説明

半導電性超高分子量ポリエチレン組成物とそれよりなるフィルムとその製造方法

【課題】超高分子量ポリエチレンを基材とし、これに導電性フィラーを均一に分散させてなる、半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムとその製造方法を提供する。
【解決手段】重量平均分子量が5.0×105 以上であると共に多分散度が15〜100の範囲にある超高分子量ポリエチレンと導電性フィラー、好ましくは、ケッチェンブラックを二軸押出機にて溶融混練し、次いで、得られた溶融混練物をペレットに成形し、次いで、このペレットを押出して、体積固有抵抗率が105 〜109 Ω・cm、好ましくは、106 〜108 Ω・cmの範囲にある半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導電性超高分子量ポリエチレン組成物とそれよりなるフィルムとその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、体積固有抵抗率が105 〜109 Ω・cm、好ましくは、106 〜108 Ω・cmの範囲にある半導電性超高分子量ポリエチレン組成物と、それよりなる半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムと、上記組成物と上記フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導電性領域の体積固有抵抗率を有するポリマー組成物は、例えば、電荷制御のための部材として、種々の電子装置に広く用いられている。例えば、電子写真方式の複写機においては、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ等に用いられている。
【0003】
従って、このような電荷制御のための部材として用いる際の要求特性としては、部材全体を通じて、体積固有抵抗率にばらつきがないことは勿論、種々の物理的化学的特性、例えば、機械的強度、表面平滑性、耐摩耗性、耐熱性等にすぐれることが求められる。
【0004】
このような特性を有するポリマーとして、所謂超高分子量ポリエチレンが知られている。しかし、超高分子量ポリエチレンは上述したような特性にすぐれる反面、溶融粘度が著しく高く、例えば、フィルムやシートの製造において、汎用のポリエチレンやポリプロピレンに好適に用いられる押出成形を適用することが困難である。そこで、超高分子量ポリエチレンのフィルムやシートは、これまで、通常、超高分子量ポリエチレン粉末を板や棒状の成形品に圧縮成形し、これをフィルムやシートに切り出す方法によって製造されている。しかし、このような方法によれば、得られるフィルムやシートが表面平滑性に劣るほか、厚みも、80〜100μmが限界であるとされている。
【0005】
また、超高分子量ポリエチレンに導電性フィラーを分散させて、導電性複合体を製造する場合にも、押出機を用いて超高分子量ポリエチレンと導電性フィラーを溶融混練することが困難であり、従って、例えば、超高分子量ポリエチレンに炭素を乾式にて混合し、加熱下に圧縮成形することによって導電性超高分子量ポリエチレン複合体が製造されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、このように、超高分子量ポリエチレンに導電性カーボンブラックを分散させて導電性複合体を製造する場合、超高分子量ポリエチレンに対する導電性カーボンブラックの割合と得られる複合体の体積固有抵抗率とは比例関係にはなく、ある一定の量までは、超高分子量ポリエチレンに導電性カーボンブラックを配合しても、超高分子量ポリエチレンの体積固有抵抗率は1013Ω・cm程度の値を有して、殆ど変化しないが、ある一定の量を超えれば、体積固有抵抗率が急激に低下し、103Ω・cm程度の一定値となって安定する。
【0007】
従って、従来、超高分子量ポリエチレンに導電性フィラーを均一に分散させることが困難であり、更に、導電性カーボンブラックが凝集しやすいことと相俟って、体積固有抵抗率がばらつきなしに、105 〜109 Ω・cm、好ましくは、106 〜108 Ω・cmの範囲にある半導電性領域の超高分子量ポリエチレン組成物や、それよりなる半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムを安定して製造することが困難であった。
【特許文献1】特開平07−094018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、超高分子量ポリエチレンを基材とし、これに導電性フィラーを分散させてなる半導電性超高分子量ポリエチレン組成物における上述した問題を解決するためになされたものであって、超高分子量ポリエチレンを基材とし、これに導電性フィラーを均一に分散させてなる、体積固有抵抗率が105 〜109 Ω・cm、好ましくは、106 〜108 Ω・cmの範囲にある半導電性超高分子量ポリエチレン組成物と、それよりなる半導電性超高分子量ポリエチレンと、そのような組成物とフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、重量平均分子量が5.0×105 以上であると共に多分散度が15〜100の範囲にある超高分子量ポリエチレン導電性フィラーが分散されてなる、105 〜109 Ω・cmの範囲の体積固有抵抗率を有する半導電性超高分子量ポリエチレン組成物が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、重量平均分子量が5.0×105 以上であると共に多分散度が15〜100の範囲にある超高分子量ポリエチレンと導電性フィラーをスクリュー押出機にて溶融混練する工程を含む半導電性超高分子量ポリエチレン組成物の製造方法が提供される。
【0011】
更に、本発明によれば、重量平均分子量が5.0×105 以上であると共に多分散度が15〜100の範囲にある超高分子量ポリエチレンと導電性フィラーをスクリュー押出機にて溶融混練し、次いで、得られた溶融混練物をダイからフィルムに押し出すか、又は得られた溶融混練物をペレットに成形し、次いで、このペレットをスクリュー押出機にて溶融させ、ダイからフィルムに押し出すことからなる半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上述した所定の分子量特性を有する超高分子量ポリエチレンを用いることによって、これを導電性フィラーとスクリュー押出機にて溶融混練することができ、かくして、超高分子量ポリエチレンに導電性フィラーが均一に分散された半導電性超高分子量ポリエチレン組成物を得ることができる。
【0013】
更に、本発明によれば、この組成物をそのまま連続して、又は一旦、ペレットに成形した後、ダイからフィルムに押出成形することによって、半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムを得ることができる。
【0014】
このようにして得られる半導電性超高分子量ポリエチレン組成物、好ましい態様によれば、半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムは、105 〜109 Ω・cmの範囲、好ましくは、106 〜108 Ω・cmの範囲の体積固有抵抗率を有し、しかも、フィルムは、その全体において、体積固有抵抗率にばらつきがなく、一定の値を有し、勿論、超高分子量ポリエチレンを基材とするものであるので、機械的特性、表面平滑性、耐磨耗性、耐熱性等にすぐれており、種々の産業分野において、好適に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明において、超高分子量ポリエチレンは、重量平均分子量が5.0×105以上、好ましくは、5.0×105 〜7.0×10の範囲にあると共に、多分散度が15〜100の範囲にあるものである。本発明によれば、このような分子量特性を有する超高分子量ポリエチレンを用いることによって、これをスクリュー押出機にて導電性フィラーと溶融混練することができ、従って、好ましい態様によれば、これをペレット化した後、これを再度、溶融して、押出成形法にてフィルム等の成形物に成形することができる。
【0016】
多分散度(polydispersity (index))とは、よく知られているように、ポリマーの分子量分布の尺度を示す値であり、そのポリマーの重量平均分子量を数平均分子量で除した値である。多分散度が上記よりも小さい超高分子量ポリエチレンは、導電性フィラーと溶融混練することができず、従って、前述したように、導電性フィラーを分散させた超高分子量ポリエチレン組成物を得るには、導電性フィラーを超高分子量ポリエチレンに乾式で混合せざるを得ず、かくして、導電性フィラーを微細に且つ均一に超高分子量ポリエチレンに分散させることができない。
【0017】
本発明によれば、上述したような分子量特性を有する超高分子量ポリエチレンを用いることによって、スクリュー押出機を用いて、導電性フィラーと溶融混練することができ、かくして、導電性フィラーが超高分子量ポリエチレンに均一に分散されてなる半導電性超高分子量ポリエチレン組成物を得ることができる。超高分子量ポリエチレンと導電性フィラーとをスクリュー押出機にて溶融混練する際のシリンダー温度は、通常、200〜300℃の範囲が好適である。
【0018】
本発明においては、このように、超高分子量ポリエチレンを導電性フィラーと溶融混練するに際して、必要に応じて、種々の添加剤を用いてもよい。そのような添加剤として、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、着色剤等を挙げることができる。例えば、熱安定剤としては、ステアリン酸カルシウムが用いられる。
【0019】
本発明においては、導電性フィラーとしては、例えば、導電性カーボンブラック、黒鉛粉末、金属粉末等を挙げることができるが、なかでも、導電性カーボンブラックが好ましく用いられ、特に、ケッチェンブラックが最も好ましく用いられる。ケッチェンブラックを用いる場合、その平均粒子径は、50〜500nmの範囲のものが好ましく用いられる。
【0020】
本発明によれば、このような導電性フィラーは、最終的に得られる超高分子量ポリエチレン組成物が105 〜109 Ω・cmの範囲、好ましくは、106 〜108 Ω・cmの範囲の体積固有抵抗率を有するような配合割合にて用いられる。この配合割合は、用いる導電性フィラーによって相違するので、一概に定めることはできないが、本発明によれば、導電性フィラーは超高分子量ポリエチレンとスクリュー押出機を用いて均一に溶融混練することができ、従って、得られる組成物がばらつきなしに安定した体積固有抵抗率を示すので、上記範囲の体積固有抵抗率を有する組成物を得るための導電性フィラーの配合割合は、実験によって容易に定めることができる。
【0021】
より具体的に説明すれば、導電性フィラーとして、ケッチェンブラックを用いる場合、超高分子量ポリエチレン100重量部に対して、2.4〜4.0重量部の範囲、好ましくは、2.6 〜3.5重量部の範囲で用いることによって、安定して上記範囲の体積固有抵抗率を有する超高分子量ポリエチレン組成物を得ることができる。他方、導電性フィラーとして、アセチレンブラックを用いる場合であれば、超高分子量ポリエチレン100重量部に対して、13.2〜18.0重量部の範囲、好ましくは、13.3 〜16.5重量部の範囲で用いることによって、安定して上記範囲の体積固有抵抗率を有する超高分子量ポリエチレン組成物を得ることができる。
【0022】
本発明によれば、上述したように、超高分子量ポリエチレンと導電性フィラーを必要に応じて適宜の添加剤の存在下にスクリュー押出機を用いて溶融混練して、導電性フィラーが超高分子量ポリエチレンに均一に分散された超高分子量ポリエチレン組成物を得ることができ、そこで、この溶融混練物をそのまま、スクリュー押出機の先端に取り付けたダイから連続して押出してフィルムに成形するか、又は得られた溶融混練物をスクリュー押出機の先端に取り付けたノズルから連続して紐状に押出し、切断して、一旦、ペレットに成形し、次いで、このペレットをスクリュー押出機にて溶融混練し、ダイから連続して押出してフィルムに成形し、かくして、所要の厚みを有する半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムを得ることができる。ペレットをスクリュー押出機にて溶融混練する際のシリンダー温度も、通常、200〜300℃の範囲が好適である。
【0023】
本発明によれば、スクリュー押出機として、一軸押出機と多軸押出機、代表的には、二軸押出機のいずれでも用いることができるが、これらのスクリュー押出機は、トピード、フルフライト、ダルメージ等のような混練性の高いスクリューを備えていることが好ましい。また、ダイとしては、特に限定されるものではないが、Tダイ、インフレーションダイ、丸ダイ等が用いられる。
【0024】
上述したように、本発明によれば、スクリュー押出機として、一軸押出機と多軸押出機のいずれでも用いることができるが、超高分子量ポリエチレンと導電性フィラーを溶融混練し、この溶融混練物をそのまま、ダイから押出してフィルムに成形する場合は、多軸押出機、特に、二軸押出機を用いることが好ましい。他方、前段として、スクリュー押出機で溶融混練物を調製し、これを一旦、ペレットとし、次いで、後段として、このペレットをスクリュー押出機にて溶融混練し、ダイから押出してフィルムに成形する場合は、前段には多軸押出機、例えば、二軸押出機を用い、後段には一軸押出機を用いることができる。
【0025】
このようにして得られる本発明による半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムは、105 〜109 Ω・cmの範囲の体積固有抵抗率を有し、好ましくは、106 〜108 Ω・cmの範囲の体積固有抵抗率を有する。本発明において、フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、通常、0.01〜2.0mmの範囲にあり、好ましくは、0.02〜1.0mmの範囲にあり、より好ましくは、0.03〜0.5mmの範囲にある。
【実施例】
【0026】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。以下において、得られたフィルムの体積固有抵抗率は、幅150mm、長さ1mのフィルムの一表面を幅方向に3等分すると共に、長さ方向に3等分して、9個の長方形に区画し、これら9区画において体積固有抵抗率を測定し、その平均値を記載した。103 Ω・cm以下の測定には三菱化学(株)製ロレスターUP(型式MCP−T610)を用い、104 Ω・cm以上の測定には三菱化学(株)製ハイレスタ(型式HT−201)を用いた。
【0027】
実施例1
超高分子量ポリエチレン(三井化学(株)製リュブマーL4000P、重量平均分子量1.53×106、多分散度63.0)5kgに酸化防止剤(住友化学(株)製スミライザーGA80)1gを混合して、配合物を調製した。別に、ケッチェンブラックEC−600JD(ライオン(株)製カーボンブラック)1kgに熱安定剤としてステアリン酸カルシウム100gを加え、混合して、配合物を調製した。
【0028】
上記超高分子量ポリエチレン100重量部に対して上記ケッチェンブラック2.9重量部となるようにそれぞれの配合物をホッパから二軸押出機(スクリュー径15mm、L/D=45、スクリュー回転数約700rpm、シリンダー温度約400℃、ノズル温度約220℃、スクリュー二軸同方向回転方式)に供給し、溶融混練し、先端に取付けたノズルから紐状に吐出させ、これを水冷し、ペレタイザーにて切断して、ペレットを得た。
【0029】
次に、上記ペレットを一軸押出機(内径20mm、L/D=25、シリンダー温度約220℃、ダイ温度約240℃)に供給し、Tダイから厚み0.2mmのフィルムに押出し、このフィルムを冷却ロールにて冷却した後、引取ロールに巻き取った。このようにして得られた半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムの体積固有抵抗率は4.62×108 Ω・cmであった。
【0030】
実施例2
実施例1において、超高分子量ポリエチレン100重量部に対するケッチェンブラックの配合割合を3.1重量部とした以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率2.9×106Ω・cmのフィルムを得た。
であった。
【0031】
実施例3
実施例1において、超高分子量ポリエチレン100重量部に対するケッチェンブラックの配合割合を3.0重量部とした以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率5.5×107 Ω・cmのフィルムを得た。
【0032】
このフィルムについて、前述したような9区画の測定値の標準偏差は6.16であった。また、このフィルムの裏面における体積固有抵抗率は2.7×107 Ω・cmであり、9区画の測定値の標準偏差は6.60であった。
【0033】
実施例4
実施例1において、超高分子量ポリエチレン100重量部に対するケッチェンブラックの配合割合を3.3重量部とした以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率1.38×106 Ω・cmのフィルムを得た。
【0034】
比較例1
実施例1において、超高分子量ポリエチレン100重量部に対するケッチェンブラックの配合割合を2.2重量部とした以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率7.67×1012 Ω・cmのフィルムを得た。
であった。
【0035】
比較例2
実施例1において、超高分子量ポリエチレン100重量部に対するケッチェンブラックの配合割合を4.4重量部とした以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率4.02×103 Ω・cmのフィルムを得た。
【0036】
実施例4
実施例1において、ケッチェンブラックに代えて、超高分子量ポリエチレン100重量部に対して、アセチレンブラックを13.5重量部用いた以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率2.03×107 Ω・cmのフィルムを得た。
であった。
【0037】
実施例5
実施例1において、ケッチェンブラックに代えて、超高分子量ポリエチレン100重量部に対して、アセチレンブラックを14.0重量部用いた以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率1.43×106 Ω・cmのフィルムを得た。
であった。
【0038】
実施例6
実施例1において、ケッチェンブラックに代えて、超高分子量ポリエチレン100重量部に対して、アセチレンブラックを15.0重量部用いた以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率1.21×105 Ω・cmのフィルムを得た。
【0039】
比較例3
実施例1において、ケッチェンブラックに代えて、超高分子量ポリエチレン100重量部に対して、アセチレンブラックを13.0重量部用いた以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率6.49×1011 Ω・cmのフィルムを得た。
【0040】
比較例4
実施例1において、ケッチェンブラックに代えて、超高分子量ポリエチレン100重量部に対して、アセチレンブラックを20.0量部用いた以外は、同様にして、厚み0.2mm、体積固有抵抗率1.61×103 Ω・cmのフィルムを得た。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量平均分子量が5.0×105 以上であると共に多分散度が15〜100の範囲にある超高分子量ポリエチレンに導電性フィラーが分散されてなる、105 〜109 Ω・cmの範囲の体積固有抵抗率を有する半導電性超高分子量ポリエチレン組成物。
【請求項2】
体積固有抵抗率が106 〜108 Ω・cmの範囲にある請求項1に記載の半導電性超高分子量ポリエチレン組成物。
【請求項3】
導電性フィラーが炭素である請求項1又は2に記載の半導電性超高分子量ポリエチレン組成物。
【請求項4】
導電性フィラーがケッチェンブラックである請求項3に記載の半導電性超高分子量ポリエチレン組成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の半導電性超高分子量ポリエチレン組成物からなる半導電性超高分子量ポリエチレンフィルム。
【請求項6】
重量平均分子量が5.0×105 以上であると共に多分散度が15〜100の範囲にある超高分子量ポリエチレンと導電性フィラーをスクリュー押出機にて溶融混練する工程を含む半導電性超高分子量ポリエチレン組成物の製造方法。
【請求項7】
導電性フィラーが炭素である請求項6に記載の半導電性超高分子量ポリエチレン組成物の製造方法。
【請求項8】
導電性フィラーがケッチェンブラックである請求項7に記載の半導電性超高分子量ポリエチレン組成物。
【請求項9】
重量平均分子量が5.0×105 以上であると共に多分散度が15〜100の範囲にある超高分子量ポリエチレンと導電性フィラーをスクリュー押出機にて溶融混練し、次いで、得られた溶融混練物をダイからフィルムに押し出すか、又は得られた溶融混練物をペレットに成形し、次いで、このペレットをスクリュー押出機にて溶融させ、ダイからフィルムに押し出すことからなる半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムの製造方法。
【請求項10】
導電性フィラーが炭素である請求項9に記載の半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムの製造方法。
【請求項11】
導電性フィラーがケッチェンブラックである請求項10に記載の半導電性超高分子量ポリエチレンフィルムの製造方法。
【請求項12】
重量平均分子量が5.0×105 以上であると共に多分散度が15〜100の範囲にある超高分子量ポリエチレンと導電性フィラーを二軸押出機にて溶融混練し、次いで、得られた溶融混練物をダイからフィルムに押し出すか、又は得られた溶融混練物をペレットに成形し、次いで、このペレットを押出機にて溶融させ、ダイからフィルムに押し出すことによって得られる体積固有抵抗率が105 〜109 Ω・cmの範囲にある半導電性超高分子量ポリエチレンフィルム。

【公開番号】特開2008−138134(P2008−138134A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328079(P2006−328079)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(391033827)作新工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】