説明

反動吸収装置及び半導体組立装置

【課題】本発明は、軽量化を図った反動吸収装置を提供すること、あるいは軽量化を図った反動吸収装置を用い、更に処理時間を短い生産性或いは品質の高い半導体組立装置を提供することである。
【解決手段】本発明は、装置ベースと、装置ベースに固定された支持体と、第1のボールネジと、前記第1のボールネジによって所定方向に移動され、少なくとも半導体を組み立てる処理ヘッドを負荷とする負荷ユニットと、前記所定方向と逆の方向に反力を発生させる第2のボールネジと、前記第1のボールネジと前記第2のボールネジを駆動する動力源を有する駆動ユニットと、を具備するカウンタ機構部と、前記支持体と、前記カウンタ機構部を前記第2のボールネジにより移動可能に支持する支持部材とを備えている反動吸収ユニットを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体組立装置及び反動吸収装置、特に軽量化を図った反動吸収装置を提供でき、生産性の稼働率の高い半導体組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置の一つに半導体チップ(ダイ)をリードフレームなどの基板にボンディングするダイボンダがある。ダイボンダでは、ボンディングヘッドでダイを真空吸着し、高速で上昇し、水平移動し、下降して基板に実装する。
【0003】
一般的に装置を高速化すると、高速移動物体による振動が大きくなり、この振動によって装置が目的とする精度を得るのが困難になる。この振動を低減する反動吸収装置の従来例としては特許文献1に記載するものがある。特許文献1では、図7に示すように、カウンタウエイトcwを追加し、モータmでリードの異なる2種類のボールねじn1,n2を駆動し、処理ヘッド(例えば、ボンディングヘッド部)の負荷fとカウンタウエイトcwとを矢印で示すように逆方向に移動させ、振動の発生を防止する方法をとっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−263825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的にカウンタウエイトの質量と駆動力の間には逆比例の関係があり、上記従来技術は制振の効果を得るためには、その駆動と逆の運動量が必要である。たとえば、負荷とカウンタウエイトが同質量のとき、カウンタウエイトの駆動エネルギは負荷駆動と同じだけ必要で、駆動モータの出力は2倍必要となる。カウンタウエイトの駆動エネルギを減ずるにはカウンタ質量を重くすれば良いが(カウンタ質量2倍で駆動エネルギ1/2)、反動吸収装置の重量増を招く。また、この駆動エネルギを供給する駆動系とカウンタ部とを併せた全体重量も増加する。
【0006】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたもので、本発明の第1の目的は、軽量化を図った反動吸収装置を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、軽量化を図った反動吸収装置を用い、更に処理時間の短い生産性或いは品質の高い半導体組立装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の目的を達成するために、ベースと、前記ベースに固定された支持体と、動力源と、前記動力源により移動し、少なくとも半導体を組み立てる処理ヘッドを負荷とする負荷ユニットと、前記動力源と前記負荷ユニットを含み、前記動力源により前記負荷ユニットに対して反対方向に移動するカウンタ機構と、前記支持体に設け、前記カウンタ機構を移動可能に支持する支持部材と、を有することを第1の特徴とする。
前記負荷ユニットは、前記動力源の動作を第1のボールネジを介して移動し、前記カウンタ機構は、第2のボールネジを介して前記支持体に移動可能に支持されることを第2の特徴とする。
装置ベースと、装置ベースに固定された支持体と、第1のボールネジと、前記第1のボールネジによって所定方向に移動され、少なくとも半導体を組み立てる処理ヘッドを負荷とする負荷ユニットと、前記所定方向と逆の方向に反力を発生させる第2のボールネジと、前記第1のボールネジと前記第2のボールネジを駆動する動力源を有する駆動ユニットと、を具備するカウンタ機構部と、前記支持体と、前記カウンタ機構部を前記第2のボールネジにより移動可能に支持する支持部材とを備えている反動吸収ユニットと、を有することを第3の特徴とする。
上記の目的達成するために、前記第1のボールネジと前記第2のボールネジは一直線状に配置され、同一方向のリードネジを有する。
【0008】
また、前記装置ベースが移動しないように固定され、前記カウンタ機構部が前記装置ベースに沿って移動する。
【0009】
前記動力源は、前記第1のボールネジ若しくは前記第2のボールネジのどちらか一方のボールネジの一端、又は前記第1のボールネジ若しくは前記第2のボールネジの双方のボールネジのそれぞれの一端を直接的若しくは間接的に駆動する。ここで、間接的とは、ボールネジが、歯車機構やベルト機構などを介して、動力源と結合するこという。また、直接的とは、ボールネジが、歯車機構やベルト機構などを介さずに、直接動力源と結合することをいう。
【0010】
前記第1のボールネジと前記第2のボールネジは互いに平行に配置する。
【0011】
前記第1のボールネジのリードは前記第2のボールネジのリードより大きい。
【0012】
また、本発明の第2の目的を達成するために、上記特徴に加え、前記半導体組立装置はダイボンダであって、前記ダイボンダの有するボンディングヘッド、プリフォームヘッド、ウェハリングホルダのうち少なくとも一つの直動装置に前記反動吸収装置を適用したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、軽量化を図った反動吸収装置を提供できる。
また、本発明によれば、軽量化を図った反動吸収装置を用い、更に処理時間の短い生産性或いは品質の高い半導体組立装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態であるX反動吸収装置の基本構成を示す図である。
【図2】図1に示すX反動吸収装置の動作例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態であるダイボンダを上から見た概念図と、ボンディングヘッド部を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態であるZ反動吸収装置の基本構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態である反動吸収装置の基本構成を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施形態である反動吸収装置の基本構成を示す図である。
【図7】反動吸収装置の従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき、半導体組立装置としてダイボンダを例に本発明の実施形態を説明する。
図3は本発明の一実施形態であるダイボンダ10を上から見た概念図と、ボンディングヘッド部32を示す図である。ダイボンダは大別してウェハ供給部1と、ワーク供給・搬送部2と、ダイボンディング部3とを有する。
【0016】
ウェハ供給部1はウェハカセットリフタ11とウェハリングホルダ12を有する。ウェハカセットリフタ11はウェハリングが充填されたウェハカセット(図示せず)を有し,ウェハリングホルダ12にウェハリングを供給する。ウェハリングホルダ12は、後述するボンディング処理時に、ウェハリングを保持しているウェハテープを下に引き伸ばしダイの間隔を広げ、突き上げ部によりダイ下方よりダイを突き上げ、ダイのピックアップ性を向上させている。また、ウェハリングホルダ12はXY直動テーブル上に配置され、ピックアップ後は次のダイ位置まで直動移動し、次のピックアップに備える。
【0017】
ワーク供給・搬送部2はスタックローダ21と、フレームフィーダ22と、アンローダ23とを有する。スタックローダ21によりフレームフィーダ22に供給されたワーク(リードフレーム)は、フレームフィーダ22上の2箇所の処理位置を介してアンローダ23に搬送される。
ダイボンディング部3はプリフォーム部31とボンディングヘッド部32とを有する。プリフォーム部31はフレームフィーダ22により搬送されてきたワークにダイ接着剤を塗布する。ボンディングヘッド部32は、ウェハリングホルダ12からダイをピックアップして上昇し、ダイを平行移動してフレームフィーダ22上のボンディングポイントまで移動させる。そして、ボンディングヘッド部32はダイを下降させダイ接着剤が塗布されたワーク上にボンディングする。
【0018】
ボンディングヘッド部32は、ボンディングヘッド(図4の32a参照)をウェハリングホルダ12内のピックアップ位置とボンディングポイントとの間、即ちX方向を移動させるX反動吸収装置6と、X反動吸収装置6に固定(負荷となる)され、ボンディングヘッド32aを上下(Z方向)に移動させるZ反動吸収装置7を有している。
【0019】
以下、図を用いて発明の特徴である反動吸収装置の実施形態を説明する。図1は第1の実施形態であるX反動吸収装置6の基本構成を示す図である。図2はZ反動吸収装置7を固定する負荷ユニット62を右方向に移動させる状態を示す図である。
【0020】
X反動吸収装置6は、大別して移動対象であり破線枠内に示す負荷ユニット62と、前記負荷ユニットを図1に示す矢印のように左右方向に移動させる駆動ユニット61と、負荷ユニットによる振動を低減するカウンタの役目を果たす反動吸収ユニット63と、これらを支持又は固定する装置ベース64を有する。
【0021】
駆動ユニット61は、負荷ユニット62を移動させる負荷側ボールネジ61aと、負荷側ボールネジ61aに連結部61fで連結され、反動吸収ユニット63を移動させようとする反動吸収側ボールネジ61bと、両ボールネジを回転させる駆動モータ61cと、駆動モータと両ボールネジを支持するコの字型の駆動固定板61dと、前記駆動固定板が装置ベース64上を移動可能にするベースガイド61eとを有する。
負荷ユニット62は、先端にボンディングヘッド32a(図3参照)を有する負荷である反動吸収装置7を固定または支持する負荷固定ベース62aと、前記負荷固定ベースに固定され負荷側ボールネジ上を移動する負荷ナット62bと、前記負荷ナットによる負荷ユニット62の駆動固定板61d上の移動をスムーズに行なわせる負荷ガイド62cとを有する。この構成によって、負荷ユニット62は負荷側ボールネジ61aの回転によって、図1の矢印に示すように左右方向に移動する。
【0022】
上述した前記反動吸収側ボールネジ61bと前記負荷側ボールネジ61aとはネジ山の方向は共に順(同一)方向に切ってある。さらに、前記反動吸収側ボールネジ61bのリードRhと前記負荷側ボールネジ61aのリードRdとのリード比Mは、式(1)の関係を有する。
R = Rd/Rh :R>1 (1)
反動吸収ユニット63は、一端側を反動吸収側ボールネジ61b上を移動する反動吸収ナット63a(支持部材)に、他端側を装置ベース64に固定された反動吸収体63b(支持体)を有する。
前記装置ベース64は、ボンディングヘッド部32に固定されており、前述のように反動吸収ユニット63を固定する。また、前記装置ベースは、太線枠内で示す駆動ユニット61と負荷ユニット62とを有するカウンタ機構部8をベースガイド61eによって矢印に示す方向に移動可能に支持している。
【0023】
図2は、このような構成を有する反動吸収装置6の動作例を示す図である。図2は負荷ユニット62を前記負荷側ボールネジ61aと前記反動吸収側ボールネジ61bとを順回転(同一方向に)させて矢印Aに示す右方向に移動させる例を示す。左方向に移動させる場合は、括弧内に示すように反対の動作となる。
図2の場合は、前記負荷側ボールネジ61aと前記反動吸収側ボールネジ61bの回転により、負荷ユニット62は右(左)方向に移動し、反動吸収ユニット63も右(左)方向に移動しようとする。しかしながら、反動吸収ユニット63は装置ベース64で固定されているので、逆に反動吸収側ボールネジ61bが反力を受け、装置ベース64に対し矢印Cに示す左方向に移動する。その結果、太線枠内で示カウンタ機構部8はベースガイド61eによって装置ベース64上を矢印Bに示す左(右)方向に移動する。
【0024】
この場合、負荷ユニット62も駆動ユット61の移動に伴い左(右)方向に移動しようとするが、式(1)の関係より、前記負荷側ボールネジ61aの方がリード(移動量)が大きいので、負荷ユニット62は矢印Aに示す右(左)方向に移動する。式(1)に示すリード比Rを適切な値にすることにより十分な作動範囲を得ることができる。
【0025】
本実施形態では、上述のように、図2に示す太黒枠で示す駆動ユニット61、負荷ユニット62を有するカウンタ機構部8が、負荷ユニット62と逆方に移動するカウンタ負荷の役目を果たしている。即ち、反動吸収装置のほぼ全体を占めるカウンタ機構部8の質量Kmが振動を吸収するカウンタ負荷となる。このことが第1の実施形態の特徴である。前記質量Kmと破線で示す負荷ユニット62の質量Fmとの比をM(=Km/Fm)すれば、Mと式(1)に示すリード比Rとの比M:Rが1に近づけば近づくほど振動は相殺されることになる。特に、相殺度合いを高くするときには、前記M:R比が0.95〜1.05の範囲が望ましい。なお、第1の実施形態の説明において、前記負荷側ボールネジ61aと反動吸収側ボールネジ61bと回転を同一方向としたが、逆方向にすることも可能である。
【0026】
上記の本発明の第1の実施形態によれば、負荷ユニットによって発生する振動の反対の振動が反動吸収ユニットによって発生し、動作時の振動を低減あるいは相殺することができる。
【0027】
上記の本発明の第1の実施形態によれば、カウンタとしての質量を追加する必要がなく、反動吸収装置を軽量小型にできる。その結果、反動吸収装置の駆動をより高速にできる。また、反動吸収装置を軽量小型にできるので、振動の低減あるいは相殺するまでの時間を短くでき、タクトタイムを早めることができる。振動の低減あるいは相殺するまで時間が短いので、タクトタイムを犠牲にすることなく振動がなくなってからボンディングヘッドが次の工程を実行できるので、品質を高めることができる。
【0028】
図4は本発明の第2の実施形態であるZ反動吸収装置7の基本構成を示す図である。Z反動吸収装置7はボンディングヘッド32aによってダイを吸着し、ボンディングするために、ダイを上下させる機能を有する。Z反動吸収装置7の基本構成は、基本的には図1に示す第1の実施形態と同じであるが、幾つかの相違点を有する。以下相違点を中心に説明する。図4において第1の実施形態と同じ機能を有するものは同一符号を付す。
【0029】
第1に、第1の実施形態での負荷は4図に示すボンディングヘッド32aを上下させるZ反動吸収装置7であるが、第2の実施形態での負荷はZ反動吸収装置の先端を上下するボンディングヘッドである。
【0030】
従って、第2に、Z反動吸収装置7では、ボンディングヘッド32aが上下し、ダイを吸着、ボンディングし易いように、ボンディングヘッドを有する負荷ユニット62を先端側に、反動吸収ユニット63を根元の駆動モータ61cの近くに設けている。
【0031】
第3に、Z反動吸収装置7の装置ベース65はX反動吸収装置6の負荷固定ベース62aであるか、或いは負荷固定ベース62aに固定されている。
【0032】
その他の構成及び動作は第1の実施形態と同様である。なお、図4において、図2に同様に、太黒枠はカウンタ負荷の役目を果たす駆動ユニット61、負荷ユニット62を有するカウンタ機構部8を示す、破線枠は負荷ユニット62を示す。
【0033】
上記の本発明の第2の実施形態においても、負荷ユニットによって発生する振動の反対の振動が反動吸収ユニットによって発生し、動作時の振動を低減あるいは相殺することができる。
【0034】
第2の実施形態ではカウンタ負荷の役目を果たすカウンタ機構部8も上下するので一見駆動モータの負荷容量が大きくなるように見える。しかし、従来例においても同じ質量を有するカウンタを上下させる必要があるのでモータの負荷容量は変わらない。
【0035】
また、上記の本発明の第2の実施形態においても、カウンタとしての質量を追加する必要がなく、反動吸収装置を軽量小型にできる。その結果、反動吸収装置の駆動の高速化を図ることができる。
【0036】
さらに、Z反動吸収装置が軽量小型できるので、第1の実施形態で示したX反動吸収装置6はさらに軽量小型ができ、ボンディングヘッド部32全体を軽量小型化できる。
【0037】
また、図3に示すダイボンダ10に、本発明の実施形態で示したX、Zの2自由度の直動動作を有するボンディングヘッド部を適用することによって、ダイボンディング時の待ち時間や低速駆動時間が低減できるため、スループットが向上する。また、ダイボンディング時の振動が低減できる為、製品の品質、特にダイボンド精度が向上する。
【0038】
一般的に、ダイボンダにおいては、上記ボンディングヘッド部の他、プリフォームヘッド部はX、Z方向2自由度の、ウェハリングホルダはX、Y方向の2自由度の直動動作を有する。なお、X、Y、Zは説明を解り易くする為に付した符号であり、符号自体に意味がない。
従って、上記に説明した本発明の反動吸収装置をプリフォームヘッド、ウェハリングホルダにも適用すれば、さらに、ダイボンディング時の待ち時間や低速駆動時間が低減できるため、スループットが向上する。また、ダイボンディング時の振動が低減できる為、製品の品質、特にダイボンド精度がさらに向上する。
【0039】
図5は、X反動吸収装置6やZ反動吸収装置7に適用できる第3の実施形態である反動吸収装置9を示す。第3の実施形態においても、第1及び第2の実施形態と基本的な動作、構成は同じである。
以下、相違点を重点に説明する。
【0040】
第3の本実施形態では負荷側ボールネジ61aと反動吸収側ボールネジ61bと一直線上に配置せず、平行に配置している。平行に駆動するために、駆動モータ61cの駆動力を歯車61f1及び61f2を介して反動吸収側ボールネジ61bに伝達している。駆動力の伝達を歯車で行っているので、負荷側ボールネジ61aと反動吸収側ボールネジ61bとのネジ山の方向は逆に設ける。この結果、反動吸収ユニット63は負荷ユニット62と同一方向に移動しようとする。しかしながら、反動吸収ユニット63は装置ベース64に固定されているので、装置ベース64に対し負荷ユニット62とは逆方向に移動する。その結果、太線枠内で示すカウンタ機構部8もベースガイド61eによって装置ベース64上に対し負荷ユニット62とは反対方向に移動する。
なお、図5では、駆動力の伝達を歯車で行ったが、タイミングベルトで行う場合はネジ山の方向は同じとすることで、図5と同様な動作をさせることができる。
【0041】
従って、第3の実施形態においても、カウンタ機構8をカウンタ負荷とすることで、負荷ユニット62よって発生する振動の反対の振動が反動吸収ユニット63によって発生し、動作時の振動を低減あるいは相殺することができる。
【0042】
また、第3の実施形態においても、新たにカウンタを設ける必要がないので、反動吸収装置を軽量小型にできる。その結果、反動吸収装置の駆動の高速化を図ることができる。
【0043】
さらに、第3の実施形態によれば、負荷ユニット62と反動吸収ユニット63を装置ベース64に対して図面上で上下に配置している。この結果、反動吸収装置を移動方向の長さを短くできる。なお、配置は図5に示すものに限らず、例えば、負荷ユニット62と反動吸収ユニット63を装置ベース64上で図面奥行き方向に前後に配置してもよい。
【0044】
以上の説明おいて、半導体組立装置としてダイボンダを例に説明したが、処理ヘッドが高速に動作するような他の半導体組立装置にも適用できる。
第4の本実施形態ある反動吸収装置5を図6に示す。第4の本実施形態では、駆動モータ61cの左側に反動吸収側ボールネジ61bを配置し、駆動モータ61cの右側に負荷側ボールネジ61aを配置する。このとき、モータ61c、負荷側ボールネジ61a、反動吸収側ボールネジ61bの各々の回転中心が一致するように、駆動モータ61c、負荷側ボールネジ61a、反動吸収側ボールネジ61bを一直線状に配置する。負荷側ボールネジ61aと反動吸収側ボールネジ61bは、それぞれの一端が駆動固定版61dに回転可能に支持される。
第4の実施形態においても、第1及び第2の実施形態と基本的な動作は同じである。
【0045】
以上のように本発明の実施形態について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0046】
1:ウェハ供給部 2:ワーク供給・搬送部
3:ダイボンディング部 5、9:反動吸収装置
6:X反動吸収装置 7:Z反動吸収装置
8:カウンタ機構部 10:ダイボンダ
12:ウェハリングホルダ 32:ボンディングヘッド部
32a:ボンディングヘッド 61:駆動ユニット
61a:負荷側ボールネジ 61b:反動吸収側ボールネジ
61c:駆動モータ 61d:駆動固定板
61e:ベースガイド 61f1、61f2:歯車
62:負荷ユニット 62a:負荷固定ベース
62b:負荷ナット 62c:負荷ガイド
63:反動吸収ユニット 63a:反動吸収ナット(支持部材)
63b:反動吸収体(支持体) 64、65:装置ベース
Fm:負荷ユニット62の質量 Km:カウンタ機構部の質量
R:負荷側ボールネジと反動吸収側ボールネジとのリード比。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースに固定された支持体と、
動力源と、
前記動力源により移動し、少なくとも半導体を組み立てる処理ヘッドを負荷とする負荷ユニットと、
前記動力源と前記負荷ユニットを含み、前記動力源により前記負荷ユニットに対して反対方向に移動するカウンタ機構と、
前記支持体に設け、前記カウンタ機構を移動可能に支持する支持部材と、
を有する反動吸収装置。
【請求項2】
前記負荷ユニットは、前記動力源の動作を第1のボールネジを介して移動し、
前記カウンタ機構は、第2のボールネジを介して前記支持体に移動可能に支持される請求項1記載の反動吸収装置。
【請求項3】
装置ベースと、
装置ベースに固定された支持体と、
第1のボールネジと、前記第1のボールネジによって所定方向に移動され、少なくとも半導体を組み立てる処理ヘッドを負荷とする負荷ユニットと、前記所定方向と逆の方向に反力を発生させる第2のボールネジと、前記第1のボールネジと前記第2のボールネジを駆動する動力源を有する駆動ユニットと、を具備するカウンタ機構部と、
前記支持体と、前記カウンタ機構部を前記第2のボールネジにより移動可能に支持する支持部材とを備えている反動吸収ユニットと、
を有する反動吸収装置。
【請求項4】
前記第1のボールネジと前記第2のボールネジは一直線状に配置され、同一方向のリードネジを有する請求項2又は3に記載の反動吸収装置。
【請求項5】
前記装置ベースが移動しないように固定され、前記カウンタ機構部が前記装置ベースに沿って移動する請求項1又は3に記載の反動吸収装置。
【請求項6】
前記動力源は、前記第1のボールネジ若しくは前記第2のボールネジのどちらか一方のボールネジの一端、又は前記第1のボールネジ若しくは前記第2のボールネジの双方のボールネジのそれぞれの一端を直接的若しくは間接的に駆動する請求項2または3に記載の反動吸収装置。
【請求項7】
前記第1のボールネジと前記第2のボールネジは互いに平行に配置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の反動吸収装置。
【請求項8】
前記第1のボールネジのリードは前記第2のボールネジのリードより大きい請求項2又は3に記載の反動吸収装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載の反動吸収装置を有し、前記処理ヘッドにより半導体を組み立てることを特徴とする半導体組立装置。
【請求項10】
前記半導体組立装置はダイボンダであって、前記ダイボンダの有するボンディングヘッド、プリフォームヘッド、ウェハリングホルダのうち少なくとも一つの直動装置に前記反動吸収装置を適用したことを特徴とする請求項9に記載の半導体組立装置。
【請求項11】
前記直動装置は互いに直交する2自由度を有することを特徴とする請求項10に記載の半導体組立装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−100917(P2013−100917A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−26590(P2013−26590)
【出願日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【分割の表示】特願2010−100049(P2010−100049)の分割
【原出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】