説明

原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システム

【課題】 画面上の物が検査対象物であり、かつ、その画像がすり替えられていないことを保証する原子燃料等の遠隔外観検査システムを提供する。
【解決手段】 現地に設けられる画像入出力装置3と、レーザー投射装置4と、暗証データ認証装置5と、遠隔地に設けられる遠隔地コンピューター6と、無線ICチップ7と、任意の場所に設けられる暗証データ入力装置8と、通信網9とからなる。画像入出力装置3は、撮影手段10と、画像データ出力手段11と、位置姿勢制御手段12と、画像入出力装置通信手段13とを有し、レーザー投射装置4は、レーザー発振器14と、レーザー光変調手段15と、スキャナー16と、投射位置制御手段17と、レーザー投射装置制御手段18と、レーザー投射装置通信手段19とを有し、暗証データ認証装置5は、無線ICチップリーダー20と、暗証データ認証装置通信手段21とを有し、遠隔地コンピューター6は、遠隔地コンピューター通信手段22と、入力手段23と、表示手段24と、情報処理手段25とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子燃料、および、輸送容器を含む原子燃料の輸送に使用される機器の外観検査を遠隔地において検査するシステムに関する。
【0002】
特に、本発明は、遠隔地から映像等を通じて原子燃料、輸送容器等の外観を検査する際に、検査を意図している検査対象物の映像であって、且つ、映像がすり替えられたものではないこと、すなわち、検査対象物がすり替えられていないことと映像がすり替えられていないことの双方を保証することができる原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システムに関する。
【0003】
なお、本明細書にいう「原子燃料輸送機器」とは、原子燃料及び原子燃料の輸送容器を含み、その他原子燃料の輸送に関係するすべての機器をいう。
【背景技術】
【0004】
原子燃料の輸送に関しては、安全のため輸送の各段階で検査等が行われている。
【0005】
具体的には、図7のように、輸送容器等は、設計段階、製造段階で承認を受け、実際の輸送の前に検査を受け(図7中の「輸送物の確認」)、輸送に使用される。
【0006】
輸送容器は原子燃料の輸送に繰り返し使用され、輸送の度にその前に検査を受けるようになっている。輸送前の外観検査は輸送容器に限られず原子燃料についても行われる。
【0007】
外観検査は、輸送物における大きな損傷、変形等の発生の有無を確認するものである。
【0008】
検査対象の物が輸送される原子燃料、輸送容器であるか否かは検査対象物の個別番号を確認することによって行われている。
【0009】
個別番号の確認は、検査員が、燃料の場合には上部タイプレートに刻印された燃料体固有番号、輸送容器である場合には容器外面に溶接固定されたプレート板の容器登録番号等の刻印番号を目視確認することによって行われる。
【0010】
外観検査は、個別番号の確認後に、検査対象物の外観上の損傷・変形等を目視検査することによって行われる。
【0011】
本願発明は、上記従来の原子燃料および原子燃料輸送機器の外観検査を、現地検査(実際に検査対象物が置かれてる場所での検査)に代えて遠隔検査(実際に検査対象物が置かれてる場所から離れた場所での検査)をしようとするものである。
【0012】
本願発明は、遠隔地で検査するために、検査対象物を撮影した画像データを通信網を通して遠隔地に送信し、遠隔地のコンピューター等の画面上でリアルタイムで外観検査を行うものである。
【0013】
画像データを通信網を介して遠隔地に送信する技術自体は従来から知られており、実用化もされている。
【0014】
また、本願発明は、後述するようにレーザー光投射による図柄や文字の投射・表示の技術を利用している。
【0015】
レーザー光投射によって図柄や文字を投射・表示する技術自体は、たとえば舞台の演出装置等に使用されている。
【0016】
また、後述するように、本願発明は、無線ICチップに情報を記憶させて読み取る技術を利用している。
【0017】
無線ICチップによる固有情報の書込みと読出しの技術は、たとえば非接触型の認証カード、物流管理等に使用されている。
【特許文献1】特開2004−70298号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述したように、画像データを遠隔地に送信して遠隔地でリアルタイムで観察する技術は従来から知られている。
【0019】
しかし、遠隔地において映像によって外観検査しようとすると、特に安全性を重視する原子燃料の輸送の分野では、映像の真偽が問題になる。
【0020】
遠隔地で映像によって原子燃料と輸送容器等を外観検査する場合に、映像の真偽は2つの点で問題になる。
【0021】
第1の問題はリアルタイムの映像であるか否かの保証である。
【0022】
輸送容器は、図7に示すように繰り返し使用されるため、同一の検査対象物の過去の外観検査の映像が利用される可能性がある。
【0023】
原子燃料についても外観上は燃料集合体は酷似しているものであるので過去に撮影された燃料集合体の映像にすり替えられる可能性がある。
【0024】
現在は画像編集の技術が発達し、看者に気づかれずに映像の途中で予め用意してあった別の映像にすり替えることが可能になってきている。
【0025】
このため、リアルタイムでの映像の中に、検査部位の拡大画像の部分を同一検査対象物の過去の映像あるいは他の原子燃料あるいは輸送機器等の映像で、検査員に気づかれずにすり替えて送信することが、可能性として否定できないようになってきている。
【0026】
このように、遠隔地で映像によって原子燃料、輸送容器等を外観検査する場合には、送られてくる映像が真に現在の映像であることを保証する手段が要求される。
【0027】
言葉を変えると、この問題は映像・画像のすり替えを防止するということができる。
【0028】
映像の真偽の第2の問題は、検査対象物が目的の物か否かの保証である。
【0029】
原子燃料も輸送容器も、外観上の個別の差異がほとんどなく、互いに酷似している。
【0030】
したがって、検査を通過(合格)することができる原子燃料あるいは輸送容器に、たとえばプレートのすり替え等によって異なる個別番号を付して検査を通過(合格)させることが考えられる。このように原子燃料あるいは輸送容器に異なる個別番号を付した場合には、遠隔地の映像からは当該原子燃料あるいは輸送容器が目的の検査対象物か否かを確認することは難しい。
【0031】
このように、原子燃料、輸送容器等を遠隔地の映像で外観検査する場合において、映像に映し出されている物が検査を意図している真の検査対象物であることを保証する手段が要求される。
【0032】
この問題は、検査対象物のすり替えを防止するということができる。
【0033】
安全性・信頼性を重視する原子燃料や原子燃料輸送機器の遠隔外観検査においては、上記2つの問題を同時に解決することができなければならない。
【0034】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、原子燃料および原子燃料輸送機器の遠隔外観検査において、遠隔地に送信された映像が真に現在の映像であり、且つ、該映像に映し出された物が検査を意図している検査対象物であることを保証することができる、原子燃料および原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明による原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システムは、
検査対象物が置かれている場所に設けられる画像入出力装置と、レーザー投射装置と、暗証データ認証装置と、
検査員がいる場所に設けられる遠隔地コンピューターと、
検査対象物に付される無線ICチップと、
任意の場所に設けられる暗証データ入力装置と、
通信網とからなり、
前記画像入出力装置は、撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像を画像データに変換して出力する画像データ出力手段と、前記撮影手段の位置や姿勢を制御する位置姿勢制御手段と、画像入出力装置通信手段とを有し、
前記レーザー投射装置は、レーザー発振器と、レーザー光変調手段と、スキャナーと、レーザー光の投射位置を制御する投射位置制御手段と、レーザー投射装置制御手段と、レーザー投射装置通信手段とを有し、
前記暗証データ認証装置は、無線ICチップリーダーと、暗証データ認証装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、遠隔地コンピューター通信手段と、入力手段と、表示手段と、情報処理手段とを有し、
前記暗証データ入力装置は、検査員によって設定された暗証データを前記無線ICチップに入力し、前記無線ICチップは検査対象物に固定され、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が検査対象物の画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して出力し、前記画像データ入出力装置通信手段が前記画像データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記検査対象物に固定された無線ICチップから暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記暗証データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記遠隔地コンピューターは、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記画像データと暗証データとを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に当該画像と暗証データとを表示させ、前記入力手段が検査員が設定した前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字と、前記レーザー光の投射位置に対する投射位置制御命令と、前記画像入出力装置に対する位置姿勢制御命令とを入力し、前記情報処理手段が前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令とを前記レーザー投射装置に送信するとともに、前記画像入出力装置に対する位置姿勢制御命令を前記画像入出力装置に送信し、
前記レーザー投射装置は、前記レーザー投射装置通信手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令とを受信し、前記レーザー投射装置制御手段が前記投射位置制御命令に基づいて前記投射位置制御手段にレーザー光の投射位置を制御させるとともに、前記ビデオ信号に基づいて前記レーザー光変調手段と前記スキャナーに前記検査員によって設定された図柄あるいは文字を照射させ、
前記画像入出力装置は、前記画像入出力装置通信手段が前記位置姿勢制御命令を受信し、前記位置姿勢制御手段が前記位置姿勢制御命令に基づいて前記撮影手段の位置や姿勢を制御し、前記画像入出力装置通信手段が前記撮影手段によって撮影され前記画像データ出力手段によって出力された前記検査対象物と前記レーザー投射装置が投射した図柄あるいは文字を含む画像データを前記遠隔地コンピューターに送信する、ことを特徴とする。
【0036】
本発明による原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システムは、
検査対象物が置かれている場所に設けられる画像入出力装置と、レーザー投射装置と、暗証データ認証装置と、現地音声通信装置と、
検査員がいる場所に設けられる遠隔地コンピューターと、遠隔地音声通信装置と、
検査対象物に付される無線ICチップと、
任意の場所に設けられる暗証データ入力装置と、
通信網とからなり、
前記画像入出力装置は、撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像を画像データに変換して出力する画像データ出力手段と、画像入出力装置通信手段とを有し、
前記レーザー投射装置は、レーザー発振器と、レーザー光変調手段と、スキャナーと、レーザー投射装置制御手段と、レーザー投射装置通信手段とを有し、
前記暗証データ認証装置は、無線ICチップリーダーと、暗証データ認証装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、遠隔地コンピューター通信手段と、入力手段と、表示手段と、情報処理手段とを有し、
前記暗証データ入力装置は、検査員によって設定された暗証データを前記無線ICチップに入力し、前記無線ICチップは検査対象物に固定され、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が検査対象物の画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して出力し、前記画像データ入出力装置通信手段が前記画像データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記検査対象物に固定された無線ICチップの暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記暗証データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記遠隔地コンピューターは、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記画像データと暗証データとを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に当該画像と暗証データとを表示させ、前記入力手段が検査員が設定した前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字を入力し、前記情報処理手段が前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号を前記レーザー投射装置に送信し、
前記遠隔地音声通信装置と前記現地音声通信装置は、遠隔地の検査員と現地の操作員の音声を送受信および入出力し、
前記レーザー投射装置は、前記レーザー投射装置通信手段が前記ビデオ信号を受信し、前記レーザー投射装置制御手段が前記ビデオ信号に基づいて前記レーザー光変調手段と前記スキャナーに前記検査員によって設定された図柄あるいは文字を照射させ、
前記画像入出力装置は、前記画像入出力装置通信手段が前記撮影手段によって撮影され前記画像データ出力手段によって出力された前記検査対象物と前記レーザー投射装置が投射した図柄あるいは文字を含む画像データを前記遠隔地コンピューターに送信する、ことを特徴とする。
【0037】
前記検査対象物が置かれている場所には、さらに前記無線ICチップに新暗証データを書き込む新暗証データ書込装置が設けられ、
前記新暗証データ書込装置は、新暗証データ書込手段と、新暗証データ書込装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、前記入力手段が検査員が設定した新暗証データを入力し、前記情報処理手段が前記遠隔地コンピューター通信手段に前記新暗証データを前記新暗証データ書込装置に送信させ、
前記新暗証データ書込装置は、前記新暗証データ書込装置通信手段が前記新暗証データを受信し、前記新暗証データ書込手段が前記新暗証データを前記無線ICチップに書き込み、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記無線ICチップから新暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記新暗証データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記遠隔地コンピューターは、前記通信手段が前記新暗証データを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に前記新暗証データを表示させるようにすることができる。
【0038】
本発明による原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システムは、
検査対象物が置かれている場所に設けられる画像入出力装置と、レーザー投射装置と、暗証データ認証装置と、現地コンピューターと、
検査員がいる場所に設けられる遠隔地コンピューターと、
検査対象物に付される無線ICチップと、
任意の場所に設けられる暗証データ入力装置と、
通信網とからなり、
前記画像入出力装置は、撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像を画像データに変換して出力する画像データ出力手段と、前記撮影手段の位置や姿勢を制御する位置姿勢制御手段と、制御信号入力手段とを有し、
前記レーザー投射装置は、レーザー発振器と、レーザー光変調手段と、スキャナーと、レーザー光の投射位置を制御する投射位置制御手段と、レーザー投射装置制御手段と、制御信号入力手段とを有し、
前記暗証データ認証装置は、無線ICチップリーダーと、暗証データ認証装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、遠隔地コンピューター通信手段と、入力手段と、表示手段と、情報処理手段とを有し、
前記現地コンピューターは、現地コンピューター通信手段と、入力手段と、情報処理手段と、制御信号出力手段とを有し、
前記暗証データ入力装置は、検査員によって設定された暗証データを前記無線ICチップに入力し、前記無線ICチップは検査対象物に固定され、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が検査対象物の画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して前記現地コンピューターに出力し、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記検査対象物に固定された無線ICチップから暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記暗証データを前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、その入力手段が前記画像データと前記暗証データとを入力し、その情報処理手段が前記現地コンピューター通信手段に前記画像データと暗証データとを前記遠隔地コンピューターに送信させ、
前記遠隔地コンピューターは、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記画像データと暗証データとを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に当該画像と暗証データとを表示させ、前記入力手段が検査員が設定した前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字と、前記レーザー投射装置に対する投射位置制御命令と、前記画像入出力装置に対する位置姿勢制御命令とを入力し、前記情報処理手段が前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令と前記画像入出力装置に対する位置制御命令とを前記現地コンピューターに送信し、
前記現地コンピューターは、前記現地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令と前記画像入出力装置に対する位置姿勢制御命令とを受信し、前記情報処理手段が前記制御信号出力手段に前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令を前記レーザー投射装置に出力させるとともに、前記位置姿勢制御命令を前記画像入出力装置に出力させ、
前記レーザー投射装置は、その制御命令入力手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令とを入力し、前記投射位置制御手段が前記投射位置制御命令に基づいてレーザー光の投射位置を制御し、前記レーザー投射装置制御手段が前記ビデオ信号に基づいて前記レーザー光変調手段と前記スキャナーに前記検査員によって設定された図柄あるいは文字を照射させ、
前記画像入出力装置は、その制御命令入力手段が前記位置制御命令を入力し、前記位置姿勢制御手段が前記位置制御命令に基づいて前記撮影手段の位置や姿勢を制御し、前記撮影手段が前記検査対象物と前記レーザー投射装置が投射した図柄あるいは文字を含む画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、前記入力手段が前記画像データを入力し、前記情報処理手段が前記現地コンピューター通信手段に前記画像データを前記遠隔地コンピューターに送信する、ことを特徴とする。
【0039】
本発明による原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システムは、
検査対象物が置かれている場所に設けられる画像入出力装置と、レーザー投射装置と、暗証データ認証装置と、現地音声通信装置と、現地コンピューターと、
検査員がいる場所に設けられる遠隔地コンピューターと、遠隔地音声通信装置と、
検査対象物に付される無線ICチップと、
任意の場所に設けられる暗証データ入力装置と、
通信網とからなり、
前記画像入出力装置は、撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像を画像データに変換して出力する画像データ出力手段と、制御信号入力手段とを有し、
前記レーザー投射装置は、レーザー発振器と、レーザー光変調手段と、スキャナーと、レーザー投射装置制御手段と、制御信号入力手段とを有し、
前記暗証データ認証装置は、無線ICチップリーダーと、暗証データ認証装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、遠隔地コンピューター通信手段と、入力手段と、表示手段と、情報処理手段とを有し、
前記現地コンピューターは、現地コンピューター通信手段と、入力手段と、情報処理手段と、制御信号出力手段とを有し、
前記暗証データ入力装置は、検査員によって設定された暗証データを前記無線ICチップに入力し、前記無線ICチップは検査対象物に固定され、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が検査対象物の画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して前記現地コンピューターに出力し、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記検査対象物に固定された無線ICチップから暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記暗証データを前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、その入力手段が前記画像データと前記暗証データとを入力し、その情報処理手段が前記現地コンピューター通信手段に前記画像データと暗証データとを前記遠隔地コンピューターに送信させ、
前記遠隔地コンピューターは、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記画像データと暗証データとを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に当該画像と暗証データとを表示させ、前記入力手段が検査員が設定した前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字を入力し、前記情報処理手段が前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号を前記現地コンピューターに送信し、
前記遠隔地音声通信装置と前記現地音声通信装置は、遠隔地の検査員と現地の操作員の音声を送受信および入出力し、
前記現地コンピューターは、前記現地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号を受信し、前記情報処理手段が前記ビデオ信号を前記レーザー投射装置に出力し、
前記レーザー投射装置は、その制御命令入力手段が前記ビデオ信号を入力し、前記レーザー投射装置制御手段が前記ビデオ信号に基づいて前記レーザー光変調手段と前記スキャナーに前記検査員によって設定された図柄あるいは文字を照射させ、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が前記検査対象物と前記レーザー投射装置が投射した図柄あるいは文字を含む画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、前記入力手段が前記画像データを入力し、前記情報処理手段が前記現地コンピューター通信手段に前記画像データを前記遠隔地コンピューターに送信する、ことを特徴とする。
【0040】
前記検査対象物が置かれている場所には、さらに前記無線ICチップに新暗証データを書き込む新暗証データ書込装置が設けられ、
前記新暗証データ書込装置は、新暗証データ入力手段と、新暗証データ書込手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、前記入力手段が検査員が設定した新暗証データを入力し、前記情報処理手段が前記遠隔地コンピューター通信手段に前記新暗証データを前記現地コンピューターに送信させ、
前記現地コンピューターは、前記現地コンピューター通信手段が前記新暗証データを受信し、前記情報処理手段が前記制御信号出力手段に前記新暗証データを前記新暗証データ書込装置に出力させ、
前記新暗証データ書込装置は、前記新暗証データ入力手段が前記新暗証データを受信し、前記新暗証データ書込手段が前記新暗証データを前記無線ICチップに書き込み、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記無線ICチップから新暗証データを読み出して、前記暗証データ認証装置通信手段が前記新暗証データを前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、前記入力手段が前記新暗証データを入力し、前記情報処理手段が前記前記現地コンピューター通信手段に前記新暗証データを前記遠隔地コンピューターに送信するようにすることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、暗証データ入力装置が、検査員が任意に設定する暗証データを前記無線ICチップに入力し、その無線ICチップは検査対象物に固定され。遠隔検査を行うときは、暗証データ認証装置が検査対象物に固定された無線ICチップから暗証データを読み出し、遠隔地コンピューターに送り、遠隔地コンピューターが検査対象物の画像とともに暗証データを表示する。
【0042】
上記の流れにより、検査員しか知らない暗証データが遠隔地コンピューターに映し出されている検査対象物の無線ICチップから読み出され、検査員が見ている遠隔地コンピューターに表示される。この暗証データの表示によって、検査員は自分が設定した暗証データであるか否かを確認することができる。
【0043】
この場合に、第三者は暗証データを知ることができないので、第三者が別の検査対象物に偽の個別番号のプレートを付して検査対象物をすり替えても、暗証データを知らない限り、正しい暗証データを偽の検査対象物に付すことができない。これにより、検査対象物のすり替えを防止することができ、検査対象物の同一性、すなわち、検査を意図している検査対象物であることを保証することができる。
【0044】
また、本発明によれば、検査員は遠隔地コンピューターに任意に設定した図柄あるいは文字を入力すると、遠隔地コンピューターが前記図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、レーザー投射装置に送信する。上記ビデオ信号を受信したレーザー投射装置は、ビデオ信号に基づいて検査員が任意に設定した図柄あるいは文字を所定の場所、好ましくは検査対象物上に投射する。そうすると、検査対象物と投射された図柄あるいは文字の画像データは再び画像入出力装置によって遠隔地コンピューターに送信され、該図柄あるいは文字は検査対象物の画像とともに遠隔地コンピューターの表示手段に表示される。
【0045】
このシステムによれば、検査員はたった今自ら任意に設定した図柄や文字が現に外観検査をしている検査対象物の上に投射されたことを確認することができる。
【0046】
第三者は、検査員がリアルタイムで任意に設定する図柄や文字を知ることができないので、偽の画像に当該図柄や文字を付加して本物の画像とすり替えることはできない。
【0047】
これにより、画像が現在の画像であることが保証され、すり替えられた画像でないことが保証される。
【0048】
このように本発明によれば、遠隔地コンピューターによって遠隔外観検査を行う場合においても、遠隔地コンピューターの画面上に映し出されている物が検査しようとしている検査対象物であり、かつ、検査員が観察している遠隔地コンピューターの画像がすり替えられた画像でないことが保証され、遠隔地において画像によって真正の検査対象物の外観検査を行うことができる。
【0049】
また、新暗証データ書込装置を有する本発明によれば、検査員は遠隔地コンピューターに対して任意に設定した新しい暗証データ(新暗証データ)を入力し、その新暗証データは現地に送信され、新暗証データ書込装置によって無線ICチップに書き込まれる。そして、無線ICチップに書き込まれた新暗証データは、暗証データ認証装置によって読み出され、遠隔地コンピューターに送信されそこで表示される。
【0050】
この場合、検査員は、検査対象物の暗証データを随時変更することができることにより、遠隔地コンピューターの画面に映し出されている検査対象物が現時点の検査対象物であることを暗証データによって確認することができる。
【0051】
また、遠隔地コンピューターの画面上に表示された暗証データが現地の暗証データ認証装置によって読み出された暗証データを確認することができる。これにより、現地の暗証データ認証装置が読み出した暗証データを、他の無線ICチップから読み出された暗証データによってすり替えることも防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
図1は本発明の一実施形態による遠隔外観検査システムの構成を示している。
【0053】
本実施形態の遠隔外観検査システム1は、検査対象物2が置かれている場所(現地)に設けられた画像入出力装置3と、レーザー投射装置4と、暗証データ認証装置5と、検査員がいる場所(遠隔地)に設けられた遠隔地コンピューター6と、検査対象物2に付された無線ICチップ7と、任意の場所に設けられた暗証データ入力装置8と、通信網9とからなる。
【0054】
画像入出力装置3は、撮影手段10と、画像データ出力手段11と、位置姿勢制御手段12と、画像入出力装置通信手段13とを有している。
【0055】
撮影手段10は、動画・静止画の別を問わず画像を入力することができる手段であり、たとえばビデオカメラ、監視カメラ等である。なお、撮影手段10は好ましくはズーム機能を有する。
【0056】
画像データ出力手段11は、撮影手段10が撮影した画像を画像データに変換して出力する手段である。
【0057】
位置姿勢制御手段12は撮影手段10の位置や姿勢を制御する手段である。位置姿勢制御手段12は、撮影手段10を左右上下にアングルを変えることができる他、システムによっては、レールに沿って平行移動するように構成することができる。
【0058】
画像入出力装置通信手段13は、通信機能を有し、画像入出力装置3を制御する信号を入力し、画像入出力装置3の画像データを出力することができる手段である。
【0059】
レーザー投射装置4は、レーザー発振器14と、レーザー光変調手段15と、スキャナー16と、投射位置制御手段17と、レーザー投射装置制御手段18と、レーザー投射装置通信手段19とを有している。
【0060】
レーザー発振器14は、誘導放出された光子をミラーの間で往復反射させ、最後に半透明の鏡から発射する装置である。
【0061】
レーザー光変調手段15は、レーザー発振器14から発射されたレーザー光にオン/オフ等の変調を加える手段である。
【0062】
スキャナー16は、レーザー発振器14から発射されたレーザー光の方向を制御し、一定の軌跡を描くように走査する手段である。
【0063】
レーザー光変調手段15による断続的な遮断と開放とスキャナー16による走査により、レーザー投射装置4は所望の図柄や文字を投射することができる。
【0064】
投射位置制御手段17は、レーザー光の投射位置すなわち前記図柄や文字の投射位置を制御する手段である。
【0065】
投射位置制御手段17は、レーザー投射装置4を左右上下にアングル(姿勢)を変えることができる他、システムによっては、レールに沿って平行移動して投射位置を変更することができるように構成することができる。
【0066】
レーザー投射装置制御手段18は、レーザー投射装置4の全体を制御する手段である。レーザー投射装置制御手段18はレーザー光変調手段15とスキャナー16とを協働させて、所定の図柄や文字を表示・投射することができるように制御する。また、レーザー投射装置制御手段18は、投射位置制御手段17を制御して、レーザー光による前記図柄や文字の投射位置を制御する。
【0067】
レーザー投射装置通信手段19は、レーザー投射装置4が投射する図柄や文字のビデオ信号の入力や、レーザー光の投射位置に対する位置制御命令等の入力をする。
【0068】
暗証データ認証装置5は、無線ICチップリーダー20と、暗証データ認証装置通信手段21とを有している。
【0069】
遠隔地コンピューター6は、遠隔地コンピューター通信手段22と、入力手段23と、表示手段24と、情報処理手段25とを有している。
【0070】
通信網9は、好ましくはインターネットを含み、インターネットに接続するための各種ローカル通信ネットワークを含むものとする。
【0071】
次に遠隔外観検査システム1の処理の流れについて説明する。
【0072】
本実施形態の遠隔外観検査システム1においては、検査対象物の個体の特定のために、無線ICチップ7に検査員が任意に設定した暗証データを入力する。
【0073】
無線ICチップ7への暗証データの入力は、暗証データ入力装置8によって行われる。暗証データの入力は任意の場所で行われてよいが、無線ICチップ7は検査対象物2に取り外しが困難なように固定される。
【0074】
遠隔外観検査に際しては、現地において画像入出力装置3の撮影手段10によって検査対象物2の画像を撮影し、撮影手段10が撮影した画像を画像データ出力手段11が画像データに変換し、前記画像データを画像入出力装置通信手段13が入力し、遠隔地コンピューター6に送信する。なお、画像データ出力手段11による画像データの「変換」は「圧縮」処理を含むものとする。
【0075】
最初に検査対象の検査対象物2の個体を特定するために、画像入出力装置3により、検査対象物2に付された個別番号のプレートの画像が遠隔地コンピューター6に送信される。これにより、検査対象物2の個別番号が遠隔地コンピューター6で表示される。
【0076】
ほぼ同時に、現地の暗証データ認証装置5の無線ICチップリーダー20により、検査対象物2に固定された無線ICチップ7から、暗証データが読み出され、暗証データ認証装置通信手段21により遠隔地コンピューター6に送信される。
【0077】
遠隔地コンピューター6は、遠隔地コンピューター通信手段22が前記送信された画像データと暗証データとを受信し、情報処理手段25が表示手段24に当該画像と暗証データとを表示させる。
【0078】
これにより、検査員は、自らが検査対象物2に対応して任意に設定した暗証データを遠隔地コンピューター6の表示手段24で確認することができる。
【0079】
この場合、第三者は暗証データを知ることができないので、第三者が検査対象以外の原子燃料や輸送容器に偽の個別番号のプレートを付して検査対象物2をすり替えても、暗証データを知らない限り、正しい暗証データを偽の検査対象物に付すことができない。このため、検査対象物のすり替えを防止することができ、検査対象物の同一性、すなわち、検査を意図している検査対象物であることを保証することができる。
【0080】
検査員は、外観検査に先だって、画面に映し出された検査対象物2が検査しようとしている真正の検査対象物2であるか否かを上記暗証データと画像によって確認し、しかる後に画像入出力装置3によって検査対象物2の外観検査を行う。
【0081】
検査対象物2の外観検査は、検査員が遠隔地コンピューター6によって画像入出力装置3を遠隔操作しながら行う。
【0082】
すなわち、検査員は画面を見ながら入力手段23により、画像入出力装置3の位置姿勢制御手段12に指示を与え、撮影手段10の姿勢と位置を制御するとともに、ズーム機能を活用して検査対象物2の所望の部位に接近し、遠隔地コンピューター6の表示手段24(画面)に画像を映し出して外観検査を行う。
【0083】
この場合に、検査員が検察している画像がすり替えられた画像でないことを確認するために、検査員はレーザー投射装置4を使用することができる。
【0084】
レーザー投射装置4の使用に際しては、検査員は遠隔地コンピューター6の入力手段23によって任意の図柄あるいは文字を入力する。入力された図柄あるいは文字は、情報処理手段25によってビデオ信号に変換され、該ビデオ信号は情報処理手段25の命令により遠隔地コンピューター通信手段22によって現地のレーザー投射装置4に送信される。
【0085】
送信されたビデオ信号は、レーザー投射装置4のレーザー投射装置通信手段19によって受信され、レーザー投射装置制御手段18に入力される。レーザー投射装置制御手段18は、前記ビデオ信号に基づいてレーザー光変調手段15とスキャナー16を制御し、検査員が任意に入力した図柄や文字を再生して投射させる。なお、レーザー光変調手段15は、光のオン/オフ制御が電気的に制御可能な位相回折格子を用いて構成することができる。また、スキャナー16は、ビデオ信号に基づいて生成された駆動信号により、レーザー投射装置制御手段18の制御の下で駆動される。
【0086】
一方、レーザー光の投射位置も検査員によって任意に制御される。
【0087】
検査員は遠隔地コンピューター6の入力手段23により、画面を見ながら、自らが設定した図柄や文字を投射させる位置を指示する投射位置制御命令を入力する。投射位置制御命令の入力は適当なポインティングデバイスを用いることが好ましい。投射位置制御命令は、遠隔地コンピューター通信手段22によりレーザー投射装置4のレーザー投射装置通信手段19に転送され、レーザー投射装置通信手段19を介してレーザー投射装置制御手段18に入力される。レーザー投射装置制御手段18は、投射位置制御命令を投射位置制御手段17に出力し、投射位置制御手段17にレーザー投射装置4本体の位置や姿勢の数値制御を行わせる。
【0088】
レーザー投射装置4により投射された図柄や文字は、再び画像入出力装置3によって遠隔地コンピューター6に転送される。
【0089】
以上のような処理により、検査員は、遠隔地コンピューター6によって画像入出力装置3あるいはレーザー投射装置4を遠隔操作し、所望の位置に自らが設定した図柄や文字を投射させ、画像入出力装置3によってその図柄や文字を確認することができる。
【0090】
映像がすり替えられた画像である場合、あるいは編集された画像である場合には、画像に検査員が任意に設定した図柄や文字を含ませることができない。これにより、検査員は、遠隔地コンピューター6の表示手段24に映し出されている画像がリアルタイムの画像、すり替えられていない画像であることを確認することができる。
【0091】
以上の暗証データの認証と、レーザー光の投射により、本発明によれば、遠隔地から画像を通じて原子燃料、輸送容器等の外観を検査する際に、検査を意図している検査対象物であって、且つ、画像がすり替えられたものではないこと、つまり、検査対象物と画像の双方がすり替えられていないことを保証することができる。
【0092】
図2は、本発明の第2の実施形態の構成を示している。
【0093】
図2に示した遠隔外観検査システム26は、画像入出力装置27が位置姿勢制御手段を有していない点、レーザー投射装置28が投射位置制御手段を有していない点、現地音声通信装置29と遠隔地音声通信装置30とを有している点を除いて、図1の遠隔外観検査システム1と同様の構成を有している。
【0094】
図2において、図1と同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0095】
遠隔外観検査システム26は、検査員が遠隔地コンピューター6から直接画像入出力装置の撮影位置やレーザー投射装置のレーザー光投射位置を制御する代わりに、遠隔地音声通信装置30と現地音声通信装置29を介して現地の操作員に指示し、画像入出力装置の撮影位置やレーザー投射装置のレーザー光投射位置を操作させるものである。
【0096】
すなわち、検査員は現地の操作員に指示し、最初に検査対象物2の個別番号プレートの画像と暗証データを送信させ、暗証データとともに検査対象物2を確認し、次に現地音声通信装置29と遠隔地音声通信装置30を通じて操作員に外観検査のために所望の位置の画像を送らせる。
【0097】
検査員はまた、任意の図柄や文字を遠隔地コンピューター6に入力し、操作員に指示して所望の位置に投射させることができる。投射されたレーザー光の図柄や文字と検査対象物2の画像は画像入出力装置27によって遠隔地コンピューター6に送信され、検査員が遠隔地コンピューター6の表示手段24でそれらの画像を確認することができる。
【0098】
本実施形態の遠隔外観検査システム26によっても、図1の遠隔外観検査システム1と同様、遠隔地から映像等を通じて原子燃料、輸送容器等の外観を検査する際に、検査対象物がすり替えられていないことと映像がすり替えられていないことの双方を保証することができる。
【0099】
なお、図2では、遠隔地音声通信装置30は遠隔地コンピューター6と別個独立の装置として示しているが、遠隔地音声通信装置26は遠隔地コンピューター6の一機能とし、遠隔地コンピューター6によつて検査員の音声を音声データに変換し、現地音声通信装置25に送信する場合も、コンピューターによって実現される音声通信装置が遠隔地音声通信装置30に該当し、本発明の範囲に含まれる。
【0100】
図3は、本発明の第3の実施形態の構成を示している。
【0101】
図3に示した遠隔外観検査システム31は、新暗証データ書込装置32を有している点で図1に示した遠隔外観検査システム1と相違する他は、遠隔外観検査システム1と同様の構成を有している。
【0102】
図3において、図1と同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0103】
新暗証データ書込装置32は、新暗証データ書込手段33と、新暗証データ書込装置通信手段34とを有している。
【0104】
新暗証データ書込手段33は、新しい暗証データを無線ICチップ7に書き込む手段である。新暗証データ書込装置通信手段34は、新暗証データ書込装置32の通信手段である。
【0105】
遠隔外観検査システム31において、最初に画像入出力装置3によって検査対象物2の個別番号プレート等の画像を送信し、暗証データ認証装置5によって暗証データを送信し、画像入出力装置3を操作して所望の部位の画像を送信し、レーザー投射装置4によって任意の図柄や文字を投射してその画像を送信することは図1の遠隔外観検査システム1と同様である。
【0106】
遠隔外観検査システム31によれば、遠隔外観検査システム1と同様に、検査対象物2が真に検査をしようとする検査対象物であることを確認でき、遠隔地コンピューター6で観察される画像がすり替えられた画像でないことを確認できる。
【0107】
その上、遠隔外観検査システム31によれば、随時無線ICチップ7に新しい暗証データを書き込んで、それを暗証データ認証装置5と遠隔地コンピューター6を通して確認することができる。
【0108】
無線ICチップ7に新しい暗証データ(新暗証データ)を入力するには、遠隔地コンピューター6の入力手段23が、検査員が設定した新暗証データを入力し、情報処理手段25が遠隔地コンピューター通信手段22に前記新暗証データを新暗証データ書込装置32に送信させる。
【0109】
新暗証データ書込装置32は、新暗証データ書込装置通信手段34が新暗証データを受信し、新暗証データ書込手段33がその新暗証データを無線ICチップ7に書き込む。
【0110】
次に、暗証データ認証装置5の無線ICチップリーダー20が、無線ICチップ7から新暗証データを読み出し、暗証データ認証装置通信手段21により前記新暗証データを遠隔地コンピューター6に送信する。
【0111】
遠隔地コンピューター6の通信手段(遠隔地コンピューター通信手段22)は、前記新暗証データを受信し、情報処理手段25がその新暗証データを表示手段24に表示させる。
【0112】
これにより、検査員は、検査対象物2の暗証データを随時変更して、その変更が遠隔地コンピューター6の画面で確認することができることにより、遠隔地コンピューター6の画面に映し出されている検査対象物2が現に現地で検査を受けている検査対象物2であることを確認することができる。
【0113】
また、遠隔地コンピューター6の画面上に表示された新暗証データは、暗証データ認証装置5を通して遠隔地コンピューター6に送られて表示されたものであるので、検査員は遠隔地コンピューター6に表示された暗証データがたしかに現地の暗証データ認証装置5から送信された暗証データであることを確認できる。これにより、暗証データのすり替えによって他の検査対象物の画像を送信されることを防止することができる。
【0114】
図4は、本発明の第4の実施形態の構成を示している。
【0115】
図4に示した遠隔外観検査システム35は、現地コンピューター36を有している他は、図1の遠隔外観検査システム1と同様の構成を有している。
【0116】
図4において、図1と同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0117】
現地コンピューター36は、現地コンピューター通信手段37と、入力手段38と、情報処理手段39と、制御信号出力手段40と、表示手段41とを有している。
【0118】
また、現地コンピューター36において、画像入出力装置3は画像入出力装置通信手段の代わりに制御信号入力手段42を有し、レーザー投射装置4はレーザー投射装置通信手段の代わりに制御信号入力手段43を有し、暗証データ認証装置5は暗証データ認証装置通信手段の代わりに暗証データ出力手段44を有している。
【0119】
現地コンピューター36は、現地において画像入出力装置3とレーザー投射装置4と暗証データ認証装置5とを統括的に制御する手段である。
【0120】
表示手段41は、必ずしも必須のものではなく、適宜省略することができる。
【0121】
入力手段38は、現地コンピューター36に対する種々の命令を入力する手段の他、画像入出力装置3やレーザー投射装置4や暗証データ認証装置5からのデータやメッセージを現地コンピューター36に入力する手段を含む意味の入力手段である。
【0122】
一方、制御信号出力手段40は、現地コンピューター36から画像入出力装置3とレーザー投射装置4と暗証データ認証装置5に対する「制御信号」を出力する手段の他、「データ」を出力する手段を含む意味の制御信号出力手段である。
【0123】
遠隔外観検査システム35においては、遠隔地コンピューター6は画像入出力装置3等に対して直接通信することなく、すべて現地コンピューター36に対して通信を行う。
【0124】
遠隔外観検査システム35においては、暗証データ入力装置8が、検査員によって設定された暗証データを無線ICチップ7に入力し、その無線ICチップ7は検査対象物2に固定される。
【0125】
遠隔外観検査に際しては、画像入出力装置3の撮影手段10が、検査対象物2の画像を撮影し、画像データ出力手段11が前記画像を画像データに変換し制御信号入力手段42を通して現地コンピューター36に出力する。
【0126】
一方、暗証データ認証装置5の無線ICチップリーダー20が、無線ICチップ7から暗証データを読み出し、前記暗証データを暗証データ出力手段44が現地コンピューター36に出力する。
【0127】
現地コンピューター36は、その入力手段38が前記画像データと暗証データとを入力し、情報処理手段39が現地コンピューター通信手段37に前記画像データと暗証データを遠隔地コンピューター6に送信させる。
【0128】
遠隔地コンピューター6は、遠隔地コンピューター通信手段22が前記画像データと暗証データとを受信し、情報処理手段25が表示手段24に当該画像と暗証データとを表示させる。
【0129】
これに対して、検査員は入力手段23によって任意に設定した図柄あるいは文字と、レーザー投射装置4に対する投射位置制御命令と、画像入出力装置3に対する位置姿勢制御命令とを遠隔地コンピューター6に入力する。遠隔地コンピューター6の情報処理手段25は、前記図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、遠隔地コンピューター通信手段22によって前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令と前記画像入出力装置に対する位置制御命令とを現地コンピューター36に送信する。
【0130】
現地コンピューター36は、現地コンピューター通信手段37が、前記ビデオ信号と投射位置制御命令と画像入出力装置に対する位置姿勢制御命令とを受信し、情報処理手段39が制御信号出力手段40にビデオ信号と投射位置制御命令をレーザー投射装置4に出力させるとともに、位置姿勢制御命令を画像入出力装置3に出力させる。
【0131】
レーザー投射装置4は、制御命令入力手段43が前記ビデオ信号と投射位置制御命令とを入力し、投射位置制御手段17が投射位置制御命令に基づいてレーザー光の投射位置を制御し、レーザー投射装置制御手段18がビデオ信号に基づいてレーザー光変調手段15とスキャナー16に検査員によって設定された図柄あるいは文字を照射させる。
【0132】
画像入出力装置3は、制御命令入力手段42が前記位置制御命令を入力し、位置姿勢制御手段12が位置制御命令に基づいて撮影手段10の位置や姿勢を制御し、撮影手段10が検査対象物2とレーザー投射装置4が投射した図柄あるいは文字を含む画像を撮影し、画像データ出力手段11がその画像を画像データに変換して現地コンピューター36に出力する。
【0133】
現地コンピューター36は、入力手段38が画像入出力装置3からの前記画像データを入力し、情報処理手段39が現地コンピューター通信手段37に前記画像データを遠隔地コンピューター6に送信させる。
【0134】
以上の処理により、遠隔外観検査システム35によれば、最初に画像入出力装置3によって検査対象物2の個別番号プレート等の画像を送信し、暗証データ認証装置5によって暗証データを送信することができる。
【0135】
これにより、検査員は、遠隔地コンピューター6の表示手段24に映し出されている検査対象物2が検査しようとする検査対象物2であることを確認することができる。
【0136】
次に、検査員は、遠隔地コンピューター6と現地コンピューター36とを介して、画像入出力装置3を遠隔操作し、所望の部位の画像を送信させることができる。また、検査員は、遠隔地コンピューター6と現地コンピューター36を介して、所望の部位に任意の図柄や文字のレーザー光を照射させ、画像入出力装置3によってその画像を現地コンピューター36に送信させ、表示させることができる。
【0137】
これにより、検査員は、遠隔地コンピューター6の表示手段24に映し出されている画像は、すり替えられた画像でないことを確認することができる。
【0138】
図5は本発明の第5の実施形態の構成を示している。
【0139】
図5に示した遠隔外観検査システム45は、画像入出力装置46が位置姿勢制御手段を有していない点、レーザー投射装置47が投射位置制御手段を有していない点、現地音声通信装置48と遠隔地音声通信装置49とを有している点を除いて、図4の遠隔外観検査システム35と同様の構成を有している。
【0140】
図5において、図4と同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0141】
遠隔外観検査システム45は、検査員が遠隔地コンピューター6から現地コンピューター36を介して画像入出力装置の撮影位置やレーザー投射装置のレーザー光投射位置を制御する代わりに、遠隔地音声通信装置49と現地音声通信装置48を介して現地の操作員に指示し、現地の操作員により画像入出力装置の撮影位置やレーザー投射装置のレーザー光投射位置を操作させるものである。この場合、現地の操作員は検査員の音声の指示に従って現地コンピューター36を操作し、現地コンピューター36を通じて画像入出力装置46とレーザー投射装置47と暗証データ認証装置5を制御する。
【0142】
検査員は現地の操作員の助けを借りて、最初に検査対象物2の個別番号プレートの画像と暗証データを送信させ、暗証データとともに検査対象物2を確認し、次に現地音声通信装置48と遠隔地音声通信装置49を通じて外観検査のために操作員に所望の位置の画像を送らせる。
【0143】
検査員はまた、任意の図柄や文字を遠隔地コンピューター6に入力し、操作員に指示して所望の位置に投射させることができる。投射されたレーザー光の図柄や文字と検査対象物2の画像は画像入出力装置46と現地コンピューター36を通して遠隔地コンピューター6に送信され、遠隔地コンピューター6の表示手段24に表示される。
【0144】
本実施形態の遠隔外観検査システム45によっても、図4の遠隔外観検査システム35と同様、遠隔地から映像等を通じて原子燃料、輸送容器等の外観を検査する際に、検査対象物がすり替えられていないことと映像がすり替えられていないことの双方を保証することができる。
【0145】
また、遠隔地音声通信装置49と現地音声通信装置48は、コンピューター(6,36)の一機能として実現されている場合も、コンピューター(6,36)によって実現された音声通信手段が遠隔地音声通信装置49と現地音声通信装置48に該当し、本発明の範囲に含まれる。
【0146】
図6は、本発明の第6の実施形態の構成を示している。
【0147】
図6に示した遠隔外観検査システム50は、新暗証データ書込装置51を有している点で図4に示した遠隔外観検査システム35と相違する他は、遠隔外観検査システム35と同様の構成を有している。
【0148】
図6において、図4と同一の部分については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0149】
新暗証データ書込装置51は、新暗証データ書込手段52と、新暗証データ入力手段53とを有している。
【0150】
新暗証データ書込手段52は、新しい暗証データを無線ICチップ7に書き込む手段である。新暗証データ入力手段53は、新暗証データを入力するための手段である。
【0151】
遠隔外観検査システム50において、最初に現地コンピューター36を介して、画像入出力装置3によって検査対象物2の個別番号プレート等の画像を送信し、暗証データ認証装置5によって暗証データを送信し、次に外観検査のために画像入出力装置3を操作して所望の部位の画像を送信し、画像がすり替えられたものではないことを確認するためにレーザー投射装置4によって任意の図柄や文字を投射してその画像を画像入出力装置3によって送信することは図4の遠隔外観検査システム35と同様である。
【0152】
遠隔外観検査システム50によれば、遠隔外観検査システム35と同様に、検査対象物2が真に検査をしようとする検査対象物であることを確認でき、遠隔地コンピューター6で観察される画像がすり替えられた画像でないことを確認できる。
【0153】
それに加えて、遠隔外観検査システム50によれば、随時無線ICチップ7に新しい暗証データを書き込んで、それを暗証データ認証装置5と現地コンピューター36と遠隔地コンピューター6とを通して確認することができる。
【0154】
無線ICチップ7に新しい暗証データ(新暗証データ)を入力するには、遠隔地コンピューター6の入力手段23が、検査員が設定した新暗証データを入力し、情報処理手段25が遠隔地コンピューター通信手段22に前記新暗証データを現地コンピューター36に送信させる。
【0155】
現地コンピューター36は、前記新暗証データを新暗証データ書込装置51に送信する。
【0156】
新暗証データ書込装置51は、新暗証データ入力手段53が新暗証データを受信し、新暗証データ書込手段52がその新暗証データを無線ICチップ7に書き込む。
【0157】
次に、暗証データ認証装置5の無線ICチップリーダー20が、無線ICチップ7から新暗証データを読み出し、暗証データ出力手段44により現地コンピューター36を介して前記新暗証データを遠隔地コンピューター6に送信する。
【0158】
遠隔地コンピューター6の通信手段(遠隔地コンピューター通信手段22)は、前記新暗証データを受信し、情報処理手段25がその新暗証データを表示手段24に表示させる。
【0159】
これにより、検査員は、検査対象物2の暗証データを随時変更して、その変更が遠隔地コンピューター6の画面で確認することができることにより、遠隔地コンピューター6の画面に映し出されている検査対象物2が現に現地で検査を受けている検査対象物2であることを確認することができる。
【0160】
また、遠隔地コンピューター6の画面上に表示された新暗証データは、暗証データ認証装置5を通して遠隔地コンピューター6に送られて表示されたものであるので、検査員は遠隔地コンピューター6に表示された暗証データがたしかに現地の暗証データ認証装置5から送信された暗証データであることを確認できる。これにより、暗証データのすり替えて他の検査対象物の画像を送信されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明の第1実施形態による遠隔外観検査システムのシステム構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第2実施形態による遠隔外観検査システムのシステム構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第3実施形態による遠隔外観検査システムのシステム構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第4実施形態による遠隔外観検査システムのシステム構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第5実施形態による遠隔外観検査システムのシステム構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第6実施形態による遠隔外観検査システムのシステム構成を示すブロック図。
【図7】原子燃料あるいは輸送容器の輸送のための検査の流れを示したフローチャート。
【符号の説明】
【0162】
1 遠隔外観検査システム
2 検査対象物
3 画像入出力装置
4 レーザー投射装置
5 暗証データ認証装置
6 遠隔地コンピューター
7 無線ICチップ
8 暗証データ入力装置
9 通信網
10 撮影手段
11 画像データ出力手段
12 位置姿勢制御手段
13 画像入出力装置通信手段
14 レーザー発振器
15 レーザー光変調手段
16 スキャナー
17 投射位置制御手段
18 レーザー投射装置制御手段
19 レーザー投射装置通信手段
20 無線ICチップリーダー
21 暗証データ認証装置通信手段
22 遠隔地コンピューター通信手段
23 入力手段
24 表示手段
25 情報処理手段
26 遠隔外観検査システム
27 画像入出力装置
28 レーザー投射装置
29 現地音声通信装置
30 遠隔地音声通信装置
31 遠隔外観検査システム
32 新暗証データ書込装置
33 新暗証データ書込手段
34 新暗証データ書込装置通信手段
35 遠隔外観検査システム
36 現地コンピューター
37 現地コンピューター通信手段
38 入力手段
39 情報処理手段
40 制御信号出力手段
41 表示手段
42 制御信号入力手段
43 制御信号入力手段
44 暗証データ出力手段
45 遠隔外観検査システム
46 画像入出力装置
47 レーザー投射装置
48 現地音声通信装置
49 遠隔地音声通信装置
50 遠隔外観検査システム
51 新暗証データ書込装置
52 新暗証データ書込手段
53 新暗証データ入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物が置かれている場所に設けられる画像入出力装置と、レーザー投射装置と、暗証データ認証装置と、
検査員がいる場所に設けられる遠隔地コンピューターと、
検査対象物に付される無線ICチップと、
任意の場所に設けられる暗証データ入力装置と、
通信網とからなり、
前記画像入出力装置は、撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像を画像データに変換して出力する画像データ出力手段と、前記撮影手段の位置や姿勢を制御する位置姿勢制御手段と、画像入出力装置通信手段とを有し、
前記レーザー投射装置は、レーザー発振器と、レーザー光変調手段と、スキャナーと、レーザー光の投射位置を制御する投射位置制御手段と、レーザー投射装置制御手段と、レーザー投射装置通信手段とを有し、
前記暗証データ認証装置は、無線ICチップリーダーと、暗証データ認証装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、遠隔地コンピューター通信手段と、入力手段と、表示手段と、情報処理手段とを有し、
前記暗証データ入力装置は、検査員によって設定された暗証データを前記無線ICチップに入力し、前記無線ICチップは検査対象物に固定され、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が検査対象物の画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して出力し、前記画像データ入出力装置通信手段が前記画像データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記検査対象物に固定された無線ICチップから暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記暗証データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記遠隔地コンピューターは、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記画像データと暗証データとを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に当該画像と暗証データとを表示させ、前記入力手段が検査員が設定した前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字と、前記レーザー光の投射位置に対する投射位置制御命令と、前記画像入出力装置に対する位置姿勢制御命令とを入力し、前記情報処理手段が前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令とを前記レーザー投射装置に送信するとともに、前記画像入出力装置に対する位置姿勢制御命令を前記画像入出力装置に送信し、
前記レーザー投射装置は、前記レーザー投射装置通信手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令とを受信し、前記レーザー投射装置制御手段が前記投射位置制御命令に基づいて前記投射位置制御手段にレーザー光の投射位置を制御させるとともに、前記ビデオ信号に基づいて前記レーザー光変調手段と前記スキャナーに前記検査員によって設定された図柄あるいは文字を照射させ、
前記画像入出力装置は、前記画像入出力装置通信手段が前記位置姿勢制御命令を受信し、前記位置姿勢制御手段が前記位置姿勢制御命令に基づいて前記撮影手段の位置や姿勢を制御し、前記画像入出力装置通信手段が前記撮影手段によって撮影され前記画像データ出力手段によって出力された前記検査対象物と前記レーザー投射装置が投射した図柄あるいは文字を含む画像データを前記遠隔地コンピューターに送信する、ことを特徴とする原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システム。
【請求項2】
検査対象物が置かれている場所に設けられる画像入出力装置と、レーザー投射装置と、暗証データ認証装置と、現地音声通信装置と、
検査員がいる場所に設けられる遠隔地コンピューターと、遠隔地音声通信装置と、
検査対象物に付される無線ICチップと、
任意の場所に設けられる暗証データ入力装置と、
通信網とからなり、
前記画像入出力装置は、撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像を画像データに変換して出力する画像データ出力手段と、画像入出力装置通信手段とを有し、
前記レーザー投射装置は、レーザー発振器と、レーザー光変調手段と、スキャナーと、レーザー投射装置制御手段と、レーザー投射装置通信手段とを有し、
前記暗証データ認証装置は、無線ICチップリーダーと、暗証データ認証装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、遠隔地コンピューター通信手段と、入力手段と、表示手段と、情報処理手段とを有し、
前記暗証データ入力装置は、検査員によって設定された暗証データを前記無線ICチップに入力し、前記無線ICチップは検査対象物に固定され、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が検査対象物の画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して出力し、前記画像データ入出力装置通信手段が前記画像データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記検査対象物に固定された無線ICチップの暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記暗証データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記遠隔地コンピューターは、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記画像データと暗証データとを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に当該画像と暗証データとを表示させ、前記入力手段が検査員が設定した前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字を入力し、前記情報処理手段が前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号を前記レーザー投射装置に送信し、
前記遠隔地音声通信装置と前記現地音声通信装置は、遠隔地の検査員と現地の操作員の音声を送受信および入出力し、
前記レーザー投射装置は、前記レーザー投射装置通信手段が前記ビデオ信号を受信し、前記レーザー投射装置制御手段が前記ビデオ信号に基づいて前記レーザー光変調手段と前記スキャナーに前記検査員によって設定された図柄あるいは文字を照射させ、
前記画像入出力装置は、前記画像入出力装置通信手段が前記撮影手段によって撮影され前記画像データ出力手段によって出力された前記検査対象物と前記レーザー投射装置が投射した図柄あるいは文字を含む画像データを前記遠隔地コンピューターに送信する、ことを特徴とする原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システム。
【請求項3】
前記検査対象物が置かれている場所には、さらに前記無線ICチップに新暗証データを書き込む新暗証データ書込装置が設けられ、
前記新暗証データ書込装置は、新暗証データ書込手段と、新暗証データ書込装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、前記入力手段が検査員が設定した新暗証データを入力し、前記情報処理手段が前記遠隔地コンピューター通信手段に前記新暗証データを前記新暗証データ書込装置に送信させ、
前記新暗証データ書込装置は、前記新暗証データ書込装置通信手段が前記新暗証データを受信し、前記新暗証データ書込手段が前記新暗証データを前記無線ICチップに書き込み、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記無線ICチップから新暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記新暗証データを前記遠隔地コンピューターに送信し、
前記遠隔地コンピューターは、前記通信手段が前記新暗証データを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に前記新暗証データを表示させる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システム。
【請求項4】
検査対象物が置かれている場所に設けられる画像入出力装置と、レーザー投射装置と、暗証データ認証装置と、現地コンピューターと、
検査員がいる場所に設けられる遠隔地コンピューターと、
検査対象物に付される無線ICチップと、
任意の場所に設けられる暗証データ入力装置と、
通信網とからなり、
前記画像入出力装置は、撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像を画像データに変換して出力する画像データ出力手段と、前記撮影手段の位置や姿勢を制御する位置姿勢制御手段と、制御信号入力手段とを有し、
前記レーザー投射装置は、レーザー発振器と、レーザー光変調手段と、スキャナーと、レーザー光の投射位置を制御する投射位置制御手段と、レーザー投射装置制御手段と、制御信号入力手段とを有し、
前記暗証データ認証装置は、無線ICチップリーダーと、暗証データ認証装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、遠隔地コンピューター通信手段と、入力手段と、表示手段と、情報処理手段とを有し、
前記現地コンピューターは、現地コンピューター通信手段と、入力手段と、情報処理手段と、制御信号出力手段とを有し、
前記暗証データ入力装置は、検査員によって設定された暗証データを前記無線ICチップに入力し、前記無線ICチップは検査対象物に固定され、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が検査対象物の画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して前記現地コンピューターに出力し、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記検査対象物に固定された無線ICチップから暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記暗証データを前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、その入力手段が前記画像データと前記暗証データとを入力し、その情報処理手段が前記現地コンピューター通信手段に前記画像データと暗証データとを前記遠隔地コンピューターに送信させ、
前記遠隔地コンピューターは、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記画像データと暗証データとを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に当該画像と暗証データとを表示させ、前記入力手段が検査員が設定した前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字と、前記レーザー投射装置に対する投射位置制御命令と、前記画像入出力装置に対する位置姿勢制御命令とを入力し、前記情報処理手段が前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令と前記画像入出力装置に対する位置制御命令とを前記現地コンピューターに送信し、
前記現地コンピューターは、前記現地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令と前記画像入出力装置に対する位置姿勢制御命令とを受信し、前記情報処理手段が前記制御信号出力手段に前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令を前記レーザー投射装置に出力させるとともに、前記位置姿勢制御命令を前記画像入出力装置に出力させ、
前記レーザー投射装置は、その制御命令入力手段が前記ビデオ信号と前記投射位置制御命令とを入力し、前記投射位置制御手段が前記投射位置制御命令に基づいてレーザー光の投射位置を制御し、前記レーザー投射装置制御手段が前記ビデオ信号に基づいて前記レーザー光変調手段と前記スキャナーに前記検査員によって設定された図柄あるいは文字を照射させ、
前記画像入出力装置は、その制御命令入力手段が前記位置制御命令を入力し、前記位置姿勢制御手段が前記位置制御命令に基づいて前記撮影手段の位置や姿勢を制御し、前記撮影手段が前記検査対象物と前記レーザー投射装置が投射した図柄あるいは文字を含む画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、前記入力手段が前記画像データを入力し、前記情報処理手段が前記現地コンピューター通信手段に前記画像データを前記遠隔地コンピューターに送信する、ことを特徴とする原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システム。
【請求項5】
検査対象物が置かれている場所に設けられる画像入出力装置と、レーザー投射装置と、暗証データ認証装置と、現地音声通信装置と、現地コンピューターと、
検査員がいる場所に設けられる遠隔地コンピューターと、遠隔地音声通信装置と、
検査対象物に付される無線ICチップと、
任意の場所に設けられる暗証データ入力装置と、
通信網とからなり、
前記画像入出力装置は、撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像を画像データに変換して出力する画像データ出力手段と、制御信号入力手段とを有し、
前記レーザー投射装置は、レーザー発振器と、レーザー光変調手段と、スキャナーと、レーザー投射装置制御手段と、制御信号入力手段とを有し、
前記暗証データ認証装置は、無線ICチップリーダーと、暗証データ認証装置通信手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、遠隔地コンピューター通信手段と、入力手段と、表示手段と、情報処理手段とを有し、
前記現地コンピューターは、現地コンピューター通信手段と、入力手段と、情報処理手段と、制御信号出力手段とを有し、
前記暗証データ入力装置は、検査員によって設定された暗証データを前記無線ICチップに入力し、前記無線ICチップは検査対象物に固定され、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が検査対象物の画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して前記現地コンピューターに出力し、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記検査対象物に固定された無線ICチップから暗証データを読み出し、前記暗証データ認証装置通信手段が前記暗証データを前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、その入力手段が前記画像データと前記暗証データとを入力し、その情報処理手段が前記現地コンピューター通信手段に前記画像データと暗証データとを前記遠隔地コンピューターに送信させ、
前記遠隔地コンピューターは、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記画像データと暗証データとを受信し、前記情報処理手段が前記表示手段に当該画像と暗証データとを表示させ、前記入力手段が検査員が設定した前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字を入力し、前記情報処理手段が前記レーザー投射装置に投射させる図柄あるいは文字をビデオ信号に変換し、前記遠隔地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号を前記現地コンピューターに送信し、
前記遠隔地音声通信装置と前記現地音声通信装置は、遠隔地の検査員と現地の操作員の音声を送受信および入出力し、
前記現地コンピューターは、前記現地コンピューター通信手段が前記ビデオ信号を受信し、前記情報処理手段が前記ビデオ信号を前記レーザー投射装置に出力し、
前記レーザー投射装置は、その制御命令入力手段が前記ビデオ信号を入力し、前記レーザー投射装置制御手段が前記ビデオ信号に基づいて前記レーザー光変調手段と前記スキャナーに前記検査員によって設定された図柄あるいは文字を照射させ、
前記画像入出力装置は、前記撮影手段が前記検査対象物と前記レーザー投射装置が投射した図柄あるいは文字を含む画像を撮影し、前記画像データ出力手段が前記画像を画像データに変換して前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、前記入力手段が前記画像データを入力し、前記情報処理手段が前記現地コンピューター通信手段に前記画像データを前記遠隔地コンピューターに送信する、ことを特徴とする原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システム。
【請求項6】
前記検査対象物が置かれている場所には、さらに前記無線ICチップに新暗証データを書き込む新暗証データ書込装置が設けられ、
前記新暗証データ書込装置は、新暗証データ入力手段と、新暗証データ書込手段とを有し、
前記遠隔地コンピューターは、前記入力手段が検査員が設定した新暗証データを入力し、前記情報処理手段が前記遠隔地コンピューター通信手段に前記新暗証データを前記現地コンピューターに送信させ、
前記現地コンピューターは、前記現地コンピューター通信手段が前記新暗証データを受信し、前記情報処理手段が前記制御信号出力手段に前記新暗証データを前記新暗証データ書込装置に出力させ、
前記新暗証データ書込装置は、前記新暗証データ入力手段が前記新暗証データを受信し、前記新暗証データ書込手段が前記新暗証データを前記無線ICチップに書き込み、
前記暗証データ認証装置は、前記無線ICチップリーダーが前記無線ICチップから新暗証データを読み出して、前記暗証データ認証装置通信手段が前記新暗証データを前記現地コンピューターに出力し、
前記現地コンピューターは、前記入力手段が前記新暗証データを入力し、前記情報処理手段が前記前記現地コンピューター通信手段に前記新暗証データを前記遠隔地コンピューターに送信する、ことを特徴とする請求項4または5に記載の原子燃料および輸送容器を含む原子燃料輸送機器の遠隔外観検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−78328(P2006−78328A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262390(P2004−262390)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000229461)株式会社グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン (102)
【Fターム(参考)】