説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】鉛フリー化を実現した半導体装置において、温度サイクル信頼性を大幅に向上できる実装構造を提供する。
【解決手段】Siチップ5と金属リードフレーム1を、3次元の網状構造をもつAgを結合材としたポーラスな高導電性金属の接着層4Aを介して金属結合により接合し、高分子樹脂12と接する半導体組立体の表面にZnやAlの酸化物を含む皮膜10を形成した半導体装置構造とする。これにより、Ag主体のポーラス構造の接着層4Aで接合することでSiチップ5の熱応力負荷を低減でき、かつ接着層4A自体の疲労寿命を向上でき、さらに皮膜10とのアンカー効果による高分子樹脂12の高接着化でボンディング部にクラックが発生するのを防ぎ、鉛フリーで高信頼の半導体装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、電気的導通と熱放散性が要求される、鉛フリーのダイボンド構造を有する半導体装置およびその製造に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFETのように、裏面に電極を有する縦型半導体チップが搭載された半導体装置では、二次実装の260℃リフロー工程に耐えるため、ダイボンディング材料に高鉛はんだが使われている。2007年から施行されたRoHS指令の鉛使用禁止規制から高鉛はんだは除外されているが、近年の環境意識の高まりにより高鉛はんだの鉛フリー化が強く求められている。
【0003】
しかし、Cu基材の金属リードフレームとSi基板の半導体チップがダイボンディングされた構造では基材間の熱膨張差が大きく、その熱歪に耐えられる合金系の高温鉛フリーはんだ材料は見出されていない。はんだ以外の260℃リフロー耐性のある接続材料として、樹脂接着タイプのAgペーストやAg焼結現象を利用した金属接着ペーストがあるが、いずれも接着部の強度や変形能が高鉛はんだほど高くないため、従来の半導体装置に適用した場合の温度サイクル信頼性が高鉛はんだに比べて低い値しか得られておらず、10Wを超える高出力の半導体チップで製品に適用されている例は見当たらない。
【0004】
一方、半導体装置の高信頼化に関して、金属リードフレームと封止樹脂を高接着化する半導体装置の製造技術が知られている(たとえば、特許文献1または非特許文献1)。これは、アルカリ系水溶液中で金属表面にZnとCrあるいはZnと他の金属の合金系の皮膜を電気めっき法で形成することにより、Zn合金皮膜の形態をヒゲ状構造とし、高分子樹脂と機械的アンカー効果によって強固に接着されるというメカニズムである。接着部は高湿度環境や繰り返し熱応力環境下でも高接着強度を維持可能で、樹脂封止型半導体装置の水蒸気爆発に起因したポプコーン現象を防止できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007―508448号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】IEEE TRANSACTIONS ON ADVANCED PACKAGING、Vol.22、No.3、1999.8、p398-406
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
裏面に電極を有する縦型半導体チップを含む半導体装置について、従来の半導体装置のようにAgペーストや焼成型の金属接着ペーストをダイボンディング材に用い、電気めっき法で金属リードフレームと封止樹脂を高接着化して高い信頼性を得る方法は、ボンディング部をめっき液のアルカリ系水溶液に浸漬することになるため、Agペースト接着部では水分の作用で半導体チップの裏面電極とAgペーストとの界面や金属リードフレームとAgペーストとの界面の接着強度が低下して剥離が発生するという問題や、Agペースト樹脂内に水分が浸入して封止樹脂をモールドして加熱硬化する工程でモールド樹脂との界面やモールド樹脂内部に気泡が発生するという問題がある。また、焼成型金属接着ペーストでダイボンディングした場合は、ダイ接着層が微細なポーラス構造となっているため、接着層内に侵入しためっき液をめっき処理後の洗浄工程で完全に除去しきれず、接着層内にイオン性の不純物が残存して半導体装置の高温高湿信頼性が低下したり、洗浄工程や乾燥工程に時間を要し生産性が低下するという問題がある。また、ポーラス部を樹脂で埋めてからめっきする方法では、樹脂内にめっき液の水分が浸入しAgペーストの場合と同様に封止樹脂をモールドして加熱硬化する工程でモールド樹脂との界面やモールド樹脂内部に気泡を発生させるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、出力5Wを越える縦型半導体チップを含む半導体装置において、ダイボンディング材料に鉛フリーのAg系導電性材料を使った構造で温度サイクル信頼性が従来の高鉛はんだを使ったパッケージと同等以上である信頼性の高い半導体装置を製造する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0010】
本願の一発明による半導体装置の製造方法は、
外部取り出し用金属リードとボンディング部を有する金属リードフレームと、
前記金属リードフレーム上の前記ボンディング部に接着層を介してダイボンディングされ、裏面電極を備えた半導体チップと、
前記半導体チップの主面の電極と前記外部取り出し用金属リード間を電気的に接続する接続部材と
を有する半導体組立体と、
前記半導体チップとその周辺を覆うように形成された絶縁性の封止樹脂とで構成された半導体装置の製造方法において、
(a)前記金属リードフレーム上の前記ボンディング部に前記半導体チップをAgを含む導電性材料でダイボンディングする工程、
(b)前記半導体チップの主面の前記電極と前記外部取り出し用金属リード間を電気的に接続する工程、
(c)前記(b)工程の後、前記半導体組立体に有機金属化合物溶液を塗布する工程、
(d)前記(c)工程の後、前記有機金属化合物溶液を塗布した前記半導体組立体を加熱処理して前記半導体組立体の表面に酸化金属皮膜を焼成によって形成する工程、
(e)前記半導体チップと前記接続部材と前記金属リードフレームの少なくとも一部とを覆うように前記絶縁性の封止樹脂をモールドして硬化処理する工程、
を有し、
前記(a)工程におけるダイボンディング工程は、前記金属リードフレーム上に直径1μm以下のAgの微粒子と、300℃以下の酸化雰囲気中で気化・消失する有機材料と、直径15μmより大きく150μmより小さい導電性の金属粒子を含む前記Agを含む前記導電性材料を供給する工程と、前記Agを含む前記導電性材料の上方から前記半導体チップを押し付けて搭載するマウント工程と、その後に酸化雰囲気中で前記半導体組立体を150℃〜300℃の温度に加熱処理し、前記接着層を形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの一実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0012】
半導体装置のボンディング部の接着強度と柔軟性が増して半導体チップの温度変動時の金属部の疲労破壊を防ぎ、鉛フリーで従来の高鉛はんだと同等の温度サイクル信頼性を有するボンディング部を提供できる。
【0013】
また、金属リードフレームと封止樹脂の接着強度が大幅に向上するため、樹脂の硬化あるいは熱収縮によって常にボンディング部に圧縮力が加えられた状態を維持でき、温度サイクル等によってボンディング部に繰り返しの熱応力が加わった場合でも接着層のクラック発生を防止できるため、信頼性を大幅に向上した鉛フリーの半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体装置を示す要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である半導体装置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造方法を示すフローである。
【図4】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造方法を説明する要部断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1である半導体装置を示す要部断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2である半導体装置を示す要部断面図である。
【図11】本発明の実施の形態2である半導体装置を示す平面図である。
【図12】本発明の実施の形態3である半導体装置を示す要部断面図である。
【図13】本発明を応用した半導体装置を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0016】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
【0017】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、実施の形態等において構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
【0018】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0019】
また、材料等について言及するときは、特にそうでない旨明記したとき、または、原理的または状況的にそうでないときを除き、特定した材料は主要な材料であって、副次的要素、添加物、付加要素等を排除するものではない。たとえば、シリコン部材は特に明示した場合等を除き、純粋なシリコンの場合だけでなく、添加不純物、シリコンを主要な要素とする2元、3元等の合金(たとえばSiGe)等を含むものとする。
【0020】
また、以下の実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0021】
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするために部分的にハッチングを付す場合がある。
【0022】
(実施の形態1)
本実施の形態は、半導体装置の製造方法に適用したものであり、図1〜図8を用いて説明する。
【0023】
図1および図2に、本実施の形態における半導体装置の構造を示す。図1は図2のA−A線に沿った断面図を示している。図2は、本実施の形態における半導体装置の上面平面図である。なお、図2では、図1におけるエポキシ封止樹脂11を破線で表わし、皮膜10を図示していない。
【0024】
図1および図2において、IGBTやパワーMOSFETのように、裏面に電極を有する縦型半導体チップであるSiチップ5の裏面には、金などの金属からなる裏面電極6が形成され、Siチップ5の主面にはAl膜で構成された主電極7と制御電極8が形成されている。Niめっきが施された金属リードフレーム1のチップ搭載位置の表面にはAgめっき膜3が形成され、その上にSiチップ5がポーラスなAgの接着層4Aを介して金属結合によりダイボンディングされている。接着層4Aの厚さは60μm、空隙率は40%となっている。Siチップ5上の主電極7と外部取り出し用金属リード2の間、制御電極8と制御電極用金属リード2Aの間は、Alワイヤ9、9Aがそれぞれボンディングされ、結線されている。エポキシ封止樹脂11と接する半導体組立体16の表面には、ZnOを含む絶縁性の皮膜10が形成されている。
【0025】
本実施の形態によれば、ZnOを含む皮膜10とエポキシ封止樹脂11が化学的相互作用と皮膜10表面のナノサイズの凹凸によるアンカー効果によって強固に接着し、しかも水分の浸入による接着強度の低下がそれほど大きくないため、半導体装置が過酷環境化に曝されてもエポキシ封止樹脂11と金属リードフレーム1間が剥離することがなくなる。その結果、ボンディング部14の接着層4Aにはエポキシ封止樹脂11の収縮効果によって常にSiチップ5を金属リードフレーム1に押し付けるような圧縮応力が加わるため、Siチップ5と金属リードフレーム1間の熱膨張差による剪断歪が接着層4Aに加わった場合でも、接着層4A内に開口するようなクラックの発生を防げる。これにより、非常に高信頼な鉛フリーの半導体装置を提供できる。
【0026】
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図3のフローを参照しながら、図4〜図8を用いて説明する。
【0027】
まず、図4に示すように、全面にNiめっき(図示しない)をし、チップ搭載面に部分Agめっき膜3を形成した、主にCuからなる金属リードフレーム1と、図示されない領域で金属リードフレーム1と一体となっている外部取り出し用金属リード2を用意する。
【0028】
次に、図5に示すように、Agめっき膜3上に、直径1μm以下のAgの微粒子と直径15μmより大きく150μmより小さいAgやCuなどの導電性粒子と300℃以下の酸化雰囲気中で気化・消失する有機溶液を含む金属ペースト4を、ボンディング部14に供給する。供給量は焼成後の接着層4A厚さが目標の厚さとなる量とする。
【0029】
次に、図6に示すように、金属ペースト4上にSiチップ5を低い荷重で押し付けるように搭載する。この後、大気雰囲気の加熱炉で例えば250℃−60分の条件でダイボンディングを行なう。加熱条件は150℃〜350℃の範囲で調整可能で、高温ほど短時間で処理できる。ただし、加熱温度が高いとNiめっき面が酸化してAlワイヤボンディング性が低下するため、加熱温度は300℃以下が望ましい。この加熱工程により、金属ペースト4は接着層4Aとなる。
【0030】
次に、図7に示すように、Siチップ5の主面の主電極7と外部取り出し用金属リード2間をAlワイヤ9によりウェッジボンディングで電気的に接続する。また、図には示していないが、制御電極8、制御電極用金属リード2A間も、Alワイヤ9Aにより電気的に接続する。
【0031】
次に、図8に示すように、半導体組立体16の上面および側面に紫外線を照射し、吸着している有機汚染物を除去した後、有機溶媒で希釈した有機金属化合物溶液を塗布する。塗布方法は、全面塗布の場合は浸漬法や噴霧法が適し、選択的に塗布する場合は半導体組立体16を100〜150℃に加熱しつつインクジェットやディスペンス法で溶液を局所的に供給する方法が適する。溶液を塗布した後、大気中で200℃〜350℃に加熱・焼成して皮膜10を形成する。なお、紫外線照射を併用して150℃〜300℃の低温で焼成することも可能である。
【0032】
その後、接着層4A内の空隙の一部にエポキシ樹脂を充填させる目的で、接着層4Aに液状のエポキシ樹脂を浸透させて加熱・仮硬化し、その後射出成型でモールド・硬化してエポキシ封止樹脂11を形成する。その後、露出した金属部に付着した焼成皮膜を軽い化学エッチングで除去し、はんだめっき(図示しない)を行い、金属リードフレーム1および外部取り出し用金属リード2を切断・成形して半導体装置が完成する。
【0033】
ここで、図9に本実施の形態におけるボンディング部14の詳細な構造図を示す。図9において、Siチップ5の裏面には金などの金属からなる裏面電極6が形成され、Cuを基材とする金属リードフレーム1のチップ搭載面には、厚さ約5μmのAgめっき膜3が形成されている。Siチップ5と金属リードフレーム1間は、3次元の網目構造を有するポーラスなAg粒子の金属骨格4Bで金属結合により接合されている。金属骨格4Bと裏面電極6および金属骨格4BとAgめっき膜3は、Agが結合材となって接合した状態となっている。金属骨格4Bや裏面電極6あるいはAgめっき膜3の表面には、厚さが1〜600nmのZnOを含む皮膜10が形成されている。金属骨格4Bの周囲の空間には熱硬化性あるいは熱可塑性の高分子樹脂12が充填されている。金属で閉じられた空間あるいは外部から樹脂の流入がしづらい空間は、空隙13の状態で残存している。
【0034】
金属骨格4B、皮膜10、高分子樹脂12および空隙13からなるダイボンディング構造の作製方法は、まず、1μm以下のAg微粒子と15〜150μmのサイズを含むAg粒子と酸化して分解しやすい液状有機材を混錬してペースト状にした金属ペースト4を金属リードフレーム1とSiチップ5間に供給し、大気中、無加圧の条件で200℃以上に加熱処理を行なって作成している。Ag微粒子は200℃以上の加熱処理により互いに融合して一体化する性質があり、それ自体が架橋構造を形成したり、比較的大きいサイズのAg粒子同士を糊のような役割を果たして連結したりする。ペースト状態でのAgの占める体積比率はそれほど高くなく、液状有機材が気化・消失した後は、Agからなるの金属骨格4Bと高い比率の空隙が残る。空隙比率はペースト状態でのAgの充填密度を変えることで制御できる。
【0035】
次に、有機Zn化合物を有機溶媒で希釈した溶液を接着層4Aに塗布・浸透させ、大気中で150〜350℃の温度に加熱処理する。有機溶媒は比較的低温で気化消失し、残った有機Zn化合物は熱分解してZnと有機配位子に分離し、Znは周囲の金属に付着・堆積し、有機配位子は酸化して気化・消失する。堆積したZnは酸素と反応してZnOを形成する。その後、接着層4Aの空隙部に液状の高分子樹脂12を充填し、加熱処理により架橋・重合反応を促進して固体状態の樹脂に成形して、図9のダイボンディング構造を形成している。
【0036】
形成された酸化物の皮膜10は、下地金属である金属骨格4Bとは部分的に金属結合により接合した強固な密着力を有し、高分子樹脂12およびエポキシ封止樹脂11との界面は有機樹脂の官能基と化学的作用を伴って強固に結合し、さらに皮膜10表面のナノレベルの凹凸によってアンカー効果が得られ、機械的な結合も作用して高い接着強度が得られる。酸化物の皮膜10自体の強度は樹脂に比べて高いため、結果としてエポキシ封止樹脂11と金属リードフレーム1が強固に接着された構造となる。これにより、図2に示すSiチップ5と金属リードフレーム1のボンディング部14に常に樹脂の収縮に伴う圧縮応力が働き、半導体装置の温度サイクル試験時に、Siチップ5の下方より外側の接着層4A端部のフィレット部15に局所的な応力集中が生じることが無く、またSiチップ5と金属リードフレーム1の熱膨張差によって接着層4Aに繰り返し剪断歪みが加わった場合でも、接着層4A内に開口するようなクラックの発生が無くなり、半導体装置の信頼性を大幅に向上できる。
【0037】
ここで、図9に示すように、接着層4Aを高導電性で高熱伝導のAgで接合した構造としているため、接着層4A厚さが200μmと厚い場合でも接着層4Aの熱抵抗や電気抵抗を従来の高鉛はんだの場合と比較して同等かそれ以下に低くすることができ、半導体装置の損失特性や放熱特性を損なうことがなく、また、空隙率を20〜70%と高くして接着層4Aの低応力での変形能、すなわち降伏応力を小さくしているため、ダイボンディング後の冷却時の熱応力でSiチップ5が割れるという問題を回避できる。
【0038】
また、接着層4Aの厚さを20〜200μmと厚くしているため、上下部材の熱膨張差によって接着層4Aに発生する熱歪を小さくでき、さらに接着層4Aの構造を金属骨格4Bを3次元の網目状に形成されたポーラス構造としたことにより、接着層4Aに加わる熱歪を細い棒状の金属骨格4Bの曲げ変形で吸収できるため金属骨格4Bの塑性変形を小さくでき、接着層4Aの疲労寿命を大幅に改善することが可能となる。このため、接着層4Aの金属骨格4Bの熱疲労寿命を大幅に伸ばすことができ、温度サイクル信頼性を向上できる。
【0039】
なお、接着層4Aには熱と電気が通るが、接着層4Aの厚さが200μm以下であり、Siチップ5から金属リードフレーム1まで高導電性材料で接合しているので、その間の電気抵抗や熱抵抗は高鉛はんだで接合した場合と同等以下に低減でき、半導体装置として低損失で十分な電気特性が得られる。例えば、高鉛はんだの熱抵抗は熱伝導率が30W/mKで平均のはんだ厚を50μmとすると単位面積あたりの接着層4Aの熱抵抗は1.67×10−5K/Wとなり、高導電性材料がAgの場合はポーラス度が70%、接着厚さが最大の200μmとすると熱伝導率が約420W/mKのため1.59×10−5K/Wと高鉛はんだより小さくなる。
【0040】
さらには、接着層4Aの空隙に高分子樹脂12を充填し、金属骨格4Bと高分子樹脂12の界面にZnOの皮膜10を形成して接着強度を大幅に向上しているため、接着層4Aの強度の向上とその強度が高い状態を過酷環境下でも長期に渡って保持することが可能となり、Siチップ5と金属リードフレーム1間で生じた熱歪を接着層4AだけでなくSiチップ5や金属リードフレーム1にも分担して負担させることができ、結果として接着層4Aの温度サイクル寿命をさらに向上でき、その結果として電気特性や放熱特性を損なうことなく高信頼で鉛フリーの半導体装置を提供することができる。
【0041】
なお、本実施の形態では接着層4Aの金属骨格4B表面に形成する酸化物の皮膜10をZnOとしたが、Snの酸化皮膜や、Al主体の皮膜などを形成しても同様の効果が得られる。これらのZn、Al等の酸化物を主体とした皮膜は、350℃以下の温度で分解が進行する有機金属錯体を金属表面に塗布し、酸化雰囲気中で150〜350℃以下の温度に加熱することで、前記金属酸化物を含む皮膜として形成することが可能である。代表的な有機金属錯体の配位子としては、アセチルアセトン酸や2エチルヘキサン酸、ネオデカン酸などが挙げられ、焼成膜厚を1〜600nmの厚さに薄く形成する手段としては、アルコールやアセトン、トルエン系の有機溶媒で希釈して塗布することで可能である。皮膜形成時の加熱温度を350℃まで上げられるのはボンディング部14がAgの金属結合で形成された接着層となっており、高い耐熱性を有しているためである。
【0042】
また、本発明の半導体装置の製造工程は従来の半導体装置の製造工程と同じで、表面処理工程のみが新規な工程となっているため、製造ラインは従来設備を使用することが可能であり、設備投資を最小限に抑えることができる。また、有機金属化合物溶液は有機溶媒としての危険性のみで有害物質を含んでいないため、安全あるいは環境に配慮した処理設備が既存のものでよく、溶液の塗布・焼成設備も簡便な設備で対応できるため、この点からも新規な設備投資を抑制できるという効果がある。
【0043】
さらにまた、ボンディング部14の接着層4Aへの液状樹脂充填は必須ではなく、外周部は射出成型のエポキシ封止樹脂11が侵入するため、省略することも可能である。
【0044】
さらにまた、金属リードフレーム1がCuに直接AgめっきしたCu露出面が主体の金属リードフレームの場合には、大気中加熱処理でCuの酸化が進行するため、ダイボンディングの加熱温度を250℃以下とし、その後水素を含む雰囲気中で加熱する還元処理を加え、有機金属化合物溶液を塗布後の焼成雰囲気は酸素濃度を制限した雰囲気中で加熱処理する方法とする。処理温度は大気雰囲気の場合より高くし、有機金属化合物の分解を促進する条件に変える必要がある。
【0045】
さらにまた、ここではダイボンディングをポーラスなAgの接着層4Aで接合した構造としたが、樹脂接着タイプの導電性接着剤を使った半導体装置でも同様の効果が得られることは言うまでも無い。
【0046】
さらにまた、皮膜10の形成領域を半導体組立体16の樹脂封止領域全体としたが、その領域を金属リードフレーム1および接着層4Aの表面に限定しても同様の効果が得られる。
【0047】
(実施の形態2)
本実施の形態は、半導体装置の製造方法に適用したものであり、図10、図11を用いて説明する。
【0048】
図10および図11に、本実施の形態における半導体装置の構造を示す。図10は図11のB−B線に沿った断面図を示している。図11は、本実施の形態における半導体装置の上面平面図である。なお、図11では、図10におけるエポキシ封止樹脂28を点線で表わし、皮膜26およびAgめっき膜30を図示していない。
【0049】
図10および図11において、縦型半導体チップであるSiチップ19の裏面には金などの金属からなる裏面電極20が形成され、Siチップ19の主面にはAl膜の上にNi/Auが形成された主電極22と制御電極23が形成されている。金属リードフレーム18のチップ搭載位置の表面にはAgめっき膜24が形成され、その上にSiチップ19がポーラスなAgの接着層25を介して金属結合によりダイボンディングされている。接着層25の厚さは100μm、空隙率は50%、接着層25内の金属表面に形成された皮膜26はZnO主体の酸化物層で厚さ20〜300nm、接着層25の外周近傍の内部の空隙(図示しない)にはエポキシ封止樹脂28が充填され、中心付近の空隙(図示しない)は空洞状態である。
【0050】
Siチップ19上の主電極22と外部取り出しの主電極用金属リード29の間はAgめっき膜30を形成したCuの金属板31で接続され、金属板31と主電極22はポーラスなAgの接着層33を介して金属結合により接合され、金属板31と主電極用金属リード29は主電極用金属リード29上に形成されたAgめっき膜34上に形成されたポーラスなAgの接着層35を介して金属結合により接合されている。
【0051】
制御電極23と制御電極用金属リード36の間はCuの金属板37で接続されている。二つの金属板31、37の両端の接着層33、35の厚さは10〜50μmで、空隙率は30〜60%、接着層33内の金属表面に形成された皮膜(図示しない)はZnO主体の酸化物層で厚さ20〜300nm、接着層35の外周近傍の内部の空隙部にはエポキシ封止樹脂28が充填されている。エポキシ封止樹脂28と接する半導体組立体27の金属部材表面には、ZnOを含む皮膜26が厚さ20〜300nmの範囲で形成されている。ここでは、インクジェット法で皮膜26の材料である有機金属化合物溶液を局所的に供給することにより、Siチップ19以外の金属部材表面のみに選択的に皮膜26を形成している。
【0052】
本実施の形態によれば、Siチップ19がポーラスなAgの接着層25で金属リードフレーム18と接合され、主電極22と主電極用金属リード29間がCuの金属板31を介してポーラスなAgの接着層33、35で接合された構造となっているため、主電流経路の実装部分の電気抵抗を小さくでき、通電時の半導体装置の電力損失を大幅に低減できるという効果が得られる。同時に、Ag接着層25、33、35のポーラス構造によって接着層25、33、35の低応力変形を可能としSiチップ19に加わる熱応力を低減してチップクラックの発生を防止し、しかも接着層25、33、35のポーラス構造による疲労破壊寿命の向上とエポキシ封止樹脂28の高密着化により接着部に圧縮応力を加えることによる疲労寿命の向上の2つの効果によって、半導体装置の信頼性を大幅に向上できる。以上の効果によって、完全鉛フリーの半導体装置でありながら、従来よりも高信頼で、かつ電流容量を大きく取れる高性能な半導体装置を提供できる。
【0053】
なお、本実施の形態では各部の接着をポーラスなAg層を介して行なっているが、封止樹脂の高密着化により信頼性向上を図るため、樹脂接着型Agペーストによる実装構造として、鉛フリーの高信頼半導体装置を形成することも可能である。
【0054】
(実施の形態3)
本実施の形態は、半導体装置の製造方法に適用したものであり、図12を用いて説明する。
【0055】
図12に、本実施の形態における半導体装置の構造を示す。図12において、縦型半導体チップであるSiチップ40の裏面には金などの金属からなる裏面電極41が形成され、Siチップ40の主面にはAl膜(図示しない)が形成され、Al膜上にNi/Auからなる主電極43と、図示はされていないが制御電極が形成されている。金属リードフレーム44のチップ搭載面にはAgめっき膜45が形成され、その上にSiチップ40がポーラスなAgの接着層46を介して金属結合によりダイボンディングされている。接着層46の厚さは150μm、空隙率は50%、接着層46内の金属表面にはZnO主体の酸化物の皮膜47が厚さ10〜100nm形成され、接着層46の外周近傍の内部の空隙部にはエポキシ封止樹脂48が充填されている。外部取り出しの主電極用金属リード49の電極接続位置にはAgめっき膜50が形成され、主電極43とはポーラスなAgの接着層51を介して金属結合により接合されている。制御用電極と制御用金属リード間も、図示されてはいないが同様の構造で接続されている。金属リードフレーム44および主電極用金属リード49、制御用金属リードの各金属リードの電極接続面と逆の面は、エポキシ封止樹脂48から露出した構造で形成されている。エポキシ封止樹脂48の接する半導体組立体42の表面にZnOを含む皮膜47が厚さ20〜300nmの範囲で形成されている。
【0056】
本実施の形態によれば、Siチップ40の上下の主電極43と主電極用金属リード49とが直接に接着された構造となっており、それら金属部材の接着面の反対の面が外部に露出した構造となっているため、実装部分の電気抵抗を最小にまで低減することができ、しかもSiチップ40からの放熱を上下の金属部材で行うことができるため、冷却性能の優れた半導体装置を提供できる。高鉛はんだを使ったこの実装構造では、はんだ接合部の温度サイクル寿命が短く信頼性が得られないが、接続部の構造をポーラスなAgの接着層46、51を介して金属結合により接合した点と、半導体組立体42とエポキシ封止樹脂48の界面にZnOを含む酸化物の皮膜47を形成して高接着化を図ったことにより、接着部の温度サイクル寿命を大幅に向上でき、必要な信頼性が得られ、かつ鉛フリーで低損失、高放熱の半導体装置を提供することができる。
【0057】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0058】
たとえば、図13に、本発明による高信頼な鉛フリーのダイボンディング構造を示す。図13において、Siチップ5の裏面には金などの金属からなる裏面電極6が形成され、Cuを基材とする金属リードフレーム1のチップ搭載面には厚さ約5μmのAgめっき膜3が形成されている。接着層60はCu粒子61がAgの焼結層62で金属的に連結された構造となっており、Siチップ5と金属リードフレーム1間が金属結合で一体化されている。接着層60の厚さは20〜100μmで制御され、接着層60の空隙率は20〜70%の範囲で制御されている。接着層60の金属表面には厚さが1〜600nmのAlの皮膜10が形成され、皮膜10の周囲の空間には硬化処理された高分子樹脂12が充填されており、金属で閉じられた空間あるいは外部から樹脂の流入がしづらい空間は、空隙(図示しない)の状態で残存している。なお、Cu粒子61は、鉛フリーである高導電性粒子であれば他の材料であっても構わない。
【0059】
ここでは、高導電性材料のCuとAgを用いた粒子の結合により、3次元の網目構造を持つポーラスな組織で形成される厚い接着層60のダイボンディング構造を持つため、低オン抵抗で放熱特性に優れ、温度サイクル信頼性にも優れた半導体装置を提供することができる。また、ポーラス組織の空隙13に金属および樹脂の高密着化が図られた状態で熱硬化樹脂である高分子樹脂12が充填されて高強度化されているため、上下部材で発生する熱歪を接着層60が分担する割合が低減でき、このことによっても温度サイクル信頼性を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の半導体装置の製造方法は、縦型半導体チップを使用した鉛フリーのボンディング構造を有する半導体装置の製造に幅広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0061】
1 金属リードフレーム
2 外部取り出し用金属リード
2A 制御電極用金属リード
3 Agめっき膜
4 金属ペースト
4A 接着層
4B 金属骨格
5 Siチップ
6 裏面電極
7 主電極
8 制御電極
9 Alワイヤ
9A Alワイヤ
10 皮膜
11 エポキシ封止樹脂
12 高分子樹脂
13 空隙
14 ボンディング部
15 フィレット部
16 半導体組立体
18 金属リードフレーム
19 Siチップ
20 裏面電極
22 主電極
23 制御電極
24 Agめっき膜
25 接着層
26 皮膜
27 半導体組立体
28 エポキシ封止樹脂
29 主電極用金属リード
30 Agめっき膜
31 金属板
33 接着層
34 Agめっき膜
35 接着層
36 制御電極用金属リード
37 金属板
40 Siチップ
41 裏面電極
42 半導体組立体
43 主電極
44 金属リードフレーム
45 Agめっき膜
46 接着層
47 皮膜
48 エポキシ封止樹脂
49 主電極用金属リード
50 Agめっき膜
51 接着層
60 接着層
61 Cu粒子
62 焼結層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部取り出し用金属リードとボンディング部を有する金属リードフレームと、
前記ボンディング部上にダイボンディングされた半導体チップと、
前記半導体チップの主面に形成された電極と、前記外部取り出し用金属リード間を電気的に接続する接続部材と、
前記半導体チップの裏面に形成された裏面電極と、
前記半導体チップとその周辺を覆うように形成された絶縁性の封止樹脂と
を備えた半導体装置であって、
前記半導体チップと前記金属リードフレーム間は、結合材としてAgを含んでいる導電性粒子が連結されたポーラスな接着層を介して接合され、前記接着層の金属部の体積比率が30〜80%で構成され、前記接着層内部の金属表面に厚さ1〜600nmの酸化金属皮膜が形成され、前記導電性粒子間の空隙部の少なくとも一部に熱硬化性の樹脂が充填された構造となっていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記半導体チップは、IGBTまたはパワーMOSFETであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記接着層を構成する前記導電性粒子は、主にCuからなる粒子の表面にAgがめっきされ形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記接着層の厚さは、20μm〜200μmであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体チップの主面の前記電極と前記接続部材間または前記接続部材と前記外部取り出し用金属リード間は、Ag粒子と熱硬化性の樹脂で構成されたAgペーストで接着された構造を有していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体チップの前記裏面電極と前記金属リードフレーム間、または前記半導体チップの主面の前記電極と前記接続部材間、または前記接続部材と前記外部取り出し用金属リード間は、Agを結合材として前記導電性粒子間および前記導電性粒子と各部材間が金属結合により結合され、前記接着層の金属骨格が3次元の網目構造となっていることを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項7】
前記酸化金属皮膜は、ZnまたはAlの酸化物を主体として構成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記接続部材はボンディングワイヤであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記接続部材は、金属板であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
前記接続部材はAg粒子と熱硬化性の樹脂で構成されたAgペーストであり、前記半導体チップの主面の前記電極と前記外部取り出し用金属リードが前記Agペーストを介して直接に接着されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項11】
外部取り出し用金属リードとボンディング部を有する金属リードフレームと、
前記金属リードフレーム上の前記ボンディング部に接着層を介してダイボンディングされ、裏面電極を備えた半導体チップと、
前記半導体チップの主面の電極と前記外部取り出し用金属リード間を電気的に接続する接続部材と
を有する半導体組立体と、
前記半導体チップとその周辺を覆うように形成された絶縁性の封止樹脂とで構成された半導体装置の製造方法において、
(a)前記金属リードフレーム上の前記ボンディング部に前記半導体チップをAgを含む導電性材料でダイボンディングする工程、
(b)前記半導体チップの主面の前記電極と前記外部取り出し用金属リード間を電気的に接続する工程、
(c)前記(b)工程の後、前記半導体組立体に有機金属化合物溶液を塗布する工程、
(d)前記(c)工程の後、前記有機金属化合物溶液を塗布した前記半導体組立体を加熱処理して前記半導体組立体の表面に酸化金属皮膜を焼成によって形成する工程、
(e)前記半導体チップと前記接続部材と前記金属リードフレームの少なくとも一部とを覆うように前記絶縁性の封止樹脂をモールドして硬化処理する工程、
を有し、
前記(a)工程におけるダイボンディング工程は、前記金属リードフレーム上に直径1μm以下のAgの微粒子と、300℃以下の酸化雰囲気中で気化・消失する有機材料と、直径15μmより大きく150μmより小さい導電性の金属粒子を含む前記Agを含む前記導電性材料を供給する工程と、前記Agを含む前記導電性材料の上方から前記半導体チップを押し付けて搭載するマウント工程と、その後に酸化雰囲気中で前記半導体組立体を150℃〜300℃の温度に加熱処理し、前記接着層を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記(a)工程の後、前記ボンディング部の接着層のフィレット部に、液状樹脂を浸透し、半硬化させることを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記(a)工程では、前記ボンディング部の接着層を構成する前記導電性材料は、主にCuからなる粒子の表面にAgをめっきして構成されることを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記(d)工程では、前記酸化金属皮膜は、ZnまたはAlの酸化物を主体として構成されることを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記(a)工程では、前記ボンディング部の接着層の厚さは、20μm〜200μmの厚さで構成されることを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記(a)工程の後、前記半導体チップの主面の前記電極と前記接続部材間、または前記接続部材と前記外部取り出し用金属リード間を、Ag粒子と熱硬化性の樹脂で構成されたAgペーストで接着することを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記(a)工程では、前記半導体チップの前記裏面電極と前記金属リードフレーム間を、Agを結合材として導電性粒子で結合し、前記ボンディング部の前記接着層の金属骨格を3次元の網目構造として、前記接着層の金属部の体積比率を30〜80%で構成し、
前記(b)工程では、前記半導体チップの主面の前記電極と前記接続部材間、または前記接続部材と前記外部取り出し用金属リード間を、Agを結合材として導電性粒子を含む前記接着層で結合し、前記接着層の金属骨格を3次元の網目構造として、前記接着層の金属部の体積比率を30〜80%で構成することを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記接続部材は、ボンディングワイヤであることを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記接続部材は、金属板であることを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記接続部材はAg粒子と熱硬化性の樹脂で構成されたAgペーストであり、前記半導体チップの主面の前記電極と前記外部取り出し用金属リードが前記Agペーストを介して直接に接着されていることを特徴とする請求項11記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate