印刷版および印刷方法
【課題】アライメントマークを正確に形成し高精度アライメントを実現し高精度な位置決めをする印刷方法を得る。
【解決手段】インキ剥離性を有するフィルムシートに予備乾燥インキ膜を形成する工程と、次に前記予備乾燥インキ膜の不要な部分を印刷版で除去することで前記フィルムシート上に基準アライメントマークとその四方を囲うインキ土手のパターンを有するインキ膜パターンを形成する工程と、前記フィルムシートの前記インキ膜パターンを被印刷基材に押し当て前記フィルムシート側から転写ローラで加圧することで前記インキ膜パターンを前記被印刷基材に転写して印刷パターンを形成する工程により印刷する。
【解決手段】インキ剥離性を有するフィルムシートに予備乾燥インキ膜を形成する工程と、次に前記予備乾燥インキ膜の不要な部分を印刷版で除去することで前記フィルムシート上に基準アライメントマークとその四方を囲うインキ土手のパターンを有するインキ膜パターンを形成する工程と、前記フィルムシートの前記インキ膜パターンを被印刷基材に押し当て前記フィルムシート側から転写ローラで加圧することで前記インキ膜パターンを前記被印刷基材に転写して印刷パターンを形成する工程により印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、長尺状のプラスチックフィルムなどの可撓性の被印刷基材上へ、高精細パターンを連続的に形成する印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、ロール・ツー・ロールの連続したシートフィルムに一次転写によりインキ膜パターンを形成し、さらに、一次転写により形成されたインキ膜パターンを、被印刷基材に二次転写することにより、被印刷基材にインキ膜の印刷パターンを印刷する反転印刷技術が知られている。
【０００３】
例えば、シートフィルムにスリットコートなどでインキ薄膜を塗布し、形成すべきパターンを凹部とする凸版をインキ薄膜に押し当てて、凸版の凸部にインキ薄膜を転移させる一次転写により、シートフィルムにインキ膜パターンを形成し、インキ膜パターンが形成されたシートフィルムの面と被印刷基材の面を接触させることで、被印刷基材側にインキ膜パターンを二次転写することで、アライメントマークと絵柄パターンとのインキ膜の印刷パターンを被印刷基材面へ印刷する。
【０００４】
このような印刷技術には、以下のような問題がある。まず、二次転写する際、被印刷基材面とシートフィルムの印刷面は平行が望ましく、仮にシートフィルムの印刷面が重力で垂れ下がっていると、被印刷基材との正確な位置合わせが困難となる。また、一次転写するときのシートフィルムにかかる張力と二次転写するときの張力に差が生じてしまうと、シートフィルムに置いたインキ膜パターンがシートフィルムの収縮により変形し、被印刷基材に転写するインキ膜の印刷パターンがずれる事となり、被印刷基材との正確な位置合わせが実現されたとしても、パターンのずれは解消されない。さらに、二次転写の際に転写圧を加えるためには転写ローラをある一方向に移動させつつ二次転写する方式が一般的であり、転写ローラの移動のストレスによる転写ムラなどが生じやすい。
【０００５】
このような問題を解消するために、特許文献１では原反ロールから繰り出されたシートフィルムを、巻き取りロールおよびその途中にテンションロールなどを配置して、張力制御する技術が開示されている。
【０００６】
しかしながら、このような張力制御したとしても、一定の張力調整をすることは困難であり、多色重ね合わせ印刷の位置を安定させることは難易度が高い。このためシートフィルムを途中で分断することなく安定的な張力調整を実現したとしても、転写ムラなどの無い正しいアライメントマークが形成されなければ高精度な位置合わせ印刷は出来ない。
【０００７】
以下に公知文献を記す。
【特許文献１】特開２０００−２４６８６８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
印刷による位置合わせのためのアライメントマーク形成では、印刷版上にいくら正確に位置合わせ用のアライメントマークが作成されていても、印刷状況によっては正しく転写されない場合がある。すなわち、反転印刷によるアライメントマーク形成方法では、インキ膜厚や転写圧力などの条件次第でアライメントマークの転写性が著しく異なり、本来基準となるアライメントマークが変形して印刷されてしまい、正しく位置合わせが出来ない問題がある。
【０００９】
そのため、本発明の課題は、シート状のブランケット版を用いた反転印刷において、アライメントマークを正確に形成し高精度アライメントを実現し高精度な位置決めをする印刷方法を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明は、上記課題を解決するために、反転印刷する印刷装置で用いる印刷版であって、基準アライメントマークのパターンに相当する凹部パターンと、前記基準アライメントマークの四方を囲み前記基準アライメントマークの直径の２倍以上の寸法のインキ土手のパターンに相当する凹部パターンが形成されていることを特徴とする印刷版である。
【００１１】
また、本発明は、インキ剥離性を有するフィルムシートに予備乾燥インキ膜を形成する工程と、次に前記予備乾燥インキ膜の不要な部分を印刷版で除去することで前記フィルムシート上に基準アライメントマークとその四方を囲うインキ土手のパターンを有するインキ膜パターンを形成する工程と、前記フィルムシートの前記インキ膜パターンを被印刷基材に押し当て前記フィルムシート側から転写ローラで加圧することで前記インキ膜パターンを前記被印刷基材に転写して印刷パターンを形成する工程を有することを特徴とする印刷方法である。
【発明の効果】
【００１２】
本発明では、印刷による位置合わせのためのアライメントマーク形成で、印刷版上に正確に形成された位置合わせ用のアライメントマークをインキ膜厚や転写圧力などの条件が異なっても安定したアライメントマークの転写性を確保し、基準となるアライメントマークを正しく転写し正確な位置合わせを可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明の最良の実施形態を、図１から図４を用いて説明する。本発明は、図２に示す印刷装置を用いて、フィルムシート６の表面にインキ膜パターンを形成し、それを、転写ローラ９で加圧してフィルム状あるいは板状の被印刷基材７の表面に転写する際に、フィルムシート６と被印刷基材７の位置決めを正しく行える方法である。
【００１４】
図１（ａ）に、本発明によりフィルムシート６から被印刷基材７に正しく転写された状態の基準アライメントマーク１とアライメントマーク２の形状を示す。基準アライメントマーク１は、アライメントされる側の被印刷基材７に事前にこの印刷装置により転写印刷しておく。次に、この印刷装置が、被印刷基材７の基準アライメントマーク１の中心位置へフィルムシート６のアライメントマーク２を一致させるように位置を合わせてフィルムシート６から被印刷基材７へインキ膜パターンを転写し印刷する。
【００１５】
この転写印刷方法を次に説明する。ここではシート状の透明フィルムのフィルムシート６から、シート状の透明フィルムの被印刷基材７に絵柄パターンを転写する場合を説明する。先ず、図２の印刷装置の塗工部２１にて、インキ剥離性を有するフィルムシート６上にインキ液膜を形成する。すなわち、オフセットブランケットであるフィルムシート６の印刷有効面の全面にインキ液膜を塗布する。そして、そのインキ液膜を予備乾燥することで予備乾燥インキ膜を形成する。次に、印刷装置のパターン除去部で、印刷版２２によりフィルムシート６上の不要な予備乾燥インキ膜を除去して、フィルムシート６上に所望のインキ膜パターンを形成する。この印刷版２２には、非画線部となるインキを除去する反転印刷用凹版、すなわち、ベース基板上に形成された所望の版深に等しい厚さの樹脂膜層の領域内に、その樹脂膜層のエッチング処理により印刷画線部に相当する凹部パターンが形成されている反転印刷用凹版を用いる。
【００１６】
更に印刷装置のパターン転写部２３にて、フィルムシート６上のインキ膜パターンを被印刷基材７上に位置合わせして転写し、次に、転写したインキ膜の印刷パターンを乾燥し、被印刷基材７上に所望の印刷パターンを形成する。パターン転写部２３には、被印刷基材７を下から支え、かつ、被印刷基材７の位置をフィルムシート６の位置に合わせるＸＹθ機構を持ったアライメントテーブル２４を設置する。また、フィルムシート６上に転写ローラ９を設置し、転写ローラ９がフィルムシート６を下の被印刷基材７に押し付けてフィルムシート６上のインキ膜パターンを被印刷基材７上に転写して印刷パターンを形成する。また、フィルムシート６と被印刷基材７のアライメントマークを上部から観察する撮像カメラ８を設置する。撮像カメラ８は、アライメント精度に対応した倍率を備えたレンズとＣＣＤカメラで構成する。
【００１７】
図３にパターン転写部２３を示し、パターン転写部２３で被印刷基材７に二次転写すべきインキ膜パターンを、被印刷基材７の印刷パターンに位置合わせする方法を示す。図３に示す被印刷基材７には先に基準アライメントマーク１の印刷パターンを形成しておく。そして、フィルムシート６には、予備乾燥インキ膜を形成し、その不要パターン部分を印刷版２２で除去することで、絵柄パターンと、アライメントを行うためのアライメントマーク２とのインキ膜パターンを形成したフィルムシート６を得る。
【００１８】
次に、フィルムシート６に形成したアライメントマーク２と被印刷基材７の印刷パターンである基準アライメントマーク１とを、フィルムシート６上より撮像カメラ８で観察しながら、アライメントテーブル２４により被印刷基材７を前後左右回転方向に移動させることで基準アライメントマーク１の中心へアライメントマーク２の位置を合わせる。この位置合わせは、フィルムシート６を移動させるアライメント機構によって行うこともでき、フィルムシート６と被印刷基材７の両方を移動させるアライメント機構によって行うこともできる。その後に転写ローラ９をフィルムシート６の上から、フィルムシート６を下の被印刷基材７へ押し付ける圧力を加えながら転写方向４へ転がし加圧することで、フィルムシート６のインキ膜パターンを被印刷基材７に二次転写し印刷パターンを形成して印刷物を得る。
【００１９】
基準アライメントマーク１を被印刷基材７に印刷する際、及び、フィルムシート６に形成した基準アライメントマーク１のインキ膜パターンを、基準アライメントマーク１の印刷パターンが形成された被印刷基材７に転写する際に、被印刷基材７に図１（ｂ）や図１（ｃ）のように歪んだ印刷パターンが形成されることが生じる。すなわち、フィルムシート６上のインキ膜パターンの乾燥状態やインキ膜パターンの厚さや転写ローラ９の転写圧力の条件次第では、インキ膜パターンが被印刷基材７に転写される、図１（ｃ）に示す変形基準アライメントマーク３のように、転写方向４へ長く押し出されて変形した形状の印刷パターンになることがある。同様に、アライメントマーク２を被印刷基材７に転写する場合にも、図１（ｂ）に示す変形アライメントマーク５のようにやはり転写ローラ９の転写方向４へ長く押し出された形状の印刷パターンが印刷されてしまうことが生じる。
【００２０】
例えばフィルムカラーフィルタ用の被印刷基材７に、Ｒ（赤）Ｇ（緑）Ｂ（青）と黒の絵柄パターンのインキ膜パターンを形成したフィルムシート６の面を順次に、転写ローラ９で押し付けて加圧してフィルムシート６からインキ膜パターンを被印刷基材７に二次転写する。そのようにインキ膜パターンを被印刷基材７に転写して印刷する場合は、フィルムシート６上の絵柄パターンのインキの各ドットは小さくても連続しているために転写ローラ９の接触面積からすると一度に多くのドットが被印刷基材７に接触するために絵柄パターンのインキ膜パターンの被印刷基材７への転写圧力は多くのドットに分散される。一方、アライメントマーク２のインキ膜パターンは、アライメントマーク２が絵柄パターンの位置から離れた位置に配置されることが多いために、転写時のアライメントマーク２のインキ膜パターンにかかる転写圧力は、アライメントマーク２のみの少量のインキの領域に集中してしまうため、アライメントマーク２が変形して被印刷基材７に転写されることがある。
【００２１】
これらの対策として、インキの膜厚、乾燥管理や転写圧力、速度管理などが挙げられる。しかし、これらの手段を講じたとしてもいつも万全ではないために、本発明では、以下のようにして、転写ローラ９で加圧してアライメントマークを被印刷基材７に転写する際に転写ローラ９の転写圧力がフィルムシート６に集中しないようにする。
【００２２】
図４（ａ）に、フィルムシート６のアライメントマーク２と被印刷基材７の印刷パターンの基準アライメントマーク１の平面図を示し、図４（ｂ）にその側面図を示す。図４のように、基準アライメントマーク１の印刷パターンは、例えば外形が直径５００μｍの円環状に形成し、撮像カメラ８の視野がその外形の２倍の１ｍｍ四方の場合に、その視野の領域外に、基準アライメントマーク１の四方を囲う形のインキ土手１０の印刷パターンを形成する。この被印刷基材７の基準アライメントマーク１とインキ土手１０の印刷パターンは図２の印刷装置で印刷する。その印刷パターンを形成するために、印刷装置は、パターン除去部で、印刷版２２によりフィルムシート６上の不要な予備乾燥インキ膜のパターンを除去する一次転写処理によりインキ膜パターン形成する。その印刷版２２には、基準アライメントマーク１と、基準アライメントマーク１の四方を囲み基準アライメントマーク１の直径の２倍以上の寸法のインキ土手１０のパターンとなる部分以外の予備乾燥インキをフィルムシート６から除去する反転印刷用凹版を用いる。すなわち、印刷版２２は、ベース基板上に形成された樹脂膜層の領域内に、その樹脂膜層をエッチングして、基準アライメントマーク１とインキ土手１０のパターンに相当する凹部パターンが形成されている反転印刷用凹版を用いる。
【００２３】
この基準アライメントマーク１を中心とする撮像カメラ８の１ｍｍの視野外の場所に、基準アライメントマーク１の四方を囲う形に配置されたインキ土手１０と基準アライメントマーク１から成るインキ膜パターンをフィルムシート６に形成し、それを被印刷基材７に転写して印刷パターンを形成した印刷物を得る。この印刷パターンが形成された被印刷基材７にアライメントマーク２と絵柄パターンから成るインキ膜パターンを印刷する場合のアライメント動作は、撮像カメラ８が読み込んだ画像を画像処理ソフトを使って処理する。その画像処理の際に、撮像カメラ８の視野内に不要な画像を混在させると誤動作の原因ともなりかねないので、１ミリメートル四方の撮像の視野の範囲の外にインキ土手１０の印刷パターンを設けた。
【００２４】
このインキ土手１０を形成することにより、基準アライメントマーク１を被印刷基材７に転写する際に、また、アライメントマーク２を被印刷基材７に転写する際にも、以下のように、転写圧力がそれらのアライメントマークに集中しないようにし、かつ、撮像カメラ８による基準アライメントマーク１とアライメントマーク２の撮像の妨げにならないようにできる。先ず、このインキ土手１０と基準アライメントマーク１を、印刷版２２からの一次転写処理によりフィルムシート６上にインキ膜パターンで形成する。それを、パターン転写部２３で、インキ膜パターンを形成したフィルムシート６の面を転写ローラ９で被印刷基材７に押し付けて加圧してフィルムシート６からインキ膜パターンを被印刷基材７に二次転写する。その二次転写の際の転写ローラ９の転写圧力が、基準アライメントマーク１とインキ土手１０に分散され、図１（ａ）に示すように基準アライメントマーク１のインキ膜パターンが変形のない忠実な形状で被印刷基材７に転写された印刷パターンが形成される効果がある。また、この効果を大きくするために、このインキ土手１０の寸法を基準アライメントマーク１の直径の２倍以上に形成することが望ましい。
【００２５】
次に、フィルムシート６の新たな面に、塗工部２１から新たなインキ液膜を供給して設置して予備乾燥して予備乾燥インキ膜を形成する。そして、印刷版２２が予備乾燥インキ
膜から不要な部分を除去することで、新たな絵柄パターンと、環状の基準アライメントマーク１の環内に収納される直径のアライメントマーク２から成るインキ膜パターンをフィルムシート６に形成する。次に、印刷装置のパターン転写部２３で、フィルムシート６上のインキ膜パターンのアライメントマーク２を、被印刷基材７の印刷パターンの基準アライメントマーク１の円環の中心位置に位置合わせした上で、そのアライメントマーク２と絵柄パターンのインキ膜パターンを被印刷基材７に転写する。その際に、フィルムシート６のインキ膜パターンのアライメントマーク２が被印刷基材７に接触するのと同時に、フィルムシート６の面が被印刷基材７の印刷パターンのインキ土手１０に接触して、転写圧力をアライメントマーク２部分とインキ土手１０部分に分散される。それにより、アライメントマーク２の転写の際も、基準アライメントマーク１の転写の際と同様に、アライメントマーク２のインキ膜パターンが変形することなく転写されて印刷パターンが形成された被印刷基材７の印刷物が得られる。
【００２６】
このように、本発明では、柔らかいフィルムシート６上にインキ膜パターンを形成して、それを被印刷基材７に転写ローラ９で加圧して転写する際に、フィルムシート６に応力が加わって歪み、それによりアライメントマークの転写形状が歪む問題を、基準アライメントマーク１とともにインキ土手１０を有するインキ膜パターンを被印刷基材７に転写することで、基準アライメントマーク１の被印刷基材７への転写パターンが歪まない効果がある。また、その基準アライメントマーク１とインキ土手１０の印刷パターンが形成された被印刷基材７に、基準アライメントマーク１の位置に位置を合わせたアライメントマーク２を転写することで、アライメントマーク２を転写した印刷パターンも歪まないようにできる格別な効果がある。この効果は、柔らかいフィルムシート６が歪む問題を解決したものであり、被印刷基材７については、それが柔らかいフィルム状である場合でも、板状の場合でも、アライメントマークの転写は歪まないので、被印刷基材７は限定されない。
【００２７】
本発明では基準アライメントマーク１は円環状にし、アライメントマーク２は円形状にすることが望ましい。その理由は、中心位置が捉えやすいことにある。例えば十字と井桁のアライメントマークも中心が捉えやすいが、万が一印刷時に扁平が生じた場合に線の太りや細りが生じてしまい中心位置を捉えることが困難となる。
【００２８】
一方、円形状のマークの場合は転写時の多少の欠けや扁平が発生したとしても、画像処理ソフトで円の認識機能を使うことで円として捕らえる事さえ出来れば容易に中心位置を求めることが可能である効果がある。
【００２９】
このような方法を用いて印刷版２２に忠実なアライメントマークを転写印刷することで、本来の高精度な位置決めが可能な印刷方法を提供できる。
【００３０】
本技術を利用することで、一般的なＸＹθ機構を持ったアライメントテーブル２４とアライメント精度に対応した倍率を備えたレンズ及びＣＣＤカメラ等から成る撮像カメラ８を用いることで再現性に優れた高精度アライメント方法を提供できる。
【００３１】
また、本発明では基準アライメントマーク１及びアライメントマーク２を重ね合わせたい色の数だけ準備しておけば、無数に高精度な重ね印刷が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】（ａ）本発明の実施形態により被印刷基材に転写したアライメントマークの平面図である。（ｂ）従来技術により転写したアライメントマークの一例の平面図である。（ｃ）従来技術により転写したアライメントマークの他の例の平面図である。
【図２】本発明の実施形態で用いる印刷装置の模式図である。
【図３】本発明で用いる印刷装置のパターン転写部の模式図である。
【図４】（ａ）本発明の実施形態が形成するアライメントマークの平面図である。（ｂ）本発明の実施形態が形成するアライメントマークの側面図である。
【符号の説明】
【００３３】
１・・・基準アライメントマーク
２・・・アライメントマーク
３・・・変形基準アライメントマーク
４・・・転写方向
５・・・変形アライメントマーク
６・・・フィルムシート
７・・・被印刷基材
８・・・撮像カメラ
９・・・転写ローラ
１０・・・インキ土手
２１・・・塗工部
２２・・・印刷版
２３・・・パターン転写部
２４・・・アライメントテーブル
【技術分野】
【０００１】
本発明は、長尺状のプラスチックフィルムなどの可撓性の被印刷基材上へ、高精細パターンを連続的に形成する印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、ロール・ツー・ロールの連続したシートフィルムに一次転写によりインキ膜パターンを形成し、さらに、一次転写により形成されたインキ膜パターンを、被印刷基材に二次転写することにより、被印刷基材にインキ膜の印刷パターンを印刷する反転印刷技術が知られている。
【０００３】
例えば、シートフィルムにスリットコートなどでインキ薄膜を塗布し、形成すべきパターンを凹部とする凸版をインキ薄膜に押し当てて、凸版の凸部にインキ薄膜を転移させる一次転写により、シートフィルムにインキ膜パターンを形成し、インキ膜パターンが形成されたシートフィルムの面と被印刷基材の面を接触させることで、被印刷基材側にインキ膜パターンを二次転写することで、アライメントマークと絵柄パターンとのインキ膜の印刷パターンを被印刷基材面へ印刷する。
【０００４】
このような印刷技術には、以下のような問題がある。まず、二次転写する際、被印刷基材面とシートフィルムの印刷面は平行が望ましく、仮にシートフィルムの印刷面が重力で垂れ下がっていると、被印刷基材との正確な位置合わせが困難となる。また、一次転写するときのシートフィルムにかかる張力と二次転写するときの張力に差が生じてしまうと、シートフィルムに置いたインキ膜パターンがシートフィルムの収縮により変形し、被印刷基材に転写するインキ膜の印刷パターンがずれる事となり、被印刷基材との正確な位置合わせが実現されたとしても、パターンのずれは解消されない。さらに、二次転写の際に転写圧を加えるためには転写ローラをある一方向に移動させつつ二次転写する方式が一般的であり、転写ローラの移動のストレスによる転写ムラなどが生じやすい。
【０００５】
このような問題を解消するために、特許文献１では原反ロールから繰り出されたシートフィルムを、巻き取りロールおよびその途中にテンションロールなどを配置して、張力制御する技術が開示されている。
【０００６】
しかしながら、このような張力制御したとしても、一定の張力調整をすることは困難であり、多色重ね合わせ印刷の位置を安定させることは難易度が高い。このためシートフィルムを途中で分断することなく安定的な張力調整を実現したとしても、転写ムラなどの無い正しいアライメントマークが形成されなければ高精度な位置合わせ印刷は出来ない。
【０００７】
以下に公知文献を記す。
【特許文献１】特開２０００−２４６８６８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
印刷による位置合わせのためのアライメントマーク形成では、印刷版上にいくら正確に位置合わせ用のアライメントマークが作成されていても、印刷状況によっては正しく転写されない場合がある。すなわち、反転印刷によるアライメントマーク形成方法では、インキ膜厚や転写圧力などの条件次第でアライメントマークの転写性が著しく異なり、本来基準となるアライメントマークが変形して印刷されてしまい、正しく位置合わせが出来ない問題がある。
【０００９】
そのため、本発明の課題は、シート状のブランケット版を用いた反転印刷において、アライメントマークを正確に形成し高精度アライメントを実現し高精度な位置決めをする印刷方法を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明は、上記課題を解決するために、反転印刷する印刷装置で用いる印刷版であって、基準アライメントマークのパターンに相当する凹部パターンと、前記基準アライメントマークの四方を囲み前記基準アライメントマークの直径の２倍以上の寸法のインキ土手のパターンに相当する凹部パターンが形成されていることを特徴とする印刷版である。
【００１１】
また、本発明は、インキ剥離性を有するフィルムシートに予備乾燥インキ膜を形成する工程と、次に前記予備乾燥インキ膜の不要な部分を印刷版で除去することで前記フィルムシート上に基準アライメントマークとその四方を囲うインキ土手のパターンを有するインキ膜パターンを形成する工程と、前記フィルムシートの前記インキ膜パターンを被印刷基材に押し当て前記フィルムシート側から転写ローラで加圧することで前記インキ膜パターンを前記被印刷基材に転写して印刷パターンを形成する工程を有することを特徴とする印刷方法である。
【発明の効果】
【００１２】
本発明では、印刷による位置合わせのためのアライメントマーク形成で、印刷版上に正確に形成された位置合わせ用のアライメントマークをインキ膜厚や転写圧力などの条件が異なっても安定したアライメントマークの転写性を確保し、基準となるアライメントマークを正しく転写し正確な位置合わせを可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明の最良の実施形態を、図１から図４を用いて説明する。本発明は、図２に示す印刷装置を用いて、フィルムシート６の表面にインキ膜パターンを形成し、それを、転写ローラ９で加圧してフィルム状あるいは板状の被印刷基材７の表面に転写する際に、フィルムシート６と被印刷基材７の位置決めを正しく行える方法である。
【００１４】
図１（ａ）に、本発明によりフィルムシート６から被印刷基材７に正しく転写された状態の基準アライメントマーク１とアライメントマーク２の形状を示す。基準アライメントマーク１は、アライメントされる側の被印刷基材７に事前にこの印刷装置により転写印刷しておく。次に、この印刷装置が、被印刷基材７の基準アライメントマーク１の中心位置へフィルムシート６のアライメントマーク２を一致させるように位置を合わせてフィルムシート６から被印刷基材７へインキ膜パターンを転写し印刷する。
【００１５】
この転写印刷方法を次に説明する。ここではシート状の透明フィルムのフィルムシート６から、シート状の透明フィルムの被印刷基材７に絵柄パターンを転写する場合を説明する。先ず、図２の印刷装置の塗工部２１にて、インキ剥離性を有するフィルムシート６上にインキ液膜を形成する。すなわち、オフセットブランケットであるフィルムシート６の印刷有効面の全面にインキ液膜を塗布する。そして、そのインキ液膜を予備乾燥することで予備乾燥インキ膜を形成する。次に、印刷装置のパターン除去部で、印刷版２２によりフィルムシート６上の不要な予備乾燥インキ膜を除去して、フィルムシート６上に所望のインキ膜パターンを形成する。この印刷版２２には、非画線部となるインキを除去する反転印刷用凹版、すなわち、ベース基板上に形成された所望の版深に等しい厚さの樹脂膜層の領域内に、その樹脂膜層のエッチング処理により印刷画線部に相当する凹部パターンが形成されている反転印刷用凹版を用いる。
【００１６】
更に印刷装置のパターン転写部２３にて、フィルムシート６上のインキ膜パターンを被印刷基材７上に位置合わせして転写し、次に、転写したインキ膜の印刷パターンを乾燥し、被印刷基材７上に所望の印刷パターンを形成する。パターン転写部２３には、被印刷基材７を下から支え、かつ、被印刷基材７の位置をフィルムシート６の位置に合わせるＸＹθ機構を持ったアライメントテーブル２４を設置する。また、フィルムシート６上に転写ローラ９を設置し、転写ローラ９がフィルムシート６を下の被印刷基材７に押し付けてフィルムシート６上のインキ膜パターンを被印刷基材７上に転写して印刷パターンを形成する。また、フィルムシート６と被印刷基材７のアライメントマークを上部から観察する撮像カメラ８を設置する。撮像カメラ８は、アライメント精度に対応した倍率を備えたレンズとＣＣＤカメラで構成する。
【００１７】
図３にパターン転写部２３を示し、パターン転写部２３で被印刷基材７に二次転写すべきインキ膜パターンを、被印刷基材７の印刷パターンに位置合わせする方法を示す。図３に示す被印刷基材７には先に基準アライメントマーク１の印刷パターンを形成しておく。そして、フィルムシート６には、予備乾燥インキ膜を形成し、その不要パターン部分を印刷版２２で除去することで、絵柄パターンと、アライメントを行うためのアライメントマーク２とのインキ膜パターンを形成したフィルムシート６を得る。
【００１８】
次に、フィルムシート６に形成したアライメントマーク２と被印刷基材７の印刷パターンである基準アライメントマーク１とを、フィルムシート６上より撮像カメラ８で観察しながら、アライメントテーブル２４により被印刷基材７を前後左右回転方向に移動させることで基準アライメントマーク１の中心へアライメントマーク２の位置を合わせる。この位置合わせは、フィルムシート６を移動させるアライメント機構によって行うこともでき、フィルムシート６と被印刷基材７の両方を移動させるアライメント機構によって行うこともできる。その後に転写ローラ９をフィルムシート６の上から、フィルムシート６を下の被印刷基材７へ押し付ける圧力を加えながら転写方向４へ転がし加圧することで、フィルムシート６のインキ膜パターンを被印刷基材７に二次転写し印刷パターンを形成して印刷物を得る。
【００１９】
基準アライメントマーク１を被印刷基材７に印刷する際、及び、フィルムシート６に形成した基準アライメントマーク１のインキ膜パターンを、基準アライメントマーク１の印刷パターンが形成された被印刷基材７に転写する際に、被印刷基材７に図１（ｂ）や図１（ｃ）のように歪んだ印刷パターンが形成されることが生じる。すなわち、フィルムシート６上のインキ膜パターンの乾燥状態やインキ膜パターンの厚さや転写ローラ９の転写圧力の条件次第では、インキ膜パターンが被印刷基材７に転写される、図１（ｃ）に示す変形基準アライメントマーク３のように、転写方向４へ長く押し出されて変形した形状の印刷パターンになることがある。同様に、アライメントマーク２を被印刷基材７に転写する場合にも、図１（ｂ）に示す変形アライメントマーク５のようにやはり転写ローラ９の転写方向４へ長く押し出された形状の印刷パターンが印刷されてしまうことが生じる。
【００２０】
例えばフィルムカラーフィルタ用の被印刷基材７に、Ｒ（赤）Ｇ（緑）Ｂ（青）と黒の絵柄パターンのインキ膜パターンを形成したフィルムシート６の面を順次に、転写ローラ９で押し付けて加圧してフィルムシート６からインキ膜パターンを被印刷基材７に二次転写する。そのようにインキ膜パターンを被印刷基材７に転写して印刷する場合は、フィルムシート６上の絵柄パターンのインキの各ドットは小さくても連続しているために転写ローラ９の接触面積からすると一度に多くのドットが被印刷基材７に接触するために絵柄パターンのインキ膜パターンの被印刷基材７への転写圧力は多くのドットに分散される。一方、アライメントマーク２のインキ膜パターンは、アライメントマーク２が絵柄パターンの位置から離れた位置に配置されることが多いために、転写時のアライメントマーク２のインキ膜パターンにかかる転写圧力は、アライメントマーク２のみの少量のインキの領域に集中してしまうため、アライメントマーク２が変形して被印刷基材７に転写されることがある。
【００２１】
これらの対策として、インキの膜厚、乾燥管理や転写圧力、速度管理などが挙げられる。しかし、これらの手段を講じたとしてもいつも万全ではないために、本発明では、以下のようにして、転写ローラ９で加圧してアライメントマークを被印刷基材７に転写する際に転写ローラ９の転写圧力がフィルムシート６に集中しないようにする。
【００２２】
図４（ａ）に、フィルムシート６のアライメントマーク２と被印刷基材７の印刷パターンの基準アライメントマーク１の平面図を示し、図４（ｂ）にその側面図を示す。図４のように、基準アライメントマーク１の印刷パターンは、例えば外形が直径５００μｍの円環状に形成し、撮像カメラ８の視野がその外形の２倍の１ｍｍ四方の場合に、その視野の領域外に、基準アライメントマーク１の四方を囲う形のインキ土手１０の印刷パターンを形成する。この被印刷基材７の基準アライメントマーク１とインキ土手１０の印刷パターンは図２の印刷装置で印刷する。その印刷パターンを形成するために、印刷装置は、パターン除去部で、印刷版２２によりフィルムシート６上の不要な予備乾燥インキ膜のパターンを除去する一次転写処理によりインキ膜パターン形成する。その印刷版２２には、基準アライメントマーク１と、基準アライメントマーク１の四方を囲み基準アライメントマーク１の直径の２倍以上の寸法のインキ土手１０のパターンとなる部分以外の予備乾燥インキをフィルムシート６から除去する反転印刷用凹版を用いる。すなわち、印刷版２２は、ベース基板上に形成された樹脂膜層の領域内に、その樹脂膜層をエッチングして、基準アライメントマーク１とインキ土手１０のパターンに相当する凹部パターンが形成されている反転印刷用凹版を用いる。
【００２３】
この基準アライメントマーク１を中心とする撮像カメラ８の１ｍｍの視野外の場所に、基準アライメントマーク１の四方を囲う形に配置されたインキ土手１０と基準アライメントマーク１から成るインキ膜パターンをフィルムシート６に形成し、それを被印刷基材７に転写して印刷パターンを形成した印刷物を得る。この印刷パターンが形成された被印刷基材７にアライメントマーク２と絵柄パターンから成るインキ膜パターンを印刷する場合のアライメント動作は、撮像カメラ８が読み込んだ画像を画像処理ソフトを使って処理する。その画像処理の際に、撮像カメラ８の視野内に不要な画像を混在させると誤動作の原因ともなりかねないので、１ミリメートル四方の撮像の視野の範囲の外にインキ土手１０の印刷パターンを設けた。
【００２４】
このインキ土手１０を形成することにより、基準アライメントマーク１を被印刷基材７に転写する際に、また、アライメントマーク２を被印刷基材７に転写する際にも、以下のように、転写圧力がそれらのアライメントマークに集中しないようにし、かつ、撮像カメラ８による基準アライメントマーク１とアライメントマーク２の撮像の妨げにならないようにできる。先ず、このインキ土手１０と基準アライメントマーク１を、印刷版２２からの一次転写処理によりフィルムシート６上にインキ膜パターンで形成する。それを、パターン転写部２３で、インキ膜パターンを形成したフィルムシート６の面を転写ローラ９で被印刷基材７に押し付けて加圧してフィルムシート６からインキ膜パターンを被印刷基材７に二次転写する。その二次転写の際の転写ローラ９の転写圧力が、基準アライメントマーク１とインキ土手１０に分散され、図１（ａ）に示すように基準アライメントマーク１のインキ膜パターンが変形のない忠実な形状で被印刷基材７に転写された印刷パターンが形成される効果がある。また、この効果を大きくするために、このインキ土手１０の寸法を基準アライメントマーク１の直径の２倍以上に形成することが望ましい。
【００２５】
次に、フィルムシート６の新たな面に、塗工部２１から新たなインキ液膜を供給して設置して予備乾燥して予備乾燥インキ膜を形成する。そして、印刷版２２が予備乾燥インキ
膜から不要な部分を除去することで、新たな絵柄パターンと、環状の基準アライメントマーク１の環内に収納される直径のアライメントマーク２から成るインキ膜パターンをフィルムシート６に形成する。次に、印刷装置のパターン転写部２３で、フィルムシート６上のインキ膜パターンのアライメントマーク２を、被印刷基材７の印刷パターンの基準アライメントマーク１の円環の中心位置に位置合わせした上で、そのアライメントマーク２と絵柄パターンのインキ膜パターンを被印刷基材７に転写する。その際に、フィルムシート６のインキ膜パターンのアライメントマーク２が被印刷基材７に接触するのと同時に、フィルムシート６の面が被印刷基材７の印刷パターンのインキ土手１０に接触して、転写圧力をアライメントマーク２部分とインキ土手１０部分に分散される。それにより、アライメントマーク２の転写の際も、基準アライメントマーク１の転写の際と同様に、アライメントマーク２のインキ膜パターンが変形することなく転写されて印刷パターンが形成された被印刷基材７の印刷物が得られる。
【００２６】
このように、本発明では、柔らかいフィルムシート６上にインキ膜パターンを形成して、それを被印刷基材７に転写ローラ９で加圧して転写する際に、フィルムシート６に応力が加わって歪み、それによりアライメントマークの転写形状が歪む問題を、基準アライメントマーク１とともにインキ土手１０を有するインキ膜パターンを被印刷基材７に転写することで、基準アライメントマーク１の被印刷基材７への転写パターンが歪まない効果がある。また、その基準アライメントマーク１とインキ土手１０の印刷パターンが形成された被印刷基材７に、基準アライメントマーク１の位置に位置を合わせたアライメントマーク２を転写することで、アライメントマーク２を転写した印刷パターンも歪まないようにできる格別な効果がある。この効果は、柔らかいフィルムシート６が歪む問題を解決したものであり、被印刷基材７については、それが柔らかいフィルム状である場合でも、板状の場合でも、アライメントマークの転写は歪まないので、被印刷基材７は限定されない。
【００２７】
本発明では基準アライメントマーク１は円環状にし、アライメントマーク２は円形状にすることが望ましい。その理由は、中心位置が捉えやすいことにある。例えば十字と井桁のアライメントマークも中心が捉えやすいが、万が一印刷時に扁平が生じた場合に線の太りや細りが生じてしまい中心位置を捉えることが困難となる。
【００２８】
一方、円形状のマークの場合は転写時の多少の欠けや扁平が発生したとしても、画像処理ソフトで円の認識機能を使うことで円として捕らえる事さえ出来れば容易に中心位置を求めることが可能である効果がある。
【００２９】
このような方法を用いて印刷版２２に忠実なアライメントマークを転写印刷することで、本来の高精度な位置決めが可能な印刷方法を提供できる。
【００３０】
本技術を利用することで、一般的なＸＹθ機構を持ったアライメントテーブル２４とアライメント精度に対応した倍率を備えたレンズ及びＣＣＤカメラ等から成る撮像カメラ８を用いることで再現性に優れた高精度アライメント方法を提供できる。
【００３１】
また、本発明では基準アライメントマーク１及びアライメントマーク２を重ね合わせたい色の数だけ準備しておけば、無数に高精度な重ね印刷が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】（ａ）本発明の実施形態により被印刷基材に転写したアライメントマークの平面図である。（ｂ）従来技術により転写したアライメントマークの一例の平面図である。（ｃ）従来技術により転写したアライメントマークの他の例の平面図である。
【図２】本発明の実施形態で用いる印刷装置の模式図である。
【図３】本発明で用いる印刷装置のパターン転写部の模式図である。
【図４】（ａ）本発明の実施形態が形成するアライメントマークの平面図である。（ｂ）本発明の実施形態が形成するアライメントマークの側面図である。
【符号の説明】
【００３３】
１・・・基準アライメントマーク
２・・・アライメントマーク
３・・・変形基準アライメントマーク
４・・・転写方向
５・・・変形アライメントマーク
６・・・フィルムシート
７・・・被印刷基材
８・・・撮像カメラ
９・・・転写ローラ
１０・・・インキ土手
２１・・・塗工部
２２・・・印刷版
２３・・・パターン転写部
２４・・・アライメントテーブル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
反転印刷する印刷装置で用いる印刷版であって、基準アライメントマークのパターンに相当する凹部パターンと、前記基準アライメントマークの四方を囲み前記基準アライメントマークの直径の２倍以上の寸法のインキ土手のパターンに相当する凹部パターンが形成されていることを特徴とする印刷版。
【請求項２】
インキ剥離性を有するフィルムシートに予備乾燥インキ膜を形成する工程と、次に前記予備乾燥インキ膜の不要な部分を印刷版で除去することで前記フィルムシート上に基準アライメントマークとその四方を囲うインキ土手のパターンを有するインキ膜パターンを形成する工程と、前記フィルムシートの前記インキ膜パターンを被印刷基材に押し当て前記フィルムシート側から転写ローラで加圧することで前記インキ膜パターンを前記被印刷基材に転写して印刷パターンを形成する工程を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項１】
反転印刷する印刷装置で用いる印刷版であって、基準アライメントマークのパターンに相当する凹部パターンと、前記基準アライメントマークの四方を囲み前記基準アライメントマークの直径の２倍以上の寸法のインキ土手のパターンに相当する凹部パターンが形成されていることを特徴とする印刷版。
【請求項２】
インキ剥離性を有するフィルムシートに予備乾燥インキ膜を形成する工程と、次に前記予備乾燥インキ膜の不要な部分を印刷版で除去することで前記フィルムシート上に基準アライメントマークとその四方を囲うインキ土手のパターンを有するインキ膜パターンを形成する工程と、前記フィルムシートの前記インキ膜パターンを被印刷基材に押し当て前記フィルムシート側から転写ローラで加圧することで前記インキ膜パターンを前記被印刷基材に転写して印刷パターンを形成する工程を有することを特徴とする印刷方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１０−１３１８７９（Ｐ２０１０−１３１８７９Ａ）
【公開日】平成２２年６月１７日（２０１０．６．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−３１０５７９（Ｐ２００８−３１０５７９）
【出願日】平成２０年１２月５日（２００８．１２．５）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年６月１７日（２０１０．６．１７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１２月５日（２００８．１２．５）
【出願人】（０００００３１９３）凸版印刷株式会社 (10,630)
【Ｆターム（参考）】
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