説明

印刷装置、その制御方法及びそのプログラム

【課題】シャットオフ制御を採用した印刷装置において、印刷済枚数が印刷保証枚数に達したあとに残存するインクを極力少なくする。
【解決手段】このインクジェットプリンタ20では、印刷データの印刷要求があったとき、印刷済枚数が予め定められた印刷保証枚数に達していない場合には印刷データに基づいて印刷媒体への印刷が行われるようプリンタ機構21を制御し、印刷済枚数が印刷保証枚数に達している場合にはそのカートリッジ50による印刷を打ち切るようにする(シャットオフ制御)。また、印刷済枚数が印刷保証枚数に達したときには、カートリッジ50に余って残っているインクを利用してノズル23のクリーニングが実行されるよう吸引ポンプ42を制御する。したがって、印刷済枚数が印刷保証枚数に達したあとに残存するインクを極力少なくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、その制御方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カートリッジに収容されたインクを印刷ヘッドのノズルから吐出させることにより印刷用紙へ印刷する機能と、カートリッジに収容されたインクをノズルから吸引することにより該ノズルをクリーニングする機能とを備えた印刷装置として、印刷ヘッドが規定時間よりも短い時間封止されていた場合には自動的に所定量のインクを吸引するクリーニングを実行するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−119311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、印刷装置において、印刷可能な枚数の上限である印刷保証枚数が設定されたカートリッジを装着し、印刷済枚数が印刷保証枚数に達した時点でそのカートリッジの使用を打ち切るようにする制御(シャットオフ制御という)を採用することが考えられる。このシャットオフ制御を採用した場合、ユーザは現在装着されているカートリッジを使ってあと何枚印刷できるかを印刷済枚数と印刷保証枚数とから容易かつ明確に認識することができる。このため、従来のようにインク残量をみてあと何枚印刷できるかをユーザ自身が予測する必要がなくなり、使い勝手が向上する。このようなシャットオフ制御を採用した印刷装置では、印刷保証枚数を印刷するのに必要なインク量とその印刷保証枚数を印刷するまでの間に実行されるクリーニングで消費されるインク量とを予測し、それらを考慮して工場出荷時のカートリッジのインク充填量が設定されている。
【0004】
しかしながら、このようなシャットオフ制御を採用した印刷装置では、印刷済枚数が印刷保証枚数に達した時点でそのカートリッジに収容されたインクが過剰に残っていることがあり、また、特許文献1のように自動的に所定量のインクを吸引するクリーニングを実行する場合には、インク残量が少なすぎてクリーニングが実行できないことがあった。
【0005】
本発明の印刷装置、印刷装置の制御方法及びそのプログラムは、このような課題に鑑みなされたものであり、シャットオフ制御を採用した印刷装置において、印刷済枚数が印刷保証枚数に達したあとに残存するインクを極力少なくすることを目的の一つとする。また、シャットオフ制御を採用した印刷装置において、印刷済枚数が印刷保証枚数に達する前に自動的にクリーニングを行う場合にそのクリーニングを確実に実施できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の目的の少なくとも一つを達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の印刷装置は、
カートリッジに収容されたインクを印刷ヘッドのノズルから吐出させることにより印刷媒体への印刷を行う印刷手段と、
印刷済枚数が予め定められた印刷保証枚数に達していない場合には印刷データに基づいて前記印刷媒体への印刷が行われるよう前記印刷手段を制御し、印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達している場合には前記カートリッジによる印刷を打ち切るようにする印刷制御手段と、
前記カートリッジに収容されたインクを前記ノズルから吸引することにより該ノズルをクリーニングするクリーニング手段と、
印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達したときには、前記カートリッジに余って残っているインクを利用して前記ノズルのクリーニングが実行されるよう前記クリーニング手段を制御するクリーニング制御手段と、
を備えたものである。
【0008】
この印刷装置では、印刷済枚数が予め定められた印刷保証枚数に達していない場合には印刷データに基づいて印刷媒体への印刷が行われるよう印刷手段を制御し、印刷済枚数が印刷保証枚数に達している場合にはカートリッジによる印刷を打ち切るようにする(シャットオフ制御)。また、印刷済枚数が印刷保証枚数に達したときには、カートリッジに余って残っているインクを利用してノズルのクリーニングが実行されるようクリーニング手段を制御する。したがって、シャットオフ制御を採用した印刷装置において、印刷済枚数が印刷保証枚数に達したあとに残存するインクを極力少なくすることができる。なお、印刷制御手段とクリーニング制御手段は一つの制御装置として構成されていてもよいし、それぞれ別の制御装置として構成されていてもよい。
【0009】
本発明の印刷装置において、前記クリーニング制御手段は、印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達する前の所定タイミングに至ったときには、印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達したとしたときに前記カートリッジに余って残ると予測されるインク余り予測量よりも少ない量でもって前記ノズルのクリーニングが実行されるよう前記クリーニング手段を制御してもよい。こうすれば、シャットオフ制御を採用した印刷装置において、印刷済枚数が印刷保証枚数に達する前に自動的にクリーニングを行う場合にそのクリーニングを確実に実施することができる。
【0010】
このように印刷済枚数が印刷保証枚数に達する前の所定タイミングに至ったときに自動的にクリーニングを実行する本発明の印刷装置において、前記所定タイミングは、電源オン時としてもよい。一般的に印刷装置は電源オンに続いて印刷が要求されることが多いため、電源オン時に自動的にクリーニングを実行することによりユーザの手を煩わせることなくその後の印刷の画質を良好にすることが可能となり、印刷装置への信頼性が向上する。
【0011】
本発明の印刷装置は、写真専用プリンタであることが好ましい。例えば文字列を印刷する場合には、1枚の用紙に1行だけ文字列を印刷する場合もあれば1枚の用紙に数十行の文字列を印刷する場合もあるため1枚あたりの印刷インク量のバラツキが大きくなりがちであるが、写真のみを印刷する場合には、1枚あたりの印刷インク量のバラツキを小さく抑えることができるためインク余り予測量の精度が高まる。また、印刷媒体のサイズは予め定められた一つのサイズであることが好ましい。例えばL判用紙に写真を印刷する場合とA4用紙に写真を印刷する場合とでは1枚あたりの印刷インク量のバラツキが大きくなりがちであるが、L判用紙のみを印刷する場合には1枚あたりの印刷インク量のバラツキを小さく抑えることができるためインク余り予測量の精度が高まる。
【0012】
本発明の印刷装置の制御方法は、
カートリッジに収容されたインクを印刷ヘッドのノズルから吐出させることにより印刷媒体への印刷を行う印刷手段と、前記カートリッジに収容されたインクを前記ノズルから吸引することにより該ノズルをクリーニングするクリーニング手段と、を備えた印刷装置の制御方法であって、
(a)印刷済枚数が予め定められた印刷保証枚数に達していない場合には印刷データに基づいて前記印刷媒体への印刷が行われるよう前記印刷手段を制御し、印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達している場合には前記カートリッジによる印刷を打ち切るようにするステップと、
(b)印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達したときには、前記カートリッジに余って残っているインクを利用して前記ノズルのクリーニングが実行されるよう前記クリーニング手段を制御するステップと、
を含むものである。
【0013】
この印刷装置の制御方法では、印刷済枚数が予め定められた印刷保証枚数に達していない場合には印刷データに基づいて印刷媒体への印刷が行われるよう印刷手段を制御し、印刷済枚数が印刷保証枚数に達している場合にはカートリッジによる印刷を打ち切るようにする(シャットオフ制御)。また、印刷済枚数が印刷保証枚数に達したときには、カートリッジに余って残っているインクを利用してノズルのクリーニングが実行されるようクリーニング手段を制御する。したがって、シャットオフ制御を採用した印刷装置において、印刷済枚数が印刷保証枚数に達したあとに残存するインクを極力少なくすることができる。なお、この第1の印刷装置の制御方法において、上述した第1の印刷装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した第1の印刷装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【0014】
本発明のプログラムは、上述した印刷装置の制御方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピュータから別のコンピュータへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに各ステップを分担して実行させれば、上述した印刷装置の制御方法の各ステップが実行されるため、該印刷装置の制御方法と同様の作用効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。図1は本実施形態であるインクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図、図2はカートリッジ50の構成の概略を表す説明図、図3は記憶素子54に記憶されたカートリッジ情報54aの説明図、図4は操作パネル60の説明図である。本実施形態のインクジェットプリンタ20は、例えばデジカメなどで撮影した写真画像を印刷用の画像として用い、記録紙SとしてL判サイズの用紙を用いるいわゆる写真専用プリンタとして構成されている。また、本実施形態では、予め定められた印刷可能な枚数の上限である印刷保証枚数Ngrtが設定されたカートリッジ50とこの印刷保証枚数Ngrtの記録紙Sとがセット販売されており、インクジェットプリンタ20は、このセット販売されているカートリッジ50と記録紙Sとを利用可能に構成されている。このインクジェットプリンタ20では、印刷保証枚数Ngrtが設定されたカートリッジ50で印刷保証枚数Ngrtの印刷が終了したあとはインクが残っていたとしてもこのカートリッジ50での印刷ができなくなるよう設定されている。ユーザは、予定している枚数の印刷が保証されている上記セットを購入し、インクジェットプリンタ20にカートリッジ50と記録紙Sとをセットして印刷を実行するものとする。なお、本実施形態では、印刷保証枚数Ngrtの印刷が終了したあとそのカートリッジでの印刷をできなくする制御を「シャットオフ制御」と呼び、そのカートリッジでの印刷をできなくすることを「シャットオフする」と呼ぶこととする。
【0016】
本実施形態のインクジェットプリンタ20は、図1に示すように、プラテン40上を図中奥から手前へと搬送される記録紙Sにインク滴を吐出して印刷を行うプリンタ機構21と、駆動モータ33により駆動される紙送りローラ35を含む紙送り機構31と、プラテン40の一端に形成されたキャッピング装置41と、ユーザが各種の指示を入力する操作パネル60と、インクジェットプリンタ20全体をコントロールするコントローラ70とを備えている。
【0017】
プリンタ機構21は、キャリッジベルト32によりガイド28に沿って左右に往復動するキャリッジ22と、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・レッド(R)・ブルー(B)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容しキャリッジ22へインクを供給可能なカートリッジ50と、カートリッジ50から供給された各インクに圧力をかける印刷ヘッド24とを備えている。キャリッジ22は、メカフレーム48の右側に取り付けられたキャリッジモータ34aとメカフレーム48の左側に取り付けられた従動ローラ34bとの間に架設されたキャリッジベルト32がキャリッジモータ34aによって駆動されるのに伴って移動する。ここでは、キャリッジ22上にカートリッジ50を搭載しない、いわゆるオフキャリッジ型を採用している。印刷ヘッド24は、キャリッジ22の下部に設けられており、圧電素子に電圧をかけることによりこの圧電素子を変形させてインクを加圧する方式により印刷ヘッド24の下面に設けられた多数のノズル23から各色のインクを吐出するものである。なお、この印刷ヘッド24は、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ25が配置されており、このリニア式エンコーダ25を用いてキャリッジ22のポジションが管理可能となっている。
【0018】
カートリッジ50は、図2に示すように、メカフレーム48に着脱可能に装着されており、溶媒としての水に着色剤としての染料又は顔料を含有したシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・レッド(R)・ブルー(B)及びブラック(K)などの印刷用に用いるインクを各々収容したインク容器52a〜52fと、クリーニング処理などで排出された廃インクを吸収して保存する廃液パッド53と、カートリッジ50に関する情報などを記憶する記憶素子54とを備えている。カートリッジ50は、インク供給口51a〜51fとキャリッジ22との間に接続された供給チューブ29を介し、図示しない供給ポンプの駆動によりキャリッジ22へインクを供給可能となっている(図1参照)。記憶素子54は、読み書き可能な不揮発性のメモリであり、カートリッジ50が本体に装着されると、その表面に設けられた出力端子55と本体に設けられた接続端子47とが接続し、記憶素子54からの情報の読み出し及び記憶素子54への情報の書き込みが可能となっている。この記憶素子54には、カートリッジ50の情報であるカートリッジ情報54aが記憶されている。このカートリッジ情報54aには、図3に示すように、現在装着されているカートリッジ50の各インク容器52a〜52f(C,M,Y,R,B,K)に対応する初期インク充填量Iint,現在装着されているカートリッジ50で印刷可能な印刷枚数の上限として設定されている印刷保証枚数Ngrt,現在のカートリッジ50が装着されている間に印刷された枚数を表す印刷済枚数Npr,現在のカートリッジ50が装着されている間に行われた印刷により消費されたインクの総量を表す印刷インク総量ΣIpr,現在のカートリッジ50が装着されている間に行われたクリーニングにより消費されたインクの総量を表すクリーニングインク総量ΣIcln,廃液パッド53に最大吸収可能な量である廃液許容量WImax,現在までに廃液パッド53に吸収した量である廃液量WIなどが含まれている。
【0019】
キャッピング装置41は、プラテン40の印刷可能領域から図1中の右側に外れた位置に設けられ、略直方体で上部が開口した筐体を備えている。このキャッピング装置41は、印刷休止中などに印刷ヘッド24が乾燥するのを防止するために印刷ヘッド24を封止するときにも利用される。また、キャッピング装置41には、吸引ポンプ42が接続され、吸引ポンプ42を作動するとキャッピング装置41の内部空間に負圧が発生する。キャッピング装置41がノズル23を封止しているときにこの負圧を発生させることにより、印刷ヘッド24内のインクが強制的に吸い出される。吸引ポンプ42によって吸い出されたインクは、廃インクとして廃液チューブ43及び廃液導入口53aを介してカートリッジ50の廃液パッド53に吸収される。なお、このキャッピング装置41は、印刷ヘッド24の先端でインクが乾燥して固化するのを防止するために定期的又は所定のタイミングで印刷データとは無関係にインク滴を吐出させる、いわゆるフラッシング動作を行うときにも利用される。
【0020】
操作パネル60は、ユーザがインクジェットプリンタ20に対して各種の指示を入力するためのデバイスであり、図4に示すように、各種の指示に応じた文字、図形又は記号が表示される表示部62や、各種操作を行う操作部64が設けられている。表示部62は、カラー画像を表示する液晶パネルにより構成されている。操作部64には、ユーザが処理や文字等を選択するカーソルなどを移動させるときに押下されるカーソルキー64aや処理選択などを決定するときに押下される決定キー64b、各種設定を行うときに押下される設定キー64c、キャンセル時などに押下される戻りキー64d、選択されている画像の印刷を実行するときに押下される印刷実行キー64eなどが配置されている。表示部62に表示される情報表示画面80には、印刷保証枚数Ngrtと印刷済枚数Nprと印刷可能枚数との関係が視認可能な態様で表示される枚数表示部80aや現在の状況などをユーザに文字により報知するメッセージ表示部80bなどが設けられている。枚数表示部80aは、印刷保証枚数Ngrtの所定の割合(ここでは1割とする)に対応する矩形状のブロックが上下に配置され、印刷可能枚数に対応するブロックが下から順に着色され、印刷済枚数Nprに対応するブロックが印刷可能枚数に対応するブロックの上側に白色で表示される。図4では、印刷済枚数Nprが全体の2割、印刷可能枚数が全体の8割となっている。このとき、メッセージ表示部80bには印刷可能枚数が何枚かを文字で表示するようにしてもよい。なお、印刷可能枚数は印刷保証枚数Ngrtから印刷済枚数Nprを引くことにより算出される。
【0021】
コントローラ70は、図1に示すように、メカフレーム48の背面に取り付けられたメイン基板49上に設けられ、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)79と、図示しない入出力ポートとを備えている。ROM73には、後述する印刷・表示制御ルーチンなどが記憶されている。また、RAM74には、印刷バッファ領域が設けられており、この印刷バッファ領域に一時的にユーザPC90から送られてきた印刷データが記憶される。フラッシュメモリ75には、カートリッジ50の取り外し・再装着に備えて、現在装着中のカートリッジ50の上述したカートリッジ情報54aと同様のカートリッジ情報が記憶されている。このコントローラ70には、記憶素子54からの信号や操作パネル60からの信号、電源のオンオフを決定する電源スイッチ82からの信号などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC90から出力された印刷ジョブなどがI/F79を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24への制御信号や駆動モータ33への制御信号、キャリッジモータ34aへの駆動信号、吸引ポンプ42への動作制御信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、ユーザPC90への印刷ステータス情報などがI/F79を介して出力される。
【0022】
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ20の動作について説明する。図5は、コントローラ70のCPU72により実行されるメイン制御ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、ROM73に記憶され、インクジェットプリンタ20の電源がオンされたあとCPU72により所定タイミング毎に繰り返し実行される。このルーチンが開始されると、CPU72は、まず、現在装着されているカートリッジ50の各インク容器52a〜52f(C,M,Y,R,B,K)に対応する初期インク充填量Iint,現在装着されているカートリッジ50で印刷可能な印刷枚数の上限として設定されている印刷保証枚数Ngrt,現在のカートリッジ50が装着されている間に印刷された枚数を表す印刷済枚数Npr,現在のカートリッジ50が装着されている間に行われた印刷により消費されたインクの総量を表す印刷インク総量ΣIpr,現在のカートリッジ50が装着されている間に行われたクリーニングにより消費されたインクの総量を表すクリーニングインク総量ΣIclnなどのデータを入力する(ステップS110)。これらのデータは、カートリッジ50に取り付けられた記憶素子54とコントローラ70のフラッシュメモリ75の両方に記憶されているが、ここではフラッシュメモリ75からこれらのデータを読み込んで入力するものとした。また、CPU72は、カートリッジ50を交換するときに開閉する図示しないカートリッジカバーが開閉操作された場合には、カートリッジ50に取り付けられた記憶素子54に記憶されたデータとフラッシュメモリ75に記憶されたデータとが一致するか否かを判定し、両者のデータが一致しているときにはカートリッジ交換が行われなかったと判断してデータの更新を行わないが、両者のデータが一致しないときにはカートリッジ50が新しいものに交換されたと判断し、印刷済枚数Nprや印刷インク総量ΣIpr,クリーニングインク総量ΣIclnをゼロにリセットするなどのデータの更新を行う。なお、カートリッジ交換が行われた場合にはフラッシュメモリ75の初期インク充填量Iintや印刷保証枚数Ngrtは新しいカートリッジ50の記憶素子54に記憶されたデータに更新される。
【0023】
続いて、CPU72は、印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtに達したか否かの判定(ステップS120)やいずれかのインク容器52a〜52fのインク残量がインク切れ判定値を下回ったか否かの判定(ステップS130)を行う。ここで、インク切れ判定値は、印刷用紙へ印刷している途中でインク切れにならないことを考慮してゼロよりも若干大きな値に設定されている。また、通常は印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtに達するまでインク切れになることがないように各インク容器52a〜52fの初期インク充填量Iintが設定されているが、何らかの予期せぬ事情によりインク切れになる可能性も否定できないため、その場合に備えてステップS130の処理を行うようにしている。なお、インク残量やインク切れ判定値の単位は重量で表されるものとした。そして、ステップS120で印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtに達しておらず、いずれのインク容器52a〜52fのインク残量もインク切れ判定値を下回っていないときには、現時点が予め定められた所定の自動クリーニング時期に当たるか否か、またユーザがクリーニングを要求した否かを判定する(ステップS140)。ここで、所定の自動クリーニング時期は、電源スイッチ82をオンした直後のほか、印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtの1/2に達した時点に設定されている。また、ユーザがクリーニングを要求する場合には、操作パネル60又はユーザPC90にインストールされたプリンタドライバからユーザがクリーニングを指示したりする。
【0024】
ステップS140で自動クリーニング時期でなくユーザのクリーニング要求もないときには、続いて印刷要求があるか否かを判定する(ステップS150)。印刷要求は、操作パネル60からユーザが指示したりユーザPC90にインストールされたプリンタドライバからユーザが指示したりすることによりなされる。このステップS150で印刷要求がないときには、そのまま本ルーチンを終了する。一方、印刷要求があるときには、印刷要求の対象となっている写真画像に基づく印刷データを読み出し、プリンタ機構21がその印刷データを印刷するよう制御する(ステップS160)。具体的には、プリンタ機構21の駆動モータ33を駆動して紙送りローラ35などを回転させて記録紙Sをプラテン40上の印刷可能領域へ搬送し、RAM74の印刷バッファ内の印刷データをビットマップイメージへ展開し、展開した展開データを記録紙Sに印刷するよう印刷ヘッド24への電圧を制御する。このようにしてプリンタ機構21による印刷が終了したあと、印刷済枚数Nprに今回印刷した枚数を加算した値を新たな印刷済枚数Nprとし(ステップS170)、更に印刷インク総量ΣIprに今回の印刷で使用した印刷インク量Iprを加算した値を新たな印刷インク総量ΣIprとし(ステップS180)、本ルーチンを終了する。なお、印刷インク総量ΣIprは、各色ごとに算出するものとした。具体的には、ドットには大ドット、中ドット、小ドットの3つの大きさのドットがあり、各色ごとに各大きさのドット1つあたりのインク重量が決められているものとした。そして、1回の印刷パスが終わるごとに各色につきどの大きさのドットが何回用いられたかという情報と各ドット1つあたりのインク重量とに基づいて各色ごとのインク使用量(単位:重量)を算出し、1枚の印刷用紙の印刷が終わった時点で1回の印刷パスごとのインク使用量を各色ごとに合算して各色ごとの印刷インク量Iprを算出し、各色ごとの印刷インク量Iprを累算することにより各色ごとの印刷インク総量ΣIprを算出するものとした。
【0025】
一方、ステップS140で自動クリーニング時期であったとき又はユーザのクリーニング要求があったときには、まず、インク余り予測量Ixを算出する(ステップS190)。このインク余り予測量Ixは、印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtに達したと仮定したときにカートリッジ50に余って残ると予測されるインク量であり、各色ごとに算出するものとした。具体的には、ある色の印刷インク総量ΣIprを印刷済枚数Nprで割ることによりその色の1枚あたりの印刷インク量平均値を求め、その平均値に印刷保証枚数Ngrtを乗じることにより印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtに達したと仮定したときのその色の印刷インク総量予測値(Ngrt×ΣIpr/Npr)とし、現在装着されているカートリッジ50の初期インク充填量Iintから印刷インク総量予測値(Ngrt×ΣIpr/Npr)とその時点までのクリーニングインク総量ΣIclnを差し引くことによりその色のインク余り予測量Ixを算出するものとした(式(1)参照)。なお、この時点でインクを消費する他の操作(フラッシング等)が実行されている場合には、それらを加味してインクの余り予測量Ixを算出するものとする。また、ステップS140で電源がオンされた直後であると判定された場合に印刷済枚数Nprがゼロだったときには、ステップS190で1枚あたりの印刷インク量平均値としてデフォルト値D(経験的に求めた標準的な値)を採用するものとする(式(2)参照)。
【0026】
Ix=Iint-(Ngrt×ΣIpr/Npr)-ΣIcln …(1)
Ix=Iint-(Ngrt×D)-ΣIcln …(2)
【0027】
続いて、クリーニングインク量Iclnを設定し(ステップS200)、クリーニングインク総量ΣIclnに今回のクリーニングインク量Iclnを加算した値を新たなクリーニングインク総量ΣIclnに設定し(ステップS210)、その後クリーニングを実行する(ステップS220)。ここでは、クリーニングインク量IclnはステップS240で算出した各色のインク余り予測量Ixのうち最も小さい値を固定値C(本実施例ではC=2とする)で除した値とした。クリーニングは以下の手順により実行される。即ち、キャッピング装置41と対向する位置に印刷ヘッド24が配置されるようにキャリッジモータ34aを駆動してキャリッジベルト32を介してキャリッジ22を移動させる。このキャリッジ22の移動に伴ってキャッピング装置41が印刷ヘッド24に向かってせり上がることによりノズル23が封止される。この状態で吸引ポンプ42を作動するとキャッピング装置41の内部空間に負圧が発生するため、その負圧により各色に対応して形成されたノズル23内のインクが強制的に吸い出される。なお、吸引ポンプ42によって吸い出されたインクは、廃インクとして廃液チューブ43及び廃液導入口53aを介してカートリッジ50の廃液パッド53に吸収される。また、クリーニングで実際に消費されたインク量は、吸引ポンプ42の回転量と該回転量に対応するインク重量とに基づいて算出することができる。こうしてクリーニングを実行したあと、本ルーチンを終了する。
【0028】
一方、ステップS120で印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtに達したときには、カートリッジ50内に余っている各色のインクのほぼ全量を使ってクリーニングを実行する(ステップS230)。このときのクリーニングは、最も余り量の少ない色のインク量をやや下回るインク量でもってクリーニングを実行する。こうすることにより、印刷ヘッド24のノズル23に気泡が入るのを防止することができる。その後、操作パネル60のメッセージ表示部80bにこれ以上印刷できない旨を表示し(ステップS240)、本ルーチンを終了する。また、ステップS130でいずれかのインク容器52a〜52fのインク残量がインク切れ判定値を下回ったときには、操作パネル60のメッセージ表示部80bにこれ以上印刷できない旨を表示し(ステップS240)、本ルーチンを終了する。なお、通常は印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtに達するまでインク切れになることがないように各インク容器52a〜52fの初期インク充填量Iintが設定されているが、何らかの予期せぬ事情によりインク切れになる可能性も否定できないため、その場合に備えてステップS130の処理を行うようにしている。
【0029】
次に、図6〜図8のタイミングチャートに基づいて、印刷時間の推移に伴う印刷済枚数Nprとインク総消費量の変化を説明する。ここでは、説明の便宜のため、印刷保証枚数Ngrtを10枚とし、用紙1枚あたりの印刷に使用するインク量を同じ分量とし、インクを消費するのは印刷時とクリーニング時のみとする。さて、図6に示すように、印刷済枚数Nprがゼロのときに電源スイッチ82がオンされた直後のタイミングを考える。このとき、印刷済枚数Nprがゼロのため、インク余り予測量Ixを上記式(2)により算出し、そのインク余り予測量Ixを固定値C(=2)で割った値(Ix/2)をクリーニングインク量Iclnとし、クリーニングインク総量ΣIclnを更新し、クリーニングを実行する。図6に、このクリーニングが終了した時点の様子を示す。その後、図7に示すように、印刷保証枚数Ngrtの半分である5回目の印刷終了後つまり印刷済枚数Nprが5回になった時点で、自動クリーニングが実行されるとする。ここでは、インク余り予測量Ixを上記式(1)により算出し、そのインク余り予測量Ixを固定値C(=2)で割った値(Ix/2)をクリーニングインク量Iclnとし、クリーニングインク総量ΣIclnを更新し、クリーニングを実行する。図7に、このクリーニングが終了した時点の様子を示す。その後、クリーニングが行われることなく、最後の10回目の印刷を終了したとする。すると、カートリッジ50のインク余り量よりもやや少ないインク量でもってシャットオフ後のクリーニングを実行する。したがって、最終的なインク余り量を極力少なくすることができる。図8は、この最後のクリーニングが終了した時点の様子を示す。
【0030】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のプリンタ機構21が本発明の印刷手段に相当し、吸引ポンプ42がクリーニング手段に相当し、コントローラ70のCPU72及びROM73、RAM74、フラッシュメモリ75が印刷制御手段及びクリーニング制御手段に相当する。なお、本実施形態では、インクジェットプリンタ20の動作を説明することにより本発明の印刷装置の制御方法の一例も明らかにしている。
【0031】
以上詳述した本実施形態によれば、シャットオフ制御を採用したインクジェットプリンタ20において、印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtに達したあとに残存するインクを極力少なくすることができる。また、印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtに達する前に自動的にクリーニングを行う場合にインク余り予測量Ixよりも少ない量、具体的にはインク余り予測量Ixの1/2をクリーニングインク量とするため、クリーニング回数が嵩んだとしてもインク切れになることがなく、クリーニングを確実に実施することができる。更に、一般的にプリンタは電源オンに続いて印刷要求がなされることが多いため、電源オン時に自動的にクリーニングを実行することによりユーザの手を煩わせることなくその後の印刷の画質を良好にすることが可能となり、プリンタへの信頼性が向上する。更にまた、インクジェットプリンタ20は写真専用プリンタであるため、1枚あたりの印刷インク量Iprのバラツキを小さく抑えることができ、インク余り予測量Ixの精度が高まる。
【0032】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0033】
例えば、上述した実施形態では、印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtの1/2に達した時点を自動クリーニング時期としたが、印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtの1/3,2/3に達した時をそれぞれ自動クリーニング時期としてもよいし、印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtの1/4,2/4,3/4に達した時をそれぞれ自動クリーニング時期としてもよいし、印刷済枚数Nprが印刷保証枚数Ngrtよりも小さい所定枚数に達した時を自動クリーニング時期としてもよいし、タイマによる計時を行い所定時間が経過した時を自動クリーニング時期としてもよい。
【0034】
上述した実施形態では、本体にカートリッジ50を装着するオフキャリッジ式のプリンタ機構21としたが、キャリッジ22にカートリッジ50を装着するオンキャリッジ式のプリンタ機構としてもよい。このとき、図示しないカートリッジ交換ボタンが押下された場合に、カートリッジ50に取り付けられた記憶素子54に記憶されたデータとフラッシュメモリ75に記憶されたデータとが一致するか否かを判定し、カートリッジ交換が行われたか否かを判断するようにしてもよい。
【0035】
上述した実施形態では、インクジェットプリンタ20はプリンタ機能を有するものとして例示したが、プリンタ機能に加えてスキャナ機能やファクシミリ機能などを搭載していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】インクジェットプリンタ20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】カートリッジ50の構成の概略を表す説明図である。
【図3】記憶素子54に記憶されたカートリッジ情報54aの説明図である。
【図4】操作パネル60の説明図である。
【図5】メイン制御ルーチンの一例を表すフローチャートである。
【図6】印刷済枚数とインク総消費量との推移を表す説明図である。
【図7】印刷済枚数とインク総消費量との推移を表す説明図である。
【図8】印刷済枚数とインク総消費量との推移を表す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
20 インクジェットプリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、23 ノズル、24 印刷ヘッド、25 リニア式エンコーダ、28 ガイド、29 供給チューブ、31 紙送り機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34a キャリッジモータ、34b 従動ローラ、35 紙送りローラ、40 プラテン、41 キャッピング装置、42 吸引ポンプ、43 廃液チューブ、47 接続端子、48 メカフレーム、49 メイン基板、50 カートリッジ、51a〜51f インク供給口、52a〜52f インク容器、53 廃液パッド、53a 廃液導入口、54 記憶素子、54a カートリッジ情報、55 出力端子、60 操作パネル、62 表示部、64 操作部、64a カーソルキー、64b 決定キー、64c 設定キー、64d 戻りキー、64e 印刷実行キー、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 フラッシュメモリ、79 インタフェース(I/F)、80 情報表示画面、80a 枚数表示部、80b メッセージ表示部、82 電源スイッチ、90 ユーザPC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジに収容されたインクを印刷ヘッドのノズルから吐出させることにより印刷媒体への印刷を行う印刷手段と、
印刷済枚数が予め定められた印刷保証枚数に達していない場合には印刷データに基づいて前記印刷媒体への印刷が行われるよう前記印刷手段を制御し、印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達している場合には前記カートリッジによる印刷を打ち切るようにする印刷制御手段と、
前記カートリッジに収容されたインクを前記ノズルから吸引することにより該ノズルをクリーニングするクリーニング手段と、
印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達したときには、前記カートリッジに余って残っているインクを利用して前記ノズルのクリーニングが実行されるよう前記クリーニング手段を制御するクリーニング制御手段と、
を備えた印刷装置。
【請求項2】
前記クリーニング制御手段は、印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達する前の所定タイミングに至ったときには、印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達したとしたときに前記カートリッジに余って残ると予測されるインク余り予測量よりも少ない量でもって前記ノズルのクリーニングが実行されるよう前記クリーニング手段を制御する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記所定タイミングは、電源オン時である、
請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
写真専用プリンタである、
請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
カートリッジに収容されたインクを印刷ヘッドのノズルから吐出させることにより印刷媒体への印刷を行う印刷手段と、前記カートリッジに収容されたインクを前記ノズルから吸引することにより該ノズルをクリーニングするクリーニング手段と、を備えた印刷装置の制御方法であって、
(a)印刷済枚数が予め定められた印刷保証枚数に達していない場合には印刷データに基づいて前記印刷媒体への印刷が行われるよう前記印刷手段を制御し、印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達している場合には前記カートリッジによる印刷を打ち切るようにするステップと、
(b)印刷済枚数が前記印刷保証枚数に達したときには、前記カートリッジに余って残っているインクを利用して前記ノズルのクリーニングが実行されるよう前記クリーニング手段を制御するステップと、
を含む印刷装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の印刷装置の制御方法の各ステップを1又は複数のコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−261183(P2007−261183A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91524(P2006−91524)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】