説明

半導電性フィルム及び電子写真画像形成装置

【課題】 本発明は、繰り返し画像を出力し続けても、白抜けなどの画像不良が改良され、中間転写体として耐久性が向上した半導電性フィルム及び該半導電性フィルムを有する画像形成装置を提供しようとするものである。
【解決手段】 少なくとも熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して19質量%以上、30質量%以下のアセチレンブラックとを有する半導電性フィルムであって、
G*の歪依存性から求めた該アセチレンブラックの分散性指数が40%以上であり、かつ、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下であることを特徴とする半導電性フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置の中間転写ベルト等に用い得る半導電性フィルム及び電子写真画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置において、高画質カラー画像を得る装置が様々上市されてきている。一般に高画質カラー画像を得る場合、まず各色トナー画像を各色ごとに現像したのち中間転写体に順次転写し、カラー画像を形成する。次に、中間転写体上に形成されたカラー画像を被記録媒体に一括再転写し、画像ズレの極めて少ない高画質カラー画像を得る。ここで用いられる中間転写体は、半導電性のベルトが一般的で、代表的なものとしては熱硬化性樹脂のポリイミドやポリアミドイミド樹脂中にカーボンブラックを分散させてベルトとしたものが知られている。このようなベルトは、樹脂ワニスあるいは樹脂前駆体であるポリアミド酸ワニスにカーボンブラックを分散させた分散液を塗膜化し、焼成することにより得られるものである。
これに対し、最近では熱可塑性樹脂中にカーボンブラックを分散させた樹脂組成物を溶融押出し成形によりベルトとしたものの検討が進められている。熱可塑性樹脂は、溶融押出し成形が可能でありなおかつ有機溶媒の使用量が少ない為、環境負荷の面やコスト面において熱硬化性樹脂より優位性があることから、盛んに検討が進められている。そうした中で、高速、高耐久性の求められる画像形成装置では、熱可塑性樹脂の中でも機械強度、耐久強度、耐熱性ともに高いパフォーマンスを有するスーパーエンジニアリングプラスチックを利用した検討も行われている。中でも、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、耐磨耗性、耐薬品性、摺動性、強靭性、難燃性など特性が優れた樹脂である。そのため半導電性中間転写ベルトとして用いた場合、特段の性能向上を期待でき(例えば特許文献1)、そのための更なる技術開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−112942
【特許文献2】特開平8−187773
【特許文献3】特開2001−13801
【特許文献4】特開2002−322327
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】A.R.Payne R.E.Whittaker,「LOW STRAIN DYNAMIC PROPERTIES OF FILLED RUBBERS」,RUBBER CHEMISTRY AND TECHNOLOGY,1971,VOL.44,p.440−478.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したようにエンジニアプラスチック系、スーパーエンジニアリングプラスチック系の熱可塑性樹脂、特には、PEEKを用いた半導電性フィルムに関しては、高い機械強度特性、その耐久強度、耐熱性及びコスト等において格段に優れたものが期待され得る。
【0006】
しかしながら従来の熱可塑性樹脂を用いた半導性フィルムにおいては中間転写体等の通電、放電を得るプロセスに用いて、繰り返し画像を出力し続けると、白抜けなどの画像不良を起こす現象が発生する場合があった。特に高速、高耐久を必要とされる画像形成装置においてこの課題を解決することが強く求められている。
【0007】
そこで本発明の目的は、繰り返しの画像出力を行なっても画像不良が従来に比べ起きにくく耐久性が著しく向上した中間転写ベルトに好適に用い得る半導電性フィルムを提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を安定して形成することのできる電子写真画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、少なくとも熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して19質量%以上、30質量%以下のアセチレンブラックとを有する半導電性フィルムであって、
G*の歪依存性から求めた該アセチレンブラックの分散性指数が40%以上であり、かつ、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下である半導電性フィルムが提供される。
また、本発明の他の態様によれば、第1の画像担持体及び上記の半導電性フィルムを中間転写体として有する電子写真画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、繰り返し画像を出力し続けても、白抜けなどの画像不良が改良され、中間転写体としての耐久性が向上する半導電性フィルムを得ることができる。
また、本発明によれば、高品位の電子写真画像を安定して形成可能な電子写真画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を用いた画像形成装置の構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る半導電性フィルムについて更に詳しく説明する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明を適用し得る画像形成装置の一例を説明する。図1の画像形成装置100は、電子写真方式のカラー画像形成装置(カラーレーザープリンタ)である。
【0014】
図1に示す画像形成装置100には、中間転写ベルト7の平面部に沿って、その移動方向に順に、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分の画像形成部である画像形成ユニットPy、Pm、Pc、Pkが配設されている。各画像形成ユニットの基本的な構成は同一であるので、画像形成ユニットの詳細については、イエロー画像形成ユニットPyについてのみ説明する。
【0015】
イエロー画像形成ユニットPyは、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(感光体ドラム)1Yを有する。感光体ドラム1Yは、アルミシリンダを基層として、感光体層、電荷輸送層、表面保護層を積層して形成したものである。
【0016】
また、イエロー画像形成ユニットPyは、帯電手段としての電荷注入帯電器である帯電ローラ2Yを備えている。帯電ローラ2Yに帯電バイアスを印加することで、感光体ドラム1Yの表面は一様に帯電される。
【0017】
感光体ドラム1Yの上方には、画像露光手段としてのレーザービームスキャナ3Yが配設されている。レーザービームスキャナ3Yは、一様に帯電された感光体ドラム1Yの表面を画像情報に応じて走査露光して、イエロー色成分の静電潜像をその表面に形成する。
【0018】
感光体ドラム1Yに形成された静電潜像は、現像手段4Yによって現像剤であるところのトナーによって現像される。つまり、現像手段としての現像器4Yは、現像剤担持体としての現像ローラ4Ya、現像剤量規制部材としての規制ブレード4Ybを備えており、又現像剤としてイエロートナーを収容している。イエロートナーが供給された現像ローラ4Yaは、現像部において感光体ドラム1Yと軽圧接されており、感光体ドラム1Yと順方向に速度差を持って回転される。現像ローラ4Yaによって現像部に搬送されたイエロートナーは、現像ローラ4Yaに現像バイアスを印加することで、感光体ドラム1Yに形成された静電潜像に付着する。これにより、感光体ドラム1Yに可視像(イエロートナー像)が形成される。
【0019】
中間転写体であるところの中間転写ベルト7は、駆動ローラ71、テンションローラ72、従動ローラ73に張架されており、感光体ドラム1Yと接触して図中矢印の方向に移動(回転駆動)される。そして、1次転写部Tyに到達したイエロートナー像は、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム1Yに対向して圧接されている1次転写部材としての1次転写ローラ5Yによって、中間転写ベルト7上に転写される。
【0020】
同様に、以上の作像動作を、中間転写ベルト7の移動に伴ってマゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各ユニットPm、Pc、Pkにおいて行い、中間転写ベルト7上にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナー像を積層する。4色のトナー層は中間転写ベルト7の移動に従って搬送され、2次転写部T’において、2次転写手段としての2次転写ローラ8により、所定のタイミングで搬送されてくる転写材S上に一括転写される。
【0021】
転写材Sは、転写材収納部であるカセット12に収納されており、ピックアップローラ13によって機内に分離供給され、搬送ローラ対14、レジストローラ対15によって中間転写ベルト7に転写された4色のトナー像と同期をとられて2次転写部T’まで搬送される。
【0022】
転写材Sに転写されたトナー像は、定着器9によって定着されて、例えばフルカラーの画像となる。定着器9は、加熱手段を備えた定着ローラ91と加圧ローラ92とを有し、転写材S上の未定着トナー像を加熱、加圧することで定着する。
【0023】
その後、転写材Sは搬送ローラ対16、排出ローラ対17などによって機外に排出される。
【0024】
中間転写ベルト7のクリーニング手段としてのクリーニングブレード11が、中間転写ベルト7の駆動方向の2次転写部T’の下流に配設されており、2次転写部T’において転写材Sに転写されずに中間転写ベルト7に残った転写残トナーを除去する。
【0025】
以上説明したように感光体から中間転写ベルト、中間転写ベルトから被記録媒体へトナー画像の電気的転写プロセスが繰り返し行われる。また、多数の転写材へ記録を繰り返すことで電気的転写プロセスが更に繰り返し行われることになる。本発明者らによる画像出力試験によれば、このような電気的転写プロセスが大量に繰り返されると、転写材へトナーが十分転写されない現象が現れる。繰り返し長時間の画像出力により発生しやすく、画像不良として視認されるに到る。これは電気的転写プロセスにおいて中間転写ベルトのある部分に電界の集中が起こり、樹脂が変性し中間転写ベルトの電気特性が変化することにより引き起こされるものと考えられている。
【0026】
又、本実施例の中間転写ベルト7は、アセチレンブラックを分散させて抵抗調整を行った。中間転写ベルト7の体積抵抗率は10 〜1012Ω・cmの範囲にあること、又表面抵抗率で10〜1014Ω/□の範囲にあることが好ましい。中間転写ベルト7の体積抵抗率を上記の範囲内とすることにより、中間転写ベルト7が連続駆動された場合にもベルト表面がチャージアップすることを抑制できる。その結果、ベルト表面のチャージアップを抑制するために除電機構を電子写真画像形成装置に設ける必要がなくなり、電子写真画像形成装置の構成の複雑化、コストアップを抑制し得る。
【0027】
また、例えば1次転写部Ty〜Tkにおいて隣接する1次転写部にまで意図しないバイアスが流れることにより、転写バイアスが不十分となりことを抑制できる。
【0028】
さらに、表面抵抗率を上記の範囲内とすることにより、2次転写部T’を通過した後に転写材Sが中間転写ベルト7から離れる際の剥離放電が発生するのを抑制し得る。また、例えばドット画像を形成したときに意図しない場所にトナーが飛散してしまう、所謂、飛び散りという画像不良の発生を抑制し得る。トナーの飛び散りとは、下層のトナーの存在によって転写電界がトナーの存在しない箇所に回り込むことによって、ドットのエッジを形成するトナーが飛散する現象である。この現象を、中間転写ベルト7の表面抵抗率を上記の範囲内とすることで抑制することが可能である。
【0029】
本発明の半導電性フィルムは、上記中間転写ベルトが好ましく用いられる例であるが、それのみに限定されるものではなく、帯電ベルト、ローラ、現像ベルト、ローラ、転写ベルト、各種ブレード、被記録媒体搬送ベルト、ローラなども同様な環境、条件で使用される部材であり、これらのものにも本発明を使用することが出来る。
【0030】
以下に本発明の半導電性フィルムについて、上記の画像形成装置の例で記載した中間転写ベルトを一例として更に詳細に説明する。
【0031】
本発明に関わる半導電性フィルムである中間転写ベルト7は、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニルするフォン(PPSF)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など単独のポリマーあるいはそれらの共重合体、ブレンド、アロイなどを含む熱可塑性樹脂材料と、アセチレンブラックを用いて作製することができる。特に熱可塑性樹脂としてPEEKであることが好ましい。
本実施例では、中間転写ベルト7はPEEKを基体として作製した。
本発明に用いられるPEEKは、下記の繰り返し単位の分子構造で表される。
【0032】
【化1】

【0033】
具体的には、ビクトレックス社PEEK 450G、381G、151G、90G(商品名)、ダイセル・デグサ社のVESTAKEEP(商品名)、が挙げられ、ほかにソルベイ社からも上市されている。これらの樹脂から選択して単独あるいは二種類以上を混合して使用することが出来るし、合成することによっても使用することが出来る。混合して用いる場合、高分子量のPEEKの溶融状態での粘度を低下させ加工を容易にする観点から、高分子量のものと低分子量のものを混合して用いるのが好ましい。混合は溶融状態で混練するあるいは溶液状態で混合する等方法があるが、ペレットなどを溶融状態で混合する方法が典型的である。具体的に使用する高分子量品としては、例えばビクトレックス社PEEK 450Gあるいは381G(商品名)であり、低分子量品としては例えば151G、90G(商品名)である。この中でも高分子量品として450G、低分子量として151Gを使用することが好ましい。高分子量品と低分子量品の混合質量比は、40/60〜75/25の範囲、さらに好ましくは50/50〜65/35の範囲である。この範囲であれば、高分子量成分の機械強度が良く維持され、溶融粘度が効果的に低減される。
【0034】
次に、本実施例で用いられるPEEK樹脂に対し最も好適に用いられるカーボンブラックであるアセチレンブラックについて説明する。前記のようにアセチレンブラックはカーボンブラックの一種であり、アセチレンから製造される。
【0035】
製造方法としてはアセチレンを、予熱した炉で熱分解して得られる。アセチレンブラックは発熱反応により高速、高選択反応により得られるため高純度のカーボンブラックが得られるといわれている。電気化学工業社製のデンカブラック(商品名)が代表的で、粒状品、プレス一般品、プレス特殊品等のなかから選ぶことが出来る。
【0036】
これに対し、抵抗値の制御性を意図して分散性の良いオイルファーネスブラックは、PEEKとの混合によって異物が発生し、シート、フィルムあるいはベルトとして品質の良いものが得られにくい。これは、オイルファーネスブラックのような高温下での揮発分が多いカーボンブラックでは、高温での加工が必要なPEEK樹脂との混合で、その揮発成分が不純物として異物の生成に繋がると推測される。
【0037】
アセチレンブラックは比較的カーボンブラック特有のストラクチャーといわれる嵩高い構造を取りやすいカーボンブラックであり、このためそのような構造をあまり取らないカーボンブラックに比べ、低い質量分率で樹脂組成物を中抵抗化すなわち半導電性とすることが可能である。
【0038】
本発明に係る半導電性フィルムはアセチレンブラックをPEEK等の熱可塑性樹脂に分散させることによって製造することができる。
【0039】
熱可塑性樹脂にアセチレンブラックを分散する方法としては、溶融混練機を用いた溶融混練法、溶液混合法があるが、通常は、2軸溶融混練機または1軸溶融混練機を用いてアセチレンブラックと熱可塑性樹脂とを溶融混練することによって樹脂組成物とする方法が一般的である。溶融混練法においては、2軸溶融混練機が特に好適に用いられる。
【0040】
2軸溶融混練機としては、例えば、HK−25D(商品名、パーカーコーポレーション社製)、PCMシリーズ(商品名、池貝社製プラスチック)などが挙げられる。
【0041】
また、一般に、熱可塑性樹脂とカーボンブラックからなる樹脂組成物において同一材料を使用する場合、カーボンブラックの樹脂に対する添加量が少ないほど抵抗値は高くなり、同一材料を同一分量比で使用する場合、カーボンブラック粒子が均一に細かく分散するにつれて抵抗値は高くなる。したがって、所定の添加量で所定の抵抗値を得る為にはカーボンブラックの分散状態を制御することが重要である。
【0042】
PEEK樹脂とアセチレンブラックを混練する工程は、PEEK樹脂中のアセチレンブラックの分散状態に大きな影響を与えることから、本発明の半導電性フィルムを得るには、二軸溶融混練機の加工条件によって分散状態を制御するのが最も有効である。また混練する際、樹脂ペレットやCBを粉砕によりあらかじめ微粒化しておくこともできる。本発明の具体的実施例で後述するように、二軸溶融混練機でPEEK樹脂とアセチレンブラックの樹脂組成物を作成し、作成した樹脂組成物を繰り返し溶融混練することで所望の分散状態を作り出すことが可能である。
【0043】
次に該樹脂組成物を溶融押出しによりシート、フィルムあるいはシームレスベルト形状に押出す方法により半導電性フィルムを得ることが出来る。熱プレス、射出成型を使用して成型することもできる。また、本発明の半導電性フィルムの実施例である中間転写ベルトの製造方法には、特に限定は無く、他のどのような製造方法を用いても良い。例えばシームレスベルトを得る方法としては、シートを押出しにより成形したのち繋ぎ合わせてシームレス化する方法(特許文献2参照)や円筒ダイスから押出しベルトとする方法(特許文献3参照)などがある。
【0044】
以下に、本実施例で好適に用いうる例として、1軸スクリューを持つ溶融押出し機とスパイラル状の環状ダイを用いて当該ダイの環状リップよりシームレス体として押出す方法について記す。まず、1軸スクリューを持つ溶融押出し機に樹脂組成物を投入し、スパイラル状の環状ダイの環状リップよりシームレス体として樹脂組成物を押出す。押出し後に冷却ロールあるいは内部冷却マンドレル方式によって内径を制御して引き取り、それらを押出し方向に垂直にカットすることによりシームレスベルトを得ることが出来る。ダイのリップのクリアランスは2.0mm以下、好ましくは1.0mm以下である。本発明のベルトの膜厚みは、転写ベルトあるいは中間転写ベルトとしては150μm以下30μm以上が好ましく、ダイより押出す際の引張り条件を制御することにより所望の厚みとすることが出来る。
【0045】
本実施例においては、機械強度、耐久強度を強化する目的で、結晶化処理を施すことが好ましく、150℃以上でアニ−リング処理することで結晶化を促進することが出来る。好ましくは200℃以上でアニ−リングする。アニーリングは恒温層中でも良いし、金属の型にサンドしても良い。結晶化度の程度は示差走査熱量計(DSC)で、150℃から200℃の結晶化エンタルピー:ΔHピーク強度が20J/g未満であることが好ましい。より好ましくは15J/g未満、さらに好ましくは10J/g未満である。DSCの測定は、昇温速度は5〜10℃/min、測定開始温度:120℃、測定終了温度400℃、サンプル質量約5mgで、パーキンエルマー社製DSC7等の装置で測定可能である。
【0046】
このようにして作成した本発明に関わるベルトは、機械強度及び耐久強度に優れ、耐磨耗性、耐薬品性、摺動性、強靭性、難燃性なども極めて優れるものである。例えばJIS K 7113によって引張り試験を行うときわめて優れた機械強度を発現することが出来る。引張り弾性率では、1.50GPa以上、あるいは2.0GPa以上あるいは2.5GPa以上、3.0GPa以上を示すことも可能である。また引張り破断伸びでは10%以上あるいは20%以上を示すことが可能であり、タフネスという意味でも極めて優れていることがわかる。また屈曲疲労試験としてはJIS P 8115が知られているがこれにおいても優れた特性を発揮することが可能である。さらに本発明のベルトは、表面硬度においても0.25GPa以上を発現することが可能であり、その意味でも優れたものであると言うことが出来る。
【0047】
このようにして得られた本発明の半導電性フィルムのアセチレンブラックの分散状態は、以下のようにして知ることが出来る。まず本発明の半導電性フィルムを適当な大きさに切り回転式レオメータの試料台に載せ温度を溶融状態となるような一定温度に制御しながら動的粘弾性を測定し複素弾性率G*の歪依存性を調べる。G*とは式(1)のように貯蔵弾性率と損失弾性率のベクトル和の大きさで表される。
G*=(G’+G”1/2 式(1)
【0048】
ゴム/アセチレンブラック系においてG*は歪に対して非線形な挙動を示し、線形粘弾性領域におけるG*の値はアセチレンブラックの充填量に依存する現象(いわゆるPayne効果)が知られている。さらに、ゴム/アセチレンブラック系におけるG*の歪依存性はゴム中のアセチレンブラックの分散状態にも依存することが知られており、逆にG*の歪依存性からアセチレンブラックの分散状態を推定することができる(非特許文献1、特許文献2)。本発明ではこのようなゴム/アセチレンブラック系において用いられる分散性解析手法を本発明の高分子/アセチレンブラックコンポジットのフィルムにも適応できることを見出した。つまり、前記の実験により得られたG*の歪依存性からG /G×100で表現される分散性指数を求め分散状態を調べることが出来る。なお、Gは非線形粘弾性領域、Gは線形粘弾性領域におけるG*の値である。
【0049】
このようにして求めた分散性指数と先に述べた出力画像品位低下現象の関連を鋭意検討した結果、分散性指数が一定の範囲の半導電性フィルムを用いることで出力画像品位低下現象を抑えることができることを見出した。
【0050】
このことから、本発明の半導電性フィルムを用いた中間転写ベルトのG*の歪依存性から求めた分散性指数を所定の範囲内とすることでその耐久性能を格段に向上させうること、すなわち、本発明の中間転写体を用いた画像形成装置の出力画像品位の安定性を著しく向上させることを可能とした。
【0051】
更に詳しくは、中間転写体の耐久性能を向上させるには、溶融状態となる温度において(好ましくは340℃以上、より好ましくは380℃以上)、φ25mm以下、好ましくはφ15mm以下のSUS製パラレルプレートを用い、10〜0.5Hzの範囲の一定周波数、好ましくは2.0〜0.5Hzの範囲の一定周波数でG*の歪依存性を測定した時の歪30%におけるG*と線形粘弾性領域(例えば、歪0.5%)におけるG*の比の100分率が40%以上となることが好ましい。さらに好ましくは歪30%におけるG*と歪0.5%におけるG*の比の100分率が45%以上とすることで前記画像不良に至るまでの繰り返し画像出力回数を著しく増大させることができる。このような繰り返し画像出力による画像劣化についてのメカニズムは十分に解明できていないが、転写バイアスが印加された際に電界の集中が起こり、それに伴う電流集中さらには絶縁破壊により導電パスが新たに生成することにより起こると推定される。高分子中のアセチレンブラックの分散性を前記規定の分散性指数が一定の範囲内になるように分散状態を制御することで、画像劣化が抑制するものと推定される。つまり、アセチレンブラックの凝集及び偏在の少ない分散状態を実現していることにより、一部に電界が集中することがなく、新たな導電パスの発生が抑制でき、本発明の半導性フィルムの電気特性の劣化を招き難くし得ていると考えられる。
【0052】
また、本発明の半導電性フィルムからなる中間転写ベルトは、体積抵抗率として10Ω・cm以上1012Ω・cm以下であるとき、良好な転写性能を発揮する。したがって、本発明においてはGの歪依存性から求めた前記分散性指数が40%以上となるようにアセチレンブラックが分散しており、なおかつ体積抵抗率が前記の抵抗値範囲内であることが必要である。先に述べたようにアセチレンブラックの樹脂に対する充填量が変らない場合、高分散状態になるほど抵抗は高くなるため、体積抵抗率が10Ω・cm以上1012Ω・cm以下であって、Gの歪依存性から求めた前記分散性指数が40%以上となるようなアセチレンブラックの分散状態を実現するためにはアセチレンブラックの充填量に最適範囲が存在する。本発明者らが鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に対し19質量%以上のアセチレンブラックを含有することが必要であることを見出した。また、体積抵抗率が10Ω・cm以上1012Ω・cm以下であって、G*の歪依存性から求めた前記分散性指数が45%以上の分散性を実現するために、22質量%以上のアセチレンブラックを含有することが必要であることを見出した。この充填量に満たない充填量で前記体積抵抗率とした場合、高分散状態を実現できていないため出力画像品位低下現象を防ぐことが出来ない。この観点とは別に中間転写ベルトの機械強度を保つ必要から、熱可塑性樹脂に対して30質量%以下のアセチレンブラックを含有することが必要である。また、熱可塑性樹脂に対するアセチレンブラックのより好ましい含有量としては、27質量%以下、特には25質量%以下である。
【実施例】
【0053】
以下に本発明の実施例について具体的に説明する。
まず、以下の実施例において実施した測定方法及び評価方法についてまとめて記載する。
【0054】
(1)抵抗値の測定
(1−1)体積抵抗率
抵抗率測定装置(商品名:ハイレスタUP、三菱化学社製)にリング状プローブ(商品名:URSプローブ、三菱化学社製、内側の電極の外径5.9mm、外側の電極の内径11.0mm、外側電極の外径17.8mm)と測定ステージ(商品名:レジテーブルUFL、三菱化学社製)を接続し、プローブと測定ステージの間に挟んだ試料に約2kg重の圧力を加えながら、プローブの内側の電極(主電極)と測定ステージとの間に100Vの電圧を印加して測定した。
【0055】
(1−2)表面抵抗率
抵抗率測定装置(商品名:ハイレスタUP、三菱化学社製)にリング状プローブ(商品名:URSプローブ、三菱化学社製、内側の電極の外径5.9mm、外側の電極の内径11.0mm、外側電極の外径17.8mm)と測定ステージ(商品名:レジテーブルUFL、三菱化学社製)を接続し、プローブと測定ステージの間に挟んだ試料に約2kg重の圧力を加えながら、プローブの内側の電極(主電極)とプローブの外側の電極(ガード電極)との間に100Vの電圧を印加して測定した。
【0056】
(2)G*の歪依存性の測定
半導電性フィルムを適当な大きさに切り出し、動的粘弾性測定装置(商品名:VAR−100、Reologica Instruments A.B.社製)で380℃、周波数1.0Hz、φ15mmSUS製パラレルプレート、試験片の厚さ1mmの条件で動的粘弾性を測定した。
【0057】
(3)画像出力耐久性の評価
下記に述べる方法で作成したフィルムを100mm×100mmに切り出し、この切り出したフィルムを図1に示す画像形成装置100の中間転写ベルト7の中央部にあらかじめ同一形状にあけた穴の部分に貼り付けて、評価用の中間転写ベルトとした。評価は貼り付けられたフィルム部に対応する部分の出力画像を確認することで行った。本発明の実施例中での中間転写ベルトの評価は以下のような基準とした。
×:下記条件(I)で白抜け画像が発生した。
○:下記条件(I)で白抜け画像が発生せず、下記条件(II)で白抜け画像が発生した。
◎:下記条件(I)および(II)で白抜け画像が発生しなかった。
【0058】
条件(I)
紙への転写、いわゆる2次転写を繰り返すことで評価を行った。紙はCLC80(日本製紙社製)で体積抵抗率は約1011Ω・cmである。2次転写ニップ幅5mm、厚み85μm、A4幅297mmとして、実抵抗は約6E+7Ωである。利用したトナーの単位質量当たり帯電量は、常温低湿環境下(23℃、5%)で約30μC/gである。中間転写ベルト上に形成されるトナーの最大載り量は12g/mであるので単位面積あたりの最大電荷量は360μC/mである。転写ローラは、外径φ24mm、芯金φ12mm、厚さ6mmの導電性弾性層を表層に持つローラであり、2次転写ニップ幅は5mmであることから転写ニップ部の実抵抗は約6×10Ωである。2次転写ニップ幅は5mmであることと、中間転写ベルトの厚みが80μmとし、幅が約300mmであることから、体積抵抗を例えば1010Ω・cmとすると、中間転写ベルトの転写ニップ部での実抵抗は、約2×10Ωである。2次転写ニップのトナーの電荷量は、2次転写ニップ幅5mmと最大画像幅300mmを上記単位面積当たりの最大電荷量にかけ合せ、約0.53μCとなる。プロセススピードは130mm/sであるので、ニップ通過時間は0.038秒(s)である。必要な転写のための、必要転写電流は0.53/0.038=13.9μAであるが、経験的に通常、電流の利用効率は40%程度から75%程度であることがわかっている。40%のとき必要転写電流は、約35μA、75%のときのそれは約19μAである。ローラ、中間転写ベルト、紙の合成抵抗は約1.4×10であることから、転写電流利用効率を考慮し、転写電圧は3.5kVとした。この条件で繰返し転写耐久を実施し、30万枚繰返し後の出力画像20枚を目視確認することとした。
【0059】
条件(II)
上記条件(I)に関して、顔料成分の多いトナーに変えたが帯電量は同じで最大載り量を12g/mから6g/mに変えた。プロセススピードを130mm/sから300mm/sに変え、ニップ通過時間を0.016秒(s)とした。その他は条件(I)と同じとした。必要転写電流は16.6μAであるが、電流の利用効率を考慮して、転写電圧は4.2kVとした。この条件で繰返し転写耐久を実施し、60万枚繰返し後の出力画像20枚を目視確認することとした。
【0060】
<実施例1>
PEEK樹脂として、ビクトレックス450G(商品名、ビクトレックス社製)60質量部と、ビクトレックス151G(商品名、ビクトレックス社製)40質量部とをブレンドしたものを用いた。
【0061】
これにアセチレンブラック(デンカブラック粒状品(商品名))を、PEEKに対して19質量%の添加量となるようPEEKとブレンドした。これを、同方向回転二軸混練押出機(商品名:HK−25D、パーカーコーポレーション社製)を用いて溶融混練し、ペレット11を作成した。
【0062】
このとき二軸混練押出し機のスクリューを、順送りタイプのニーディングスクリュー、ニュートラルタイプのニーディングスクリュー、逆送りタイプのニーディングスクリューと送りスクリューの比を108/60/48/792として回転数500rpmで行った。このペレット11を上記装置に投入し、溶融混練することによりペレット12を作成した。同様に溶融混練を繰り返しペレット13およびペレット14を順次作製した。
【0063】
ペレット14を単軸押出機(商品名:ラボプラストミル、東洋精機製作所製)を用いて、幅150mm、リップ350μmのTダイから溶融押出し成形により厚さ80μmのフィルムに加工しシート1を作成した。
【0064】
次に、このシート1の体積抵抗率と表面抵抗率とG*の歪依存性をそれぞれ前記の方法で測定した結果を表1に記載した。次に、このベルト画像出力耐久性の評価を前記の方法により行い、結果を表1に記載した。
【0065】
<実施例2>
デンカブラック粒状品を20質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレット21を作成した。以下実施例1と同様に溶融混錬を繰り返し、ペレット22、ペレット23、ペレット24、ペレット25、ペレット26を作成した。このペレット26を実施例1と同様に押出し成形加工し、シート2を作成した。
シート2について実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表1に記載した。
【0066】
<実施例3>
デンカブラック粒状品を21質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレット31を作成した。以下実施例1と同様に溶融混錬を繰り返し、ペレット32、ペレット33、ペレット34、ペレット35、ペレット36を作成した。このペレット36を実施例1と同様に押出し成形加工し、シート3を作成した。
シート3について実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表1に記載した。
【0067】
<実施例4>
デンカブラック粒状品を22質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレット41を作成した。以下実施例1と同様に溶融混錬を繰り返し、ペレット42、ペレット43、ペレット44、ペレット45、ペレット46、ペレット47、ペレット48を作成した。このペレット48を実施例1と同様に押出し成形加工し、シート4を作成した。
シート4について実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表1に記載した。
【0068】
<実施例5>
デンカブラック粒状品を23質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレット51を作成した。以下実施例1と同様に溶融混錬を繰り返し、ペレット52、ペレット53、ペレット54、ペレット55、ペレット56、ペレット57、ペレット58を作成した。このペレット58を実施例1と同様に押出し成形加工し、シート5を作成した。
シート5について実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表1に記載した。
【0069】
<実施例6>
デンカブラック粒状品を24質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレット60を作成した。以下実施例1と同様に溶融混錬を繰り返し、ペレット61、ペレット62、ペレット63、ペレット64、ペレット65、ペレット66、ペレット67、ペレット68、ペレット69を作成した。このペレット69を実施例1と同様に押出し成形加工し、シート6を作成した。
シート6について実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表1に記載した。
【0070】
<比較例1>
デンカブラック粒状品を19質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレットA1を作成した。
このペレットA1を実施例1と同様に押出し成形加工し、シートAを作成した。
シートAについて実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表1に記載した。
【0071】
<比較例2>
デンカブラック粒状品を18質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレットB1を作成した。以下実施例1と同様に溶融混練を繰り返し、ペレットB2、ペレットB3を作成した。
このペレットB3を実施例1と同様に押出し成形加工し、シートBを作成した。
シートBについて実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表2に記載した。
【0072】
<比較例3>
デンカブラック粒状品を19質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレットC1を作成した。以下実施例1と同様に溶融混練を繰り返し、ペレットC2を作成した。
このペレットC2を実施例1と同様に押出し成形加工し、シートCを作成した。
シートCについて実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表2に記載した。
【0073】
<比較例4>
デンカブラック粒状品を20質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレットD1を作成した。以下実施例1と同様に溶融混練を繰り返し、ペレットD2、ペレットD3、ペレットD4を作成した。
このペレットD4を実施例1と同様に押出し成形加工し、シートDを作成した。
【0074】
シートDについて実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表2に記載した。なお、シートDは初期抵抗が低いために初期画質がわるかったが、耐久性評価を行うとさらに画質が悪化した。
【0075】
<比較例5>
デンカブラック粒状品を23質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレットE1を作成した。以下実施例1と同様に溶融混練を繰り返し、ペレットE2、ペレットE3、ペレットE4、ペレットE5、ペレットE6を作成した。
このペレットE6を実施例1と同様に押出し成形加工し、シートEを作成した。
ペレットE6およびシートEについて実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表2に記載した。
【0076】
<比較例6>
デンカブラック粒状品を24質量%の添加量となるよう調整した以外は実施例1と同様に溶融混練することによりペレットF1を作成した。以下実施例1と同様に溶融混練を繰り返し、ペレットF2、ペレットF3、ペレットF4、ペレットF5、ペレットF6、ペレットF7、ペレットF8を作成した。
このペレットF8を実施例1と同様に押出し成形加工し、シートFを作成した。
シートFについて実施例1と同様に測定及び評価を行った結果を表2に記載した。
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置において使用できる。
【符号の説明】
【0080】
1Y、1M、1C、1K 感光ドラム
2Y、2M、2C、2K 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザービームスキャナ
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
7 中間転写ベルト
8 2次転写ローラ
9 定着器
S 転写材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも熱可塑性樹脂と該熱可塑性樹脂に対して19質量%以上、30質量%以下のアセチレンブラックとを有する半導電性フィルムであって、
G*の歪依存性から求めた該アセチレンブラックの分散性指数が40%以上であり、かつ、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下であることを特徴とする半導電性フィルム。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂がポリエーテルエーテルケトンである請求項1に記載の半導電性フィルム。
【請求項3】
電子写真感光体及び請求項1または2に記載の半導電性フィルムを中間転写体として有することを特徴とする電子写真画像形成装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−220839(P2012−220839A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88439(P2011−88439)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】