説明

原稿搬送読取装置

【課題】異物除去のための新たな機構を必要とすることなく、従って、装置の大型化を招くことなく、光透過部材の読取領域における異物を効果的に除去できる原稿搬送読取装置を提供する。
【解決手段】原稿ORを搬送する原稿搬送部200と、原稿搬送部200にて搬送される原稿ORを読取ガラス7の読取領域Pを介して読み取る原稿読取部300と、原稿搬送部200を制御する制御部400とを備えた原稿搬送読取装置100において、制御部400は、原稿搬送部200を制御して、原稿ORを該原稿ORの読み取り時の搬送方向Xと逆方向X’に進行させると共に該原稿ORを読取ガラス7の少なくとも読取領域Pに接触させることで、読取ガラス7の読取領域Pにおける異物Tを除去する異物除去工程を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿搬送読取装置に関し、特に、原稿搬送部にて搬送される原稿を原稿読取部にて光透過部材の読取領域を介して読み取る原稿搬送読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿搬送読取装置は、従来より、複写機や複合機等の画像形成装置などに多用されている。かかる従来の原稿搬送読取装置においては、原稿搬送部にて搬送される原稿を原稿読取部にて読取ガラス等の光透過部材の読取領域を介して読み取ることが多い。
【0003】
このような原稿搬送読取装置においては、光透過部材の読取領域上に紙粉やゴミ等の異物が付着することがあり、そうすると、読み込んだ画像に白筋等の筋が生じるなどの画像不良を招くという不都合がある。例えば、原稿搬送読取装置における原稿読取動作中に、原稿から剥がれた紙粉が読取ガラスの読取領域に付着して、読み取った原稿画像の画質を悪化させていた。
【0004】
この課題に対し、下記特許文献1には、読取ガラスに傾斜を設け、搬送する原稿と重力によりゴミ等の異物を落下させて除去する構造とする原稿搬送読取装置が提案されている。
【特許文献1】特開2003−110808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の原稿搬送読取装置では、異物除去のための新たな機構を必要とするため、それだけ部品点数が増加し、装置の大型化を招く。
【0006】
そこで、本発明は、原稿搬送部にて搬送される原稿を原稿読取部にて光透過部材の読取領域を介して読み取る原稿搬送読取装置であって、異物除去のための新たな機構を必要とすることなく、従って、装置の大型化を招くことなく、光透過部材の読取領域における異物を効果的に除去できる原稿搬送読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために、原稿を搬送する原稿搬送部と、前記原稿搬送部にて搬送される原稿を光透過部材の読取領域を介して読み取る原稿読取部と、前記原稿搬送部を制御する制御部とを備えた原稿搬送読取装置において、前記制御部は、前記原稿搬送部を制御して、原稿を該原稿の読み取り時の搬送方向と逆方向に進行させると共に該原稿を前記光透過部材の少なくとも前記読取領域に接触させることで、前記光透過部材の前記読取領域における異物を除去する異物除去工程を実施することを特徴とする原稿搬送読取装置を提供する。
【0008】
本発明に係る原稿搬送読取装置によれば、前記制御部は、前記原稿搬送部を制御して、原稿を前記搬送方向と逆方向に進行させると共に該原稿を前記光透過部材(例えば読取ガラス等)の少なくとも前記読取領域に接触させることで、前記光透過部材の前記読取領域における異物(例えば紙粉やゴミ等)を除去する異物除去工程を実施するので、原稿(主として原稿の前記搬送方向の上流側端部)を前記光透過部材の少なくとも前記読取領域に積極的に接触させることができ、高い異物除去効果を得ることができる。従って、前記光透過部材の前記読取領域への異物の付着を有効に防止でき、これにより、原稿画像の画質を向上させることが可能となる。また、異物除去のための新たな機構を必要としないため、部品点数を増加させることがなく、従って、装置が大型化することはない。
【0009】
本発明に係る原稿搬送読取装置において、前記異物除去工程を実施するタイミングを決定し得る具体的態様としては、次の(a)及び(b)の態様を挙げることができる。
【0010】
(a)前記光透過部材の前記読取領域における異物の有無を検知する異物検知部を備え、前記制御部は、前記異物検知部からの出力に基づき異物の有無を判定し、異物が存在すると判断した場合に、前記異物除去工程を実施する態様。この態様では、前記制御部は、原稿の読み取り後に前記異物検知部からの出力に基づき異物の有無を判定し、異物が存在すると判断した場合に、前記異物除去工程を実施することが好ましい。これにより、原稿を読み取った後に前記光透過部材の前記読取領域に付着することがある異物を除去することができる。
【0011】
さらに具体的態様として、例えば、次の(a1)〜(a3)の態様を挙げることができる。
(a1)前記原稿搬送部は、搬送される原稿を間にして、前記光透過部材の前記読取領域と対向するように設けられた読取ガイドを備え、前記読取ガイドは、少なくとも前記読取領域に対向する部分が黒色若しくは暗色とされており、前記異物検知部は、原稿がない状態での前記原稿読取部からの出力に基づいて異物の存在を検知する態様。この態様によれば、別途、異物検知部を設けることなく、前記光透過部材の前記読取領域における異物の有無を検知することができる。
(a2)前記制御部は、前記異物除去工程の実施後に前記異物検知部からの出力に基づき異物の有無を判定し、異物が存在すると判断した場合に、再度、前記異物除去工程を実施する態様。この態様によれば、前記光透過部材の前記読取領域における異物を確実に除去することができる。
(a3)前記(a1)及び(a2)の態様を組み合わせた態様。
【0012】
前記(a2)又は(a3)の態様において、さらに次の(a4)〜(a6)の態様を挙げることができる。
(a4)前記制御部は、前記異物除去工程を再度実施する場合、前記異物検知部により異物の存在が連続して検知された数をカウントし、前記異物除去工程の実施後に前記異物検知部にて異物が存在することを所定の複数回数連続して検知した場合に、警報を発する(例えば警告表示を行う)と共に当該装置の動作を停止する態様。この態様では、前記異物除去工程を前記複数回数行っても異物を除去できなかったことを利用者に報知することができる上、異物により悪化した画質を招く原稿画像の読み取り動作を禁止することができ、それだけ無駄な読み取り作業をなくすことができる。
(a5)前記制御部は、前記異物除去工程を再度実施する場合、前記異物検知部により異物の存在が連続して検知された数をカウントし、前記異物除去工程の実施後に前記異物検知部にて異物が存在することを所定の複数回数連続して検知した場合に、装置本体からの原稿の排出後に当該装置の動作を停止する態様。この態様では、当該装置の動作停止に先立って原稿の排出を行うことで、装置本体内での原稿詰まり(原稿JAM)を回避することができる上、異物により悪化した画質を招く原稿画像の読み取り動作を禁止することができ、それだけ無駄な読み取り作業をなくすことができる。
(a6)前記(a4)及び(a5)の態様を組み合わせた態様。
【0013】
(b)前記制御部は、原稿の搬送枚数をカウントし、所定枚数ごとに前記異物除去工程を実施する態様。
【0014】
本発明に係る原稿搬送読取装置において、前記原稿搬送部は、搬送される原稿が前記光透過部材を通過直後に該原稿を案内する原稿搬送路を備え、前記原稿搬送路は、前記光透過部材に対して所定の傾斜角度で傾斜して設けられていることが好ましい。こうすることで、原稿を前記搬送方向と逆方向に進行させる際に、原稿(特に原稿の前記上流側端部)を前記光透過部材に確実に接触させることができる。
【0015】
ところで、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿を前記搬送方向と逆方向への原稿読み取り時の搬送速度で進行させる場合に、原稿に厚みがないときには、該原稿が折れ曲がる恐れがある。かかる観点から、本発明に係る原稿搬送読取装置においては、前記制御部は、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿厚さが所定厚さ以下の場合に、原稿を前記搬送方向と逆方向に進行させるときの進行速度を、原稿読み取り時の搬送速度より低下させることが好ましい。こうすることで、原稿を前記搬送方向と逆方向に進行させる際の原稿の折れ曲がりを効果的に防止することができる。
【0016】
一方、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿を前記搬送方向と逆方向への原稿読み取り時の搬送速度で進行させる場合に、原稿に厚みがあるときには、該逆方向に進行させるときの進行速度を上昇させても支障がない場合がある。かかる観点から、本発明に係る原稿搬送読取装置においては、前記制御部は、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿厚さが所定厚さを超える場合に、原稿を前記搬送方向と逆方向に進行させるときの進行速度を、原稿読み取り時の搬送速度より上昇させることが好ましい。こうすることで、前記異物除去工程の処理時間を短縮させることができる。
【0017】
本発明に係る原稿搬送読取装置において、前記制御部は、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿を該原稿の前記光透過部材への接触状態で該原稿の前記搬送方向の上流側端が少なくとも前記読取領域を通過するように複数回往復移動させてもよい。こうすることで、原稿を前記光透過部材の少なくとも前記読取領域にさらに積極的に接触させることができ、前記光透過部材の前記読取領域における異物をさらに効果的に除去することができる。
【0018】
また、本発明に係る原稿搬送読取装置において、前記制御部は、前記異物除去工程を実施するにあたり、搬送される原稿の前記上流側端の位置が所定の基準位置を通過するタイミングを基準にして該原稿の移動距離の制御を行うことができる。この場合、前記基準位置が前記光透過部材の前記読取領域から離れるに従って該原稿の移動距離制御の精度が悪化し易い。かかる観点から、前記制御部は、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿の前記搬送方向の上流側端を前記原稿読取部で読み取り、該原稿読取部による前記上流側端の読み取り時を基準として、該原稿の移動距離を制御することが好ましい。こうすることで、原稿の移動距離制御の精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によると、原稿搬送部にて搬送される原稿を原稿読取部にて光透過部材の読取領域を介して読み取る原稿搬送読取装置であって、異物除去のための新たな機構を必要とすることなく、従って、装置の大型化を招くことなく、光透過部材の読取領域における異物を効果的に除去できる原稿搬送読取装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[原稿搬送読取装置の全体構成について]
図1は、本発明の実施形態に係る原稿搬送読取装置100の概略縦断面図である。図1に示す原稿搬送読取装置100は、原稿ORを搬送する原稿搬送部200と、原稿搬送部200にて搬送される原稿ORを光透過部材7(ここでは読取ガラス、以下、読取ガラス7という。)の読取領域Pを介して読み取る原稿読取部300と、原稿搬送部200を制御する制御部400(図1では図示せず、後述する図2参照)とを備えている。
【0021】
この原稿搬送読取装置100は、制御部400の指示の下、原稿搬送部200にて原稿トレイ1上に載置された原稿ORを所定の搬送方向(原稿ORの読み取り時の搬送方向方向(図中矢印X方向))に搬送しつつ読取ガラス7における原稿読取部300の原稿読取位置Rに対応する読取領域Pを通過する原稿ORの画像を原稿読取部300にて読み取ることができるようになっている。
【0022】
本実施の形態では、原稿搬送部200は、相対的に上方に配置される原稿載置部1(ここでは原稿トレイ、以下、原稿トレイ1という。)と、この原稿トレイ1の下方に配置される排出部17(ここでは排出トレイ、以下、排出トレイ17という。)と、これらの間を接続する第1搬送路4とを備えて構成されている。そして、原稿搬送部200は、原稿ORを該原稿ORの搬送方向Xにおいて上流側で搬送する上流側搬送ローラ対6と下流側で搬送する下流側搬送ローラ対13とからなる2つの搬送ローラ対を備えている。この2つの搬送ローラ対6,13の間に読取ガラス7が位置している。即ち、上流側搬送ローラ対6、読取ガラス7及び下流側搬送ローラ対13が搬送方向Xに沿ってこの順に配設されている。また、読取ガラス7は、第1搬送路4の搬送壁を画するように略水平に設けられている。
【0023】
原稿搬送部200は、さらに、ピックアップローラ15と、サバキローラ2と、分離パッド等の分離部材3(ここでは分離パッド、以下、分離パッド3という。)とを備えている。
【0024】
ピックアップローラ15は、原稿トレイ1上に載置(積層)された原稿ORを該原稿トレイ1から搬送方向Xに沿って第1搬送路4内へ送り出すものである。サバキローラ2は、ピックアップローラ15より搬送方向X下流側に配置されており、ピックアップローラ15にて送られてきた原稿ORを分離パッド3と共に挟持しつつさらに搬送方向X下流側へ搬送するものである。分離パッド3は、サバキローラ2に対峙された状態で該サバキローラ2との間に搬送される原稿ORが1枚になるように該原稿ORを捌く(分離する)ようになっている。
【0025】
かかる構成を備えた原稿搬送部200は、原稿ORをピックアップローラ15にてサバキローラ2と分離パッド3との間に搬送し、ここで原稿ORを捌いて分離すると共にサバキローラ2が回転駆動されることによって1枚ずつ搬送するようになっている。そして、サバキローラ2にて搬送される原稿ORを第1搬送路4にて案内して上流側搬送ローラ対6に向けて1枚ずつ供給することが可能となっている。
【0026】
詳しくは、ピックアップローラ15は、原稿トレイ1に載置された原稿ORに対して、後述するピックアップローラ駆動部401(図2参照)にて接離可能とされている。また、ピックアップローラ15は、無端ベルト等を含む駆動伝達手段22を介してサバキローラ2と同方向に回転するように該サバキローラ2に連結されている。ピックアップローラ15及びサバキローラ2は、原稿ORの読み取り要求がなされると、後述する搬送駆動部402(図2参照)にて原稿ORを搬送方向Xに搬送させる方向(図1中矢印A)に回転駆動されるようになっている。
【0027】
本実施の形態では、原稿搬送部200は、原稿ORを表裏が逆転するように反転させて該原稿ORの一方の面を読み取り可能に搬送した後、該原稿ORを表裏が逆転するように反転させて該原稿ORの他方の面を読み取り可能に搬送するように構成されている。
【0028】
詳しくは、原稿搬送部200は、前記構成に加えて、さらに、反転ローラ対14と、第2搬送路21と、切換爪18とを備えている。
【0029】
第1搬送路4は、原稿ORをサバキローラ2から上流側搬送ローラ対6、読取ガラス7、下流側搬送ローラ対13及び反転ローラ対14を経て排出トレイ17へ搬送するようにループ状に形成されている。反転ローラ対14は、下流側搬送ローラ対13よりも搬送方向X下流側に配設され且つ該下流側搬送ローラ対13から搬送されてきた原稿ORを搬送方向X上流側端(以下、後端という。)が前になるように搬送するためのものである。第2搬送路21は、反転ローラ対14と下流側搬送ローラ対13との間の分岐部Sから分岐され且つ該反転ローラ対14にて後端が前になるように搬送された原稿ORを該原稿ORの表裏が逆転するように反転させるために第1搬送路4の上流側搬送ローラ対6よりも搬送方向X上流側へ導くものである。第1搬送路4の反転ローラ対14と分岐部Sとの間には、スイッチバック搬送路23が形成されている。このスイッチバック搬送路23は、反転ローラ対14の順方向(原稿ORの搬送方向X)の回転による原稿ORの搬送と、逆方向の回転による原稿ORの逆搬送とが可能な搬送路とされている。
【0030】
切換爪18は、分岐部Sに配置され、且つ、原稿ORを反転ローラ対14から第2搬送路21を介して上流側搬送ローラ対6へ導く第1切換姿勢と、原稿ORを下流側搬送ローラ対13からスイッチバック搬送路23を介して反転ローラ対14へ導く第2切換姿勢とをとり得るように構成されている。
【0031】
ここでは、切換爪18は、通常状態では、スイッチバック搬送路23と第2搬送路21とを直結する形態で配置され(第1切換姿勢、図中実線参照)、原稿読取部300で読み取られた原稿ORが搬送方向Xに搬送される際には、該原稿ORの搬送方向X下流側端(以下、先端という。)が切換爪18を押し上げて該原稿ORをスイッチバック搬送路23へ導くようになっている(第2切換姿勢、図中破線参照)。この分岐爪18は、爪部18aが自重で落下し、下流側搬送ローラ対13と反転ローラ対14との間の第1搬送路4を閉塞して前記第1切換姿勢をとるように反転ローラ対14の軸線方向に沿った揺動軸Q回りに揺動自在とされている。そして、切換爪18は、原稿ORの後端がスイッチバック搬送路23内に位置し、該原稿ORが逆方向に回転する反転ローラ対14にて原稿ORの搬送方向Xとは反対方向の逆搬送方向(図中矢印X’方向)に逆搬送される際には、該原稿ORを第2搬送路21へ導くようになっている。
【0032】
なお、原稿トレイ1に載置された原稿ORのサイズは、原稿トレイ1の原稿載置部に配設された原稿サイズセンサ20で検出されるようになっている。原稿トレイ1に載置された原稿ORの有無は、原稿トレイ1の原稿載置部のピックアップローラ15近傍に配設された原稿有無検知センサ16で検出されるようになっている。また、上流側搬送ローラ対6は、停止状態においてサバキローラ2にて搬送された原稿ORの先端を突き合わせて整合し、読み取りタイミングに合わせて回転駆動されるようになっている。こうして搬送される原稿ORは、第1搬送路4の搬送方向Xにおいて第2搬送路21より下流側且つ上流側搬送ローラ対6より下流側に配設された搬送センサ5で検出されるようになっている。また、反転ローラ対14にて排出される原稿ORは、反転ローラ対14より排出側で該反転ローラ対14近傍に配設された排出センサ19で検出されるようになっている。
【0033】
また、本実施の形態においては、原稿搬送部200は、搬送される原稿ORを間にして、少なくとも読取ガラス7の読取領域Pと対向する部分を有する読取ガイド8をさらに備えている。
【0034】
原稿読取部300は、読取ガラス7の原稿ORが搬送される側とは反対側から光照射する光源9と、読取ガラス7を介して原稿ORからの画像光を伝達する光学系24と、光学系24からの原稿画像光を電気信号に画像データとして電気信号に変換する撮像素子12(ここではCCD(Charge Coupled Device)、以下、CCD12という。)とを備えている。
【0035】
詳しくは、光学系24は、複数の反射ミラー10と、光学レンズ11とを備えている。各反射ミラー10は、原稿ORから読取ガラス7を介して反射してくる画像光を結像レンズ11に導くようになっている。光学レンズ11は、各折り返しミラー10からの原稿画像光をCCD12に結像するようになっている。
【0036】
かかる構成を備えた原稿読取部300は、読取ガイド8に沿って搬送される原稿ORに光源9から光が照射され、原稿ORに反射して読取ガラス7を透過し、各反射ミラー10を経由して光学レンズ11で集光され、CCD12で画像データに変換されるようになっている。
【0037】
以上説明した原稿搬送読取装置100では、原稿ORの読み取り指示がなされると、原稿トレイ1に載置された原稿ORが、ピックアップローラ15によって取り出され、サバキローラ2及び分離パッド3によって1枚ずつに分離され、第1搬送路4に搬送される。第1搬送路4に搬送された原稿ORは、搬送センサ5で原稿ORの搬送が確認された後、上流側搬送ローラ対6によって、斜行防止のために先端が揃えられると共に、規定の読み取りタイミングで送り出され、表裏が反転されて読取ガラス7へと搬送され、さらに該読取ガラス7の読取領域Pを介して原稿読取部300にて原稿画像が読み取られる。
【0038】
読み取りの終了した原稿ORは、下流側搬送ローラ対13によって読取領域Pから引き出され、第1搬送路4のスイッチバック搬送路23を介して、可逆回転可能な反転ローラ対14によって排出トレイ17上に排出される。
【0039】
また、原稿ORの一方の面と他方の面との両面を読み取る場合には、一方の面が読み取られた原稿ORが排出トレイ17に排出されることなく、該原稿ORの後端がスイッチバック搬送路23内に位置するように搬送され、逆方向に回転する反転ローラ対14にて逆搬送方向X’に逆搬送されて第1切換姿勢にある切換爪18にて第2搬送路21へ導かれる。第2搬送路21に導かれた原稿ORは、第1搬送路21を介して、再度、第1搬送路4に戻ることで、表裏が反転されて上流側搬送ローラ対6にて搬送され、読取ガラス7を通過して他方の面が読みられる。こうして両面の読み取りが終わった原稿ORは、再度、第1搬送路4に戻ることで、表裏が反転されて搬送ローラ対6,13にて搬送され、その後、第1搬送路4のスイッチバック搬送路23を通過し、順方向に回転する反転ローラ対14を介して排出トレイ17に排出される。
【0040】
なお、ここでは、原稿画像を読み取る際に原稿ORが読取ガラス7を通過している最中は、原稿ORの振動を避けるべく、原稿ORが読取ガラス7と接触しないように下流側搬送ローラ対13の周速度を上流側搬送ローラ対6の周速度よりも0.1%程度高速で原稿ORを搬送している。このとき、原稿ORに紙粉等の異物が付着していたら、読取ガラス7上に落下することがある。
[制御部による制御について]
次に、図1に示す原稿搬送読取装置100における制御部400による制御について説明する。図2は、図1に示す原稿搬送読取装置100の電気的構成の主要部を概略的に示すブロック図である。
【0041】
原稿搬送読取装置100は、さらに、ピックアップローラ15を原稿ORに接離するよう移動させるための電磁ソレノイド等のピックアップローラ駆動部401と、ピックアップローラ15、サバキローラ対2、上流側搬送ローラ対6を駆動するための駆動モータ等の搬送駆動部402と、下流側搬送ローラ対13及び反転ローラ対14を駆動するための駆動モータ等の反転駆動部403とを備えている。
【0042】
制御部400は、CPU(Central Processing Unit)及び記憶部とを備えている。前記記憶部は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含み、各種制御プログラムや必要なデータを記憶するようになっている。制御部400は、前記CPUによって、各種制御プログラムを前記記憶部から読み出し、該読み出した制御プログラムを実行することで、装置全体の動作を制御するように構成されている。制御部400は、ここでは、主制御部(メインCPU)410と副制御部(サブCPU)420とからなっている。主制御部410は、装置全体の動作制御を管理するものである。副制御部420は、反転駆動部403の動作制御を管理するものである。
【0043】
主制御部410は、入力系において原稿読取部300のCCD12を接続しており、CCD12からの原稿読取り画像データを取得するようになっている。また、主制御部410は、出力系においてピックアップローラ駆動部401、搬送駆動部402及び副制御部420を接続しており、各駆動部401,402及び副制御部420に対して作動信号を出力するようになっている。副制御部420は、反転駆動部403に対して作動信号を出力するようになっている。さらに、主制御部410は、入力系において原稿サイズセンサ20、原稿有無検知センサ16、搬送センサ5及び排出センサ19を接続しており、各センサ20,16,5,19からの出力信号が入力されるようになっている。
【0044】
そして、制御部400(主制御部410)は、原稿搬送部200を制御して、原稿ORを該原稿ORの読み取り時の搬送方向Xと逆方向X’に進行させつつ該原稿ORを読取ガラス7の少なくとも読取領域Pに接触させることで、該読取ガラス7の読取領域Pにおける紙粉等の異物を除去する異物除去工程を実施するように構成されている。
【0045】
以下、原稿ORの読取ガラス7との接触位置として、原稿ORの搬送方向Xの上流側端部(以下、後端部という。)を例にとって説明する。但し、読取ガラス7に接触させる原稿ORの位置は後端部に限定されるものではない。
[異物除去工程の動作について]
次に、原稿搬送読取装置100が実施する異物除去工程の動作について説明する。図3は、異物除去工程の異物除去動作を説明するための概略側面図であって、図3(a)は、搬送方向Xに搬送される原稿ORの後端部OR2が読取ガラス7の読取領域Pを通過した後の状態を示す図であり、図3(b)は、逆方向X’に進行する原稿ORの後端部OR2が読取ガラス7の読取領域Pより搬送方向Xの下流側に接触している状態を示す図であり、図3(c)は、逆方向X’に進行する原稿ORの後端OR2’で読取ガラス7の読取領域Pにおける異物Tを除去している状態を示す図である。
【0046】
原稿搬送読取装置100では、異物除去工程を実施するにあたり、原稿トレイ1からピックアップローラ15によって搬送された原稿ORが、サバキローラ2によって上流側搬送ローラ対6まで搬送される。次いで、上流側搬送ローラ対6によって搬送された原稿ORは、先端が読取ガラス7上を通過し、下流側搬送ローラ対13まで搬送された後、下流側搬送ローラ対13により反転ローラ対14に向けて搬送される。反転ローラ対14まで搬送された原稿ORは、該反転ローラ対14及び下流側搬送ローラ対13が正回転されることで、後端OR2’が少なくとも読取ガラス7の読取領域Pを通過し、分岐部Sと読取領域Pとの間に位置するように、排出トレイ17側へ搬送される。原稿ORの後端OR2’が分岐部Sと読取領域Pとの間の位置に到達したとき、反転ローラ対14及び下流側搬送ローラ対13の回転が停止する(図3(a)参照)。ここで、原稿ORの後端OR2’とは、原稿ORの搬送方向X上流側末端(エッジ)を意味し、原稿ORの後端部OR2とは、原稿の後端OR2’近傍の部分を意味する。
【0047】
次いで、反転ローラ対14及び下流側搬送ローラ対13が逆方向に回転され、原稿ORが搬送方向Xとは逆方向X’に進行して後端部OR2が読取ガラス7に接触する(図3(b)参照)。さらに反転ローラ対14及び下流側搬送ローラ対13が逆回転されると、後端部OR2が読取ガラス7の読取領域Pに移行する。このとき、読取領域P上に異物Tがあれば、後端(エッジ)OR2’で異物Tが刮がれて、該読取領域Pから除去される(図3(c)参照)。そして、反転ローラ対14及び下流側搬送ローラ対13がさらに逆回転されると、後端部OR2が異物Tと共に読取ガラス7の読取領域Pより搬送方向Xに上流側に移行し、反転ローラ対14及び下流側搬送ローラ対13の回転が停止され、再度正回転される。こうして異物除去工程が実施される。
【0048】
このように、本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100によれば、原稿ORを逆搬送方向X’に進行させつつ該原稿ORの後端部OR2を読取ガラス7の少なくとも読取領域Pに接触させることで、読取ガラス7の読取領域P上の異物Tを除去する異物除去工程を実施するので、原稿ORの後端部OR2を読取ガラス7の少なくとも読取領域Pに積極的に接触させることができ、高い異物除去効果を得ることができる。従って、読取ガラス7の読取領域Pへの異物Tの付着を可及的に少なく或いは無くすことができ、これにより、原稿画像の画質を向上させることが可能となる。また、異物除去のための新たな機構を必要としないため、部品点数を増加させることがなく、従って、装置100が大型化することはない。
【0049】
本実施形態に係る原稿搬送読取装置100においては、原稿ORを読み取った後の読取ガラス7の読取領域Pにおける異物Tを除去することが好ましいという観点から、読取ガラス7の読取領域Pにおける異物Tの有無を検知する異物検知部を備え、制御部400(主制御部410)は、原稿ORの読み取り後に異物検知部からの出力に基づき異物Tの有無を判定し、異物Tが存在すると判断した場合に、前記異物除去工程を実施することができる。
【0050】
前記異物検知部による異物有無の判定を行う場合、読取ガイド8は、少なくとも読取領域Pに対向する部分(即ち、原稿読取部300にて原稿ORがない状態で読み取られる部分)が黒色若しくは暗色とされた部材で形成されている。前記異物検知部は、原稿ORがない状態での原稿読取部300からの出力に基づいて異物Tの存在を検知するようになっている。こうすることで、原稿読み取り動作の他に異物検知動作も行うことができ、それだけ部品点数を削減でき、コスト低減を図ることができる。
【0051】
なお、読取ガイド8の少なくとも読取領域Pに対向する部分は、原稿読取部300のCCD12からの出力が紙粉等の異物Tに対して明確に区別できるような濃度に(即ち異物Tが際立つように)形成されていればよい。具体的には、読取ガイド8は、黒く塗装され、又は、色の濃い成形色で樹脂成形されている。
【0052】
図4は、原稿読取部300のCCD12からのあるタイミング(1ライン)での主走査方向の出力信号を示す図であって、図4(a)は、読取ガラス7の読取領域Pに異物Tが存在していない状態での出力を示しており、図4(b)は、読取ガラス7の読取領域Pに異物Tが存在している状態での出力を示している。
【0053】
図4に示すように、原稿ORが搬送されていない状態で検知を行うと、異物Tが付着していた箇所の画素は白く(図4(b)に示すように所定のしきい値より大きい出力値で)、そうでない画素は黒く(図4(a)に示すように所定のしきい値以下の出力値で)出力されるために、異物Tの付着を確実に検出することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態に係る原稿搬送読取装置100においては、読取ガラス7の読取領域Pにおける異物Tを確実に除去するという観点から、制御部400(主制御部410)は、前記異物除去工程の実施後に前記異物検知部からの出力に基づき異物Tの有無を判定し、異物Tが存在すると判断した場合に、再度、前記異物除去工程を実施することができる。
【0055】
原稿搬送読取装置100は、さらに、制御部400(主制御部410)からの表示情報を表示するための表示装置(図示せず)を備えている。この表示装置は、ここでは、原稿搬送読取装置100の前側に設けられた操作パネル(図示せず)に設けられている。これにより、読取ガラス7の読取領域Pに異物Tが付着していることを利用者に報知することが可能となる。
【0056】
また、前記異物除去工程を再度実施する構成では、制御部400(主制御部410)は、前記異物除去工程を再度実施する場合に、前記異物検知部により異物Tの存在が連続して検知された数をカウントする異物検知カウンタCを備え、前記異物除去工程の実施後に前記異物検知部である原稿読取部300にて異物Tが存在することを異物検知カウンタCによって所定の複数回数連続して検知した場合に、前記表示装置にて警告表示を行うと共に当該装置100の動作を停止することができる。こうすることで、読取ガラス7の読取領域Pへの異物Tの付着を利用者に報知でき、異物により悪化した画質を招く無駄な原稿読み取り作業をなくすことができる。
【0057】
また、前記異物除去工程を再度実施する構成では、制御部400(主制御部410)は、前記異物除去工程の実施後に前記異物検知部である原稿読取部300にて異物Tが存在することを前記異物検知カウンタCによって所定の複数回数連続して検知した場合に、原稿搬送部200からの原稿ORの排出後に当該装置100の動作を停止することができる。こうして当該装置100の動作停止に先立って原稿ORの排出を行うことで、原稿搬送部200内での原稿詰まり(原稿JAM)を回避でき、異物により悪化した画質を招く無駄な原稿読み取り作業をなくすことができる。
【0058】
本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100においては、原稿搬送部200は、搬送される原稿ORが読取ガラス7を通過直後に該原稿ORを案内する原稿搬送路25をさらに備えている。この原稿搬送路25は、前記異物除去工程の実施にあたり、原稿ORを逆搬送方向X’に進行させる際に、該原稿ORを読取ガラス7に確実に接触させるという観点から、読取ガラス7に対して所定の傾斜角度θで傾斜して設けられている。なお、読取ガラス7に対する原稿ORの接触角度θとしては、それには限定されないが、5°〜25°程度を例示できる。
【0059】
詳しくは、原稿搬送路25は、第1搬送路4の読取ガラス7と下流側搬送ローラ対13との間において、第1ガイド部材25aと第1ガイド部材25aに対向して配置された第2ガイド部材25bとの間に形成されている。そして、第1ガイド部材25a及び第2ガイド部材25bのうち少なくとも第1ガイド部材25aの原稿搬送面が読取ガラス7に対して前記傾斜角度θで傾斜している。さらに具体的には、第1ガイド部材25aは、読取ガラス7に隣接して該読取ガラス7を支持する支持部材と一体形成されている。また、第2ガイド部材25bは、読取ガイド8の搬送方向X下流側と一体形成されている。
【0060】
本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100においては、原稿厚さを入力操作可能に構成されている。例えば、所定の第1厚さ以下の薄紙原稿を搬送するための薄紙原稿モードと、所定の第2厚さを超える厚紙原稿を搬送するための厚紙原稿モードとを選択入力操作可能に構成されている。
【0061】
制御部400(主制御部410)は、前記異物除去工程を実施する際に、入力された原稿厚さが所定の第1厚さ以下の場合(例えば薄紙原稿モードが選択された場合)に、原稿ORを逆搬送方向X’に進行させるときの進行速度を、原稿読み取り時の搬送速度より低下させるように構成されている。こうすることで、原稿ORを逆搬送方向X’に進行させる際の原稿ORの折れ曲がりを効果的に防止することができる。この第1厚さとしては、それには限定されないが、49g/m2程度を例示できる。
【0062】
また、制御部400(主制御部410)は、前記異物除去工程を実施する際に、入力された原稿厚さが所定の第2厚さを超える場合(例えば厚紙原稿モードが選択された場合)に、原稿ORを逆搬送方向X’に進行させるときの進行速度を、原稿読み取り時の搬送速度より上昇させるように構成されている。こうすることで、前記異物除去工程の処理時間を短縮させることができる。前記第2厚さは、前記第1厚さと同じであってもよいし、前記第1厚さよりも大きくてもよい。前記第2厚さは、ここでは、前記第1厚さと同じ厚さとされている。
【0063】
本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100においては、制御部400(主制御部410)は、前記異物除去工程の1回の実施において、原稿ORを後端部OR2の読取ガラス7への接触状態で後端OR2’が少なくとも読取領域Pを通過するように複数回往復移動させるように構成されていてもよい。こうすることで、原稿ORの後端部OR2を読取ガラス7の少なくとも読取領域Pにさらに積極的に接触させることができ、読取ガラス7の読取領域Pにおける異物Tをさらに効果的に除去することができる。
【0064】
また、本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100においては、原稿ORの移動距離を精度よく制御するという観点から、制御部400(主制御部410)は、前記異物除去工程を実施する際に、逆搬送方向X’に進行する原稿ORの後端エッジOR2’を原稿読取部300のCCD12で読み取り、該CCD12による後端OR2’の読み取り時(原稿読取位置R)を基準として異物除去のために予め設定された移動距離だけ移動するように、該原稿ORを移動させることができる。
[異物除去工程の動作フローの一例の説明]
次に、主制御部410による異物除去工程を実施する動作フローの一例を説明する。図5及び図6は、図1に示す原稿搬送読取装置100の主制御部410による動作フローの一例を示すフローチャートである。なお、図5及び図6に示す例は、原稿ORの両面を読み取る時の動作フローを示すものである。また、図7は、原稿ORが各ローラ対にて搬送される状態を示す図である。なお、図7において、上流側及び下流側搬送ローラ対6,13は図示を省略している。
[図5のステップS100〜S200の処理]
この動作フローでは、原稿読取部300への読み取り指示がなされると(ステップS100のY)、原稿読取部300のCCD12により原稿ORが読取ガラス7に無い状態での読み取りを行い、紙粉等の異物T(以下、紙粉Tという。)の有無を検出する(ステップS105)。紙粉Tが検出されたら(ステップS105のN)、警告表示を行い(ステップS107)、紙粉Tの除去を利用者に促してステップS100に移行する。
【0065】
紙粉Tが検出されなければ(ステップS105のY)、原稿有無センサ16で原稿ORの有無を検知し、原稿ORが有れば(ステップS110のY)、原稿サイズ検出センサ20により原稿サイズを検出する(ステップS120)。一方、原稿ORが無ければ(ステップS110のN)、原稿ORが無いことを報知するエラー表示をして(ステップS115)、ステップS100に移行し、再度待機状態に戻る。
【0066】
ステップS120で原稿サイズ検出後に、異物検知カウンタCを初期化(カウンタCに“0”を代入)し(ステップS125)、搬送モータ等の搬送駆動部402によるピックアップローラ15、サバキローラ対2、上流側搬送ローラ対6及び下流側搬送ローラ対13の正回転(原稿ORの搬送方向Xへの搬送)を開始する(ステップS130)。これ以降、搬送駆動部402は何らかの指示があるまで回転を継続する。そして、反転ローラ駆動モータ等の反転駆動部403により反転ローラ対14を正回転(原稿ORを搬送方向Xへ搬送)させるようにサブCPU420に指示する(ステップS140)。これ以降、反転駆動部403は何らかの指示があるまで回転を継続する。
【0067】
次に、ピックアップローラソレノイド等のピックアップローラ駆動部401を駆動してピックアップローラ15を原稿トレイ1に載置される原稿OR上部に所定時間T0(例えば1秒間)接触させて該原稿ORを繰出す(ステップS150)。この時間T0は、該原稿ORの先端OR1’をサバキローラ対2と分離パッド3との間に搬送するのに要する時間である。次に、搬送センサ5で原稿ORの先端OR1’の到着(原稿無し状態→原稿有り状態の変化)を検知し、原稿ORの先端OR1’が搬送センサ5の検知位置Kに到着したら(ステップS160のY)、所定の第1時間T1だけ待機する(ステップS170)。この第1時間T1は、原稿先端OR1’が搬送センサ5の検知位置Kに到着してから読取ガラス7の読取領域Pの位置(原稿読取位置)Rまで到着するのに要する時間であり、搬送センサ5の検知位置Kから読取ガラス7の読取領域Pの位置Rまでの距離L1を搬送速度Vで除した値である。第1時間T1経過時の原稿ORの位置を図7(a)に示す。
【0068】
次に、原稿ORの一方の面(以下、オモテ面という。)の読み取りを開始するよう原稿読取部300に指示する(ステップS180)。
【0069】
原稿読取部300は、読み取り開始の指示に基づき原稿サイズセンサ20で検知した原稿サイズ搬送長さ分が搬送される時間において、読取ガラス7の読取領域P上に搬送速度Vで搬送される原稿ORのオモテ面をCCD12にて読み取り、該CCD12から出力される画像データを前記記憶部に記憶する。こうして原稿ORのオモテ面を読み取りつつ所定の第2時間T2だけ待機する(ステップS300)。このとき原稿ORの表裏が反転する。この第2時間T2は、(原稿サイズ)÷(搬送速度V)+βであり、読取ガラス7を原稿ORが通過してさらに時間βだけ搬送されるまでの時間に相当する。ここで、原稿サイズとは、原稿ORの搬送方向Xの長さである。また、時間βは、読取ガラス7の読取領域Pの位置(原稿読取位置)Rから該位置Rと分岐部Sの位置Mとの間に位置する原稿後端OR2’の所定位置Z1まで原稿ORが搬送速度Vで搬送される時間を意味する。第2時間T2経過時の原稿ORの位置を図7(b)に示す。なお、原稿後端OR2’の位置Z1と原稿読取位置Rのとの間の距離(β×V)としては、5mm程度を例示できる。
【0070】
そして、原稿読取部300のCCD12で紙粉Tの有無を検知し(ステップS310)、紙粉Tが存在しなければ(ステップS310のY)、異物検知カウンタCをクリアして(ステップS185)、所定の第3時間T3だけ待機する(ステップS190)。この第3時間T3は、L2÷V−(α+β)である。なお、距離L2は、読取領域Pの位置(原稿読取位置)Rから反転ローラ対14の挟持位置Wまでの距離を意味し、時間αは、分岐部Sの位置Mと反転ローラ対14の挟持位置Wとの間に位置する原稿後端OR2’の所定位置Z2から挟持位置Wまで原稿ORが搬送速度Vで搬送される時間を意味する。即ち、距離(α×V)は、反転ローラ対14に挟持された原稿ORを反転する際の該反転ローラ対14の挟持位置Wから原稿後端OR2’までの距離に相当する。第3時間T3経過時の原稿ORの位置を図7(c)に示す。
【0071】
次に、反転モータ等の反転駆動部403を少なくとも原稿ORが下流側搬送ローラ6に到達し且つ原稿ORの反転ローラ対14による挟持状態を解除するのに要する所定の第4時間T4だけ逆回転して、その後に正回転に戻すようサブCPU420に指示する(ステップS200)。第4時間T4は、例えば、(原稿サイズ)÷(搬送速度V)により算出され得る。なお、この例では原稿ORの両面読み取りの場合を説明しているが、オモテ面のみの読み取りの場合には、ここで反転ローラ対14を逆回転せずに、図6のステップS260以降の処理を実行する。
【0072】
一方、原稿ORが図7(b)の位置にいる状態において、ステップS310で紙粉Tが検出された場合(ステップS310のN)、異物検知カウンタCに1を加算し(ステップS313)、異物検知カウンタCが所定回数(この例では5回)未満であれば(ステップS317のY)、搬送駆動部402及び反転駆動部403を所定の第5時間T5だけ逆回転させて図7(b)の状態の原稿ORを後退させ、読取ガラス7の少なくとも読取領域Pに原稿ORの後端部OR2を接触させて紙粉Tを除去する(ステップS320)。この第5時間T5は、ここでは、時間βの値より大きい値であり、所定の(T5−β)の時間搬送される長さだけ、原稿後端OR2’が読取ガラス7を擦って紙粉Tを読取領域Pより搬送方向X上流側に除去する時間である。図7(d)に原稿ORを図7(b)の位置から第5時間T5だけ後退させたときの状態を示す。なお、このとき、原稿後端OR2’と読取領域Pの位置(原稿読取位置)Rとの間の距離((T5−β)×V)としては、10mm程度を例示できる。その後、搬送駆動部402及び反転駆動部403を正回転に戻し(ステップS330)、所定の第6時間T6だけ待機し(ステップS340)、ステップS310に移行する。この第6時間T6は、前記第5時間T5に相当し、原稿ORを後端OR2’が分岐部Sの位置Mと読取ガラス7の読取領域Pの位置(原稿読取位置)Rとの間に位置するように、図7(e)に示す位置まで搬送する。一方、ステップS317で異物検知カウンタCが所定回数(この例では5回)に達したら(ステップS317のN)、図6(b)のステップS400以降の[警告処理]に移行する。
[図6(b)の警告処理]
ステップS317で異物検知カウンタCが所定回数(この例では5回)に達したら、自動による異物除去は困難として利用者に異物除去作業を行うよう促す表示を行い(ステップS400)、原稿搬送部200内の原稿ORを原稿搬送部200から排出トレイ17へ排出して(ステップS410)、処理を終了する。
[図6(a)のステップS210以降の処理]
図5のステップS200の処理後、搬送センサ5により再度原稿ORの先端OR1’が検知されると(ステップS210のY)、第1時間T1だけ待機して(ステップS220)、原稿ORの他方の面(裏面)の読み取りを開始するよう原稿読取部300に指示する(ステップS230)。
【0073】
原稿読取部300は、読み取り開始の指示に基づき、オモテ面の読み取りと同様、原稿サイズ分のデータの読み取りを実行しつつ第2時間T2だけ待機し(ステップS300)、このとき原稿ORの表裏がさらに反転する。そして、紙粉Tの検知を行い(ステップS310)、紙粉Tがなければ(ステップS310のY)、異物検知カウンタCをリセットして(ステップS235)、第3時間T3だけ待機し(ステップS240)、反転ローラ対14を第4時間T4だけ逆回転して、その後に正回転に戻すようサブCPU420に指示する(ステップS250)。このとき原稿ORが読み取られることなく再度表裏が反転する。
【0074】
排出センサ19にて原稿ORの後端OR2’を検知(原稿有り状態→原稿無し状態の変化を検知)したら(ステップS260のY)、原稿ORが排出トレイ17へ排出されたと判断して、次の原稿ORの搬送制御に移行する。原稿有無センサ16で原稿ありを検知したら(ステップS270のY)、再度図5のステップS150に戻り、ステップS160の先端検知まで待つ。原稿ORが無ければ(ステップS270のN)、処理を終了する。
【0075】
一方、図6(a)のステップS310で紙粉Tが検知された(ステップS310のN)後のステップS313〜ステップS340の処理は、図5のステップS313〜ステップS340に示す処理と同様であり、ここでは説明を省略する。
[変形例1]
本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100において、異物検知部の検知に代えて又は異物検知部の検知と共に次のように構成されていてもよい。即ち、制御部400(主制御部410)は、原稿ORの搬送枚数をカウントする原稿搬送カウンタDを備え、該原稿搬送カウンタDによる原稿ORの搬送枚数が所定枚数の整数倍に達したら、前記異物除去工程を実施するように構成されていてもよい。
【0076】
図8及び図9は、図1に示す原稿搬送読取装置100の主制御部410による動作フローの変形例を示すフローチャートである。なお、図8及び図9の処理において、図5及び図6の処理と同じ処理については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
図8に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS125,S310に代えてそれぞれステップS125’,S310’とすると共にステップS185,S313,S317を削除し、ステップS340の「Yes」判定をステップS190へ移行するようにしたものである。また、図9に示すフローチャートは、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS310に代えてステップS310’とすると共にステップS235,S313,S317,S400,S410を削除し、ステップS340の「Yes」判定をステップS240へ移行するようにし、さらにステップS270の後にステップS275を追加したものである。
【0078】
図8に示す動作フローでは、ステップS120で原稿サイズ検知後の原稿ORの搬送開始時に、原稿搬送カウンタDをリセット(カウンタDに“1”を代入)する(ステップS125’)。
【0079】
また、ステップS310’では、原稿搬送カウンタDが所定枚数の整数倍に達したか否かを検知し、達していなければ(ステップS310’のN)、ステップS190に移行する。一方、原稿搬送カウンタDが所定枚数の整数倍に達した場合(ステップS310’のY)、ステップS320,S330を処理する。そして、ステップS340で第6時間T6待機した後、ステップS190に移行する。
【0080】
図9に示す動作フローのステップS310’では、原稿搬送カウンタDが所定枚数の整数倍に達したか否かを検知し、達していなければ(ステップS310’のN)、ステップS240に移行する。一方、原稿搬送カウンタDが所定枚数の整数倍に達した場合(ステップS310’のY)、ステップS320,S330を処理する。そして、ステップS340で第6時間T6待機した後、ステップS240に移行する。また、ステップS275では、原稿ORを排出するごとに原稿搬送カウンタDに1を加算し、ステップS150に移行する。
【0081】
こうして、図8及び図9に示す動作フローを実行する原稿搬送読取装置100では、原稿ORの搬送枚数が所定枚数の整数倍に達したときに前記異物除去工程を実施することができる。
[変形例2]
本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100において、例えば、薄紙原稿モードと厚紙原稿モードとを選択入力操作可能に構成されており、制御部400(主制御部410)は、薄紙原稿モードが選択されて原稿厚さが所定の第1厚さ以下とされた場合に、前記異物除去工程を実施する際に、原稿ORを逆搬送方向X’に進行させるときの進行速度を、原稿読み取り時の搬送速度Vより低下させるように構成されているときには、次の制御動作とすることができる。
【0082】
即ち、原稿ORの読み取り前に、例えば、薄紙原稿モードが選択された場合、前記動作フローのステップS320において、逆回転時の搬送駆動部402及び反転駆動部403の回転速度を原稿読み取り時の基準回転速度Vより低速として回転制御することができる。
[変形例3]
本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100において、例えば、薄紙原稿モードと厚紙原稿モードとを選択入力操作可能に構成されており、制御部400(主制御部410)は、厚紙原稿モードが選択されて原稿厚さが所定の第2厚さを超えるとされた場合に、前記異物除去工程を実施する際に、原稿ORを逆搬送方向X’に進行させるときの進行速度を、原稿読み取り時の搬送速度Vより上昇させるように構成されているときには、次の制御動作とすることができる。
【0083】
即ち、原稿ORの読み取り前に、例えば、厚紙原稿モードが選択された場合、前記動作フローのステップS320において、逆回転時の搬送駆動部402及び反転駆動部403の回転速度を原稿読み取り時の基準回転速度Vより高速として回転制御することができる。
[変形例4]
本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100において、制御部400(主制御部410)は、1回の前記異物除去工程を実施する間に、原稿ORを後端部OR2の読取ガラス7への接触状態で後端OR2’が少なくとも読取領域Pを通過するように複数回往復移動させるように構成されているときには、次の動作フロートとすることができる。
【0084】
即ち、前記動作フローのステップS320において、搬送駆動部402及び反転駆動部403を第5時間T5だけ逆回転させて原稿ORを後退させる第1動作と、搬送駆動部402及び反転駆動部403を第5時間T5だけ正回転させて原稿ORを前進させる第2動作とを複数回繰り返し、その後に前記第1動作を実施してから、ステップS330に移行することができる。
[変形例5]
本実施の形態に係る原稿搬送読取装置100において、制御部400(主制御部410)は、前記異物除去工程を実施する際に、逆搬送方向X’に進行する原稿ORの後端OR2’を原稿読取部300のCCD12で読み取り、該CCD12による後端OR2’の読み取り時(原稿読取領域Pの位置R)を基準として、該原稿ORを移動させるときには、次の制御動作とすることができる。
【0085】
即ち、前記動作フローのステップS320に代えて、図10に示す動作フロー(ステップS320aの処理ルーチン)を実施することができる。図10に示す動作フローでは、原稿ORを逆進させてから(ステップS500)、CCD12で原稿ORの後端OR2’を検知した後に(ステップS520)、所定の第7時間T7だけ待機し(ステップS540)、前記動作フローのステップS330に戻る。この第7時間T7は、原稿ORが読取位置Rから逆方向X’に所定距離(例えば1mm〜10mm程度)搬送されるのに要する時間であり、図7の(T5−β)に相当する時間である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態に係る原稿搬送読取装置の概略縦断面図である。
【図2】図1に示す原稿搬送読取装置の電気的構成の主要部を概略的に示すブロック図である。
【図3】異物除去工程の異物除去動作を説明するための概略側面図であって、図(a)は、搬送方向に搬送される原稿の後端部が読取ガラスの読取領域を通過した後の状態を示す図であり、図(b)は、逆方向に進行する原稿の後端部が読取ガラスの読取領域より搬送方向の下流側に接触している状態を示す図であり、図(c)は、逆方向に進行する原稿の後端で読取ガラスの読取領域における異物を除去している状態を示す図である。
【図4】原稿読取部のCCDからのあるタイミング(1ライン)での主走査方向の出力信号を示す図であって、図(a)は、読取ガラスの読取領域に異物が存在していない状態での出力を示す図であり、図(b)は、読取ガラスの読取領域に異物が存在している状態での出力を示す図である。
【図5】図1に示す原稿搬送読取装置の主制御部による動作フローの一例を示すフローチャートの前半部を示す図である。
【図6】図(a)は、図1に示す原稿搬送読取装置の主制御部による動作フローの一例を示すフローチャートの後半部を示す図であり、図(b)は、警告表示を行う処理フローを示す図である。
【図7】原稿が各ローラ対にて搬送される状態を示す図であって、図(a)は、搬送センサの検知位置から搬送方向に搬送した第1時間経過時の原稿の位置を示す図であり、図(b)は、図(a)に示す位置から搬送方向に搬送した第2時間経過時の原稿の位置を示す図であり、図(c)は、図(b)に示す位置から搬送方向に搬送した第3時間経過時の原稿の位置を示す図であり、図(d)は、図(b)に示す位置から原稿を第5時間だけ後退させたときの状態を示す図であり、図(e)は、図(d)に示す位置から原稿を第6時間(=第5時間)だけ搬送方向に搬送したときの状態を示す図である。
【図8】図1に示す原稿搬送読取装置の主制御部による動作フローの変形例を示すフローチャートの前半部分を示す図である。
【図9】図1に示す原稿搬送読取装置の主制御部による動作フローの変形例を示すフローチャートの後半部分を示す図である。
【図10】原稿の後端を原稿読取部で読み取り、該後端の読み取り時を基準として、該原稿の移動距離を制御する処理ルーチンの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
7 光透過部材(読取ガラス)
8 読取ガイド
12 異物検知部(CCD)
25 原稿搬送路
100 原稿搬送読取装置
200 原稿搬送部
300 原稿読取部
400 制御部
OR 原稿
OR2 原稿の後端部
OR2’ 原稿の後端
P 光透過部材の読取領域
T 異物
X 搬送方向
X’ 搬送方向と逆方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送する原稿搬送部と、前記原稿搬送部にて搬送される原稿を光透過部材の読取領域を介して読み取る原稿読取部と、前記原稿搬送部を制御する制御部とを備えた原稿搬送読取装置において、
前記制御部は、前記原稿搬送部を制御して、原稿を該原稿の読み取り時の搬送方向と逆方向に進行させると共に該原稿を前記光透過部材の少なくとも前記読取領域に接触させることで、前記光透過部材の前記読取領域における異物を除去する異物除去工程を実施することを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項2】
請求項1記載の原稿搬送読取装置において、
前記光透過部材の前記読取領域における異物の有無を検知する異物検知部を備え、
前記制御部は、原稿の読み取り後に前記異物検知部からの出力に基づき異物の有無を判定し、異物が存在すると判断した場合に、前記異物除去工程を実施することを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項3】
請求項2記載の原稿搬送読取装置において、
前記原稿搬送部は、搬送される原稿を間にして、前記光透過部材の前記読取領域と対向するように設けられた読取ガイドを備え、
前記読取ガイドは、少なくとも前記読取領域に対向する部分が黒色若しくは暗色とされており、
前記異物検知部は、原稿がない状態での前記原稿読取部からの出力に基づいて異物の存在を検知することを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の原稿搬送読取装置において、
前記制御部は、前記異物除去工程の実施後に前記異物検知部からの出力に基づき異物の有無を判定し、異物が存在すると判断した場合に、再度、前記異物除去工程を実施することを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項5】
請求項4記載の原稿搬送読取装置において、
前記制御部は、前記異物除去工程を再度実施する場合、前記異物検知部により異物の存在が連続して検知された数をカウントし、前記異物除去工程の実施後に前記異物検知部にて異物が存在することを所定の複数回数連続して検知した場合に、警報を発すると共に当該装置の動作を停止することを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載の原稿搬送読取装置において、
前記制御部は、前記異物除去工程を再度実施する場合、前記異物検知部により異物の存在が連続して検知された数をカウントし、前記異物除去工程の実施後に前記異物検知部にて異物が存在することを所定の複数回数連続して検知した場合に、装置本体からの原稿の排出後に当該装置の動作を停止することを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項7】
請求項1記載の原稿読取装置において、
前記制御部は、原稿の搬送枚数をカウントし、所定枚数ごとに前記異物除去工程を実施することを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一つに記載の原稿搬送読取装置において、
前記原稿搬送部は、搬送される原稿が前記光透過部材を通過直後に該原稿を案内する原稿搬送路を備え、
前記原稿搬送路は、前記光透過部材に対して所定の傾斜角度で傾斜して設けられていることを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一つに記載の原稿読取装置において、
前記制御部は、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿厚さが所定厚さ以下の場合に、原稿を前記搬送方向と逆方向に進行させるときの進行速度を、原稿読み取り時の搬送速度より低下させることを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一つに記載の原稿読取装置において、
前記制御部は、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿厚さが所定厚さを超える場合に、原稿を前記搬送方向と逆方向に進行させるときの進行速度を、原稿読み取り時の搬送速度より上昇させることを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項11】
請求項1から10の何れか一つに記載の原稿読取装置において、
前記制御部は、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿を該原稿の前記光透過部材への接触状態で該原稿の前記搬送方向の上流側端が少なくとも前記読取領域を通過するように複数回往復移動させることを特徴とする原稿搬送読取装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一つに記載の原稿読取装置において、
前記制御部は、前記異物除去工程を実施するにあたり、原稿の前記搬送方向の上流側端を前記原稿読取部で読み取り、該原稿読取部による前記上流側端の読み取り時を基準として、該原稿の移動距離を制御することを特徴とする原稿搬送読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−130720(P2009−130720A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304772(P2007−304772)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】