説明

単離されたプロモーターと遺伝子転写終結因子及び真菌における蛋白質と化学物質の生産方法

本発明は、第2の形態を呈する天然真菌に比較した場合に第1の形態を呈する天然真菌において特異的に発現される、単離された遺伝子制御因子及び遺伝子転写終結因子を包含する。発明は、蛋白質及び化学物質の生産のために真菌を利用する方法も包含する。形質転換された真菌は、真菌を組換えポリヌクレオチド分子で形質転換することにより生産される。当該組換えポリヌクレオチド分子は目的の遺伝子のコード領域を含む別の分子に作動可能に連結された、単離されたポリヌクレオチド配列を含む。上記遺伝子制御要素及び遺伝子転写終結因子は、トランスジェニック真菌において目的の化合物の最適な生産のために特定の遺伝子の発現を時間的及び空間的に制御してよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
連邦政府がスポンサーである研究又は開発に関する陳述
[0001] この発明は、アメリカ合衆国ディパートメントオブエナジーにより賞金を授与された、契約のDE−AC0676RLO−1830下での政府の支持によりなされた。政府はこの発明に一定の権利を有する。
技術分野
[0002] 発明は、繊維状真菌内の遺伝子制御要素の単離されたポリヌクレオチド分子に関する。より特定すれば、本発明は、繊維状真菌プロモーター及び遺伝子転写終結因子の単離、組換えポリヌクレオチド構築物の構築、及び真菌における蛋白質と化学物質の生産方法に関する。
背景
[0003] 真菌は、多くの市販の有用な生成物の生産において重要性が増している。例えば、繊維状真菌は現在多数の代謝物を工業スケールにて生産しており、抗生物質、例えば、ペニシリン及びセファロスポリン、及び有機酸、例えばクエン酸及びフマル酸を含む。繊維状真菌は、酵素、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼの工業的生産においても用いられる。
【0002】
[0004] 繊維状真菌種の所望の化合物の生産のための利用は、真菌の成長する水中に沈んだ培養をしばしば含む。繊維状真菌は水中に沈んだ培養物中で多くの形態を呈することができ、塊状(pelleted)形態及び「繊維状化された(filamented)」形態を含む。培養物中の真菌が繊維状の形態を呈するときは、繊維の存在が培養培地の粘度を増加させ得る。増加した粘度は、培養物の大量移動と通気特性に影響し、バイオリアクター中の混合の問題を引き起こし、そして低下した生産性をもたらし得る。
【0003】
[0005] あるいは、繊維状真菌は、塊状形態を呈し得る。繊維状化形態を呈する真菌の培養物とは対照的に、塊状形態を呈する真菌培養物は相対的に低い粘度を有し、そして培養物の混合と通気のために実質的に低いパワーしか必要としない。多数の化合物、例えば、クエン酸、イタコン酸、スタチン、ペニシリン、及び様々な酵素の生産性は、塊状形態を呈する真菌を利用することにより増強され得る。しかしながら、特定の真菌種においては、化学物質、例えば、消化酵素又はフマル酸の生産が繊維状形態を呈する真菌を利用することにより増強され得る。真菌に助けられる化学物質/蛋白質の生産の一般的な実施は真菌の形態を故意に制御しない。
【0004】
[0006] 真菌の形態形成の間、一連の遺伝子がアップ制御されるか又はダウン制御される。目的の化学物質及び/又は蛋白質の最適な生産を達成するためには、それらの遺伝子の強い構成的発現を呈するプロモーター及び転写終結因子を利用することができる。同時に、細胞の分化における特定の培養条件とキーステージにて誘導された遺伝子発現を利用することにより、遺伝子発現を最大にして、一定の化学物質及び/又は蛋白質の増強された生産に関連するかもしれない真菌の成長に対する逆作用を最小にすることができる。即ち、真菌において遺伝子発現の制御のための単離された真菌プロモーターと転写終結因子並びに所望の化学物質と蛋白質の増強された生産を促進させる方法に関する要求が存在する。
要約
[0007] 真菌における伝統的な化学物質及び蛋白質の生産における前記及び他の問題、不利、及び欠点に関して、本発明は工夫された。発明は、繊維状形態との比較において、塊状形態を呈する天然の真菌において特異に発現される遺伝子の発現を制御するポリヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド分子を包含する。一つの側面において、発明は、繊維状形態との比較において、塊状形態を呈する天然の真菌において特異に発現される遺伝子において強くて構成的な活性をもつプロモーターを包含する。発明は、例えば、天然の真菌において一定の発生ステージにて発現を開始する誘導可能な遺伝子プロモーターも包含する。別の側面において、発明は、繊維状形態との比較において、塊状形態を呈する天然の真菌において特異に発現される遺伝子からの転写終結因子を包含する。
【0005】
[0008] 本発明の一つの目的は、化学物質及び/又は蛋白質の生産における使用のための新規な株を確立するための繊維状真菌のような真核生物に新規の遺伝物質を導入することである。
【0006】
[0009] 本発明の別の目的は、繊維状真菌において形態形成を制御することである。
[0010] 本発明の別の目的は、形質転換された宿主細胞を利用した化合物の構成的生産、例えば化学物質及び蛋白質の生産の方法を包含する。
【0007】
[0011] 本発明のまた別の目的は、形質転換された宿主細胞から化合物の生産を誘導する方法を包含する。
[0012] 本発明の別の目的は、外来遺伝子並びに化学物質又は蛋白質の生産のための再導入された天然遺伝子の発現を制御するために、単離されたアスペルギルスニガー(A.niger)のプロモーターを使用することである。
詳細な説明
[0028] そのような用語に対して与えられた範囲を含む、明細書の特許請求の範囲の明快かつ正確な理解のために、以下の定義を用意する。
【0008】
[0029] 本発明の繊維状真菌は真核生物であって、亜門である真菌亜門(Eumycotina)の全ての繊維状形態を含む。キチン、セルロース、及び他の複合体ポリサッカライドから構成される無性菌糸体(vegetative mycelium)が、これらの真菌を特徴付ける。本発明の繊維状真菌は、形態上、生理学上、及び遺伝上、酵母とは区別される。繊維状真菌の無性成長は菌糸の伸長によるが、炭素代謝は好気性が必須である。3つの主要な真菌群からの繊維状真菌の様々な種を発現宿主として用いてよく、担子菌、子嚢菌、及び接合菌類を含む。担子菌群の例示のメンバーは、ファネロキーテクリソスポリウムである。子嚢菌と不完全真菌の例示のメンバーは、アスペルギルスニガー、アスペルギルオリゼー、アスペルギルステリウス、エミリセラニジュランス、ニューロスポラクラッサ、フサリウムオキシスポラム、ペニシリウムクリソゲナム、及びトリコデルマリイセイを含む。接合菌類群の例示のメンバーは、限定ではないが、リゾムコルミーヘイとリゾパスオリゼーである。
【0009】
[0030] 本明細書にて使用される用語である繊維状(filamented)及び塊状(pelleted)は、繊維状真菌の形態を意味し得る。即ち、繊維状真菌は繊維状形態又は塊状形態を有することにより特徴付けられ得る。
【0010】
[0031] 本明細書にて使用される、形態増強されたプロモーターは、DNA配列を意味し得るが、遺伝子に作動可能に連結されたときに、生物における他のいくつか又は全ての形態に比較して特定の形態にてプロモーター活性の増強とその遺伝子の転写の増加を呈し得る。例えば、塊状増強プロモーターは塊状形態に関連した遺伝子の相対的に高いレベルの転写を指示するDNA配列である。類似の用語は転写終結因子に適用可能である。
【0011】
[0032] クローニングベクターは、DNA分子、例えばプラスミド、コスミッド、又はバクテリオファージであり、宿主細胞において自己複製能を有する。クローニングベクターは、典型的には、ベクターの本質的な生物学上の機能を損失することなしに、測定可能な様式にて外来DNA配列とマーカー遺伝子が挿入され得る制限エンドヌクレアーゼ認識部位を一つ又は少数含む。マーカー遺伝子はクローニングベクターと共に形質転換された細胞の同定と選択を助ける。マーカー遺伝子は、典型的には、テトラサイクリン、カナマイシン、又はアンピシリン耐性を提供する遺伝子を含む。
【0012】
[0033] トランス遺伝子発現ベクターは、宿主細胞が発現する外来遺伝子を含むDNA分子を意味し得る。典型的には、特定の制御要素であり、構成的又は誘導可能なプロモーター、形態特異的制御要素及増強因子、及び遺伝子の転写終結因子制御発現を含む。そのような遺伝子は、「作動可能に」制御要素に連結されると言う。
【0013】
[0034] 組換え宿主は、一つ又はそれより多くのDNA分子を含むあらゆる原核生物又は真核生物であり得て、DNAはゲノムに組み込まれているかいないかには拘わらない。この用語は、宿主の染色体又はゲノムにクローン化された遺伝子を含むように遺伝子操作されたそれらの原核生物又は真核生物も含む。
【0014】
[0035] トランスジェニック真菌株は、該体遺伝子を含む一つ又はそれより多い真菌細胞を有する真菌株である。真核生物においては、RNAポリメラーゼIIが、mRNAを生産するための構造遺伝子の転写を触媒する。DNA分子は、RNA転写物が特定のmRNAの配列に相補性である配列を有するように、RNAポリメラーゼII鋳型を含むようデザインすることができる。
【0015】
[0036] 構成的は、如何なる制御もない遺伝子の構成的な発現を意味し得る。特定の形態と共に用いられたときは、その形態のための全ての条件下での遺伝子の発現を意味することもできる。
【0016】
[0037] 相同性は、位置的な同一性に関しての核酸配列とアミノ酸配列の間の類似の程度を意味し得る。異なるヌクレオチド配列とアミノ酸配列の間の類似の機能上の特性の概念も意味し得る。
【0017】
[0038] 外来遺伝子は、本明細書において、他の生物由来の遺伝子並びに生物に再導入された天然遺伝子を意味し得る。
[0039] 異種(heterologous)は、側面、例えば、異なる生物に由来するか又は関係のある遺伝子発現又は蛋白質を意味し得る。
【0018】
[0040] 本発明は、クエン酸生産生物である、真菌株、アスペルギルスニガー(A.niger)において発見された9つのプロモーターと7つの転写終結因子を包含する。Arsa−7,A−37,Arsa−43,及びA−90遺伝子の塊状増強プロモーター並びにBrsa−25,Brsa−47,Brsa−109,及びBrsa−118遺伝子の繊維状増強プロモーターのヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号:46−49及51−54として示す。Balu−42遺伝子のプロモーターのヌクレオチド配列を配列番号:50として示すが、図1A−1Eに示すとおり、仮説上の蛋白質に関するアスペルギルスカワチのcwpB遺伝子のプロモーター領域に66.9%同一性を有する。繊維状増強遺伝子プロモーターBalu−42の長さは2271塩基対である。ベーシックローカルアラインメントサーチツール(BLAST)サーチに基づくと、残りのプロモーターは、ジェンバンクデータベース、ヨーロピアンモリキュラーバイオロジーラボラトリー−ヨーロピアンバイオインフォマティクスインスティチュート(EMBL−EBI)真菌ヌクレオチドデータベース、又はA.ニジュランス、N.クラッサ、及びM.グリセアのゲノムデータベース中の如何なる公知のプロモーターとも相同性を示さない。
【0019】
[0041] Brsa−25,Brsa−47,及びBrsa−118遺伝子3つの繊維状増強転写終結因子のヌクレオチド配列並びにArsa−7,A−37,Arsa−43,及びA−90遺伝子の4つの塊状転写終結因子のヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号:59−61及び55−58として示す。これらの転写終結因子は、ジェンバンクデータベース、ヨーロピアンモリキュラーバイオロジーラボラトリー−ヨーロピアンバイオインフォマティクスインスティチュート(EMBL−EBI)真菌ヌクレオチドデータベース、又はA.ニジュランス、N.クラッサ、及びM.グリセアのゲノムデータベース中の公知のプロモーターと如何なる優位な類似性も相同性を示さない。本発明に包含される16の制御要素に関連する遺伝子は、Lasureらによる「Isolated Polynucleotides and Methods of Promoting a Morphology in Fungus」と題する公表された米国特許出願番号10/442,017に記載されており、その内容は引用により本明細書に編入される。
【0020】
[0042] 配列番号:46−61に示されたポリヌクレオチド配列を含む実際のプロモーター断片及び転写終結因子を、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC11414)にてアスペルギルスニガー株番号11414から得た。アスペルギルスニガーの培養サンプル(繊維状形態)を誘導の2日後に回収した。サンプルを遠心分離することにより培養沈殿物を形成したが、全ゲノムDNA抽出物に関して液体窒素で凍結して−80℃に保存した。アスペルギルスニガーの全ゲノムDNAをセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)法により抽出した。
【0021】
[0043] ゲノムウオーキングは所望のヌクレオチド配列を単離するための有効な手段として機能する。簡単に言えば、当該技術は、制限エンドヌクレアーゼDraI,EcoRV,PuvII,及びStuIによりゲノムDNAを消化して、各断片をアダプターオリゴヌクレオチドで連結してそれぞれDraIライブラリー、EcoRVライブラリー、PuvIIライブラリー、又はStuIライブラリーと呼ぶ4つのゲノムウオーキングライブラリーを形成することからなる。GENOMEWALKERTMキット(クロンテックラボラトリーズ社、パロアルト、CA)の製造者により提供された遺伝子特異的プライマー(GSP)及びアダプタープライマーを用いて、遺伝子特異的プロモーター及び転写終結因子断片を単離した。ゲノムDNA配列はDNAポリメラーゼ鎖反応(PCR)産物を配列決定することにより決定した。一つのGSPをプロモーター単離にデザインして、もう一つを遺伝子転写終結因子単離のためにデザインした。
【0022】
[0044] 同定されたら、上記のプロモーター及び転写終結因子を追加のDNA断片に作動可能なように連結してDNA構築物を形成した。本発明に包含される機能性プロモーター配列(配列番号:46−54)の少なくとも一部を含む第1のDNA断片を、目的の蛋白質をコードするDNA配列を含む第2のDNAセグメントに作動可能なように連結することができる。例えば、第2のDNAセグメントはGUSリポーター遺伝子を含んでよく、或いは、それは繊維状形態を呈する天然の真菌に比較して塊状化形態を呈する天然真菌において特異に発現されるコード配列を含んでよい。或いは、第2のDNAセグメントは真菌において天然では発現されないか又は天然の真菌では形態に基づいて特異な発現を呈さない目的の蛋白質をコードする配列を含むことができる。目的蛋白質の特定の例は、限定ではないが、セルラーゼ、アミグルコシダーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、微生物レンネット(rennet)、キシラナーゼ、ガラクトシダーゼ、マンナーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ、モノクローナル抗体、ウシ血清アルブミン及びヒト血液凝固関連蛋白質を含む。さらに、構築物中の第2DNAセグメントの3’エンドは転写終結因子を含む第3のDNAセグメントに作動可能なように連結され得る。好ましい態様において、第3のセグメントは本発明により包含される終結因子の少なくとも一部を含む(配列番号:55−61)。
【0023】
[0045] 本発明は、ベクターも含み得る。そのようなベクターの非限定例は、目的のDNA配列を運ぶ真菌を生産するようなものであることができ、そして低い効率でこの発明の特性を授与することができるDNAのはだかの断片を含むことができる。ベクターの別の例は、真菌株、アスペルギルスニガーのためのトランス遺伝子発現ベクターを含み、アスペルギルスニガーにおいてβ−グルコロニダーゼ(GUS)リポーター遺伝子の発現を制御するように天然プロモーターの一つを利用する。さらに、このベクターは、アスペルギルスニガー内の他の外来遺伝子発現のための染色体組み込みベクターとして用いることができる。
【0024】
[0046] ベクターの追加の例は、上記のようなDNA構築物並びにアスペルギルスニガー内での乳酸の生産のためのリゾパスオリゼーからの乳酸デヒドロゲナーゼcDNA、トリコデルマリーセイからのセルラーゼの遺伝子、雌鳥の卵の白身のリゾチーム(HEWL)のcDNA、及び単鎖Fv(scFv)抗体断片のcDNAを含み得る。目的の遺伝子の如何なるもののコード配列も含むDNA断片を、本発明の、それぞれ、プロモーターの5’エンドと転写終結因子の3’エンドの間に挿入することができる。
【0025】
[0047] 上記のような構築物とベクターは、強い構成的活性又は誘導可能な遺伝子プロモーターを有する本発明のプロモーター配列を利用することができ、例えば、天然の真菌において一定の発生ステージにおいて発現を開始するものである。発生ステージの例は、例えば、限定ではないが、無性、生殖、塊状化形態形成、及び繊維状形態形成を含み得る。初期の塊状化形態形成のステージは、胞子の培養培地への接種の約6から12時間後に起こり得る。後期の塊状化形態形成のステージは、例えば、胞子の培養培地への接種の3日後に起こり得る。
【0026】
[0048] 形質転換の特定の方法は、典型的には、適切なベクターの選択を手引きするか、又はベクターを使用するか否かさえも手引きする。例えば、異種核酸配列を、Tiプラスミドを含むアグロバクテリウムチュメファシエンスを利用して真菌細胞に導入することができる。アグロバクテリウムチュメファシエンス培養物を形質転換媒体として用いるときは、形質転換された細胞の正常な非癌原性分化が可能なようにベクターキャリアーとしてアグロバクテリウムの非癌原性株を使用することがもっとも有利であり得る。二元性Tiプラスミドシステムをアグロバクテリウムに運ばせることも提起できる。二元システムは、1)トランスファーDNA(T−DNA)の真菌への導入に必須の毒性領域を有する第1Tiプラスミド、及び2)キメラプラスミドを含む。キメラプラスミドは、トランスファーされる核酸の周囲の野生型TiプラスミドのT−DNA領域の少なくとも一つの広い領域を含む。二元Tiプラスミドシステムは真菌細胞を形質転換するのに有効であることが証明されている。そのような二元システムが提起できるのは、一般には、アグロバクテリウム中のTiプラスミドへの組み込みを必要としないからである。
【0027】
[0049] アグロバクテリウムの使用を含む方法は、限定ではないが、1)アグロバクテリウムの真菌胞子との同時培養;2)真菌細胞又は組織のアグロバクテリウムによる形質転換;及び3)真菌プロトプラストのアグロバクテリウムによる形質転換を含む。
【0028】
[0050] 本明細書にて記載された構築物は、細胞と構築物の間の接触により化学的に真菌細胞へ導入することもできる。例えば、核酸を、ポリエチレングリコール/CaCl2−媒介性遺伝物質の真菌細胞による取り込みを用いて真菌細胞へトランスファーしてよい。或いは、核酸をエレクトロポレーションにより新規細胞へ導入することができる。この技術においては、真菌のプロトプラストを関連の核酸配列を含むベクター又は核酸の存在下でエレクトロポレートする。エレクトロポレートされた真菌プロトプラストは、細胞壁を再形成でき、分割して真菌組織を形成することができる。形質転換された真菌細胞の形質転換遺伝子による選択が、次に、表現型マーカーを用いて達成され得る。マイクロ発射粒子砲撃(バイオリスティック)形質転換により、核酸を真菌細胞へ導入することもできる。破壊ディスクによる核酸デリバリーのための粒子に核酸を被覆することができる。当該粒子はタングステン(M5)を含み得るが、破壊ディスクは例えば1100−psi破壊ディスクであり得る。破壊ディスクとタングステン粒子キャリアーの間及び発射集合体と標的細胞の間の最適な距離は、異なる真菌細胞に合わせるように適合させることができる。
【0029】
[0051] 上で記載されたベクターは、真菌の発酵培養において異種蛋白質の発現及び/又は選択を促進させるために使用することができる。目的の蛋白質産物の高レベルの発現を可能にするトランス遺伝子発現ベクターを含む真菌細胞を、真菌発酵培養に入れて保持し、そして適切な薬剤を用いて誘導することができる。目的の蛋白質は、哺乳類の蛋白質、植物の蛋白質、真菌の蛋白質、又は細菌の蛋白質であり得て、限定ではないが、ヒト血液因子蛋白質、植物プロテアーゼ、真菌セルラーゼ及びミセルラーゼ、及び細菌の熱安定性DNAポリメラーゼを、それぞれ含む。結果は、所望の異種蛋白質の高レベルの生産をもたらし得る。異種蛋白質を単離する技術は、限定ではないが、フラクション沈殿、様々なクロマトグラフィー、及び超遠心分離を含み得る。いくつかの場合には、トランスジェニック真菌細胞により生産された蛋白質は所望の生成物ではないが、むしろ、別の化学物質の生産を増強するために使用される。そのような例においては、本発明のトランスジェニック真菌細胞を蛋白質、例えば、所望の化学物質の生産を増強する酵素を生産するように許容され得る。目的の化学物質は、限定ではないが、酸及びスタチンであり得る。酸の例は、アコニチン酸、クエン酸、フマル酸、イタコン酸、リンゴ酸、琥珀酸、蓚酸、グルコン酸、及び乳酸を含み得る。スタチンの例は、ロバスタチンとコンパクチンを含み得る。
【0030】
[0052] 本発明の技術と本明細書に記載された生産方法並びに十分に確立された方法(例えば、真菌発酵及び生産物回収)を組み合わせると、生物薬学、工業的プロセシング、動物の健康、及び生物矯正(bioremediation)工業のために有効かつ経済的に化学化合物と組換え蛋白質が生産され得る。以下の実施例は本発明を例示するために提供される。発明がこれらの実施例に記載された特定の条件又は詳細に限定されるべきではないことは認識されるべきである。
実施例1:真菌プロモーターと転写終結因子の単離
[0053] アスペルギルスニガー(ATCC11414)細胞を、液体フラスコ培養液中で、1000ppbのMn2+,140g/lのグルコース、3.1g/l NH4NO3,0.15g/l KH2PO4,0.15g/l NaCl,2.2g/l MgSO4・7H2O,6.6mg/lのZnSO4・7H2O及び0.1mg/lのFeCl3を含み、4M硫酸によりpH2.0に調節された非クエン酸生産培地と共に生育させた。バイオマスを次に遠心分離により回収して、ゲノムDNAをCTAB法により単離した。米国特許番号10/442,017にて同定されたアスペルギルスニガー遺伝子のcDNA配列に基づいて、2セットの遺伝子特異的プライマー、GSP−1(配列番号:1−9)及びGSP−2(配列番号:10−18)のそれぞれ5’エンド及び3’エンドにデザインし、合成し、そしてゲノミックPCRにより特定の遺伝子のゲノミックDNA断片を単離するのに使用した。特定のゲノミックDNA断片のDNA配列を慣用のDNA配列決定により決定した。図2に示されるとおり、ゲノミックDNA配列を、追加のプライマー(配列番号:19−34)をデザインするための源のDNA配列として用い、ゲノミックPCRにより真菌プロモーター又は転写終結因子の単離のための遺伝子特異的プライマー−3(GSP−3)と一般に呼んだ。表1は、遺伝子特異的プライマー並びにアダプタープライマーの各々の配列を掲載する。
【0031】
[0054] ゲノミックDNAを最初に別々に制限エンドヌクレアーゼDraI,EcoRV,PvuII,又はStuIにより消化した。この消化は平滑末端のゲノミックDNA断片のシリーズを生じた。平滑末端断片の生成後に、48塩基対のGENOMEWALKERTMアダプターオリゴヌクレオチドをゲノミックDNA断片の末端に連結することにより、4つの異なるゲノムウオーキングライブラリーを生成した。ゲノムウオーキングライブラリーは、それぞれ、DraI,EcoRV,PvuII,又はStuIと命名した。ゲノムウオーキングライブラリーを、アダプタープライマー1(配列番号:35)又は2(配列番号36)及び適切なGSP−3断片(配列番号:19−34)を伴うゲノミックPCRのためのゲノミックDNA鋳型として用いた。PCR断片を低融点アガロースゲル電気泳動により分離して、ゲラーゼ消化及びマイクロコン遠心分離装置により単離した。PCR断片を次にDNA複製とDNA配列決定のためにpGEM−Teasyベクターに挿入した。PCR断片を公知のゲノムDNA配列とともにBLAST2プログラムを用いて整列させることにより、新規な単離されたプロモーター又は転写終結因子の同定を証明した。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
実施例2
[0055] この実施例は、GUSリポーター遺伝子の前に3’−TtripC転写終結因子と共に融合された別の真菌プロモーターを製造するために採られた工程を記載する。この実施例に従い生産された構築物の使用は、異なるプロモーターの機能及び様々な真菌による異なる蛋白質と化学物質の生産におけるそれらの有力な用途を証明する。
【0036】
[0056] GUSリポーター遺伝子はそれ自身のATG翻訳開始部位を有するから、トランス遺伝子発現ベクターにおいては、プロモーターの3’末端における正確な制限エンドヌクレアーゼ部位の導入の前に、機能性分析のために製造されたプロモーター断片の全てからATG翻訳開始部位を除去した。PCR断片をpGEM−Teasyベクターにクローン化し、そしてプロモーター断片の存在を制限エンドヌクレアーゼ消化により確認した。制限エンドヌクレアーゼにより放出されたプロモーター断片を、アグロバクテリウム媒介性形質転換のために二元ベクターpZD640又はpZD655に挿入した。アグロバクテリウム媒介性形質転換のための特定のベクターの構築方法は、以下に記載される。
【0037】
[0057] 塊状化関連Arsa−7遺伝子のプロモーター(配列番号:46)を含むPCR断片を最初にゲノムウオーキングにより遺伝子特異的プライマーFP−91(配列番号:24)を用いて単離して、次にpGEM−Teasyベクターにクローン化することにより、pZD611を作成した。当該プラスミドDNAを次に配列決定することにより、新規に単離された断片を確認した。プロモーターの3’末端のATG−転写開始部位を除去するために、pZD611をプライマーFP−135(配列番号:37)及びFP−136(配列番号:38)によるPCRの鋳型として用いた。図3を参照すると、PCR産物をpGEM−Teasyに挿入することにより、pZD667を作成した。次に、Arsa−7プロモーター断片(配列番号:46)をHindIIIとPvuIIにより切り出して、DNAポリメラーゼI−ラージフラグメントにより処理した。プロモーター断片を、最後に、GUSリポーター遺伝子の前に、pZD655の制限エンドヌクレアーゼSmaI部位に挿入して、pZD672を作成した。
【0038】
[0058] 同様に、塊状化増強A−37遺伝子プロモーター(配列番号:47)を、最初にゲノミックDNAからGENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−93(配列番号:25)を用いて単離し、pGEM−Teasyに挿入することにより、pZD612を作成した。A−37プロモーター断片(配列番号:47)を、次に、プライマーFP−125(配列番号:39)とT−7(配列番号:45)を用いたPCRにより調製し、そしてPCR 4 TOPOTMベクター(インビトロジェンコーポレーション、カールスバッド、CA)に挿入してpZD636を作成した。図4を参照すると、pZD636中のプロモーター断片を制限エンドヌクレアーゼEcoRIから切り出して、DNAポリメラーゼI−ラージフラグメントにより処理した。最後に、当該プロモーター断片をpZD640に挿入してpZD645を作成した。
【0039】
[0059] 塊状化増強Arsa−43遺伝子プロモーター(配列番号:48)を最初にゲノミックDNAからGENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−99(配列番号:26)を用いて単離した。プロモーターをpGEM−Teasyに挿入することにより、pZD614を作成した。Arsa−43プロモーター断片(配列番号:48)の3’末端のATG配列を、次に、プライマーFP−124(配列番号:40)とリバースプライマーを用いたPCRにより調製した。図5を参照すると、残りの断片をPCR 4 TOPOTMベクター(インビトロジェンコーポレーション、カールスバッド、CA)に挿入してpZD635を作成した。Arsa―43プロモーター(配列番号:48)を制限エンドヌクレアーゼHindIIIとEcoRIから切り出して、DNAポリメラーゼI−ラージフラグメントにより処理した。最後に、当該断片をGUSリポーター遺伝子の前に制限エンドヌクレアーゼHpaI部位に挿入してpZD646を作成した。
【0040】
[0060] 繊維状増強Brsa−25遺伝子プロモーター(配列番号:51)を、GENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−81(配列番号:20)を用いて単離した。単離されたBrsa−25プロモーターを、次に、pGEM−Teasyにクローン化することにより、pZD619を作成した。当該プロモーター断片を配列決定により確認した。プロモーター断片の3’末端のATG配列を除去し、そして制限エンドヌクレアーゼ部位SmaIを遺伝子特異的プライマーFP−152(配列番号:41)及びT−7(配列番号:45)プライマーを用いたPCRにより同じ末端に加え、さらに、pGEM−Teasyにクローン化することにより、pZD677を作成した。図6を参照すると、プロモーター断片を制限エンドヌクレアーゼSmaIにより切り出して、pZD655にクローン化して、pZD682を作成した。
【0041】
[0061] 繊維状増強Brsa−109遺伝子プロモーター(配列番号:53)をGENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−87(配列番号:22)を用いて単離した。単離されたBrsa−109プロモーターを、次に、pGEM−Teasyにクローン化することにより、pZD613を作成した。当該プロモーター断片の3’末端のATG配列を除去し、そして制限エンドヌクレアーゼ部位PvuIIを遺伝子特異的プライマーFP−137(配列番号:42)及びFP−138(配列番号:43)プライマーを用いたPCRにより同じ末端に導入した。当該プロモーター断片を、次に、pGEM−Teasyにクローン化することにより、pZD688を作成した。図7を参照すると、プロモーター断片を制限エンドヌクレアーゼSacI及びPvuIIにより切り出して、DNAポリメラーゼIラージフラグメントにより処理し、そしてGUSリポーター遺伝子の前にてpZD655にクローン化して、pZD673を作成した。
【0042】
[0062] 繊維状増強Brsa−118遺伝子プロモーター(配列番号:54)をGENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−89(配列番号:23)を用いて単離した。単離されたBrsa−118プロモーターを、次に、PCR−4−Blunt−TOPOTMベクターに挿入してpZD610を作成した。当該プロモーター断片の3’末端のATG配列を除去し、そして制限エンドヌクレアーゼ部位PmlIを遺伝子特異的プライマーFP−155(配列番号:44)及びT−7プライマー(配列番号:45)プライマーを用いたPCRによりプロモーターの同じ末端に導入した。当該プロモーター断片を、次に、pGEM−Teasyにクローン化することにより、pZD678を作成した。図8を参照すると、プロモーター断片をPmlI及びSmaIにより単離し、そしてGUSリポーター遺伝子の前にてpZD655にクローン化して、pZD681を作成した。
実施例3
[0063] この実施例は、別のアグロバクテリウムニガー遺伝子プロモーターの制御下でのGUSリポーター遺伝子のアグロバクテリウム媒介性形質転換と比色GUSアッセイに使用された方法論を記載する。このシステムの応用により、転写活性に関してリポーター遺伝子の前に挿入された配列の機能を研究することが可能になる。
【0043】
[0064] エシェリヒアコリDHα5を日常のクローニング実験の組換え宿主として用いた。アグロバクテリウムチュメファシエンス株AGL0をアグロバクテリウムニガーの二元ベクターのため及び形質転換における宿主として供した。
【0044】
[0065] バックボーン二元ベクターpZD640又は655を有する構築物によるアグロバクテリウムチュメファシエンス株AGL0の形質転換は、その内容を引用により本明細書に編入するProceedings of the National Academy of Science USA,84:5745−5749(1987)においてEbertらにより記載されたとおりに凍結及び解凍の方法により実施した。形質転換されたアグロバクテリウムクローンからプラスミドDNAを単離して、様々な制限エンドヌクレアーゼにより消化し、そしてアガロースゲル電気泳動により分析することにより、各構築物の形質転換を確認した。真菌の胞子の形質転換は、その内容を引用により本明細書に編入するIdentification of genes associated with morphology in Aspergillus niger by using suppression subtractive hybridization(Applied Environmental Microbiology 70:2474−2485(2004))と題されるDaiらによる文献に記載されるとおりに実施した。少なくとも30の個別の形質転換真菌株を実施例2に記載された各プロモーター構築物に関して選択した。形質転換されたクローンは寒天選択培地から取り出したが、最小培地(J.W.Bennett and L.L.Lasure編纂、More Gene Manipulations in Fungi,Academic Press Inc,SanDiego,pp441−458)並びに200μg ml-1ハイグロマイシン及び200μg ml-1セフォタキシムを含んでおり、次に、滅菌下であるが、胞子生産のための条件に均等な条件下で生育させた。胞子を数え、そして次に適当な培養培地中で30℃の温度において250rpmの混合スピードにて2日間培養した。最後に、バイオマスをGUS活性アッセイのために回収した。GUS活性の蛍光定量は、その内容を引用により本明細書に編入するEuropean Molecular Biology Organization Journal,6:3901−3907(1987)中のJeffersonらに従って実施した。
【0045】
[0066] 個別のトランスジェニック真菌株のバイオマスをフレッシュな試験管培養から、1日から3日の間の様々な時間範囲の遠心分離により回収した。抽出は、溶解バッファー(50mMリン酸ナトリウム、pH7.0,10mM EDTA,0.1%TritonX−100,0.1%ザルコシル及び10mM β−メルカプトエタノール)を用いて氷上で各々10秒間音波処理することにより、実施した。
【0046】
[0067] 蛋白質濃度は、BIO−RADTM試薬蛋白質アッセイ(バイオラッドラボラトリーズ、ヘラクレス、CA)によりブラッドフォード法に従い測定した。GUS活性アッセイは、37℃において100μlの溶解バッファー中で1mMの4−メチルウンベリフェリルβ−D−グルクロニドの存在下で約5−10μgの蛋白質をインキュベートすることを含んだ。各反応からのサンプルを0、10、20及び40分に採取した。酵素反応は0.2Mの炭酸ナトリウム(Na2CO3)中で停止させた。50、100、150、200、250、300、350及び400nM濃度における4−メチルウンベリフェロンの標準曲線をFL600蛍光マイクロプレートリーダーにより生じさせた。4−メチルウンベリフェリルβ−D−グルクロニドのGUS酵素による4−メチルウンベリフェロンへの変換の量を、FL600蛍光マイクロプレートリーダー及びMU標準曲線により測定した。GUS酵素活性は、mg蛋白質分あたりのpmol MUとして表す。
【0047】
[0068] 図9を参照すると、Arsa−7プロモーター(配列番号:46)によるGUS遺伝子の発現は、塊状化培養条件下では高いレベルであり且つ徐々に増加した。繊維状培養条件下では最初の3日間の成長に関しては、かろうじて検出可能なレベルであって、成長3日の後には急速に増加した。プロットは、塊状化生育条件下での2日たった形質転換体の蛋白質抽出物中の塊状化増強Arsa−7遺伝子プロモーター(配列番号:46)の活性を示す。当該プロモーター活性はpmol MU/mg蛋白質/分にて表す。ほとんどのトランスジェニック株中のプロモーター活性は約200,000 pmol MU/mg蛋白質/分である。トランスジェニック株番号7は11株のうちでもっとも強い活性を有する。プロモーター活性は、35SカリフラワーモザイクウイルスプロモーターのB−ドメインとアグロバクテリウムチュメファシエンスのマノピン合成プロモーターからなるハイブリッドMacプロモーターよりも約4倍高かった。この活性は、植物のトランス遺伝子発現において用いられたもっとも強いものであるらしい。それは酵母α−アミラーゼプロモーターよりも約20倍高い。
【0048】
[0069] 図10を参照すると、A−37プロモーター(配列番号:47)の活性は酵母のα−アミラーゼよりなお高く、ハイブリッドMACプロモーターのそれに匹敵する。プロットは、塊状化生育条件下での2日たった個々の形質転換体の蛋白質抽出物中の塊状化増強A−37遺伝子プロモーター(配列番号:47)の活性を示す。ほとんどの形質転換体のGUS活性は約50,000pmol MU/mg蛋白質/分であり、トランスジェニック株4と16は約150,000から200,000pmol MU/mg蛋白質/分であった。データは、A−37プロモーター(配列番号:47)が塊状化培養条件下で高い構成的発現レベルを有することを示す。急速な増加の前の生育初日からその後生育の終わりまでの間は、発現は低かった。
【0049】
[0070] 図11を参照すると、Arsa−43プロモーター(配列番号:48)は、塊状化培養条件下で構成的に発現されるポリユビキチン遺伝子である。しかしながら、繊維状化培養条件下ではその発現が生育初日の間は低く、そしてその後急速に増加して、残りの繊維状化生育の間は定常状態になる。再び、プロットは、塊状化生育条件下での2日たった個々の形質転換体の蛋白質抽出物中の塊状化増強A−43遺伝子プロモーター(配列番号:48)の活性を示す。比較のために、ほとんどの形質転換体のGUS活性は約5,000から10,000pmol MU/mg蛋白質/分であった。
【0050】
[0071] 図12は、繊維状化条件下での2日たった個々の形質転換体の蛋白質抽出物中の塊状化関連遺伝子Brsa−25プロモーター(配列番号:51)の活性を示す。ほとんどの形質転換体のGUS活性は約50pmolから100pmol MU/mg蛋白質/分であった。Brsa−25プロモーターは繊維状化特異的であって、一時的に機能する。その転写は初日の培養において急速に増加して、2及び3日目の培養において低いレベルに低下する。その後、その転写は最初の培養のレベルにまで増加する。
【0051】
[0072] 図13を参照すると、Brsa−109プロモーター(配列番号:53)は構成的であって、繊維状化特異的である。プロットは、繊維状化生育条件下での2日たった個々の形質転換体の蛋白質抽出物中の繊維状化増強Brsa−109遺伝子プロモーターの活性を示す。ほとんどの形質転換体のGUS活性は約1000から4000pmol MU/mg蛋白質/分であったが、14000pmol MU/mg蛋白質/分を超える活性をレベルを有した形質転換体8は除く。Brsa−109プロモーター(配列番号:53)は、繊維状化培養条件下で目的の遺伝子の発現のために使用できる。
【0052】
[0073] 図14を参照すると、Brsa―118プロモーター(配列番号:54)は一時的に依存性であって繊維状化特異的であって、Brsa−25プロモーター(配列番号:53)に類似している。プロットは、繊維状化生育条件下での2日たった個々の形質転換体の蛋白質抽出物中の繊維状化増強Brsa−118遺伝子プロモーターの活性を示す。ほとんどの形質転換体のGUS活性は約500から2000pmol MU/mg蛋白質/分であった。このプロモーターは別の発生ステージにおいて、目的の遺伝子の発現のために使用できる。
実施例4
[0074] この実施例は、別の真菌転写終結因子を調製してプラスミドDNA複製のために宿主ベクターpGEM−Teasyにそれらを挿入するために採られた工程を記載する。当該DNAを配列決定して、公知のDNA断片に対して整列させることにより、新たに単離された転写終結因子を確認した。転写終結因子は真菌において異種遺伝子発現のために使用することができる。
【0053】
[0075] 塊状化関連Arsa−7遺伝子の転写終結因子(配列番号:55)を、GENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−92(配列番号:31)を用いて単離した。実施例2のゲノムウオーキングライブラリーを、アダプタープライマー1(配列番号:35)とFP−92プライマー(配列番号:31)を用いたゲノミックPCRのための鋳型DNAとして用いた。当該DNA断片をpGEM−Teasyベクターにクローン化することにより、pZD621を作成した。pZD621中のArsa−7遺伝子転写終結因子のDNA配列(配列番号:55)を決定し、Arsa−7遺伝子の公知のゲノミックDNA配列と整列することにより、新規に単離された断片を確認した。
【0054】
[0076] 塊状化関連A−37遺伝子の転写終結因子(配列番号:56)を、GENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−94(配列番号:32)を用いて単離した。実施例2のゲノムウオーキングライブラリーを、アダプタープライマー2(配列番号:36)とFP−92プライマー(配列番号:31)を用いたゲノミックPCRのための鋳型DNAとして用いた。当該DNA断片をpGEM−Teasyベクターにクローン化することにより、pZD622を作成した。pZD622中のA−37遺伝子転写終結因子のDNA配列(配列番号:56)を決定し、A−37遺伝子の公知のゲノミックDNA配列と整列することにより、新規に単離された断片を確認した。
【0055】
[0077] 塊状化関連Arsa−43遺伝子の転写終結因子(配列番号:57)を、GENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−100(配列番号:33)を用いて単離した。実施例2のゲノムウオーキングライブラリーを、アダプタープライマー1(配列番号:35)とFP−100プライマー(配列番号:33)を用いたゲノミックPCRのための鋳型DNAとして用いた。当該DNA断片をpGEM−Teasyベクターにクローン化することにより、pZD615を作成した。pZD615中のArsa−43遺伝子転写終結因子のDNA配列(配列番号:57)を決定し、Arsa−43遺伝子の公知のゲノミックDNA配列と整列することにより、新規に単離された断片を確認した。
【0056】
[0078] 塊状化関連A−90遺伝子の転写終結因子(配列番号:58)を、GENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−104(配列番号:34)を用いて単離した。実施例2のゲノムウオーキングライブラリーを、アダプタープライマー1(配列番号:35)とFP−104プライマー(配列番号:34)を用いたゲノミックPCRのための鋳型DNAとして用いた。当該DNA断片をpGEM−Teasyベクターにクローン化することにより、pZD617を作成した。pZD617中のA−90遺伝子転写終結因子のDNA配列(配列番号:58)を決定し、A−90遺伝子の公知のゲノミックDNA配列と整列することにより、新規に単離された断片を確認した。
【0057】
[0079] 繊維状化関連Brsa−25遺伝子の転写終結因子(配列番号:59)を、GENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−82(配列番号:28)を用いて単離した。実施例2のゲノムウオーキングライブラリーを、アダプタープライマー2(配列番号:36)とFP−82プライマー(配列番号:28)を用いたゲノミックPCRのための鋳型DNAとして用いた。当該DNA断片をpGEM−Teasyベクターにクローン化することにより、pZD620を作成した。pZD620中のBrsa−25遺伝子転写終結因子のDNA配列(配列番号:59)を決定し、Brsa−25遺伝子の公知のゲノミックDNA配列と整列することにより、新規に単離された断片を確認した。
【0058】
[0080] 繊維状化関連Brsa−47遺伝子の転写終結因子(配列番号:60)を、GENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−86(配列番号:29)を用いて単離した。実施例2のゲノムウオーキングライブラリーを、アダプタープライマー1(配列番号:35)とFP−86プライマー(配列番号:29)を用いたゲノミックPCRのための鋳型DNAとして用いた。当該DNA断片をpGEM−Teasyベクターにクローン化することにより、pZD626を作成した。pZD626中のBrsa−47遺伝子転写終結因子のDNA配列(配列番号:60)を決定し、Brsa−47遺伝子の公知のゲノミックDNA配列と整列することにより、新規に単離された断片を確認した。
【0059】
[0081] 繊維状化関連Brsa−118遺伝子の転写終結因子(配列番号:61)を、GENOMEWALKERTMキット及び遺伝子特異的プライマーFP−90(配列番号:30)を用いて単離した。実施例2のゲノムウオーキングライブラリーを、アダプタープライマー1(配列番号:35)とFP−90プライマー(配列番号:30)を用いたゲノミックPCRのための鋳型DNAとして用いた。当該DNA断片をpGEM−Teasyベクターにクローン化することにより、pZD627を作成した。pZD627中のBrsa−118遺伝子転写終結因子のDNA配列(配列番号:61)を決定し、Brsa−118遺伝子の公知のゲノミックDNA配列と整列することにより、新規に単離された断片を確認した。
【0060】
[0082] 本発明の多数の態様を示して記載してきたが、多くの変化及び修飾がその広い側面において発明から逸脱することなくなされてよいことは、当業者には明らかになる。特許請求の範囲は、よって、発明の真の精神と範囲内にそれらが入るように、そのような変化及び修飾の全てをカバーするように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
[0013] 発明の好ましい態様は以下に付随する図面を参照して以下に記載される。
【図1】[0014] 図1A−Eは、アスペルギルスニガーのBalu−42遺伝子のプロモーター領域の単離されたヌクレオチド配列、配列番号:50(上の配列)、仮想上の蛋白質のアスペルギルスカワチcwpB遺伝子のプロモーター領域の単離されたヌクレオチド配列を比較する。
【図2】[0015] 図2は、ゲノムウオーキングによるプロモーター及び転写終結因子の配列単離の手法を例示する。
【図3】[0016] 図3は、プラスミドベクターpZD672を模式的に示すが、塊状関連Arsa−7遺伝子(配列番号:46)のプロモーター領域、β−グルコロニダーゼ(GUS)リポーター遺伝子をアスペルギルスニガー内でのアグロバクテリウム属媒介性形質転換のために含む。
【図4】[0017] 図4は、プラスミドベクターpZD645を模式的に示すが、塊状関連A−37遺伝子(配列番号:47)のプロモーター領域、GUSリポーター遺伝子をアスペルギルスニガー内でのアグロバクテリウム属媒介性形質転換のために含む。
【図5】[0018] 図5は、プラスミドベクターpZD646を模式的に示すが、塊状関連Arsa−43遺伝子(配列番号:48)のプロモーター領域、GUSリポーター遺伝子をアスペルギルスニガー内でのアグロバクテリウム属媒介性形質転換のために含む。
【図6】[0019] 図6は、プラスミドベクターpZD682を模式的に示すが、繊維状関連Brsa−7遺伝子(配列番号:51)のプロモーター領域、GUSリポーター遺伝子をアスペルギルスニガー内でのアグロバクテリウム属媒介性形質転換のために含む。
【図7】[0020] 図7は、プラスミドベクターpZD673を模式的に示すが、繊維状関連Brsa−109遺伝子(配列番号:53)のプロモーター領域、GUSリポーター遺伝子をアスペルギルスニガー内でのアグロバクテリウム属媒介性形質転換のために含む。
【図8】[0021] 図8は、プラスミドベクターpZD681を模式的に示すが、繊維状関連Brsa−118遺伝子(配列番号:54)のプロモーター領域、GUSリポーター遺伝子をアスペルギルスニガー内でのアグロバクテリウム属媒介性形質転換のために含む。
【図9】[0022] 図9は、塊状関連Arsa−7遺伝子(配列番号:46)のプロモーター領域とβ−グルコロニダーゼ(GUS)リポーター遺伝子を多数の個々のアスペルギルスニガーに関してのプロモーター活性のプロットである。プロモーター活性はGUS活性アッセイにより測定し、そしてpmol MU/mg蛋白質/分にて表現される。
【図10】[0023] 図10は、塊状関連A−37遺伝子(配列番号:47)のプロモーター領域とGUSリポーター遺伝子を多数の個々のアスペルギルスニガーに関してのプロモーター活性のプロットである。プロモーター活性はGUS活性アッセイにより測定し、そしてpmol MU/mg蛋白質/分にて表現される。
【図11】[0024] 図11は、塊状関連Arsa−43遺伝子(配列番号:48)のプロモーター領域とGUSリポーター遺伝子を多数の個々のアスペルギルスニガーに関してのプロモーター活性のプロットである。プロモーター活性はGUS活性アッセイにより測定し、そしてpmol MU/mg蛋白質/分にて表現される。
【図12】[0025] 図12は、繊維状関連Brsa−25遺伝子(配列番号:51)のプロモーター領域とGUSリポーター遺伝子を多数の個々のアスペルギルスニガーに関してのプロモーター活性のプロットである。プロモーター活性はGUS活性アッセイにより測定し、そしてpmol MU/mg蛋白質/分にて表現される。
【図13】[0026] 図13は、繊維状関連Brsa−109遺伝子(配列番号:53)のプロモーター領域とGUSリポーター遺伝子を多数の個々のアスペルギルスニガーに関してのプロモーター活性のプロットである。プロモーター活性はGUS活性アッセイにより測定し、そしてpmol MU/mg蛋白質/分にて表現される。
【図14】[0027] 図14は、繊維状関連Brsa−118遺伝子(配列番号:54)のプロモーター領域とGUSリポーター遺伝子を多数の個々のアスペルギルスニガーに関してのプロモーター活性のプロットである。プロモーター活性はGUS活性アッセイにより測定し、そしてpmol MU/mg蛋白質/分にて表現される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子の発現を制御するヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドであって、繊維状形態を呈する天然真菌に比較した場合に塊状化形態を呈する天然真菌において当該遺伝子が特異に発現される、単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項2】
発現が塊状化形態を呈する天然真菌において構成的である、請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項3】
発現が繊維状形態を呈する天然真菌において発生ステージに開始する、請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項4】
発現が繊維状形態を呈する天然真菌において構成的である、請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項5】
単離されたポリヌクレオチド分子が、異種遺伝子発現のために外来遺伝子のコード領域を含む分子と化合された、請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項6】
天然の真菌がアスペルギルスニガーである、請求項1記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項7】
繊維状形態を呈する天然真菌に比較した場合に塊状化形態を呈する天然真菌において特異に発現される遺伝子からのポリヌクレオチド転写終結因子配列を含む、単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項8】
単離されたポリヌクレオチド分子が、異種遺伝子発現のために外来遺伝子のコード領域を含む分子と化合された、請求項7記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項9】
天然の真菌がアスペルギルスニガーである、請求項7記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項10】
真菌内で機能するプロモーターを含む単離されたポリヌクレオチド分子であって、プロモーターが配列番号:46−54の何れか一つの中の配列の少なくとも一部を含む、単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項11】
配列番号:50と66.9%より高い同一性を有するプロモーターを含む、単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項12】
転写終結因子含む単離されたポリヌクレオチド分子であって、転写終結因子が配列番号:55−61の何れか一つの中の配列の少なくとも一部に含まれる、単離されたポリヌクレオチド分子。
【請求項13】
以下の要素を作動可能なように転写方向に向かって含むDNA構築物:
a.配列番号:46−54の何れか一つに記載された配列の少なくとも一部を含む第1のDNAセグメントであって、当該一部が機能性プロモーターであり;
b.目的の蛋白質をコードする配列を含む第2のDNAセグメント;及び
c.転写終結因子を含む第3のDNAセグメント。
【請求項14】
配列番号:55−61の何れか一つの中の配列の少なくとも一部を転写終結因子が含む、請求項13記載のDNA構築物。
【請求項15】
繊維状形態を呈する天然真菌に比較した場合に塊状化形態を呈する天然真菌において特異に発現されるコード配列を第2DNAセグメントが含む、請求項13記載のDNA構築物。
【請求項16】
請求項13記載のDNA構築物を含むベクター。
【請求項17】
第2DNAセグメントがGUSのコード配列を含む、請求項16記載のベクター。
【請求項18】
請求項17記載のDNA構築物を含むベクター。
【請求項19】
請求項13記載のDNA構築物を含む形質転換された宿主細胞。
【請求項20】
形質転換宿主細胞が第2DNAセグメントを構成的に発現する、請求項19記載の形質転換宿主細胞。
【請求項21】
形質転換宿主細胞による第2DNAセグメントの発現が時間的に制御されるか又は空間的に制御される、請求項19記載の形質転換宿主細胞。
【請求項22】
配列番号:55−61の何れか一つの中の配列の少なくとも一部に転写終結因子が含まれる、請求項19記載のDNA構築物を含む形質転換された宿主細胞。
【請求項23】
請求項20記載の形質転換宿主細胞を培養液にて生育させ、そして化合物を精製することを含む、化合物の構成的生産の方法。
【請求項24】
化合物がGUSを含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
宿主細胞が真菌細胞内で真菌形態を促進するポリペプチドを発現する真菌を含む、請求項23記載の方法。
【請求項26】
真菌の形態が塊状である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
化合物が、酸、スタチン、抗生物質、工業目的の蛋白質、治療用蛋白質及びそれらの組み合わせるからなる群から選択される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
酸が、アコニチン酸、クエン酸、フマル酸、イタコン酸、リンゴ酸、琥珀酸、蓚酸、グルコン酸、及び乳酸からなる群から選択される、請求項27記載の方法。
【請求項29】
スタチンが、ロバスタチン、コンパクチン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項27記載の方法。
【請求項30】
抗生物質が、ペニシリン、セファロスポリン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項27記載の方法。
【請求項31】
工業目的の蛋白質が、セルラーゼ、アミグルコシダーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、微生物レンネット(rennet)、キシラナーゼ、ガラクトシダーゼ、マンナーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項27記載の方法。
【請求項32】
治療用蛋白質が、モノクローナル抗体、ウシ血清アルブミン、ヒト血液凝固関連蛋白質及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項27記載の方法。
【請求項33】
真菌の形態が繊維状である、請求項25記載の方法。
【請求項34】
化合物が、ペプチド酵素、フマル酸、工業目的の蛋白質、治療用蛋白質及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項33記載の方法。
【請求項35】
工業目的の蛋白質が、セルラーゼ、アミグルコシダーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、微生物レンネット(rennet)、キシラナーゼ、ガラクトシダーゼ、マンナーゼ、グルカナーゼ、フィターゼ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34記載の方法。
【請求項36】
治療用蛋白質が、モノクローナル抗体、ウシ血清アルブミン、ヒト血液凝固関連蛋白質及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項34記載の方法。
【請求項37】
請求項21記載の形質転換宿主細胞からの化合物の誘導された生産のための方法であって、形質転換宿主細胞を培養液にて生育させ、誘導剤を供給し、そして化合物を精製することを含む方法。
【請求項38】
化合物がGUSを含む、請求項37記載の方法。
【請求項39】
宿主細胞が真菌細胞内で真菌形態を促進するポリペプチドを発現する真菌を含む、請求項37記載の方法。
【請求項40】
真菌の形態が塊状である、請求項39記載の方法。
【請求項41】
化合物が、酸、スタチン、抗生物質、工業目的の蛋白質、治療用蛋白質及びそれらの組み合わせるからなる群から選択される、請求項40記載の方法。
【請求項42】
真菌の形態が繊維状である、請求項39記載の方法。
【請求項43】
化合物が、ペプチド酵素、フマル酸、工業目的の蛋白質、治療用蛋白質及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項39記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−510495(P2008−510495A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535676(P2007−535676)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/028651
【国際公開番号】WO2007/032751
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(500392933)バッテル メモリアル インスティテュート (10)
【氏名又は名称原語表記】BATTELLE MEMORIAL INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】Pacific Northwest Division, Intellectual Property Services, P.O. Box 999, Richland, WA 99352 U.S.A.
【Fターム(参考)】