説明

半導体装置の製造方法

【課題】短時間且つ低温で高品質な多結晶シリコンを形成する方法を提供する。
【解決手段】微結晶11aを含むアモルファス半導体膜11にマイクロ波を用いたアニールを行うことで、微結晶11aを核として微結晶11aを含むアモルファス半導体膜11を結晶化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄膜トランジスタ(TFT)や、メモリセルを3次元的に配置した半導体記憶装置(3次元メモリ)等のチャネルシリコンに移動度の高い多結晶シリコンを用いることが考えられている。
【0003】
これらの多結晶シリコン膜を平滑なモフォロジーで段差被覆性良く成膜するためには、まず500〜550℃の低温でアモルファスシリコンを堆積する。このアモルファスシリコンは、抵抗が大きいため、多結晶にして抵抗を下げる必要がある。そのため、900℃以上の高温で熱処理を行ってアモルファスシリコンの結晶化を行う。しかし、この高温での熱処理を行うと、アモルファスシリコン中でマイグレーション(凝集)が起こってしまい、粒径が小さく、且つ結晶の形状がばらばらになってしまう。このため、結晶間の界面(粒界)の数の増加や、多結晶シリコン膜のモフォロジー荒れ等を引き起こしてしまい、抵抗を十分下げられないという問題がある。
【0004】
また、高温で熱処理を行うと、周辺トランジスタで、ゲート耐圧やJunction耐圧の劣化等の問題も発生する。
【0005】
アモルファスシリコンを結晶化させて粒径を大きくする方法として、アモルファスシリコンに接触した結晶Geを核として固相成長させてアモルファスSi膜を結晶化させる方法が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。この場合、100nmのアモルファスシリコン上にSiOを形成し、1μmの穴を開けた後、穴の中に450〜500℃でGeを形成し、該Geを核としてアモルファスシリコンを結晶化している。このシリコンの結晶化温度は500〜550℃である。この後、GeをHSO/Hでエッチング除去し、SiOをHFでエッチング除去して、多結晶Si層を得ている。しかし、この工程は複雑である。また、アモルファスシリコンの結晶化に、600℃で数時間かかり、該Geの間隔にもよるが、500〜550℃に低温化した場合は数十時間かかると予測され、スループットの悪さから製造コストの増大が問題となっている。
【0006】
また、島状のGeを形成した(非特許文献2を参照)後にアモルファスシリコンを堆積させ、その後に熱処理でアモルファスシリコンを結晶化させることで大粒径のシリコンを得る方法が提案されている(非特許文献3を参照)。島状のGeの形成方法としては、まず、アモルファスGe膜を50nm堆積し、500℃で2時間の真空アニールと400℃で3時間の酸素エッチングを行うことで、平均粒径89nm、密度10個/cm程度のGe核を形成している。その後、電子ビーム蒸着やプラズマCVDにより、アモルファスシリコン膜を堆積して、480〜620℃の熱処理を行う。これにより、アモルファスシリコン膜は大粒径のシリコンを有する多結晶シリコン膜となる。しかし、この場合も、アモルファスシリコンの結晶化には時間がかかり、580℃では約2時間、540℃では約12時間で、500℃や480℃では、20時間以上かかり、低温では、スループットの悪さから製造コストの増大が問題となる。また、結晶Ge核の粒径が数十nm程度であることより、アモルファスシリコンの膜厚は少なくとも100nmである。
【0007】
一般に、膜厚が薄いほど結晶化温度は高まる傾向がある。このため、10nm以下の膜厚のアモルファスシリコンを結晶化する場合は、膜厚が100nmの場合に比べ、結晶化時間がさらに長くなると予測できる。膜厚が10nm以下の薄膜アモルファスシリコン膜を結晶化する場合のスループットは、さらに悪くなり、製造コストの増大を招くという問題がある。
【0008】
このため、従来の方法では、短時間且つ低温でアモルファスシリコンの結晶化を行うことは困難であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】V. Subramanian 他著.,”High-performance Germanium-seeded Laterally Crystallized TFT’s For Vertical Device Integration” IEEE Transactions On Electron Devices, Vol. 45, No. 9, 1998年9月 pp1934-1939,
【非特許文献2】K. Yasutake 他著.,”Size and Density Control of Crystalline Ge Islands on Glass Substrates by Oxygen Etching” Japan Journal of Applied Physics. Vol.43, No.12A,2004, ppL1552-L1554,
【非特許文献3】吉本千秋、他著、“Ge微結晶核を用いた多結晶Si薄膜形成”、電子情報通信学会技術研究報告 SDM2008、2008年4月、pp89-93,
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、短時間且つ低温で高品質な多結晶シリコンを形成する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一視点に係る半導体装置の製造方法の態様は、微結晶を含むアモルファス半導体膜にマイクロ波を用いたアニールを行うことで、前記微結晶を核として前記微結晶を含むアモルファス半導体膜を結晶化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、短時間且つ低温で高品質な多結晶シリコンを形成する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る薄膜トランジスタの多結晶チャネルSiの基本的な形成方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る薄膜トランジスタの多結晶チャネルSiの基本的な形成方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る薄膜トランジスタの多結晶チャネルSiの基本的な形成方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る薄膜トランジスタの多結晶チャネルSiの基本的な形成方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図14】本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図15】本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図16】本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図17】本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る薄膜トランジスタの多結晶チャネルSiの基本的な形成方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る薄膜トランジスタの多結晶チャネルSiの基本的な形成方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図20】本発明の第2の実施形態に係る薄膜トランジスタの多結晶チャネルSiの基本的な形成方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に係る薄膜トランジスタの多結晶チャネルSiの基本的な形成方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図22】本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図23】本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図24】本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図25】本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図26】本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図27】本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図28】本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図29】本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図30】本発明の第2の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図31】本発明の第2の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図32】本発明の第2の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図33】本発明の第2の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【図34】本発明の第2の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の詳細を、図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1〜図4を用いて、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を概略的に説明する。図1〜図4は、薄膜トランジスタ(TFT)の多結晶チャネルSiの形成方法について模式的に示した断面図である。
【0016】
まず、図1に示すように、絶縁性の下地上、具体的には基板(ガラス基板)10上に、SiHまたはSiまたはこれら両方のガスを用いて、50〜100nm程度のアモルファス半導体膜であるアモルファスシリコン膜11を全面に堆積する。この際、NまたはAr等で希釈したGeHを用いることで、アモルファスシリコン膜11中にGeを導入しても良い。このGeの濃度は例えば5%〜20%程度である。このとき、P、As、またはInなどを導入しても良い。
【0017】
次に、図2に示すように、温度が700℃〜1000℃程度で、処理時間が0.1ms〜0.3s程度のMSA(Milli Second Annealing)、もしくは、0.3〜2s程度のRTA(Rapid Thermal Annealing)等の短時間且つ高温の熱処理を行う。これにより、アモルファスシリコン膜11中に低頻度に微結晶11aを形成する。この際、熱処理はアモルファスシリコン膜11全面に対して行わずに、例えばMSAとしてLSA(Laser Spike Annealing)のようなレーザースキャンによる加熱方法を用いても良い。このため、アモルファスシリコン膜11の一部を微結晶化、または結晶化してもよい。また、アモルファスシリコン膜11にGeを導入した場合、微結晶生成温度が下がり、より低温度のアニールによって微結晶を形成することが可能となる。なお、アモルファスシリコン膜11中に形成される微結晶は、微結晶シリコンであるが、アモルファスシリコン膜11がGeを含有している場合は、微結晶Geや微結晶SiGeも形成される。
【0018】
次に、図3に示すように、微結晶11aを含むアモルファスシリコン膜11にマイクロ波を照射して、基板温度が200℃〜600℃程度(好ましくは200℃〜400℃程度)になるまで昇温して、5分から2時間程度マイクロ波を用いてアニールを行う。このマイクロ波アニールを行うことで、微結晶11aを核としてアモルファスシリコン膜11が結晶化される。これにより、粒径が50nm〜10μm程度の結晶の集合体である多結晶チャネルシリコン膜(多結晶シリコン膜)11bが形成される。
【0019】
なお、このマイクロ波の周波数は、バンドとして指定されている2.45GHz、5.80GHz、24.125GHzが望ましい。それは、マイクロ波を発生させるマグネトロン等が安価に入手できるためである。また、使用するマイクロ波は、一定の周波数幅があり、上記の2.45GHz、5.80GHz、24.125GHzは、使用するマイクロ波の周波数幅に含まれる周波数である。
【0020】
次に、図4に示すように、周知の工程、つまりゲート絶縁膜12、ゲート電極13、及びソース・ドレイン拡散層11c等を形成する工程を経て、第1の実施形態のTFTを形成することができる。
【0021】
上述した第1の実施形態によれば、アモルファスシリコン膜11にMSAやスパイクRTA等の短時間且つ高温のアニールを行うことにより、アモルファスシリコン膜11中に低頻度に微結晶11aを形成している。その後、微結晶11aを含むアモルファスシリコン膜11にマイクロ波を用い、200〜600℃という低温でアニールを行うことで、アモルファスシリコン膜11は微結晶11aを核に結晶化される。結晶化したシリコンの粒径が50nm〜10μm程度であることより、微結晶の密度は例えば10〜1011個/cm程度になる。
【0022】
基本的に、アモルファスシリコンは600℃以下では結晶化しない。しかし、アモルファスシリコンが微結晶を含む場合、マイクロ波を該微結晶に照射することで微結晶を核にアモルファスシリコンが結晶化される。
【0023】
このように、マイクロ波を用いて低温でアニールを行うことで、アモルファスシリコンのマイグレーションを抑制し、良好な形状の結晶を形成することができる。このため、結晶間の界面(粒界)が良好となり多結晶シリコン中の電気抵抗が下がり、多結晶シリコン中の移動度が増加する。また、低温でアニールを行うため、周辺トランジスタの耐圧劣化も抑制できる。さらに、微結晶11aは低頻度に形成されているために、多結晶チャネルシリコン膜11b中の結晶の粒径が大きくなる。その結果、多結晶チャネルシリコン膜11b中の粒界の数を抑制することができ、多結晶チャネルシリコン膜11bの電気抵抗を低減することができる。また、マイクロ波アニールを用いることで、短時間でアモルファスシリコン膜11を結晶化することができる。
【0024】
これにより、短時間且つ低温でアモルファスシリコン膜11の結晶化を行うことができ、形状が良好且つ抵抗の低減された高品質な多結晶シリコン膜を含む半導体装置を高スループットで形成することができる。
【0025】
また、微結晶Geまたは微結晶SiGeを核としてアモルファスシリコン膜11を結晶化させた場合、従来のランプアニールやファーネスアニールと比較して、結晶成長速度が速くなるため、スループットがさらに向上し、低コストの半導体デバイスを提供することが可能となる。
【0026】
(変形例1)
上述した第1の実施形態では、アモルファスシリコン膜中に微結晶を形成し、該微結晶にマイクロ波を照射することで平面構造に多結晶シリコン膜を形成する方法を説明した。第1の実施形態の変形例1では、第1の実施形態の多結晶シリコン膜の形成方法を用いて、ホール構造内に良質な多結晶を形成する方法を説明する。
【0027】
図5〜図12を用いて、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の製造方法を概略的に説明する。図5〜図12は、本発明の第1の実施形態の変形例1に係る半導体装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
【0028】
まず、図5に示すように、図示しないシリコン基板上に形成された多結晶シリコンまたは金属または金属珪化物からなる電極20上に、図示しないSiNストッパー膜を形成する。そして、SiNストッパー膜上にSiOとSiとを複数回積層した積層構造21を形成する。
【0029】
次に、図6に示すように、例えばRIEを用いて積層構造21にホール(開口)を形成し、電極20の表面を露出させる。
【0030】
次に、図7に示すように、前記ホール内にSiO膜を堆積し、SiO膜上にSiN膜を堆積する。そして、SiN膜の表面を酸化して、酸化膜、窒化膜及び酸化膜の積層構造であるONO構造の絶縁膜22を形成する。
【0031】
次に、図8に示すように、例えば500℃程度の低温で、SiHまたはSiまたはこれら両方のガスを用いて、5〜20nmのアモルファスシリコン膜23を絶縁膜22上に堆積する。
【0032】
次に、図9に示すように、700℃〜1000℃程度で、0.1ms〜2s程度のMSAもしくは、RTA等の短時間且つ高温の熱処理を行う。これにより、アモルファスシリコン膜23中に低頻度に微結晶23aを形成する。この際、第1の実施形態と同様に、熱処理はアモルファスシリコン膜23全面に対して行わずに、例えばLSAのような加熱方法を用いても良い。このため、アモルファスシリコン膜23の一部の領域を微結晶化、または結晶化してもよい。また、アモルファスシリコン膜23にGeを導入した場合、微結晶生成温度が下がり、より低温度のアニールによって微結晶を形成することが可能となる。なお、アモルファスシリコン膜23中に形成される微結晶は、微結晶シリコンであるが、アモルファスシリコン膜23がGeを含有している場合は、微結晶Geや微結晶SiGeも形成される。
【0033】
次に、図10に示すように、微結晶23aを含むアモルファスシリコン膜23にマイクロ波を照射して、基板温度が200℃〜600℃程度(好ましくは200℃〜400℃程度)になるまで昇温して、5分から2時間程度マイクロ波を用いてアニールを行う。このマイクロ波アニールを行うことで、微結晶23aを核としてアモルファスシリコン膜23が結晶化される。これにより、粒径が50nm〜1μm程度の結晶の集合体である多結晶チャネルシリコン膜(多結晶シリコン膜)23bが形成される。
【0034】
次に、図11に示すように、全面にSiN膜24を堆積して多結晶チャネルシリコン膜23bが形成するホール構造にSiN膜24を埋め込む。
【0035】
次に、図12に示すように、RIE等で積層構造21の上面が露出するまで余分なSiN膜24、多結晶チャネルシリコン膜23b及び絶縁膜22を除去する。このようにして、積層構造21のホール内に良質な多結晶チャネルシリコン膜23bが形成される。
【0036】
上述した第1の実施形態の変形例1によれば、第1の実施形態と同様にアモルファスシリコン膜23に短時間且つ高温のアニールを行うことにより、アモルファスシリコン膜23中に低頻度に微結晶23aを形成している。その後、微結晶23aを含むアモルファスシリコン膜23にマイクロ波を用い、200〜600℃という低温でアニールを行うことで、アモルファスシリコン膜23は微結晶23aを核に結晶化される。
【0037】
これにより、短時間且つ低温でアモルファスシリコン膜23の結晶化を行うことができ、積層構造21のホール内に、形状が良好且つ抵抗の低減された高品質な多結晶シリコン膜を高スループットで形成することができる。
【0038】
また、微結晶Geまたは微結晶SiGeを核としてアモルファスシリコン膜23を結晶化させた場合、従来のランプアニールやファーネスアニールと比較して、結晶成長速度が速くなるため、スループットがさらに向上し、低コストの半導体デバイスを提供することが可能となる。
【0039】
(変形例2)
第1の実施形態の変形例2では、3次元積層技術BiCS(Bit Cost Scalable)を用いた3次元構造を有する不揮発性半導体記憶装置に良質な多結晶チャネルシリコン膜を形成する方法を説明する。
【0040】
図13〜図17を用いて、本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法について概略的に説明する。
【0041】
図13〜図17は、本発明の第1の実施形態の変形例2に係る半導体装置の製造方法を模式的に示した断面図である。図13(a)〜図17(a)はチャネル長方向に沿った断面図であり、図13(b)〜図17(b)はチャネル長方向に垂直な方向に沿った断面図である。
【0042】
まず、図13に示すように、半導体基板30の表面に、CVD法を用いて層間絶縁膜31となる厚さ50nm程度のシリコン酸化膜と、制御ゲート電極32となる厚さ50nm程度の不純物をドーピングしたシリコン膜とを所望の回数、交互に堆積する。なお、この制御ゲート電極32としては、例えば窒化タンタル等の金属材料を用いても良い。
【0043】
次に、図14に示すように、レジストマスク(図示せず)を用いたRIE法により、層間絶縁膜31と、制御ゲート電極32とを選択的にエッチング除去して、半導体基板30の一部を露出させる。これにより、層間絶縁膜31及び制御ゲート電極32の積層構造に、直径60nm程度の円筒状の溝(ホール)が形成される。
【0044】
次に、図15に示すように、前記溝の内壁にCVD法を用いて、ブロック絶縁膜33となる厚さ10nm程度の例えばアルミニウムと酸素を主成分として含有するアルミナ膜を堆積する。また、このブロック絶縁膜33は、例えばシリコン及び酸素を主成分として含有するシリコン酸化膜でも良い。次に、ALD法を用いて電荷蓄積絶縁膜34となる厚さ5nm程度のシリコン窒化膜を堆積する。続いて、トンネル絶縁膜35となる厚さ数nm程度のシリコン酸化膜を形成する。このトンネル絶縁膜35は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜の積層構造であるONO構造のような多層膜でも良い。その後、例えば500℃程度の低温で、SiHまたはSiまたはこれら両方のガスを用いて、5〜20nmのアモルファスシリコン膜36をトンネル絶縁膜35上に堆積する。
【0045】
次に、図16に示すように、700℃〜1000℃程度で、0.1ms〜2s程度のMSAもしくは、RTA等の短時間且つ高温の熱処理を行う。これにより、アモルファスシリコン膜36中に低頻度に微結晶36aを形成する。この際、第1の実施形態及び第1の実施形態の変形例1と同様に、LSAのような加熱方法を用いても良い。このため、アモルファスシリコン膜36の一部の領域を微結晶化、または結晶化してもよい。また、アモルファスシリコン膜36にGeを導入した場合、微結晶生成温度が下がり、より低温度のアニールによって微結晶を形成することが可能となる。なお、アモルファスシリコン膜36中に形成される微結晶は、微結晶シリコンであるが、アモルファスシリコン膜36がGeを含有している場合は、微結晶Geや微結晶SiGeも形成される。
【0046】
次に、図17に示すように、微結晶36aを含むアモルファスシリコン膜36にマイクロ波を照射して、基板温度が200℃〜600℃程度(好ましくは200℃〜400℃程度)になるまで昇温して、5分から2時間程度マイクロ波を用いてアニールを行う。このマイクロ波アニールを行うことで、微結晶36aを核としてアモルファスシリコン膜36が結晶化される。これにより、粒径が50nm〜1μm程度の結晶の集合体である多結晶チャネルシリコン膜(多結晶シリコン膜)36bが形成される。
【0047】
次に、レジストマスク(図示せず)を用いたRIE法により、半導体基板30上に形成されたブロック絶縁膜33、電荷蓄積絶縁膜34、トンネル絶縁膜35、多結晶チャネルシリコン膜36b及び半導体基板30の表面を選択的にエッチング除去する。その後、周知の技術を用いて配線層等(図示せず)を形成して、不揮発性半導体記憶装置を完成させる。
【0048】
上述した第1の実施形態の変形例2によれば、第1の実施形態及び第1の実施形態の変形例1と同様にアモルファスシリコン膜36に短時間且つ高温のアニールを行うことにより、アモルファスシリコン膜36中に低頻度に微結晶36aを形成している。その後、微結晶36aを含むアモルファスシリコン膜36にマイクロ波を用い、200〜600℃という低温でアニールを行うことで、アモルファスシリコン膜36は微結晶36aを核に結晶化される。結晶化したシリコンの粒径が50nm〜1μm程度であることより、微結晶の密度は例えば10〜1011個/cmになる。
【0049】
これにより、短時間且つ低温でアモルファスシリコン膜36の結晶化を行うことができ、形状が良好且つ抵抗の低減された高品質な多結晶シリコン膜を含む3次元構造を有する不揮発性半導体記憶装置を高スループットで形成することができる。
【0050】
また、微結晶Geまたは微結晶SiGeを核としてアモルファスシリコン膜36を結晶化させた場合、従来のランプアニールやファーネスアニールと比較して、結晶成長速度が速くなるため、スループットがさらに向上し、低コストの半導体デバイスを提供することが可能となる。
【0051】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、アモルファスシリコン膜中に微結晶を形成し、該微結晶にマイクロ波を照射することで多結晶シリコン膜を形成する方法を説明した。第2の実施形態では、微結晶Geを形成し、微結晶Ge上にアモルファスシリコン膜を形成し、該微結晶にマイクロ波を照射することで多結晶シリコン膜を形成する方法を説明する。
【0052】
図18〜図21を用いて、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を概略的に説明する。図18〜図21は、薄膜トランジスタ(TFT)の多結晶チャネルSiの形成方法について模式的に示した断面図である。
【0053】
まず、図18に示すように、絶縁性の下地上、具体的には基板(ガラス基板)40上に、500℃程度の温度でNまたはAr等で希釈したGeHを用いて、粒径が1nm以下の微結晶41aである微結晶Geを形成する。この場合、GeHの分圧を0.1〜10mTorrとすることで、10〜1011個/cmの密度で微結晶Geを形成することができる。
【0054】
次に、図19に示すように、500℃程度の温度で、SiHまたはSiまたはこれら両方のガスを用いて、50〜100nmのアモルファスシリコン膜41を基板40及び微結晶41a上に堆積する。
【0055】
次に、図20に示すように、微結晶41aを含むアモルファスシリコン膜41にマイクロ波を照射して、基板温度が200℃〜600℃程度(好ましくは200℃〜400℃程度)になるまで昇温して、5分から2時間程度マイクロ波を用いてアニールを行う。このマイクロ波アニールを行うことで、微結晶41aを核としてアモルファスシリコン膜41が結晶化される。これにより、粒径が50nm〜10μm程度の結晶の集合体である多結晶チャネルシリコン膜(多結晶シリコン膜)41bが形成される。
【0056】
なお、このマイクロ波の周波数は、バンドとして指定されている2.45GHz、5.80GHz、24.125GHzが望ましい。それは、マイクロ波を発生させるマグネトロン等が安価に入手できるためである。また、使用するマイクロ波は、一定の周波数幅があり、上記の2.45GHz、5.80GHz、24.125GHzは、使用するマイクロ波の周波数幅に含まれる周波数である。
【0057】
次に、図21に示すように、周知の工程、つまりゲート絶縁膜42、ゲート電極43、及びソース・ドレイン拡散層43c等を形成する工程を経て、第2の実施形態のTFTを形成することができる。
【0058】
上述した第2の実施形態によれば、低頻度に粒径の小さい微結晶41a(微結晶Ge)を形成し、この微結晶41a上にアモルファスシリコン膜41を形成している。その後、第1の実施形態と同様に、微結晶41aを含むアモルファスシリコン膜41にマイクロ波を用い、200〜600℃という低温でアニールを行うことで、アモルファスシリコン膜41は微結晶41aを核に結晶化される。
【0059】
また、微結晶Geを核としてアモルファスシリコン膜41を結晶化させているため、従来のランプアニールやファーネスアニールと比較して結晶成長速度が速くなる。
【0060】
このように、マイクロ波を用いて低温でアニールを行うことで、アモルファスシリコンのマイグレーションを抑制し、良好な形状の結晶を形成することができる。このため、結晶間の界面(粒界)が良好となり多結晶シリコン中の電気抵抗が下がる。また、低温でアニールを行うため、周辺トランジスタの耐圧劣化も抑制できる。さらに、微結晶41aは低頻度に形成されているために、多結晶チャネルシリコン膜41b中の結晶の粒径が大きくなる。その結果、多結晶チャネルシリコン膜41b中の粒界の数を抑制することができ、多結晶チャネルシリコン膜41bの電気抵抗を低減することができる。また、マイクロ波アニールを用いることで、短時間でアモルファスシリコン膜41を結晶化することができる。
【0061】
これにより、第1の実施形態と同様に、短時間且つ低温でアモルファスシリコン膜41の結晶化を行うことができ、形状が良好且つ抵抗の低減された高品質な多結晶シリコン膜を含む半導体装置を高スループットで形成することができる。
【0062】
(変形例1)
上述した第2の実施形態では、微結晶Geを形成し、微結晶Ge上にアモルファスシリコン膜を形成し、該微結晶にマイクロ波を照射することで平面構造に多結晶シリコン膜を形成する方法を説明した。第2の実施形態の変形例1では、第2の実施形態の多結晶シリコン膜の形成方法を用いて、ホール構造内に良質な多結晶を形成する方法を説明する。
【0063】
図22〜図29を用いて、本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の製造方法を概略的に説明する。図22〜図29は、本発明の第2の実施形態の変形例1に係る半導体装置の製造方法を模式的に示した断面図である。
【0064】
まず、図22に示すように、図示しないシリコン基板上に形成された多結晶シリコンまたは金属または金属珪化物からなる電極50上に、図示しないSiNストッパー膜を形成する。そして、SiNストッパー膜上にSiOとSiとを複数回積層した積層構造51を形成する。
【0065】
次に、図23に示すように、例えばRIEを用いて積層構造51にホール(開口)を形成し、電極50の表面を露出させる。
【0066】
次に、図24に示すように、前記ホール内にSiO膜を堆積し、SiO膜上にSiN膜を堆積する。そして、SiN膜の表面を酸化して、酸化膜、窒化膜及び酸化膜の積層構造であるONO構造の絶縁膜52を形成する。
【0067】
次に、図25に示すように、500℃程度の温度でNまたはAr等で希釈したGeHを用いて、粒径が1nm以下の微結晶53aである微結晶Geを形成する。この場合、GeHの分圧を1〜10mTorrとすることで、10〜1011個/cmの密度で微結晶Geを形成することができる。
【0068】
次に、図26に示すように、例えば500℃程度の温度で、SiHまたはSiまたはこれら両方のガスを用いて、5〜10nm程度のアモルファスシリコン膜53を絶縁膜52及び微結晶53a上に堆積する。
【0069】
次に、図27に示すように、微結晶53aを含むアモルファスシリコン膜53にマイクロ波を照射して、基板温度が200℃〜600℃程度(好ましくは200℃〜400℃程度)になるまで昇温して、5分から2時間程度マイクロ波を用いてアニールを行う。このマイクロ波アニールを行うことで、微結晶53aを核としてアモルファスシリコン膜53が結晶化される。これにより、粒径が50nm〜1μm程度の結晶の集合体である多結晶チャネルシリコン膜(多結晶シリコン膜)53bが形成される。
【0070】
次に、図28に示すように、全面にSiN膜54を堆積して多結晶チャネルシリコン膜53bが形成するホール構造にSiN膜54を埋め込む。
【0071】
次に、図29に示すように、RIE等で積層構造51の上面が露出するまで余分なSiN膜54、多結晶チャネルシリコン膜53b及び絶縁膜52を除去する。このようにして、積層構造51のホール内に良質な多結晶チャネルシリコン膜53bが形成される。
【0072】
上述した第2の実施形態の変形例1によれば、第2の実施形態と同様に低頻度に粒径の小さい微結晶53a(微結晶Ge)を形成し、この微結晶53a上にアモルファスシリコン膜53を形成している。その後、第2の実施形態と同様に、微結晶53aを含むアモルファスシリコン膜53にマイクロ波を用い、200〜600℃という低温でアニールを行うことで、アモルファスシリコン膜53は微結晶53aを核に結晶化される。
【0073】
また、第2の実施形態と同様に、微結晶Geを核としてアモルファスシリコン膜53を結晶化させているため、従来のランプアニールやファーネスアニールと比較して結晶成長速度が速くなる。
【0074】
これにより、短時間且つ低温でアモルファスシリコン膜53の結晶化を行うことができ、積層構造51のホール内に、形状が良好且つ抵抗の低減された高品質な多結晶シリコン膜を高スループットで形成することができる。
【0075】
(変形例2)
第2の実施形態の変形例2では、3次元積層技術BiCSを用いた3次元構造を有する不揮発性半導体記憶装置に良質な多結晶チャネルシリコン膜を形成する方法を説明する。
【0076】
図30〜図34を用いて、本発明の第2の実施形態の変形例2に係る半導体装置の基本的な製造方法について概略的に説明する。
【0077】
図30〜図34は、本発明の第2の実施形態の変形例2に係る半導体装置の製造方法を模式的に示した断面図である。図30(a)〜図34(a)はチャネル長方向に沿った断面図であり、図30(b)〜図34(b)はチャネル長方向に垂直な方向に沿った断面図である。
【0078】
まず、図30に示すように、半導体基板60の表面に、CVD法を用いて層間絶縁膜61となる厚さ50nm程度のシリコン酸化膜と、制御ゲート電極62となる厚さ50nm程度の不純物をドーピングしたシリコン膜とを所望の回数、交互に堆積する。なお、この制御ゲート電極62としては、例えば窒化タンタル等の金属材料を用いても良い。
【0079】
次に、図31に示すように、レジストマスク(図示せず)を用いたRIE法により、層間絶縁膜61と、制御ゲート電極62とを選択的にエッチング除去して、半導体基板60の一部を露出させる。これにより、層間絶縁膜61及び制御ゲート電極62の積層構造に、直径60nm程度の円筒状の溝(ホール)が形成される。
【0080】
次に、図32に示すように、前記溝の内壁にCVD法を用いて、ブロック絶縁膜63となる厚さ10nm程度の例えばアルミニウムと酸素を主成分として含有するアルミナ膜を堆積する。また、このブロック絶縁膜63は、例えばシリコン及び酸素を主成分として含有するシリコン酸化膜でも良い。次に、ALD法を用いて電荷蓄積絶縁膜64となる厚さ5nm程度のシリコン窒化膜を堆積する。続いて、トンネル絶縁膜65となる厚さ数nm程度のシリコン酸化膜を形成する。このトンネル絶縁膜65は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜の積層構造であるONO構造のような多層膜でも良い。その後、500℃程度の温度でNまたはAr等で希釈したGeHを用いて、粒径が1nm以下の微結晶66aである微結晶Geを形成する。この場合、GeHの分圧を1〜10mTorrとすることで、10〜1011個/cmの密度で微結晶Geを形成することができる。
【0081】
次に、図33に示すように、例えば500℃程度の温度で、SiHまたはSiまたはこれら両方のガスを用いて、5〜10nmのアモルファスシリコン膜66をトンネル絶縁膜65及び微結晶66a上に堆積する。
【0082】
次に、図34に示すように、微結晶66aを含むアモルファスシリコン膜66にマイクロ波を照射して、基板温度が200℃〜600℃程度(好ましくは200℃〜400℃程度)になるまで昇温して、5分から2時間程度マイクロ波を用いてアニールを行う。このマイクロ波アニールを行うことで、微結晶66aを核としてアモルファスシリコン膜66が結晶化される。これにより、粒径が50nm〜1μm程度の結晶の集合体である多結晶チャネルシリコン膜(多結晶シリコン膜)66bが形成される。
【0083】
次に、レジストマスク(図示せず)を用いたRIE法により、半導体基板60上に形成されたブロック絶縁膜63、電荷蓄積絶縁膜64、トンネル絶縁膜65、多結晶チャネルシリコン膜66b及び半導体基板60の表面を選択的にエッチング除去する。その後、周知の技術を用いて配線層等(図示せず)を形成して、不揮発性半導体記憶装置を完成させる。
【0084】
上述した第2の実施形態の変形例2によれば、第2の実施形態及び第2の実施形態の変形例1と同様に低頻度に粒径の小さい微結晶66a(微結晶Ge)を形成し、この微結晶66a上にアモルファスシリコン膜66を形成している。その後、微結晶66aを含むアモルファスシリコン膜66にマイクロ波を用い、200〜600℃という低温でアニールを行うことで、アモルファスシリコン膜66は微結晶66aを核に結晶化される。
【0085】
また、第2の実施形態及び第2の実施形態の変形例1と同様に、微結晶Geを核としてアモルファスシリコン膜66を結晶化させているため、従来のランプアニールやファーネスアニールと比較して結晶成長速度が速くなる。
【0086】
これにより、短時間且つ低温でアモルファスシリコン膜66の結晶化を行うことができ、形状が良好且つ抵抗の低減された高品質な多結晶シリコン膜を含む3次元構造を有する不揮発性半導体記憶装置を高スループットで形成することができる。
【0087】
なお、微結晶の密度を低くすることで、マイクロ波アニールを用いて形成される多結晶シリコン膜中の粒径を大きくすることが可能である。これにより、多結晶シリコン膜の抵抗をさらに低減することが可能である。
【0088】
また、上述した第1の実施形態の変形例2及び第2の実施形態の変形例2では、BiCSを用いた3次元構造の一例を説明したが、これに限らず、層間絶縁膜及び制御ゲート電極の積層構造にU字型の開口が設けられている3次元構造にも適用可能である。
【0089】
また、上述した各温度は、例えばパイロメーターを用いて測定したものである。
【0090】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出される。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば、発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0091】
10…基板
11…アモルファスシリコン膜
11a…微結晶
11b…多結晶チャネルシリコン膜
11c…ソース・ドレイン拡散層
12…ゲート絶縁膜
13…ゲート電極
20…電極
21…積層構造
22…絶縁膜
23…アモルファスシリコン膜
23a…微結晶
23b…多結晶チャネルシリコン膜
24…N膜
30…半導体基板
31…層間絶縁膜
32…制御ゲート電極
33…ブロック絶縁膜
34…電荷蓄積絶縁膜
35…トンネル絶縁膜
36…アモルファスシリコン膜
36a…微結晶
36b…多結晶チャネルシリコン膜
40…基板
41a…微結晶
41…アモルファスシリコン膜
41b…多結晶チャネルシリコン膜
42…ゲート絶縁膜
43…ゲート電極
43c…ソース・ドレイン拡散層
50…電極
51…積層構造
52…絶縁膜
53…アモルファスシリコン膜
53a…微結晶
53b…多結晶チャネルシリコン膜
54…N膜
60…半導体基板
61…層間絶縁膜
62…制御ゲート電極
63…ブロック絶縁膜
64…電荷蓄積絶縁膜
65…トンネル絶縁膜
66a…微結晶
66…アモルファスシリコン膜
66b…多結晶チャネルシリコン膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微結晶を含むアモルファス半導体膜にマイクロ波を用いたアニールを行うことで、前記微結晶を核として前記微結晶を含むアモルファス半導体膜を結晶化することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記微結晶を含むアモルファス半導体膜は、アモルファス半導体膜に対して熱処理を行って、前記アモルファス半導体膜を部分的に結晶化することで形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記熱処理は、0.1ms〜2sのアニールであることを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記微結晶を含むアモルファス半導体膜は、Si及びGeを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記微結晶はGeを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記Geを含む微結晶はCVDを用いて10〜1011個/cmの密度となるように形成されることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate


【公開番号】特開2011−181842(P2011−181842A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47014(P2010−47014)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】