説明

印刷装置、印刷材カートリッジ、回路基板およびアダプター

【課題】印刷材カートリッジが印刷装置に正しく装着されているか否かを確認可能な技術を提供する。
【解決手段】印刷装置1000は、複数の装置側端子510〜590と、印刷材カートリッジの装着状態を検出する検出部と、を備えている。印刷材カートリッジ100は、記憶装置203と、記憶装置203に接続され第1の装置側端子に接触可能な第1の端子と、記憶装置の動作電圧よりも高い電圧が印加される電気デバイス108に接続され第2の装置側端子に接触可能な第2の端子と、第1の端子の周囲の少なくとも一部に設けられ第2の端子に接続された第3の端子と、を備える。検出部は、印刷材カートリッジ100がカートリッジ装着部に装着された状態における、第1の装置側端子と第2の装置側端子との電気的な導通状態に基づき、印刷材カートリッジの装着状態を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷材カートリッジ、回路基板およびアダプターに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置に装着される印刷材カートリッジには、例えば、その印刷材カートリッジの型番や製造番号が記録された記憶装置や、印刷材としての液体の有無を検出するための圧電センサーが搭載されている(例えば、特許文献1参照)。液体の有無は、圧電センサーに対して所定の電圧波形を印加して電歪させ、電歪後の残留振動によって発生する残留波形に応じて検出することができる。
【0003】
しかし、印刷材カートリッジが印刷装置に正常に装着されていない場合には、印刷装置側の端子と印刷カートリッジ側の端子との間に位置ズレが発生し、記憶装置に正しくアクセスできない虞や、圧電センサーを駆動するための高電圧が記憶装置に印加されてしまう虞があった。これらの問題は、圧電素子に限らず、高電圧が印加される電気デバイスや記憶装置を備える印刷材カートリッジに共通した問題であり、また、液体以外の印刷材(例えば、トナー)が収容された印刷材カートリッジにも発生し得る問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4144637号公報
【特許文献2】特開2006−92868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の問題を踏まえ、本発明が解決しようとする課題は、印刷材カートリッジが印刷装置に良好に装着されているか否かを確認可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]印刷装置であって、印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、複数の装置側端子と、前記印刷材カートリッジの装着状態を検出する検出部と、前記カートリッジ装着部に取り外し可能に装着される印刷材カートリッジと、を備え、前記印刷材カートリッジは、記憶装置と、前記記憶装置に接続され、第1の装置側端子に接触可能な第1の端子と、前記記憶装置の動作電圧よりも高い電圧が印加される電気デバイスに接続され、第2の装置側端子に接触可能な第2の端子と、前記第1の端子の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記第2の端子に接続された第3の端子と、を備え、前記検出部は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態における、前記第1の装置側端子と前記第2の装置側端子との電気的な導通状態に基づき、前記印刷材カートリッジの装着状態を検出する、印刷装置。
【0008】
このような構成によれば、印刷材カートリッジのカートリッジ装着部への装着位置のズレに起因して第1の装置側端子が第3の端子に接触しているような場合には、第3の端子が接続されている第2の端子を通じて、第2の装置側端子と第1の装置側端子とが導通することになる。そのため、第1の装置側端子と第2の装置側端子との電気的な導通状態に基づき印刷材カートリッジが良好に装着されているか否かを確認することが可能になる。
【0009】
[適用例2]適用例1に記載の印刷装置であって、前記検出部は、前記第1の装置側端子に所定の電圧を印加し、該所定の電圧に応じた電圧が前記第2の装置側端子から検出されたか否かに応じて前記印刷材カートリッジの装着状態を検出する、印刷装置。
【0010】
このような構成であれば、記憶装置に印加する比較的低い電圧を用いて第1の装置側端子と第2の装置側端子との電気的な導通状態を確認することができる。
【0011】
[適用例3]適用例2に記載の印刷装置であって、前記印刷材カートリッジは、複数の前記第1の端子を備え、前記印刷装置は、前記第1の端子の数に応じた複数の前記第1の装置側端子を備え、前記検出部は、複数の前記第1の装置側端子に対して順番に前記所定の電圧を印加する、印刷装置。
【0012】
このような構成であれば、複数の第1の装置側端子のそれぞれについて、個別に、対応する第1の端子に正しく接触しているか否かを確認することができる。
【0013】
[適用例4]適用例2に記載の印刷装置であって、前記印刷材カートリッジは、複数の前記第1の端子を備え、前記印刷装置は、前記第1の端子の数に応じた複数の前記第1の装置側端子を備え、前記検出部は、複数の前記第1の装置側端子に対して同時に前記所定の電圧を印加する、印刷装置。
【0014】
このような構成であれば、複数の第1の装置側端子が、対応する複数の第1の端子に正しく接触しているか否かをまとめて確認することができる。
【0015】
[適用例5]適用例1に記載の印刷装置であって、前記検出部は、前記第1の装置側端子を接地させた状態で、前記第2の装置側端子に所定の電圧を印加し、前記第2の装置側端子に過電流が流れたか否かに応じて前記印刷材カートリッジの装着状態を検出する、印刷装置。
【0016】
このような構成によれば、印刷材カートリッジのカートリッジ装着部への装着位置のズレに起因して第1の装置側端子が第3の端子に接触しているような場合には、第3の端子が接続されている第2の端子を通じて、第2の装置側端子と第1の装置側端子とが導通することになる。そのため、上記のように、第1の装置側端子を接地させて第2の装置側端子に所定の電圧を印加すれば、第2の装置側端子には過電流が流れることになる。よってこのような構成によっても、印刷材カートリッジが良好に装着されているか否かを確認することが可能になる。
【0017】
本発明は、上述した印刷装置として形態以外にも種々の形態で実現することが可能である。例えば、印刷材カートリッジや回路基板、複数種類の印刷材カートリッジで構成された印刷材カートリッジセット、印刷材カートリッジと印刷装置との間に介在するカートリッジアダプター、複数種類のカートリッジアダプターで構成されたカートリッジアダプターセット、カートリッジや回路基板の装着状態の検出方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】印刷装置の内部構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】カートリッジの構成を示す斜視図である。
【図3】基板の構成を示す図である。
【図4】カートリッジ装着部内に設けられている接点機構の斜視図である。
【図5】カートリッジ装着部内にカートリッジが装着された状態を示す図である。
【図6】カートリッジの基板と印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】センサーに印加される電圧波形の一例を示すタイミングチャートである。
【図8】装着状態検出処理のフローチャートである。
【図9】第2実施例において実行される装着状態検出処理のフローチャートである。
【図10】第3実施例における印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施例において実行される装着状態検出処理のフローチャートである。
【図12】位置ズレ検出端子の第2の態様を示す図である。
【図13】位置ズレ検出端子の第3の態様を示す図である。
【図14】位置ズレ検出端子の第4の態様を示す図である。
【図15】位置ズレ検出端子の第5の態様を示す図である。
【図16】位置ズレ検出端子の第6の態様を示す図である。
【図17】位置ズレ検出端子の第7の態様を示す図である。
【図18】位置ズレ検出端子の第8の態様を示す図である。
【図19】カートリッジからインク室を分離させる第1の態様を示す斜視図である。
【図20】カートリッジからインク室を分離させる第2の態様を示す斜視図である。
【図21】カートリッジからインク室を分離させる第3の態様を示す斜視図である。
【図22】オフキャリッジタイプの印刷装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
A.第1実施例:
以下、本発明の実施の形態をいくつかの実施例に基づき説明する。
図1は、本発明の実施例としての印刷装置の内部構造を概略的に示す斜視図である。図1には、図示の便宜上、互いに直交するXYZ軸が描かれている。この印刷装置1000は、キャリッジモータ1020の動力を用いて、駆動ベルト1060に接続されたキャリッジ1030を主走査方向(X方向)に往復動させる主走査送り機構と、図示しない紙送りモータによって駆動される紙送りローラ1010を用いて印刷用紙Pを副走査方向(Y方向)に搬送する副走査送り機構と、キャリッジ1030に備えられた印刷ヘッド1050を駆動して印刷用紙Pにインクを吐出させるヘッド駆動機構と、を有している。印刷装置1000は、更に、上述した各機構を制御するための制御ユニット1040を備えている。制御ユニット1040は、キャリッジ1030とフレキシブルケーブル1070を介して接続されている。
【0020】
キャリッジ1030は、カートリッジ装着部1100と、印刷ヘッド1050とを備えている。カートリッジ装着部1100は、複数のカートリッジを装着可能に構成されており、印刷ヘッド1050の上側に配置されている。カートリッジ装着部1100を「ホルダー」とも呼ぶ。図1に示す例では、カートリッジ装着部1100には、4つのカートリッジが独立に装着可能であり、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類のカートリッジが1つずつ装着される。カートリッジの装着方向は、−Z方向(鉛直下向き方向)である。なお、カートリッジ装着部1100としては、4色以上のカートリッジを装着できるものも利用可能である。カートリッジ装着部1100には、カバー1200が開閉可能に取り付けられている。このカバー1200は省略することも可能である。印刷ヘッド1050の上部には、カートリッジから印刷ヘッド1050にインクを供給するためのインク供給管1080が配置されている。この印刷装置1000のように、ユーザーにより交換されるカートリッジが、印刷ヘッドのキャリッジ1030上のカートリッジ装着部1100に装着される印刷装置のタイプを、「オンキャリッジタイプ」と呼ぶ。
【0021】
図2は、カートリッジ装着部に装着されるカートリッジの構成を示す斜視図である。図2のXYZ軸は、図1のXYZ軸に対応している。このカートリッジ100は、筐体101と、基板200(「回路基板」とも呼ぶ)と、基板200上の所定の端子に電気的に接続されたセンサー108と、を備えている。センサー108は、圧電素子を使用した周知のインク残量センサーであり、比較的高い電圧が印加される電気デバイスである。
【0022】
筐体101の内部には、インクを収容するインク室120が形成されている。センサー108は、インク室120内のインクの残量を検出するためのセンサーである。筐体101は、全体として略直方体の形状を有している。筐体101の第1の側面102には、レバー160が設けられている。このレバー160は、カートリッジ装着部1100にカートリッジ100を着脱する際に使用される。すなわち、ユーザーがレバー160を押すことによって、カートリッジ100とカートリッジ装着部1100を機械的に係合させたり、その係合を解除したりすることができる。レバー160には、カートリッジ100をカートリッジ装着部1100に固定するための係合突起162が設けられている。筐体101の底面104には、カートリッジ装着部1100に装着されたときに、印刷装置1000のインク供給管1080と接続されるインク供給口110が形成されている。使用前の状態では、インク供給口110はフィルムによって封止されていてもよい。第1の側面102と底面104とが交わる位置(すなわち筐体101の下端のコーナー部)には、斜面状の基板設置部105が形成されている。基板200は、この基板設置部105に取り付けられている。なお、基板設置部105は、第1の側面102の下端近傍に設けられていると考えることも可能である。第1の側面102に対向する第2の側面103には、カートリッジ100をカートリッジ装着部1100に固定するための係合突起150が設けられている。第1の側面102は、印刷装置1000(図1)に装着する際に、手前側(−Y方向)を向く面である。従って、第1の側面102を「前端面」又は「前面」とも呼ぶ。また、第2の側面103を「後端面」又は「背面」とも呼ぶ。このカートリッジ100をカートリッジ装着部1100(図1)に装着する際の装着方向SDは、−Z方向(鉛直下向き方向)である。
【0023】
図3(A)は、基板200の表面の構成を示している。基板200の表面は、カートリッジ100に基板200が実装されたときに外側に露出する面である。図3(B)は、基板200を側面から見た図を示している。基板200の上端部には、基板設置部105に設けられた突起に基板200を固定するためのボス溝201が形成され、基板200の下端部には、ボス穴202が形成されている。
【0024】
図3(A)における矢印SDは、カートリッジ装着部1100へのカートリッジ100の装着方向を示している。この装着方向SDは、図2に示すカートリッジの装着方向(−Z方向)と一致する。基板200は、裏面に、記憶装置203を有しており、表面には10個の端子210〜300からなる端子群が設けられている。記憶装置203は、カートリッジ100のインクに関する情報(例えばインク残量)やカートリッジ100の型番、製造番号等を格納する不揮発性の半導体メモリーである。端子210〜290は、略矩形状に形成され、装着方向SDと略垂直な列を2列形成するように配置されている。2つの列のうち、装着方向SDの手前側の列(図3(A)における上側に位置する列)を上側列R1(第1列)と呼び、装着方向SDの奥側の列(図3(A)における下側に位置する列)を下側列R2(第2列)と呼ぶ。なお、これらの列R1,R2は、印刷装置1000側に設けられた装置側端子との接触部cpによって形成される列であると考えることも可能である。
【0025】
以下では、上側列R1を形成する端子210〜240と、下側列R2を形成する端子250〜290と、を次のようにも呼ぶ。
<上側列R1>
(1)端子210・・・装着検出端子210
(2)端子220・・・リセット端子220
(3)端子230・・・クロック端子230
(4)端子240・・・装着検出端子240
<下側列R2>
(5)端子250・・・高電圧端子250
(6)端子260・・・電源端子260
(7)端子270・・・接地端子270
(8)端子280・・・データ端子280
(9)端子290・・・高電圧端子290
【0026】
装着検出端子210,240は、対応する装置側端子との電気的接触の良否を検出する際に使用されるものである。装着検出端子210と装着検出端子240とは、基板200内(あるいは基板200の裏面)において配線を介して互いに接続されている。なお、2つの装着検出端子210,240を接続する配線の一部は抵抗に置き換えてもよい。なお、2つの端子が配線により接続されている状態を、「短絡接続」又は「導線接続」とも呼ぶ。配線による短絡接続は、意図しない短絡とは異なる接続状態である。
【0027】
高電圧端子250,290は、カートリッジ100内のセンサー108に電気的に接続された端子であり、印刷装置1000側から高電圧が印加される端子である。
【0028】
端子220,230,260,270,280は、記憶装置203に電気的に接続された端子であり、「メモリー端子」とも呼ぶ。メモリー端子が接続される記憶装置203は、アドレス端子を持たず、印刷装置1000からクロック端子230を通じて入力されるクロック信号のパルス数と、印刷装置1000からデータ端子280を通じて入力されるコマンドデータとに基づいてアクセスするメモリセルが決定される。そして、入力されたクロック信号に同期して、データ端子280よりデータを受信し、もしくは、データ端子280からデータを送信する。電源端子260と接地端子270には、印刷装置1000から電源電圧(例えば定格3.3V)と接地電圧(0V)がそれぞれ供給される。リセット端子220は、印刷装置1000から記憶装置203にリセット信号を供給するために用いられる。
【0029】
本実施例では、上述した略矩形状の9つの端子210〜290の周囲を囲むように、比較的大きな露出面を有する端子300が設けられている。この端子300は、端子210〜290のうち、端子250(高電圧端子250)に電気的に接続され、他の端子210,220,230,240,260,270,280,290とは電気的に絶縁された状態に配置されている。以下、この端子300を、位置ズレ検出端子300とも呼ぶ。位置ズレ検出端子300は、高電圧端子250,290を除く端子(メモリー端子220,230,260,270,280および装着検出端子210,240)に対応する装置側端子との接触状態に基づき、カートリッジ100が適正にカートリッジ装着部1100に装着されているかを判断するために用いられる。基板200上の各端子と位置ズレ検出端子300との間隔は、これらが絶縁可能な距離であればよく、例えば、0.5〜2.0mmとすることができる。
【0030】
複数の端子210〜290のそれぞれは、その中央部に、複数の装置側端子のうちの対応する端子と接触する接触部cpを含んでいる。上側列R1を形成する端子210〜240の各接触部cpと、下側列R2を形成する端子250〜290の各接触部cpは、互い違いに配置され、いわゆる千鳥状の配置を構成している。また、上側列R1を形成する端子210〜240と、下側列R2を形成する端子250〜290も、互いの端子中心が装着方向SDに並ばないように、互い違いに配置され、千鳥状の配置を構成している。
【0031】
上側列R1の2つの装着検出端子210,240の各接触部は、上側列R1の両端部に、すなわち、上側列R1の最も外側にそれぞれ配置されている。また、下側列R2の2つの装着検出端子250,290の各接触部は、下側列R2の両端部に、すなわち、下側列R2の最も外側にそれぞれ配置されている。メモリー端子220,230,260,270,280の接触部は、複数の端子210〜290の全体が配置されている領域内の略中央に集合して配置されている。また、2つの装着検出端子210,240および2つの高電圧端子250,290の接触部は、メモリー端子220,230,260,270,280の集合の四隅に配置されている。
【0032】
図4は、カートリッジ装着部1100内に設けられている接点機構1400の斜視図である。接点機構1400は、基板200上の各端子210〜290と印刷装置1000内の制御回路とを電気的に接続するための部材である。この接点機構1400には、複数の電気接触部材510〜590が設けられている。これらの複数の電気接触部材510〜590は、基板200の端子210〜290に対応する装置側端子に相当する。ただし、位置ズレ検出端子300に対応する端子は接点機構1400には設けられていない。装置側端子510〜590のそれぞれは、弾性変形可能な部材(弾性部材)で形成されており、カートリッジ100が装着された状態で基板200を上方に付勢する。なお、下端列の中央の端子570は、他の端子よりも上方への突出高さが大きい。従って、カートリッジ100がカートリッジ装着部1100内に装着される際には、この端子570が他の装置側端子よりも早く基板の端子に接触する。換言すれば、基板200の端子210〜290(図3)のうちで、接地端子270が他の端子よりも早く装置側端子に接触する。
【0033】
図5は、カートリッジ装着部1100内にカートリッジ100が装着された状態を示している。この状態では、接点機構1400の装置側端子510〜590が、カートリッジ100の基板200によって押し下げられており、装置側端子510〜590全体がカートリッジ100を上方に付勢している。また、カートリッジ100の第2の側面103に設けられた係合突起150は、カートリッジ装着部1100の係合穴1150に挿入されている。更に、カートリッジ100の第1の側面102に設けられたレバー160の係合突起162が、カートリッジ装着部1100の係合部材1160の下面に係合している。なお、レバー160は、弾性材料で形成されており、図5の右側に向かってレバー160を戻すような曲げ応力が生じている。この係合突起162と係合部材1160との係合により、カートリッジ100が上方に押し出されることが防止されている。カートリッジ100をカートリッジ装着部1100に装着する際には、まず、カートリッジ100の第1の側面102に設けられた係合突起150がカートリッジ装着部1100の係合穴1150に挿入される。その後、この係合突起150を支点としてカートリッジ100の前端側(前端面102の側)が下方に押し下げされると、カートリッジ100の前端面102に設けられたレバー160の係合突起162がカートリッジ装着部1100の係合部材1160の下面に係合して、装着が完了する。
【0034】
カートリッジ100が適正に装着された状態では、接点機構1400の装置側端子510〜590(図4)と、カートリッジ100の基板200の端子210〜290(図3)とが互いに良好な接触状態で接触する。また、カートリッジ100のインク供給口110は、印刷ヘッド1050のインク供給管1080に連結される。但し、カートリッジ100の装着を容易にするために、カートリッジ装着部1100内には多少の遊びがあり、カートリッジ100は多少傾いた状態で挿入される場合がある。カートリッジ100が傾いた状態で装着されると、装置側端子510〜590が対応する端子210〜290に適切に接触されず、接触部cpに位置ズレが生じることがある。そこで、本実施例では、以下に説明する構成及び処理によって、カートリッジ100が適正に装着されているか否かの検出を行う。
【0035】
図6は、カートリッジ100の基板200と印刷装置1000との電気的構成を示すブロック図である。印刷装置1000は、表示パネル430と、操作パネル450と、電源回路440と、主制御回路400と、サブ制御回路500とを備えている。サブ制御回路500は、内部に、メモリー制御回路501とセンサー関連処理回路503とを備えている。主制御回路400と電源回路440とは、図1に示した制御ユニット1040内に含まれており、サブ制御回路500は、キャリッジ1030に設けられている。そのため、制御ユニット1040(主制御回路400および電源回路440)とサブ制御回路500とは、図1に示したフレキシブルケーブル1070を介して接続されている。なお、主制御回路400と、サブ制御回路500とは、本願の「検出部」に相当するものであり、これらを、まとめて、「制御回路」と呼ぶことも可能である。
【0036】
主制御回路400は、CPU410と、メモリー420とを有している。CPU410は、メモリー420に記憶された所定の制御プログラムを実行することで、主走査送り機構や副走査送り機構、ヘッド駆動機構を用いた印刷機能を実現する。また、CPU410は、メモリー420に記憶された所定の制御プログラムを実行することで、カートリッジ装着部1100へのカートリッジ100の装着状態を検出する機能を実現する。装着状態を検出するための具体的な処理内容(装着状態検出処理)については後述する。
【0037】
表示パネル430は、主制御回路400からの指示に応じて、印刷装置1000の動作状態や、カートリッジ100の装着状態などの各種の通知を表示する表示装置である。操作パネル450は、印刷に関する操作やカートリッジ100の装着作業に関する操作をユーザーから受け付けるための入力装置である。
【0038】
電源回路440は、第1の電源電圧VDDを生成する第1電源441と、第2の電源電圧VHVを生成する第2電源442とを有している。第1の電源電圧VDDは、ロジック回路に用いられる通常の電源電圧(定格3.3V)である。第2の電源電圧VHVは、印刷ヘッド1050を駆動してインクを吐出させるために用いられる高い電圧(例えば定格42V)である。これらの電圧VDD,VHVは、サブ制御回路500に供給され、また、必要に応じて他の回路にも供給される。
【0039】
メモリー制御回路501は、主制御回路400からの指示に応じて、基板200上の記憶装置203に対するデータの書き込みや読み込みを制御する機能と、センサー関連処理回路503とともにカートリッジ100の装着状態の検出を行うための機能(装着状態検出機能)とを有している。メモリー制御回路501には、基板200上のメモリー端子220,230,260,270,280に対応する装置側端子520,530,560,570,580(図4)が接続されている。メモリー制御回路501は、主制御回路400からの指令に応じて、装置側端子520,530,560,570,580をそれぞれ個別に、接続、接地、開放(ハイ・インピーダンス)、の3つ状態に切り換える機能を有している。
【0040】
センサー関連処理回路503には、基板200上の装着検出端子210,240に対応する装置側端子510,540(図4)と、高電圧端子250,290に対応する装置側端子550,590(図4)とが接続されている。センサー関連処理回路503は、主制御回路400からの指示に応じて、装置側端子510,540,550,590をそれぞれ個別に、接続、接地、開放(ハイ・インピーダンス)、の3つ状態に切り換える機能を有している。
【0041】
センサー関連処理回路503は、主制御回路400から指示に応じて、メモリー制御回路501とともにカートリッジ100の装着状態の検出を行う機能(装着状態検出機能)と、基板200上の装着検出端子210,240を用いてカートリッジ100の装着の有無を検出する機能(装着有無検出機能)と、カートリッジ100のセンサー108を用いてインク残量の検出を行う機能(残量検出機能)と、を備えている。残量検出機能と装着有無検出機能とは、装着状態検出機能によって、カートリッジ100がカートリッジ装着部1100に正常に装着されていることが検出された後に実行される機能である。
【0042】
センサー関連処理回路503の装着有無検出機能では、センサー関連処理回路503は、基板200の装着検出端子210,240の一方に所定の電圧を印加し、他方からその電圧がそのまま出力されたか否かを検出する。こうすることで、カートリッジ100がカートリッジ装着部1100に装着されているか否かを判断することができる。
【0043】
図7は、センサー関連処理回路503の残量検出機能においてセンサー108に印加される電圧波形の一例を示すタイミングチャートである。センサー関連処理回路503は、インク残量検出時において、液量検査信号DSを高電圧端子250(または高電圧端子290)に印加する。そうすると、この液量検査信号DSは、センサー108を構成する圧電素子の一方の電極に供給される。液量検査信号DSの最大電圧は例えば、第2の電源電圧VHVに基づき生成された約36Vであり、最小電圧は約4Vである。液量検査信号DSがセンサー108に印加されると、センサー108の圧電素子はカートリッジ100内のインクの残量に応じて振動し、振動によって発生した逆起電圧が液量応答信号RSとして圧電素子から他方の高電圧端子290(または高電圧端子250)を介してセンサー関連処理回路503に送信される。液量応答信号RSは、圧電素子の振動数に対応する周波数を有する振動成分を含んでいる。センサー関連処理回路503は、この液量応答信号RSの周波数を測定することによって、インク残量が所定量以上であるか否かを検出することができる。
【0044】
図8は、カートリッジ装着部にカートリッジが良好に装着されているか否かを確認するための装着状態検出処理のフローチャートである。この装着状態検出処理は、主制御回路400のCPU410によって実行される処理であり、印刷装置1000の電源が投入された際や、カートリッジ100が交換された際に、カートリッジ装着部1100に装着されたカートリッジ100毎に実行される。なお、カートリッジ100が交換されたか否かは、カートリッジ100の交換作業が完了した旨の操作を操作パネル450を通じてユーザーから受け付けることで判断することができる。
【0045】
この装着状態検出処理が開始されると、まず、CPU410は、センサー関連処理回路503を制御して、高電圧端子250に対応する装置側端子550を接続状態にし、高電圧端子290に対応する装置側端子590を開放状態(ハイ・インピーダンス状態)にする(ステップS100)。
【0046】
続いて、CPU410は、メモリー制御回路501およびセンサー関連処理回路503を制御して、メモリー端子220,230,260,270,280に対応する装置側端子520,530,560,570,580、および、装着検出端子210,240に対応する装置側端子510,540の中から選択したいずれか一つの装置側端子を接続状態にし、他の装置側端子を開放状態にする(ステップS105)。他の装置側端子を開放状態にするのは、意図しない電圧が基板上の端子を通じてメモリー制御回路501やセンサー関連処理回路503に回り込むことを防止するためである。
【0047】
次に、CPU410は、メモリー制御回路501を制御して、ステップS105で接続状態にされた装置側端子に所定の電圧(例えば、第1の電源電圧VDD)を印加する(ステップS110)。そして、その電圧が、高電圧端子250に対応する装置側端子550を通じて出力されたか否かをセンサー関連処理回路503を用いて検出する(ステップS115)。本来、カートリッジ100がカートリッジ装着部1100に対して正常に装着されていれば、メモリー端子220,230,260,270,280に対応する装置側端子520,530,560,570,580および装着検出端子210,240に対応する装置側端子510,540が、位置ズレ検出端子300に接触することはない。しかし、カートリッジ100がカートリッジ装着部1100に対して傾いて装着されているような状況では、装置側端子と基板上の端子との接触部cpに位置ズレが生じ、装置側端子520,530,560,570,580,510,540と基板200上の位置ズレ検出端子300とが接触することがある。そうすると、位置ズレ検出端子300は、基板200上の高電圧端子250と導通しているため、ステップS110で印加した電圧が、その印加先の装置側端子と、位置ズレ検出端子300と、高電圧端子250とを通じて、高電圧端子250に対応する装置側端子550から検出される。よって、ステップS115において、電圧が検出された場合には、カートリッジ100の装着状態が異常であると判断することができる。そこで、CPU410は、表示パネル430に、カートリッジ100の再装着を促すエラーメッセージを表示し(ステップS120)、当該装着状態検出処理を異常終了させる。
【0048】
一方、ステップS115において、高電圧端子250に対応する装置側端子550から電圧が検出されなかった場合には、現時点で電圧を印加している装置側端子が基板200上の対応する端子に正常に接触していると判断することができる。そこで、CPU410は、他の装置側端子について電圧の印加が終了したかを判断する(ステップS125)。他の装置側端子について電圧の印加が終了していなければ、処理をステップS105に戻して、他の装置側端子に対して電圧の印加を行う。一方、他の装置側端子について電圧の印加が終了すれば、電圧を印加した全ての装置側端子が、対応する基板200上の端子に正常に接触していることになる。よって、この場合には、CPU410は、当該装着状態検出処理を正常終了させる。
【0049】
以上で説明した本実施例の印刷装置1000によれば、基板200上のメモリー端子220,230,260,270,280や装着検出端子210,240の周囲に位置ズレ検出端子300を配置し、位置ズレ検出端子300と高電圧端子250との導通を検出することで、カートリッジ100の装着状態を確認することができる。そのため、カートリッジ100が良好に装着されていることを確認した後に、センサー108を用いたインク残量の検出や、記憶装置203へのアクセス、カートリッジ100の装着有無の検出を行うことができる。この結果、接触不良によって記憶装置203に誤作動が生じることや、センサー108に印加するための高電圧が記憶装置203に印加されてしまうことを抑制することができる。
【0050】
更に、本実施例では、基板200上のメモリー端子および装着検出端子に対応する装置側端子毎に、個別に、位置ズレ検出端子300との接触状態を検出することとしたため、精度良く、カートリッジ100の装着状態の確認を行うことができる。よって、例えば、記憶装置203のリセット端子220に対応する装置側端子520だけが位置ズレ検出端子300と接触しているような場合に、誤って、記憶装置203が動作してしまうような現象等を抑制することができる。
【0051】
また、本実施例では、基板200上のメモリー端子および装着検出端子のすべてについて、その周囲全体を位置ズレ検出端子300によって囲むこととしたため、カートリッジ100がどのような方向にずれて装着されたとしても、精度良く、その装着状態を検出することができる。
【0052】
なお、本実施例では、基板200上のメモリー端子および装着検出端子に対応する装置側端子について位置ズレ検出端子300との接触を検出することとしたが、装着検出端子に対応する装置側端子と位置ズレ検出端子300との接触の検出は省略することとしてもよい。また、メモリー端子に対応する装置側端子の全てについて位置ズレ検出端子300との接触を検出するのではなく、例えば、接地端子270やリセット端子220に対応する装置側端子については、位置ズレ検出端子300との接触の検出を省略することとしてもよい。これらの変形例については、以下の第2実施例や第3実施例でも同様に適用可能である。
【0053】
B.第2実施例:
上述した第1実施例では、基板200上のメモリー端子および装着検出端子に対応する装置側端子毎に位置ズレ検出端子300との接触状態を検出した。これに対して、第2実施例では、基板200上のメモリー端子および装着検出端子に対応する装置側端子と位置ズレ検出端子300との接触状態をまとめて検出する。本実施例における印刷装置1000、カートリッジ100および基板200の構成は第1実施例と同様である。
【0054】
図9は、第2実施例において実行される装着状態検出処理のフローチャートである。この装着状態検出処理が開始されると、まず、CPU410は、センサー関連処理回路503を制御して、高電圧端子250に対応する装置側端子550を接続状態にし、高電圧端子290に対応する装置側端子590を開放状態(ハイ・インピーダンス状態)にする(ステップS200)。
【0055】
続いて、CPU410は、メモリー制御回路501およびセンサー関連処理回路503を制御して、メモリー端子220,230,260,270,280に対応する装置側端子520,530,560,570,580、および、装着検出端子210,240に対応する装置側端子510,540を全て接続状態にする(ステップS205)。
【0056】
次に、CPU410は、ステップS205で接続状態とした全ての端子に、所定の電圧(例えば、第1の電源電圧VDD)を印加する(ステップS210)。そして、その電圧が、高電圧端子250に対応する装置側端子550を通じて検出されたか否かをセンサー関連処理回路503を用いて判断する(ステップS215)。装置側端子550を通じて電圧が検出された場合には、ステップS205で接続状態としたいずれかの装置側端子と位置ズレ検出端子300とが短絡していることになるため、カートリッジ100の装着状態が異常であると判断することができる。そこで、CPU410は、表示パネル430に、カートリッジ100の再装着を促すエラーメッセージを表示し(ステップS120)、当該装着状態検出処理を異常終了させる。装置側端子550を通じて電圧が検出されなかった場合には、いずれの装置側端子も位置ズレ検出端子300に短絡していないことになるため、カートリッジ100の装着状態は正常であると判断することができる。よって、この場合には、CPU410は、当該装着状態検出処理を正常終了させる。
【0057】
以上で説明した第2実施例によれば、装置側端子と位置ズレ検出端子300との接触状態をまとめて検出することができるため、装着状態検出処理を短時間に完了させることが可能になる。
【0058】
C.第3実施例:
上述した第1実施例および第2実施例では、基板200上のメモリー端子と装着検出端子とに対応する装置側端子に対して電圧を印加し、これを、高電圧端子250を通じて検出することで、カートリッジ100の装着状態を検出している。これに対して、第3実施例では、高電圧端子250を通じて高電圧を基板200に印加することで、カートリッジ100の装着状態を検出する。
【0059】
図10は、第3実施例における印刷装置1000の電気的構成を示すブロック図である。この図10では、図6に示した構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付している。図10に示すように、本実施例では、サブ制御回路500のセンサー関連処理回路503と装置側端子550との間の配線に、過電流検出回路505が直列的に設けられている。過電流検出回路505は、センサー関連処理回路503から装置側端子550に流れる電流を監視し、電圧の印加に伴って過電流が流れることを防止するための回路である。
【0060】
図11は、第3実施例において実行される装着状態検出処理のフローチャートである。この装着状態検出処理が開始されると、まず、CPU410は、センサー関連処理回路503を制御して、高電圧端子250に対応する装置側端子550を接続状態にし、高電圧端子290に対応する装置側端子590を開放状態(ハイ・インピーダンス状態)にする(ステップS300)。
【0061】
続いて、CPU410は、センサー関連処理回路503およびメモリー制御回路501を制御して、メモリー端子220,230,260,270,280に対応する装置側端子520,530,560,570,580、および、装着検出端子210,240に対応する装置側端子510,540を全て接地する(ステップS305)。
【0062】
次に、CPU410は、センサー関連処理回路503を制御して、高電圧端子250に対応する装置側端子550に高電圧(例えば、第2の電源電圧VHV)を印加する(ステップS310)。そして、過電流検出回路505によって過電流が検出されたか否かを判断する(ステップS315)。仮に、位置ズレ検出端子300にメモリー端子および装着検出端子に対応する装置側端子のいずれかが接触していれば、これらの装置側端子はすべて接地されているため、基板200には、高電圧端子250およびこれに接続された位置ズレ検出端子300を通じて過電流が流れることになる。そのため、ステップS315で過電流が検出された場合には、カートリッジ100の装着状態が異常であると判断できる。そこで、CPU410は、表示パネル430に、カートリッジ100の再装着を促すエラーメッセージを表示し(ステップS320)、当該装着状態検出処理を異常終了させる。過電流が検出されなかった場合には、いずれの装置側端子も位置ズレ検出端子300に接触していないことになるため、カートリッジ100の装着状態は正常であると判断することができる。よって、この場合には、CPU410は、当該装着状態検出処理を正常終了させる。
【0063】
以上で説明した第3実施例によれば、基板200に高電圧を印加し、過電流が流れるか否かに応じて、カートリッジ100の装着状態を検出することが可能になる。また、既に、高電圧が出力される配線に過電流検出回路505が実装されている印刷装置1000については、ハードウェア的な修正を加えることなく、上記装着状態検出処理をソフトウェア的に実行するだけで、装着状態の検出を行うことが可能になる。なお、本実施例では、過電流検出回路505がセンサー関連処理回路503とは別個に設けられている例を示したが、センサー関連処理回路503が過電流検出回路505を内蔵している構成としてもよい。
【0064】
D.変形例:
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができる。例えば、以下のような変形が可能である。
【0065】
・変形例1:
上記各実施例では、基板200上の位置ズレ検出端子300は、メモリー端子220,230,260,270,280と装着検出端子210,240の周囲全体に設けられ、高電圧端子250に電気的に接続されている。しかし、位置ズレ検出端子300は、このような態様に限らず、様々な態様を採ることが可能である。
【0066】
図12は、位置ズレ検出端子の第2の態様を示す図である。図12に示した位置ズレ検出端子300aは、上記実施例と同様に、基板200a上のメモリー端子220,230,260,270,280と装着検出端子210,240の周囲全体に設けられているが、高電圧端子250ではなく、高電圧端子290に接続されている。本態様の場合、上述した第1実施例および第2実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子290を用いて装着状態の検出(電圧の検出)を行い、第3実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子290に対して高電圧を印加する。
【0067】
図13は、位置ズレ検出端子の第3の態様を示す図である。図13に示した位置ズレ検出端子300bは、基板200b上の上側列のクロック端子230と装着検出端子240の上側および横側を囲み、また、下側列のデータ端子280の下側および横側を囲むように設けられている。そして、この位置ズレ検出端子300bは、上述した第2の態様と同様に、高電圧端子290に導通している。このような態様では、上述した第1実施例および第2実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子290を用いて装着状態の検出(電圧の検出)を行い、第3実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子290に対して高電圧を印加する。ただし、第1実施例および第2実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、メモリー端子および装着検出端子のうち、位置ズレ検出端子300bの隣接しない端子210,260については、電圧の印加を省略することとしても良い。これらの端子210,260に対応する装置側端子が位置ズレ検出端子300bに接触することはほとんどないと考えられるからである。
【0068】
図14は、位置ズレ検出端子の第4の態様を示す図である。図14に示した位置ズレ検出端子300cは、基板200c上の上側列の装着検出端子210の上側および横側を囲み、また、下側列の電源端子260の下側および横側を囲むように設けられている。そして、この位置ズレ検出端子300cは、高電圧端子250に導通している。このような態様では、第1〜3実施例の装着状態検出処理はすべてそのまま適用可能である。ただし、第1実施例および第2実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、メモリー端子および装着検出端子のうち、位置ズレ検出端子300cに隣接しない端子230,240,280については、電圧の印加を省略することとしても良い。
【0069】
図15は、位置ズレ検出端子の第5の態様を示す図である。図15には、基板200d上に複数の位置ズレ検出端子300d1,300d2が設けられている例を示した。位置ズレ検出端子300d1は、装着検出端子210の上側および横側と電源端子260の下側および横側を囲むように設けられており、高電圧端子250に導通している。一方、位置ズレ検出端子300d2は、クロック端子230と装着検出端子240の上側および横側とデータ端子280の下側および横側を囲むように設けられており、高電圧端子290に導通している。このような態様では、第1実施例および第2実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子250と高電圧端子290とのそれぞれについて、対応する端子との短絡の有無を検出する。また、第3実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子250と高電圧端子290とのそれぞれについて、高電圧を印加し、対応する端子に過電流が流れるかを検出する。なお、本態様において、高電圧端子250に対応する端子とは、装着検出端子210と電源端子260であり、高電圧端子290に対応する端子とは、クロック端子230と装着検出端子240とデータ端子280である。
【0070】
図16は、位置ズレ検出端子の第6の態様を示す図である。図16についても、図15と同様に、基板200e上に複数の位置ズレ検出端子300e1,300e2が設けられている例を示した。位置ズレ検出端子300e1は、上側列の装着検出端子210、リセット端子220、クロック端子230、および、装着検出端子240の上側および横側を囲むように配置され、高電圧端子290に導通している。一方、位置ズレ検出端子300e2は、下側列の電源端子260、接地端子270、および、データ端子280の下側および横側を囲むように配置され、高電圧端子250に導通している。このような態様では、第1実施例および第2実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子250と高電圧端子290とのそれぞれについて、対応する端子との短絡の有無を検出する。また、第3実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子250と高電圧端子290とのそれぞれについて、高電圧を印加し、対応する端子に過電流が流れるかを検出する。なお、本態様において、高電圧端子250に対応する端子とは、装着検出端子210とリセット端子220とクロック端子230と装着検出端子240であり、高電圧端子290に対応する端子とは、電源端子260と接地端子270とデータ端子280である。
【0071】
図17は、位置ズレ検出端子の第7の態様を示す図である。図17に示した位置ズレ検出端子300fは、基板200f上の上側列の端子210,220,230,240のそれぞれの横側および下側を囲み、下側列の端子260,270,280のそれぞれの横側および上側を囲むように配置されている。そして、この位置ズレ検出端子300fは、高電圧端子250に導通している。このような態様においては、第1〜3実施例の装着状態検出処理はそのまま適用可能である。なお、図17に示した例では、位置ズレ検出端子300fは、高電圧端子250に導通しているが、高電圧端子290に導通していることとしてもよい。この場合、上述した第1実施例および第2実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子290を用いて装着状態の検出(電圧の検出)を行い、第3実施例の装着状態検出処理を適用する場合には、高電圧端子290に対して高電圧を印加する。
【0072】
図18は、位置ズレ検出端子の第8の態様を示す図である。図18には、カートリッジ装着部1100に装着される4つ分のカートリッジに共通して用いることが可能な共通基板200gを示した。この共通基板200gは、4個分のカートリッジに対応した4つの小基板部301〜304を、連結基板部305で連結した形状を有している。複数の小基板部301〜304の間にはカートリッジ装着部1100内に設けられたリブを跨ぐためのギャップGが存在する。個々の小基板部内には、図3に示した基板200上の端子と同様の配置で各端子210〜300が配置されている。なお、個々の小基板部内に、図12〜17に示した配置で各端子を配置することも可能であり、小基板部毎に異なる配置を採用することも可能である。
【0073】
この共通基板200gを、図1に示したカートリッジ装着部1100に装着すれば、共通基板200gの4組の端子群と、カートリッジ装着部1100内の4カートリッジ分の装置側端子群とを同時に接続することができる。共通基板200gを用いる場合には、インク収容体(インク収容容器)を、共通基板200gとは別個にカートリッジ装着部1100に装着させることも可能である。また、カートリッジ装着部1100以外の位置に複数のインク収容体を設置し、これらのインク収容体からチューブを介してキャリッジ1030の印刷ヘッド1050にインクを供給することも可能である。また、1つのインク収容体の内部が複数のインク色を収容する複数のインク収容室に分割されている複数色一体型カートリッジに、共通基板200gを利用することも可能である。
【0074】
このように、共通基板200gを利用する場合にも、個々の小基板部に設けられた位置ズレ検出端子300を個別に用いることで、小基板部毎に、装着状態を検出することが可能になる。また、例えば、個々の小基板部に設けられた位置ズレ検出端子300をすべて電気的に接続することで、共通基板200gの装着状態を一括して検出することも可能である。なお、本願において、単に「基板」という場合には、カートリッジ装着部における1個のカートリッジ装着位置(1つの収容スロット)に対応する基板部材を意味している。すなわち、図18の場合には、複数の小基板部301〜304のそれぞれが「基板」に該当する。
【0075】
・変形例2:
上述した各実施例における基板の端子や接触部の配列は、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態の基板では、複数の端子やそれらの接触部が、カートリッジの装着方向に垂直な方向に沿った互いに平行な2つの列に配置されているが、この代わりに、カートリッジの装着方向に平行な方向に沿った2つの列に配置されていてもよい。また、2列でなく、3列以上に分かれて配置されていてもよい。また、記憶装置用の複数の端子の種類や配列も、上記以外の種々の変形が可能である。例えば、リセット端子は省略可能である。
【0076】
・変形例3:
上記各実施例では、カートリッジに搭載される高電圧回路として、圧電素子を有するセンサー108が使用されている。しかし、高電圧回路は、これに限らず、記憶装置203の電源電圧(動作電圧)よりも高い電圧が印刷装置1000から印加される回路であればどの様な回路であっても構わない。例えば、センサー108に代えて、所定の抵抗値を有する抵抗器を実装することとしてもよい。このように、カートリッジの高電圧端子250と高電圧端子290との間に抵抗器が実装されていれば、その抵抗器を流れる電流の電流値を測定することで、印刷装置1000側で、カートリッジの有無、あるいは、種類を判別することが可能になる。また、抵抗器以外にも、LED等の発光素子が高電圧回路に含まれていても構わない。
【0077】
・変形例4:
上記各実施例では、記憶装置203の接地端子270がメモリー制御回路501に接続されている。しかし、この接地端子270はメモリー制御回路501ではなく、印刷装置1000内の接地電位に直接接続されていることとしてもよい。この場合、上述した第1実施例や第2実施例の装着状態検出処理では、接地端子270に対する電圧の印加を省略することができる。
【0078】
・変形例5:
上記各実施例では、カートリッジ100の内部に、インク室120が設けられている。これに対して、カートリッジ100からインク室120を分離させる態様も可能である。
図19は、カートリッジからインク室を分離させる第1の態様を示す斜視図である。このカートリッジ100cは、インク収容部100Bcと、アダプター100Acとに分離されている。このカートリッジ100cは、図2のカートリッジ100と互換性を有するものである。インク収容部100Bcは、インクを収容するインク室120Bcと、インク供給口110cとを有している。インク供給口110cは、筐体101Bcの底面に形成されており、インク室120Bcに連通している。
【0079】
アダプター100Acは、その上部に開口106cが設けられており、その内部にインク収容部100Bcを受け入れる空間が形成されている点で、図2のカートリッジ100の外形と異なるだけであり、他の点では図2のカートリッジ100とほぼ同じ外形を有している。すなわち、アダプター100Acは、全体として略直方体の形状を有しており、その外面は、直交する6面のうちの天井面(上端面)を除く5つの面と、下端のコーナー部に設けられた斜面状の基板設置部105cとで構成されている。アダプター100Acの第1の側面(前端面)102cには、レバー160cが設けられており、レバー160cには係合突起162cが設けられている。アダプター100Acの底面104cには、カートリッジ装着部1100に装着されたときに、カートリッジ装着部1100のインク供給管1080を通過させる開口108cが形成されている。インク収容部100Bcがアダプター100Acの中に収められた状態では、インク収容部100Bcのインク供給口110cが、カートリッジ装着部1100のインク供給管1080に接続される。アダプター100Acの第1の側面102cの下端近傍には、斜面状の基板設置部105cが形成されており、この基板設置部105cに基板200が設置されている。第1の側面102cに対向する第2の側面(後端面)103cには、係合突起150cが設けられている。
【0080】
このカートリッジ100cを使用する場合には、インク収容部100Bcをアダプター100Acと組み合わせた状態で、両者をカートリッジ装着部1100に同時に装着する。あるいは、まずアダプター100Acをカートリッジ装着部1100に装着し、その後に、インク収容部100Bcをアダプター100Ac内に装着してもよい。後者の場合には、アダプター100Acをカートリッジ装着部2100に装着したままで、インク収容部100Bcのみの脱着が可能である。
【0081】
図20は、カートリッジからインク室を分離させる第2の態様を示す斜視図である。このカートリッジ100dも、インク収容部100Bdとアダプター100Adとに分離されている。このアダプター100Adは、第1の側面102dと、底面104dと、第1の側面102dに対向する第2の側面103dと、第1の側面102dの下端近傍に設けられた斜面状の基板設置部105dとで構成されている。図19に示したカートリッジとの主な差違は、図20のアダプター100Adでは、第1及び第2の側面102d、103dと底面104dとに交わる2つの側面(最も大きな側面)を構成する部材が存在しない点である。第1の側面102dには、レバー160dが設けられており、レバー160dには係合突起162dが形成されている。第2の側面103dにも係合突起150dが形成されている。インク収容部100Bdは、インクを収容するインク室120Bdと、インク供給口110dと、を有している。このカートリッジ100dも、図19のカートリッジ100cとほぼ同様の方法で使用可能である。
【0082】
図21は、カートリッジからインク室を分離させる第3の態様を示す斜視図である。このカートリッジ100eも、インク収容部101Beとアダプター100Aeとに分離されている。このアダプター100Aeは、第1の側面102eと、第1の側面102eに対向する第2の側面103eと、第1と第2の側面102e,103eの間に設けられた第3の側面107eと、第1の側面102dの下端近傍に設けられた斜面状の基板設置部105dとで構成されている。インク収容部100Beは、インクを収容するインク室120Beと、インク供給口110eと、を有している。インク収容部100Beの底面104eは、図2に示したカートリッジ100aの底面104aとほぼ同じ形状を有している。このカートリッジ100eも、図19及び図20のカートリッジ100c,100dとほぼ同様の方法で使用可能である。
【0083】
上述した図19〜図21の例から理解できるように、カートリッジは、インク収容部(「印刷材収容体」とも呼ぶ)と、アダプターとに分離することも可能である。この場合には、回路基板や高電圧デバイスは、アダプター側に設けられることが好ましい。図19〜図21に示したように、図2のカートリッジ100と互換性のあるアダプターは、係合構造を有するレバーが設けられた第1の側面102c(又は102d,102e)と、第1の側面に対向する第2の側面103c(又は103d,103e)と、第1及び第2の側面の間に設けられた他の面(底面104c,104d、又は、第3の側面107e)と、第1の側面の下端近傍に設けられた基板設置部105c(又は105d,105e)とを有することが好ましい。
【0084】
・変形例6:
上記実施例では、オンキャリッジタイプの印刷装置1000に本発明を適用しているが、本発明は、例えば、オフキャリッジタイプと呼ばれる印刷装置にも適用可能である。図22は、オフキャリッジタイプの印刷装置2000の一例を示す図である。オフキャリッジタイプとは、印刷ヘッドを有するキャリッジ以外の場所に設けられたカートリッジ装着部にカートリッジが装着されるタイプのことをいう。図22に示した印刷装置2000は、印刷装置2000の正面に設けられたカートリッジ装着部2100に、奥行き方向(X方向)にカートリッジが挿入されるタイプである。また、このような態様以外にも、印刷装置の上面に設けられたカートリッジ装着部に、鉛直方向(−Z方向)にカートリッジが装着されるオフキャリッジタイプの印刷装置もある。オフキャリッジタイプの印刷装置では、カートリッジと印刷ヘッドとは例えばチューブによって接続され、このチューブを通じてカートリッジから印刷ヘッドにインクが供給される。
【0085】
・変形例7:
上記実施例では、インクカートリッジに本発明を適用しているが、他の印刷材、例えば、トナーが収容された印刷材収容体(印刷材収容容器)についても同様に本発明を適用可能である。また、本発明は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置及びその液体収容容器にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置及びその液体収容容器に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレー等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーや、面発光ディスプレー (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置
【0086】
なお、「液滴」とは、液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施例で説明したようなインクや、液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
【符号の説明】
【0087】
100…カートリッジ
101…筐体
102…第1の側面
103…第2の側面
104…底面
105…基板設置部
108…センサー
110…インク供給口
120…インク室
150…係合突起
160…レバー
162…係合突起
200…基板
200g…共通基板
201…ボス溝
202…ボス穴
203…記憶装置
210〜290…端子
300…位置ズレ検出端子
301…小基板部
305…連結基板部
400…主制御回路
410…CPU
420…メモリー
430…表示パネル
440…電源回路
441…第1電源
442…第2電源
450…操作パネル
500…サブ制御回路
501…メモリー制御回路
503…センサー関連処理回路
505…過電流検出回路
510〜590…装置側端子
1000,2000…印刷装置
1010…ローラ
1020…キャリッジモータ
1030…キャリッジ
1040…制御ユニット
1050…印刷ヘッド
1060…駆動ベルト
1070…フレキシブルケーブル
1080…インク供給管
1100,2100…カートリッジ装着部
1150…係合穴
1160…係合部材
1200…カバー
1400…接点機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置であって、
印刷材カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、
複数の装置側端子と、
前記印刷材カートリッジの装着状態を検出する検出部と、
前記カートリッジ装着部に取り外し可能に装着される印刷材カートリッジと、を備え、
前記印刷材カートリッジは、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続され、第1の装置側端子に接触可能な第1の端子と、
前記記憶装置の動作電圧よりも高い電圧が印加される電気デバイスに接続され、第2の装置側端子に接触可能な第2の端子と、
前記第1の端子の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記第2の端子に接続された第3の端子と、を備え、
前記検出部は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態における、前記第1の装置側端子と前記第2の装置側端子との電気的な導通状態に基づき、前記印刷材カートリッジの装着状態を検出する、
印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記検出部は、前記第1の装置側端子に所定の電圧を印加し、該所定の電圧に応じた電圧が前記第2の装置側端子から検出されたか否かに応じて前記印刷材カートリッジの装着状態を検出する、印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記印刷材カートリッジは、複数の前記第1の端子を備え、
前記印刷装置は、前記第1の端子の数に応じた複数の前記第1の装置側端子を備え、
前記検出部は、複数の前記第1の装置側端子に対して順番に前記所定の電圧を印加する、印刷装置。
【請求項4】
請求項2に記載の印刷装置であって、
前記印刷材カートリッジは、複数の前記第1の端子を備え、
前記印刷装置は、前記第1の端子の数に応じた複数の前記第1の装置側端子を備え、
前記検出部は、複数の前記第1の装置側端子に対して同時に前記所定の電圧を印加する、印刷装置。
【請求項5】
請求項1に記載の印刷装置であって、
前記検出部は、前記第1の装置側端子を接地させた状態で、前記第2の装置側端子に所定の電圧を印加し、前記第2の装置側端子に過電流が流れたか否かに応じて前記印刷材カートリッジの装着状態を検出する、印刷装置。
【請求項6】
複数の装置側端子を有する印刷装置のカートリッジ装着部に装着可能な印刷材カートリッジであって、
記憶装置と、
前記記憶装置の動作電圧よりも高い高電圧が印加される電気デバイスと、
前記記憶装置に接続され、第1の装置側端子に接触可能な第1の端子と、
前記電気デバイスに接続され、第2の装置側端子に接触可能な第2の端子と、
前記第1の端子の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記第2の端子に接続された第3の端子と、
を備える印刷材カートリッジ。
【請求項7】
複数の装置側端子を有する印刷装置のカートリッジ装着部に装着可能な回路基板であって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続され、第1の装置側端子に接触可能な第1の端子と、
前記記憶装置の動作電圧よりも高い電圧が印加される電気デバイスに接続され、第2の装置側端子に接触可能な第2の端子と、
前記第1の端子の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記第2の端子に接続された第3の端子と、
を備える回路基板。
【請求項8】
印刷材収容体が装着され、複数の装置側端子を有する印刷装置のカートリッジ装着部に装着可能なアダプターであって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続され、第1の装置側端子に接触可能な第1の端子と、
前記記憶装置の動作電圧よりも高い電圧が印加される電気デバイスに接続され、第2の装置側端子に接触可能な第2の端子と、
前記第1の端子の周囲の少なくとも一部に設けられ、前記第2の端子に接続された第3の端子と、
を備えるアダプター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−61706(P2012−61706A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207403(P2010−207403)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】