説明

取り外し工具及びこれを用いたアダプタの取り外し方法

【課題】アダプタの取り外し作業を容易とし短時間で行うことを可能とする取り外し工具及びこれを用いたアダプタの取り外し方法を提供する。
【解決手段】取り外し工具11は、配線盤53の取付穴61への挿入時に板バネ59が取付穴61によって閉じられ、取付穴61を通過後に板バネ59が開くことで配線盤53に係止されるアダプタ51を取り外す工具であって、アダプタ51の取り外し方向の後端部に当接する前後移動可能に支持されたアダプタ押し部材30と、アダプタ押し部材30よりも前方にあってアダプタ押し部材30がアダプタ51に当接して後方に移動すると板バネ59を閉じる板バネ押さえ部材35とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し工具及びこれを用いたアダプタの取り外し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光配線盤には、光コネクタアダプタを多数配列してなるコネクタ接続盤が設けられている。そして、光ファイバコードの接続替えにおいては、コネクタ接続盤の任意の位置の光コネクタアダプタに接続されている光ファイバコードの光コネクタプラグを抜き取り、他の光コネクタアダプタに接続替えを行う(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−57683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記光コネクタアダプタ等のアダプタには、板バネで配線盤に係止されるものがある。そのアダプタを配線盤の取付穴へ挿入すると、アダプタに設けられた板バネが取付穴によって閉じられ、取付穴を通過後に開くことになる。このようにして、アダプタが配線盤に係止される。このように構成することでアダプタの配線盤への取付作業を容易化できる。
【0005】
しかし、このアダプタを配線盤から取り外す際には、板バネを閉じながらアダプタを取付穴から抜く必要があり、従来は、これを手作業により行っていたため作業が非常に面倒であった。特に、多数のアダプタが近接状態で配列されているような場合には、他のアダプタ及び他のアダプタに接続されたケーブル類への干渉に配慮しつつ作業を行う必要があり、作業性が悪く作業時間が長くなってしまっていた。また、アダプタの脱落を防止するため、配線盤前面側から板バネを閉じながらアダプタを保持する人と、配線盤裏面側からアダプタを引き抜く人による二人作業を余儀なくされていた。もしアダプタが脱落して他のアダプタに接続されている使用中の光ファイバに接触すると、通信に影響を与えてしまうことがある。
【0006】
本発明の目的は、アダプタの取り外し作業を容易とし、作業を短時間で行うことを可能とする取り外し工具及びこれを用いたアダプタの取り外し方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決することのできる本発明に係る取り外し工具は、板体の取付穴への挿入時に板バネが前記取付穴によって閉じられ、前記取付穴を通過後に前記板バネが開くことで前記板体に係止されるアダプタを取り外す工具であって、
前記アダプタの取り外し方向の後端部に当接する前後移動可能に支持されたアダプタ押し部材と、
前記アダプタ押し部材よりも前方にあって前記アダプタ押し部材が前記アダプタに当接して後方に移動すると前記板バネを閉じる板バネ押さえ部材とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る取り外し工具において、前記アダプタ押し部材は、付勢バネで前方に付勢されて使用初期位置に位置決めされることが好ましい。
【0009】
本発明に係る取り外し工具において、取り外し対象のアダプタに対し隣り合うアダプタから逃げる切欠部が形成されていることが好ましい。
【0010】
本発明に係る取り外し工具において、取り外し対象のアダプタに対し隣り合うアダプタに接続されたケーブルから逃げるテーパ部が形成されていることが好ましい。
【0011】
また、本発明のアダプタの取り外し方法は、前記本発明の取り外し工具を用いて前記アダプタを前記板体から取り外す方法であって、
前記取り外し工具を前記アダプタに対して取り外し方向に前進させることにより、前記アダプタ押し部材を前記アダプタの後端部に当接させて後方に移動させた後、
前記板バネ押さえ部材で前記板バネを閉じ、さらに前記アダプタ押し部材で前記アダプタを前方に押して前進させることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る取り外し方法において、前記アダプタ押し部材で前記アダプタを前方に押して前進させることで、前記取付穴内で前記板バネを開き、前記アダプタを前記板体に保持させることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の取り外し工具及びこれを用いたアダプタの取り外し方法によれば、取り外し工具をアダプタに対して取り外し方向に前進させることにより、アダプタ押し部材をアダプタの後端部に当接させて後方に移動させた後、板バネ押さえ部材で板バネを閉じ、さらにアダプタ押し部材でアダプタを前方に押して前進させることになる。このため、アダプタの取り外し作業が容易となり、短時間で行うことが可能となる。また、多数のアダプタが近接状態で配列されているような場合であっても、他のアダプタ及び他のアダプタに接続されたケーブル類へ干渉することなく対象のアダプタを取り外すことができ、他のアダプタに接続されたケーブル類の損傷等を防止できる。したがって、作業の信頼性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る取り外し工具及びこれを用いたアダプタの取り外し方法の実施の形態の例について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係る取り外し工具の一実施形態を示すもので、(a)は透過側面図、(b)は透過平面図、(c)は透過正面図である。図2は本発明に係る取り外し工具によって取り外されるアダプタを配線盤に取り付けた状態を示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図である。図3は本発明に係る取り外し工具を用いたアダプタの取り外し方法を示す平断面図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の取り外し工具11は、その後端部に、使用時に作業者の手で把持される合成樹脂製のグリップ12が設けられている。また、取り外し工具11は、グリップ12に一端側が埋設固定されてグリップ12から前方に延出する金属製の棒部材13を有している。この棒部材13の前端側には雄ネジ14が形成されている。
【0017】
また、取り外し工具11は、棒部材13の雄ネジ14に螺合されることで棒部材13に固定されるアルミニウム合金製のベース本体17を有している。このベース本体17は、棒部材13から前方に延出するベース板部18と、このベース板部18の幅方向両側の端縁部から互いに平行となるようにベース板部18に対して垂直に延出する略矩形状の一対の延出板部19とを有している。つまり、ベース本体17は、正面視U字状をなしている。
【0018】
一対の延出板部19には、それぞれ一対のガイドピン21が間隔をあけて嵌合されて固定されている。これらガイドピン21は、棒部材13と平行に延出板部19から前方に突出している。
【0019】
また、両側の延出板部19には、それぞれ、ガイドピン21間に、前方に開口する一対の挿入穴23が形成されている。挿入穴23には、それぞれコイルバネ(付勢バネ)24が挿入されており、これらのコイルバネ24も延出板部19から前方に突出している。
【0020】
また、両側の延出板部19には、それぞれ、両側の挿入穴23の間の中央位置に、棒部材13側が大径で棒部材13とは反対側が小径の段付き穴26が形成されている。段付き穴26には、棒部材13側が大径で棒部材13とは反対側が小径の段付き形状のガイド棒27が摺動可能に挿入されている。これらのガイド棒27も延出板部19から前方に突出している。
【0021】
両側の延出板部19の前側には、それぞれアルミニウム合金製のアダプタ押し部材30が設けられている。これらのアダプタ押し部材30は、それぞれガイド棒27に固定されており、両端側のガイド穴31にガイドピン21を摺動可能に嵌合させている。これにより、これらアダプタ押し部材30は、それぞれ、ガイド棒27が段付き穴26に案内され、両端側のガイド穴31がガイドピン21に案内されることで、ベース本体17に対して前後移動可能に支持されている。また、アダプタ押し部材30は、それぞれがコイルバネ24によってベース本体17から離れる方向である前方に付勢され、板バネ押さえ部材35に当接して使用初期位置に位置決めされる。
【0022】
ベース本体17の前側には、アダプタ押し部材30よりも前方に位置するように、アルミニウム合金製の板バネ押さえ部材35がボルト36で固定されている。この板バネ押さえ部材35は、ベース板部18の前面にボルト36で固定されて前方に延出する固定板部37と、この固定板部37の幅方向両側の端縁部からアダプタ押し部材30の前方に位置するようにベース板部18に対して垂直に延出する略矩形状の一対の押さえ板部38とを有している。つまり、板バネ押さえ部材35も、正面視U字状をなしている。押さえ板部38には、それぞれ、前端部の互いに近接する側にガイド面40が形成されている。
なお、両側のアダプタ押し部材30は、押さえ板部38よりも、互いに近接する方向に突出している。
【0023】
固定板部37の幅方向の中間部分には、押さえ板部38よりも後方に後退させることにより切欠部41が形成されており、この中間部分の前端には、押さえ板部38とは反対側に、後側ほど押さえ板部38から離れる方向に傾斜するテーパ部39が形成されている。
【0024】
次に、上記取り外し工具11で取り外されるアダプタ51について説明する。
図2に示すように、アダプタ51は、光ファイバ心線(ケーブル)52に取り付けられた光コネクタ54が接続されるアダプタであり、板状の配線盤(板体)53に取り付けられて用いられるものである。なお、光ファイバ心線52は、光ファイバ素線や光ファイバコードの形態の場合もある。アダプタ51は、中央にフランジ部55が形成された略直方体形状をなしており、フランジ部55の両側に本体部56が形成されている。フランジ部55の両側に形成された本体部56には、それぞれ複数本、具体的には4本の光ファイバ心線52の光コネクタ54が並列状態で接続可能となっている。よって、本体部56は、光ファイバ心線52の配列方向に長い形状となっている。
【0025】
アダプタ51の一側の本体部56には、一対のバネ部材58が長さ方向の両側に取り付けられている。バネ部材58は、本体部56を幅方向の両側から挟持することで本体部56に保持される。これらのバネ部材58には、それぞれの本体部56の幅方向における両側に板バネ59が切り起こされて形成されている。板バネ59は、フランジ部55とは反対側を基端とし、フランジ部55側を先端とするように切り起こされており、フランジ部55側ほど本体部56からの距離が大きくなるように傾斜している。なお、板バネ59は、弾性変形可能であるため、本体部56からの距離が大きい開状態と本体部56からの距離が小さい閉状態との間で開閉可能となっている。また、これらの板バネ59とフランジ部55との距離は、配線盤53の厚さ寸法よりも僅かに大きな寸法に設定されている。
【0026】
配線盤53には、アダプタ51の一側の本体部56が挿入される矩形状の取付穴61が形成されている。この取付穴61は、本体部56の長さ及び幅と同等の長さ及び幅を有する矩形穴であり、長さ方向を例えば上下方向に一致させて形成されている。配線盤53には、取付穴61が、それぞれの長さ方向の位置を合わせて幅方向に等間隔で複数形成され、また、それぞれの幅方向の位置を合わせて長さ方向にも等間隔で複数形成されている。これにより、配線盤53には、複数のアダプタ51が、それぞれの長さ方向の位置を合わせて幅方向に等間隔で複数取り付けられている。
【0027】
配線盤53にアダプタ51を取り付ける場合には、バネ部材58が装着された本体部56を先頭にし、この本体部56を配線盤53の取り付け対象の取付穴61に挿入する。すると、板バネ59が、基端側から先に取付穴61に挿入されることになり、取付穴61で押されて閉方向に弾性変形して取付穴61の幅に合うように縮んで本体部56に近づく。このように板バネ59が取付穴61によって閉じられた後、取付穴61を通過すると弾性復元力で開く。これにより、板バネ59とフランジ部55とで配線盤53を挟持する状態になり、アダプタ51が配線盤53に係止される。
【0028】
次に、上記の取り外し工具11を用いてアダプタ51を配線盤53から取り外す取り外し方法について説明する。
【0029】
作業者は、取り外し工具11をそのグリップ12を把持して板バネ押さえ部材35の位置を、図3(a)に示すように、取り外し対象のアダプタ51に合わせる。つまり、板バネ押さえ部材35の両押さえ板部38間に取り外し対象のアダプタ51が位置するように取り外し工具11の位置を決める。この状態から、作業者が取り外し工具11を取り外し方向(アダプタ51に向かう方向)に前進させると、取り外し工具11は、板バネ押さえ部材35の両押さえ板部38間に取り外し対象のアダプタ51を進入させることになる。このとき、押さえ板部38の前端部に形成されたガイド面40で、押さえ板部38間にアダプタ51が案内される。なお、押さえ板部38間、アダプタ押し部材30間及び延出板部19間に光コネクタ54を通すことができるので、光ファイバ心線52が接続された状態でも作業が可能である。
【0030】
作業者が取り外し工具11を取り外し方向にさらに前進させると、図3(b)に示すように、アダプタ押し部材30がアダプタ51の後端部に当接する。そして、作業者がさらに取り外し工具11を前進させると、アダプタ51の後端部でアダプタ押し部材30が停止したまま、板バネ押さえ部材35及びベース本体17が前進する。これにより、アダプタ押し部材30が板バネ押さえ部材35及びベース本体17に対して後方に向けて移動し、コイルバネ24を収縮させる。
【0031】
さらに、作業者が取り外し工具11を取り外し方向に前進させると、図3(c)に示すように、板バネ押さえ部材35の押さえ板部38がアダプタ51の板バネ59に乗り上げて板バネ59を弾性変形させて閉じることになる。そして、板バネ59が取付穴61を通過可能な位置まで閉じられると、アダプタ51は配線盤53による係止が解除されることになり、これにより、収縮していたコイルバネ24が初期位置に戻るべくアダプタ押し部材30を前方に押圧し、アダプタ押し部材30がアダプタ51を前方に押して配線盤53に対して前進させる。すると、図3(d)に示すように板バネ59の先端が取付穴61よりも前方に位置する。これにより、アダプタ51は配線盤53への係止が解除された状態が維持されることになり、取付穴61に対して取り外し方向の引き抜きが可能になる。よって、作業者は、アダプタ51を把持して引き抜くことでアダプタ51を配線盤53から取り外すことができる。さらには、図3(d)の状態で取り外し工具11を後退させてアダプタ51から外しても、図3(e)に示すように取付穴61内で板バネ59が開いて取付穴61に挟持され、アダプタ51を配線盤53の裏面側から容易に取外し可能な状態で配線盤53に保持させることもできる。
【0032】
なお、板バネ押さえ部材35の押さえ板部38及びベース本体17の延出板部19の幅は、取り外し作業時に、取り外し対象のアダプタ51の横に隣接するアダプタ51に干渉することなく移動できる寸法に設定されている。また、板バネ押さえ部材35の固定板部37の幅方向の中間部分には、隣り合うアダプタから逃げるように切欠部41が形成されているので、取り外し対象のアダプタ51の縦に隣接するアダプタ51に干渉することなく取り外し対象のアダプタ51を取り外すことができる。さらに、固定板部37の幅方向の中間部分の前端には、隣り合うアダプタに接続されたケーブルから逃げるようにテーパ部39が形成されているので、取り外し対象のアダプタ51を取り外す際に、縦に隣接するアダプタ51から引き出されている光ファイバ心線52が取り外し工具11と干渉することを避けることができる。
【0033】
以上説明したように、上記実施形態に係る取り外し工具11及びこれを用いたアダプタ51の取り外し方法によれば、取り外し工具11をアダプタ51に対して取り外し方向に前進させることにより、アダプタ押し部材30をアダプタ51の後端部に当接させて後方に移動させた後、板バネ押さえ部材35の両押さえ板部38で板バネ59を閉じ、さらにアダプタ押し部材30でアダプタ51を前方に押して前進させることになる。このため、アダプタ51の取り外し作業が容易となり、短時間で行うことが可能となる。また、多数のアダプタ51が近接状態で配列されているような場合であっても、作業者はグリップ12を把持して取り外し工具11を前方に押すだけでよいので、アダプタ51付近まで作業者が手を伸ばす必要がない。すなわち他のアダプタ51及び他のアダプタ51から引き出されている光ファイバ心線52へ干渉することなく取り外し対象のアダプタ51を取り外すことができ、他のアダプタ51から引き出されている光ファイバ心線52の損傷等を防止できる。また、図3(e)のようにアダプタ11を配線盤53裏面側から容易に取外し可能な状態で配線盤53に保持させ、その後に配線盤53裏面側からアダプタ11を引き抜くことで、当該一連の作業を一人で行うことが可能となる。さらには、アダプタが脱落して使用中の光ファイバに接触し、通信に影響を与えるような事態も防止することができる。したがって、作業の信頼性を向上できる。
【0034】
また、アダプタ押し部材30が、コイルバネ24で前方に付勢されて使用初期位置に位置決めされることになるため、板バネ59を閉じたコネクタ51をコイルバネ24の付勢力で取り外し方向に移動させることができる。なお、アダプタ押し部材30は、コイルバネ24で前方に付勢される形態でなくてもよく、例えばレバー等でアダプタ押し部材30を前方に変位させる構成であってもよい。
【0035】
また、板バネ押さえ部材35には、取り外し対象のアダプタ51に対し縦に隣接するアダプタ51から逃げる切欠部41が形成されているので、隣接するアダプタ51に干渉することなく取り外し対象のアダプタ51を円滑に取り外すことができ、作業性を向上できる。
【0036】
さらに、板バネ押さえ部材35には、取り外し対象のアダプタ51に対し縦に隣接するアダプタ51に接続された光ファイバ心線52から逃げるテーパ部39が形成されているので、隣接するアダプタ51から引き出されている光ファイバ心線52に接触しても、光ファイバ心線52を緩やかに逃がすことができ、光ファイバ心線52を許容曲げ径より小さい曲げ径で曲げることを防止できる。したがって、作業の信頼性をさらに向上できる。
【0037】
また、押さえ板部38の前端部に形成されたガイド面40で、押さえ板部38間にアダプタ51を案内することができ、押さえ板部38間へのアダプタ51の進入を円滑に行うことができる。
【0038】
なお、上記実施形態においては、片側に4本の光ファイバ心線52を接続可能なアダプタ51を取り外す場合を例示して説明したが、他のアダプタを取り外す場合にも適用可能である。例えば、片側に2本の光ファイバ心線52を接続可能なアダプタを取り外す場合には、板バネ押さえ部材35の押さえ板部38、アダプタ押し部材30及びベース本体17の延出板部19のそれぞれの長さが、その分短い取り外し工具を用いれば良い。また、光ファイバ心線52以外のケーブルを接続可能なアダプタにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る取り外し工具を示す図であり、(a)は透過側面図、(b)は透過平面図、(c)は透過正面図である。
【図2】取り外し工具によって取り外されるアダプタを配線盤に取り付けた状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】取り外し工具を用いたアダプタの取り外し方法を示す平断面図である。
【符号の説明】
【0040】
11:取り外し工具、24:コイルバネ(付勢バネ)、30:アダプタ押し部材、35:板バネ押さえ部材、39:テーパ部、41:切欠部、51:アダプタ、52:光ファイバ心線(ケーブル)、53:配線盤(板体)、59:板バネ、61:取付穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板体の取付穴への挿入時に板バネが前記取付穴によって閉じられ、前記取付穴を通過後に前記板バネが開くことで前記板体に係止されるアダプタを取り外す工具であって、
前記アダプタの取り外し方向の後端部に当接する前後移動可能に支持されたアダプタ押し部材と、
前記アダプタ押し部材よりも前方にあって前記アダプタ押し部材が前記アダプタに当接して後方に移動すると前記板バネを閉じる板バネ押さえ部材とを有することを特徴とする取り外し工具。
【請求項2】
請求項1に記載の取り外し工具であって、
前記アダプタ押し部材は、付勢バネで前方に付勢されて使用初期位置に位置決めされることを特徴とする取り外し工具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の取り外し工具であって、
取り外し対象のアダプタに対し隣り合うアダプタから逃げる切欠部が形成されていることを特徴とする取り外し工具。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の取り外し工具であって、
取り外し対象のアダプタに対し隣り合うアダプタに接続されたケーブルから逃げるテーパ部が形成されていることを特徴とする取り外し工具。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の取り外し工具を用いて前記アダプタを前記板体から取り外す方法であって、
前記取り外し工具を前記アダプタに対して取り外し方向に前進させることにより、前記アダプタ押し部材を前記アダプタの後端部に当接させて後方に移動させた後、
前記板バネ押さえ部材で前記板バネを閉じ、さらに前記アダプタ押し部材で前記アダプタを前方に押して前進させることを特徴とするアダプタの取り外し方法。
【請求項6】
請求項5記載のアダプタの取り外し方法であって、
前記アダプタ押し部材で前記アダプタを前方に押して前進させることで、前記取付穴内で前記板バネを開き、前記アダプタを前記板体に保持させることを特徴とするアダプタの取り外し方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−98787(P2010−98787A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265204(P2008−265204)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(592089814)住電ハイプレシジョン株式会社 (30)
【出願人】(595026036)東日本システム建設株式会社 (2)
【Fターム(参考)】