説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】高品質な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1の配線L2(i)と、第1の配線と交差する第2の配線L3(j)と、第1の配線と第2の配線とが交差する各領域に設けられ、一端が第1の配線に接続され、且つ他端が第2の配線に接続され、可変抵抗素子25及び非オーミック素子D−mimが直列接続されたメモリセル構造CUsと、を備え、非オーミック素子は、絶縁層22として、第1の層22aと、第1の層のバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、第1の層上に設けられた第2の層22bと、第2の層のバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、第2の層上に設けられた第3の層22cとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代不揮発性半導体メモリとして、可変抵抗素子をメモリ素子とするReRAM(Resistive RAM)や、相変化素子をメモリ素子とするPCRAM(Phase change RAM)などの抵抗変化メモリの開発が行われている。
【0003】
これらの抵抗変化メモリのひとつとして、平行に配置された複数の配線と、平行に配置され該配線と立体交差する複数の他の配線との間の交点にセル構造が形成されている構造であるクロスポイント型が想定されている。
【0004】
このようなクロスポイント型メモリのセルにおいては、選択セルと隣接する選択されていないセルに迷走電流を流さないように阻止する選択素子がメモリ素子と直列に接続されて設けられる必要がある。
【0005】
選択素子としては、2つの金属電極の中間に薄い絶縁膜を配置したMIM(metal-insulator-metal)型の整流素子がある。整流性をもたせるためには、陽極側と、陰極側に、異なる絶縁膜を配置して、金属電極からの仕事関数差の異なるような絶縁膜を配置することで、陽極側に印加したときには電流を流し、陰極側に印加した場合には、電流が流れないような整流特性を持たせることができる。しかし、MIM型の整流素子では、絶縁膜のトンネル電流を用いて動作するため、その電流上限が小さくなり、絶縁破壊が起こる電界が小さくなるという問題がある。
【0006】
従来の選択素子では、電流の高い選択特性を有し、絶縁破壊が抑制された薄膜の選択素子が得られなかった。そのため、高品質な半導体装置を得ることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−13193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
高品質な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の半導体装置は、第1の配線と、前記第1の配線と交差する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線とが交差する各領域に設けられ、一端が前記第1の配線に接続され、且つ他端が前記第2の配線に接続され、可変抵抗素子及び非オーミック素子が直列接続されたメモリセル構造と、を備え、前記非オーミック素子は、絶縁層として、第1の層と、前記第1の層のバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、前記第1の層上に設けられた第2の層と、前記第2の層のバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、前記第2の層上に設けられた第3の層とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る半導体装置の基本的な構成を概略的に示したブロック図である。
【図2】実施形態に係るクロスポイント型メモリセルアレイの構造を概略的に示した斜視図である。
【図3】実施形態に係る第一及び第二制御回路のレイアウトの一例を示した図である。
【図4】第1の実施形態に係るメモリセル構造を概略的に示した斜視図である。
【図5】第1の実施形態に係るメモリセル構造を概略的に示した断面図である。
【図6】第1の実施形態に係る清流素子の絶縁層を概略的に示した断面図である。
【図7】第1の実施形態に係るユニポーラ動作時のメモリセルの電圧と電流との関係を示した図である。
【図8】第1の実施形態に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図9】第1の実施形態に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図10】第1の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図11】第1の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図12】第1の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図13】第1の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図14】第1の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図15】第1の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図16】第1の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図17】第2の実施形態に係るバイポーラ動作時のメモリセルの電圧と電流との関係を示した図である。
【図18】第2の実施形態に係るバイポーラ動作時のメモリセルの電圧と電流との関係を示した図である。
【図19】第2の実施形態に係るメモリセル構造を概略的に示した斜視図である。
【図20】第2の実施形態に係るメモリセル構造を概略的に示した断面図である。
【図21】第2の実施形態に係る清流素子の絶縁層を概略的に示した断面図である。
【図22】第2の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図23】第2の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図24】第2の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図25】第2の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図26】第2の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【図27】第2の実施形態の例1に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図28】第2の実施形態の例1に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図29】第2の実施形態の例2に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図30】第2の実施形態の例2に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図31】第2の実施形態の例3に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図32】第2の実施形態の例3に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図33】第2の実施形態の例4に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図34】第2の実施形態の例4に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図35】第2の実施形態の例5に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【図36】第2の実施形態の例5に係るMIMダイオードのバンド構造を示したエネルギーバンド図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態の詳細を図面を参照して説明する。
【0012】
1. 基本構成
後述する各実施形態は、可変抵抗素子をメモリ素子とするReRAMや、相変化素子をメモリ素子とするPCRAMなどの抵抗変化メモリを対象とする。ここで、可変抵抗素子とは、電圧、電流、熱などにより抵抗値が変化する材料からなる素子のことであり、相変化素子とは、相変化により抵抗値やキャパシタンスなどの物性が変化する材料からなる素子のことである。
【0013】
相変化(相転移)とは以下のものを含む。
【0014】
・ 金属-半導体転移、金属-絶縁体転移、金属-金属転移、絶縁体-絶縁体転移、絶縁体-半導体転移、絶縁体-金属転移、半導体-半導体転移、半導体-金属転移、半導体-絶縁体転移
・ 量子状態の相変化(金属-超伝導体転移など)
・ 常磁性体-強磁性体転移、反強磁性体-強磁性体転移、強磁性体-強磁性体転移、フェリ磁性体-強磁性体転移、これらの転移の組み合わせからなる転移
・ 常誘電体-強誘電体転移、常誘電体-焦電体転移、常誘電体-圧電体転移、強誘電体-強誘電体転移、反強誘電体-強誘電体転移、これらの転移の組み合わせからなる転移
・ 以上の転移の組み合わせからなる転移
例えば、金属、絶縁体、半導体、強誘電体、常誘電体、焦電体、圧電体、強磁性体、フェリ磁性体、螺旋磁性体、常磁性体又は反強磁性体から、強誘電強磁性体への転移、及び、その逆の転移
この定義によれば、可変抵抗素子は、相変化素子を含むことになるが、本明細書では、可変抵抗素子としては、主として、金属酸化物、金属化合物、有機物薄膜、カーボン(Carbon)、カーボンナノチューブなどからなる素子を意味するものとする。
【0015】
ここで、メモリ素子の抵抗値を変化させる方法として、メモリ素子に印加される電圧の極性を変えずに、電圧の大きさと印加時間とを制御することにより、メモリ素子の抵抗値を少なくとも第一値と第二値との間で可逆変化させる方法と、メモリ素子に印加される電圧の極性を変えることにより、メモリ素子の抵抗値を少なくとも第一値と第二値との間で可逆変化させる方法とがある。
【0016】
前者は、ユニポーラ動作と呼ばれ、後者は、バイポーラ動作と呼ばれる。
【0017】
バイポーラ動作は、例えば、書き込みに際して双方向電流が必要とされるメモリに採用される。
【0018】
しかし、例えば、整流素子がp−n接合ダイオード又はp−i−nダイオードから構成される場合、この特性を満たすためには、整流素子を厚くしなければならない。整流素子が厚くなると、整流素子を加工した後にできる溝のアスペクト比が大きくなり、メモリセルアレイの三次元化には不利となる。
【0019】
ここで、p−n接合ダイオードとは、p−n接合を有するp型半導体層(陽極層)とn型半導体層(陰極層)とから構成されるダイオードのことである。また、p−i−nダイオードとは、p型半導体層(陽極層)とn型半導体層(陰極層)との間に真性半導体層(intrinsic semiconductor layer)を有するダイオードのことである。
【0020】
そこで、本発明では、抵抗変化メモリに要求される整流素子の特性を満たすと同時にその厚さも十分に薄くするために、整流素子を、陽極層、陰極層及びこれらの間に配置される絶縁層から構成する。
【0021】
具体的には、整流素子は、MIM(metal-insulator-metal)ダイオードから構成される。このダイオードは、メタル層(陽極層)−絶縁層−メタル層(陰極層)の順に並ぶスタック構造から構成される。
【0022】
各ダイオードを使用したときの動作メカニズム及び効果については、以下の実施形態で詳細に説明する。
【0023】
2. 概要
(1) 全体図
図1は、抵抗変化メモリの主要部を示している。
【0024】
本実施形態のセルアレイはクロスポイント型である。クロスポイント型とは、平行に配置された複数の配線と、平行に配置され該配線と立体交差する複数の他の配線との間の交点にセル構造が形成されている構造を指す。
【0025】
抵抗変化メモリ(例えば、チップ)1は、クロスポイント型メモリセルアレイ2を有する。クロスポイント型メモリセルアレイ2は、複数のメモリセルアレイのスタック構造から構成される。
【0026】
クロスポイント型メモリセルアレイ2の第一方向の一端には、第一制御回路3が配置され、第一方向に直交する第二方向の一端には、第二制御回路4が配置される。
【0027】
第一及び第二制御回路3,4は、例えば、メモリセルアレイ選択信号に基づいて、スタックされた複数のメモリセルアレイのうちの一つを選択する。
【0028】
第一制御回路3は、例えば、ロウアドレス信号に基づいてクロスポイント型メモリセルアレイ2のロウを選択する。また、第二制御回路4は、例えば、カラムアドレス信号に基づいてクロスポイント型メモリセルアレイ2のカラムを選択する。
【0029】
第一及び第二制御回路3,4は、クロスポイント型メモリセルアレイ2内のメモリ素子に対するデータの書き込み/消去/読み出しを制御する。
【0030】
第一及び第二制御回路3,4は、スタックされた複数のメモリセルアレイのうちの一つに対してデータの書き込み/消去/読み出しを行うこともできるし、スタックされた複数のメモリセルアレイのうちの二つ以上又は全てに対して同時にデータの書き込み/消去/読み出しを行うこともできる。
【0031】
ここで、抵抗変化メモリにおいては、例えば、書き込みをセット(Set)、消去をリセット(Reset)と称する。セット状態の抵抗値は、リセット状態の抵抗値と異なっていればよい。
【0032】
また、セット動作において、複数の抵抗値のうちの一つを選択的に書き込めるようにすれば、一つのメモリ素子が多値データ(multi-level data)を記憶する多値抵抗変化メモリを実現することもできる。
【0033】
コントローラ5は、制御信号及びデータを11に供給する。制御信号は、コマンド・インターフェイス回路6に入力され、データは、データ入出力バッファ7に入力される。また、コントローラ5はチップ1の中に配置されていても良いし、チップ1とは別のホスト(コンピュータ)中に配置されていても良い。
【0034】
コマンド・インターフェイス回路6は、制御信号に基づいて、ホスト5からのデータがコマンドデータであるか否かを判断し、コマンドデータであれば、それをデータ入出力バッファ7からステートマシーン8に転送する。
【0035】
ステートマシーン8は、コマンドデータに基づいて、抵抗変化メモリの動作を管理する。例えば、ステートマシーン8は、ホスト5からのコマンドデータに基づいて、セット/リセット動作及び読み出し動作を管理する。
【0036】
コントローラ5は、ステートマシーン8が管理するステータス情報を受け取り、抵抗変化メモリでの動作結果を判断することも可能である。
【0037】
セット/リセット動作及び読み出し動作において、コントローラ5は、アドレス信号を抵抗変化メモリに供給する。アドレス信号は、例えば、メモリセルアレイ選択信号、ロウアドレス信号及びカラムアドレス信号を含んでいる。
【0038】
アドレス信号は、アドレスバッファ9を経由して、第一及び第二制御回路3,4に入力される。
【0039】
パルスジェネレータ10は、ステートマシーン8からの命令に基づき、例えば、セット/リセット動作及び読み出し動作に必要な電圧パルス又は電流パルスを所定のタイミングで出力する。
【0040】
(2) メモリセルアレイ
図2は、クロスポイント型メモリセルアレイを示している。
【0041】
クロスポイント型メモリセルアレイ2は、半導体基板(例えば、シリコン基板)11上に配置される。なお、クロスポイント型メモリセルアレイ2と半導体基板11の間には、MOSトランジスタ等の回路素子や絶縁膜が挟まれていても良い。
【0042】
同図では、一例として、クロスポイント型メモリセルアレイ2が、第三方向(半導体基板11の主平面に垂直な方向)にスタックされた4つのメモリセルアレイM1,M2,M3,M4から構成される場合を示しているが、スタックされるメモリセルアレイの数は、これに限らない。
【0043】
メモリセルアレイM1は、第一及び第二方向にアレイ状に配置された複数のセルユニットCU1から構成される。
【0044】
同様に、メモリセルアレイM2は、アレイ状に配置された複数のセルユニットCU2から構成され、メモリセルアレイM3は、アレイ状に配置された複数のセルユニットCU3から構成され、メモリセルアレイM4は、アレイ状に配置された複数のセルユニットCU4から構成される。
【0045】
セルユニットCU1,CU2,CU3,CU4は、それぞれ、直列接続されるメモリ素子と整流素子とから構成される。
【0046】
また、半導体基板11上には、半導体基板11側から順に、導電線L1(j−1),L1(j),L1(j+1)、導電線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)、導電線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)、導電線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)、導電線L5(j−1),L5(j),L5(j+1)が配置される。
【0047】
半導体基板11側から奇数番目の導電線、即ち、導電線L1(j−1),L1(j),L1(j+1)、導電線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)及び導電線L5(j−1),L5(j),L5(j+1)は、第二方向に延びる。
【0048】
半導体基板11側から偶数番目の導電線、即ち、導電線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)及び導電線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)は、第一方向に延びる。
【0049】
これら導電線は、ワード線又はビット線として機能する。
【0050】
最も下の第一番目のメモリセルアレイM1は、第一番目の導電線L1(j−1),L1(j),L1(j+1)と第二番目の導電線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)との間に配置される。メモリセルアレイM1に対するセット/リセット動作及び読み出し動作では、導電線L1(j−1),L1(j),L1(j+1)及び導電線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)の一方をワード線とし、他方をビット線として機能させる。
【0051】
メモリセルアレイM2は、第二番目の導電線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)と第三番目の導電線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)との間に配置される。メモリセルアレイM2に対するセット/リセット動作及び読み出し動作では、導電線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)及び導電線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)の一方をワード線とし、他方をビット線として機能させる。
【0052】
メモリセルアレイM3は、第三番目の導電線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)と第四番目の導電線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)との間に配置される。メモリセルアレイM3に対するセット/リセット動作及び読み出し動作では、導電線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)及び導電線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)の一方をワード線とし、他方をビット線として機能させる。
【0053】
メモリセルアレイM4は、第四番目の導電線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)と第五番目の導電線L5(j−1),L5(j),L5(j+1)との間に配置される。メモリセルアレイM4に対するセット/リセット動作及び読み出し動作では、導電線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)及び導電線L5(j−1),L5(j),L5(j+1)の一方をワード線とし、他方をビット線として機能させる。
【0054】
(3) 第一及び第二制御回路のレイアウト
図3は、第一及び第二制御回路のレイアウトの一例を示している。
【0055】
図2で示した、メモリセルアレイM1,M2,M3,M4のいずれか1層に相当するメモリセルアレイMsは、図3に示すように、アレイ状に配置される複数のセルユニットCUsから構成される。セルユニットCUsの一端は、導電線Ls(j−1),Ls(j),Ls(j+1)に接続され、その他端は、導電線Ls+1(i−1),Ls+1(i),Ls+1(i+1)に接続される。
【0056】
導電線Ls+1(i−1),Ls+1(i),Ls+1(i+1)の第一方向の一端には、スイッチ素子SW1を介して第一制御回路3が接続される。スイッチ回路SW1は、例えば、制御信号φs+1(i−1),φs+1(i),φs+1(i+1)により制御されるNチャネルFET(field effect transistor)から構成される。
【0057】
導電線Ls(j−1),Ls(j),Ls(j+1)の第二方向の一端には、スイッチ素子SW2を介して第二制御回路4が接続される。スイッチ回路SW2は、例えば、制御信号φs(j−1),φs(j),φs(j+1)により制御されるNチャネルFETから構成される。
【0058】
(4) 動作
図3を用いて、上述の抵抗変化メモリの動作について説明する。
【0059】
次に、メモリセルのデータ書き込み動作について概略的に説明する。
【0060】
データを書き込むためには、選択された可変抵抗素子25に電圧(Vset)を印加し、その選択された可変抵抗素子25内に電位勾配を発生させて、電流を流せば良い。例えば、ワード線WLの電位がビット線BLの電位よりも相対的に高い状態を作る。すなわち、ワード線WLが、例えば3V程度の固定電位である場合、ビット線BLに接地電位が供給される。
【0061】
なお、このデータ書き込み動作の際、非選択のワード線WLi−1、WLi+1およびビット線BLj−1、BLj+1は、全て同電位(例えば非選択Vset)にバイアスしておくことが好ましい。また、データの書き込み動作前のスタンバイ時、全てのワード線WLi−1、WL、WLi+1および全てのビット線BLj−1、BL、BLj+1をプリチャージしておくことが好ましい。
【0062】
次に、可変抵抗素子25のデータ読み出し動作について概略的に説明する。
【0063】
データ読み出し動作は、例えば読み出し電圧(Vread)パルスを選択された可変抵抗素子25に印加し、その可変抵抗素子25の抵抗によって定まる電流を検出することにより行う。ここで、この電圧パルスは、可変抵抗素子25を構成する材料が状態変化を起こさない程度の微小な振幅とすることが望ましい。
【0064】
これは例えば、読み出し電圧を、ビット線BLから選択メモリセルに印加し、センスアンプによりそのときの電流値を測定することにより行う。
【0065】
次に、可変抵抗素子25のデータ消去および書き込み動作について概略的に説明する。
【0066】
例えば、書き込み状態とする高抵抗状態(HRS:High Resistance State)の可変抵抗素子25に、例えば消去電圧とするリセット電圧(Vreset)パルスを印加する。これにより、可変抵抗素子25を消去状態とする低抵抗状態(LRS:Low Resistance State)に遷移させることができる。このように、可変抵抗素子25の抵抗を高抵抗状態(HRS)から低抵抗状態(LRS)に遷移させることを、例えばデータ消去と呼ぶ。
【0067】
また、消去状態とする低抵抗状態(LRS)の可変抵抗素子25に、例えば書き込み電圧とするセット電圧(Vset)パルスを印加する。これにより、可変抵抗素子25を例えば書き込み状態とする高抵抗状態(HRS)に遷移させることができる。このように、可変抵抗素子25の抵抗を低抵抗状態(LRS)から高抵抗状態(HRS)に遷移させることを、例えばデータ書き込みと呼ぶ。
【0068】
本実施形態では、可変抵抗素子25の抵抗が低抵抗状態(LRS)である場合を消去状態(例えば“1”)、高抵抗状態(HRS)である場合を書込み状態(例えば“0”)として2値でデータを記録する。また、低抵抗状態(LRS)の可変抵抗素子25の抵抗をRon、高抵抗状態(HRS)の可変抵抗素子25の抵抗をRoffとする。Roffの大きさはRonの3倍以上である。
【0069】
(第1の実施形態)
次に、ユニポーラ動作時に用いるMIMダイオードについて説明する。
【0070】
クロスポイント型メモリセルアレイを有する抵抗変化メモリ(以下、クロスポイント型抵抗変化メモリ)をユニポーラ動作させる場合、整流素子には、セット/リセット動作及び読み出し動作を正確に行うために、順バイアスが印加されたときの電流が大きく、かつ、逆バイアスが印加されたときの電流が小さく、破壊電圧が大きい、という特性が要求される。
【0071】
図4は、本実施形態に係るメモリセル構造を概略的に示した斜視図であり、図5は、本実施形態に係るメモリセル構造を概略的に示した断面図である。
【0072】
図4および5に示すように、第一方向に延びる導電線L2(i)上には、MIMダイオードD−mim及び下部電極(第2の下部電極)24がスタックされる。そして、下部電極24上には、可変抵抗素子(ReRAM)または相変化素子(PCRAM)からなるメモリ素子25が配置され、メモリ素子25上には、上部電極(第2の上部電極)26が配置される。
【0073】
このMIMダイオードD−mimは、第1のメタル層(第1の下部電極)21、絶縁層22及び第2のメタル層(第1の上部電極)23のスタック構造である。また、本実施形態のMIMダイオードD−mimの絶縁層22は少なくとも3層以上の積層構造である。
【0074】
絶縁層22は、第1の層22aと、第1の層22a上の第2の層22bと、第2の層22b上の第3の層22cとを備えている。第1の層22aおよび第3の層22cは絶縁層であり、第2の層22bは、第1の層22aおよび第3の層22cとはバンドギャップが異なる層である。例えば、第1の層22aおよび第3の層22cはSiO層であり、第2の層22bはHfO層である。また、例えば第1の層22aの膜厚は8nmであり、第2の層22bの膜厚は2nmであり、第3の層22cの膜厚は2nmとなる。これは、後述するように、ユニポーラ動作の際は、絶縁層22内において第1の上部電極側にSiOよりもバンドギャップの小さいHfOが形成されることが好ましいからである。第1の層22a、第2の層22b、第3の層22cの膜厚は、第1のメタル層21と第2のメタル層23との間で電荷のトンネリング現象(直接トンネリング及びFNトンネリングの双方を含む)が発生することを条件に決定される。このように、HfO層の上部と、下部に配置したSiO膜の厚さを上下非対称にして、上を薄くすることで、上からの電子注入を容易にさせて、整流特性をもたせることができる。
【0075】
SiO膜よりも、バンドギャップの小さい材料としては、シリコン窒化膜、多結晶または、非晶質または、単結晶のシリコン膜、TaO、TiOなど遷移金属酸化物または、欠陥準位を形成する酸化物(例えばGeO)または、半導体/メタルドット(量子ドット)などが挙げられる。
【0076】
また、整流特性を得るためには、HfOの上下の絶縁膜の膜厚だけでなく、種類を変えることも有効である。本実施例では、上部にAlを配置して、下部にSiOを配置することが有効となる。
【0077】
また、例えば第1のメタル層21および第2のメタル層23の膜厚は10nmである。
【0078】
次に、ユニポーラ動作時のMIMダイオードの絶縁層の構成例について説明する。
【0079】
図6は、本実施形態の清流素子の絶縁層を概略的に示した断面図である。
【0080】
ユニポーラ動作時に有効なMIMダイオードの絶縁層は、図6(a)、(b)の2種類が考えられる。
図6(a)に示すように、絶縁層22の第2の層22bが、絶縁層22の中心から陰極側にずれている。この場合、第1の層22aおよび第3の層22cは同一の材料で形成され、第2の層22bは第1の層22aおよび第3の層22cと異なる材料で形成されている。
【0081】
図6(b)に示すように、陰極側の第3の層22cの誘電率k(22c)の方が、陽極側の第1の層22aの誘電率k(22a)よりも高い(k(22c)>(k22a))。また、陰極側の第3の層22cのバンドギャップエネルギーEg(22c)の方が、陽極側の第1の層22aのバンドギャップエネルギーEg(22a)よりも高い(Eg(22c)>Eg(22a))。この場合、第1の層22a、第2の層22b、および第3の層22cはそれぞれ異なる材料で形成されている。例えば、第3の層22cをAlで形成し、第1の層22aを、Alのバンドギャップよりも大きいSiOで形成している。
【0082】
上述するように、第1の実施形態と同様のMIMダイオードの整流特性を得るためには、第2の層22bの上下の絶縁膜である、第1の層22aおよび第3の層22cの膜厚や位置だけでなく、第1の層22aおよび第3の層22cの種類を変えても良い。
【0083】
また、第1の層22aを構成する材料のバリアハイト(又は電子親和力)は、第2の層22bを構成する材料のバリアハイト(又は電子親和力)とは異なる。例えば、第1の層22aを構成する材料のバリアハイトは、第2の層22bを構成する材料のバリアハイトよりも高い。
【0084】
本実施形態に係るMIMダイオードの動作メカニズムについて、図4,5の構造を例に説明する。図7は、ユニポーラ動作時のメモリセルの電圧に対応する電流の特性を示しており、図8,9は、MIMダイオードのバンド構造を示している。
【0085】
図7に示すように、ユニポーラ動作時において、例えば読み出し電圧Vread、書き込み電圧Vset、消去電圧Vresetが印加された選択メモリセル(MIMダイオード)は電流を流す。また、読み出し電圧Vread、書き込み電圧Vset、消去電圧Vresetとは逆バイアスの、非選択Vread、非選択Vreset、非選択Vsetが印加された非選択メモリセル(MIMダイオード)は、電流を流さない。
【0086】
図8は、バイアスが印加されていない状態の絶縁層22のエネルギーバンド図を示している。図8でわかるように、第1の層22aおよび第3の層22cのバリアハイトは、第2の層22bのバリアハイトよりも高くなっている。
【0087】
図9に示すように、このMIMダイオードに所定値(閾値)以上の順バイアスを印加すると、第3の層22cのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。第1の層22aおよび第3の層22cよりもバリアハイトの低い第2の層22bは、絶縁破壊を起こすような強いバイアスよりも弱い所定のバイアスを印加した際に、電荷が第2の層22bの厚みを感じないように配置されている。このため、絶縁破壊を起こすような強いバイアスを印加する必要がない。
【0088】
一方、MIMダイオードに逆バイアスを印加すると、電子は第1の層22aの厚さを感じるため、第1の層22aをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、逆バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。
【0089】
この絶縁層22a,22b、22cの厚さや位置は、二つのメタル層21、23の間で電荷のトンネリング現象(直接トンネリング及びFNトンネリングの双方を含む)が発生することを条件に決定される。
【0090】
上述した実施形態によれば、半導体装置は、第1の配線L2(i)と、第1の配線L2(i)と交差する第2の配線L3(j)と、第1の配線L2(i)と第2の配線L3(j)とが交差する各領域に設けられ、一端が第1の配線L2(i)に接続され、且つ他端が第2の配線L3(j)に接続され、可変抵抗素子25及び非オーミック素子D−mimが直列接続されたメモリセル構造CUsと、を備え、非オーミック素子D−mimは、絶縁層22として、第1の層22aと、第1の層22aのバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、第1の層22a上に設けられた第2の層22bと、第2の層22bのバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、第2の層22b上に設けられた第3の層22cとを備えている。また、第2の層22bのバンドギャップは、第1の層22aのバンドギャップおよび第3の層22cのバンドギャップよりも狭い。
【0091】
このように、MIMダイオードは、第1の層22a、第2の層22b、および第3の層22cからなる積層構造の絶縁層22を有している。そして、第2の層22bのバリアハイトは、第1の層22a、および第3の層22cのバリアハイトと比べて低い。そして、例えば順方向のバイアス印加時に、電荷が所定のバイアスで第2の層22bの厚みを感じないように第2の層22bが配置される。また、逆バイアス印加時に、電荷が第1の層22aの厚みを感じ続けるように、第1の層22aに厚みを持たせるか、または、第1の層22aのバリアハイトを高くする。
【0092】
このため、第1の上部電極23に負の電圧を印加した場合、Fowler−Nordheim伝導でSiO層22cへ第1の上部電極23から電子が注入される。その際、絶縁層22内において第1の上部電極23側にSiOよりもバンドギャップの小さい材料を導入することで、電極からのトンネリングを容易にさせることができる。そのため、電子の注入量を増加することができ、電流を大きくすることができる。
【0093】
その結果、順方向バイアスに対して、十分に大きな順方向電流(セット/リセット電流)を得ることができる。同時に、セット/リセット時の逆バイアスに対して、MIMダイオードの逆方向電流を十分に抑えられることが分かる。
【0094】
従って、抵抗変化メモリの消費電力の低減、動作速度の向上、読み出しの容易化などを実現することができる。これにより、電流の高い選択特性を有し、絶縁破壊が抑制された薄膜の選択素子得られる。このため、高品質な半導体装置を得ることができる。
【0095】
<例1>
次に、図10〜図16を用いて、第1の実施形態の抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法を概略的に説明する。ここでは、第2の層22bにHfO膜を形成する例について説明する。
【0096】
図10〜図16は第1の実施形態に係る抵抗変化メモリ装置の基本的な製造方法を模式的に示した、ビット線方向に沿った断面図である。
【0097】
まず、図10に示すように、半導体基板(シリコン基板)100上に膜厚400nm程度のシリコン酸化膜101を成膜する。そして、パターンニングしたレジスト(図示せず)をマスクにシリコン酸化膜101の一部を除去する。その後、バリアメタル膜として例えばTiNを成膜し、例えばダングステンをスパッタ成膜する。その後、シリコン酸化膜101をストップ膜としてCMP(Chemical mechanical polish)により、余分なタングステン膜及びバリアメタル膜を除去する。これにより、ワード線27(WLi−1、WLi、、、)が形成される。
【0098】
次に、図11に示すように、ワード線27上およびシリコン酸化膜101上に、バリアメタル層21となる膜厚数nm程度の例えばTiNを成膜する。
【0099】
次に、図12に示すように、バリアメタル層21上に、LPCVD法により膜厚が8nm程度のSiO膜22aを形成し、その上に、LPCVD法により膜厚が2nm程度のHfO膜22bを形成し、さらにその上に、LPCVD法により膜厚が2nm程度のSiO膜22cを形成する。
【0100】
この後、800度程度のアニールによって、SiO膜22a、22c、およびHfO膜22bからLPCVDの材料ガスに含まれる炭素、水素などの不純物を脱利させる。これにより、各膜自身が収縮し、緻密で、欠陥の少ない絶縁膜にすることができる。
【0101】
次に、図13に示すように、SiO膜22c上に、MIMダイオードの上部電極となり、かつSiO膜と熱的に安定している導電性膜23を成膜する。その上に、下部電極24となる膜厚数nm程度のバリアメタル膜として例えばTiNを成膜した後、ReRAMのメモリセル(抵抗変化素子)25となる膜厚10nm程度の抵抗変化層、例えばHfO膜を形成する。この抵抗変化層の材料としては他に、NiOなどがある。続いて、上部電極26となる膜厚数nm程度のバリアメタル膜を形成する。その後、マスク材料層28を形成する。このマスク材料層28は例えばシリコン酸化膜等を含む積層構造である。そして、その上に、パターンニングしたレジスト29を形成する。このレジスト29を用いてマスク材料層28をパターニングする。
【0102】
次に、図14に示すように、パターニングされたマスク材料層28をマスクとして用いて、RIE法によって、バリアメタル膜26、抵抗変化層25、バリアメタル膜24、導電性膜23、SiO層22c、HfO層22b、SiO層22a及びバリアメタル膜21をエッチングする。これにより、メモリセル構造が形成される。
【0103】
次に、図15に示すように、該メモリセル構造の周辺を層間絶縁膜30で覆い、CMP法などで平坦化をする。その後、図16に示すように、メモリセル構造の上部に電気的に接続できるように、ワード線27に直行する方向にビット線31を形成する。
【0104】
このようにして、抵抗変化メモリ装置が形成される。
【0105】
形成されたピラーの中のバリアメタル層21が下部電極となり、SiO膜22a、HfO層22bとSiO膜22cの絶縁膜層を挟んだ、導電性膜23によりMIM構造を形成している。
【0106】
<例2>
次に、第2の層22bに多結晶のナノクリスタル(微結晶)シリコン膜(Siドット)を形成する例について説明する。なお、本例の基本的な構造および基本的な製造方法は、上述した第2の層22bにHfOを形成する例と同様である。したがって、上述した事項および上述した例から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。
【0107】
バリアメタル層21上に、ALD(Atomic layer deposition)法により膜厚が3nm程度のSiO2膜22aを形成し、SiO膜22a上に、LPCVD法によりジシランなどを用いて、膜厚が2nm程度のアモルファスSi膜22bを形成する。アモルファスSi膜22b上に、ALD法により膜厚が3nm程度のSiO2膜22cを形成する。その後、アモルファスSi膜22bに対して、温度は1000℃程度の高温、かつ時間は10msec程度の短時間でレーザーアニールを行う。これにより、アモルファスSi膜22bを数nm程度の粒径をもつナノクリスタル(微結晶)シリコン膜に変化させることができる。さらにその上に、LPCVD法により膜厚が2nm程度のSiO膜22cを形成する。
【0108】
その後、図13〜図16で説明した方法と同様にして、抵抗変化メモリ装置が形成される。
【0109】
形成されたピラーの中のバリアメタル層21が下部電極となり、SiO膜22a、ナノクリスタルシリコン膜(シリコンドット)22bとSiO膜22cの絶縁膜層を挟んだ、導電性膜23によりMIM構造を形成している。
【0110】
上述した例によれば、アモルファスSi膜22bに対し、高温かつ短時間でアニールを行うことで、最初に結晶化した核が成長する前に、他の結晶核が形成される。これにより、微結晶(ナノクリスタル)SiによるSiドットが形成される。
【0111】
<例3>
次に、第2の層22bにナノクリスタル(微結晶)シリコン膜(Siドット)を形成する他の例について説明する。なお、本例の基本的な構造および基本的な製造方法は、上述した第2の層22bにHfOを形成する例と同様である。したがって、上述した事項および上述した例から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。
【0112】
バリアメタル層21上に、ALD法により膜厚が3nm程度のSiO2膜22aを形成し、SiO膜22a上に、LPCVD法によりジシランおよび微量のNOなどを用いて、膜厚が2nm程度のOを微量に含むアモルファスSi膜22bを形成する。アモルファスSi膜22b上に、ALD法により膜厚が3nm程度のSiO2膜22cを形成する。その後、アモルファスSi膜22bに対して、温度は700℃程度のアニール(結晶化アニール)を行う。これにより、アモルファスSi膜22bを数nm程度の粒径をもつナノクリスタルシリコン膜に変化させることができる。さらにその上に、LPCVD法により膜厚が2nm程度のSiO膜22cを形成する。
【0113】
その後、図13〜図16で説明した方法と同様にして、抵抗変化メモリ装置が形成される。
【0114】
形成されたピラーの中のバリアメタル層21が下部電極となり、SiO膜22a、ナノクリスタルシリコン膜(シリコンドット)22bとSiO膜22cの絶縁膜層を挟んだ、導電性膜23によりMIM構造を形成している。
【0115】
上述した例によれば、アモルファスSi膜22b中にOを混ぜることで、アモルファスSi膜の結晶化の速度が抑制され、相対的に、核生成の速度が増加する。これにより、結晶化した核が成長する前に、他の結晶核を形成することができ、微結晶(ナノクリスタル)SiによるSiドットが形成される。
【0116】
(第2の実施形態)
次に、バイポーラ動作時に用いるMIMダイオードについて説明する。
例えば正の電圧を印加することで書き込みを行い、負の電圧(書き込み時とは極性の異なる電圧)を印加して消去をそれぞれ行うようなバイポーラ動作を行う場合には、低電圧で電流を流さず、閾値電圧以上で電流を流す素子が適切である。
【0117】
本実施形態に係るバイポーラ動作について、図17、18を例に説明する。図17、18は、バイポーラ動作時のメモリセルの電圧に対応する電流の特性を示している。
【0118】
図17に示すように、バイポーラ動作時において、例えば読み出し電圧Vread、書き込み電圧Vset、消去電圧Vresetが印加された選択メモリセル(MIMダイオード)は電流を流す。また、読み出し電圧Vread、書き込み電圧Vset、消去電圧Vresetより電圧の低い、非選択Vread、非選択Vreset、非選択Vsetが印加された非選択メモリセル(MIMダイオード)は、電流を流さない。このように、バイポーラ動作に用いるMIMダイオードは、低電圧で電流を流さず、閾値電圧以上で電流を流す。
【0119】
また、図18の(1)、(2)、(3)に示すように、設計者の要求によって、求められるMIMダイオードの特性は変化する。
【0120】
図19は、本実施形態に係るメモリセル構造を概略的に示した斜視図であり、図20は、本実施形態に係るメモリセル構造を概略的に示した断面図である。
【0121】
図19、20に示すように、第一方向に延びる導電線L2(i)上には、MIMダイオードD−mim及び下部電極(第2の下部電極)24がスタックされる。そして、下部電極24上には、可変抵抗素子または相変化素子からなるメモリ素子25が配置され、メモリ素子25上には、上部電極(第2の上部電極)26が配置される。
【0122】
このMIMダイオードD−mimは、第1のメタル層(第1の下部電極)21、絶縁層32及び第2のメタル層(第1の上部電極)23のスタック構造である。また、本実施形態のMIMダイオードD−mimの絶縁層32は少なくとも3層以上の積層構造である。
【0123】
絶縁層32は、第1の層32aと、第1の層32a上の第2の層32bと、第2の層32b上の第3の層32cとを備えている。第1の層32aおよび第3の層32cは絶縁層であり、第2の層32bは、第1の層32aおよび第3の層32cとはバンドギャップが異なる層である。例えば、第1の層32aおよび第3の層32cはAl層であり、第2の層32bはナノクリスタルシリコン膜である。また、例えば第1の層32aの膜厚は5nmであり、第2の層32bの膜厚は2nmであり、第3の層32cの膜厚は5nmとなる。第1の層32a、第2の層32b、第3の層32cの膜厚は、第1のメタル層21と第2のメタル層23との間で電荷のトンネリング現象が発生することを条件に決定される。
【0124】
本実施形態の絶縁層32は、第1の層32aおよび第3の層32cを、高誘電体率膜とし、第2の層32bを低誘電率膜とする構成、または、第1の層32aおよび第3の層32cを、低誘電体率膜とし、第2の層32bを高誘電率膜とする構成にすることができる。
【0125】
この低誘電率膜としては、SiO、SiON、SiN、多結晶または、非晶質または、単結晶または、薄膜のシリコン膜、または、欠陥準位を形成する酸化膜(例えばGeO)または、半導体/メタルドット(量子ドット)などが挙げられる。SiOよりも誘電率が低い膜からなる酸化物も同様な効果がみられる。また、上記高誘電率膜は、AlO、MgO、AlN、MgN、AlON、MgONなどの非遷移金属元素を有する酸化物、窒化物、または、HfO、ZrO、HfN、ZrN、HfON、ZrON、TiO、TiN、TiON、TaO、TaN、TaONなどの遷移金属元素を有する酸化物、窒化物とする。そして、これらはナノクリスタルにすることで薄膜にすることができる。
【0126】
また、整流特性を得るためには、HfOの上下の絶縁膜の膜厚だけでなく、種類を変えることも有効である。
【0127】
また、例えば第1のメタル層21および第2のメタル層23の膜厚は10nmである。
【0128】
次に、バイポーラ動作時のMIMダイオードの絶縁層の構成例について説明する。
【0129】
図21は、本実施形態の清流素子の絶縁層を概略的に示した断面図である。
【0130】
バイポーラ動作時に有効なMIMダイオードの絶縁層は、図21(a)、(b)の2種類が考えられる。
【0131】
図21(a)に示すように、第1の層32aおよび第3の層32cは同一の材料で形成され、第2の層32bは第1の層32aおよび第3の層32cと異なる材料で形成されている。
図18に示すように、半導体装置の動作の特性が(1)の場合、絶縁層32の第2の層32bは、絶縁層32の中心に配置される。
半導体装置の動作の特性が(2)であり、第2の層32bのバンドギャップエネルギーEg(32b)が、第1の層32aのバンドギャップエネルギーEg(32a)および第3の層32cのバンドギャップエネルギーEg(32c)よりも小さい場合、第2の層32bは、絶縁層32中において、中心から陽極側にずれて配置される。
また、半導体装置の動作の特性が(2)であり、第2の層32bのバンドギャップエネルギーEg(32b)が、第1の層32aのバンドギャップエネルギーEg(32a)および第3の層32cのバンドギャップエネルギーEg(32c)よりも大きい場合、第2の層32bは、絶縁層32中において、中心から陰極側にずれて配置される。
また、半導体装置の動作の特性が(3)であり、第2の層32bのバンドギャップエネルギーEg(32b)が、第1の層32aのバンドギャップエネルギーEg(32a)および第3の層32cのバンドギャップエネルギーEg(32c)よりも小さい場合、第2の層32bは、絶縁層32中において、中心から陰極側にずれて配置される。
半導体装置の動作の特性が(3)であり、第2の層32bのバンドギャップエネルギーEg(32b)が、第1の層32aのバンドギャップエネルギーEg(32a)および第3の層32cのバンドギャップエネルギーEg(32c)よりも大きい場合、第2の層32bは、絶縁層32中において、中心から陽極側にずれて配置される。
【0132】
図21(b)に示すように、絶縁層32は、第3の層32c上に、第4の層32dと第5の層32eの積層構造をさらに有している。第1の層32a、第3の層32cおよび第5の層32eは同一の材料で形成され、第2の層32bおよび第4の層32dは同一の材料で形成されている。また、第1の層32a、第3の層32cおよび第5の層32eと、第2の層32bおよび第4の層32dと、は異なる材料で形成されている。
【0133】
図18に示すように、半導体装置の動作の特性が(1)の場合、絶縁層32の第2の層32bは、絶縁層32の中心から陰極側にずれて配置され、第4の層32dは、絶縁層32の中心から陽極側にずれて配置される。
半導体装置の動作の特性が(2)であり、第2の層32bのバンドギャップエネルギーEg(32b)および第4の層32dのバンドギャップエネルギーEg(32d)が、第1の層32aのバンドギャップエネルギーEg(32a)、第3の層32cのバンドギャップエネルギーEg(32c)および第5の層32eのバンドギャップエネルギーEg(32e)よりも小さい場合、第2の層32bおよび第4の層32dは、絶縁層32中において、半導体装置の動作の特性が(1)の際の位置と比較し、陽極側にずれて配置される。
また、半導体装置の動作の特性が(3)であり、第2の層32bのバンドギャップエネルギーEg(32b)および第4の層32dのバンドギャップエネルギーEg(32d)が、第1の層32aのバンドギャップエネルギーEg(32a)、第3の層32cのバンドギャップエネルギーEg(32c)および第5の層32eのバンドギャップエネルギーEg(32e)よりも小さい場合、第2の層32bおよび第4の層32dは、絶縁層32中において、半導体装置の動作の特性が(1)の際の位置と比較し、陰極側にずれて配置される。
【0134】
この絶縁層32a,32b、32cの厚さや位置は、二つのメタル層21、23の間で電荷のトンネリング現象(直接トンネリング及びFNトンネリングの双方を含む)が発生することを条件に決定される。
【0135】
上述するように、第2の実施形態と同様のMIMダイオードの整流特性を得るためには、第2の層32bの上下の絶縁膜である、第1の層32aおよび第3の層32cの膜厚や位置だけでなく、第1の層32aおよび第3の層32cの種類を変えても良い。
【0136】
上述した実施形態によれば、半導体装置は、第1の配線L2(i)と、第1の配線L2(i)と交差する第2の配線L3(j)と、第1の配線L2(i)と第2の配線L3(j)とが交差する各領域に設けられ、一端が第1の配線L2(i)に接続され、且つ他端が第2の配線L3(j)に接続され、可変抵抗素子25及び非オーミック素子D−mimが直列接続されたメモリセル構造CUsと、を備え、非オーミック素子D−mimは、絶縁層32として、第1の層32aと、第1の層32aのバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、第1の層32a上に設けられた第2の層32bと、第2の層32bのバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、第2の層32b上に設けられた第3の層32cとを備えている。例えば、第1の層32aの誘電率および第2の層32bの誘電率は異なり、第3の層32cの誘電率および第2の層32bの誘電率は異なる。また、例えば、第2の層32bのバンドギャップは、第1の層32aのバンドギャップおよび第3の層32cのバンドギャップよりも狭い。
【0137】
このように、MIMダイオードは、第1の層32a、第2の層32b、および第3の層32cからなる積層構造の絶縁層32を有している。そして、第2の層32bのバリアハイトは、第1の層32a、および第3の層32cと異なる。そして、例えば所定値よりも強いバイアスの印加時に、電荷が第1の層32a、第2の層32bおよび第3の層32cの厚みを感じないように第1の層32a、第2の層32bおよび第3の層32cが配置される。また、所定値よりも弱いバイアス印加時に、電荷が第1の層32a、第2の層32bおよび第3の層32cの厚みを感じ続けるように、第1の層32aおよび第3の層32cのバリアハイトを高くするか、第2の層32bのバリアハイトを高くする。これにより、低電界側ではリーク電流を押さえ、高電界側では、リーク電流を増やす効果がみられる。
【0138】
その結果、所定値以上のバイアスに対して、十分に大きな電流(セット/リセット電流)を得ることができる。同時に、所定値以下のバイアスに対して、MIMダイオードの電流を十分に抑えられることが分かる。
【0139】
従って、抵抗変化メモリの消費電力の低減、動作速度の向上、読み出しの容易化などを実現することができる。これにより、電流の高い選択特性を有し、絶縁破壊が抑制された薄膜の選択素子得られる。このため、高品質な半導体装置を得ることができる。
【0140】
なお、上述した実施形態によれば、絶縁層32は、第3の層32cのバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、第3の層32c上に設けられた第4の層32dと、第4の層32dのバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、第4の層32d上に設けられた第5の層32eと、をさらに備える場合がある。この場合、第3の層32cの誘電率および第4の層32dの誘電率は異なり、第5の層32eの誘電率および第4の層32dの誘電率は異なる。
【0141】
<例1>
次に、図22〜26を用いて、MIMダイオードが図21(a)に示す構成を有し、図18に示す半導体装置の動作の特性が(1)の場合において、第1の層32aとしてAl膜を有し、第2の層32bにナノクリスタルシリコン膜(Siドット)を有し、第3の層32cにAlを有する場合の製造方法について説明する。なお、本例の絶縁層32以外の基本的な構造および基本的な製造方法は、上述した各例と同様である。したがって、上述した事項および上述した例から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。
【0142】
第1の実施形態で説明した図10、11の工程の後、図22に示すように、バリアメタル層21上に、ALD法により、膜厚が5nm程度のAl膜32aを形成し、Al膜32a上に、LPCVD法により、膜厚が2nm程度のアモルファスSi膜32bを形成する。アモルファスSi膜32b上に、ALD法により膜厚が5nm程度のAl膜32cを形成する。その後、アモルファスSi膜32bに対して、温度は1000℃程度の高温、かつ時間は10msec程度の短時間でレーザーアニールを行う。これにより、アモルファスSi膜32bを数nmの粒径をもつナノクリスタルシリコン膜に変化させることができる。
【0143】
次に、図23に示すように、Al膜32c上に、MIMダイオードの上部電極となる導電性膜(メタルシリサイド膜)23を成膜する。その上に、下部電極24となる膜厚数nm程度のバリアメタル膜として例えばTiNを成膜した後、ReRAMのメモリセル(抵抗変化素子)25となる膜厚10nm程度の抵抗変化層、例えばHfO膜を形成する。続いて、上部電極26となる膜厚数nm程度のバリアメタル膜を形成する。その後、マスク材料層28を形成する。このマスク材料層28は例えばシリコン酸化膜等を含む積層構造である。そして、その上に、パターンニングしたレジスト29を形成する。このレジスト29を用いてマスク材料層28をパターニングする。
【0144】
次に、図24に示すように、パターニングされたマスク材料層28をマスクとして用いて、RIE法によってバリアメタル膜26、抵抗変化層25、バリアメタル膜24、導電性膜23、Al膜32c、ナノクリスタルシリコン膜32b、Al膜32a及びバリアメタル膜21をエッチングする。これにより、メモリセル構造が形成される。
【0145】
次に、図25に示すように、該メモリセル構造の周辺を層間絶縁膜30で覆い、CMP法などで平坦化をする。その後、図26に示すように、メモリセル構造の上部に電気的に接続できるように、ワード線27に直行する方向にビット線31を形成する。
【0146】
このようにして、抵抗変化メモリ装置が形成される。
【0147】
形成されたピラーの中のバリアメタル層21が下部電極となり、Al膜32a、ナノクリスタルシリコン膜32bおよびAl膜32cの絶縁膜層を挟んだ、導電性膜23によりMIM構造を形成している。
【0148】
この結晶化の際に、あらかじめAl膜32cにて、アモルファスSi膜32bの表面を覆っておくことで、アモルファスSi膜32bが結晶化の際に流動して、表面張力で凝集してしまうことを防ぐことができる。
【0149】
また、この例では、電子注入を増加させる役割をもつものとして、Al膜中にナノクリスタルのSiを導入しているが、これは、ナノクリスタル化させることで、電子を閉じ込める量子効果により、Siの伝導帯のエネルギー準位よりも、エネルギー高い準位に変調させることで、低電圧を印加した時の電流を抑制して、閾値となる高電圧で印加したときの電流を増加させるようなオンオフ比率を増大させることができる。
【0150】
次に、図27、28を参照して、本例に係るMIMダイオードの動作メカニズムについて説明する。図27、28は、MIMダイオードのバンド構造を示している。
【0151】
本例では、第1の層32aおよび第3の層32cのバリアハイトは、第2の層32bのバリアハイトよりも高くなっている。
【0152】
図27に示すように、MIMダイオードに順方向かつ所定値以下の低バイアスが印加されている場合、電子は第3の層32cおよび第2の層32bの厚さを感じるため、第3の層32cおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、順方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。また、図示しないが、MIMダイオードに逆方向の低バイアスが印加されている場合、電子は第1の層32aおよび第2の層32bの厚さを感じるため、第1の層32aおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、逆方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。
【0153】
次に、図28に示すように、このMIMダイオードに順方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第3の層32cのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。また、図示していないが、MIMダイオードに逆方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第1の層32aのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。第1の層32aおよび第3の層32cよりもバリアハイトの低い第2の層32bは、絶縁破壊を起こすような強いバイアスよりも弱い所定のバイアスを印加した際に、電荷が第2の層32bの厚みを感じないように配置されている。このため、絶縁破壊を起こすような強いバイアスを印加する必要がない。
【0154】
<例2>
次に、図21(a)に示す構成を有し、図18に示すように、半導体装置の動作の特性が(1)の場合において、第1の層32aとしてSiO膜を有し、第2の層32bにAlを有し、第3の層32cにSiOを有する例の製造方法について説明する。なお、本例の絶縁層32以外の基本的な構造および基本的な製造方法は、上述した各例と同様である。したがって、上述した事項および上述した例から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。
【0155】
第1の実施形態で説明した図10、11の工程の後、バリアメタル層21上に、ALD法により、膜厚が2nm程度のSiO膜32aを形成し、SiO膜32a上に、ALD法により、膜厚が2nm程度のAl膜32bを形成する。Al膜32b上に、ALD法により膜厚が2nm程度のSiO膜32cを形成する。この後、温度800度程度のN雰囲気下のアニールによって、SiO膜、Al膜からALD法の材料ガスに含まれる炭素、水素などの不純物を脱利させる。このように、膜自身を収縮することで、緻密で、欠陥の少ない絶縁膜にすることができる。
【0156】
その後、図22〜図26で説明した方法と同様にして、抵抗変化メモリ装置が形成される。
【0157】
形成されたピラーの中のバリアメタル層21が下部電極となり、SiO膜32a、Al膜32bおよびSiO膜32cの絶縁膜層を挟んだ、導電性膜23によりMIM構造を形成している。
【0158】
次に、図29、30を参照して、本例に係るMIMダイオードの動作メカニズムについて説明する。図29、30は、本例に係るMIMダイオードのバンド構造を示している。
【0159】
本例では、第1の層32aおよび第3の層32cのバリアハイトは、第2の層32bのバリアハイトよりも高くなっている。
【0160】
図29に示すように、MIMダイオードに順方向かつ所定値以下の低バイアスが印加されている場合、電子は第3の層32cおよび第2の層32bの厚さを感じるため、第3の層32cおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、順方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。また、図示しないが、MIMダイオードに逆方向の低バイアスが印加されている場合、電子は第1の層32aおよび第2の層32bの厚さを感じるため、第1の層32aおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、逆方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。
【0161】
次に、図30に示すように、このMIMダイオードに順方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第3の層32cのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。また、図示していないが、MIMダイオードに逆方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第1の層32aのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。第1の層32aおよび第3の層32cよりもバリアハイトの低い第2の層32bは、絶縁破壊を起こすような強いバイアスよりも弱い所定のバイアスを印加した際に、電荷が第2の層32bの厚みを感じないように配置されている。このため、絶縁破壊を起こすような強いバイアスを印加する必要がない。
【0162】
<例3>
次に、図21(a)に示す構成を有し、図18に示す半導体装置の動作の特性が(1)の場合において、第1の層32aとしてSiN膜を形成し、第2の層32bにAlを形成し、第3の層32cにSiNを形成する例について説明する。なお、本例の絶縁層32以外の基本的な構造および基本的な製造方法は、上述した各例と同様である。したがって、上述した事項および上述した例から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。
【0163】
第1の実施形態で説明した図10、11の工程の後、バリアメタル層21上に、ALD法により、膜厚が2nm程度のSiN膜32aを形成し、SiN膜32a上に、ALD法により、膜厚が2nm程度のAl膜32bを形成する。Al膜32b上に、ALD法により膜厚が2nm程度のSiN膜32cを形成する。この後、温度800度程度のN雰囲気下のアニールによって、SiN膜、Al膜からALD法の材料ガスに含まれる炭素、水素などの不純物を脱利させる。このように、膜自身を収縮することで、緻密で、欠陥の少ない絶縁膜にすることができる。また、第1の層32a、第3の層32cとしてSiNを用いているため、電極からの金属の拡散防止を担う効果もある。
【0164】
その後、図22〜図26で説明した方法と同様にして、抵抗変化メモリ装置が形成される。
【0165】
形成されたピラーの中のバリアメタル層21が下部電極となり、SiN膜32a、Al膜32bおよびSiN膜32cの絶縁膜層を挟んだ、導電性膜23によりMIM構造を形成している。
【0166】
次に、図31、32を参照して、本例に係るMIMダイオードの動作メカニズムについて説明する。図31、32は、MIMダイオードのバンド構造を示している。
【0167】
本例では、第1の層32aおよび第3の層32cのバリアハイトは、第2の層32bのバリアハイトよりも低くなっている。また、第2の層32bの誘電率は、第1の層32aの誘電率、第3の層32cの誘電率よりも高い。
【0168】
図31に示すように、MIMダイオードに順方向かつ所定値以下の低バイアスが印加されている場合、電子は第3の層32cおよび第2の層32bの厚さを感じる。これにより第3の層32cおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、順方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。また、図示しないが、MIMダイオードに逆方向の低バイアスが印加されている場合、電子は第1の層32aおよび第2の層32bの厚さを感じる。これにより、第1の層32aおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、逆方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。
【0169】
次に、図32に示すように、このMIMダイオードに順方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、第2の層32bの誘電率よりも誘電率が低い第3の層32cのバンドが急峻になり、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第3の層32cのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。また、図示していないが、MIMダイオードに逆方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、第2の層32bの誘電率よりも誘電率が低い第1の層32aのバンドが急峻になり、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第1の層32aのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。第2の層32bよりも誘電率の低い第1の層31aおよび第3の層32cは、絶縁破壊を起こすような強いバイアスよりも弱い所定のバイアスを印加した際にバンドギャップが急峻になり、電荷が第2の層32bの厚みを感じないように配置されている。このため、絶縁破壊を起こすような強いバイアスを印加する必要がない。
【0170】
<例4>
次に、図21(a)に示す構成を有し、図18に示すように、半導体装置の動作の特性が(1)の場合において、第1の層32aとしてAl膜を形成し、第2の層32bにSiOを形成し、第3の層32cにAlを形成する例について説明する。なお、本例の絶縁層32以外の基本的な構造および基本的な製造方法は、上述した各例と同様である。したがって、上述した事項および上述した例から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。
【0171】
第1の実施形態で説明した図10、11の工程の後、バリアメタル層21上に、ALD法により、膜厚が2nm程度のAl膜32aを形成し、Al膜32a上に、ALD法により、膜厚が2nm程度のSiO膜32bを形成する。SiO膜32b上に、ALD法により膜厚が2nm程度のAl膜32cを形成する。この後、温度800度程度のN雰囲気下のアニールによって、SiO膜、Al膜からALD法の材料ガスに含まれる炭素、水素などの不純物を脱利させる。このように、膜自身を収縮することで、緻密で、欠陥の少ない絶縁膜にすることができる。
【0172】
その後、図22〜図26で説明した方法と同様にして、抵抗変化メモリ装置が形成される。
【0173】
形成されたピラーの中のバリアメタル層21が下部電極となり、Al膜32a、SiO膜32bおよびAl膜32cの絶縁膜層を挟んだ、導電性膜23によりMIM構造を形成している。
【0174】
次に、図33、34を参照して、本例に係るMIMダイオードの動作メカニズムについて説明する。図33、34は、MIMダイオードのバンド構造を示している。
【0175】
本例では、第1の層32aおよび第3の層32cのバリアハイトは、第2の層32bのバリアハイトよりも低くなっている。また、第2の層32bの誘電率は、第1の層32aの誘電率、第3の層32cの誘電率よりも低い。
【0176】
図33に示すように、MIMダイオードに順方向かつ所定値以下の低バイアスが印加されている場合、電子は第3の層32cおよび第2の層32bの厚さを感じる。これにより、第3の層32cおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、順方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。また、図示しないが、MIMダイオードに逆方向の低バイアスが印加されている場合、電子は第1の層32aおよび第2の層32bの厚さを感じる。これにより、第1の層32aおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、逆方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。この構造によれば、上述した第2の実施形態の例2、例3よりさらに低電界側でリーク電流を抑制することが可能である。
【0177】
次に、図34に示すように、このMIMダイオードに順方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、第3の層32cの誘電率よりも誘電率が低い第2の層32bのバンドが急峻になり、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第3の層32cのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。また、図示していないが、MIMダイオードに逆方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、第1の層32aの誘電率よりも誘電率が低い第2の層32bのバンドが急峻になり、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第1の層32aのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。第2の層32bよりも誘電率の高い第1の層31aおよび第3の層32cは、絶縁破壊を起こすような強いバイアスよりも弱い所定のバイアスを印加した際に、電荷が第2の層32bの厚みを感じないように配置されている。このため、絶縁破壊を起こすような強いバイアスを印加する必要がない。
【0178】
また、本例の構成によると、電荷のFNトンネリングを起こす電圧値(閾値)が小さくなるため、素子の省電力化が可能となる。
【0179】
<例5>
次に、図21(a)に示す構成を有し、図18に示すように、半導体装置の動作の特性が(1)の場合において、第1の層32aとしてAl膜を形成し、第2の層32bにSiNを形成し、第3の層32cにAlを形成する例について説明する。なお、本例の絶縁層32以外の基本的な構造および基本的な製造方法は、上述した第1の実施形態と同様である。したがって、上述した事項および上述した例から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。
【0180】
第1の実施形態で説明した図10、11の工程の後、バリアメタル層21上に、ALD法により、膜厚が2nm程度のAl膜32aを形成し、Al膜32a上に、ALD法により、膜厚が2nm程度のSiN膜32bを形成する。SiN膜32b上に、ALD法により膜厚が2nm程度のAl膜32cを形成する。この後、温度800度程度のN雰囲気下のアニールによって、SiN膜、Al膜からALD法の材料ガスに含まれる炭素、水素などの不純物を脱利させる。このように、膜自身を収縮することで、緻密で、欠陥の少ない絶縁膜にすることができる。また、第2の層32bとしてSiNを用いているため、電極からの金属の拡散防止を担う効果もある。
【0181】
その後、図22〜図26で説明した方法と同様にして、抵抗変化メモリ装置が形成される。
【0182】
形成されたピラーの中のバリアメタル層21が下部電極となり、Al膜32a、SiN膜32bおよびAl膜32cの絶縁膜層を挟んだ、導電性膜23によりMIM構造を形成している。
【0183】
次に、図35、36を参照して、本例に係るMIMダイオードの動作メカニズムについて説明する。図35、36は、MIMダイオードのバンド構造を示している。
【0184】
本例では、第1の層32aおよび第3の層32cのバリアハイトは、第2の層32bのバリアハイトよりも低くなっている。また、第2の層32bの誘電率は、第1の層32aの誘電率、第3の層32cの誘電率よりも高い。
【0185】
図35に示すように、MIMダイオードに順方向かつ所定値以下の低バイアスが印加されている場合、第2の層32bの誘電率が、第3の層32cの誘電率よりも高いため、電子は第3の層32cおよび第2の層32bの厚さを感じる。これにより、第3の層32cおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、順方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。また、図示しないが、MIMダイオードに逆方向の低バイアスが印加されている場合、第2の層32bの誘電率が、第1の層32aの誘電率よりも高いため、電子は第1の層32aおよび第2の層32bの厚さを感じるため、第1の層32aおよび第2の層32bをトンネリングするキャリアが存在しない。このため、逆方向の低バイアス印加時に、MIMダイオードに電流が流れることはない。この構造によれば、上述した第2の実施形態の例2、例3よりさらに低電界側でリーク電流を抑制することが可能である。
【0186】
次に、図36に示すように、このMIMダイオードに順方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、第2の層32bの誘電率よりも誘電率が低い第3の層32cのバンドが急峻になり、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第3の層32cのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。また、図示していないが、MIMダイオードに逆方向かつ所定値以上のバイアスを印加すると、第2の層32bの誘電率よりも誘電率が低い第1の層32aのバンドが急峻になり、電荷は第2の層32bの厚みを感じなくなり、第1の層32aのFNトンネリングによる電荷の移動が発生する。このバイアスが大きいほど、MIMダイオードに流れる電流が大きくなる。第2の層32bよりも誘電率の低い第1の層31aおよび第3の層32cは、絶縁破壊を起こすような強いバイアスよりも弱い所定のバイアスを印加した際にバンドギャップが急峻になり、電荷が第2の層32bの厚みを感じないように配置されている。このため、絶縁破壊を起こすような強いバイアスを印加する必要がない。
【0187】
また、本例の構成によると、電荷のFNトンネリングを起こす電圧値(閾値)が小さくなるため、素子の省電力化が可能となる。
【0188】
なお、メモリ素子と整流素子との位置関係及び構造については、整流素子の整流性が失われないことを条件に様々な変更が可能である。例えば、メモリ素子と整流素子とが上下逆、整流素子のアノードとカソードとが逆、電極層の省略又は追加、不純物の拡散を抑えるバリア層の追加、さらに、これらの組み合わせ、などが可能である。
【0189】
また、上述した各例では、改質アニールをN雰囲気で行った。しかし、改質アニールに関しては、N雰囲気でなくとも、O、HO、H、NO、NO、NHなどの雰囲気のアニールも同様な効果をもたらす。
【0190】
また、上述した例において、ナノクリスタル(微結晶)シリコン膜をシリコンドットとして用いているが、これに限らない。例えば、シリコンドットであれば、アモルファス状態でも良い。また、ナノクリスタル(微結晶)シリコン膜は非連続的に形成されるドット状でなく、体積が1〜2nm程度の結晶が連続して配置される集合体でも良い。
【0191】
また、上記では、絶縁層22、絶縁層32に用いられる絶縁性酸化膜や絶縁性窒化膜の形成方法は特に限定していないが、絶縁性酸化膜は、有機ソースと酸化剤とを交互に供給することで形成されることができ、絶縁性窒化膜は、有機ソースとNHとを交互に供給することで形成されることができる。
【0192】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0193】
1…チップ、 2…クロスポイント型メモリセルアレイ、 3…第一制御回路
4…第二制御回路、 5…ホスト、 6…コマンド・インターフェイス回路
7…データ入出力バッファ、 8…ステートマシーン、 9…アドレスバッファ
10…パルスジェネレータ、 11…半導体基板、 21…第1のメタル層
22…絶縁層、 22a…第1の層、 22b…第2の層
22c…第3の層、 23…第2のメタル層、 24…下部電極、
25…メモリ素子、 26…上部電極、 27…ワード線、
28…マスク材料層、 29…レジスト、 30…層間絶縁膜
31…ビット線、 32…絶縁層、 32a…第1の層
32b…第2の層、 32c…第3の層、 100…半導体基板
101…シリコン酸化膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の配線と、
前記第1の配線と交差する第2の配線と、
前記第1の配線と前記第2の配線とが交差する各領域に設けられ、一端が前記第1の配線に接続され、且つ他端が前記第2の配線に接続され、可変抵抗素子及び非オーミック素子が直列接続されたメモリセル構造と、
を備え、
前記非オーミック素子は、絶縁層として、第1の層と、前記第1の層のバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、前記第1の層上に設けられた第2の層と、前記第2の層のバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、前記第2の層上に設けられた第3の層とを備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の層の誘電率および前記第2の層の誘電率は異なり、前記第3の層の誘電率および前記第2の層の誘電率は異なることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の層のバンドギャップは、前記第1の層のバンドギャップおよび前記第3の層のバンドギャップよりも狭いことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記絶縁層は、前記第3の層のバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、前記第3の層上に設けられた第4の層と、前記第4の層のバンドギャップとは異なるバンドギャップを有し、前記第4の層上に設けられた第5の層と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3の層の誘電率および前記第4の層の誘電率は異なり、前記第5の層の誘電率および前記第4の層の誘電率は異なることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
第1の配線上に、第1の下部電極を形成することと、
前記第1の下部電極上に第1の層を形成することと、
前記第1の層上に第2の層を形成することと、
前記第2の層上に第3の層を形成することと、
前記第3の層の形成後、前記第2の層に対し、アニールを行うことと、
前記アニールを行った後、前記第3の層上に第1の上部電極を形成することと、
前記第1の上部電極上に第2の下部電極を形成することと、
前記第2の下部電極上に抵抗変化層を形成することと、
前記抵抗変化層上に第2の上部電極を形成することと、
前記第2の上部電極、前記抵抗変化層、前記第2の下部電極、前記第1の上部電極、前記第3の層、前記第2の層、前記第1の層、および前記第1の下部電極をパターニングすることと、
前記パターニングの後、前記第2の上部電極上に第2の配線を形成することと
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記アニールは、レーザーアニールであることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate


【公開番号】特開2012−119566(P2012−119566A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269315(P2010−269315)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】