説明

半導体装置および半導体装置の製造方法

【課題】接続信頼性の高い半導体装置、および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】電極パッド12が一方の面に形成された基板11と、バンプ16が一方の面に形成された半導体チップ15とを備え、半導体チップ15の一方の面が基板11の一方の面に対向する向きで、半導体チップ15が基板11に実装されている半導体装置10であって、基板11の一方の面には、少なくとも電極パッド12を覆うように、ソルダーレジスト13が形成され、ソルダーレジスト13には、導電粒子14が分散され、半導体チップ15のバンプ16は、導電粒子14を介して基板11の電極パッド12と電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップを能動素子形成面を下向きにして基板に実装するフリップチップ接続技術を用いた半導体装置、および半導体装置の製造方法に関するものであり、特に、半導体チップと基板間の接続信頼性を向上させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の急速な発達に伴い、半導体素子は、これまで以上に高機能・多機能化が進んでいる。しかし、高機能・多機能化によって、半導体素子の入出力端子数は増加し、また、半導体素子を高速動作させるための配線長は短縮化が求められる。そこで、このような半導体素子の要件を満たすために開発された接続工法として、フリップチップ方式がある。フリップチップ方式は、電極パッドを半導体素子の配線面の全面に設けることができるため、多ピン化に適している。また、フリップチップ方式は、ワイヤボンディングなどの半導体素子接続工法と比較して、引き出し線を必要としないため、配線長の短縮化が可能となっている。
【0003】
図11(a)〜(c)に、フリップチップ方式を用いた半導体装置100の製造工程を示す。半導体装置100は、半導体チップ104がフリップチップ接続によって基板101に実装された構成を有するものである。
【0004】
まず、図11(a)に示すように、基板101を準備する。基板101の表面には、複数の配線および複数の電極パッドにより構成される配線パターンと、ソルダーレジスト103とが形成されている。ここで、図11に示す102は、半導体チップ104と接続するための電極パッドである。ソルダーレジスト103は、配線を覆い、かつ、電極パッド102を露出するように、基板101の表面に形成されている。
【0005】
続いて、図11(b)に示すように、基板101に半導体チップ104を電気的に接続する。具体的には、まず、基板101の電極パッド102、すなわち半導体チップ104のバンプ105を接続する部位に、導電ペースト(図示せず)を塗布する。導電ペーストは、導電粒子が分散されたペースト状の樹脂である。そして、バンプ105を電極パッド102に位置合わせして、バンプ105を電極パッド102の上に置く。半導体チップ104は、能動素子が形成された面に、電気信号を入出力するための電極パッド(図示せず)が複数形成されるとともに、各電極パッド上にバンプ105がそれぞれ形成されている。その後、基板101と半導体チップ104とを加熱圧着して、導電ペーストを硬化させる。これにより、半導体チップ104のバンプ105を、導電粒子を介して基板101の電極パッド102に電気的に接続することができる。
【0006】
続いて、図11(c)に示すように、アンダーフィル樹脂106を形成する。具体的には、液状のアンダーフィル用樹脂を、半導体チップ104と基板101との空隙に注入する。このとき、液状のアンダーフィル用樹脂を、上記空隙を充填し、露出していた基板101の電極パッド102を覆う程度に注入する。そして、注入した液状のアンダーフィル用樹脂を加熱硬化させる。これにより、アンダーフィル樹脂106を形成することができる。
【0007】
このようにして、半導体チップ104を基板101に実装することができる。半導体装置100は、実装面積が半導体チップの面積とほぼ等しく、ワイヤボンディングなどの半導体素子接続工法を用いた場合と比較して非常に小さいため、高密度実装が可能である。
【0008】
一方、生産性向上を目的として、アンダーフィル樹脂形成工程を削減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、半導体チップを実装する前に、導電粒子を含有した樹脂を基板の半導体チップ実装領域に塗布しておき、その後、半導体チップを実装することで、電極間の接続と樹脂充填とを同時に行うというものである。
【0009】
図12(a)〜(d)に、特許文献1に記載の半導体装置の製造工程を示す。図12(a)〜(d)は、半導体チップ207のバンプ209と配線基板201の電極パッド202との接続部分付近を拡大して示している。
【0010】
まず、図12(a)に示すように、配線基板201の電極パッド202上に、樹脂204に導電粒子205を添加してなる導電性ペースト206を塗布する。なお、導電性ペースト206に替えて、樹脂に導電粒子を添加してなる導電性フィルムを貼り付けてもよい。配線基板201の電極パッド202の周りには、すり鉢状形状のソルダーレジスト203が形成されている。導電性ペースト206の塗布後、導電粒子205は、重力の影響で沈殿し、電極パッド202上とソルダーレジスト203の平坦部上とに堆積する。
【0011】
続いて、図12(b)に示すように、配線基板201に、基板平面方向に振動を加える。これにより、ソルダーレジスト203の平坦部上にあった導電粒子205が、ソルダーレジスト203のすり鉢状部に落ち込み、図12(c)に示すように、電極パッド202上およびその近傍に集合する。
【0012】
続いて、図12(d)に示すように、半導体チップ207の電極208上に形成されたバンプ209を、配線基板201の電極パッド202に位置合わせして、バンプ209を電極パッド202上に置いた状態で加熱圧着することにより、樹脂204を硬化させる。このとき、導電粒子205は、加熱圧着によりバンプ209と電極パッド202とに挟み込まれて両者に接触しているので、両者の導通を得ることが可能となっている。
【0013】
こうして作製した半導体装置では、電極パッド202上およびその近傍に導電粒子205を集合させることで、バンプ209と電極パッド202との間に確実に導電粒子205を挟み込ませて、安定した導通を得ている。これにより、半導体チップ207と配線基板201との間の電気的接続を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2007−281269号公報(2007年10月25日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、フリップチップ方式を用いた半導体装置において、上述した従来の接続方法は接続信頼性が低いという問題点を有している。
【0016】
つまりは、半導体チップを実装する前の基板(配線基板)の電極パッドは露出しているため、基板の保管時および搬送途中において、電極パッドへの汚染が生じることがある。また、電極パッドとソルダーレジストとの段差によって、電極パッドに異物が付着し易くなっている。この結果、付着した異物や汚染によって接続後の電気的接続不良が発生しており、接続信頼性を低下させている。このことは、特に、多出力およびファインピッチ化が進んだ半導体装置において顕著に現われている。
【0017】
また、基板の電極パッドが、従来一般的である、表面に錫めっき処理が施された銅により構成されている場合、接合後、時の経過につれ、銅と錫と間の相互拡散が進む。このため、電極パッドとバンプ間の接合性が低下する。相互拡散を抑制するためには、半導体装置の保管環境および保管期間を管理する必要があり、制約条件が増えるという問題を招く。
【0018】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、接続信頼性の高い半導体装置、および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の半導体装置は、上記課題を解決するために、電極パッドが一方の面に形成された基板と、バンプが一方の面に形成された半導体チップとを備え、上記半導体チップの一方の面が上記基板の一方の面に対向する向きで、上記半導体チップが上記基板に実装されている半導体装置であって、上記基板の一方の面には、少なくとも上記電極パッドを覆うように、ソルダーレジストが形成され、上記ソルダーレジストには、導電粒子が分散され、上記半導体チップのバンプは、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続されていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、基板の電極パッドは、ソルダーレジストに覆われているので露出しない。これにより、半導体チップを実装する前の段階において、基板の保管時および搬送途中における、電極パッドへの汚染を防止することが可能となる。また、従来存在していた電極パッドとソルダーレジストとの段差が解消することにより、異物付着を減少することが可能となる。
【0021】
また、半導体チップのバンプは、ソルダーレジスト中の導電粒子を介して基板の電極パッドと電気的に接続されているので、基板の電極パッドの表面への、接合のためのめっき処理(例えば、電極パッドが銅の場合、錫めっき処理)が不要となる。よって、接合後の時の経過による電極パッドとめっき部との相互拡散を気にする必要がなく、半導体装置の保管環境および保管期間を緩和することが可能となる。
【0022】
したがって、接続信頼性の高い半導体装置を提供することが可能となる。
【0023】
また、本発明の半導体装置は、電極パッドが一方の面に形成された基板と、バンプが一方の面に形成された半導体チップとを備え、上記半導体チップの一方の面が上記基板の一方の面に対向する向きで、上記半導体チップが上記基板に実装されている半導体装置であって、上記基板の一方の面には、少なくとも上記電極パッドを覆うように、ソルダーレジストが形成され、上記ソルダーレジストの表面には、導電粒子が塗布され、上記半導体チップのバンプは、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続されている構成とすることもできる。
【0024】
また、本発明の半導体装置では、上記ソルダーレジストは、熱硬化型、紫外線硬化型、または光感光型の絶縁性樹脂により構成されていることが好ましい。
【0025】
また、本発明の半導体装置では、上記導電粒子は、金属でめっきされたプラスチック粒子、または、金属粒子により構成されていることが好ましい。
【0026】
また、本発明の半導体装置では、上記ソルダーレジストの厚みは、上記導電粒子の粒径と等しい、または、上記導電粒子の粒径よりも大きいことが好ましい。上記ソルダーレジストの厚みは、10μm〜50μmであり、上記導電粒子の粒径は、1μm〜10μmであるとすることができる。
【0027】
また、本発明の半導体装置では、上記ソルダーレジストの厚みは、上記導電粒子の粒径よりも小さいことが好ましい。
【0028】
また、本発明の半導体装置では、上記半導体チップは、発光素子を有していることが好ましい。
【0029】
本発明の半導体装置の製造方法は、上記課題を解決するために、電極パッドが一方の面に形成された基板と、バンプが一方の面に形成された半導体チップとを備え、上記半導体チップの一方の面が上記基板の一方の面に対向する向きで、上記半導体チップが上記基板に実装されている半導体装置の製造方法であって、上記基板の一方の面に、少なくとも上記電極パッドを覆うように、導電粒子が分散されたソルダーレジストを形成する工程と、上記半導体チップのバンプを上記基板の電極パッドに位置を合わせて、該バンプを上記ソルダーレジストの上に置いた後、上記半導体チップと上記基板とを加熱圧着し、上記半導体チップのバンプを、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続する工程とを含むことを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、基板の電極パッドは、ソルダーレジストに覆われているので露出しない。これにより、半導体チップを実装する前の段階において、基板の保管時および搬送途中における、電極パッドへの汚染を防止することが可能となる。また、従来存在していた電極パッドとソルダーレジストとの段差が解消することにより、異物付着を減少することが可能となる。
【0031】
また、半導体チップのバンプは、ソルダーレジスト中の導電粒子を介して基板の電極パッドと電気的に接続するので、基板の電極パッドの表面への、接合のためのめっき処理(例えば、電極パッドが銅の場合、錫めっき処理)が不要となる。よって、接合後の時の経過による電極パッドとめっき部との相互拡散を気にする必要がなく、半導体装置の保管環境および保管期間を緩和することが可能となる。
【0032】
したがって、接続信頼性の高い半導体装置の製造方法を提供することが可能となる。
【0033】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、電極パッドが一方の面に形成された基板と、バンプが一方の面に形成された半導体チップとを備え、上記半導体チップの一方の面が上記基板の一方の面に対向する向きで、上記半導体チップが上記基板に実装されている半導体装置の製造方法であって、上記基板の一方の面に、少なくとも上記電極パッドを覆うように、ソルダーレジストを形成する工程と、上記ソルダーレジストの表面に、導電粒子を塗布する工程と、上記半導体チップのバンプを上記基板の電極パッドに位置を合わせて、該バンプを上記導電粒子が塗布されたソルダーレジストの上に置いた後、上記半導体チップと上記基板とを加熱圧着し、上記半導体チップのバンプを、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続する工程とを含む方法とすることもできる。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明の半導体装置は、基板の一方の面には、少なくとも電極パッドを覆うように、ソルダーレジストが形成され、上記ソルダーレジストには、導電粒子が分散され、半導体チップのバンプは、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続されている構成を有する。また、本発明の半導体装置は、基板の一方の面には、少なくとも電極パッドを覆うように、ソルダーレジストが形成され、上記ソルダーレジストの表面には、導電粒子が塗布され、半導体チップのバンプは、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続されている構成を有する。それゆえ、接続信頼性の高い半導体装置を提供することができるという効果を奏する。
【0035】
本発明の半導体装置の製造方法は、基板の一方の面に、少なくとも電極パッドを覆うように、導電粒子が分散されたソルダーレジストを形成する工程と、半導体チップのバンプを上記基板の電極パッドに位置を合わせて、該バンプを上記ソルダーレジストの上に置いた後、上記半導体チップと上記基板とを加熱圧着し、上記半導体チップのバンプを、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続する工程とを含む方法を有する。また、本発明の半導体装置の製造方法は、基板の一方の面に、少なくとも電極パッドを覆うように、ソルダーレジストを形成する工程と、上記ソルダーレジストの表面に、導電粒子を塗布する工程と、半導体チップのバンプを上記基板の電極パッドに位置を合わせて、該バンプを上記導電粒子が塗布されたソルダーレジストの上に置いた後、上記半導体チップと上記基板とを加熱圧着し、上記半導体チップのバンプを、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続する工程とを含む方法を有する。それゆえ、接続信頼性の高い半導体装置の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明における半導体装置の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、図1の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図3】図1の半導体装置の製造工程における実装工程の流れを示すフローチャートである。
【図4】図1の半導体装置の製造工程の大きな流れを示すフローチャートである。
【図5】図1の半導体装置の実装工程完了後の構成を示す平面図である。
【図6】図1の半導体装置におけるソルダーレジストの構成を示す平面図である。
【図7】上記ソルダーレジストの他の構成例を示す平面図である。
【図8】本発明における半導体装置の他の実施の形態を示す断面図である。
【図9】図8の半導体装置における、半導体チップ実装前のソルダーレジストの構成を示す断面図である。
【図10】本発明における半導体装置のさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)は、従来の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】(a)〜(d)は、従来の他の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば以下の通りである。本実施形態では、例えば液晶モニターの表示装置にICドライバとして搭載される、COF(Chip on Film)と呼ばれる半導体装置について説明する。
【0038】
図1は、本実施の形態の半導体装置10の一構成例を示す断面図である。図1に示すように、半導体装置10は、基板11、半導体チップ15、およびアンダーフィル樹脂17を備えている。
【0039】
基板11は、絶縁性の樹脂フィルムを基材としたフレキシブル基板である。基板11の一方の面(以下、表面とする)には、複数の配線および複数の電極パッドにより構成された配線パターンが形成されている。樹脂フィルムは、例えばポリイミド樹脂により構成されている。樹脂フィルムの厚みは、例えば0.034mmである。配線パターンは、例えば銅により構成されている。配線パターンの厚みは、例えば0.008mmである。
【0040】
なお、配線パターンは、複数の配線および複数の電極パッドにより構成されているが、それらは複数に限るものではない。ここで、図1に示す12は、半導体チップ15を接続するための電極パッドである。電極パッド12は、半導体チップ15の入出力端子の数、すなわちバンプ16の数に合わせて複数設けられているとともに、バンプ16のレイアウトに合わせて配置されている。
【0041】
基板11の表面全域には、配線パターンを覆うように、ソルダーレジスト13が形成されている。ソルダーレジスト13には、その内部に、導電粒子14が分散されている。ソルダーレジスト13としては、例えば、熱硬化型、紫外線硬化型、または光感光型の絶縁性樹脂を用いることができる。ソルダーレジスト13の厚みは、例えば10μm〜50μmである。導電粒子14としては、例えば、金などの金属でめっきされたプラスチック粒子、または、ニッケル粒子などの金属粒子を用いることができる。導電粒子14の粒径は、例えば1μm〜10μmである。
【0042】
半導体チップ15は、ダイシングにより個片に切り出されたベアチップであり、フリップチップ方式に対応している。半導体チップ15の一方の面であって、能動素子が形成された面(以下、表面とする)には、電気信号を入出力するための電極パッド(図示せず)が複数形成されるとともに、各電極パッド上にバンプ16がそれぞれ形成されている。なお、半導体チップ15には、機能に応じて、能動素子以外に抵抗やコンデンサが形成されていてもよい。
【0043】
半導体チップ15は、その表面が基板11の表面に対向する向きで、基板11の表面に実装されている。より厳密には、半導体チップ15は、基板11の表面に、ソルダーレジスト13の上から実装されている。バンプ16と電極パッド12とは、その両者に挟まれた(接触した)導電粒子14を介して、電気的に接続されている。
【0044】
アンダーフィル樹脂17は、半導体チップ15とソルダーレジスト13との間の空隙を充填し、かつ、半導体チップ15の周囲に残存するように形成されている。アンダーフィル樹脂17としては、例えば、エポキシ系樹脂およびシリコーン系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。アンダーフィル樹脂17は、半導体チップ15と基板11との熱膨張係数の差に起因する接続部の破壊を防ぐために、すなわち接合箇所の補強を目的に形成されている。
【0045】
<製造方法>
次に、上記構成を有する半導体装置10の製造方法について説明する。
【0046】
図4は、半導体装置10の製造工程の大きな流れを示すフローチャートである。半導体装置10は、図4に示すように、実装工程(ステップS21)、検査工程(ステップS22)、および切断工程(ステップS23)を経て完成する。以下では、最初に、注目すべき工程である実装工程について具体的に説明し、その後、残りの工程について説明する。
【0047】
なお、半導体装置10は、後述の図5に示すような、長尺テープに連続的に形成された形態で実装工程および検査工程が行われ、切断工程にて打ち抜きにより個片化される。すなわち、実装工程および検査工程では複数個が連続して処理され、最後の切断工程にて個々の形態となる。但し、実装工程の説明においては、説明の便宜上、ある1つの半導体装置10に着目して説明および図示する。
【0048】
(1)実装工程
図2(a)〜(d)は、半導体装置10の実装工程における構成を示す断面図である。図3は、半導体装置10の実装工程の流れを示すフローチャートである。
【0049】
まず、図2(a)に示すように、配線パターンが形成された基板11を準備する(図3のステップS11)。なお、予め出来上がっていた基板11を準備することに限らず、この時点で、基板11に配線パターンを形成してもよい。例えば、市販の銅張りポリイミド基板(ポリイミド厚:0.034mm、銅箔厚:0.008mm)をエッチング法により処理し、電気的な配線パターンを形成することができる。
【0050】
続いて、図2(b)に示すように、基板11の表面に、導電粒子14が分散されたソルダーレジスト13を形成する(図3のステップS12)。具体的には、予め、例えば熱硬化型の液状の絶縁性樹脂に、導電粒子14を充填し、十分に分散させておく(以下、ソルダーレジスト液と呼ぶ)。そして、まず、基板11の表面に、例えば10μm〜50μm厚のソルダーレジスト用マスク(図示せず)を重ねる。その後、ソルダーレジスト液を、ソルダーレジスト用マスクの上から印刷し、所定の温度で所定の時間加熱することによって硬化させる。これにより、基板11の表面に、配線パターンを覆うように、導電粒子14が分散されたソルダーレジスト13を形成することができる。
【0051】
なお、ソルダーレジスト用マスクは、長尺テープに複数個設けられる半導体装置で共通して用いるものであり、複数個の半導体装置に対し一括して重ねる。また、基板11の表面全域にソルダーレジスト13を塗布する場合でも、後の検査工程で使用する、各半導体装置間に形成されたテスト用パッドを開口するために、マスクを使用している。
【0052】
続いて、図2(c)に示すように、基板11に半導体チップ15を電気的に接続する(図3のステップS13)。具体的には、まず、バンプ16が形成された半導体チップ15を、フリップチップボンダーなどの実装機を用いて、ソルダーレジスト13の上に置く。このとき、半導体チップ15の表面が基板11の表面に対向する向きで、バンプ16を電極パッド12に位置を合わせて、バンプ16をソルダーレジスト13の上に置く。そして、基板11と半導体チップ15とを加熱圧着する。この加熱圧着は、例えば、接合温度が280℃〜340℃、接合圧力が100gf〜150gfの条件で行う。加熱圧着によって、バンプ16がソルダーレジスト13に埋まり、バンプ16の下方付近に存在していたソルダーレジスト13中の導電粒子14が移動、変形し、バンプ16と電極パッド12とに挟み込まれて、両者に接触する。これにより、半導体チップ15のバンプ16を、導電粒子14を介して、基板11の電極パッド12に電気的に接続することができる。
【0053】
続いて、図2(d)に示すように、アンダーフィル樹脂17を形成する(図3のステップS14)。具体的には、例えば液状のエポキシ系樹脂(以下、アンダーフィル液と呼ぶ)を、半導体チップ15とソルダーレジスト13との空隙に注入する。このとき、アンダーフィル液を、上記空隙を充填し、半導体チップ15の周囲に残存する程度に注入する。そして、注入したアンダーフィル液を、所定の温度で所定の時間加熱することによって硬化させる。これにより、アンダーフィル樹脂17を形成することができる。
【0054】
このようにして、半導体チップ15を基板11に実装することができる。図5は、半導体チップ実装後の半導体装置10の様子を示している。図5に示すように、半導体装置10は、長尺テープに、所定の間隔をあけて繰り返し組み立てられている。各半導体装置10間には、外部と接続可能なテスト用パッド18が形成されている。テスト用パッド18は、半導体装置10の配線パターンと電気的に接続されている。長尺テープの幅方向の両端には、連続した穴が加工されたスプロケット部19が設けられている。この穴は、スプロケットホールと呼ばれ、搬送用の穴として利用される。
【0055】
(2)検査工程
半導体チップ15を基板11に実装した後、最終の良否確認として、半導体装置10の機能テストを実施する。具体的には、テスタのピンをテスト用パッド18に当て、半導体装置10に電気信号を供給し、半導体装置10内の各種信号を採取することで、半導体装置10の良否を判定する。
【0056】
(3)切断工程
機能テストを実施した後、「良」と判定した半導体装置10を、金型を用いて打ち抜く(切り離す)。長尺テープのうち、製品として必要な領域は半導体装置10となる部分のみであり、残存した部分であるテスト用パッド18およびスプロケット部19は廃棄する。こうして、半導体装置10を完成することができる。個片化することにより、図6に示すように、基板11の表面全域に、ソルダーレジスト13が形成された状態となる(図6の斜線部:ソルダーレジスト13の形成領域)。
【0057】
<まとめ>
以上のように、半導体装置10は、半導体チップ15が基板11にフリップチップ接続された構成であって、基板11の表面には、電極パッド12を覆うように、ソルダーレジスト13が形成され、ソルダーレジスト13には、導電粒子14が分散され、半導体チップ15のバンプ16は、導電粒子14を介して、基板11の電極パッド12と電気的に接続されている構成である。
【0058】
また、半導体装置10の製造方法は、半導体チップ15を基板11にフリップチップ接続する工程において、基板11の表面に、電極パッド12を覆うように、導電粒子14が分散されたソルダーレジスト13を形成する工程と、半導体チップ15のバンプ16を基板11の電極パッド12に位置を合わせて、該バンプ16をソルダーレジスト13の上に置いた後、半導体チップ15と基板11とを加熱圧着し、半導体チップ15のバンプ16を、導電粒子14を介して基板11の電極パッド12と電気的に接続する工程とを含む方法である。
【0059】
それゆえ、基板11の電極パッド12は、ソルダーレジスト13に覆われているので露出しない。これにより、半導体チップ15を実装する前の段階において、基板11の保管時および搬送途中における、電極パッド12への汚染を防止することが可能となる。また、従来存在していた電極パッドとソルダーレジストとの段差が解消することにより、異物付着を減少することが可能となる。
【0060】
また、半導体チップ15のバンプ16は、ソルダーレジスト13中の導電粒子14を介して基板11の電極パッド12と電気的に接続されているので、基板11の電極パッド12の表面への、接合のためのめっき処理(例えば、電極パッドが銅の場合、錫めっき処理)が不要となる。よって、接合後の時の経過による電極パッドとめっき部との相互拡散を気にする必要がなく、半導体装置10の保管環境および保管期間を緩和することが可能となる。
【0061】
したがって、接続信頼性の高い半導体装置10およびその製造方法を提供することが可能となる。
【0062】
なお、半導体装置10では、導電粒子14の粒径をバンプ16間ピッチの1/2以下にすることと、導電粒子14の充填密度制御とによって、導電粒子14によるバンプ16間のショートを防止することができる。
【0063】
また、半導体チップ15−基板11間の加熱圧着時、加熱温度を280℃〜380℃、加熱圧力を100gf〜200gfとすることで、バンプ16−電極パッド12間の領域に確実に導電粒子14を介在させ、かつ、バンプ16間を確実に絶縁することができる。
【0064】
<ソルダーレジストの塗布領域>
ソルダーレジスト13の塗布領域は、上述のように基板11の表面全域に限るものではなく、基板11の表面における部分的な領域とすることができる。つまりは、ソルダーレジスト13は、配線パターンを被覆すればよく、少なくとも配線パターンの形成領域に形成されていればよい。
【0065】
ソルダーレジスト13を部分的に形成した場合の一例を、図7に示す。図7に示すソルダーレジスト13は、スリット13aを有している。スリット13aは、ソルダーレジスト13の非塗布領域であり、基板11の表面が露出している。なお、スリット13aにより露出している基板11の表面には、配線パターンを形成していない。スリット13aは、平面視長方形の基板11の表面において、各短辺に、半導体チップ15と並ぶようにそれぞれ配置されている。
【0066】
液晶モニターの表示装置などでは、COF(半導体装置)は折り曲げた状態で搭載される。例えば、COFは、90度折り曲げた状態で表示装置に組み込まれる。それゆえ、スリット13aを形成することにより、半導体装置の剛性を落として、折り曲げを容易にすることが可能となり、ユーザでの使い勝手を向上することができる。
【0067】
また、上述の半導体装置10の製造方法によれば、2種以上の半導体装置10の開発において、ソルダーレジスト用マスクを共用化することができ、マスクにかかる費用を低減することができる。例えば、機能が異なる半導体チップ15を備え、配線パターンが異なる2つの半導体装置10であっても、両者の外形サイズが同じで、両者ともにソルダーレジスト13を表面全域に形成する場合は、ソルダーレジスト用マスクを共用化することが可能となり、必要なマスクは1枚のみとなる。また、ソルダーレジスト13を部分的に形成する場合であっても、半導体装置10の外形サイズが同じであれば、マスクを共用化することができる。
【0068】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0069】
図8は、本実施の形態の半導体装置20の一構成例を示す断面図である。本実施の形態の半導体装置20は、前記実施の形態1の半導体装置10と比較して、ソルダーレジストの構成が異なっている。つまりは、図8に示すように、半導体装置20は、半導体装置10の構成のうちソルダーレジスト13を除いた構成に加えて、ソルダーレジスト21および導電粒子22を備えている。
【0070】
ソルダーレジスト21は、基板11の表面全域に、配線パターンを覆うように形成されている。ソルダーレジスト21は、導電粒子を含有していない。ソルダーレジスト21としては、例えば、熱硬化型、紫外線硬化型、または光感光型の絶縁性樹脂を用いることができる。ソルダーレジスト21の厚みは、導電粒子22の粒径よりも小さい。
【0071】
導電粒子22は、ソルダーレジスト21の表面全域に塗布されている。導電粒子22としては、例えば、金でめっきされたプラスチック粒子、または、ニッケル粒子などの金属粒子を用いることができる。
【0072】
上記構成を有する半導体装置20の製造方法は、前記実施の形態1の半導体装置10の製造方法と比較して、実装工程でのソルダーレジスト13の形成工程(図3のステップS12)が異なる。
【0073】
半導体装置20では、配線パターンが形成された基板11を準備した後、図9に示すように、基板11の表面に、ソルダーレジスト21、導電粒子22を順番に形成する。具体的には、まず、基板11の表面に、ソルダーレジスト用マスク(図示せず)を重ねる。そして、例えば熱硬化型の液状の絶縁性樹脂を、ソルダーレジスト用マスクの上から印刷し、所定の温度で所定の時間加熱することによって硬化させる。これにより、基板11の表面に、配線パターンを覆うように、ソルダーレジスト21を形成する。その後、ソルダーレジスト21の表面全域に、導電粒子22を塗布する。
【0074】
このように、ソルダーレジスト21の表面に導電粒子22を形成した場合であっても、図3のステップS13で説明したように、半導体チップ15と基板11とを加熱圧着することによって、半導体チップ15のバンプ16を、導電粒子14を介して、基板11の電極パッド12に電気的に接続することができる。
【0075】
半導体装置20は、半導体チップ15が基板11にフリップチップ接続された構成であって、基板11の表面には、電極パッド12を覆うように、ソルダーレジスト21が形成され、ソルダーレジスト21の表面には、導電粒子22が塗布され、半導体チップ15のバンプ16は、導電粒子22を介して、基板11の電極パッド12と電気的に接続されている構成である。
【0076】
また、半導体装置20の製造方法は、半導体チップ15を基板11にフリップチップ接続する工程において、基板11の表面に、電極パッド12を覆うように、ソルダーレジスト21を形成する工程と、ソルダーレジスト21の表面に、導電粒子22を塗布する工程と、半導体チップ15のバンプ16を基板11の電極パッド12に位置を合わせて、該バンプ16を導電粒子22が塗布されたソルダーレジスト21の上に置いた後、半導体チップ15と基板11とを加熱圧着し、半導体チップ15のバンプ16を、導電粒子22を介して基板11の電極パッド12と電気的に接続する工程とを含む方法である。
【0077】
それゆえ、前記実施の形態1の半導体装置10と同様に、接続信頼性の高い半導体装置20およびその製造方法を提供することが可能となる。
【0078】
なお、半導体装置20では、導電粒子22は、少なくとも、バンプ16と電極パッド12との間に介在するように塗布すればよい。
【0079】
半導体装置20は、ソルダーレジストを、導電粒子の粒径よりも小さい値で、薄く均一に形成する場合に適した構造となっている。つまりは、ソルダーレジストの厚みが導電粒子の粒径よりも大きい場合、および、等しい場合は、ソルダーレジスト中に導電粒子を混ぜることが望ましく、ソルダーレジストの厚みが導電粒子の粒径よりも小さい場合は、ソルダーレジストの表面に導電粒子を塗布する構成となる。
【0080】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1,2と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1,2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
本実施の形態では、半導体装置の他の例として、発光装置について説明する。
【0082】
図10は、本実施の形態の発光装置30の一構成例を示す断面図である。図10に示すように、発光装置30は、基板11、LEDチップ34(半導体チップ)、および封止樹脂35を備えている。
【0083】
基板11の表面には、配線パターンが形成されている。また、基板11の表面全域には、配線パターンを覆うように、導電粒子14が分散されたソルダーレジスト13が形成されている。ここで、電極パッド12は、LEDチップ34を接続するための電極パッドである。電極パッド12は、LEDチップ34の入出力端子の数、すなわちバンプ32の数に合わせて複数設けられているとともに、バンプ32のレイアウトに合わせて配置されている。
【0084】
LEDチップ34は、サファイアガラス33と、サファイアガラス33上に形成されたLED素子31(発光素子)とにより構成されている。LEDチップ34は、フリップチップ方式に対応している。LED素子31の一方の面であって、能動素子が形成された面(以下、LEDチップ34の表面とする)には、電気信号を入出力するための電極パッド(図示せず)が複数形成されるとともに、各電極パッド上にバンプ32がそれぞれ形成されている。LED素子31の他方の面には、サファイアガラス33が設けられている。
【0085】
LEDチップ34は、その表面が基板11の表面に対向する向きで、基板11の表面に実装されている。より厳密には、LEDチップ34は、基板11の表面に、ソルダーレジスト13の上から実装されている。バンプ32と電極パッド12とは、その両者に挟まれた(接触した)導電粒子14を介して、電気的に接続されている。
【0086】
封止樹脂35は、基板11の表面に、LEDチップ34を封止するように形成されている。封止樹脂35は、半球型の形状を有している。封止樹脂35の内部には、蛍光体が分散されている。封止樹脂35としては、例えば、エポキシ系樹脂およびシリコーン系樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。蛍光体は、LEDチップ34の発光色と組み合わせて、所望の色の発光を得るように選択することができる。封止樹脂35は、接合箇所の補強、および、サファイアガラス33の保護を目的に形成されている。
【0087】
上記構成を有する発光装置30の製造方法は、前記実施の形態1の半導体装置10の製造方法と比較して、実装工程における、半導体チップ15の接続工程(図3のステップS13)、および、アンダーフィル樹脂17の形成工程(図3のステップS14)が異なる。
【0088】
発光装置30では、ソルダーレジスト13を形成した後、基板11にLEDチップ34を接続する。具体的には、まず、バンプ32が形成されたLEDチップ34を、フリップチップボンダーなどの実装機を用いて、ソルダーレジスト13の上に置く。このとき、LEDチップ34の表面が基板11の表面に対向する向きで、バンプ32を電極パッド12に位置合わせして、バンプ16をソルダーレジスト13の上に置く。そして、基板11とLEDチップ34とを加熱圧着する。この加熱圧着は、例えば、接合温度が280℃〜340℃、接合圧力が100gf〜150gfの条件で行う。加熱圧着によって、バンプ32がソルダーレジスト13に埋まり、バンプ32の下方付近に存在していたソルダーレジスト13中の導電粒子14が移動、変形し、バンプ32と電極パッド12とに挟み込まれて、両者に接触する。これにより、LEDチップ34のバンプ32を、導電粒子14を介して、基板11の電極パッド12に電気的に接続することができる。
【0089】
続いて、封止樹脂35を形成する。具体的には、予め、例えば液状のエポキシ系樹脂に、蛍光体を充填し、十分に分散させておく(以下、蛍光体含有樹脂液と呼ぶ)。そして、まず、封止樹脂形成領域が開口したダムシートなどを、ソルダーレジスト13の上に貼り付ける。そして、ディスペンサーなどを用いて、蛍光体含有樹脂液をダムシートの開口部に注入する。その後、注入した蛍光体含有樹脂液を、所定の温度で所定の時間加熱することによって硬化させる。これにより、封止樹脂35を形成することができる。
【0090】
このようにして、LEDチップ34を基板11に実装することができる。上記の構成および製造方法によれば、前記実施の形態1の半導体装置10と同様に、接続信頼性の高い発光装置30およびその製造方法を提供することが可能となる。
【0091】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、フリップチップ方式を用いた半導体装置に関する分野に好適に用いることができるだけでなく、半導体装置の製造方法に関する分野に好適に用いることができ、さらには、半導体装置を備える電子機器、例えば、半導体装置としての液晶ドライバを備える液晶表示装置や、半導体装置としての発光装置を備える表示装置などの分野にも広く用いることができる。
【符号の説明】
【0093】
10 半導体装置
11 基板
12 電極パッド
13 ソルダーレジスト
13a スリット
14 導電粒子
15 半導体チップ
16 バンプ
17 アンダーフィル樹脂
20 半導体装置
21 ソルダーレジスト
22 導電粒子
30 発光装置(半導体装置)
31 LED素子(発光素子)
32 バンプ
33 サファイアガラス
34 LEDチップ(半導体チップ)
35 封止樹脂


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極パッドが一方の面に形成された基板と、バンプが一方の面に形成された半導体チップとを備え、上記半導体チップの一方の面が上記基板の一方の面に対向する向きで、上記半導体チップが上記基板に実装されている半導体装置であって、
上記基板の一方の面には、少なくとも上記電極パッドを覆うように、ソルダーレジストが形成され、
上記ソルダーレジストには、導電粒子が分散され、
上記半導体チップのバンプは、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
電極パッドが一方の面に形成された基板と、バンプが一方の面に形成された半導体チップとを備え、上記半導体チップの一方の面が上記基板の一方の面に対向する向きで、上記半導体チップが上記基板に実装されている半導体装置であって、
上記基板の一方の面には、少なくとも上記電極パッドを覆うように、ソルダーレジストが形成され、
上記ソルダーレジストの表面には、導電粒子が塗布され、
上記半導体チップのバンプは、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
上記ソルダーレジストは、熱硬化型、紫外線硬化型、または光感光型の絶縁性樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
上記導電粒子は、金属でめっきされたプラスチック粒子、または、金属粒子により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項5】
上記ソルダーレジストの厚みは、上記導電粒子の粒径と等しい、または、上記導電粒子の粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
上記ソルダーレジストの厚みは、10μm〜50μmであり、
上記導電粒子の粒径は、1μm〜10μmであることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
上記ソルダーレジストの厚みは、上記導電粒子の粒径よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
上記半導体チップは、発光素子を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
電極パッドが一方の面に形成された基板と、バンプが一方の面に形成された半導体チップとを備え、上記半導体チップの一方の面が上記基板の一方の面に対向する向きで、上記半導体チップが上記基板に実装されている半導体装置の製造方法であって、
上記基板の一方の面に、少なくとも上記電極パッドを覆うように、導電粒子が分散されたソルダーレジストを形成する工程と、
上記半導体チップのバンプを上記基板の電極パッドに位置を合わせて、該バンプを上記ソルダーレジストの上に置いた後、上記半導体チップと上記基板とを加熱圧着し、上記半導体チップのバンプを、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
電極パッドが一方の面に形成された基板と、バンプが一方の面に形成された半導体チップとを備え、上記半導体チップの一方の面が上記基板の一方の面に対向する向きで、上記半導体チップが上記基板に実装されている半導体装置の製造方法であって、
上記基板の一方の面に、少なくとも上記電極パッドを覆うように、ソルダーレジストを形成する工程と、
上記ソルダーレジストの表面に、導電粒子を塗布する工程と、
上記半導体チップのバンプを上記基板の電極パッドに位置を合わせて、該バンプを上記導電粒子が塗布されたソルダーレジストの上に置いた後、上記半導体チップと上記基板とを加熱圧着し、上記半導体チップのバンプを、上記導電粒子を介して上記基板の電極パッドと電気的に接続する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−124333(P2012−124333A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273972(P2010−273972)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】