説明

原料圧送装置及び原料圧送方法

【課題】 流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することができる原料圧送装置及び原料圧送方法を提供する。
【解決手段】 原料圧送装置1は、流動性固形物を圧送する原料圧送装置であって、入力部10と第1シリンダ部30と出力部60と第1開閉部20と第2開閉部40とを備える。流動性固形物は、加工食品の原料である。入力部10は、流動性固形物を受け入れる。第1シリンダ部30は、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。吸引動作は、流動性固形物を吸引する動作である。圧送動作は、流動性固形物を圧送する動作である。出力部60は、第1シリンダ部30から圧送された流動性固形物を送り出す。第1開閉部20は、入力部10と第1シリンダ部30との間に設けられる。第2開閉部40は、第1シリンダ部30と出力部60との間に設けられる。第1シリンダ部30は、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料圧送装置及び原料圧送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、加工食品の原料である流動性固形物を圧送する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1の装置では、ロータを用いたポンプ装置により、流動性固形物が圧送されている。このような装置は、主として工場などにおいて、流動性固形物から加工食品を生産する際に用いられる。
【特許文献1】特開2001−101(第1−7頁、第1−8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の装置では、ロータなどの回転運動により流動性固形物を圧送しているため、回転運動する部分が接触する内壁と回転運動する部分との間で摩耗が発生するおそれがある。このため、回転運動する部分が接触する内壁と回転運動する部分との間に隙間が発生し、その隙間に流動性固形物が挟まれることがある。これにより、流動性固形物がすりつぶされて流動性固形物の損傷が発生することがある。流動性固形物の損傷が発生すると、流動性固形物から生産された加工食品の品質が失われるおそれがある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することができる原料圧送装置及び原料圧送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る原料圧送装置は、流動性固形物を圧送する原料圧送装置であって、入力部と第1シリンダ部と出力部と第1開閉部と第2開閉部とを備える。流動性固形物は、加工食品の原料である。入力部は、流動性固形物を受け入れる。第1シリンダ部は、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。吸引動作は、流動性固形物を吸引する動作である。圧送動作は、流動性固形物を圧送する動作である。出力部は、第1シリンダ部から圧送された流動性固形物を送り出す。第1開閉部は、入力部と第1シリンダ部との間に設けられる。第2開閉部は、第1シリンダ部と出力部との間に設けられる。第1シリンダ部は、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。
【0006】
この原料圧送装置では、入力部が、流動性固形物を受け入れる。第1開閉部が、入力部と第1シリンダ部との間に設けられる。第2開閉部が、第1シリンダ部と出力部との間に設けられる。第1開閉部が開状態にされるとともに第2開閉部が閉状態にされ得る。第1シリンダ部が、吸引動作を行い、第1開閉部を経由して入力部から流動性固形物を吸引することができる。第1開閉部が閉状態にされるとともに第2開閉部が開状態にされ得る。第1シリンダ部が、圧送動作を行い、第2開閉部を経由して出力部へ流動性固形物を圧送することができる。第1シリンダ部が、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。出力部が、第1シリンダ部から圧送された流動性固形物を送り出す。
したがって、第1シリンダ部が往復運動により吸引動作と圧送動作とを交互に行うので、往復運動する部分が接触する内壁と往復運動する部分との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することができる。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することができる。
【0007】
第2発明に係る原料圧送装置は、第1発明の原料圧送装置であって、制御部をさらに備える。制御部は、第1開閉部と第2開閉部と第1シリンダ部とを制御する。制御部は、第1開閉部を開状態にするとともに第2開閉部を閉状態にした後に第1シリンダ部に吸引動作を行わせる。制御部は、第1開閉部を閉状態にするとともに第2開閉部を開状態にした後に第1シリンダ部に圧送動作を行わせる。
【0008】
この原料圧送装置では、入力部が、流動性固形物を受け入れる。第1開閉部が、入力部と第1シリンダ部との間に設けられる。第2開閉部が、第1シリンダ部と出力部との間に設けられる。制御部が、第1開閉部を開状態にするとともに第2開閉部を閉状態にした後に、第1シリンダ部に吸引動作を行わせる。第1シリンダ部が、吸引動作を行い、第1開閉部を経由して入力部から流動性固形物を吸引することができる。制御部が、第1開閉部を閉状態にするとともに第2開閉部を開状態にした後に、第1シリンダ部に圧送動作を行わせる。第1シリンダ部が、圧送動作を行い、第2開閉部を経由して出力部へ流動性固形物を圧送することができる。第1シリンダ部が、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。出力部が、第1シリンダ部から圧送された流動性固形物を送り出す。
【0009】
したがって、第1開閉部を開状態にするとともに第2開閉部を閉状態にした後に第1シリンダ部に吸引動作を行わせ、第1開閉部を閉状態にするとともに第2開閉部を開状態にした後に第1シリンダ部に圧送動作を行わせるので、第1シリンダ部が確実に流動性固形物を吸引・圧送するようにすることができる。
【0010】
第3発明に係る原料圧送装置は、第2発明の原料圧送装置であって、第2シリンダ部をさらに備える。第2シリンダ部は、第2開閉部と出力部との間に設けられる。制御部は、第2シリンダ部に往復運動を行わせる。制御部は、第1シリンダ部の圧送動作により流動性固形物の一部を第2シリンダ部に充填させる。制御部は、第2開閉部を閉状態にした後に、第2シリンダ部に充填された流動性固形物の一部を第2シリンダ部から圧送させる。
この原料圧送装置では、制御部が、第2シリンダ部に往復運動を行わせる。制御部が、第1開閉部を開状態にするとともに第2開閉部を閉状態にした後に、第1シリンダ部に吸引動作を行わせる。第1シリンダ部が、吸引動作を行い、第1開閉部を経由して入力部から流動性固形物を吸引することができる。制御部が、第2開閉部を閉状態にした後に、第2シリンダ部に充填された流動性固形物の一部を第2シリンダ部から圧送させる。制御部が、第1開閉部を閉状態にするとともに第2開閉部を開状態にした後に、第1シリンダ部に圧送動作を行わせる。第1シリンダ部が、圧送動作を行い、第2開閉部を経由して出力部へ流動性固形物を圧送することができる。制御部が、第1シリンダ部の圧送動作により流動性固形物の一部を第2シリンダ部に充填させる。
したがって、第2開閉部を閉状態にした後に第2シリンダ部に充填された流動性固形物を第2シリンダ部から圧送させるので、第1シリンダ部から流動性固形物が圧送されないときでも第2シリンダ部から流動性固形物が圧送されるようにすることができる。このため、流動性固形物をほとんど連続的に圧送することができる。
【0011】
第4発明に係る原料圧送装置は、第2発明の原料圧送装置であって、第1シリンダ部は、第1シリンダ室と第2シリンダ室と第1ピストンと第2ピストンと連結軸とを有する。第1ピストンは、第1シリンダ室の内壁に沿って移動する。第2ピストンは、第2シリンダ室の内壁に沿って移動する。連結軸は、第1ピストンと第2ピストンとを連結する。第1シリンダ室は、第1室を含む。第1室は、第1面と内壁とで囲まれた室である。第1面は、圧送動作における第1ピストンの進行方向側の面である。第1室には、吸引動作により流動性固形物が吸引される。あるいは、第1室からは、圧送動作により流動性固形物が圧送される。第2シリンダ室は、第3室と第4室とを含む。第3室は、第3面と内壁とで囲まれた室である。第3面は、圧送動作における第2ピストンの進行方向側の面である。第3室には、第2ピストンの作動流体が導入される。第4室は、第4面と内壁とで囲まれた室である。第4面は、吸引動作における第2ピストンの進行方向側の面である。第4室には、第2ピストンの作動流体が導入される。制御部は、第3室に導入された作動流体の圧力と第4室に導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストンに往復運動を行わせる。制御部は、連結軸を介して第2ピストンの往復運動が第1ピストンへ伝達されるようにする。制御部は、第1室の容積が増加する方向に第1ピストンを運動させることにより、吸引動作を行わせる。制御部は、第1室の容積が減少する方向に第1ピストンを運動させることにより、圧送動作を行わせる。
【0012】
この原料圧送装置では、制御部が、第1開閉部を開状態にするとともに第2開閉部を閉状態にした後に、第1シリンダ部に吸引動作を行わせる。制御部が、第2シリンダ室の第3室に導入された作動流体の圧力と、第2シリンダ室の第4室に導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストンに往復運動を行わせる。制御部が、連結軸を介して第2ピストンの往復運動が第1ピストンへ伝達されるようにする。制御部が、第1室の容積が増加する方向に第1ピストンを運動させることにより、吸引動作を行わせる。第1シリンダ部が、吸引動作を行い、第1開閉部を経由して入力部から第1室へ流動性固形物を吸引することができる。制御部が、第1開閉部を閉状態にするとともに第2開閉部を開状態にした後に、第1シリンダ部に圧送動作を行わせる。制御部が、第2シリンダ室の第3室に導入された作動流体の圧力と、第2シリンダ室の第4室に導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストンに往復運動を行わせる。制御部が、連結軸を介して第2ピストンの往復運動が第1ピストンへ伝達されるようにする。制御部が、第1室の容積が減少する方向に第1ピストンを運動させることにより、圧送動作を行わせる。第1シリンダ部が、圧送動作を行い、第2開閉部を経由して第1シリンダ室の第1室から出力部へ流動性固形物を圧送することができる。
【0013】
したがって、流動性固形物が吸引・圧送される第1室を含む第1シリンダ室と、作動流体が導入される第3室・第4室を含む第2シリンダ室とが別の室であるので、流動性固形物に作動流体が混入することをさらに低減することができる。また、作動流体の圧力を直接受ける第2ピストンと、流動性固形物が吸引・圧送されるための第1ピストンとが別のピストンであるので、第1室の内壁の摩耗及び第1ピストンの摩耗を低減することができる。
【0014】
第5発明に係る原料圧送装置は、第3発明の原料圧送装置であって、第2シリンダ部は、第3シリンダ室と第3ピストンとを有する。第3ピストンは、第3シリンダ室の内壁に沿って移動する。第3シリンダ室は、第5室と第6室とを含む。第5室は、第5面と内壁とで囲まれた室である。第5面は、流動性固形物を圧送する際における第3ピストンの進行方向側の面である。第5室には、流動性固形物の一部が充填される。あるいは、第5室からは、流動性固形物が圧送される。第6室は、第6面と内壁とで囲まれた室である。第6面は、流動性固形物の一部が充填される際における第3ピストンの進行方向側の面である。第6室には、第3ピストンの作動流体が導入される。制御部は、第6室に導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストンに往復運動を行わせる。制御部は、第1シリンダ部に圧送動作を行わせることにより、流動性固形物の一部を第5室に充填させる。制御部は、第5室の容積が減少する方向に第3ピストンを運動させることにより、流動性固形物を第5室から圧送させる。
【0015】
この原料圧送装置では、制御部が、第2シリンダ部に往復運動を行わせる。制御部が、第1開閉部を開状態にするとともに第2開閉部を閉状態にした後に、第1シリンダ部に吸引動作を行わせる。第1シリンダ部が、吸引動作を行い、第1開閉部を経由して入力部から流動性固形物を吸引することができる。制御部が、第2開閉部を閉状態にした後に、第2シリンダ部に充填された流動性固形物を第2シリンダ部から圧送させる。制御部が、第2シリンダ部の第6室に導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストンに往復運動を行わせる。制御部が、第5室の容積が減少する方向に第3ピストンを運動させることにより、流動性固形物を第2シリンダ部の第5室から圧送させる。制御部が、第1開閉部を閉状態にするとともに第2開閉部を開状態にした後に、第1シリンダ部に圧送動作を行わせる。第1シリンダ部が、圧送動作を行い、第2開閉部を経由して出力部へ流動性固形物を圧送することができる。制御部が、第1シリンダ部の圧送動作により流動性固形物の一部を第2シリンダ部に充填させる。制御部が、第2シリンダ部の第6室に導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストンに往復運動を行わせる。制御部が、第1シリンダ部に圧送動作を行わせることにより、流動性固形物の一部を第2シリンダ部の第5室に充填させる。
したがって、第1シリンダ部に圧送動作を行わせることにより流動性固形物の一部を第2シリンダ部の第5室に充填させるので、流動性固形物の一部を第2シリンダ部の第5室に充填させる際に流動性固形物の圧力が変動することを低減することができる。
【0016】
第6発明に係る原料圧送装置は、第5発明の原料圧送装置であって、作動流体は、空気、オイル及び水のいずれかである。原料圧送装置は、シール部材と、連通路とをさらに備える。シール部材は、第3シリンダ室の内壁と第3ピストンとの間に設けられている。連通路は、第3シリンダ室の内壁との隙間空間と、第3シリンダ室の外部とを連通する。
【0017】
この原料圧送装置では、作動流体が、空気、オイル及び水のいずれかである。制御部が、第2シリンダ部の第6室に導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストンに往復運動を行わせる。シール部材は、第3シリンダ室の内壁と第3ピストンとの間に設けられている。これにより、シール部材が摩耗してなければ、第5室と第6室との間を遮断することができる。また、連通路は、第3シリンダ室の内壁との隙間空間と、第3シリンダ室の外部とを連通する。これにより、シール部材が摩耗した場合でも、作動流体が連通路を介して第3シリンダ室の外部へ抜けるようにすることができる。ここで、作動流体が、空気、オイル及び水のいずれかであるので、連通路を介して第3シリンダ室の外部へ容易に抜けるようにすることができる。
【0018】
このように、シール部材が摩耗してなければ、第5室と第6室との間を遮断することができ、シール部材が摩耗した場合でも、作動流体が連通路を介して第3シリンダ室の外部へ抜けるようにすることができる。これらにより、流動性固形物に作動流体が混入しないようにすることができる。
【0019】
第7発明に係る原料圧送装置は、第4発明の原料圧送装置であって、シール部材をさらに備える。シール部材は、第1シリンダ室の内壁と第1ピストンとの間に設けられている。
この原料圧送装置では、制御部が、第2シリンダ室の第3室に導入された作動流体の圧力と、第2シリンダ室の第4室に導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストンに往復運動を行わせる。制御部が、連結軸を介して第2ピストンの往復運動が第1ピストンへ伝達されるようにする。第1ピストンが、第1シリンダ室の内壁に沿って移動する。シール部材が、第1シリンダ室の内壁と第1ピストンとの間に設けられている。
【0020】
したがって、第1シリンダ室の内壁と第1ピストンとの間にシール部材が設けられているので、第1シリンダ室の内壁と第1ピストンとの間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することができる。
【0021】
第8発明に係る原料圧送装置は、第1発明から第7発明のいずれかの原料圧送装置であって、流動性固形物は、短径が0.5mm以上10cm以下の固形物及び短径が互いに異なる固形物の少なくとも一方を含む。
この原料圧送装置では、第1シリンダ部が、吸引動作を行い、第1開閉部を経由して入力部から流動性固形物を吸引することができる。流動性固形物が、短径が0.5mm以上10cm以下の固形物及び短径が互いに異なる固形物の少なくとも一方を含む。第1シリンダ部が、圧送動作を行い、第2開閉部を経由して出力部へ流動性固形物を圧送することができる。第1シリンダ部が、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。
【0022】
したがって、短径が0.5mm以上10cm以下の固形物及び短径が互いに異なる固形物の少なくとも一方を流動性固形物が含むので、回転運動をする部分(例えば、ロータ)により圧送されると、回転運動をする部分が接触する内壁と回転運動をする部分との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされるおそれがある。この場合でも、第1シリンダ部において回転運動でなく往復運動が行われるので、往復運動する部分が接触する内壁と往復運動する部分との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することができる。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することができる。
【0023】
第9発明に係る原料圧送装置は、第4発明の原料圧送装置であって、制御部は、出力部が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、第3室に導入される作動流体の圧力と第4室に導入される作動流体の圧力とを制御する。
この原料圧送装置では、制御部が、出力部が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、第3室に導入される作動流体の圧力と第4室に導入される作動流体の圧力とを制御する。制御部が、第2シリンダ室の第3室に導入された作動流体の圧力と、第2シリンダ室の第4室に導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストンに往復運動を行わせる。第1シリンダ部が、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。制御部が、第1室の容積が減少する方向に第1ピストンを運動させることにより、圧送動作を行わせる。第1シリンダ部が、圧送動作を行い、第2開閉部を経由して第1シリンダ室の第1室から出力部へ流動性固形物を圧送することができる。出力部が、第1シリンダ部から圧送された流動性固形物を送り出す。
したがって、出力部が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように第3室に導入された作動流体の圧力と第4室に導入された作動流体の圧力とを制御するので、出力部から送り出される流動性固形物の品質を一定に保つことができる。
【0024】
第10発明に係る原料圧送装置は、第5発明の原料圧送装置であって、制御部は、出力部が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、第6室に導入される作動流体の圧力を制御する。
【0025】
この原料圧送装置では、制御部が、出力部が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、第6室に導入される作動流体の圧力を制御する。制御部が、第2シリンダ部の第6室に導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストンに往復運動を行わせる。制御部が、第5室の容積が減少する方向に第3ピストンを運動させることにより、流動性固形物を第2シリンダ部の第5室から圧送させる。出力部が、第2シリンダ部から圧送された流動性固形物を送り出す。
したがって、出力部が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように第6室に導入される作動流体の圧力を制御するので、出力部から送り出される流動性固形物の品質を一定に保つことができる。
【0026】
第11発明に係る原料圧送装置は、第1発明から第10発明のいずれかの原料圧送装置であって、攪拌部をさらに備える。攪拌部は、入力部に受け入れられた流動性固形物を攪拌する。第1シリンダ部は、攪拌部が攪拌した流動性固形物を吸引する。
【0027】
この原料圧送装置では、入力部が、流動性固形物を受け入れる。攪拌部が、入力部に受け入れられた流動性固形物を攪拌する。第1開閉部が、入力部と第1シリンダ部との間に設けられる。第2開閉部が、第1シリンダ部と出力部との間に設けられる。第1開閉部が開状態にされるとともに第2開閉部が閉状態にされ得る。第1シリンダ部が、吸引動作を行い、攪拌部が攪拌した流動性固形物を第1開閉部経由で吸引することができる。
したがって、攪拌部が攪拌した流動性固形物を第1シリンダ部が吸引するので、第1シリンダ部が空気を吸引するおそれを低減することができる。このため、第1シリンダ部から流動性固形物が確実に圧送されるようにすることができる。
【0028】
第12発明に係る原料圧送方法は、流動性固形物が圧送される原料圧送方法であって、入力ステップと吸引ステップと圧送ステップと出力ステップとを備える。流動性固形物は、加工食品の原料である。入力ステップでは、流動性固形物が受け入れられる。吸引ステップでは、入力ステップで受け入れられた流動性固形物が第1シリンダ室へ吸引される。圧送ステップでは、吸引ステップで吸引された流動性固形物が第1シリンダ室から圧送される。出力ステップでは、圧送ステップで圧送された流動性固形物が送り出される。吸引ステップと圧送ステップとは、第1ピストンの往復運動が行われることにより、交互に行われる。第1ピストンは、第1シリンダ室の内壁に沿って移動する。
【0029】
この原料圧送方法では、入力ステップにおいて、流動性固形物が受け入れられる。吸引ステップにおいて、入力ステップで受け入れられた流動性固形物が第1シリンダ室へ吸引される。圧送ステップにおいて、吸引ステップで吸引された流動性固形物が第1シリンダ室から圧送される。吸引ステップと圧送ステップとは、第1ピストンの往復運動が行われることにより、交互に行われる。第1ピストンが、第1シリンダ室の内壁に沿って移動する。出力ステップにおいて、圧送ステップで圧送された流動性固形物が送り出される。
【0030】
したがって、第1シリンダ室の内壁に沿って移動する第1ピストンの往復運動が行われることにより吸引ステップと圧送ステップとが交互に行われるので、第1シリンダ室の内壁と第1ピストンとの間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することができる。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することができる。
【発明の効果】
【0031】
第1発明に係る原料圧送装置では、第1シリンダ部が往復運動により吸引動作と圧送動作とを交互に行うので、往復運動する部分が接触する内壁と往復運動する部分との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することができる。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することができる。
第2発明に係る原料圧送装置では、第1開閉部を開状態にするとともに第2開閉部を閉状態にした後に第1シリンダ部に吸引動作を行わせ、第1開閉部を閉状態にするとともに第2開閉部を開状態にした後に第1シリンダ部に圧送動作を行わせるので、第1シリンダ部が確実に流動性固形物を吸引・圧送するようにすることができる。
【0032】
第3発明に係る原料圧送装置では、第2開閉部を閉状態にした後に第2シリンダ部に充填された流動性固形物を第2シリンダ部から圧送させるので、第1シリンダ部から流動性固形物が圧送されないときでも第2シリンダ部から流動性固形物が圧送されるようにすることができる。このため、流動性固形物をほとんど連続的に圧送することができる。
第4発明に係る原料圧送装置では、流動性固形物が吸引・圧送される第1室を含む第1シリンダ室と、作動流体が導入される第3室・第4室を含む第2シリンダ室とが別の室であるので、流動性固形物に作動流体が混入することをさらに低減することができる。また、作動流体の圧力を直接受ける第2ピストンと、流動性固形物が吸引・圧送されるための第1ピストンとが別のピストンであるので、第1室の内壁の摩耗及び第1ピストンの摩耗を低減することができる。
【0033】
第5発明に係る原料圧送装置では、第1シリンダ部に圧送動作を行わせることにより流動性固形物の一部を第2シリンダ部の第5室に充填させるので、流動性固形物の一部を第2シリンダ部の第5室に充填させる際に流動性固形物の圧力が変動することを低減することができる。
第6発明に係る原料圧送装置では、作動流体が空気であるので、流動性固形物に作動流体が混入した場合でも、流動性固形物が汚損されるおそれを低減することができる。
【0034】
第7発明に係る原料圧送装置では、第1シリンダ室の内壁と第1ピストンとの間にシール部材が設けられているので、第1シリンダ室の内壁と第1ピストンとの間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することができる。
第8発明に係る原料圧送装置では、短径が0.5mm以上10cm以下の固形物及び短径が互いに異なる固形物の少なくとも一方を流動性固形物が含むので、回転運動をする部分(例えば、ロータ)により圧送されると、回転運動をする部分が接触する内壁と回転運動をする部分との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされるおそれがある。この場合でも、第1シリンダ部において回転運動でなく往復運動が行われるので、往復運動する部分が接触する内壁と往復運動する部分との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することができる。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することができる。
【0035】
第9発明に係る原料圧送装置では、出力部が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように第3室に導入された作動流体の圧力と第4室に導入された作動流体の圧力とを制御するので、出力部から送り出される流動性固形物の品質を一定に保つことができる。
第10発明に係る原料圧送装置では、出力部が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように第6室に導入される作動流体の圧力を制御するので、出力部から送り出される流動性固形物の品質を一定に保つことができる。
【0036】
第11発明に係る原料圧送装置では、攪拌部が攪拌した流動性固形物を第1シリンダ部が吸引するので、第1シリンダ部が空気を吸引するおそれを低減することができる。このため、第1シリンダ部から流動性固形物が確実に圧送されるようにすることができる。
第12発明に係る原料圧送方法では、第1シリンダ室の内壁に沿って移動する第1ピストンの往復運動が行われることにより吸引ステップと圧送ステップとが交互に行われるので、第1シリンダ室の内壁と第1ピストンとの間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することができる。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
[第1実施形態]
図1に、本発明の第1実施形態に係る原料圧送装置1の側面図を示す。また、原料圧送装置1の正面図を図2に示す。原料圧送装置1の配管回路図を図3に示す。原料圧送装置1は、主として、流動性固形物を圧送するための装置である。ここで、流動性固形物は、ソーセージの原料であり、ミンチ状にされた食肉(短径が0.5mm以上10cm以下の固形物)である。
【0038】
<原料圧送装置1の全体構成>
図1,図2に示す原料圧送装置1は、主として、入力部10,攪拌部80,第1開閉部20,第1シリンダ部30,第2開閉部40,第2シリンダ部50,出力部60(図3参照),制御機器70,第1検知部6及び作動流体回路90(図3参照)を備える。
図1に示す第1開閉部20が、入力部10と第1シリンダ部30との間に設けられる。図2に示す第2開閉部40が、第1シリンダ部30と出力部60(図3参照)との間に設けられる。第2シリンダ部50が、第2開閉部40と出力部60(図3参照)との間に設けられる。
【0039】
図1に示す制御機器70が、図3に示す第1開閉部20,第1シリンダ部30,第2開閉部40,第2シリンダ部50及び作動流体回路90の近くに設けられ、作動流体回路90を制御することにより、作動流体を介して、第1開閉部20,第1シリンダ部30,第2開閉部40及び第2シリンダ部50を制御する。ここで、作動流体は、空気である。
図3に示す第1検知部6は、配管5g内で圧送される流動性固形物の圧力を検知可能な位置に設置される。ここで、配管5gは、出力部60に含まれる。
【0040】
<入力部10の構成>
図1,図2に示す入力部10は、主として、ホッパー11を備える。ホッパー11は、流動性固形物を受け入れやすいように、ほぼ逆円錐形状をしている。
入力部10が、ホッパー11に流動性固形物が入れられることにより、流動性固形物を受け入れる。
【0041】
<攪拌部80の構成>
攪拌部80は、主として、アジテータ81,回転軸82及びモータ83を備える。
モータ83が発生させた回転動作が回転軸82を介してアジテータ81へ伝達される。アジテータ81が、回転動作を行い、流動性固形物を攪拌する。このようにして、攪拌部80が、入力部10に受け入れられた流動性固形物を攪拌する。これにより、入力部10に受け入れられた流動性固形物の上面がすり鉢状にへこむことが防止される。
【0042】
<第1開閉部20の構成>
図1に示す第1開閉部20は、図3に示すように、主として、バタフライ弁21と弁駆動部22(図6参照)とを有する。
弁駆動部22(図6参照)が、作動流体回路90を経由して供給された作動流体の圧力に基づいて、バタフライ弁21を開閉する。例えば、弁駆動部22(図6参照)に供給された作動流体の経路が開状態用の経路と閉状態用の経路との2つある場合、弁駆動部22(図6参照)が作動流体の経路を切り替えることにより、バタフライ弁21を開閉する。すなわち、弁駆動部22(図6参照)が、開状態用の経路にのみ作動流体が流れ込むようにすることにより、バタフライ弁21を開状態にする。弁駆動部22(図6参照)が、閉状態用の経路にのみ作動流体が流れ込むようにすることにより、バタフライ弁21を閉状態にする。なお、図3において、開状態用の経路と閉状態用の経路とは図示が省略されている。
【0043】
<第1シリンダ部30の構成>
図1に示す第1シリンダ部30の断面図を、図4に示す。
図4に示す第1シリンダ部30は、主として、第1メインシリンダ30aと第2メインシリンダ30bと連結軸3とを備える。第1メインシリンダ30aは、主として、第1シリンダ室37a,第1ピストン32a,シール部材38a,第1リミットスイッチ34a(図3参照),第2リミットスイッチ35a(図3参照),第3リミットスイッチ36a(図3参照),吸入口39aa及び圧送口39abを備える。ここで、圧送口39abは、破線で示すように、図面上手前側に開口されている。
【0044】
図4に示す第2メインシリンダ30bは、主として、第2シリンダ室37b,第2ピストン32b,シール部材38b,作動流体導入口39ba及び作動流体導入口39bbを備える。第1ピストン32aと第2ピストン32bとは、連結軸3により連結されている。
第1シリンダ室37aは、第1室31aと第2室33aとを有する。第1室31aは、第1面32aaと内壁37aaとで囲まれた室である。第1面32aaは、圧送動作における第1ピストン32aの進行方向側の面である。ここで、圧送動作は、流動性固形物を圧送する動作である。第2室33aは、第2面32abと内壁37aaとで囲まれた室である。第2面32abは、吸引動作における第1ピストン32aの進行方向側の面である。ここで、吸引動作は、流動性固形物を吸引する動作である。また、シール部材38aは、第1ピストン32aと内壁37aaとの隙間をシールしている。
【0045】
第2シリンダ室37bは、第3室31bと第4室33bとを有する。第3室31bは、第3面32baと内壁37baとで囲まれた室である。第3面32baは、圧送動作における第2ピストン32bの進行方向側の面である。第4室33bは、第4面32bbと内壁37baとで囲まれた室である。第4面32bbは、吸引動作における第2ピストン32bの進行方向側の面である。また、シール部材38bは、第2ピストン32bと内壁37baとの隙間をシールしている。
【0046】
第2シリンダ室37bの第3室31bには、作動流体回路90(図3参照)と作動流体導入口39baとを介して、作動流体が導入される。第2シリンダ室37bの第4室33bには、作動流体回路90(図3参照)と作動流体導入口39bbとを介して、作動流体が導入される。第2シリンダ室37bの第3室31bに導入された作動流体の圧力と、第2シリンダ室37bの第4室33bに導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストン32bが往復運動を行う。第2ピストン32bの往復運動が、連結軸3を介して、第1ピストン32aへ伝達される。
【0047】
第1室31aの容積が増加する方向に第1ピストン32aが運動することにより、吸引動作が行われる。このように、第1シリンダ部30が、吸引動作を行い、第1開閉部20(図3参照)と吸入口39aaとを経由して入力部10(図3参照)から第1室31aへ、攪拌部80(図3参照)が攪拌した流動性固形物を吸引する。第2リミットスイッチ35a(図3参照)により第1ピストン32aの位置が検知された場合、吸引動作の途中であると判断される。第3リミットスイッチ36a(図3参照)により第1ピストン32aの位置が検知された場合、吸引動作が停止されるべきであると判断される。
【0048】
第1室31aの容積が減少する方向に第1ピストン32aが運動することにより、圧送動作が行われる。このように、第1シリンダ部30が、圧送動作を行い、圧送口39abと第2開閉部40(図3参照)とを経由して第1シリンダ室37aの第1室31aから出力部60(図3参照)へ流動性固形物を圧送する。第2リミットスイッチ35a(図3参照)により第1ピストン32aの位置が検知された場合、圧送動作の途中であると判断される。第1リミットスイッチ34a(図3参照)により第1ピストン32aの位置が検知された場合、圧送動作が停止されるべきであると判断される。
【0049】
<第2開閉部40の構成>
図2に示す第2開閉部40は、図3に示すように、主として、バタフライ弁41と弁駆動部42(図6参照)とを有する。
弁駆動部42(図6参照)が、作動流体回路90を経由して供給された作動流体の圧力に基づいて、バタフライ弁41を開閉する。例えば、弁駆動部42(図6参照)に供給された作動流体の経路が開状態用の経路と閉状態用の経路との2つある場合、弁駆動部42(図6参照)が作動流体の経路を切り替えることにより、バタフライ弁41を開閉する。すなわち、弁駆動部42(図6参照)が、開状態用の経路にのみ作動流体が流れ込むようにすることにより、バタフライ弁41を開状態にする。弁駆動部42(図6参照)が、閉状態用の経路にのみ作動流体が流れ込むようにすることにより、バタフライ弁41を閉状態にする。なお、図3において、開状態用の経路と閉状態用の経路とは図示が省略されている。
【0050】
<第2シリンダ部50の構成>
図2に示す第2シリンダ部50の断面図を、図5に示す。
図5に示す第2シリンダ部50は、主として、第1サブシリンダ50a,第4リミットスイッチ55b(図3参照)及び第5リミットスイッチ56b(図3参照)を備える。第1サブシリンダ50aは、主として、第3シリンダ室57a,第3ピストン52a,シール部材58a,吸圧口59aa及び作動流体導入口59abを備える。
【0051】
第3シリンダ室57aは、第5室51aと第6室53aとを有する。第5室51aは、第5面52aaと内壁57aaとで囲まれた室である。第5面52aaは、流動性固形物を圧送する際における第3ピストン52aの進行方向側の面である。第6室53aは、第6面52abと内壁57aaとで囲まれた室である。第6面52abは、流動性固形物の一部が充填される際における第3ピストン52aの進行方向側の面である。また、シール部材58a及びシール部材58bは、第3ピストン52aと内壁57aaとの隙間をシールしている。これにより、シール部材58a及びシール部材58bが摩耗してなければ、第5室51aと第6室53aとの間は遮断されている。
【0052】
第3ピストン52aが内壁57aaに向く面には、シール部材58aとシール部材58bとの間において、開口部52ac及び開口部52afが形成されている。一方、第3シリンダ室57aの外部に位置する第4ピストン52bには、開口部52baが形成されている。開口部52acと開口部52baとは、連通路52ad及び連通路52bbを介して連通されている。すなわち、連通路52ad及び連通路52bbは、内壁57aaとの隙間空間と、第3シリンダ室57aの外部とを連通している。また、開口部52afと開口部52baとは、連通路52ag及び連通路52bbを介して連通されている。すなわち、連通路52ag及び連通路52bbは、内壁57aaとの隙間空間と、第3シリンダ室57aの外部とを連通している。これにより、シール部材58a及びシール部材58bが摩耗した場合でも、作動流体は、連通路52ad、連通路52ag及び連通路52bを介して第3シリンダ室57aの外部へ抜けるようになっている。
【0053】
第3シリンダ室57aの第6室53aには、作動流体回路90(図3参照)と作動流体導入口59abとを介して、作動流体が導入される。第3シリンダ室57aの第6室53aに導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストン52aが往復運動を行う。第3ピストン52aの往復運動が、連結軸2を介して、第4ピストン52bへ伝達される。
図3に示す第1シリンダ部30の圧送動作が行われると、配管5cと第2開閉部40と配管5d,5eと吸圧口59aa(図5参照)とを経由して、流動性固形物の一部が第5室51aに充填される。このように、第1シリンダ部30の圧送動作により流動性固形物の一部が第2シリンダ部50に充填される。第6リミットスイッチ56b(図3参照)により第3ピストン52aの位置が検知された場合、流動性固形物の一部が第2シリンダ部50に充填される動作が停止されるべきであると判断される。
【0054】
第5室51aの容積が減少する方向に第3ピストン52aが運動することにより、流動性固形物が第2シリンダ部50から圧送されることが行われる。このように、第2シリンダ部50が、流動性固形物を圧送することを行い、吸圧口59aa(図5参照)と配管5e,5fとを経由して第3シリンダ室57aの第5室51aから出力部60へ流動性固形物を圧送する。第5リミットスイッチ55b(図5参照)により第3ピストン52aの位置が検知された場合、流動性固形物が第2シリンダ部50から圧送されることが停止されるべきであると判断される。
【0055】
<出力部60の構成>
図3に示す出力部60は、主として、配管5f,配管5g,配管5h,5i,5j,・・・及び充填機60a,60b,60c,・・・を備える。
充填機60aが、配管5fと配管5gと配管5hとを経由して圧送された流動性固形物を送り出す。充填機60bが、配管5fと配管5gと配管5iとを経由して圧送された流動性固形物を送り出す。充填機60cが、配管5fと配管5gと配管5jとを経由して圧送された流動性固形物を送り出す。・・・
これにより、流動性固形物すなわちミンチ状にされた食肉がソーセージの皮に詰められ、ソーセージが完成する。
【0056】
<作動流体回路90の構成>
図3に示す作動流体回路90は、主として、高圧空気供給源91、メインシリンダ側配管97a,サブシリンダ側配管97b,手動減圧機構92,電動減圧機構93,電動減圧機構94,三方弁95,三方弁98及び三方弁96を備える。
高圧空気供給源91から供給された高圧作動流体は、メインシリンダ側配管97aを経由して、第1開閉部20の弁駆動部22(図6参照)へ供給される。
【0057】
高圧空気供給源91から供給された高圧作動流体は、メインシリンダ側配管97aと手動減圧機構92と三方弁95とを経由して、第1シリンダ部30の第3室31bへ供給される。ここで、手動減圧機構92は、高圧作動流体の圧力を第3所定圧力に減圧する働きを行う。第3所定圧力は、手動により、あらかじめ手動減圧機構92に設定されている。
高圧空気供給源91から供給された高圧作動流体は、メインシリンダ側配管97aと電動減圧機構93と三方弁98とを経由して、第1シリンダ部30の第4室33bへ供給される。ここで、電動減圧機構93は、高圧作動流体の圧力を第4所定圧力に減圧する働きを行う。第4所定圧力は、後述する制御機器70の制御部71により制御される。
【0058】
高圧空気供給源91から供給された高圧作動流体は、サブシリンダ側配管97bを経由して、第2開閉部40の弁駆動部42(図6参照)へ供給される。
高圧空気供給源91から供給された高圧作動流体は、サブシリンダ側配管97bと電動減圧機構94と三方弁96とを経由して、第2シリンダ部50の第6室53aへ供給される。ここで、電動減圧機構94は、高圧作動流体の圧力を第5所定圧力に減圧する働きを行う。第5所定圧力は、後述する制御機器70の制御部71により制御される。
【0059】
<制御機器70の構成>
図1に示す制御機器70は、図6に示すように、主として、制御部71,比較部72及び第1記憶部74を備える。
制御部71が、弁駆動部22の動作(例えば、開状態用の経路と閉状態用の経路とを切り替える動作)を制御することにより、第1開閉部20のバタフライ弁21(図3参照)の開閉状態を制御する。すなわち、制御部71が、第1開閉部20の開閉状態を制御する。
【0060】
制御部71が、三方弁95の開閉状態を制御することにより、第1シリンダ部30の第3室31b(図3参照)に導入される作動流体の圧力を制御する。制御部71が、三方弁98の開閉状態と電動減圧機構93の設定圧力(第4所定圧力)とを制御することにより、第1シリンダ部30の第4室31b(図3参照)に導入される作動流体の圧力を制御する。これにより、制御部71が、第3室31bに導入された作動流体の圧力と第4室33bに導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストン32bに往復運動を行わせる。制御部71が、第1リミットスイッチ34a,第2リミットスイッチ35a及び第3リミットスイッチ36aから、第1ピストン32aの位置を示す信号を受け取る。制御部71が、第1ピストン32aの位置に基づき、吸引動作や圧送動作を制御する。
【0061】
制御部71が、弁駆動部42の動作(例えば、開状態用の経路と閉状態用の経路とを切り替える動作)を制御することにより、第2開閉部40のバタフライ弁41(図3参照)の開閉状態を制御する。すなわち、制御部71が、第2開閉部40の開閉状態を制御する。
制御部71が、三方弁96の開閉状態と電動減圧機構94の設定圧力(第5所定圧力)とを制御することにより、第2シリンダ部50の第6室53aに導入される作動流体の圧力を制御する。これにより、制御部71が、第6室53aに導入される作動流体の圧力に基づいて、第3ピストン52aに往復運動を行わせる。制御部71が、第4リミットスイッチ55b及び第5リミットスイッチ56bから、第3ピストン52aの位置を示す信号を受け取る。制御部71が、第3ピストン52aの位置に基づき、第3ピストン52aの往復運動を制御する。
【0062】
比較部72が、配管5g(図3参照)内で圧送される流動性固形物の圧力を検知可能な位置に設置された第1検知部6から、出力部60(図3参照)が送り出す流動性固形物の圧力の情報を受け取る。第1記憶部74が、流動性固形物の圧力の設定値である第1所定圧力を記憶している。比較部72が、第1所定圧力の情報を第1記憶部74から受け取る。比較部72が、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とを比較する。制御部71が、比較部72が比較した結果に基づき、電動減圧機構93の第4所定圧力及び電動減圧機構94の第5所定圧力を制御する。
【0063】
<原料圧送装置1が流動性固形物を圧送する動作>
図1,図2に示す原料圧送装置1が流動性固形物を圧送する動作を、図3に示す配管回路図を参照しながら説明する。
(初期動作)
入力部10が、流動性固形物を受け入れる。攪拌部80が、入力部10に受け入れられた流動性固形物を攪拌する。
【0064】
(第1サイクル動作)
制御部71(図6参照)が、第1開閉部20を開状態にするとともに第2開閉部40を閉状態にした後に、第1シリンダ部30に吸引動作を行わせる。すなわち、制御部71(図6参照)が、第1開閉部20のバタフライ弁21を開状態にする。また、制御部71(図6参照)が、第2開閉部40のバタフライ弁41を閉状態にする。その後、制御部71(図6参照)が、三方弁95を開状態にすることにより、第1シリンダ部30の第3室31bの圧力(第3所定圧力)が第4室33bの圧力(第4所定圧力)よりも高い状態にする。これにより、第1シリンダ部30の第2ピストン32bが、第3室31bの容積が増加する方向へ運動する。この第2ピストン32bの運動が連結軸3を介して第1ピストン32aへ伝達され、第1ピストン32aが、第1シリンダ部30の第1室31aの容積が増加する方向へ運動する。これにより、制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30に吸引動作を行わせる。
【0065】
第1シリンダ部30が、吸引動作を行い、第1開閉部20を経由して入力部10から流動性固形物を吸引する。すなわち、第1ピストン32aが、第1シリンダ部30の第1室31aの容積が増加する方向へ運動することにより、配管5aと第1開閉部20と配管5bと吸入口39aa(図4参照)とを経由して流動性固形物が第1室31aに吸引される。
【0066】
制御部71(図6参照)が、第2開閉部40を閉状態にした後に、第2シリンダ部50の第5室51aに充填された流動性固形物を第2シリンダ部50の第5室51aから圧送させる。すなわち、制御部71(図6参照)が、三方弁96を開状態にすることにより、第2シリンダ部50の第5室51aの圧力(流動性固形物の圧力)が第6室53aの圧力(第5所定圧力)よりも低くなる状態にする。これにより、第2シリンダ部50の第3ピストン52aが、第5室51aの容積が減少する方向へ運動する。そして、制御部71(図6参照)が、第2シリンダ部50に充填された流動性固形物を、第2シリンダ部50の第5室51aから圧送させる。
【0067】
制御部71(図6参照)は、第1ピストン32aの位置を検知したことを示す信号を第3リミットスイッチ36aから受け取ることにより、吸引動作が停止されるべきであると判断する。そして、制御部71(図6参照)が、三方弁95及び三方弁98をパージ状態にすることにより、第1シリンダ部30の第3室31bの圧力と第4室33bの圧力とが同じ(ほぼ大気圧)になるようにする。これにより、第1シリンダ部30の第2ピストン32bが、運動を停止する。この第2ピストン32bの運動停止が連結軸3を介して第1ピストン32aへ伝達され、第1ピストン32aが、運動を停止する。これにより、制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30に吸引動作を停止させる。
【0068】
制御部71(図6参照)が、第3ピストン52aの位置を検知したことを示す信号を第4リミットスイッチ55bから受け取ることにより、第2シリンダ部50に充填された流動性固形物が第2シリンダ部50から圧送されることが停止されるべきであると判断する。そして、制御部71(図6参照)が、三方弁96をパージ状態にしてから閉状態にすることにより、第2シリンダ部50の第5室51aの圧力(流動性固形物の圧力)と第6室53aの圧力とが同じになるようにする。これにより、第2シリンダ部50の第3ピストン52aが、運動を停止する。このようにして、制御部71(図6参照)は、第2シリンダ部50に充填された流動性固形物が第2シリンダ部50から圧送されることを、第2シリンダ部50に停止させている。
【0069】
(第2サイクル動作)
制御部71(図6参照)が、第1開閉部20を閉状態にするとともに第2開閉部40を開状態にした後に、第1シリンダ部30に圧送動作を行わせる。すなわち、制御部71(図6参照)が、第1開閉部20のバタフライ弁21を閉状態にする。また、制御部71(図6参照)が、第2開閉部40のバタフライ弁41を開状態にする。その後、制御部71(図6参照)が、三方弁95をパージ状態にすることにより、第1シリンダ部30の第3室31bの圧力(例えば、大気圧)が第4室33bの圧力(第4所定圧力)よりも低い状態にする。これにより、第1シリンダ部30の第2ピストン32bが、第3室31bの容積が減少する方向へ運動する。この第2ピストン32bの運動が連結軸3を介して第1ピストン32aへ伝達され、第1ピストン32aが、第1シリンダ部30の第1室31aの容積が減少する方向へ運動する。これにより、制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30に圧送動作を行わせる。
【0070】
第1シリンダ部30が、圧送動作を行い、第2開閉部40を経由して出力部60へ流動性固形物を圧送する。すなわち、第1ピストン32aが、第1シリンダ部30の第1室31aの容積が減少する方向へ運動することにより、圧送口39ab(図4参照)と配管5cと第2開閉部40と配管5dとを経由して流動性固形物が出力部60へ圧送される。
制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30の圧送動作により流動性固形物の一部を第2シリンダ部50に充填させる。すなわち、第1シリンダ部30の圧送動作により、配管5dと配管5eと吸圧口59aaとを経由して、流動性固形物の一部が、第2シリンダ部50の第5室51aへも圧送されてくる。圧送されてきた流動性固形物の圧力により、第3ピストン52aが、第5室51aの容積が増加する方向へ運動する。これにより、制御部71(図6参照)が、流動性固形物の一部を第2シリンダ部50に充填させる。
【0071】
制御部71(図6参照)が、第1ピストン32aの位置を検知したことを示す信号を第1リミットスイッチ34aから受け取ることにより、圧送動作が停止されるべきであると判断する。そして、制御部71(図6参照)が、三方弁95及び三方弁98をパージ状態にすることにより、第1シリンダ部30の第3室31bの圧力と第4室33bの圧力とが同じ(ほぼ大気圧)になるようにする。これにより、第1シリンダ部30の第2ピストン32bが、運動を停止する。この第2ピストン32bの運動停止が連結軸3を介して第1ピストン32aへ伝達され、第1ピストン32aが、運動を停止する。これにより、制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30に圧送動作を停止させる。
【0072】
制御部71(図6参照)が、第3ピストン52aの位置を検知したことを示す信号を第5リミットスイッチ56bから受け取ることにより、流動性固形物の一部を第2シリンダ部50に充填させることが停止されるべきであると判断する。そして、制御部71(図6参照)が、三方弁96をパージ状態にしてから閉状態にすることにより、第2シリンダ部50の第5室51aの圧力(流動性固形物の圧力)と第6室53aの圧力とが同じになるようにする。これにより、第2シリンダ部50の第3ピストン52aが、運動を停止する。このようにして、制御部71(図6参照)が、流動性固形物の一部を第2シリンダ部50に充填させることを、第2シリンダ部50に停止させる。
【0073】
(第1サイクル動作と第2サイクル動作との繰り返し)
上記のような第1サイクル動作と第2サイクル動作とが制御部71(図6参照)によって交互に繰り返される。
<原料圧送装置1が第1シリンダ部30から圧送された流動性固形物の圧力を制御する動作>
図1,図2に示す原料圧送装置1が第1シリンダ部30から圧送された流動性固形物の圧力を制御する動作を、図6に示す構成図を参照しながら説明する。
【0074】
(検知動作)
第1検知部6が、配管5g(図3参照)内で圧送される流動性固形物の圧力を検知する。比較部72が、配管5g(図3参照)内で圧送される流動性固形物の圧力の情報を、出力部60が送り出す流動性固形物の圧力の情報として受け取る。また、比較部72が、第1所定圧力の情報を第1記憶部74から受け取る。
【0075】
(比較動作)
比較部72が、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とを比較する。比較部72では、流動性固形物の圧力が第1所定圧力に対して所定の範囲内の値であれば、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とが同じであると判断され、流動性固形物の圧力が第1所定圧力に対して所定の範囲内の値でなければ、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とが異なると判断される。比較部72で判断された結果が、制御部71に渡される。
【0076】
(制御動作)
制御部71が、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とが同じであるとの判断結果を受け取った場合、電動減圧機構93の第4所定圧力をそのままにする。
制御部71が、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とが異なるとの判断結果を受け取った場合、出力部60(図3参照)が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、電動減圧機構93の第4所定圧力及び電動減圧機構94の第5所定圧力を変更する。例えば、流動性固形物の圧力が第1所定圧力より大きいか否かが判断される。流動性固形物の圧力が第1所定圧力より大きいと判断された場合、手動減圧機構92の第3所定圧力と電動減圧機構93の第4所定圧力との差が小さくなるように変更される。これにより、圧送動作において第1ピストン32a(図3参照)が流動性固形物を押す力が弱められ、流動性固形物の圧力が第1所定圧力に近づけられる。流動性固形物の圧力が第1所定圧力より小さいと判断された場合、手動減圧機構92の第3所定圧力と電動減圧機構93の第4所定圧力との差が大きくなるように変更される。これにより、圧送動作において第1ピストン32a(図3参照)が流動性固形物を押す力が強められ、流動性固形物の圧力が第1所定圧力に近づけられる。
【0077】
<原料圧送装置1が第2シリンダ部50から圧送された流動性固形物の圧力を制御する動作>
図1,図2に示す原料圧送装置1が第2シリンダ部50から圧送された流動性固形物の圧力を制御する動作を、図6に示す構成図を参照しながら説明する。
(検知動作)
第1検知部6が、配管5g(図3参照)内で圧送される流動性固形物の圧力を検知する。比較部72が、配管5g(図3参照)内で圧送される流動性固形物の圧力の情報を、出力部60が送り出す流動性固形物の圧力の情報として受け取る。また、比較部72が、第1所定圧力の情報を第1記憶部74から受け取る。
【0078】
(比較動作)
比較部72が、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とを比較する。比較部72では、流動性固形物の圧力が第1所定圧力に対して一定の範囲内の値であれば、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とが同じであると判断され、流動性固形物の圧力が第1所定圧力に対して一定の範囲内の値でなければ、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とが異なると判断される。比較部72で判断された結果が、制御部71に渡される。
【0079】
(制御動作)
制御部71が、流動性固形物の圧力と第1所定圧力とが同じであるとの判断結果を受け取った場合、電動減圧機構94の第5所定圧力をそのままにする。
制御部71が、流動性固形物の圧力と所定値とが異なるとの判断結果を受け取った場合、出力部60(図3参照)が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、電動減圧機構94の第5所定圧力を変更する。例えば、流動性固形物の圧力が第1所定圧力より大きいか否かが判断される。流動性固形物の圧力が第1所定圧力より大きいと判断された場合、電動減圧機構94の第5所定圧力が小さくなるように変更される。これにより、流動性固形物が第2シリンダ部50から圧送される際に第3ピストン52a(図3参照)が流動性固形物を押す力が弱められ、流動性固形物の圧力が第1所定圧力に近づけられる。流動性固形物の圧力が第1所定圧力より小さいと判断された場合、電動減圧機構94の第5所定圧力が大きくなるように変更される。これにより、流動性固形物が第2シリンダ部50(図3参照)から圧送される際に第3ピストン52a(図3参照)が流動性固形物を押す力が強められ、流動性固形物の圧力が第1所定圧力に近づけられる。
【0080】
<原料圧送装置1に関する特徴>
(1)
ここでは、図3に示す入力部10が、流動性固形物を受け入れる。第1開閉部20が、入力部10と第1シリンダ部30との間に設けられる。第2開閉部40が、第1シリンダ部30と出力部60との間に設けられる。第1開閉部20が開状態にされるとともに第2開閉部40が閉状態にされる。第1シリンダ部30が、吸引動作を行い、第1開閉部20を経由して入力部10から流動性固形物を吸引する。第1開閉部20が閉状態にされるとともに第2開閉部40が開状態にされる。第1シリンダ部30が、圧送動作を行い、第2開閉部40を経由して出力部60へ流動性固形物を圧送する。第1シリンダ部30が、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。出力部60が、第1シリンダ部30から圧送された流動性固形物を送り出す。
【0081】
したがって、第1シリンダ部30が往復運動により吸引動作と圧送動作とを交互に行うので、往復運動する部分が接触する内壁(図4に示す内壁37aa)と往復運動する部分(図4に示す第1ピストン32a)との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することが可能である。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することが可能である。
【0082】
(2)
ここでは、図3に示す入力部10が、流動性固形物を受け入れる。第1開閉部20が、入力部10と第1シリンダ部30との間に設けられる。第2開閉部40が、第1シリンダ部30と出力部60との間に設けられる。制御部71(図6参照)が、第1開閉部20を開状態にするとともに第2開閉部40を閉状態にした後に、第1シリンダ部30に吸引動作を行わせる。第1シリンダ部30が、吸引動作を行い、第1開閉部20を経由して入力部10から流動性固形物を吸引する。制御部71(図6参照)が、第1開閉部20を閉状態にするとともに第2開閉部40を開状態にした後に、第1シリンダ部30に圧送動作を行わせる。第1シリンダ部30が、圧送動作を行い、第2開閉部40を経由して出力部60へ流動性固形物を圧送する。第1シリンダ部30が、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。出力部60が、第1シリンダ部30から圧送された流動性固形物を送り出す。
【0083】
したがって、第1開閉部20を開状態にするとともに第2開閉部40を閉状態にした後に第1シリンダ部30に吸引動作を行わせ、第1開閉部20を閉状態にするとともに第2開閉部40を開状態にした後に第1シリンダ部30に圧送動作を行わせるので、第1シリンダ部30が確実に流動性固形物を吸引・圧送するようにすることが可能である。
(3)
ここでは、図6に示す制御部71が、図3に示す第2シリンダ部50に往復運動を行わせる。制御部71(図6参照)が、第1開閉部20を開状態にするとともに第2開閉部40を閉状態にした後に、第1シリンダ部30に吸引動作を行わせる。第1シリンダ部30が、吸引動作を行い、第1開閉部20を経由して入力部10から流動性固形物を吸引する。制御部71(図6参照)が、第2開閉部40を閉状態にした後に、第2シリンダ部50に充填された流動性固形物を第2シリンダ部50から圧送させる。制御部71(図6参照)が、第1開閉部20を閉状態にするとともに第2開閉部40を開状態にした後に、第1シリンダ部30に圧送動作を行わせる。第1シリンダ部30が、圧送動作を行い、第2開閉部40を経由して出力部60へ流動性固形物を圧送する。制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30の圧送動作により流動性固形物の一部を第2シリンダ部50に充填させる。
【0084】
したがって、第2開閉部40を閉状態にした後に、第2シリンダ部50に充填された流動性固形物を第2シリンダ部50から圧送させるので、第1シリンダ部30から流動性固形物が圧送されないときでも第2シリンダ部50から流動性固形物が圧送されるようにすることが可能である。このため、流動性固形物をほとんど連続的に圧送することが可能である。
【0085】
(4)
ここでは、図6に示す制御部71が、図3に示す第1開閉部20を開状態にするとともに第2開閉部40を閉状態にした後に、第1シリンダ部30に吸引動作を行わせる。制御部71(図6参照)が、第2シリンダ室37b(図4参照)の第3室31bに導入された作動流体の圧力と、第2シリンダ室37b(図4参照)の第4室33bに導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストン32bに往復運動を行わせる。制御部71(図6参照)が、連結軸3を介して第2ピストン32bの往復運動が第1ピストン32aへ伝達されるようにする。制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30の第1室31aの容積が増加する方向に第1ピストン32aを運動させることにより、吸引動作を行わせる。第1シリンダ部30が、吸引動作を行い、第1開閉部20を経由して入力部10から第1室31aへ流動性固形物を吸引する。制御部71(図6参照)が、第1開閉部20を閉状態にするとともに第2開閉部40を開状態にした後に、第1シリンダ部32aに圧送動作を行わせる。制御部71(図6参照)が、第2シリンダ室37b(図4参照)の第3室31bに導入された作動流体の圧力と、第2シリンダ室37b(図4参照)の第4室33bに導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストン32bに往復運動を行わせる。制御部71(図6参照)が、連結軸3を介して第2ピストン32bの往復運動が第1ピストン32aへ伝達されるようにする。制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30の第1室31aの容積が減少する方向に第1ピストン32aを運動させることにより、圧送動作を行わせる。第1シリンダ部30が、圧送動作を行い、第2開閉部40を経由して第1シリンダ室37a(図4参照)の第1室31aから出力部60へ流動性固形物を圧送する。
【0086】
したがって、流動性固形物が吸引・圧送される第1室31aを含む第1シリンダ室37a(図4参照)と、作動流体が導入される第3室31b・第4室33bを含む第2シリンダ室37b(図4参照)とが別の室であるので、流動性固形物に作動流体が混入することをさらに低減することが可能である。また、作動流体の圧力を直接受ける第2ピストン32bと、流動性固形物が吸引・圧送されるための第1ピストン32aとが別のピストンであるので、第1室31aの内壁37aa(図4参照)の摩耗及び第1ピストン32aの摩耗を低減することが可能である。
【0087】
(5)
ここでは、図6に示す制御部71が、図3に示す第2シリンダ部50に往復運動を行わせる。制御部71(図6参照)が、第1開閉部20を開状態にするとともに第2開閉部40を閉状態にした後に、第1シリンダ部30に吸引動作を行わせる。第1シリンダ部30が、吸引動作を行い、第1開閉部20を経由して入力部10から流動性固形物を吸引する。制御部71(図6参照)が、第2開閉部40を閉状態にした後に、第2シリンダ部50に充填された流動性固形物を第2シリンダ部40から圧送させる。制御部71(図6参照)が、第2シリンダ部50の第6室53aに導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストン52aに往復運動を行わせる。制御部71(図6参照)が、第5室51aの容積が減少する方向に第3ピストン52aを運動させることにより、流動性固形物を第2シリンダ部50の第5室51aから圧送させる。制御部71(図6参照)が、第1開閉部20を閉状態にするとともに第2開閉部40を開状態にした後に、第1シリンダ部30に圧送動作を行わせる。第1シリンダ部30が、圧送動作を行い、第2開閉部40を経由して出力部60へ流動性固形物を圧送する。制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30の圧送動作により流動性固形物の一部を第2シリンダ部50に充填させる。制御部71(図6参照)が、第2シリンダ部50の第6室53aに導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストン52aに往復運動を行わせる。制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30に圧送動作を行わせることにより、流動性固形物の一部を第2シリンダ部50の第5室51aに充填させる。
【0088】
したがって、第1シリンダ部30に圧送動作を行わせることにより流動性固形物の一部を第2シリンダ部50の第5室51aに充填させるので、流動性固形物の一部を第2シリンダ部50の第5室51aに充填させる際に流動性固形物の圧力が変動することを低減することが可能である。
(6)
ここでは、作動流体が、空気である。制御部71(図6参照)が、第2シリンダ部37b(図4参照)の第6室53aに導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストン52aに往復運動を行わせる。シール部材58a及びシール部材58bは、第3シリンダ室57aの内壁57aaと第3ピストン52aとの間に設けられている。これにより、シール部材58a及びシール部材58bが摩耗してなければ、第5室51aと第6室53aとの間は遮断される。
【0089】
また、連通路52ad、連通路52ag及び連通路52bbは、内壁57aaとの隙間空間と、第3シリンダ室57aの外部とを連通している。これにより、シール部材58a及びシール部材58bが摩耗した場合でも、作動流体は、連通路52ad、連通路52ag及び連通路52bbを介して第3シリンダ室57aの外部へ抜けるようになる。ここで、作動流体が、空気であるので、連通路52ad、連通路52ag及び連通路52bbを介して第3シリンダ室57aの外部へ容易に抜けるようになる。
【0090】
このように、シール部材58a及びシール部材58bが摩耗してなければ、第5室51aと第6室53aとの間が遮断され、シール部材58a及びシール部材58bが摩耗した場合でも、作動流体が連通路52ad、連通路52ag及び連通路52bbを介して第3シリンダ室57aの外部へ抜けるようになる。これらにより、流動性固形物に作動流体が混入しないなっている。
【0091】
(7)
ここでは、図6に示す制御部71が、図3に示す第2室33aに導入された作動流体の圧力に基づいて、第1ピストン32aに往復運動を行わせる。あるいは、制御部71(図6参照)が、第2シリンダ室37b(図4参照)の第3室31bに導入された作動流体の圧力と、第2シリンダ室37b(図4参照)の第4室33bに導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストン32bに往復運動を行わせる。制御部71(図6参照)が、連結軸3を介して第2ピストン32bの往復運動が第1ピストン32aへ伝達されるようにする。第1ピストン32aが、第1シリンダ室37aの内壁37aa(図4参照)に沿って移動する。シール部材38a(図4参照)が、第1シリンダ室37aの内壁37aa(図4参照)と第1ピストン32aとの間に設けられている。
【0092】
したがって、第1シリンダ室37aの内壁37aa(図4参照)と第1ピストン32aとの間にシール部材38a(図4参照)が設けられているので、第1シリンダ室37aの内壁37aa(図4参照)と第1ピストン32aとの間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することが可能である。
(8)
ここでは、図6に示す制御部71が、図3に示す第2シリンダ部50の第6室53aに導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストン52aに往復運動を行わせる。第3ピストン52aが、第3シリンダ室57a(図5参照)の内壁57aa(図5参照)に沿って移動する。シール部材58a(図5参照)が、第3シリンダ室57a(図5参照)の内壁57aa(図5参照)と第3ピストン52aとの間に設けられている。
【0093】
したがって、第3シリンダ室57a(図5参照)の内壁57aa(図5参照)と第3ピストン52aとの間にシール部材58a(図5参照)が設けられているので、第3シリンダ室57a(図5参照)の内壁57aa(図5参照)と第3ピストン52aとの間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することが可能である。
(9)
ここでは、図3に示す第1シリンダ部30が、吸引動作を行い、第1開閉部20を経由して入力部10から流動性固形物を吸引する。流動性固形物が、短径が0.5mm以上10cm以下の固形物を含む。第1シリンダ部30が、圧送動作を行い、第2開閉部40を経由して出力部60へ流動性固形物を圧送する。第1シリンダ部30が、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。
【0094】
したがって、短径が0.5mm以上10cm以下の固形物を流動性固形物が含むので、回転運動をする部分(例えば、ロータ)により圧送されると、回転運動をする部分が接触する内壁と回転運動をする部分との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされるおそれがある。この場合でも、第1シリンダ部30において回転運動でなく往復運動が行われるので、往復運動する部分が接触する内壁(図4に示す内壁37aa)と往復運動する部分(図4に示す第1ピストン32a)との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することが可能である。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することが可能である。
【0095】
(10)
ここでは、図6に示す制御部71が、図3に示す出力部10が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、第2シリンダ室37b(図4参照)の第3室31bに導入される作動流体の圧力と、第2シリンダ室37b(図4参照)の第4室33bに導入される作動流体の圧力とを制御する。制御部71(図6参照)が、第2シリンダ室37b(図4参照)の第3室31bに導入された作動流体の圧力と、第2シリンダ室37b(図4参照)の第4室33bに導入された作動流体の圧力とに基づいて、第2ピストン32bに往復運動を行わせる。第1シリンダ部30が、往復運動により、吸引動作と圧送動作とを交互に行う。制御部71(図6参照)が、第1室31aの容積が減少する方向に第1ピストン32aを運動させることにより、圧送動作を行わせる。第1シリンダ部30が、圧送動作を行い、第2開閉部40を経由して第1シリンダ室37a(図4参照)の第1室31aから出力部60へ流動性固形物を圧送する。出力部10が、第1シリンダ部30から圧送された流動性固形物を送り出す。
【0096】
したがって、出力部10が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、第2シリンダ室37b(図4参照)の第3室31bに導入される作動流体の圧力と、第2シリンダ室37b(図4参照)の第4室33bに導入される作動流体の圧力とを制御するので、出力部60から送り出される流動性固形物の品質を一定に保つことが可能である。
(11)
ここでは、図6に示す制御部71が、図3に示す出力部60が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、第3シリンダ室57a(図5参照)の第6室53aに導入される作動流体の圧力を制御する。制御部71(図6参照)が、第2シリンダ部50の第6室53aに導入された作動流体の圧力に基づいて、第3ピストン52aに往復運動を行わせる。制御部71(図6参照)が、第3シリンダ室57a(図5参照)の第5室51aの容積が減少する方向に第3ピストン52aを運動させることにより、第5室51aに充填された流動性固形物を第2シリンダ部50の第5室51aから圧送させる。出力部60が、第2シリンダ部50から圧送された流動性固形物を送り出す。
【0097】
したがって、出力部60が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、第3シリンダ室57a(図5参照)の第6室53aに導入される作動流体の圧力を制御するので、出力部60から送り出される流動性固形物の品質を一定に保つことが可能である。
(12)
ここでは、図6に示す第1検知部6が、出力部60(図3参照)が送り出す流動性固形物の圧力を検知する。比較部72が、出力部60(図3参照)が送り出す流動性固形物の圧力の情報を第1検知部6から受け取る。比較部72が、第1所定圧力の情報を第1記憶部74から受け取る。比較部72が、出力部60(図3参照)が送り出す流動性固形物の圧力を第1所定圧力と比較する。制御部71が、比較部72が比較した結果の情報を比較部72から受け取る。制御部71が、出力部60(図3参照)が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように、第3シリンダ室57a(図5参照)の第6室53a(図3参照)に導入される作動流体の圧力を制御する。
【0098】
したがって、第1シリンダ部30(図3参照)から圧送された流動性固形物の圧力を第1検知部6が検知して比較部72が第1所定圧力と比較するので、第1シリンダ部30(図3参照)から圧送された流動性固形物の圧力が第1所定圧力から変動したことを把握することが可能である。このため、出力部60(図3参照)が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように制御することが可能である。
【0099】
(13)
ここでは、図3に示す入力部10が、流動性固形物を受け入れる。攪拌部80が、入力部10に受け入れられた流動性固形物を攪拌する。第1開閉部20が、入力部10と第1シリンダ部30との間に設けられる。第2開閉部40が、第1シリンダ部30と出力部60との間に設けられる。第1開閉部20が開状態にされるとともに第2開閉部40が閉状態にされる。第1シリンダ部30が、吸引動作を行い、攪拌部80が攪拌した流動性固形物を第1開閉部20経由で吸引する。
【0100】
したがって、攪拌部80が攪拌した流動性固形物を第1シリンダ部30が吸引するので、入力部10に受け入れられた流動性固形物の上面がすり鉢状にへこむことが防止されるため、第1シリンダ部30が空気を吸引するおそれを低減することが可能である。このため、第1シリンダ部30から流動性固形物が確実に圧送されるようにすることが可能である。
【0101】
<第1実施形態の変形例>
(A)図4に示す第1シリンダ部30において、作動流体が導入されるのは、第2シリンダ室37bの第3室31bと第4室33bとである代わりに、第1シリンダ室37aの第2室33aであってもよい。この場合、制御部71が、第2室33aに導入された作動流体の圧力に基づいて、第1ピストン38aに往復運動を行わせる点で、第1実施形態と異なる。第1シリンダ部30が往復運動により吸引動作と圧送動作とを交互に行う点は、第1実施形態と同様である。したがって、往復運動する部分が接触する内壁(図4に示す内壁37aa)と往復運動する部分(図4に示す第1ピストン32a)との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することが可能である。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することが可能である。また、流動性固形物が吸引・圧送される第1室31aと、作動流体が導入される第2室33aとが別の室であるので、流動性固形物に作動流体が混入することを低減することができる。
【0102】
なお、このとき、第2メインシリンダ30bはなくてもよい。そして、図3に示す高圧空気供給源91から供給された高圧作動流体は、メインシリンダ側配管97aと電動減圧機構93と三方弁98とを経由して、第1シリンダ部30の第2室33aへ供給されてもよい。制御部71(図6参照)が、三方弁98をパージ状態にすることにより、第1シリンダ部30の第1室31aの圧力(流動性固形物の圧力)が第2室33aの圧力(例えば、大気圧)よりも高い状態にする。これにより、第1シリンダ部30の第1ピストン32aが、第1室31aの容積が増加する方向へ運動する。このようにして、制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30に吸引動作を行わせる。また、制御部71(図6参照)が、三方弁98を開状態にすることにより、第1シリンダ部30の第1室31aの圧力(流動性固形物の圧力)が第2室33aの圧力(第4所定圧力)よりも低い状態にする。これにより、第1シリンダ部30の第1ピストン32aが、第1室31aの容積が減少する方向へ運動する。このようにして、制御部71(図6参照)が、第1シリンダ部30に圧送動作を行わせる。したがって、第2メインシリンダ30bが備えられていなければ、第1シリンダ部30の部品点数をすくなくすることができるので、第1シリンダ部30を低コストで製造することができる。
【0103】
(B)流動性固形物は、短径が0.5mm以上10cm以下の固形物及び短径が互いに異なる固形物の少なくとも一方を含んでもよい。例えば、流動性固形物は、ミンチ状にされた食肉である代わりに、漬け物やサラダなどの総菜物、スパゲッティ、春雨などであってもよい。この場合でも、回転運動をする部分(例えば、ロータ)により圧送されると、回転運動をする部分が接触する内壁と回転運動をする部分との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされるおそれがある。しかし、第1シリンダ部30において回転運動でなく往復運動が行われるので、往復運動する部分が接触する内壁(図4に示す内壁37aa)と往復運動する部分(図4に示す第1ピストン32a)との間に流動性固形物が挟まれてすりつぶされることを低減することが可能である。このため、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することが可能である。
【0104】
(C)
図1に示す原料圧送装置1は、図7に示すように、第1検知部6を備える代わりに、第2検知部107と第3検知部108とを備えていてもよい。図8に示すように、第1記憶部174が、第1圧力相関関係176を記憶していてもよい。ここで、第1圧力相関関係176は、第2シリンダ室37bの第3室31bに導入される作動流体の圧力と第2シリンダ室37bの第4室33bに導入される作動流体の圧力との圧力差と、出力部60(図7参照)が送り出す流動性固形物の圧力との相関関係である。この場合、第2検知部107が、第1シリンダ部30の第3室31b(図7参照)へ供給される作動流体の圧力を検知する。第3検知部108が、第1シリンダ部30の第4室33b(図7参照)へ供給される作動流体の圧力を検知する。制御部171が、第1シリンダ部30の第3室31b(図7参照)へ供給される作動流体の圧力の情報を、第2検知部107から受け取る。制御部171が、第1シリンダ部30の第4室33b(図7参照)へ供給される作動流体の圧力の情報を、第3検知部108から受け取る。制御部171が、第2シリンダ室37bの第3室31bに導入される作動流体の圧力と第2シリンダ室37bの第4室33bに導入される作動流体の圧力との圧力差を演算する。制御部171が、第1圧力相関関係176の情報を第1記憶部174から受け取る。制御部171が、第2シリンダ室37bの第3室31bに導入される作動流体の圧力と第2シリンダ室37bの第4室33bに導入される作動流体の圧力との圧力差の情報と、第1圧力相関関係176の情報とに基づいて、出力部60(図7参照)が送り出す流動性固形物の圧力を推定する。制御部171が、第1所定圧力の情報を第1記憶部174から受け取る。制御部171が、推定した流動性固形物の圧力の情報と第1所定圧力の情報とに基づいて、第3室31b(図7参照)に導入される作動流体の圧力と第4室33b(図7参照)に導入される作動流体の圧力とを制御する。
【0105】
したがって、推定した流動性固形物の圧力の情報と第1所定圧力の情報とに基づいて、第3室31b(図7参照)に導入される作動流体の圧力と第4室33b(図7参照)に導入される作動流体の圧力とを制御するので、出力部60(図7参照)が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように制御することができる。
なお、制御機器70は、推定部(図示せず)をさらに備えてもよい。この場合、次の点が第1実施形態とさらに異なることになる。推定部(図示せず)が、第1シリンダ部30の第3室31b(図7参照)へ供給される作動流体の圧力の情報を、第2検知部107から受け取る。推定部(図示せず)が、第1シリンダ部30の第4室33b(図7参照)へ供給される作動流体の圧力の情報を、第3検知部108から受け取る。推定部(図示せず)が、第2シリンダ室37bの第3室31bに導入される作動流体の圧力と第2シリンダ室37bの第4室33bに導入される作動流体の圧力との圧力差を演算する。推定部(図示せず)が、第1圧力相関関係176の情報を第1記憶部174から受け取る。推定部(図示せず)が、第2シリンダ室37bの第3室31bに導入される作動流体の圧力と第2シリンダ室37bの第4室33bに導入される作動流体の圧力との圧力差の情報と、第1圧力相関関係176の情報とに基づいて、出力部60(図7参照)が送り出す流動性固形物の圧力を推定する。制御部171が、推定された流動性固形物の圧力の情報を推定部(図示せず)から受け取る。
【0106】
(D)
図1に示す原料圧送装置1の制御機器70は、第1検知部6を備える代わりに、第4検知部109を備えていてもよい。図8に示すように、第2記憶部175が、第2圧力相関関係177を記憶していてもよい。ここで、第2圧力相関関係177は、第3シリンダ室57aの第6室53aに導入される作動流体の圧力と、出力部60(図7参照)が送り出す流動性固形物の圧力との相関関係である。この場合、第4検知部109が、第1シリンダ部30の第6室53a(図7参照)へ供給される作動流体の圧力を検知する。制御部171が、第6室53a(図7参照)へ供給される作動流体の圧力の情報を第4検知部109から受け取る。制御部171が、第2圧力相関関係177の情報を第2記憶部175から受け取る。制御部171が、第2シリンダ部50の第6室53a(図7参照)へ供給される作動流体の圧力の情報と、第2圧力相関関係177の情報とに基づいて、出力部60(図7参照)が送り出す流動性固形物の圧力を推定する。制御部171が、第1所定圧力の情報を第2記憶部175から受け取る。制御部171が、推定した流動性固形物の圧力の情報と第1所定圧力の情報とに基づいて、第3シリンダ室57aの第6室53aに導入される作動流体の圧力を制御する。
【0107】
したがって、推定した流動性固形物の圧力の情報と第1所定圧力の情報とに基づいて、第3シリンダ室57aの第6室53aに導入される作動流体の圧力を制御するので、出力部60(図7参照)が送り出す流動性固形物の圧力が一定になるように制御することができる。
なお、制御機器70は、推定部(図示せず)をさらに備えてもよい。この場合、次の点が第1実施形態とさらに異なることになる。推定部(図示せず)が、第3シリンダ室57aの第6室53aに導入される作動流体の圧力の情報を、第4検知部109から受け取る。推定部(図示せず)が、第2圧力相関関係177の情報を第2記憶部175から受け取る。推定部(図示せず)が、第2シリンダ部50の第6室53a(図7参照)へ供給される作動流体の圧力の情報と、第2圧力相関関係177の情報とに基づいて、出力部60(図7参照)が送り出す流動性固形物の圧力を推定する。制御部171が、推定された流動性固形物の圧力の情報を推定部(図示せず)から受け取る。
【0108】
(E)
図4に示すシール部材38a,38bや図5に示すシール部材58a,58bは、ゴムなどの弾性体により形成されていてもよいし、バネ(例えば、ピストンリングなど)などの弾性体により形成されていてもよい。この場合、第1シリンダ室37aの内壁37aaと第1ピストン32aとの隙間を確実にシールすることができる。
【0109】
図4に示す第2シリンダ室37bの第3室31bや第4室33bに導入される作動流体は、空気以外の気体(例えば、窒素、アルゴンなど)であってもよいし、液体(例えば、オイル、水など)であってもよい。なお、作動流体が液体(例えば、オイル、水など)である場合、流動性固形物の汚損を防止するために、流動性固形物が吸引されるシリンダ室と作動流体が導入されるシリンダ室とは別の室であることが好ましい。
【0110】
図3に示すバタフライ弁21,41は、バタフライ弁である代わりに、ボール弁であってもよいし、電磁弁であってもよいし、電動弁であってもよいし、開閉可能な弁であればどのような弁であってもよい。弁駆動部22や弁駆動部42は、スピードコントローラを有していてもよい。この場合、スピードコントローラが制御されることにより、バタフライ弁21,41の開閉がゆっくり行われて、バタフライ弁21,41による流動性固形物の損傷を低減することができる。
【0111】
図3に示す出力部60の充填機60a,60b,・・・の数は、1つでもよいし、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明にかかる原料圧送装置及び原料圧送方法は、流動性固形物の損傷を抑えながら流動性固形物を圧送することができるという効果を有し、原料圧送装置及び原料圧送方法等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の第1実施形態に係る原料圧送装置の側面図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る原料圧送装置の正面図
【図3】原料圧送装置の配管回路図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る第1シリンダ部の断面図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る第2シリンダ部の断面図。
【図6】本発明の第1実施形態に係る制御機器の構成図。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例に係る第2シリンダ部の断面図。
【図8】本発明の第1実施形態の変形例に係る制御機器の構成図。
【符号の説明】
【0114】
1 原料圧送装置
10 入力部
20 第1開閉部
30 第1シリンダ部
40 第2開閉部
50 第2シリンダ部
60 出力部
70 制御機器
80 攪拌部
90 作動流体回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工食品の原料である流動性固形物を圧送する原料圧送装置であって、
前記流動性固形物を受け入れる入力部と、
前記流動性固形物を吸引する動作である吸引動作と前記流動性固形物を圧送する動作である圧送動作とを交互に行う第1シリンダ部と、
前記第1シリンダ部から圧送された前記流動性固形物を送り出す出力部と、
前記入力部と前記第1シリンダ部との間に設けられる第1開閉部と、
前記第1シリンダ部と前記出力部との間に設けられる第2開閉部と、
を備え、
前記第1シリンダ部は、往復運動により、前記吸引動作と前記圧送動作とを交互に行う、
原料圧送装置。
【請求項2】
前記第1開閉部と前記第2開閉部と前記第1シリンダ部とを制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1開閉部を開状態にするとともに前記第2開閉部を閉状態にした後に前記第1シリンダ部に前記吸引動作を行わせ、前記第1開閉部を閉状態にするとともに前記第2開閉部を開状態にした後に前記第1シリンダ部に前記圧送動作を行わせる、
請求項1に記載の原料圧送装置。
【請求項3】
前記第2開閉部と前記出力部との間に設けられる第2シリンダ部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2シリンダ部に往復運動を行わせ、前記第1シリンダ部の前記圧送動作により前記流動性固形物の一部を前記第2シリンダ部に充填させ、前記第2開閉部を閉状態にした後に、前記第2シリンダ部に充填された前記流動性固形物を前記第2シリンダ部から圧送させる、
請求項2に記載の原料圧送装置。
【請求項4】
前記第1シリンダ部は、
第1シリンダ室と、
第2シリンダ室と、
前記第1シリンダ室の内壁に沿って移動する第1ピストンと、
前記第2シリンダ室の内壁に沿って移動する第2ピストンと、
前記第1ピストンと前記第2ピストンとを連結する連結軸と、
を有し、
前記第1シリンダ室は、
前記圧送動作における前記第1ピストンの進行方向側の面である第1面と内壁とで囲まれた室であり、前記吸引動作により前記流動性固形物が吸引される、あるいは前記圧送動作により前記流動性固形物が圧送される第1室を含み、
前記第2シリンダ室は、
前記圧送動作における前記第2ピストンの進行方向側の面である第3面と内壁とで囲まれた室であり、前記第2ピストンの作動流体が導入される第3室と、
前記吸引動作における前記第2ピストンの進行方向側の面である第4面と内壁とで囲まれた室であり、前記第2ピストンの作動流体が導入される第4室と、
を含み、
前記制御部は、前記第3室に導入された作動流体の圧力と前記第4室に導入された作動流体の圧力とに基づいて、前記第2ピストンに往復運動を行わせ、前記連結軸を介して前記第2ピストンの往復運動が前記第1ピストンへ伝達されるようにし、前記第1室の容積が増加する方向に前記第1ピストンを運動させることにより、前記吸引動作を行わせ、前記第1室の容積が減少する方向に前記第1ピストンを運動させることにより、前記圧送動作を行わせる、
請求項2に記載の原料圧送装置。
【請求項5】
前記第2シリンダ部は、
第3シリンダ室と、
前記第3シリンダ室の内壁に沿って移動する第3ピストンと、
を有し、
前記第3シリンダ室は、
前記流動性固形物を圧送する際における前記第3ピストンの進行方向側の面である第5面と内壁とで囲まれた室であり、前記流動性固形物の一部が充填される、あるいは前記流動性固形物が圧送される第5室と、
前記流動性固形物の一部が充填される際における前記第3ピストンの進行方向側の面である第6面と内壁とで囲まれた室であり、前記第3ピストンの作動流体が導入される第6室と、
を含み、
前記制御部は、前記第6室に導入された作動流体の圧力に基づいて、前記第3ピストンに往復運動行わせ、前記第1シリンダ部に前記圧送動作を行わせることにより前記流動性固形物の一部を前記第5室に充填させ、前記第5室の容積が減少する方向に前記第3ピストンを運動させることにより前記流動性固形物を前記第5室から圧送させる、
請求項3に記載の原料圧送装置。
【請求項6】
作動流体は、空気、オイル及び水のいずれかであり、
前記第3シリンダ室の内壁と前記第3ピストンとの間に設けられたシール部材と、
前記第3シリンダ室の内壁との隙間空間と、前記第3シリンダ室の外部とを連通する連通路と、
をさらに備えた、
請求項5に記載の原料圧送装置。
【請求項7】
前記第1シリンダ室の内壁と前記第1ピストンとの間に設けられたシール部材をさらに備えた、
請求項4に記載の原料圧送装置。
【請求項8】
前記流動性固形物は、短径が0.5mm以上10cm以下の固形物及び短径が互いに異なる固形物の少なくとも一方を含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の原料圧送装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記出力部が送り出す前記流動性固形物の圧力が一定になるように、前記第3室に導入される作動流体の圧力と前記第4室に導入される作動流体の圧力とを制御する、
請求項4に記載の原料圧送装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記出力部が送り出す前記流動性固形物の圧力が一定になるように、前記第6室に導入される作動流体の圧力を制御する、
請求項5に記載の原料圧送装置。
【請求項11】
前記入力部に受け入れられた前記流動性固形物を攪拌する攪拌部をさらに備え、
前記第1シリンダ部は、前記吸引動作により、前記攪拌部が攪拌した前記流動性固形物を吸引する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の原料圧送装置。
【請求項12】
加工食品の原料である流動性固形物が圧送される原料圧送方法であって、
前記流動性固形物が受け入れられる入力ステップと、
前記入力ステップで受け入れられた前記流動性固形物が、第1シリンダ室へ吸引される吸引ステップと、
前記吸引ステップで吸引された前記流動性固形物が前記第1シリンダ室から圧送される圧送ステップと、
前記圧送ステップで圧送された前記流動性固形物が送り出される出力ステップと、
を備え、
前記吸引ステップと前記圧送ステップとは、前記第1シリンダ室の内壁に沿って移動する第1ピストンの往復運動が行われることにより、交互に行われる、
原料圧送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−85275(P2007−85275A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276651(P2005−276651)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(593199666)北陽機械株式会社 (1)
【Fターム(参考)】