半導体装置、及び半導体装置の製造方法
【課題】半導体素子上にカバー部材が貼り合わされることによってパッケージングされた半導体装置において、半導体素子へのクラックの発生を抑制し、歩留まりの向上を図る。
【解決手段】半導体素子2上にリング状のシール部材3を介してカバー部材4を貼り合わせた構成の半導体装置1において、シール部材3の内周面の形状を、半導体素子2からカバー部材4に向けて側段階的に変化するように形成する。半導体素子1側からカバー部材側に押圧する外力が加えられた場合、内周面が、半導体素子1の面に対して垂直方向に段階的に変化するように形成されることにより、半導体素子1にかかる応力が緩和される。
【解決手段】半導体素子2上にリング状のシール部材3を介してカバー部材4を貼り合わせた構成の半導体装置1において、シール部材3の内周面の形状を、半導体素子2からカバー部材4に向けて側段階的に変化するように形成する。半導体素子1側からカバー部材側に押圧する外力が加えられた場合、内周面が、半導体素子1の面に対して垂直方向に段階的に変化するように形成されることにより、半導体素子1にかかる応力が緩和される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関し、特に、素子毎にパッケージングされた半導体装置に関する。また、その半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CMOSイメージセンサなどの固体撮像素子をCSP(Chip Size Package)化する際、固体撮像素子の表面側のチップ外周部にリング状にシール樹脂を形成し、その上にガラス基板を乗せる。これにより、固体撮像素子の光入射面側は、ガラス基板とシール樹脂とによって気密にされたキャビティ構造内に封止される。
【0003】
ところで、固体撮像素子では、ガラス基板を貼り合わせた後、固体撮像素子の裏面側に、配線層のパッド部へ貫通するTSV(ThroughSilicon Via)が形成され、TSVを通して固体撮像素子の配線に電気的に接続されたはんだボールが形成される。このTSVの形成を容易にするため、一般的に、固体撮像素子の半導体基板の厚さが100μm以下まで薄くされる。
【0004】
このように、パッケージングされた固体撮像素子の半導体基板の厚さは100μm程度にまで薄くされるので、固体撮像素子自体の強度が低下してしまう。そうすると、CSP化した後に、はんだボールにプローブピンを刺して電気測定する場合など、固体撮像素子の裏面側から力が加わる際、シール樹脂のエッジに沿ってクラックが発生してしまうという問題がある。このようなクラックの発生は、電気測定時にとどまらず、ダイシング時や、バックグラインド(BGR)時など、固体撮像素子の裏面側からの外力が加わる際に起こり得る。
【0005】
CSP化後における半導体基板のクラックの発生を回避するため、特許文献1に記載の発明では、シール樹脂の直下における半導体基板のみを薄くするという提案がなされている。また、特許文献2に記載の発明では、固体撮像素子の表面のオンチップレンズに、ガラス基板を接触させるという提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−158863号公報
【特許文献2】特開2009−295739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、半導体基板の裏面側に段差を設ける場合、段差部分の壁面に配線パターンを形成することが困難であるという問題や、その配線パターン上部に形成される保護膜などの膜厚が段差部分で急激に変わり、膜厚が不安定となる問題がある。これにより、品質の低下が引き起こされる可能性がある。
【0008】
また、固体撮像素子のオンチップレンズにガラス基板を接触させる構成では、オンチップレンズ表面が変形してしまうおそれがある。オンチップレンズの形状は微小に変化するだけでも集光能力が変化してしまうため、非常に繊細に取り扱う必要がある。したがって、オンチップレンズをガラス基板に接触させた場合、固体撮像素子のセンサー能力の低下につながる可能性がある。
【0009】
上述の点に鑑み、本開示は、半導体素子上にカバー部材が貼り合わされることによってパッケージングされた半導体装置において、半導体素子へのクラックの発生を抑制し、歩留まりの向上を図る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の半導体装置は、半導体素子と、カバー部材と、シール部材とを備える。半導体素子は、半導体基板上に所望の配線回路を備え、一方の面にはんだボールを有する。カバー部材は、半導体素子の他方の面側に形成されるものである。シール部材は、半導体素子の素子形成領域の周縁にリング状に形成され、半導体素子の他方の面をカバー部材との間で気密に保持する。そして、このシール部材は、内周面の形状が半導体素子の他方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されている。
【0011】
本開示の半導体装置では、シール部材の内周面の形状が、半導体素子の他方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成される。このため、半導体素子の一方の面からカバー部材側に外力が加わった場合、段階的、又は連続的に変化するように形成されたシール部材により、半導体素子に発生する応力が緩和される。
【0012】
本開示の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に所望の配線回路を有する半導体素子と、半導体素子の一方の面上に貼り合わせるカバー部材とを準備する工程を有する。また、半導体素子、又はカバー部材の貼り合わせ面において、半導体素子の素子形成領域の周縁に相当する領域にリング状のシール部材を形成する工程を有する。このシール部材は、その内周面の形状が半導体素子の一方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されるものである。また、半導体素子とカバー部材とをシール部材を介して貼り合わせる工程を有する。また、半導体素子の他方の面上に、配線回路に接続されるはんだボールを形成する工程を有する。
【0013】
本開示の半導体装置の製造方法では、シール部材の内周面の形状を、半導体素子の一方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成する。このため、半導体素子の一方の面からカバー部材側に外力が加わった場合、段階的、又は連続的に変化するように形成されたシール部材により、半導体素子に発生する応力が緩和される。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、半導体装置に外力が加わった場合においても、半導体素子内のクラックの発生が抑制され、歩留まりの向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示す図である。
【図2】A,B,C 本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図3】D,E 本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図4】F,G 本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図(その3)である。
【図5】H,I 本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図(その4)である。
【図6】A,B 従来の半導体装置の断面構成図と、従来の半導体装置におけるシール部材の平面構成図である。
【図7】従来の半導体装置において電気測定を行う場合の概略構成図である。
【図8】本開示の第1の実施形態に係る半導体装置において電気測定を行う場合の概略構成図である。
【図9】本開示の第2の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示す図である。
【図10】A,B 本開示の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図11】A,B,C,D 本開示の第3の実施形態に係る半導体装置のシール部材の平面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本開示の実施形態に係る半導体装置、及び半導体装置の製造方法の一例を、図1〜図11を参照しながら説明する。本開示の実施形態は以下の順で説明する。なお、本開示は以下の例に限定されるものではない。
1.第1の実施形態:シール部材の断面形状が階段状とされる例
1−1 半導体装置の構成
1−2 半導体装置の製造方法
1−3 比較例
2.第2の実施形態:シール部材の断面形状がテーパ状とされる例
3.第3の実施形態:シール部材の面内方向の形状が凹凸状とされる例
【0017】
〈1.第1の実施形態:半導体装置〉
[1−1 半導体装置の構成]
まず、本開示の第1の実施形態に係る半導体装置について説明する。本実施形態例では、半導体装置として、固体撮像素子がパッケージングされた例を説明する。
図1は、本実施形態例の半導体装置1の断面構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態例の半導体装置1は、固体撮像素子2と、カバー部材4と、シール部材3とで構成されている。
【0018】
固体撮像素子2は、一方の面にはんだボール5が形成され、そのはんだボール5が形成された面とは反対側の他方の面が撮像面(光入射面)とされている。固体撮像素子2では、光電変換部からなる複数の画素が形成されており、撮像面に入射した光の光量に応じた信号電荷が生成され、画素信号として出力される。はんだボール5は、配線層8の配線パッド部9(図5I参照)に接続されており、ダイソートテストや他の電子機器への電気的接続に用いられる。
【0019】
カバー部材4は、固体撮像素子2の撮像面側に設けられており、撮像面から所定の空間17を介して撮像面をカバーするように設けられている。カバー部材4としては、光透過性の基板を用いることができ、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、無アルカリガラス、耐熱ガラス、アクリル樹脂などを用いることができる。
【0020】
シール部材3は、固体撮像素子2とカバー部材4を接着するものであり、固体撮像素子2の撮像面において、素子形成領域を囲むようにリング状(本実施形態例では、矩形状)に設けられている。ここで、素子形成領域とは、チップ毎に形成された画素や周辺回路を含む領域を示すものとする。シール部材3の、撮像面に垂直な方向の断面の高さは、撮像面とカバー部材4との間に必要な距離分の高さに設定されており、このシール部材3により、撮像面がカバー部材4とシール部材3とで囲まれる空間17に気密に保持されている。
【0021】
また、リング状に形成されたシール部材3の撮像面に面する側の内周面の形状は、撮像面に垂直な方向に2段の階段状をなすように形成され、その断面の幅は、撮像面側からカバー部材4側に向かって小さくなるように形成されている。すなわち、シール部材3は、撮像面側に形成された第1部材14と、その第1部材14の上部に積層され、第1部材14の断面の幅よりも小さい幅で形成された第2部材15とからなる2層構造とされている。
【0022】
このシール部材3を構成する材料としては、例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の感光性樹脂を用いることができ、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、シロキ酸系樹脂s、シアノエステル系樹脂などを用いることができる。
【0023】
[1−2 半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態例の半導体装置1の製造方法について説明する。図2〜図5は、本実施形態例の半導体装置1の製造方法を示す工程図である。
【0024】
まず、ウェハ状のシリコン基板7に、複数の画素を形成することにより、固体撮像素子2を形成する。すなわち、図2Aに示すように、シリコン基板7上の素子形成領域毎に光電変換部を構成するフォトダイオードPDや、そのフォトダイオードPDで生成された信号電荷を読み出すための画素トランジスタ(図示せず)などを形成する。さらに、シリコン基板7上に、層間絶縁膜6を介して複数層(図2Aでは3層)に積層された配線10や、後の工程ではんだボール5に接続される配線パッド部9が形成される配線層8を形成する。配線層8に形成される配線10、及び配線パッド部9は、各画素を駆動する配線回路を構成する。
【0025】
配線層8の形成後は、カラーフィルタ層11、オンチップレンズ12を順に形成する。この固体撮像素子2の製造方法は、一般的な固体撮像素子の製造方法と同様の工程であり、種々の形態を取ることができる。そして、オンチップレンズ12が形成された面が撮像面とされ、半導体装置1の光入射面側、すなわち、カバー部材4側とされる。
【0026】
次に、図2Bに示すように、シール部材3の第1部材14となる感光性樹脂層14aを撮像面全面に形成する。本実施形態例では、露光した部分が硬化するネガ型の樹脂層を形成する例とする。そして、感光性樹脂層14a上部に、第1部材14が形成される部分のみが開口したマスク13を形成し、そのマスク13を介して露光を行う。
【0027】
次に、図2Cに示すように、現像する。これにより、マスク13で露出された部分のみが残り、撮像面の各素子形成領域を囲む領域に第1部材14が形成される。ここでは、固体撮像素子2はウェハ状とされているため、第1部材14は各チップとなる部分を区画するように形成されるものである。
【0028】
次に、図3Dに示すように、第1部材14を被覆するように撮像面全面に、第2部材15となるネガ型の感光性樹脂層15aを形成する。この場合、第2部材15の高さに必要な樹脂層を形成する。そして、感光性樹脂層15a上部に、第2部材15が形成される部分のみが開口したマスク16を形成し、そのマスク16を介して露光を行う。
【0029】
次に、現像することにより、図3Eに示すように、第1部材14上部に積層した第2部材15が形成される。以上のようにして、固体撮像素子2の撮像面では、各素子形成領域の周縁にリング状のシール部材3が形成される。
【0030】
次に、図4Fに示すように、ウェハ状の固体撮像素子2の撮像面にシール部材3を介してカバー部材4を貼り合わせる。これにより、撮像面とシール部材3とカバー部材4に囲まれる空間17は気密に保持される。
【0031】
次に、図4Gに示すように、バックグラインド加工により、固体撮像素子2のシリコン基板7を裏面側から薄肉化する。ここでは、次に行うTSV加工が容易となるように、例えば、シリコン基板7の厚みが75μm〜100μmとなるように薄肉化する。
【0032】
次に、図5Hに示すように、シリコン基板7の裏面側から配線層8に形成された配線パッド部9が露出するように開口することにより、シリコン基板7を貫通する貫通孔(TSV)28を形成する。前段の工程において、シリコン基板7が100μm以下にまで薄くされているので、このTSV加工では、シリコン基板7への貫通孔28の形成が容易となる。
【0033】
次に、図5Iに示すように、貫通孔28の側面及びシリコン基板7の裏面側を被覆する絶縁膜18を形成する。次に、配線パッド部9に接続されると共に、シリコン基板7の裏面側に張り出す電極層19を形成する。そして、シリコン基板7の裏面側に張り出した電極層19上部にはんだボール5を形成する。その後、貫通孔28内を埋め込み、シリコン基板7の裏面側を被覆する絶縁層20を形成する。
【0034】
そして、このようにして形成されたウェハ状の半導体装置1を、ダイシングライン(図示を省略する)に沿ってチップ毎に分離する。これにより、固体撮像素子2毎にパッケージングされた図1に示す半導体装置1が完成する。
【0035】
[1−3 比較例]
図6Aに、比較例として、従来の半導体装置23の断面構成を示し、図6Bに、従来の半導体装置23におけるシール部材22の平面構成を示す。また、図7に、従来の半導体装置23において電気測定を行う場合の概略構成を示す。図6において、図1に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0036】
従来の半導体装置23では、図6A示すようにシール部材22が1段構成とされ、その断面形状がほぼ長方形とされている。さらに、図6Bに示すように、従来のシール部材22は、撮像面の素子形成領域を囲む周縁に形成され、その内周面はほぼ四角形状をなすように形成されている。従来の半導体装置23において、製品の良否判定のための電気測定(ダイソートテスト)を行う場合には、図7に示すように固体撮像素子2の裏面側に形成されたはんだボール5にプローブピン21が立てられる。
【0037】
このように、固体撮像素子2の裏面側からプローブピン21を立てる際、固体撮像素子2がカバー部材4側に押圧される。そうすると、カバー部材4と固体撮像素子2の撮像面との間には空間17があるため、固体撮像素子2の周縁よりも中央部分がカバー部材4側に変位しやすく、シール部材3の撮像面側のエッジ部分に応力が集中する。このため、図7に示すように、シール部材3のエッジ部分に沿って固体撮像素子2にクラック24が発生してしまう。特に、図5Hに示したように、貫通孔28の形成のためにシリコン基板7を100μm以下に薄肉化した場合には、シリコン基板7が脆弱化しているため、クラック24が発生しやすくなり、製品の歩留まりが低下してしまう。
【0038】
図8に、本実施形態例の半導体装置において、はんだボール5にプローブピン21を立てた場合の概略構成を示す。本実施形態例では、半導体装置1において、シール部材3の撮像面に面する内周面側が、撮像面に対して垂直方向に2段の階段状をなすように形成され、かつ、固体撮像素子2側の第1部材14の断面が、第2部材15の断面よりも幅広に形成されている。このため、固体撮像素子2がカバー部材4側に押圧された場合には、応力が強くかかる場所が第1部材14の撮像面側のエッジ部分と、第2部材15の撮像面側のエッジ部分に分散する。そうすると、固体撮像素子2がカバー部材4側に押圧された場合に応力が狭い範囲に集中することがなくなるため、固体撮像素子2におけるクラックの発生を抑制することができる。これにより、歩留まりの向上が図られる。
【0039】
ところで、本実施形態例の半導体装置1の製造方法では、シール部材3を介して固体撮像素子2とカバー部材4とを貼り合わせた後に、シリコン基板7のグライディング加工、TSV加工、ダイシング加工などが行われる。これらの工程では、固体撮像素子2の裏面側からカバー部材4側に向かう力が発生する。本実施形態例では、シール部材3の撮像面に面する内周面側が、撮像面に対して垂直方向に2段の階段状をなすように形成されているため、これらの製造工程で発生する応力も2段のシール部材3で緩和することができる。これにより、製造工程における固体撮像素子2のクラックの発生も抑制することができる。
【0040】
本実施形態例では、ネガ型の感光性樹脂層を用いて断面が階段状のシール部材3を形成する構成としたが、ポジ型の感光性樹脂層を用い、2回の露光を行うことにより、断面が階段状のシール部材3を形成する構成としてもよい。この場合には、シール部材3の製造工程数を削減することができる。
【0041】
また、第1部材14と第2部材15に用いる材料を異ならせてもよい。例えば、第1部材14を第2部材15の材料よりも硬い接着材料で形成することにより、固体撮像素子2の裏面側から外力が加えられた際、シリコン基板7がより固定されるためダイシング時に有利となる。反対に、第2部材15を第1部材14の材料よりも硬い接着材料で形成することにより、シリコン基板7の撓みに対する応力をより緩和することができる。
【0042】
第1部材14及び第2部材15に用いる材料の硬度は、例えば、エポキシ樹脂、又はアクリル系樹脂からなる接着材料に添加するシリコーン樹脂の量を変えることで設定することができ、適宜変更が可能である。
【0043】
〈2.第2の実施形態:シール部材の断面形状がテーパ状とされる例〉
次に、本開示の第2の実施形態に係る半導体装置について説明する。図9は、本実施形態例の半導体装置26の断面構成を示す図である。図9において図1に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0044】
本実施形態例では、シール部材25の内周面の形状が撮像面側からカバー部材4側に掛けて連続的に小さくなるようなテーパ形状とされている例である。このとき、シール部材25のテーパ面はシール部材25の撮像面に面する側の内周面に形成され、テーパ角は、約45度に設定されている。
【0045】
本実施形態例の半導体装置26においても、固体撮像素子2の裏面側からカバー部材4側に向かう外力が加えられた場合、固体撮像素子2がカバー部材4側に曲がるような応力が発生する。しかしながら、本実施形態例では、シール部材25がテーパ状に形成されているため、シール部材25と固体撮像素子2とが当接する面内で、固体撮像素子2側に発生する応力の急激な変化が緩和される。これにより、固体撮像素子2に発生する応力が狭い範囲に集中することがなくなるため、固体撮像素子2へのクラックの発生を抑えることができる。
【0046】
シール部材25をテーパ状に形成する場合のテーパ角は、固体撮像素子2を裏面側からカバー部材4側に押圧したときに発生する応力を緩和できる角度であり、かつ、固体撮像素子2の撮像面側にカバー部材4を気密に保持できる角度であればよい。本実施形態例では、シール部材25のテーパ角を45度としたが、45度以下であれば十分に応力の緩和が図られる。
【0047】
図10A及び図10Bは、本実施形態例の半導体装置26において、シール部材25を形成する工程を示す図である。
テーパ形状のシール部材25を形成する場合には、図2Aと同様にして固体撮像素子2を形成した後、図10Aに示すように、オンチップレンズ12上部に例えばポジ型の感光性樹脂層25aを形成する。その後、感光性樹脂層25a上部にシール部材25が形成される部分以外を露出するマスク27を形成し、マスク27を介してアンダー露光する。
【0048】
次に、現像することにより、図10Bに示すように、上面から撮像面側に掛けて連続的に断面幅が大きくなるようなテーパ形状を有するシール部材25を形成することができる。
【0049】
〈3.第3の実施形態:シール部材の平面形状が、内周面側において凹凸状とされる例〉
次に、本開示の第3の実施形態に係る半導体装置について説明する。図11Aは、本実施形態例の半導体装置のシール部材30の平面構成を示す図であり、撮像面と平行な面における形状を示す図である。本実施形態例では、シール部材30の平面形状が第1の実施形態と異なる例であるから、シール部材30のみ図示し、その他の図示を省略する。
【0050】
本実施形態例の半導体装置では、リング状に形成されたシール部材30の内周面側が、撮像面に対して水平な方向に正弦曲線を描く凹凸形状をなすように形成されている。また、図示を省略するが、本実施形態例の半導体装置において、シール部材30の断面構成は、図6Aに示した従来例の半導体装置23と同様、長方形状をなすように形成されている。
【0051】
本実施形態例の半導体装置では、固体撮像素子の裏面側からカバー部材側に外力が加わった際、固体撮像素子にかかる応力はシール部材30の凹凸形状のエッジ部分に沿うように発生する。そうすると、本実施形態例ではシール部材30の内周面は凹凸形状とされているので、固体撮像素子内において、応力が発生する部分が凹凸形状の振幅分の領域に分散する。すなわち、図11Aに示す幅aの領域内に応力が分散される。
【0052】
図6Bに示すように、従来の半導体装置23では、シール部材22の撮像面に面する側の内周面は、撮像面に水平な方向に直線状に形成されるため、応力がシール部材22のエッジ部分に沿って直線上に集中する。これにより、図7に示すように、固体撮像素子2側にクラックが発生するおそれがあった。
【0053】
本実施形態例では、シール部材3の内周面を凹凸形状に形成することにより、応力が凹凸形状の振幅分の領域に分散されるため、固体撮像素子側の急激な応力の変化が緩和され、クラックの発生が抑制される。
【0054】
図11B〜図11Dに、変形例に係るシール部材の平面構成を示す。図11Bは、リング状に形成されたシール部材31の内周面側が、撮像面に対して水平な方向に矩形の凹凸形状をなすように形成された例である。また、図11Cは、リング状に形成されたシール部材32の内周面側が、撮像面に対して水平な方向に頂点が鈍角又は鋭角の三角形をなす凹凸形状に形成された例である。また、図11Dは、リング状に形成されたシール部材33の内周面側が、撮像面に対して水平な方向に台形をなす凹凸形状に形成された例である。
【0055】
図11B〜図11Dに示す例においても、図11Aと同様、固体撮像素子の裏面側からカバー部材側に外力が加わった場合、応力が凹凸形状の振幅分の領域に分散されるため、固体撮像素子側の急激な応力の変化が緩和される。これにより、固体撮像素子の裏面側からカバー部材側に外力が加わった場合でも、固体撮像素子内にクラックが発生するのを抑制することができる。
【0056】
図11A〜図11Dに示すシール部材は、図2Bに示す工程において、マスクの開口部を図11A〜図11Dに示す形状とし、ネガ型の感光性樹脂層を露光することで形成することができる。また、本実施形態例では、シール部材の、撮像面に対して垂直方向の断面が長方形であるとしたが、第1の実施形態、及び第2の実施形態のように、階段状、又はテーパ状としてもよく、種々の組み合わせが可能である。
【0057】
上述した第1〜第3の実施形態における半導体装置では、シール部材を固体撮像素子側に形成する例としたが、これに限られるものではなく、シール部材をカバー部材側に形成してもよい。シール部材をカバー部材側に形成する場合は、固体撮像素子の撮像面を汚すおそれがなく、撮像面の精度を保つことができる。
【0058】
また、上述した第1〜第3の実施形態では、半導体装置として、固体撮像素子にシール部材を介してカバー部材を貼り合わせた例を示したが、これに限られるものではない。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の半導体素子にカバー部材を貼り合わせる際にも、本開示のシール部材を適用することにより、同様の効果を得ることができる。
【0059】
なお、本開示は、以下のような構成をとることができる。
(1)
半導体基板上に所望の配線回路を備え、一方の面にはんだボールを有する半導体素子と、
前記半導体素子の他方の面側に形成されるカバー部材と、
前記半導体素子の素子形成領域の周縁にリング状に形成され、前記半導体素子の他方の面を前記カバー部材との間で気密に保持するシール部材であって、内周面の形状が前記半導体素子の他方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されたシール部材と、
を備える半導体装置
(2)
前記シール部材の前記半導体素子の他方の面に対して垂直方向の幅は、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的、又は連続的に小さくなるように形成されている
(1)記載の半導体装置。
(3)
前記シール部材の前記半導体素子の他方の面に対して垂直方向の幅が、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的に小さくなるように形成されており、
前記シール部材は、段毎に異なる硬度の材料で形成されている
(2)に記載の半導体装置。
(4)
前記シール部材の内周面の形状は、前記半導体素子の他方の面に対して水平方向に凹凸形状を為すように形成されている
(1)に記載の半導体装置。
(5)
前記シール部材の内周面はテーパ形状とされている
(2)に記載の半導体装置。
(6)
半導体基板上に所望の配線回路を有する半導体素子と、前記半導体素子の一方の面上に貼り合わせるカバー部材とを準備する工程と、
前記半導体素子、又は前記カバー部材の貼り合わせ面において、前記半導体素子の素子形成領域の周縁に相当する領域に、内周面の形状が、前記半導体素子の一方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されたリング状のシール部材を形成する工程と、
前記半導体素子と前記カバー部材とを前記シール部材を介して貼り合わせる工程と、
前記半導体素子の他方の面上に、前記配線回路に接続されるはんだボールを形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
(7)
前記シール部材の前記半導体素子の一方の面に対して垂直方向の幅を、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的、又は連続的に小さくなるように形成する
(6)に記載の半導体装置の製造方法。
(8)
前記シール部材の前記半導体素子の一方の面に対して垂直方向の幅を、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的に小さくなるように形成し、前記シール部材は、段毎に硬度の異なる材料で形成する
(7)に記載の半導体装置の製造方法。
(9)
前記シール部材の内周面の形状は、前記半導体素子の一方の面に対して水平方向に凹凸形状を為すように形成する
(6)に記載の半導体装置の製造方法。
(10)
前記シール部材の内周面をテーパ形状に形成する
(7)に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0060】
1,23,26・・・半導体装置、2・・・固体撮像素子、3,22,25,30,31,32,33・・・シール部材、4・・・カバー部材、5・・・はんだボール、6・・・層間絶縁膜、7・・・シリコン基板、8・・・配線層、9・・・配線パッド部、10・・・配線、11・・・カラーフィルタ層、12・・・オンチップレンズ、13,16,27・・・マスク、14・・・第1部材、14a,15a,25a・・・感光性樹脂層、15・・・第2部材、17・・・空間、18・・・絶縁膜、19・・・電極層、20・・・絶縁層、21・・・プローブピン、28・・・貫通孔
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関し、特に、素子毎にパッケージングされた半導体装置に関する。また、その半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CMOSイメージセンサなどの固体撮像素子をCSP(Chip Size Package)化する際、固体撮像素子の表面側のチップ外周部にリング状にシール樹脂を形成し、その上にガラス基板を乗せる。これにより、固体撮像素子の光入射面側は、ガラス基板とシール樹脂とによって気密にされたキャビティ構造内に封止される。
【0003】
ところで、固体撮像素子では、ガラス基板を貼り合わせた後、固体撮像素子の裏面側に、配線層のパッド部へ貫通するTSV(ThroughSilicon Via)が形成され、TSVを通して固体撮像素子の配線に電気的に接続されたはんだボールが形成される。このTSVの形成を容易にするため、一般的に、固体撮像素子の半導体基板の厚さが100μm以下まで薄くされる。
【0004】
このように、パッケージングされた固体撮像素子の半導体基板の厚さは100μm程度にまで薄くされるので、固体撮像素子自体の強度が低下してしまう。そうすると、CSP化した後に、はんだボールにプローブピンを刺して電気測定する場合など、固体撮像素子の裏面側から力が加わる際、シール樹脂のエッジに沿ってクラックが発生してしまうという問題がある。このようなクラックの発生は、電気測定時にとどまらず、ダイシング時や、バックグラインド(BGR)時など、固体撮像素子の裏面側からの外力が加わる際に起こり得る。
【0005】
CSP化後における半導体基板のクラックの発生を回避するため、特許文献1に記載の発明では、シール樹脂の直下における半導体基板のみを薄くするという提案がなされている。また、特許文献2に記載の発明では、固体撮像素子の表面のオンチップレンズに、ガラス基板を接触させるという提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−158863号公報
【特許文献2】特開2009−295739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、半導体基板の裏面側に段差を設ける場合、段差部分の壁面に配線パターンを形成することが困難であるという問題や、その配線パターン上部に形成される保護膜などの膜厚が段差部分で急激に変わり、膜厚が不安定となる問題がある。これにより、品質の低下が引き起こされる可能性がある。
【0008】
また、固体撮像素子のオンチップレンズにガラス基板を接触させる構成では、オンチップレンズ表面が変形してしまうおそれがある。オンチップレンズの形状は微小に変化するだけでも集光能力が変化してしまうため、非常に繊細に取り扱う必要がある。したがって、オンチップレンズをガラス基板に接触させた場合、固体撮像素子のセンサー能力の低下につながる可能性がある。
【0009】
上述の点に鑑み、本開示は、半導体素子上にカバー部材が貼り合わされることによってパッケージングされた半導体装置において、半導体素子へのクラックの発生を抑制し、歩留まりの向上を図る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の半導体装置は、半導体素子と、カバー部材と、シール部材とを備える。半導体素子は、半導体基板上に所望の配線回路を備え、一方の面にはんだボールを有する。カバー部材は、半導体素子の他方の面側に形成されるものである。シール部材は、半導体素子の素子形成領域の周縁にリング状に形成され、半導体素子の他方の面をカバー部材との間で気密に保持する。そして、このシール部材は、内周面の形状が半導体素子の他方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されている。
【0011】
本開示の半導体装置では、シール部材の内周面の形状が、半導体素子の他方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成される。このため、半導体素子の一方の面からカバー部材側に外力が加わった場合、段階的、又は連続的に変化するように形成されたシール部材により、半導体素子に発生する応力が緩和される。
【0012】
本開示の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に所望の配線回路を有する半導体素子と、半導体素子の一方の面上に貼り合わせるカバー部材とを準備する工程を有する。また、半導体素子、又はカバー部材の貼り合わせ面において、半導体素子の素子形成領域の周縁に相当する領域にリング状のシール部材を形成する工程を有する。このシール部材は、その内周面の形状が半導体素子の一方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されるものである。また、半導体素子とカバー部材とをシール部材を介して貼り合わせる工程を有する。また、半導体素子の他方の面上に、配線回路に接続されるはんだボールを形成する工程を有する。
【0013】
本開示の半導体装置の製造方法では、シール部材の内周面の形状を、半導体素子の一方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成する。このため、半導体素子の一方の面からカバー部材側に外力が加わった場合、段階的、又は連続的に変化するように形成されたシール部材により、半導体素子に発生する応力が緩和される。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、半導体装置に外力が加わった場合においても、半導体素子内のクラックの発生が抑制され、歩留まりの向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示す図である。
【図2】A,B,C 本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図3】D,E 本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図4】F,G 本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図(その3)である。
【図5】H,I 本開示の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図(その4)である。
【図6】A,B 従来の半導体装置の断面構成図と、従来の半導体装置におけるシール部材の平面構成図である。
【図7】従来の半導体装置において電気測定を行う場合の概略構成図である。
【図8】本開示の第1の実施形態に係る半導体装置において電気測定を行う場合の概略構成図である。
【図9】本開示の第2の実施形態に係る半導体装置の断面構成を示す図である。
【図10】A,B 本開示の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図11】A,B,C,D 本開示の第3の実施形態に係る半導体装置のシール部材の平面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本開示の実施形態に係る半導体装置、及び半導体装置の製造方法の一例を、図1〜図11を参照しながら説明する。本開示の実施形態は以下の順で説明する。なお、本開示は以下の例に限定されるものではない。
1.第1の実施形態:シール部材の断面形状が階段状とされる例
1−1 半導体装置の構成
1−2 半導体装置の製造方法
1−3 比較例
2.第2の実施形態:シール部材の断面形状がテーパ状とされる例
3.第3の実施形態:シール部材の面内方向の形状が凹凸状とされる例
【0017】
〈1.第1の実施形態:半導体装置〉
[1−1 半導体装置の構成]
まず、本開示の第1の実施形態に係る半導体装置について説明する。本実施形態例では、半導体装置として、固体撮像素子がパッケージングされた例を説明する。
図1は、本実施形態例の半導体装置1の断面構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態例の半導体装置1は、固体撮像素子2と、カバー部材4と、シール部材3とで構成されている。
【0018】
固体撮像素子2は、一方の面にはんだボール5が形成され、そのはんだボール5が形成された面とは反対側の他方の面が撮像面(光入射面)とされている。固体撮像素子2では、光電変換部からなる複数の画素が形成されており、撮像面に入射した光の光量に応じた信号電荷が生成され、画素信号として出力される。はんだボール5は、配線層8の配線パッド部9(図5I参照)に接続されており、ダイソートテストや他の電子機器への電気的接続に用いられる。
【0019】
カバー部材4は、固体撮像素子2の撮像面側に設けられており、撮像面から所定の空間17を介して撮像面をカバーするように設けられている。カバー部材4としては、光透過性の基板を用いることができ、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、無アルカリガラス、耐熱ガラス、アクリル樹脂などを用いることができる。
【0020】
シール部材3は、固体撮像素子2とカバー部材4を接着するものであり、固体撮像素子2の撮像面において、素子形成領域を囲むようにリング状(本実施形態例では、矩形状)に設けられている。ここで、素子形成領域とは、チップ毎に形成された画素や周辺回路を含む領域を示すものとする。シール部材3の、撮像面に垂直な方向の断面の高さは、撮像面とカバー部材4との間に必要な距離分の高さに設定されており、このシール部材3により、撮像面がカバー部材4とシール部材3とで囲まれる空間17に気密に保持されている。
【0021】
また、リング状に形成されたシール部材3の撮像面に面する側の内周面の形状は、撮像面に垂直な方向に2段の階段状をなすように形成され、その断面の幅は、撮像面側からカバー部材4側に向かって小さくなるように形成されている。すなわち、シール部材3は、撮像面側に形成された第1部材14と、その第1部材14の上部に積層され、第1部材14の断面の幅よりも小さい幅で形成された第2部材15とからなる2層構造とされている。
【0022】
このシール部材3を構成する材料としては、例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の感光性樹脂を用いることができ、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、シロキ酸系樹脂s、シアノエステル系樹脂などを用いることができる。
【0023】
[1−2 半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態例の半導体装置1の製造方法について説明する。図2〜図5は、本実施形態例の半導体装置1の製造方法を示す工程図である。
【0024】
まず、ウェハ状のシリコン基板7に、複数の画素を形成することにより、固体撮像素子2を形成する。すなわち、図2Aに示すように、シリコン基板7上の素子形成領域毎に光電変換部を構成するフォトダイオードPDや、そのフォトダイオードPDで生成された信号電荷を読み出すための画素トランジスタ(図示せず)などを形成する。さらに、シリコン基板7上に、層間絶縁膜6を介して複数層(図2Aでは3層)に積層された配線10や、後の工程ではんだボール5に接続される配線パッド部9が形成される配線層8を形成する。配線層8に形成される配線10、及び配線パッド部9は、各画素を駆動する配線回路を構成する。
【0025】
配線層8の形成後は、カラーフィルタ層11、オンチップレンズ12を順に形成する。この固体撮像素子2の製造方法は、一般的な固体撮像素子の製造方法と同様の工程であり、種々の形態を取ることができる。そして、オンチップレンズ12が形成された面が撮像面とされ、半導体装置1の光入射面側、すなわち、カバー部材4側とされる。
【0026】
次に、図2Bに示すように、シール部材3の第1部材14となる感光性樹脂層14aを撮像面全面に形成する。本実施形態例では、露光した部分が硬化するネガ型の樹脂層を形成する例とする。そして、感光性樹脂層14a上部に、第1部材14が形成される部分のみが開口したマスク13を形成し、そのマスク13を介して露光を行う。
【0027】
次に、図2Cに示すように、現像する。これにより、マスク13で露出された部分のみが残り、撮像面の各素子形成領域を囲む領域に第1部材14が形成される。ここでは、固体撮像素子2はウェハ状とされているため、第1部材14は各チップとなる部分を区画するように形成されるものである。
【0028】
次に、図3Dに示すように、第1部材14を被覆するように撮像面全面に、第2部材15となるネガ型の感光性樹脂層15aを形成する。この場合、第2部材15の高さに必要な樹脂層を形成する。そして、感光性樹脂層15a上部に、第2部材15が形成される部分のみが開口したマスク16を形成し、そのマスク16を介して露光を行う。
【0029】
次に、現像することにより、図3Eに示すように、第1部材14上部に積層した第2部材15が形成される。以上のようにして、固体撮像素子2の撮像面では、各素子形成領域の周縁にリング状のシール部材3が形成される。
【0030】
次に、図4Fに示すように、ウェハ状の固体撮像素子2の撮像面にシール部材3を介してカバー部材4を貼り合わせる。これにより、撮像面とシール部材3とカバー部材4に囲まれる空間17は気密に保持される。
【0031】
次に、図4Gに示すように、バックグラインド加工により、固体撮像素子2のシリコン基板7を裏面側から薄肉化する。ここでは、次に行うTSV加工が容易となるように、例えば、シリコン基板7の厚みが75μm〜100μmとなるように薄肉化する。
【0032】
次に、図5Hに示すように、シリコン基板7の裏面側から配線層8に形成された配線パッド部9が露出するように開口することにより、シリコン基板7を貫通する貫通孔(TSV)28を形成する。前段の工程において、シリコン基板7が100μm以下にまで薄くされているので、このTSV加工では、シリコン基板7への貫通孔28の形成が容易となる。
【0033】
次に、図5Iに示すように、貫通孔28の側面及びシリコン基板7の裏面側を被覆する絶縁膜18を形成する。次に、配線パッド部9に接続されると共に、シリコン基板7の裏面側に張り出す電極層19を形成する。そして、シリコン基板7の裏面側に張り出した電極層19上部にはんだボール5を形成する。その後、貫通孔28内を埋め込み、シリコン基板7の裏面側を被覆する絶縁層20を形成する。
【0034】
そして、このようにして形成されたウェハ状の半導体装置1を、ダイシングライン(図示を省略する)に沿ってチップ毎に分離する。これにより、固体撮像素子2毎にパッケージングされた図1に示す半導体装置1が完成する。
【0035】
[1−3 比較例]
図6Aに、比較例として、従来の半導体装置23の断面構成を示し、図6Bに、従来の半導体装置23におけるシール部材22の平面構成を示す。また、図7に、従来の半導体装置23において電気測定を行う場合の概略構成を示す。図6において、図1に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0036】
従来の半導体装置23では、図6A示すようにシール部材22が1段構成とされ、その断面形状がほぼ長方形とされている。さらに、図6Bに示すように、従来のシール部材22は、撮像面の素子形成領域を囲む周縁に形成され、その内周面はほぼ四角形状をなすように形成されている。従来の半導体装置23において、製品の良否判定のための電気測定(ダイソートテスト)を行う場合には、図7に示すように固体撮像素子2の裏面側に形成されたはんだボール5にプローブピン21が立てられる。
【0037】
このように、固体撮像素子2の裏面側からプローブピン21を立てる際、固体撮像素子2がカバー部材4側に押圧される。そうすると、カバー部材4と固体撮像素子2の撮像面との間には空間17があるため、固体撮像素子2の周縁よりも中央部分がカバー部材4側に変位しやすく、シール部材3の撮像面側のエッジ部分に応力が集中する。このため、図7に示すように、シール部材3のエッジ部分に沿って固体撮像素子2にクラック24が発生してしまう。特に、図5Hに示したように、貫通孔28の形成のためにシリコン基板7を100μm以下に薄肉化した場合には、シリコン基板7が脆弱化しているため、クラック24が発生しやすくなり、製品の歩留まりが低下してしまう。
【0038】
図8に、本実施形態例の半導体装置において、はんだボール5にプローブピン21を立てた場合の概略構成を示す。本実施形態例では、半導体装置1において、シール部材3の撮像面に面する内周面側が、撮像面に対して垂直方向に2段の階段状をなすように形成され、かつ、固体撮像素子2側の第1部材14の断面が、第2部材15の断面よりも幅広に形成されている。このため、固体撮像素子2がカバー部材4側に押圧された場合には、応力が強くかかる場所が第1部材14の撮像面側のエッジ部分と、第2部材15の撮像面側のエッジ部分に分散する。そうすると、固体撮像素子2がカバー部材4側に押圧された場合に応力が狭い範囲に集中することがなくなるため、固体撮像素子2におけるクラックの発生を抑制することができる。これにより、歩留まりの向上が図られる。
【0039】
ところで、本実施形態例の半導体装置1の製造方法では、シール部材3を介して固体撮像素子2とカバー部材4とを貼り合わせた後に、シリコン基板7のグライディング加工、TSV加工、ダイシング加工などが行われる。これらの工程では、固体撮像素子2の裏面側からカバー部材4側に向かう力が発生する。本実施形態例では、シール部材3の撮像面に面する内周面側が、撮像面に対して垂直方向に2段の階段状をなすように形成されているため、これらの製造工程で発生する応力も2段のシール部材3で緩和することができる。これにより、製造工程における固体撮像素子2のクラックの発生も抑制することができる。
【0040】
本実施形態例では、ネガ型の感光性樹脂層を用いて断面が階段状のシール部材3を形成する構成としたが、ポジ型の感光性樹脂層を用い、2回の露光を行うことにより、断面が階段状のシール部材3を形成する構成としてもよい。この場合には、シール部材3の製造工程数を削減することができる。
【0041】
また、第1部材14と第2部材15に用いる材料を異ならせてもよい。例えば、第1部材14を第2部材15の材料よりも硬い接着材料で形成することにより、固体撮像素子2の裏面側から外力が加えられた際、シリコン基板7がより固定されるためダイシング時に有利となる。反対に、第2部材15を第1部材14の材料よりも硬い接着材料で形成することにより、シリコン基板7の撓みに対する応力をより緩和することができる。
【0042】
第1部材14及び第2部材15に用いる材料の硬度は、例えば、エポキシ樹脂、又はアクリル系樹脂からなる接着材料に添加するシリコーン樹脂の量を変えることで設定することができ、適宜変更が可能である。
【0043】
〈2.第2の実施形態:シール部材の断面形状がテーパ状とされる例〉
次に、本開示の第2の実施形態に係る半導体装置について説明する。図9は、本実施形態例の半導体装置26の断面構成を示す図である。図9において図1に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0044】
本実施形態例では、シール部材25の内周面の形状が撮像面側からカバー部材4側に掛けて連続的に小さくなるようなテーパ形状とされている例である。このとき、シール部材25のテーパ面はシール部材25の撮像面に面する側の内周面に形成され、テーパ角は、約45度に設定されている。
【0045】
本実施形態例の半導体装置26においても、固体撮像素子2の裏面側からカバー部材4側に向かう外力が加えられた場合、固体撮像素子2がカバー部材4側に曲がるような応力が発生する。しかしながら、本実施形態例では、シール部材25がテーパ状に形成されているため、シール部材25と固体撮像素子2とが当接する面内で、固体撮像素子2側に発生する応力の急激な変化が緩和される。これにより、固体撮像素子2に発生する応力が狭い範囲に集中することがなくなるため、固体撮像素子2へのクラックの発生を抑えることができる。
【0046】
シール部材25をテーパ状に形成する場合のテーパ角は、固体撮像素子2を裏面側からカバー部材4側に押圧したときに発生する応力を緩和できる角度であり、かつ、固体撮像素子2の撮像面側にカバー部材4を気密に保持できる角度であればよい。本実施形態例では、シール部材25のテーパ角を45度としたが、45度以下であれば十分に応力の緩和が図られる。
【0047】
図10A及び図10Bは、本実施形態例の半導体装置26において、シール部材25を形成する工程を示す図である。
テーパ形状のシール部材25を形成する場合には、図2Aと同様にして固体撮像素子2を形成した後、図10Aに示すように、オンチップレンズ12上部に例えばポジ型の感光性樹脂層25aを形成する。その後、感光性樹脂層25a上部にシール部材25が形成される部分以外を露出するマスク27を形成し、マスク27を介してアンダー露光する。
【0048】
次に、現像することにより、図10Bに示すように、上面から撮像面側に掛けて連続的に断面幅が大きくなるようなテーパ形状を有するシール部材25を形成することができる。
【0049】
〈3.第3の実施形態:シール部材の平面形状が、内周面側において凹凸状とされる例〉
次に、本開示の第3の実施形態に係る半導体装置について説明する。図11Aは、本実施形態例の半導体装置のシール部材30の平面構成を示す図であり、撮像面と平行な面における形状を示す図である。本実施形態例では、シール部材30の平面形状が第1の実施形態と異なる例であるから、シール部材30のみ図示し、その他の図示を省略する。
【0050】
本実施形態例の半導体装置では、リング状に形成されたシール部材30の内周面側が、撮像面に対して水平な方向に正弦曲線を描く凹凸形状をなすように形成されている。また、図示を省略するが、本実施形態例の半導体装置において、シール部材30の断面構成は、図6Aに示した従来例の半導体装置23と同様、長方形状をなすように形成されている。
【0051】
本実施形態例の半導体装置では、固体撮像素子の裏面側からカバー部材側に外力が加わった際、固体撮像素子にかかる応力はシール部材30の凹凸形状のエッジ部分に沿うように発生する。そうすると、本実施形態例ではシール部材30の内周面は凹凸形状とされているので、固体撮像素子内において、応力が発生する部分が凹凸形状の振幅分の領域に分散する。すなわち、図11Aに示す幅aの領域内に応力が分散される。
【0052】
図6Bに示すように、従来の半導体装置23では、シール部材22の撮像面に面する側の内周面は、撮像面に水平な方向に直線状に形成されるため、応力がシール部材22のエッジ部分に沿って直線上に集中する。これにより、図7に示すように、固体撮像素子2側にクラックが発生するおそれがあった。
【0053】
本実施形態例では、シール部材3の内周面を凹凸形状に形成することにより、応力が凹凸形状の振幅分の領域に分散されるため、固体撮像素子側の急激な応力の変化が緩和され、クラックの発生が抑制される。
【0054】
図11B〜図11Dに、変形例に係るシール部材の平面構成を示す。図11Bは、リング状に形成されたシール部材31の内周面側が、撮像面に対して水平な方向に矩形の凹凸形状をなすように形成された例である。また、図11Cは、リング状に形成されたシール部材32の内周面側が、撮像面に対して水平な方向に頂点が鈍角又は鋭角の三角形をなす凹凸形状に形成された例である。また、図11Dは、リング状に形成されたシール部材33の内周面側が、撮像面に対して水平な方向に台形をなす凹凸形状に形成された例である。
【0055】
図11B〜図11Dに示す例においても、図11Aと同様、固体撮像素子の裏面側からカバー部材側に外力が加わった場合、応力が凹凸形状の振幅分の領域に分散されるため、固体撮像素子側の急激な応力の変化が緩和される。これにより、固体撮像素子の裏面側からカバー部材側に外力が加わった場合でも、固体撮像素子内にクラックが発生するのを抑制することができる。
【0056】
図11A〜図11Dに示すシール部材は、図2Bに示す工程において、マスクの開口部を図11A〜図11Dに示す形状とし、ネガ型の感光性樹脂層を露光することで形成することができる。また、本実施形態例では、シール部材の、撮像面に対して垂直方向の断面が長方形であるとしたが、第1の実施形態、及び第2の実施形態のように、階段状、又はテーパ状としてもよく、種々の組み合わせが可能である。
【0057】
上述した第1〜第3の実施形態における半導体装置では、シール部材を固体撮像素子側に形成する例としたが、これに限られるものではなく、シール部材をカバー部材側に形成してもよい。シール部材をカバー部材側に形成する場合は、固体撮像素子の撮像面を汚すおそれがなく、撮像面の精度を保つことができる。
【0058】
また、上述した第1〜第3の実施形態では、半導体装置として、固体撮像素子にシール部材を介してカバー部材を貼り合わせた例を示したが、これに限られるものではない。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の半導体素子にカバー部材を貼り合わせる際にも、本開示のシール部材を適用することにより、同様の効果を得ることができる。
【0059】
なお、本開示は、以下のような構成をとることができる。
(1)
半導体基板上に所望の配線回路を備え、一方の面にはんだボールを有する半導体素子と、
前記半導体素子の他方の面側に形成されるカバー部材と、
前記半導体素子の素子形成領域の周縁にリング状に形成され、前記半導体素子の他方の面を前記カバー部材との間で気密に保持するシール部材であって、内周面の形状が前記半導体素子の他方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されたシール部材と、
を備える半導体装置
(2)
前記シール部材の前記半導体素子の他方の面に対して垂直方向の幅は、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的、又は連続的に小さくなるように形成されている
(1)記載の半導体装置。
(3)
前記シール部材の前記半導体素子の他方の面に対して垂直方向の幅が、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的に小さくなるように形成されており、
前記シール部材は、段毎に異なる硬度の材料で形成されている
(2)に記載の半導体装置。
(4)
前記シール部材の内周面の形状は、前記半導体素子の他方の面に対して水平方向に凹凸形状を為すように形成されている
(1)に記載の半導体装置。
(5)
前記シール部材の内周面はテーパ形状とされている
(2)に記載の半導体装置。
(6)
半導体基板上に所望の配線回路を有する半導体素子と、前記半導体素子の一方の面上に貼り合わせるカバー部材とを準備する工程と、
前記半導体素子、又は前記カバー部材の貼り合わせ面において、前記半導体素子の素子形成領域の周縁に相当する領域に、内周面の形状が、前記半導体素子の一方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されたリング状のシール部材を形成する工程と、
前記半導体素子と前記カバー部材とを前記シール部材を介して貼り合わせる工程と、
前記半導体素子の他方の面上に、前記配線回路に接続されるはんだボールを形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
(7)
前記シール部材の前記半導体素子の一方の面に対して垂直方向の幅を、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的、又は連続的に小さくなるように形成する
(6)に記載の半導体装置の製造方法。
(8)
前記シール部材の前記半導体素子の一方の面に対して垂直方向の幅を、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的に小さくなるように形成し、前記シール部材は、段毎に硬度の異なる材料で形成する
(7)に記載の半導体装置の製造方法。
(9)
前記シール部材の内周面の形状は、前記半導体素子の一方の面に対して水平方向に凹凸形状を為すように形成する
(6)に記載の半導体装置の製造方法。
(10)
前記シール部材の内周面をテーパ形状に形成する
(7)に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0060】
1,23,26・・・半導体装置、2・・・固体撮像素子、3,22,25,30,31,32,33・・・シール部材、4・・・カバー部材、5・・・はんだボール、6・・・層間絶縁膜、7・・・シリコン基板、8・・・配線層、9・・・配線パッド部、10・・・配線、11・・・カラーフィルタ層、12・・・オンチップレンズ、13,16,27・・・マスク、14・・・第1部材、14a,15a,25a・・・感光性樹脂層、15・・・第2部材、17・・・空間、18・・・絶縁膜、19・・・電極層、20・・・絶縁層、21・・・プローブピン、28・・・貫通孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に所望の配線回路を備え、一方の面にはんだボールを有する半導体素子と、
前記半導体素子の他方の面側に形成されるカバー部材と、
前記半導体素子の素子形成領域の周縁にリング状に形成され、前記半導体素子の他方の面を前記カバー部材との間で気密に保持するシール部材であって、内周面の形状が前記半導体素子の他方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されたシール部材と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記シール部材の前記半導体素子の他方の面に対して水平方向の断面幅は、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的、又は連続的に小さくなるように形成されている
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記シール部材の前記半導体素子の他方の面に対して水平方向の断面幅が、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的に小さくなるように形成されており、
前記シール部材は、段毎に異なる硬度の材料で形成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記シール部材の内周面の形状は、前記半導体素子の他方の面に対して水平方向に凹凸形状を為すように形成されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記シール部材の内周面はテーパ形状とされている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体基板上に所望の配線回路を有する半導体素子と、前記半導体素子の一方の面上に貼り合わせるカバー部材とを準備する工程と、
前記半導体素子、又は前記カバー部材の貼り合わせ面において、前記半導体素子の素子形成領域の周縁に相当する領域に、内周面の形状が、前記半導体素子の一方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されたリング状のシール部材を形成する工程と、
前記半導体素子と前記カバー部材とを前記シール部材を介して貼り合わせる工程と、
前記半導体素子の他方の面上に、前記配線回路に接続されるはんだボールを形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記シール部材の前記半導体素子の一方の面に対して水平方向の断面幅を、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的、又は連続的に小さくなるように形成する
請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記シール部材の前記半導体素子の一方の面に対して水平方向の断面幅を、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的に小さくなるように形成し、前記シール部材は、段毎に硬度の異なる材料で形成する
請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記シール部材の内周面の形状は、前記半導体素子の一方の面に対して水平方向に凹凸形状を為すように形成する
請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記シール部材の内周面をテーパ形状に形成する
請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板上に所望の配線回路を備え、一方の面にはんだボールを有する半導体素子と、
前記半導体素子の他方の面側に形成されるカバー部材と、
前記半導体素子の素子形成領域の周縁にリング状に形成され、前記半導体素子の他方の面を前記カバー部材との間で気密に保持するシール部材であって、内周面の形状が前記半導体素子の他方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されたシール部材と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記シール部材の前記半導体素子の他方の面に対して水平方向の断面幅は、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的、又は連続的に小さくなるように形成されている
請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記シール部材の前記半導体素子の他方の面に対して水平方向の断面幅が、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的に小さくなるように形成されており、
前記シール部材は、段毎に異なる硬度の材料で形成されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記シール部材の内周面の形状は、前記半導体素子の他方の面に対して水平方向に凹凸形状を為すように形成されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記シール部材の内周面はテーパ形状とされている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体基板上に所望の配線回路を有する半導体素子と、前記半導体素子の一方の面上に貼り合わせるカバー部材とを準備する工程と、
前記半導体素子、又は前記カバー部材の貼り合わせ面において、前記半導体素子の素子形成領域の周縁に相当する領域に、内周面の形状が、前記半導体素子の一方の面に対して垂直方向、又は/及び水平方向に段階的、又は連続的に変化するように形成されたリング状のシール部材を形成する工程と、
前記半導体素子と前記カバー部材とを前記シール部材を介して貼り合わせる工程と、
前記半導体素子の他方の面上に、前記配線回路に接続されるはんだボールを形成する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記シール部材の前記半導体素子の一方の面に対して水平方向の断面幅を、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的、又は連続的に小さくなるように形成する
請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記シール部材の前記半導体素子の一方の面に対して水平方向の断面幅を、前記半導体素子側から前記カバー部材側に向かって段階的に小さくなるように形成し、前記シール部材は、段毎に硬度の異なる材料で形成する
請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記シール部材の内周面の形状は、前記半導体素子の一方の面に対して水平方向に凹凸形状を為すように形成する
請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記シール部材の内周面をテーパ形状に形成する
請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−12552(P2013−12552A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143459(P2011−143459)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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