説明

反対に帯電したポリマー類を含む布地処理組成物

【課題】布地処理組成物に関する。また、家庭での洗濯を含む布地処理の用途において、布地を処理し、それによって改善された布地ケアを提供する。
【解決手段】少なくとも2つの反対に荷電したポリマー、すなわち、1つの陽イオン性ポリマーと1つの陰イオン性ポリマーとを含む、布地処理組成物である。これら2つのポリマーのうち少なくとも1つがシリコーンポリマーであって、コアセルベート相を形成する布地処理組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地処理組成物に関する。本発明はまた、家庭での洗濯を含めた布地処理の用途において布地を処理し、それによって改善された布地ケアを提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、布地を洗濯するときには、優れた洗浄効果だけを望むのではなく、優れた布地ケア効果の付与も求める。そのようなケアは、皺低減効果;皺除去効果;防皺効果;布地柔軟性効果;布地感触効果;衣類形状保持効果;衣類形状回復効果;弾力性効果;アイロンがけの容易さの効果;香料効果;カラーケア効果;又はこれらのいずれかの組み合わせのうちの1つ以上によって例示することができる。
【0003】
洗濯操作の間に布地ケア効果を提供できる組成物が知られており、例えば、すすぎ添加布地柔軟化組成物の形態がある。また、洗浄効果と、布地ケア効果、例えば布地柔軟化効果とを同時に提供できる組成物も知られており、例えば、「ツー・イン・ワン(2-in-1)」組成物、及び/又は「洗いを通じて柔軟化する」組成物の形態がある。
【0004】
洗濯においては、布地ケアを確実にする独特で重要な問題が存在している。国際公開第01/25387A1号(ユニリーバ(Unilever)、2001年4月12日公開)は、架橋可能な陰イオン性ポリマーと、繊維製品と適合性のある、陰イオン性ポリマーのための排出剤の働きをする布地コンディショニング剤とを含む、布地ケア組成物を記載している。その組成物は、布地の寸法安定性の向上、表面の鮮明度の改善、より柔らかな手触り、及び折り目の回復の改善をもたらす。国際公開第01/25386A1号(ユニリーバ(Unilever)、2001年4月12日公開)は、数ある中でもアミノポリジメチル−シロキサンポリアルキレンオキシドコポリマー類から選択される皺低減剤を含む、表面洗濯洗剤組成物を開示している。当該技術分野の進展にもかかわらず、布地ケアの改善が依然として必要とされている。特に、1つよりも多くの布地ケア成分の組み合わせが妥協のないレベルの布地ケアを提供するように、適合性のある布地ケア成分を選択することに関して、未解決の重要な問題が残っている。さらに、当該組成物が洗濯洗剤組成物であるときには、優れた布地ケア効果を確実にすると同時に、卓越した洗浄及び配合安定性若しくは柔軟性を確実にするような形で、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性の布地ケア有益剤とを組み合わせることが、特に困難なままである。
【0005】
したがって、本発明の目的には、前述した技術的問題を解決すること、並びに優れた布地ケアを確実にする、特に選ばれた陽イオン性布地ケア剤及び所望により他の補助剤を有する組成物及び方法を提供することが含まれる。
【0006】
本発明の1つの実施形態は、少なくとも2つの反対に帯電したポリマー、すなわち、1つの陽イオン性ポリマーと1つの陰イオン性ポリマーとを含む、布地処理組成物である。これら少なくとも2つのポリマーのうち少なくとも1つは、シリコーンポリマーである。ポリマーを2つだけ含む組成物を考えると、次の組み合わせが可能である:陰イオン性ポリマーがシリコーンポリマーで、陽イオン性ポリマーがシリコーン非含有ポリマーである組成物、並びに陽イオン性ポリマーがシリコーンポリマーで、陰イオン性ポリマーがシリコーン非含有ポリマーである組成物。ただし、陽イオン性ポリマーがシリコーンポリマーで、陰イオン性ポリマーもまたシリコーンポリマーである組成物も、やはりこれに含まれる。本発明の布地処理組成物は、コアセルベート相を形成する。前述の反対に帯電したポリマー類の組み合わせは、家庭での洗濯において優れた布地ケアを提供する。
【0007】
本発明は、前述で例示したような優れた布地ケア及び/又は衣類ケアを付与する。さらに、本発明は、厳密な実施形態によっては、提供される家庭用洗濯組成物の優れた配合の柔軟性及び/又は配合安定性を含めた、他の利点を有する。
【0008】
驚いたことに、陽イオン性ポリマー並びに陰イオン性ポリマーの両方の選択を適切に配慮すると、家庭用洗濯製品の予期せぬ良好な布地ケア及び/又は消費者の容認が得られることが判明した。さらに、本発明で見出された家庭での洗濯における優れた布地ケア又は衣類ケア効果には、予期せぬことに、自動洗濯機で洗う前の処理(前処理効果)や、本発明の製品が機器内ですすぎの際又は布地か衣類の脱水若しくは乾燥の際に使用されるとき、あるいは機器外部で使用されるときに保証される効果を含めた、洗いを通しての効果及び後処理効果のように、本明細書の製品が様々な方式で使用されるときの効果も含まれる。さらに、レジメン的な効果、すなわち、従来の洗剤を含む製品システムの使用から、本発明の組成物及びそれと共に使用するために特に配合された組成物の使用を含む製品システムへと切り替える効果が見出された。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、特定の陽イオン性シリコーンポリマーと陰イオン性シリコーン非含有ポリマーとの組み合わせが、布地ケアに対する相乗効果をもたらすことが判明した。本発明の第2の実施形態では、特定の陰イオン性シリコーンポリマーと陽イオン性シリコーン非含有ポリマーとの組み合わせが、布地ケアに対する相乗効果をもたらすことが判明した。本発明の第3の実施形態では、特定の陽イオン性シリコーンポリマーと陰イオン性シリコーンポリマーとの組み合わせが、布地ケアに対する相乗効果をもたらすことが判明した。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、少なくとも1つの陽イオン性ポリマーと少なくとも1つの陰イオン性ポリマーとを含む布地処理組成物であって、これら2つのポリマーのうち少なくとも1つがシリコーンポリマーであり、当該組成物がコアセルベート相を形成する、布地処理組成物に関する。
【0011】
本発明には、布地基材上に、布地ケア効果を付与するため、並びに/又は皺を低減及び/若しくは防ぐため、並びに/又は布地感触効果及び/若しくは形状保持効果及び/若しくは形状回復及び/若しくは弾力性及び/若しくはアイロンがけを容易にする効果及び/若しくは香料効果及び/若しくは洗浄効果を付与するための、本発明の布地処理組成物の使用がさらに含まれる。
【0012】
本発明は、基材を処理する方法についてさらに記載する。この方法には、基材と、本発明の布地処理組成物、若しくは液体洗濯洗剤組成物、若しくはすすぎ添加布地柔軟化組成物、若しくは布地仕上げ組成物とを、当該基材が処理されるように接触させることが含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(A,陽イオン性シリコーンポリマー)
本発明の組成物での使用に選択される陽イオン性シリコーンポリマーは、好ましくは1つ以上のポリシロキサンユニットが、50〜1000、好ましくは50〜500、より好ましくは50〜200の重合度cを有する、式−{(CHSiO}−のポリジメチルシロキサンユニットと、少なくとも1つのジ四級(diquaternary)ユニットを含むオルガノシリコーン非含有ユニットとを含む。本発明の好ましい1つの実施形態では、選択される陽イオン性シリコーンポリマーは、0.05〜1.0モル分率、より好ましくは0.2〜0.95モル分率、最も好ましくは0.5〜0.9モル分率の、陽イオン性の二価の有機部分から選択されるオルガノシリコーン非含有ユニットを有する。陽イオン性の二価の有機部分は、好ましくは、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアンモニウムユニットから選択される。
【0014】
選択される陽イオン性シリコーンポリマーはまた、オルガノシリコーン非含有ユニット全体の0〜0.95モル分率、好ましくは0.001〜0.5モル分率、より好ましくは0.05〜0.2モル分率の、次式のポリアルキレンオキシドアミン類を含有することができ:
[−Y−O(−C2aO)−Y−]
式中、Yは、二級若しくは三級アミンを含む二価の有機基、好ましくはC〜Cアルキレンアミン残基であり;aは、2〜4であり、bは、0〜100である。ポリアルキレンオキシドブロックは、ランダム又はブロック式に、エチレンオキシド(a=2)、プロピレンオキシド(a=3)、ブチレンオキシド(a=4)、及びこれらの混合物で構成されてよい。
【0015】
このようなポリアルキレンオキシドアミン含有ユニットは、シリコーンポリマー構造内に、ハンツマン・コーポレーション(Huntsman Corporation)からジェファミン(Jeffamine)(登録商標)の商品名で販売されるような化合物を組み込むことによって得ることができる。好ましいジェファミン(Jeffamine)は、ジェファミンED−2003(Jeffamine ED-2003)である。
【0016】
選択される陽イオン性シリコーンポリマーはまた、オルガノシリコーン非含有ユニット全体の0、好ましくは0.001〜0.2モル分率の−NR+(式中、Rは、アルキル、ヒドロキシアルキル、又はフェニル)を含有することができる。これらのユニットは、エンドキャップと考えることができる。
【0017】
さらに、選択される陽イオン性シリコーンポリマーは、一般に、四級部分の電荷の均衡を保つために、無機及び有機陰イオンから選択される陰イオン、より好ましくは飽和及び不飽和のC〜C20カルボキシレート類及びこれらの混合物から選択される陰イオンを含有しており、したがって、陽イオン性シリコーンポリマーはまた、四級部分の電荷の均衡を保つ割合でこのような陰イオンを含む。
【0018】
概念的には、本明細書の選択される陽イオン性シリコーンポリマー類を、有利には、布地持続性ではない(non-fabric-substantive)、表面エネルギーを変化させる、ポリシロキサンユニットで構成された「ループ(loops)」と、布地持続性(fabric-substantive)の「フック(hooks)」とを含めた、非架橋又は「線状」ブロックコポリマー類と考えることができる。選択される陽イオン性ポリマー類の好ましい部類の1つ(以下で構造1によって示される)は、単一のループと2つのフックとを含むものと考えることができ;きわめて好ましい別の部類は、2つ以上、好ましくは3つ以上の「ループ」と、2つ以上、好ましくは3つ以上の「フック」とを含み(以下で構造2a及び2bによって示される)、さらに他の部類(以下で構造3によって示される)は、単一の「フック」からの2つの「ループ」側枝を含む。
【0019】
本明細書での陽イオン性シリコーンポリマー類の選択において特に関心があるのは、「フック」がシリコーンを含有せず、各「フック」が少なくとも2つの四級窒素原子を含むことである。
【0020】
また、本明細書での好ましい陽イオン性シリコーンポリマー類の選択において重要であるのは、四級窒素が「線状」ポリマーの「主鎖」に優先的に位置することであり、これは、四級窒素が、「主鎖」から外れて「側枝」又は「ダングリング」構造を形成する1つ若しくは複数の部分に組み込まれている、代替的な、あまり好ましくない構造とは対照的である。
【0021】
構造は、末端部分によって完成され、当該末端部分は、非荷電部分又は荷電部分であり得る。さらに、ある特定の割合の非四級シリコーン非含有部分、例えば、前述した[−Y−O(−C2aO)−Y−]部分も存在し得る。
【0022】
言うまでもなく、提示される概念モデルは、他の部分、例えば結合(connector)部分を制限することを目的としたものではなく、これら他の部分は、布地有益剤として意図される機能を大幅に妨害しないことを条件に、選択される陽イオン性シリコーンポリマー類中に存在することができる。
【0023】
より詳細には、本明細書の陽イオン性シリコーンポリマー類は、1つ以上のポリシロキサンユニットと1つ以上の四級窒素部分とを有してなり、これには、陽イオン性シリコーンポリマーが次式:(構造1)を有するポリマー類が含まれ、
【化1】

式中:
−Rは、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され;
−Rは、1つ以上の酸素原子を含有し得る二価の有機部分(このような部分は、好ましくは、C及びHから、又は、C、H、及びOから本質的になる)から成る群から独立して選択され;
−Xは、開環エポキシド類から成る群から独立して選択され;
−Rは、次式を有するポリエーテル基から独立して選択され:
−M(C2aO)−M
式中、Mは、二価の炭化水素残基であり;Mは、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール;シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル、ポリアルキレンオキシド、又は(ポリ)アルコキシアルキルであり;
−Zは、少なくとも1つの四級化窒素原子を含む一価の有機部分から成る群から独立して選択され;
−aは、2〜4であり;bは、0〜100であり;cは、1〜1000、好ましくは20より大きく、より好ましくは50より大きく、好ましくは500未満、より好ましくは300未満、最も好ましくは100〜200であり;dは、0〜100であり;nは、陽イオン性シリコーンポリマーに関連した正電荷の数で、2以上であり;Aは、一価の陰イオンである。
【0024】
構造1の陽イオン性シリコーンポリマー類の好ましい1つの実施形態では、Zは、次から成る群から独立して選択され:
【化2】

式中:
−R12、R13、R14は、同一又は異なるものであり、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド;(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;
−R15は、−O−又はNR19であり;
−R16は、二価の炭化水素残基であり;
−R17、R18、R19は、同一又は異なるものであり、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド、(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;eは、1〜6である。
【0025】
きわめて好ましい1つの実施形態では、本明細書の陽イオン性シリコーンポリマー類は、1以上のポリシロキサンユニットと1以上の四級窒素部分とを有してなり、これには、陽イオン性シリコーンポリマーが次式:(構造2a)を有するポリマー類が含まれ、
構造2a:次の交互ユニットで構成される陽イオン性シリコーンポリマー:
(i)次式のポリシロキサン
【化3】

及び
(ii)少なくとも2つの四級化窒素原子を含む二価の有機部分。
【0026】
構造2aが、示された式のポリシロキサンと二価の有機部分との両方の交互の組み合わせを含んでなり、この二価の有機部分が、前述した記述における好ましい「フック」に対応するオルガノシリコーン非含有部分であることに留意されたい。
【0027】
この好ましい陽イオン性シリコーンポリマーでは、
−Rは、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール
、アリール、シクロアルキル、及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され;
−Rは、1つ以上の酸素原子を含有し得る二価の有機部分から成る群から独立して選択され;
−Xは、開環エポキシド類から成る群から独立して選択され;
−Rは、次式を有するポリエーテル基から独立して選択され:
−M(C2aO)−M
式中、Mは、二価の炭化水素残基であり;Mは、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル、ポリアルキレンオキシド、又は(ポリ)アルコキシアルキルであり;
−aは、2〜4であり;bは、0〜100であり;cは、1〜1000、好ましくは20より大きく、より好ましくは50より大きく、好ましくは500未満、より好ましくは300未満、最も好ましくは100〜200であり;dは、0〜100である。
【0028】
構造2aの陽イオン性シリコーンポリマーのさらにきわめて好ましい1つの実施形態では、陽イオン性シリコーンポリマーは、構造2aとして前述した式のポリシロキサン(i)が次から成る群から選択される(ii)陽イオン性の二価の有機部分と共に存在する、構造式2bを有してなり:
【化4】

(iii)所望により、次式のポリアルキレンオキシドアミンも存在し:
[−Y−O(−C2aO)−Y−]
−Yは、二級若しくは三級アミンを含む二価の有機基、好ましくはC〜Cアルキレンアミン残基であり;aは、2〜4であり;bは、0〜100であり;ポリアルキレンオキシドブロックは、ランダム又はブロック式に、エチレンオキシド(a=2)、プロピレンオキシド(a=3)、ブチレンオキシド(a=4)、及びこれらの混合物で構成されてよく;
(iv)所望により、次から成る群から選択される、末端基として使用される陽イオン性の一価の有機部分も存在し:
【化5】

式中:
−R、R、R、R、R、R、R10、R11は、同一又は異なるものであり、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド;(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;あるいは、R及びR、又はR及びR、又はR及びR10、又はR及びR11は、架橋アルキレン基の構成要素であってもよく;
−R12、R13、R14は、同一又は異なるものであり、C1〜22アルキル;C2〜22アルケニル;C6〜22アルキルアリール;C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド;(ポリ)アルコキシアルキル基、及びこれらの混合物から成る群から選択され;
−R15は、−O−又はNR19であり;
−R16及びMは、同一又は異なる二価の炭化水素残基であり;
−R17、R18、R19は、同一又は異なるものであり、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド、(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;
−Z及びZは、少なくとも2つの炭素原子を含み、所望によりヒドロキシ基を含有する、同一又は異なる二価の炭化水素基であり、1つ若しくはいくつかのエーテル基、エステル基、又はアミド基によって割り込まれていてもよく;
ここで、オルガノシリコーン非含有部分の全モル数に対する分率として表したときに、陽イオン性の二価の有機部分(ii)は、好ましくは0.05〜1.0モル分率、より好ましくは0.2〜0.95モル分率、最も好ましくは0.5〜0.9モル分率で存在し;ポリアルキレンオキシドアミン(iii)は、0.0〜0.95モル分率、好ましくは0.001〜0.5、より好ましくは0.05〜0.2モル分率で存在することができ;陽イオン性の一価の有機部分(iv)は、存在する場合、0〜0.2モル分率、好ましくは0.001〜0.2モル分率で存在し;
−eは、1〜6であり;mは、陽イオン性の二価の有機部分に関連した正電荷の数で、2以上であり;Aは、陰イオンである。
【0029】
構造2bは、示された式のポリシロキサンと二価の有機部分との両方の交互の組み合わせを含んでなり、この二価の有機部分は、前述した一般的記述における好ましい「フック」に対応するオルガノシリコーン非含有部分であることに留意されたい。構造2bには、任意のポリアルキレンオキシ部分及び/若しくは末端基部分が存在する実施形態、又は存在しない実施形態がさらに含まれる。
【0030】
さらに別の実施形態では、本明細書の陽イオン性シリコーンポリマー類は、1以上のポリシロキサンユニットと1以上の四級窒素部分とを有してなり、これには、陽イオン性シリコーンポリマーが次式:(構造3)を有するポリマー類が含まれ、
【化6】

式中:
−Rは、C1〜22アルキル;C2〜22アルケニル;C6〜22アルキルアリール;アリール;シクロアルキル、及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され;
−Rは、1つ以上の酸素原子を含有し得る二価の有機部分から成る群から独立して選択され;
−Xは、開環エポキシド類から成る群から独立して選択され;
−Rは、次式を有するポリエーテル基から独立して選択され:
−M(C2aO)−M
式中、Mは、二価の炭化水素残基であり;Mは、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル、ポリアルキレンオキシド、又は(ポリ)アルコキシアルキルであり;
−Xは、開環エポキシド類から成る群から独立して選択され;
−Wは、少なくとも1つの四級化窒素原子を含む二価の有機部分から成る群から独立して選択され、
−aは、2〜4であり;bは、0〜100であり;cは、1〜1000、好ましくは20より大きく、より好ましくは50より大きく、好ましくは500未満、より好ましくは300未満、最も好ましくは100〜200であり;dは、0〜100であり;nは、陽イオン性シリコーンポリマーに関連した正電荷の数で、1以上であり;Aは、一価の陰イオン、換言すれば、好適な対イオンである。
【0031】
構造3の好ましい陽イオン性シリコーンポリマー類では、Wは、次から成る群から選択
され:
【化7】

−R、R、R、R、R、R、R10、R11は、同一又は異なるものであり、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド;(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;あるいは、R及びR、又はR及びR、又はR及びR10、又はR及びR11は、架橋アルキレン基の構成要素であってもよく;
−Z及びZは、少なくとも2つの炭素原子を含み、所望によりヒドロキシ基を含有する、同一又は異なる二価の炭化水素基であり、1つ若しくはいくつかのエーテル基、エステル基、又はアミド基によって割り込まれていてもよい。
【0032】
次の特許及び特許出願を参照すると、本発明で使用するのに適した陽イオン性シリコーンポリマー類がまた開示されている:国際公開第02/06403号;同第02/18528号、EP1199350;DE OS10036533;国際公開第00/24853号;同第02/10259号;同第02/10257号、及び同第02/10256号。存在する場合、陽イオン性シリコーン含有ポリマーは、典型的には、組成物の0.001重量%〜50重量%、好ましくは少なくとも0.01重量%〜30重量%、より好ましくは0.1重量%〜10重量%、最も好ましくは0.2重量%〜5重量%の範囲の濃度で存在する。
【0033】
合成例 − 特に既知でなければ、又は特に市販されていなければ、本明細書の陽イオン性シリコーンポリマー類を、国際公開第02/18528号に開示されている従来の技術によって調製することができる。
【0034】
(B,陰イオン性シリコーン含有ポリマー)
陰イオン性ポリマーは、少なくとも1つのカルボキシレート、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、又はホスホネート基を含むシリコーン類、及びそれらの誘導体類、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。存在する場合、陰イオン性シリコーン含有ポリマーは、典型的には、組成物の0.001重量%〜50重量%、好ましくは少なくとも0.01重量%〜30重量%、より好ましくは0.1重量%〜10重量%、最も好ましくは0.2重量%〜5重量%の範囲の濃度で存在する。最も好ましい陰イオン性シリコーン含有ポリマー類は、BASFから商品名デンソドリン(Densodrin)(登録商標)OF及びデンソドリン(Densodrin)(登録商標)SIとして市販されるもの;Osi/クロンプトン(Osi/Crompton)から商品名FZ−3703(登録商標)として市販されるもの;東レ/ダウ・コーニング・シリコーンズ(Toray/Dow Corning Silicones)から商品名BY16−750(登録商標)及びBY16−880(登録商標)として市販されるもの;ノベオン/BFグッドリッチ(Noveon/BF Goodrich)から商品名ウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)CA−1として市販されるもの;信越(Shin Etsu)から商品名X22−3701E(登録商標)として市販されるもの、並びにワッカー(Wacker)から商品名M−642(登録商標)として市販されるものである。
【0035】
(C,陽イオン性シリコーン非含有ポリマー)
存在する場合、陽イオン性シリコーン非含有ポリマーは、典型的には、組成物の0.01重量%〜10重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜2.0重量%の範囲の濃度で存在する。
【0036】
好ましい陽イオン性ポリマー類は、組成物の目的用途のpH(一般に、pH3〜pH9、好ましくはpH4〜pH8の範囲)において、少なくとも0.2meq/g、好ましくは少なくとも0.25meq/g、より好ましくは少なくとも0.3meq/gであって、また好ましくは5meq/g未満、より好ましくは3meq/g未満、最も好ましくは2meq/g未満の陽イオン電荷密度を有する。このような好適な陽イオン性ポリマー類の平均分子量は、一般に、10,000〜10,000,000、好ましくは50,000〜5,000,000、より好ましくは100,000〜3,000,000である。
【0037】
本発明の組成物に用いるのに適した陽イオン性ポリマー類は、四級アンモニウムのような陽イオン性の窒素含有部分、又は陽イオン性のプロトン化アミノ部分を含有する。陽イオン性のプロトン化アミン類は、組成物の具体的な化学種及び選択されたpHに応じて、一級、二級、又は三級アミン(好ましくは二級若しくは三級)にすることができる。陽イオン性ポリマー類に関連して、いずれの陰イオン性対イオン類を使用することもできるが、当該ポリマー類が、水、組成物、又は組成物のコアセルベート相に可溶なままであること、またさらに、当該対イオンが、組成物の必須成分と物理的且つ化学的に適合性があり、さもなければ生成物の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわないことを条件とする。そのような対イオン類の非限定例には、ハロゲン化物類(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート、及びメチルサルフェートが含まれる。
【0038】
このようなポリマー類の非限定例は、CTFA化粧品成分辞典(CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary)、第3版、エストリン(Estrin)、クロスレー(Crosley)、及びヘインズ(Haynes)編(米国化粧品工業協会(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.)、ワシントンD.C.(1982年))に記載されている。
【0039】
好適な陽イオン性ポリマー類の非限定例には、陽イオン性プロトン化アミン又は四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、又はビニルピロリドンのような水溶性のスペーサーモノマーとのコポリマー類が含まれる。
【0040】
本明細書の組成物の陽イオン性ポリマー類に含めるのに適した、陽イオン性のプロトン化アミノ及び四級アンモニウムモノマーには、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩類で置換されたビニル化合物、並びにピリジニウム、イミダゾリウム、及び四級化ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩のような環状の陽イオン性窒素含有環を有する、ビニル四級アンモニウムモノマー類が含まれる。
【0041】
組成物に用いるのに適した他の陽イオン性ポリマー類には、1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩とのコポリマー類(例えば塩化物塩)(米国化粧品工業協会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)、すなわち「CTFA」により、当業界ではポリクオタニウム(Polyquaternium)−16と呼ばれる);1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー類(当業界では、CTFAによりポリクオタニウム−11と呼ばれる);例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマーを含めた、陽イオン性ジアリル四級アンモニウム含有ポリマー類、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー類(それぞれ、当業界では、CTFAにより、ポリクオタニウム6及びポリクオタニウム7と呼ばれる);アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー類を含めた、アクリル酸の両性コポリマー類(当業界では、CTFAにより、ポリクオタニウム22と呼ばれる);アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びアクリルアミドとのターポリマー類(当業界では、CTFAにより、ポリクオタニウム39と呼ばれる);並びにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びメチルアクリレートとのターポリマー類(当業界では、CTFAにより、ポリクオタニウム47と呼ばれる)が含まれる。好ましい陽イオン性置換モノマー類は、陽イオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド類、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド類、及びこれらの組み合わせである。これらの好ましいモノマー類は、次式に従い:
【化8】

式中、Rは、水素、メチル、又はエチルであり;R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、又は1〜8つの炭素原子、好ましくは1〜5つの炭素原子、より好ましくは1〜2つの炭素原子を有する短鎖アルキルであり;nは、1〜8、好ましくは1〜4の値を有する整数であり;Xは、対イオンである。R、R、及びRに結合した窒素は、プロトン化アミン(一級、二級、若しくは三級)であってもよいが、好ましくは、R、R、及びRそれぞれがアルキル基である四級アンモニウムであり、その非限定例は、米国ニュージャージー州クランベリー(Cranberry)のローヌ・プーラン(Rhone-Poulenc)から商品名ポリケア133(Polycare 133)として入手可能な、ポリメチアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドである。また、好ましいのは、この陽イオン性モノマーと非イオン性モノマー類とのコポリマー類であって、そのコポリマーの陽イオン電荷密度が前述の範囲内に留まるようなものである。
【0042】
組成物に用いるのに適した他の陽イオン性ポリマー類には、陽イオン性セルロース誘導体類及び陽イオン性デンプン誘導体類のような、多糖類ポリマー類が含まれる。好適な陽イオン性多糖類ポリマー類には、次式に従うものが含まれ:
【化9】

式中、Aは、デンプン若しくはセルロース無水グルコース残基のような無水グルコース残基であり;Rは、アルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり;R、R、及びRは、独立して、それぞれ18までの炭素原子を含有する、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各陽イオン性部分の炭素原子の総数(すなわち、R、R、及びRの炭素原子の合計)が好ましくは20以下であり;Xは、前述したような陰イオン性の対イオンである。
【0043】
好ましい陽イオン性セルロースポリマー類は、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれ、アマコール・コーポレーテッド(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エジソン(Edison))からポリマーLR、JR、及びKGシリーズのポリマーとして入手可能である。陽イオン性セルロース類の他の好適な種類には、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩が含まれる。これらの物質は、アマコール・コーポレーション(Amerchol Corp.)から商品名ポリマーLM−200として入手可能である。
【0044】
他の好適な陽イオン性ポリマー類には、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムのような陽イオン性グアーガム誘導体類が含まれ、その具体例には、ローヌ・プーラン・インコーポレーテッド(Rhone-Poulenc Incorporated)から市販のジャガー(Jaguar)シリーズ、及びハーキュレス・インコーポレーテッド(Hercules,Inc.)のアクアロン部門(Aqualon Division)から市販のN−ハンス(N-Hance)シリーズが含まれる。他の好適な陽イオン性ポリマー類には、四級窒素含有セルロースエーテル類が含まれており、その例が、米国特許第3,962,418号にいくつか記載されている。他の好適な陽イオン性ポリマー類には、エーテル化セルロース、グアー、及びデンプンのコポリマー類が含まれており、その例が、米国特許第3,958,581号にいくつか記載されている。使用されるときには、本明細書の陽イオン性ポリマー類は、組成物に可溶であるか、又は陽イオン性ポリマーと、前述の陰イオン性、両性、及び/若しくは双極性界面活性剤成分とによって形成される、組成物中の複合コアセルベート相に可溶である。また、陽イオン性ポリマーの複合コアセルベートは、組成物中の他の荷電物質によって形成することもできる。
【0045】
複合コアセルベートの形成を分析する技術は、当該技術分野において既知である。例えば、選択された希釈のあらゆる段階で、組成物の顕微鏡分析を用いて、コアセルベート相が形成されたかどうかを確認することができる。このようなコアセルベート相は、組成物中の追加的な乳化相として確認可能である。染料の使用は、コアセルベート相を、組成物中に分散する他の不溶性の相から区別するのに役立つ可能性がある。
【0046】
最も好ましくは、陽イオン性シリコーン非含有ポリマーは、天然由来又は合成由来であり、置換及び非置換のポリ四級アンモニウム化合物、陽イオン修飾多糖類、陽イオン修飾(メタ)アクリルアミドポリマー類/コポリマー類、陽イオン修飾(メタ)アクリレートポリマー類/コポリマー類、キトサン、四級化ビニルイミダゾールポリマー類/コポリマー類、ジメチルジアリルアンモニウムポリマー類/コポリマー類、及びポリエチレンイミン系ポリマー類、及びそれらの誘導体類、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。
【0047】
「化粧品及びパーソナルケアにおけるポリマー科学と技術の原理(Principles of Polymer Science and Technology in Cosmetics and Personal Care)」、ゴッドダード(Goddard)及びグルーバー(Gruber)、特に260〜261頁を参照すると、好適な合成陽イオン性ポリマー類のさらなるリストを見付けることができる。
【0048】
(D,陰イオン性シリコーン非含有ポリマー)
一般に、天然由来に加えて、合成由来の陰イオン性シリコーン非含有ポリマー類も、本発明の組成物に組み込むのに好適である。陰イオン性シリコーン非含有ポリマーは、キサンタンガム、陰イオン性デンプン、カルボキシメチルグアー、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー、カルボキシメチルセルロース、N−カルボキシアルキルキトサン、N−カルボキシアルキルキトサンアミド類、ペクチン、カラギーナンガム、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸系ポリマー、アルギン酸系ポリマー、及びそれらの誘導体類、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。より好ましくは、陰イオン性シリコーン非含有ポリマーは、カルボキシメチルグアー、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー、カルボキシメチルセルロース、及びキサンタンガム、並びにこれらの誘導体類及び混合物である。存在する場合、陰イオン性シリコーン非含有ポリマーは、典型的には、組成物の0.01重量%〜10重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜2.0重量%の範囲の濃度で存在する。最も好ましい陰イオン性シリコーン非含有ポリマー類は、CPケルコ(CPKelco)から商品名ケルザン(Kelzan)(登録商標)RDとして市販されるもの、並びにアクアロン(Aqualon)から商品名ガラクトゾル(Galactosol)(登録商標)SP722S、ガラクトゾル(登録商標)60H3FD、及びガラクトゾル(登録商標)70H4FDとして市販されるものである。
【0049】
(シリコーン含有ポリマーとシリコーン非含有ポリマーとの間の重量比)
本発明の2つの実施形態では、組成物は、シリコーン含有ポリマーとシリコーン非含有ポリマーとの混合物を含む。これらの場合、シリコーン含有ポリマーとシリコーン非含有ポリマーとの重量比は、100:1〜1:1、好ましくは50:1〜5:1、さらに好ましくは30:1〜10:1である。
【0050】
(E,コアセルベート相)
「コアセルベート相」という語句には、L.ピクレル(L.Piculell)及びB.リンドマン(B.Lindman)の、先端コロイド界面科学(Adv.Colloid Interface Sci.)、41(1992年)、並びにB.ヨンソン(B.Jonsson)、B.リンドマン(B.Lindman)、K.ホルムバーグ(K.Holmberg)、及びB.クロンバーブ(B.Kronberb)の、「水溶液中の界面活性剤及びポリマー(Surfactants and Polymers In Aqueous Solution)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)、1998年に開示されているような、当業者に既知のすべての種類の分離したポリマー相が含まれる。コアセルベーションのメカニズム及びそのすべての具体的な形態は、「水性媒質中の界面張力(Interfacial Forces in Aqueous Media)」、C.J.ファン・オス(C.J.van Oss)、マーセル・デッカー(Marcel Dekker)、1994年、245〜271頁に、詳細に記載されている。「コアセルベート相」という語句を使用するときには、普通、文献では「複合コアセルベート相」又は「結合型相分離(associated phase separation)」と表されることもある用語を指す。
【0051】
一般に、本発明の目的では、コアセルベートは、陰イオン性ポリマー及び陽イオン性ポリマーによって形成される。また、より複合的なコアセルベートも、組成物中の他の帯電物質によって、すなわち、陰イオン性、陽イオン性、双極性、及び/又は両性界面活性剤、並びにこれらの混合物と併せて形成することができる。
【0052】
コアセルベートの形成を分析する技術は、当該技術分野において既知である。例えば、選択された希釈のあらゆる段階で、組成物の顕微鏡分析を用いて、コアセルベート相が形成されたかどうかを確認することができる。このようなコアセルベート相は、組成物中の追加的な乳化相として確認可能である。染料の使用は、コアセルベート相を、組成物中に分散する他の不溶性の相から区別するのに役立つ可能性がある。
【0053】
コアセルベート相の形成に言及するときには、コアセルベート相が、洗濯処理に適用する間、例えば、洗いサイクルの間及び/又はすすぎサイクルの間に、組成物を希釈剤で希釈するときに構築されることを意味しており、それがきわめて好ましい。また、コアセルベート相の形成に言及するときには、あまり好ましくないが、コアセルベート相が最終組成物中に既に形成されていることも可能であることを意味する。ただし、コアセルベート相が最終組成物中で既に形成されている場合、コアセルベート相が構造マトリックス中に懸濁されることがきわめて好ましい。
【0054】
(F,希釈剤)
洗濯処理に適用する間、例えば、洗いサイクルの間及び/又はすすぎサイクルの間に、本発明の布地処理組成物は、通常、希釈剤で希釈されるが、この希釈剤は、好ましくは水性組成物、より好ましくは水である。
【0055】
(G,界面活性剤)
本組成物は、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性、双極性、及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1つの界面活性剤を所望により含んでよく、含むことが好ましい。この構成成分の好適な濃度は、組成物の0.0重量%〜80重量%、好ましくは5.0重量%〜65重量%、より好ましくは10重量%〜50重量%の範囲である。
【0056】
(g1)陰イオン性界面活性剤 − 本発明の組成物は、陰イオン性界面活性剤を含む。本来、「界面活性剤科学シリーズ(Surfactant Science Series)」、第7巻、W.M.リンフィールド(W.M.Linfield)編、マーセル・デッカー(Marcel Dekker)に開示されているような、洗剤組成物の技術分野において既知のあらゆる陰イオン性界面活性剤を使用してよい。ただし、本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも線状アルキルベンゼンスルホン酸のようなスルホン酸界面活性剤を含むが、水溶性塩の形態も使用してよい。陰イオン性界面活性剤は、典型的には、布地処理組成物の1.0重量%〜70重量%、好ましくは5.0重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜30重量%の濃度で存在する。
【0057】
本明細書に用いるのに適した陰イオン性のスルホネート又はスルホン酸界面活性剤には、C5〜C20、より好ましくはC10〜C16、より好ましくはC11〜C13アルキルベンゼンスルホネート類、C5〜C20アルキルエステルスルホネート類、C6〜C22一級又は二級アルカンスルホネート類、C5〜C20スルホン化ポリカルボン酸類、及びこれらのいずれかの混合物の酸及び塩の形態が含まれるが、C11〜C13アルキルベンゼンスルホネート類が好ましい。
【0058】
本発明の組成物に使用するのに適した陰イオン性の硫酸塩又は硫酸の界面活性剤には、9〜22個の炭素原子、より好ましくは12〜18個の炭素原子を有する線状若しくは分枝状のアルキル又はアルケニル部分を有する、一級又は二級アルキルサルフェート類が含まれる。
【0059】
また、重量平均分枝度が(当該界面活性剤又は混合物の)少なくとも50%である、β分枝鎖アルキルサルフェート界面活性剤、又は市販物質の混合物も有用である。
【0060】
また、中鎖分枝状アルキルサルフェート類又はスルホネート類も、本発明の組成物に使用するのに適した陰イオン性界面活性剤である。C5〜C22、好ましくはC10〜C20の中鎖分枝状アルキル一級サルフェート類が好ましい。混合物が使用されるときには、アルキル部分に好適な炭素原子の平均総数は、好ましくは14.5〜17.5の範囲内である。好ましいモノ−メチル−分枝状一級アルキルサルフェート類は、3−メチル〜13−メチルペンタデカノールサルフェート類、対応するヘキサデカノールサルフェート類、及びこれらの混合物から成る群から選択される。軽度の分枝を有するジメチル誘導体又は他の生分解性アルキルサルフェート類を、同様に使用することができる。
【0061】
本明細書に用いるのに適した他の陰イオン性界面活性剤には、脂肪酸メチルエステルスルホネート類及び/又はアルキルエトキシサルフェート類(AES)、及び/又はアルキルポリアルコキシル化カルボキシレート類(AEC)が含まれる。陰イオン性界面活性剤の混合物、例えば、アルキルベンゼンスルホネート類とAESとの混合物を使用することができる。
【0062】
陰イオン性界面活性剤は、通常は、アルカノールアミン類、又はナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属類との塩の形態で存在する。好ましくは、陰イオン性界面活性剤は、モノエタノールアミン又はトリエタノールアミンのようなアルカノールアミン類によって中和されており、液相中で完全に溶解する。
【0063】
(g2)陽イオン性の窒素含有界面活性剤 − 本発明の組成物に使用するのに適した陽イオン性の窒素含有界面活性剤は、少なくとも1つの四級化窒素と、1つの長鎖ヒドロカルビル基とを有する。また、2つ、3つ、又はさらに4つの長鎖ヒドロカルビル基を含む化合物も含まれる。このような陽イオン性界面活性剤の例には、アルキルトリメチルアンモニウム塩、又はそれらのヒドロキシアルキル置換された類似体、好ましくは、式、Rを有する化合物が含まれる。R、R、R、及びRは、C〜C26アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ベンジル、アルキルベンジル、アルケニルベンジル、ベンジルアルキル、ベンジルアルケニルから独立して選択され、Xは、陰イオンである。ヒドロカルビル基R、R、R、及びRは、独立して、一般式(CO)Hの基(xは1〜15、好ましくは2〜5の値を有する)によって、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化又はプロポキシル化、より好ましくはエトキシル化することができる。R、R、又はRのうちベンジルであるのを1つ以下にすべきである。ヒドロカルビル基R、R、R、及びRは、独立して、1つ以上の、好ましくは2つのエステル基([−O−C(O)−];[−C(O)−O−])及び/又はアミド基([O−N(R)−];[−N(R)−O−])(Rは、上記のRとして定義される)を含むことができる。陰イオンXは、ハロゲン化物、硫酸メチル(methysulfate)、酢酸、及びリン酸から、好ましくはハロゲン化物及び硫酸メチルから、より好ましくは塩化物及び臭化物から選択してよい。R、R、R、及びRヒドロカルビル鎖は、様々なヨウ素価、好ましくは0〜140のヨウ素価をもつ、完全に飽和した、又は不飽和のものにすることができる。各長鎖アルキル又はアルケニル基の少なくとも50%は、主に線状であるが、分枝状及び/又は環状の基も含まれる。
【0064】
長いヒドロカルビル鎖を1つだけ含む陽イオン性界面活性剤の場合、Rに好ましいアルキル鎖長は、C12〜C15であり、R、R、及びRに好ましい基は、メチル及びヒドロキシエチルである。
【0065】
長いヒドロカルビル鎖を2つ、3つ、又はさらに4つ含む陽イオン性界面活性剤の場合、好ましい全鎖長は、C18であるが、ゼロ以外の割合の、低級の、例えば、C12、14、C16鎖と、いくらか高級の、例えば、C20鎖とを有する鎖長の混合が、かなり望ましい可能性がある。
【0066】
好ましいエステル含有界面活性剤は、次の一般式を有してなり、
{(RN((CHER
式中、各R基は、C1〜4アルキル、ヒドロキシアルキル、又はC2〜4アルケニルから独立して選択され;各Rは、C8〜28アルキル又はアルケニル基から独立して選択され;Eは、エステル部分、すなわち、−OC(O)−又は−C(O)O−であり、nは、0〜5の整数であり、Xは、好適な陰イオン、例えば、塩化物、メトサルフェート(methosulfate)、及びこれらの混合物である。
【0067】
好ましいエステル含有陽イオン性界面活性剤の第2の種類は、式:{(RN(CHCH(O(O)CR)CHO(O)CRによって表すことができ、式中、R、R、X、及びnは、前述のように定義される。この後者の部類は、1,2ビス[固化タローイルオキシ]−3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリドによって例示することができる。
【0068】
本発明の組成物に使用するのに適した陽イオン性界面活性剤は、水溶性、水分散性、又は非水溶性のいずれかにすることができる。
【0069】
(g3)非イオン性界面活性剤 − 本組成物は、この種の界面活性剤を所望により含んでよく、含むことが好ましい。この構成成分の好適な濃度は、組成物の0.0重量%〜80重量%、より好ましくは0.1重量%〜50重量%、より好ましくは1重量%〜30重量%の範囲である。本質的にすべてのアルコキシル化非イオン性界面活性剤、好適には炭素、水素、及び酸素だけを含有するものを本組成物中に含めることができるが、アミド官能性及び他のヘテロ原子官能性の種類のものも、概ね使用することができる。エトキシル化、プロポキシル化、ブトキシル化、若しくは混合アルコキシル化(例えば、エトキシル化/プロポキシル化)されている脂肪族又は芳香族ヒドロカルビル鎖の非イオン性界面活性剤が好ましい。好適なヒドロカルビル部分は、6〜22の炭素原子を含有することができ、線状、分枝状、脂環式、又は芳香族とすることができ、非イオン性界面活性剤は、一級又は二級アルコールから誘導することができる。
【0070】
好ましいアルコキシル化界面活性剤は、エトキシル化、及びエトキシル化/プロポキシル化、若しくはプロポキシル化/エトキシル化されている、線状又は低分枝の一価脂肪族アルコール類の非イオン性縮合体の部類から選択することができ、これらは、天然又は合成とすることができる。また、ノニルフェニルエトキシレート類のようなアルキルフェニルアルコキシレート類も、好適に使用することができる。
【0071】
非イオン性界面活性剤又は共界面活性剤としてとりわけ好適であるのは、一級脂肪族アルコール類と、C〜Cアルキレンオキシド1〜75モル、さらに好適には1〜15モル、好ましくは1〜11モルとの縮合生成物である。特に好ましいのは、炭素数8〜20のアルキル基を有するアルコール類と、アルコール1モル当り2〜9モル、特に3又は5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。
【0072】
ヘテロ原子として窒素を含有する好適な非イオン性界面活性剤には、構造式RCONRZを有するポリヒドロキシ脂肪酸アミド類が含まれ、式中、Rは、C〜C31ヒドロカルビル、好ましくは直鎖C〜C19アルキル若しくはアルケニル、より好ましくは直鎖C11〜C17アルキル若しくはアルケニル、又はこれらの混合物であり;Rは、H、C1〜18、好ましくはC〜Cヒドロカルビル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、エトキシ、プロポキシ、又はこれらの混合物、好ましくはC〜Cアルキル、より好ましくはメチルであり;Zは、少なくとも3つのヒドロキシルが鎖に直接結合している線状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル、又はそのアルコキシル化(好ましくはエトキシル化若しくはプロポキシル化)誘導体である。Zは、好ましくは、グルコースのような還元糖から誘導され、対応する好ましい化合物は、C11〜C17アルキルN−メチルグルカミドである。
【0073】
本明細書で有用な他の非イオン性界面活性剤には、1以上の−OH部分が−OR(式中、Rは、典型的にはC1〜C3アルキルのような低級アルキル)によって置換されている、いわゆる「末端保護された」非イオン性物質;長鎖アルキル多糖類、特にポリグリコシド及び/又はオリゴ糖の種類、並びに脂肪酸類をエステル化することによって誘導可能な非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0074】
(g4)両性及び双極性界面活性剤 − 本明細書の組成物に用いるのに適した両性又は双極性の洗浄性界面活性剤には、毛髪ケア又は他のパーソナルケア・クレンジングに使用されることで知られているものが含まれる。このような両性の洗浄性界面活性剤の濃度は、好ましくは、0.0%〜20%、好ましくは0.5%〜5%の範囲である。好適な双極性又は両性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号(ボリッチ・ジュニア(Bolich Jr.)ら)、同第5,106,609号(ボリッチ・ジュニアら)に記載されている。
【0075】
本組成物に用いるのに適した両性の洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、それには、脂肪族ラジカルが線状又は分枝状であることができる脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記述される界面活性剤が含まれるが、その際、脂肪族置換基の1つが8〜18の炭素原子を含有し、1つがカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートのような陰イオン性基を含有する。本発明に用いるのに適した両性の洗浄性界面活性剤には、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物が含まれる。
【0076】
本組成物に用いるのに適した双極性の洗浄性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、それには、脂肪族ラジカルが線状又は分枝状であることができる脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記述される界面活性剤が含まれるが、その際、脂肪族置換基の1つが8〜18の炭素原子を含有し、1つがカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのような陰イオン性基を含有する。ベタイン類のような双極性物質は、本発明に適している。
【0077】
さらに、式:R(EO)(PO)(BO)N(O)(CHR’)・qHO(I)を有するアミンオキシド界面活性剤もまた、本発明の組成物に組み込むのに好適である。Rは、飽和又は不飽和、線状又は分枝状であることができ、8〜20、好ましくは10〜16の炭素原子を含有することができる、比較的長鎖のヒドロカルビル部分であり、より好ましくはC12〜C16の一級アルキルである。R’は、好ましくは水素、メチル、及び−CHOHから選択される、短鎖部分である。x+y+zが0ではない場合、EOは、エチレンオキシ、POは、プロピレンオキシ、BOは、ブチレンオキシである。アミンオキシド界面活性剤は、C12〜14アルキルジメチルアミンオキシドによって例示される。
【0078】
組成物に用いるのに適した他の陰イオン性、双極性、両性、又は任意の追加的な界面活性剤の非限定例は、マカッチャン(McCutcheon)の、乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)、1989年年鑑、M.C.出版社(M.C.Publishing Co.)より出版、並びに米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号;同第2,438,091号;同第2,528,378号に記載されている。
【0079】
(H,洗濯補助物質)
(a)安定剤 − 本発明の組成物は、所望により安定剤を含んでよく、好ましくは安定剤を含む。この構成成分の好適な濃度は、組成物の0.0重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、さらに好ましくは0.1重量%〜3重量%の範囲である。安定剤は、本発明の組成物中でシリコーンポリマーを安定化させ、シリコーンポリマーが凝固及び/又はクリーム状になるのを防ぐ働きをする。これは、本発明の組成物が、強力洗浄用又は繊細な布地の洗浄用の液体若しくはゲル形態の洗濯洗剤、並びに洗濯洗剤以外の液体若しくはゲル形態の布地処理剤の場合のように流体形態であるときに、特に重要である。
【0080】
本明細書に用いるのに適した安定剤は、増粘安定剤から選択することができる。これらには、ゴム類及び他の類似の多糖類、例えば、ジェランガム、カラギーナンゴム、並びに高度にポリアニオン性である種類以外の、他の既知の種類の増粘剤及びレオロジー的添加剤が含まれており、したがって、従来の粘土類は含まれない。
【0081】
より好ましくは、安定剤は、結晶性のヒドロキシル基含有安定化剤であり、さらに好ましくは、トリヒドロキシステアリン、硬化油、又はそれらの誘導体である。
【0082】
理論に束縛されるものではないが、結晶性のヒドロキシル基含有安定化剤は、「糸状構造化系」の非限定例である。本明細書で使用するとき、「糸状構造化系」は、物質が結合して凝集する傾向及び/又は相分離する傾向を低減する、化学的網状構造を提供可能な1以上の剤を含む系を意味する。その1以上の剤の例には、結晶性のヒドロキシル基含有安定化剤及び/又は水素添加ホホバが含まれる。界面活性剤は、糸状構造化系の定義に含まれない。理論に束縛されるものではないが、糸状構造化系は、そのマトリックスを冷却すると、その場で繊維状又は絡合した糸状の網状構造を形成すると考えられている。糸状構造化系は、1.5:1、好ましくは少なくとも10:1〜200:1の平均アスペクト比を有する。
【0083】
糸状構造化系は、標準的な瓶から洗剤を注ぎ出すことが可能な、中間的な剪断範囲(5s−1〜50s−1)で0.002m/s(20℃で2,000センチストーク)以下の粘度を有するようにすることができ、一方、0.1s−1での製品の低い剪断粘度を、少なくとも0.002m/s(20℃で2,000センチストーク)にすることができるが、0.02m/s(20℃で20,000センチストーク)よりも大きいことがより好ましい。糸状構造化系の調製方法は、国際公開第02/18528号に開示されている。
【0084】
他のあまり好ましくない安定剤は、非荷電の、中性多糖類、ガム類、セルロース類、及びポリビニルアルコールのようなポリマー類である。
【0085】
(b)カップリング剤 − 本明細書に用いるのに適したカップリング剤には、顕著な界面活性剤特性を有するもの以外、又は従来の溶媒(低級アルカノールアミン類など)以外の、脂肪族アミン類が含まれる。これらカップリング剤の例には、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、並びにこれらのC1〜C3二級及び三級類似体が含まれる。この構成成分の濃度は、存在する場合、好適には、組成物の0.1重量%〜20重量%、より典型的には0.5重量%〜5重量%の範囲である。
【0086】
特に有用なカップリング剤の群は、少なくとも5つ、好ましくは6つの脂肪族炭素原子によって互いに分離された2つの極性基から成る分子から成る群から選択され、この群の好ましい化合物は窒素を含有せず、これらには、1,4シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、1,6ヘキサンジオール、1,7ヘプタンジオール、及びこれらの混合物が含まれる。1,4−シクロ−ヘキサン−ジ−メタノールは、そのシス配置、そのトランス配置、又はその両方の配置の混合のいずれかで存在してよい。
【0087】
(c)洗剤ビルダー − 本発明の組成物は、所望により、組成物の0.0重量%〜80重量%、好ましくは5重量%〜70重量%、より好ましくは20重量%〜60重量%の濃度でビルダーを含んでよい。
【0088】
一般に、既知の洗剤ビルダーのいずれも本明細書で有用であり、これには、ゼオライト類、層状シリケート類、脂肪酸類、及びアルカリ金属ポリホスフェート類のようなホスフェート類などの無機物種、並びに特にシトレート2,2−オキシジスクシネート、カルボキシメチルオキシスクシネート、ニトリロトリアセテートなどのアルカリ金属塩を含めた有機物種が含まれる。比較的低い分子量、例えば1,000未満の分子量を有する、ホスフェート非含有の水溶性有機ビルダー類は、本明細書に用いるのにきわめて好ましい。他の好適なビルダー類には、炭酸ナトリウム、及び様々なSiO:NaO含有量の比を有する、例えば1:1〜3:1、典型的には2:1の比の、ケイ酸ナトリウムが含まれる。
【0089】
特にC12〜C18飽和及び/又は不飽和、線状及び/又は分枝状脂肪酸類が好ましいが、好ましいのはこのような脂肪酸類の混合物である。飽和及び不飽和脂肪酸類の混合物がきわめて好ましいことが判明しており、例えば、ナタネ由来の脂肪酸とC16〜C18の初留揮発分全除去(topped whole cut)脂肪酸類との混合物、又はナタネ由来の脂肪酸とタローアルコールから誘導される脂肪酸との混合物、パルミチン酸、オレイン酸、脂肪族アルキルコハク酸、並びにこれらの混合物が好ましい。さらに好ましいのは、合成又は天然由来の分枝状脂肪酸類、特に生分解性の分枝状の種類である。
【0090】
用語「脂肪酸ビルダー」は、一般的に使用されているが、本洗剤に配合されるときには、脂肪酸が少なくとも部分的に中和した形態へと中和されており、対イオンが典型的には、アルカノールアミン類、ナトリウム、カリウム、アルカノールアンモニウム、又はこれらの混合物であることができることを理解且つ認識すべきである。好ましくは、脂肪酸類は、モノエタノールアミンのようなアルカノールアミン類で中和され、液相に十分に可溶である。
【0091】
(d)布地持続性香料(Fabric substantive perfume) − 本発明の布地処理組成物は、洗った布地に清新な印象をもたらす心地良い匂いの形態をした「香りのシグナル」を提供するための、香料を含むことができる。布地持続性香料成分は、好適には組成物の0.0001重量%〜10重量%の範囲の濃度であり、その沸点(B.P.)によって特徴付けられる。布地持続性香料成分は、通常の標準圧力760mmHgで測定したときに、240℃以上、好ましくは250℃以上の沸点を有する。好ましくは、布地持続性香料成分は、3より大きい、より好ましくは3〜6のClogPを有する。
【0092】
本発明で使用される好ましい組成物は、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つ、さらに好ましくは少なくとも5つ、さらに好ましくは少なくとも6つ、さらに好ましくは少なくとも7つの異なる布地持続性香料成分を含有する。天然源から誘導される最も一般的な香料成分は、多数の構成成分から構成される。このような各物質が本発明の好ましい香料組成物の配合に使用されるときには、本発明を定義する目的では、それら各物質は、単一成分として数えられる。
【0093】
本発明の組成物に使用するのに適した布地持続性香料成分の非限定例は、国際公開第02/18528号に開示されている。
【0094】
(e)酵素 − 本明細書に用いるのに適した酵素類には、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、エンドグルカナーゼ、リパーゼ、及びこれらの混合物が含まれる。酵素類は、その技術分野で教示される濃度、例えば、ノボ(Novo)及びジェネンコア(Genencor)のような供給元によって推奨される濃度で使用することができる。組成物中での好ましい濃度は、0重量%〜5重量%、より好ましくは0.0001重量%〜5重量%である。酵素類が存在するときには、本発明の特定の実施形態では、当該酵素類を非常に低い濃度、例えば0.001%以下で使用することができ、又は本発明による強力型の洗濯洗剤配合では、当該酵素類をより高濃度、例えば0.1%以上で使用することができる。「非生物学的」洗剤を好む消費者がいることを踏まえて、本発明には、酵素を含有する実施形態と酵素を含有しない実施形態の両方が含まれる。
【0095】
(f)キレート剤 − 本明細書に用いるのに適したキレート剤には、EDDS、EDTA、及びDTPAのような窒素を含有する無リンのアミノカルボキシレート類;ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸及びエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸のようなアミノホスホネート類;HEDPのような窒素非含有ホスホネート類;並びに漂白触媒系での使用が知られているような一般的な部類の特定の大環状N−配位子の化合物のような、窒素又は酸素を含有し、カルボキシレートを含まない、無リンのキレート剤が含まれる。キレート剤の濃度は、典型的には5%未満であり、より典型的には、存在するときには、キレート剤は、0.01%〜3%の濃度である。
【0096】
(g)発泡系 − 本明細書に好適な発泡系には、酸と重炭酸塩若しくは炭酸塩とを組み合わせることによって、又は過酸化水素とカタラーゼとを組み合わせることによって誘導されるもの、又は小さな気泡を放出する他の物質のいずれかの組み合わせが含まれる。発泡系の構成成分は、それらが混合されるときに泡を形成するように組み合わせて分配してよく、又は従来のコーティング若しくは保護系が使用されることを条件に、1つに配合することができる。発泡系の濃度は、非常に広範に変化させることができ、例えば、発泡性構成成分全体で、組成物の0.1%〜30%の範囲にすることができる。過酸化水素及びカタラーゼは、非常に質量効率が良く、はるかに低い濃度でも優れた結果を得ることができる。
【0097】
(h)抑泡系 − 本明細書に用いるのに適した抑泡系は、典型的には組成物の10重量%未満、好ましくは0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜8重量%、最も好ましくは0.05重量%〜5重量%の濃度で、基本的にすべての既知の消泡化合物又は混合物を含んでよい。好適な抑泡剤には、高結晶性蝋類及び/又は水素添加脂肪酸類、シリコーン類、シリコーン/シリカ混合物などの低溶解度構成成分、又はより高度に混合された(compounded)抑泡剤の組み合わせ、例えばダウ・コーニング(Dow Corning)のような会社から市販されているものを含めることができる。混合シリコーン類(Compounded silicones)は、好適には0.005重量%〜0.5重量%の濃度で使用される。より溶解性の高い消泡剤には、例えば、2−メチル−ブタノールのような低級2−アルキルアルカノール類が含まれる。
【0098】
(i)液体キャリア − 本発明の布地処理組成物が液体組成物である場合、当該組成物は、液体キャリアを含むことができる。液体キャリアは、水性又は非水性のものにすることができ、この液体キャリアには、水だけ、有機溶媒だけ、及び/又はそれらの混合物を含めることができる。好ましい有機溶媒には、一価アルコール類、二価アルコール類、多価アルコール類、グリセロール、グリコール類、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール類、及びこれらの混合物が含まれる。きわめて好ましいのは、溶媒の混合物であり、とりわけ、エタノール、プロパノ−ル、ブタノ−ル、イソプロパノールのような低級脂肪族アルコール類、及び/又は1,2−プロパンジオール若しくは1,3−プロパンジオールのようなジオール類、又はこれらの混合物と、グリセロールとの混合物である。好適なアルコール類には、とりわけ、C〜Cアルコールが含まれる。1,2−プロパンジオールが好ましい。液体キャリアは、典型的には組成物の0.0重量%〜約98重量%、好ましくは少なくとも10重量%〜95重量%、より好ましくは25重量%〜75重量%の範囲の濃度で存在する。
【0099】
(j)アミノシリコーン − 本明細書で「アミノシリコーン」は、いずれかのアミン官能化シリコーン、すなわち、少なくとも1つの一級アミン、二級アミン、又は三級アミンを含有するシリコーンを意味する。好ましいアミノシリコーン類は、典型的には、当該アミノシリコーンの0.01重量%〜1重量%の窒素、より好ましくは0.05重量%〜0.5重量%の窒素を有する。存在する場合、アミノシリコーンポリマーは、典型的には、組成物の0.001重量%〜50重量%、好ましくは少なくとも0.01重量%〜30重量%、より好ましくは0.1重量%〜10重量%、最も好ましくは0.2重量%〜5.0重量%の範囲の濃度で存在する。
【0100】
典型的には、アミノシリコーンは、0.001m/s(20℃で1,000センチストーク)〜0.05m/s(20℃で50,000センチストーク)、より好ましくは0.002m/s(20℃で2,000センチストーク)〜0.03m/s(20℃で30,000センチストーク)、より好ましくは0.004m/s(20℃で4,000センチストーク)〜0.02m/s(20℃で20,000センチストーク)の粘度を有する。
【0101】
本発明の組成物で使用するのに好ましいアミノシリコーン類の例には、これらに限定するものではないが、次の一般式(V)に従うものが含まれ:
(R3−a−Si−(−OSiG−(−OSiG(R2−b)m−O−SiG3−a(R
式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC〜Cアルキル、好ましくはメチルであり;aは、0、又は1〜3の値を有する整数、好ましくは1であり;bは、0、1、又は2、好ましくは1であり;nは、0〜1,999、好ましくは49〜500の数字であり;mは、1〜2000、好ましくは1〜10の整数であり;nとmの合計は、1〜2000、好ましくは50〜500の数であり;Rは、一般式C2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは、2〜8の値を有する整数であり、Lは、次の群から選択され:−N(R)CH−CH−N(R;−N(R;式中、Rは、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくはC〜C20のアルキルラジカルである。
【0102】
式(V)に相当する好ましいアミノシリコーンは、以下の式(VI)に示されており:
【化10】

式中、Rは、C1〜C4アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、及びこれらの混合物、好ましくはメチル及びメトキシから独立して選択される。両方のR基がメチルのときには、上記ポリマーは、「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られる。
【0103】
最も好ましいアミノシリコーン類は、ワッカー(Wacker)から商品名ワッカー・ベルシル(Wacker Belsil)(登録商標)ADM1100及びワッカー・フィニッシュ(Wacker Finish)(登録商標)WR1100として市販されているもの、並びにゼネラル・エレクトリック(General Electric)からゼネラル・エレクトリック(General Electric)(登録商標)SF1923として市販されているものである。
【0104】
(j)窒素非含有シリコーンポリマー − この構成成分の好適な濃度は、組成物の0.0重量%〜90重量%、好ましくは0.01重量%〜50重量%、より好ましくは0.1重量%〜10重量%、最も好ましくは0.5重量%〜5.0重量%の範囲である。
【0105】
本発明の組成物で使用するために選択される窒素非含有シリコーンポリマーには、非イオン性、双極性、及び両性の窒素非含有シリコーンポリマー類が含まれる。
【0106】
好ましくは、窒素非含有シリコーンポリマーは、式(I)〜(III)を有する非イオン性の窒素非含有シリコーンポリマー類及びそれらの混合物から選択され:
【化11】

−(RSiO−[(RSiO]−[(R)(R)SiO]−Si(R−R (II)
【化12】

式中、各Rは、1〜20の炭素原子を有する線状、分枝状、又は環状アルキル基;2〜20の炭素原子を有する線状、分枝状、又は環状アルケニル基;6〜20の炭素原子を有するアリール基;7〜20の炭素原子を有するアルキルアリール基;7〜20の炭素原子を有するアリールアルキル及びアリールアルケニル基、並びにこれらの混合物から成る群から独立して選択され;各Rは、1〜20の炭素原子を有する線状、分枝状、又は環状アルキル基;2〜20の炭素原子を有する線状、分枝状、又は環状アルケニル基;6〜20の炭素原子を有するアリール基;7〜20の炭素原子を有するアルキルアリール基;アリールアルキル;7〜20の炭素原子を有するアリールアルケニル基、及び一般式(IV)を有するポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー基から成る群から独立して選択され:
−(CHO(CO)(CO) (IV)
ここで、少なくとも1つのRは、ポリ(エチレンオキシ/プロピレンオキシ)コポリマー基であり、各Rは、水素、1〜4つの炭素原子を有するアルキル、及びアセチル基から成る群から独立して選択され、式中、添字wは、式(I)及び(III)の窒素非含有シリコーンポリマーの粘度が2・10−6/s(20℃で2センチストーク)〜50m/s(20℃で50,000,000センチストーク)になるような値を有してなり;aは、1〜50であり;bは、1〜50であり;nは、1〜50であり;cの合計(全ポリアルキレンオキシ側基について)は、1〜100の値を有してなり;dの合計は、0〜14であり;c+dの合計は、5〜150の値を有する。
【0107】
より好ましくは、窒素非含有シリコーンポリマーは、前述の式(II)〜(III)を有する線状の非イオン性の窒素非含有シリコーンポリマー類から選択され、式中、Rは、メチル、フェニル、及びフェニルアルキルから成る群から選択され;Rは、メチル、フェニル、フェニルアルキル、及び上記で定義した一般式(IV)を有する基から成る群から選択され;Rは、上記で定義した通りであり、添字wは、式(III)の窒素非含有シリコーンポリマーの粘度が0.01m/s(20℃で10,000センチストーク)〜0.8m/s(20℃で800,000センチストーク)になるような値を有してなり;aは、1〜30であり、bは、1〜30であり、nは、3〜5であり、cの合計は、6〜100であり、dの合計は、0〜3であり、c+dの合計は、7〜100である。
【0108】
最も好ましくは、窒素非含有シリコーンポリマーは、前述の式(III)を有する線状の非イオン性の窒素非含有シリコーンポリマー類、及びそれらの混合物から選択され、式中、Rは、メチルであり、添字wは、式(III)の窒素非含有シリコーンポリマーの粘度が0.06m/s(20℃で60,000センチストーク)〜0.7m/s(20℃で700,000センチストーク)、より好ましくは0.1m/s(20℃で100,000センチストーク)〜0.48m/s(20℃で480,000センチストーク)になるような値を有する。
【0109】
式(II)の窒素非含有シリコーンポリマー類の非限定例は、コネチカット州ダンベリー(Danbury)のウィトコ(Witco)の一部門であるOSIスペシャリティーズ・インコーポレーテッド(OSI Specialties Inc.)から入手可能なシルウェット(Silwet)(登録商標)化合物である。式(I)及び(III)の窒素非含有シリコーンポリマー類の非限定例は、ダウ・コーニング(Dow Corning)から得られるシリコーン200流体(Silicone 200 fluid)シリーズである。
【0110】
(k)他の補助剤 − 他の好適な洗浄補助物質の例には、これらに限定するものではないが、脂肪酸類、トリメトキシ安息香酸若しくはその塩(TMBA)のようなアルコキシル化安息香酸類又はそれらの塩、従来の(布地持続性ではない)香料及びプロ香料(pro-perfumes)、双極性及び/又は両性界面活性剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、酵素安定化系、光学的光沢剤又は蛍光剤、汚れ放出ポリマー類、水溶性のポリアクリレート類及びアクリレート/マレエートコポリマー類などを含めた分散剤又は高分子有機ビルダー、抑泡剤、染料、着色剤、硫酸ナトリウムのような増量剤塩(filler salts)、トルエンスルホネート類、クメンスルホネート類、及びナフタレンスルホネート類のような向水性物質、光活性化剤、加水分解型界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、収縮防止剤、防皺剤、殺菌剤、殺真菌剤、カラースペックル(color speckles)、着色されたビーズ、球体又は押出物、日焼け止め剤、フッ素化化合物、粘土類、真珠光沢剤、発光剤又は化学発光剤、耐食剤及び/又は機器保護剤、アルカリ源又は他のpH調整剤、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料、フリーラジカル捕捉剤、及びpH制御剤が含まれる。好適な物質には、米国特許第5,705,464号、同第5,710,115号、同第5,698,504号、同第5,695,679号、同第5,686,014号、及び同第5,646,101号に記載のものが含まれる。
【0111】
布地処理組成物の調製プロセス − 本発明の布地処理組成物は、いずれか好適な方式で調製することができ、一般に、いずれかの順序で混合又は添加する調製方式にすることができる。
【0112】
本発明の布地処理組成物を調製するこの方法は、好ましくは、従来の高剪断混合手段を使用して実施される。これによって、確実に成分が最終組成物全体に適切に分散される。
【0113】
本発明による液体組成物、特に液体洗剤組成物は、好ましくは安定剤を含んでなり、特に好ましいのは、トリヒドロキシステアリン又は硬化ヒマシ油、例えば、チキシン(Thixcin)(登録商標)として市販されている種類のものである。安定剤が本組成物に添加されるときには、好ましくは、当該安定剤は、当該組成物の1以上の補助剤又は非シリコーン成分を含む別個の安定剤プレミックスとして導入される。そのような安定剤プレミックスが使用されるときには、好ましくは、反対に帯電したポリマー類の添加後に組成物へと添加される。
【0114】
組成物の形態及び種類 − 本発明の布地処理組成物は、液体(水性若しくは非水性)、顆粒、ペースト、粉末、スプレー、泡、錠剤、及びゲルのようないずれの形態であってもよい。単位化された1回量の組成物は、別個の、ただし組み合わされた、2以上の分配可能部分を形成する組成物として含まれる。顆粒状の組成物は、「小型」又は「低密度」形態にすることができ、液体組成物はまた、「濃縮」又は希釈形態にすることができる。本発明の好ましい布地処理組成物には、液体、より好ましくは強力型の液体布地処理組成物、並びに「標準的な」、繊細ではない布地に加えて、絹や羊毛などを含めた繊細な布地を洗うための液体洗濯洗剤が含まれる。提供される組成物と水とを広範な割合で混合することによって形成される組成物も、包含される。
【0115】
また、本発明の布地処理組成物は、布地ケア効果を送達する、すすぎ添加組成物の形態、例えば、すすぎ添加布地柔軟化組成物の形態、又は布地仕上げ組成物の形態、又は皺低減組成物の形態で存在してもよい。
【0116】
本発明の布地処理組成物は、好ましくは好適なスプレーディスペンサー内に入れられた、スプレー組成物の形態であってもよい。また、本発明には、単相組成物、並びに2相組成物又は多相組成物までものような、広範な種類の製品が含まれる。本発明の布地処理組成物は、単一区画、2区画、又は多区画の瓶に組み込まれて保管されてもよい。
【0117】
(布地の処理方法、及び形態に関連した本発明の組成物の使用)
本明細書で使用するとき、用語「基材」とは、本発明の組成物のいずれかによって本明細書に記載した布地ケア効果の1以上が付与される、天然及び/若しくは合成繊維を含む基材又は布地、特に布地又は衣類を意味する。
【0118】
基材と本発明の布地処理組成物とを接触させる工程を含む、基材を処理する方法が、本発明に組み込まれる。本明細書で使用するとき、「布地処理組成物」には、布地ケア添加組成物、並びに汚れた布地の浸漬及び/又は前処理に使用するのに適した組成物を含めて、手洗い用、機械洗い用、及び他の目的の布地処理組成物が含まれる。
【0119】
本明細書では特に布地処理組成物について論じたが、少なくとも1つの陽イオン性ポリマーと少なくとも1つの陰イオン性ポリマーとを含む本発明の組成物であって、これら2つのポリマーのうち少なくとも1つがシリコーンポリマーであり、天然繊維及び合成繊維の処理、洗浄、コンディショニング、及び/又はリフレッシングの際に使用されるさらなる界面活性剤を追加することなしに、当該組成物が液体キャリアで希釈されるとコアセルベート相を形成するような組成物が、本発明に包含される。
【実施例】
【0120】
以下の非限定例は、本発明を例示するものである。特に指定しない限り、パーセンテージは重量による。
【0121】
(実施例1)
独特の2つのプレミックス、すなわち、以下の配合A1による布地洗浄プレミックスAと、以下の布地ケアプレミックスBとを組み合わせることによって、最終布地処理組成物を配合する。
【表1】

(1)マーリパル(Marlipal)1415/8.1(セイソル(Sasol)より)
(2)C12〜14アルキルジメチルアミンオキシド(P&Gより)(水中31%活性溶液として供給される)
【0122】
布地ケアプレミックスBの調製は、3つの工程に分けられる:
1.陽イオン性グアーガムプレミックス(プレミックスB1)の調製:
通常の実験室用ブレードミキサー(タイプ:ヤンケ・アンド・クンケル(Janke & Kunkel)IKA−レイバーテクニックRW20(IKA-Labortechnik RW 20))で、5.0gの陽イオン性グアーガム(3)を495gの脱塩水中に混合することによって、プレミックスB1を製造する。この混合物を20分間攪拌する。
【0123】
2.陰イオン性シリコーンエマルション(プレミックスB2)の調製:
27.4gの陰イオン性シリコーンエマルション(4)のpHを、2.8gのHCl 1Mで、pH7.8〜8.0に調整することによって、プレミックスB2を製造する。
【0124】
3.2つのプレミックスB1及びB2の組み合わせ:
37.5gのプレミックスB1を30.2gのプレミックスB2に添加する。この混合物を、通常の実験室用ブレードミキサーで15分間攪拌する。
【0125】
通常の実験室用ブレードミキサーを用いて、13.6gのプレミックスB(プレミックスB1及びB2を組み合わせたもの)を100gのプレミックスAに加えることによって、最終布地処理組成物を配合する。
【0126】
(3)陽イオン性グアーガム:ガラクトゾル(Galactosol)SP813S(アクアロン(Aqualon)より)
(4)陰イオン性シリコーンエマルション:デンソドリン(Densodrin)OF(BASFより)(18.2%活性物質)
【0127】
(実施例2)
調製は、3つの工程に分けられる:
1.陽イオン性グアーガムプレミックス(プレミックスC)の調製:
通常の実験室用ブレードミキサーを使用して、5.0gの陽イオン性グアーガム(3)を495gの脱塩水と混合することによって、プレミックスCを製造する。この混合物を20分間攪拌する。
【0128】
2.陰イオン性シリコーンエマルション(プレミックスD)の調製:
82.4gの陰イオン性シリコーンエマルション(4)のpHを、8.8gのHCl 1Mで、pH7.8〜8.0に調整することによって、プレミックスDを製造する。
【0129】
3.2つのプレミックスC及びDの組み合わせ:
75.0gのプレミックスCを91.2gのプレミックスDに添加する。この混合物を、通常の実験室用ブレードミキサーで15分間攪拌する。
【0130】
このプレミックスC及びDを組み合わせたもの33.3gを、すすぎ添加布地処理組成物として使用する。
【0131】
(実施例3)
調製は、3つの工程に分けられる:
1.陰イオン性グアーガムプレミックス(プレミックスE)の調製:
通常の実験室用ブレードミキサーを使用して、15gの陰イオン性グアーガム(ハーキュレス/アクアロン(Hercules/Aqualon)から得られるガラクトゾル(Galactosol)SP722S)と1485gの脱塩水とを混合することによって、プレミックスEを調製する。この混合物を、全粘度発達まで30分間攪拌する。
【0132】
2.陽イオン性シリコーンエマルション(プレミックスF)の調製:
通常の実験室用ブレードミキサーで、24.39gの陽イオン性シリコーン溶液(5)を6.05gのC12〜15EO3(6)と混合することによって、プレミックスFを調製する。10分後、6.7gのエタノールを添加する。さらに10分後、8.71gのC12〜14アルキルジメチルアミンオキシドの水中31%活性溶液(2)を添加する。さらに10分後、攪拌を続けながら、54.2gの脱塩水を混合物に素早く添加する。0.8gの0.1M HClで、プレミックスのpHをpH7.5にする。
【0133】
3.2つのプレミックスE及びFの組み合わせ:
すすぎ添加最終布地ケア組成物を配合するには、通常の実験室用ブレードミキサーで攪拌を続けながら、100gのプレミックスEを75gのプレミックスFに添加する。
【0134】
これら組み合わせたプレミックス17.5gを、すすぎ添加布地ケア組成物として使用する。
【0135】
(5)構造2bの陽イオン性シリコーン構造:(i)の式中、R、R=CH、R=(CH、X=CHCHOHCH、a=0;b=1;c=150;d=0;陽イオン性の二価の部分:ii(a)の式中、R、R、R、RはすべてCH、Zは(CH。A=アセテート50モル%、ラウレート50モル%、m=2;ポリアルキレンオキシドアミン部分(iii)は−NHCH(CH)CH2−[OCH(CH)CH−[OCHCH38.7−[OCHCH(CH)]−NH
−(式中、r+z=6.0);陽イオン性の一価の部分iv(i)はR12、R13及びR14がすべてメチル。陽イオン性の二価の部分(ii)、ポリアルキレンオキシドアミン部分(iii)、及び陽イオン性の一価のアミン部分(iv)のモル分率は、オルガノシリコーン非含有部分の全モル数の分率で表したときに、それぞれ、0.8、0.1、及び0.1である。陽イオン性シリコーンは、エタノール中の82重量%溶液として存在する。
【0136】
(6)ネオドール(Neodol)25−3(シェル・ケミカルズ(Shell Chemicals)より)。
【0137】
(実施例4)
調製は、3つの工程に分けられる:
1.陰イオン性シリコーンエマルション(プレミックスG)の調製:
27.4gの陰イオン性シリコーンエマルション(4)のpHを、2.8gのHCl 1Mで、pH7.8〜8.0に調整することによって、プレミックスGを製造する。
【0138】
2.陽イオン性シリコーンエマルション(プレミックスH)の調製:
通常の実験室用ブレードミキサーで、24.39gの陽イオン性シリコーン溶液(5)を6.05gのC12〜15EO3(6)と混合することによって、プレミックスHを調製する。10分後、6.7gのエタノールを添加する。さらに10分後、8.71gのC12〜14アルキルジメチルアミンオキシドの水中31%活性溶液(2)を添加する。さらに10分後、攪拌を続けながら、54.2gの脱塩水を混合物に素早く添加する。0.8gの0.1M HClで、プレミックスのpHをpH7.5にする。
【0139】
3.2つのプレミックスG及びHの組み合わせ:
すすぎ添加最終布地ケア組成物を配合するには、通常の実験室用ブレードミキサーで攪拌を続けながら、100gのプレミックスGを75gのプレミックスHに添加する。
【0140】
これら組み合わせたプレミックス17.5gを、すすぎ添加布地ケア組成物として使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの陽イオン性ポリマーと少なくとも1つの陰イオン性ポリマーとを含む布地処理組成物であって、これら2つのポリマーのうち少なくとも1つは、シリコーンポリマーであり、前記組成物が、コアセルベート相を形成する、布地処理組成物。
【請求項2】
前記陰イオン性ポリマーがシリコーンポリマーであり、前記陽イオン性ポリマーがシリコーン非含有ポリマーである、請求項1に記載の布地処理組成物。
【請求項3】
前記陽イオン性ポリマーがシリコーンポリマーであり、前記陰イオン性ポリマーがシリコーン非含有ポリマーである、請求項1に記載の布地処理組成物。
【請求項4】
前記陰イオン性ポリマー及び前記陽イオン性ポリマーが、共にシリコーンポリマーである、請求項1に記載の布地処理組成物。
【請求項5】
前記陰イオン性ポリマーが、少なくとも1つのカルボキシレート、サルフェート、スルホネート、ホスフェート、又はホスホネート基を含むシリコーン類、及びそれらの誘導体類、並びにそれらの混合物から成る群から選択される、請求項2に記載の布地処理組成物。
【請求項6】
前記陽イオン性ポリマーが、天然由来又は合成由来であり、置換及び非置換のポリ四級アンモニウム化合物、陽イオン修飾多糖類、陽イオン修飾(メタ)アクリルアミドポリマー類/コポリマー類、陽イオン修飾(メタ)アクリレートポリマー類/コポリマー類、キトサン、四級化ビニルイミダゾールポリマー類/コポリマー類、ジメチルジアリルアンモニウムポリマー類/コポリマー類、ポリエチレンイミン系ポリマー類、陽イオン性グアーガム類、及びそれらの誘導体類、並びにこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは陽イオン性グアーヒドロキシプロピルトリアンモニウム塩類及びその誘導体類であり、より好ましくは前記陽イオン性グアーヒドロキシプロピルトリアンモニウム塩類は、ハロゲン化物塩類又はメチルサルフェート塩類であり、さらに好ましくは前記陽イオン性グアーヒドロキシプロピルトリアンモニウム塩類は、塩化物塩類である、請求項2に記載の布地処理組成物。
【請求項7】
前記陰イオン性ポリマーが、キサンタンガム、陰イオン性デンプン、カルボキシメチルグアー、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー、カルボキシメチルセルロース、N−カルボキシアルキルキトサン、N−カルボキシアルキルキトサンアミド類、ペクチン、カラギーナンガム、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸系ポリマー、アルギン酸系ポリマー、及びそれらの誘導体類、並びにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項3に記載の布地処理組成物。
【請求項8】
前記陽イオン性シリコーンポリマーが、次式を有してなり:
【化1】

式中:
−Rは、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され;
−Rは、1つ以上の酸素原子を含有し得る二価の有機部分から成る群から独立して選択され;
−Xは、開環エポキシド類から成る群から独立して選択され;
−Rは、次式を有するポリエーテル基から独立して選択され:
−M(C2aO)−M
式中、Mは、二価の炭化水素残基であり;Mは、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール;シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル、ポリアルキレンオキシド、又は(ポリ)アルコキシアルキルであり;
−Zは、少なくとも1つの四級化窒素原子を含む一価の有機部分から成る群から独立して選択され;
−aは、2〜4であり;bは、0〜100であり;cは、1〜1000、好ましくは20より大きく、より好ましくは50より大きく、好ましくは500未満、より好ましくは300未満、最も好ましくは100〜200であり;dは、0〜100であり;nは、陽イオン性シリコーンポリマーに関連した正電荷の数で、2以上であり;Aは、一価の陰イオンであり;
ここで、Zは、好ましくは次から成る群から独立して選択され:
【化2】

式中:
−R12、R13、R14は、同一又は異なるものであり、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド;(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;
−R15は、−O−又はNR19であり;
−R16は、二価の炭化水素残基であり;
−R17、R18、R19は、同一又は異なるものであり、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド、(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;eは、1〜6である、請求項3に記載の布地処理組成物。
【請求項9】
前記陽イオン性シリコーンポリマーが、次の交互ユニットで構成され:
(i)次式のポリシロキサン:
【化3】

及び
(ii)少なくとも2つの四級化窒素原子を含む二価の有機部分;
式中:
−Rは、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され;
−Rは、1つ以上の酸素原子を含有し得る二価の有機部分から成る群から独立して選択され;
−Xは、開環エポキシド類から成る群から独立して選択され;
−Rは、次式を有するポリエーテル基から独立して選択され:
−M(C2aO)−M
式中、Mは、二価の炭化水素残基であり;Mは、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル、ポリアルキレンオキシド、又は(ポリ)アルコキシアルキルであり;
−aは、2〜4であり;bは、0〜100であり;cは、1〜1000、好ましくは20より大きく、より好ましくは50より大きく、好ましくは500未満、より好ましくは300未満、最も好ましくは100〜200であり;dは、0〜100である、請求項3に記載の布地処理組成物。
【請求項10】
前記陽イオン性シリコーンポリマーが、次の交互ユニットで構成され、
(i)次式のポリシロキサン:
【化4】

及び
(ii)次から成る群から選択される陽イオン性の二価の有機部分:
【化5】

(iii)(iii)所望により、次式のポリアルキレンオキシドアミンであって:
[−Y−O(−C2aO)−Y−]
式中、Yは、二級若しくは三級アミンを含む二価の有機基、好ましくはC〜Cアルキレンアミン残基であり;aは、2〜4であり、bは、0〜100であるもの;並びに
(iv)所望により、次から成る群から選択される、末端基として使用される陽イオン性の一価の有機部分であって:
【化6】

式中:−R、R、R、R、R、R、R10、R11は、同一又は異なるものであり、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド;(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;あるいは、R及びR、又はR及びR、又はR及びR10、又はR及びR11は、架橋アルキレン基の構成要素であってもよく;
−R12、R13、R14は、同一又は異なるものであり、C1〜22アルキル;C2〜22アルケニル;C6〜22アルキルアリール;C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド;(ポリ)アルコキシアルキル基、及びこれらの混合物から成る群から選択され;
−R15は、−O−又はNR19であり;
−R16及びMは、同一又は異なる二価の炭化水素残基であり;
−R17、R18、R19は、同一又は異なるものであり、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド、(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;
−Z及びZは、少なくとも2つの炭素原子を含み、所望によりヒドロキシ基を含有する、同一又は異なる二価の炭化水素基であり、1つ若しくはいくつかのエーテル基、エステル基、又はアミド基によって割り込まれていてもよく;
−eは、1〜6であり;mは、陽イオン性の二価の有機部分に関連した正電荷の数で、2以上であり;Aは、陰イオンであるもの;
ここで、オルガノシリコーン非含有部分の全モル数に対する分率として表したときに、陽イオン性の二価の有機部分(ii)は、好ましくは0.05〜1.0モル分率、より好ましくは0.2〜0.95モル分率、最も好ましくは0.5〜0.9モル分率で存在し;ポリアルキレンオキシドアミン(iii)は、0.0〜0.95モル分率、好ましくは0.001〜0.5、より好ましくは0.05〜0.2モル分率で存在することができ;陽イオン性の一価の有機部分(iv)は、存在する場合、0〜0.2モル分率、好ましくは0.001〜0.2モル分率で存在する、請求項3に記載の布地処理組成物。
【請求項11】
前記陽イオン性シリコーンポリマーが、次式を有してなり:
【化7】

式中:−Rは、C1〜22アルキル;C2〜22アルケニル;C6〜22アルキルアリール;アリール;シクロアルキル、及びこれらの混合物から成る群から独立して選択され;
−Rは、1つ以上の酸素原子を含有し得る二価の有機部分から成る群から独立して選択され;
−Xは、開環エポキシド類から成る群から独立して選択され;
−Rは、次式を有するポリエーテル基から独立して選択され;
−M(C2aO)−M
式中、Mは、二価の炭化水素残基であり;Mは、H、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル、ポリアルキレンオキシド、又は(ポリ)アルコキシアルキルであり;
−Xは、開環エポキシド類から成る群から独立して選択され、
−Wは、少なくとも1つの四級化窒素原子を含む二価の有機部分から成る群から独立して選択され;
−aは、2〜4であり;bは、0〜100であり;cは、1〜1000、好ましくは20より大きく、より好ましくは50より大きく、好ましくは500未満、より好ましくは300未満、最も好ましくは100〜200であり;dは、0〜100であり;nは、陽イオン性シリコーンポリマーに関連した正電荷の数で、1以上であり;Aは、一価の陰イオン、換言すれば、好適な対イオンであり;
ここで、Wは、好ましくは次から成る群から選択され:
【化8】

−R、R、R、R、R、R、R10、R11は、同一又は異なるものであり、C1〜22アルキル、C2〜22アルケニル、C6〜22アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、C1〜22ヒドロキシアルキル;ポリアルキレンオキシド;(ポリ)アルコキシアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択され;あるいは、R及びR、又はR及びR、又はR及びR10、又はR及びR11は、架橋アルキレン基の構成要素であってもよく;
−Z及びZは、少なくとも2つの炭素原子を含み、所望によりヒドロキシ基を含有する、同一又は異なる二価の炭化水素基であり、1つ若しくはいくつかのエーテル基、エステル基、又はアミド基によって割り込まれていてもよい、請求項3に記載の布地処理組成物。
【請求項12】
前記陽イオン性ポリマーが、請求項8〜11に記載のポリマー類から選択され、前記陰イオン性ポリマーが、請求項5に記載のポリマー類から選択される、請求項4に記載の布地処理組成物。
【請求項13】
陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤をさらに含み、所望により、安定剤;カップリング剤;洗剤ビルダー;布地持続性香料;酵素;キレート剤;発泡系;抑泡系;液体キャリア;アミノシリコーン;窒素非含有シリコーンポリマー;及びこれらの混合物から成る群から選択される、1つ以上の洗濯補助物質をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の布地処理組成物。
【請求項14】
前記組成物が、すすぎ添加布地柔軟化組成物、若しくは布地仕上げ組成物、若しくは洗
濯洗剤組成物、好ましくは液体洗濯洗剤組成物、又はこれらのいずれかの組み合わせであ
る、請求項1〜13のいずれか一項に記載の布地処理組成物の使用。
【請求項15】
布地基材上に、皺低減効果;皺除去効果;防皺効果;布地柔軟性効果;布地感触効果;衣類形状保持効果;衣類形状回復効果;弾力性効果;アイロンがけを容易にする効果;香料効果;カラーケア効果;又はこれらのいずれかの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つ以上の布地ケア効果を付与するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の布地処理組成物の使用。
【請求項16】
基材を処理する方法であって、当該基材と請求項1〜15のいずれか一項に記載の布地処理組成物とを、当該基材が処理されるように接触させることを含む方法。

【公開番号】特開2010−13790(P2010−13790A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−187495(P2009−187495)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【分割の表示】特願2004−550207(P2004−550207)の分割
【原出願日】平成15年10月29日(2003.10.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】