半導体装置
【課題】 テープ基板における認識エラーの発生を防止する。
【解決手段】 TCP6のテープ基板2において、アライメントパターン2eの周辺にこのアライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが絶縁膜で形成されていることにより、アライメントパターン2eがテープ巻き取り時やテープ搬送時にスペーサテープ等と接触して擦れることを防げるため、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止できる。
【解決手段】 TCP6のテープ基板2において、アライメントパターン2eの周辺にこのアライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが絶縁膜で形成されていることにより、アライメントパターン2eがテープ巻き取り時やテープ搬送時にスペーサテープ等と接触して擦れることを防げるため、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、テープ基板を有する半導体装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体を実装するTAB基板において、半導体を実装後打抜される製品と製品の間のTAB基板上に銅パターン及び銅パターン付近に複数のアライメントマークを形成し、前記銅パターン上にレジストを設けたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、回路基板において、アライメントマークの周りで絶縁ベース上に、回路基板の表裏に光を透過して、アライメントマークの位置を確認し得るように透明層が形成されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開平5−85044号公報(図1)
【特許文献2】特開2003−304041号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
TCP(Tape Carrier Package) やCOF(Chip On Film) などのテープ基板を用いた製品(半導体装置)では、そのテープ基板上に位置決め認識用のアライメントパターンが形成されている。
【0005】
しかしながら、前記製品の搬送時、あるいは製品保護のためにテープ層間に配置するスペーサテープの巻き取り時等で、アライメントパターンが前記スペーサテープに接触した際に、アライメントパターンの擦れやキズが形成される。
【0006】
その結果、製品(半導体装置)の実装基板への実装時等でアライメントパターンの認識エラーが発生することが問題となる。
【0007】
なお、前記特許文献1(実開平5−85044号公報)には、レジスト膜(絶縁膜)のみで保護用のパターンを形成するという記載はない。さらに、前記特許文献1には、アライメントパターンの近傍に保護用のパターンを形成するという記載はない。さらに、前記特許文献1には、レジスト膜(絶縁膜)形成時に保護用のパターンを形成するという記載はない。さらに、前記特許文献1には、アライメントパターンのテープ送り方向の両側に保護用のパターンを形成するという記載はない。
【0008】
また、前記特許文献2(特開2003−304041号公報)には、レジスト層が、アライメントパターンを囲むように形成された記載はあるが、レジスト層による保護用のパターンがアライメントパターンに並んで配置されているという記載はない。
【0009】
本発明の目的は、テープ基板を用いた半導体装置の組み立てや実装時の認識エラーの発生を防止することができる技術を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0012】
すなわち、本発明は、配線を有し、かつアライメントパターンが形成されたテープ基板と、前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、前記テープ基板において、前記アライメントパターンの周辺に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されているものである。
【発明の効果】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0014】
テープ基板においてアライメントパターンの周辺にこのアライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜で形成されていることにより、アライメントパターンの擦れやアライメントパターンにキズが形成されることを防止でき、その結果、テープ基板を用いた半導体装置の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0016】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0017】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態の半導体装置(TCP)の構造の一例を示す平面図、図2は図1に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す拡大部分断面図、図3は図1に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造の一例を示す拡大部分平面図、図4は図3に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図、図5は変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図、図6は図5に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図7は図6に示すA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図8は図5に示す半導体装置のテープ基板の保護パターンによる効果を説明する断面図、図9は変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図、図10は図9に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図11は図10のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図12は変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図、図13は図12に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図14は図13のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図15は変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図16は図15のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図17は変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図18は図17のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図19は変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図20は図19のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図である。
【0020】
図1、図2に示す本実施の形態の半導体装置は、テープ基板2に半導体チップ1を実装したものであり、ここでは、前記半導体装置の一例としてTCP(Tape Carrier Package) 6を取り上げて説明する。
【0021】
TCP6の構造について説明すると、複数のパターン化された配線2a(配線パターンともいう)を有するとともに、位置決め認識用のアライメントパターン2eが形成されたテープ基板2と、このテープ基板2と電気的に接続する半導体チップ1と、半導体チップ1の主面側、および半導体チップ1とテープ基板2との接続部付近を樹脂封止する封止部4とからなる。
【0022】
なお、テープ基板2には、図2に示すように、半導体チップ1より僅かに大きな開口部2cが形成されており、この開口部2cに半導体チップ1が配置されている。さらに、開口部2cには、各配線2aと繋がる複数のリード2bが配置されており、半導体チップ1の表面電極であるパッド1aと、これに対応するリード2bとが金バンプ3を介して電気的に接続されている。
【0023】
テープ基板2の表面の複数の配線2aは、それぞれ一部の露出する箇所を除いて絶縁膜であるレジスト膜2dによって覆われている。また、図1に示すように、テープ基板2の表面には、複数の配線2aのうち最も外側の配線2aのさらに基板外周寄りの近傍に、位置決め認識用のアライメントパターン2eが形成されている。このアライメントパターン2eは、TCP組み立ての際の検査時や、TCP6の基板実装時の位置決め認識用として用いられるものである。
【0024】
また、テープ基板2の幅方向の両側の端部には、複数のスプロケットホール2hが等間隔で並んで形成されており、TCP6の組み立て等でテープ基板2を走行させる際のガイドとなる。
【0025】
テープ基板2は、その基材が、例えば、ポリイミドなどの樹脂材によって形成された薄膜の部材であり、したがって、可撓性を有している。さらに複数の配線2aやリード2bおよびアライメントパターン2eは、例えば、銅合金によって形成されている。
【0026】
また、テープ基板2の表面には、図1に示すように、そのアライメントパターン2eの周辺にアライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが、ソルダレジスト膜などの絶縁膜のみによって形成されている。
【0027】
すなわち、保護パターン2fは、アライメントパターン2eを保護するものであり、アライメントパターン2eの周辺の近傍に、図3および図4に示すように、アライメントパターン2eより高さが高く、かつソルダレジスト膜のみによって四角形に形成されており、これによって、アライメントパターン2eが他の部材と接触して擦れることを防止できる。
【0028】
なお、保護パターン2fは、アライメントパターン2eの周辺に形成されるものであるが、例えば、テープ送り方向に対してアライメントパターン2eと並ぶような位置に形成されていることが好ましい。
【0029】
また、テープ基板2の形成においては、表面の複数の配線2a、リード2bおよびアライメントパターン2eは、同一の層に形成されている。すなわち、配線2a、リード2bおよびアライメントパターン2eは、同一の工程で形成することが可能である。
【0030】
一方、表面の各配線2aを覆うレジスト膜2dと、保護パターン2fを形成するソルダレジスト膜などの絶縁膜も同一の層に形成されており、したがって、レジスト膜2dと保護パターン2fも同一の工程で形成することが可能である。したがってアライメントパターン2eと保護パターン2fはテープ基板形成において特別な追加工程無しにテープ基板形成工程において同時に形成されるためにテープ基板形成コストへの影響はない。
【0031】
ここで、半導体チップ1は、例えば、シリコンなどによって形成され、封止部4は、例えば、エポキシ樹脂などによって形成されている。
【0032】
次に、TCP6の組み立て手順について説明する。
【0033】
まず、パッド1a上に金バンプ3が設けられた半導体チップ1を準備し、その後、多連の長いテープ基板2において開口部2cに半導体チップ1を配置する。
【0034】
その後、半導体チップ1のパッド1aとこれに対応するテープ基板2のリード2bとをインナリードボンディングによって金バンプ3を介して電気的に接続する。
【0035】
その後、ポッティングにより封止用樹脂を半導体チップ1とテープ基板2との接続部に滴下し、半導体チップ1の主面側を樹脂封止して封止部4を形成する。
【0036】
その後、ベーク処理を行って封止用樹脂を硬化させる。硬化後、TCP6の電気的特性検査を行う。
【0037】
その後、多連の長いテープ基板2をリールに巻き取って出荷する。
【0038】
図1〜図4に示すTCP6によれば、そのテープ基板2においてアライメントパターン2eの周辺にこのアライメントパターン2eより厚い(高さの高い)保護パターン2fがソルダレジスト膜などの絶縁膜のみで形成されていることにより、アライメントパターン2eがテープ巻き取り時やテープ搬送時に図8に示すような層間に配置するスペーサテープ5等の部材と接触して擦れることを防止できる。
【0039】
これにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止できる。
【0040】
その結果、テープ基板2を用いたTCP6などの半導体装置の組み立てや前記半導体装置の実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。
【0041】
また、保護パターン2fはソルダレジスト膜などの絶縁膜のみによって形成されているため、保護パターン2fの高さが極端に高くなることはない。したがって、テープ基板2の実装時にテープ周辺部分でのリード2bの浮きを抑えることができる。
【0042】
また、保護パターン2fがアライメントパターン2eの近傍に形成されていることにより、テープ上に保護パターン2fのための追加の領域を必要とせずテープ上での製品ピッチを小さくすることが可能である。
【0043】
また、保護パターン2fは、テープ送り方向に対してアライメントパターン2eと並ぶように配置されており、アライメントパターン2eを囲むようには形成されていないため、TCP実装時に位置決め認識の妨げになることを防げる。
【0044】
また、テープ基板2の形成において、レジスト膜2dの形成時に保護パターン2fも形成することが可能なため、テープ基板2の形成工程を増加させることなく保護パターン2fを形成することが可能である。
【0045】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
【0046】
図5〜図7に示す変形例のTCP6は、テープ基板2において、アライメントパターン2eのテープ送り方向の両側にアライメントパターン2eより厚い(高さが高い)保護パターン2fが、アライメントパターン2eと並んでソルダレジスト膜などの絶縁膜のみで形成されているものである。
【0047】
保護パターン2fがアライメントパターン2eのテープ送り方向の両側に対応して形成されていることにより、テープ巻き取りの双方向においてアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止できる。
【0048】
また、アライメントパターン2eのテープ送り方向の両側に保護パターン2fが形成されていることにより、図8に示すように、例えば、テープ巻き取り時にテープ層間に配置するスペーサテープ5を、保護パターン2fによってアライメントパターン2eの両側で支持することができるため、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0049】
図9〜図11に示す変形例のTCP6は、保護パターン2fがアライメントパターン2eの一部を囲むようにコの字型にソルダレジスト膜などの絶縁膜のみで形成されているものである。
【0050】
図9に示すTCP6においても、コの字型に絶縁膜のみで形成された保護パターン2fにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。さらに、図11に示すように、アライメントパターン2eの両側に保護パターン2fが配置されるため、テープ巻き取り時にテープ層間に配置するスペーサテープ5(図8参照)を、保護パターン2fによってアライメントパターン2eの両側で支持することができ、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0051】
図12〜図14に示す変形例のTCP6は、テープ基板2において、アライメントパターン2eのテープ送り方向の両側に、アライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが絶縁膜のみで形成されているものであるが、複数の配線2aを覆うレジスト膜2dの配置領域を広げることにより、レジスト膜2dの両端部が保護パターン2fを兼ねるものである。
【0052】
図12に示すTCP6においても、保護パターン2fとレジスト膜2dとにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。さらに、図14に示すように、アライメントパターン2eの両側に保護パターン2fとレジスト膜2dが配置されることにより、スペーサテープ5(図8参照)を、保護パターン2fとレジスト膜2dによってアライメントパターン2eの両側で支持することができ、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0053】
図15、図16に示す変形例のTCP6は、保護パターン2fがアライメントパターン2eの周囲を囲むように四角のリング状に絶縁膜のみで形成されているものである。
【0054】
図15に示すTCP6においても、リング状に絶縁膜のみで形成された保護パターン2fにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。さらに、図16に示すように、アライメントパターン2eの両側に保護パターン2fが配置されるため、テープ巻き取り時にテープ層間に配置するスペーサテープ5(図8参照)を、保護パターン2fによってアライメントパターン2eの両側で支持することができ、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0055】
図17、図18に示す変形例のTCP6は、テープ基板2上の配線2aやリード2bと同時に形成された銅合金のダミーパターン2g上にレジスト膜2d(絶縁膜のパターン)を積層して成り、かつアライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが、アライメントパターン2eの近傍に形成されているものである。
【0056】
図17に示すTCP6においても、ダミーパターン2gとレジスト膜2dとからなる保護パターン2fにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。
【0057】
図19、図20に示す変形例のTCP6は、銅合金のダミーパターン2g上にレジスト膜2d(絶縁膜のパターン)を積層して成り、かつアライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが、アライメントパターン2eの周囲を囲むように四角のリング状にダミーパターン2gとレジスト膜2dとで形成されているものである。
【0058】
図19に示すTCP6においても、ダミーパターン2gとレジスト膜2dとからなるリング状の保護パターン2fにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。さらに、図20に示すように、アライメントパターン2eの両側に保護パターン2fが配置されるため、テープ巻き取り時にテープ層間に配置するスペーサテープ5(図8参照)を、保護パターン2fによってアライメントパターン2eの両側で支持することができ、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0059】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0060】
例えば、前記実施の形態では、半導体装置がTCP6の場合を一例として取り上げて説明したが、前記半導体装置は、アライメントパターン2eの近傍に保護パターン2fが形成されたテープ基板2を用いて組み立てられるものであれば、COFやテープBGA(Ball Grid Array)などの他の半導体装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、半導体装置および半導体製造技術に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態の半導体装置(TCP)の構造の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す拡大部分断面図である。
【図3】図1に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造の一例を示す拡大部分平面図である。
【図4】図3に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図である。
【図6】図5に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図7】図6に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図8】図5に示す半導体装置のテープ基板の保護パターンによる効果を説明する断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図である。
【図10】図9に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図11】図10のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図である。
【図13】図12に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図14】図13のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図16】図15のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図18】図17のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図19】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図20】図19のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 半導体チップ
1a パッド
2 テープ基板
2a 配線
2b リード
2c 開口部
2d レジスト膜(絶縁膜)
2e アライメントパターン
2f 保護パターン
2g ダミーパターン
2h スプロケットホール
3 金バンプ
4 封止部
5 スペーサテープ
6 TCP(半導体装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、テープ基板を有する半導体装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体を実装するTAB基板において、半導体を実装後打抜される製品と製品の間のTAB基板上に銅パターン及び銅パターン付近に複数のアライメントマークを形成し、前記銅パターン上にレジストを設けたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、回路基板において、アライメントマークの周りで絶縁ベース上に、回路基板の表裏に光を透過して、アライメントマークの位置を確認し得るように透明層が形成されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実開平5−85044号公報(図1)
【特許文献2】特開2003−304041号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
TCP(Tape Carrier Package) やCOF(Chip On Film) などのテープ基板を用いた製品(半導体装置)では、そのテープ基板上に位置決め認識用のアライメントパターンが形成されている。
【0005】
しかしながら、前記製品の搬送時、あるいは製品保護のためにテープ層間に配置するスペーサテープの巻き取り時等で、アライメントパターンが前記スペーサテープに接触した際に、アライメントパターンの擦れやキズが形成される。
【0006】
その結果、製品(半導体装置)の実装基板への実装時等でアライメントパターンの認識エラーが発生することが問題となる。
【0007】
なお、前記特許文献1(実開平5−85044号公報)には、レジスト膜(絶縁膜)のみで保護用のパターンを形成するという記載はない。さらに、前記特許文献1には、アライメントパターンの近傍に保護用のパターンを形成するという記載はない。さらに、前記特許文献1には、レジスト膜(絶縁膜)形成時に保護用のパターンを形成するという記載はない。さらに、前記特許文献1には、アライメントパターンのテープ送り方向の両側に保護用のパターンを形成するという記載はない。
【0008】
また、前記特許文献2(特開2003−304041号公報)には、レジスト層が、アライメントパターンを囲むように形成された記載はあるが、レジスト層による保護用のパターンがアライメントパターンに並んで配置されているという記載はない。
【0009】
本発明の目的は、テープ基板を用いた半導体装置の組み立てや実装時の認識エラーの発生を防止することができる技術を提供することにある。
【0010】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0012】
すなわち、本発明は、配線を有し、かつアライメントパターンが形成されたテープ基板と、前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、前記テープ基板において、前記アライメントパターンの周辺に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されているものである。
【発明の効果】
【0013】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0014】
テープ基板においてアライメントパターンの周辺にこのアライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜で形成されていることにより、アライメントパターンの擦れやアライメントパターンにキズが形成されることを防止でき、その結果、テープ基板を用いた半導体装置の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0016】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0017】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態の半導体装置(TCP)の構造の一例を示す平面図、図2は図1に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す拡大部分断面図、図3は図1に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造の一例を示す拡大部分平面図、図4は図3に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図、図5は変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図、図6は図5に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図7は図6に示すA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図8は図5に示す半導体装置のテープ基板の保護パターンによる効果を説明する断面図、図9は変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図、図10は図9に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図11は図10のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図12は変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図、図13は図12に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図14は図13のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図15は変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図16は図15のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図17は変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図18は図17のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図、図19は変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図、図20は図19のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図である。
【0020】
図1、図2に示す本実施の形態の半導体装置は、テープ基板2に半導体チップ1を実装したものであり、ここでは、前記半導体装置の一例としてTCP(Tape Carrier Package) 6を取り上げて説明する。
【0021】
TCP6の構造について説明すると、複数のパターン化された配線2a(配線パターンともいう)を有するとともに、位置決め認識用のアライメントパターン2eが形成されたテープ基板2と、このテープ基板2と電気的に接続する半導体チップ1と、半導体チップ1の主面側、および半導体チップ1とテープ基板2との接続部付近を樹脂封止する封止部4とからなる。
【0022】
なお、テープ基板2には、図2に示すように、半導体チップ1より僅かに大きな開口部2cが形成されており、この開口部2cに半導体チップ1が配置されている。さらに、開口部2cには、各配線2aと繋がる複数のリード2bが配置されており、半導体チップ1の表面電極であるパッド1aと、これに対応するリード2bとが金バンプ3を介して電気的に接続されている。
【0023】
テープ基板2の表面の複数の配線2aは、それぞれ一部の露出する箇所を除いて絶縁膜であるレジスト膜2dによって覆われている。また、図1に示すように、テープ基板2の表面には、複数の配線2aのうち最も外側の配線2aのさらに基板外周寄りの近傍に、位置決め認識用のアライメントパターン2eが形成されている。このアライメントパターン2eは、TCP組み立ての際の検査時や、TCP6の基板実装時の位置決め認識用として用いられるものである。
【0024】
また、テープ基板2の幅方向の両側の端部には、複数のスプロケットホール2hが等間隔で並んで形成されており、TCP6の組み立て等でテープ基板2を走行させる際のガイドとなる。
【0025】
テープ基板2は、その基材が、例えば、ポリイミドなどの樹脂材によって形成された薄膜の部材であり、したがって、可撓性を有している。さらに複数の配線2aやリード2bおよびアライメントパターン2eは、例えば、銅合金によって形成されている。
【0026】
また、テープ基板2の表面には、図1に示すように、そのアライメントパターン2eの周辺にアライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが、ソルダレジスト膜などの絶縁膜のみによって形成されている。
【0027】
すなわち、保護パターン2fは、アライメントパターン2eを保護するものであり、アライメントパターン2eの周辺の近傍に、図3および図4に示すように、アライメントパターン2eより高さが高く、かつソルダレジスト膜のみによって四角形に形成されており、これによって、アライメントパターン2eが他の部材と接触して擦れることを防止できる。
【0028】
なお、保護パターン2fは、アライメントパターン2eの周辺に形成されるものであるが、例えば、テープ送り方向に対してアライメントパターン2eと並ぶような位置に形成されていることが好ましい。
【0029】
また、テープ基板2の形成においては、表面の複数の配線2a、リード2bおよびアライメントパターン2eは、同一の層に形成されている。すなわち、配線2a、リード2bおよびアライメントパターン2eは、同一の工程で形成することが可能である。
【0030】
一方、表面の各配線2aを覆うレジスト膜2dと、保護パターン2fを形成するソルダレジスト膜などの絶縁膜も同一の層に形成されており、したがって、レジスト膜2dと保護パターン2fも同一の工程で形成することが可能である。したがってアライメントパターン2eと保護パターン2fはテープ基板形成において特別な追加工程無しにテープ基板形成工程において同時に形成されるためにテープ基板形成コストへの影響はない。
【0031】
ここで、半導体チップ1は、例えば、シリコンなどによって形成され、封止部4は、例えば、エポキシ樹脂などによって形成されている。
【0032】
次に、TCP6の組み立て手順について説明する。
【0033】
まず、パッド1a上に金バンプ3が設けられた半導体チップ1を準備し、その後、多連の長いテープ基板2において開口部2cに半導体チップ1を配置する。
【0034】
その後、半導体チップ1のパッド1aとこれに対応するテープ基板2のリード2bとをインナリードボンディングによって金バンプ3を介して電気的に接続する。
【0035】
その後、ポッティングにより封止用樹脂を半導体チップ1とテープ基板2との接続部に滴下し、半導体チップ1の主面側を樹脂封止して封止部4を形成する。
【0036】
その後、ベーク処理を行って封止用樹脂を硬化させる。硬化後、TCP6の電気的特性検査を行う。
【0037】
その後、多連の長いテープ基板2をリールに巻き取って出荷する。
【0038】
図1〜図4に示すTCP6によれば、そのテープ基板2においてアライメントパターン2eの周辺にこのアライメントパターン2eより厚い(高さの高い)保護パターン2fがソルダレジスト膜などの絶縁膜のみで形成されていることにより、アライメントパターン2eがテープ巻き取り時やテープ搬送時に図8に示すような層間に配置するスペーサテープ5等の部材と接触して擦れることを防止できる。
【0039】
これにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止できる。
【0040】
その結果、テープ基板2を用いたTCP6などの半導体装置の組み立てや前記半導体装置の実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。
【0041】
また、保護パターン2fはソルダレジスト膜などの絶縁膜のみによって形成されているため、保護パターン2fの高さが極端に高くなることはない。したがって、テープ基板2の実装時にテープ周辺部分でのリード2bの浮きを抑えることができる。
【0042】
また、保護パターン2fがアライメントパターン2eの近傍に形成されていることにより、テープ上に保護パターン2fのための追加の領域を必要とせずテープ上での製品ピッチを小さくすることが可能である。
【0043】
また、保護パターン2fは、テープ送り方向に対してアライメントパターン2eと並ぶように配置されており、アライメントパターン2eを囲むようには形成されていないため、TCP実装時に位置決め認識の妨げになることを防げる。
【0044】
また、テープ基板2の形成において、レジスト膜2dの形成時に保護パターン2fも形成することが可能なため、テープ基板2の形成工程を増加させることなく保護パターン2fを形成することが可能である。
【0045】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
【0046】
図5〜図7に示す変形例のTCP6は、テープ基板2において、アライメントパターン2eのテープ送り方向の両側にアライメントパターン2eより厚い(高さが高い)保護パターン2fが、アライメントパターン2eと並んでソルダレジスト膜などの絶縁膜のみで形成されているものである。
【0047】
保護パターン2fがアライメントパターン2eのテープ送り方向の両側に対応して形成されていることにより、テープ巻き取りの双方向においてアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止できる。
【0048】
また、アライメントパターン2eのテープ送り方向の両側に保護パターン2fが形成されていることにより、図8に示すように、例えば、テープ巻き取り時にテープ層間に配置するスペーサテープ5を、保護パターン2fによってアライメントパターン2eの両側で支持することができるため、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0049】
図9〜図11に示す変形例のTCP6は、保護パターン2fがアライメントパターン2eの一部を囲むようにコの字型にソルダレジスト膜などの絶縁膜のみで形成されているものである。
【0050】
図9に示すTCP6においても、コの字型に絶縁膜のみで形成された保護パターン2fにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。さらに、図11に示すように、アライメントパターン2eの両側に保護パターン2fが配置されるため、テープ巻き取り時にテープ層間に配置するスペーサテープ5(図8参照)を、保護パターン2fによってアライメントパターン2eの両側で支持することができ、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0051】
図12〜図14に示す変形例のTCP6は、テープ基板2において、アライメントパターン2eのテープ送り方向の両側に、アライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが絶縁膜のみで形成されているものであるが、複数の配線2aを覆うレジスト膜2dの配置領域を広げることにより、レジスト膜2dの両端部が保護パターン2fを兼ねるものである。
【0052】
図12に示すTCP6においても、保護パターン2fとレジスト膜2dとにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。さらに、図14に示すように、アライメントパターン2eの両側に保護パターン2fとレジスト膜2dが配置されることにより、スペーサテープ5(図8参照)を、保護パターン2fとレジスト膜2dによってアライメントパターン2eの両側で支持することができ、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0053】
図15、図16に示す変形例のTCP6は、保護パターン2fがアライメントパターン2eの周囲を囲むように四角のリング状に絶縁膜のみで形成されているものである。
【0054】
図15に示すTCP6においても、リング状に絶縁膜のみで形成された保護パターン2fにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。さらに、図16に示すように、アライメントパターン2eの両側に保護パターン2fが配置されるため、テープ巻き取り時にテープ層間に配置するスペーサテープ5(図8参照)を、保護パターン2fによってアライメントパターン2eの両側で支持することができ、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0055】
図17、図18に示す変形例のTCP6は、テープ基板2上の配線2aやリード2bと同時に形成された銅合金のダミーパターン2g上にレジスト膜2d(絶縁膜のパターン)を積層して成り、かつアライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが、アライメントパターン2eの近傍に形成されているものである。
【0056】
図17に示すTCP6においても、ダミーパターン2gとレジスト膜2dとからなる保護パターン2fにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。
【0057】
図19、図20に示す変形例のTCP6は、銅合金のダミーパターン2g上にレジスト膜2d(絶縁膜のパターン)を積層して成り、かつアライメントパターン2eより厚い保護パターン2fが、アライメントパターン2eの周囲を囲むように四角のリング状にダミーパターン2gとレジスト膜2dとで形成されているものである。
【0058】
図19に示すTCP6においても、ダミーパターン2gとレジスト膜2dとからなるリング状の保護パターン2fにより、アライメントパターン2eの擦れやアライメントパターン2eにキズが形成されることを防止でき、TCP6の組み立てや実装基板への実装時の位置認識カメラによる認識エラーの発生を防止することができる。さらに、図20に示すように、アライメントパターン2eの両側に保護パターン2fが配置されるため、テープ巻き取り時にテープ層間に配置するスペーサテープ5(図8参照)を、保護パターン2fによってアライメントパターン2eの両側で支持することができ、スペーサテープ5がアライメントパターン2eに接触することをより確実に防ぐことができる。
【0059】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0060】
例えば、前記実施の形態では、半導体装置がTCP6の場合を一例として取り上げて説明したが、前記半導体装置は、アライメントパターン2eの近傍に保護パターン2fが形成されたテープ基板2を用いて組み立てられるものであれば、COFやテープBGA(Ball Grid Array)などの他の半導体装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、半導体装置および半導体製造技術に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態の半導体装置(TCP)の構造の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す拡大部分断面図である。
【図3】図1に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造の一例を示す拡大部分平面図である。
【図4】図3に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図である。
【図6】図5に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図7】図6に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図8】図5に示す半導体装置のテープ基板の保護パターンによる効果を説明する断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図である。
【図10】図9に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図11】図10のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)の構造を示す平面図である。
【図13】図12に示す半導体装置のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図14】図13のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図16】図15のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図18】図17のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【図19】本発明の実施の形態の変形例の半導体装置(TCP)のテープ基板のアライメントパターンと保護パターンの構造を示す拡大部分平面図である。
【図20】図19のA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 半導体チップ
1a パッド
2 テープ基板
2a 配線
2b リード
2c 開口部
2d レジスト膜(絶縁膜)
2e アライメントパターン
2f 保護パターン
2g ダミーパターン
2h スプロケットホール
3 金バンプ
4 封止部
5 スペーサテープ
6 TCP(半導体装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線を有し、かつアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記アライメントパターンの周辺に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
配線を有し、かつアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記アライメントパターンのテープ送り方向の両側に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
配線を有し、かつアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記アライメントパターンの周辺に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されており、前記保護パターンは前記アライメントパターンと並ぶように配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
銅合金層からなる配線を有し、かつ前記銅合金層からなるアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記アライメントパターンの周辺に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
銅合金層からなる配線を有し、かつ前記銅合金層のパターンからなるアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記銅合金層からなるダミーパターンとその上に形成された絶縁膜のパターンの積層膜から成り、かつ前記アライメントパターンより厚い前記積層膜からなる保護パターンが、前記アライメントパターンのテープ送り方向の両側に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
配線を有し、かつアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記アライメントパターンの周辺に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
配線を有し、かつアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記アライメントパターンのテープ送り方向の両側に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
配線を有し、かつアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記アライメントパターンの周辺に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されており、前記保護パターンは前記アライメントパターンと並ぶように配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
銅合金層からなる配線を有し、かつ前記銅合金層からなるアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記アライメントパターンの周辺に前記アライメントパターンより厚い保護パターンが絶縁膜のみで形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
銅合金層からなる配線を有し、かつ前記銅合金層のパターンからなるアライメントパターンが形成されたテープ基板と、
前記テープ基板と接続する半導体チップとを有し、
前記テープ基板において、前記銅合金層からなるダミーパターンとその上に形成された絶縁膜のパターンの積層膜から成り、かつ前記アライメントパターンより厚い前記積層膜からなる保護パターンが、前記アライメントパターンのテープ送り方向の両側に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−210478(P2006−210478A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17967(P2005−17967)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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