説明

半導体発光装置用の固体金属ブロック実装基板およびその製造のための酸化方法

半導体発光装置用の実装基板は、半導体発光装置をその内部に実装するように構成されたキャビティをその1つの面に有する固体金属ブロックを含む。キャビティに絶縁被覆を設け、キャビティの絶縁被覆上に、半導体発光装置に接続するように構成された離間した第1および第2の導電性トレースを設ける。実装基板は、半導体発光装置をその内部に実装するように構成されたキャビティをその1面に含む固体アルミニウムブロックを設けることによって製造してもよい。この固体アルミニウムブロックを酸化して、その上に酸化アルミニウム被覆を形成する。キャビティの酸化アルミニウム被覆上に、第1および第2の離間した電気トレースを製造する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光装置およびその製造方法に関し、より詳細には、半導体発光装置のパッケージ化およびパッケージ化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LEDs)またはレーザダイオードなどの半導体発光装置が多くの用途に広く用いられている。当業者には公知のように、半導体発光装置は、通電すると、コヒーレント光および/またはインコヒーレント光を発するように構成された1または複数の半導体層を含む。また半導体発光装置は、一般にパッケージ化され、外部との電気的接続、ヒートシンク、レンズもしくは導波路、環境保護および/または他の機能を提供することも公知である。
【0003】
例えば、半導体発光装置に2ピースのパッケージを設けることは公知であり、半導体発光装置は、アルミナ、窒化アルミニウムおよび/または他の材料を備える基板上に実装され、基板上に電気トレースを含み、半導体発光装置に外部接続部を設ける。銀めっき加工された銅を備えてもよく、第2の基板を例えば接着剤を用いてこの第1の基板に実装し、半導体発光装置を取り囲む。半導体発光装置上方の第2の基板にレンズを配置してもよい。上述したような2ピースのパッケージを有する発光ダイオードについて、2003年5月27日に出願され、本発明の譲受人に譲渡されたロー(Loh)への特許出願第10/446,532号、名称「Power Surface Mount Light Emitting Die Package」に記述されており、その開示はここで充分に説明されるように、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
残念ながら、このような基板は高価であり、場合により半導体発光装置自体より高価であることさえある。その上、その製造プロセスもまたコストが高く、時間がかかり、および/またはプロセスの工程数が多いため欠陥を生じやすい場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、半導体発光装置をその内部に実装するように構成されたキャビティをその面に含む固体金属ブロックを備える半導体発光装置用の実装基板を提供する。他の実施形態においては、固体金属ブロックの表面上に絶縁被覆を設ける。さらに他の実施形態においては、絶縁被覆は、キャビティにあり、キャビティの絶縁被覆上に、半導体発光装置に接続するように構成された離間した第1および第2の導電性トレースを設ける。
【0006】
ある実施形態においては、離間した第1および第2の導電性トレースは、キャビティから金属ブロックの第1面に延び、少なくとも1つの側面をまわって、金属ブロックの対向面である第2面上へと延びる。他の実施形態においては、固体金属ブロックは、その内部に、金属ブロックの第1面から第2面に延びる第1および第2のスルーホールを含む。各スルーホールは、その内部に第1面から第2面に延びる導電性ビアをそれぞれ含む。離間した導電性トレースのそれぞれ1つが導電性ビアのそれぞれ1つに、電気的に接続される。
【0007】
ある実施形態においては、固体金属ブロックは、固体アルミニウムブロックであり、絶縁被覆は、酸化アルミニウムを備える。後に記述するように、絶縁被覆を、このアルミニウムを酸化することによって形成してもよい。ここに挙げた実施形態においては、第1および第2のスルーホールもそれぞれ酸化アルミニウムを備えた絶縁被覆をその上に含むので、スルーホール内の第1および第2の導電性ビアは、アルミニウムブロックから絶縁される。
【0008】
キャビティに実装され、離間した第1および第2の導電性トレースに接続された半導体発光装置と本発明の実施形態による実装基板を組み合わせてもよい。キャビティに跨って延びるレンズを設けてもよい。ある実施形態においては、半導体発光装置とレンズとの間に封入剤を設ける。他の実施形態においては、キャビティに跨るレンズを保持するように構成されたレンズリテーナを基板上に設けてもよい。
【0009】
本発明の他の実施形態により、その内部に半導体発光装置を実装するように構成されたキャビティをその面に含む固体アルミニウムブロックを設けることによって、半導体発光装置用の実装基板を製造する。固体アルミニウムブロックを酸化して、その上に酸化アルミニウム被覆を形成する。キャビティの酸化アルミニウム被覆上に第1および第2の離間した電気トレースを製造し、それに半導体発光装置を接続するように構成する。
【0010】
ある実施形態においては、アルミニウムブロックは、アルミニウムブロックを貫いて延びる第1および第2のスルーホールも含む。第1および第2のスルーホールは、第2のアルミニウムブロックを酸化するときに酸化され、第1および第2のスルーホール内に酸化アルミニウム被覆を形成する。第1および第2の導電性ビアは、酸化アルミニウムで被覆された第1および第2のスルーホールをそれぞれ製造される。他の実施形態においては、離間した第1および第2の導電性トレースを製造する場合、そのトレースはキャビティから金属ブロックの第1面に延び、少なくとも一つの側面をまわって、金属ブロックの第1面に対向する第2面上へと延びるように製造される。
【0011】
実施形態のいくつかにおいては、キャビティに半導体発光装置を実装し、離間した第1および第2の導電性トレースにこの装置を接続する。実施形態のなかには、キャビティに跨るレンズを実装するものや、また、半導体発光装置とレンズとの間に封入剤を設けるものがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態を示した添付図面を参照して、以下に本発明をより詳しく記述する。しかし、本発明は、多くの異なった形態で実現可能であり、本明細書において説明する実施形態に限定されるものと解釈すべきでない。むしろ、本開示が完璧かつ完全であるように、また本開示により本発明の範囲が余すところなく当業者に伝わるように、ここにあげた実施形態が提供される。図面においては、明確にするために、層および領域の寸法および相対的な寸法は誇張されている場合がある。全体を通じて、同様の番号は同様の要素について言及している。
【0013】
当然のことながら、層、領域または基板などのある要素が別の要素「上」にあると言う場合、その要素は直接他の要素上にあるか、または介在する要素が存在してもよい。当然のことながら、導電線の表面など、要素の一部分が「外側」であると言う場合には、その要素の他の部分よりその部分のほうが本装置の外に近いということである。さらに、「下側」などの相対的な用語を本明細書で用いて、1つの層または1つの領域が別の1層または1領域に対して有する関係を図に示したような基板またはベース層との関連で記述する場合がある。当然のことながら、このような用語によって、図に描いた配向に加え、装置の異なる配向を包含することを意図する。最後に、「直接」という用語は、介在する要素がないことを意味する。
【0014】
図1A〜1Hは、本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板の側面断面図である。図1Aを参照すると、本発明の一実施形態による半導体発光装置用の実装基板は、その内部に半導体発光装置を実装するように構成されたキャビティ110をその第1面100aに含む固体金属ブロック100を含む。ある実施形態においては、固体金属ブロック100は、固体アルミニウムブロックを備える。キャビティ110は、機械加工、鋳造、エッチング加工および/または他の従来技法によって形成することができる。キャビティ110の寸法および形状は、キャビティ110に実装された半導体発光装置によって発せられる光の量および/または光の方向を改善し、または最適化するように構成することができる。例えば、傾斜側壁110aおよびまたは半楕円形の断面形状を設けてもよい。ある実施形態においては、金属ブロック100は、約6mm×約9mm、厚さ約2mmのアルミニウム製の矩形固体金属ブロックであってもよく、キャビティ110は、深さ約1.2mmで、直径約2.5mmの円形の床部を有し、所望の放射パターンを得られるように、任意の単純または複雑な形状の側壁110aを有してもよい。なお、ブロック100は、多角形および/または楕円形である他の形状を有してもよい。
【0015】
図1Bに、本発明の他の実施形態による実装基板を示す。図1Bに示すように、固体金属ブロック100の表面上に絶縁被覆を設ける。図1Bに示すように固体金属ブロックの露出した表面全体、または固体金属ブロックの露出した表面の一部だけに絶縁被覆120を設けてもよい。ある実施形態においては、後に記述するように、絶縁被覆120は酸化アルミニウム(Al)の薄層を備え、その薄層は、例えば固体アルミニウムブロック100を陽極酸化することによって形成してもよい。他の実施形態においては、被覆120は、絶縁体を提供するには十分な厚さであるが、被覆を通る熱伝導路を最小にするには十分な薄さである。
【0016】
図1Cを参照すると、キャビティ110の絶縁被覆120上に離間した第1および第2の導電性トレース130a、130bが設けられている。離間した第1および第2の導電性トレース130a、130bは、半導体発光装置に接続されるように構成されている。図1Cに示すように、ある実施形態においては、離間した第1および第2の導電性トレース130aおよび130bは、キャビティ110から固体金属ブロック100の第1面100a上へと延びることができる。固体金属ブロック100の一部にのみ絶縁被覆120を設ける場合、被覆120は、第1および第2の離間したトレース130aおよび130bと固体金属ブロック100との間に設ければよく、そうすることによって、第1および第2の金属トレース130aおよび130bを固体金属ブロック100から絶縁する。
【0017】
図1Dは、本発明の他の実施形態を図示し、ここでは、離間した第1および第2の導電性トレース130a’、130b’は、キャビティ110から第1面100aに延び、金属ブロックの少なくとも1つの側面100cをまわって、第1面100aに対向する金属ブロックの第2面100b上へと延びる。このようにして、裏面接触部を設けることができる。
【0018】
本発明のある実施形態においては、離間した第1および第2の導電性トレース130a、130bおよび/または130a’,130b’には金属を備えるものがあり、また、銀などの反射性金属を備えるものもある。他の実施形態では、図1Eに示すように、キャビティ110の離間した導電性トレース130a’、130b’上に別個の反射層132a、132bを設けることができる。このような実施形態では、導電性トレース130a’、130b’は、銅を備え、反射性トレース132a、132bは、銀を備えてもよい。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態では、図1Fに示すように、第1および第2のスルーホール140aおよび140bを設けることによって、裏面接触部を設けることができる。スルーホール140aおよび140bは、機械加工、エッチング加工および/または他の従来技法によって、固体金属ブロック100に形成してもよい。さらに、図1Fに図示するように、絶縁被覆120は、スルーホール140aおよび140b内へと延びる。第1および第2の導電性ビア142a、142bは、第1および第2のスルーホール140a、140b内に設けられ、スルーホール140a、140b内の絶縁被覆120によって固体金属ブロック100から絶縁されている。
【0020】
図1Fにおいて、スルーホール140aおよび140bならびに導電性ビア142aおよび142bは、キャビティ110から第2面100bに延びる。スルーホール140a、140bは、第1面100aおよび第2面100bに対して、直交および/または傾斜していてもよい。離間した第1および第2の導電性トレース130a’、130b’をキャビティ110に設け、第1および第2の導電性ビア142a、142bそれぞれに電気的に接続してもよい。また、第2面100b上に、第1および第2の導電性ビア142a、142bそれぞれに電気的に接続されている第3および第4の離間した導電性トレース130c、130dを設けてもよい。実施形態のいくつかにおいては、はんだマスク層144を設けて、第2面100b上にある第3および第4の導電性トレース130c、130dを分離し、回路基板の組み立てを容易にすることができる。はんだマスク層144は、当業者には公知であり、本明細書でさらに記述する必要はない。
【0021】
図1Fの実施形態においては、第1および第2のスルーホール140a、140bならびに第1および第2の導電性ビア142a、142bは、キャビティ110から第2面100bに延びている。図1Gの実施形態においては、第1および第2のスルーホール140a’、140b’ならびに第1および第2の導電性ビア142a’、142b’は、キャビティ110の外側の第1面100aから第2面100b上へと延びる。第1および第2面100a、100bに対して、スルーホール140a’、140b’は、直交および/または傾斜していてもよい。離間した第1および第2の導電性トレース130a”、130b”は、キャビティ110から第1面上を第1および第2の導電性ビア142a’、142b’それぞれへ延びる。第3および第4のトレース130c’、130d’は、第1および第2の導電性ビア142a’、142b’それぞれに電気的に接続する第2面100b上に設けられる。
【0022】
図1Hは、図1Dに関連して記述した本発明の実施形態を図示し、これらの実施形態は、キャビティに実装され、第1および第2の離間した電気トレース130a’、130b’に接続された半導体発光装置150をさらに含む。その上、図1Hは、他の実施形態において、キャビティに跨るようにレンズ170が延びていることを図示している。さらに他の実施形態においては、半導体発光装置150とレンズ170との間に封入剤160を設ける。封入剤160は、透明なエポキシを備えてもよく、半導体発光装置150からレンズ170への光学的結合を強化することができる。さらに他の実施形態においては、固体金属ブロック100上にレンズリテーナ180を設けて、キャビティ110を跨ぐレンズ170を保持する。
【0023】
本発明の各種実施形態に用いてもよい発光装置150、封入剤160およびレンズ170の実施形態は、本願と同時出願であって、本願の譲受人に譲渡されたNegleyらへの米国特許出願第 号、名称「Transmissive Optical Elements Including Transparent Plastic Shell Having a Phosphor Dispersed Therein, and Methods of Fabricating Same」、(代理人番号5308−310)に記述されており、その開示は充分に説明されるように、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
当然のことながら、図1F〜1Hの実施形態は、別個の実施形態として図示されているが、図1A〜1Hの各種要素をともに用いて、各種の組み合わせおよび/またはその組み合わせをさらに組み合わせたものを提供してもよい。そのため、例えば、示した実施形態のいずれにも反射層132a、132bを用いてもよく、また示した実施形態のいずれにも半導体発光装置150、レンズ170、封入剤160および/またはレンズリテーナ180を用いてもよい。よって、本発明は、図1A〜1Hに示した別個の実施形態に限定されるものではない。
【0025】
図2は、本発明の各種実施形態による半導体発光装置を製造するために行ってもよい工程のフローチャートである。図2を参照すると、ブロック210に示すように、図1A〜1Hのアルミニウムブロック100などの固体アルミニウムブロックを設け、このブロックは、その内部に半導体発光装置を実装するように構成されたキャビティ110などのキャビティをその1つの面に含む。上述したように、キャビティは、機械加工、鋳造、エッチング加工および/または他の従来技法によって設けてもよい。その上、他の実施形態においては、固体アルミニウムブロックは、スルーホール140a、140bおよび/または140a’、140b’などのブロックを貫いて延びる離間した第1および第2のスルーホールを含んでもよく、スルーホールは、機械加工、エッチング加工および/または他の従来技法によって製造してもよい。
【0026】
図2を再び参照すると、ブロック220で、固体アルミニウムブロックを酸化し、ブロック上に酸化アルミニウム被覆を形成する。実施形態のいくつかにおいては、固体アルミニウムブロックの露出した表面全体を酸化する。その上、スルーホールを設ける場合、スルーホールの内面もまた酸化してもよい。他の実施形態においては、例えば、酸化しないことが望ましい部分にマスク層を設けることによって、アルミニウムブロックの一部だけを酸化させる。アルミニウムの酸化については当業者に公知であり、例えば陽極酸化プロセスおよび/または他の酸化プロセスを用いて酸化を行い、アルミニウム上にAlの薄層を設けてもよい。
【0027】
さらに図2を参照すると、ブロック230で、トレース130a、130bおよび/または130a’、130b’などの離間した第1および第2の導電性トレースが、構成によってはキャビティの第1面、側面、および/または第2面に上述したように形成される。その上、ある実施形態においては、ビア142a、142bおよび/または142a’、142b’などの導電性ビアをスルーホール内に製造してもよい。導電性ビアは、導電性トレースを製造する前、同時、または後に製造してもよい。アルミニウム芯を有する回路基板状の構造を提供するために、酸化アルミニウムを用いて酸化したアルミニウム芯上に導電性トレースを製造することは公知であるので、本明細書で詳しく記述する必要はない。
【0028】
最終的に、ブロック240で、他の作業を行って、基板上に半導体装置、レンズ、封入剤および/またはリテーナを実装する。
【0029】
図3Aおよび3Bはそれぞれ、本発明の実施形態による実装基板の上面斜視図と底面斜視図であり、断面図1Dに相当するものとしてよい。図3Aおよび3Bは、固体金属ブロック100、固体金属ブロックのまわりを包む離間した第1および第2の導電性トレース130a’、130b’、およびキャビティ110に実装した半導体発光装置150を図示している。絶縁被覆120は、透明であってもよく、示していない。第2の絶縁層および/またははんだマスクを、ここにあげた実施形態および/または任意の他の実施形態における第1および/または第2の離間した導電性トレース上に設けてもよい。
【0030】
図4は、本発明の他の実施形態の分解斜視図を図示し、図1Hに相当するものとしてよい。図4に示したように、固体金属ブロック100は、その中にキャビティ110を含み、その上に複数の離間した電気トレースを含む。図4では、第1の電気トレース130aを示す。しかしながら、第2の単一の電気トレースよりむしろ、複数の第2の電気トレース330a’、330b’および330c’を設け、例えば白色光源用に赤色、緑色および青色の半導体発光装置を提供するように、キャビティ110に実装される複数の半導体発光装置150’に接続してもよい。封入剤160およびレンズリテーナ180が示されている。レンズリテーナ180を他の構成にすると、固体金属ブロック100上にレンズ170を実装する隆起部および/または他の従来の実装手段を設けることができる。当然のことながら、エポキシまたは他の接着剤をレンズリテーナ180に用いてもよい。本発明の実施形態のいくつかにおいて、レンズリテーナ180によって、上面にヒートシンク能力をさらに提供してもよい。図5は、図4を組み立てたパッケージを図示している。
【0031】
このように、本発明の実施形態のいくつかは、半導体発光装置用の実装基板にアルミニウムの固体ブロックを用いる。アルミニウムは、効果的なヒートシンクとして用いるのに十分な熱伝導率を有する。加えて、材料コストおよび製造コストを抑えることができる。その上、質の高い絶縁酸化物を成長させる能力により、深刻な衝撃を耐熱性に与えずに所望の電気トレースを形成することが可能となる。なぜなら陽極酸化の厚さを正確に制御できるからである。この絶縁層を選択的にパターン化することもでき、それによって、光学的な性能を高めるために、キャビティ側壁上だけを銀でめっき加工するなど、基板に別の金属めっきを付加することが可能になる。
【0032】
別個の反射カップよりむしろ、光学的なキャビティを基板に形成する能力により、パッケージの要素の総数を減らすことができるので、組み立てコストを削減することができる。さらに、反射器(キャビティ)の位置が基板に対して固定されていることから、組み立てを容易にすることもできる。本発明の実施形態は、高出力LEDおよび/または高出力レーザダイオードなどの高出力の半導体発光装置に特に有用であろう。
【0033】
本発明の実施形態を図面および明細書に開示した。具体的な用語が使われているが、そのような用語は、包括および説明的意味で用いたのに過ぎず、限定するために用いたのではない。本発明の範囲は、以下の請求項に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1A】本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板の側面断面図である。
【図1B】本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板の側面断面図である。
【図1C】本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板の側面断面図である。
【図1D】本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板の側面断面図である。
【図1E】本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板の側面断面図である。
【図1F】本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板の側面断面図である。
【図1G】本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板の側面断面図である。
【図1H】本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板の側面断面図である。
【図2】本発明の各種実施形態による半導体発光装置用の実装基板を製造するために行ってもよい工程のフローチャートである。
【図3A】本発明の実施形態による半導体発光装置用の実装基板の上面斜視図である。
【図3B】本発明の実施形態による半導体発光装置用の実装基板の底面斜視図である。
【図4】本発明の実施形態によるパッケージ化された半導体発光装置の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施形態によるパッケージ化された半導体発光装置の組立斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光装置用の実装基板であって、
半導体発光装置をその内部に実装するように構成されたキャビティをその1面に含む固体金属ブロックを備えたことを特徴とする実装基板。
【請求項2】
前記固体金属ブロックの表面上に絶縁被覆をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の実装基板。
【請求項3】
前記絶縁被覆は前記キャビティにあり、前記実装基板は、前記キャビティの前記絶縁被覆上に、半導体発光装置に接続するように構成された離間した第1および第2の導電性トレースをさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の実装基板。
【請求項4】
前記面は第1面であること、および前記離間した第1および第2の導電性トレースは、前記キャビティから前記第1面へと延び、前記金属ブロックの少なくとも1つの側面をまわって、前記金属ブロックの前記第1面に対向する第2面上へと延びることを特徴とする請求項3に記載の実装基板。
【請求項5】
前記キャビティの前記絶縁被覆上の前記離間した第1および第2の導電性トレースは、反射材を備えたことを特徴とする請求項3に記載の実装基板。
【請求項6】
前記面は第1面であること、前記固体金属ブロックは、前記第1面から前記固体金属ブロックの前記第1面に対向する第2面へと延びる第1および第2のスルーホールをその内部に含み、前記第1および第2のスルーホールはそれぞれ、その内部に前記第1面から前記第2面へと延びる第1および第2の導電性ビアそれぞれを含むこと、および前記離間した導電性トレースのそれぞれ1つは前記導電性ビアのそれぞれ1つに電気的に接続されることを特徴とする請求項3に記載の実装基板。
【請求項7】
前記第1および第2のスルーホールは、前記キャビティから前記第2面へと延びることを特徴とする請求項6に記載の実装基板。
【請求項8】
前記固体金属ブロックは、固体アルミニウムブロックであること、および前記絶縁被覆は、酸化アルミニウムを備えることを特徴とする請求項2に記載の実装基板。
【請求項9】
前記面は第1面であること、前記固体アルミニウムブロックは、前記第1面から前記固体アルミニウムブロックの前記第1面に対向する第2面へと延びる第1および第2のスルーホールをその内部に含み、前記第1および第2のスルーホールはそれぞれ、その上に酸化アルミニウムを備える絶縁被覆、およびその内部に前記第1面から前記第2面へと延びる第1および第2の導電性ビアそれぞれを含むこと、および前記離間した導電性トレースのそれぞれ1つは前記導電性ビアのそれぞれ1つに電気的に接続されることを特徴とする請求項8に記載の実装基板。
【請求項10】
前記固体金属ブロックの前記第2面上に第3および第4の離間した導電性トレースをさらに備え、そのそれぞれ1つは前記導電性ビアのそれぞれ1つに接続されることを特徴とする請求項6に記載の実装基板。
【請求項11】
前記キャビティに実装され、前記離間した第1および第2の導電性トレースに接続される半導体発光装置を組み合わせた請求項3に記載の実装基板。
【請求項12】
前記キャビティに跨って延びるレンズをさらに組み合わせた請求項11に記載の実装基板。
【請求項13】
前記半導体発光装置と前記レンズとの間に封入剤をさらに組み合わせた請求項12に記載の実装基板。
【請求項14】
前記キャビティに跨る前記レンズを保持するように構成されたレンズリテーナを前記固体金属ブロック上にさらに組み合わせた請求項12に記載の実装基板。
【請求項15】
発光装置であって、
1面にキャビティ、および前記キャビティ上を含むその表面上に酸化アルミニウム被覆を含む固体アルミニウムブロック、
前記キャビティの前記酸化アルミニウム被覆上の離間した第1および第2の導電性トレース、
前記キャビティに実装され、前記離間した第1および第2の導電性トレースに接続される半導体発光装置、
前記キャビティに跨って延びるレンズ、および
前記半導体発光装置と前記レンズとの間の封入剤を備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項16】
前記面は第1面であること、および前記離間した第1および第2の導電性トレースは、前記キャビティから前記第1面へと延び、前記固体アルミニウムブロックの少なくとも1つの側面をまわって、前記固体アルミニウムブロックの前記第1面に対向する第2面上へと延びることを特徴とする請求項15に記載の発光装置。
【請求項17】
前記キャビティの前記酸化アルミニウム被覆上の前記離間した第1および第2の導電性トレースは、反射材を備えたことを特徴とする請求項15に記載の発光装置。
【請求項18】
前記面は第1面であること、前記固体アルミニウムブロックは、前記第1面から前記固体アルミニウムブロックの前記第1面に対向する第2面へと延びる第1および第2のスルーホールを含み、前記第1および第2のスルーホールはそれぞれ、その上に前記酸化アルミニウム被覆、およびその内部に前記第1面から前記第2面へと延びる第1および第2の導電性ビアそれぞれを含むこと、および前記離間した導電性トレースのそれぞれ1つは前記導電性ビアのそれぞれ1つに電気的に接続されることを特徴とする請求項15に記載の発光装置。
【請求項19】
前記第1および第2のスルーホールは、前記キャビティから前記第2面へと延びることを特徴とする請求項18に記載の発光装置。
【請求項20】
前記固体アルミニウムブロックの前記第2面上に第3および第4の離間した導電性トレースをさらに備え、そのそれぞれ1つは前記導電性ビアのそれぞれ1つに接続されることを特徴とする請求項18に記載の発光装置。
【請求項21】
半導体発光装置用の実装基板を製造する方法であって、前記方法は、
半導体発光装置をその内部に実装するように構成されたキャビティをその1面に含む固体アルミニウムブロックを提供すること、
前記固体アルミニウムブロックを酸化し、その上に酸化アルミニウム被覆を形成すること、および
前記キャビティの前記酸化アルミニウム被覆上に、それに半導体発光装置を接続するように構成された離間した第1および第2の導電性トレースを製造することを備えたことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記提供することは、半導体発光装置をその内部に実装するように構成されたキャビティをその1面に含む固体アルミニウムブロック、およびその内部に前記第1面から前記固体アルミニウムブロックの前記第1面に対向する第2面へと延びる第1および第2のスルーホールを提供することを備え、
前記酸化することは、前記固体アルミニウムブロックを酸化し、その上および前記第1および第2のスルーホール内に酸化アルミニウム被覆を形成することを備えた方法であって、
前記方法はさらに、酸化アルミニウムで被覆し、前記第1面から前記第2面へと延びる前記第1および第2のスルーホールそれぞれに第1および第2の導電性ビアそれぞれを製造することをさらに備えたことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記面は第1面であること、および前記製造することは、前記キャビティから前記第1面へと延び、前記固体アルミニウムブロックの少なくとも1つの側面をまわって、前記固体アルミニウムブロックの前記第1面に対向する第2面上へと延びる離間した第1および第2の導電性トレースを製造することを備えたことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記キャビティの前記酸化アルミニウム被覆上の前記離間した第1および第2の導電性トレース上に反射性被覆を製造することをさらに備えたことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記固体アルミニウムブロックの前記第2面上に第3および第4の離間した導電性トレースを製造し、前記第2面上の前記第3および第4の離間した導電性トレースそれぞれの1つは前記第1および第2の導電性ビアそれぞれの1つに接続されるようにすることをさらに備えたことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記キャビティに半導体発光装置を実装し、前記半導体発光装置は、前記離間した第1および第2の導電性トレースに接続されることをさらに備えたことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記キャビティに跨るレンズを実装することをさらに備えたことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記レンズを実装することは、前記半導体発光装置と前記レンズとの間の封入剤とともに前記キャビティに跨るレンズを実装することを備えたことを特徴とする請求項27に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−505493(P2007−505493A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526060(P2006−526060)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/017326
【国際公開番号】WO2005/027233
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】