説明

収納ボックス

【課題】厚みのあるリッドを開いた状態において、リッドがボックス本体の外周壁から側方に大きくはみ出すことがなく、かつボックス本体の上壁に、外観品質の低下や、収納部へ手を差し込む際の障害となる障害物を残置することがなく、かつリッドの意匠自由度が高い収納ボックスを提供する。
【解決手段】リンク回転機構は、被係合部材44に固定されかつリッド回転軸41を枢支するリッド軸受部ギヤ41aと、ボックス本体10に固定されかつリンク回転軸42を中心とする円周上に歯部が形成されたリンク誘導ギヤ42aと、リンク43に設けられたアイドルギヤ回転軸45に回転自在に連結されかつリッド軸受部ギヤ41a及びリンク誘導ギヤ42aの双方に噛み合うアイドルギヤ45aとからなる。リンク43がリンク回転軸42を中心とする円弧状の軌道Cの上を時計回りに回転して、リッド回転軸41が回転軸部収納孔14から露出して斜め上方に徐々に上昇する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッドを左右の一方側のみから開閉可能とする片開きの収納ボックス、及びリッドを左右両側から開閉可能とする両開きの収納ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のセンターコンソールには、リッドを左右の一方側のみから開閉可能とする片開きの収納ボックス(センターコンソールボックス)、又はリッドを左右両側から開閉可能とする両開きの収納ボックスなどが装着されている。特許文献1に記載の両開きの収納ボックスを図9に、特許文献2に記載の両開きの収納ボックスを図10に示す。
【0003】
図9に示す左右両開きのコンソールボックス70は、収納部71aの上部に開口部71bを備えるボックス本体71と、開口部71bを開閉するリッド72と、ボックス本体71とリッド72とを回転自在に連結する回転軸部とを備えている。ボックス本体71の上壁71cの前縁には回転軸支持壁76が起立し、後縁には回転軸支持壁77が起立している。回転軸支持壁76及び77の右端に軸受穴75が、左端に軸受穴75’がそれぞれ形成されている。リッド72の上部の下面の前方及び後方には、右端に回転軸74,74が、左端に回転軸74’,74’がそれぞれ設けられている。
【0004】
各回転軸74と各軸受穴75とが連結することによって、リッド72の右側の各回転軸部が形成される。この状態から、リッド72の右側面に設けられた操作ボタン73を押し操作することによって、各回転軸74が基準位置から後退して、各回転軸74と各軸受穴75との連結が解除される。同様に、各回転軸74’と各軸受穴75’とが連結することによって、リッド72の左側の各回転軸部が形成される。この状態から、リッド72の左側面に設けられた操作ボタン(図示せず)を押し操作することによって、各回転軸74’が基準位置から後退して、各回転軸74’と各軸受穴75’との連結が解除される。
【0005】
開口部71bが閉鎖した状態において、リッド72の左右の各回転軸部が形成された状態にある。この状態から、リッド72の右側面に設けられた操作ボタン73を押し操作して、リッド72の右側の各回転軸74と各軸受穴75との連結を解除した後、リッド72の左側の各回転軸部の各回転軸74’を回転中心としてリッド72を上方に回転することによって、図9に示すように開口部71bが右側から開放した状態となる。
【0006】
図10に示す左右両開きのコンソールボックス80と、図9に示した左右両開きのコンソールボックス70との構造の大きな差異は、コンソールボックス80の回転軸支持壁86,87が、ボックス本体81の上壁81cから着脱可能となっている点である。
【0007】
図10に示す左右両開きのコンソールボックス80においては、各回転軸84と各軸受穴85とが連結することによって、リッド82の右側の各回転軸部が形成される。ここで、前方の回転軸支持壁86の右端の軸受穴85には常に回転軸84が連結している。この状態から、リッド82の右側面に設けられた操作ボタン83を押し操作することによって、リッド82の右側後方の回転軸84が基準位置から後退して、リッド82の右側後方の回転軸84と軸受穴85との連結が解除されると共に、前方の回転軸支持壁86と上壁81cとの係合が解除される。そして、リッド82を上方に回転することによって、図10(a)に示すように開口部81bが右側から開放した状態となる。
【0008】
同様に、各回転軸84’と各軸受穴85’とが連結することによって、リッド82の左側の各回転軸部が形成される。ここで、後方の回転軸支持壁87の左端の軸受穴85’には常に回転軸84’が連結している。この状態から、リッド82の左側面に設けられた操作ボタン83’を押し操作することによって、リッド82の左側前方の回転軸84’が基準位置から後退して、リッド82の左側前方の回転軸84’と軸受穴85’との連結が解除されると共に、後方の回転軸支持壁87と上壁81cとの係合が解除される。そして、リッド82を上方に回転することによって、図10(b)に示すように開口部81bが左側から開放した状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−317309号公報
【特許文献2】特開平2007−245838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図9に示した従来の左右両開きのコンソールボックス70は、運転席と助手席との間のセンターコンソールに配置される。このため、開いたリッド72が、運転席又は助手席に干渉しないように、リッド72を開いた状態において、厚みのあるリッド72がボックス本体71の外周壁から側方に大きくはみ出さないようにする必要がある。
【0011】
このため、リッド72の回転軸74,74’をリッド72の上部に配置すると共に、回転軸74,74’を枢支する軸受穴75,75’もボックス本体71の上壁71cよりも上方に配置する必要がある。したがって、軸受穴75,75’が形成されている回転軸支持壁76及び77は、ボックス本体71の上壁71cから突出して配置される。
【0012】
しかし、ボックス本体71の上壁71cから突出した回転軸支持壁76及び77は、外観品質の低下を招くと共に、リッド72を開いてボックス本体71の収納部71aへ手を差し込む際の障害物となっていた。
【0013】
一方、図10に示した従来の左右両開きのコンソールボックス80においては、上記の課題が幾分解決しているものの、十分な解決には至っていない。すなわち、図10(a)に示したように、開口部81bの右側からリッド82を開いた状態においては、コンソールボックス80の後方の回転軸支持壁87がボックス本体81の上壁81c上に残置される。また、図10(b)に示したように、開口部81bの左側からリッド82を開いた状態においては、コンソールボックス80の前方の回転軸支持壁86がボックス本体81の上壁81c上に残置される。
【0014】
したがって、上壁81c上に残置された回転軸支持壁86及び87は、外観品質の低下を招くと共に、リッド82を開いてボックス本体81の収納部81aへ手を差し込む際の障害物となっていた。
【0015】
また、図9及び図10に示した従来の左右両開きのコンソールボックス70及び80は、リッド72及び82を上方に回転する際の回転軸部が、ボックス本体71及び81の上壁71c及び81cよりも上方の固定位置に配置されている。また、回転軸部が、リッド72及び82の上部まで埋没している。
【0016】
回転軸部が、ボックス本体71及び81の上壁71c及び81cよりも上方に固定されていることによって、リッド72及び82の形状に対する自由度が低く、意匠性を高める上での障害となっていた。この意匠性に関する問題は、両開きの収納ボックスに限った問題ではなく、片開きの収納ボックスにも共通する問題であった。
【0017】
例えば、図11に示すように、片開きのコンソールボックス90の左右の側面の輪郭を外側に膨らんだ曲線とすることによって意匠性を高めることができる。しかし、リッド92を上方に回転する際に、リッド92は固定された軸心線Dを中心に回転するため、リッド92の輪郭が外側に最も膨らんでいる部分Kとボックス本体91の上壁91cとが干渉しないようにするためには、リッド92が開口部91bを閉鎖している状態において、リッド92の下面とボックス本体91の上壁91cとの間に大きな隙間Sを確保する必要があり、見栄えが悪いという問題があった。
【0018】
また、回転軸部が、リッド72及び82の上部まで埋没しているため、リッド72及び82の下面には複雑な凹凸が形成されている。このため、リッド72及び82の上面に通常配置される乗員の肘掛け用のクッション部材を全域均一厚さにすることができず、乗員がリッド72及び82を肘掛けとして使用する際の使用感の低下につながっていた。
【0019】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、厚みのあるリッドを開いた状態において、リッドがボックス本体の外周壁から側方に大きくはみ出すことがなく、かつボックス本体の上壁に、外観品質の低下や、収納部へ手を差し込む際の障害となる障害物を残置することがなく、かつリッドの意匠自由度が高い収納ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
【0021】
(1)本発明の収納ボックスは、上部に開口部を備えるボックス本体と、該開口部の両側のうちの一方側から該開口部を開閉することができるリッドと、該開口部の該両側のうちの他方側に設けられかつ該ボックス本体と該リッドとを回転自在に連結する一対の回転軸部と、を備える片開きの収納ボックスであって、
前記ボックス本体の前記開口部が形成された上壁には、該開口部の前記他方側に、一対の前記回転軸部を収納する一対の回転軸部収納孔が形成され、前記回転軸部は、前記リッドの下部の下面に連結される連結部材と、該連結部材の前記上壁の外周側に配置されかつ該連結部材を回転自在に連結するリッド回転軸と、前記ボックス本体の該上壁よりも下方でかつ該リッド回転軸の該上壁の内部側の斜め下方に固定されたリンク回転軸と、一端側が該リッド回転軸に回転自在に連結されかつ他端側が該リンク回転軸に回転自在に連結されたリンクと、該リッドの該リッド回転軸を中心とする回転動作を該リンクに伝達することにより該リンクを該リンク回転軸を中心として回転させるリンク回転機構と、を備え、
前記リッドが前記開口部を閉鎖している状態において、一対の前記回転軸部は、一対の前記回転軸部収納孔に収納された基準位置にあり、前記リッドが前記開口部を前記一方側から開放するときには、前記他方側の一対の前記リンク回転機構によって、該リッドの開動作と連動して該他方側の一対の前記リッド回転軸を上昇させることを特徴とする。
【0022】
(2)本発明の収納ボックスは、上部に開口部を備えるボックス本体と、該開口部の両側のうちの一方側及び他方側の双方から該開口部を開閉することができるリッドと、該開口部の該両側のそれぞれの側に設けられかつ該ボックス本体と該リッドとを回転自在に連結する各一対の回転軸部と、を備える両開きの収納ボックスであって、
前記ボックス本体の前記開口部が形成された上壁には、該開口部の前記両側のそれぞれの側に、各一対の前記回転軸部を収納する各一対の回転軸部収納孔が形成され、前記リッドは、各一対の前記回転軸部のそれぞれと係合する各一対の係合部材と、各一対の該回転軸部と各一対の該係合部材との係合のうちの前記一方側の係合及び前記他方側の係合をそれぞれ解除する操作ボタンと、を備え、
前記回転軸部は、前記リッドの下部の下面に配置され、該リッドの前記係合部材に係合される被係合部材と、該被係合部材の前記上壁の外周側に配置されかつ該被係合部材を回転自在に連結するリッド回転軸と、前記ボックス本体の該上壁よりも下方でかつ該リッド回転軸の該上壁の内部側の斜め下方に固定されたリンク回転軸と、一端側が該リッド回転軸に回転自在に連結されかつ他端側が該リンク回転軸に回転自在に連結されたリンクと、該リッドの該リッド回転軸を中心とする回転動作を該リンクに伝達することにより該リンクを該リンク回転軸を中心として回転させるリンク回転機構と、を備え、
前記リッドが前記開口部を閉鎖している状態において、各一対の前記回転軸部は、各一対の前記回転軸部収納孔に収納された基準位置にあり、前記リッドが前記開口部を前記一方側又は前記他方側から開放するときには、該開口部を開放する側の一対の前記回転軸部と一対の前記係合部材との係合を前記操作ボタンの操作で解除した後に、該開口部を開放する側と異なる側の一対の前記リンク回転機構によって、該リッドの開動作と連動して該開口部を開放する側と異なる側の一対の前記リッド回転軸を上昇させることを特徴とする。
【0023】
上記(1)及び(2)で示した収納ボックスの構成によると、リッドの開動作と連動してリッド回転軸が斜め上方へ上昇するため、厚みのあるリッドを開いた状態において、リッドがボックス本体の外周壁から側方に大きくはみ出すことがない。したがって、本発明の収納ボックスは、車両の運転席と助手席との間の狭隘なセンターコンソールに配置するコンソールボックスとして好適に具現化することができる。
【0024】
また、上記(2)で示した両開きの収納ボックスにおいては、リッドを一方側から開く際には、この一方側の回転軸部が、回転軸部収納孔に収納された基準位置に残置されるため、ボックス本体の上壁に外観品質の低下や、ボックス本体の収納部へ手を差し込む際の障害となる障害物を残置することがない。
【0025】
また、上記(1)及び(2)で示した収納ボックスにおいては、回転軸部が、リッドの下部の下面に配置されている。すなわち、従来の収納ボックス(コンソールボックス)のように、回転軸部が、リッドの上部まで埋没していない。このため、リッドの下面をほぼ平滑な形状にすることができ、リッドの形状が簡素化される。
【0026】
また、本発明の収納ボックスを車両のセンターコンソールに配置するコンソールボックスとして具現化する場合には、リッドの上面に通常配置される乗員の肘掛け用のクッション部材を平面的にほぼ均一厚さで形成することができる。これにより、クッション部材のクッション厚が平面的に均一化されるため、乗員はクッション部材上に心地よく肘を乗せることができる。
【0027】
また、リッドの開動作と連動してリッド回転軸が斜め上方へ上昇することにより、リッド回転軸とボックス本体との間隔が徐々に大きくなる。このため、収納ボックスの左右の側面の輪郭を外側に膨らんだ曲線とすることによって意匠性を高める場合であっても、リッドが開口部を閉鎖している状態において、リッドの下面とボックス本体の上壁との間に大きな隙間を確保する必要がなく、見栄えが良い。
【0028】
(3)本発明の収納ボックスにおいて、好ましくは、前記リンク回転機構は、前記連結部材又は前記被係合部材に固定されかつ前記リッド回転軸を枢支するリッド軸受部ギヤと、前記ボックス本体に固定されかつ前記リンク回転軸を中心とするリンク誘導ギヤと、前記リンクに回転自在に連結されかつ該リッド軸受部ギヤ及び該リンク誘導ギヤの双方に噛み合うアイドルギヤと、を備え、前記リッドが回転することにより前記リッド軸受部ギヤが回転し、該リッド軸受部ギヤの回転が前記アイドルギヤに伝達することにより該アイドルギヤが該リッド軸受部ギヤの回転方向と逆方向に回転し、該アイドルギヤの回転が前記リンク誘導ギヤに伝達することにより前記リンクが該リンク回転軸を中心として回転することを特徴とする。
【0029】
この構成によると、手動によるリッドの開動作及び閉動作と連動してリッド回転軸を上昇及び下降させることが可能となる。また、リッドの開閉動作とリッド回転軸の上昇及び下降がギヤによりスムーズに連動しているため、操作者は違和感なくリッドを開閉することができる。
【0030】
(4)本発明の収納ボックスにおいて、好ましくは、前記リンク回転機構は、前記リンク回転軸を中心として前記リンクに固定されたリンクギヤと、前記連結部材又は前記被係合部材の前記リッド回転軸が配置された側と異なる側に該リッド回転軸と対向して配置されたラック回転軸と、一端側が該ラック回転軸に回転自在に連結されかつ他端側が前記ボックス本体の前記上壁よりも下方に延設されたラックと、該ボックス本体に回転自在に連結されかつ該ラック及び該リンクギヤの双方に噛み合うアイドルギヤと、を備え、前記リッドが回転することにより前記ラックが進退し、該ラックの進退が前記アイドルギヤのピニオンに伝達することにより該アイドルギヤが回転し、該アイドルギヤの回転が前記リンクギヤに伝達することにより前記リンクが該リンク回転軸を中心として回転することを特徴とする。
【0031】
この構成によると、リンクにアイドルギヤが配置されていないため、上記(3)で示したリンクと比べて、リンクの構造が簡素化される。
【0032】
(5)本発明の収納ボックスにおいて、好ましくは、前記リンク回転機構は、前記リンク回転軸を中心として前記リンクに固定されたリンクギヤと、前記連結部材又は前記被係合部材の前記リッド回転軸が配置された側と異なる側に該リッド回転軸と対向して配置されたアーム回転軸と、該ボックス本体に回転自在に連結されかつ該リンクギヤに噛み合うアイドルギヤと、一端側が該アーム回転軸に回転自在に連結されかつ他端側が該アイドルギヤに固定されると共にアーム連結軸により回転自在に連結された2連結のアームと、を備え、前記リッドが回転することにより前記アームと連結された前記アイドルギヤが回転し、該アイドルギヤの回転が前記リンクギヤに伝達することにより前記リンクが該リンク回転軸を中心として回転することを特徴とする。
【0033】
この構成によると、リンクにアイドルギヤが配置されていないため、上記(3)で示したリンクと比べて、リンクの構造が簡素化される。
【0034】
(6)本発明の収納ボックスにおいて、好ましくは、前記リッドは、前記開口部を自己の下面で開閉するリッド基部部材と、該リッド基部部材の上面に摺動可能に取り付けられると共に自己の上面が該リッドの表面となるリッド表層部部材と、を備え、前記リッド基部部材の外周面と前記リッド表層部部材の外周面とが揃う基準位置から該リッド表層部部材を摺動させることによって露出した該リッド基部部材の露出部が、収納部となることを特徴とする。
【0035】
上記(1)及び(2)で示したとおり、回転軸部は、リッドの下部の下面に配置されている。すなわち、リッド基部部材の下部の下面に配置されている。したがって、回転軸部がリッドの上部に配置される従来の収納ボックス70、80及び90(図9、10及び11参照)と比較すると、リッド基部部材に対してリッド表層部部材が摺動する構造を採用しやすい。
【0036】
この構成によると、ボックス本体の開口部を開放することなく、必要に応じてリッド表層部部材を摺動することにより、ボックス本体の収納部とは異なる収納部を露出させることができるため、意匠性に優れると共に高い利便性が確保できる。
【0037】
また、回転軸部は、リッドの下部の下面に配置されているため、リッド表層部部材の形状に対する自由度が高く、リッド表層部部材の厚さをほぼ均一厚さで形成することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、厚みのあるリッドを開いた状態において、リッドがボックス本体の外周壁から側方に大きくはみ出すことがなく、かつボックス本体の上壁に、外観品質の低下や、収納部へ手を差し込む際の障害となる障害物を残置することがなく、かつリッドの意匠自由度が高い収納ボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第1実施形態における両開きの収納ボックスの構造を説明する斜視図であって、リッドが開口部を左側から開放した状態を示している。
【図2】第1実施形態における両開きの収納ボックスの構造を説明する斜視図であって、リッドが開口部を閉鎖した状態において、リッド表層部部材が後方に摺動した状態を示している。
【図3】第1実施形態における両開きの収納ボックスの構造を説明する斜視図であって、リッドが開口部を閉鎖した状態において、リッド表層部部材が前方に摺動した状態を示している。
【図4】図1におけるA−A線で切断した断面図であって、(a)はリッドが開口部を閉じている状態、(b)はリッドが開口部を開き始めた状態を示している。
【図5】図4における回転軸部を拡大して説明する断面図であって、(a)はリッドが開口部を閉じている状態、(b)はリッドが最大開度の半分程度まで開いた状態、(c)はリッドが最大開度まで開いた状態を示している。
【図6】第2実施形態における両開きの収納ボックスの回転軸部の構造を説明する断面図であって、(a)はリッドが開口部を閉じている状態、(b)はリッドが最大開度の半分程度まで開いた状態、(c)はリッドが最大開度まで開いた状態を示している。
【図7】第3実施形態における両開きの収納ボックスの回転軸部の構造を説明する断面図であって、(a)はリッドが開口部を閉じている状態、(b)はリッドが最大開度の半分程度まで開いた状態、(c)はリッドが最大開度まで開いた状態を示している。
【図8】第4実施形態における片開きの収納ボックスの構造を説明する斜視図であって、(a)はリッドが開口部を閉じている状態、(b)はリッドが開口部を開いている状態を示している。
【図9】従来の両開きの収納ボックスの構造を説明する斜視図であって、リッドが開口部を右側から開放した状態を示している。
【図10】従来の他の両開きの収納ボックスの構造を説明する斜視図であって、(a)はリッドが開口部を右側から開放した状態、(b)はリッドが開口部を左側から開放した状態を示している。
【図11】従来の片開きの収納ボックスの構造を説明する斜視図であって、(a)はリッドが開口部を閉じている状態、(b)はリッドが開口部を開いている状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の収納ボックスの実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。
<第1実施形態>
本実施形態は、本発明の両開きの収納ボックスを車両の運転席と助手席との間のセンターコンソールに配置されるコンソールボックスとして適用する実施形態である。図1に本実施形態における両開きの収納ボックスの構造を説明する斜視図を示す。また、図2にリッド表層部部材が後方に摺動した状態、図3にリッド表層部部材が前方に摺動した状態を示す。また、図4に図1におけるA−A線で切断した断面図を示す。
【0041】
なお、以下の説明において、左側とは車両の左座席側であり、右側とは車両の右座席側である。したがって、紙面上の左右とは一致しない場合がある。
【0042】
本実施形態の両開きの収納ボックスであるコンソールボックスBは、上部に開口部12を備えるボックス本体10と、開口部12の左右のいずれの側からも開口部12を開閉することができるリッド20と、開口部12の左右のそれぞれの側に設けられかつボックス本体10とリッド20とを回転自在に連結する前後一対の回転軸部40,40及び回転軸部40’,40’とを備えている。
【0043】
なお、開口部12の左右の中心軸(前後に延びる中心軸)に対して左右に対称的に配置される部品のうちの左側(左座席側)に配置される部材については番号に「’」を付している。また、開口部12の前後の中心軸(左右に延びる中心軸)に対して前後に対称的に配置される部品については部品の構造が軸対称な構造であっても同じ番号を付している。
【0044】
ボックス本体10は樹脂製であり、ボックス本体10の外郭となる外周壁と、収納部11が形成される内周壁と、矩形の開口部12が形成される矩形の平面形状の上壁13とからなる。上壁13の前方及び後方には、開口部12の右側に設けられた前後一対の回転軸部40,40を上壁13よりも下方に収納する矩形の回転軸部収納孔14,14と、開口部12の左側に設けられた前後一対の回転軸部40’,40’を上壁13よりも下方に収納する矩形の回転軸部収納孔14’,14’とが形成されている。
【0045】
また、収納部11の前方の開口部12付近には、着脱可能な有底箱型の容器である小物入れ15が取り付けられている。
【0046】
リッド20は、ボックス本体10と対向する樹脂製のリッド基部部材21と、乗員の肘掛けとして使用される樹脂製のクッション部材22(リッド表層部部材)とからなる。リッド基部部材21及びクッション部材22の平面形状は、ボックス本体10の上壁13の平面形状と略同寸法の矩形である。リッド20が開口部12を閉鎖した状態において、リッド基部部材21の下面21bが上壁13と対向し、クッション部材22の上面22aが肘掛けとなり、リッド基部部材21の上面21aと、クッション部材22の下面22bとが前後方向に摺動可能に対向して配置されている。
【0047】
リッド基部部材21の上面21aには、図4に示すとおり、右側に前後方向に延びるレール21cと、左側に前後方向に延びるレール21c’とが凸設されている。レール21c及び21c’は逆台形の断面形状を呈しており、レール21c及び21c’の上端の幅は下端の幅よりも大きい。
【0048】
また、図1に示すとおり、リッド基部部材21の前部には、上下方向に貫通した貫通部21dが形成されている。貫通部21dの形成位置は、リッド20が開口部12を閉鎖した状態において、小物入れ15と貫通部21dとが対向する位置としている。
【0049】
クッション部材22の下面22bには、図4に示すとおり、レール21c及び21c’と対向する位置に、レール溝22c及び22c’が凹設されている。レール溝22c及び22c’は逆台形の断面形状を呈しており、レール溝22c及び22c’の上端の幅は下端の幅よりも大きい。また、レール溝22c及び22c’の断面形状はレール21c及び21c’の断面形状よりも若干寸法が大きい相似形状である。
【0050】
レール溝22c及び22c’にレール21c及び21c’ を嵌挿することによって、クッション部材22がリッド基部部材21から脱落しないように保持されると共に、リッド基部部材21に対してクッション部材22が前後方向に摺動可能に取り付けられる。
【0051】
リッド20が開口部12を閉鎖した状態において、クッション部材22(リッド表層部部材)が後方に摺動した状態を図2に示す。クッション部材22を後方に摺動させることにより、リッド基部部材21の前方の上面21aが上方に露出し、この露出した上面21aに形成されている貫通部21dが露出する。これにより、貫通部21dから小物入れ15への小物の収納が可能となる。
【0052】
リッド20が開口部12を閉鎖した状態において、クッション部材22が前方に摺動した状態を図3に示す。クッション部材22を前方に摺動させることにより、例えば、乗員の肘の位置に合わせてクッション部材22を前方に移動することが可能である。また、クッション部材22を前方に摺動させることにより、リッド基部部材21の後方の上面21aが上方に露出する。この露出した上面21aを小物置場として活用することが可能である。さらに、この露出した上面21aに、図3に示すような深さが浅い凹部21eが形成されていれば、小物の転落を防止することができるため好適である。
【0053】
図4に示すとおり、リッド基部部材21の前方の右側面には乗員の指によって押し操作することに支障のない程度の大きさの操作面を備える樹脂製の操作ボタン30が配置されている。操作ボタン30は図示しないバネによってリッド基部部材21の前方の右側面から若干突出した基準位置に付勢されている。
【0054】
操作ボタン30の操作面からリッド基部部材21の内部に向かって水平に延設された軸から下方に向かって直角に2本の鈎状の係合爪30a,30aが延びている。これら2本の係合爪30a,30aは、リッド基部部材21の下面21bの右側前方に形成された2箇所の貫通孔からそれぞれ突出しており、操作ボタン30の押し操作と連動して、操作ボタン30の押し操作方向に動く。
【0055】
リッド基部部材21の下面21bの右側前方に設けられた2本の係合爪30a,30aは、ボックス本体10の上壁13の右側前方に配置された回転軸部40と係合する。また、リッド基部部材21の下面21bの右側後方にも2本の係合爪30a,30aが設けられており、ボックス本体10の上壁13の右側後方に配置された回転軸部40と係合する。
【0056】
リッド基部部材21の下面21bの右側前方及び右側後方に設けられた各2本の係合爪30a,30aは、リッド基部部材21の内部において図示しない連動機構によって連動しており、操作ボタン30の押し操作が各2本の係合爪30a,30aに同時に伝達される。操作ボタン30を付勢するバネの付勢力に抗して操作ボタン30の操作面を押し操作することによって、各2本の係合爪30a,30aが同時に操作ボタン30の押し操作方向に動き、各2本の係合爪30a,30aと前後一対の回転軸部40,40との係合が解除される。
【0057】
リッド基部部材21の前方の左側面に配置された操作ボタン30’、及び操作ボタン30’の押し操作と連動して動く前後各2本の係合爪30a’,30a’の構造及び動作は、上述した操作ボタン30及び前後各2本の係合爪30a,30aの構造及び動作と同様であるため説明を省略する。
【0058】
ボックス本体10の上壁13の右側に配置される前後一対の回転軸部40,40と、ボックス本体10の上壁13の左側に配置される前後一対の回転軸部40’,40’の構造及び動作は同様であるため、代表してボックス本体10の上壁13の右側前方の回転軸部40についてのみ説明する。
【0059】
回転軸部40は金属製であり、リッド20の2本の係合爪30a,30aに係合される2箇所の被係合孔44a,44aが形成された被係合部材44と、被係合部材44の上壁13の外周側(図における右側(右座席側))に配置されかつ被係合部材44を回転自在に連結するリッド回転軸41と、ボックス本体10の上壁13よりも下方でかつリッド回転軸41の左斜め下方に位置すると共にボックス本体10に固定されたリンク回転軸42と、一端側がリッド回転軸41に回転自在に連結されかつ他端側がリンク回転軸42に回転自在に連結されたリンク43とを備えている。リンク43はボックス本体10の前方から見てくの字状に屈曲した形状を呈している。
【0060】
さらに、回転軸部40は、リッド20のリッド回転軸41を中心とする回転動作をリンク43に伝達することにより、リンク43をリンク回転軸42を中心として回転させる後述するリンク回転機構を備えている。
【0061】
続いて、リッド20が開口部12を閉じている状態から、リッド20が開口部12を開き始めた状態までの動作について説明する。
【0062】
図4(a)に示すとおり、リッド20が開口部12を閉じている状態において、右側の回転軸部40及び左側の回転軸部40’は、それぞれ右側の回転軸部収納孔14及び左側の回転軸部収納孔14’に収納された基準位置にある。この状態において、右側の被係合部材44に形成された2箇所の被係合孔44a,44aは、2本の係合爪30a,30aに係合されている。また、左側の被係合部材44’に形成された2箇所の被係合孔44a’,44a’は、2本の係合爪30a’,30a’に係合されている。
【0063】
図4(b)に示すとおり、開口部12の左側から、リッド20が開口部12を開く際には、前述のとおり、左側の操作ボタン30’を押し操作して、2箇所の被係合孔44a’,44a’と2本の係合爪30a’,30a’との係合を解除する。これにより、左側の回転軸部40’は、左側の回転軸部収納孔14’に収納された基準位置に残置される。
【0064】
その後、リッド20を右側のリッド回転軸41を中心として紙面上の反時計回りに回転させると、このリッド20の開動作と連動して、リンク回転機構によって、リンク43がリンク回転軸42を中心として時計回りに回転して、リッド回転軸41が徐々に上昇する。また、図示してはいないが、リッド20の閉動作と連動して、リンク回転機構によって、リンク43が反時計回りに回転することにより、リッド回転軸41が徐々に下降する。
【0065】
図4における回転軸部40を拡大して説明する断面図を図5に示す。図5(a)はリッド20が開口部12を閉じている状態、図5(b)はリッド20が最大開度の半分程度まで開いた状態、図5(c)はリッド20が最大開度まで開いた状態を示している。
【0066】
本実施形態におけるリンク回転機構は、被係合部材44に固定されかつリッド回転軸41を枢支するリッド軸受部ギヤ41aと、ボックス本体10に固定されかつリンク回転軸42を中心とする円周上に歯部が形成されたリンク誘導ギヤ42aと、リンク43に設けられたアイドルギヤ回転軸45に回転自在に連結されかつリッド軸受部ギヤ41a及びリンク誘導ギヤ42aの双方に噛み合うアイドルギヤ45aとからなる。リッド軸受部ギヤ41a、リンク誘導ギヤ42a、及びアイドルギヤ45aにおいて、図中に2点鎖線で示した範囲に各ギヤの歯部が形成されている。
【0067】
このリンク回転機構の動作は次のとおりである。図5(b)に示すとおり、リッド20がリッド回転軸41を中心として紙面上の反時計回りに回転することにより、リッド軸受部ギヤ41aがリッド回転軸41を中心として反時計回りに回転する。このリッド軸受部ギヤ41aの反時計回りの回転がアイドルギヤ45aに伝達することにより、アイドルギヤ45aがアイドルギヤ回転軸45を中心としてリッド軸受部ギヤ41aの回転方向と逆方向の時計回りに回転する。
【0068】
このアイドルギヤ45aの紙面上の時計回りの回転がリンク誘導ギヤ42aに伝達することにより、アイドルギヤ45aがリンク誘導ギヤ42aの歯部を駆け上がる。これにより、リンク43がリンク回転軸42を中心とする図中の円弧状の軌道Cの上を時計回りに回転して、リッド回転軸41が回転軸部収納孔14から露出して左斜め上方に徐々に上昇する。
【0069】
リッド20が最大開度まで開くと、リッド回転軸41も左斜め上方の最も高い位置まで上昇する。図5(a)〜(c)に示した一連のリッド20の開動作において、リッド20のクッション部材22の上面22aは、ボックス本体10の外周壁から側方に大きくはみ出すことはない。
【0070】
このような本実施形態の構成によると、厚みのあるリッド20を開いた状態において、リッド20がボックス本体10の外周壁から側方に大きくはみ出すことがないため、本実施形態のコンソールボックスBは、車両の運転席と助手席との間の狭隘なセンターコンソールに好適に配置することができる。
【0071】
また、リッド20を一方側から開く際には、この一方側の回転軸部40又は40’が、回転軸部収納孔14又は14’に収納された基準位置に残置されるため、ボックス本体10の上壁13に外観品質の低下や、ボックス本体10の収納部11へ手を差し込む際の障害となる障害物を残置することがない。
【0072】
さらに、回転軸部40及び40’が、リッド基部部材21の下部の下面21bに配置されているため、回転軸部40及び40’が、リッド基部部材21に対するクッション部材22の前後方向の摺動を妨げることがない。したがって、回転軸部(回転軸)がリッドの上部に配置される従来のコンソールボックス70、80及び90(図9、10及び11参照)と比較すると、リッド基部部材21に対してクッション部材22が前後方向に摺動する構造を採用しやすい。
【0073】
また、回転軸部40及び40’が、リッド基部部材21の下部の下面21bに配置されているため、クッション部材22の形状に対する自由度が高く、クッション部材22の厚さをほぼ均一厚さで形成することができる。これにより、クッション部材22の構造が簡素であると共に、クッション部材22のクッション厚が平面的に均一化されるため、乗員はクッション部材22上に心地よく肘を乗せることができる。
【0074】
また、リッド20が開口部12を閉鎖した状態において、開口部12を開放することなく、必要に応じてクッション部材22を前方又は後方に摺動させることにより、リッド基部部材21の前方又は後方の上面21aが上方に露出し、この露出した上面21aを小物置場や小物入れとして活用できる。このように、必要に応じてボックス本体10の収納部11とは異なる収納部を露出させることができるため、意匠性に優れると共に高い利便性が確保できる。
【0075】
また、リッド20が開口部12を閉鎖した状態において、クッション部材22を前方に摺動させることにより、例えば、乗員の肘の位置に合わせてクッション部材22を前方に移動することが可能である。これにより、座席位置を前方に移動しなくてはならないような小柄な乗員が乗車する場合であっても、乗員はクッション部材22上に心地よく肘を乗せることができる。
<第2実施形態>
本実施形態は、第1実施形態における回転軸部40の構造を変更した実施形態である。その他の構造については第1実施形態とほぼ同一であるため説明を省略する。
【0076】
図6に本実施形態における両開きの収納ボックスの回転軸部の構造を説明する断面図を示す。図6(a)はリッド20が開口部12を閉じている状態、図6(b)はリッド20が最大開度の半分程度まで開いた状態、図6(c)はリッド20が最大開度まで開いた状態を示している。
【0077】
回転軸部50は金属製であり、被係合部材54と、被係合部材54の上壁13の外周側(図における右側(右座席側))に配置されるリッド軸受部材51aと、リッド軸受部材51aに枢支されるリッド回転軸51と、ボックス本体10の上壁13よりも下方でかつリッド回転軸51の左斜め下方に位置すると共にボックス本体10に固定されたリンク回転軸52と、一端側がリッド回転軸51に回転自在に連結されかつ他端側がリンク回転軸52に回転自在に連結されたリンク53とを備えている。リンク53はボックス本体10の前方から見てくの字状に屈曲した形状を呈している。
【0078】
さらに、回転軸部50は、リッド20のリッド回転軸51を中心とする回転動作をリンク53に伝達することにより、リンク53をリンク回転軸52を中心として回転させる後述するリンク回転機構を備えている。
【0079】
図6(a)に示すとおり、リッド20が開口部12を閉じている状態において、回転軸部50は、回転軸部収納孔14に収納された基準位置にある。図6(b)に示すとおり、リッド20をリッド回転軸51を中心として紙面上の反時計回りに回転させると、このリッド20の開動作と連動して、リンク回転機構によって、リンク53がリンク回転軸52を中心として時計回りに回転して、リッド回転軸51が徐々に上昇する。また、図示してはいないが、リッド20の閉動作と連動して、リンク回転機構によって、リンク53が反時計回りに回転することにより、リッド回転軸51が徐々に下降する。
【0080】
本実施形態におけるリンク回転機構は、リンク回転軸52を中心としてリンク53に固定されたリンクギヤ52aと、被係合部材54のリッド回転軸51が配置された側と異なる側(図における左側(左座席側))にリッド回転軸51と対向して配置されたラック回転軸57と、被係合部材54に固定されかつラック回転軸57を枢支するラック軸受部材57aと、一端側がラック回転軸57に回転自在に連結されかつ他端側がボックス本体10の上壁13よりも下方に延設されると共に右側の面にラックギヤ56aが形成された棒状のアーム56と、ボックス本体10に設けられたアイドルギヤ回転軸55に回転自在に連結されかつラックギヤ56a及びリンクギヤ52aの双方に噛み合うアイドルギヤ55aとからなる。
【0081】
アイドルギヤ55aは、減速比を大きくするために、大径の第1段ギヤ55bと、小径の第2段ギヤ55cとの二つのギヤが一体化された2段ギヤからなる。第1段ギヤ55bはラックギヤ56aと噛み合うピニオンギヤであり、第1段ギヤ55bはリンクギヤ52aと噛み合っている。リンクギヤ52a、アイドルギヤ55a、及びラックギヤ56aにおいて、図中に2点鎖線で示した範囲に各ギヤの歯部が形成されている。
【0082】
また、ボックス本体10の上壁13よりも下方には、第1段ギヤ55bとラックギヤ56aとの噛み合わせが外れないようにアーム56の左面の動きを規制するストッパ58が配置されている。
【0083】
このリンク回転機構の動作は次のとおりである。図6(b)に示すとおり、リッド20がリッド回転軸51を中心として紙面上の反時計回りに回転することにより、アーム56が回転軸部収納孔14から右斜め上方に引き抜かれる。アーム56が右斜め上方に引き抜かれる略直線的な動きがラックギヤ56aを介してアイドルギヤ55aの第1段ギヤ55b(ピニオンギヤ)に伝達し、アイドルギヤ55aがアイドルギヤ回転軸55を中心として反時計回りに回転する。
【0084】
このアイドルギヤ55aの紙面上の反時計回りの回転がアイドルギヤ55aの第2段ギヤ55cからリンクギヤ52aに伝達することにより、リンクギヤ52aがリンク回転軸52を中心として時計回りに回転する。これにより、リンク53がリンク回転軸52を中心とする図中の円弧状の軌道Cの上を時計回りに回転して、リッド回転軸51が回転軸部収納孔14から露出して左斜め上方に徐々に上昇する。
【0085】
リッド20が最大開度まで開くと、リッド回転軸51も左斜め上方の最も高い位置まで上昇する。図6(a)〜(c)に示した一連のリッド20の開動作において、リッド20のクッション部材22の上面22aは、ボックス本体10の外周壁から側方に大きくはみ出すことはない。
【0086】
本実施形態の構成によると、リンク53にアイドルギヤが配置されていないため、第1実施形態で示したリンク43と比べて、リンクの構造が簡素化される。その他の作用効果は、第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
本実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態における回転軸部40及び50の構造を変更した実施形態である。その他の構造については第1実施形態とほぼ同一であるため説明を省略する。
【0087】
図7に本実施形態における両開きの収納ボックスの回転軸部の構造を説明する断面図を示す。図7(a)はリッド20が開口部12を閉じている状態、図7(b)はリッド20が最大開度の半分程度まで開いた状態、図7(c)はリッド20が最大開度まで開いた状態を示している。
【0088】
回転軸部60は金属製であり、被係合部材64と、被係合部材64の上壁13の外周側(図における右側(右座席側))に配置されるリッド軸受部材61aと、リッド軸受部材61aに枢支されるリッド回転軸61と、ボックス本体10の上壁13よりも下方でかつリッド回転軸61の左斜め下方に位置すると共にボックス本体10に固定されたリンク回転軸62と、一端側がリッド回転軸61に回転自在に連結されかつ他端側がリンク回転軸62に回転自在に連結されたリンク63とを備えている。リンク63はボックス本体10の前方から見てくの字状に屈曲した形状を呈している。
【0089】
さらに、回転軸部60は、リッド20のリッド回転軸61を中心とする回転動作をリンク63に伝達することにより、リンク63をリンク回転軸62を中心として回転させる後述するリンク回転機構を備えている。
【0090】
図7(a)に示すとおり、リッド20が開口部12を閉じている状態において、回転軸部60は、回転軸部収納孔14に収納された基準位置にある。図7(b)に示すとおり、リッド20をリッド回転軸61を中心として紙面上の反時計回りに回転させると、このリッド20の開動作と連動して、リンク回転機構によって、リンク63がリンク回転軸62を中心として時計回りに回転して、リッド回転軸61が徐々に上昇する。また、図示してはいないが、リッド20の閉動作と連動して、リンク回転機構によって、リンク63が反時計回りに回転することにより、リッド回転軸61が徐々に下降する。
【0091】
本実施形態におけるリンク回転機構は、リンク回転軸62を中心としてリンク63に固定されたリンクギヤ62aと、被係合部材64のリッド回転軸61が配置された側と異なる側(図における左側(左座席側))にリッド回転軸61と対向して配置されたアーム回転軸67と、被係合部材64に固定されかつアーム回転軸67を枢支するアーム軸受部材67aと、ボックス本体10に設けられたアイドルギヤ回転軸55に回転自在に連結されると共にリンクギヤ62aに噛み合うアイドルギヤ65aと、一端側がアーム回転軸67に回転自在に連結されかつ他端側がアイドルギヤ65aに固定されると共に第1アーム66aと第2アーム66bとがアーム連結軸66により回転自在に連結された2連結のアームとからなる。リンクギヤ62a及びアイドルギヤ65aにおいて、図中に2点鎖線で示した範囲に各ギヤの歯部が形成されている。
【0092】
このリンク回転機構の動作は次のとおりである。図7(b)に示すとおり、リッド20がリッド回転軸61を中心として紙面上の反時計回りに回転することにより、第1アーム66aが右斜め上方に引き抜かれ、アーム連結軸66も右斜め上方に移動する。第2アーム66bは一端側がアーム連結軸66に回転自在に連結されかつ他端側がアイドルギヤ65aに固定されているため、アーム連結軸66が右斜め上方に移動することによって、アイドルギヤ65aがアイドルギヤ回転軸65を中心として反時計回りに回転する。
【0093】
このアイドルギヤ65aの紙面上の反時計回りの回転がリンクギヤ62aに伝達することにより、リンクギヤ62aがリンク回転軸62を中心として時計回りに回転する。これにより、リンク63がリンク回転軸62を中心とする図中の円弧状の軌道Cの上を時計回りに回転して、リッド回転軸61が回転軸部収納孔14から露出して左斜め上方に徐々に上昇する。
【0094】
リッド20が最大開度まで開くと、リッド回転軸61も左斜め上方の最も高い位置まで上昇する。図7(a)〜(c)に示した一連のリッド20の開動作において、リッド20のクッション部材22の上面22aは、ボックス本体10の外周壁から側方に大きくはみ出すことはない。
【0095】
本実施形態の構成によると、リンク63にアイドルギヤが配置されていないため、第1実施形態で示したリンク43と比べて、リンクの構造が簡素化される。その他の作用効果は、第1実施形態と同様である。
<第4実施形態>
本実施形態は、第1実施形態で示した両開きのコンソールボックスBを片開きのコンソールボックスに変更した実施形態である。
【0096】
図8に本実施形態における片開きの収納ボックスの構造を説明する斜視図を示す。図8(a)はリッド120が開口部112を閉じている状態、図8(b)はリッド120が開口部112を開いている状態を示している。
【0097】
本実施形態の片開きの収納ボックスであるコンソールボックスBBは、上部に開口部112を備えるボックス本体110と、開口部112の左側から開口部112を開閉することができるリッド120と、開口部112の右側に設けられかつボックス本体110とリッド120とを回転自在に連結する前後一対の回転軸部140,140とを備えている。
【0098】
ボックス本体110は樹脂製であり、ボックス本体110の外郭となる外周壁と、収納部111が形成される内周壁と、矩形の開口部112が形成される略矩形(樽形)の平面形状の上壁113とからなる。上壁113の前方及び後方には、開口部112の右側に設けられた前後一対の回転軸部140,140を上壁113よりも下方に収納する矩形の回転軸部収納孔114,114が形成されている。
【0099】
ボックス本体110の左右の外周壁は、外側に膨らんだ曲面として形成されており、上壁113の平面形状は、左右の輪郭が外側に膨らんだ曲線を呈している。このように、コンソールボックスBBの外観に曲線(曲面)を採用することによって、コンソールボックスBBの意匠性が高められている。
【0100】
リッド120は樹脂製であり、ボックス本体110の上壁113と対向して開口部112を閉鎖する下面120bと、乗員の肘掛けとして使用されるクッション部材が取り付けられた上面120aとを有している。リッド120の平面形状は、ボックス本体110の上壁113の平面形状と略同寸法の略矩形(樽形)である。また、クッション部材のクッション厚は平面的にほぼ均一厚さとなっている。
【0101】
回転軸部140は金属製であり、第1実施形態で示した回転軸部40に備わる被係合部材44を連結部材144に変更した構造よりなる。連結部材144は被係合部材44と同様の板状を呈し、リッド120の下面120bの右側にネジ止めにより固定されている。その他の構造については第1実施形態と同一であるため説明を省略する。
【0102】
図8(a)に示すとおり、リッド120が開口部112を閉じている状態において、リッド120の下面120bとボックス本体110の上壁113との間には、従来のコンソールボックス90で示したような大きな隙間Sが形成されてはいない。また、この状態において、回転軸部140は、回転軸部収納孔114に収納された基準位置にある。
【0103】
図8(b)に示すとおり、リッド120をリッド回転軸141を中心として上方に回転させて、開口部112を開放すると、このリッド120の開動作と連動して、リンク回転機構によって、リンク143が上方に回転して、リッド回転軸141が徐々に上昇する。
【0104】
リッド120が最大開度まで開くと、リッド回転軸141も左斜め上方の最も高い位置まで上昇する。この状態において、リッド回転軸141とボックス本体110との間に大きな間隔が確保されるため、リッド120の右側の輪郭が外側に最も膨らんでいる部分Jとボックス本体110の上壁113とが干渉することはない。
【0105】
本実施形態の構成によると、リッド120の開動作と連動してリッド回転軸141が斜め上方へ上昇することにより、リッド回転軸141とボックス本体110との間隔が徐々に大きくなる。このため、コンソールボックスBBの左右の側面の輪郭を外側に膨らんだ曲線とすることによって意匠性を高める場合であっても、リッド120が開口部112を閉鎖している状態において、リッド120の下面120bとボックス本体110の上壁113との間に大きな隙間を確保する必要がなく、見栄えが良い。その他の作用効果は、第1実施形態とほぼ同様である。
【0106】
なお、本発明の収納ボックスは上述した第1〜4の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0107】
例えば、第1〜4実施形態において、ボックス本体及びリッドを樹脂製としたが、ボックス本体及びリッドは樹脂に限らず、金属、木材等の各種材料により形成することができる。
【0108】
また、第1実施形態において、リッド20のクッション部材22をリッド基部部材21に対して摺動可能な構造としたが、クッション部材22とリッド基部部材21とが摺動可能な構造となっていなくてもよい。
【0109】
また、第4実施形態において、リッド120のクッション部材を前後方向に摺動可能な構造としてはいないが、リッド120の構造を第1実施形態のリッド20のようにクッション部材が前後方向に摺動可能な構造としてもよい。
【0110】
また、第4実施形態において、回転軸部140の構造を第1実施形態の回転軸部40と同様の構造としたが、回転軸部140の構造を第2実施形態の回転軸部50、又は第3実施形態の回転軸部60と同様の構造とすることもできる。
【0111】
また、第1〜3実施形態において、本発明の両開きの収納ボックスを車両のコンソールボックスとして適用する実施形態を示したが、本発明の両開きの収納ボックスは、車両のコンソールボックスとしての適用に限らず、両開きのリッド(蓋)を備える各種収納ボックスに適用することができる。例えば、両開きドアを備える冷蔵庫や、両開き蓋を備えるクーラーボックスとして具現化することができる。
【符号の説明】
【0112】
10 … ボックス本体 11 … 収納部
12 … 開口部 13 … 上壁
14 … 回転軸部収納孔 15 … 小物入れ
20 … リッド 21 … リッド基部部材
21a … 上面 21b … 下面
21c,21c’… レール 21d … 貫通部
21e … 凹部
22 … クッション部材(リッド表層部部材)
22a … 上面 22b … 下面
22c,22c’… レール溝 30,30’… 操作ボタン
30a,30a’… 係合爪(係合部材) 40,40’… 回転軸部
41 … リッド回転軸 41a … リッド軸受部ギヤ
42 … リンク回転軸 42a … リンク誘導ギヤ
43 … リンク 44,44’… 被係合部材
44a,44a’… 被係合孔 45 … アイドルギヤ回転軸
45a … アイドルギヤ
50 … 回転軸部 51 … リッド回転軸
51a … リッド軸受部材 52 … リンク回転軸
52a … リンクギヤ 53 … リンク
54 … 被係合部材 55 … アイドルギヤ回転軸
55a … アイドルギヤ 55b … 第1段ギヤ(ピニオンギヤ)
55c … 第2段ギヤ 56 … アーム
56a … ラックギヤ 57 … ラック回転軸
57a … ラック軸受部材 58 … ストッパ
60 … 回転軸部 61 … リッド回転軸
61a … リッド軸受部材 62 … リンク回転軸
62a … リンクギヤ 63 … リンク
64 … 被係合部材 65 … アイドルギヤ回転軸
65a … アイドルギヤ 66 … アーム連結軸
66a … 第1アーム 66b … 第2アーム
67 … アーム回転軸 67a … アーム軸受部材
110 … ボックス本体 111 … 収納部
112 … 開口部 113 … 上壁
114 … 回転軸部収納孔 120 … リッド
120a… 上面 120b… 下面
140 … 回転軸部 141 … リッド回転軸
143 … リンク 144 … 連結部材
B,BB… コンソールボックス(収納ボックス)
C … 軌道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部を備えるボックス本体と、該開口部の両側のうちの一方側から該開口部を開閉することができるリッドと、該開口部の該両側のうちの他方側に設けられかつ該ボックス本体と該リッドとを回転自在に連結する一対の回転軸部と、を備える片開きの収納ボックスであって、
前記ボックス本体の前記開口部が形成された上壁には、該開口部の前記他方側に、一対の前記回転軸部を収納する一対の回転軸部収納孔が形成され、
前記回転軸部は、前記リッドの下部の下面に連結される連結部材と、該連結部材の前記上壁の外周側に配置されかつ該連結部材を回転自在に連結するリッド回転軸と、前記ボックス本体の該上壁よりも下方でかつ該リッド回転軸の該上壁の内部側の斜め下方に固定されたリンク回転軸と、一端側が該リッド回転軸に回転自在に連結されかつ他端側が該リンク回転軸に回転自在に連結されたリンクと、該リッドの該リッド回転軸を中心とする回転動作を該リンクに伝達することにより該リンクを該リンク回転軸を中心として回転させるリンク回転機構と、を備え、
前記リッドが前記開口部を閉鎖している状態において、一対の前記回転軸部は、一対の前記回転軸部収納孔に収納された基準位置にあり、
前記リッドが前記開口部を前記一方側から開放するときには、前記他方側の一対の前記リンク回転機構によって、該リッドの開動作と連動して該他方側の一対の前記リッド回転軸を上昇させることを特徴とする収納ボックス。
【請求項2】
上部に開口部を備えるボックス本体と、該開口部の両側のうちの一方側及び他方側の双方から該開口部を開閉することができるリッドと、該開口部の該両側のそれぞれの側に設けられかつ該ボックス本体と該リッドとを回転自在に連結する各一対の回転軸部と、を備える両開きの収納ボックスであって、
前記ボックス本体の前記開口部が形成された上壁には、該開口部の前記両側のそれぞれの側に、各一対の前記回転軸部を収納する各一対の回転軸部収納孔が形成され、
前記リッドは、各一対の前記回転軸部のそれぞれと係合する各一対の係合部材と、各一対の該回転軸部と各一対の該係合部材との係合のうちの前記一方側の係合及び前記他方側の係合をそれぞれ解除する操作ボタンと、を備え、
前記回転軸部は、前記リッドの下部の下面に配置され、該リッドの前記係合部材に係合される被係合部材と、該被係合部材の前記上壁の外周側に配置されかつ該被係合部材を回転自在に連結するリッド回転軸と、前記ボックス本体の該上壁よりも下方でかつ該リッド回転軸の該上壁の内部側の斜め下方に固定されたリンク回転軸と、一端側が該リッド回転軸に回転自在に連結されかつ他端側が該リンク回転軸に回転自在に連結されたリンクと、該リッドの該リッド回転軸を中心とする回転動作を該リンクに伝達することにより該リンクを該リンク回転軸を中心として回転させるリンク回転機構と、を備え、
前記リッドが前記開口部を閉鎖している状態において、各一対の前記回転軸部は、各一対の前記回転軸部収納孔に収納された基準位置にあり、
前記リッドが前記開口部を前記一方側又は前記他方側から開放するときには、該開口部を開放する側の一対の前記回転軸部と一対の前記係合部材との係合を前記操作ボタンの操作で解除した後に、該開口部を開放する側と異なる側の一対の前記リンク回転機構によって、該リッドの開動作と連動して該開口部を開放する側と異なる側の一対の前記リッド回転軸を上昇させることを特徴とする収納ボックス。
【請求項3】
前記リンク回転機構は、前記連結部材又は前記被係合部材に固定されかつ前記リッド回転軸を枢支するリッド軸受部ギヤと、前記ボックス本体に固定されかつ前記リンク回転軸を中心とするリンク誘導ギヤと、前記リンクに回転自在に連結されかつ該リッド軸受部ギヤ及び該リンク誘導ギヤの双方に噛み合うアイドルギヤと、を備え、
前記リッドが回転することにより前記リッド軸受部ギヤが回転し、該リッド軸受部ギヤの回転が前記アイドルギヤに伝達することにより該アイドルギヤが該リッド軸受部ギヤの回転方向と逆方向に回転し、該アイドルギヤの回転が前記リンク誘導ギヤに伝達することにより前記リンクが該リンク回転軸を中心として回転することを特徴とする請求項1又は2に記載の収納ボックス。
【請求項4】
前記リンク回転機構は、前記リンク回転軸を中心として前記リンクに固定されたリンクギヤと、前記連結部材又は前記被係合部材の前記リッド回転軸が配置された側と異なる側に該リッド回転軸と対向して配置されたラック回転軸と、一端側が該ラック回転軸に回転自在に連結されかつ他端側が前記ボックス本体の前記上壁よりも下方に延設されたラックと、該ボックス本体に回転自在に連結されかつ該ラック及び該リンクギヤの双方に噛み合うアイドルギヤと、を備え、
前記リッドが回転することにより前記ラックが進退し、該ラックの進退が前記アイドルギヤのピニオンに伝達することにより該アイドルギヤが回転し、該アイドルギヤの回転が前記リンクギヤに伝達することにより前記リンクが該リンク回転軸を中心として回転することを特徴とする請求項1又は2に記載の収納ボックス。
【請求項5】
前記リンク回転機構は、前記リンク回転軸を中心として前記リンクに固定されたリンクギヤと、前記連結部材又は前記被係合部材の前記リッド回転軸が配置された側と異なる側に該リッド回転軸と対向して配置されたアーム回転軸と、該ボックス本体に回転自在に連結されかつ該リンクギヤに噛み合うアイドルギヤと、一端側が該アーム回転軸に回転自在に連結されかつ他端側が該アイドルギヤに固定されると共にアーム連結軸により回転自在に連結された2連結のアームと、を備え、
前記リッドが回転することにより前記アームと連結された前記アイドルギヤが回転し、該アイドルギヤの回転が前記リンクギヤに伝達することにより前記リンクが該リンク回転軸を中心として回転することを特徴とする請求項1又は2に記載の収納ボックス。
【請求項6】
前記リッドは、前記開口部を自己の下面で開閉するリッド基部部材と、該リッド基部部材の上面に摺動可能に取り付けられると共に自己の上面が該リッドの表面となるリッド表層部部材と、を備え、
前記リッド基部部材の外周面と前記リッド表層部部材の外周面とが揃う基準位置から該リッド表層部部材を摺動させることによって露出した該リッド基部部材の露出部が、収納部となることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の収納ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−254274(P2010−254274A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196487(P2009−196487)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】