半導体発光素子
【課題】高効率の半導体発光素子を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、基板と、積層体と、第1電極と、第2電極と、反射層と、を含む半導体発光素子が提供される。前記基板は、主面を有する。前記積層体は、第1半導体層と、発光部と、第2半導体層と、を含む。前記第1半導体層は、前記主面上に設けられ、第1部分と、前記第1部分と並置された第2部分と、を有し、第1導電形である。前記発光部は、前記第2部分上に設けられる。前記第2半導体層は、前記発光部上に設けられ第2導電形である。前記第1電極は、前記第1半導体層の前記第1部分上に設けられる。前記第2電極は、前記第2半導体層上に設けられる。前記反射層は、前記基板の側面と前記積層体の側面とを覆い、前記発光部から放出される発光光に対して反射性である。
【解決手段】実施形態によれば、基板と、積層体と、第1電極と、第2電極と、反射層と、を含む半導体発光素子が提供される。前記基板は、主面を有する。前記積層体は、第1半導体層と、発光部と、第2半導体層と、を含む。前記第1半導体層は、前記主面上に設けられ、第1部分と、前記第1部分と並置された第2部分と、を有し、第1導電形である。前記発光部は、前記第2部分上に設けられる。前記第2半導体層は、前記発光部上に設けられ第2導電形である。前記第1電極は、前記第1半導体層の前記第1部分上に設けられる。前記第2電極は、前記第2半導体層上に設けられる。前記反射層は、前記基板の側面と前記積層体の側面とを覆い、前記発光部から放出される発光光に対して反射性である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、窒化物半導体を用いたLED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子が開発されている。また、例えば、青色の光を放出するLEDと、青色光を吸収して黄色系の光を放出する蛍光体と、を組み合わせることで、白色の光を放出する半導体発光素子も開発されている。
【0003】
このような半導体発光素子において、発光効率を高め、発光層から放出される光の取り出し効率を高めることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/050748A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、高効率の半導体発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、基板と、積層体と、第1電極と、第2電極と、反射層と、を含む半導体発光素子が提供される。前記基板は、主面を有する。前記積層体は、第1半導体層と、発光部と、第2半導体層と、を含む。前記第1半導体層は、前記主面上に設けられ、第1部分と前記第1部分と並置された第2部分とを有し、第1導電形である。前記発光部は、前記第2部分上に設けられる。前記第2半導体層は、前記発光部上に設けられ第2導電形である。前記第1電極は、前記第1半導体層の前記第1部分上に設けられる。前記第2電極は、前記第2半導体層上に設けられる。前記反射層は、前記基板の側面と前記積層体の側面とを覆い、前記発光部から放出される発光光に対して反射性である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式図である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式的断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の動作を例示する模式的断面図である。
【図7】図7(a)〜図7(c)は、参考例の半導体発光素子の構成を示す模式的断面図である。
【図8】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図11】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図12】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図13】図13(a)及び図13(b)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図14】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図16】第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図17】図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図18】第3の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図19】第3の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。 図2は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的平面図である。 図1は、図2のA1−A2線断面図である。
【0010】
図1及び図2に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110は、基板5と、積層体15と、第1電極40と、第2電極50と、反射層60と、を含む。
基板5は、主面5aを有する。基板5は、さらに基板裏面5bを有する。基板裏面5bは、主面5aとは反対側の面である。
【0011】
積層体15は、第1半導体層10と、発光部30と、第2半導体層20と、を含む。第1半導体層10は、主面5a上に設けられる。第1半導体層10は、第1部分11と、第2部分12と、を有する。第2部分12は、主面5aに並行な平面内において第1部分11と並置される。第1半導体層10は、第1導電形である。
【0012】
発光部30は、第1半導体層10の第2部分12上に設けられる。第2半導体層20は、発光部30上に設けられる。すなわち、発光部30は、第2部分12と第2半導体層20との間に設けられる。第2半導体層20は、第2導電形である。
【0013】
第1電極40は、第1半導体層10の第1部分11上に設けられる。第2電極50は、第2半導体層20上に設けられる。
【0014】
積層体15は、第1面15aと、第2面15bと、を有する。第2面15bは、第1面15aとは反対側の面である。第1面15aは、積層体15の第1半導体層10の側の面である。第2面15bは、積層体15の第2半導体層20の側の面である。
【0015】
ここで、第1半導体層10から第2半導体層20に向かう方向をZ軸方向(第1方向)とする。Z軸に対して垂直な1つの軸をX軸(第2軸)とする。Z軸とX軸とに対して垂直な軸をY軸(第3軸)とする。Z軸(第1軸)は、第1面15aに対して垂直であり、第2面15bに対して垂直である。
【0016】
第2導電形は、第1導電形とは異なる導電形である。例えば、第1導電形はn形であり、第2導電形はp形である。実施形態はこれに限らず、第1導電形がp形であり、第2導電形がn形でも良い。以下では、第1導電形がn形であり、第2導電形がp形である場合として説明する。
【0017】
第1半導体層10、第2半導体層20及び発光部30は、例えば、窒化物半導体を含む。第1半導体層10は、例えばn形クラッド層を含む。第2半導体層20は、例えば、p形クラッド層を含む。発光部30の例については後述する。
【0018】
例えば、第1半導体層10は、基板5の主面5a上に結晶成長される。発光部30は、第1半導体層10上に結晶成長される。第2半導体層20は、発光部30の上に結晶成長される。
【0019】
すなわち、基板5上に、第1半導体層10、発光部30及び第2半導体層20がこの順で結晶成長され、積層体15となる積層結晶膜が形成される。そして、この積層結晶膜の一部が、第2面15bの側から、第1半導体層10に到達するまで除去される。これにより、第1半導体層10の一部(第1部分11)が露出する。そして、第2部分12上の発光部30及び第2半導体層20が残る。これにより、積層体15が形成される。第2部分12は、第1部分11とX−Y平面内で並置されている。
【0020】
第1電極40は、第1半導体層10の第1部分11の第2面15bの側の面上に設けられる。すなわち、上記の露出したその一部(第1半導体層10の一部)の上に第1電極40が設けられる。
【0021】
第2電極50は、第2半導体層20の第2面15bの側の面上に設けられる。この例では、第2電極50は、p側電極51と、p側導電層52と、を有する。p側導電層52は、第2半導体層20の第2面15bの側の面上に設けられている。p側電極51と第2半導体層20との間に、p側導電層52の一部が設けられている。
【0022】
だたし、実施形態はこれに限らず、第2電極50には、p側導電層52が設けられていなくても良い。この場合には、p側電極51が、第2半導体層20に接触する。
【0023】
反射層60は、積層体15の側面15sを覆う。
積層体15の側面15sは、外縁側面15r及び境界側面15tを含む。外縁側面15rは、積層体15をZ軸方向に見たときの積層体15の外縁の側面である。境界側面15tは、積層体15のうちの、第1部分11と第2部分12との間に位置する側面である。
【0024】
本実施形態に係る半導体発光素子110においては、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。反射層60は、発光部30から放出される発光光に対して反射性である。反射層60は、例えば電気的に絶縁性である。
【0025】
実施形態においては、発光部30から放出される発光光が、効率良く反射層60で反射し、基板裏面5bから外部に効率良く出射する。すなわち、光取り出し効率が向上できる。これにより、高い効率が得られる。
【0026】
この例では、半導体発光素子110は、下地絶縁層70をさらに含む。下地絶縁層70の少なくとも一部は、積層体15の側面15sと、反射層60と、の間に設けられる。下地絶縁層70は、基板5の側面5sと、反射層60と、の間にさらに設けられても良い。例えば、下地絶縁層70は、発光光に対して透過性である。例えば、下地絶縁層70の発光光に対する反射率は、反射層60の発光光に対する反射率よりも低い。下地絶縁層70は、絶縁性である。下地絶縁層70は、必要に応じて設けられ、場合によっては、省略しても良い。
【0027】
図2に例示したように、半導体発光素子110のX軸に沿った長さl4は、例えば、約623マイクロメートル(μm)である。半導体発光素子110のY軸に沿った長さは、例えば、長さl4と同じである。ただし、実施形態はこれに限らず、半導体発光素子110の寸法は、任意である。
【0028】
半導体発光素子110においては、第2面15bの側に第1電極40及び第2電極50が設けられ、発光光は、第1面15aから出射する。半導体発光素子110は、例えば、フリップチップ型の半導体発光素子である。
【0029】
この例では、第2電極50は、3つのp側電極51(p側電極51a、51b及び51c)と、1つのp側導電層52と、を含む。p側電極51a、51b及び51cは、p側導電層52と電気的に接続されている。
【0030】
この例では、Z軸方向に見たときの、積層体15の外縁は、長方形(例えば正方形)である。積層体15の側面15sのうちの外縁側面15rは、この長方形の外縁の側面である。積層体15の側面15sのうちの境界側面15tは、例えば、Z軸方向に見たときに、第1電極40と第2電極50との間に位置する側面である。
【0031】
反射層60は、外縁側面15rの少なくとも一部と、境界側面15tの少なくとも一部と、を覆っている。
【0032】
下地絶縁層70は、外縁側面15rの上記の少なくとも一部と、反射層60との間に設けられている。さらに、下地絶縁層70は、境界側面15tの上記の少なくとも一部と、反射層60と、の間に設けられている。
【0033】
この例では、下地絶縁層70は、境界側面15tの全てを覆っている。これにより、積層体15のうちで、電流密度が特に高い第1電極40と第2電極50との間の部分の絶縁性が向上し、例えば信頼性が特に向上できる。
【0034】
この例では、基板5のX軸に沿った長さl3は、例えば約620μmである。基板5のY軸に沿った長さは、例えば長さl3と同じである。
【0035】
この例では、積層体15のX軸に沿った長さl2は、例えば約580μmである。積層体15のY軸に沿った長さは、例えば長さl2と同じである。この例では、基板5のサイズは、積層体15のサイズとは異なっている。ただし、後述するように、基板5のサイズは、積層体15のサイズと同じでも良い。
【0036】
第1電極40のX軸に沿った中心と、p側電極51aのX軸に沿った中心と、の間の距離l1は、例えば、約380μmである。第1電極40のY軸に沿った中心と、p側電極51cのY軸に沿った中心と、の間の距離は、例えば、距離l1と同じである。
【0037】
この例では、Z軸方向に見たときに、第1部分11は、積層体15の1つのコーナーに設けられている。このコーナーに繋がる辺において、第2半導体層20の外縁と、第1半導体層10の外縁と、の距離d1は、例えば、約25μmである。第1電極40のY軸に沿った中心と、第1半導体層10のY軸方向に沿った外縁と、の距離d2は、例えば、約100μmである。第1部分11のY軸方向に沿った長さd3は、例えば、約200μmである。第1部分11のX軸方向に沿った長さは、例えば、長さd3と同じである。
【0038】
この例では、Z軸方向に見たときの、p側電極51の形状は円形である。Z軸方向に見たときのp側電極51の径d4(X軸方向に沿った長さ及びY軸方向に沿った長さ)は、例えば、100μmである。また、p側電極51の上に設けられている下地絶縁層70の開口部の、Z軸方向に見たときの径d5(X軸方向に沿った長さ及びY軸方向に沿った長さ)は、例えば、90μmである。また、p側電極51の上に設けられている反射層60の開口部の、Z軸方向に見たときの径d6(X軸方向に沿った長さ及びY軸方向に沿った長さ)は、例えば、80μmである。
【0039】
なお、実施形態において、p側電極51のZ軸方向に見たときの形状、p側電極51上の下地絶縁層70の開口部のZ軸方向に見たときの形状、及び、p側電極51上の反射層60の開口部のZ軸方向に見たときの形状は、任意である。
【0040】
また、Z軸方向に見たときの、第1電極40の形状は円形である。Z軸方向に見たときの第1電極40の径は、径d4と同じである。また、第1電極40の上に設けられている下地絶縁層70の開口部の、Z軸方向に見たときの径は、径d5と同じである。また、第1電極40の上に設けられている反射層60の開口部の、Z軸方向に見たときの径は、径d6と同じである。
【0041】
なお、実施形態において、第1電極40のZ軸方向に見たときの形状、第1電極40上の下地絶縁層70の開口部のZ軸方向に見たときの形状、及び、第1電極40上の反射層60の開口部のZ軸方向に見たときの形状は、任意である。
【0042】
下地絶縁層70は、第1電極40の一部と、第2電極50の一部と、を覆う。
【0043】
本具体例では、反射層60は、第1電極40の縁部及び側面を覆い、第2電極50の縁部及び側面を覆う。
【0044】
本実施形態に係る半導体発光素子110においては、発光部30から放出された発光光の一部は、基板裏面5bから外部に出射する。そして、発光光の別の一部は、例えば、第1電極40及び第2電極50で反射し、進行方向を変え、基板裏面5bから出射する。さらに、発光光の別の一部は、基板5の側面5s及び積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)に設けられた反射層60で反射し、進行方向を変え、基板裏面5bから出射する。
【0045】
すなわち、半導体発光素子110においては、発光部30から放出される発光光は、基板裏面5bから出射する。これより、他の面からの出射が抑制され、光の取り出し効率が高い。これにより、高い効率が得られる。すなわち、発光光は、基板5の側面5s、または、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)から外部に実質的に出射しない。
【0046】
例えば、反射層60は、基板5の側面5sの全体を覆っている。反射層60は、電気的接続のための第1電極40上の開口部及び電気的接続のための第2電極50上の開口部を除いて、積層体15の全体を覆っている。具体的には、第2電極50のp側電極51、及び、第1電極40のそれぞれの外縁が、下地絶縁層70に覆われている。そして、下地絶縁層70の上面及び側面が、さらに反射層60で覆われている。これにより、半導体発光素子110においては、基板裏面5bからのみ、光が出射される。これにより、高い光取り出し効率が得られる。
【0047】
なお、p側導電層52は、第1半導体層10と第2半導体層20との間を流れる電流を、p側電極51の面積よりも広げる機能を有する。これにより、積層体15の広い領域に電流を流すことができ、発光効率が向上できる。p側導電層52は、発光部30から放出される発光光に対して反射性または透過性を有することができる。
【0048】
p側導電層52として、光反射性の導電層を用いたとき、例えば、p側導電層52の反射率は、p側電極51の反射率よりも高い。このときは、発光光の一部は、p側導電層52で反射し、基板裏面5bに向けて進行する。これにより、高い光取り出し効率が得られる。
【0049】
また、p側導電層52として、光透過性の導電層を用いたとき、例えば、p側導電層52の透過率は、p側電極51の透過率よりも高い。また、p側導電層52の透過率は、例えば、反射層60の透過率よりも高い。このときは、発光光の一部は、p側導電層52を通過し、反射層60で反射し、基板裏面5bに向けて進行する。これにより、高い光取り出し効率が得られる。
【0050】
第1半導体層10の厚さは、例えば、1μm以上10μm以下である。本具体例では、第1半導体層10の厚さは、約5μmである。発光部30の厚さは、例えば、5ナノメートル(nm)以上100nm以下である。本具体例では、発光部30の厚さは、約10nmである。第2半導体層20の厚さは、例えば、5nm以上300nm以下である。本具体例では、第2半導体層20の厚さは、約100nmである。
【0051】
なお、図1に例示したように、本具体例では、第1半導体層10の外縁部分の厚さは、中心部分(例えば第2部分12)の厚さよりも薄い。すなわち、第1半導体層10は、第2部分12と並置された第3部分13をさらに有する。第2部分12は、第1部分11と第3部分13との間の部分を有する。第1部分11のZ軸方向に沿う厚さ、及び、第3部分13のZ軸方向に沿う厚さは、第2部分12のZ軸方向に沿う厚さよりも薄い。後述するように、第3部分13は必要に応じて設けられ、省略しても良い。
【0052】
図3は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式図である。 すなわち、同図は、発光部30の構成の例を示している。
図3に表したように、発光部30は、複数の井戸層32と、複数の井戸層32どうしの間に設けられた障壁層31と、を含む。すなわち、複数の井戸層32と、複数の障壁層31と、がZ軸に沿って交互に積層される。
【0053】
井戸層32は、複数の障壁層31のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する。例えば、井戸層32において、正孔および電子が再結合する。これにより、発光部30から光が放出される。
【0054】
井戸層32は、例えば、Inx1Ga1−x1N(0<x1<1)を含む。障壁層31は、例えば、GaNを含む。すなわち、障壁層31はInを実質的に含まない。また、障壁層31がInを含む場合は、障壁層31におけるIn組成比は、井戸層32におけるIn組成比よりも低い。
【0055】
発光部30は、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構成を有することができる。このとき、発光部30は、3つ以上の障壁層31と、障壁層31どうしのそれぞれの間に設けられた井戸層32と、を含む。
【0056】
発光部30は、例えば、(n+1)個の障壁層31と、n個の井戸層32と、を含む(nは、2以上の整数)。第1障壁層BL1から第(n+1)障壁層BL(n+1)までが、この順で、第1半導体層10から第2半導体層20に向けて並ぶ。第i井戸層WLi(iは、1以上n以下の整数)は、第i障壁層BLiと第(i+1)障壁層BL(i+1)との間に設けられる。
【0057】
発光部30から放出される光(発光光)のピーク波長は、例えば350nm以上700nm以下である。
【0058】
また、発光部30は、単一量子井戸(SQW:Single Quantum Well)構成を有することができる。このとき、発光部30は、2つの障壁層31と、障壁層31どうしの間に設けられた井戸層32と、を含む。
なお、実施形態において、発光部30の構成は任意である。
【0059】
図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、反射層60の構成の2つの例を示している。
【0060】
図4(a)に表したように、反射層60として、多層誘電膜61(例えばDBR:Distributed Bragg Reflector)を用いることができる。すなわち、反射層60は、交互に積層され、互いに屈折率が異なる複数の第1誘電体層61aと複数の第2誘電体層61bと、を含むことができる。第1誘電体層61aの屈折率をn1とし、発光部30から放出される発光光の波長(例えばピーク波長)をλとしたとき、例えば、第1誘電体層61aの厚さt61aは、実質的にλ/(4n1)に設定される。また、第2誘電体層61bの屈折率をn2としたとき、例えば、第2誘電体層61bの厚さt61bは、実質的にλ/(4n2)に設定される。これにより、発光光を効率良く反射することができる。これにより、発光光が、第1面15aから外部に効率良く出射できる。
【0061】
第1誘電体層61aには、例えば酸化シリコンが用いられ、第2誘電体層61bには、例えば窒化シリコンが用いられる。ただし、実施形態はこれに限らず、第1誘電体層61a及び第2誘電体層61bには、任意の絶縁性の材料を用いることができる。
【0062】
第1誘電体層61a及び第2誘電体層61bのそれぞれの数は、2以上であり、その数は任意である。第1誘電体層61a及び第2誘電体層61bの形成には、例えば、スパッタ、または、CVD(Chemical Vapor Deposition)などが用いられる。
【0063】
また、図4(b)に表したように、反射層60として、反射絶縁膜62を用いることができる。例えば、反射層60(反射絶縁膜62)は、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニア(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、チタン酸カルシウム(CaTiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)、硫化亜鉛(ZnS)及び炭酸カルシウム(CaCO3)よりなる群から選択された少なくともいずれかを含むことができる。これらの材料は、発光光を反射させ、かつ、電気的に絶縁性である。反射層60には、実質的に白色である材料を用いることができる。反射層60には、発光光に対して高い反射率を有する任意の絶縁材料(例えば、金属酸化物、及び、金属を含む化合物など)を用いることができ、必ずしも白色でなくても良い。
【0064】
反射絶縁膜62の形成には、例えば、スパッタ、蒸着、または、CVDなどが用いられる。
【0065】
ただし、実施形態において、反射層60(第1誘電体層61a及び第2誘電体層61b、または、反射絶縁膜62)の形成方法は、任意である。
【0066】
反射層60の厚さは、例えば10nm以上10000nm以下とされる。反射層60の厚さは、光学特性(例えば反射率)と、電気的特性(例えば絶縁性)と、生産性と、の観点で、適切に設定される。
【0067】
反射層60として、TiO2膜の反射絶縁膜62を用いる場合は、反射層60の厚さは、例えば、約1000nmに設定される。
【0068】
下地絶縁層70は、珪素酸化物及び珪素窒化物の少なくともいずれかを含むことができる。例えば、下地絶縁層70には、例えば、SiO2、SiN、リン・シリケート・ガラス(PSG)、及び、ボロン・リン・シリケート・ガラス(BPSG)などの無機材料を用いることができる。下地絶縁層70は、例えば、CVDにより形成される。この場合の下地絶縁層70の厚さは、例えば、10nm以上10000nm以下とされる。具体的には、下地絶縁層70の厚さは、約400nmである。下地絶縁層70の形成には、CVDの他に、蒸着またはスパッタなどを用いても良い。
【0069】
さらに、下地絶縁層70として、有機SOG(Spin on Glass)または無機SOG等のガラス材料を用いても良い。有機SOG膜として、例えば、メチルシルセスキオキサン膜を用いることができる。無機SOG膜として、水素化シルセスキオキサン膜を用いることができる。無機SOG膜として、例えば、シラノールのアルコール溶液を塗布し、熱処理した膜を用いることができる。
【0070】
また、下地絶縁層70として、低誘電率層間絶縁膜(Low−k膜)などを用いることもできる。さらに、下地絶縁層70として、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、及び、シリコーン系材料等の樹脂系材料を用いても良い。この場合、下地絶縁層70の厚さは、例えば、1000nm以上20000nm以下に設定される。
【0071】
下地絶縁層70の発光光に対する反射率は、反射層60の発光光に対する反射率よりも低く、下地絶縁層70には、例えば、透光性の材料を用いることができる。
【0072】
p側導電層52には、任意の導電材料を用いることができる。p側導電層52は、第2半導体層20に対するコンタクト電極として機能することができる。
【0073】
p側導電層52として、例えば、Ni、Au、Ag、Al及びPdの少なくともいずれかを含む膜を用いることができる。p側導電層52として、Ni膜、Au膜、Ag膜、Al膜及びPd膜から選択された少なくとも2つ以上を含む積層膜を用いることができる。
【0074】
特に、p側導電層52として、Ag膜、Al膜及びPd膜のいずれか、または、Ag膜、Al膜及びPd膜の少なくとも2つ以上を含む積層膜のいずれかを用いることができる。これにより、特に、短波長の光(紫外光〜青色光)に対する高い反射率が得られる。これにより、高い光取りだし効率が得られる。
【0075】
また、p側導電層52として、透光性の金属酸化物を用いることができる。例えば、p側導電層52として、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2、In2O3及びZnOの少なくともいずれかを用いることができる。
【0076】
p側導電層52の形成には、例えば、スパッタ及び蒸着などを用いることができる。p側導電層52が単層である場合、p側導電層52の厚さは、例えば、0.2μmである。
【0077】
p側電極51及び第1電極40には、例えば、Ni膜とAu膜との積層膜を用いることができる。このとき、Ni膜の厚さは、例えば約100nmであり、Au膜の厚さは、例えば約100nmである。または、p側電極51及び第1電極40には、例えば、Ti膜とNi膜とAu膜との積層膜を用いることができる。このとき、Ti膜の厚さは、例えば50nmであり、Ni膜の厚さは、例えば約100nmであり、Au膜の厚さは、例えば約100nmである。
【0078】
p側電極51の材料、厚さ及び構成は、第1電極40の材料、厚さ及び構成と同じであることが好ましい。p側電極51及び第1電極40の形成には、例えば、スパッタ及び蒸着を用いることができる。
【0079】
半導体発光素子110の製造方法の例について簡単に説明する。
例えば、基板5の上に、第1半導体層10、発光部30及び第2半導体層20の積層結晶膜が順次エピタキシャル成長される。積層結晶膜は、積層体15となる。
【0080】
基板5には、例えば、サファイア(Al2O3)、炭化硅素(SiC)、スピネル(MgAl2O4)及びシリコン(Si)などを用いることができる。なお、基板5には、例えば、積層体15と実質的に同じ材料を用いても良い。基板5には、例えば、格子定数および熱膨張係数が積層体15のそれらと近い材料を用いることが好ましい。ただし、実施形態において、基板5には、任意の材料を用いることができる。基板5の厚さは、例えば30μm以上5000μm以下である。
【0081】
基板5上への積層結晶膜のエピタキシャル成長には、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)、ハイドライド気相成長法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)、及び、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)などを用いることができる。なお、必要に応じて、基板5の上にバッファ層(図示しない)を形成し、このバッファ層の上に積層結晶膜をエピタキシャル成長させても良い。
【0082】
さらに、積層結晶膜の成長の後に、積層結晶膜の一部が、除去される。これにより、複数の積層体15が形成される。さらに、第2半導体層20の上に第2電極50(p側導電層52及びp側電極51)を形成し、第1半導体層10の上に第1電極40を形成する。
【0083】
さらに、積層体15の側面(外縁側面15r及び境界側面15t)上に下地絶縁層70を形成する。下地絶縁層70には、第1電極40の一部を露出する開口部、及び、第2電極50の一部を露出する開口部が設けられる。
【0084】
この後、第1半導体層10を分断して、複数の積層体15を得る。さらに、基板5を分断する。さらに、基板5の側面5s、及び、下地絶縁層70の上に反射層60を形成する。反射層60は、基板5の側面5sを覆うと共に、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)を覆う。
【0085】
図5は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図5に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110aは、波長変換層90をさらに含む。これ以外は、半導体発光素子110と同様なので説明を省略する。
【0086】
波長変換層90と積層体15との間に基板5が配置される。波長変換層90は、発光光の一部を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する。例えば、波長変換層90には、例えば、蛍光体層を用いることができる。蛍光体層には、蛍光体が含まれる。例えば、蛍光体層は、蛍光体と、蛍光体が分散される透光材と、を含む。透光材には、例えば、樹脂、ガラス及びその他の任意の材料を用いることができる。蛍光体層には、異なる波長の光を放出する複数の蛍光体が含まれても良い。波長変換層90として、互いに異なる波長の光を放出する複数の蛍光体層の積層膜を用いても良い。例えば、発光部30から放出される光が、紫外線、紫光または青光であり、波長変換層90から放出される光は、黄光または赤光である。波長変換層90から放出される光(変換光)と、発光光と、の合成光は、例えば実質的に白色光である。
【0087】
この例では、波長変換層90は、基板裏面5bの全体を覆っている。実施形態はこれに限らず、基板裏面5bの一部は、波長変換層90で覆われていなくても良い。
【0088】
この例では、波長変換層90のX−Y平面に対して平行なサイズ(幅)は、基板5のX−Y平面に対して平行なサイズ(幅)よりも大きい。波長変換層90は、基板5の外側の部分(周縁部分)を有する。反射層60は、波長変換層90の周縁部分上(波長変換層90の周縁部分の基板5の側の面)にさらに設けられても良い。実施形態は、これに限らず、反射層60は、波長変換層90と接していなくても良い。さらに、実施形態において、波長変換層90のサイズは、基板5のサイズ以下でも良い。
【0089】
図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の動作を例示する模式的断面図である。
図6(a)に表したように、半導体発光素子110aは、実装部品95の上に実装される。すなわち、発光装置510は、半導体発光素子110aと実装部品95とを含む。実装部品95は、基体96と、n側配線46eと、p側配線56eと、絶縁層97と、を含む。基体96の上にn側配線46e及びp側配線56eが設けられる。絶縁層97は、n側配線46eの一部を露出させ、n側配線46eの上に設けられる。絶縁層97は、p側配線56eの一部を露出させ、p側配線56eの上に設けられる。n側配線46eのうちの絶縁層97から露出した部分は、半導体発光素子110aの第1電極40と対向する。p側配線56eのうちの絶縁層97から露出した部分は、第2電極50と対向する。n側配線46eと第1電極40との間に、n側接続部材47bが設けられる。p側配線56eと第2電極50との間に、p側接続部材57bが設けられる。
【0090】
図6(b)に表したように、積層体15の発光部30(この図では、図示しない)から放出された発光光L1は、基板5の基板裏面5bから出射する。発光光L1の一部は、波長が変換されて変換光L2となる。
【0091】
このとき、発光光L1と変換光L2との比率は、Z軸上と、Z軸から傾いた方向と、で実質的に同じである。すなわち、本実施形態に係る半導体発光素子110a及び発光装置510においては、出射角度にかかわらず、均一な色の光が得られる。
【0092】
なお、この例では、半導体発光素子110aにおいて、波長変換層90が設けられているが、実施形態はこれに限らない。半導体発光素子110を実装部品95上に実装した後に、波長変換層90を半導体発光素子110の第1面15aの少なくとも一部の上に形成しても良い。
【0093】
図7(a)〜図7(c)は、参考例の半導体発光素子の構成を示す模式的断面図である。
図7(a)に表したように、第1参考例の半導体発光素子119aにおいては、反射層60は、積層体15の側面15sを覆うが、基板5の側面5sは覆っていない。
【0094】
図7(b)に表したように、第2参考例の半導体発光素子119bにおいては、p側導電層52とp側電極51との間に反射膜53が設けられている。反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の外縁側面15rを覆っているが、境界側面15tを覆っていない。
【0095】
図7(c)に表したように、第3参考例の半導体発光素子119cにおいては、p側導電層52とp側電極51との間に反射膜53が設けられている。この例では、反射層60は、絶縁層71と積層体15との間に設けられている。反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の外縁側面15rと、を覆っているが、境界側面15tを覆っていない。
【0096】
このように、第1〜第3参考例の半導体発光素子119a〜119cにおいては、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、の両方を覆っていない。このため、発光部30から放出された発光光は、基板5の側面5s及び境界側面15tなどから外部に出射する。この外部に出射した光は、半導体発光素子の周囲に配置される実装部品などで吸収され、損失される。従って、これらの参考例においては、効率が低い。
【0097】
さらに、これらの参考例の半導体発光素子の周囲に蛍光体層を設けた場合、発光光は、基板裏面5bから出射すると共に、基板5の側面5sや積層体15の境界側面15tからも出射する。このとき、これらの参考例においては、Z軸に沿う方向と、Z軸に対して傾斜した方向と、で、発光光L1と変換光L2との比率が異なる。すなわち、Z軸に対して傾斜した方向における、蛍光体樹脂中を伝搬する発光光L1の光路長は、Z軸に沿う方向における、蛍光体樹脂中を伝搬する発光光L1の光路長よりも長い。このため、Z軸に対して傾斜した方向における変換光L2の比率は、Z軸に沿う方向における変換光L2の比率よりも高い。このため、Z軸に沿う方向と、Z軸に対して傾斜した方向と、で、出射光(発光光L1と変換光L2と合成光)の波長特性が異なる。
【0098】
例えば、発光光L1は青色であり、変換光L2は、黄色である。第1参考例においては、正面方向(Z軸に対して平行方向)と比べて、斜め方向に出射する光は、黄色の強度が高くなる。例えば、正面方向で白色光が得られる場合は、斜め方向では黄色を帯びた色となる。このため、全方向で同じ色の光が得られない。すなわち、参考例の半導体発光素子及びそれを用いた発光装置においては、角度によって出射光の色が変化する。すなわち、出射する光の色のむらが大きい。
【0099】
これに対して、本実施形態に係る半導体発光素子110a及び発光装置510においては、実質的に基板裏面5bからだけ、光が出射するので、発光光L1と変換光L2との比率は、Z軸上と、Z軸から傾いた方向と、で実質的に同じである。これにより、出射角度にかかわらず、均一な色の光が得られる。
【0100】
すなわち、実施形態においては、基板裏面5bを除く面からは実質的に光が出射しないため、光の損失が抑制される。これにより、高い光取り出し効率が得られる。さらに、均一な色の光が得られる。
【0101】
図8は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図8に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110bにおいては、積層体15の側面15sがZ軸に対して傾斜している。すなわち、積層体15の側面15sは、テーパ面である。外縁側面15r及び境界側面15tは、例えばX軸方向(第1方向に対して垂直な第2方向)に沿った第2半導体層20の幅が、X軸方向に沿った発光部30の幅よりも短くなるように、Z軸方向に対して傾斜している。すなわち、積層体15の側面15sは、順テーパの形状の部分を有する。
【0102】
積層体15の側面15sを傾斜(順テーパで傾斜)させることで、下地絶縁層70及び反射層60の側面15s上での被覆性が向上する。これにより、下地絶縁層70の保護特性が向上し易くなり、また、反射層60の反射特性が向上し易くなる。
【0103】
積層体15の側面15sのテーパ角θ(側面15sと第1面15aとの間の角度)は、例えば45度以上90度未満である。
【0104】
この例では、積層体15の外側側面15rがZ軸方向に対して傾斜しているが、積層体15の境界側面15tが、Z軸方向に対して傾斜しても良い。例えば、境界側面15sの全部または一部が、順テーパの傾斜面を有していても良い。さらに、基板5の側面5sがZ軸方向に対して傾斜しても良い。例えば、基板5の側面5sの全部または一部が、順テーパの傾斜面を有していても良い。
【0105】
図9は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図9に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110cは、光透過層91をさらに含む。光透過層91と積層体15との間に基板5が配置されている。すなわち、光透過層91は、基板裏面5bの上に設けられる。光透過層91は、発光光に対して透過性である。
【0106】
光透過層91は、例えば、基板5の基板裏面5bを保護する。また、光透過層91として、基板5の屈折率よりも低い屈折率を有する材料を用いることができる。これにより、発光部30から放出される光を効率よく、基板裏面5bから出射させることができる。これにより、さらに高効率の半導体発光素子を提供することができる。
【0107】
図10は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図10に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光素子111においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面、及び、基板5の側面5sの全体を覆っている。これにより、さらに安定した特性が得られる。
【0108】
図11は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図11に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子112においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面を覆っている。
【0109】
図12は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図12に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子113においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面と、基板5の主面5aと、を覆っている。
【0110】
図13(a)及び図13(b)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図13(a)及び図13(b)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光素子114及び115においては、p側導電層52とp側電極51との間に反射膜53が設けられている。半導体発光素子114においては、反射層60と基板5との間に下地絶縁層70が延在していない。半導体発光素子115においては、下地絶縁層70は、反射層60と基板5との間に延在しており、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面、及び、基板5の側面5sの全体を覆っている。これにより、さらに安定した特性が得られる。
【0111】
図14は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図14に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光素子116においては、第3部分13が設けられていない。これ以外は、半導体発光素子110と同様なので説明を省略する。半導体発光素子116においても、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。これにより、高い効率が得られる。第3部分13が設けられない構成においても、図10〜図12、図13(a)及び図13(b)に関して説明したように、下地絶縁層70は種々の構成を有することができる。
【0112】
(第2の実施形態)
図15は、第2の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図15に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子120においては、基板5のサイズが、第1半導体層10のサイズと同じである。これ以外の半導体発光素子120の構成は、半導体発光素子110と同じである。この場合も、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。半導体発光素子120においても、高効率の半導体発光素子が提供できる。
【0113】
図16は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図16に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子121においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面、及び、基板5の側面5sの全体を覆っている。
【0114】
図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図17(a)及び図17(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子122及び123においては、p側導電層52とp側電極51との間に反射膜53が設けられている。半導体発光素子122においては、反射層60と基板5との間に下地絶縁層70が延在していない。半導体発光素子123においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面、及び、基板5の側面5sの全体を覆っている。これにより、さらに安定した特性が得られる。
【0115】
半導体発光素子121〜123においても、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。これらの半導体発光素子においても、高効率の半導体発光素子が提供できる。
【0116】
第2の実施形態においても、下地絶縁層70は、必要に応じて設けられ、場合によっては、省略しても良い。
【0117】
(第3の実施形態)
図18は、第3の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図18に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子130は、被覆層75をさらに含む。被覆層75は反射層60を覆う。半導体発光素子130は、半導体発光素子110において、被覆層75がさらに設けられた素子である。
【0118】
被覆層75は、例えば、反射層60を保護する。被覆層75の光学特性は任意である。例えば、被覆層75は、発光光に対して透過性、反射性、または、吸収性である。被覆層75が透過性である場合、被覆層75には、下地絶縁層70に関して説明した材料を用いることができる。また、被覆層75が反射性である場合は、被覆層75には、反射層60に関して説明した材料を用いることができる。
【0119】
被覆層75は、例えば、有機樹脂を含む。被覆層75には、例えば、ポリイミドなどを用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、被覆層75には無機材料を用いても良い。被覆層75は、例えば絶縁性である。被覆層75を設けることで、例えば信頼性が向上する。
【0120】
図19は、第3の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図19に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子131は、反射層60を覆う被覆層75をさらに含む。すなわち、半導体発光素子131は、半導体発光素子120において、被覆層75がさらに設けられた素子である。
【0121】
半導体発光素子130及び131においても、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。半導体発光素子120においても、高効率の半導体発光素子が提供できる。
【0122】
被覆層75は、第1及び第2の実施形態に関して説明した任意の半導体発光素子及びそれらの変形の半導体発光素子において設けることができる。
【0123】
被覆層75が設けられる場合、下地絶縁層70は必要に応じて設けられ、省略しても良い。本実施形態によれば、効率が高く、さらに信頼性の高い半導体発光素子が提供できる。
【0124】
第2及び第3の実施形態に関して説明した半導体発光素子において、第3部分13は必要に応じて設けられ、省略しても良い。
【0125】
波長変換層90及び光透過層91の少なくともいずれかは、第1〜第3の実施形態に関して説明した任意の半導体発光素子及びそれらの変形の半導体発光素子において設けることができる。
【0126】
実施形態に係る半導体発光素子は、例えば、照明装置や、表示装置などの光源として利用することができる。
実施形態によれば、高効率の半導体発光素子が提供される。
【0127】
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BxInyAlzGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電形などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0128】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0129】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体発光素子に含まれる基板、半導体層、発光部、積層体、電極、下地絶縁層、反射層、被覆層、波長変換層及び光透過層などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0130】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0131】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体発光素子を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体発光素子も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0132】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0133】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
5…基板、 5a…主面、 5b…基板裏面、 5s…側面、 10…第1半導体層、 11…第1部分、 12…第2部分、 13…第3部分、 15…積層体、 15a…第1面、 15b…第2面、 15r…外縁側面、 15s…側面、 15t…境界側面、 20…第2半導体層、 30…発光部、 31…障壁層、 32…井戸層、 40…第1電極、 46e…n側配線、 47b…n側接続部材、 50…第2電極、 51、51a、51b、51c…p側電極、 52…p側導電層、 53…反射膜、 56e…p側配線、 57b…p側接続部材、 60…反射層、 61…多層誘電膜、 61a…第1誘電体層、 61b…第2誘電体層、 62…反射絶縁膜、 70…下地絶縁層、 71…絶縁層、 75…被覆層、 90…波長変換層、 91…光透過層、 95…実装部品、 96…基体、 97…絶縁層、 θ…テーパ角、 110、110a〜110c、111〜116、119a〜119c、120〜123、130、131…半導体発光素子、 510…発光装置、 BL、BLi…障壁層、 L1…発光光、 L2…変換光、 WL、WLi…井戸層、 d1、d2…距離、 d3…長さ、 d4〜d6…径、 l1…距離、 l2、l3…長さ、 t61a、t61b…長さ
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、窒化物半導体を用いたLED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子が開発されている。また、例えば、青色の光を放出するLEDと、青色光を吸収して黄色系の光を放出する蛍光体と、を組み合わせることで、白色の光を放出する半導体発光素子も開発されている。
【0003】
このような半導体発光素子において、発光効率を高め、発光層から放出される光の取り出し効率を高めることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/050748A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、高効率の半導体発光素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、基板と、積層体と、第1電極と、第2電極と、反射層と、を含む半導体発光素子が提供される。前記基板は、主面を有する。前記積層体は、第1半導体層と、発光部と、第2半導体層と、を含む。前記第1半導体層は、前記主面上に設けられ、第1部分と前記第1部分と並置された第2部分とを有し、第1導電形である。前記発光部は、前記第2部分上に設けられる。前記第2半導体層は、前記発光部上に設けられ第2導電形である。前記第1電極は、前記第1半導体層の前記第1部分上に設けられる。前記第2電極は、前記第2半導体層上に設けられる。前記反射層は、前記基板の側面と前記積層体の側面とを覆い、前記発光部から放出される発光光に対して反射性である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式図である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式的断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の動作を例示する模式的断面図である。
【図7】図7(a)〜図7(c)は、参考例の半導体発光素子の構成を示す模式的断面図である。
【図8】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図11】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図12】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図13】図13(a)及び図13(b)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図14】第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図16】第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図17】図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図18】第3の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【図19】第3の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。 図2は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的平面図である。 図1は、図2のA1−A2線断面図である。
【0010】
図1及び図2に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110は、基板5と、積層体15と、第1電極40と、第2電極50と、反射層60と、を含む。
基板5は、主面5aを有する。基板5は、さらに基板裏面5bを有する。基板裏面5bは、主面5aとは反対側の面である。
【0011】
積層体15は、第1半導体層10と、発光部30と、第2半導体層20と、を含む。第1半導体層10は、主面5a上に設けられる。第1半導体層10は、第1部分11と、第2部分12と、を有する。第2部分12は、主面5aに並行な平面内において第1部分11と並置される。第1半導体層10は、第1導電形である。
【0012】
発光部30は、第1半導体層10の第2部分12上に設けられる。第2半導体層20は、発光部30上に設けられる。すなわち、発光部30は、第2部分12と第2半導体層20との間に設けられる。第2半導体層20は、第2導電形である。
【0013】
第1電極40は、第1半導体層10の第1部分11上に設けられる。第2電極50は、第2半導体層20上に設けられる。
【0014】
積層体15は、第1面15aと、第2面15bと、を有する。第2面15bは、第1面15aとは反対側の面である。第1面15aは、積層体15の第1半導体層10の側の面である。第2面15bは、積層体15の第2半導体層20の側の面である。
【0015】
ここで、第1半導体層10から第2半導体層20に向かう方向をZ軸方向(第1方向)とする。Z軸に対して垂直な1つの軸をX軸(第2軸)とする。Z軸とX軸とに対して垂直な軸をY軸(第3軸)とする。Z軸(第1軸)は、第1面15aに対して垂直であり、第2面15bに対して垂直である。
【0016】
第2導電形は、第1導電形とは異なる導電形である。例えば、第1導電形はn形であり、第2導電形はp形である。実施形態はこれに限らず、第1導電形がp形であり、第2導電形がn形でも良い。以下では、第1導電形がn形であり、第2導電形がp形である場合として説明する。
【0017】
第1半導体層10、第2半導体層20及び発光部30は、例えば、窒化物半導体を含む。第1半導体層10は、例えばn形クラッド層を含む。第2半導体層20は、例えば、p形クラッド層を含む。発光部30の例については後述する。
【0018】
例えば、第1半導体層10は、基板5の主面5a上に結晶成長される。発光部30は、第1半導体層10上に結晶成長される。第2半導体層20は、発光部30の上に結晶成長される。
【0019】
すなわち、基板5上に、第1半導体層10、発光部30及び第2半導体層20がこの順で結晶成長され、積層体15となる積層結晶膜が形成される。そして、この積層結晶膜の一部が、第2面15bの側から、第1半導体層10に到達するまで除去される。これにより、第1半導体層10の一部(第1部分11)が露出する。そして、第2部分12上の発光部30及び第2半導体層20が残る。これにより、積層体15が形成される。第2部分12は、第1部分11とX−Y平面内で並置されている。
【0020】
第1電極40は、第1半導体層10の第1部分11の第2面15bの側の面上に設けられる。すなわち、上記の露出したその一部(第1半導体層10の一部)の上に第1電極40が設けられる。
【0021】
第2電極50は、第2半導体層20の第2面15bの側の面上に設けられる。この例では、第2電極50は、p側電極51と、p側導電層52と、を有する。p側導電層52は、第2半導体層20の第2面15bの側の面上に設けられている。p側電極51と第2半導体層20との間に、p側導電層52の一部が設けられている。
【0022】
だたし、実施形態はこれに限らず、第2電極50には、p側導電層52が設けられていなくても良い。この場合には、p側電極51が、第2半導体層20に接触する。
【0023】
反射層60は、積層体15の側面15sを覆う。
積層体15の側面15sは、外縁側面15r及び境界側面15tを含む。外縁側面15rは、積層体15をZ軸方向に見たときの積層体15の外縁の側面である。境界側面15tは、積層体15のうちの、第1部分11と第2部分12との間に位置する側面である。
【0024】
本実施形態に係る半導体発光素子110においては、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。反射層60は、発光部30から放出される発光光に対して反射性である。反射層60は、例えば電気的に絶縁性である。
【0025】
実施形態においては、発光部30から放出される発光光が、効率良く反射層60で反射し、基板裏面5bから外部に効率良く出射する。すなわち、光取り出し効率が向上できる。これにより、高い効率が得られる。
【0026】
この例では、半導体発光素子110は、下地絶縁層70をさらに含む。下地絶縁層70の少なくとも一部は、積層体15の側面15sと、反射層60と、の間に設けられる。下地絶縁層70は、基板5の側面5sと、反射層60と、の間にさらに設けられても良い。例えば、下地絶縁層70は、発光光に対して透過性である。例えば、下地絶縁層70の発光光に対する反射率は、反射層60の発光光に対する反射率よりも低い。下地絶縁層70は、絶縁性である。下地絶縁層70は、必要に応じて設けられ、場合によっては、省略しても良い。
【0027】
図2に例示したように、半導体発光素子110のX軸に沿った長さl4は、例えば、約623マイクロメートル(μm)である。半導体発光素子110のY軸に沿った長さは、例えば、長さl4と同じである。ただし、実施形態はこれに限らず、半導体発光素子110の寸法は、任意である。
【0028】
半導体発光素子110においては、第2面15bの側に第1電極40及び第2電極50が設けられ、発光光は、第1面15aから出射する。半導体発光素子110は、例えば、フリップチップ型の半導体発光素子である。
【0029】
この例では、第2電極50は、3つのp側電極51(p側電極51a、51b及び51c)と、1つのp側導電層52と、を含む。p側電極51a、51b及び51cは、p側導電層52と電気的に接続されている。
【0030】
この例では、Z軸方向に見たときの、積層体15の外縁は、長方形(例えば正方形)である。積層体15の側面15sのうちの外縁側面15rは、この長方形の外縁の側面である。積層体15の側面15sのうちの境界側面15tは、例えば、Z軸方向に見たときに、第1電極40と第2電極50との間に位置する側面である。
【0031】
反射層60は、外縁側面15rの少なくとも一部と、境界側面15tの少なくとも一部と、を覆っている。
【0032】
下地絶縁層70は、外縁側面15rの上記の少なくとも一部と、反射層60との間に設けられている。さらに、下地絶縁層70は、境界側面15tの上記の少なくとも一部と、反射層60と、の間に設けられている。
【0033】
この例では、下地絶縁層70は、境界側面15tの全てを覆っている。これにより、積層体15のうちで、電流密度が特に高い第1電極40と第2電極50との間の部分の絶縁性が向上し、例えば信頼性が特に向上できる。
【0034】
この例では、基板5のX軸に沿った長さl3は、例えば約620μmである。基板5のY軸に沿った長さは、例えば長さl3と同じである。
【0035】
この例では、積層体15のX軸に沿った長さl2は、例えば約580μmである。積層体15のY軸に沿った長さは、例えば長さl2と同じである。この例では、基板5のサイズは、積層体15のサイズとは異なっている。ただし、後述するように、基板5のサイズは、積層体15のサイズと同じでも良い。
【0036】
第1電極40のX軸に沿った中心と、p側電極51aのX軸に沿った中心と、の間の距離l1は、例えば、約380μmである。第1電極40のY軸に沿った中心と、p側電極51cのY軸に沿った中心と、の間の距離は、例えば、距離l1と同じである。
【0037】
この例では、Z軸方向に見たときに、第1部分11は、積層体15の1つのコーナーに設けられている。このコーナーに繋がる辺において、第2半導体層20の外縁と、第1半導体層10の外縁と、の距離d1は、例えば、約25μmである。第1電極40のY軸に沿った中心と、第1半導体層10のY軸方向に沿った外縁と、の距離d2は、例えば、約100μmである。第1部分11のY軸方向に沿った長さd3は、例えば、約200μmである。第1部分11のX軸方向に沿った長さは、例えば、長さd3と同じである。
【0038】
この例では、Z軸方向に見たときの、p側電極51の形状は円形である。Z軸方向に見たときのp側電極51の径d4(X軸方向に沿った長さ及びY軸方向に沿った長さ)は、例えば、100μmである。また、p側電極51の上に設けられている下地絶縁層70の開口部の、Z軸方向に見たときの径d5(X軸方向に沿った長さ及びY軸方向に沿った長さ)は、例えば、90μmである。また、p側電極51の上に設けられている反射層60の開口部の、Z軸方向に見たときの径d6(X軸方向に沿った長さ及びY軸方向に沿った長さ)は、例えば、80μmである。
【0039】
なお、実施形態において、p側電極51のZ軸方向に見たときの形状、p側電極51上の下地絶縁層70の開口部のZ軸方向に見たときの形状、及び、p側電極51上の反射層60の開口部のZ軸方向に見たときの形状は、任意である。
【0040】
また、Z軸方向に見たときの、第1電極40の形状は円形である。Z軸方向に見たときの第1電極40の径は、径d4と同じである。また、第1電極40の上に設けられている下地絶縁層70の開口部の、Z軸方向に見たときの径は、径d5と同じである。また、第1電極40の上に設けられている反射層60の開口部の、Z軸方向に見たときの径は、径d6と同じである。
【0041】
なお、実施形態において、第1電極40のZ軸方向に見たときの形状、第1電極40上の下地絶縁層70の開口部のZ軸方向に見たときの形状、及び、第1電極40上の反射層60の開口部のZ軸方向に見たときの形状は、任意である。
【0042】
下地絶縁層70は、第1電極40の一部と、第2電極50の一部と、を覆う。
【0043】
本具体例では、反射層60は、第1電極40の縁部及び側面を覆い、第2電極50の縁部及び側面を覆う。
【0044】
本実施形態に係る半導体発光素子110においては、発光部30から放出された発光光の一部は、基板裏面5bから外部に出射する。そして、発光光の別の一部は、例えば、第1電極40及び第2電極50で反射し、進行方向を変え、基板裏面5bから出射する。さらに、発光光の別の一部は、基板5の側面5s及び積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)に設けられた反射層60で反射し、進行方向を変え、基板裏面5bから出射する。
【0045】
すなわち、半導体発光素子110においては、発光部30から放出される発光光は、基板裏面5bから出射する。これより、他の面からの出射が抑制され、光の取り出し効率が高い。これにより、高い効率が得られる。すなわち、発光光は、基板5の側面5s、または、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)から外部に実質的に出射しない。
【0046】
例えば、反射層60は、基板5の側面5sの全体を覆っている。反射層60は、電気的接続のための第1電極40上の開口部及び電気的接続のための第2電極50上の開口部を除いて、積層体15の全体を覆っている。具体的には、第2電極50のp側電極51、及び、第1電極40のそれぞれの外縁が、下地絶縁層70に覆われている。そして、下地絶縁層70の上面及び側面が、さらに反射層60で覆われている。これにより、半導体発光素子110においては、基板裏面5bからのみ、光が出射される。これにより、高い光取り出し効率が得られる。
【0047】
なお、p側導電層52は、第1半導体層10と第2半導体層20との間を流れる電流を、p側電極51の面積よりも広げる機能を有する。これにより、積層体15の広い領域に電流を流すことができ、発光効率が向上できる。p側導電層52は、発光部30から放出される発光光に対して反射性または透過性を有することができる。
【0048】
p側導電層52として、光反射性の導電層を用いたとき、例えば、p側導電層52の反射率は、p側電極51の反射率よりも高い。このときは、発光光の一部は、p側導電層52で反射し、基板裏面5bに向けて進行する。これにより、高い光取り出し効率が得られる。
【0049】
また、p側導電層52として、光透過性の導電層を用いたとき、例えば、p側導電層52の透過率は、p側電極51の透過率よりも高い。また、p側導電層52の透過率は、例えば、反射層60の透過率よりも高い。このときは、発光光の一部は、p側導電層52を通過し、反射層60で反射し、基板裏面5bに向けて進行する。これにより、高い光取り出し効率が得られる。
【0050】
第1半導体層10の厚さは、例えば、1μm以上10μm以下である。本具体例では、第1半導体層10の厚さは、約5μmである。発光部30の厚さは、例えば、5ナノメートル(nm)以上100nm以下である。本具体例では、発光部30の厚さは、約10nmである。第2半導体層20の厚さは、例えば、5nm以上300nm以下である。本具体例では、第2半導体層20の厚さは、約100nmである。
【0051】
なお、図1に例示したように、本具体例では、第1半導体層10の外縁部分の厚さは、中心部分(例えば第2部分12)の厚さよりも薄い。すなわち、第1半導体層10は、第2部分12と並置された第3部分13をさらに有する。第2部分12は、第1部分11と第3部分13との間の部分を有する。第1部分11のZ軸方向に沿う厚さ、及び、第3部分13のZ軸方向に沿う厚さは、第2部分12のZ軸方向に沿う厚さよりも薄い。後述するように、第3部分13は必要に応じて設けられ、省略しても良い。
【0052】
図3は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式図である。 すなわち、同図は、発光部30の構成の例を示している。
図3に表したように、発光部30は、複数の井戸層32と、複数の井戸層32どうしの間に設けられた障壁層31と、を含む。すなわち、複数の井戸層32と、複数の障壁層31と、がZ軸に沿って交互に積層される。
【0053】
井戸層32は、複数の障壁層31のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有する。例えば、井戸層32において、正孔および電子が再結合する。これにより、発光部30から光が放出される。
【0054】
井戸層32は、例えば、Inx1Ga1−x1N(0<x1<1)を含む。障壁層31は、例えば、GaNを含む。すなわち、障壁層31はInを実質的に含まない。また、障壁層31がInを含む場合は、障壁層31におけるIn組成比は、井戸層32におけるIn組成比よりも低い。
【0055】
発光部30は、多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構成を有することができる。このとき、発光部30は、3つ以上の障壁層31と、障壁層31どうしのそれぞれの間に設けられた井戸層32と、を含む。
【0056】
発光部30は、例えば、(n+1)個の障壁層31と、n個の井戸層32と、を含む(nは、2以上の整数)。第1障壁層BL1から第(n+1)障壁層BL(n+1)までが、この順で、第1半導体層10から第2半導体層20に向けて並ぶ。第i井戸層WLi(iは、1以上n以下の整数)は、第i障壁層BLiと第(i+1)障壁層BL(i+1)との間に設けられる。
【0057】
発光部30から放出される光(発光光)のピーク波長は、例えば350nm以上700nm以下である。
【0058】
また、発光部30は、単一量子井戸(SQW:Single Quantum Well)構成を有することができる。このとき、発光部30は、2つの障壁層31と、障壁層31どうしの間に設けられた井戸層32と、を含む。
なお、実施形態において、発光部30の構成は任意である。
【0059】
図4(a)及び図4(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の一部の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、これらの図は、反射層60の構成の2つの例を示している。
【0060】
図4(a)に表したように、反射層60として、多層誘電膜61(例えばDBR:Distributed Bragg Reflector)を用いることができる。すなわち、反射層60は、交互に積層され、互いに屈折率が異なる複数の第1誘電体層61aと複数の第2誘電体層61bと、を含むことができる。第1誘電体層61aの屈折率をn1とし、発光部30から放出される発光光の波長(例えばピーク波長)をλとしたとき、例えば、第1誘電体層61aの厚さt61aは、実質的にλ/(4n1)に設定される。また、第2誘電体層61bの屈折率をn2としたとき、例えば、第2誘電体層61bの厚さt61bは、実質的にλ/(4n2)に設定される。これにより、発光光を効率良く反射することができる。これにより、発光光が、第1面15aから外部に効率良く出射できる。
【0061】
第1誘電体層61aには、例えば酸化シリコンが用いられ、第2誘電体層61bには、例えば窒化シリコンが用いられる。ただし、実施形態はこれに限らず、第1誘電体層61a及び第2誘電体層61bには、任意の絶縁性の材料を用いることができる。
【0062】
第1誘電体層61a及び第2誘電体層61bのそれぞれの数は、2以上であり、その数は任意である。第1誘電体層61a及び第2誘電体層61bの形成には、例えば、スパッタ、または、CVD(Chemical Vapor Deposition)などが用いられる。
【0063】
また、図4(b)に表したように、反射層60として、反射絶縁膜62を用いることができる。例えば、反射層60(反射絶縁膜62)は、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニア(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、チタン酸カルシウム(CaTiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)、硫化亜鉛(ZnS)及び炭酸カルシウム(CaCO3)よりなる群から選択された少なくともいずれかを含むことができる。これらの材料は、発光光を反射させ、かつ、電気的に絶縁性である。反射層60には、実質的に白色である材料を用いることができる。反射層60には、発光光に対して高い反射率を有する任意の絶縁材料(例えば、金属酸化物、及び、金属を含む化合物など)を用いることができ、必ずしも白色でなくても良い。
【0064】
反射絶縁膜62の形成には、例えば、スパッタ、蒸着、または、CVDなどが用いられる。
【0065】
ただし、実施形態において、反射層60(第1誘電体層61a及び第2誘電体層61b、または、反射絶縁膜62)の形成方法は、任意である。
【0066】
反射層60の厚さは、例えば10nm以上10000nm以下とされる。反射層60の厚さは、光学特性(例えば反射率)と、電気的特性(例えば絶縁性)と、生産性と、の観点で、適切に設定される。
【0067】
反射層60として、TiO2膜の反射絶縁膜62を用いる場合は、反射層60の厚さは、例えば、約1000nmに設定される。
【0068】
下地絶縁層70は、珪素酸化物及び珪素窒化物の少なくともいずれかを含むことができる。例えば、下地絶縁層70には、例えば、SiO2、SiN、リン・シリケート・ガラス(PSG)、及び、ボロン・リン・シリケート・ガラス(BPSG)などの無機材料を用いることができる。下地絶縁層70は、例えば、CVDにより形成される。この場合の下地絶縁層70の厚さは、例えば、10nm以上10000nm以下とされる。具体的には、下地絶縁層70の厚さは、約400nmである。下地絶縁層70の形成には、CVDの他に、蒸着またはスパッタなどを用いても良い。
【0069】
さらに、下地絶縁層70として、有機SOG(Spin on Glass)または無機SOG等のガラス材料を用いても良い。有機SOG膜として、例えば、メチルシルセスキオキサン膜を用いることができる。無機SOG膜として、水素化シルセスキオキサン膜を用いることができる。無機SOG膜として、例えば、シラノールのアルコール溶液を塗布し、熱処理した膜を用いることができる。
【0070】
また、下地絶縁層70として、低誘電率層間絶縁膜(Low−k膜)などを用いることもできる。さらに、下地絶縁層70として、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、及び、シリコーン系材料等の樹脂系材料を用いても良い。この場合、下地絶縁層70の厚さは、例えば、1000nm以上20000nm以下に設定される。
【0071】
下地絶縁層70の発光光に対する反射率は、反射層60の発光光に対する反射率よりも低く、下地絶縁層70には、例えば、透光性の材料を用いることができる。
【0072】
p側導電層52には、任意の導電材料を用いることができる。p側導電層52は、第2半導体層20に対するコンタクト電極として機能することができる。
【0073】
p側導電層52として、例えば、Ni、Au、Ag、Al及びPdの少なくともいずれかを含む膜を用いることができる。p側導電層52として、Ni膜、Au膜、Ag膜、Al膜及びPd膜から選択された少なくとも2つ以上を含む積層膜を用いることができる。
【0074】
特に、p側導電層52として、Ag膜、Al膜及びPd膜のいずれか、または、Ag膜、Al膜及びPd膜の少なくとも2つ以上を含む積層膜のいずれかを用いることができる。これにより、特に、短波長の光(紫外光〜青色光)に対する高い反射率が得られる。これにより、高い光取りだし効率が得られる。
【0075】
また、p側導電層52として、透光性の金属酸化物を用いることができる。例えば、p側導電層52として、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2、In2O3及びZnOの少なくともいずれかを用いることができる。
【0076】
p側導電層52の形成には、例えば、スパッタ及び蒸着などを用いることができる。p側導電層52が単層である場合、p側導電層52の厚さは、例えば、0.2μmである。
【0077】
p側電極51及び第1電極40には、例えば、Ni膜とAu膜との積層膜を用いることができる。このとき、Ni膜の厚さは、例えば約100nmであり、Au膜の厚さは、例えば約100nmである。または、p側電極51及び第1電極40には、例えば、Ti膜とNi膜とAu膜との積層膜を用いることができる。このとき、Ti膜の厚さは、例えば50nmであり、Ni膜の厚さは、例えば約100nmであり、Au膜の厚さは、例えば約100nmである。
【0078】
p側電極51の材料、厚さ及び構成は、第1電極40の材料、厚さ及び構成と同じであることが好ましい。p側電極51及び第1電極40の形成には、例えば、スパッタ及び蒸着を用いることができる。
【0079】
半導体発光素子110の製造方法の例について簡単に説明する。
例えば、基板5の上に、第1半導体層10、発光部30及び第2半導体層20の積層結晶膜が順次エピタキシャル成長される。積層結晶膜は、積層体15となる。
【0080】
基板5には、例えば、サファイア(Al2O3)、炭化硅素(SiC)、スピネル(MgAl2O4)及びシリコン(Si)などを用いることができる。なお、基板5には、例えば、積層体15と実質的に同じ材料を用いても良い。基板5には、例えば、格子定数および熱膨張係数が積層体15のそれらと近い材料を用いることが好ましい。ただし、実施形態において、基板5には、任意の材料を用いることができる。基板5の厚さは、例えば30μm以上5000μm以下である。
【0081】
基板5上への積層結晶膜のエピタキシャル成長には、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)、ハイドライド気相成長法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)、及び、分子線エピタキシー法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)などを用いることができる。なお、必要に応じて、基板5の上にバッファ層(図示しない)を形成し、このバッファ層の上に積層結晶膜をエピタキシャル成長させても良い。
【0082】
さらに、積層結晶膜の成長の後に、積層結晶膜の一部が、除去される。これにより、複数の積層体15が形成される。さらに、第2半導体層20の上に第2電極50(p側導電層52及びp側電極51)を形成し、第1半導体層10の上に第1電極40を形成する。
【0083】
さらに、積層体15の側面(外縁側面15r及び境界側面15t)上に下地絶縁層70を形成する。下地絶縁層70には、第1電極40の一部を露出する開口部、及び、第2電極50の一部を露出する開口部が設けられる。
【0084】
この後、第1半導体層10を分断して、複数の積層体15を得る。さらに、基板5を分断する。さらに、基板5の側面5s、及び、下地絶縁層70の上に反射層60を形成する。反射層60は、基板5の側面5sを覆うと共に、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)を覆う。
【0085】
図5は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図5に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110aは、波長変換層90をさらに含む。これ以外は、半導体発光素子110と同様なので説明を省略する。
【0086】
波長変換層90と積層体15との間に基板5が配置される。波長変換層90は、発光光の一部を吸収し、発光光の波長とは異なる波長の光を放出する。例えば、波長変換層90には、例えば、蛍光体層を用いることができる。蛍光体層には、蛍光体が含まれる。例えば、蛍光体層は、蛍光体と、蛍光体が分散される透光材と、を含む。透光材には、例えば、樹脂、ガラス及びその他の任意の材料を用いることができる。蛍光体層には、異なる波長の光を放出する複数の蛍光体が含まれても良い。波長変換層90として、互いに異なる波長の光を放出する複数の蛍光体層の積層膜を用いても良い。例えば、発光部30から放出される光が、紫外線、紫光または青光であり、波長変換層90から放出される光は、黄光または赤光である。波長変換層90から放出される光(変換光)と、発光光と、の合成光は、例えば実質的に白色光である。
【0087】
この例では、波長変換層90は、基板裏面5bの全体を覆っている。実施形態はこれに限らず、基板裏面5bの一部は、波長変換層90で覆われていなくても良い。
【0088】
この例では、波長変換層90のX−Y平面に対して平行なサイズ(幅)は、基板5のX−Y平面に対して平行なサイズ(幅)よりも大きい。波長変換層90は、基板5の外側の部分(周縁部分)を有する。反射層60は、波長変換層90の周縁部分上(波長変換層90の周縁部分の基板5の側の面)にさらに設けられても良い。実施形態は、これに限らず、反射層60は、波長変換層90と接していなくても良い。さらに、実施形態において、波長変換層90のサイズは、基板5のサイズ以下でも良い。
【0089】
図6(a)及び図6(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の動作を例示する模式的断面図である。
図6(a)に表したように、半導体発光素子110aは、実装部品95の上に実装される。すなわち、発光装置510は、半導体発光素子110aと実装部品95とを含む。実装部品95は、基体96と、n側配線46eと、p側配線56eと、絶縁層97と、を含む。基体96の上にn側配線46e及びp側配線56eが設けられる。絶縁層97は、n側配線46eの一部を露出させ、n側配線46eの上に設けられる。絶縁層97は、p側配線56eの一部を露出させ、p側配線56eの上に設けられる。n側配線46eのうちの絶縁層97から露出した部分は、半導体発光素子110aの第1電極40と対向する。p側配線56eのうちの絶縁層97から露出した部分は、第2電極50と対向する。n側配線46eと第1電極40との間に、n側接続部材47bが設けられる。p側配線56eと第2電極50との間に、p側接続部材57bが設けられる。
【0090】
図6(b)に表したように、積層体15の発光部30(この図では、図示しない)から放出された発光光L1は、基板5の基板裏面5bから出射する。発光光L1の一部は、波長が変換されて変換光L2となる。
【0091】
このとき、発光光L1と変換光L2との比率は、Z軸上と、Z軸から傾いた方向と、で実質的に同じである。すなわち、本実施形態に係る半導体発光素子110a及び発光装置510においては、出射角度にかかわらず、均一な色の光が得られる。
【0092】
なお、この例では、半導体発光素子110aにおいて、波長変換層90が設けられているが、実施形態はこれに限らない。半導体発光素子110を実装部品95上に実装した後に、波長変換層90を半導体発光素子110の第1面15aの少なくとも一部の上に形成しても良い。
【0093】
図7(a)〜図7(c)は、参考例の半導体発光素子の構成を示す模式的断面図である。
図7(a)に表したように、第1参考例の半導体発光素子119aにおいては、反射層60は、積層体15の側面15sを覆うが、基板5の側面5sは覆っていない。
【0094】
図7(b)に表したように、第2参考例の半導体発光素子119bにおいては、p側導電層52とp側電極51との間に反射膜53が設けられている。反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の外縁側面15rを覆っているが、境界側面15tを覆っていない。
【0095】
図7(c)に表したように、第3参考例の半導体発光素子119cにおいては、p側導電層52とp側電極51との間に反射膜53が設けられている。この例では、反射層60は、絶縁層71と積層体15との間に設けられている。反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の外縁側面15rと、を覆っているが、境界側面15tを覆っていない。
【0096】
このように、第1〜第3参考例の半導体発光素子119a〜119cにおいては、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、の両方を覆っていない。このため、発光部30から放出された発光光は、基板5の側面5s及び境界側面15tなどから外部に出射する。この外部に出射した光は、半導体発光素子の周囲に配置される実装部品などで吸収され、損失される。従って、これらの参考例においては、効率が低い。
【0097】
さらに、これらの参考例の半導体発光素子の周囲に蛍光体層を設けた場合、発光光は、基板裏面5bから出射すると共に、基板5の側面5sや積層体15の境界側面15tからも出射する。このとき、これらの参考例においては、Z軸に沿う方向と、Z軸に対して傾斜した方向と、で、発光光L1と変換光L2との比率が異なる。すなわち、Z軸に対して傾斜した方向における、蛍光体樹脂中を伝搬する発光光L1の光路長は、Z軸に沿う方向における、蛍光体樹脂中を伝搬する発光光L1の光路長よりも長い。このため、Z軸に対して傾斜した方向における変換光L2の比率は、Z軸に沿う方向における変換光L2の比率よりも高い。このため、Z軸に沿う方向と、Z軸に対して傾斜した方向と、で、出射光(発光光L1と変換光L2と合成光)の波長特性が異なる。
【0098】
例えば、発光光L1は青色であり、変換光L2は、黄色である。第1参考例においては、正面方向(Z軸に対して平行方向)と比べて、斜め方向に出射する光は、黄色の強度が高くなる。例えば、正面方向で白色光が得られる場合は、斜め方向では黄色を帯びた色となる。このため、全方向で同じ色の光が得られない。すなわち、参考例の半導体発光素子及びそれを用いた発光装置においては、角度によって出射光の色が変化する。すなわち、出射する光の色のむらが大きい。
【0099】
これに対して、本実施形態に係る半導体発光素子110a及び発光装置510においては、実質的に基板裏面5bからだけ、光が出射するので、発光光L1と変換光L2との比率は、Z軸上と、Z軸から傾いた方向と、で実質的に同じである。これにより、出射角度にかかわらず、均一な色の光が得られる。
【0100】
すなわち、実施形態においては、基板裏面5bを除く面からは実質的に光が出射しないため、光の損失が抑制される。これにより、高い光取り出し効率が得られる。さらに、均一な色の光が得られる。
【0101】
図8は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図8に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110bにおいては、積層体15の側面15sがZ軸に対して傾斜している。すなわち、積層体15の側面15sは、テーパ面である。外縁側面15r及び境界側面15tは、例えばX軸方向(第1方向に対して垂直な第2方向)に沿った第2半導体層20の幅が、X軸方向に沿った発光部30の幅よりも短くなるように、Z軸方向に対して傾斜している。すなわち、積層体15の側面15sは、順テーパの形状の部分を有する。
【0102】
積層体15の側面15sを傾斜(順テーパで傾斜)させることで、下地絶縁層70及び反射層60の側面15s上での被覆性が向上する。これにより、下地絶縁層70の保護特性が向上し易くなり、また、反射層60の反射特性が向上し易くなる。
【0103】
積層体15の側面15sのテーパ角θ(側面15sと第1面15aとの間の角度)は、例えば45度以上90度未満である。
【0104】
この例では、積層体15の外側側面15rがZ軸方向に対して傾斜しているが、積層体15の境界側面15tが、Z軸方向に対して傾斜しても良い。例えば、境界側面15sの全部または一部が、順テーパの傾斜面を有していても良い。さらに、基板5の側面5sがZ軸方向に対して傾斜しても良い。例えば、基板5の側面5sの全部または一部が、順テーパの傾斜面を有していても良い。
【0105】
図9は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図9に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子110cは、光透過層91をさらに含む。光透過層91と積層体15との間に基板5が配置されている。すなわち、光透過層91は、基板裏面5bの上に設けられる。光透過層91は、発光光に対して透過性である。
【0106】
光透過層91は、例えば、基板5の基板裏面5bを保護する。また、光透過層91として、基板5の屈折率よりも低い屈折率を有する材料を用いることができる。これにより、発光部30から放出される光を効率よく、基板裏面5bから出射させることができる。これにより、さらに高効率の半導体発光素子を提供することができる。
【0107】
図10は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図10に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光素子111においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面、及び、基板5の側面5sの全体を覆っている。これにより、さらに安定した特性が得られる。
【0108】
図11は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図11に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子112においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面を覆っている。
【0109】
図12は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図12に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子113においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面と、基板5の主面5aと、を覆っている。
【0110】
図13(a)及び図13(b)は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図13(a)及び図13(b)に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光素子114及び115においては、p側導電層52とp側電極51との間に反射膜53が設けられている。半導体発光素子114においては、反射層60と基板5との間に下地絶縁層70が延在していない。半導体発光素子115においては、下地絶縁層70は、反射層60と基板5との間に延在しており、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面、及び、基板5の側面5sの全体を覆っている。これにより、さらに安定した特性が得られる。
【0111】
図14は、第1の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図14に表したように、本実施形態に係る別の半導体発光素子116においては、第3部分13が設けられていない。これ以外は、半導体発光素子110と同様なので説明を省略する。半導体発光素子116においても、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。これにより、高い効率が得られる。第3部分13が設けられない構成においても、図10〜図12、図13(a)及び図13(b)に関して説明したように、下地絶縁層70は種々の構成を有することができる。
【0112】
(第2の実施形態)
図15は、第2の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図15に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子120においては、基板5のサイズが、第1半導体層10のサイズと同じである。これ以外の半導体発光素子120の構成は、半導体発光素子110と同じである。この場合も、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。半導体発光素子120においても、高効率の半導体発光素子が提供できる。
【0113】
図16は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図16に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子121においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面、及び、基板5の側面5sの全体を覆っている。
【0114】
図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図17(a)及び図17(b)に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子122及び123においては、p側導電層52とp側電極51との間に反射膜53が設けられている。半導体発光素子122においては、反射層60と基板5との間に下地絶縁層70が延在していない。半導体発光素子123においては、下地絶縁層70は、第1半導体層10の外縁の部分(例えば第1部分11及び第3部分13)の側面、及び、基板5の側面5sの全体を覆っている。これにより、さらに安定した特性が得られる。
【0115】
半導体発光素子121〜123においても、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。これらの半導体発光素子においても、高効率の半導体発光素子が提供できる。
【0116】
第2の実施形態においても、下地絶縁層70は、必要に応じて設けられ、場合によっては、省略しても良い。
【0117】
(第3の実施形態)
図18は、第3の実施形態に係る半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図18に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子130は、被覆層75をさらに含む。被覆層75は反射層60を覆う。半導体発光素子130は、半導体発光素子110において、被覆層75がさらに設けられた素子である。
【0118】
被覆層75は、例えば、反射層60を保護する。被覆層75の光学特性は任意である。例えば、被覆層75は、発光光に対して透過性、反射性、または、吸収性である。被覆層75が透過性である場合、被覆層75には、下地絶縁層70に関して説明した材料を用いることができる。また、被覆層75が反射性である場合は、被覆層75には、反射層60に関して説明した材料を用いることができる。
【0119】
被覆層75は、例えば、有機樹脂を含む。被覆層75には、例えば、ポリイミドなどを用いることができる。ただし、実施形態はこれに限らず、被覆層75には無機材料を用いても良い。被覆層75は、例えば絶縁性である。被覆層75を設けることで、例えば信頼性が向上する。
【0120】
図19は、第3の実施形態に係る別の半導体発光素子の構成を例示する模式的断面図である。
図19に表したように、本実施形態に係る半導体発光素子131は、反射層60を覆う被覆層75をさらに含む。すなわち、半導体発光素子131は、半導体発光素子120において、被覆層75がさらに設けられた素子である。
【0121】
半導体発光素子130及び131においても、反射層60は、基板5の側面5sと、積層体15の側面15s(外縁側面15r及び境界側面15t)と、を覆う。半導体発光素子120においても、高効率の半導体発光素子が提供できる。
【0122】
被覆層75は、第1及び第2の実施形態に関して説明した任意の半導体発光素子及びそれらの変形の半導体発光素子において設けることができる。
【0123】
被覆層75が設けられる場合、下地絶縁層70は必要に応じて設けられ、省略しても良い。本実施形態によれば、効率が高く、さらに信頼性の高い半導体発光素子が提供できる。
【0124】
第2及び第3の実施形態に関して説明した半導体発光素子において、第3部分13は必要に応じて設けられ、省略しても良い。
【0125】
波長変換層90及び光透過層91の少なくともいずれかは、第1〜第3の実施形態に関して説明した任意の半導体発光素子及びそれらの変形の半導体発光素子において設けることができる。
【0126】
実施形態に係る半導体発光素子は、例えば、照明装置や、表示装置などの光源として利用することができる。
実施形態によれば、高効率の半導体発光素子が提供される。
【0127】
なお、本明細書において「窒化物半導体」とは、BxInyAlzGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電形などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
【0128】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0129】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体発光素子に含まれる基板、半導体層、発光部、積層体、電極、下地絶縁層、反射層、被覆層、波長変換層及び光透過層などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0130】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0131】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体発光素子を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体発光素子も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0132】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0133】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0134】
5…基板、 5a…主面、 5b…基板裏面、 5s…側面、 10…第1半導体層、 11…第1部分、 12…第2部分、 13…第3部分、 15…積層体、 15a…第1面、 15b…第2面、 15r…外縁側面、 15s…側面、 15t…境界側面、 20…第2半導体層、 30…発光部、 31…障壁層、 32…井戸層、 40…第1電極、 46e…n側配線、 47b…n側接続部材、 50…第2電極、 51、51a、51b、51c…p側電極、 52…p側導電層、 53…反射膜、 56e…p側配線、 57b…p側接続部材、 60…反射層、 61…多層誘電膜、 61a…第1誘電体層、 61b…第2誘電体層、 62…反射絶縁膜、 70…下地絶縁層、 71…絶縁層、 75…被覆層、 90…波長変換層、 91…光透過層、 95…実装部品、 96…基体、 97…絶縁層、 θ…テーパ角、 110、110a〜110c、111〜116、119a〜119c、120〜123、130、131…半導体発光素子、 510…発光装置、 BL、BLi…障壁層、 L1…発光光、 L2…変換光、 WL、WLi…井戸層、 d1、d2…距離、 d3…長さ、 d4〜d6…径、 l1…距離、 l2、l3…長さ、 t61a、t61b…長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面を有する基板と、
前記主面上に設けられ、第1部分と前記第1部分と並置された第2部分とを有し、第1導電形の第1半導体層と、
前記第2部分上に設けられた発光部と、
前記発光部上に設けられ第2導電形の第2半導体層と、
を含む積層体と、
前記第1半導体層の前記第1部分上に設けられた第1電極と、
前記第2半導体層上に設けられた第2電極と、
前記基板の側面と前記積層体の側面とを覆い、前記発光部から放出される発光光に対して反射性の反射層と、
を備えた半導体発光素子。
【請求項2】
前記積層体は、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう第1方向に見たときの外縁の外縁側面と、前記第1部分と前記第2部分と間に位置する境界側面と、を有し、
前記反射層は、前記外縁側面の少なくとも一部と、前記境界側面の少なくとも一部と、を覆う請求項1記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記反射層は、絶縁性である請求項2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記反射層は、前記第1電極の縁部及び側面を覆い、前記第2電極の縁部及び側面を覆う請求項3記載の半導体発光素子。
【請求項5】
下地絶縁層をさらに備え、
前記下地絶縁層の少なくとも一部は、前記外縁側面の前記少なくとも一部と前記反射層との間、及び、前記境界側面の前記少なくとも一部と前記反射層との間に設けられている請求項2〜4のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
【請求項1】
主面を有する基板と、
前記主面上に設けられ、第1部分と前記第1部分と並置された第2部分とを有し、第1導電形の第1半導体層と、
前記第2部分上に設けられた発光部と、
前記発光部上に設けられ第2導電形の第2半導体層と、
を含む積層体と、
前記第1半導体層の前記第1部分上に設けられた第1電極と、
前記第2半導体層上に設けられた第2電極と、
前記基板の側面と前記積層体の側面とを覆い、前記発光部から放出される発光光に対して反射性の反射層と、
を備えた半導体発光素子。
【請求項2】
前記積層体は、前記第1半導体層から前記第2半導体層に向かう第1方向に見たときの外縁の外縁側面と、前記第1部分と前記第2部分と間に位置する境界側面と、を有し、
前記反射層は、前記外縁側面の少なくとも一部と、前記境界側面の少なくとも一部と、を覆う請求項1記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記反射層は、絶縁性である請求項2に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記反射層は、前記第1電極の縁部及び側面を覆い、前記第2電極の縁部及び側面を覆う請求項3記載の半導体発光素子。
【請求項5】
下地絶縁層をさらに備え、
前記下地絶縁層の少なくとも一部は、前記外縁側面の前記少なくとも一部と前記反射層との間、及び、前記境界側面の前記少なくとも一部と前記反射層との間に設けられている請求項2〜4のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−65773(P2013−65773A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204529(P2011−204529)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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