半導体装置及びその駆動方法
【課題】光電変換部の高集積化、制御系の複雑高度化に伴って、光電変換手段のそれぞれやこれらを制御する信号線についての不良検出が容易ではない。
【解決手段】複数のセンサ部と、前記複数のセンサ部のそれぞれに対応する複数の記憶部とを有し、通常モードにおいては、前記複数のセンサ部の出力に基づいて複数の第1制御情報を設定し前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第1制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、検査モードにおいては、予め定められた検査用の複数の第2制御情報を前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第2制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、前記複数のセンサ部にそれぞれ蓄積された電荷量に基づいて、前記複数のセンサ部を検査する制御部を備える半導体装置を採用する。
【解決手段】複数のセンサ部と、前記複数のセンサ部のそれぞれに対応する複数の記憶部とを有し、通常モードにおいては、前記複数のセンサ部の出力に基づいて複数の第1制御情報を設定し前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第1制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、検査モードにおいては、予め定められた検査用の複数の第2制御情報を前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第2制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、前記複数のセンサ部にそれぞれ蓄積された電荷量に基づいて、前記複数のセンサ部を検査する制御部を備える半導体装置を採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラの測距点のそれぞれに対応する焦点検出用の光電変換部を設け、この光電変換部のそれぞれの出力に基づいて制御情報を設定する技術が開示されている。この制御情報は、被写体の輝度レベルに応じて、電荷の蓄積動作や蓄積電荷に基づく信号の読出動作などを制御するための情報であり、通常使用の用途においては、測距点ごとに設定されうる。これにより、精度の高い焦点検出を達成しうる半導体装置が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−150686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
焦点検出用の光電変換部の微細化は、光電変換部の電荷蓄積の特性ばらつきをもたらしうる。また、制御系の複雑化および高度化は、光電変換部を含むセンサ部のそれぞれやこれらを制御する信号線のショート不良が生じさせうる。したがって、これらの機能不良の検出試験の効率化が求められる。特許文献1に記載の半導体装置は、これら機能不良の検査の効率化については考慮されていない。
【0005】
本発明の目的は、半導体装置の機能不良の検査を効率化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの側面は半導体装置にかかり、前記半導体装置は、複数のセンサ部と、前記複数のセンサ部のそれぞれに対応する複数の記憶部とを有し、通常モードにおいては、前記複数のセンサ部の出力に基づいて複数の第1制御情報を設定し前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第1制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、検査モードにおいては、予め定められた検査用の複数の第2制御情報を前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第2制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、前記複数のセンサ部にそれぞれ蓄積された電荷量に基づいて、前記複数のセンサ部を検査する制御部を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、半導体装置の機能不良の検査を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態の構成を説明する図。
【図2】本発明の第2実施形態の構成を説明する図。
【図3】第2実施形態のメイン・フローチャート。
【図4】第2実施形態のサブ・フローチャート。
【図5】第2実施形態の蓄積される電荷量を説明するプロット図。
【図6】本発明の第3実施形態の構成を説明する図。
【図7】第3実施形態のメイン・フローチャート。
【図8】第3実施形態のサブ・フローチャート。
【図9】第3実施形態の蓄積される電荷量を説明するプロット図。
【図10】第4実施形態のサブ・フローチャート。
【図11】各機能ブロックの内部構成の例。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
まず、図1(a)を参照しながら、本発明の第1実施形態の半導体装置1aを説明する。半導体装置1aは、各測距点に対応する複数のユニットk(k=1〜n)、およびこれらを制御する制御部100を有する。複数のユニットkのそれぞれは、複数のセンサ部10k、複数のセンサ部10kのそれぞれに対応する複数の記憶部20kを含む。センサ部10kと記憶部20kは、それぞれユニットkに互いに対応するように図示したが、これらは必ずしも近傍に配置される必要はなく、チップレイアウトの都合に合わせて配置を変更してもよい。また、センサ部10kのそれぞれは、後述の各機能に応じて、フォトダイオード等の受光素子を含む焦点検出用の光電変換部、当該光電変換部の出力信号を読み出す読出部12k、および当該光電変換部の電荷を保持する電荷保持部を含んでもよい。
【0010】
半導体装置1aは、動作モードとして、通常モードと検査モードを含む。通常モードにおいては、制御部100は、複数のセンサ部10kのそれぞれの出力に基づいて、それに対応する第1制御情報を設定し、この第1制御情報を複数の記憶部20kにそれぞれ格納する。その後、制御部100は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された第1制御情報にしたがった基準まで、対応するセンサ部10kのそれぞれに電荷を蓄積させるという動作を行う。これにより、通常モードにおいては、例えば、外部からの入力情報を検知したセンサ部10kからの出力に応じて、その後のセンサ部10kにおける電荷の蓄積動作を制御することが可能となる。
【0011】
一方、検査モードにおいては、制御部100は、予め定められた検査用の複数の第2制御情報を複数の記憶部20kにそれぞれ格納する。その後、制御部100は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された第2制御情報にしたがった基準まで、対応するセンサ部10kのそれぞれに電荷を蓄積させ、複数のセンサ部10kにそれぞれ蓄積された電荷量を検査する。即ち、検査モードにおいては、複数のセンサ部10kのそれぞれにおいて予め定められた電荷の蓄積動作がなされる。これにより、蓄積された電荷量に基づいてセンサ部10kのそれぞれから出力される信号が、期待する値と異なった場合は、センサ部10kのそれぞれ、またはそれらの制御信号において機能不良があることを意味する。
【0012】
図1(a)に示す半導体装置1aは、例えば、カメラに含まれる焦点検出装置に適用することができる。よく使われる方式として、焦点検出装置は、焦点検出をする際に、被写体の輝度レベルに応じて蓄積時間を制御しうる。本実施形態の場合、通常モードにおいては、まず、被写体の輝度レベルによって蓄積動作を制御する第1制御情報が設定されうる。そして、その後の焦点を検出する工程において、制御部100は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された第1制御情報にしたがった基準まで、対応するセンサ部10kのそれぞれに電荷を蓄積させる。そして、この蓄積された電荷量に従って出力された信号に基づいて、演算処理を行う演算部(例えば、デフォーカス量検出部(不図示))が所定の演算処理を行う。その後、この演算結果は、焦点を合わせる合焦部(例えば、レンズ駆動部(不図示))にフィードバックされ、その結果、レンズの焦点を合わせることができる。一方、検査モードにおいては、予め定められた第2制御情報を複数の記憶部20kのそれぞれに格納する。これにより、複数のセンサ部10kのそれぞれにおいて、第2制御情報により予め定められた基準まで電荷量が蓄積される。そのため、センサ部10kのそれぞれからは、機能不良がなければ期待した出力値を示し、機能不良があれば期待しない出力値を示すことになる。したがって、複数のセンサ部10kから出力される信号のそれぞれを区別することができ、例えば、一様の照射光のもとにおいても機能不良を検出することが可能となる。
【0013】
また、図1(b)には、半導体装置1aの変形例である半導体装置1bを示されている。半導体装置1bは増幅部30をさらに含み、この増幅部30は、センサ部10kから出力される信号を設定された増幅率に従って増幅して出力しうる。例えば、通常モードにおいては、制御部100は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された第1制御情報に基づいて増幅率を設定することも可能である。これにより、前述の電荷の蓄積動作を制御する効果と併せて、さらに高精度の焦点検出を行うことが可能である。より具体的には、輝度レベルが高い場合は、蓄積される電荷量を少なくし、小さい増幅率を選択することにより、装置で処理可能な画素信号のダイナミックレンジを超えてしまうことを回避しうる。輝度レベルが低い場合は、蓄積時間を長くすることで十分量の電荷量を確保して相対的なノイズ影響を抑制し、大きい増幅率を選択することが可能である。
【0014】
一方、検査モードにおいては、制御部100は予め定められた増幅率を設定しうる。例えば、制御部100は増幅率を固有の値とすることも可能である。このとき、増幅部30は、この固有の値の増幅率に従って、センサ部10kから出力される信号を増幅して出力しうる。ここで、センサ部10kから出力される信号は、予め定められた第2制御情報にしたがった基準まで蓄積された電荷量により決まる。そのため、機能不良がなければ半導体装置1bは期待した値を出力し、機能不良があれば同じ値が出力されることになる。したがって、この場合も、一様の照射光のもとにおいて機能不良を検出することが可能となる。
【0015】
<第2実施形態>
図2〜図5を用いて、本発明の第2実施形態を説明する。図2は、第2実施形態にかかる焦点検出装置2である。焦点検出装置2は、複数のセンサ部10、複数のセンサ部10のそれぞれに対応する複数の記憶部20、センサ部10から出力される信号を設定された増幅率に従って増幅して出力する増幅部30、およびこれらを制御する制御部100を含む。また、複数のセンサ部10のそれぞれは、電荷の蓄積を行って蓄積された電荷量に応じた信号を出力する光電変換部11、光電変換部11の出力信号を読み出す読出部12、および光電変換部11に蓄積された電荷を保持する電荷保持部13を含む。また、制御部100は、読出部12からの出力信号と比較するための基準電位Vrefを出力する基準設定部110、基準電位Vrefと読出部12からの出力信号を比較する比較部120を含む。さらに、制御部100は、初期設定部130、増幅率設定部140、および通常モードと検査モードのいずれかを動作モードとして選択するモード設定端子mode_selを含み、これにより、初期設定部130と増幅率設定部140の動作を切り替えうる。例えば本実施形態のように、mode_sel=Lowとすることで通常モード、mode_sel=Hiとすることで検査モード、とすることができる。そして、制御部100は、これらの装置のそれぞれと情報を通信して各動作の指示をするコントローラ150を含む。また、センサ部10と記憶部20は、ユニットk(k=1、2、…、2m−1、2m)ごとに互いに対応するように図示した。しかし、第1実施形態と同様に、これらは必ずしも近傍に配置される必要はなく、チップレイアウトの都合に合わせて配置を変更してもよい。ここで、ユニットの最後のものをユニットnとして、n=2m(偶数)であるとする。
【0016】
光電変換部11kは、位相差検出方式のため1対のセンサアレイからなり、例えば、約30〜80画素で、2つの像を形成しうる。読出部12kは、光電変換部11kにおいて蓄積した電荷量を検知し、例えば、光電変換部11kの複数の画素からの出力のうちピークのものを出力しうる。また、例えば、ピークと共にボトムをも検知し、これらの差分より得られたピーク‐ボトム信号を用いてもよい。この出力結果は、コントローラ150からの指示に従って、比較部120に信号s_outが出力されうる。電荷保持部13kは、光電変換部11kにおいて蓄積された電荷を、画素信号q_outとして一時的に保持しうる。この画素信号q_outは、コントローラ150からの指示に従って、増幅部30に出力されうる。
【0017】
記憶部20kは、コントローラ150からの指示に従って、光電変換部11kにおける電荷の蓄積に関する制御情報(第1制御情報または第2制御情報)を格納しうる。この制御情報は、例えば本実施形態のように、2ビットの情報(「0」〜「3」)でもよい。また、この制御情報は、コントローラ150からの指示に従って、基準設定部110および増幅率設定部140に出力されうる。本実施形態においては、記憶部20kのそれぞれは、奇数番号のユニットもしくは偶数番号のユニットのいずれのセンサ部10kに対応するかによって、制御情報を格納するために接続された信号配線はrin_oddとrin_evenとで別にする。ここで、奇数番号のユニットの記憶部20kは、入力をrin_odd、出力をroutとし、偶数番号のユニットの記憶部20kは、入力をrin_odd、出力をroutとしている。
【0018】
基準設定部110は、例えば図11(a)のような構成でもよく、カウンタ111、セレクタ160、デコーダ112、複数の抵抗体113、およびアンプ114を含みうる。カウンタ111は、基準電位Vrefと読出部12kからの出力信号を比較する際に使用されうる。セレクタ160は、カウンタ111の計測結果c_outと記憶部20kからの制御情報のいずれか一方を選択しうる。デコーダ112は、セレクタ160からの出力に基づいて基準電位Vrefを選択する制御信号を生成しうる。アンプ114は、これらの制御信号および複数の抵抗体113により生成された基準電位Vrefを出力しうる。基準設定部110は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された制御情報を、コントローラ150からの指示に従って選択的に読み出し、読出部12kからの出力信号を比較するための基準電位Vrefを生成して比較部120に出力しうる。また、基準設定部110は、カウンタ111の計測結果c_outを出力しうる。計測結果c_outは、コントローラ150からの指示に従って初期設定部130に入力されうる。比較部120は、基準電位Vrefと、読出部12kから読み出した信号s_outとを比較し、その比較結果comp_outをコントローラ150に出力しうる。本実施例においては、s_out≧Vrefのときにcomp_out=Hiとなるように設定している。
【0019】
初期設定部130は、モード設定端子mode_selの設定により通常モードと検査モードのいずれかを動作モードとして選択しうる。これにより、通常モードにおいては、記憶部20kのそれぞれには、光電変換部11kにおける電荷の蓄積に関する第1制御情報(後述のカウンタ111の計測結果c_out)が格納されうる。一方、検査モードにおいては、予め定められた第2制御情報が格納されうる。初期設定部130は、例えば、図11(b)のような構成でもよく、2つの出力端子は図2のrin_oddおよびrin_evenを伝達するための信号配線のそれぞれに接続されうる。このとき、モード設定端子がHi状態の場合は、rin_evenには「0」が出力される。即ち、検査モードにおいては、偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには、制御情報「0」を第2制御情報として格納されることが可能となる。また、rin_oddには、後述のカウンタ111の計測結果c_outが出力され、奇数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには、この情報が第2制御情報として格納されることが可能となる。
【0020】
増幅率設定部140は、モード設定端子mode_selの設定により通常モードと検査モードのいずれかを動作モードとして選択し、電荷保持部13kからの出力信号q_outを増幅するための増幅率を定める制御情報を設定する。増幅率設定部140は、例えば、図11(c)のような構成でもよい。これにより、通常モードにおいては、複数の記憶部20kのそれぞれから読み出された第1制御情報が選択され、検査モードにおいては、予め格納された固有の値の制御情報(本実施形態の場合は「3」)が選択される。その後、増幅部30は電荷保持部13kからの出力信号q_outを、増幅率設定部140によって設定される増幅率に従って、増幅して出力しうる。
【0021】
コントローラ150は、実行プログラムに従って、これらの機能ブロックのそれぞれと通信して動作の指示を出しうる。実行プログラムは、図2に示すようにコントローラ150に含まれるプログラムメモリ151に格納されてもよい。
【0022】
焦点検出装置2の、例えば図3に示すフローチャートに示す各動作は、実行プログラムがコントローラ150によって実行されることにより達成されうる。また、通常モードおよび検査モードのいずれの動作モードの場合も、このフローチャートに従った実行プログラムによって達成されうる。以下、通常モードの場合と検査モードの場合に分けて、それぞれ述べる。
【0023】
まず、通常モードの場合について述べる。ステップS100(以下、単に記号のみで示し、その後の各ステップについても同様とする)において本実行プログラムは開始される。S110では、タイマー152(例えば、コントローラ150に含まれる)の値timerを初期化する(timer=0)。
S120では、例えば図4(a)に示すフローチャート(S120〜S126)に従ったリセット処理がなされる。まず、コントローラ150からの指示により、光電変換部11kにおいて蓄積されていた電荷がリセットされ(S121)、この後、電荷の蓄積が開始される。また、通常モードのリセット処理では、複数の記憶部20kのそれぞれに格納される制御情報が初期化(例えば「3」(S123))され、全てのユニットの記憶部20kのそれぞれに格納される(S122、S124、S125、S126)。この初期値の制御情報「3」は、例えば本実施形態のように、コントローラ150からの指示により、カウンタ111(図11(a))の出力c_outから格納されてもよい。S130では、タイマー152によって経時的計測が開始(timerが時間とともに加算)されるが、プログラムの実行によりカウントされ、計測されるとしてもよい。
【0024】
S140では、ユニットkを指定するレジスタ(不図示)の値を初期化する(k=1)。S150では、コントローラ150は、timerが、予め設定されている電荷を蓄積させる時間の上限値(Etime)を超えているか否かを判断する。timer≧Etimeの場合は後述のS220に進む。timer<Etimeの場合は次のS160に進む。S160では、コントローラ150からの指示により、ユニットkについて、読出部12kの出力s_outと、記憶部20kに格納された制御情報に基づいて基準電位Vrefと、がそれぞれ比較部120に入力される。S170では、比較部120において、S160で設定されたs_outとVrefを比較する。このとき、比較部120の出力comp_out=Hi(s_out≧Vref)の場合は後述のS220に進む。comp_out=Low(s_out<Vref)の場合は次のS180に進む。S180では、コントローラ150は、timerが、予め設定されている中間判断の時間(Htime)を超えているか否かを判断する。timer≧Htimeの場合は次のS190に進む。timer<Htimeの場合は後述のS200に進む。S190では、コントローラ150により、ユニットkの光電変換部11kにおいて蓄積された電荷量にしたがった制御情報(第1制御情報)が設定されて、記憶部20kに格納される。この第1制御情報は、光電変換部11kにおいてどの程度の電荷量が蓄積されているか、コントローラ150からの指示に従って基準設定部110から出力される基準電位Vref、および比較部120の結果によって判断される。このS190の動作は、例えば図4(b)に示すフローチャートに従ったプログラムよって、達成されうる。
【0025】
ここで、S190の一連の動作を、図5(a)を用いて、より具体的に述べる。図5(a)は、第2実施形態の検査モードの場合における、横軸がtimer、縦軸が光電変換部11kにおいて蓄積された電荷量に応じた出力電位Vqのプロット図である。図5(a)中の鎖線90aは被写体が暗く電荷の蓄積が早い場合を示し、鎖線91aは被写体が十分に明るく電荷の蓄積が遅い場合を示す。
【0026】
鎖線90aの場合(被写体が暗く電荷の蓄積が遅い場合)は、timer≧HtimeとなったときにS190の動作がなされる。S191では、コントローラ150からの指示に従って、カウンタ111の出力c_outがリセットされる(c_out=0)。S192では、c_outの値にしたがった基準電位Vrefが設定される。このときの基準電位Vrefは、コントローラ150からの指示に従ってセレクタ160によってc_outが選択され、設定されている。例えば、c_out=2のときは、基準電位Vrefは「レベル2」に設定される。S193では、比較部120においてVqとVrefの比較がなされる。比較部120の出力comp_out=Low(Vq<Vref)の場合は後述のS196に進み、comp_out=Hi(Vq≧Vref)の場合はS194に進む。S194では、コントローラ150によって基準電位Vrefに「レベル3」が設定されているかどうか(c_out=3かどうか)が判定される。基準電位Vrefが「レベル3」の場合(c_out=3の場合)は後述のS196に進む。基準電位Vrefが「レベル3」でなかった場合(c_out≠3の場合)はS195に進む。S195では、コントローラ150からの指示に従って、基準電位Vrefを1つ上のレベルに設定(c_outの値に+1を加算)し、S193に戻る。同様の手順が、S193においてVq≧VrefとなってS196に進むまで、もしくはS194において基準電位Vrefが「レベル3」(c_out=3)となってS196に進むまで、繰り返される。S196では、S193またはS194において設定された基準電位Vrefに従って制御情報が設定される。即ち、このときのc_outの値が、コントローラ150からの指示に従って、第1制御情報として記憶部20kに格納される。したがって、、鎖線90aの場合(被写体が暗く電荷の蓄積が遅い場合)は、以上のS190〜S196により、c_out=1が第1制御情報として記憶部20kに格納される。
【0027】
一方で、鎖線91aの場合(被写体が十分に明るく電荷の蓄積が早い場合)は、timer<HtimeにおいてVqが「レベル3」の基準電位Vrefに到達し、S170の後はS220に進むため、S190の動作はなされない。これは、リセット処理(S120)によって、任意の記憶部20kに初期化された制御情報「3」が格納されているため、S160において、基準電位Vrefにはこの制御情報「3」にしたがった電位「レベル3」が設定されるからである。
【0028】
S200では、コントローラ150によって、全てのユニットkについてS220がなされたか否かが判断される。すべてのユニットkについてS220がなされている場合は、後述のS230へ進み、なされていない場合はS210に進む。S210では、次のユニットkを指定してS150の動作に戻る。具体的には、k<nの場合は、その次のユニットkを指定(kの値に+1を加算)する。k=nの場合は、k=1にリセットし、その次の時間を指定(例えば、timerの値に+1を加算)する。S220では、コントローラ150によって、ユニットkの光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作を終了させ、同時に、蓄積された電荷は画素信号q_outとして電荷保持部13kに一時的に保持される。S230では、全てのユニットkについてS220がなされた後にコントローラ150によってなされる動作であり、任意の電荷保持部13kから画素信号q_outが読み出される。S240では、増幅率設定部140により、記憶部20kに格納された第1制御情報が読み出され、増幅率が設定される。このとき、このS240に先立って、S190で設定された制御情報の正当性を確認するために、図4(b)に示すS190のステップにより再び制御情報を設定しなおすことも可能である(不図示)。S250では、S230において読み出された画素信号q_outは、S240において設定された増幅率に従って増幅されて出力される。S260で、以上の一連の動作が終了し、通常モードの機能が達成されうる。
【0029】
このようにして、本実施形態の焦点検出装置2は、通常モードにおいては、被写体の輝度レベルによって蓄積動作を制御しうる第1制御情報を出力し、この第1制御情報を複数の記憶部20kのそれぞれに格納する。
【0030】
次に、検査モードの場合について述べる。検査モードは、timer<HtimeにおいてVqが「レベル3」の基準電位Vrefに到達する程度に十分に明るい一様光が照射される条件下でなされる(図5(b))。また、検査モードは、通常モードと同一のフローチャート(図3、図4)によって達成されうる。S100〜S110は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0031】
S120では、検査モードにしたがったリセット処理(S120〜S126)がなされ、奇数番号のユニットの記憶部20kには制御情報「3」が、偶数番号のユニットの記憶部20kには制御情報「0」が、それぞれ格納される。これは、セレクタ160s(図11(b))において、モード設定端子mode_sel=Hiと設定することにより達成されうる。制御情報「3」は、前述のように、コントローラ150からの指示によりカウンタ111(図11(a))の出力c_outから出力されたものでもよい。また、制御情報「0」は、予め用意された固定の情報でもよい。S130〜S150は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0032】
S160では、ユニットkが奇数番号の場合と偶数番号の場合で、異なる基準電位Vrefが設定されうる。より具体的には、図5(b)を用いて述べる。図5(b)は、第2実施形態の検査モードの場合における、横軸がtimer、縦軸が光電変換部11kにおいて蓄積された電荷量に応じた出力電位Vqのプロット図である。検査モードにおいては、十分に明るい一様光が照射されるため、図5(b)中の鎖線91bに示すように電荷の蓄積が早い。したがって、timer<HtimeにおいてVqが「レベル3」もしくは「レベル0」の基準電位Vrefに到達するため、全てのユニットkについて、S170の後はS220に進む。ここで、リセット処理(S120)により、奇数番号と偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには、初期化された制御情報「3」と「0」がそれぞれ格納されている。したがって、S160において、奇数番号のユニットについては制御情報「3」にしたがった「レベル3」の基準電位Vrefが、偶数番号のユニットについては制御情報「0」にしたがった「レベル0」の基準電位Vrefが設定される。その結果、S170では、奇数番号のユニットについてはtimer=tend_oddにおいて、偶数番号のユニットについてはtimer=tend_evenにおいて、それぞれcomp_out=Hiが得られ、S220に進むことになる。S170〜S210は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0033】
S220では、奇数番号のユニットの電荷保持部13kにはtend_oddの時間だけ蓄積された電荷が、偶数番号のユニットの電荷保持部13kにはtend_evenの時間だけ蓄積された電荷が、画素信号q_outとして一時的に保持される。S230では、したがって、奇数番号のユニットの場合と偶数番号のユニットの場合とで、電荷保持部13kから読み出される画素信号q_outが異なる。S240では、増幅率設定部140は、記憶部20kのそれぞれに格納された第2制御情報に関わらず、ある固有の値の増幅率を定める情報(本実施形態の場合は「3」)を設定する。S250では、S230において読み出された画素信号q_outは、S240において設定された固有の値の増幅率に従って増幅されて出力される。したがって、複数のセンサ部10kのそれぞれに隣接するセンサ部10kとの機能不良がなかった場合は、増幅部30からはユニットk=1〜2mについて交互に異なる値が出力される。一方で、機能不良があった場合は、機能不良のあるユニットについては隣接するユニットのものと同じ値の出力が、増幅部30からなされることになる。
【0034】
このようにして、本実施形態の焦点検出装置2は、検査モードにおいては、奇数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれと、偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれと、に異なる情報を格納する。例えば、奇数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには第2制御情報として、蓄積する電荷量を高い基準に設定する情報を、偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには第2制御情報として、蓄積する電荷量を低く基準に設定する情報を格納すればよい。これら第2制御情報とは逆の情報を、奇数番号と偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれに格納してもよい。これにより、複数のセンサ部10kのそれぞれには、交互に異なる電荷量が蓄積され、したがって、センサ部10kのそれぞれの、隣接するセンサ部(10k−1や10k+1)との機能不良を検出することが可能となる。
【0035】
<第3実施形態>
図6は、本発明を適用した第3実施形態にかかる焦点検出装置3である。本実施形態は、複数の記憶部20kのそれぞれが、第1制御情報を格納する第1記憶領域21k、および第2制御情報を格納する第2記憶領域22kを含む点で、第2実施形態と異なる。第1記憶領域21kには、基準電位Vrefを設定するための制御情報が格納されうる。第2記憶領域22kには、光電変換部11kにおける電荷の蓄積時間を設定するための制御情報が格納されうる。また、これに伴って、制御部100の内部構成が変更されうる。即ち、比較器120bおよびセレクタ160bが追加され得、初期設定部130の代わりに初期設定部130bが採用されうる。その他、機能ブロック同士の結線が変更されうる。即ち、比較部120には、基準電位Vref、および読出部12kから読み出した信号s_outがそれぞれ入力され、これらを比較した結果はセレクタ160bに出力される。比較部120は、本実施形態においては、s_out≧VrefのときにHiを出力する設定としている。比較部120bには、timerの値、および第2記憶領域22kから読み出された制御情報rout2が入力され、これらを比較した結果はセレクタ160bに出力される。比較部120bは、本実施形態においては、timer≧rout2のときにHiを出力する設定としている。セレクタ160bには、比較部120の出力と比較部120bの出力がそれぞれ入力され、モード設定端子mode_selにより、これらのいずれか一方が選択的に出力される。
【0036】
初期設定部130bには、c_outの代わりにtimerが入力され、2つの出力端子は図6のrin2_oddおよびrin2_evenを格納するための信号配線のそれぞれに接続されうる。ここで、第1記憶領域21kのそれぞれは、入力をrin1、出力をrout1とし、第2記憶領域22kのそれぞれは、入力をrin2_oddおよびrin2_even、出力をrout2としている。初期設定部130bは、例えば、図11(d)のような構成でもよく、セレクタ160oとセレクタ160eを有し、モード設定端子mode_selの設定により通常モードと検査モードのいずれかを動作モードとして選択しうる。初期設定部130bは、コントローラ150からの指示に従って、第2記憶領域22kのそれぞれの入力rin2_oddおよびrin2_evenに制御情報を出力しうる。通常モードにおいては、複数の第2記憶領域22kのそれぞれには、時間に関する第1制御情報(timer)が格納されうる。一方、検査モードにおいては、予め定められた時間に関する第2制御情報(tq_odd、tq_even)が格納されうる。即ち、検査モードであるモード設定端子mode_sel=Hiの場合は、rin2_oddは「tq_odd」、rin2_evenは「tq_even」、となる。したがって、奇数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれには制御情報「tq_odd」が、偶数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれには、制御情報「tq_even」が、第2制御情報として格納されうる。また、本実施形態においてはtq_odd>tq_evenとするが、逆の場合も本発明の目的は達成されうる。
【0037】
焦点検出装置3の、例えば図7および図8に示すフローチャートにおける各動作は、実行プログラムがコントローラ150によって実行されることにより、達成されうる。また、このフローチャートにおける各動作は、各動作ブロックのそれぞれの仕様やこれらの結線を変更することによって、第2実施形態と同一の実行プログラムによって達成されることも可能である。このフローチャートにおける各動作を、以下、通常モードの場合と検査モードの場合に分けて、第2実施形態と異なる効果が得られるステップを述べる。
【0038】
まず、通常モードの場合について述べる。S400〜S423は、S100〜S123と同様の内容であるので説明を省く。S424では、第1記憶領域21kが初期化され、例えば「3」が格納される。これは第2実施形態と同様で、S423において、c_outに「3」がセットされる(c_out=3)としたからである。そして、第2記憶領域22kには「0」が格納される。これは、S410において、timerの値がリセットされた(timer=0)からである。S425〜S460は、S125〜S160と同様の内容であるので説明を省く。
【0039】
S470では、セレクタ160bの出力comp_outを判定する。ここで、通常モード(mode_sel=Low)では、セレクタ160bは比較部120の出力(Vrefとs_outの比較結果)を選択して出力している。comp_out=Hi(s_out≧Vref)の場合は後述のS520に進む。comp_out=Low(s_out<Vref)の場合は次のS480に進む。S480〜S510は、S180〜S210と同様の内容であるので説明を省く。
【0040】
S520では、コントローラ150によって、光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作が終了され、蓄積された電荷は画素信号q_outとして電荷保持部13kに一時的に保持される。このとき、これと同時に、通常モード(mode_sel=Low)においては、初期設定部130b(図11(d))に含まれるセレクタ160oとセレクタ160eから、それぞれtimerが出力される。即ち、この蓄積に要した時間に関する制御情報(timer)が第2記憶領域22kに格納される。S530〜S560は、S230〜S260と同様の内容であるので説明を省く。
【0041】
このようにして、本実施形態の焦点検出装置3は、通常モードにおいては、被写体の輝度レベルによって蓄積動作を制御する第1制御情報を出力し、この第1制御情報を複数の第1記憶領域21kのそれぞれに格納する。その後、複数のセンサ部10kのそれぞれに、対応する第1制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させる。また、この蓄積にかかった時間に関する制御情報は、複数の第2記憶領域22kのそれぞれに格納されて、さらに焦点検出がなされる場合に再利用されることも可能である。
【0042】
次に、検査モードの場合について述べる。検査モードは、通常モードと同一のフローチャート(図7、図8)によって達成されうる。第2実施形態の検査モードは、十分に明るい一様光が照射されるという前提であったが、本実施形態ではこの前提はない。S400〜S423は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。S424では、第1記憶領域21kが初期化(例えば「3」が格納)される他、奇数番号のユニットの第2記憶領域22kには「tq_odd」が、偶数番号のユニットの第2記憶領域22kには「tq_even」が、第2制御情報としてそれぞれ格納されうる。これは、検査モード(mode_sel=Hi)では、初期設定部130b(図11(d))に含まれるセレクタ160oとセレクタ160eから、それぞれ「tq_odd」「tq_even」が出力されるからである。S425〜S460は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0043】
S470では、セレクタ160bの出力comp_outを判定する。ここで、検査モード(mode_sel=Hi)では、セレクタ160bは比較部120bの出力(timerとrout2の比較結果)を選択して出力している。comp_out=Hi(timer≧rout2)の場合は後述のS520に進む。comp_out=Low(timer<rout2)の場合は次のS480に進む。S480〜S510は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0044】
S520では、コントローラ150によって、光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作が終了され、蓄積された電荷は画素信号として電荷保持部13kに一時的に保持される。より具体的には、図9を用いて述べる。図9は、第3実施形態の検査モードの場合における、横軸がtimer、縦軸が光電変換部11kにおいて蓄積された電荷量に応じた出力電位Vqのプロット図である。本実施形態の検査モードの場合は、第2制御情報にしたがった時間を基準にして、電荷の蓄積動作を制御しうる。即ち、奇数番号のユニットの光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作については、S470においてtimer≧rout2=tq_oddとなったときにcomp_out=Hiとなり、S520がなされる。一方で、偶数番号のユニットの光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作については、S470においてtimer≧rout2=tq_evenとなったときにcomp_out=Hiとなり、S520がなされる。S530〜S560は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0045】
このようにして、本実施形態の焦点検出装置3は、検査モードにおいては、奇数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれと、偶数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれと、に異なる第2制御情報を格納する。その後、複数のセンサ部10kのそれぞれに、対応する第2記憶領域22kに格納された第2制御情報にしたがった基準まで、電荷を蓄積させる。本実施形態においては、奇数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれには、電荷を蓄積する時間を長く設定する情報を、偶数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれには、電荷を蓄積する時間を短く設定する情報を、第2制御情報として格納した。これら第2制御情報とは逆の情報を、奇数番号と偶数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれに格納してもよい。これにより、複数のセンサ部10kのそれぞれには、交互に異なる電荷量が蓄積され、したがって、センサ部10kのそれぞれの、隣接するセンサ部(10k−1や10k+1)との機能不良の検出が可能となる。さらに、第2記憶領域22kについても同様にして機能不良の検出が可能となる。
【0046】
<第4実施形態>
以上の第2実施形態および第3実施形態においては、制御部100に設けられたモード設定端子mode_selを切り替えることによって通常モードと検査モードを選択した。しかし、以下に述べる第4実施形態のように、モード設定端子mode_selを切り替えずに、プログラムメモリ151に予め通常モードと検査モードの実行プログラムをそれぞれ格納して、いずれか一方を選択して読み出し、実行することも可能である。いずれの実行プログラムを選択するかは、例えば、外部インターフェースからの指示などによりなされうる。この場合は、モード設定端子mode_selの状態は固定してもよいし、モード設定端子mode_selを設けなくてもよい。
【0047】
例えば、通常モードにおいては第2実施形態のフローチャート(図3、図4)に従った実行プログラムを援用し、検査モードにおいてはこれと異なる実行プログラムを実行することが可能である。これにより、モード設定端子mode_selを使用せずに焦点検出装置2と同様の効果が達成されうる。図10は、第4実施形態の検査モードにおけるリセット処理(S120)の詳細フローチャートの一例である。S120〜S121は、第2実施形態と同様の内容であるので説明を省く。S122o〜S126oにおいて、奇数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれに格納される制御情報が初期化(例えば「3」(S123o))され、記憶部20kのそれぞれに格納される(S122o、S124o、S125o、S126o)。この初期値の制御情報「3」は、コントローラ150からの指示により、例えばカウンタ111(図11(a))の出力c_outから格納されてもよい。その後、S122e〜S126eにおいて、偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれに格納される制御情報が初期化(例えば「0」(S123e))され、記憶部20kのそれぞれに格納される(S122e、S124e、S125e、S126e)。この初期値の制御情報「0」は、コントローラ150からの指示により、例えばカウンタ111の出力c_outから格納されてもよい。その後、S130に戻る。S130以降は、第2実施形態と同様の内容であるので説明を省く。これにより、奇数番号と偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには、初期化された制御情報「3」と「0」がそれぞれ格納され、第2実施形態と同様の効果を達成することができる。
【0048】
以上の4つの実施形態を述べたが、本発明はこれらに限られるものではなく、目的、状態、用途、機能、およびその他の仕様の変更が適宜可能であり、他の実施形態によっても実施されうることは言うまでもない。また、センサ部は、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサとして構成され、その他の如何なるセンサでもよい。記憶部は、本実施形態においては、例えばSRAMのようなデジタルメモリであることを想定しているが、アナログメモリを用いてなされることも可能である。また、実行プログラムは、本実施形態においては、コントローラに含まれるプログラムメモリに格納されたものとしたが、マイコンやその他の周辺回路からの指示により周辺の記憶装置から読み出されてもよい。ここで、記憶装置は、例えば、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を含む。実行プログラムは、コントローラと共に、もしくはコントローラに代えて、コンピュータ上で稼動しているOS等が、その一部又は全部を行ってもよい。
【0049】
また、以上の実施形態は、カメラに含まれる焦点検出装置について述べたが、カメラの概念には、撮影を主目的とする装置のみならず、撮影機能を補助的に備える装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末)も含まれる。また、焦点検出処理を実行する演算部は、焦点検出装置に含まれてもよい。カメラは、上記の実施形態として例示された本発明に係る焦点検出装置と、固体撮像装置と、この固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部とを含みうる。この処理部は、例えば、A/D変換器、および、このA/D変換器から出力されるデジタルデータを処理するプロセッサを含みうる。焦点検出処理は、この処理部によってなされることも可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カメラの測距点のそれぞれに対応する焦点検出用の光電変換部を設け、この光電変換部のそれぞれの出力に基づいて制御情報を設定する技術が開示されている。この制御情報は、被写体の輝度レベルに応じて、電荷の蓄積動作や蓄積電荷に基づく信号の読出動作などを制御するための情報であり、通常使用の用途においては、測距点ごとに設定されうる。これにより、精度の高い焦点検出を達成しうる半導体装置が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−150686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
焦点検出用の光電変換部の微細化は、光電変換部の電荷蓄積の特性ばらつきをもたらしうる。また、制御系の複雑化および高度化は、光電変換部を含むセンサ部のそれぞれやこれらを制御する信号線のショート不良が生じさせうる。したがって、これらの機能不良の検出試験の効率化が求められる。特許文献1に記載の半導体装置は、これら機能不良の検査の効率化については考慮されていない。
【0005】
本発明の目的は、半導体装置の機能不良の検査を効率化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの側面は半導体装置にかかり、前記半導体装置は、複数のセンサ部と、前記複数のセンサ部のそれぞれに対応する複数の記憶部とを有し、通常モードにおいては、前記複数のセンサ部の出力に基づいて複数の第1制御情報を設定し前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第1制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、検査モードにおいては、予め定められた検査用の複数の第2制御情報を前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第2制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、前記複数のセンサ部にそれぞれ蓄積された電荷量に基づいて、前記複数のセンサ部を検査する制御部を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、半導体装置の機能不良の検査を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態の構成を説明する図。
【図2】本発明の第2実施形態の構成を説明する図。
【図3】第2実施形態のメイン・フローチャート。
【図4】第2実施形態のサブ・フローチャート。
【図5】第2実施形態の蓄積される電荷量を説明するプロット図。
【図6】本発明の第3実施形態の構成を説明する図。
【図7】第3実施形態のメイン・フローチャート。
【図8】第3実施形態のサブ・フローチャート。
【図9】第3実施形態の蓄積される電荷量を説明するプロット図。
【図10】第4実施形態のサブ・フローチャート。
【図11】各機能ブロックの内部構成の例。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
まず、図1(a)を参照しながら、本発明の第1実施形態の半導体装置1aを説明する。半導体装置1aは、各測距点に対応する複数のユニットk(k=1〜n)、およびこれらを制御する制御部100を有する。複数のユニットkのそれぞれは、複数のセンサ部10k、複数のセンサ部10kのそれぞれに対応する複数の記憶部20kを含む。センサ部10kと記憶部20kは、それぞれユニットkに互いに対応するように図示したが、これらは必ずしも近傍に配置される必要はなく、チップレイアウトの都合に合わせて配置を変更してもよい。また、センサ部10kのそれぞれは、後述の各機能に応じて、フォトダイオード等の受光素子を含む焦点検出用の光電変換部、当該光電変換部の出力信号を読み出す読出部12k、および当該光電変換部の電荷を保持する電荷保持部を含んでもよい。
【0010】
半導体装置1aは、動作モードとして、通常モードと検査モードを含む。通常モードにおいては、制御部100は、複数のセンサ部10kのそれぞれの出力に基づいて、それに対応する第1制御情報を設定し、この第1制御情報を複数の記憶部20kにそれぞれ格納する。その後、制御部100は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された第1制御情報にしたがった基準まで、対応するセンサ部10kのそれぞれに電荷を蓄積させるという動作を行う。これにより、通常モードにおいては、例えば、外部からの入力情報を検知したセンサ部10kからの出力に応じて、その後のセンサ部10kにおける電荷の蓄積動作を制御することが可能となる。
【0011】
一方、検査モードにおいては、制御部100は、予め定められた検査用の複数の第2制御情報を複数の記憶部20kにそれぞれ格納する。その後、制御部100は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された第2制御情報にしたがった基準まで、対応するセンサ部10kのそれぞれに電荷を蓄積させ、複数のセンサ部10kにそれぞれ蓄積された電荷量を検査する。即ち、検査モードにおいては、複数のセンサ部10kのそれぞれにおいて予め定められた電荷の蓄積動作がなされる。これにより、蓄積された電荷量に基づいてセンサ部10kのそれぞれから出力される信号が、期待する値と異なった場合は、センサ部10kのそれぞれ、またはそれらの制御信号において機能不良があることを意味する。
【0012】
図1(a)に示す半導体装置1aは、例えば、カメラに含まれる焦点検出装置に適用することができる。よく使われる方式として、焦点検出装置は、焦点検出をする際に、被写体の輝度レベルに応じて蓄積時間を制御しうる。本実施形態の場合、通常モードにおいては、まず、被写体の輝度レベルによって蓄積動作を制御する第1制御情報が設定されうる。そして、その後の焦点を検出する工程において、制御部100は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された第1制御情報にしたがった基準まで、対応するセンサ部10kのそれぞれに電荷を蓄積させる。そして、この蓄積された電荷量に従って出力された信号に基づいて、演算処理を行う演算部(例えば、デフォーカス量検出部(不図示))が所定の演算処理を行う。その後、この演算結果は、焦点を合わせる合焦部(例えば、レンズ駆動部(不図示))にフィードバックされ、その結果、レンズの焦点を合わせることができる。一方、検査モードにおいては、予め定められた第2制御情報を複数の記憶部20kのそれぞれに格納する。これにより、複数のセンサ部10kのそれぞれにおいて、第2制御情報により予め定められた基準まで電荷量が蓄積される。そのため、センサ部10kのそれぞれからは、機能不良がなければ期待した出力値を示し、機能不良があれば期待しない出力値を示すことになる。したがって、複数のセンサ部10kから出力される信号のそれぞれを区別することができ、例えば、一様の照射光のもとにおいても機能不良を検出することが可能となる。
【0013】
また、図1(b)には、半導体装置1aの変形例である半導体装置1bを示されている。半導体装置1bは増幅部30をさらに含み、この増幅部30は、センサ部10kから出力される信号を設定された増幅率に従って増幅して出力しうる。例えば、通常モードにおいては、制御部100は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された第1制御情報に基づいて増幅率を設定することも可能である。これにより、前述の電荷の蓄積動作を制御する効果と併せて、さらに高精度の焦点検出を行うことが可能である。より具体的には、輝度レベルが高い場合は、蓄積される電荷量を少なくし、小さい増幅率を選択することにより、装置で処理可能な画素信号のダイナミックレンジを超えてしまうことを回避しうる。輝度レベルが低い場合は、蓄積時間を長くすることで十分量の電荷量を確保して相対的なノイズ影響を抑制し、大きい増幅率を選択することが可能である。
【0014】
一方、検査モードにおいては、制御部100は予め定められた増幅率を設定しうる。例えば、制御部100は増幅率を固有の値とすることも可能である。このとき、増幅部30は、この固有の値の増幅率に従って、センサ部10kから出力される信号を増幅して出力しうる。ここで、センサ部10kから出力される信号は、予め定められた第2制御情報にしたがった基準まで蓄積された電荷量により決まる。そのため、機能不良がなければ半導体装置1bは期待した値を出力し、機能不良があれば同じ値が出力されることになる。したがって、この場合も、一様の照射光のもとにおいて機能不良を検出することが可能となる。
【0015】
<第2実施形態>
図2〜図5を用いて、本発明の第2実施形態を説明する。図2は、第2実施形態にかかる焦点検出装置2である。焦点検出装置2は、複数のセンサ部10、複数のセンサ部10のそれぞれに対応する複数の記憶部20、センサ部10から出力される信号を設定された増幅率に従って増幅して出力する増幅部30、およびこれらを制御する制御部100を含む。また、複数のセンサ部10のそれぞれは、電荷の蓄積を行って蓄積された電荷量に応じた信号を出力する光電変換部11、光電変換部11の出力信号を読み出す読出部12、および光電変換部11に蓄積された電荷を保持する電荷保持部13を含む。また、制御部100は、読出部12からの出力信号と比較するための基準電位Vrefを出力する基準設定部110、基準電位Vrefと読出部12からの出力信号を比較する比較部120を含む。さらに、制御部100は、初期設定部130、増幅率設定部140、および通常モードと検査モードのいずれかを動作モードとして選択するモード設定端子mode_selを含み、これにより、初期設定部130と増幅率設定部140の動作を切り替えうる。例えば本実施形態のように、mode_sel=Lowとすることで通常モード、mode_sel=Hiとすることで検査モード、とすることができる。そして、制御部100は、これらの装置のそれぞれと情報を通信して各動作の指示をするコントローラ150を含む。また、センサ部10と記憶部20は、ユニットk(k=1、2、…、2m−1、2m)ごとに互いに対応するように図示した。しかし、第1実施形態と同様に、これらは必ずしも近傍に配置される必要はなく、チップレイアウトの都合に合わせて配置を変更してもよい。ここで、ユニットの最後のものをユニットnとして、n=2m(偶数)であるとする。
【0016】
光電変換部11kは、位相差検出方式のため1対のセンサアレイからなり、例えば、約30〜80画素で、2つの像を形成しうる。読出部12kは、光電変換部11kにおいて蓄積した電荷量を検知し、例えば、光電変換部11kの複数の画素からの出力のうちピークのものを出力しうる。また、例えば、ピークと共にボトムをも検知し、これらの差分より得られたピーク‐ボトム信号を用いてもよい。この出力結果は、コントローラ150からの指示に従って、比較部120に信号s_outが出力されうる。電荷保持部13kは、光電変換部11kにおいて蓄積された電荷を、画素信号q_outとして一時的に保持しうる。この画素信号q_outは、コントローラ150からの指示に従って、増幅部30に出力されうる。
【0017】
記憶部20kは、コントローラ150からの指示に従って、光電変換部11kにおける電荷の蓄積に関する制御情報(第1制御情報または第2制御情報)を格納しうる。この制御情報は、例えば本実施形態のように、2ビットの情報(「0」〜「3」)でもよい。また、この制御情報は、コントローラ150からの指示に従って、基準設定部110および増幅率設定部140に出力されうる。本実施形態においては、記憶部20kのそれぞれは、奇数番号のユニットもしくは偶数番号のユニットのいずれのセンサ部10kに対応するかによって、制御情報を格納するために接続された信号配線はrin_oddとrin_evenとで別にする。ここで、奇数番号のユニットの記憶部20kは、入力をrin_odd、出力をroutとし、偶数番号のユニットの記憶部20kは、入力をrin_odd、出力をroutとしている。
【0018】
基準設定部110は、例えば図11(a)のような構成でもよく、カウンタ111、セレクタ160、デコーダ112、複数の抵抗体113、およびアンプ114を含みうる。カウンタ111は、基準電位Vrefと読出部12kからの出力信号を比較する際に使用されうる。セレクタ160は、カウンタ111の計測結果c_outと記憶部20kからの制御情報のいずれか一方を選択しうる。デコーダ112は、セレクタ160からの出力に基づいて基準電位Vrefを選択する制御信号を生成しうる。アンプ114は、これらの制御信号および複数の抵抗体113により生成された基準電位Vrefを出力しうる。基準設定部110は、複数の記憶部20kのそれぞれに格納された制御情報を、コントローラ150からの指示に従って選択的に読み出し、読出部12kからの出力信号を比較するための基準電位Vrefを生成して比較部120に出力しうる。また、基準設定部110は、カウンタ111の計測結果c_outを出力しうる。計測結果c_outは、コントローラ150からの指示に従って初期設定部130に入力されうる。比較部120は、基準電位Vrefと、読出部12kから読み出した信号s_outとを比較し、その比較結果comp_outをコントローラ150に出力しうる。本実施例においては、s_out≧Vrefのときにcomp_out=Hiとなるように設定している。
【0019】
初期設定部130は、モード設定端子mode_selの設定により通常モードと検査モードのいずれかを動作モードとして選択しうる。これにより、通常モードにおいては、記憶部20kのそれぞれには、光電変換部11kにおける電荷の蓄積に関する第1制御情報(後述のカウンタ111の計測結果c_out)が格納されうる。一方、検査モードにおいては、予め定められた第2制御情報が格納されうる。初期設定部130は、例えば、図11(b)のような構成でもよく、2つの出力端子は図2のrin_oddおよびrin_evenを伝達するための信号配線のそれぞれに接続されうる。このとき、モード設定端子がHi状態の場合は、rin_evenには「0」が出力される。即ち、検査モードにおいては、偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには、制御情報「0」を第2制御情報として格納されることが可能となる。また、rin_oddには、後述のカウンタ111の計測結果c_outが出力され、奇数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには、この情報が第2制御情報として格納されることが可能となる。
【0020】
増幅率設定部140は、モード設定端子mode_selの設定により通常モードと検査モードのいずれかを動作モードとして選択し、電荷保持部13kからの出力信号q_outを増幅するための増幅率を定める制御情報を設定する。増幅率設定部140は、例えば、図11(c)のような構成でもよい。これにより、通常モードにおいては、複数の記憶部20kのそれぞれから読み出された第1制御情報が選択され、検査モードにおいては、予め格納された固有の値の制御情報(本実施形態の場合は「3」)が選択される。その後、増幅部30は電荷保持部13kからの出力信号q_outを、増幅率設定部140によって設定される増幅率に従って、増幅して出力しうる。
【0021】
コントローラ150は、実行プログラムに従って、これらの機能ブロックのそれぞれと通信して動作の指示を出しうる。実行プログラムは、図2に示すようにコントローラ150に含まれるプログラムメモリ151に格納されてもよい。
【0022】
焦点検出装置2の、例えば図3に示すフローチャートに示す各動作は、実行プログラムがコントローラ150によって実行されることにより達成されうる。また、通常モードおよび検査モードのいずれの動作モードの場合も、このフローチャートに従った実行プログラムによって達成されうる。以下、通常モードの場合と検査モードの場合に分けて、それぞれ述べる。
【0023】
まず、通常モードの場合について述べる。ステップS100(以下、単に記号のみで示し、その後の各ステップについても同様とする)において本実行プログラムは開始される。S110では、タイマー152(例えば、コントローラ150に含まれる)の値timerを初期化する(timer=0)。
S120では、例えば図4(a)に示すフローチャート(S120〜S126)に従ったリセット処理がなされる。まず、コントローラ150からの指示により、光電変換部11kにおいて蓄積されていた電荷がリセットされ(S121)、この後、電荷の蓄積が開始される。また、通常モードのリセット処理では、複数の記憶部20kのそれぞれに格納される制御情報が初期化(例えば「3」(S123))され、全てのユニットの記憶部20kのそれぞれに格納される(S122、S124、S125、S126)。この初期値の制御情報「3」は、例えば本実施形態のように、コントローラ150からの指示により、カウンタ111(図11(a))の出力c_outから格納されてもよい。S130では、タイマー152によって経時的計測が開始(timerが時間とともに加算)されるが、プログラムの実行によりカウントされ、計測されるとしてもよい。
【0024】
S140では、ユニットkを指定するレジスタ(不図示)の値を初期化する(k=1)。S150では、コントローラ150は、timerが、予め設定されている電荷を蓄積させる時間の上限値(Etime)を超えているか否かを判断する。timer≧Etimeの場合は後述のS220に進む。timer<Etimeの場合は次のS160に進む。S160では、コントローラ150からの指示により、ユニットkについて、読出部12kの出力s_outと、記憶部20kに格納された制御情報に基づいて基準電位Vrefと、がそれぞれ比較部120に入力される。S170では、比較部120において、S160で設定されたs_outとVrefを比較する。このとき、比較部120の出力comp_out=Hi(s_out≧Vref)の場合は後述のS220に進む。comp_out=Low(s_out<Vref)の場合は次のS180に進む。S180では、コントローラ150は、timerが、予め設定されている中間判断の時間(Htime)を超えているか否かを判断する。timer≧Htimeの場合は次のS190に進む。timer<Htimeの場合は後述のS200に進む。S190では、コントローラ150により、ユニットkの光電変換部11kにおいて蓄積された電荷量にしたがった制御情報(第1制御情報)が設定されて、記憶部20kに格納される。この第1制御情報は、光電変換部11kにおいてどの程度の電荷量が蓄積されているか、コントローラ150からの指示に従って基準設定部110から出力される基準電位Vref、および比較部120の結果によって判断される。このS190の動作は、例えば図4(b)に示すフローチャートに従ったプログラムよって、達成されうる。
【0025】
ここで、S190の一連の動作を、図5(a)を用いて、より具体的に述べる。図5(a)は、第2実施形態の検査モードの場合における、横軸がtimer、縦軸が光電変換部11kにおいて蓄積された電荷量に応じた出力電位Vqのプロット図である。図5(a)中の鎖線90aは被写体が暗く電荷の蓄積が早い場合を示し、鎖線91aは被写体が十分に明るく電荷の蓄積が遅い場合を示す。
【0026】
鎖線90aの場合(被写体が暗く電荷の蓄積が遅い場合)は、timer≧HtimeとなったときにS190の動作がなされる。S191では、コントローラ150からの指示に従って、カウンタ111の出力c_outがリセットされる(c_out=0)。S192では、c_outの値にしたがった基準電位Vrefが設定される。このときの基準電位Vrefは、コントローラ150からの指示に従ってセレクタ160によってc_outが選択され、設定されている。例えば、c_out=2のときは、基準電位Vrefは「レベル2」に設定される。S193では、比較部120においてVqとVrefの比較がなされる。比較部120の出力comp_out=Low(Vq<Vref)の場合は後述のS196に進み、comp_out=Hi(Vq≧Vref)の場合はS194に進む。S194では、コントローラ150によって基準電位Vrefに「レベル3」が設定されているかどうか(c_out=3かどうか)が判定される。基準電位Vrefが「レベル3」の場合(c_out=3の場合)は後述のS196に進む。基準電位Vrefが「レベル3」でなかった場合(c_out≠3の場合)はS195に進む。S195では、コントローラ150からの指示に従って、基準電位Vrefを1つ上のレベルに設定(c_outの値に+1を加算)し、S193に戻る。同様の手順が、S193においてVq≧VrefとなってS196に進むまで、もしくはS194において基準電位Vrefが「レベル3」(c_out=3)となってS196に進むまで、繰り返される。S196では、S193またはS194において設定された基準電位Vrefに従って制御情報が設定される。即ち、このときのc_outの値が、コントローラ150からの指示に従って、第1制御情報として記憶部20kに格納される。したがって、、鎖線90aの場合(被写体が暗く電荷の蓄積が遅い場合)は、以上のS190〜S196により、c_out=1が第1制御情報として記憶部20kに格納される。
【0027】
一方で、鎖線91aの場合(被写体が十分に明るく電荷の蓄積が早い場合)は、timer<HtimeにおいてVqが「レベル3」の基準電位Vrefに到達し、S170の後はS220に進むため、S190の動作はなされない。これは、リセット処理(S120)によって、任意の記憶部20kに初期化された制御情報「3」が格納されているため、S160において、基準電位Vrefにはこの制御情報「3」にしたがった電位「レベル3」が設定されるからである。
【0028】
S200では、コントローラ150によって、全てのユニットkについてS220がなされたか否かが判断される。すべてのユニットkについてS220がなされている場合は、後述のS230へ進み、なされていない場合はS210に進む。S210では、次のユニットkを指定してS150の動作に戻る。具体的には、k<nの場合は、その次のユニットkを指定(kの値に+1を加算)する。k=nの場合は、k=1にリセットし、その次の時間を指定(例えば、timerの値に+1を加算)する。S220では、コントローラ150によって、ユニットkの光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作を終了させ、同時に、蓄積された電荷は画素信号q_outとして電荷保持部13kに一時的に保持される。S230では、全てのユニットkについてS220がなされた後にコントローラ150によってなされる動作であり、任意の電荷保持部13kから画素信号q_outが読み出される。S240では、増幅率設定部140により、記憶部20kに格納された第1制御情報が読み出され、増幅率が設定される。このとき、このS240に先立って、S190で設定された制御情報の正当性を確認するために、図4(b)に示すS190のステップにより再び制御情報を設定しなおすことも可能である(不図示)。S250では、S230において読み出された画素信号q_outは、S240において設定された増幅率に従って増幅されて出力される。S260で、以上の一連の動作が終了し、通常モードの機能が達成されうる。
【0029】
このようにして、本実施形態の焦点検出装置2は、通常モードにおいては、被写体の輝度レベルによって蓄積動作を制御しうる第1制御情報を出力し、この第1制御情報を複数の記憶部20kのそれぞれに格納する。
【0030】
次に、検査モードの場合について述べる。検査モードは、timer<HtimeにおいてVqが「レベル3」の基準電位Vrefに到達する程度に十分に明るい一様光が照射される条件下でなされる(図5(b))。また、検査モードは、通常モードと同一のフローチャート(図3、図4)によって達成されうる。S100〜S110は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0031】
S120では、検査モードにしたがったリセット処理(S120〜S126)がなされ、奇数番号のユニットの記憶部20kには制御情報「3」が、偶数番号のユニットの記憶部20kには制御情報「0」が、それぞれ格納される。これは、セレクタ160s(図11(b))において、モード設定端子mode_sel=Hiと設定することにより達成されうる。制御情報「3」は、前述のように、コントローラ150からの指示によりカウンタ111(図11(a))の出力c_outから出力されたものでもよい。また、制御情報「0」は、予め用意された固定の情報でもよい。S130〜S150は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0032】
S160では、ユニットkが奇数番号の場合と偶数番号の場合で、異なる基準電位Vrefが設定されうる。より具体的には、図5(b)を用いて述べる。図5(b)は、第2実施形態の検査モードの場合における、横軸がtimer、縦軸が光電変換部11kにおいて蓄積された電荷量に応じた出力電位Vqのプロット図である。検査モードにおいては、十分に明るい一様光が照射されるため、図5(b)中の鎖線91bに示すように電荷の蓄積が早い。したがって、timer<HtimeにおいてVqが「レベル3」もしくは「レベル0」の基準電位Vrefに到達するため、全てのユニットkについて、S170の後はS220に進む。ここで、リセット処理(S120)により、奇数番号と偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには、初期化された制御情報「3」と「0」がそれぞれ格納されている。したがって、S160において、奇数番号のユニットについては制御情報「3」にしたがった「レベル3」の基準電位Vrefが、偶数番号のユニットについては制御情報「0」にしたがった「レベル0」の基準電位Vrefが設定される。その結果、S170では、奇数番号のユニットについてはtimer=tend_oddにおいて、偶数番号のユニットについてはtimer=tend_evenにおいて、それぞれcomp_out=Hiが得られ、S220に進むことになる。S170〜S210は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0033】
S220では、奇数番号のユニットの電荷保持部13kにはtend_oddの時間だけ蓄積された電荷が、偶数番号のユニットの電荷保持部13kにはtend_evenの時間だけ蓄積された電荷が、画素信号q_outとして一時的に保持される。S230では、したがって、奇数番号のユニットの場合と偶数番号のユニットの場合とで、電荷保持部13kから読み出される画素信号q_outが異なる。S240では、増幅率設定部140は、記憶部20kのそれぞれに格納された第2制御情報に関わらず、ある固有の値の増幅率を定める情報(本実施形態の場合は「3」)を設定する。S250では、S230において読み出された画素信号q_outは、S240において設定された固有の値の増幅率に従って増幅されて出力される。したがって、複数のセンサ部10kのそれぞれに隣接するセンサ部10kとの機能不良がなかった場合は、増幅部30からはユニットk=1〜2mについて交互に異なる値が出力される。一方で、機能不良があった場合は、機能不良のあるユニットについては隣接するユニットのものと同じ値の出力が、増幅部30からなされることになる。
【0034】
このようにして、本実施形態の焦点検出装置2は、検査モードにおいては、奇数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれと、偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれと、に異なる情報を格納する。例えば、奇数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには第2制御情報として、蓄積する電荷量を高い基準に設定する情報を、偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには第2制御情報として、蓄積する電荷量を低く基準に設定する情報を格納すればよい。これら第2制御情報とは逆の情報を、奇数番号と偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれに格納してもよい。これにより、複数のセンサ部10kのそれぞれには、交互に異なる電荷量が蓄積され、したがって、センサ部10kのそれぞれの、隣接するセンサ部(10k−1や10k+1)との機能不良を検出することが可能となる。
【0035】
<第3実施形態>
図6は、本発明を適用した第3実施形態にかかる焦点検出装置3である。本実施形態は、複数の記憶部20kのそれぞれが、第1制御情報を格納する第1記憶領域21k、および第2制御情報を格納する第2記憶領域22kを含む点で、第2実施形態と異なる。第1記憶領域21kには、基準電位Vrefを設定するための制御情報が格納されうる。第2記憶領域22kには、光電変換部11kにおける電荷の蓄積時間を設定するための制御情報が格納されうる。また、これに伴って、制御部100の内部構成が変更されうる。即ち、比較器120bおよびセレクタ160bが追加され得、初期設定部130の代わりに初期設定部130bが採用されうる。その他、機能ブロック同士の結線が変更されうる。即ち、比較部120には、基準電位Vref、および読出部12kから読み出した信号s_outがそれぞれ入力され、これらを比較した結果はセレクタ160bに出力される。比較部120は、本実施形態においては、s_out≧VrefのときにHiを出力する設定としている。比較部120bには、timerの値、および第2記憶領域22kから読み出された制御情報rout2が入力され、これらを比較した結果はセレクタ160bに出力される。比較部120bは、本実施形態においては、timer≧rout2のときにHiを出力する設定としている。セレクタ160bには、比較部120の出力と比較部120bの出力がそれぞれ入力され、モード設定端子mode_selにより、これらのいずれか一方が選択的に出力される。
【0036】
初期設定部130bには、c_outの代わりにtimerが入力され、2つの出力端子は図6のrin2_oddおよびrin2_evenを格納するための信号配線のそれぞれに接続されうる。ここで、第1記憶領域21kのそれぞれは、入力をrin1、出力をrout1とし、第2記憶領域22kのそれぞれは、入力をrin2_oddおよびrin2_even、出力をrout2としている。初期設定部130bは、例えば、図11(d)のような構成でもよく、セレクタ160oとセレクタ160eを有し、モード設定端子mode_selの設定により通常モードと検査モードのいずれかを動作モードとして選択しうる。初期設定部130bは、コントローラ150からの指示に従って、第2記憶領域22kのそれぞれの入力rin2_oddおよびrin2_evenに制御情報を出力しうる。通常モードにおいては、複数の第2記憶領域22kのそれぞれには、時間に関する第1制御情報(timer)が格納されうる。一方、検査モードにおいては、予め定められた時間に関する第2制御情報(tq_odd、tq_even)が格納されうる。即ち、検査モードであるモード設定端子mode_sel=Hiの場合は、rin2_oddは「tq_odd」、rin2_evenは「tq_even」、となる。したがって、奇数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれには制御情報「tq_odd」が、偶数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれには、制御情報「tq_even」が、第2制御情報として格納されうる。また、本実施形態においてはtq_odd>tq_evenとするが、逆の場合も本発明の目的は達成されうる。
【0037】
焦点検出装置3の、例えば図7および図8に示すフローチャートにおける各動作は、実行プログラムがコントローラ150によって実行されることにより、達成されうる。また、このフローチャートにおける各動作は、各動作ブロックのそれぞれの仕様やこれらの結線を変更することによって、第2実施形態と同一の実行プログラムによって達成されることも可能である。このフローチャートにおける各動作を、以下、通常モードの場合と検査モードの場合に分けて、第2実施形態と異なる効果が得られるステップを述べる。
【0038】
まず、通常モードの場合について述べる。S400〜S423は、S100〜S123と同様の内容であるので説明を省く。S424では、第1記憶領域21kが初期化され、例えば「3」が格納される。これは第2実施形態と同様で、S423において、c_outに「3」がセットされる(c_out=3)としたからである。そして、第2記憶領域22kには「0」が格納される。これは、S410において、timerの値がリセットされた(timer=0)からである。S425〜S460は、S125〜S160と同様の内容であるので説明を省く。
【0039】
S470では、セレクタ160bの出力comp_outを判定する。ここで、通常モード(mode_sel=Low)では、セレクタ160bは比較部120の出力(Vrefとs_outの比較結果)を選択して出力している。comp_out=Hi(s_out≧Vref)の場合は後述のS520に進む。comp_out=Low(s_out<Vref)の場合は次のS480に進む。S480〜S510は、S180〜S210と同様の内容であるので説明を省く。
【0040】
S520では、コントローラ150によって、光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作が終了され、蓄積された電荷は画素信号q_outとして電荷保持部13kに一時的に保持される。このとき、これと同時に、通常モード(mode_sel=Low)においては、初期設定部130b(図11(d))に含まれるセレクタ160oとセレクタ160eから、それぞれtimerが出力される。即ち、この蓄積に要した時間に関する制御情報(timer)が第2記憶領域22kに格納される。S530〜S560は、S230〜S260と同様の内容であるので説明を省く。
【0041】
このようにして、本実施形態の焦点検出装置3は、通常モードにおいては、被写体の輝度レベルによって蓄積動作を制御する第1制御情報を出力し、この第1制御情報を複数の第1記憶領域21kのそれぞれに格納する。その後、複数のセンサ部10kのそれぞれに、対応する第1制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させる。また、この蓄積にかかった時間に関する制御情報は、複数の第2記憶領域22kのそれぞれに格納されて、さらに焦点検出がなされる場合に再利用されることも可能である。
【0042】
次に、検査モードの場合について述べる。検査モードは、通常モードと同一のフローチャート(図7、図8)によって達成されうる。第2実施形態の検査モードは、十分に明るい一様光が照射されるという前提であったが、本実施形態ではこの前提はない。S400〜S423は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。S424では、第1記憶領域21kが初期化(例えば「3」が格納)される他、奇数番号のユニットの第2記憶領域22kには「tq_odd」が、偶数番号のユニットの第2記憶領域22kには「tq_even」が、第2制御情報としてそれぞれ格納されうる。これは、検査モード(mode_sel=Hi)では、初期設定部130b(図11(d))に含まれるセレクタ160oとセレクタ160eから、それぞれ「tq_odd」「tq_even」が出力されるからである。S425〜S460は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0043】
S470では、セレクタ160bの出力comp_outを判定する。ここで、検査モード(mode_sel=Hi)では、セレクタ160bは比較部120bの出力(timerとrout2の比較結果)を選択して出力している。comp_out=Hi(timer≧rout2)の場合は後述のS520に進む。comp_out=Low(timer<rout2)の場合は次のS480に進む。S480〜S510は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0044】
S520では、コントローラ150によって、光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作が終了され、蓄積された電荷は画素信号として電荷保持部13kに一時的に保持される。より具体的には、図9を用いて述べる。図9は、第3実施形態の検査モードの場合における、横軸がtimer、縦軸が光電変換部11kにおいて蓄積された電荷量に応じた出力電位Vqのプロット図である。本実施形態の検査モードの場合は、第2制御情報にしたがった時間を基準にして、電荷の蓄積動作を制御しうる。即ち、奇数番号のユニットの光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作については、S470においてtimer≧rout2=tq_oddとなったときにcomp_out=Hiとなり、S520がなされる。一方で、偶数番号のユニットの光電変換部11kにおける電荷の蓄積動作については、S470においてtimer≧rout2=tq_evenとなったときにcomp_out=Hiとなり、S520がなされる。S530〜S560は、通常モードと同様の内容であるので説明を省く。
【0045】
このようにして、本実施形態の焦点検出装置3は、検査モードにおいては、奇数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれと、偶数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれと、に異なる第2制御情報を格納する。その後、複数のセンサ部10kのそれぞれに、対応する第2記憶領域22kに格納された第2制御情報にしたがった基準まで、電荷を蓄積させる。本実施形態においては、奇数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれには、電荷を蓄積する時間を長く設定する情報を、偶数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれには、電荷を蓄積する時間を短く設定する情報を、第2制御情報として格納した。これら第2制御情報とは逆の情報を、奇数番号と偶数番号のユニットの第2記憶領域22kのそれぞれに格納してもよい。これにより、複数のセンサ部10kのそれぞれには、交互に異なる電荷量が蓄積され、したがって、センサ部10kのそれぞれの、隣接するセンサ部(10k−1や10k+1)との機能不良の検出が可能となる。さらに、第2記憶領域22kについても同様にして機能不良の検出が可能となる。
【0046】
<第4実施形態>
以上の第2実施形態および第3実施形態においては、制御部100に設けられたモード設定端子mode_selを切り替えることによって通常モードと検査モードを選択した。しかし、以下に述べる第4実施形態のように、モード設定端子mode_selを切り替えずに、プログラムメモリ151に予め通常モードと検査モードの実行プログラムをそれぞれ格納して、いずれか一方を選択して読み出し、実行することも可能である。いずれの実行プログラムを選択するかは、例えば、外部インターフェースからの指示などによりなされうる。この場合は、モード設定端子mode_selの状態は固定してもよいし、モード設定端子mode_selを設けなくてもよい。
【0047】
例えば、通常モードにおいては第2実施形態のフローチャート(図3、図4)に従った実行プログラムを援用し、検査モードにおいてはこれと異なる実行プログラムを実行することが可能である。これにより、モード設定端子mode_selを使用せずに焦点検出装置2と同様の効果が達成されうる。図10は、第4実施形態の検査モードにおけるリセット処理(S120)の詳細フローチャートの一例である。S120〜S121は、第2実施形態と同様の内容であるので説明を省く。S122o〜S126oにおいて、奇数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれに格納される制御情報が初期化(例えば「3」(S123o))され、記憶部20kのそれぞれに格納される(S122o、S124o、S125o、S126o)。この初期値の制御情報「3」は、コントローラ150からの指示により、例えばカウンタ111(図11(a))の出力c_outから格納されてもよい。その後、S122e〜S126eにおいて、偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれに格納される制御情報が初期化(例えば「0」(S123e))され、記憶部20kのそれぞれに格納される(S122e、S124e、S125e、S126e)。この初期値の制御情報「0」は、コントローラ150からの指示により、例えばカウンタ111の出力c_outから格納されてもよい。その後、S130に戻る。S130以降は、第2実施形態と同様の内容であるので説明を省く。これにより、奇数番号と偶数番号のユニットの記憶部20kのそれぞれには、初期化された制御情報「3」と「0」がそれぞれ格納され、第2実施形態と同様の効果を達成することができる。
【0048】
以上の4つの実施形態を述べたが、本発明はこれらに限られるものではなく、目的、状態、用途、機能、およびその他の仕様の変更が適宜可能であり、他の実施形態によっても実施されうることは言うまでもない。また、センサ部は、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサとして構成され、その他の如何なるセンサでもよい。記憶部は、本実施形態においては、例えばSRAMのようなデジタルメモリであることを想定しているが、アナログメモリを用いてなされることも可能である。また、実行プログラムは、本実施形態においては、コントローラに含まれるプログラムメモリに格納されたものとしたが、マイコンやその他の周辺回路からの指示により周辺の記憶装置から読み出されてもよい。ここで、記憶装置は、例えば、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を含む。実行プログラムは、コントローラと共に、もしくはコントローラに代えて、コンピュータ上で稼動しているOS等が、その一部又は全部を行ってもよい。
【0049】
また、以上の実施形態は、カメラに含まれる焦点検出装置について述べたが、カメラの概念には、撮影を主目的とする装置のみならず、撮影機能を補助的に備える装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末)も含まれる。また、焦点検出処理を実行する演算部は、焦点検出装置に含まれてもよい。カメラは、上記の実施形態として例示された本発明に係る焦点検出装置と、固体撮像装置と、この固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部とを含みうる。この処理部は、例えば、A/D変換器、および、このA/D変換器から出力されるデジタルデータを処理するプロセッサを含みうる。焦点検出処理は、この処理部によってなされることも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサ部と、前記複数のセンサ部のそれぞれに対応する複数の記憶部と、を有する半導体装置であって、
通常モードにおいては、前記複数のセンサ部の出力に基づいて複数の第1制御情報を設定して前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第1制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、
検査モードにおいては、予め定められた検査用の複数の第2制御情報を前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第2制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、前記複数のセンサ部にそれぞれ蓄積された電荷量に基づいて、前記複数のセンサ部を検査する制御部を備える、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
増幅部を更に含み、
前記制御部は、前記通常モードにおいては前記複数の記憶部のそれぞれに格納された前記第1制御情報に基づいて増幅率を設定し、前記検査モードにおいては前記複数の記憶部のそれぞれについて予め定められた前記第2制御情報に基づいて増幅率を設定し、
前記増幅部は、前記センサ部から出力される信号を前記設定された増幅率に従って増幅して出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の記憶部のそれぞれは、前記第1制御情報を格納する第1記憶領域および前記第2制御情報を格納する第2記憶領域を含み、
前記通常モードおよび前記検査モードのそれぞれにおいて前記第1記憶領域および前記第2記憶領域を選択的に使用する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記制御部は、プログラムに従って動作する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置の出力に基づいて焦点検出処理を実行する演算部と、
を備えることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の焦点検出装置と、
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項1】
複数のセンサ部と、前記複数のセンサ部のそれぞれに対応する複数の記憶部と、を有する半導体装置であって、
通常モードにおいては、前記複数のセンサ部の出力に基づいて複数の第1制御情報を設定して前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第1制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、
検査モードにおいては、予め定められた検査用の複数の第2制御情報を前記複数の記憶部にそれぞれ格納し、前記複数のセンサ部のそれぞれに、対応する前記第2制御情報にしたがった基準まで電荷を蓄積させ、前記複数のセンサ部にそれぞれ蓄積された電荷量に基づいて、前記複数のセンサ部を検査する制御部を備える、
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
増幅部を更に含み、
前記制御部は、前記通常モードにおいては前記複数の記憶部のそれぞれに格納された前記第1制御情報に基づいて増幅率を設定し、前記検査モードにおいては前記複数の記憶部のそれぞれについて予め定められた前記第2制御情報に基づいて増幅率を設定し、
前記増幅部は、前記センサ部から出力される信号を前記設定された増幅率に従って増幅して出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の記憶部のそれぞれは、前記第1制御情報を格納する第1記憶領域および前記第2制御情報を格納する第2記憶領域を含み、
前記通常モードおよび前記検査モードのそれぞれにおいて前記第1記憶領域および前記第2記憶領域を選択的に使用する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記制御部は、プログラムに従って動作する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置の出力に基づいて焦点検出処理を実行する演算部と、
を備えることを特徴とする焦点検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の焦点検出装置と、
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力される信号を処理する処理部と、
を備えることを特徴とするカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−106099(P2013−106099A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246855(P2011−246855)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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