説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】半導体装置のフリップチップ接続における接続信頼性の向上を図る。
【解決手段】フリップチップ接続する前に基板上のフリップチップ接続用のはんだバンプ5aにフラックス9を塗布し、さらにリフロー/洗浄してからフリップチップ接続を行うことで、はんだバンプ5aの表面の酸化膜を薄くするとともに、前記酸化膜の均一化を図ることができ、これにより、フリップチップ接続時に局所的なはんだはみ出しの発生を抑制してはんだブリッジの発生を低減し、半導体装置のフリップチップ接続における接続信頼性の向上を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造技術に関し、特に、はんだバンプによるフリップチップ接続に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置(半導体パッケージ)の製造工程において、モールド樹脂がボール面側に露出した半導体装置を配線基板にフリップチップ接合し、両者の間にアンダーフィル樹脂を充填する技術が、例えば、特開2007−227555号公報(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−227555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置において、半導体チップ(以降、単にチップともいう)上に形成された複数のはんだバンプとそれに対応する位置の基板の主面上に形成されたはんだバンプとをフリップチップ接続によって電気的に接続するフリップチップ接続型の半導体装置が知られている。フリップチップ接続型の半導体装置では、ワイヤボンディング型に比較して、半導体チップの実装面積を低減することができる、あるいは半導体チップの表面電極の数を増やすことができる、さらには半導体チップ−基板間の信号速度を速くすることができる等のメリットがある。
【0005】
近年、半導体装置の機能の向上により、半導体装置は多ピン化傾向にある。これにより、半導体チップ上のバンプピッチも狭ピッチ化の傾向にある。したがって、バンプ間の隙間も狭いため、フラックスを用いたフリップチップ接続を実施する場合、フラックス洗浄時、洗浄液がチップと基板間に入り込まない場合やチップと基板間から洗浄液が排出されにくく残渣が発生する場合があり、フラックスを洗浄しきれないことがある。
【0006】
そこで、本発明者は、フラックスレスのフリップチップ接続について検討を行った。
【0007】
図27〜図30は、本発明者が検討を行った比較例のフラックスレスのフリップチップ接続の手順を示す図、図31〜図33は比較例のはんだバンプ接続においてはんだブリッジに至る図である。
【0008】
まず、図27に示すように、配線基板2を、はんだ融点近くの温度に加熱されたボンディングステージ19の上面の所定の位置に位置決めして載置する。ボンディングステージ19には、排気系19aが設けられており、この排気系19aから真空排気して配線基板2を吸着保持する。
【0009】
一方、半導体チップ4の裏面を、予めはんだ融点より高い所定の予熱温度に加熱されたボンディングヘッド18の下面で吸着保持する。ボンディングヘッド18には排気系18aが設けられており、この排気系18aから真空排気して半導体チップ4を吸着保持する。半導体チップ4は、ボンディングヘッド18の水平方向への移動により、所定の位置に位置決め(アラインメント)された状態で配線基板2の上方に位置している。ボンディングヘッド18がはんだ融点より高い所定の予熱温度に加熱されているため、この状態で半導体チップ4上に形成されたはんだバンプ5(5b)は溶融している。
【0010】
続いて、図28に示すように、ボンディングヘッド18を下降させて半導体チップ4を配線基板2上の所定の位置に載置する。半導体チップ4はボンディングヘッド18の下面に吸着されているため、水平方向に位置決めされた状態で、鉛直方向に下降し、所定の配線基板2と半導体チップ4の間隔を保って所定時間保持し、配線基板2上にフリップチップ搭載される。
【0011】
これにより、半導体チップ4上に形成されたはんだバンプ5(5b)と配線基板2上に形成されたはんだバンプ5(5a)とが接触し、基板側のはんだバンプ5(5a)はチップ側のはんだバンプ5(5b)から加熱されてはんだ融点以上となる。
【0012】
その後、図29に示すように、一体となったはんだバンプ5を溶融した状態で、水平方向Xまたは鉛直方向Yのいずれかの方向へ周期的に律動(スクラブ)させる。
【0013】
この結果、はんだバンプ5の表面を覆っている酸化膜が破壊され、はんだバンプ5の中に取り込まれ、フラックスを用いることなくボンディングを行うことができる。その後、図30に示すように、ボンディングヘッド18による半導体チップ4の吸着を解除するとともに、ボンディングヘッド18を上昇させてフリップチップ接続を終了させる。
【0014】
ここで、前述のフリップチップ接続の際に、チップ側のはんだバンプ5と基板側のはんだバンプ5のうち、何れか一方が非溶融状態で、かつ他方が溶融状態で接触・押し込みを行う場合、例えば、図31に示すように、溶融はんだバンプ(はんだバンプ5b)が、溶融していないはんだバンプ5aに接触して押し込まれると、その押し込まれた分、溶融はんだが凹状に変形し、溶融していないはんだは変形せず凸状となって、図32に示すように、溶融しているはんだ(はんだバンプ5b)が溶融していないはんだ(はんだバンプ5a)を覆うように変形して、溶融していないはんだバンプ5aは急激に昇温され溶融する。
【0015】
その後、はんだバンプ5aは押し込みによる外側への変形が妨げられ、局所的なはんだはみ出し5cとなってはんだはみ出し方向5dにはみ出し、図33に示すように、隣接バンプ間でのはんだブリッジが発生し易くなることが課題である。
【0016】
これは、フラックスレスにおいては基板側のはんだバンプ5aの表面の酸化膜が不均一に形成されているためであり、チップ側のはんだバンプ5bを押し込んだ際の前記酸化膜の破れ具合によってはんだはみ出し5cが形成される。すなわち、フラックスレスのフリップチップ接続では、はんだブリッジに至ること(課題)を本発明者は見い出した。
【0017】
なお、前記特許文献1(特開2007−227555号公報)には、ベアチップの半田ボールと配線基板の半田ボールとを接触させた後に、半田の融点より高温に加熱して、さらにベアチップに超音波振動を印加してボール表面の酸化膜を除去するフラックスレスのフリップチップ接続技術が開示されている。
【0018】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体装置のフリップチップ接続における接続信頼性の向上を図ることができる技術を提供することにある。
【0019】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0021】
代表的な実施の形態による半導体装置は、上面と、前記上面と反対側の下面とを有し、前記上面に複数のフリップチップ接続用電極が形成された配線基板と、前記配線基板の前記上面にフリップチップ接続によって搭載された半導体チップと、前記配線基板の前記下面に設けられた複数の外部端子と、を有するものである。さらに、前記フリップチップ接続の隣り合ったバンプ間において、前記フリップチップ接続用電極の平面視の外形パターンと前記フリップチップ接続用電極の平面視のバンプ搭載部パターンとの距離が最も短くなる最短部分が、前記バンプ間でお互いに向かい合わない位置に配置されている。
【0022】
また、代表的な実施の形態による半導体装置の製造方法は、(a)上面と、前記上面と反対側の下面とを有し、前記上面に複数のフリップチップ接続用電極が形成された配線基板を準備する工程と、(b)複数のバンプ電極それぞれが電極パッド上に形成された半導体チップを準備する工程と、(c)前記配線基板の前記フリップチップ接続用電極それぞれにはんだボールを形成する工程と、(d)前記(c)工程の後、複数の前記はんだボールにフラックスを塗布し、その後、複数の前記はんだボールのリフロー/洗浄を行う工程と、(e)前記半導体チップの前記複数のバンプ電極と前記配線基板の複数の前記はんだボールとをフリップチップ接続する工程と、を有するものである。
【0023】
さらに、代表的な実施の形態による他の半導体装置の製造方法は、(a)上面と、前記上面と反対側の下面とを有し、前記上面に複数のフリップチップ接続用電極が形成された配線基板を準備する工程と、(b)複数のバンプ電極それぞれが電極パッド上に形成された半導体チップを準備する工程と、(c)前記配線基板の前記フリップチップ接続用電極それぞれにフラックスペーストを塗布する工程と、(d)前記フリップチップ接続用電極それぞれの上の前記フラックスペーストにはんだボールを配置する工程と、(e)前記(d)工程の後、複数の前記はんだボールのリフロー/洗浄を行う工程と、(f)前記半導体チップの前記複数のバンプ電極と前記配線基板の複数の前記はんだボールとをフリップチップ接続する工程と、を有するものである。
【0024】
また、代表的な実施の形態による他の半導体装置の製造方法は、(a)上面と、前記上面と反対側の下面とを有し、前記上面の複数のフリップチップ接続用電極にはんだボールが形成された配線基板を準備する工程と、(b)複数のバンプ電極それぞれが電極パッド上に形成された半導体チップを準備する工程と、(c)前記半導体チップの前記複数のバンプ電極と前記配線基板の複数の前記はんだボールとをフリップチップ接続する工程と、を有し、前記(c)工程での前記フリップチップ接続時に、前記半導体チップを第1押し込みと、前記第1押し込み後の第2押し込みとの2段階の押し込みによって前記配線基板に対して押し込んで前記フリップチップ接続を行うものである。
【発明の効果】
【0025】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0026】
フリップチップ接続におけるはんだブリッジの発生を低減して半導体装置のフリップチップ接続の接続信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す断面図とフリップチップ接続部の拡大部分断面図である。
【図2】図1に示す半導体装置の組み立てにおける基板側の製造の一例を示す製造フロー図である。
【図3】図1に示す半導体装置の組み立てにおけるフリップチップ接続の一例を示す製造フロー図である。
【図4】図1に示す半導体装置の組み立てにおけるアンダーフィル塗布及びボールマウントの一例を示す製造フロー図である。
【図5】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての第1変形例を示すフロー図である。
【図6】図5に示すフローにおけるチップ側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【図7】図5に示すフローにおけるチップ側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【図8】図5に示すフローにおける基板側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【図9】図5に示すフローにおける基板側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【図10】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての第2変形例を示すフロー図である。
【図11】図10に示すフローにおけるチップ側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【図12】図10に示すフローにおけるチップ側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【図13】図10に示すフローにおける基板側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【図14】図10に示すフローにおける基板側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【図15】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての第3変形例を示す製造フロー図である。
【図16】本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての第4変形例を示す部分断面図である。
【図17】本発明の実施の形態2の比較例の半導体装置におけるフリップチップ接続部の構造を示す拡大部分断面図である。
【図18】図17に示す構造の配線基板の端子に対するソルダレジスト膜の開口部の位置を示す平面図である。
【図19】図17に示すA線で切断した構造を上方から眺めたはんだブリッジ構造を示す平面図である。
【図20】本発明の実施の形態2の半導体装置における配線基板の端子に対するソルダレジスト膜の開口部の位置を示す平面図である。
【図21】図20に示すソルダレジスト膜の開口部にはんだバンプを搭載した際のはんだはみ出し方向を示す平面図である。
【図22】本発明の実施の形態2の第1変形例の半導体装置における配線基板の端子に対するソルダレジスト膜の開口部の位置を示す平面図である。
【図23】図22に示すソルダレジスト膜の開口部に搭載されたはんだバンプの構造を示す平面図である。
【図24】図22に示すソルダレジスト膜の開口部にはんだバンプを搭載した際のはんだはみ出し方向を示す平面図である。
【図25】本発明の実施の形態2の第2変形例の半導体装置における配線基板のソルダレジスト膜の開口部にはんだバンプを搭載した際のはんだはみ出し方向を示す平面図である。
【図26】本発明の実施の形態2の第3変形例の半導体装置における配線基板のソルダレジスト膜の開口部にはんだバンプを搭載した際のはんだはみ出し方向を示す平面図である。
【図27】比較例のフラックスレスのフリップチップ接続の手順を示す部分断面図である。
【図28】比較例のフラックスレスのフリップチップ接続の手順を示す部分断面図である。
【図29】比較例のフラックスレスのフリップチップ接続の手順を示す部分断面図である。
【図30】比較例のフラックスレスのフリップチップ接続の手順を示す部分断面図である。
【図31】比較例のフラックスレスのフリップチップ接続の手順を示す部分拡大断面図である。
【図32】比較例のフラックスレスのフリップチップ接続の手順を示す部分拡大断面図である。
【図33】比較例のフラックスレスのフリップチップ接続によって形成されたはんだブリッジの構造を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0029】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0030】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0031】
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0032】
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0033】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0034】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す断面図とフリップチップ接続部の拡大部分断面図、図2は図1に示す半導体装置の組み立てにおける基板側の製造の一例を示す製造フロー図、図3は図1に示す半導体装置の組み立てにおけるフリップチップ接続の一例を示す製造フロー図、図4は図1に示す半導体装置の組み立てにおけるアンダーフィル塗布及びボールマウントの一例を示す製造フロー図である。
【0035】
本実施の形態1の半導体装置は、図1に示すように、基板上にフリップチップ接続によって半導体チップ4が搭載された半導体パッケージであり、本実施の形態1では、前記半導体装置の一例としてBGA(Ball Grid Array)1を取り上げて説明する。
【0036】
図1に示すBGA1の構成について説明すると、上面2aとその反対側の下面2bとを備えた基板である配線基板2と、配線基板2の上面2aに複数のはんだバンプ(バンプ電極、はんだボール)5を介して搭載され、かつ半導体集積回路が形成された半導体チップ4と、複数のはんだバンプ5相互の周囲及び半導体チップ4の側面周囲に充填されたアンダーフィル3と、配線基板2の下面2bに設けられた複数の外部端子であるはんだボール7とを有している。複数のはんだボール7は、例えば、配線基板2の下面2bにおいて、格子状に配置されている。
【0037】
したがって、半導体チップ4から送られる電気的信号は、はんだバンプ5や配線基板2の内部の図示しない配線及びスルーホール配線等を介して配線基板2の下面2bのはんだボール7に伝達される。
【0038】
なお、半導体チップ4は、保護膜4dの開口部それぞれに複数の表面電極である電極パッド4cが形成された主面4aと、この主面4aの反対側の裏面4bとを有しており、配線基板2とフリップチップ接続によって電気的に接続されている。つまり、図1の拡大部分断面図に示すように、半導体チップ4はその複数の電極パッド4cにそれぞれ電気的に接続された複数のはんだバンプ5を介して配線基板2のフリップチップ接続用電極2cと電気的に接続されている。その際、半導体チップ4は、配線基板2にフリップチップ接続で搭載されているため、配線基板2上にフェイスダウン実装されており、配線基板2の上面2aと半導体チップ4の主面4aとが対向して配置され、したがって、半導体チップ4の裏面4bは上方を向いている。
【0039】
また、配線基板2の上面2aの半導体チップ4の周囲にはチップ部品6等の電子部品が実装されている。チップ部品6は、例えば、チップコンデンサやチップ抵抗等であり、配線基板2上にはんだ8を介してはんだ実装されている。
【0040】
次に、本実施の形態1の半導体装置の製造方法について説明する。
【0041】
まず、図2のステップS1に示す配線基板準備を行う。配線基板2は、図1に示すように、上面2aと、この上面2aと反対側の下面2bとを有しており、さらに上面2aには複数のフリップチップ接続用電極2cが形成されている。また、配線基板2は、その配線形成、表層絶縁層形成及びランド表層処理等の処理が行われた基板であり、本実施の形態1では、主にチップ接続用バンプの表面状態に注目して説明する。
【0042】
その後、ステップS2のはんだペースト塗布を行う。ここでは、フリップチップ接続用のはんだペースト塗布を行う。すなわち、チップ接続用バンプを形成するため、はんだペースト10を図1に示すフリップチップ接続用電極2cに塗布する。例えばはんだペースト10は、フラックスとはんだを約50%ずつの体積比で含有させたペースト材であり、このはんだペースト10をメタルマスクを用いた印刷法によって各フリップチップ接続用電極2c上に塗布する。
【0043】
その後、ステップS3のリフロー/洗浄を行う。ここでは、酸素濃度を例えば100ppm以下に管理した窒素リフロー炉によって加熱処理を行うことで所定のフリップチップ接続用電極2c上にはんだバンプ(はんだボール)5aを形成する。さらに、フラックス洗浄を行って、フラックス除去を実施する。
【0044】
その後、ステップS4に示すはんだペースト塗布を行う。ここでは、周辺素子を搭載する部分のみに、例えば、周辺素子搭載用のはんだペースト10をメタルマスクを用いた印刷法によって塗布する。
【0045】
その後、ステップS5に示す周辺素子搭載、リフロー/洗浄を行う。ここでは、はんだペースト10上にチップ部品6等の電子部品を配置し、ステップS3のリフロー/洗浄と同様の方法でリフロー/洗浄(フラックス洗浄)を行ってチップ部品6を配線基板2にはんだ実装する。
【0046】
その後、ステップS6に示すフラックス塗布を行う。ここでは、フリップチップ接続用電極2c上のはんだバンプ5aにフラックス9を塗布する。さらに、ステップS7に示すリフロー/洗浄を行う。すなわち、フリップチップ接続用のはんだバンプ5aにフラックス9を塗布し、その後、リフロー及び洗浄処理を実施する。
【0047】
本実施の形態1の半導体装置の組み立てでは、このチップ部品6実装完了後のフラックス塗布、リフロー、洗浄(フラックス洗浄)の処理により、フリップチップ接続用のはんだバンプ5a上にフラックス9を残すことなく、リフロー処理を実施できるため、厚く、かつ不均一化したはんだバンプ5aの表面酸化膜を、薄く均一な状態の表面酸化膜とすることができる。
【0048】
ここで、フリップチップ接続用のはんだバンプ5aは、例えば150μmバンプピッチの場合に、バンプ径80μmで、かつバンプ高さ50μmである。その際、バンプ高さのバラツキも小さく抑える必要があるため、高精度なはんだ供給が必要となり、さらにバンプ搭載面に平坦性も必要なため、図2のフローに示すようにフリップチップ接続用のはんだバンプ5aを先に形成して、その後、チップ部品6等の周辺素子(電子部品)を搭載することが好ましい。
【0049】
すなわち、この場合、周辺素子搭載とフリップチップ接続用のはんだバンプ5a形成の順序が重要であり、ステップS2及び3におけるフリップチップ接続用のはんだバンプ5aの形成方法は、はんだペースト印刷法でなく、別の形成方法を採用した場合でも同様である。
【0050】
また、予め形成されたバンプをフラックス等酸化防止処理をせずにリフロー処理し、その後、再度フラックス塗布してリフロー/洗浄を行ったはんだバンプ5aを用いてフリップチップ接続を行う場合にも同様の効果が得られる。
【0051】
図2に示す組み立てにより配線基板2を準備した後、図3に示す組み立てによってフリップチップ接続を行う。
【0052】
まず、複数のはんだバンプ5bそれぞれが図1に示す電極パッド4c上に形成された半導体チップ4を準備し、その後、図3に示すように、半導体チップ4の複数のはんだバンプ(バンプ電極)5bと配線基板2の複数のはんだバンプ(はんだボール)5aとをフリップチップ接続(フラックスレス)する。
【0053】
フリップチップ接続では、最初に図3のステップS11に示すチップバンプ加熱溶融、位置合わせを行う。まず、配線基板2を、はんだ融点近くの温度に加熱されたボンディングステージ19の支持面の所定の位置に位置決めして載置する。ボンディングステージ19には、排気系19aが設けられており、この排気系19aから真空排気して配線基板2を吸着保持する。
【0054】
一方、半導体チップ4の裏面4bを、予めはんだ融点より高い所定の予熱温度に加熱したボンディングヘッド18の吸着面で吸着保持する。ボンディングヘッド18には排気系18aが設けられており、この排気系18aから真空排気して半導体チップ4を吸着保持する。半導体チップ4は、ボンディングヘッド18の水平方向への移動により、所定の位置に位置決め(アラインメント)された状態で配線基板2の上方に位置している。なお、ボンディングヘッド18がはんだ融点より高い所定の予熱温度に加熱されているため、この状態で半導体チップ4上に形成されたはんだバンプ5(5b)は溶融している。
【0055】
その後、ステップS12のチップ/基板バンプ接触、押し込みを行う。ここでは、ボンディングヘッド18を下降させて半導体チップ4を配線基板2上の所定の位置に載置する。すなわち、基板側のはんだバンプ5aとチップ側のはんだバンプ5bの位置が合うように半導体チップ4を載置する。なお、半導体チップ4はボンディングヘッド18の吸着面に吸着されているため、水平方向に位置決めされた状態で、鉛直方向に下降し、所定の配線基板2と半導体チップ4の間隔を保って所定時間保持し、配線基板2上にフリップチップ搭載される。
【0056】
これにより、半導体チップ4上に形成されたはんだバンプ5bと配線基板2上に形成されたはんだバンプ5aとが接触し、さらにチップ側のはんだバンプ5bが基板側のはんだバンプ5aに押し込まれ、基板側のはんだバンプ5aはチップ側のはんだバンプ5bによって加熱されてはんだ融点以上となる。
【0057】
その後、ステップS13のチップ/基板バンプ接続に示すように、一体となったはんだバンプ5を溶融した状態で、水平方向Xまたは鉛直方向Yのいずれかの方向へ周期的に律動(スクラブ)させる。
【0058】
この結果、はんだバンプ5の表面を覆っている酸化膜が破壊され、はんだバンプ5の中に取り込まれてフリップチップ接続が行われる。
【0059】
その後、ステップS14のチップリリースに示すように、ボンディングヘッド18による半導体チップ4の吸着を解除するとともに、ボンディングヘッド18を上昇させてフリップチップ接続を完了させる。
【0060】
フリップチップ接続完了後、図4のステップS15に示すアンダーフィル塗布を行う。ここでは、アンダーフィル3を半導体チップ4の脇に滴下して半導体チップ4と配線基板2の間隙にアンダーフィル3を充填する。すなわち、アンダーフィル3をフリップチップ接続部に充填するとともに、半導体チップ4の側面にも供給して半導体チップ4の周囲をアンダーフィル3で覆い、これによって、フリップチップ接続部及び半導体チップ4を保護する。
【0061】
その後、ステップS16に示すアウターボールマウントを行う。ここでは、配線基板2の下面2bに所定数のはんだボール(外部端子)7を設ける。
【0062】
これにより、BGA1の組み立てが完了となる。
【0063】
本実施の形態1のBGA1及びその組み立てによれば、フラックスレスでフリップチップ接続する前に基板上のフリップチップ接続用のはんだバンプ5aにフラックス9を塗布し、さらにリフロー/洗浄(フラックス洗浄)してからフリップチップ接続を行うことで、はんだバンプ5aの表面の酸化膜を比較的薄くかつ均一に形成した状態でフリップチップ接続できる。
【0064】
すなわち、はんだペースト10によってはんだバンプ5aを形成した後、再度フラックス9を塗布し、再度リフロー/洗浄(フラックス洗浄)を行うことで、はんだバンプ5aの表面酸化膜の均一化を図ることができる。
【0065】
このように基板側のはんだバンプ5aの表面酸化膜の均一化が図られた状態でフラックスレスによるフリップチップ接続を行うことで、はんだバンプ5aが押圧された際のはんだの外側へのはんだはみ出し形状は、溶融はんだの表面張力によってバンプ(ボール)全周囲的(同心円状)に広がる。または、先端形状が丸みを有したはんだはみ出し形状となる。
【0066】
すなわち、局所的なはんだはみ出し5cの発生を抑制することができ、フラックスレスのフリップチップ接続における隣接バンプ間でのはんだブリッジの発生を低減することができる。
【0067】
その結果、BGA1(半導体装置)のフリップチップ接続における接続信頼性の向上を図ることができる。
【0068】
また、はんだ押し込み時のはんだのはみ出し状態を全周囲的(同心円状)もしくは丸みを有した形状にすることができるため、隣接バンプ間ブリッジが発生するチップ/基板間隔が小さくなりはんだ押し込み量を大きくすることができ、またはんだバンプ表面の酸化膜が比較的薄く均一であるためはんだバンプ表面の酸化膜の破壊が容易になり、接続に必要なはんだ押し込みを小さくすることができる。その結果、接続可能押し込み領域を大きく確保することができる。
【0069】
なお、BGA1は、半導体チップ4の周囲にチップ部品6がはんだ実装される構造の半導体装置である。つまり、フリップチップ接続用のはんだバンプ5aをリフロー/洗浄して形成した後にチップ部品6のはんだ8をリフロー/洗浄しており、この段階ではんだバンプ5aはフラックスが無い状態で、加熱溶融されて表面酸化膜が増厚するため、はんだバンプ5aの表面酸化膜の均一化が図られていない状態となる。しかしながら、本実施の形態1のBGA1では、その後、再びはんだバンプ5aにフラックス9を塗布してリフロー/洗浄(フラックス洗浄)を行ってからフリップチップ接続を行うため、はんだバンプ5aの表面酸化膜はフラックスの酸化膜除去効果により比較的薄く均一化を図った状態でフリップチップ接続を行うことができる。つまり、半導体チップ4の周囲にチップ部品6等の電子部品をはんだ実装する構造のBGA1であっても、はんだブリッジの発生を低減してフリップチップ接続における接続信頼性の向上を図ることができる。
【0070】
また、本実施の形態1のBGA1の組み立てでは、フリップチップ接続の際に、チップ側のはんだバンプ5bが溶融した状態で基板側のはんだバンプ5aに接触させて押し込んでいる。このようにフリップチップ接続の際に、少なくとも何れか一方のバンプが溶融状態である場合にはバンプ押し込み時にはみ出しバンプが形成され易い。
【0071】
これは、溶融はんだバンプが、溶融していないはんだバンプに接触して押し込まれると、溶融はんだが凹、溶融していないはんだが凸と、溶融しているはんだが溶融していないはんだを覆うように変形して、溶融していないはんだバンプは急激に昇温され、溶融後に均一に外側に変形することが妨げられるためであり、その結果、図32に示すような局所的なはんだはみ出し5cとなり、隣接バンプ間はんだブリッジに至り易い。
【0072】
しかしながら、本実施の形態1のBGA1のフリップチップ接続では、基板側のはんだバンプ5aを、再度フラックス塗布及びリフロー/洗浄を行ってはんだバンプ5aの表面酸化膜の均一化を図った上でフリップチップ接続を行うため、何れか一方のバンプが溶融状態である場合にも、溶融はんだの表面張力によってはんだはみ出しをバンプ全周囲的(同心円状)に広げることができ、はんだブリッジの発生を低減することができる。
【0073】
次に、本実施の形態1の第1変形例について説明する。
【0074】
図5は本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての第1変形例を示すフロー図、図6は図5に示すフローにおけるチップ側の組み立ての一部を示す製造フロー図、図7は図5に示すフローにおけるチップ側の組み立ての一部を示す製造フロー図、図8は図5に示すフローにおける基板側の組み立ての一部を示す製造フロー図、図9は図5に示すフローにおける基板側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【0075】
本第1変形例は、チップ側のはんだバンプ5bを印刷方式で形成し、基板側のはんだバンプ5aのみにフラックス塗布及びリフロー/洗浄を実施する組み立ての一例を示すものである。
【0076】
まず、チップ側のフリップチップ接続用のバンプ形成について説明すると、図5のステップS21に示すランド形成済みウエハ準備を行う。ここでは、図6のステップS41に示すウエハ準備により、アルミ電極である複数の電極パッド4cと表面を保護する保護膜12aとを備えたウエハ(半導体ウエハ)12を準備する。
【0077】
その後、ステップS42に示すバンプ下地金属膜形成を行う。ここでは、ウエハ12の表面の電極パッド4c及び保護膜12a上にバンプ下地金属膜12bを形成する。バンプ下地金属膜は例えばTi、NiV、Cu等が用いられる。
【0078】
その後、ステップS43に示すエッチングレジスト膜形成を行う。ここでは、フリップチップ接続用の複数のバンプ搭載部にエッチングレジスト膜12cを形成する。
【0079】
その後、ステップS44に示す下地膜エッチング、レジスト膜除去を行う。まず、エッチングレジスト膜12cをマスクとしてエッチングを行って不必要なバンプ下地金属膜12bを除去し、除去後、エッチングレジスト膜12cを除去する。これにより、ウエハ12の各電極パッド4c上にバンプ下地金属膜12bが形成された状態となる。
【0080】
その後、図5のステップS22に示すはんだペースト塗布を行う。ここでは、図7のステップS45のはんだペースト印刷により、メタルマスクである印刷マスク14を用いた印刷法によりはんだペースト10を前記バンプ搭載部のバンプ下地金属膜12b上に形成する。その際、まず、前記バンプ搭載部であるバンプ下地金属膜12bの周囲に印刷マスク14を配置し、配置後、スキージ13を用いて印刷法によりバンプ下地金属膜12b上にはんだペースト10を印刷する。
【0081】
その後、図7のステップS46の印刷マスク取り外しを行う。ここでは、ウエハ12上の印刷マスク14を取り外す。
【0082】
その後、図5のステップS23及び図7のステップS47に示すリフロー/洗浄を行う。ここでは、ウエハ12上のはんだペースト10をリフローによって所定の温度で加熱して溶融するとともに洗浄(フラックス洗浄)して複数のはんだバンプ5bを形成する。
【0083】
その後、図5のステップS24に示すチップダイシング(図7のステップS48に示すチップ個片化)を行う。ここでは、チップサイズにダイシングを行ってそれぞれに複数のはんだバンプ5bが搭載された各半導体チップ4を形成する。
【0084】
なお、各半導体チップ4の厚さについては、はんだバンプ5bの形成後もしくは形成前に所定のウエハ厚までウエハ裏面研摩を行うことで所望のチップ厚に形成することができる。
【0085】
一方、基板側のフリップチップ接続用のバンプ形成について説明すると、図5のステップS31に示すランド形成済み基板準備を行う。ここでは、図8のステップS51に示す基板準備により、銅ランドである複数のフリップチップ接続用電極2cと表面を保護するソルダレジスト膜11aと、裏面側に形成された複数のランド端子11bとを備えた多層配線基板である多数個取り基板11を準備する。
【0086】
その後、図5のステップS32に示すはんだペースト塗布を行う。ここでは、図8のステップS52のはんだペースト印刷により、メタルマスクである印刷マスク14を用いた印刷法によりはんだペースト10を複数のフリップチップ接続用電極2c上に形成する。なお、はんだペースト10は、例えば、フラックスとはんだを約50%ずつの体積比で含有させたペースト材であり、まず、フリップチップ接続用電極2cの周囲に印刷マスク14を配置し、配置後、スキージ13を用いて印刷法によりフリップチップ接続用電極2c上にはんだペースト10を印刷する。
【0087】
その後、図8のステップS53の印刷マスク取り外しを行う。ここでは、多数個取り基板11上の印刷マスク14を取り外す。
【0088】
その後、図5のステップS33及び図8のステップS54に示すリフロー/洗浄を行う。ここでは、多数個取り基板11のフリップチップ接続用電極2c上のはんだペースト10をリフローによって所定の温度で加熱して溶融するとともに洗浄して複数のはんだバンプ5aを形成する。
【0089】
その後、図9のステップS55に示すプロービングを行う。ここでは、多数個取り基板11上の複数のはんだバンプ5aにプローブ15を接触させて電気的検査を行う。
【0090】
その後、図5のステップS34(図9のステップS56)に示すフラックス塗布を行う。すなわち、多数個取り基板11上に設けられた複数のはんだバンプ5aを覆うようにフラックス9を塗布(再塗布)する。
【0091】
その後、図5のステップS35に示すリフロー/洗浄(図9のステップS57に示すフラックス洗浄)を行う。すなわち、多数個取り基板11上のフラックス9が塗布された複数のはんだバンプ5aをリフローによって所定の温度で加熱して洗浄(フラックス洗浄)することで、プロービング痕によるバンプ高さばらつきを無くし、複数のはんだバンプ5aそれぞれに付着した表面酸化膜を薄くすることができるとともに、この表面酸化膜の均一化を図ることができる。
【0092】
その後、図9のステップS58に示す基板個片化を行って、それぞれにフリップチップ接続用の複数のはんだバンプ5aが搭載された配線基板2を形成する。
【0093】
その後、図5のステップS36に示すフリップチップ接続を行う。ここでは、図7のステップS48に示す複数のはんだバンプ5bが搭載された半導体チップ4と、図9のステップS58に示す複数のはんだバンプ5aが搭載された配線基板2とを用いてフリップチップ接続を行う。
【0094】
その際、図3のステップS11〜ステップS14に示すフリップチップ接続の方法(フラックスレス)と同様の方法を用いて図7のステップS48の半導体チップ4と、図9のステップS58の配線基板2とをフリップチップ接続し、これにより組み立て完了となる。
【0095】
次に、本実施の形態1の第2変形例について説明する。
【0096】
図10は本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての第2変形例を示すフロー図、図11は図10に示すフローにおけるチップ側の組み立ての一部を示す製造フロー図、図12は図10に示すフローにおけるチップ側の組み立ての一部を示す製造フロー図、図13は図10に示すフローにおける基板側の組み立ての一部を示す製造フロー図、図14は図10に示すフローにおける基板側の組み立ての一部を示す製造フロー図である。
【0097】
本第2変形例は、チップ側のはんだバンプ5bをめっき法によって形成し、一方、基板側のはんだバンプ5aをマイクロはんだボール搭載方法によって形成するものであり、基板側のはんだバンプ5aに対してフラックス塗布及びリフロー/洗浄を行う組み立ての一例を示すものである。
【0098】
まず、チップ側のフリップチップ接続用のバンプ形成について説明すると、図10のステップS61に示すパッド開口形成済みウエハ準備を行う。ここでは、図11のステップS81に示すウエハ準備により、バンプ搭載部であり、かつアルミ電極である複数の電極パッド4cと、この電極パッド4cを開口によって露出させる保護膜12aとが形成されたウエハ(半導体ウエハ)12を準備する。
【0099】
その後、ステップS82に示すバンプ下地金属膜形成を行う。ここでは、図10のステップS62に示すUBM(Under Bump Metal)スパッタにより、ウエハ12の全面にスパッタ法によりバンプ下地金属膜12b(UBM)を形成する。すなわち、スパッタ法によりウエハ12の表面の電極パッド4c及び保護膜12a上にバンプ下地金属膜12bを形成する。バンプ下地金属膜は、例えばTi、Cu等が用いられる。
【0100】
その後、ステップS83に示すめっきレジスト膜形成を行う。ここでは、まず、図10のステップS63のめっきレジスト膜形成パターニングを行う。すなわち、ウエハ12上にスピンコート法によりめっきレジスト膜12dを塗布し、写真製版法によりバンプ搭載部の位置を開口する。
【0101】
その後、ステップS84に示すめっき膜形成を行う。ここでは、図10のステップS64のNiめっき膜、はんだめっき膜形成を行う。すなわち、図11のステップS84に示すようにバンプ下地金属膜12b上に、はんだの拡散バリアとして図示しないNiめっき膜を形成し、その後、はんだめっき膜12eを形成する。
【0102】
その後、ステップS85に示すめっきレジスト膜除去を行う。すなわち、はんだめっき膜12eの周囲のめっきレジスト膜12dを除去する。
【0103】
その後、図12のステップS86(図10のステップS65)に示すフラックス塗布を行う。ここでは、ウエハ12上の複数のはんだめっき膜12eに対してスピンコート法によりフラックス9を塗布する。
【0104】
その後、ステップS87のフラックス洗浄(図10のステップS66のリフロー/洗浄)を行う。ここでは、ウエハ12上のはんだめっき膜12eをリフローによって所定の温度で加熱して溶融するとともに洗浄して複数のはんだバンプ5bを形成する。
【0105】
その後、ステップS88に示す下地膜エッチングを行う。ここでは、図10のステップS67に示すUBMエッチングにより、はんだバンプ5bの下部以外の露出したバンプ下地金属膜12bを、はんだバンプ5bをマスクとしてエッチングして除去する。
【0106】
なお、必要に応じてウエハ裏面研摩を行ってウエハ12を所望の厚さにする。
【0107】
その後、図10のステップS68に示すチップダイシング(図12のステップS89に示すチップ個片化)を行う。ここでは、チップサイズにダイシングを行ってそれぞれに複数のはんだバンプ5bが搭載された各半導体チップ4を形成する。
【0108】
一方、基板側のフリップチップ接続用のバンプ形成について説明すると、図10のステップS71に示すランド形成済み基板準備を行う。ここでは、図13のステップS91に示す基板準備により、銅ランドである複数のフリップチップ接続用電極2cと表面を保護するソルダレジスト膜11aとを備えた多層配線基板である多数個取り基板11を準備する。銅ランド上にはNi/Auめっき、Ni/Pd/Auめっき、Snめっき等を施す場合もある。
【0109】
その後、図10のステップS72に示すフラックスペースト塗布を行う。ここでは、図13のステップS92のフラックス印刷により、メタルマスクである印刷マスク14を用いた印刷法によりペースト状のフラックス9(フラックスペースト)を複数のフリップチップ接続用電極2c上に塗布する。なお、前記ペースト状のフラックス9は100%フラックスである。
【0110】
その後、図10のステップS73に示すマイクロボール搭載を行う。ここでは、まず、印刷マスク14を取り除き、その後、図14のステップS93に示すはんだボール搭載により、バンプ搭載部であるフリップチップ接続用電極2cの位置に対応して開口が形成されたボール搭載マスク16を多数個取り基板11上の所定位置に配置する。さらに、配置後、ボール搭載マスク16の前記開口にマイクロボールである小型はんだボール17を振り入れる。これにより、フリップチップ接続用電極2cそれぞれの上のペースト状のフラックス9(フラックスペースト)上に小型はんだボール17が配置された状態となる。
【0111】
その後、図10のステップS74及び図14のステップS94に示すリフロー/洗浄を行う。ここでは、多数個取り基板11のフリップチップ接続用電極2cのペースト状のフラックス9上に配置された小型はんだボール17をリフローによって所定の温度で加熱して溶融するとともに洗浄(フラックス洗浄)して複数のはんだバンプ5aを形成する。
【0112】
これにより、複数のはんだバンプ5aそれぞれに付着した表面酸化膜を薄くすることができるとともに、この表面酸化膜の均一化を図ることができる。
【0113】
その後、図14のステップS95に示す基板個片化を行って、それぞれにフリップチップ接続用の複数のはんだバンプ5aが搭載された配線基板2を形成する。
【0114】
その後、図10のステップS75に示すフリップチップ接続を行う。ここでは、図12のステップS89に示す複数のはんだバンプ5bが搭載された半導体チップ4と、図14のステップS95に示す複数のはんだバンプ5aが搭載された配線基板2とを用いてフリップチップ接続を行う。
【0115】
その際、図3のステップS11〜ステップS14に示すフリップチップ接続の方法(フラックスレス)と同様の方法を用いて図12のステップS89の半導体チップ4と図14のステップS95の配線基板2とをフリップチップ接続し、これにより組み立て完了となる。
【0116】
以上のように第1変形例及び第2変形例においても、半導体チップ4と配線基板2とをフリップチップ接続する前に基板側のはんだバンプ5aにフラックス9を供給し、さらにリフロー/洗浄(フラックス洗浄)してからフリップチップ接続を行うことで、はんだバンプ5aの表面酸化膜を薄くすることができるとともに、この表面酸化膜を均一に形成した状態でフリップチップ接続を行うことができる。
【0117】
これにより、図2〜図4に示す半導体装置(BGA1)の組み立てと同様に、フラックスレスのフリップチップ接続時の局所的なはんだはみ出し5cの発生を抑制することができ、その結果、フリップチップ接続における隣接バンプ間でのはんだブリッジの発生を低減することができるとともに、はんだバンプ表面の酸化膜が比較的薄く均一であるためはんだバンプ表面の酸化膜の破壊が容易になり、接続に必要なはんだ押し込みを小さくすることができ、はんだ接合不良の発生を低減することができる。
【0118】
さらに、前記フリップチップ接続における接続信頼性の向上を図ることができる。
【0119】
なお、第1変形例及び第2変形例によって得られるその他の効果については、図2〜図4に示す半導体装置(BGA1)の組み立てによって得られるその他の効果と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0120】
ここで、フリップチップ接続方法としては、チップ側のはんだバンプ5bと基板側のはんだバンプ5aとを接触させた後、さらに押し込んでバンプ接続を行うフリップチップ接続の手順により効果が得られるため、フリップチップ接続装置内でバンプ溶融接続まで実施する。このようなローカルリフロー方式のフリップチップ接続では、例えば図3で示すフローとチップバンプ加熱溶融での位置合わせをバンプ溶融させずに位置合わせし、その後、ボンディングツールを下降し、接触検知後、ボンディングツールを加熱して接続する場合や、フリップチップ接続時にチップ側のはんだバンプ5bにフラックス9を転写させ、チップ側のはんだバンプ5bと基板側のはんだバンプ5aとを位置合わせし、その後、ボンディングツールを下降し、接触検知後、ボンディングツールを加熱して接続させても、ボンディングツール、基板等の膨張により、バンプは押し込まれるため、同様の効果を得ることができる。
【0121】
次に、本実施の形態1の第3変形例について説明する。
【0122】
図15は本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての第3変形例を示す製造フロー図である。
【0123】
本第3変形例は、フリップチップ接続の際に、チップ側のはんだバンプ5bを基板側のはんだバンプ5aに対して2段階の動作で押し込むものである。
【0124】
すなわち、図15に示すステップS101のチップ配置により、配線基板2上に基板側のはんだバンプ5aとチップ側のはんだバンプ5bとが対向するように、ボンディングヘッド18によって支持された半導体チップ4を配置し、その後、チップ側のはんだバンプ5bを基板側のはんだバンプ5aに接触させ、接触後、ステップS102の第1押し込みに示すように半導体チップ4を配線基板2に対して押し込み量Y1で押し込む。さらに、ステップS103の第1スクラブに示すように振幅X1で第1スクラブ動作(周期的な律動)を行う。
【0125】
その後、ステップS104の第2押し込みにより押し込み量Y2で半導体チップ4を押し込み、さらにステップS105の第2スクラブに示すように振幅X2で第2スクラブ動作を行う。
【0126】
つまり、チップ側のはんだバンプ5bを基板側のはんだバンプ5aに対して2段階の動作で押し込んでいる。その際、好ましくは第1押し込みの押し込み量Y1を、前記第2押し込みの押し込み量Y2より小さくする。すなわち、Y1<Y2とする。
【0127】
これは、はんだバンプ5a,5bには、高さが高いものと低いものとが存在するため、高さが高いはんだバンプ5a,5bを小さい押し込み量で先に押し込んでスクラブして接続し、高さが低いはんだバンプ5a,5bは後から押し込んでスクラブして接続するというものである。
【0128】
これにより、図32に示すような局所的なはんだはみ出し5cの長さを抑制することができる。すなわち、図15の第1押し込みにおいて、接続時の溶融はんだバンプの表面酸化膜が破壊されやすい箇所で局所的にはんだのはみ出しが発生しても、第1押し込みの押し込み量Y1が第2押し込みの押し込み量Y2に比較して小さいため(Y1<Y2)、はんだはみ出し量(長さ)を小さく抑えることができる。
【0129】
つまり、一般的に隣接バンプ間ブリッジは、バンプ体積が大きく(高バンプ)、はみ出し量が多いものが発生しやすい。したがって、それらバンプに対して、第1押し込みの位置で振幅X1でスクラブ動作を行うことにより、局所的な表面酸化膜の破壊箇所がバンプの全周囲へ広がるようにし、その後の第2押し込み時も図32に示すようなはんだはみ出し方向5dがバンプ全周囲的(同心円状)になるようにする。これにより、局所的なはんだはみ出し発生を抑制することができ、隣接バンプ間はんだブリッジの発生を防止することができる。
【0130】
なお、半導体チップ4の前記押し込みでは、2ステップの押し込み動作(押し込みとスクラブとを分けた動作)について説明したが、ステップ動作ではなく、押し込みとスクラブとを同時に実施しても同様の効果を得ることができる。
【0131】
次に、本実施の形態1の第4変形例について説明する。
【0132】
図16は本発明の実施の形態1の半導体装置の組み立ての第4変形例を示す部分断面図である。
【0133】
図16に示す第4変形例は、バンプ接続において、チップ側にのみはんだバンプ5bが形成されている場合を示すものである。つまり、はんだバンプ5bが半導体チップ4のみに設けられており、基板側にはバンプが設けられていない場合のはんだバンプ接続を示している。このようなバンプ接続であっても、溶融はんだバンプが接触後に押し込まれ、はんだバンプ5bの表面酸化膜が破壊されるフリップチップ接続であれば、前記図2〜図4に示す半導体装置(BGA1)の組み立てや第1変形例〜第3変形例の効果と同様の効果を得ることができる。例えば、チップオンチップ構造のように配線基板がチップの場合や配線基板側にバンプを用いない構成や、チップ側もしくは基板側のいずれか一方にのみはんだバンプを形成した場合でも、局所的なはんだはみ出しを防止することができ、その結果、フリップチップ接続における隣接バンプ間でのはんだブリッジの発生を低減することができ、前記と同様の効果を得ることができる。
【0134】
(実施の形態2)
図17は本発明の実施の形態2の比較例の半導体装置におけるフリップチップ接続部の構造を示す拡大部分断面図、図18は図17に示す構造の配線基板の端子に対するソルダレジスト膜の開口部の位置を示す平面図、図19は図17に示すA線で切断した構造を上方から眺めたはんだブリッジ構造を示す平面図である。また、図20は本発明の実施の形態2の半導体装置における配線基板の端子に対するソルダレジスト膜の開口部の位置を示す平面図、図21は図20に示すソルダレジスト膜の開口部にはんだバンプを搭載した際のはんだはみ出し方向を示す平面図、図22は本発明の実施の形態2の第1変形例の半導体装置における配線基板の端子に対するソルダレジスト膜の開口部の位置を示す平面図である。さらに、図23は図22に示すソルダレジスト膜の開口部に搭載されたはんだバンプの構造を示す平面図、図24は図22に示すソルダレジスト膜の開口部にはんだバンプを搭載した際のはんだはみ出し方向を示す平面図、図25は本発明の実施の形態2の第2変形例の半導体装置における配線基板のソルダレジスト膜の開口部にはんだバンプを搭載した際のはんだはみ出し方向を示す平面図、図26は本発明の実施の形態2の第3変形例の半導体装置における配線基板のソルダレジスト膜の開口部にはんだバンプを搭載した際のはんだはみ出し方向を示す平面図である。
【0135】
本実施の形態2は、フリップチップ接続が行われて組み立てられた半導体装置(例えば、図1に示すBGA1等)において、半導体チップとフリップチップ接続する配線基板2の構造により、フリップチップ接続時の局所的なはんだはみ出しの発生を抑制するものである。
【0136】
なお、本実施の形態2では、図17、図19の比較例の図に示すはんだブリッジ(バンプ間ブリッジ)について、基板表面の絶縁膜の凹凸(開口部のパターン)を、フリップチップ接続用電極2cの外形パターン(ランドメタル形状)との関係で、隣接バンプ間ブリッジが発生しにくい平面視の形状とする場合を説明する。
【0137】
はんだバンプにおいては、バンプ表面の酸化膜が薄く均一である場合、基板表面とチップ表面の間隙が狭くなるにつれて、図19に示すようなはんだはみ出し5cが大きくなる傾向がある。
【0138】
ここで、図17、図19におけるはんだバンプ5は、電源やグランドのようにそれぞれの複数バンプが共通の大きなメタルランド(フリップチップ接続用電極2c)上に形成された場合であり、グランドと電源のように種類が違うメタルランド(フリップチップ接続用電極2c)の境界の部分を示している。
【0139】
例えば、配線基板2のメタルランド(フリップチップ接続用電極2c)の形状により、基板表面の絶縁膜であるソルダレジスト膜2eに凹部2hがあると、図17に示すように、はんだはみ出し方向5dはその方向(凹部2hに向かって)に進む傾向がある。したがって、最短ピッチの方向(最も近傍)へのはんだはみ出し5cとなるようなランド形状は、隣接バンプ間ブリッジが発生する押し込み量を減少させ、設定可能押し込み量の範囲が減少して接合マージンを低下させ、その結果、はんだブリッジに至る。
【0140】
つまり、フリップチップ接続の隣り合ったバンプ間において、図18に示すように、メタルランドであるフリップチップ接続用電極2cの平面視の外形パターン2fと、フリップチップ接続用電極2cの平面視のソルダレジスト膜2eの開口部パターン(バンプ搭載部パターン)2dとの距離が最も短くなる最短部分2gが、はんだバンプ5間でお互いに向かい合った位置に配置されていると、はんだブリッジを引き起こし易い。
【0141】
そこで、本実施の形態2では、フリップチップ接続の隣り合ったバンプ間において、配線基板2におけるフリップチップ接続用電極2cの平面視の外形パターン2fと、フリップチップ接続用電極2cの平面視のソルダレジスト膜2eの開口部パターン(バンプ搭載部パターン)2dとの距離が最も短くなる最短部分2gが、前記バンプ間でお互いに向かい合わない位置に配置されている。
【0142】
例えば、図20に示すフリップチップ接続用電極2cの平面視の外形パターン2fと、フリップチップ接続用電極2cの平面視のソルダレジスト膜2eの開口部パターン2dとにおける最短部分2gは、外形パターン2fと開口部パターン2dとの平面視での距離Lが最短となる部分であり、図21に示すように、それぞれ隣接するはんだバンプ5からのお互いのはんだはみ出し方向5dが同一の方向となるような位置に配置されている。
【0143】
つまり、最短ピッチ(最も近傍)のバンプ(開口部パターン2d)間の中点とランド(外形パターン2f)間の中点の位置をずらすことで、はんだはみ出し方向5dが向かい合わないように最短部分2gを配置している。
【0144】
また、図22〜図24に示す本実施の形態2の第1変形例においては、お互いに同一の方向を向いたはんだはみ出し方向5dが、はんだバンプ5の対角方向(斜め方向)になるようにそれぞれの最短部分2gが配置されており、この場合、さらにバンプ間スペースを設けることができるため、好ましい構造である。
【0145】
図25及び図26は、シグナルバンプのように孤立ランドの場合の一例を示している。図25に示す本実施の形態2の第2変形例では、孤立ランドであるフリップチップ接続用電極2cの最短部分2gが、前記バンプ間でお互いのはんだはみ出し方向5dがそれぞれ異なった方向となるような位置に配置されている。
【0146】
さらに、図26に示す本実施の形態2の第3変形例では、孤立ランドであるフリップチップ接続用電極2cの最短部分2gが、前記バンプ間でお互いのはんだはみ出し方向5dが同一の方向となるような位置に配置されている。図26の構造では、最長ピッチ方向へはんだがはみ出す傾向を持たせることができる。
【0147】
以上のように、第1変形例〜第3変形例を含む本実施の形態2の半導体装置によれば、配線基板2におけるフリップチップ接続用電極2cの平面視の外形パターン2fと、フリップチップ接続用電極2cの平面視のソルダレジスト膜2eの開口部パターン2dとの距離が最も短くなる最短部分2gが、バンプ間でお互いに向かい合わない位置に配置されていることで、フリップチップ接続における隣接バンプ間でのはんだブリッジの発生を低減することができる。
【0148】
その結果、半導体装置のフリップチップ接続における接続信頼性の向上を図ることができる。
【0149】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0150】
例えば、前記実施の形態2では、基板側のランド(フリップチップ接続用電極2c)ではんだブリッジの発生を低減する手段を説明したが、前記実施の形態2の手段は、チップ側のランド(電極パッド4c)に適用することも可能である。
【0151】
また、前記実施の形態1で説明した基板側のはんだバンプ5aに対して、フラックス9を塗布し、さらにリフロー/洗浄(フラックス洗浄)してからフリップチップ接続を行う技術は、チップ側のはんだバンプ5bに適用してもよく、基板側のはんだバンプ5aに適用した場合と同様の効果を得ることができる。
【0152】
また、前記実施の形態1で説明した図2〜図4に示す半導体装置の組み立て技術や第1変形例〜第4変形例の技術、さらに実施の形態2で説明した半導体装置の構造の技術や実施の形態2の第1変形例〜第3変形例の技術は、それぞれを組み合わせた技術としてもよく、それぞれ単独の技術としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、フリップチップ接続が行われる電子装置の組み立てに好適である。
【符号の説明】
【0154】
1 BGA(半導体装置)
2 配線基板
2a 上面
2b 下面
2c フリップチップ接続用電極
2d 開口部パターン(バンプ搭載部パターン)
2e ソルダレジスト膜
2f 外形パターン
2g 最短部分
2h 凹部
3 アンダーフィル
4 半導体チップ
4a 主面
4b 裏面
4c 電極パッド
4d 保護膜
5,5a,5b はんだバンプ(バンプ、バンプ電極、はんだボール)
5c はんだはみ出し
5d はんだはみ出し方向
6 チップ部品(電子部品)
7 はんだボール(外部端子)
8 はんだ
9 フラックス
10 はんだペースト
11 多数個取り基板
11a ソルダレジスト膜
11b ランド端子
12 ウエハ
12a 保護膜
12b バンプ下地金属膜
12c エッチングレジスト膜
12d めっきレジスト膜
12e はんだめっき膜
13 スキージ
14 印刷マスク
15 プローブ
16 ボール搭載マスク
17 小型はんだボール
18 ボンディングヘッド
18a 排気系
19 ボンディングステージ
19a 排気系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面と、前記上面と反対側の下面とを有し、前記上面に複数のフリップチップ接続用電極が形成された配線基板と、
前記配線基板の前記上面にフリップチップ接続によって搭載された半導体チップと、
前記配線基板の前記下面に設けられた複数の外部端子と、
を有し、
前記フリップチップ接続の隣り合ったバンプ間において、前記フリップチップ接続用電極の平面視の外形パターンと前記フリップチップ接続用電極の平面視のバンプ搭載部パターンとの距離が最も短くなる最短部分が、前記バンプ間でお互いに向かい合わない位置に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、前記最短部分が、前記バンプ間でお互いのはんだはみ出し方向が同一の方向となるような位置に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、前記最短部分が、前記バンプ間でお互いのはんだはみ出し方向が異なった方向となるような位置に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
(a)上面と、前記上面と反対側の下面とを有し、前記上面に複数のフリップチップ接続用電極が形成された配線基板を準備する工程と、
(b)複数のバンプ電極それぞれが電極パッド上に形成された半導体チップを準備する工程と、
(c)前記配線基板の前記フリップチップ接続用電極それぞれにはんだボールを形成する工程と、
(d)前記(c)工程の後、複数の前記はんだボールにフラックスを塗布し、その後、複数の前記はんだボールのリフロー/洗浄を行う工程と、
(e)前記半導体チップの前記複数のバンプ電極と前記配線基板の複数の前記はんだボールとをフリップチップ接続する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置の製造方法において、前記(c)工程では、前記フリップチップ接続用電極にはんだペーストを塗布した後、リフロー/洗浄を行って前記はんだボールを形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項4記載の半導体装置の製造方法において、前記(e)工程で前記フリップチップ接続を行う際に、少なくともチップ側の前記バンプ電極か、もしくは基板側の前記はんだボールの何れかを溶融した状態で接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項4記載の半導体装置の製造方法において、前記配線基板の前記上面の前記半導体チップの周囲に電子部品がはんだ実装されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項4記載の半導体装置の製造方法において、前記(e)工程で前記フリップチップ接続を行う際に、前記半導体チップを第1押し込みと、前記第1押し込み後の第2押し込みとの2段階の押し込みによって前記配線基板に対して押し込んで前記フリップチップ接続を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置の製造方法において、前記第1押し込みの押し込み量は、前記第2押し込みの押し込み量より小さいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
(a)上面と、前記上面と反対側の下面とを有し、前記上面に複数のフリップチップ接続用電極が形成された配線基板を準備する工程と、
(b)複数のバンプ電極それぞれが電極パッド上に形成された半導体チップを準備する工程と、
(c)前記配線基板の前記フリップチップ接続用電極それぞれにフラックスペーストを塗布する工程と、
(d)前記フリップチップ接続用電極それぞれの上の前記フラックスペーストにはんだボールを配置する工程と、
(e)前記(d)工程の後、複数の前記はんだボールのリフロー/洗浄を行う工程と、
(f)前記半導体チップの前記複数のバンプ電極と前記配線基板の複数の前記はんだボールとをフリップチップ接続する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項10記載の半導体装置の製造方法において、前記(f)工程で前記フリップチップ接続を行う際に、少なくともチップ側の前記バンプ電極か、もしくは基板側の前記はんだボールの何れかを溶融した状態で接続することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項10記載の半導体装置の製造方法において、前記配線基板の前記上面の前記半導体チップの周囲に電子部品がはんだ実装されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項10記載の半導体装置の製造方法において、前記(f)工程で前記フリップチップ接続を行う際に、前記半導体チップを第1押し込みと、前記第1押し込み後の第2押し込みとの2段階の押し込みによって前記配線基板に対して押し込んで前記フリップチップ接続を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13記載の半導体装置の製造方法において、前記第1押し込みの押し込み量は、前記第2押し込みの押し込み量より小さいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
(a)上面と、前記上面と反対側の下面とを有し、前記上面の複数のフリップチップ接続用電極にはんだボールが形成された配線基板を準備する工程と、
(b)複数のバンプ電極それぞれが電極パッド上に形成された半導体チップを準備する工程と、
(c)前記半導体チップの前記複数のバンプ電極と前記配線基板の複数の前記はんだボールとをフリップチップ接続する工程と、
を有し、
前記(c)工程での前記フリップチップ接続時に、前記半導体チップを第1押し込みと、前記第1押し込み後の第2押し込みとの2段階の押し込みによって前記配線基板に対して押し込んで前記フリップチップ接続を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項15記載の半導体装置の製造方法において、前記第1押し込みの押し込み量は、前記第2押し込みの押し込み量より小さいことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−89724(P2012−89724A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236213(P2010−236213)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】