説明

受信装置、周波数割当方法、制御プログラムおよび集積回路

【課題】再送制御を用いた通信システムにおいて、再送頻度が高い場合のスループット低下を軽減する。
【解決手段】送信装置から受信した信号に誤りがあった場合、送信装置に対して再送信号を要求する受信装置であって、送信装置から受信した信号に誤りがあるかどうかを判定する判定部217−1〜Uと、判定の結果、受信した信号に誤りがあった場合は、送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と送信装置または送信装置とは異なる他の送信装置が再送信号以外の信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうスケジューリング部211と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再送制御を行なう無線通信システムの伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信では、受信信号が伝搬路による信号の歪みや受信装置での熱雑音の影響を受けた場合にビット誤りが生じ、通信品質が劣化する。このような通信品質の劣化は、一般に伝搬路の等化処理もしくは誤り訂正符号によって補償されるが、必ずしも正しくデータを復号できるとは限らない。そのため、受信装置で正しくデータを復号できない場合に、同一データを再度送信する再送制御(自動再送要求、ARQ(Automatic Repeat reQuest)とも称される)が用いられる。特に近年では検出誤りが発生した初回の送信(初送)あるいは再送の受信信号の情報を次回の再送時まで保存しておき、再送信号と合成することで再送効率を高めるH−ARQ(Hybrid ARQ)が採用されている。H−ARQの例として、チェイス合成法(CC:Chase Combining)(非特許文献1)やIR(Incremental Redundancy)法(非特許文献2)の2つの方式が主に用いられている。
【0003】
CC法は、再送時に初送と同一の送信信号を送信し、受信装置で初送の受信信号と再送の受信信号との合成を行なう。このような合成により受信信号の受信レベルを向上させるとともに、時間ダイバーシチも獲得する事ができるため、再送を繰り返すごとに誤り率特性が改善される。
【0004】
一方、IR法の再送時では、誤り訂正符号化された符号ビットのうち初送で送信していない(パンクチャリングされた)符号ビットを含むように再送信号を構成する。受信装置は、初送信号から復調された符号ビットの尤度に対し、再送信号から復調された符号ビットの尤度を組み合わせることで、再送時の誤り訂正復号において符号化率が低くなり、誤り訂正能力が向上する。このように、IR法では、再送のたびに誤り訂正復号時の符号化率を低くすることができるため、通常のARQに比べ再送回数を低減され、スループットを向上させる事ができる。
【0005】
次に、再送信号の送信方法について述べる。再送方法としては、一定時間後に初送と同一の無線リソースを用いて再送信号を送信する同期式再送と、どのパケット(ブロック、フレーム)に対する再送信号かを再送信号とともに送信することで任意の無線リソースを使用することができる非同期式再送がある。同期式の場合には、決まったリソースを必ず確保する必要があるため、無線リソースの割当時には、最優先して確保する必要がある。非同期式再送の場合には、初送の他のユーザと同じように無線リソースを割り当てる必要があり、特にCCの場合には同一の送信信号を再送することから、同一の送信信号を送信するのに必要な帯域幅は必ず確保する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】D. Chase, “Code combining- A maximum likelihood decoding approach for combing and arbitrary number of noisy packets,”
【非特許文献2】J. Hagenauer, “Rate-compatible punctured convolutional codes (RCPC codes) and their application,” IEEE Trans. Commun., vol. 36, pp. 389-400, April 1988.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の再送制御にあっては、いずれの方法も再送時に無線リソースを確保する必要があるため、同一送信機会に初送信号を送信する端末(初送端末)に割り当てることができる無線リソースの量を相対的に減らしてしまうことになり、再送頻度に応じてセルスループットが低下してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであり、再送制御を用いた通信システムにおいて、再送頻度が高い場合のスループット低下を軽減することのできる受信装置、周波数割当法、制御プログラムおよび集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の受信装置は、少なくとも一つの受信アンテナを備え、送信装置から受信した信号に誤りがあった場合、前記送信装置に対して再送信号を要求する受信装置であって、前記送信装置から受信した信号に誤りがあるかどうかを判定する判定部と、前記判定の結果、前記受信した信号に誤りがあった場合は、前記送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域に対し、前記受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なうスケジューリング部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
このように、送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域で、受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なうので、再送によるセル全体のスループットの低下を防ぐことができる。
【0011】
(2)また、本発明の受信装置において、前記スケジューリング部は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と前記送信装置または前記送信装置とは異なる他の送信装置が前記再送信号以外の信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうことを特徴としている。
【0012】
このように、受信装置は、受信した信号に誤りがあった場合は、送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と送信装置または送信装置とは異なる他の送信装置が再送信号以外の信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうので、再送によるセル全体のスループット低下を防ぐことができる。
【0013】
(3)また、本発明の受信装置において、前記スケジューリング部は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうことを特徴としている。
【0014】
このように、受信装置は、送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうので、再送端末による周波数リソースの占有を回避し、初送端末に割り当てる周波数リソース量を増大できる。
【0015】
(4)また、本発明の受信装置において、前記スケジューリング部は、前記受信した信号に誤りがあった場合、復号情報に基づいて、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうか否かを判断することを特徴としている。
【0016】
このように、受信装置は、受信した信号に誤りがあった場合、復号情報に基づいて、送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうか否かを判断するので、発生するIUIを制限し、ターボ等化処理による移動局間の信号分離を容易にすることが可能となる。
【0017】
(5)また、本発明の受信装置において、前記復号情報は、復号処理後に得られる符号化ビットの対数尤度比の絶対値平均であり、前記スケジューリング部は、前記復号情報が予め定められた基準値以上である場合は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なう一方、前記復号情報が予め定められた基準値未満である場合は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域と前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域とが重複しないように周波数割当を行なうことを特徴としている。
【0018】
このように、受信装置は、復号情報が予め定められた基準値以上である場合は、送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なう一方、復号情報が予め定められた基準値未満である場合は、送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域と他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域とが重複しないように周波数割当を行なうので、発生するIUIを制限し、ターボ等化処理による移動局間の信号分離を容易にすることが可能となる。
【0019】
(6)また、本発明の受信装置において、前記スケジューリング部は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域に、前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域が重複する割合を決定することを特徴としている。
【0020】
このように、受信装置は、送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域に、他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域が重複する割合を決定するので、発生するIUIを制限し、ターボ等化処理による移動局間の信号分離を容易にすることが可能となる。
【0021】
(7)また、本発明の受信装置において、CC(Chase Combining)を用いて、前記初送信号と前記再送信号との合成を行なう符号合成部を更に備えることを特徴としている。
【0022】
このように、受信装置は、CC(Chase Combining)を用いて、初送信号と再送信号との合成を行なうので、受信信号の受信レベルを向上させるとともに、時間ダイバーシチも獲得する事ができるため、再送を繰り返すごとに誤り率特性が改善することができる。
【0023】
(8)また、本発明の受信装置において、IR(Incremental Redundancy)を用いて、前記初送信号と前記再送信号との合成を行なう符号合成部を更に備えることを特徴としている。
【0024】
このように、受信装置は、IR(Incremental Redundancy)を用いて、初送信号と再送信号との合成を行なうので、再送のたびに誤り訂正復号時の符号化率を低くすることができるため、通常のARQに比べ再送回数を低減され、スループットを向上させる事ができる。
【0025】
(9)また、本発明の受信装置において、前記受信した信号に誤りがあった場合は、復号情報を記憶するバッファ部と、前記送信装置から再送信号を受信した際に、前記バッファ部に記憶されている復号情報に基づいて、前記再送信号のレプリカを生成するソフトレプリカ生成部と、前記再送信号のレプリカと他の送信装置から受けた干渉を示す情報とを用いて、干渉レプリカを生成する干渉レプリカ生成部と、前記干渉レプリカを用いて、前記受信した再送信号からユーザ間干渉を除去するソフトキャンセル部と、を備えることを特徴としている。
【0026】
このように、受信装置は、送信装置から再送信号を受信した際に、記憶されている復号情報に基づいて、再送信号のレプリカを生成し、再送信号のレプリカと他の送信装置から受けた干渉を示す情報とを用いて、干渉レプリカを生成し、干渉レプリカを用いて、受信した再送信号からユーザ間干渉を除去するので、再送によるセル全体のスループット低下を防ぐことができる。
【0027】
(10)また、本発明の周波数割当法は、送信装置から受信した信号に誤りがあった場合、前記送信装置に対して再送信号を要求する受信装置の周波数割当方法であって、前記受信した信号に誤りがあった場合は、前記送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域に対し、前記受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なうことを特徴としている。
【0028】
このように、受信装置は、受信した信号に誤りがあった場合は、送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域で、受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なうので、再送によるセル全体のスループット低下を防ぐことができる。
【0029】
(11)また、本発明の制御プログラムは、送信装置から受信した信号に誤りがあった場合、前記送信装置に対して再送信号を要求する受信装置の制御プログラムであって、前記送信装置から受信した信号に誤りがあるかどうかを判定する処理と、前記判定の結果、前記受信した信号に誤りがあった場合は、前記送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域に対し、前記受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なう処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴としている。
【0030】
このように、受信装置は、受信した信号に誤りがあった場合は、送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域で、受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なうので、再送によるセル全体のスループット低下を防ぐことができる。
【0031】
(12)また、本発明の集積回路は、受信装置に実装されることにより、前記受信装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、送信装置から受信した信号に誤りがあった場合、前記送信装置に対して再送信号を要求する機能と、前記送信装置から受信した信号に誤りがあるかどうかを判定する機能と、前記判定の結果、前記受信した信号に誤りがあった場合は、前記送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域に対し、前記受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なう機能と、の一連の機能を、前記受信装置に発揮させることを特徴としている。
【0032】
このように、受信装置は、受信した信号に誤りがあった場合は、送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域で、受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なうので、再送によるセル全体のスループット低下を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明を適用することにより、再送端末による周波数リソースの占有を回避し、初送端末に割り当てる周波数リソース量を増大できるため、周波数利用効率およびスループットの向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムにおける再送方法の概念の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局装置の基本構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るデータ信号検出部213−uの内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置の動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る基地局装置の基本構成の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るデータ信号検出部401−1〜Uの内部構成の一例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るスケジューリング部211における移動局装置への帯域割当法を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る移動局装置の基本構成の一例を示すブロック図である。
【図10】符号化部605およびパンクチャリング部607により生成される符号化ビットの一例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る移動局装置で図10に示される初送信号および再送信号が送信された場合の合成法の一例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態における基地局装置の動作を説明するフローチャートである。
【図14】従来の無線通信システムにおける再送方法の概念の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、送信装置を移動局とし、受信装置を基地局とする伝送の上り回線について説明するが、下り回線(基地局から移動局へ伝送)にも適用可能である。
【0036】
(第1の実施形態)
本実施形態では、再送時に初回の送信(初送)と同一データを送信する再送方法を用いる無線通信システムにおいて、同一送信機会で初送信号を送信する移動局と再送信号を送信する移動局に対し、同一周波数への重複割り当てを許容する形態を示す。ただし、複数の移動局が割り当てられた周波数においては互いの送信信号がユーザ間干渉(IUI : Inter-User Interference)となるため、本実施形態における基地局装置は初送時の復号ビットの尤度により生成されるレプリカを基に非線形処理である繰り返し等化技術を用いてIUIを除去し、各移動局の信号を分離する。本実施形態における移動局装置への帯域割当法を示すため、従来の帯域割当法と比較しながらその特徴について示す。
【0037】
図14は、従来の無線通信システムにおける再送方法の概念の一例を示す図である。ここでは同期式再送が用いられるものとし、システムで予め定義された一定時間後に初送時と同一の無線リソースを用いて再送を行なう例を示している。ただし、同様の割当法は非同期式再送においても適用可能であり、その場合、再送時の割当帯域は初送時と同じ伝送レートが確保されるよう任意の周波数に同じリソース量だけ割り当てられる。
【0038】
まず、第1の移動局装置、第2の移動局装置および第3の移動局装置は、第1の送信信号、第2の送信信号および第3の送信信号のように信号を周波数軸上に配置し、送信する。このとき各移動局装置の送信信号は周波数領域で直交するように、異なる周波数に対して割り当てられる。これらの送信信号を基地局装置で受信した際、第1の移動局装置および第3の移動局装置からの送信信号は誤りなく伝送できたものとし、第2の移動局装置からの送信信号は復号後のビットに誤り(信号検出誤り)があったものとすると、基地局装置は応答信号として、第1の移動局装置および第3の移動局装置に対してはACK(Acknowledgement;肯定応答)を、第2の移動局装置に対してはNACK(Negative ACK;否定応答)を送信する。同期式再送ではNACKを受信した第2の移動局装置は初送時の一定時間後に同一の周波数リソースを用いて再送信号を送信する。よって、基地局装置のスケジューリング部は第2の移動局装置の再送時において、まず第2の移動局装置に対し初送時と同じ帯域を割り当てた後、新しいデータを送信する第1の移動局装置および第3の移動局装置に対しては第2の移動局装置が使用しない周波数のみを割当可能な周波数として割当を行なう。そのため、第2の移動局装置のように再送を行なう移動局装置の周波数リソースのシステム帯域に占める割合が大きくなるほどセル全体のスループットが低下する。
【0039】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムにおける再送方法の概念の一例を示す図である。同図に示されるように、本実施形態では、再送信号が割り当てられた周波数を割当可能な周波数とし、他の移動局装置がその周波数を使用して送信することを許容する。同図では、第1の移動局装置と第3の移動局装置の送信信号が、第2の移動局装置の再送信号と一部同一の周波数を使用している例を示している。このような割当を行なうことで、セル内の割当可能な帯域は再送時の信号により制限されることが無くなり、再送によるセル全体の伝送レート低下を防ぐことが可能となる。
【0040】
このような割当を行なった場合、信号を受信する基地局装置では、少なくとも一部で初送信号と再送信号が重複されて受信される。このとき、重複された信号の数が受信アンテナ本数より多い(例えば、基地局装置の受信アンテナが1本の場合は重複数が2以上、受信アンテナが2本の場合は重複数が3以上)場合、セル内でIUIが発生することを意味している。このとき、勿論、IUIを含めた受信信号対干渉雑音電力比(SINR : Signal to Interference and Noise power Ratio)によっては分離することができる場合もあるが、一般的には従来の方法に比べると誤り率は悪くなる。そこで、本実施形態では、誤り訂正復号後の送信ビットに関する信頼性あるいは復号ビットを、等化処理を行なう等化部へフィードバックするフィードバックループを基地局装置に具備させる。これは、硬判定値をフィードバックする判定帰還型でもよいし、対数尤度比(LLR;Log Likelihood Ratio)のような送信ビットの信頼性をフィードバックするターボ等化のような方法を用いてもよい。以下では、ターボ等化を用いた分離方法について記載するものとするが、これに限定されない。
【0041】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る移動局装置の基本構成を示すブロック図である。まず、移動局装置はアンテナ101において基地局装置から下り回線で通知された制御信号を受信する。受信処理部103では、受信した制御情報をベースバンド信号にダウンコンバートし、A/D(Analog to Digital)変換によりデジタル信号に変換した後、制御信号検出部105と応答信号検出部107に入力する。制御信号検出部105は、入力されたベースバンド信号から、データ信号を生成するために必要な変調方式や符号化率に関する情報(合わせてMCS(Modulation and Coding Scheme)とも呼ばれる)や周波数割当情報、参照信号の系列に関する情報などを検出し、それぞれデータ信号生成部109、周波数割当部111、参照信号生成部113に入力する。一方、応答信号検出部107では、前回の伝送機会で送信した信号が後述する基地局装置において正しく受信された際にはACK(Acknowledgement)が、正しく受信されなかった場合にはNACK(Negative ACK)が受信されているため、これらの応答信号に関する情報を検出し、初送/再送切替部115へ入力する。
【0042】
一方、移動局装置から基地局装置に伝送される情報ビット列は、まずCRC付加部117に入力され、基地局装置で正しく復号できたかをチェックするためのCRC(Cyclic Redundancy Check)符号が付加される。データ信号生成部109では、CRC付加部117からの入力に対し、制御信号検出部105より得られた制御情報に基づき、送信データの時間信号の生成が行なわれる。まず、通知された符号化率となる様に誤り訂正符号である畳み込み符号やターボ符号、LDPC(Low Density Parity Check)符号などの誤り訂正符号化処理を施す。次に、符号化されたビットに対し、QPSK(Quaternary Phase Shift Keying : 四相位相偏移変調)や16QAM(Quadrature Amplitude Modulation : 16直交振幅変調)および64QAM等の変調方式のうち制御情報として通知されたものを用いて変調処理が行なわれ、生成された変調シンボルが初送/再送切替部115およびバッファ部119に入力される。
【0043】
バッファ部119は、データ信号生成部109から入力される変調シンボルを記憶する機能を有し、該変調シンボルに対する応答信号を受信した際に記憶されている変調シンボルを初送/再送切替部115に入力する。初送/再送切替部115は、応答信号検出部107より入力される応答信号に応じて、DFT部121に入力する変調シンボルを切り替える。応答信号がACKである場合には、データ信号生成部109より入力される初送の変調シンボルを出力し、応答信号がNACKである場合には、バッファ部119に記憶されている変調シンボルをDFT部121に出力する。ただし、応答信号がNACKである場合、データ信号生成部109より入力された初送の変調シンボルは次の送信機会において再度使用される。ただし、本例ではバッファ部119および初送/再送切替部115は変調後の時間領域において記憶・切替を行なう構成としたが、DFT部121の後に配置し周波数領域で処理を行なう構成としても良い。また、初送時と再送時で、同一周波数リソースを使用する同期式の再送法である場合には周波数割当部111以降に配置しても良い。
【0044】
DFT部121には、初送/再送切替部115より入力された変調シンボルがNDFTシンボル毎に入力され、NDFTポイントの離散フーリエ変換(DFT : Discrete Fourier Transform)により周波数信号に変換される。周波数割当部111では制御信号検出部105より入力される周波数割当情報に基づいてシステム帯域NFFTポイントのうち指定されたNDFTポイントの周波数に配置される。ただし、割当方式としては連続した周波数帯域に割り当てられるDFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing、SC-FDMAとも称される)や離散した周波数帯域に割り当てられるClustered DFT−S−OFDM等が挙げられるが送受信間で定められた任意の方式が用いられて良い。IFFT部123では、割当後のNFFTポイントの周波数信号をNFFTポイントの逆高速フーリエ変換(IFFT : Inverse Fast Fourier Transform)により時間信号に変換する。
【0045】
参照信号生成部113では制御信号検出部105より入力される参照信号の系列に関する情報に基づき伝搬路推定用の参照信号(RS : Reference Signal)が生成され、参照信号多重部125においてデータ信号と多重される。ただし、本例では時間領域で参照信号を多重する構成としたが、周波数領域で参照信号を多重する構成としても良い。送信処理部127では参照信号が多重された時間信号の後方の一部をサイクリックプレフィックス(CP : Cyclic Prefix)として前方にコピーし、D/A変換によりアナログ信号に変換した後、搬送波周波数にアップコンバートし、アンテナ101から送信する。
【0046】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。ただし本例では具備する受信アンテナの本数は1としているが複数本備えていても良い。ここでは、U局の移動局装置が基地局装置と接続しているものとする。アンテナ201で受信された受信信号は、受信処理部203において、ベースバンド信号にダウンコンバートされ、A/D変換によりデジタル信号に変換された後、CPが除去される。参照信号分離部205では受信信号に多重されている各移動局装置の参照信号を分離し、分離後の受信信号をFFT部207へ、分離された参照信号を伝搬路推定部209へそれぞれ入力する。伝搬路推定部209では入力された参照信号から各移動局装置の伝搬路特性を推定し、スケジューリング部211およびデータ信号検出部213−1〜Uに出力する。
【0047】
一方、FFT部207では、参照信号が分離された受信信号をNFFTポイントの高速フーリエ変換(FFT : Fast Fourier Transform)により周波数信号に変換し、周波数デマッピング部215に入力する。周波数デマッピング部215は、スケジューリング部211が制御情報を生成する際に決定された割当情報に従い各移動局装置が使用したNDFTポイントの帯域の周波数信号をそれぞれ抽出する。抽出された周波数信号は移動局装置毎にデータ信号検出部213−1〜213−Uに入力され、繰り返し等化技術を用いた信号検出が行なわれる。
【0048】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るデータ信号検出部213−uの内部構成を示すブロック図である。ソフトキャンセル部301−uは周波数デマッピング部215より入力された周波数信号に対し、干渉レプリカ生成部303−uより入力されるレプリカ信号の減算を行ない、無線伝搬路の遅延波に起因して生じるシンボル間干渉(ISI : Inter-Symbol Interference)、および再送時に他の移動局装置が同一周波数を使用したことにより発生するIUIを除去する。ただし、同一セル内に再送を行なった移動局装置が存在しない場合の繰り返し1回目の処理では、ISIやIUIに関する情報が未知であることから何もキャンセルされない。再送を行なう移動局装置が存在する場合については後述する。
【0049】
等化部305−uでは、伝搬路推定部209より入力される伝搬路推定値を用いてMMSE(Minimum Mean Square Error)重みやZF(Zero Forcing)重み等を乗算する等によりISIおよびIUIに関する残留干渉成分の抑圧が行なわれ、DFT部307−uより入力されるソフトレプリカにより希望信号の合成が行なわれる。IDFT部309−uは等化部305−uの出力である周波数信号をNDFTポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT : Inverse DFT)により時間信号に変換する。復調部311−uでは伝送に使用された変調方式に従い復調処理により各符号化ビットの信頼性を表す対数尤度比(LLR : Log Likelihood Ratio)が算出される。ここで、対数尤度比は、符号化ビットが1である確率と0である確率の比の自然対数(底がe(ネイピア数)の対数)で表現される。
【0050】
復号部313−uでは各符号化ビットのLLRについて、最大事後確率(MAP : Maximum A Posteriori)推定に基づく誤り訂正処理を行ない、尤度の向上した符号化ビットの外部LLRをソフトレプリカ生成部315−uに出力し、情報ビットの事後LLRを硬判定した復号ビットをCRC判定部(判定部)217−uに出力する。ただし、繰り返し処理を終了する場合には、符号化ビットの外部LLRはバッファ部317−uへ入力される。ここで、外部LLRは、誤り訂正処理により、尤度の向上した符号化ビットの事後LLRから、復号部313−uに入力された符号化ビットのLLRを減算した値であり、誤り訂正処理のみで向上した信頼性を表す。また、情報ビットは、各移動局装置の符号化前のビットを表す。
【0051】
バッファ部317−uは、繰り返し等化処理を終了する際に復号部313−uより入力される外部LLRを、再送信号を受信する機会まで記憶する機能を有する。ただし、応答信号生成部219−uより入力される応答信号がACKである場合には再送が行なわれないため記憶されない。応答信号がNACKであった場合、該応答信号に対する再送信号を受信した際に記憶した外部LLRをソフトレプリカ生成部315−uに入力する。ソフトレプリカ生成部315−uでは入力された符号ビットの外部LLRから、ソフトレプリカと呼ばれる各変調シンボルの振幅の期待値が算出され、DFT部307−uにおいてNDFTポイントのDFTにより周波数領域のレプリカ信号に変換される。DFT部307−uより出力されるレプリカ信号は、等化部305−uにおける希望信号の合成に使用されると共に、各移動局装置の干渉レプリカ生成部303−uに入力される。ただし、DFT部307−uの出力は図3において記載していないが、全移動局に対するデータ信号検出部213−1〜Uに対して入力される。
【0052】
干渉レプリカ生成部303−uは、各移動局に対応したデータ信号検出部213−1〜Uから入力されるレプリカ信号に対し、伝搬路推定部209から入力される各移動局の伝搬路推定値を乗算した後に全移動局分加算することで受信信号のレプリカ信号を生成する。さらにスケジューリング部211で決定された割当情報に基づき、データ検出する信号が使用した帯域のレプリカ信号のみを抽出し、ソフトキャンセル部301−uへ入力する。
【0053】
このデータ信号検出部213−1〜U内の一連の処理の繰り返しがターボ等化技術と一般的に称され、これを任意の回数繰り返した後、復号部313−uより得られる復号ビットがCRC判定部217−1〜Uへ出力される。ただし、繰り返しの毎回でCRC判定部217−1〜Uへ出力し、誤りが無いと判定された場合に繰り返し処理を終了しても良い。
【0054】
以上の処理は、受信信号に再送信号が含まれない場合を示したが、U局の移動局のうちいずれかが再送信号であった場合、繰り返し処理の初回において再送信号のキャンセル処理が行なわれる。再送信号である移動局のデータ信号検出部213−1〜Uでは、まずバッファ部317−uに記憶された外部LLRをソフトレプリカ生成部315−uに入力し、再送信号のレプリカ信号を生成する。生成されたレプリカ信号はDFT部307−uを介して周波数信号に変換され、全ての移動局のデータ信号検出部213−1〜Uの干渉レプリカ生成部303−uに入力される。各移動局の干渉レプリカ生成部303−1〜Uは入力された全ての再送信号のレプリカ信号から干渉成分を生成し、ソフトキャンセル部301−uに入力する。よってソフトキャンセル部301−uでは繰り返し初回において、干渉レプリカ生成部303−uより入力される干渉成分の減算が行なわれ、IUIの低減が可能となる。ただし、繰り返し2回目以降の処理は再送信号が存在しない場合と同様である。
【0055】
図3のCRC判定部217−1〜Uではデータ信号検出部213−1〜Uより復号ビットが入力され、移動局装置でビット系列に付加したCRC符号と復号ビットから生成されるCRC符号を照合し、正しく復号できたかどうかを判定する。正しく復号できた場合にのみ、復号ビット列を移動局装置から送信された送信データとして出力する。また、判定の結果(正しく復号できたか否か)は、応答信号生成部219−1〜Uに入力される。応答信号生成部219−1〜Uは、正しく復号できたことが入力された場合はACK信号を、正しく復号できなかったことが入力された場合はNACK信号を生成し、送信処理部223およびデータ信号検出部213−1〜Uのバッファ部317−1〜Uに入力する。
【0056】
一方で、伝搬路推定部209で推定された各移動局装置の伝搬路推定値はスケジューリング部211へ入力され、周波数割当および使用される変調方式、符号化率の決定を行ない、制御情報生成部221に入力される。周波数割当の決定法については後述する。制御情報生成部221では、スケジューリング部211の出力から制御情報が生成され、送信処理部223に出力される。ただし、制御情報にはその他の移動局装置が信号を送信するために必要な情報(例えば、参照信号系列が移動局装置毎に設定できる場合の、参照信号の系列に関する情報など)が含まれても良い。送信処理部223は所定のタイミングにおいて制御情報あるいは応答信号に対しD/A変換および無線周波数へのアップコンバートを行なった後、アンテナ201から各移動局装置に送信される。ただし、これらの制御情報および応答信号は、データの受信処理にも必要なため、通知した情報に基づいて伝送されたデータの受信まで記憶されているものとする。
【0057】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置の動作を説明するフローチャートである。基地局装置は初送信号あるいは再送信号が多重された信号を受信する(ステップS1)。次に、基地局装置は受信信号に再送信号が含まれるかを判定する(ステップS2)。再送信号が含まれない場合は(ステップS2:No)ステップ3をスキップする。再送信号が含まれる場合(ステップS2:Yes)、バッファ部317−1〜Uに保管されている前回の送信機会の外部LLRからソフトレプリカを生成し、各移動局装置に対応したソフトキャンセル部301−uにおいてIUIおよびISIのキャンセルを行なう(ステップS3)。
【0058】
続いて、基地局装置は、推定された伝搬路推定値に基づいた等化処理、復調処理が行なわれ、信号が検出される(ステップS4)。次に、基地局装置は、誤り訂正復号処理を行なう(ステップS5)。基地局装置は、該信号に対して誤りがあるかを判定する(ステップS6)。誤りが検出された場合(ステップS6:Yes)、基地局装置は、繰り返し処理を行なうかを判定する(ステップS7)。繰り返し処理を終了する場合(ステップS7:Yes)、基地局装置は、移動局装置に対しNACKを送信し(ステップS8)、再送時の初回処理において干渉キャンセルを行なうために、ステップS5で得られた符号化ビットのLLRを記憶する(ステップS9)。ステップS7において繰り返し処理を行なうと判定された場合(ステップS7:No)、基地局装置は、ステップS5で得られたLLRからレプリカ信号を生成する(ステップS10)。基地局装置は、ステップS10で生成したレプリカ信号を用いて干渉キャンセルを行なった後(ステップS11)、ステップS4に戻る。以降、ステップS6で誤りが検出されないか、ステップS7で繰り返し処理を終了すると判定されるまで、繰り返し処理が行なわれる。ステップS6で誤りが検出されない場合、ステップS12では、基地局装置は、移動局装置に対しACKを送信し、終了する。
【0059】
本実施形態では、再送を行なう移動局の割当帯域に対し、初送を行なう移動局の割当帯域を重複させることを許容する。この結果、再送によるセル全体のスループット低下を防ぐことができる。なお、重複した帯域に対しては、再送を行なう移動局の前回の伝送時に記憶された復号情報を用いたソフトキャンセルを行なうことで、IUIによる劣化を抑えることができる。
【0060】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、初送を行なう移動局と再送を行なう移動局の割当帯域を重複させ、信号分離の際に、再送を行なう移動局の前回の伝送時に記憶された復号情報を用いる形態を示した。しかしながら、記憶された復号情報は誤りが存在しており、復号情報の信頼性が低い場合にはソフトキャンセルによるIUIの低減効果は小さいことが考えられる。そこで本実施形態では、再送を行なう移動局の繰り返し処理後に与えられる符号ビットのLLRの大きさに応じて、初送を行なう移動局の重複を許容するか否か、あるいは重複量を決定する形態について説明する。本実施形態における移動局装置の基本構成は、第1の実施形態における図2の構成例と同様であるため説明を省略する。
【0061】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る基地局装置の基本構成の一例を示すブロック図である。第1の実施形態における図3と同様の機能を有するブロックについては同一の符号を割り振っており説明を省略する。一方、図3におけるデータ信号検出部213−1〜Uが図6ではデータ信号検出部401−1〜Uであり、次回の伝送機会において再送を行なう移動局装置の割当帯域に対し、他の初送を行なう移動局装置の割当帯域が重複することを許容するか否かを判定する機能を有する。
【0062】
図7は、本発明の第2の実施形態に係るデータ信号検出部401−1〜Uの内部構成の一例を示すブロック図である。図7のデータ信号検出部401−1〜Uは図4におけるデータ信号検出部213−1〜Uとは重複許容判定部501−uを有する点、およびバッファ部503−1〜Uの機能が異なり、その他のブロックについては同様の機能を有するため説明を省略する。
【0063】
重複許容判定部501−uは、応答信号生成部219−uより入力される第uの移動局装置に対する応答信号がNACKである場合に、復号部313−uより出力される符号化ビットのLLRに基づき、第uの移動局装置の割当帯域に対し他の移動局装置が重複することを許容するか判定を行なう。ここでは判定基準として符号化ビットのLLRの絶対値の平均が、判定基準値以上であるか否かに応じて重複の許容を決定する。すなわち重複許容判定部501−uは判定基準値Lを保有し、復号部313−uより入力される第uの移動局装置のk番目の符号ビットのLLRがL(k)∈CNsym×1(ただし、Nsymは符号ビット数)であるとすると、LLRの平均値Lu,aveを次式で算出する。
【0064】
【数1】

【0065】
そして、「Lu,ave≧L」である場合には第uの移動局の割当帯域に対する他の移動局の重複を許容すると判定し、「Lu,ave<L」である場合には重複を許容しないと判定する。ただし、判定結果はバッファ部503−uおよび図6のスケジューリング部211へ出力される。
【0066】
バッファ部503−uには、重複許容判定部501−uより判定結果が入力され、重複を許容する旨が入力された場合には、その時点での復号部313より出力された符号ビットの外部LLRを記憶する。記憶された外部LLRは再送された信号を受信した際にソフトレプリカ生成部315−uに出力され、その他の場合においては復号部313より入力された外部LLRがそのままソフトレプリカ生成部315−uに出力される。
【0067】
図6のスケジューリング部211には、伝搬路推定部209より各移動局の伝搬路推定値が入力される。また、データ信号検出部401−1〜Uより、各移動局の割当帯域に対し、初送を行なう他の移動局の重複を許容するかの判定結果が入力される。また、応答信号生成部219−1〜Uより各移動局の応答信号が入力される。図6のスケジューリング部211は、これらの情報を基に周波数割当および使用される変調方式、符号化率の決定を行なう。
【0068】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るスケジューリング部211における移動局装置への帯域割当法を示す図である。ここでは、第1の移動局装置、第2の移動局装置、第3の移動局装置および第4の移動局装置が、第1の送信信号、第2の送信信号、第3の送信信号および第4の送信信号を周波数軸上に直交するように配置し、初送を行なう。これらの送信信号を基地局装置で受信した際、第1の移動局装置および第3の移動局装置において誤りが無かったものとし、第2の移動局装置および第4の移動局装置に信号検出誤りがあったものとすると、基地局装置は応答信号として、第1の移動局装置および第3の移動局装置に対してはACKを、第2の移動局装置および第4の移動局装置に対してはNACKを送信する。
【0069】
そしてデータ信号検出部401−1〜Uにおいて第2の移動局装置および第4の移動局装置における重複許容判定を行なった結果、第2の移動局装置はLLRの値が十分に高いため重複可能となり、第4の移動局装置はLLRの値が小さいため重複不可となった場合、スケジューリング部211は図8(b)の様に各移動局装置に対し伝送帯域を割り当てる。まず再送を行なう第2の移動局装置および第4の移動局装置に対し初送と同じ帯域を割り当てた後、重複を許容しない第4の移動局装置の割当帯域を除く全ての帯域に対し第1の移動局装置および第3の移動局装置の伝送帯域を割り当てる。ただし、再送時において新たに第5の移動局装置が初送を行なう場合には、第2の移動局装置との重複を許容した上で、第1の移動局装置、第3の移動局装置および第5の移動局装置間で異なる帯域を使用するよう割り当てが行なわれてよい。このような割当を行なうことで、初送時の復号情報によりIUIの除去が困難である移動局装置への重複を禁止した上で、従来の再送制御を用いた場合に比べ、初送を行なう移動局装置の割当可能な帯域を増加させる事ができる。
【0070】
ただし、本実施形態は復号部313より出力される符号化ビットのLLRの平均値とただ1つの判定基準値を比較した結果により重複を許容するか許容しないかを判定したが、判定基準値を複数用意し、判定結果により重複量を制限する構成としても良い。例として、判定基準値をLc1<Lc2の2つを用意し、Lu,aveとの比較を行なう。Lu,ave<Lc1であった場合、第uの移動局の再送信号には重複を許容せず、Lc1≦Lu,ave<Lc2であった場合には、第uの移動局の再送信号の割当帯域の50%まで重複を許容し、Lu,ave≧Lc2であった場合は、第uの移動局に対して他の初送信号の重複を許容する。このように初送信号の符号化ビットのLLRの大きさ、すなわち信頼性により重複量を制限することで、発生するIUIを制限し、ターボ等化処理による移動局間の信号分離を容易にすることが可能となる。
【0071】
ただし、本実施形態は復号部313より出力される符号化ビットのLLRの絶対値平均により判定を行なったが、復号情報の信頼性を示す指標であれば異なる基準が用いられても良い。
【0072】
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態では、再送時に初送時と同一の信号を送信することを前提とし、再送を行なう移動局装置からの再送信号と初送を行なう移動局装置からの初送信号を重複させる形態を示した。本実施形態では再送方法としてH−ARQ方式の1つであるIR法を用いることを想定し、再送信号と初送信号を重複させ、非線形繰り返し処理によりIUIを除去した後にIR法による信号合成を行なう形態を示す。
【0073】
図9は、本発明の第3の実施形態に係る移動局装置の基本構成の一例を示すブロック図である。図9の移動局装置は、図2の移動局装置とはデータ信号生成部601の構成およびバッファ部603の機能が異なる。その他の同一符号が割り当てられているブロックは図2の移動局装置と同様の機能を有するため説明を省略する。
【0074】
データ信号生成部601は符号化部605と、バッファ部603と、パンクチャリング部607と変調部609とを備える。一般に、誤り訂正符号は、情報ビットに拘束と冗長を与える。このとき、どのように拘束と冗長を与えるかは符号器構成で決定されている。例えば、ターボ符号の場合、情報ビット長をNビットとすると、2Nビットのパリティビットが付加され、3Nビットの符号ビットが出力される。これは、ターボ符号器そのものは符号化率1/3で符号化することを意味しており、これを基底符号化と定義する。さらに、受信SINRなど受信品質に応じて符号化率を変更する場合には、基底符号化率で符号化された符号ビットに対し、一部を消去法則(パンクチャパターン)に基づいて間引くことで、任意の符号化率を実現している。畳み込み符号の場合は、さまざまな基底符号化の符号器構成があるが、よく使用されるのは符号化率1/2のものであり、得られた2Nビットの長さの符号ビットからパンクチャパターンに基づいて間引くことで任意の符号化率(3/4や7/8など)を実現する。
【0075】
パンクチャリング部607では制御信号検出部105より符号化率情報Rが入力され、送信回数に応じて異なる消去法則(パンクチャパターン)に基づき、符号化ビットの一部を間引く(パンクチャリング)処理が行なわれる。パンクチャリングにより生成される符号化ビットはN/Rビットとなり変調部609へ出力される。
【0076】
図10は、符号化部605およびパンクチャリング部607により生成される符号化ビットの一例を示す図である。図10では符号化部605における基底符号化率を1/3、パンクチャリング部607に制御情報として入力される、伝送する情報ビットの符号化率Rを2/3とする。また、パンクチャリング部607におけるパンクチャパターンが初送時において「P1=1、1、0、1、0、0」、再送時において「P2=0、0、1、0、1、1」である場合を示している。符号化部605に送信データが2ビット入力されると、誤り訂正符号化により6ビットの符号化ビットが生成される。生成された符号化ビットはバッファ部603に記憶された後、パンクチャリング部607でパンクチャリングされる。
【0077】
初送時においてはパンクチャパターンP1が使用されるため、6ビットの符号化ビットのうち3番目、5番目、6番目のビットが削除され、1番目、2番目、4番目のビットのみ出力される。次に初送に対する応答信号でNACKを受信した場合、移動局装置はバッファ部603より6ビットの記憶された符号化ビットをパンクチャリング部607に出力し、パンクチャリング部607においてパンクチャパターンP2を使用してパンクチャリングを行なう。符号化ビットの1番目、2番目、4番目が削除され、3番目、5番目、6番目のビットが出力される。このように初送信号と再送信号で異なるビットを削除することで、初送信号時の誤りの原因が誤り訂正に寄与しない間引かれた符号ビットであるという考えに基づき、再送時に補完することで低い符号化率の誤り訂正復号が可能となる。変調部609は、制御信号検出部105より入力される変調方式情報に基づきQPSKや16QAM、64QAM等の変調処理を行なう。
【0078】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。第3の実施形態に係る基地局装置の構成は第1の実施形態における図3の基地局装置の構成と同様であるが、データ信号検出部701−uの構成が一部異なる。図11におけるデータ信号検出部701−uは符号合成部703−uを具備する。第1のバッファ部705−uは、初送時および再送機会毎の繰り返し終了時に復調部707−uで得られた符号化ビットのLLRを記憶する。記憶されたLLRの値は次回以降の再送時において符号合成部703−uに出力される。符号合成部703−uは、検出する信号が再送信号である場合に復調部707−uより入力された符号化ビットと第1のバッファ部705−uに記憶された符号化ビットを合成する。IR法では再送機会毎に符号化ビットの異なるビットをパンクチャリングするため、合成を行なうことで伝送に使用された符号化率より高い符号化利得を獲得することができる。
【0079】
図12は、本発明の第3の実施形態に係る移動局装置で図10に示される初送信号および再送信号が送信された場合の合成法の一例を示す図である。第1のバッファに記憶されたLLRがL1、L2、L3とすると、これらは初送信号で送信されたビットに相当するものであり、それぞれパンクチャリング前の符号化ビットにおける1番目、2番目、4番目のビットのLLRに相当する。一方、再送時に復調部707−uより入力されるLLRをL4、L5、L6とすると、これらは再送信号で送信されたビットに相当するため、それぞれパンクチャリング前の符号化ビットにおける3番目、5番目、6番目のビットの尤度に相当する。そのため符号合成部703−uはこれらのLLRを合成し、L1、L2、L4、L3、L5、L6を符号化ビットの1番目から6番目のLLRとして復号部313に出力する。
【0080】
復号部313−uは各符号化ビットのLLRについて、誤り訂正処理を行ない、尤度の向上した符号化ビットの外部LLRをパンクチャリング部709−uに出力し、情報ビットの事後LLRをCRC判定部217−uに出力する。ただし繰り返し処理を終了する場合、符号化ビットの外部LLRは第2のバッファ部711−uへ出力される。第2のバッファ部711−uは応答信号生成部219−uよりNACKが通知された場合に、復号部313−uより入力された外部LLRを次回の再送時まで記憶する。記憶された外部LLRは再送信号を受信した際の繰り返し処理が行なわれる前にパンクチャリング部709−uへ出力される。パンクチャリング部709−uは移動局装置と同様に再送回数に応じて決定されるパンクチャパターンを用いて入力された符号化ビットの外部LLRに対してパンクチャリングが行なわれる。なお、ソフトキャンセル部301−uは、図4で示したものと同様の機能を有する。
【0081】
図13は、本発明の第3の実施形態における基地局装置の動作を説明するフローチャートである。図5におけるフローチャートと同一符号を振っているステップは同一の機能を有するが、本実施形態ではステップS4にて信号検出後、基地局装置は、検出された信号が初送信号であるかを判定する(ステップS101)。初送信号である場合(ステップS101:Yes)、ステップS102をスキップする。初送信号でない(再送信号である)場合(ステップS101:No)、基地局装置は、得られた符号化ビットのLLRと前回の送信機会で記憶された符号化ビットのLLRの合成し、符号化ビットのLLR生成を行なう(ステップS102)。
【0082】
ただし、本実施形態では初送と再送で異なるパンクチャリングを行なうIR方式について説明したが、CC法においても適用可能である。CC法を用いる場合、初送と再送で同一のパンクチャリングを行ない、基地局装置における符号合成部703−uで初送信号のLLRと再送信号のLLRを最大比合成する処理を行なうことで実現可能である。
【0083】
本実施形態では、再送方式としてIR法を用いた場合において、初送を行なう移動局の割当帯域を重複させることを許容する。この結果、再送によるセル全体のスループット低下を防ぎつつ、再送により向上する符号化利得によって再送回数を少なく抑えることができる。
【0084】
本発明に関わる移動局装置および基地局装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。
【0085】
また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。
【0086】
また、上述した実施形態における移動局装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置および基地局装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0087】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
101 アンテナ
103 受信処理部
105 制御信号検出部
107 応答信号検出部
109 データ信号生成部
111 周波数割当部
113 参照信号生成部
115 初送/再送切替部
117 CRC付加部
119 バッファ部
121 DFT部
123 IFFT部
125 参照信号多重部
127 送信処理部
201 アンテナ
203 受信処理部
205 参照信号分離部
207 FFT部
209 伝搬路推定部
211 スケジューリング部
213−1〜213−U、213 データ信号検出部
215 周波数デマッピング部
217−1〜217−U、217 CRC判定部
219−1〜219−U、219 応答信号生成部
221 制御情報生成部
223 送信処理部
301−1〜301−U、301 ソフトキャンセル部
303−1〜303−U、303 干渉レプリカ生成部
305−1〜305−U、305 等化部
307−1〜307−U、307 DFT部
309−1〜309−U、309 IDFT部
311−1〜311−U、311 復調部
313−1〜313−U、313 復号部
315−1〜315−U、315 ソフトレプリカ生成部
317−1〜317−U、317 バッファ部
401−1〜401−U、401 データ信号検出部
501−1〜501−U、501 重複許容判定部
503−1〜503−U、503 バッファ部
601 データ信号生成部
603 バッファ部
605 符号化部
607 パンクチャリング部
609 変調部
701−1〜701−U、701 データ信号検出部
703−1〜703−U、703 符号合成部
705−1〜705−U、705 第1のバッファ部
707−1〜707−U、707 復調部
709−1〜709−U、709 パンクチャリング部
711−1〜711−U、711 第2のバッファ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの受信アンテナを備え、送信装置から受信した信号に誤りがあった場合、前記送信装置に対して再送信号を要求する受信装置であって、
前記送信装置から受信した信号に誤りがあるかどうかを判定する判定部と、
前記判定の結果、前記受信した信号に誤りがあった場合は、前記送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域に対し、前記受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なうスケジューリング部と、を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記スケジューリング部は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と前記送信装置または前記送信装置とは異なる他の送信装置が前記再送信号以外の信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記スケジューリング部は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項4】
前記スケジューリング部は、前記受信した信号に誤りがあった場合、復号情報に基づいて、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なうか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項5】
前記復号情報は、復号処理後に得られる符号化ビットの対数尤度比の絶対値平均であり、
前記スケジューリング部は、前記復号情報が予め定められた基準値以上である場合は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部と前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域の少なくとも一部とが重複するように周波数割当を行なう一方、前記復号情報が予め定められた基準値未満である場合は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域と前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域とが重複しないように周波数割当を行なうことを特徴とする請求項4記載の受信装置。
【請求項6】
前記スケジューリング部は、前記送信装置が再送信号を送信するために使用する周波数帯域に、前記他の送信装置が初送信号を送信するために使用する周波数帯域が重複する割合を決定することを特徴とする請求項4記載の受信装置。
【請求項7】
CC(Chase Combining)を用いて、前記初送信号と前記再送信号との合成を行なう符号合成部を更に備えることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項8】
IR(Incremental Redundancy)を用いて、前記初送信号と前記再送信号との合成を行なう符号合成部を更に備えることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項9】
前記受信した信号に誤りがあった場合は、復号情報を記憶するバッファ部と、
前記送信装置から再送信号を受信した際に、前記バッファ部に記憶されている復号情報に基づいて、前記再送信号のレプリカを生成するソフトレプリカ生成部と、
前記再送信号のレプリカと他の送信装置から受けた干渉を示す情報とを用いて、干渉レプリカを生成する干渉レプリカ生成部と、
前記干渉レプリカを用いて、前記受信した再送信号からユーザ間干渉を除去するソフトキャンセル部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項10】
送信装置から受信した信号に誤りがあった場合、前記送信装置に対して再送信号を要求する受信装置の周波数割当方法であって、
前記受信した信号に誤りがあった場合は、前記送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域に対し、前記受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なうことを特徴とする周波数割当方法。
【請求項11】
送信装置から受信した信号に誤りがあった場合、前記送信装置に対して再送信号を要求する受信装置の制御プログラムであって、
前記送信装置から受信した信号に誤りがあるかどうかを判定する処理と、
前記判定の結果、前記受信した信号に誤りがあった場合は、前記送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域に対し、前記受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なう処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項12】
受信装置に実装されることにより、前記受信装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、
送信装置から受信した信号に誤りがあった場合、前記送信装置に対して再送信号を要求する機能と、
前記送信装置から受信した信号に誤りがあるかどうかを判定する機能と、
前記判定の結果、前記受信した信号に誤りがあった場合は、前記送信装置が再送信号を送信するための周波数帯域に対し、前記受信アンテナの数を超える異なる信号が重複するように周波数割当を行なう機能と、の一連の機能を、前記受信装置に発揮させることを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−5139(P2013−5139A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132949(P2011−132949)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】