説明

受信品質測定方法及び送信電力制御方法ならびにそれらの装置

【目的】フェージング環境であってもSIRを正確に測定する。
【構成】基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局は、(1)着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いて干渉電力ISCPを計算し、(2)該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算し、(3)これらISCPと基準ISCPの差により次の着目時刻におけるISCPを補正し、(4)該補正により求まるISCPとF-DCPHシンボルのRSCPとを用いて移動局の信号対干渉電力比SIRを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信品質測定方法及び送信電力制御方法ならびにそれらの装置に係わり、特に、基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の受信品質測定方法及び送信電力制御方法ならびにそれらの装置に関する。
【背景技術】
【0002】
W-CDMA(UMTS)移動通信システムはIMT-2000(International Mobile Telecommunications-2000)で定められた無線通信インタフェースの一つであり、最大384Kbps の伝送速度により、音声、動画像、データ等のマルチメディアアクセスを可能にしている。このW-CDMA移動通信システムは、図11に示すようにコアネットワーク1、無線基地局制御装置(RNC:Radio Network Controller)2、3、多重分離装置4、5、無線基地局(Node B)61〜65、移動局(UE:User equipment)7で構成される。コアネットワーク1は、移動通信システム内においてルーティングを行うためのネットワークであり、例えば、ATM交換網、パケット交換網、ルーター網等によりコアネットワークを構成することができる。コアネットワーク1は、他の公衆網(PSTN)等とも接続され、移動局7が固定電話機等との間で通信を行うことも可能としている。
無線基地局制御装置(RNC)2、3は、無線基地局61〜65の上位装置として位置付けられ、これらの無線基地局61〜65の制御(使用する無線リソースの管理等)を行う機能を備えている。また、ハンドオーバ時において、1つの移動局7からの信号を配下の複数の無線基地局から受信し、品質が良い方のデータを選択してコアネットワーク1側へ送出するハンドオーバ制御機能も備えている。
多重分離装置4、5は、RNCと無線基地局との間に設けられ、RNC2、3から受信した各無線基地局宛ての信号を分離し、各無線基地局宛てに出力するとともに、各無線基地局からの信号を多重して各RNC側に引き渡す制御を行う。
無線基地局61〜63はRNC2、無線基地局64、65はRNC3により無線リソースを管理されつつ、移動局7との間の無線通信を行う。移動局7は、無線基地局6iの無線エリア内に在圏することで、無線基地局6iとの間で無線回線を確立し、コアネットワーク1を介して他の通信装置との間で通信を行う。
【0003】
・HSDPA
以上は一般的なW-CDMA移動通信システムに関する説明であるが、更に、高速な下り方向のデータ伝送を可能とする技術としてHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式が採用されている。HSDPAは、適応符号化変調方式(AMC:Adaptive Modulation and Coding)を採用しており、例えば、QPSK変調方式(QPSK modulation Scheme)と16値QAM方式(16 QAM Scheme)とを無線基地局、移動局間の無線環境に応じて適応的に切りかえることを特徴としている。また、HSDPAは、H-ARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)方式を採用している。H-ARQ方式では、移動局が無線基地局からの受信データについて誤りを検出した場合、当該無線基地局に対して再送要求(NACK信号の送信)を行う。この再送要求を受信した無線基地局は、データの再送を行うので、移動局は、既に受信済みのデータと、再送された受信データとの双方を用いて誤り訂正復号化を行う。
HSDPAに用いられる主な無線チャネルは、図12に示すように、
(1) HS-SCCH(High Speed-Shared Control Channel)、
(2) HS-PDSCH(High Speed-Physical Downlink Shared Channel)、
(3) HS-DPCCH(High Speed-Dedicated Physical Control Channel)
がある。HS-SCCH、HS-PDSCHは、双方とも下り方向(無線基地局から移動局への方向であるdownlink)の共通チャネル(shared channel)であり、HS-SCCHは、HS-PDSCHにて送信するデータに関する各種パラメータを送信する制御チャネルである。言い換えれば、HS-PDSCHを介してデータの送信が行われることを通知するチャネルである。各種パラメータとしては、例えば、どの移動局にデータを送信するかの宛先情報、伝送ビットレート情報、どの変調方式を用いてHS-PDSCHによりデータを送信するかを示す変調方式情報、拡散符号(spreading code)の割当て数(コード数)、送信データに対して行うレートマッチングのパターン等の情報がある。
一方、HS-DPCCHは、上り方向(移動局から無線基地局への方向であるuplink)の個別の制御チャネル(dedicated control channel)であり、HS-PDSCHを介して受信したデータのエラーの有、無に応じてそれぞれ受信結果(ACK信号、NACK信号)を移動局が無線基地局に対して送信する場合に用いられる。即ち、HS-PDSCHを介して受信したデータの受信結果を送信するために用いられるチャネルである。移動局がデータの受信に失敗した場合(受信データがCRCエラーである場合等)は、NACK信号が移動局から送信されるので、無線基地局は再送制御を実行することとなる。
【0004】
・送信電力制御
W−CDMA移動通信では、各チャネルに割り当てる拡散コードによってチャネルを区別することにより、複数のチャネルが一つの周波数帯域を共有して通信を行う。しかし、実際の移動通信環境においては、マルチパスフェージングによる遅延波や他セルからの電波により、受信信号は自チャネル及び他チャネルから干渉を受け、該干渉がチャネル分離に悪影響を与える。また、マルチパスフェージングによる受信電力の瞬時変動や、同時に通話しているユーザ数の変化によって、受信信号が受ける干渉量は時間的に変化する。このように、時間的に変動する干渉を受けるような環境下では、基地局に接続した移動局における受信信号の品質を、所望の品質に安定して保つことは困難である。このような干渉ユーザ数の変化やマルチパスフェージングによる瞬時値変動に追従するために、受信側(移動局)で信号対干渉電力比(SIR)を測定し、その測定SIRと目標SIRを比較することにより、移動局のSIRが目標SIRに近づくように制御する送信電力制御(Transmission Power Control)、が行われる。
図13は移動局の送信電力制御の説明図であり、1チャネル分のみ示している。基地局6の拡散変調部6aは指定されたチャネルに応じた拡散コードを用いて送信データを拡散変調し、電力増幅器6bは、拡散変調後に直交変調、周波数変換などの処理を施されて入力した信号を増幅してアンテナより移動局7に向けて送信する。移動局の受信部の逆拡散部7aは受信信号に逆拡散処理を施し、復調部7bは受信データを復調する。SIR測定部7cは受信信号と干渉信号との電力比を測定する。比較部7dは目標SIRと測定SIRを比較し、測定SIRが目標SIRより大きければTPC(Transmission Power Control)ビットで送信電力を下げるコマンドを作成し、測定SIRが目標SIRより小さければTPCビットで送信電力をあげるコマンドを作成する。目標SIRは例えば、10-3(1000回に1回の割合でエラー発生)を得るために必要なSIR値であり、目標SIR制御部7eより比較部7dに入力される。拡散変調部7fは送信データ及びTPCビットを拡散変調する。拡散変調後、移動局7はDA変換、直交変調、周波数変換、電力増幅などの処理を施してアンテナより基地局6に向けて送信する。基地局側の逆拡散部6cは、移動局7から受信した信号に逆拡散処理を施し、復調部6dは受信データ、TPCビットを復調し、該TPCビットで指示されたコマンドにしたがって電力増幅器1の送信電力を制御する。以上の送信電力制御はインナーループ送信電力制御(inner-loop Transmission Power Control)と呼ばれる。
図14は3rd Generation Partnership Project(以下3GPPと称す)で標準化されている上りリンク(uplink)の個別物理チャネルDPCH(Dedicated Physical Channel)フレームの構成図である。個別物理チャネルDPCHは送信データのみが送信されるDPDCHチャネル (Dedicated Physical Data Channel)と、Pilotや図13で説明したTPCビット情報等の制御データが多重されて送信されるDPCCHチャネル(Dedicated Physical Control Channel)を有している。DPDCHチャネルおよびDPCCHチャネルの送信データは、それぞれ直交符号により拡散されたあと、実数軸および虚数軸にマッピングされて多重される。上りリンクの1フレームは10msecで、15スロット(slot#0〜slot#14)で構成されている。DPDCHチャネルは直交するIチャンネルにマッピングされ、DPCCHチャネルは直交するQチャンネルにマッピングされる。DPDCHチャネルの各スロットはnビットで構成され、nはシンボル速度に応じて変化する。制御データを送信するDPCCHチャネルの各スロットは10ビットで構成され、シンボル速度は15ksps一定であり、パイロットPilot、送信電力制御データTPC、トランスポート・フォーマット・コンビネーション・インジケータTFCI、フィードバック情報FBIを送信する。
【0005】
通信中の移動速度の変化や移動による伝搬環境の変化により、所望の品質(ブロックエラーレートBlock Error Rate:BLER)を得るために必要なSIRは一定ではない。BLERとは一定期間におけるトランスポートブロック(TrBk )の総数とCRC エラーとなったTrBk 数の比率である。この変化に対応するために、送信電力制御では更に、BLERを観測し、観測値が設定目標BLERよりも悪ければ該目標SIRを増加させ、良ければ目標SIRを減少させる制御を行う。すなわち、インナーループ送信電力制御と並行して移動局は所望の品質(ブロックエラーレートBLER)を得るために目標SIRを制御するアウターループ送信電力制御(outer-loop Transmission Power Control)を行う。
図13において、目標SIR制御部7eは上位アプリケーションからサービス種別に応じた所要BLER が指定されると、該BLERに応じた所定の目標SIRを比較器7dに入力する。上記のインナーループ送信電力制御と並行して、誤り訂正復号器7gは復調器7bによる復調結果に対して誤り検出復号処理を施し、復号結果をCRC検出器7hに入力する。CRC検出器7hは、復号データをトランスポートブロックTrBkに分離した後、トランスポートブロックTrBk毎にCRC誤り検出を行い、誤り検出結果を目標SIR制御部7eに入力する。目標SIR制御部7e は誤り検出結果に基づいて実際のBLERを測定し、該測定BLERと所要BLER を比較し、受信状態が悪く測定BLERが所要BLERより大きければ目標SIRが大きくなるように制御し、受信状態が良好で測定BLERが所要BLERより小さければ目標SIRが小さくなるように制御する。このアウターループ送信電力制御により受信状態が変化しても所要BLERが得られるように送信電力制御を行うことができる。
【0006】
・F-DPCH
HSDPA 方式を採用するW-CDMA通信システムにおいて、ユーザ(移動局)は、共有チャネルであるHS-PDSCHでデータ受信が可能であると共に(図12参照)、同時に個別チャネルDPCH(Dedicated Physical Channel)でもデータ受信することが可能である。
図15は基地局から移動局へのdownlinkにおける個別チャネルDPCHのフォーマット例である。1フレームは15スロット#0〜#14で構成され、スロット毎に、第1データ部Data1、TPC情報、TFCI情報、第2データ部Data2、Pilotを時分割多重で送信する構成を有している。Downlinkの個別チャネルDPCHは、データを送信するDPDCH(Dedicated Physical Data Channel)と制御データ(TPC情報、TFCI情報、Pilot)を送信するDPCCH(Dedicated Physical Control Channel)とで構成されている。
HSDPA 方式を採用するW-CDMA通信システムにおいて、HS-PDSCH 等の共有チャネルで高速データ受信を行っているユーザ(移動局)に対しては、個別チャネルで伝送すべきデータが無い場合が殆どである。しかし、個別チャネルDPCHで伝送すべきデータが無くても、前述の送信電力制御を行う為に基地局は該個別チャネルDPCHで所定シンボル(例えばTPCシンボル)を移動局へ伝送する必要がある。すなわち、基地局は共通チャネルHS-PDSCH と同時に個別チャネルDPCHを接続する必要があり、このため個別チャネルDPCHでデータ伝送の必要が無いにもかかわらず1コードが占有され、結果的には同様なユーザが複数存在することでリソース不足が発生する問題が起きている。
F-DPCH(Fractional Dedicated Physical Channel) は、この問題を解決すべく3GPP リリース6(3rd Generation Partnership Project Release 6)で標準化されたチャネルであり、図16に示すフレーム構成図を備え、個別チャネルとして、送信電力制御情報(TPCシンボル)のみを送信するようになっている。基地局はF-DPCHに1つの拡散コードを割り当て、該F-DPCHを該拡散コードで拡散すると共に、F-DPCHの送信タイミング(オフセット)を図17に示すようにユーザ毎に異ならせ、TPCシンボルがユーザ同士で重ならないように送信する。すなわち、基地局は、個別チャネルDPCHで伝送するデータの無いユーザに対して、該個別チャネルDPCHの代わりにF-DPCHを用いてTPC シンボルのみを送信し、これによりリソース不足を解消する。
ところで、個別チャネルDPCHによる送信電力制御では、高精度なTPC 制御を行うために、SIRを測定し、該測定SIR が目標SIRとなるように制御するインナーループ送信電力制御と、CRC 演算を行ってBLERを測定し、該測定BLERが所要BLERとなるように目標 SIR を補正するアウターループ送信電力制御の2つの制御を行っている。しかし、F-DPCHではデータを送信しないため、該F-DPCH のデータフォーマットにCRC 信号が付加されていない。このため、F-DPCHをDPCHに代わって伝送する場合には、アウターループ送信電力制御を行うことができない。そこで、F-DPCHを伝送する送信電力制御では以下の制御方法が採用されている。すなわち、基地局から受信するTPC シンボルの目標SIR とF-DPCH の目標エラーレートの対応テーブルを設け、所要のF-DPCH目標エラーレートが設定されたとき、目標 SIR を該テーブルより求め、測定した実際のTPCシンボルのSIR を該目標SIR に一致するよう制御する手法が採用されている。
図18は基地局から送信するdownlinkのF-DPCHと移動局から送信するTPCビットを含むDPCCH(図14)の送信タイミング説明図である。F-DPCHは、downlinkのCPICH(Common Pilot Channel)やP-CCPCH(Primary Common Control Physical Channel)を送信する基準タイミングT0から、ユーザ毎に所定のオフセット分Toff遅れて送信される。移動局はF-DPCHに含まれるTPCビットを受信してSIRの測定を行い、該SIRに基づいて送信電力制御を行う。そして、F-DPCH送信タイミングより1024チップ時間後に、移動局は送信電力制御データであるTPCビットを含むuplink DPCCHを基地局に送信する。このuplink DPCCHを基地局に送信するタイミングは3GPPにより規定された時間であり、固定である。
【0007】
・従来の移動局
図19は従来の移動局の構成図であり、F-DPCHに含まれるTPCビットを受信してSIRの測定を行い、該SIRに基づいて送信電力制御を行って送信電力制御情報であるTPCビットを決定し、該TPCビットを含むuplink DPCCHを基地局に送信するまでの要部構成を示している。
基地局から送信された無線信号はアンテナにより受信されて受信機11に入力する。受信機11は該無線信号をべースバンド信号にダウンコンバートした後、得られたべースバンド信号に直交復調、AD変換、逆拡散等の処理を施してF-DPCHのシンボル信号、CPICHのシンボル信号、受信タイミング信号(フレーム同期、スロット同期信号)等を出力する。RSCP(Received Signal Code Power)算出用のチャネル推定フィルタ12は、現シンボルの直前nシンボル例えば10シンボル分のCPICHシンボル信号の平均値を計算し、該平均値よりチャネル推定値を求めてシンボル周期で出力する。なお、CPICHの1スロットは10シンボルであるから、この10シンボルは1スロット分に相当する。RSCP測定処理部13は入力するチャネル推定値に基づいてF-DPCHシンボル信号(TPCシンボル)にチャネル補償を施した後、該TPCシンボルの受信パワーを測定してRSCPとしてSIR測定処理部14に入力する。
ISCP(Interference on Signal Code Power)算出用のチャネル推定フィルタ15は、現シンボルの直前10シンボル分のCPICHシンボル信号の平均値を計算し、該平均値よりチャネル推定値を求めてシンボル周期で出力する。ISCP測定処理部16はF-DPCHのTPCシンボルと同一の受信時刻で受信したCPICHシンボルと既知CPICHシンボルと上記のチャネル推定値とから干渉信号の電力を計算し、ISCPとしてSIR測定処理部14に入力する。SIR測定処理部14は、入力されたRSCPとISCPを用いて次式
SIR= RSCP/ISCP
によりSIRを計算して出力する。
目標SIR制御部17は、UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)18から目標エラーレートが設定されると、目標エラーレート・目標SIR 変換テーブル19を参照して目標エラーレートに応じた目標SIRを求めてTPCコマンド生成部20に入力する。図20は目標TPCエラーレートと目標SIR の変換テーブルの一例であり、図21はTPCエラーレート・目標SIRの特性図であり、Aは通常環境における特性である。
TPC コマンド生成部20はSIR 測定結果と目標 SIR より、TPC コマンド(Up or Down)を決定し、DPCCH処理部(Pilot/TFCI/FBI/TPC スケジューリング処理部)21に入力する。
以上と並行して下り受信タイミング監視部22は受信タイミング信号 (フレーム同期、スロット同期信号)に基づいて下りのタイミングを監視し、上り送信タイミング管理部23は送信タイミング信号をDPCCH処理部21に入力する。DPCCH処理部21はuplink DPCCH のPilot、TFCI、FBI、TPC の時分割多重処理を行い、送信タイミング信号に同期してDPCCHシンボルを出力する。DPCCH 符号化処理部24は入力されたDPCCHシンボルを符号化し、変調処理部25はDPCCHやその他の上りチャネルの変調処理を行い、送信機26は変調された信号を無線信号に変換して基地局に向けて送信する。
【0008】
図22はF-DPCH におけるISCP とRSCP 及び、SIR 算出処理のタイムチャートイメージをシンボル単位で示した図である。移動機のF-DPCH 復調に際して、RSCP算出用チャネル推定フィルタ12はslot #nのTPCシンボルSTPCnを復調するために、CPICHのslot #n-1 の受信波からチャネル推定フィルタ処理を行う(ステップ101)。RSCP測定処理部13は推定されたチャネル推定値に基づいてF-DPCHシンボル信号(TPCシンボル)にチャネル補償を施した後、該TPCシンボルの受信パワーRSCPを測定してSIR測定処理部14に入力する(ステップ102)。
ISCP算出用のチャネル推定フィルタ15も、CPICHのslot #n-1 の受信波からチャネル推定フィルタ処理を行う(ステップ103)。ISCP測定処理部16はF-DPCHのTPCシンボルと同一の受信時刻で受信したCPICHシンボルと既知CPICHシンボルとステップ103で求めたチャネル推定値とから干渉信号の受信パワーISCPを計算してSIR測定処理部14に入力する(ステップ104)。SIR測定処理部14は、入力されたRSCPとISCPを用いてSIRを計算して出力する(ステップ105)。
以上により、移動局はSIRを測定し、該SIRと目標SIRの大小に基づいてTPCビットを決定し、F-DPCH 受信してから1024chip 後に送信するuplink DPCCH に該TPC ビットをマッピングして基地局に送信する。この際、移動局は、CPICH のslot #n-1 の受信波を用いてチャネル推定処理を行ってslot #nのF-DPCH のTPCシンボルのSIRを測定する。
ところで、CPICH のslot#n-1 の受信波を用いて測定したチャネル推定値は、該slot#n-1 の中心時刻(過去の時刻)の値を示し、slot #nのF-DPCHTPCシンボル受信時刻のチャネル推定値ではない。このため、フェージング環境や、マルチパス環境等でチャネル推定結果が短時間で変動し、過去のチャネル推定値と現在のチャネル推定値が異なる環境下では、ISCP の値が劣化する現象が発生する。本来、干渉電力は移動機のフェージング環境やマルチパス環境に影響しない物理量であるので、フェージング環境やマルチパス環境下では、ISCP の精度が劣化してしまう。そのため、F-DPCH のSIR測定精度が劣化してしまい、目標とする目標エラーレートが得られるように高精度に送信電力制御ができない。
【0009】
図20は、Target TPC Command Error Rate (目標エラーレート)をF-DPCH のSIR に変換するテーブルの一例であり、図21は、通常環境とフェージング環境におけるF-DPCH 受信時のSIRとTPC Command Error Rate を定量的に示したグラフで、Aは通常環境における特性、Bはフェージング環境における特性である。図20のテーブルを用いると、通常環境では、正常にTarget TPC Command Error Rate を目標SIR に変換できるが、フェージング環境では正しく変換することが出来ない。例えば、Target TPC Command Error Rateが10-2のとき、通常環境において目標SIRは0.7dBであるが、フェージング環境において目標SIRは5dBとなる。このため、フェージング環境において目標SIRとして5dBを設定すべきを0.7dBとして設定してしまい、結果的に基地局はF-DPCH の電力制御を正常に行えず、必要以上の電力を移動局に送信し、無線リソースを圧迫し、これによりシステムのスループットが低下してしまう問題が発生する。また逆に移動機の受信性能を下回る電力でF-DPCHを送信する場合も発生し、かかる場合には目標とするTPC Command Error Rateが得られない問題が発生する。
従来技術として、受信品質を精度良く測定する技術が提案されている(特許文献1)。この従来技術では、過去に計算された受信品質を第1の受信品質として保存すると共に、現在の受信品質を第2の受信品質として計算し、該第2の受信品質と第1の受信品質との差を受信品質の補正値として求め、この補正値を用いて受信品質を補正する。
しかし、この従来技術は、F-DPCHチャンネルにおけるRSCP(Received Signal Code Power)やISCP(Interference on Signal Code Power) を正確に測定し、正しいSIRを計算するものではない。また、従来技術は、F-DPCHチャンネルにおけるRSCPあるいはISCPを正確に測定する技術を開示するものではない。更に、この従来技術は、送信電力制御を所望のエラーレートが得られるように制御するものではない。
【特許文献1】WO 2007/004292
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上より本発明の目的は、フェージング環境であってもRSCP(Received Signal Code Power)やISCP(Interference on Signal Code Power) を正確に測定することである。
本発明の別の目的は、フェージング環境であってもSIRを正確に測定し、該SIRに基づいて所望のエラーレートが得られるように送信電力制御することである。
本発明の別の目的は、フェージング環境であっても目標エラーレートに応じた目標SIRを設定して該目標エラーレートが得られるように送信電力制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
・受信品質測定方法
第1の発明は基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の受信品質測定方法であり、着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いて干渉電力ISCPを計算するステップ、該着目時刻のCPICHシンボルを中心とする複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算するステップ、前記ISCPと前記基準ISCPの差により次の着目時刻におけるISCPを補正するステップ、前記補正により求まるISCPとF-DCPHシンボルのRSCPとを用いて移動局の信号対干渉電力比SIRを算出するステップを有している。
更に、上記本発明の受信品質測定方法は、着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算するステップ、該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算するステップ、前記RSCPと前記基準RSCPの差により次の着目時刻におけるRSCPを補正するステップを備えている。
更に、上記本発明の受信品質測定方法は、前記算出したSIRと目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成し、該送信電力情報を基地局に送信するステップを備えている。
・送信電力制御方法
第2の発明は基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御方法である。
第1の態様の送信電力制御方法は、着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いて干渉電力ISCPを計算するステップ、該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算するステップ、前記ISCPと前記基準ISCPの差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定するステップ、該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを求めるステップ、次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出するステップ、該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信するステップを有している。
第2の態様の送信電力制御方法は、着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算するステップ、該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算するステップ、前記RSCPと前記基準RSCPの差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定するステップ、該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを求めるステップ、次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出するステップ、該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信するステップを有している。
第3の態様の送信電力制御方法は、着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して復号結果を出力するステップ、該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して基準の復号結果を出力するステップ、前記復号結果と基準の復号結果を比較して得られる復号誤差率に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定するステップ、該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを求めるステップ、次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出するステップ、該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信するステップを有している。
・受信品質測定装置および送信電力制御装置
第3、第4の発明は受信品質測定装置および送信電力制御装置であり、それぞれ上記受信品質測定方法及び送信電力制御方法を実現する構成を備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フェージング環境であってもRSCP(Received Signal Code Power)やISCP(Interference on Signal Code Power) を正確に測定することができる。
また、本発明によれば、フェージング環境であってもSIRを正確に測定し、該SIRに基づいて所望のエラーレートが得られるように送信電力制御することができる。
また、本発明によれば、フェージング環境であっても適切な変換テーブルを用いることにより目標エラーレートに応じた目標SIRを設定し、該目標エラーレートが得られるように送信電力制御することができる。
また、本発明によれば、基地局から必要以上の電力を移動局に送信することがなく、しかも、無線リソースを圧迫することもなく、システムのスループットを改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(A)第1実施例
(a)SIR算出動作
第1実施例は、干渉信号コードパワーISCPを正確に測定することにより、SIRの測定精度を向上して所望のエラーレートが得られるように送信電力制御ビットTPCを生成して基地局に送信する。
図1は第1実施例のSIR測定方法の動作説明図である。
基地局から送信される第(n−1)スロットにおけるTPCシンボルSTPCn-1の直前の10個のCPICHシンボルSCPI1を用いてチャネル推定し(ステップ201)、該チャネル推定値を用いて前記TPCシンボルSTPCn-1の受信時刻におけるISCP(=A)を測定する(ステップ202)。このISCP(Interference on Signal Code Power)は過去のチャネル推定値を使用するため誤差が含まれている。
ついで、前記TPCシンボルSTPCn-1の受信時刻を中心とする10個のCPICHシンボルSCPIn2を用いて該TPCシンボルSTPCn-1の受信時刻におけるチャネルを推定し(ステップ203)、該チャネル推定値を用いて該TPCシンボルSTPCn-1の受信時刻におけるISCP(=B)を基準ISCPとして測定する(ステップ204)。この基準ISCPは、TPCシンボルSTPCn-1の受信時刻におけるチャネル推定値を使用するため誤差が含まれていない。
以上のステップで求めた第1のISCP(=A)と第2のISCPすなわち基準ISCP(=B)との差ΔISCPを補正ISCPとして次式
B−A=ΔISCP (1)
により求める(ステップS205)。
以上と並行して、基地局から送信される第nスロットにおけるTPCシンボルSTPCnの直前の10個のCPICHシンボルSCPI3を用いてチャネル推定し(ステップ206)、該チャネル推定値を用いて前記TPCシンボルSTPCnの受信時刻におけるISCP(=A′)を測定する(ステップ207)。このISCPは過去のチャネル推定値を使用するため誤差が含まれている。ついで、ΔISCPを用いて次式
ISCP=A′+ΔISCP (2)
によりISCPを補正する(ステップ208)。すなわち、前回の第(n−1)スロットにおけるTPCシンボルSTPCn-1の受信時刻における誤差ΔISCPは、今回の第nスロットにおけるTPCシンボルSTPCnの受信時刻の誤差とほぼ同等であるとみなすことができるため、上式によりISCPを補正する。
また、基地局から送信される第nスロットにおけるTPCシンボルSTPCnの直前の10個のCPICHシンボルSCPI4を用いてF-DPCHのチャネルを推定し(ステップ209)、該チャネル推定値を用いてF-DPCHシンボル信号(TPCシンボルSTPCn)にチャネル補償を施した後、該TPCシンボルSTPCnのRSCP(Received Signal Code Power)を算出する(ステップ210)。
最後に、ステップ208で補正したISCPとステップ210で求めたRSCPを用いて次式
SIR=RSCP/ISCP (3)
により、TPCシンボルSTPCnの受信時刻におけるSIRを計算する(ステップ211)。以後、このSIRを用いて送信電力制御ビットTPCの生成制御を行う。
なお、補正ISCPを(1)式に替えて次式
α×(B−A)=ΔISCP (1)′
により、すなわち(B−A)に係数αを乗算して適性化することもできる。
【0014】
(b)移動局
図2は本発明の第1実施例の移動局の構成図である。
基地局から送信された無線信号はアンテナにより受信されて受信機51に入力する。受信機51は該無線信号をべースバンド信号にダウンコンバートした後、得られたべースバンド信号に直交復調、AD変換、逆拡散等の処理を施してF-DPCHのシンボル信号、CPICHのシンボル信号、受信タイミング信号(フレーム同期、スロット同期信号)等を出力する。なお、現在、第(n−1)スロットにおけるF-DPCH、CPICHを受信しているものとする。
RSCP算出用のチャネル推定フィルタ52は、現受信シンボル直前の最新の10個のCPICHシンボルを常時保存し、これらCPICHシンボルを用いてF-DPCHのチャネルを推定する。したがって、基地局より第(n−1)スロットにおけるTPCシンボルSTPCn-1を受信した時、直前の10個のCPICHシンボルSCPI0を用いてチャネル推定し(図1のステップ191)、RSCP測定処理部53は該チャネル推定値を用いてTPCシンボルSTPCn-1にチャネル補償を施し、しかる後、該TPCシンボルSTPCn-1のRSCPを算出して出力する(ステップ192)。
同様に、ISCP算出用のチャネル推定フィルタ54は、現受信シンボル直前の最新の10個のCPICHシンボルを常時保存し、これらCPICHシンボルを用いてチャネル推定する。したがって、基地局より第(n−1)スロットにおけるTPCシンボルSTPCn-1を受信した時、直前の10個のCPICHシンボルSCPI1を用いてチャネル推定し(ステップ201)、ISCP測定処理部55はTPCシンボルSTPCn-1と同一の受信時刻で受信したCPICHシンボルと、既知のCPICHシンボルと、該チャネル推定値とから干渉信号の受信パワーISCP(=A)を計算して補正SIR算出部56のISCP補正部56bに入力すると共にバッファ57に保存する(ステップ202)。
第(n−1)スロットにおいて、(1)式の補正値ΔISCPが求まっていないとすれば、すなわち、ΔISCP=0とすれば、補正SIR算出部56のSIR測定処理部56aは、RSCP測定処理部53およびISCP測定処理部55から入力するRSCP,ISCP(=A)を用いて(3)式によりSIRを計算してTPCコマンド生成部58に入力する(ステップ193)。
【0015】
一方、目標SIR制御部71は、UTRAN72から目標とするTPCエラーレートが設定されると、目標エラーレート・目標SIR 変換テーブル73を参照して目標エラーレートに応じた目標SIRを求めてTPCコマンド生成部58に入力する。
TPCコマンド生成部58は、SIR 測定結果と目標 SIRの大小に基づいてTPC コマンド(Up or Down)を決定し、DPCCH処理部74に入力する。また、下り受信タイミング監視部75は受信タイミング信号 (フレーム同期、スロット同期信号)に基づいて下りのタイミングを監視し、上り送信タイミング管理部76は送信タイミング信号をDPCCH処理部74に入力する。DPCCH処理部74はuplink DPCCH のPilot、TFCI、FBI、TPC の時分割多重処理を行い、送信タイミング信号に同期してDPCCHシンボルを出力する。DPCCH 符号化処理部77は入力されたDPCCHシンボルを符号化し、変調処理部78はDPCCHやその他の上りチャネルの変調処理を行い、送信機79は変調された信号を無線信号に変換して基地局に向けて送信する。
以上と並行して、基準ISCP算出用CPICHバッファ59は、TPCシンボルSTPCn-1と同一の受信時刻で受信したCPICHシンボルを保存し、基準ISCP算出用チャネル推定フィルタ60は、ISCP算出用チャネルフィルタ54より数シンボル(図では7シンボル)遅れて最新の10個のCPICHシンボルを順次内蔵のバッファに保存する。そして、TPCシンボルSTPCn-1と同一の受信時刻のCPICHシンボルが該バッファの中間位置に来たとき、基準ISCP算出用チャネル推定フィルタ60は、10個のCPICHシンボルSCPI2を用いてチャネルを推定する(ステップ203)。このチャネル推定値はTPCシンボルSTPCn-1の受信時刻におけるチャネル推定値である。
【0016】
ついで、基準ISCP測定処理部61は、TPCシンボルSTPCn-1と同一受信時刻のCPICHシンボル(基準ISCP算出用バッファ59に記憶されている)と、既知のCPICHシンボルと、ステップ203で求めたチャネル推定値とから干渉信号のISCP(=B)を計算して基準ISCPとしてISCP誤差算出処理部62に入力する(ステップ204)。この基準ISCPは、TPCシンボルSTPCn-1の受信タイミングにおけるチャネル推定値を使用しているため誤差が含まれていない。
ISCP誤差算出処理部62は、バッファ57に保存されているISCP(=A)と基準ISCP(=B)との差ΔISCPを(1)式により求め(ステップS205)、補正SIR算出部56のISCP補正部56bに入力する。
かかる状態において、ISCP算出用チャネル推定フィルタ54は、基地局から送信される第nスロットにおけるTPCシンボルSTPCnの受信時刻直前の10個のCPICHシンボルSCPI3を用いてチャネル推定し(ステップ206)、ISCP測定処理部55は、TPCシンボルSTPCnと同一の受信時刻で受信したCPICHシンボルと、既知のCPICHシンボルと、ステップ206で推定したチャネル推定値とから干渉信号の受信パワーISCPを計算し(ステップ207)、ISCP補正部56bにA′として入力すると共に、バッファ57に該ISCPをAとして保存する。このISCPは過去のチャネル推定値を使用するため誤差が含まれている。
ISCP補正部56bは、ISCP誤差算出部62から入力されているΔISCPを用いて(2)式によりISCPを補正する(ステップ208)。
また、RSCP算出用のチャネル推定フィルタ52は、基地局より第nスロットにおけるTPCシンボルSTPCnを受信した時、直前の10個のCPICHシンボルSCPI4を用いてチャネル推定し(ステップ209)、RSCP測定処理部53は該チャネル推定値を用いてTPCシンボルSTPCnにチャネル補償を施し、しかる後、該TPCシンボルSTPCnのRSCPを算出して出力する(ステップ210)。
補正SIR算出部56のSIR測定処理部56aは、RSCP測定処理部53およびISCP補正部56bから入力するRSCP,ISCPを用いて(3)式によりSIRを計算してTPCコマンド生成部58に入力する(ステップ211)。TPCコマンド生成部58はこのSIRおよび目標SIRを用いて送信電力制御ビットTPCの生成制御を行う。
以後、上記と同様のSIR算出処理、TPCビット生成処理が行われる。
以上第1実施例によれば、正確にISCPを測定して正しいSIRを算出することができ、所望のエラーレートが得られるようにTPCビットを生成することができる。
【0017】
(B)第2実施例
(a)SIR算出動作
第1実施例は、ISCPを正確に測定することにより、SIRの測定精度を向上して所望のエラーレートが得られるように送信電力制御ビットTPCを生成して基地局に送信する。第2実施例は、RSCPを正確に測定することにより、SIRの測定精度を向上して所望のエラーレートが得られるように送信電力制御ビットTPCを生成して基地局に送信する。なお、第1、第2実施例を組み合わせることにより、より正確にSIRを算出することができる。
図3は第2実施例のSIR測定方法の動作説明図である。
基地局から送信される第(n−1)スロットにおけるTPCシンボルSTPCn-1の直前の10個のCPICHシンボルSCPI1を用いてチャネル推定し(ステップ301)、該チャネル推定値を用いてTPCシンボルSTPCn-1をチャネル補償した後、該TPCシンボルのRISCP(=A)を測定する(ステップ302)。このRSCPは過去のチャネル推定値を使用するため誤差が含まれている。
ついで、前記TPCシンボルSTPCn-1の受信タイミングを中心とする10個のCPICHシンボルSCPIn2を用いて該TPCシンボルSTPCn-1の受信タイミングにおけるチャネルを推定し(ステップ303)、該チャネル推定値を用いてTPCシンボルSTPCn-1をチャネル補償し、該TPCシンボルのRSCP(=B)を基準RSCPとして測定する(ステップ304)。この基準RSCPは、TPCシンボルSTPCn-1の受信タイミングにおけるチャネル推定値を使用するため誤差が含まれていない。
以上のステップで求めた第1のRSCP(=A)と第2のISCPすなわち基準RSCP(=B)との差ΔRSCPを補正RSCPとして次式
B−A=ΔRSCP (4)
により求める(ステップ305)。
以上と並行して、基地局から送信される第nスロットにおけるTPCシンボルSTPCnの直前の10個のCPICHシンボルSCPI3を用いてチャネル推定し(ステップ306)、該チャネル推定値を用いてTPCシンボルSTPCnをチャネル補償し、しかる後該TPCシンボルのRSCP(=A′)を測定する(ステップ307)。このRSCPは過去のチャネル推定値を使用するため誤差が含まれている。ついで、ステップ305で求めてあるΔRSCPを用いて次式
RSCP=A′+ΔRSCP (5)
によりRSCPを補正する(ステップ308)。すなわち、前回の第(n−1)スロットにおけるTPCシンボルSTPCn-1受信時における誤差ΔRSCPは、今回の第nスロットにおけるTPCシンボルSTPCn受信時の誤差とほぼ同等であるとみなすことができるため、上式によりRSCPを補正する。
また、基地局から送信される第nスロットにおけるTPCシンボルSTPCnの受信時刻直前の10個のCPICHシンボルSCPI4を用いてチャネルを推定し(ステップ309)、該チャネル推定値、TPCシンボルSTPCnの受信時刻のCPICHシンボル、既知CPICHシンボルを用いて干渉信号のISCPを計算する(ステップ310)。
最後に、ステップ308で補正したRSCPとステップ310で求めたISCPを用いて(3)式により、TPCシンボルSTPCnの受信タイミング時におけるSIRを計算する(ステップ311)。以後、このSIRを用いて送信電力制御ビットTPCの生成制御を行う。
なお、補正RSCPを(4)式に替えて次式
β×(B−A)=ΔRSCP (4)′
により、すなわち(B−A)に係数βを乗算して適性化することもできる。
【0018】
(b)移動局
図4は第2実施例の移動局の構成図であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、
(1)バッファ80がRSCP測定処理部53で測定したRSCPをAとして保存する点、
(2)TPCシンボルバッファ81が1スロット前に受信したTPCシンボルSTPCn-1を保存する点、
(3) 基準RSCP算出用チャネル推定フィルタ82が、RSCP算出用チャネル推定フィルタ52より数シンボル、例えばn/2(=5)シンボル遅れて最新の10個のCPICHシンボルを順次保存し、TPCシンボルSTPCn-1の受信時刻のチャネルを推定する点、
(4) 基準RSCP測定処理部83がTPCシンボルSTPCn-1をチャネル補償した後、該TPCシンボルのRSCPをBとして出力する点、
(5) RSCP誤差算出部84が(4)式により補正RSCP(=ΔRSCP)を計算する点、
(6)RSCP補正部56cが(5)式によりRSCPを補正し、SIR測定処理部56aが(3)式によりSIRを測定する点である。
第2実施例によれば、正確にRSCPを測定して正しいSIRを算出することができ、所望のエラーレートが得られるようにTPCビットを生成することができる。特に、第1、第2実施例を組み合わせることにより、より正確にSIRを算出することができる。
【0019】
(C)第3実施例
第1、第2実施例では正確にISCP.RSCPを計算し、結果的にSIRをフェージング環境に関係なく精度良く測定して所望エラーレートが得られるようにTPCビットを決定する。以下の第3〜第5実施例ではフェージング環境に応じた変換テーブル(目標エラーレート・目標SIR変換テーブル)を選択して所望エラーレートが得られるようにTPCビットを決定する。
図5は本発明の第3実施例の移動局の構成であり、図2の第1実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、
・(1)式より求めたΔISCPに基づいて適切な目標エラーレート・目標SIR変換テーブルを選択し、目標SIR制御部71が該変換テーブルに基づいて目標エラーレートに応じた目標SIRを決定してTPCコマンド生成部58に入力する点、
・SIR測定処理部56aがRSCP測定処理部53とISCP測定処理部55から入力するRSCP及びISCPを用いてSIRを算出してTPCコマンド生成部58に入力し、TPCコマンド生成部58が目標SIRと該算出されたSIRを用いてTPCビット決定処理を行う点である。
図21で説明したように通常環境における目標SIRと目標エラーレートの関係は、フェージング環境における目標SIRと目標エラーレートの関係と異なる。そこで、変換テーブル部73に予め図6に示すようにISCPの誤差(ΔISCP)の値に応じて複数の目標エラーレート・目標SIR変換テーブル73a〜73cを用意しておき、変換テーブル部73より誤差ΔISCPに応じたテーブルを目標SIR制御部71に設定する。目標SIR制御部71は設定されたテーブルを用いて目標エラーレートに応じた目標SIRを決定してTPCコマンド生成部58に入力する。
第3実施例によれば適切なテーブルを使用することにより所望エラーレートが得られるようにTPCビットを決定することができる。
【0020】
(D)第4実施例
図7は本発明の第4実施例の移動局の構成であり、図4の第2実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、
・(4)式より求めたΔRSCPに基づいて適切な目標エラーレート・目標SIR変換テーブルを選択し、目標SIR制御部71が該変換テーブルに基づいて目標エラーレートに応じた目標SIRを決定してTPCコマンド生成部58に入力する点、
・SIR測定処理部56aがRSCP測定処理部53とISCP測定処理部55から入力するRSCP及びISCPを用いてSIRを算出してTPCコマンド生成部58に入力し、TPCコマンド生成部58が目標SIRと該算出されたSIRを用いてTPCビット決定処理を行う点である。
図21で説明したように通常環境における目標SIRと目標エラーレートの関係は、フェージング環境における目標SIRと目標エラーレートの関係と異なる。そこで、変換テーブル部73に予め図8に示すようにRSCPの誤差(ΔRSCP)の値に応じて複数の目標エラーレート・目標SIR変換テーブル73a′〜73c′を用意しておき、変換テーブル部73より誤差ΔRSCPに応じたテーブルを目標SIR制御部71に設定する。目標SIR制御部71は設定されたテーブルを用いて目標エラーレートに応じた目標SIRを決定してTPCコマンド生成部58に入力する。
第4実施例によれば適切なテーブルを使用することにより所望エラーレートが得られるようにTPCビットを決定することができる。
【0021】
(E)第5実施例
図9は本発明の第5実施例の移動局の構成であり、図4の第2実施例と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、
・TPC シンボル復号誤差に基づいて適切な目標エラーレート・目標SIR変換テーブルを選択し、目標SIR制御部71が該変換テーブルに基づいて目標エラーレートに応じた目標SIRを決定してTPCコマンド生成部58に入力する点、
・SIR測定処理部56aがRSCP測定処理部53とISCP測定処理部55から入力するRSCP及びISCPを用いてSIRを算出してTPCコマンド生成部58に入力し、TPCコマンド生成部58が目標SIRと該算出されたSIRを用いてTPCビット決定処理を行う点である。
TPCシンボル復号部91は、RSCP測定処理部53から出力するチャネル補償されたTPCシンボルを復号し、復号結果を出力する。RSCP測定処理部53は過去のチャネル推定値を用いてTPCシンボルをチャネル補償するため、復号結果に含まれる誤りの数はフェージング環境に応じて増加する。基準TPCシンボル復号部92は、基準RSCP測定処理部83から出力するチャネル補償されたTPCシンボルを復号し、復号結果を出力する。基準RSCP測定処理部83は、現在のチャネル推定値を用いてTPCシンボルをチャネル補償するため、復号結果に含まれる誤りの数はフェージング環境に関係なく少ない。TPCシンボル誤差測定部93は、TPCシンボル復号部91と基準TPCシンボル復号部92から出力するTPCシンボル復号結果を比較し、比較数と相違数とから復号誤差率を計算して目標エラーレート・目標SIR変換テーブル部73に入力する。
変換テーブル部73は予め図10に示す復号誤差率に応じた複数の目標エラーレート・目標SIR変換テーブル73a″〜73c″を備え、入力する復号誤差率に応じたテーブルを目標SIR制御部71に設定する。目標SIR制御部71は該設定されたテーブルを用いて目標エラーレートに応じた目標SIRを決定してTPCコマンド生成部58に入力する。
第5実施例によれば適切なテーブルを使用することにより所望エラーレートが得られるようにTPCビットを決定することができる。
以上では、第1〜第5実施例を単独で実施した場合について説明したが、組み合わせて実施できることは当然である
【0022】
・付記
(付記1) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の受信品質測定方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いて干渉電力ISCPを計算し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算し、
前記ISCPと前記基準ISCPの差により次の着目時刻におけるISCPを補正し、
前記補正により求まるISCPとF-DCPHシンボルのRSCPとを用いて移動局の信号対干渉電力比SIRを算出する、
ことを特徴とする移動局の受信品質測定方法。
(付記2) 付記1記載の受信品質測定方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算し、
前記RSCPと前記基準RSCPの差により次の着目時刻におけるRSCPを補正する、
ことにより前記SIRを算出する際に使用するRSCPを取得する、
ことを特徴とする付記1記載の移動局の受信品質測定方法。
(付記3) 付記1または2記載の受信品質測定方法において、
更に、前記差に係数を乗算することによりSIRを適性化する、
ことを特徴とする受信品質測定方法。
(付記4) 付記2記載の受信品質測定方法において、
更に、前記差に係数を乗算することによりSIRを適性化する、
ことを特徴とする受信品質測定方法。
(付記5) 付記1または2記載の受信品質測定方法において、
更に、前記算出したSIRと目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信する、
ことを特徴とする受信品質測定方法。
(付記6) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の受信品質測定方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算し、
前記RSCPと前記基準RSCPの差により次の着目時刻におけるRSCPを補正し、
前記補正されたRSCPと干渉信号の受信電力ISCPとを用いて移動局の信号対干渉電力比SIRを算出する、
ことを特徴とする移動局の受信品質測定方法。
(付記7) 付記6記載の受信品質測定方法において、
更に、前記差に係数を乗算することによりSIRを適性化する、
ことを特徴とする受信品質測定方法。
(付記8) 付記6記載の受信品質測定方法において、
更に、前記算出したSIRと目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信する、
ことを特徴とする受信品質測定方法。
(付記9) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いてISCPを計算し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算し、
前記ISCPと前記基準ISCPの差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定し、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを求め、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出し、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信する、
ことを特徴とする送信電力制御方法。
(付記10) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算し、
前記RSCPと前記基準RSCPの差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定し、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを求め、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出し、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信する、
ことを特徴とする送信電力制御方法。
(付記11) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して復号結果を出力し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して基準の復号結果を出力し、
前記復号結果と基準の復号結果を比較して得られる復号誤差率に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定し、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを求め、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出し、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信する、
ことを特徴とする送信電力制御方法。
(付記12) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の受信品質測定装置において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いて干渉電力ISCPを計算するISCP計算部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算する基準ISCP計算部、
前記ISCPと前記基準ISCPの差を計算するISCP誤差計算部、
該差に基づいて次の着目時刻におけるISCPを補正するISCP補正部、
前記補正により求まるISCPとF-DCPHシンボルのRSCPとを用いて移動局の信号対干渉電力比SIRを算出するSIR算出部、
を備えたことを特徴とする移動局の受信品質測定装置。
(付記13) 前記受信品質測定装置は、更に、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算するRSCP計算部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算する基準RSCP計算部、
前記RSCPと前記基準RSCPの差を計算するRSCP誤差計算部、
該差に基づいて次の着目時刻におけるRSCPを補正して前記SIRを算出する際に使用するRSCPを出力するRSCP補正部、
を備えたことを特徴とする付記12記載の移動局の受信品質測定装置。
(付記14) 前記差に係数を乗算することによりSIRを適性化する、
ことを特徴とする付記12または13記載の受信品質測定装置。
(付記15) 前記差に係数を乗算することによりSIRを適性化する、
ことを特徴とする付記13記載の受信品質測定装置。
(付記16)更に、前記受信品質測定装置は、
前記算出したSIRと目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成する送信電力情報作成部、
該送信電力情報を基地局に送信する送信部、
を備えることを特徴とする付記12または13記載の受信品質測定装置。
(付記17) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の受信品質測定装置において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算するRSCP計算部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算する基準RSCP計算部、
前記RSCPと前記基準RSCPの差を計算するRSCP誤差計算部、
該差に基づいて次の着目時刻におけるRSCPを補正するRSCP補正部、
前記補正により求まるRSCPと干渉信号の受信電力ISCPとを用いて移動局の信号対干渉電力比SIRを算出するSIR算出部、
を備えたことを特徴とする移動局の受信品質測定装置。
(付記18) 前記差に係数を乗算することによりSIRを適性化する、
ことを特徴とする付記17記載の受信品質測定装置。
(付記19) 前記算出したSIRと目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成する送信電力情報作成部、
該送信電力情報を基地局に送信する送信部、
を備えることを特徴とする付記17記載の受信品質測定装置。
(付記20) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御装置において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いて干渉電力ISCPを計算するISCP計算部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算する基準ISCP計算部、
前記ISCPと前記基準ISCPの誤差を計算するISCP誤差計算部、
該誤差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定するテーブル決定部、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを取得する目標SIR取得部、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出するSIR算出部、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成する送信電力情報作成部、
該送信電力情報を基地局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする送信電力制御装置。
(付記21) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御装置において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算するRSCP計算部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算する基準RSCP計算部、
前記RSCPと前記基準RSCPの誤差を計算するRSCP誤差計算部、
該誤差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定するテーブル決定部、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを取得する目標SIR取得部、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出するSIR算出部、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成する送信電力情報作成部、
該送信電力情報を基地局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする送信電力制御装置。
(付記22) 基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御装置において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して復号結果を出力する復号処理部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して基準の復号結果を出力する基準復号処理部、
前記復号結果と基準の復号結果を比較して復号誤差率を算出する復号誤差率計算部、
該復号誤差率に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定するテーブル決定部、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを取得する目標SIR取得部、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出するSIR算出部、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成する送信電力情報作成部、
該送信電力情報を基地局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする送信電力制御装置。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施例のSIR測定方法の動作説明図である。
【図2】本発明の第1実施例の移動局の構成図である。
【図3】第2実施例のSIR測定方法の動作説明図である。
【図4】第2実施例の移動局の構成図である。
【図5】本発明の第3実施例の移動局の構成である。
【図6】第3実施例の目標エラーレートと目標SIRの関係テーブルである。
【図7】第4実施例の移動局の構成である。
【図8】第4実施例の目標エラーレートと目標SIRの関係テーブルである。
【図9】本発明の第5実施例の移動局の構成である。
【図10】第5実施例の目標エラーレートと目標SIRの関係テーブルである。
【図11】W-CDMA移動通信システムである。
【図12】HSDPAに用いられる主な無線チャネルの説明図である。
【図13】移動局の送信電力制御の説明図である。
【図14】上りリンク(uplink)の個別物理チャネルDPCHフレームの構成図である。
【図15】基地局から移動局へのdownlinkにおける個別チャネルDPCHのフォーマット例である。
【図16】F-DPCHのフォーマット例である。
【図17】F-DPCHの送信タイミング説明図である。
【図18】基地局から送信するF-DPCHと移動局から送信するTPCビットを含むDPCCHの送信タイミング説明図である。
【図19】従来の移動局の構成図である。
【図20】目標TPC指令エラーレートと目標SIR の変換テーブルの一例である。
【図21】目標TPC指令エラーレート・目標SIRの特性図である。
【図22】F-DPCH におけるISCP とRSCP 及び、SIR 算出処理のタイムチャートイメージをシンボル単位で示した図である。
【符号の説明】
【0024】
51 受信機
52 RSCP算出用のチャネル推定フィルタ
53 RSCP測定処理部
54 ISCP算出用のチャネル推定フィルタ
55 ISCP測定処理部
56 補正SIR算出部
56a SIR測定処理部
56b ISCP補正部
57 バッファ
58 TPCコマンド生成部
59 基準ISCP算出用CPICHバッファ
60 基準ISCP算出用チャネル推定フィルタ
61 基準ISCP測定処理部
62 ISCP誤差算出処理部
71 目標SIR制御
72 UTRAN
73 目標エラーレート・目標SIR 変換テーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の受信品質測定方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いて干渉電力ISCPを計算し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算し、
前記ISCPと前記基準ISCPの差により次の着目時刻におけるISCPを補正し、
前記補正により求まるISCPとF-DCPHシンボルのRSCPとを用いて移動局の信号対干渉電力比SIRを算出する、
ことを特徴とする移動局の受信品質測定方法。
【請求項2】
請求項1記載の受信品質測定方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算し、
前記RSCPと前記基準RSCPの差により次の着目時刻におけるRSCPを補正する、
ことにより前記SIRを算出する際に使用するRSCPを取得する、
ことを特徴とする請求項1記載の移動局の受信品質測定方法。
【請求項3】
基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いてISCPを計算し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算し、
前記ISCPと前記基準ISCPの差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定し、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを求め、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出し、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信する、
ことを特徴とする送信電力制御方法。
【請求項4】
基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算し、
前記RSCPと前記基準RSCPの差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定し、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを求め、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出し、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信する、
ことを特徴とする送信電力制御方法。
【請求項5】
基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御方法において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して復号結果を出力し、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して基準の復号結果を出力し、
前記復号結果と基準の復号結果を比較して得られる復号誤差率に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定し、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを求め、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出し、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成して基地局に送信する、
ことを特徴とする送信電力制御方法。
【請求項6】
基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の受信品質測定装置において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いて干渉電力ISCPを計算するISCP計算部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算する基準ISCP計算部、
前記ISCPと前記基準ISCPの差を計算するISCP誤差計算部、
該差に基づいて次の着目時刻におけるISCPを補正するISCP補正部、
前記補正により求まるISCPとF-DCPHシンボルのRSCPとを用いて移動局の信号対干渉電力比SIRを算出するSIR算出部、
を備えたことを特徴とする移動局の受信品質測定装置。
【請求項7】
前記受信品質測定装置は、更に、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算するRSCP計算部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算する基準RSCP計算部、
前記RSCPと前記基準RSCPの差を計算するRSCP誤差計算部、
該差に基づいて次の着目時刻におけるRSCPを補正して前記SIRを算出する際に使用するRSCPを出力するRSCP補正部、
を備えたことを特徴とする請求項12記載の移動局の受信品質測定装置。
【請求項8】
基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御装置において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のCPICHシンボルを用いて干渉電力ISCPを計算するISCP計算部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のCPICHシンボルを用いて基準ISCPを計算する基準ISCP計算部、
前記ISCPと前記基準ISCPの誤差を計算するISCP誤差計算部、
該誤差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定するテーブル決定部、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを取得する目標SIR取得部、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出するSIR算出部、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成する送信電力情報作成部、
該送信電力情報を基地局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする送信電力制御装置。
【請求項9】
基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御装置において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて該シンボルの受信電力RSCPを計算するRSCP計算部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値と該着目時刻のF-DCPHシンボルを用いて基準RSCPを計算する基準RSCP計算部、
前記RSCPと前記基準RSCPの誤差を計算するRSCP誤差計算部、
該誤差に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定するテーブル決定部、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを取得する目標SIR取得部、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出するSIR算出部、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成する送信電力情報作成部、
該送信電力情報を基地局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする送信電力制御装置。
【請求項10】
基地局よりF-DCPHシンボルとCPICHシンボルを受信する移動局の送信電力制御装置において、
着目時刻より以前の複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して復号結果を出力する復号処理部、
該着目時刻のCPICHシンボルを含む複数の時系列のCPICHシンボルを平均してチャネルを推定し、得られたチャネル推定値を用いて着目時刻のF-DCPHシンボルにチャネル補償を施し、該チャネル補償されたF-DCPHシンボルに復号処理を施して基準の復号結果を出力する基準復号処理部、
前記復号結果と基準の復号結果を比較して復号誤差率を算出する復号誤差率計算部、
該復号誤差率に基づいて目標エラーレートと目標SIRの対応テーブルを決定するテーブル決定部、
該テーブルを用いて目標エラーレートに対応する目標SIRを取得する目標SIR取得部、
次の着目時刻におけるRSCPとISCPを用いてSIRを算出するSIR算出部、
該算出したSIRと前記目標SIRの大小に基づいて送信電力情報を作成する送信電力情報作成部、
該送信電力情報を基地局に送信する送信部、
を備えたことを特徴とする送信電力制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−5216(P2009−5216A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165937(P2007−165937)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】