説明

印刷装置および印刷システムおよび印刷制御プログラム

【課題】
自動両面印刷が不可のページを含む両面印刷を、ユーザの介入を可及的に少なくして実行できるようにした印刷装置および印刷制御プログラムを提供する。
【解決手段】
印刷装置20では、印刷ジョブの各ページに対して自動両面印刷が不可の用紙の指定があるか否かを判定し、自動両面印刷が不可な用紙指定があるページに対しては、1回目の印刷で手差トレイからの給紙により手動片面(裏面)のみの印刷を実行して、自動両面印刷が可能な用紙指定があるページのページ情報および手動両面印刷で未印刷の他の面(表面)に対する印刷に必要なページ情報を一時保存し、その後の2回目の印刷では、上記保存したページ情報に基づき上記自動両面印刷機能を用いて通常の用紙トレイからの給紙により自動両面印刷を実行するとともに、他の面(表面)に対する手差トレイからの給紙による片面印刷(手動両面印刷)を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置および印刷システムおよび印刷制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置には、用紙の第1面に印刷した後、この用紙を自動的に裏返してこの用紙の第2面に印刷を行うようにした自動両面印刷機能を有するものが知られている。
【0003】
この自動両面印刷機能を有する印刷装置においては、第1面に印刷した用紙を裏返すための複雑な用紙経路を備えており、このために、厚紙、不定形の用紙等が指定された場合は、この自動両面印刷機能を用いて印刷することができない。
【0004】
そこで、自動両面印刷機能を用いて印刷することができない用紙指定がある場合に対応する従来技術としては、特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。
【0005】
すなわち、特許文献1には、自動両面印刷が不可なサイズの用紙がセットされていても、手動によって印刷可能なサイズであれば、手動による両面印刷が行えるようし、操作のバリエーションを増やす構成が記載されている。
【0006】
具体的には、両面モードにおける片面印刷であれば、設定給紙口にセットされた用紙の紙サイズが両面自動印刷可能サイズかどうかを確認し、両面自動印刷不可のサイズであればディップスイッチSW1の状態をチェックし、ディップスイッチSW1がオフの場合、紙サイズが自動両面可能なサイズがセットされるまで待ち状態になり、ディップスイッチSW1がオンの場合は、印刷モードを両面印刷モードから片面表面印刷モードに変更し、「手動での両面印刷の表面印刷実行待ち」を表示し、ユーザの手動印刷許可通知を待ち、ユーザからの手動印刷許可通知、例えば、許可の場合コピーボタンを押すような操作を受信したか否かをチェックし、受信した場合は片面モードにて表面印刷を実行し、表面の印刷完了を待つ構成が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、1つのジョブの両面印刷中、反転排出で両面印刷された記録紙と反転せずに片面印刷のみで排出された記録紙とが混在してしまうことを防止できる印刷装置が記載されており、具体的には、両面搬送機構を有する複合機で、両面印刷の指示があった場合、全ての印刷すべき記録紙に対し、両面搬送機構により表裏を反転可能であるか否かを調べ、反転不可能な記録紙が1枚でも存在する場合、全ての記録紙を反転させずに、片面ずつ印刷して排出する手動両面印刷を行う構成が記載されている。
【特許文献1】特開2006−1207号公報
【特許文献2】特開2006−199022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、自動両面印刷が不可のページを含む両面印刷を、ユーザの介入を可及的に少なくして実行できるようにした印刷装置および印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の印刷装置は、印刷指示情報に基づき各ページが自動両面印刷が可能かを各ページ毎に判断する判断手段と、前記判断手段により前記自動両面印刷が不可と判断されたページに対して手動両面印刷により第1面に対する片面印刷を行うように制御する第1の印刷制御手段と、前記第1の印刷制御手段で印刷されなかった前記自動両面印刷が可能なページ情報および前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報を保存する保存手段と、前記保存手段に保存された前記自動両面印刷が可能なページ情報に基づき自動両面印刷を行うとともに、前記保存手段に保存された前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報に基づき前記第2面に対して片面印刷を行うように制御する第2の印刷制御手段とを具備する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記判断手段は、前記印刷指示情報の各ページに付与された用紙情報に基づき前記自動両面印刷が可能かを判断する。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記第1の印刷制御手段は、前記判断手段により前記自動両面印刷が不可と判断されたページで、次ページがあり、かつ該次ページの用紙情報が前ページの用紙情報と同一でない場合は、前記第1面に対して片面印刷するように制御し、次ページがあり、かつ該次ページの用紙情報が前ページの用紙情報と同一の場合は、該次ページをページ面を180度回転して前記第1面に対して片面印刷するように制御する。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記第2の印刷制御手段は、前記保存手段に保存したページ情報と現在のページ情報との比較に基づき前記第2面に対して印刷が必要かを用紙毎に判断する第2の判断手段と、前記第2の判断手段により前記第2面に対して印刷が必要と判断された用紙は、前記保存手段に保存された前記第2面のページ情報に基づき該用紙の第2面の印刷を行い、前記第2面に対して印刷が不要と判断された用紙は、反転してそのまま排出するように制御する。
【0013】
請求項5の発明の印刷システムは、印刷指示装置と、前記印刷指示装置からの印刷指示に基づき印刷を行う印刷装置とを具備し、前記印刷装置は、前記印刷指示装置からの前記印刷指示情報に基づき各ページが自動両面印刷が可能かを各ページ毎に判断する判断手段と、前記判断手段により前記自動両面印刷が不可と判断されたページに対して手動両面印刷により第1面に対する片面印刷を行うように制御する第1の印刷制御手段と、前記第1の印刷制御手段で印刷されなかった前記自動両面印刷が可能なページ情報および前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報を保存する保存手段と、前記保存手段に保存された前記自動両面印刷が可能なページ情報に基づき自動両面印刷を行うとともに、前記保存手段に保存された前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報に基づき前記第2面に対して片面印刷を行うように制御する第2の印刷制御手段とを具備する。
【0014】
請求項6の発明の印刷制御プログラムは、コンピュータを、印刷指示装置からの印刷指示情報に基づき各ページが自動両面印刷が可能かを各ページ毎に判断する判断手段、前記判断手段により前記自動両面印刷が不可と判断されたページに対して手動両面印刷により第1面に対する片面印刷を行うように制御する第1の印刷制御手段、前記第1の印刷制御手段で印刷されなかった前記自動両面印刷が可能なページ情報および前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報を保存する保存手段、前記保存手段に保存された前記自動両面印刷が可能なページ情報に基づき自動両面印刷を行うとともに、前記保存手段に保存された前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報に基づき前記第2面に対して片面印刷を行うように制御する第2の印刷制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、自動両面印刷が不可のページを含む両面印刷を、ユーザの介入を可及的に少なくして実行でき、かつ、自動両面印刷を後から行うことにより用紙ジャムが発生した場合のリカバリを容易に行うことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、自動両面印刷が不可のページを容易に判断することができる。
【0017】
請求3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、自動両面印刷が不可と判断されたページに対して両面印刷を適切に行うことができる。
【0018】
請求4の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、自動両面印刷が不可と判断されたページに対して両面印刷を適切に行うことができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、自動両面印刷が不可のページを含む両面印刷を、ユーザの介入を可及的に少なくして実行でき、かつ、自動両面印刷を後から行うことにより用紙ジャムが発生した場合のリカバリを容易に行うことができる印刷システムを提供することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、自動両面印刷が不可のページを含む両面印刷を、ユーザの介入を可及的に少なくして実行でき、かつ、自動両面印刷を後から行うことにより用紙ジャムが発生した場合のリカバリを容易に行うことができる印刷制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係わる印刷装置および印刷システムおよび印刷制御プログラムの実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明が適用される印刷システムの一実施例を示すブロック図である。
【0023】
図1に示す印刷システム100は、印刷装置20に対して印刷ジョブを送信する印刷指示装置10および印刷指示装置10からの両面印刷指示を含む印刷ジョブ(印刷指示情報)をローカル接続若しくはネットワークを介して受信して、この印刷ジョブに基づき両面印刷を実行する印刷装置20から構成される。
【0024】
印刷装置20は、図示しない印刷用紙を収納する1または複数の用紙トレイと手差印刷のための手差トレイを有しており、用紙トレイからの給紙により用紙の両面に自動印刷する自動両面印刷機能および手差トレイからの給紙により両面印刷を行う手動両面印刷機能を有している。ここで、自動両面印刷機能については周知であるので、その詳細説明は省略する。
【0025】
さて、印刷指示装置10からの両面印刷指示を含む印刷ジョブには、印刷装置20における自動両面印刷が不可の用紙(サイズ、紙質など)の指定があるページが含まれる場合があり、この場合、印刷装置20では、印刷ジョブの各ページに対して自動両面印刷が不可の用紙の指定があるか否かを判定し、自動両面印刷が不可な用紙指定があるページに対しては、1回目の印刷で手差トレイからの給紙により手動片面(裏面)のみの印刷を実行して、自動両面印刷が可能な用紙指定があるページのページ情報および手動両面印刷で未印刷の他の面(表面)に対する印刷に必要なページ情報を一時保存する。
【0026】
その後の2回目の印刷では、上記保存した自動両面印刷が可能な用紙指定があるページのページ情報に基づき上記自動両面印刷機能を用いて通常の用紙トレイからの給紙により自動両面印刷を実行するとともに、上記保存した手動両面印刷で未印刷の他の面(表面)に対する印刷に必要なページ情報に基づき他の面(表面)に対する手差トレイからの給紙による片面印刷(手動両面印刷)を実行する。
【0027】
上記機能を実現するために、印刷装置20は、自動両面印刷可否判定部21、ページ情報保存部22、ページ情報読み出し部23、ページ情報削除部24を具備して構成される。
【0028】
自動両面印刷可否判定部21は、印刷指示装置10から受信した印刷ジョブを解析して、各ページ毎に自動両面印刷が不可の用紙の指定があるか否かを判定する。
【0029】
ページ情報保存部22は、自動両面印刷可否判定部21で判定した自動両面印刷が可能な用紙指定があるページのページ情報および手動両面印刷で未印刷の他の面(表面)に対する印刷に必要なページ情報を一時保存する。
【0030】
ページ情報読み出し部23は、2回目の印刷に際してページ情報保存部22に保存したページ情報を読み出す。
【0031】
ページ情報削除部24は、2回目の印刷終了後にページ情報保存部22に保存したページ情報を削除する。
【0032】
図2は、印刷指示装置10からの印刷指示情報により指示される印刷ジョブの一例を示す図である。
【0033】
この印刷ジョブは、図2に示すように、用面印刷が指示された全ページ12ページの印刷ジョブからなり、1ページから4ページまでおよび7ページ、8ページおよび11ページ、12ページの用紙指定が普通紙で用紙サイズが例えばA4、第5ページ、6ページおよび9ページ、10ページの用紙指定が厚紙で用紙サイズが例えばA4になっている。
【0034】
この場合、1ページから4ページまでおよび7ページ、8ページおよび11ページ、12ページは、自動両面印刷が可能であるが、5ページ、6ページおよび9ページ、10ページは、自動両面印刷は不可である。
【0035】
図3は、図2に示した印刷ジョブに基づき印刷装置20での印刷されるページデータおよびその印刷結果を示す図であり、図3(a)は、1回目の印刷で印刷されるページデータ、図3(b)は、2回目の印刷で印刷されるページデータ、図3(c)は最終的な印刷結果を示す。
【0036】
すなわち、1回目の印刷においては、図3(a)に示す自動両面印刷は不可である6ページおよび10ページのページ情報に基づき、6ページおよび10ページが手差トレイから給紙されたA4の厚紙に印刷される。そして、このとき、1回目の印刷で未印刷の自動両面印刷が可能な1ページから4ページまでおよび7ページ、8ページおよび11ページ、12ページのページデータおよび1回目の印刷で未印刷の自動両面印刷が不可な5ページおよび9ページのページデータをページ情報保存部22に保存される。
【0037】
2回目の印刷においては、図3(b)に示す、ページ情報保存部22に保存された1回目の印刷で未印刷の自動両面印刷が可能な1ページから4ページまでおよび7ページ、8ページおよび11ページ、12ページのページデータおよび1回目の印刷で未印刷の自動両面印刷が不可な5ページおよび9ページのページデータに基づき、通常の用紙トレイから給紙されたA4の普通紙による自動両面印刷および手差トレイからの給紙による手動両面印刷による片面印刷(手動両面印刷)が選択的に実行される。
【0038】
そして、図3(c)に示すように、1ページから4ページまでが2回目の印刷で自動両面印刷されて出力され、5ページ、6ページが1回目の印刷と2回目の印刷で手動両面印刷されて出力され、7ページ、8ページが2回目の印刷で自動両面印刷されて出力され、9ページ、10ページが1回目の印刷と2回目の印刷で手動両面印刷されて出力され、11ページ、12ページが2回目の印刷で自動両面印刷されて出力される。
【0039】
ところで、上記構成において、例えば、2回目の印刷において、1ページおよび2ページの自動両面印刷済みの用紙にジャムが発生し、これをリカバリする場合は、通常の用紙トレイに収容された用紙を用いて再度印刷されるので、期待通りのリカバリが可能になる。
【0040】
図4は、この実施例におけるユーザ操作の一例を示すフローチャートである。
【0041】
ユーザが、図2に示した印刷ジョブの実行を指示する場合、図示しないユーザインターフェースを介してこの印刷ジョブを指定して(ステップ401)、まず、A4の厚紙をまとめて手差トレイにセットし(ステップ402)、印刷開始を指示する(ステップ403)。
【0042】
この場合、印刷装置20は、まず、自動両面印刷は不可である6ページおよび10ページを手差トレイからの給紙により印刷する。
【0043】
図5は、1回目の印刷における印刷制御(第1の印刷制御手段)の一例を示すフローチャートである。
【0044】
1回目の印刷においては、印刷指示があると(ステップ501)、まず、印刷指示に係わるページ情報に基づき各ページ毎に自動両面印刷可能かを調べる(ステップ502)。
【0045】
ここで、図2に示した印刷ジョブの場合、1ページから4ページまでは用紙指定がA4、普通紙であるので、自動両面印刷が可能であり(ステップ502でYES)、まず、1ページから4ページまでのページ情報(ページデータ)がページ情報保存部22に保存される(ステップ503)。
【0046】
次のページの5ページは用紙指定が厚紙であるので、ステップ502で自動両面印刷不可と判断される(ステップ502でNO)。この場合、5ページのページ情報がページ情報保存部22に保存される(ステップ504)。
【0047】
次に、裏面(6ページ)は前ページ(5ページ)と同じ用紙サイズでかつ同じ紙質かが調べられる(ステップ505)。ここでは、6ページおよび5ページとも用紙サイズがA4で、紙質が厚紙であるので(ステップ505でYES)、裏面(6ページ)を180度回転して、手差トレイにセットされたA4の厚紙を用いた裏面(6ページ)の片面印刷が実行される(ステップ506)。
【0048】
次のページの7ページ、8ページは、用紙指定がA4、普通紙であるので、自動両面印刷が可能であり(ステップ502でYES)、この7ページ、8ページのページ情報がページ情報保存部22に保存される(ステップ503)。
【0049】
次のページの9ページは用紙指定が厚紙であるので、ステップ502で自動両面印刷不可と判断される(ステップ502でNO)。9ページのページ情報がページ情報保存部22に保存され(ステップ504)、この9ページの裏面(10ページ)は前ページ(9ページ)と同じ用紙サイズでかつ同じ紙質であるので(ステップ505でYES)、裏面(10ページ)を180度回転して、手差トレイにセットされたA4の厚紙を用いた裏面(10ページ)の片面印刷が実行される(ステップ506)。
【0050】
次のページの11ページ、12ページは、用紙指定がA4、普通紙であるので、自動両面印刷が可能であり(ステップ502でYES)、この11ページ、12ページのページ情報がページ情報保存部22に保存される(ステップ503)。
【0051】
そして、ステップ508で、全ページ完了と判断されると(ステップ508でYES)、この1回目の印刷の処理を終了する。
【0052】
なお、ステップ508で、全ページ完了でないと判断された場合は(ステップ508でNO)、ステップ502に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。
【0053】
また、ステップ505で裏面は前ページと同じ用紙サイズでかつ同じ紙質でないと判断された場合は(ステップ502でNO)、両面印刷はできないので、ページ情報保存部22に保存に保存した該当ページ情報をページ情報読み出し部23で読み出して、この読み出したページ情報に基づき片面印刷を実行して(ステップ507)、ステップ508に進む。
【0054】
図6は、2回目の印刷における印刷制御(第2の印刷制御手段)の一例を示すフローチャートである。
【0055】
2回目の印刷は、ページ情報保存部22に保存したページ情報に係わる印刷ジョブを図示しないユーザインターフェースを介して指定し、1回目の印刷済みの用紙をまとめて手差トレイにセットして、印刷開始を指示することにより開始される。
【0056】
まず、指定された印刷ジョブのページ情報をページ情報読み出し部23によりページ情報保存部22から読み出し(ステップ601)、各ページ毎に、自動両面印刷のページかを調べる(ステップ602)。ここで、自動両面印刷のページ、図2に示した印刷ジョブの場合は、1ページから4ページまでのページ情報若しくは7ページ、8ページ若しくは11ページ、12ページのページ情報であると判断されると(ステップ602でYES)、自動両面印刷を実行して(ステップ603)、ステップ608に進む。
【0057】
また、図2に示した印刷ジョブの場合、5ページ若しくは9ページの場合、ステップ602で自動両面印刷のページでないと判断され(ステップ602でNO)、次に、ページ情報保存部22に保存した該当ページ情報と現在のページ情報とを比較し(ステップ604)、表面の印刷は必要かを判断する(ステップ605)。ここで、図2に示した印刷ジョブの場合、5ページ若しくは9ページの場合、表面の印刷は必要と判断され(ステップ605でYES)、ページ情報保存部22に保存した該当ページ情報の用紙情報に応じて用紙の表面に5ページ若しくは9ページの印刷が実行され(ステップ606)、ステップ608に進む。
【0058】
ステップ608では、ジョブ終了かが判断され、ジョブ終了でないと判断されると(ステップ608でNO)、ステップ602に戻り、上記処理が繰り返されるが、ジョブ終了と判断されると(ステップ608でYES)、次に、ページ情報保存部22に保存した該当ページ情報(ジョブ情報)を削除する設定があるかが調べられる(ステップ609)。
【0059】
ここで、ジョブ情報を削除しないと判断された場合は(ステップ609でNO)、このままこの2回目の印刷処理を終了し、削除すると判断された場合は(ステップ609でYES)、ページ情報保存部22に保存した該当ジョブ情報をページ情報削除部24で削除し(ステップ610)、この2回目の印刷処理を終了する。
【0060】
なお、ステップ605で表面の印刷は不要と判断された場合は(ステップ605でNO)、現在のページ情報をインクリメントし、この用紙を排出し(ステップ607)、ステップ608に進む。ここでの用紙の排出は両面印刷のパスによりこの用紙は反転して排出されるので、表面に印刷がされなかった用紙も方向が揃った状態で排出される。
【0061】
本実施例では、手差トレイから手動両面としているが、用紙が給紙可能であれば用紙トレイと手差トレイの区別をする必要は無く、自動両面印刷を行う用紙トレイとは別の用紙トレイから手動両面を行っても良い。
【0062】
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記実施例及び図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0063】
なお、上記印刷制御は、記憶装置に記憶された印刷制御プログラムに基づき中央演算処理装置で処理することにより行うことができる。
【0064】
なお、上記印刷制御プログラムは、ネットワーク等の通信手段により提供することは勿論、CD−ROM、DVD等の外部記録媒体に記録して提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明が適用される印刷システムの一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した印刷指示装置からの印刷指示情報により指示される印刷ジョブの一例を示す図である。
【図3】図2に示した印刷ジョブに基づき印刷装置での印刷されるページデータおよびその印刷結果を示す図である。
【図4】図1に示した印刷装置におけるユーザ操作の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した印刷装置における1回目の印刷における印刷制御(第1の印刷制御手段)の一例を示すフローチャートである。
【図6】図1に示した印刷装置における2回目の印刷における印刷制御(第2の印刷制御手段)の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
10 印刷指示装置
20 印刷装置
21 自動両面印刷可否判定部
22 ページ情報保存部
23 ページ情報読み出し部
24 ページ情報削除部
100 印刷システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷指示情報に基づき各ページが自動両面印刷が可能かを各ページ毎に判断する判断手段と、
前記判断手段により前記自動両面印刷が不可と判断されたページに対して手動両面印刷により第1面に対する片面印刷を行うように制御する第1の印刷制御手段と、
前記第1の印刷制御手段で印刷されなかった前記自動両面印刷が可能なページ情報および前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報を保存する保存手段と、
前記保存手段に保存された前記自動両面印刷が可能なページ情報に基づき自動両面印刷を行うとともに、前記保存手段に保存された前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報に基づき前記第2面に対して片面印刷を行うように制御する第2の印刷制御手段と
を具備する印刷装置。
【請求項2】
前記判断手段は、
前記印刷指示情報の各ページに付与された用紙情報に基づき前記自動両面印刷が可能かを判断する請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1の印刷制御手段は、
前記判断手段により前記自動両面印刷が不可と判断されたページで、次ページがあり、かつ該次ページの用紙情報が前ページの用紙情報と同一でない場合は、前記第1面に対して片面印刷するように制御し、次ページがあり、かつ該次ページの用紙情報が前ページの用紙情報と同一の場合は、該次ページをページ面を180度回転して前記第1面に対して片面印刷するように制御する請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第2の印刷制御手段は、
前記保存手段に保存したページ情報と現在のページ情報との比較に基づき前記第2面に対して印刷が必要かを用紙毎に判断する第2の判断手段と、
前記第2の判断手段により前記第2面に対して印刷が必要と判断された用紙は、前記保存手段に保存された前記第2面のページ情報に基づき該用紙の第2面の印刷を行い、前記第2面に対して印刷が不要と判断された用紙は、反転してそのまま排出するように制御する請求項2記載の印刷装置。
【請求項5】
印刷指示装置と、
前記印刷指示装置からの印刷指示に基づき印刷を行う印刷装置と
を具備し、
前記印刷装置は、
前記印刷指示装置からの前記印刷指示情報に基づき各ページが自動両面印刷が可能かを各ページ毎に判断する判断手段と、
前記判断手段により前記自動両面印刷が不可と判断されたページに対して手動両面印刷により第1面に対する片面印刷を行うように制御する第1の印刷制御手段と、
前記第1の印刷制御手段で印刷されなかった前記自動両面印刷が可能なページ情報および前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報を保存する保存手段と、
前記保存手段に保存された前記自動両面印刷が可能なページ情報に基づき自動両面印刷を行うとともに、前記保存手段に保存された前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報に基づき前記第2面に対して片面印刷を行うように制御する第2の印刷制御手段と
を具備する印刷システム。
【請求項6】
コンピュータを、
印刷指示装置からの印刷指示情報に基づき各ページが自動両面印刷が可能かを各ページ毎に判断する判断手段、
前記判断手段により前記自動両面印刷が不可と判断されたページに対して手動両面印刷により第1面に対する片面印刷を行うように制御する第1の印刷制御手段、
前記第1の印刷制御手段で印刷されなかった前記自動両面印刷が可能なページ情報および前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報を保存する保存手段、
前記保存手段に保存された前記自動両面印刷が可能なページ情報に基づき自動両面印刷を行うとともに、前記保存手段に保存された前記手動両面印刷で印刷されなかった第2面のページ情報に基づき前記第2面に対して片面印刷を行うように制御する第2の印刷制御手段
として機能させる印刷制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−167707(P2010−167707A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13152(P2009−13152)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】