところである。例えば、能動MMI導波路は1つに限定されるものではなく、複数設けても良い。また、素子の断面構造はインナーストライプ構造に限定されるものではなく、BH構造やリッジ構造でも良い。また、本発明は半導体レーザ以外の半導体発光素子にも適用でき、例えば、半導体光増幅器にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザの導波路の平面図である。
【図2】図1の半導体レーザのIIA−IIA及びIIB−IIB断面図である。
【図3】図1のIIA−IIA及びIIB−IIB断面図である。
【図4】MMI導波路における光分布の計算例を示す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザの導波路の平面図である。
【図6】図5の半導体レーザのVI−VI断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る他の半導体レーザの導波路の平面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る半導体レーザの導波路の平面図である。
【図9】図8の半導体レーザのIX−IX断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る他の半導体レーザの導波路の平面図である。
【図11】関連する半導体レーザの導波路の平面図である。
【図12】図11の半導体レーザのXIIA−IIA及びXIIB−IIB断面図である。
【符号の説明】
【0039】
101、201、301 n型基板
102、202、203 n型クラッド層
103、203、303 活性層
104、204、304 電流阻止層
105、205、305 p型クラッド層
106、206、306 p側電極
107、207、307 n側電極
110、210、310 導波路
110a、210a、310a 能動基本モード導波路
110b、210b、310b 能動MMI導波路
111 n型バッファ層
112 n側光閉じ込め層
113 キャップ層
114 p側光閉じ込め層
115 p型コンタクト層
220 p側電極非形成領域
320 高抵抗領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動多モード干渉導波路と、
前記能動多モード干渉導波路内の光強度に応じて形成され、前記能動多モード干渉導波路内の電流量を制御する電流制御構造と、を有することを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
前記電流制御構造により、前記能動多モード干渉導波路内の光強度の高い領域に選択的に電流注入されることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記電流制御構造により、前記能動多モード干渉導波路内の光強度の低い領域への電流注入が抑制されることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記電流制御構造は、前記能動多モード干渉導波路内の光強度の低い領域に形成された電流阻止層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記電流阻止層の面積は、能動多モード干渉導波路の面積の0.25%〜25%であることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記電流制御構造は、前記能動多モード干渉導波路内の光強度の低い領域に対応した領域が除去された電極であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
前記電流制御構造は、前記能動多モード干渉導波路内の光強度の低い領域に対応して、前記能動多モード干渉導波路を構成する半導体層中に形成された高抵抗領域であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−206463(P2009−206463A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50242(P2008−50242)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー有効利用基盤技術先導研究開発/ディスプレイ用可視光半導体レーザの研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】