半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータ作成装置、マスク用ガーバーデータ作成方法、及びマスク用ガーバーデータ作成プログラム
【課題】 半田印刷マスク用のガーバーデータの作成の際に行っていた、各部品毎のマスク開口形状データの作成に要する作業を省くことが可能な、半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置、ガーバーデータ作成方法、及びマスク用ガーバーデータ作成プログラムを提供する。
【解決手段】 半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置1を、基板に実装される部品のランド形状に適用することによりこの部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め登録する開口仕様データベース31と、選択された開口仕様を部品を搭載するランドのランド形状に適用することによってランドに半田を印刷するマスク開口形状を算出するマスク開口形状算出手段10と、を備えて構成する。
【解決手段】 半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置1を、基板に実装される部品のランド形状に適用することによりこの部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め登録する開口仕様データベース31と、選択された開口仕様を部品を搭載するランドのランド形状に適用することによってランドに半田を印刷するマスク開口形状を算出するマスク開口形状算出手段10と、を備えて構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等に使用されるプリント回路板(PCB)の半田クリーム印刷に使用する半田印刷マスク用のガーバーデータの作成装置、作成方法及び作成プログラムに関し、特に表面実装技術(SMT)により部品を自動搭載されるプリント回路板組立において、半田クリーム印刷に使用する半田印刷マスク用のガーバーデータの作成装置、作成方法及び作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリント回路板(基板)へ実装される各部品や素子は、これら部品等の電極部と基板上の配線パターンの一部であるランドとを接合する半田によって、基板に固定され搭載されている。上記部品等の基板への実装手順は、まず、部品等の搭載に先立って半田クリームを基板上のランド部分に印刷塗布し、そしてこの半田クリームの上に部品等を乗せた状態で基板を加熱してから再び冷却する。これにより半田クリームが一度溶融して固化し部品等がランドに固定される。
基板上への半田クリームの印刷塗布には半田印刷マスクが使用される。半田印刷マスクは、基板上のランド箇所に対応する位置に開口(マスク開口)が空けられており、このマスクを介して半田クリームを基板上に塗布することにより、開口を通過した半田クリームのみがランド上に塗布される。
このように、半田印刷マスクには印刷する基板上のランド箇所に対応する各位置にマスク開口が設けられるが、この半田印刷マスクにマスク開口を加工する際には、加工すべきマスク形状を指定するガーバーデータが使用される。
【0003】
半田印刷マスク用ガーバーデータの作成の際には、まず、プリント回路板に搭載される各部品等のそれぞれについて、予め部品等の実装に使用されるランドのパターン形状(部品パターン形状)をCADなどの手段によりライブラリ(実装ライブラリ)を構成しておく。また、この部品パターン形状に応じたマスク開口の形状及び寸法を(マスク開口形状)を決定するためのルールであるマスク開口仕様を、予め種々の部品パターン形状の種別毎にそれぞれ定めておき、これらをマスク開口基準としてまとめておく。
さらに、上記実装ライブラリに登録された部品等のそれぞれについて、上記マスク開口仕様に従ってマスク開口形状のデータを作成し、データベースに登録しておく。
【0004】
その後、プリント回路板のCADデータから、基板情報(1つのマスクで複数基板に印刷する場合のこれら各基板についてのマスク上の配置位置と配置角度など)と部品配置情報(各部品等についての各基板上の搭載位置、部品パターン形状識別番号、搭載角度など)とを含むプリント基板搭載データを抽出する。
そして、このプリント基板搭載データに基づいて、各搭載部品等のマスク開口形状を基板上に配置して、CAD等の手段により印刷マスク用ガーバーデータを出力する。
【0005】
ここで、上記作成したマスク開口形状データのデータベースへの登録は、新たに実装ライブラリに部品等を追加する都度行っている。このとき従来のマスク開口形状データの作成方法では、当該部品の部品パターン形状に適用するマスク開口仕様を、その部品パターン形状の種別に応じて上記マスク開口基準から選び、そしてその開口仕様に従って、CADツールなどの手段の図形編集機能の使用を使用して、当該部品毎のマスク開口形状を、部品のピン毎に(すなわちランド毎に)データ入力またはコピー等で編集して作成していた。
【0006】
【特許文献1】特開平7−209204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のマスク開口形状の図形データ入力は、当該部品の全てのピン(ランド)毎に、それぞれのピンの1点ずつについて、マスク開口形状を示す図形データをCADツールを操作して使用して入力するか、または1個作成した図形データをピン数分コピーするといった手順で行っていたために、非常に煩雑で多くの工数を費やす作業となっていた。またこのようなCADツールを使用したマスク開口形状の編集登録作業は、使用するCADツールの熟練を必要としていた。
【0008】
また、マスク開口形状データの編集は、部品パターン形状を参照しながら、これに開口仕様を適用して定まるマスク開口形状を想定して、その形状及び位置をデータ入力するという作業であるために、部品パターン形状と作成したマスク開口形状との重なり具合を確認できず、データ編集時に入力ミスをチェックできないという問題があった。
【0009】
また、従来、新規に実装ライブラリに登録した部品パターン形状について作成したマスク開口形状をチェック(例えば、新規登録された部品に対してまだ作成されていないマスク開口形状があるかないか、又は作成したマスク開口形状が部品パターン形状からはみ出していないか、などのチェック)をする際には、ひとまず、この新規部品を実装した基板全体の半田印刷マスクのガーバーデータを上記手段によって作成しておき、ガーバービューアなどを使用して、その基板用のランドパターン用(アートワーク用)のガーバーデータと重ね合わせ表示して行っていた。
このため、微妙なマスク開口形状の入力ミスは、ガーバーデータの重ね合わせ表示で発見できないことがあり、生産性に悪影響を及ぼしていた。また、ガーバービューアによる重ね合わせ表示では、基板全体ついて作成された広大なガーバーデータのうちの、各部品のピン部分を拡大して1つずつチェックするため、非効率的なチェック作業を余儀なくされていた。
【0010】
上記目的を鑑み、本発明は、半田印刷マスク用のガーバーデータの作成の際に行っていた、各部品毎のマスク開口形状データの作成に要する作業を省力化することが可能な、半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置、ガーバーデータ作成方法、及びマスク用ガーバーデータ作成プログラムを提供することを目的とする。
また、従来では、作成したマスク開口形状の確認の際に必要であった、半田印刷マスクのガーバーデータとアートワーク用のガーバーデータと重ね合わせ表示によるチェックを不要とする、半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置、ガーバーデータ作成方法、及びマスク用ガーバーデータ作成プログラムを提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第1形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置は、基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め登録する開口仕様データベースと、選択された開口仕様を部品を搭載するランドのランド形状に適用することによってランドに半田を印刷するマスク開口形状を算出するマスク開口形状算出手段と、を備えて構成される。
【0012】
本発明の第1に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置によるマスク開口形状の算出動作を図1〜3を参照して以下説明する。
図1は、本発明の第1形態に係るガーバーデータ作成装置におけるマスク開口形状算出機能部の原理構成図であり、図2は図1のマスク開口形状算出機能部の動作説明図であり、図3は、本発明の第2形態に係るガーバーデータ作成方法によるマスク開口形状算出部分のフローチャートである。
【0013】
図1に示す通り、ガーバーデータ作成装置は、開口仕様データベース31と、マスク開口形状算出手段10と、を備えて構成される。開口仕様データベース31には、基板に実装される部品のランド形状に適用することによりこの部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が、予め登録される。このような開口仕様の例を図2を参照して説明する。
【0014】
図2の参照番号100は、実装部品の1つの電極と接合する基板上のランドを示し、参照番号101は、ランド100上に印刷される半田クリームが通過するマスク開口の形状(マスク開口形状)を示す。
参照番号102に、ランド100の形状を定めるランド形状データの例を示す。ランド形状データ102は、個々のランド形状データ102を一意に識別するためのパターン番号(例では「PSA10108」)を含み、種々の実装部品についてそれぞれのランド形状データをデータベース化してライブラリ(実装ライブラリ)を構成した場合には、このパターン番号によってそれぞれのランド形状データを識別することが可能である。
またランド形状データ102は、形状データ部分(例では、「RECT,-475,-900,475,900」)を含む。この場合、ランド100の形状は、実装部品のピンの中心を座標原点として対角の頂点が座標(-0.475,-0.9)及び座標(0.475,0.9)(単位はいずれもmm)である長方形であることを示す。
【0015】
参照番号103は、ランド形状データ102に適用されることにより、マスク開口形状101を算出するための開口仕様を示す。
図の例では、開口仕様103は、長方形形状を有する種別のランド形状に対して、その2つの対角点の座標(-A1,-B1)及び(A2,B2)の各座標値を引数として、座標(-A1+0.08,-B1+0.08),(-A1+0.08,B2-0.08),(0.0,B2-0.08),(A2-0.1,0.0),(-A1+0.08,B1+0.08)を頂点とする5角形形状のマスク開口形状を規定する開口仕様である。
このようにして、開口仕様103は、個々のランド形状データに含まれるランド形状や寸法を定めるパラメータ(ランド形状の所定の点の座標値や寸法)を引数として、そのランド形状に応じたマスク開口の形状及び寸法を(マスク開口形状)を決定する。
そして、予め種々の部品に対するそのランド形状の種別毎に開口仕様103をコンピュータ等に判読可能な形式で定義・データ化しておき、これらを開口仕様データベース31に登録しておく。または、マスク開口の形状はその開口を通過して半田印刷が施されるランドの形状に応じて定められているので、開口仕様103をマスク開口形状の種別毎に定義・データ化して、開口仕様データベース31に登録してもよい。
【0016】
次に、図3に示すマスク開口形状算出方法を参照して、図1に示すマスク開口形状算出手段10の動作を説明する。
まず、ステップS11において、予め種々の部品について、そのランド形状の種別毎(異なるマスク開口形状の種別毎)に、開口仕様103をコンピュータ等に判読可能な形式で定義及びデータ化しておき、これらを開口仕様データベース31に登録しておく。
次に、ステップS12において、マスク開口形状算出手段10に、マスク開口形状を算出するべきランド形状を入力する。さらにステップS13においてこのランド形状に応じたマスク開口形状を算出するための開口仕様の種別(開口種別)を選択して、選択された開口種別を入力する。
その後ステップS14において、マスク開口形状算出手段10は、入力された開口種別に対応する開口仕様を開口仕様データベース31から読み込み、さらに読み込まれた開口仕様をステップS12で入力されたランド形状に適用して、このランド形状に応じたマスク開口形状を算出する。算出されたマスク開口形状は、必要があれば対応するランド形状と関連づけてデータベースに登録しておき再度利用可能とすることにより、同じランド形状に対するマスク開口形状を再度算出する作業を省くことが可能である。また、算出されたマスク開口形状をチェックするために、ランド形状と重ね合わせて表示することが好適である。
【0017】
したがって、本発明の第2形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成方法は、基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め開口仕様データベースに登録し、開口仕様データベースの中から、いずれかの開口仕様を選択し、選択された開口仕様を、部品を搭載するランドのランド形状に適用することにより、ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する。
【0018】
また、半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置をコンピュータ等の計算機で構成し、このコンピュータに、本発明の第3形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成プログラムを実行させてガーバーデータを得ることとしてもよい。
このとき、半田印刷マスク用ガーバーデータ作成プログラムは、基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が予め登録された開口仕様データベースの中から、選択すべき開口仕様を入力する手順と、入力された開口仕様を、部品を搭載するランドのランド形状に適用することにより、ランドに半田を印刷するマスク開口形状を算出する手順と、を含んで構成される。
【0019】
次に、本発明の第1に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置による、ガーバーデータ作成動作を図4及び5を参照して以下説明する。
図4は、本発明の第1形態に係るガーバーデータ作成装置におけるガーバーデータ作成機能部の原理構成図である。図4に示す通りガーバーデータ作成装置は、実装ライブラリ31と、ガーバーデータ作成手段20と、を備えて構成される。実装ライブラリ31には基板に実装される部品のランド形状が予め登録される。
【0020】
図5は、本発明の第2形態に係るガーバーデータ作成方法によるガーバーデータ作成部分のフローチャートである。
ステップS21において、ガーバーデータ作成手段20は、ガーバーデータを作成するべき基板の搭載データを入力する。この搭載データには、プリント基板のCADデータから抽出した、基板情報(1つのマスクで複数基板に印刷する場合のこれら各基板についてのマスク上の配置位置と配置角度など)と部品配置情報(各部品等についての各基板上の搭載位置、部品パターン形状識別番号、搭載角度など)とを含む。
【0021】
ステップS22において、ガーバーデータ作成手段20は、搭載データに含まれる各部品を1つずつ選択し、次にステップS23において、選択した部品を回路基板に固定するためのランド形状を実装ライブラリ31を参照して特定する。そしてステップS24において、特定されたランド形状について予めマスク開口形状算出手段10(図1)によって算出されたマスク開口形状を、搭載データに含まれる当該部品の搭載位置、搭載角度に応じて配置して、ガーバーデータを作成する。以上ステップS22〜S24を、搭載データに含まれる部品全てについて繰り返す(S25)。
【0022】
したがって、本発明の第2形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成方法は、部品毎のランド形状を予め実装ライブラリに登録し、実装ライブラリの中から基板上に搭載される各部品のランド形状を特定し、特定されたランド形状について算出されたマスク開口形状を配置して、基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成することを含む。
【0023】
さらに、本発明の第3形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成プログラムは、基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が予め登録された開口仕様データベースの中から、選択すべき開口仕様を入力する手順と、入力された開口仕様を、部品を搭載するランドのランド形状に適用することにより、ランドに半田を印刷するマスク開口形状を算出する手順と、を含んで構成される。
【0024】
上述するように、マスク開口形状算出手段10によって算出されたマスク開口形状は、算出の基となったランド形状と関連づけてデータベース33に登録しておくことができる。この場合上記ステップS24において、ガーバーデータ作成手段20は、特定したランド形状に対応するマスク開口形状をこのデータベース33から読み出して配置することとしてよい。
【0025】
なお、各部品のランド形状は、1つの部品の実装に必要な複数のランド形状をひとまとめにした、部品パターン形状の形で実装ライブラリ31に登録してもよい。このとき、マスク開口形状算出手段10によって算出されるマスク開口形状もまた、1つの部品の実装に必要な複数のマスク開口形状をひとまとめにして算出され、データベース33に登録されることとしてもよい。
【0026】
また、算出されたマスク開口形状の開口を空ける加工制御データのマクロ命令を、マスク開口形状単位に登録するマクロデータベースをさらに備えることとしてよい。このとき、基板上に搭載される各部品について、算出されたマスク開口形状のそれぞれに対応するマクロ命令を結合することによりガーバーデータを作成することとしてよい。
さらに、作成したガーバーデータ上の各マスク開口形状のいずれかが、そのマスク開口形状に対応するランド形状からはみ出しているとき、その旨をエラーとして表示することとしてよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、半田印刷マスク用のガーバーデータの作成の際に行っていた、各部品毎のマスク開口形状データを、開口仕様データベース内に登録された開口仕様のいずれかを選択するだけで作成することが可能となり、マスク開口形状データの作成に要する作業を大幅に省力化することが可能となる。
また、個々のマスク開口形状データを作成した時点で、そのマスク開口形状をランド形状と重ね合わせてチェックすることが可能となり、これにより従来必要であった半田印刷マスクのガーバーデータとアートワーク用のガーバーデータと重ね合わせ表示による非効率なチェックを省略することが可能となる。
さらに、微妙なマスク開口形状の入力ミスの発見を可能とすることで、生産性向上に寄与する。
また、このようなマスク開口形状データを製造技術部門で集中管理することにより、各生業拠点では、一元管理されたマスク開口形状データを使用するだけでマスク開口用ガーバーデータを自動的に作成、出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付図面に従って本発明に係るガーバーデータ作成装置の好ましい実施の形態について詳説する。図6は、本発明によるガーバーデータ作成装置の第1実施例の構成図である。
ガーバーデータ作成装置1は、コンピュータ等の計算機等により実現される計算部2と、計算部2によって処理されたデータや計算機2に入力するべきデータを表示するCRTや液晶ディスプレイ等の表示部3と、ユーザが計算機2にデータを入力し、ガーバーデータ作成装置1を操作するためのキーボートやマウス等の入力部4と、ガーバーデータ作成装置1により作成されたガーバーデータを出力するための出力部5と、を備えて構成される。
【0029】
計算部2は、ガーバーデータ作成処理を実行するための演算処理部6と、演算処理部6によって実行される本発明によるガーバーデータ作成プログラム9及び該プログラム9の実行に必要なデータを記憶するための記憶部7と、上記の表示部3、入力部4及び出力部5とのインターフェース8とを含む。
さらに計算部2は、以下に説明するCAD実装ライブラリ31、開口仕様データベース32、開口形状データベース33、マクロデータベース34、搭載用データベース35、マスク開口用ガーバーデータ保存部36、エラー部品データベース37と、を含む。
【0030】
CAD実装ライブラリ31は、プリント回路板(基板)へ実装される各部品や素子のそれぞれについて、これら部品等を一意に識別する識別番号であるパターン番号、外形寸法、部品の中心座標、各ピン(電極部)の座標、基準となるピン番号及び各ピンに接合されるランドのタイプ、各ランドの形状、寸法などのデータが、CADなどの手段によって登録されたライブラリである。
1つの部品単位のデータには、その部品のピンの本数、各ピンの座標及び各ピンに接合されるランド形状が含まれるので、このデータによって当該部品の全てのピンに接合されるランド形状寸法とその配置位置が指定される。これらのパターンをひとまとめにして部品パターン形状と称する。
【0031】
図7及び図8を参照して、CAD実装ライブラリ31に登録される1つの部品パターン形状のデータ内容を説明する。図7はある実装部品とそのランドの外形を示す図であり、図8はこの部品に対応する対応するCAD実装ライブラリ31内のデータ内容を示す図である。
図7において、2点鎖線51が実装部品の外形形状を示し、実線52が実装部品の2つの電極の各々に接合されるランド形状を示す。
【0032】
図8において、CAD実装ライブラリ31内のデータ内容は、本部品に関する部品パターン形状のパターン番号が「PSA10108」であり、ピン数が2本であり、座標原点となる基準ピンが第1ピンであり、第1ピンの中心を座標原点とするそれぞれのピン中心座標が(0,0)及び(3.050,0)であり、部品外形は、座標(-0.225,-950)、(3.275,-0.95)、(3.275,0.95)及び(-0.225,-0.95)を頂点とする長方形であって、その中心座標が(1.525,0)であることを示している。ここで、座標値は全てmm(ミリメートル)を示す。
また、CAD実装ライブラリ31内のデータ内容は、各ランド形状が、長方形(RECT)であって、その対角頂点が、各々のピン中心座標を座標原点とする相対座標(-0.475,-0.9)及び(0.475,0.9)にあることを示している。
【0033】
開口仕様データベース32は、部品パターン形状のデータ内容に適用することによりこの部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、部品パターン形状の種別毎に、又は算出されるマスク開口形状の種別毎に、演算処理部6に判読可能な形式で定義・データ化したデータベースである。
図9は、図7に示す長方形のランド形状に適用される開口仕様の例を示す図である。
1つ開口仕様データは、部品パターンの形状種別あるいはマスク開口の開口形状種別に応じて開口仕様を識別するための識別番号である開口種別(図9の例では「CHIP1」)、と、部品パターン形状から抽出するランド形状指定値を、マスク開口形状の算出式で使用される引数として宣言する引数宣言部(図9の例では、長方形のランド形状に2つの対角座標値(A1,B1)及び(A2,B2))と、宣言された引数を使用して部品パターン形状を定義するマスク形状定義部とを含む。
【0034】
図9に示す開口仕様の例では、長方形形状のランド形状を定義した図8の部品パターン形状データに示す、ランド形状の対角頂点の相対座標(-A1,-B1) 及び(A2,B2)(それぞれ(-0.475,-0.9))及び(A2,B2))を引数として、第1ピンのランド形状に対するマスク開口形状を、座標(-A1+0.08,-B1+0.08)、(-A1+0.08,B2-0.08)、(0.0,B2-0.08)、(A2-0.1,0.0)、(0.0,-B1+0.08)を頂点とする多角形(5角形)と定義し、第2ピンのランド形状に対するマスク開口形状を、(0.0,-B1+0.08)、(-A1+0.1,0.0)、(0.0,B2-0.08)、(A2-0.08,B2-0.08)、(A2-0.08,-B1+0.08)を頂点とする多角形と定義する。
図10は、図9に示す開口仕様「CHIP1」を、図8に示すパターン番号「PSA10108」の部品形状パターンに適用して算出されるマスク開口形状の例を示す図である。
【0035】
開口形状データベース33は、上記ガーバーデータ作成プログラム9は、後述する方法によって、CAD実装ライブラリ31に登録された各部品パターン形状に、開口仕様データベース32に登録されたいずれかの開口仕様を適用して算出したマスク開口形状データを、それぞれ登録するデータベースである。
【0036】
マクロデータベース34は、算出されたそれぞれのマスク開口形状を半田印刷マスクに加工する際にメタルマスク加工機に出力される、加工制御データの集合(マクロ命令)である拡張ガーバー出力マクロを、算出されたマスク開口形状毎に登録するデータベースである。
ここで、マクロデータベース34内に登録される拡張ガーバー出力マクロは、最小図形単位である1つのマスク開口を加工するために必要とする加工制御データの集合ごとに登録される。したがって、例えば、1つの部品の実装に複数のランドを使用しこれらランドにそれぞれ別個に半田印刷する場合には、1つのランドに半田印刷するマスク開口1つ分の加工制御データを単位とするマクロ命令が登録される。
【0037】
搭載用データベース35は、プリント回路板のCADデータから、基板情報(1つのマスクで複数基板に印刷する場合のこれら各基板についてのマスク上の配置位置と配置角度など)と部品配置情報(各部品等についての各基板上の搭載位置、部品パターン形状識別番号、搭載角度など)とを含むデータベースである。
マスク開口用ガーバーデータ保存部36は、ガーバーデータ作成装置1により作成された各プリント回路板毎の半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータを保存するための記憶部である。
エラー部品データベース37は、ガーバーデータを作成する際に発生したエラー内容を、エラー発生日付(ガーバーデータ作成処理日付)を付して登録するデータベースである。
【0038】
図6に戻り、記憶部7に記憶され、演算処理部6により実行されるガーバーデータ作成プログラム9は、CAD実装ライブラリ31に登録された部品パターン形状に対して、開口仕様データベース32に登録された開口仕様を適用してマスク開口形状を算出して、開口形状データベース33に登録するための開口形状編集/登録モジュール10と、搭載用データベースに登録されたプリント回路板の搭載データに基づいて、開口形状データベース33に登録されたマスク開口形状を配置してガーバーデータを作成するガーバーデータ作成モジュール20と、を含む。
【0039】
図11は、図6に示す開口形状編集/登録モジュール10の概略構成図である。図示するとおり開口形状編集/登録モジュール10は、マスク開口形状算出モジュール11と、マスク開口形状表示モジュール12と、マクロデータ作成モジュール13とを備える。
【0040】
マスク開口形状算出モジュール11は、CAD実装ライブラリ31に登録された部品パターン形状データと、部品パターン形状に適用すべき開口仕様を指定するためにユーザが入力部4を介して指示した開口種別とを入力して、この開口種別に対応する開口仕様を開口仕様データベース32から読み出して、入力された部品パターン形状データに適用して、この部品パターン形状に対するマスク開口形状を算出する。そして、このマスク開口形状データを、個々の開口形状を識別する開口形状番号を付して開口形状データベース33に登録するとともに、後段のマスク開口形状表示モジュール12及びマクロ作成モジュール13に出力する。
【0041】
マスク開口形状表示モジュール12は、開口形状編集/登録モジュール10に入力された部品パターン形状と、この部品パターン形状に対してマスク開口形状算出モジュール11が算出したマスク開口形状を、重ね合わせて表示部3に表示する。
マクロデータ作成モジュール13は、マスク開口形状算出モジュール11が算出したマスク開口形状に対応する。拡張ガーバー出力マクロを作成し、この拡張ガーバー出力マクロを個々のマクロを識別するマクロ番号を付してマクロデータベース34に登録する。
ここで拡張ガーバー出力マクロとは、作成されたマスク開口形状の開口をメタルマスク加工機を制御して加工するための加工制御データであって、マスク開口形状の最小図形単位である1つのランドに対応する1つのマスク開口を単位として、このマスク開口1つ分を加工する加工制御データをひとまとめのマクロ命令にしたものである。
また、マスク開口形状表示モジュール12は、上記マクロ番号を、上記算出したマスク開口形状データと関連づけて開口形状データベース33に記憶する。
【0042】
図12は、図6に示すガーバーデータ作成モジュール20の概略構成図である。図示するとおりガーバーデータ作成モジュール20は、マクロ変換/結合モジュール21と、ガーバーデータチェックモジュール22と、エラー表示モジュール23とを備える。
マクロ変換/結合モジュール21は、搭載用データベースに登録されたプリント回路板の搭載データに基づいてプリント回路板に搭載された各部品を取得し、それぞれの部品の部品パターン形状を特定するパターン番号をCAD実装ライブラリ31から読み出して取得する。
そして、そのパターン番号に対応するマスク開口形状を加工する拡張ガーバー出力マクロのマクロ番号を開口形状データベース33から読み出し、このマクロ番号に対応する拡張ガーバー出力マクロをマクロデータベース34から読み出す。そしてこの拡張ガーバー出力マクロを搭載データに従ってマスク座標上に配置して、ガーバーデータを作成する。
【0043】
ガーバーデータチェックモジュール22は、マクロ変換/結合モジュール21が作成したガーバーデータをチェックして、ガーバーデータにエラーが存在するか否かを判断し、エラーがない場合はガーバーデータをマスク開口用ガーバーデータ保存部36に保存し、エラーが存在する場合は、エラー情報をエラー発生日付(ガーバーデータ作成処理日付)を付してエラー部品データベース37に記憶する。
ここにエラー部品データベース37に登録されるエラー情報は、例えば、作成したガーバーデータ上のマスク開口形状のいずれかが、マスク開口形状に対応するランド形状からはみ出している、または、搭載データに含まれる部品に、CAD実装ライブラリ31に部品パターン形状データが登録されていない、もしくは開口形状データベース33及びマクロデータベース34に開口形状データ及びマクロデータが登録されていない部品がある、などとしてよい。
【0044】
なお、マスク開口用ガーバーデータ保存部36に保存されたガーバーデータは、出力部5を介してマスク開口用ガーバーデータ保存部36から外部に出力することが可能である。
エラー表示モジュール23は、エラー部品データベース37に記憶されたエラー情報を表示部3に表示する。
以下、図13〜図23を参照して、ガーバーデータ作成装置1の動作方法を説明する。
【0045】
図13は、図5に示すガーバーデータ作成装置の動作フローチャートである。
まず、ステップS31〜ステップS36では、プリント回路板に搭載する部品や素子の部品パターン形状に対応するマスク開口形状データを作成する。
【0046】
ステップS31では、ユーザは図6の入力部4を介して、プリント回路板に搭載する部品等のうち、まだマスク開口形状データを作成していないものについて、その部品パターン形状データを指定するパターン番号を入力する。図14に、パターン番号入力の際に図6の表示部3に表示される入力画面を示す。
パターン番号の入力は、開口形状DB登録/変更ウインドウ100のパターン名入力欄101にマスク開口形状データの作成を所望する部品パターン形状のパターン番号を入力することによって行われる。図14の例では、図7及び図8に示した部品パターン形状「PAS10108」が入力される。
ユーザがパターン番号を入力すると、図11のマスク開口形状算出モジュール11は、ステップS32において、入力されたパターン番号をもとにCAD実装ライブラリ31から対応する部品パターン形状(図8)を抽出して、これに含まれるピン座標(ピン名称)、基準ピン名、ランド形状に基づいて、図14の部品パターン形状表示欄102に部品パターン形状を表示する。
【0047】
ステップS33において、ユーザは、指定した部品パターン形状に適用する開口仕様を指定する開口種別を入力する。図15は、開口種別入力の際に図6の表示部3に表示される入力画面を示す。
開口種別の入力は、ユーザが開口形状DB登録/変更ウインドウ100の開口種別入力欄103に適用すべき開口仕様を指定する開口種別を入力することによって行われる。図15の例では、図9に示した開口種別「CHIP1」の開口仕様が選択される。
【0048】
ユーザが開口種別を入力すると、図11のマスク開口形状算出モジュール11は、ステップS34において入力された開口種別を基に開口仕様データベース32から指定された開口仕様データ(図9参照)を読み出して、ステップS31で選択された部品パターン形状に適用してマスク開口形状を自動的に算出する。
このときマスク開口形状算出モジュール11は、この開口仕様データに示したマスク形状定義部に定められた各ピン毎の開口形状計算式に含まれる引数(図9の例では、A1,B1,A2,B2)に対して、入力されたパターン番号の部品パターン形状データに含まれるランドの形状や寸法を定めるパラメータ(ランド形状の所定の点の座標値や寸法)を代入して(図8の例では、ピン中心を座標原点とするランド形状の寸法を代入する。すなわち長方形形状の対角頂点を示す相対座標が代入され、それぞれ-A1に対して-0.475が,-B1に対して-0.9が,A2に対して0.475が,B2に対して0.9が代入される)、そのランド形状に応じたマスク開口の形状及び寸法を(マスク開口形状)を決定する。
【0049】
そしてマスク開口形状算出モジュール11は、算出されたマスク開口形状の図形描画データをマスク開口形状表示モジュール12に出力し、このデータを基に、マスク開口形状表示モジュール12は、マスク開口形状と既に表示されていた部品パターン形状とを重ね合わせて表示部3に表示する。
【0050】
ステップS35において、ユーザは図15の開口形状DB登録/変更ウインドウ100の「寸法詳細表示」ボタン105を押して、ランド別のランド形状とそれに対するマスク開口形状を重ね合わせた拡大図を表示して、算出されたマスク開口形状が規格通りに作成されているかのチェックを行う。図16及び図17にマスク開口形状のチェック用画面を示す。
ランド形状とそれに対するマスク開口形状を重ね合わせ拡大図は、図16及び図17に示す詳細寸法表示ウインドウ110内の重ね合わせ拡大図欄111に表示される。図示するように、重ね合わせ拡大図欄111には、ランド形状及びそれに対するマスク開口形状の拡大図をランド毎に拡大表示すると共に、ランド形状又はマスク開口形状に対する寸法を表示する。画面上にランド形状又はマスク開口形状のいずれの寸法を表示するかは、ラジオボタン112により指定可能である。
【0051】
図16は、フット寸法(ランド形状の寸法)を表示した状態を示し、図17はマスク開口形状の寸法を表示した状態である。また重ね合わせ拡大図欄111に表示するランド形状は、表示ピン選択欄113に表示されるピン一覧に示される各ピンのそれぞれを指定することにより切り替え可能である。
【0052】
重ね合わせ拡大図によるチェックの結果が正常であった場合には、ユーザが図15に示す「開口データ登録」ボタン106を押すことにより、ステップS36に進んで、マスク開口形状算出モジュール11は、マスク開口形状データ及びそのマスク開口を加工するための拡張ガーバー出力マクロをそれぞれ開口形状データベース33及びマクロデータベース34に登録する。図18にマスク開口形状データの登録確認画面を示す。
【0053】
マスク開口形状データの登録確認は、開口登録確認画面ウインドウ120によって行う。開口登録確認画面ウインドウ120には、作成したマスク開口形状に対応する部品パターン形状のパターン番号を入力する登録パターン欄121と、作成したマスク開口形状がプリント基板の半田面(L1面)及び部品面(Ln面)のいずれの面へ印刷するためのものであるかを指定するパターン実装面指定欄122と、作成したマスク開口形状のピン間指定を入力するピン間指定欄123を有する。
ここにピン間指定とは、部品パターン形状の各ピン間に何本のパターン(回線)が存在することを許容するかを指定するものであり、ピン間指定値は、例えば、指定なし(0本)、P3(3本)、P5(5本)など予め使用される値が定められている。
【0054】
ユーザが、実装面、及びピン間指定を入力すると、マスク開口形状算出モジュール11は、算出されたマスク開口形状に関する情報を開口形状データベース33に登録する。図19に開口形状データベース33の内容を示す。開口形状データベース33は、開口形状番号登録テーブルと、マクロ番号登録テーブルとを有する。
マスク開口形状は、これに対応する部品パターン形状、半田印刷されるパターン実装面及びピン間指定値によって異なるので、マスク開口形状算出モジュール11は、これら部品パターン形状のパターン番号、パターン実装面、ピン間指定値毎に異なるマスク開口形状を作成し、それぞれに対して異なる開口形状番号を割り当てて開口形状データベース33に登録する。その際に開口形状番号登録テーブルに、開口形状に割り当てられた開口形状番号と、この開口形状を作成する基礎となったパターン番号、パターン実装面、ピン間指定値とを対応付けて登録する。
【0055】
また後述するように、作成されたマスク開口形状は、最小図形単位である1つのランドに対応する1つのマスク開口を加工する拡張ガーバー出力マクロの形に変換されて、この拡張ガーバー出力マクロは、最小図形単位毎(マスク開口毎)にマクロ番号を割り当てられた状態でマクロデータベース34に登録される。
そこで、マスク開口形状算出モジュール11は、算出したマスク開口形状に対応する部品パターン形状の各ランド(ピン)毎に、当該ランドに対応するマスク開口を加工する拡張ガーバー出力マクロのマクロ番号を割り当てる。そして、開口形状番号登録テーブルにおいて当該マスク開口形状に割り振られた開口形状番号と、このマスク開口形状に対応する部品パターン形状の各ランド番号(ピン番号)と、このランドに対応するマスク開口を加工する拡張ガーバー出力マクロのマクロ番号とを関連づけて、マクロ番号登録テーブルに登録する。
【0056】
このとき、拡張ガーバー出力マクロは部品の配置角度(又は配置方位、例えば、0°、90°、180°、270°)に応じて異なるので、拡張ガーバー出力マクロをこれら所定の角度毎に作成し、異なるマクロ番号が割り当てられる。そしてマクロ番号登録テーブルには、部品の配置角度も合わせて登録され、マクロ番号もこの配置角度毎に変えて登録される。
【0057】
次に、マスク開口形状算出モジュール11は、算出したマスク開口形状データをマクロデータ作成モジュール13に出力し、マクロデータ作成モジュール13は、マスク開口形状データに基づいて、マスク開口を加工する加工制御データのマクロ命令である拡張ガーバー出力マクロを作成する。
マクロデータ作成モジュール13は、作成されたマスク開口形状の最小図形単位である1つのランドに対応する1つのマスク開口を単位として、このマスク開口を加工する分の加工制御データをひとまとめのマクロ命令にした拡張ガーバー出力マクロを作成する。そして作成した拡張ガーバー出力マクロ毎に1つのマクロ番号を割り当てる。
このとき、マクロデータ作成モジュール13は、マスク開口形状を配置角度(又は配置方位、例えば、0°、90°、180°、270°の4方向)を変えて配置した場合のそれぞれについて別々に拡張ガーバー出力マクロを作成し、これらについて異なるマクロ番号を割り当てて、マクロデータベース34に登録する。このようなマクロデータベース34の内容を図20に示す。図20の例では、マクロデータベース34において、同じマスク開口形状に対して、0°、90°、180°及び270°の異なる4つの角度毎に、拡張ガーバー出力マクロ毎に、それぞれマクロ番号MCR3790〜MCR3793の異なる拡張ガーバー出力マクロがマクロデータベース34に登録される。
【0058】
マクロデータベース34への登録に際して、同一の拡張ガーバー出力マクロが重複して登録されないように、マクロデータ作成モジュール13は、重複チェックをおこなうこととしてよい。このためにマクロデータ作成モジュール13は、重複チェックの際の比較に使用するキーとして、マスク開口形状データに基づくマスク開口の外形形状を示す情報を作成して、拡張ガーバー出力マクロとともにマクロデータベース34へ登録してよい(図20の「外形形状寸法」欄)。そして、新たに登録しようとするマスク開口形状について作成した外形形状情報が、既に登録された拡張ガーバー出力マクロとともに登録された外形形状情報と一致するか否かを判断して、一致しない場合にのみ拡張ガーバー出力マクロを登録することとしてもよい。
【0059】
なお、ステップS36において、マスク開口形状算出モジュール11は、開口形状データベース33に登録しようとするマスク開口形状がランド形状に対してはみ出しているかどうかをチェックする。そして、マスク開口形状がランド形状に対してはみ出している場合、図21に示すように作成したマスク開口形状データにはみ出しフラグを設定して、開口形状データベース33に登録するか否かを質問する。
マスク開口形状の種類によっては、ランド形状に対してはみ出して半田印刷されることが正常である場合もあるので、このような場合にユーザはマスク開口形状データにはみ出しフラグを設定して登録する。
【0060】
以上ステップS31〜ステップS36によって、プリント回路板に搭載する部品や素子の部品パターン形状に対応するマスク開口形状データを作成する。作成したマスク開口形状データは開口形状データベース33に登録され、その拡張ガーバー出力マクロはマクロデータベース34に登録されるので、これらは一度作成すれば次回以降これらデータベースから読み出して利用すれば足りる。したがって上記ステップS31〜ステップS36は、新たな種類の部品、すなわちマスク開口形状データ等が開口形状データベース33等に登録されていない部品について一度だけ実行すればよい。
【0061】
以下のステップS37及びS38では、プリント回路板への半田印刷マスクのガーバーデータを作成する。
ステップS37において、ユーザは、半田印刷マスク用ガーバーデータを作成しようとするプリント回路板の図面番号を入力部4を介して入力する。ここで、プリント回路板に異なるバージョンがあり同じ図面番号に対して複数の回路構成がある場合には、図面番号に枝番(版数)を付して図面を管理する場合があるが、この場合にはこの版数も合わせて指定する。
【0062】
図22に、プリント回路板の図面番号及び版数入力画面を示す。データ出力ウインドウ130の図番欄131に、半田印刷マスク用ガーバーデータを作成しようとするプリント回路板の図面番号を入力すると、図12に示すガーバーデータ作成モジュール20のマクロ変換/結合モジュール21は、搭載用データベース35から、既にCAD情報が登録されているプリント回路板の図面番号と版数の一覧を、登録済み図面覧132に表示する。
そして、登録済み図面覧132に表示される図面番号と版数の一覧の中から、半田印刷マスク用ガーバーデータを作成しようとする図面番号及び版数のプリント回路板を選択して、「追加」ボタン133を押すことにより、選択された図面番号及び版数が選択済み図面覧132に移って、ガーバーデータを作成しようとするプリント回路板の図面番号及び版数の入力が行われる。
【0063】
図13に戻り、ステップS38において、マクロ変換/結合モジュール21は、選択された図面番号及び版数に対応するプリント回路板の搭載データを、搭載用データベース35から読み出す。そして、当該プリント回路板に搭載される各々の部品についてその部品パターン形状のパターン番号をCAD実装ライブラリ31から取得し、それぞれのパターン番号のマスク開口形状データを開口形状データベース33から取得する。
また、マクロ変換/結合モジュール21は、搭載用データベース35から読み出した搭載データに含まれる各部品(部品パターン形状)の基板上の配置位置(基準ピン座標)及び搭載角度、並びにCAD実装ライブラリ31に登録される各ピンの配置情報に基づいて、各部品の各ピンの座標及び搭載角度を決定する。
【0064】
そして、マスク開口形状データ(図19)の開口形状登録テーブルにおいて、上記取得したパターン番号に対応して記憶された開口形状番号を特定し、この開口形状番号に関連づけてマクロ番号登録テーブルに記憶されたマクロ番号特定し、このマクロ番号のうちから上記決定した搭載角度に対応するマクロ番号を取得する。
そして取得されたマクロ番号と同一のマクロ番号の拡張ガーバーデータ出力用マクロをマクロデータベース34から読み出して、拡張ガーバーデータ出力用マクロを各部品の各ピンの座標とともに出力する。出力された拡張ガーバーデータ出力用マクロは、マスク開口用ガーバーデータ保存部36において、搭載データに含まれる全ての部品について結合されることによりプリント回路板全体についての半田印刷マスク用ガーバーデータとなる。
【0065】
マクロ変換/結合モジュール21は、拡張ガーバーデータ出力用マクロを作成する場合に発生したエラー情報を、エラー部品データベース37に、ガーバーデータ作成処理日付とともに登録する。この場合には、マクロ変換/結合モジュール21は、拡張ガーバーデータ出力用マクロを出力しない。
このエラー情報として、例えば、搭載データに含まれる部品に、CAD実装ライブラリ31に部品パターン形状データが登録されていないものがある場合には、その当該プリント回路板、版数及び部品番号とともにこの部品に部品パターン形状データが登録されていない旨の情報が登録される。
また、例えば搭載データに含まれる部品に、開口形状データベース33及びマクロデータベース34に開口形状データ及びマクロデータが登録されていないものがある場合には、その当該プリント回路板、版数、部品番号、この部品番号が持つ部品パターン形状データのパターン番号とともに、この部品パターン形状に対応する開口形状データベース33及びマクロデータベース34に開口形状データ及びマクロデータが登録されていない旨の情報が登録される。
【0066】
マクロ変換/結合モジュール21から出力された拡張ガーバーデータ出力用マクロは、ガーバーデータチェックモジュール22に入力され、作成した拡張ガーバーデータ出力用マクロが、対応するランド形状からはみ出しているか否かのチェックが行われる。
はみ出しが検出された場合には、ガーバーデータチェックモジュール22は、プリント回路板、版数、はみ出しが検出されたランドに搭載される部品番号、この部品番号が持つ部品パターン形状データのパターン番号と共に、部品パターン形状データに対して作成されたマスク開口形状がランド形状からはみ出している旨のエラー情報を、ガーバーデータ作成処理日付を付して、エラー部品データベース37に登録する。この場合には、マクロ変換/結合モジュール21は、拡張ガーバーデータ出力用マクロを出力しない。
上記はみ出しが検出されない場合、ガーバーデータチェックモジュール22は、マクロ変換/結合モジュール21から入力した拡張ガーバーデータ出力用マクロをマスク開口用ガーバーデータ保存部36に出力する。
なお、図21に示すはみ出しフラグ設定場面ではみ出しフラグを設定したマスク開口形状については、ガーバーデータチェックモジュール22は、はみ出しチェックを行わない。
【0067】
このようにエラー部品データベース37に登録されたエラー情報は、図12に示すガーバーデータ作成モジュール20内のエラー表示モジュール23によって表示部3に表示される。エラー表示画面を図23に示す。
エラー表示は、エラー詳細表示ウインドウ140によって行われる。ウインドウ140内の検索日付欄141に、日付データを入力すると、エラー表示モジュール23は入力された日付になされたガーバーデータ作成処理において発生したエラー情報を検索して、その日付にエラーが発生したプリント回路板の図面番号と版数を図面番号一覧142に表示する。
【0068】
そして、ユーザが図面番号一覧142に表示されたいずれかの図面番号及び版数を指定することにより、その図面番号及び版数ついてエラーが発生した部品番号、パターン番号(TLIB番号)、マクロ番号(MLIB番号)及びエラー内容が表示される。
このようにエラー情報を表示することで、開口形状データを作成するユーザは、このエラー情報を基にしてマスク開口形状データを修正及び登録が可能となり、迅速にマスク開口ガーバーデータを作成することが可能となる。
【0069】
以上、本発明を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明したが、本発明の容易な理解のために、本発明の具体的な形態を以下に付記する。
【0070】
(付記1)
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータ作成装置であって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め登録する開口仕様データベースと、
選択された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出するマスク開口形状算出手段と、
を備えることを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成装置。(1)
【0071】
(付記2)
前記部品毎に、そのランド形状が予め登録される実装ライブラリと、
該実装ライブラリの中から、前記基板上に搭載される各前記部品の前記ランド形状を特定し、特定された前記ランド形状について算出された前記マスク開口形状を配置して、前記基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成するガーバーデータ作成手段と、
をさらに備えることを特徴とする付記1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。(2)
【0072】
(付記3)
前記開口仕様は、異なる前記マスク開口形状の種類毎に、前記開口仕様データベースに登録されることを特徴とする付記1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【0073】
(付記4)
前記ランド形状及び該ランド形状について算出された前記マスク開口形状を重ね合わせて表示する開口形状表示手段を、さらに備えることを特徴とする付記1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。(3)
【0074】
(付記5)
前記算出された前記マスク開口形状の開口を空ける加工制御データのマクロ命令を、マスク開口形状単位に登録するマクロデータベースを、さらに備え、
前記ガーバーデータ作成手段は、前記基板上に搭載される各前記部品について、算出された前記マスク開口形状のそれぞれに対応する前記マクロ命令を結合することにより、前記ガーバーデータを作成する、
ことを特徴とする付記2に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【0075】
(付記6)
作成した前記ガーバーデータ上の各前記マスク開口形状のいずれかが、当該マスク開口形状に対応する前記ランド形状からはみ出しているとき、その旨をエラーとして表示するエラー表示手段を、
をさらに備えることを特徴とする付記2に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【0076】
(付記7)
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータ作成方法であって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め開口仕様データベースに登録し、
前記開口仕様データベースの中から、いずれかの開口仕様を選択し、
選択された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する、
ことを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成方法。(4)
【0077】
(付記8)
前記部品毎のランド形状を、予め実装ライブラリに登録し、
該実装ライブラリの中から、前記基板上に搭載される各前記部品の前記ランド形状を特定し、
特定された前記ランド形状について算出された前記マスク開口形状を配置して、前記基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成する、
ことを特徴とする付記7に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0078】
(付記9)
前記開口仕様は、異なる前記マスク開口形状の種類毎に、前記開口仕様データベースに登録されることを特徴とする付記7に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0079】
(付記10)
前記算出された前記マスク開口形状を検査するために、前記ランド形状及び該ランド形状について算出された前記マスク開口形状を重ね合わせて表示する、
ことを特徴とする付記7に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0080】
(付記11)
前記算出された前記マスク開口形状の開口を空ける加工制御データのマクロ命令を、マクロデータベースにマスク開口形状単位に登録し、
前記基板上に搭載される各前記部品について、算出された前記マスク開口形状のそれぞれに対応する前記マクロ命令を結合することにより、前記ガーバーデータを作成する、
ことを特徴とする付記8に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0081】
(付記12)
作成した前記ガーバーデータ上の各前記マスク開口形状のいずれかが、当該マスク開口形状に対応する前記ランド形状からはみ出しているとき、その旨をエラーとして表示すること、を特徴とする付記8に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0082】
(付記13)
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータを作成するマスク用ガーバーデータ作成プログラムであって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が予め登録された開口仕様データベースの中から、選択すべき前記開口仕様を入力する手順と、
入力された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成プログラム。(5)
【0083】
(付記14)
前記部品毎のランド形状を予め登録した実装ライブラリの中から、前記基板上に搭載される各前記部品の前記ランド形状を特定する手順と、
特定された前記ランド形状について算出された前記マスク開口形状を配置して、前記基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする付記13に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【0084】
(付記15)
前記開口仕様は、異なる前記マスク開口形状の種類毎に、前記開口仕様データベースに登録されることを特徴とする付記13に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【0085】
(付記16)
前記ランド形状及び該ランド形状について算出された前記マスク開口形状を重ね合わせて表示する手順を、コンピュータに実行させることを特徴とする付記13に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【0086】
(付記17)
前記算出された前記マスク開口形状の開口を空ける加工制御データのマクロ命令を、マクロデータベースにマスク開口形状単位に登録する手順と、
前記基板上に搭載される各前記部品について、算出された前記マスク開口形状のそれぞれに対応する前記マクロ命令を結合することにより、前記ガーバーデータを作成する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする付記14に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【0087】
(付記18)
作成した前記ガーバーデータ上の各前記マスク開口形状のいずれかが、当該マスク開口形状に対応する前記ランド形状からはみ出しているとき、その旨をエラーとして表示する手順を、コンピュータに実行させることを特徴とする付記14に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、プリント回路板(PCB)の半田クリーム印刷に使用する半田印刷マスク用のガーバーデータの作成装置、作成方法及び作成プログラムに広く利用可能である。特に表面実装技術(SMT)により部品を自動搭載されるプリント回路板組立において、半田クリーム印刷に使用する半田印刷マスク用のガーバーデータの作成装置、作成方法及び作成プログラムに好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係るガーバーデータ作成装置におけるマスク開口形状算出機能部の原理構成図である。
【図2】図1のマスク開口形状算出機能部の動作説明図である。
【図3】図1のマスク開口形状算出機能部の動作フローチャートである。
【図4】本発明の第1形態に係るガーバーデータ作成装置におけるガーバーデータ作成機能部の原理構成図である。
【図5】図4のガーバーデータ作成機能部の動作フローチャートである。
【図6】本発明によるガーバーデータ作成装置の第1実施例の構成図である。
【図7】ある実装部品とそのランドの外形を示す図である。
【図8】図7の実装部品に対応するCAD実装ライブラリ内の部品形状パターンを示す図である。
【図9】図7のランド形状に適用される開口仕様の例を示す図である。
【図10】図9に示す開口仕様を、図8に示す部品形状パターンに適用して算出されるマスク開口形状の例を示す図である。
【図11】図6に示す開口形状編集/登録モジュールの概略構成図である。
【図12】図6に示すガーバーデータ作成モジュールの概略構成図である。
【図13】図5に示すガーバーデータ作成装置の動作フローチャートである。
【図14】パターン番号入力の際に図6の表示部3に表示される入力画面を示す図である。
【図15】開口種別入力の際に図6の表示部3に表示される入力画面を示す図である。
【図16】マスク形状チェックの際に図6の表示部3に表示される表示画面(その1)を示す図である。
【図17】マスク形状チェックの際に図6の表示部3に表示される表示画面(その2)を示す図である。
【図18】マスク開口形状データの登録確認画面を示す図である。
【図19】開口形状データベースの内容を示す図である。
【図20】マクロデータベースの内容を示す図である。
【図21】はみ出しフラグ設定場面を示す図である。
【図22】プリント回路板の図面番号及び版数入力画面を示す図である。
【図23】エラー表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
1 ガーバーデータ作成装置
2 計算部
3 表示部
4 入力部
5 出力部
9 ガーバーデータ作成プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等に使用されるプリント回路板(PCB)の半田クリーム印刷に使用する半田印刷マスク用のガーバーデータの作成装置、作成方法及び作成プログラムに関し、特に表面実装技術(SMT)により部品を自動搭載されるプリント回路板組立において、半田クリーム印刷に使用する半田印刷マスク用のガーバーデータの作成装置、作成方法及び作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリント回路板(基板)へ実装される各部品や素子は、これら部品等の電極部と基板上の配線パターンの一部であるランドとを接合する半田によって、基板に固定され搭載されている。上記部品等の基板への実装手順は、まず、部品等の搭載に先立って半田クリームを基板上のランド部分に印刷塗布し、そしてこの半田クリームの上に部品等を乗せた状態で基板を加熱してから再び冷却する。これにより半田クリームが一度溶融して固化し部品等がランドに固定される。
基板上への半田クリームの印刷塗布には半田印刷マスクが使用される。半田印刷マスクは、基板上のランド箇所に対応する位置に開口(マスク開口)が空けられており、このマスクを介して半田クリームを基板上に塗布することにより、開口を通過した半田クリームのみがランド上に塗布される。
このように、半田印刷マスクには印刷する基板上のランド箇所に対応する各位置にマスク開口が設けられるが、この半田印刷マスクにマスク開口を加工する際には、加工すべきマスク形状を指定するガーバーデータが使用される。
【0003】
半田印刷マスク用ガーバーデータの作成の際には、まず、プリント回路板に搭載される各部品等のそれぞれについて、予め部品等の実装に使用されるランドのパターン形状(部品パターン形状)をCADなどの手段によりライブラリ(実装ライブラリ)を構成しておく。また、この部品パターン形状に応じたマスク開口の形状及び寸法を(マスク開口形状)を決定するためのルールであるマスク開口仕様を、予め種々の部品パターン形状の種別毎にそれぞれ定めておき、これらをマスク開口基準としてまとめておく。
さらに、上記実装ライブラリに登録された部品等のそれぞれについて、上記マスク開口仕様に従ってマスク開口形状のデータを作成し、データベースに登録しておく。
【0004】
その後、プリント回路板のCADデータから、基板情報(1つのマスクで複数基板に印刷する場合のこれら各基板についてのマスク上の配置位置と配置角度など)と部品配置情報(各部品等についての各基板上の搭載位置、部品パターン形状識別番号、搭載角度など)とを含むプリント基板搭載データを抽出する。
そして、このプリント基板搭載データに基づいて、各搭載部品等のマスク開口形状を基板上に配置して、CAD等の手段により印刷マスク用ガーバーデータを出力する。
【0005】
ここで、上記作成したマスク開口形状データのデータベースへの登録は、新たに実装ライブラリに部品等を追加する都度行っている。このとき従来のマスク開口形状データの作成方法では、当該部品の部品パターン形状に適用するマスク開口仕様を、その部品パターン形状の種別に応じて上記マスク開口基準から選び、そしてその開口仕様に従って、CADツールなどの手段の図形編集機能の使用を使用して、当該部品毎のマスク開口形状を、部品のピン毎に(すなわちランド毎に)データ入力またはコピー等で編集して作成していた。
【0006】
【特許文献1】特開平7−209204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のマスク開口形状の図形データ入力は、当該部品の全てのピン(ランド)毎に、それぞれのピンの1点ずつについて、マスク開口形状を示す図形データをCADツールを操作して使用して入力するか、または1個作成した図形データをピン数分コピーするといった手順で行っていたために、非常に煩雑で多くの工数を費やす作業となっていた。またこのようなCADツールを使用したマスク開口形状の編集登録作業は、使用するCADツールの熟練を必要としていた。
【0008】
また、マスク開口形状データの編集は、部品パターン形状を参照しながら、これに開口仕様を適用して定まるマスク開口形状を想定して、その形状及び位置をデータ入力するという作業であるために、部品パターン形状と作成したマスク開口形状との重なり具合を確認できず、データ編集時に入力ミスをチェックできないという問題があった。
【0009】
また、従来、新規に実装ライブラリに登録した部品パターン形状について作成したマスク開口形状をチェック(例えば、新規登録された部品に対してまだ作成されていないマスク開口形状があるかないか、又は作成したマスク開口形状が部品パターン形状からはみ出していないか、などのチェック)をする際には、ひとまず、この新規部品を実装した基板全体の半田印刷マスクのガーバーデータを上記手段によって作成しておき、ガーバービューアなどを使用して、その基板用のランドパターン用(アートワーク用)のガーバーデータと重ね合わせ表示して行っていた。
このため、微妙なマスク開口形状の入力ミスは、ガーバーデータの重ね合わせ表示で発見できないことがあり、生産性に悪影響を及ぼしていた。また、ガーバービューアによる重ね合わせ表示では、基板全体ついて作成された広大なガーバーデータのうちの、各部品のピン部分を拡大して1つずつチェックするため、非効率的なチェック作業を余儀なくされていた。
【0010】
上記目的を鑑み、本発明は、半田印刷マスク用のガーバーデータの作成の際に行っていた、各部品毎のマスク開口形状データの作成に要する作業を省力化することが可能な、半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置、ガーバーデータ作成方法、及びマスク用ガーバーデータ作成プログラムを提供することを目的とする。
また、従来では、作成したマスク開口形状の確認の際に必要であった、半田印刷マスクのガーバーデータとアートワーク用のガーバーデータと重ね合わせ表示によるチェックを不要とする、半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置、ガーバーデータ作成方法、及びマスク用ガーバーデータ作成プログラムを提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第1形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置は、基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め登録する開口仕様データベースと、選択された開口仕様を部品を搭載するランドのランド形状に適用することによってランドに半田を印刷するマスク開口形状を算出するマスク開口形状算出手段と、を備えて構成される。
【0012】
本発明の第1に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置によるマスク開口形状の算出動作を図1〜3を参照して以下説明する。
図1は、本発明の第1形態に係るガーバーデータ作成装置におけるマスク開口形状算出機能部の原理構成図であり、図2は図1のマスク開口形状算出機能部の動作説明図であり、図3は、本発明の第2形態に係るガーバーデータ作成方法によるマスク開口形状算出部分のフローチャートである。
【0013】
図1に示す通り、ガーバーデータ作成装置は、開口仕様データベース31と、マスク開口形状算出手段10と、を備えて構成される。開口仕様データベース31には、基板に実装される部品のランド形状に適用することによりこの部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が、予め登録される。このような開口仕様の例を図2を参照して説明する。
【0014】
図2の参照番号100は、実装部品の1つの電極と接合する基板上のランドを示し、参照番号101は、ランド100上に印刷される半田クリームが通過するマスク開口の形状(マスク開口形状)を示す。
参照番号102に、ランド100の形状を定めるランド形状データの例を示す。ランド形状データ102は、個々のランド形状データ102を一意に識別するためのパターン番号(例では「PSA10108」)を含み、種々の実装部品についてそれぞれのランド形状データをデータベース化してライブラリ(実装ライブラリ)を構成した場合には、このパターン番号によってそれぞれのランド形状データを識別することが可能である。
またランド形状データ102は、形状データ部分(例では、「RECT,-475,-900,475,900」)を含む。この場合、ランド100の形状は、実装部品のピンの中心を座標原点として対角の頂点が座標(-0.475,-0.9)及び座標(0.475,0.9)(単位はいずれもmm)である長方形であることを示す。
【0015】
参照番号103は、ランド形状データ102に適用されることにより、マスク開口形状101を算出するための開口仕様を示す。
図の例では、開口仕様103は、長方形形状を有する種別のランド形状に対して、その2つの対角点の座標(-A1,-B1)及び(A2,B2)の各座標値を引数として、座標(-A1+0.08,-B1+0.08),(-A1+0.08,B2-0.08),(0.0,B2-0.08),(A2-0.1,0.0),(-A1+0.08,B1+0.08)を頂点とする5角形形状のマスク開口形状を規定する開口仕様である。
このようにして、開口仕様103は、個々のランド形状データに含まれるランド形状や寸法を定めるパラメータ(ランド形状の所定の点の座標値や寸法)を引数として、そのランド形状に応じたマスク開口の形状及び寸法を(マスク開口形状)を決定する。
そして、予め種々の部品に対するそのランド形状の種別毎に開口仕様103をコンピュータ等に判読可能な形式で定義・データ化しておき、これらを開口仕様データベース31に登録しておく。または、マスク開口の形状はその開口を通過して半田印刷が施されるランドの形状に応じて定められているので、開口仕様103をマスク開口形状の種別毎に定義・データ化して、開口仕様データベース31に登録してもよい。
【0016】
次に、図3に示すマスク開口形状算出方法を参照して、図1に示すマスク開口形状算出手段10の動作を説明する。
まず、ステップS11において、予め種々の部品について、そのランド形状の種別毎(異なるマスク開口形状の種別毎)に、開口仕様103をコンピュータ等に判読可能な形式で定義及びデータ化しておき、これらを開口仕様データベース31に登録しておく。
次に、ステップS12において、マスク開口形状算出手段10に、マスク開口形状を算出するべきランド形状を入力する。さらにステップS13においてこのランド形状に応じたマスク開口形状を算出するための開口仕様の種別(開口種別)を選択して、選択された開口種別を入力する。
その後ステップS14において、マスク開口形状算出手段10は、入力された開口種別に対応する開口仕様を開口仕様データベース31から読み込み、さらに読み込まれた開口仕様をステップS12で入力されたランド形状に適用して、このランド形状に応じたマスク開口形状を算出する。算出されたマスク開口形状は、必要があれば対応するランド形状と関連づけてデータベースに登録しておき再度利用可能とすることにより、同じランド形状に対するマスク開口形状を再度算出する作業を省くことが可能である。また、算出されたマスク開口形状をチェックするために、ランド形状と重ね合わせて表示することが好適である。
【0017】
したがって、本発明の第2形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成方法は、基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め開口仕様データベースに登録し、開口仕様データベースの中から、いずれかの開口仕様を選択し、選択された開口仕様を、部品を搭載するランドのランド形状に適用することにより、ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する。
【0018】
また、半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置をコンピュータ等の計算機で構成し、このコンピュータに、本発明の第3形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成プログラムを実行させてガーバーデータを得ることとしてもよい。
このとき、半田印刷マスク用ガーバーデータ作成プログラムは、基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が予め登録された開口仕様データベースの中から、選択すべき開口仕様を入力する手順と、入力された開口仕様を、部品を搭載するランドのランド形状に適用することにより、ランドに半田を印刷するマスク開口形状を算出する手順と、を含んで構成される。
【0019】
次に、本発明の第1に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成装置による、ガーバーデータ作成動作を図4及び5を参照して以下説明する。
図4は、本発明の第1形態に係るガーバーデータ作成装置におけるガーバーデータ作成機能部の原理構成図である。図4に示す通りガーバーデータ作成装置は、実装ライブラリ31と、ガーバーデータ作成手段20と、を備えて構成される。実装ライブラリ31には基板に実装される部品のランド形状が予め登録される。
【0020】
図5は、本発明の第2形態に係るガーバーデータ作成方法によるガーバーデータ作成部分のフローチャートである。
ステップS21において、ガーバーデータ作成手段20は、ガーバーデータを作成するべき基板の搭載データを入力する。この搭載データには、プリント基板のCADデータから抽出した、基板情報(1つのマスクで複数基板に印刷する場合のこれら各基板についてのマスク上の配置位置と配置角度など)と部品配置情報(各部品等についての各基板上の搭載位置、部品パターン形状識別番号、搭載角度など)とを含む。
【0021】
ステップS22において、ガーバーデータ作成手段20は、搭載データに含まれる各部品を1つずつ選択し、次にステップS23において、選択した部品を回路基板に固定するためのランド形状を実装ライブラリ31を参照して特定する。そしてステップS24において、特定されたランド形状について予めマスク開口形状算出手段10(図1)によって算出されたマスク開口形状を、搭載データに含まれる当該部品の搭載位置、搭載角度に応じて配置して、ガーバーデータを作成する。以上ステップS22〜S24を、搭載データに含まれる部品全てについて繰り返す(S25)。
【0022】
したがって、本発明の第2形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成方法は、部品毎のランド形状を予め実装ライブラリに登録し、実装ライブラリの中から基板上に搭載される各部品のランド形状を特定し、特定されたランド形状について算出されたマスク開口形状を配置して、基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成することを含む。
【0023】
さらに、本発明の第3形態に係る半田印刷マスク用ガーバーデータ作成プログラムは、基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が予め登録された開口仕様データベースの中から、選択すべき開口仕様を入力する手順と、入力された開口仕様を、部品を搭載するランドのランド形状に適用することにより、ランドに半田を印刷するマスク開口形状を算出する手順と、を含んで構成される。
【0024】
上述するように、マスク開口形状算出手段10によって算出されたマスク開口形状は、算出の基となったランド形状と関連づけてデータベース33に登録しておくことができる。この場合上記ステップS24において、ガーバーデータ作成手段20は、特定したランド形状に対応するマスク開口形状をこのデータベース33から読み出して配置することとしてよい。
【0025】
なお、各部品のランド形状は、1つの部品の実装に必要な複数のランド形状をひとまとめにした、部品パターン形状の形で実装ライブラリ31に登録してもよい。このとき、マスク開口形状算出手段10によって算出されるマスク開口形状もまた、1つの部品の実装に必要な複数のマスク開口形状をひとまとめにして算出され、データベース33に登録されることとしてもよい。
【0026】
また、算出されたマスク開口形状の開口を空ける加工制御データのマクロ命令を、マスク開口形状単位に登録するマクロデータベースをさらに備えることとしてよい。このとき、基板上に搭載される各部品について、算出されたマスク開口形状のそれぞれに対応するマクロ命令を結合することによりガーバーデータを作成することとしてよい。
さらに、作成したガーバーデータ上の各マスク開口形状のいずれかが、そのマスク開口形状に対応するランド形状からはみ出しているとき、その旨をエラーとして表示することとしてよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、半田印刷マスク用のガーバーデータの作成の際に行っていた、各部品毎のマスク開口形状データを、開口仕様データベース内に登録された開口仕様のいずれかを選択するだけで作成することが可能となり、マスク開口形状データの作成に要する作業を大幅に省力化することが可能となる。
また、個々のマスク開口形状データを作成した時点で、そのマスク開口形状をランド形状と重ね合わせてチェックすることが可能となり、これにより従来必要であった半田印刷マスクのガーバーデータとアートワーク用のガーバーデータと重ね合わせ表示による非効率なチェックを省略することが可能となる。
さらに、微妙なマスク開口形状の入力ミスの発見を可能とすることで、生産性向上に寄与する。
また、このようなマスク開口形状データを製造技術部門で集中管理することにより、各生業拠点では、一元管理されたマスク開口形状データを使用するだけでマスク開口用ガーバーデータを自動的に作成、出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付図面に従って本発明に係るガーバーデータ作成装置の好ましい実施の形態について詳説する。図6は、本発明によるガーバーデータ作成装置の第1実施例の構成図である。
ガーバーデータ作成装置1は、コンピュータ等の計算機等により実現される計算部2と、計算部2によって処理されたデータや計算機2に入力するべきデータを表示するCRTや液晶ディスプレイ等の表示部3と、ユーザが計算機2にデータを入力し、ガーバーデータ作成装置1を操作するためのキーボートやマウス等の入力部4と、ガーバーデータ作成装置1により作成されたガーバーデータを出力するための出力部5と、を備えて構成される。
【0029】
計算部2は、ガーバーデータ作成処理を実行するための演算処理部6と、演算処理部6によって実行される本発明によるガーバーデータ作成プログラム9及び該プログラム9の実行に必要なデータを記憶するための記憶部7と、上記の表示部3、入力部4及び出力部5とのインターフェース8とを含む。
さらに計算部2は、以下に説明するCAD実装ライブラリ31、開口仕様データベース32、開口形状データベース33、マクロデータベース34、搭載用データベース35、マスク開口用ガーバーデータ保存部36、エラー部品データベース37と、を含む。
【0030】
CAD実装ライブラリ31は、プリント回路板(基板)へ実装される各部品や素子のそれぞれについて、これら部品等を一意に識別する識別番号であるパターン番号、外形寸法、部品の中心座標、各ピン(電極部)の座標、基準となるピン番号及び各ピンに接合されるランドのタイプ、各ランドの形状、寸法などのデータが、CADなどの手段によって登録されたライブラリである。
1つの部品単位のデータには、その部品のピンの本数、各ピンの座標及び各ピンに接合されるランド形状が含まれるので、このデータによって当該部品の全てのピンに接合されるランド形状寸法とその配置位置が指定される。これらのパターンをひとまとめにして部品パターン形状と称する。
【0031】
図7及び図8を参照して、CAD実装ライブラリ31に登録される1つの部品パターン形状のデータ内容を説明する。図7はある実装部品とそのランドの外形を示す図であり、図8はこの部品に対応する対応するCAD実装ライブラリ31内のデータ内容を示す図である。
図7において、2点鎖線51が実装部品の外形形状を示し、実線52が実装部品の2つの電極の各々に接合されるランド形状を示す。
【0032】
図8において、CAD実装ライブラリ31内のデータ内容は、本部品に関する部品パターン形状のパターン番号が「PSA10108」であり、ピン数が2本であり、座標原点となる基準ピンが第1ピンであり、第1ピンの中心を座標原点とするそれぞれのピン中心座標が(0,0)及び(3.050,0)であり、部品外形は、座標(-0.225,-950)、(3.275,-0.95)、(3.275,0.95)及び(-0.225,-0.95)を頂点とする長方形であって、その中心座標が(1.525,0)であることを示している。ここで、座標値は全てmm(ミリメートル)を示す。
また、CAD実装ライブラリ31内のデータ内容は、各ランド形状が、長方形(RECT)であって、その対角頂点が、各々のピン中心座標を座標原点とする相対座標(-0.475,-0.9)及び(0.475,0.9)にあることを示している。
【0033】
開口仕様データベース32は、部品パターン形状のデータ内容に適用することによりこの部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、部品パターン形状の種別毎に、又は算出されるマスク開口形状の種別毎に、演算処理部6に判読可能な形式で定義・データ化したデータベースである。
図9は、図7に示す長方形のランド形状に適用される開口仕様の例を示す図である。
1つ開口仕様データは、部品パターンの形状種別あるいはマスク開口の開口形状種別に応じて開口仕様を識別するための識別番号である開口種別(図9の例では「CHIP1」)、と、部品パターン形状から抽出するランド形状指定値を、マスク開口形状の算出式で使用される引数として宣言する引数宣言部(図9の例では、長方形のランド形状に2つの対角座標値(A1,B1)及び(A2,B2))と、宣言された引数を使用して部品パターン形状を定義するマスク形状定義部とを含む。
【0034】
図9に示す開口仕様の例では、長方形形状のランド形状を定義した図8の部品パターン形状データに示す、ランド形状の対角頂点の相対座標(-A1,-B1) 及び(A2,B2)(それぞれ(-0.475,-0.9))及び(A2,B2))を引数として、第1ピンのランド形状に対するマスク開口形状を、座標(-A1+0.08,-B1+0.08)、(-A1+0.08,B2-0.08)、(0.0,B2-0.08)、(A2-0.1,0.0)、(0.0,-B1+0.08)を頂点とする多角形(5角形)と定義し、第2ピンのランド形状に対するマスク開口形状を、(0.0,-B1+0.08)、(-A1+0.1,0.0)、(0.0,B2-0.08)、(A2-0.08,B2-0.08)、(A2-0.08,-B1+0.08)を頂点とする多角形と定義する。
図10は、図9に示す開口仕様「CHIP1」を、図8に示すパターン番号「PSA10108」の部品形状パターンに適用して算出されるマスク開口形状の例を示す図である。
【0035】
開口形状データベース33は、上記ガーバーデータ作成プログラム9は、後述する方法によって、CAD実装ライブラリ31に登録された各部品パターン形状に、開口仕様データベース32に登録されたいずれかの開口仕様を適用して算出したマスク開口形状データを、それぞれ登録するデータベースである。
【0036】
マクロデータベース34は、算出されたそれぞれのマスク開口形状を半田印刷マスクに加工する際にメタルマスク加工機に出力される、加工制御データの集合(マクロ命令)である拡張ガーバー出力マクロを、算出されたマスク開口形状毎に登録するデータベースである。
ここで、マクロデータベース34内に登録される拡張ガーバー出力マクロは、最小図形単位である1つのマスク開口を加工するために必要とする加工制御データの集合ごとに登録される。したがって、例えば、1つの部品の実装に複数のランドを使用しこれらランドにそれぞれ別個に半田印刷する場合には、1つのランドに半田印刷するマスク開口1つ分の加工制御データを単位とするマクロ命令が登録される。
【0037】
搭載用データベース35は、プリント回路板のCADデータから、基板情報(1つのマスクで複数基板に印刷する場合のこれら各基板についてのマスク上の配置位置と配置角度など)と部品配置情報(各部品等についての各基板上の搭載位置、部品パターン形状識別番号、搭載角度など)とを含むデータベースである。
マスク開口用ガーバーデータ保存部36は、ガーバーデータ作成装置1により作成された各プリント回路板毎の半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータを保存するための記憶部である。
エラー部品データベース37は、ガーバーデータを作成する際に発生したエラー内容を、エラー発生日付(ガーバーデータ作成処理日付)を付して登録するデータベースである。
【0038】
図6に戻り、記憶部7に記憶され、演算処理部6により実行されるガーバーデータ作成プログラム9は、CAD実装ライブラリ31に登録された部品パターン形状に対して、開口仕様データベース32に登録された開口仕様を適用してマスク開口形状を算出して、開口形状データベース33に登録するための開口形状編集/登録モジュール10と、搭載用データベースに登録されたプリント回路板の搭載データに基づいて、開口形状データベース33に登録されたマスク開口形状を配置してガーバーデータを作成するガーバーデータ作成モジュール20と、を含む。
【0039】
図11は、図6に示す開口形状編集/登録モジュール10の概略構成図である。図示するとおり開口形状編集/登録モジュール10は、マスク開口形状算出モジュール11と、マスク開口形状表示モジュール12と、マクロデータ作成モジュール13とを備える。
【0040】
マスク開口形状算出モジュール11は、CAD実装ライブラリ31に登録された部品パターン形状データと、部品パターン形状に適用すべき開口仕様を指定するためにユーザが入力部4を介して指示した開口種別とを入力して、この開口種別に対応する開口仕様を開口仕様データベース32から読み出して、入力された部品パターン形状データに適用して、この部品パターン形状に対するマスク開口形状を算出する。そして、このマスク開口形状データを、個々の開口形状を識別する開口形状番号を付して開口形状データベース33に登録するとともに、後段のマスク開口形状表示モジュール12及びマクロ作成モジュール13に出力する。
【0041】
マスク開口形状表示モジュール12は、開口形状編集/登録モジュール10に入力された部品パターン形状と、この部品パターン形状に対してマスク開口形状算出モジュール11が算出したマスク開口形状を、重ね合わせて表示部3に表示する。
マクロデータ作成モジュール13は、マスク開口形状算出モジュール11が算出したマスク開口形状に対応する。拡張ガーバー出力マクロを作成し、この拡張ガーバー出力マクロを個々のマクロを識別するマクロ番号を付してマクロデータベース34に登録する。
ここで拡張ガーバー出力マクロとは、作成されたマスク開口形状の開口をメタルマスク加工機を制御して加工するための加工制御データであって、マスク開口形状の最小図形単位である1つのランドに対応する1つのマスク開口を単位として、このマスク開口1つ分を加工する加工制御データをひとまとめのマクロ命令にしたものである。
また、マスク開口形状表示モジュール12は、上記マクロ番号を、上記算出したマスク開口形状データと関連づけて開口形状データベース33に記憶する。
【0042】
図12は、図6に示すガーバーデータ作成モジュール20の概略構成図である。図示するとおりガーバーデータ作成モジュール20は、マクロ変換/結合モジュール21と、ガーバーデータチェックモジュール22と、エラー表示モジュール23とを備える。
マクロ変換/結合モジュール21は、搭載用データベースに登録されたプリント回路板の搭載データに基づいてプリント回路板に搭載された各部品を取得し、それぞれの部品の部品パターン形状を特定するパターン番号をCAD実装ライブラリ31から読み出して取得する。
そして、そのパターン番号に対応するマスク開口形状を加工する拡張ガーバー出力マクロのマクロ番号を開口形状データベース33から読み出し、このマクロ番号に対応する拡張ガーバー出力マクロをマクロデータベース34から読み出す。そしてこの拡張ガーバー出力マクロを搭載データに従ってマスク座標上に配置して、ガーバーデータを作成する。
【0043】
ガーバーデータチェックモジュール22は、マクロ変換/結合モジュール21が作成したガーバーデータをチェックして、ガーバーデータにエラーが存在するか否かを判断し、エラーがない場合はガーバーデータをマスク開口用ガーバーデータ保存部36に保存し、エラーが存在する場合は、エラー情報をエラー発生日付(ガーバーデータ作成処理日付)を付してエラー部品データベース37に記憶する。
ここにエラー部品データベース37に登録されるエラー情報は、例えば、作成したガーバーデータ上のマスク開口形状のいずれかが、マスク開口形状に対応するランド形状からはみ出している、または、搭載データに含まれる部品に、CAD実装ライブラリ31に部品パターン形状データが登録されていない、もしくは開口形状データベース33及びマクロデータベース34に開口形状データ及びマクロデータが登録されていない部品がある、などとしてよい。
【0044】
なお、マスク開口用ガーバーデータ保存部36に保存されたガーバーデータは、出力部5を介してマスク開口用ガーバーデータ保存部36から外部に出力することが可能である。
エラー表示モジュール23は、エラー部品データベース37に記憶されたエラー情報を表示部3に表示する。
以下、図13〜図23を参照して、ガーバーデータ作成装置1の動作方法を説明する。
【0045】
図13は、図5に示すガーバーデータ作成装置の動作フローチャートである。
まず、ステップS31〜ステップS36では、プリント回路板に搭載する部品や素子の部品パターン形状に対応するマスク開口形状データを作成する。
【0046】
ステップS31では、ユーザは図6の入力部4を介して、プリント回路板に搭載する部品等のうち、まだマスク開口形状データを作成していないものについて、その部品パターン形状データを指定するパターン番号を入力する。図14に、パターン番号入力の際に図6の表示部3に表示される入力画面を示す。
パターン番号の入力は、開口形状DB登録/変更ウインドウ100のパターン名入力欄101にマスク開口形状データの作成を所望する部品パターン形状のパターン番号を入力することによって行われる。図14の例では、図7及び図8に示した部品パターン形状「PAS10108」が入力される。
ユーザがパターン番号を入力すると、図11のマスク開口形状算出モジュール11は、ステップS32において、入力されたパターン番号をもとにCAD実装ライブラリ31から対応する部品パターン形状(図8)を抽出して、これに含まれるピン座標(ピン名称)、基準ピン名、ランド形状に基づいて、図14の部品パターン形状表示欄102に部品パターン形状を表示する。
【0047】
ステップS33において、ユーザは、指定した部品パターン形状に適用する開口仕様を指定する開口種別を入力する。図15は、開口種別入力の際に図6の表示部3に表示される入力画面を示す。
開口種別の入力は、ユーザが開口形状DB登録/変更ウインドウ100の開口種別入力欄103に適用すべき開口仕様を指定する開口種別を入力することによって行われる。図15の例では、図9に示した開口種別「CHIP1」の開口仕様が選択される。
【0048】
ユーザが開口種別を入力すると、図11のマスク開口形状算出モジュール11は、ステップS34において入力された開口種別を基に開口仕様データベース32から指定された開口仕様データ(図9参照)を読み出して、ステップS31で選択された部品パターン形状に適用してマスク開口形状を自動的に算出する。
このときマスク開口形状算出モジュール11は、この開口仕様データに示したマスク形状定義部に定められた各ピン毎の開口形状計算式に含まれる引数(図9の例では、A1,B1,A2,B2)に対して、入力されたパターン番号の部品パターン形状データに含まれるランドの形状や寸法を定めるパラメータ(ランド形状の所定の点の座標値や寸法)を代入して(図8の例では、ピン中心を座標原点とするランド形状の寸法を代入する。すなわち長方形形状の対角頂点を示す相対座標が代入され、それぞれ-A1に対して-0.475が,-B1に対して-0.9が,A2に対して0.475が,B2に対して0.9が代入される)、そのランド形状に応じたマスク開口の形状及び寸法を(マスク開口形状)を決定する。
【0049】
そしてマスク開口形状算出モジュール11は、算出されたマスク開口形状の図形描画データをマスク開口形状表示モジュール12に出力し、このデータを基に、マスク開口形状表示モジュール12は、マスク開口形状と既に表示されていた部品パターン形状とを重ね合わせて表示部3に表示する。
【0050】
ステップS35において、ユーザは図15の開口形状DB登録/変更ウインドウ100の「寸法詳細表示」ボタン105を押して、ランド別のランド形状とそれに対するマスク開口形状を重ね合わせた拡大図を表示して、算出されたマスク開口形状が規格通りに作成されているかのチェックを行う。図16及び図17にマスク開口形状のチェック用画面を示す。
ランド形状とそれに対するマスク開口形状を重ね合わせ拡大図は、図16及び図17に示す詳細寸法表示ウインドウ110内の重ね合わせ拡大図欄111に表示される。図示するように、重ね合わせ拡大図欄111には、ランド形状及びそれに対するマスク開口形状の拡大図をランド毎に拡大表示すると共に、ランド形状又はマスク開口形状に対する寸法を表示する。画面上にランド形状又はマスク開口形状のいずれの寸法を表示するかは、ラジオボタン112により指定可能である。
【0051】
図16は、フット寸法(ランド形状の寸法)を表示した状態を示し、図17はマスク開口形状の寸法を表示した状態である。また重ね合わせ拡大図欄111に表示するランド形状は、表示ピン選択欄113に表示されるピン一覧に示される各ピンのそれぞれを指定することにより切り替え可能である。
【0052】
重ね合わせ拡大図によるチェックの結果が正常であった場合には、ユーザが図15に示す「開口データ登録」ボタン106を押すことにより、ステップS36に進んで、マスク開口形状算出モジュール11は、マスク開口形状データ及びそのマスク開口を加工するための拡張ガーバー出力マクロをそれぞれ開口形状データベース33及びマクロデータベース34に登録する。図18にマスク開口形状データの登録確認画面を示す。
【0053】
マスク開口形状データの登録確認は、開口登録確認画面ウインドウ120によって行う。開口登録確認画面ウインドウ120には、作成したマスク開口形状に対応する部品パターン形状のパターン番号を入力する登録パターン欄121と、作成したマスク開口形状がプリント基板の半田面(L1面)及び部品面(Ln面)のいずれの面へ印刷するためのものであるかを指定するパターン実装面指定欄122と、作成したマスク開口形状のピン間指定を入力するピン間指定欄123を有する。
ここにピン間指定とは、部品パターン形状の各ピン間に何本のパターン(回線)が存在することを許容するかを指定するものであり、ピン間指定値は、例えば、指定なし(0本)、P3(3本)、P5(5本)など予め使用される値が定められている。
【0054】
ユーザが、実装面、及びピン間指定を入力すると、マスク開口形状算出モジュール11は、算出されたマスク開口形状に関する情報を開口形状データベース33に登録する。図19に開口形状データベース33の内容を示す。開口形状データベース33は、開口形状番号登録テーブルと、マクロ番号登録テーブルとを有する。
マスク開口形状は、これに対応する部品パターン形状、半田印刷されるパターン実装面及びピン間指定値によって異なるので、マスク開口形状算出モジュール11は、これら部品パターン形状のパターン番号、パターン実装面、ピン間指定値毎に異なるマスク開口形状を作成し、それぞれに対して異なる開口形状番号を割り当てて開口形状データベース33に登録する。その際に開口形状番号登録テーブルに、開口形状に割り当てられた開口形状番号と、この開口形状を作成する基礎となったパターン番号、パターン実装面、ピン間指定値とを対応付けて登録する。
【0055】
また後述するように、作成されたマスク開口形状は、最小図形単位である1つのランドに対応する1つのマスク開口を加工する拡張ガーバー出力マクロの形に変換されて、この拡張ガーバー出力マクロは、最小図形単位毎(マスク開口毎)にマクロ番号を割り当てられた状態でマクロデータベース34に登録される。
そこで、マスク開口形状算出モジュール11は、算出したマスク開口形状に対応する部品パターン形状の各ランド(ピン)毎に、当該ランドに対応するマスク開口を加工する拡張ガーバー出力マクロのマクロ番号を割り当てる。そして、開口形状番号登録テーブルにおいて当該マスク開口形状に割り振られた開口形状番号と、このマスク開口形状に対応する部品パターン形状の各ランド番号(ピン番号)と、このランドに対応するマスク開口を加工する拡張ガーバー出力マクロのマクロ番号とを関連づけて、マクロ番号登録テーブルに登録する。
【0056】
このとき、拡張ガーバー出力マクロは部品の配置角度(又は配置方位、例えば、0°、90°、180°、270°)に応じて異なるので、拡張ガーバー出力マクロをこれら所定の角度毎に作成し、異なるマクロ番号が割り当てられる。そしてマクロ番号登録テーブルには、部品の配置角度も合わせて登録され、マクロ番号もこの配置角度毎に変えて登録される。
【0057】
次に、マスク開口形状算出モジュール11は、算出したマスク開口形状データをマクロデータ作成モジュール13に出力し、マクロデータ作成モジュール13は、マスク開口形状データに基づいて、マスク開口を加工する加工制御データのマクロ命令である拡張ガーバー出力マクロを作成する。
マクロデータ作成モジュール13は、作成されたマスク開口形状の最小図形単位である1つのランドに対応する1つのマスク開口を単位として、このマスク開口を加工する分の加工制御データをひとまとめのマクロ命令にした拡張ガーバー出力マクロを作成する。そして作成した拡張ガーバー出力マクロ毎に1つのマクロ番号を割り当てる。
このとき、マクロデータ作成モジュール13は、マスク開口形状を配置角度(又は配置方位、例えば、0°、90°、180°、270°の4方向)を変えて配置した場合のそれぞれについて別々に拡張ガーバー出力マクロを作成し、これらについて異なるマクロ番号を割り当てて、マクロデータベース34に登録する。このようなマクロデータベース34の内容を図20に示す。図20の例では、マクロデータベース34において、同じマスク開口形状に対して、0°、90°、180°及び270°の異なる4つの角度毎に、拡張ガーバー出力マクロ毎に、それぞれマクロ番号MCR3790〜MCR3793の異なる拡張ガーバー出力マクロがマクロデータベース34に登録される。
【0058】
マクロデータベース34への登録に際して、同一の拡張ガーバー出力マクロが重複して登録されないように、マクロデータ作成モジュール13は、重複チェックをおこなうこととしてよい。このためにマクロデータ作成モジュール13は、重複チェックの際の比較に使用するキーとして、マスク開口形状データに基づくマスク開口の外形形状を示す情報を作成して、拡張ガーバー出力マクロとともにマクロデータベース34へ登録してよい(図20の「外形形状寸法」欄)。そして、新たに登録しようとするマスク開口形状について作成した外形形状情報が、既に登録された拡張ガーバー出力マクロとともに登録された外形形状情報と一致するか否かを判断して、一致しない場合にのみ拡張ガーバー出力マクロを登録することとしてもよい。
【0059】
なお、ステップS36において、マスク開口形状算出モジュール11は、開口形状データベース33に登録しようとするマスク開口形状がランド形状に対してはみ出しているかどうかをチェックする。そして、マスク開口形状がランド形状に対してはみ出している場合、図21に示すように作成したマスク開口形状データにはみ出しフラグを設定して、開口形状データベース33に登録するか否かを質問する。
マスク開口形状の種類によっては、ランド形状に対してはみ出して半田印刷されることが正常である場合もあるので、このような場合にユーザはマスク開口形状データにはみ出しフラグを設定して登録する。
【0060】
以上ステップS31〜ステップS36によって、プリント回路板に搭載する部品や素子の部品パターン形状に対応するマスク開口形状データを作成する。作成したマスク開口形状データは開口形状データベース33に登録され、その拡張ガーバー出力マクロはマクロデータベース34に登録されるので、これらは一度作成すれば次回以降これらデータベースから読み出して利用すれば足りる。したがって上記ステップS31〜ステップS36は、新たな種類の部品、すなわちマスク開口形状データ等が開口形状データベース33等に登録されていない部品について一度だけ実行すればよい。
【0061】
以下のステップS37及びS38では、プリント回路板への半田印刷マスクのガーバーデータを作成する。
ステップS37において、ユーザは、半田印刷マスク用ガーバーデータを作成しようとするプリント回路板の図面番号を入力部4を介して入力する。ここで、プリント回路板に異なるバージョンがあり同じ図面番号に対して複数の回路構成がある場合には、図面番号に枝番(版数)を付して図面を管理する場合があるが、この場合にはこの版数も合わせて指定する。
【0062】
図22に、プリント回路板の図面番号及び版数入力画面を示す。データ出力ウインドウ130の図番欄131に、半田印刷マスク用ガーバーデータを作成しようとするプリント回路板の図面番号を入力すると、図12に示すガーバーデータ作成モジュール20のマクロ変換/結合モジュール21は、搭載用データベース35から、既にCAD情報が登録されているプリント回路板の図面番号と版数の一覧を、登録済み図面覧132に表示する。
そして、登録済み図面覧132に表示される図面番号と版数の一覧の中から、半田印刷マスク用ガーバーデータを作成しようとする図面番号及び版数のプリント回路板を選択して、「追加」ボタン133を押すことにより、選択された図面番号及び版数が選択済み図面覧132に移って、ガーバーデータを作成しようとするプリント回路板の図面番号及び版数の入力が行われる。
【0063】
図13に戻り、ステップS38において、マクロ変換/結合モジュール21は、選択された図面番号及び版数に対応するプリント回路板の搭載データを、搭載用データベース35から読み出す。そして、当該プリント回路板に搭載される各々の部品についてその部品パターン形状のパターン番号をCAD実装ライブラリ31から取得し、それぞれのパターン番号のマスク開口形状データを開口形状データベース33から取得する。
また、マクロ変換/結合モジュール21は、搭載用データベース35から読み出した搭載データに含まれる各部品(部品パターン形状)の基板上の配置位置(基準ピン座標)及び搭載角度、並びにCAD実装ライブラリ31に登録される各ピンの配置情報に基づいて、各部品の各ピンの座標及び搭載角度を決定する。
【0064】
そして、マスク開口形状データ(図19)の開口形状登録テーブルにおいて、上記取得したパターン番号に対応して記憶された開口形状番号を特定し、この開口形状番号に関連づけてマクロ番号登録テーブルに記憶されたマクロ番号特定し、このマクロ番号のうちから上記決定した搭載角度に対応するマクロ番号を取得する。
そして取得されたマクロ番号と同一のマクロ番号の拡張ガーバーデータ出力用マクロをマクロデータベース34から読み出して、拡張ガーバーデータ出力用マクロを各部品の各ピンの座標とともに出力する。出力された拡張ガーバーデータ出力用マクロは、マスク開口用ガーバーデータ保存部36において、搭載データに含まれる全ての部品について結合されることによりプリント回路板全体についての半田印刷マスク用ガーバーデータとなる。
【0065】
マクロ変換/結合モジュール21は、拡張ガーバーデータ出力用マクロを作成する場合に発生したエラー情報を、エラー部品データベース37に、ガーバーデータ作成処理日付とともに登録する。この場合には、マクロ変換/結合モジュール21は、拡張ガーバーデータ出力用マクロを出力しない。
このエラー情報として、例えば、搭載データに含まれる部品に、CAD実装ライブラリ31に部品パターン形状データが登録されていないものがある場合には、その当該プリント回路板、版数及び部品番号とともにこの部品に部品パターン形状データが登録されていない旨の情報が登録される。
また、例えば搭載データに含まれる部品に、開口形状データベース33及びマクロデータベース34に開口形状データ及びマクロデータが登録されていないものがある場合には、その当該プリント回路板、版数、部品番号、この部品番号が持つ部品パターン形状データのパターン番号とともに、この部品パターン形状に対応する開口形状データベース33及びマクロデータベース34に開口形状データ及びマクロデータが登録されていない旨の情報が登録される。
【0066】
マクロ変換/結合モジュール21から出力された拡張ガーバーデータ出力用マクロは、ガーバーデータチェックモジュール22に入力され、作成した拡張ガーバーデータ出力用マクロが、対応するランド形状からはみ出しているか否かのチェックが行われる。
はみ出しが検出された場合には、ガーバーデータチェックモジュール22は、プリント回路板、版数、はみ出しが検出されたランドに搭載される部品番号、この部品番号が持つ部品パターン形状データのパターン番号と共に、部品パターン形状データに対して作成されたマスク開口形状がランド形状からはみ出している旨のエラー情報を、ガーバーデータ作成処理日付を付して、エラー部品データベース37に登録する。この場合には、マクロ変換/結合モジュール21は、拡張ガーバーデータ出力用マクロを出力しない。
上記はみ出しが検出されない場合、ガーバーデータチェックモジュール22は、マクロ変換/結合モジュール21から入力した拡張ガーバーデータ出力用マクロをマスク開口用ガーバーデータ保存部36に出力する。
なお、図21に示すはみ出しフラグ設定場面ではみ出しフラグを設定したマスク開口形状については、ガーバーデータチェックモジュール22は、はみ出しチェックを行わない。
【0067】
このようにエラー部品データベース37に登録されたエラー情報は、図12に示すガーバーデータ作成モジュール20内のエラー表示モジュール23によって表示部3に表示される。エラー表示画面を図23に示す。
エラー表示は、エラー詳細表示ウインドウ140によって行われる。ウインドウ140内の検索日付欄141に、日付データを入力すると、エラー表示モジュール23は入力された日付になされたガーバーデータ作成処理において発生したエラー情報を検索して、その日付にエラーが発生したプリント回路板の図面番号と版数を図面番号一覧142に表示する。
【0068】
そして、ユーザが図面番号一覧142に表示されたいずれかの図面番号及び版数を指定することにより、その図面番号及び版数ついてエラーが発生した部品番号、パターン番号(TLIB番号)、マクロ番号(MLIB番号)及びエラー内容が表示される。
このようにエラー情報を表示することで、開口形状データを作成するユーザは、このエラー情報を基にしてマスク開口形状データを修正及び登録が可能となり、迅速にマスク開口ガーバーデータを作成することが可能となる。
【0069】
以上、本発明を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明したが、本発明の容易な理解のために、本発明の具体的な形態を以下に付記する。
【0070】
(付記1)
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータ作成装置であって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め登録する開口仕様データベースと、
選択された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出するマスク開口形状算出手段と、
を備えることを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成装置。(1)
【0071】
(付記2)
前記部品毎に、そのランド形状が予め登録される実装ライブラリと、
該実装ライブラリの中から、前記基板上に搭載される各前記部品の前記ランド形状を特定し、特定された前記ランド形状について算出された前記マスク開口形状を配置して、前記基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成するガーバーデータ作成手段と、
をさらに備えることを特徴とする付記1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。(2)
【0072】
(付記3)
前記開口仕様は、異なる前記マスク開口形状の種類毎に、前記開口仕様データベースに登録されることを特徴とする付記1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【0073】
(付記4)
前記ランド形状及び該ランド形状について算出された前記マスク開口形状を重ね合わせて表示する開口形状表示手段を、さらに備えることを特徴とする付記1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。(3)
【0074】
(付記5)
前記算出された前記マスク開口形状の開口を空ける加工制御データのマクロ命令を、マスク開口形状単位に登録するマクロデータベースを、さらに備え、
前記ガーバーデータ作成手段は、前記基板上に搭載される各前記部品について、算出された前記マスク開口形状のそれぞれに対応する前記マクロ命令を結合することにより、前記ガーバーデータを作成する、
ことを特徴とする付記2に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【0075】
(付記6)
作成した前記ガーバーデータ上の各前記マスク開口形状のいずれかが、当該マスク開口形状に対応する前記ランド形状からはみ出しているとき、その旨をエラーとして表示するエラー表示手段を、
をさらに備えることを特徴とする付記2に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【0076】
(付記7)
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータ作成方法であって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め開口仕様データベースに登録し、
前記開口仕様データベースの中から、いずれかの開口仕様を選択し、
選択された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する、
ことを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成方法。(4)
【0077】
(付記8)
前記部品毎のランド形状を、予め実装ライブラリに登録し、
該実装ライブラリの中から、前記基板上に搭載される各前記部品の前記ランド形状を特定し、
特定された前記ランド形状について算出された前記マスク開口形状を配置して、前記基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成する、
ことを特徴とする付記7に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0078】
(付記9)
前記開口仕様は、異なる前記マスク開口形状の種類毎に、前記開口仕様データベースに登録されることを特徴とする付記7に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0079】
(付記10)
前記算出された前記マスク開口形状を検査するために、前記ランド形状及び該ランド形状について算出された前記マスク開口形状を重ね合わせて表示する、
ことを特徴とする付記7に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0080】
(付記11)
前記算出された前記マスク開口形状の開口を空ける加工制御データのマクロ命令を、マクロデータベースにマスク開口形状単位に登録し、
前記基板上に搭載される各前記部品について、算出された前記マスク開口形状のそれぞれに対応する前記マクロ命令を結合することにより、前記ガーバーデータを作成する、
ことを特徴とする付記8に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0081】
(付記12)
作成した前記ガーバーデータ上の各前記マスク開口形状のいずれかが、当該マスク開口形状に対応する前記ランド形状からはみ出しているとき、その旨をエラーとして表示すること、を特徴とする付記8に記載のマスク用ガーバーデータ作成方法。
【0082】
(付記13)
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータを作成するマスク用ガーバーデータ作成プログラムであって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が予め登録された開口仕様データベースの中から、選択すべき前記開口仕様を入力する手順と、
入力された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成プログラム。(5)
【0083】
(付記14)
前記部品毎のランド形状を予め登録した実装ライブラリの中から、前記基板上に搭載される各前記部品の前記ランド形状を特定する手順と、
特定された前記ランド形状について算出された前記マスク開口形状を配置して、前記基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする付記13に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【0084】
(付記15)
前記開口仕様は、異なる前記マスク開口形状の種類毎に、前記開口仕様データベースに登録されることを特徴とする付記13に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【0085】
(付記16)
前記ランド形状及び該ランド形状について算出された前記マスク開口形状を重ね合わせて表示する手順を、コンピュータに実行させることを特徴とする付記13に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【0086】
(付記17)
前記算出された前記マスク開口形状の開口を空ける加工制御データのマクロ命令を、マクロデータベースにマスク開口形状単位に登録する手順と、
前記基板上に搭載される各前記部品について、算出された前記マスク開口形状のそれぞれに対応する前記マクロ命令を結合することにより、前記ガーバーデータを作成する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする付記14に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【0087】
(付記18)
作成した前記ガーバーデータ上の各前記マスク開口形状のいずれかが、当該マスク開口形状に対応する前記ランド形状からはみ出しているとき、その旨をエラーとして表示する手順を、コンピュータに実行させることを特徴とする付記14に記載のマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、プリント回路板(PCB)の半田クリーム印刷に使用する半田印刷マスク用のガーバーデータの作成装置、作成方法及び作成プログラムに広く利用可能である。特に表面実装技術(SMT)により部品を自動搭載されるプリント回路板組立において、半田クリーム印刷に使用する半田印刷マスク用のガーバーデータの作成装置、作成方法及び作成プログラムに好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係るガーバーデータ作成装置におけるマスク開口形状算出機能部の原理構成図である。
【図2】図1のマスク開口形状算出機能部の動作説明図である。
【図3】図1のマスク開口形状算出機能部の動作フローチャートである。
【図4】本発明の第1形態に係るガーバーデータ作成装置におけるガーバーデータ作成機能部の原理構成図である。
【図5】図4のガーバーデータ作成機能部の動作フローチャートである。
【図6】本発明によるガーバーデータ作成装置の第1実施例の構成図である。
【図7】ある実装部品とそのランドの外形を示す図である。
【図8】図7の実装部品に対応するCAD実装ライブラリ内の部品形状パターンを示す図である。
【図9】図7のランド形状に適用される開口仕様の例を示す図である。
【図10】図9に示す開口仕様を、図8に示す部品形状パターンに適用して算出されるマスク開口形状の例を示す図である。
【図11】図6に示す開口形状編集/登録モジュールの概略構成図である。
【図12】図6に示すガーバーデータ作成モジュールの概略構成図である。
【図13】図5に示すガーバーデータ作成装置の動作フローチャートである。
【図14】パターン番号入力の際に図6の表示部3に表示される入力画面を示す図である。
【図15】開口種別入力の際に図6の表示部3に表示される入力画面を示す図である。
【図16】マスク形状チェックの際に図6の表示部3に表示される表示画面(その1)を示す図である。
【図17】マスク形状チェックの際に図6の表示部3に表示される表示画面(その2)を示す図である。
【図18】マスク開口形状データの登録確認画面を示す図である。
【図19】開口形状データベースの内容を示す図である。
【図20】マクロデータベースの内容を示す図である。
【図21】はみ出しフラグ設定場面を示す図である。
【図22】プリント回路板の図面番号及び版数入力画面を示す図である。
【図23】エラー表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
1 ガーバーデータ作成装置
2 計算部
3 表示部
4 入力部
5 出力部
9 ガーバーデータ作成プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータ作成装置であって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め登録する開口仕様データベースと、
選択された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出するマスク開口形状算出手段と、
を備えることを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成装置。
【請求項2】
前記部品毎に、そのランド形状が予め登録される実装ライブラリと、
該実装ライブラリの中から、前記基板上に搭載される各前記部品の前記ランド形状を特定し、特定された前記ランド形状について算出された前記マスク開口形状を配置して、前記基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成するガーバーデータ作成手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【請求項3】
前記ランド形状及び該ランド形状について算出された前記マスク開口形状を重ね合わせて表示する開口形状表示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【請求項4】
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータ作成方法であって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め開口仕様データベースに登録し、
前記開口仕様データベースの中から、いずれかの開口仕様を選択し、
選択された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する、
ことを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成方法。
【請求項5】
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータを作成するマスク用ガーバーデータ作成プログラムであって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が予め登録された開口仕様データベースの中から、選択すべき前記開口仕様を入力する手順と、
入力された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【請求項1】
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータ作成装置であって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め登録する開口仕様データベースと、
選択された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出するマスク開口形状算出手段と、
を備えることを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成装置。
【請求項2】
前記部品毎に、そのランド形状が予め登録される実装ライブラリと、
該実装ライブラリの中から、前記基板上に搭載される各前記部品の前記ランド形状を特定し、特定された前記ランド形状について算出された前記マスク開口形状を配置して、前記基板の半田印刷に使用されるマスクのガーバーデータを作成するガーバーデータ作成手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【請求項3】
前記ランド形状及び該ランド形状について算出された前記マスク開口形状を重ね合わせて表示する開口形状表示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のマスク用ガーバーデータ作成装置。
【請求項4】
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータ作成方法であって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様を、予め開口仕様データベースに登録し、
前記開口仕様データベースの中から、いずれかの開口仕様を選択し、
選択された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する、
ことを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成方法。
【請求項5】
基板表面に半田を印刷する半田印刷マスクのマスク用ガーバーデータを作成するマスク用ガーバーデータ作成プログラムであって、
前記基板に実装される部品のランド形状に適用することにより該部品の実装に使用される半田印刷のマスク開口形状を算出する開口仕様が予め登録された開口仕様データベースの中から、選択すべき前記開口仕様を入力する手順と、
入力された前記開口仕様を、前記部品を搭載するランドの前記ランド形状に適用することにより、前記ランドに半田を印刷する前記マスク開口形状を算出する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするマスク用ガーバーデータ作成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2006−351724(P2006−351724A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−174150(P2005−174150)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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