説明

原稿読取装置

【課題】読み取った複数の原稿に対応する原稿データを自動的にグループ化し、電子ファイルとして記録する原稿読取装置において、原稿データをグループ化するための準備作業を簡略化できる原稿読取装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係わる画像読み取り装置は、原稿(11〜15)を順次読み取り、原稿データを生成する。そして、グループ識別子G1が描画された原稿11の原稿データ〜グループ識別子G2が描画された原稿13の直前の原稿12の原稿データをグループ化した電子ファイルを生成する(符号F1参照)。また、グループ識別子G2が描画された原稿13の原稿データ〜最後の原稿15の原稿データをグループ化した電子ファイルを生成する(符号F2参照)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を読み取って電子的な原稿データを生成する原稿読取装置に係わり、特に、読み取った複数の原稿に対応する原稿データを自動的にグループ化し電子ファイルとして記録する原稿読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿を読み取って電子的な原稿データを生成する原稿読取装置において、読み取った複数の原稿に対応する原稿データを自動的にグループ化し電子ファイルとして記録する原稿読取装置が、特許文献1に開示されている。
前記装置を利用するユーザは、前記装置に読み取らせる複数の原稿の途中に、原稿をグループ化して電子ファイルとして記録するためのデリミタ用紙(区切り用紙)として、バーコードが印刷されたシートを挿入する。
そして、前記原稿及びシートを読み取った装置は、前記挿入されたシート間にある複数の原稿に対応する原稿データをグループ化し電子ファイルとして記録する。
【特許文献1】特開2001−291086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示の装置では、ユーザは、上記のバーコードが印刷されたシートを別途準備する必要があり、かかる準備作業は煩雑で、ユーザの利便性が損なわれてしまう。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、読み取った複数の原稿に対応する原稿データを自動的にグループ化し、電子ファイルとして記録する原稿読取装置において、原稿データをグループ化するための準備作業を簡略化できる原稿読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の技術手段は、複数の原稿を順次読み取って、読み取った原稿に対応する電子的な原稿データを生成し、当該生成した原稿データをグループ化した電子ファイルを生成する原稿読取装置において、原稿データをグループ化するためのデリミタとして参照されるグループ識別子が所定の領域内に描画された原稿に対応する原稿データから前記グループ識別子を抽出する抽出部を備え、前記抽出部によって抽出されたグループ識別子に基づき、グループ化する複数の原稿データを決定し、当該決定した複数の原稿データをグループ化した電子ファイルを生成することを特徴とする原稿読取装置である。
【0005】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記グループ識別子は、所定の温度まで加熱することで色が消える消色インクを用いて描画されたものであることを特徴とする。
【0006】
第3の技術手段は、第2の技術手段において、原稿搬送路に設けられた、読み取られた原稿を排紙トレイへ排紙する排紙ローラ近傍に、前記消色インクを消色するためのヒータを設け、前記グループ識別子が描画された原稿を読み取った後に、前記ヒータは、前記原稿を所定の温度まで加熱することで前記グループ識別子を消色することを特徴とする。
【0007】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれかの技術手段において、グループ識別子が描画された原稿に対応する原稿データから次のグループ識別子が描画された原稿の直前の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルを生成することを特徴とする。
【0008】
第5の技術手段は、第4の技術手段において、前記次のグループ識別子が描画された原稿がない場合には、グループ識別子が描画された原稿に対応する原稿データから最後の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルを生成することを特徴とする。
【0009】
第6の技術手段は、第1〜第3のいずれかの技術手段において、最初に読み取られる原稿にグループ識別子が描画されていない場合には、最初に読み取られる原稿に対応する原稿データからグループ識別子が描画された原稿の直前の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルを生成することを特徴とする。
【0010】
第7の技術手段は、第1〜第6のいずれかの技術手段において、前記生成された電子ファイルを所定のファイル形式で記録することを特徴とする。
【0011】
第8の技術手段は、第7の技術手段において、前記抽出部によって抽出されたグループ識別子の形状に基づいて、前記生成された電子ファイルを記録するファイル形式を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、読み取った複数の原稿に対応する原稿データを自動的にグループ化し、電子ファイルとして記録する原稿読取装置において、原稿データをグループ化するための準備作業を簡略化できるのでユーザの利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の概要を説明するための図である。
11〜15は、本発明に係わる画像読み取り装置によって読み取られる原稿である。
原稿11のG1、原稿13のG2は、後述するように、原稿データをグループ化するためのデリミタとして参照されるグループ識別子で、前記原稿読取装置のユーザによって、後述の消色インクを用いて描画されたものである。
【0014】
本発明に係わる画像読み取り装置は、原稿(11〜15)を順次読み取り(スキャン)、原稿データを生成する。そして、グループ識別子G1が描画された原稿11の原稿データ〜グループ識別子G2が描画された原稿13の直前の原稿12の原稿データをグループ化した電子ファイル(以下、ファイルと記す)を生成する(符号F1参照)。また、グループ識別子G2が描画された原稿13の原稿データ〜最後の原稿15の原稿データをグループ化したファイルを生成する(符号F2参照)。
このように、グループ識別子を描画するだけで、複数の原稿データ単位でグループ化したファイルを自動的に生成することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0015】
また、グループ識別子G1、G2は、所定の温度まで加熱することで色が消える消色インクを用いて描画されているので、原稿を読み取った後、読み取った原稿を前記所定の温度まで加熱すれば当該グループ識別子G1、G2は消える。なお、前記消色インクに係わる技術は、特開2004−18642号公報、特開2006−63238号公報に開示されている。
【0016】
図2は、本発明に係わる原稿読取装置1の一実施形態を説明するための概略構成図である。
原稿読取装置1は、主走査部100とADF(Auto Document Feeder:自動原稿送り装置)200とから構成される。
主走査部100とADF200とはヒンジ(図示せず)によって連結され、ADF200はヒンジの回動によって主走査部100に対して開閉可能となっている。
【0017】
主走査部100は、主として筐体110と、透明なガラス板からなるプラテン板111と、筐体110内に収容され、原稿を読み取って(スキャン)、電子的な原稿データ(スキャンデータ)を生成する第1画像読取ユニット120とから構成されている。
主走査部100は、プラテン板111上にユーザにより載置された原稿の読み取りを行う原稿固定方式と、ADF200によって自動的に原稿を搬送しながら原稿を読み取る原稿移動方式の両方式に対応している。
【0018】
第1画像読取ユニット120は、光源121及び第1ミラー122aを保持する光源ユニット131と、第2ミラー122b及び第3ミラー122cを保持するミラーユニット132と、レンズ133と、CCD134とから構成された縮小光学系の画像読取手段である。
【0019】
原稿固定方式によって原稿を読み取る場合、光源ユニット131とミラーユニット132は、原稿固定方式に対応したホームポジションにそれぞれ移動する。図2は、これら光源ユニット131とミラーユニット132とがホームポジションにある状態を示している。
【0020】
ユーザの原稿読み取り実行ボタンの操作を契機として、光源ユニット131が原稿に対して光を照射しながら一定の速度で副走査方向(紙面に対して左右方向)に移動して原稿を走査し、それと同時にミラーユニット132が光源ユニット131の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向に移動する。
【0021】
光源ユニット131から照射され原稿から反射した光は、光源ユニット131に設けられた第1ミラー122aで反射した後、ミラーユニット132が備える第2ミラー122b及び第3ミラー122cによって180°光路変換される。そして第3ミラー122cで反射された光はレンズ133を介してCCD134に結像し、電子的な原稿データに変換される。
【0022】
一方、ADF200を用いる原稿移動方式によって原稿を読み取る場合、光源ユニット131及びミラーユニット132は、図2に示される状態のホームポジションに静止したまま、ADF200によってホームポジションの上部を通過するように搬送される原稿を走査する。
【0023】
そして、原稿の表面で反射した光は、上述の原稿固定方式と同様に、第1ミラー122aによって反射した後、ミラーユニット132の第2ミラー122b及び第3ミラー122cによって180°光路変換され、レンズ133を介してCCD134に結像し、電子的な原稿データに変換される。
【0024】
ADF200は、主として原稿載置台201に載置された原稿を1枚ずつADF200の内部へ呼び込む呼び込みローラ211と、呼び込まれた原稿を原稿搬送路Fに沿って搬送する複数対の搬送ローラ212と、給紙タイミングを調節するレジストローラ213と、画像読み取りを終えた原稿を排紙トレイ202へ排出する排紙ローラ214と、原稿を読み取って原稿データを生成する第2画像読取ユニット220から構成されている。第2画像読取ユニット220は、略U字状に弧を描く原稿搬送路F内に収まるように配設されている。
【0025】
第2画像読取ユニット220は、光源221、第1ミラー222a、第2ミラー222b、第3ミラー222c、第4ミラー222d、レンズ223、及び、CCD224から構成された縮小光学系の画像読取ユニットであり、これらの各要素は1つの集合体をなすようにユニット化されてユニット用筐体225に収容されている。第2画像読取ユニット220において、光源221、レンズ223、及びCCD224は、第1画像読取ユニット120を構成する各要素と同一のものである。
【0026】
また、第2画像読取ユニット220は、ユーザから両面読み取りの要求がなされた際に、原稿搬送路Fを搬送される原稿の裏面側の画像を読み取る。具体的には、第1画像読取ユニット120によって原稿の表面側の画像が読み取られた後、当該原稿は原稿搬送路Fに沿って排紙トレイ202へ向けて搬送される。その後、前記搬送された原稿は反転して逆方向に搬送され、第2画像読取ユニット220の光源221の下部を通過する。
【0027】
そのとき、第2画像読取ユニット220の光源221は、原稿の裏面側へ向けて光を照射する。そして、原稿の裏面から反射された光は、ガラス等の透明部材で形成された読取窓226を通過し、第1ミラー222a〜第4ミラー222dによって順次光路変換され、レンズ223を介してCCD224に結像し、電子的な原稿データに変換される。
【0028】
なお、ADF200の下面は、主走査部100のプラテン板111上に載置された読み取り原稿を上から押さえる押さえ板230となっている。この押さえ板230は、光源ユニット131の光源121に対峙する部分が開放可能な蓋体231でもある。
【0029】
原稿搬送路Fに設けられた、読み取られた原稿を排紙トレイ202へ排紙する排紙ローラ214近傍には、図1で説明した、グループ識別子が描画された原稿を読み取った後に、当該原稿を所定の温度まで加熱し、該原稿に描画されたグループ識別子を消去する第1ヒータ241及び第2ヒータ242から構成されるヒータユニット240が設けられている。
第1ヒータ241は、原稿の表(オモテ)面の、前述したグループ識別子を消去し、第2ヒータ242は、原稿の裏面の、同グループ識別子を消去する。
なお、前記第1ヒータ241及び第2ヒータ242は、原稿の搬送路を挟んで互いに対向して設けられていため、熱が分散することなく、原稿を表裏から効率良く加熱することができる。
【0030】
図3は、本発明に係わる原稿読取装置1を詳細に説明するためのブロック図である。
21は、ネットワークI/Fで、ネットワークNに対するインターフェイス機能を提供し、当該ネットワークNに接続しているPC、MFP(図示しない)等とデータ送受信を実行する。
22は、原稿読取装置1を操作するための操作パネルで、タッチパネル、テンキー等から構成されている。
23は、複数の原稿を順次読み取り、読み取った原稿毎に電子的な原稿データを生成するスキャン部で、図2に示した、第1画像読取ユニット120、第2画像読取ユニット220、ヒータユニット240等から構成される。
24は、各種制御情報などを記憶するメモリで、25は、スキャン部23が生成した原稿データや前述したPC、MFPが送信した電子データを記録するためのHDDである。
26は、各機能ブロックを制御する制御部である。
【0031】
31は、グループ識別子抽出部で、グループ識別子が所定の領域内(例えば原稿上部の余白領域内)に描画された原稿に対応する原稿データから当該グループ識別子を抽出する。
前記グループ識別子は、前述したように、原稿読取装置1のユーザによって消色インクを用いて原稿の所定領域内に描画されたもので、スキャン部23によって生成された複数の原稿データをグループ化して電子ファイルを作成するためのデリミタとして参照される。
グループ識別子の形状は、“○”(丸)、“△”(三角)、“□”(四角)等様々な形状を有するものとする。
【0032】
32は、グループ識別子確認部で、グループ識別子抽出部31によって抽出されたグループ識別子の形状と、メモリ24に記録されたグループ識別子の形状とをパターンマッチングによって比較し、抽出されたグループ識別子の正当性を確認する。
例えば、メモリ24に、グループ識別子の形状に係わる情報として“○”(丸)、“△”(三角)、“□”(四角)が記録されているとする。
このとき、グループ識別子抽出部31によって抽出されたグループ識別子の形状が“○”(丸)の場合、グループ識別子確認部32は、抽出されたグループ識別子が正当であると判断し、スキャン部23によって生成された原稿データのグループ化が実行される。
上記の抽出されたグループ識別子の形状が、メモリ24に記録されていない形状例えば“☆”(星)の場合、スキャン部23によって生成された原稿データのグループ化は実行されない。
【0033】
33は、グループ化ファイル生成部で、抽出されたグループ識別子の正当性がグループ識別子確認部32によって確認されると、グループ識別子抽出部31によって抽出されたグループ識別子に基づき、グループ化する複数の原稿データを決定し、当該決定した複数の原稿データをグループ化した電子ファイルを生成する。
なお、電子ファイルの生成処理については後に詳述する。
【0034】
34は、ファイル形式指定部で、グループ化ファイル生成部33が生成した電子ファイルのファイル形式を指定する。前記指定は、操作パネル22を介して行われ、また、指定される電子ファイルのファイル形式としては、例えばPDF、TIFFがある。
【0035】
次に、グループ化した電子ファイル作成処理について図1〜図3を用いて詳細に説明する。
ここでは、ユーザは、図1に示した、原稿11〜原稿15の中から原稿11〜原稿12、原稿13〜原稿15をグループ化した電子ファイルを生成したいと所望していると想定し、当該ユーザが原稿11及び原稿13に消色インクを用いてグループ識別子を描画しているものとする。
【0036】
まず、ユーザが原稿11〜原稿15を原稿読取装置1の原稿載置台201にセットし、操作パネル22を介し、グループ化した電子ファイルの作成処理を原稿読取装置1に指示する。
原稿載置台201にセットされた原稿11〜原稿15はスキャン部23によって読み取られ、当該原稿11〜原稿15に対応する原稿データが生成される。なお、読み取られた原稿は排紙トレイ202に排紙されるが、排紙前に第1ヒータ241等により当該原稿が加熱されて、グループ識別子が消去される。
【0037】
前記生成された各原稿データの所定領域内からグループ識別子抽出部31によってグループ識別子が抽出される。図1の例では、原稿11及び原稿13に対応する原稿データからグループ識別子(G1、G2)が抽出される。
【0038】
次に、抽出されたグループ識別子の正当性がグループ識別子確認部32によって確認される。ここでは、グループ識別子抽出部31によって抽出されたグループ識別子の形状が“○”(丸)で、メモリ24に記憶されているグループ識別子の形状が“○”(丸)であるので、正当であると確認される。
【0039】
そして、グループ化ファイル生成部33は、グループ識別子G1が描画された原稿11に対応する原稿データからグループ識別子G2が描画された原稿13の直前の原稿12に対応する原稿データまでをグループ化すると決定し、当該決定した原稿データをグループ化した電子ファイル(図1の符号F1参照)を生成し、HDD25に記録する。同じく、グループ識別子G2が描画された原稿13から最後の原稿15に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイル(図1の符号F2参照)を生成し、HDD25に記録する。このとき、生成された電子ファイルは、ファイル形式指定部34によって指定されたファイル形式、例えばPDF形式で記録される。
【0040】
また、最初に読み取られる原稿11にグループ識別子が描画されていない場合には、最初に読み取られる原稿11に対応する原稿データからグループ識別子G2が描画された原稿13の直前の原稿12に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルが生成される。
【0041】
つまり、グループ化ファイル生成部33は、グループ識別子が描画された原稿に対応する原稿データから次のグループ識別子が描画された原稿の直前の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルを生成する。
前記次のグループ識別子が描画された原稿がない場合には、グループ識別子が描画された原稿に対応する原稿データから最後の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルを生成する。
また、最初に読み取られる原稿にグループ識別子が描画されていない場合には、最初に読み取られる原稿からグループ識別子が描画された原稿の直前の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルが生成される。
【0042】
そして、生成された電子ファイルを、ファイル形式指定部34によって指定されたファイル形式、つまり所定のファイル形式で、HDD25に記録する。
【0043】
電子ファイル内のグループ識別子(図1の符号F1の“○”(丸)参照)は、当該識別子に画像処理を施すことで消去できる。前記画像処理の一例として、背景色と同色で前記グループ識別子を塗りつぶす処理がある。
【0044】
上記のグループ化した電子ファイルの作成処理を図4のフロー図を用いて説明する。
まず、ユーザが複数の原稿を原稿読取装置1の原稿載置台201にセットし、操作パネル22を介し、グループ化した電子ファイルの作成処理を原稿読取装置1に指示する(ステップS1)。なお、既に、セットした原稿の何れかに、ユーザがグループ識別子を消色インクで描画しているものとする。
【0045】
スキャン部23がセットした原稿の読み取り処理を実行し、原稿データを生成する(ステップS2)。同時に、制御部26は、ヒータユニット240(スキャン部23)の第1ヒータ241をオンにして(ステップS3)、原稿に描画された消色インクを消去する。なお、両面読み取りモードの場合には、第2ヒータ242もオンにする。
【0046】
次に、グループ識別子抽出部31は、スキャン部23が生成した原稿データの所定領域からグループ識別子を抽出し(ステップS4)、抽出されたグループ識別子の正当性をグループ識別子確認部32が確認する(ステップS5)。
【0047】
抽出されたグループ識別子の正当性が確認できた場合(ステップS6/YES)、グループ化ファイル生成部33は、グループ化する複数の原稿データを決定し、当該決定した複数の原稿データをグループ化した電子ファイルを生成する(ステップS7)。
【0048】
次に、ファイル形式指定部34によって指定されたファイル形式で、前記電子ファイルをHDD25に記録する(ステップS8)。
なお、ステップS6で正当性が確認できない場合(ステップS6/NO)、処理を終了する。
【0049】
(その他)
前述の例では、グループ識別子の形状に基づき、当該識別子の正当性を判断したが色によって判断してもよい。
【0050】
グループ識別子抽出部31によって抽出されたグループ識別子の形状に基づいて、生成された電子ファイルを記録するファイル形式を決定してもよい。例えば、前記形状が、“○”(丸)の場合は、PDF形式で記録する、“△”(三角)の場合は、TIFF形式で記録する。なお、最初のグループ識別子(図1のG1参照)の形状が“○”(丸)、次のグループ識別子(図1のG2参照)の形状が“△”(三角)の場合は、グループ識別子G1が描画された原稿に対応する原稿データからグループ識別子G2が描画された原稿の直前の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイル(図1の符号F1参照)をPDF形式で記録し、グループ識別子G2が描画された原稿から最後の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイル(図1の符号F2参照)をTIFF形式で記録してもよい。
このようにすることで、ユーザの利便性がより向上する。
【0051】
記録するファイルの名称は、ユーザが入力してもよいし、日付及びファイルの連番に基づき自動的に決定してもよい。
記録したファイルは、ネットワークI/F21を介して、PC等に送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の概要を説明するための図である。
【図2】本発明に係わる原稿読取装置の概略構成図である。
【図3】本発明に係わる原稿読取装置を詳細に説明するためのブロック図である。
【図4】グループ化した電子ファイルの作成処理を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0053】
1…原稿読取装置、11〜15…原稿、21…ネットワークI/F、22…操作パネル、23…スキャン部、24…メモリ、25…HDD、26…制御部、31…グループ識別子抽出部、32…グループ識別子確認部、33…グループ化ファイル生成部、34…ファイル形式指定部、100…主走査部、110…筐体、111…プラテン板、120…画像読取ユニット、121…光源、122a〜122c…第1ミラー〜第3ミラー、131…光源ユニット、132…ミラーユニット、133…レンズ、134…CCD、200…ADF、201…原稿載置台、202…排紙トレイ、211…呼び込みローラ、212…搬送ローラ、213…レジストローラ、214…排紙ローラ、220…第2画像読取ユニット、221…光源、222a〜222d…第1ミラー〜第4ミラー、223…レンズ、224…CCD、225…ユニット用筐体、226…読取窓、230…押さえ板、231…蓋体、240…ヒータユニット、241…第1ヒータ、242…第2ヒータ、G1,G2…グループ識別子、F1,F2…電子ファイル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の原稿を順次読み取って、読み取った原稿に対応する電子的な原稿データを生成し、当該生成した原稿データをグループ化した電子ファイルを生成する原稿読取装置において、
原稿データをグループ化するためのデリミタとして参照されるグループ識別子が所定の領域内に描画された原稿に対応する原稿データから前記グループ識別子を抽出する抽出部を備え、
前記抽出部によって抽出されたグループ識別子に基づき、グループ化する複数の原稿データを決定し、当該決定した複数の原稿データをグループ化した電子ファイルを生成することを特徴とする原稿読取装置。
【請求項2】
前記グループ識別子は、所定の温度まで加熱することで色が消える消色インクを用いて描画されたものであることを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
【請求項3】
原稿搬送路に設けられた、読み取られた原稿を排紙トレイへ排紙する排紙ローラ近傍に、前記消色インクを消色するためのヒータを設け、
前記グループ識別子が描画された原稿を読み取った後に、前記ヒータは、前記原稿を所定の温度まで加熱することで前記グループ識別子を消色することを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。
【請求項4】
グループ識別子が描画された原稿に対応する原稿データから次のグループ識別子が描画された原稿の直前の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルを生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の原稿読取装置。
【請求項5】
前記次のグループ識別子が描画された原稿がない場合には、グループ識別子が描画された原稿に対応する原稿データから最後の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルを生成することを特徴とする請求項4に記載の原稿読取装置。
【請求項6】
最初に読み取られる原稿にグループ識別子が描画されていない場合には、最初に読み取られる原稿に対応する原稿データからグループ識別子が描画された原稿の直前の原稿に対応する原稿データまでをグループ化した電子ファイルを生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の原稿読取装置。
【請求項7】
前記生成された電子ファイルを所定のファイル形式で記録することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の原稿読取装置。
【請求項8】
前記抽出部によって抽出されたグループ識別子の形状に基づいて、前記生成された電子ファイルを記録するファイル形式を決定することを特徴とする請求項7に記載の原稿読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−260409(P2009−260409A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103717(P2008−103717)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】