説明

取り外し可能なフランジ継ぎ手の封止のためのくし型両面被覆ガスケット

90°の開口角度を備えたV字形状の同心溝(8)が中に作り出された2つの封止接触表面を備える、取り外し可能なフランジ継ぎ手の封止のためのくし型両面被覆ガスケット(5、13)であって、一方でくし型ガスケット(5、13)の両方の封止接触表面上には、溝(8)の間に、0.2mm〜0.6mmの一定の幅の同心表面Yが作り出され、その一方で同心溝(8)の底部は、0.3mm〜0.5mmの半径を有する円形部(R)によって作り出される、くし型両面被覆ガスケット(5、13)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し可能なフランジ継ぎ手、たとえば配管、取付具、圧力容器などにおけるフランジ継ぎ手の封止のためのくし型両面被覆ガスケットに関し、このときくし型ガスケットの輪郭は、90°の開口角度を備えたV字形状の溝から形成される。
【背景技術】
【0002】
取り外し可能に構成されたフランジ継ぎ手、取付具、圧力容器など用の公知のくし型ガスケットは、概ねリング形状又は環形状のものであり、その断面はさまざまな形状のものであり、これは通常、フランジ継ぎ手の封止に使用される材料に応じて決まる。一般的に、フランジは、ねじを用いて相互に連結され、それによって取り外し可能な連結が得られる。取り外し可能な連結は、修理、再建築などを実施するために有利である。
【0003】
軟性合金鋼又はオーステナイト鋼製のくし型ガスケットが知られている。たいてい、くし型ガスケットは、その両側が、膨張グラファイト、膨張テフロン(登録商標)、サーミキュライト、マイカ、アルミニウム、ニッケル、銀などからの封止ボード又は封止ホイルで被覆されている。封止プレート又は封止ホイルに使用される特定の材料の選択は、パイプライン・システムによって導かれる、又は封止された圧力容器内に存在する媒体の化学物理特性によって特に影響を受ける。
【0004】
フランジ継ぎ手用ガスケットは、たいていリング形状のものであり、接触封止面上には、90°の開口角度、1.5mmの間隔、及び0.75mmの深さを備えたV字形状を有する同心溝が設けられる。V字形状を有する述べられた溝は、封止ライニングと共に、フランジの封止圧縮表面の間に圧縮されたときに封止ライニングの変形を引き起こす。封止ライニングのこの変形により、フランジ継ぎ手の封止効果が増大する。封止されたフランジ継ぎ手の最長の作動信頼性を伴って最も効率的な封止効果を達成することは、パイプライン内で導かれる媒体の化学特性のみならず、その温度及び圧力によって影響される。述べられた封止効果に対する要求は、圧力又は温度、最終的にはこれらの物理値の両方が、パイプライン作動中、相対的に大きな範囲で変動している場合にさらに増大する。フランジ継ぎ手の述べられた封止効果はまた、ねじによって引き起こされた特有の圧力によっても影響され、このねじは、フランジを相互に接合し締め付け、パイプライン又は圧力容器上に設けられ、かつ構造及び形状の面から考えて適切な態様で寸法設定されている。
【0005】
高い特有の圧力及び高温においても非常に良好な封止特性を特徴付ける膨張グラファイトのホイルで両側が被覆されたくし型ガスケットが知られている。くし型ガスケットをフランジの封止表面間に圧縮した際、膨張グラファイトのホイルは、変形させられてその溝内へと入る。取り付け時、くし型ガスケットの接触表面上に作り出された溝の頂点とフランジの封止圧縮表面との間に、膨張グラファイトの連続層が存在するように圧縮を確実にする必要がある。取り付け作業により又はフランジ継ぎ手の使用応力の間、くし型ガスケットの接触表面内の溝の頂点とフランジの封止圧縮表面との直接接触が生じる場合、膨張グラファイトのホイルは断ち切られ、くし型ガスケットの溝内に膨張グラファイトを封入することによって生み出される付帯的な封止の流れの封止原理が、妨害される。このため、フランジ継ぎ手の封止効果は低下し、修理を実施する必要がある。さらに、そのような場合、フランジの封止表面上に非常に頻繁に擦り傷が生じ、これは、修理を実施する必要性を増大させる。
【0006】
くし型ガスケットとフランジの封止表面との直接接触によるそれぞれの対合によって引き起こされる上記で述べられた欠点は、V字形状及び90°の開口角度の溝が設けられたくし型ガスケットには、個々の溝間に、0.25mm〜0.4mmの幅を有するブリッジが設けられるという事実によって大幅に抑えられる。このホイルをくし型ガスケットに取り付けることにより、封止ホイルがくし型ガスケットに固着すると共に、取り付け及び保全作業を実施するための状況を改良することが容易になる。より低い温度ですでに作用し得る接着性を有する接着剤を使用することが、有利である。
【0007】
フランジ継ぎ手は、一部の場合では、相当な、ほとんど並はずれた機械応力並びに熱応力を特徴付けるパイプライン・システムに適用される。これらの場合、特により大きい直径のフランジ継ぎ手においては、この応力は、封止継ぎ手の封止効果、耐用年数、及び信頼性、連結されているフランジの接触表面の達成可能な表面平行性のレベルを悪化させる。フランジの接触連結表面の非平行性並びにそれらの起こり得る表面変形及び不規則性は、取り付け作業をより厳しいものにし、特に環状のくし型両面被覆ガスケットが継ぎ手の封止に使用される場合、封止効果のパラメータに悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明による提出された技術的解決策の目的は、背景技術の改良を達成し、フランジ継ぎ手の最も作動的に信頼高い封止効果を生み出すと共に、連結されたフランジの表面の非平行性及び変形の悪影響を低減するための状況を最適化することであり、これは取り付け及び点検作業に対するノウハウの利用におけるものでもある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、取り外し可能なフランジ継ぎ手の封止のためのくし型両面被覆ガスケットによって達成されており、その原理は、くし型ガスケットの両方の封止接触表面上には、溝の間に、0.2mmから0.6mmの一定幅の同心表面が作り出され、このとき同心溝の底部は、0.3mm〜0.5mmの半径を有する円形部によって作り出されることにある。
【0010】
それと同時に、フランジの封止接触表面及び接触表面が、標準硬度の1.6〜3.2のグレードに合わせて作られる場合がより好ましい。
【0011】
特に圧力容器のカバー用のくし型ガスケットの封止効果のさらなる改良は、くし型ガスケットの各々の封止接触表面が、異なる深さの溝の少なくとも2つのグループを備え、溝の個々のグループが、環形状の連続くぼみによって相互に分離されたときに達成され得る。
【0012】
取り付け及び分解をより容易にするために、封止ホイル又は封止プレートが、相対的に低い融点、たとえば約cca50°Cの接着剤を用いてくし型ガスケットの両方の封止接触表面上に重ねられる場合が好ましい。
【0013】
本発明による解決策のさらなる利点は、くし型ガスケットの封止接触表面内の同心溝が、それぞれの封止接触表面がそれによって被覆される封止ホイル又は封止プレートの体積よりも少ない体積のものであることにある。
【0014】
長期にわたる信頼高い封止効果を達成し、連結されたフランジの表面の非平行性及び変形の悪影響を減少させるには、くし型ガスケットの封止接触表面の各々が、独立した環状部に作り出される場合が好ましくなり、この封止接触表面は、内径上では、互いに向かう方向に曲げられ、接触場所内で連結され、一方外側では、これらは相互に重なり合い、少なくともその一方内に、両方の環状部の連結時に環状チャンバを形成する環状くぼみが作り出される。
【0015】
両方の環状部の連結は、固定縁の継ぎ手、たとえば溶接部などによって、又は取り外し可能な継ぎ手、たとえば係合オフセットによって形成される。
【0016】
封止効果の信頼高い達成を経済的な面から考えると、環状チャンバは、正方形又は矩形の断面のものである場合が好ましい。
【0017】
さらに、環状部の少なくとも1つが、軸方向の圧縮力が作用した際に、ばね状の可撓性を有する場合が好ましい。
【0018】
好ましくは、環状チャンバ内に、膨張グラファイトの環状のばね状挿入物が装着され、それによって作動中のフランジの連結された表面の非平行性及び変形の影響がさらに減少する。
【0019】
発明の例示的な実施例が、図に表される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】すべて環形状のものである、封止ホイルによって両面被覆されたくし型ガスケットを用いてパイプラインを連結するフランジを貫通する部分的な軸方向断面図である。
【図2】異なる深さの溝の2つのグループが適用された、両面被覆くし型ガスケットを用いてカバーによって封止された圧力容器の端部を形成するフランジを貫通する部分断面図である。
【図3】くし型ガスケット上に形成された溝の形状の輪郭の拡大された部分断面図である。
【図4】フランジ、くし型ガスケット及びフランジ継ぎ手内で圧縮した後の封止ホイルを貫通する拡大された部分断面図である。
【図5】封止ホイルで両面被覆され、すべてが環形状のものである、ばね状の挿入物が設けられたくし型長手方向分割式ガスケットを用いてパイプラインを連結するフランジを貫通する部分的な軸方向の断面図である。
【図6】連結されたフランジの軸方向の圧縮の作用の結果、ガスケットの環状部の表面間の圧縮性に明確な相違性を有するくし型長手方向分割式ガスケットを貫通する断面図である。
【図7】図5におけるものであるが、連結されたフランジの接触表面による圧縮後の封止要素の状態(setting)が示されていることが異なる、くし型長手方向分割式ガスケットを用いてパイプラインを連結するフランジを貫通する部分的な軸方向断面図である。
【図8】係止オフセットによる環状平坦部のそれらの内径上の連結を表す、図5における「A」の詳細の拡大された部分断面図である。
【図9】図8におけるものであるが、溶接部を用いた内径上の連結が示されていることが異なる、部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図示されていないパイプラインの端部における上側フランジ1(図1)には、図示されていない連結ねじに合わせて設計された穴2が設けられている。また、連結された、図示されていないパイプラインの端部における下側フランジ3にも、述べられた連結ねじ用の穴4が設けられている。このフランジ継ぎ手の方法及び実施例は、一般的に知られている。フランジ1、3の接触表面間の空間内には、くし型環状ガスケット5が挿入される。くし型ガスケット5は、両側が、これもまた環形状の封止ホイル又は封止プレート6、7で被覆され、その外径及び内径は、好ましくは環状のくし型ガスケット5の内径及び外径と同一である。環状のくし型ガスケット5の封止接触表面には、同心溝8が設けられ、その間には、両方の封止接触表面において、同心表面Yが作り出される。表面Yの幅は、たいてい0.2mm〜0.6の範囲において選択され、これは、封止ホイル又は封止プレート6、7の製造に使用された材料のみならず、圧力、温度、及び述べられたフランジ継ぎ手によって連結されたパイプラインを通って導かれる媒体によって決まる。溝8の底部セクションでは、0.3〜0.5mmの直径を有する円形部Rが作り出される。作り出された円形部Rは、圧縮効果によるフランジ継ぎ手の締め付けの際に溝8の底部に向かうホイル又はプレート6、7によって引き起こされる張力の分布に良い影響を与える。この構造を提供することで、フランジ継ぎ手の封止の信頼性及び全耐用年数に良い影響が及ぼされる。
【0022】
図示されていない圧力容器は、フランジ9(図2)によって終端し、その周囲上には、図示されていない連結ねじ用の穴10が設けられている。圧力容器の閉鎖は、これもまたその周囲に連結ねじ用の穴12が設けられたカバー用フランジ11から形成されたカバーによって生み出される。圧力容器を閉鎖するこうした方法は、一般的に知られている。
【0023】
圧力容器のフランジ9とカバー用フランジ11から形成されたカバーとの間には、環状のくし型ガスケット13が挿入され、この環状のくし型ガスケット13は、図示された実施例では、その接触封止表面上に、異なる深さSの同心の環状溝14、15の2つのシステムが設けられる。深い方の同心溝14のシステムは、浅い方の同心溝15のシステムから環状くぼみ16によって分離される。また、環状のくし型ガスケット13のこの実施例は、両側が、封止ホイル又は封止プレート17、18で被覆されている。環状溝14、15の異なる深さを適用することは、特に、圧力容器の圧力によって生じ得る、カバー用フランジ11から形成されたカバーが表面変形する場合、封止効果を高める有利な技術的事項である。
【0024】
フランジ継ぎ手のねじが締め付けられた後、封止ホイル又は封止プレート6、7もまたくし型ガスケット5と共に圧縮され、それにより、フランジ1、3、9、11の接触面の間の空間及びくし型ガスケット5の溝8の間の表面Yにおいて、封止ホイル、場合により封止プレート6、7、それぞれ17、18の材料の圧迫された一体層Xが見られるようになる。この圧迫された一体層Xの厚さは、実際は、0.02mm〜0.3mmの範囲にあるように決定され、これは、封止ホイル又は封止プレート6、7に使用される材料、それぞれ17、18並びにフランジ継ぎ手によって封止される媒体の圧力及び温度によって決まる。フランジ継ぎ手を締め付けた後の封止ホイル又は封止プレート6、7、17、18の材料の圧迫された一体層X(図4)の厚さは、達成される封止効果に直接影響を及ぼす。材料の層Xが不適切に厚いと、特に圧力の作用により、封止ホイル又は封止プレート6、7、17、18の材料が押しやられるということが引き起こされ、したがって、フランジ継ぎ手における封止効果の望ましくない低減が引き起こされる。
【0025】
取り外し可能なフランジ継ぎ手の封止のためのくし型両面被覆ガスケットの形状及び寸法的構成は、フランジ継ぎ手の締め付け後の封止ホイル又は封止プレート6、7、17、18の体積より小さいくし型ガスケット5、13の溝8の内部空間の体積を有する。
【0026】
保全作業を含む取り付け作業を容易にするために、くし型ガスケット5、13は、両側が、相対的に低い融点、たとえば約50°Cの接着剤で重ねられた封止ホイル又は封止プレート6、7、17、18で被覆される場合が有利である。述べられた利点は、熱の作用により、損傷した封止ホイル又はプレート6、7、それぞれ17、18のより容易かつ円滑な取り外しのための状況が作り出されることにある。
【0027】
本発明による説明された技術的解決策は、封止された媒体が、高い輸送圧力、たとえば100〜150MPa、及び500℃を上回る温度まで達し得る可変温度を有する、パイプライン及び加圧システムに適用可能である。本発明による解決策はまた、低圧(underpressure)で作動するシステムにも適用され得る。
【0028】
封止ホイル又は封止プレート6、7、17、18に使用される材料は、概して、封止される媒体のパラメータ及び特性に基づいており、これは、膨張グラファイト以外の十分適する材料がまた、たとえば膨張テフロン(登録商標)、銀、サーミキュライト、アルミニウム、専用の線維性ゴム材料であることを意味している。
【0029】
図5及び図7による実施例の実例では、図示されていないパイプラインの端部にあるフランジ1には、図示されていない連結ねじに合わせて設計された穴2が設けられている。また、接合された、図示されないパイプラインの端部の下側フランジ3にも、述べられた、図示されない連結ねじ用の穴4が設けられている。フランジ1、3の接触表面間の空間内には、環状接触くし型ガスケット5が挿入される。くし型ガスケット5は、両側から、これもまた環形状の封止ホイル又は封止プレート6、7によって被覆され、その外径及び内径は、好ましくは環状のくし型ガスケット5の内径及び外径と相対的に同一である。環状のくし型ガスケット5は、2つの環状平坦部5a、5bから作製され、その内径は、曲がり部51によって終端される。環状平坦部5a、5bは、好ましくはその表面内では、外側円周の終端部以外は鏡像として形成される。環状平坦部の1つ、たとえば外側円周上の部分5aには、垂直な戻り止め52が設けられ、この戻り止め52は、第2の反対側に配置された部分5bの外側円周に変位可能に重なる。環状平坦部5aの外面には、同心溝8aが設けられ、反対側の環状平坦部5bの外面には、同心溝8bが設けられている。環状平坦部の少なくとも1つ、たとえば5aは、その内面上にくぼみが設けられ、このくぼみは、両方の環状平坦部5a、5bの組み立て後に、矩形又は正方形形状の係止可能なチャンバ53を形成する。係止可能なチャンバ53は、その曲がり部51及び溶接部55aによる固定連結に起因するものであり、或いは、三角形状の空間54によって内径方向に終端された述べられた環状平坦セクション5a、5bの内径上の、係止オフセット55bによるものである。
【0030】
環状のくし型ガスケット5の組み立て時、環状平坦部5a、5bの固定された、特に取り外し不能な継ぎ手をそれらの内径上に作り出す前に、係止可能なチャンバ53の空間内に、膨張グラファイト、又は戻り回復能力を含む、設定された予負荷の安定性を確実にする抗押出特性(anti−extrusive)を有する他の材料の環状のばね状挿入物20が挿入されることが、技術面から考えて適切である。矩形又は正方形の直径のばね状挿入物20の厚さは、構造的に、封止されるフランジ継ぎ手の直径、パイプラインによって導かれる媒体の作動圧力及び温度、矢印P及びPの方向に連結されたフランジの最適な軸方向の圧縮、また図示された値Wによって図に示された調整可能な予負荷の有用性の考慮に応じて寸法設定される。
【0031】
表面の可撓性、すなわち、ばね状挿入物20が生み出される材料の可撓弾性の特性と相まった環状平坦部5a、5bの表面可撓性の能力はそれぞれ、フランジ継ぎ手の組み立て中、関係するノウハウと相まって、またそれと同時に本発明による技術的解決策の原理を利用したときに、連結されたフランジ1、3の接触表面が適切に変形し、又は適切に非平行化する場合、長期間にわたる耐用年数を伴って相対的に完璧な封止効果が達成されていることを可能にしている。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明による技術的解決策は、作動の必要性に応じて、封止される媒体の圧力及び温度の両方が可変である加圧及び低圧パイプライン・システムに適用可能である。そのような封止されたフランジ継ぎ手の試験では、150MPaを上回る圧力及び500℃を上回る温度でそれらの信頼性及びそれらの耐用年数を実証した。
【符号の説明】
【0033】
1 上側フランジ
2 穴
3 下側フランジ
5 くし型ガスケット
5a、5b くし型ガスケットの環状平坦部
51 曲がり部
52 垂直な戻り止め
53 チャンバ
54 三角形状の空間
55a 溶接部
55b 係止オフセット
6、7 封止ホイル又はプレート
8 同心溝
8a、8b 同心溝
9 フランジ
10 穴
11 カバー用フランジ
12 穴
13 くし型ガスケット
14 深い方の同心溝
15 浅い方の同心溝
16 環状くぼみ
17、18 封止ホイル又はプレート
20 ばね状挿入物
Y 同心表面
R 溝円形部の半径
S 溝の深さ
X 材料の層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
90°の開口角度を備えたV字形状の同心溝(8)が中に作り出された2つの封止接触表面を備える、取り外し可能なフランジ継ぎ手の封止のためのくし型両面被覆ガスケット(5、13)であって、前記くし型ガスケット(5、13)の両方の封止接触表面上には、前記溝(8)の間に、0.2mm〜0.6mmの一定の幅の同心表面(Y)が作り出され、前記同心溝(8)の底部は、0.3mm〜0.5mmの半径を有する円形部(R)によって作り出されることを特徴とする、くし型両面被覆ガスケット(5、13)。
【請求項2】
フランジ(1、3、9、11)の前記封止接触表面及び接触表面が、標準硬度の1.6〜3.2のグレードに合わせて作られることを特徴とする、請求項1に記載のくし型両面被覆ガスケット。
【請求項3】
前記くし型ガスケット(13)の各々の封止接触表面が、異なる深さの溝(14、15)の少なくとも2つのグループを備え、溝(14、15)の前記個々のグループは、環形状の連続くぼみ(16)によって相互に分離されることを特徴とする、請求項1または2に記載のくし型両面被覆ガスケット。
【請求項4】
くし型ガスケット(5、13)の両方の封止接触表面上で、相対的に低い融点、たとえば約50°Cの接着剤を用いて、前記封止ホイル又は封止プレート(6、7;17、18)が重ねられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のくし型両面被覆ガスケット。
【請求項5】
前記くし型ガスケット(5、13)の封止接触表面内の前記同心溝(8)が、前記それぞれの封止接触表面がそれによって被覆される封止ホイル又は封止プレート(6、7;17、18)の体積より少ない体積のものであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のくし型両面被覆ガスケット。
【請求項6】
前記くし型ガスケット(5、13)の前記封止接触表面の各々が、独立した環状部(5a、5b)上に作り出され、前記封止接触表面は、内径上では互いに向かう方向に曲げられ、接触場所内で連結され、一方外側では、前記封止接触表面は、相互に重なり合い、前記封止接触表面の少なくとも一方内に、両方の環状部の連結時に前記環状チャンバを形成する環状くぼみが作り出されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のくし型両面被覆ガスケット。
【請求項7】
両方の環状部(5a、5b)の連結が、固定縁の継ぎ手、たとえば溶接部(55a)によって形成されることを特徴とする、請求項6に記載のくし型両面被覆ガスケット。
【請求項8】
両方の環状部(5a、5b)の連結が、取り外し可能な継ぎ手、たとえば係止オフセット(55b)によって形成されることを特徴とする、請求項6に記載のくし型両面被覆ガスケット。
【請求項9】
前記環状チャンバが、正方形又は矩形の断面のものであることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載のくし型両面被覆ガスケット。
【請求項10】
前記環状部の少なくとも1つが、軸方向の圧縮力が作用する際、ばね状の可撓性を有することを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載のくし型両面被覆ガスケット。
【請求項11】
前記環状チャンバ内では、膨張グラファイトの環状のばね状挿入物(20)が装着されることを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載のくし型両面被覆ガスケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−528093(P2011−528093A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517744(P2011−517744)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/CZ2009/000078
【国際公開番号】WO2010/006561
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(511013452)
【Fターム(参考)】