印字装置
【課題】電力消費のピーク時間の電力消費が少ない印字装置を提供する。
【解決手段】複合機1は、入力された印字ジョブを処理して印字を行う印字装置であって、消費電力ピーク時間帯を記憶する管理部17と、前記印字ジョブを記憶するHD16と、を備え、現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブが入力されたときは、該印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれない限り、当該印字ジョブを前記印字ジョブ記憶部に記憶しホールドする。
【解決手段】複合機1は、入力された印字ジョブを処理して印字を行う印字装置であって、消費電力ピーク時間帯を記憶する管理部17と、前記印字ジョブを記憶するHD16と、を備え、現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブが入力されたときは、該印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれない限り、当該印字ジョブを前記印字ジョブ記憶部に記憶しホールドする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された印字ジョブに従って印字を行う印字装置、特に消費電力を低減した印字装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機等の印字装置は、接続されたパーソナルコンピュータ等を介して入力された印字ジョブに従って印字を行う。この印字装置にあっては、印字動作の消費電力が大きく、消費電力に関する様々な技術が提案されている。
特許文献1には、夜間モードでは待機状態となって消費電力を低減するように構成された印字装置において、夜間モード中に受信した画像データを逐次記憶しておき、夜間モードの解除時刻後のユーザの印刷要求操作に応じて、記憶した画像データの印刷をまとめて行うことにより、印字動作を行うためのウォームアップ動作回数を必要最小限に抑えて消費電力を抑える技術が開示されている。
【0003】
特許文献2には、消費電力が異なる複数の印字ジョブを並行して実行する印字装置であって、合計の消費電力が上限値を超えないよう印字ジョブの実行順序を入れ替えるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−254736号公報
【特許文献1】特開2009−96067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
東北地方太平洋沖地震以降の電力会社における発電能力低下に伴い、印字装置においても、電力消費のピーク時間には電力消費を抑えることが要求されているが、特許文献1や特許文献2に開示の技術ではこの要求にこたえることができない。
【0006】
本発明は、上述のような実情を鑑み、電力消費のピーク時間の電力消費が少ない印字装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の技術手段は、入力された印字ジョブを処理して印字を行う印字装置であって、消費電力ピーク時間帯を記憶する消費電力ピーク時間帯記憶部と、前記印字ジョブを記憶する印字ジョブ記憶部と、を備え、現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブが入力されたときは、該印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれない限り、当該印字ジョブを前記印字ジョブ記憶部に記憶しホールドすることを特徴としたものである。
【0008】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯でなくなった時に、該消費電力ピーク時間帯に記憶した印字ジョブを連続して処理することを特徴としたものである。
【0009】
本発明の第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、電力ピークシフト運転中のため印字ジョブがホールドされることを報知することを特徴としたものである。
【0010】
本発明の第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、ホールドしていた印字ジョブの処理がユーザ操作により指示された場合、該印字ジョブを処理することを特徴としたものである。
【0011】
本発明の第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1の技術手段において、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブをホールドしたときは、該印字ジョブの入力元に、ホールドされた旨を通知することを特徴としたものである。
【0012】
本発明の第6の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記急ぎ印字指示が含まれた前記印字ジョブが入力されたときは、当該印字ジョブを処理することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の印字装置によれば、電力消費のピーク時間の電力消費を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の印字装置を適用した複合機の構成例を説明するためのブロック図である。
【図2】システム設定画面の一例を示す図である。
【図3】消費電力ピーク時間帯設定画面の一例を示す図である。
【図4】現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図5】消費電力ピーク時間帯にホールドしていた印刷ジョブを該時間帯中に処理するための画面例を示す図である。
【図6】急ぎ印刷指示を印刷ジョブに設定するための印刷設定画面例を示す図である。
【図7】図1の複合機のメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS3のピーク時間帯処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS12のピーク時間中プリント処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】図8のステップS13のピーク時間中FAX処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図8のステップS14のピーク時間中コピー処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図8のステップS15のホールドジョブ選択印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】図7のステップS4の通常時間帯処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】図1の複合機のステータスをモニタリングするソフトウェアのUIの一例を示す図である。
【図15】図1のPCでの複合機のモニタリング処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の印字装置を適用した複合機の構成例を説明するためのブロック図で、図中、1は複合機である。なお、本例では、複合機1は、複写機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、インターネットファクシミリ機能を兼ね備えているものとする。
【0016】
複合機1は、演算を行うCPU(Central Processing Unit)及び演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM(Random Access Memory)等からなる機器制御部14を備えている。機器制御部14には、複合機1を制御するための制御プログラム等の各種プログラムを記憶しているROMが含まれる。
【0017】
また、機器制御部14には、複合機1が行う処理を管理するための管理情報(アドレス帳や保存先リストをはじめとする各種の制御情報)を記憶するメモリである管理部17が接続されている。この管理部17は、予め設定された消費電力ピーク時間帯を記憶するピーク時間帯記憶部としても機能する。
【0018】
また、機器制御部14には、操作部12が接続されている。操作部12は、各種入力キー等を備えるタッチパネルを含む入力部12aと、液晶ディスプレイ等の表示部12bとを重ねた操作パネルからなる。操作部12では、表示部12bに操作キーの画像を表示し、入力部12a上でユーザがタッチした操作キーの位置の座標を知ることにより、複合機1の動作及び各種設定に対するユーザの指示を理解する。そして、ユーザの指示に応じた制御信号を機器制御部14に出力することで、ユーザの入力操作に応じた処理を実現できる。
【0019】
また、機器制御部14には、記録用紙に記録された画像を読み取って画像データを生成する画像読取部11が接続される。この画像読取部11には、原稿台に載置された或いはADF(自動原稿送り装置)により送られた原稿の画像を、画像データとして取り込むためのCCD11aと、原稿の有無を検知する原稿検知センサ11bとが設けられる。
【0020】
また、機器制御部14には、記録用紙上に画像データを形成する画像形成部13が接続される。この画像形成部13には、画像データを一時的に記憶するメモリ13aと、メモリ13aが記憶した画像データから画像を形成して記録用紙に記録する印字部(例えば、LSU:Laser Scanning Unit)13bとが設けられる。そして、複合機1は、画像読取部11が生成した画像データをメモリ13aに一旦記憶させた後、印字部13bで画像を形成することができる。このようにして、複合機1はコピー機として機能する。
【0021】
また、機器制御部14には、ファクシミリ通信を行うFAXモデム18が接続されており、FAXモデム18は電話回線網N3に接続されている。複合機1は、画像読取部11が生成した画像データを、電話回線網N3を介して他のファクシミリ装置4へファクシミリ通信にて送信することができる。また、複合機1は、電話回線網N3を介して他のファクシミリ装置4から送信された画像データをFAXモデム18で受信し、受信した画像データから画像形成部13で画像を形成することができる。このようにして、複合機1はファクシミリ装置として機能する。
【0022】
また、機器制御部14には、複合機1が外部と情報を送受信するための通信部15が接続されている。通信部15は、社内LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークN1に接続可能であり、通信ネットワークN1には1又は複数のPC(Personal Computer)5が接続可能である。複合機1が単独で動作している通常の状態では、通信部15は通信ネットワークN1に接続されており、通信ネットワークN1を介してPC5との間で情報を交換する。
【0023】
複合機1は、画像読取部11が生成した画像データを通信部15からPC5へ送信することができる。このようにして、複合機1はスキャナ装置として機能する。
【0024】
機器制御部14には、HD16が接続されている。HD16は、例えば、画像読取部11が生成した画像データ等を記憶する。
【0025】
また、複合機1は、PC5から送信された画像データを通信部15で受信し、受信した画像データから画像形成部13で画像を形成することができる。このようにして、複合機1は印刷装置(プリンタ)として機能する。
【0026】
通信ネットワークN1は、更にインターネット網等の広域通信ネットワークN2に接続されている。通信部15は、電子メールに画像データを添付して送信するなどの方法により、広域通信ネットワークN2に接続されたインターネットファクシミリ装置2や外部PC3との間で、通信ネットワークN1及び広域通信ネットワークN2を介して画像データを受信することができる。このようにして、複合機1はインターネットファクシミリ装置として機能する。
【0027】
また、機器制御部14には、時計・カレンダー部19が接続されている。時計・カレンダー部19は、例えば、日時の情報を機器制御部14に入力する。
【0028】
このような複合機1は、上述のように、予め設定された消費電力ピーク時間帯を管理部17に記憶している。
そして、複合機1は、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合、電力ピークシフトモードで動作し、印字ジョブとして、例えばPC5からプリントジョブが入力された場合やファクシミリ装置4からFAX受信ジョブが入力されたときは、当該ジョブに急ぎ印字指示が含まれない限り、当該印字ジョブを強制的にホールドする、すなわち、印字ジョブ記憶部としてのHD16に記憶する。したがって、消費電力ピーク時間帯に、消費電力が大きい印字動作が行われる回数を極力抑えることができる。
なお、印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれている場合は、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内であっても、該ジョブに基づいて印字処理する。このことについては、後述する。
【0029】
消費電力ピーク時間帯は、例えば、複合機1の管理者がシステム設定の一環として操作部12を介して設定することができる。図2は、図1の複合機におけるシステム設定画面の一例を示す図である。
【0030】
図2で示すGUI画像30は、管理者の図1の複合機1へのログインが成功した時に、表示部12bにシステム設定画面として表示される。GUI画像30の設定欄31には、消費電力ピーク時間帯設定キー32等の各種設定キーがユーザ選択可能に表示されている。消費電力ピーク時間帯設定キー32が選択されると、消費電力ピーク時間帯設定画面が表示部12に表示される。
【0031】
図3は、消費電力ピーク時間帯設定画面の一例を示す図である。図3の例の消費電力ピーク時間帯設定画面のGUI画像40では、消費電力ピーク時間帯の開始時間及び終了時間をプルダウンメニュー41,42で選択することができる。消費電力ピーク時間帯の開始時間及び終了時間の選択後、OKキー43が選択されると消費電力ピーク時間帯が管理部17に記憶され設定される。
また、この設定方法以外に、ネットワークN1及びインターネットN2等を介して、消費電力ピーク時間帯の情報を定期的に外部から受信して自動設定/更新するようにしてもよい。この場合、例えば、図3のGUI画像40のチェックボックス44がチェックされることにより、消費電力ピーク時間帯の情報の外部からの自動取得が行われ、消費電力ピーク時間帯の情報の提供元を図3のGUI画像40のプルダウンメニュー45から選択することができる。
なお、消費電力ピーク時間帯は複数であってもよい。
【0032】
また、複合機1では、消費電力ピーク時間帯にホールドした複数の印字ジョブは、現在時刻が消費電力ピーク時間帯でなくなった時に、自動的に連続して処理する。このように自動的に連続して処理することにより、個別に処理するのに比べて、印字部13bの定着ヒータに対する加熱時間を短くしたりすることができ、消費電力量を少なくすることができる。
【0033】
さらに、複合機1では、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合、電力ピークシフト運転中のため印字ジョブはホールドされることを表示部12b等を用いて報知する。
図4は、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に表示部12bに表示される画面例を示す図である。図4のGUI画像50では、電力ピークシフト運転中のため印字ジョブはホールドされることを示すメッセージ51が表示される。
【0034】
また、複合機1では、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合でも、ホールドしていた印刷ジョブを、ユーザ操作に基づいて、処理することができる。これにより、早く資料を作成した場合等に対応することができる。
図5は、消費電力ピーク時間帯にホールドしていた印刷ジョブを該時間帯中に処理するための画面例を示す図である。
例えば、消費電力ピーク時間帯に表示されている図4のGUI画像50の任意の場所が操作されると、図5のGUI画像60が表示される。GUI画像60では、ホールドしている印刷ジョブのリスト61を表示しており、処理する印刷ジョブを選択することができる。リスト61中の印刷ジョブが選択されると、選択された印刷ジョブが印字部13b等を用いて処理される。
なお、選択される印刷ジョブは複数であってもよい。
【0035】
上述したように、複合機1では、入力された印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれている場合は、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内であっても、該ジョブに基づいて印字処理する。印字ジョブに急ぎ印字指示を設定する方法としては、例えば、印字ジョブがPC5からの印刷ジョブである場合、PC5の表示部に表示される印刷設定画面を用いる方法がある。
【0036】
図6は、急ぎ印刷指示を印刷ジョブに設定するための印刷設定画面例を示す図である。複合機1のプリンタ機能を用いる際に、ユーザがPC5に対して所定の操作をすることにより、図6のGUI画像70がPC5の表示部に表示される。GUI画像には、急ぎ印刷指示を設定するか否か選択するチェックボックス71が表示されており、チェックボックス71がチェックされた状態でOKキー72が選択されると、急ぎ印刷指示が印刷ジョブに設定される。FAX受信ジョブ等の場合も同様にして印刷指示を設定することができる。
【0037】
図7は、図1の複合機1のメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
複合機1は、図示するように、初期設定において消費電力ピーク時間帯の設定がなされた後は(ステップS1)、管理部17と時計・カレンダー部19からの情報を基に、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内であるか否か判定し(ステップS2)、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内の場合(YESの場合)、ピーク時間帯処理を行い(ステップS3)、消費電力ピーク時間帯外の場合(NOの場合)、通常時間帯処理を行う(ステップS4)。
【0038】
図8は、図7のステップS3のピーク時間帯処理の一例を示すフローチャートである。
ピーク時間帯処理では、まず、図示するように、現在時刻がピーク時間帯内である旨のメッセージを含む図4のGUI画像50を表示部12bに表示する(ステップS11)。そして、ピーク時間中プリント処理(ステップS12)、ピーク時間中FAX処理(ステップS13)、ピーク時間中コピー処理(ステップS14)及びホールドジョブ選択印刷処理(ステップS15)のいずれかの処理を行う。
【0039】
図9は、図8のステップS12のピーク時間中プリント処理の一例を示すフローチャートである。ピーク時間中プリント処理では、複合機1は、プリントジョブを通信部15を介して受信すると(ステップS21)、当該プリントジョブに急ぎ印刷指示が設定されているか否か判定する(ステップS22)。急ぎ印刷指示が含まれている場合(YESの場合)、印字部12bを用いて当該プリントジョブを処理し(ステップS23)、含まれていない場合(NOの場合)、当該プリントジョブをHD16に記憶しホールドする(ステップS24)。
【0040】
図10は、図8のステップS13のピーク時間中FAX処理の一例を示すフローチャートである。ピーク時間中FAX処理では、複合機1は、FAX受信ジョブを通信部15を介して受信すると(ステップS31)、当該FAX受信ジョブに急ぎ印刷指示が設定されているか否か判定する(ステップS32)。急ぎ印刷指示が含まれている場合(YESの場合)、印字部12bを用いて当該FAX受信ジョブを処理し(ステップS33)、含まれていない場合(NOの場合)、当該FAX受信ジョブをHD16に記憶しホールドする(ステップS34)。
【0041】
図11は、図8のステップS14のピーク時間中コピー処理の一例を示すフローチャートである。ピーク時間中コピー処理では、複合機1は、原稿がセットされたことを検知し(ステップS41)、コピー動作の開始を指示するためのスタートキーに対する操作を受け付けると(ステップS42)、画像読取部11で原稿の読取を行い(ステップS43)、読み取ったデータをHD16に記憶しホールドする(ステップS44)。
【0042】
図12は、図8のステップS15のホールドジョブ選択印刷処理の一例を示すフローチャートである。ホールドジョブ選択印刷処理では、複合機1は、図5のGUI画像60を表示することなどにより現在ホールド中の印字ジョブを一覧表示し(ステップS51)、一覧表示中の印字ジョブが選択されると(ステップS52)、印字部12b等を用いて当該選択された印字ジョブを処理する(ステップS53)。
【0043】
図13は、図7のステップS4の通常時間帯処理の一例を示すフローチャートである。
通常時間帯処理では、まず、図示するように、ホールド中の印刷ジョブがあるか否か判定する(ステップS61)。ホールド中の印刷ジョブがある場合(YESの場合)、印字部12b等を用いて当該印字ジョブを全て処理し(ステップS62)、ホールド中の印刷ジョブがない場合(NOの場合)、プリント処理(ステップS63)、FAX処理(ステップS64)及びコピー処理(ステップS65)のいずれかの処理を行う。ステップS63のプリント処理、ステップS64のFAX処理及びステップS65のコピー処理は従来通りの処理であるのでその説明を省略する。
【0044】
また、図1の複合機1の外部のから印字ジョブが入力された場合に当該印字ジョブをホールドした場合は、その旨を印字ジョブの入力元に通知することが好ましい。例えば、印字ジョブの入力元がPC5であった場合、PC5は印字ジョブがホールドされた旨の通知を複合機1から受け、例えば、複合機1のステータスをモニタリングするソフトウェアのUI上に、印字ジョブがホールドされた旨のメッセージを表示する。図14は、複合機1のステータスをモニタリングするソフトウェアのUIの一例を示す図である。
図14のGUI画像80は、PC5の表示部に表示されるもので、印字ジョブとしてのプリントジョブが複合機1に保存されホールドされたことを示すメッセージ81が表示されている。
このような表示を行うことにより、PC5のユーザは入力した印字ジョブが複合機1にホールドされたことを認識できるため、複合機1にて処理されなくても、MFPの障害とは誤解することがない。
【0045】
図15は、図1のPC5での複合機のモニタリング処理の一例を示すフローチャートである。
図1の通信ネットワークN1上に複合機1が複数ある場合、PC5は、ネットワークN1上の複合機1にポーリングし(ステップS71)、複合機1にイベントが発生したか否か判定する(ステップS72)。イベントが発生していない場合(NOの場合)、ステップS71に戻り、発生していた場合(YESの場合)は、イベントが発生していた複合機1のステータスを確認し(ステップS73)、印字ジョブをホールドしていた場合は、ステータス表示として、図14のGUI画像80の表示を行う(ステップS74)。
【0046】
このモニタリング処理には、SNMP(Simple Network Management Protocol)及びMIB(Management Information Base)を用いることができる。
なお、SNMPとは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)ネットワークにおいて、ルータやコンピュータ、端末など、ネットワークに接続された通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコルである。このプロトコルでは、制御の対象となる機器はMIBと呼ばれる管理情報データベースを持っており、管理を行う機器は対象機器のMIBに基づいて適切な設定を行う。
また、MIBとは、SNMPで管理されるネットワーク機器が、自分の状態を外部にしらせるために公開する情報である。
【符号の説明】
【0047】
1…複合機、11…画像読取部、12…操作部、13…画像形成部。14…機器制御部、15…通信部、16…ハードディスク(HD)、17…管理部、18…FAXモデム、19…時計・カレンダー部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された印字ジョブに従って印字を行う印字装置、特に消費電力を低減した印字装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機等の印字装置は、接続されたパーソナルコンピュータ等を介して入力された印字ジョブに従って印字を行う。この印字装置にあっては、印字動作の消費電力が大きく、消費電力に関する様々な技術が提案されている。
特許文献1には、夜間モードでは待機状態となって消費電力を低減するように構成された印字装置において、夜間モード中に受信した画像データを逐次記憶しておき、夜間モードの解除時刻後のユーザの印刷要求操作に応じて、記憶した画像データの印刷をまとめて行うことにより、印字動作を行うためのウォームアップ動作回数を必要最小限に抑えて消費電力を抑える技術が開示されている。
【0003】
特許文献2には、消費電力が異なる複数の印字ジョブを並行して実行する印字装置であって、合計の消費電力が上限値を超えないよう印字ジョブの実行順序を入れ替えるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−254736号公報
【特許文献1】特開2009−96067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
東北地方太平洋沖地震以降の電力会社における発電能力低下に伴い、印字装置においても、電力消費のピーク時間には電力消費を抑えることが要求されているが、特許文献1や特許文献2に開示の技術ではこの要求にこたえることができない。
【0006】
本発明は、上述のような実情を鑑み、電力消費のピーク時間の電力消費が少ない印字装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の技術手段は、入力された印字ジョブを処理して印字を行う印字装置であって、消費電力ピーク時間帯を記憶する消費電力ピーク時間帯記憶部と、前記印字ジョブを記憶する印字ジョブ記憶部と、を備え、現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブが入力されたときは、該印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれない限り、当該印字ジョブを前記印字ジョブ記憶部に記憶しホールドすることを特徴としたものである。
【0008】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯でなくなった時に、該消費電力ピーク時間帯に記憶した印字ジョブを連続して処理することを特徴としたものである。
【0009】
本発明の第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、電力ピークシフト運転中のため印字ジョブがホールドされることを報知することを特徴としたものである。
【0010】
本発明の第4の技術手段は、第1〜第3のいずれか1の技術手段において、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、ホールドしていた印字ジョブの処理がユーザ操作により指示された場合、該印字ジョブを処理することを特徴としたものである。
【0011】
本発明の第5の技術手段は、第1〜第4のいずれか1の技術手段において、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブをホールドしたときは、該印字ジョブの入力元に、ホールドされた旨を通知することを特徴としたものである。
【0012】
本発明の第6の技術手段は、第1〜第5のいずれか1の技術手段において、現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記急ぎ印字指示が含まれた前記印字ジョブが入力されたときは、当該印字ジョブを処理することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の印字装置によれば、電力消費のピーク時間の電力消費を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の印字装置を適用した複合機の構成例を説明するためのブロック図である。
【図2】システム設定画面の一例を示す図である。
【図3】消費電力ピーク時間帯設定画面の一例を示す図である。
【図4】現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に表示部に表示される画面例を示す図である。
【図5】消費電力ピーク時間帯にホールドしていた印刷ジョブを該時間帯中に処理するための画面例を示す図である。
【図6】急ぎ印刷指示を印刷ジョブに設定するための印刷設定画面例を示す図である。
【図7】図1の複合機のメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS3のピーク時間帯処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS12のピーク時間中プリント処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】図8のステップS13のピーク時間中FAX処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】図8のステップS14のピーク時間中コピー処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】図8のステップS15のホールドジョブ選択印刷処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】図7のステップS4の通常時間帯処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】図1の複合機のステータスをモニタリングするソフトウェアのUIの一例を示す図である。
【図15】図1のPCでの複合機のモニタリング処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の印字装置を適用した複合機の構成例を説明するためのブロック図で、図中、1は複合機である。なお、本例では、複合機1は、複写機能、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、インターネットファクシミリ機能を兼ね備えているものとする。
【0016】
複合機1は、演算を行うCPU(Central Processing Unit)及び演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM(Random Access Memory)等からなる機器制御部14を備えている。機器制御部14には、複合機1を制御するための制御プログラム等の各種プログラムを記憶しているROMが含まれる。
【0017】
また、機器制御部14には、複合機1が行う処理を管理するための管理情報(アドレス帳や保存先リストをはじめとする各種の制御情報)を記憶するメモリである管理部17が接続されている。この管理部17は、予め設定された消費電力ピーク時間帯を記憶するピーク時間帯記憶部としても機能する。
【0018】
また、機器制御部14には、操作部12が接続されている。操作部12は、各種入力キー等を備えるタッチパネルを含む入力部12aと、液晶ディスプレイ等の表示部12bとを重ねた操作パネルからなる。操作部12では、表示部12bに操作キーの画像を表示し、入力部12a上でユーザがタッチした操作キーの位置の座標を知ることにより、複合機1の動作及び各種設定に対するユーザの指示を理解する。そして、ユーザの指示に応じた制御信号を機器制御部14に出力することで、ユーザの入力操作に応じた処理を実現できる。
【0019】
また、機器制御部14には、記録用紙に記録された画像を読み取って画像データを生成する画像読取部11が接続される。この画像読取部11には、原稿台に載置された或いはADF(自動原稿送り装置)により送られた原稿の画像を、画像データとして取り込むためのCCD11aと、原稿の有無を検知する原稿検知センサ11bとが設けられる。
【0020】
また、機器制御部14には、記録用紙上に画像データを形成する画像形成部13が接続される。この画像形成部13には、画像データを一時的に記憶するメモリ13aと、メモリ13aが記憶した画像データから画像を形成して記録用紙に記録する印字部(例えば、LSU:Laser Scanning Unit)13bとが設けられる。そして、複合機1は、画像読取部11が生成した画像データをメモリ13aに一旦記憶させた後、印字部13bで画像を形成することができる。このようにして、複合機1はコピー機として機能する。
【0021】
また、機器制御部14には、ファクシミリ通信を行うFAXモデム18が接続されており、FAXモデム18は電話回線網N3に接続されている。複合機1は、画像読取部11が生成した画像データを、電話回線網N3を介して他のファクシミリ装置4へファクシミリ通信にて送信することができる。また、複合機1は、電話回線網N3を介して他のファクシミリ装置4から送信された画像データをFAXモデム18で受信し、受信した画像データから画像形成部13で画像を形成することができる。このようにして、複合機1はファクシミリ装置として機能する。
【0022】
また、機器制御部14には、複合機1が外部と情報を送受信するための通信部15が接続されている。通信部15は、社内LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークN1に接続可能であり、通信ネットワークN1には1又は複数のPC(Personal Computer)5が接続可能である。複合機1が単独で動作している通常の状態では、通信部15は通信ネットワークN1に接続されており、通信ネットワークN1を介してPC5との間で情報を交換する。
【0023】
複合機1は、画像読取部11が生成した画像データを通信部15からPC5へ送信することができる。このようにして、複合機1はスキャナ装置として機能する。
【0024】
機器制御部14には、HD16が接続されている。HD16は、例えば、画像読取部11が生成した画像データ等を記憶する。
【0025】
また、複合機1は、PC5から送信された画像データを通信部15で受信し、受信した画像データから画像形成部13で画像を形成することができる。このようにして、複合機1は印刷装置(プリンタ)として機能する。
【0026】
通信ネットワークN1は、更にインターネット網等の広域通信ネットワークN2に接続されている。通信部15は、電子メールに画像データを添付して送信するなどの方法により、広域通信ネットワークN2に接続されたインターネットファクシミリ装置2や外部PC3との間で、通信ネットワークN1及び広域通信ネットワークN2を介して画像データを受信することができる。このようにして、複合機1はインターネットファクシミリ装置として機能する。
【0027】
また、機器制御部14には、時計・カレンダー部19が接続されている。時計・カレンダー部19は、例えば、日時の情報を機器制御部14に入力する。
【0028】
このような複合機1は、上述のように、予め設定された消費電力ピーク時間帯を管理部17に記憶している。
そして、複合機1は、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合、電力ピークシフトモードで動作し、印字ジョブとして、例えばPC5からプリントジョブが入力された場合やファクシミリ装置4からFAX受信ジョブが入力されたときは、当該ジョブに急ぎ印字指示が含まれない限り、当該印字ジョブを強制的にホールドする、すなわち、印字ジョブ記憶部としてのHD16に記憶する。したがって、消費電力ピーク時間帯に、消費電力が大きい印字動作が行われる回数を極力抑えることができる。
なお、印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれている場合は、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内であっても、該ジョブに基づいて印字処理する。このことについては、後述する。
【0029】
消費電力ピーク時間帯は、例えば、複合機1の管理者がシステム設定の一環として操作部12を介して設定することができる。図2は、図1の複合機におけるシステム設定画面の一例を示す図である。
【0030】
図2で示すGUI画像30は、管理者の図1の複合機1へのログインが成功した時に、表示部12bにシステム設定画面として表示される。GUI画像30の設定欄31には、消費電力ピーク時間帯設定キー32等の各種設定キーがユーザ選択可能に表示されている。消費電力ピーク時間帯設定キー32が選択されると、消費電力ピーク時間帯設定画面が表示部12に表示される。
【0031】
図3は、消費電力ピーク時間帯設定画面の一例を示す図である。図3の例の消費電力ピーク時間帯設定画面のGUI画像40では、消費電力ピーク時間帯の開始時間及び終了時間をプルダウンメニュー41,42で選択することができる。消費電力ピーク時間帯の開始時間及び終了時間の選択後、OKキー43が選択されると消費電力ピーク時間帯が管理部17に記憶され設定される。
また、この設定方法以外に、ネットワークN1及びインターネットN2等を介して、消費電力ピーク時間帯の情報を定期的に外部から受信して自動設定/更新するようにしてもよい。この場合、例えば、図3のGUI画像40のチェックボックス44がチェックされることにより、消費電力ピーク時間帯の情報の外部からの自動取得が行われ、消費電力ピーク時間帯の情報の提供元を図3のGUI画像40のプルダウンメニュー45から選択することができる。
なお、消費電力ピーク時間帯は複数であってもよい。
【0032】
また、複合機1では、消費電力ピーク時間帯にホールドした複数の印字ジョブは、現在時刻が消費電力ピーク時間帯でなくなった時に、自動的に連続して処理する。このように自動的に連続して処理することにより、個別に処理するのに比べて、印字部13bの定着ヒータに対する加熱時間を短くしたりすることができ、消費電力量を少なくすることができる。
【0033】
さらに、複合機1では、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合、電力ピークシフト運転中のため印字ジョブはホールドされることを表示部12b等を用いて報知する。
図4は、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に表示部12bに表示される画面例を示す図である。図4のGUI画像50では、電力ピークシフト運転中のため印字ジョブはホールドされることを示すメッセージ51が表示される。
【0034】
また、複合機1では、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合でも、ホールドしていた印刷ジョブを、ユーザ操作に基づいて、処理することができる。これにより、早く資料を作成した場合等に対応することができる。
図5は、消費電力ピーク時間帯にホールドしていた印刷ジョブを該時間帯中に処理するための画面例を示す図である。
例えば、消費電力ピーク時間帯に表示されている図4のGUI画像50の任意の場所が操作されると、図5のGUI画像60が表示される。GUI画像60では、ホールドしている印刷ジョブのリスト61を表示しており、処理する印刷ジョブを選択することができる。リスト61中の印刷ジョブが選択されると、選択された印刷ジョブが印字部13b等を用いて処理される。
なお、選択される印刷ジョブは複数であってもよい。
【0035】
上述したように、複合機1では、入力された印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれている場合は、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内であっても、該ジョブに基づいて印字処理する。印字ジョブに急ぎ印字指示を設定する方法としては、例えば、印字ジョブがPC5からの印刷ジョブである場合、PC5の表示部に表示される印刷設定画面を用いる方法がある。
【0036】
図6は、急ぎ印刷指示を印刷ジョブに設定するための印刷設定画面例を示す図である。複合機1のプリンタ機能を用いる際に、ユーザがPC5に対して所定の操作をすることにより、図6のGUI画像70がPC5の表示部に表示される。GUI画像には、急ぎ印刷指示を設定するか否か選択するチェックボックス71が表示されており、チェックボックス71がチェックされた状態でOKキー72が選択されると、急ぎ印刷指示が印刷ジョブに設定される。FAX受信ジョブ等の場合も同様にして印刷指示を設定することができる。
【0037】
図7は、図1の複合機1のメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
複合機1は、図示するように、初期設定において消費電力ピーク時間帯の設定がなされた後は(ステップS1)、管理部17と時計・カレンダー部19からの情報を基に、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内であるか否か判定し(ステップS2)、現在時刻が消費電力ピーク時間帯内の場合(YESの場合)、ピーク時間帯処理を行い(ステップS3)、消費電力ピーク時間帯外の場合(NOの場合)、通常時間帯処理を行う(ステップS4)。
【0038】
図8は、図7のステップS3のピーク時間帯処理の一例を示すフローチャートである。
ピーク時間帯処理では、まず、図示するように、現在時刻がピーク時間帯内である旨のメッセージを含む図4のGUI画像50を表示部12bに表示する(ステップS11)。そして、ピーク時間中プリント処理(ステップS12)、ピーク時間中FAX処理(ステップS13)、ピーク時間中コピー処理(ステップS14)及びホールドジョブ選択印刷処理(ステップS15)のいずれかの処理を行う。
【0039】
図9は、図8のステップS12のピーク時間中プリント処理の一例を示すフローチャートである。ピーク時間中プリント処理では、複合機1は、プリントジョブを通信部15を介して受信すると(ステップS21)、当該プリントジョブに急ぎ印刷指示が設定されているか否か判定する(ステップS22)。急ぎ印刷指示が含まれている場合(YESの場合)、印字部12bを用いて当該プリントジョブを処理し(ステップS23)、含まれていない場合(NOの場合)、当該プリントジョブをHD16に記憶しホールドする(ステップS24)。
【0040】
図10は、図8のステップS13のピーク時間中FAX処理の一例を示すフローチャートである。ピーク時間中FAX処理では、複合機1は、FAX受信ジョブを通信部15を介して受信すると(ステップS31)、当該FAX受信ジョブに急ぎ印刷指示が設定されているか否か判定する(ステップS32)。急ぎ印刷指示が含まれている場合(YESの場合)、印字部12bを用いて当該FAX受信ジョブを処理し(ステップS33)、含まれていない場合(NOの場合)、当該FAX受信ジョブをHD16に記憶しホールドする(ステップS34)。
【0041】
図11は、図8のステップS14のピーク時間中コピー処理の一例を示すフローチャートである。ピーク時間中コピー処理では、複合機1は、原稿がセットされたことを検知し(ステップS41)、コピー動作の開始を指示するためのスタートキーに対する操作を受け付けると(ステップS42)、画像読取部11で原稿の読取を行い(ステップS43)、読み取ったデータをHD16に記憶しホールドする(ステップS44)。
【0042】
図12は、図8のステップS15のホールドジョブ選択印刷処理の一例を示すフローチャートである。ホールドジョブ選択印刷処理では、複合機1は、図5のGUI画像60を表示することなどにより現在ホールド中の印字ジョブを一覧表示し(ステップS51)、一覧表示中の印字ジョブが選択されると(ステップS52)、印字部12b等を用いて当該選択された印字ジョブを処理する(ステップS53)。
【0043】
図13は、図7のステップS4の通常時間帯処理の一例を示すフローチャートである。
通常時間帯処理では、まず、図示するように、ホールド中の印刷ジョブがあるか否か判定する(ステップS61)。ホールド中の印刷ジョブがある場合(YESの場合)、印字部12b等を用いて当該印字ジョブを全て処理し(ステップS62)、ホールド中の印刷ジョブがない場合(NOの場合)、プリント処理(ステップS63)、FAX処理(ステップS64)及びコピー処理(ステップS65)のいずれかの処理を行う。ステップS63のプリント処理、ステップS64のFAX処理及びステップS65のコピー処理は従来通りの処理であるのでその説明を省略する。
【0044】
また、図1の複合機1の外部のから印字ジョブが入力された場合に当該印字ジョブをホールドした場合は、その旨を印字ジョブの入力元に通知することが好ましい。例えば、印字ジョブの入力元がPC5であった場合、PC5は印字ジョブがホールドされた旨の通知を複合機1から受け、例えば、複合機1のステータスをモニタリングするソフトウェアのUI上に、印字ジョブがホールドされた旨のメッセージを表示する。図14は、複合機1のステータスをモニタリングするソフトウェアのUIの一例を示す図である。
図14のGUI画像80は、PC5の表示部に表示されるもので、印字ジョブとしてのプリントジョブが複合機1に保存されホールドされたことを示すメッセージ81が表示されている。
このような表示を行うことにより、PC5のユーザは入力した印字ジョブが複合機1にホールドされたことを認識できるため、複合機1にて処理されなくても、MFPの障害とは誤解することがない。
【0045】
図15は、図1のPC5での複合機のモニタリング処理の一例を示すフローチャートである。
図1の通信ネットワークN1上に複合機1が複数ある場合、PC5は、ネットワークN1上の複合機1にポーリングし(ステップS71)、複合機1にイベントが発生したか否か判定する(ステップS72)。イベントが発生していない場合(NOの場合)、ステップS71に戻り、発生していた場合(YESの場合)は、イベントが発生していた複合機1のステータスを確認し(ステップS73)、印字ジョブをホールドしていた場合は、ステータス表示として、図14のGUI画像80の表示を行う(ステップS74)。
【0046】
このモニタリング処理には、SNMP(Simple Network Management Protocol)及びMIB(Management Information Base)を用いることができる。
なお、SNMPとは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)ネットワークにおいて、ルータやコンピュータ、端末など、ネットワークに接続された通信機器をネットワーク経由で監視・制御するためのプロトコルである。このプロトコルでは、制御の対象となる機器はMIBと呼ばれる管理情報データベースを持っており、管理を行う機器は対象機器のMIBに基づいて適切な設定を行う。
また、MIBとは、SNMPで管理されるネットワーク機器が、自分の状態を外部にしらせるために公開する情報である。
【符号の説明】
【0047】
1…複合機、11…画像読取部、12…操作部、13…画像形成部。14…機器制御部、15…通信部、16…ハードディスク(HD)、17…管理部、18…FAXモデム、19…時計・カレンダー部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された印字ジョブを処理して印字を行う印字装置であって、
消費電力ピーク時間帯を記憶する消費電力ピーク時間帯記憶部と、
前記印字ジョブを記憶する印字ジョブ記憶部と、を備え、
現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブが入力されたときは、該印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれない限り、当該印字ジョブを前記印字ジョブ記憶部に記憶しホールドすることを特徴とする印字装置。
【請求項2】
現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯でなくなった時に、該消費電力ピーク時間帯に記憶した印字ジョブを連続して処理することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
【請求項3】
現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、電力ピークシフト運転中のため印字ジョブがホールドされることを報知することを特徴とする請求項1または2に記載の印字装置。
【請求項4】
現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、ホールドしていた印字ジョブの処理がユーザ操作により指示された場合、該印字ジョブを処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印字装置。
【請求項5】
現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブをホールドしたときは、該印字ジョブの入力元に、ホールドされた旨を通知することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印字装置。
【請求項6】
現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記急ぎ印字指示が含まれた前記印字ジョブが入力されたときは、当該印字ジョブを処理することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項1】
入力された印字ジョブを処理して印字を行う印字装置であって、
消費電力ピーク時間帯を記憶する消費電力ピーク時間帯記憶部と、
前記印字ジョブを記憶する印字ジョブ記憶部と、を備え、
現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブが入力されたときは、該印字ジョブに急ぎ印字指示が含まれない限り、当該印字ジョブを前記印字ジョブ記憶部に記憶しホールドすることを特徴とする印字装置。
【請求項2】
現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯でなくなった時に、該消費電力ピーク時間帯に記憶した印字ジョブを連続して処理することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
【請求項3】
現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、電力ピークシフト運転中のため印字ジョブがホールドされることを報知することを特徴とする請求項1または2に記載の印字装置。
【請求項4】
現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、ホールドしていた印字ジョブの処理がユーザ操作により指示された場合、該印字ジョブを処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の印字装置。
【請求項5】
現在時刻が消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記印字ジョブをホールドしたときは、該印字ジョブの入力元に、ホールドされた旨を通知することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の印字装置。
【請求項6】
現在時刻が前記消費電力ピーク時間帯内である場合に、前記急ぎ印字指示が含まれた前記印字ジョブが入力されたときは、当該印字ジョブを処理することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−59922(P2013−59922A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200054(P2011−200054)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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