説明

受信装置および受信方法

【課題】正確な時刻情報を容易な構成で取得する受信装置を提供する。
【解決手段】電波時計1は、時刻情報が変調され、少なくとも2つの周波数で送信された
時刻信号を含む受信信号が入力される入力手段10と、前記2つの周波数の中間値を示す
周波数を有する局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段22と、前記局部発振信号
および前記受信信号を移相させる位相回転量を決定する位相回転量決定手段24と、前記
決定された位相回転量で前記2つの信号をそれぞれ移相して混合することにより、前記2
つの周波数で送信された時刻信号の中で、前記位相回転量に対応した一方の周波数の時刻
信号を除去すると共に、他方の周波数の時刻信号を、一定値である中間周波数の信号に変
換する周波数変換手段16と、前記変換された中間周波数の信号を復調して、前記他方の
周波数で送信された時刻情報を取り出すCDMA信号復調手段50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻情報を受信する受信装置および受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子時計や携帯情報端末のように、正確な時刻を必要とする受信装置が、時刻情報を取
得する方法として、地上基地局から送信される長波帯域の標準電波や、GPS(Glob
al Positioning System)衛星から送信される極超短波帯域の時刻
データを受信する方法が知られている。更に、近年では、下記特許文献1に記載されてい
るように、移動通信を目的として、CDMA(Code Division Multi
ple Access)変調されて送信される極超短波帯域の電波に含まれる時刻情報を
受信して、正確な時刻を取得する装置が提案されている。このような極超短波帯域の電波
は、種々の中継局から遍く中継されるため、長波帯域の標準電波やGPS衛星からの電波
と比較して、建物の中や地下のような様々な移動先においても、良好に受信できることが
知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−169376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した極超短波帯域の電波に含まれる時刻情報は、異なる2つの周波数で送信されて
おり、受信状況等に応じて受信する周波数を受信側で切替えるべく、それぞれの送信周波
数に対応する2つの局部発振信号を生成し、受信する周波数に応じて何れか1つを選択す
る必要があった。しかしながら、局部発振信号は、極超短波帯域の電波に対応することか
ら、周波数が高くなることに加え、それぞれの周波数を所定の周波数に精度良く同調させ
る必要があった。従って、受信機は、2つの局部発振信号を精度良く生成すると共に、こ
れらを切替えて使用するため、受信機の構成が複雑になると共に、受信時における消費電
力が増大した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、本発明の受信装置は、時刻情報が変調され、少なくと
も2つの周波数で送信された時刻信号であって、前記時刻信号を含む受信信号が入力され
る入力手段と、前記2つの周波数の中間値を示す周波数を有する局部発振信号を生成する
生成手段と、前記局部発振信号および前記受信信号を移相させる位相回転量を決定する決
定手段と、前記決定された位相回転量で、前記局部発振信号および前記受信信号をそれぞ
れ移相して混合することにより、前記2つの周波数で送信された時刻信号の中で、前記位
相回転量に対応した一方の周波数の時刻信号を除去すると共に、他方の周波数の時刻信号
を一定値である中間周波数の信号に変換する変換手段と、前記中間周波数の信号を復調す
ることにより、前記他方の周波数で送信された前記時刻情報を取り出す復調手段と、前記
取り出された時刻情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、時刻情報が変調され、2つの周波数で送信された時刻信号を含む受
信信号に対して、2つの周波数の中間値を示す周波数を有する局部発振信号が生成され、
受信信号と局部発振信号とが位相回転量で移相されて混合されることにより、位相回転量
に応じた一方の時刻信号は中間周波数に変換され、変換された信号が復調されて時刻情報
が取り出されて出力される。従って、生成すべき局部発振信号は、2つの周波数の中間値
を示す周波数を有する1つの信号であれば良く、2つの周波数がそれぞれ対応する位相回
転量に応じて、何れかの周波数の時刻情報が取得できるため、消費電力が低減できると共
に、受信装置の構成が容易になる。
【0007】
本発明の受信装置では、前記位相回転量は、90度および−90度の何れかであっても
良い。
【0008】
本発明の受信装置は、前記2つの周波数の何れかを含む周波数帯域を指示する帯域指示
手段と、前記指示された周波数帯域のフィルタリングを行うバンドパスフィルタとを更に
備えることが好ましい。
この発明によれば、バンドパスフィルタにより受信すべき周波数の周波数帯域の信号を
通過させ、前記周波数帯域以外の信号の通過を制限できるため、イメージ周波数妨害をよ
り確実に抑制できる。
【0009】
本発明の受信装置では、前記2つの周波数は、それぞれ所定の帯域幅を有する周波数帯
域の中心周波数であり、前記バンドパスフィルタは、前記周波数帯域を含む帯域をフィル
タリングしても良い。
【0010】
本発明の受信装置では、前記変換手段は、前記入力された受信信号および前記局部発振
信号を、前記位相回転量に応じてそれぞれ同期して移相する少なくとも一対の移相手段と
、前記受信信号、前記局部発信信号、前記移相された受信信号および前記移相された局部
発信信号をそれぞれ混合する混合手段とを備えても良い。
また、本発明の受信装置は、前記2つの周波数の何れかを選択するための選択手段を更
に備え、前記決定手段は、前記選択された周波数に応じて前記位相回転量を決定しても良
い。更に、本発明の受信装置では、前記選択手段は、前記2つの周波数のうち、一方を主
たる周波数として選択し、他方を副たる周波数として選択しても良い。
【0011】
本発明の受信装置は、前記時刻信号が送信された周波数の中から、それぞれ2つの周波
数を一対として選択する選局指示手段を更に備えることが好ましい。
この発明によれば、2つの周波数を一対として選択し、選択された2つの周波数は、1
つの局部発振信号で受信できるため、時刻信号が送信される周波数の波数に対して、受信
のために生成すべき局部発振信号の信号数は、前記波数の半分で良い。
【0012】
上記した課題を解決するために、本発明の受信方法は、時刻情報が変調され、少なくと
も2つの周波数で送信された時刻信号であって、前記時刻信号を含む受信信号が入力され
る入力工程と、前記2つの周波数の中間値を示す周波数を有する局部発振信号を生成する
生成工程と、前記局部発振信号および前記受信信号を移相させる位相回転量を決定する決
定工程と、前記決定された位相回転量で、前記局部発振信号および前記受信信号をそれぞ
れ移相して混合することにより、前記2つの周波数で送信された時刻信号の中で、前記位
相回転量に対応した一方の周波数の時刻信号を除去すると共に、他方の周波数の時刻信号
を一定値である中間周波数の信号に変換する変換工程と、前記変換された中間周波数の信
号を復調することにより、前記他方の周波数で送信された前記時刻情報を取り出す復調工
程と、前記取り出された時刻情報を出力する出力工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、時刻情報が変調され、2つの周波数で送信された時刻信号を含む受
信信号に対して、2つの周波数の中間値を示す周波数を有する局部発振信号が生成され、
受信信号と局部発振信号とが位相回転量で移相されて混合されることにより、位相回転量
に応じた一方の時刻信号は中間周波数に変換され、変換された信号が復調されて時刻情報
が取り出されて出力される。従って、生成すべき局部発振信号は、2つの周波数の中間値
を示す周波数を有する1つの信号であれば良く、2つの周波数がそれぞれ対応する位相回
転量に応じて、何れかの周波数の時刻情報が取得できるため、消費電力が低減できると共
に、受信装置の構成が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、時刻情報を含む電波を受信して時刻を表示する電
波時計を用いて説明する。
(実施形態1)
【0015】
図1は、本発明の実施形態1に係る受信装置の一実施例である電波時計1の機能構成を
示すブロック図である。この電波時計1は、CDMA変調されて送信される極超短波帯域
の電波に含まれる時刻情報を受信して、時刻情報が有する正確な時刻を表示する。この電
波時計1は、入力手段10と、高周波増幅手段14と、周波数変換手段16と、選局指示
手段20と、局部発振信号生成手段22と、位相回転量決定手段24と、CDMA信号復
調手段50と、時刻情報出力手段52と、ディスプレイ54とを備える。また、周波数変
換手段16は、第1移相手段30と、混合手段32と、第2移相手段34と、第1中間周
波フィルタ36と、第2中間周波フィルタ38と、加算手段40とを有する。尚、これら
の各機能部は、図示は略すが、電気回路で実現させても良く、また、CPU(Centr
al Processing Unit)、RAM(Random Access Me
mory)およびROM(Read Only Memory)等で構成され、これらの
ハードウェアとソフトウェアとを協働させて実現しても良い。
【0016】
入力手段10は、時刻情報が所定の変調方法で変調され、異なる2つの周波数で送信さ
れた時刻信号を含む受信信号が入力される。本実施形態1では、空中に放射された電波を
受信するアンテナ11を介して入力される。この電波は、携帯電話のような移動通信を目
的として、CDMA変調されて送信される極超短波帯域の電波であり、例えば844MH
zと861MHzの2つの周波数では、時刻を示す時刻情報の信号が、帯域幅1.23M
Hzで送信される。ここで、CDMA変調とは、狭帯域の変調波を拡散符号によって再度
変調し、受信側で通信チャネルごとに異なる拡散符号を割り当てることで多チャネルでの
通信を可能にする変調方式であるが、本発明は、CDMA変調に限定されるものでは無く
、他の変調方式であっても良い。また、高周波増幅手段14は、入力手段10に入力され
た受信信号を増幅する。
【0017】
選局指示手段20は、時刻信号が送信される844MHzと861MHzの2つの周波
数のうち、受信する何れかの周波数(希望周波数)が指示され、希望周波数に関する情報
が位相回転量決定手段24に送られる。
【0018】
局部発振信号生成手段22は、前記した2つの周波数(844MHz,861MHz)
の中間値を示す周波数(852.5MHz)を有する局部発振信号を生成する。この局部
発振信号生成手段22は、図示は略すが、PLL方式の発振回路を有し、生成される局部
発振信号の周波数(局発周波数)が、852.5MHzになるように制御される。ここで
生成された局部発振信号は、周波数変換手段16の混合手段32と第2移相手段34に送
られる。
【0019】
位相回転量決定手段24は、局部発振信号および受信信号の2つの信号をそれぞれ移相
させる位相回転量を決定する。本実施形態1では、位相回転量は90度および−90度の
何れかであり、位相回転量決定手段24は、希望周波数に応じて、90度および−90度
の何れか1つを決定する。具体的には、希望周波数が844MHzの場合は、−90度が
位相回転量として決定され、希望周波数が861MHzの場合は、90度が位相回転量と
して決定される。ここで決定された位相回転量の情報は、周波数変換手段16の第1移相
手段30と第2移相手段34に送られる。
【0020】
周波数変換手段16は、位相回転量決定手段24で決定された位相回転量で局部発振信
号および受信信号の2つの信号をそれぞれ移相して混合することにより、2つの周波数(
844MHz,861MHz)の時刻信号の中で、位相回転量に対応した一方の周波数の
時刻信号を除去すると共に、他方の周波数の時刻信号を、一定値である中間周波数(IF
)の信号に変換する。本実施形態1では、IFは、8.5MHzであり、周波数変換手段
16は、外部からの指示に従い位相回転量を設定可能なイメージキャンセルミキサを採用
する。この中で、第1移相手段30と第2移相手段34は、入力された受信信号および局
部発振信号を、位相回転量に応じてそれぞれ同期して移相する。また、混合手段32は、
受信信号、局部発信信号、移相された受信信号および移相された局部発信信号を、それぞ
れ混合し、第1中間周波フィルタ36または第2中間周波フィルタ38でフィルタリング
された後、加算手段40で加算される。その結果、位相回転量に対応した2つの周波数(
844MHz,861MHz)の一方は、イメージ周波数として信号は削除され、他方は
、希望周波数としてIFに変換される。尚、イメージキャンセルミキサによりイメージ周
波数の信号をキャンセルする具体的な方法は、本発明の要旨ではないため省略する(かか
る方式については、例えば、特開2001−177425号公報を参照)。この周波数変
換手段16により、IFに変換された信号は、CDMA信号復調手段50に送られる。
【0021】
CDMA信号復調手段50は、CDMA変調されたIFの信号を復調して、時刻情報を
取り出し、時刻情報出力手段52に送る。時刻情報出力手段52は、時刻情報を表示信号
に変換して、ディスプレイ54に表示する。尚、時刻情報は、表示に限定されるものでは
無く、音声出力されても良い。また、時刻情報出力手段52は、時刻情報を所定の信号に
変換して、通信可能に接続された他の情報機器装置等に送信しても良い。
【0022】
図2は、電波時計1が時刻情報を含む電波を受信して、時刻を表示する処理を説明する
フローチャートであり、受信する電波の帯域構成を説明する図3も参照して、フローチャ
ートに従い、電波時計1の受信処理を説明する。
処理が開始されると、ステップ100において、時刻情報が変調され、2つの周波数で
送信された信号を含む受信信号が入力される入力工程が実行され、CDMA変調されて2
つの周波数(844MHz,861MHz)で送信された時刻情報を含む受信信号が電波
時計1に入力される。
次に、ステップS102において、2つの周波数の中間値を示す周波数を有する局部発
振信号を生成する生成工程が実行され、電波時計1は、2つの周波数(844MHz,8
61MHz)の中間値(852.5MHz)を局発周波数とする局部発振信号を生成する

【0023】
次に、ステップS104において、電波時計1は、受信すべき周波数を判定する。判定
された周波数に応じて、ステップS106またはステップS110において、局部発振信
号および前記受信信号の2つの信号を移相させる位相回転量を決定する決定工程が実行さ
れる。続いて、ステップS108またはステップS112において、前記決定された位相
回転量で前記2つの信号をそれぞれ移相して混合することにより、前記2つの周波数で送
信された信号の中で、前記位相回転量に対応した一方の周波数の信号を除去すると共に、
他方の周波数の信号を、一定値である中間周波数の信号に変換する変換工程が実行される

【0024】
即ち、受信する周波数が861MHzの場合(ステップS104で861MHz)、ス
テップS106に進み、電波時計1は位相回転角を90度に決定する。続いて、ステップ
S108において、電波時計1は、861MHzの信号を8.5MHzのIFの信号に変
換して、ステップS114に進む。より具体的には、位相回転角を90度に決定すること
で、図3に示すように、主たる周波数を示すPrimary CHである861MHzが
希望周波数となると共に、副たる周波数を示すSecondary CHである844M
Hzがイメージ周波数となることで、イメージキャンセルミキサにより、861MHzの
信号は、IFの信号に変換され、844MHzの信号は除去される。
他方で、受信する周波数が844MHzの場合(ステップS104で844MHz)、
ステップS110に進み、電波時計1は位相回転角を−90度に決定する。続いて、ステ
ップS112において、電波時計1は、844MHzの信号をIFの信号に変換して、ス
テップS114に進む。この時、861MHzの信号は、イメージキャンセルミキサによ
り除去される。
【0025】
次に、ステップS114において、前記変換された中間周波数の信号を復調することに
より、電波時計1は、時刻情報を取り出す。
続いて、ステップS116において、前記取り出された時刻情報を出力する出力工程が
実行され、電波時計1は、時刻情報を表示することにより、ユーザは、現在の正確な時刻
を知ることができる。
【0026】
以上述べた実施形態1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)時刻情報が送信される2つの周波数(844MHz,861MHz)の中から、
受信する周波数を選択できるため、電波状況に応じて周波数を切替えることにより、時刻
情報を安定して取得できる。
【0027】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について、図4を参照して説明する。尚、以下の説明では、
既に説明した部分と同じ部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
図4は、本発明の実施形態2に係る受信装置の一実施例である電波時計1の機能構成を
示すブロック図であり、前記の実施形態1における電波時計1に対して、帯域指示手段1
8とバンドパスフィルタ12が付加されている。帯域指示手段18は、選局指示手段20
で指示された希望周波数を中心とした帯域を指示する。本実施形態2では、2つの周波数
(844MHz,861MHz)で送信される時刻情報の信号は、帯域幅1.23MHz
を有する。従って、例えば、希望周波数が844MHzの場合、帯域指示手段18は、8
43MHzから845MHzの帯域を指示し、希望周波数が861MHzの場合、帯域指
示手段18は、860MHzから862MHzの帯域を指示する。また、バンドパスフィ
ルタ12は、入力手段10に入力された受信信号を、帯域指示手段18で指示された周波
数帯域でフィルタリングを行い、フィルタリングした受信信号を高周波増幅手段14に送
る。尚、バンドパスフィルタ12に替えて、イメージトラップを使用しても良い。
【0029】
このような実施形態2によれば、実施形態1の(1)の効果に加えて、以下のような効
果を奏することができる。
(2)バンドパスフィルタにより受信すべき周波数の周波数帯域の信号を通過させ、前
記周波数帯域以外の信号の通過を制限できるため、イメージ周波数妨害をより確実に抑制
することができる
【0030】
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3に係る受信装置の一実施例である電波時計1の機能構成を
示すブロック図であり、前記の実施形態1における電波時計1に対して、選局指示手段2
0で指示された情報が、局部発振信号生成手段22と、高周波増幅手段14に伝達される
と共に、選局指示手段20は、時刻情報が送信される周波数の中から、それぞれ2つの周
波数を一対として選択する機能を更に備える。本実施形態3では、時刻信号が送信される
周波数の波数は、4波(f1,f2,f3,f4)であり、選局指示手段20は、f1と
f2とを一方の対とし、f3とf4とを他方の対とする。ここで、選局指示手段20にお
いて、希望周波数としてf1が指示された場合、f1を含む一方の対が選択され、局部発
振信号生成手段22に対して、一方の対を構成する2つの周波数(f1,f2)の中間値
を示す周波数を有する局部発振信号を生成すべく指示すると共に、希望周波数に関する情
報を、位相回転量決定手段24に送る。また、選局指示手段20は、高周波増幅手段14
に対して、増幅すべき周波数帯域として一方の対を構成する2つの周波数(f1,f2)
の帯域を指示しても良い。尚、時刻信号が送信される周波数の波数は、4波に限定される
ものでは無く、2つの周波数からなる対を2つ以上構成できるような波数であれば良い。
【0031】
このような実施形態2によれば、実施形態1の(1)の効果に加えて、以下のような効
果を奏することができる。
(3)受信のために生成すべき局部発振信号の信号数は、受信する周波数の波数の半分
で良いため、局部発振信号生成手段22の構成を簡略化できる。
【0032】
以上、本発明を図示した実施形態に基づいて説明したが、本発明は、本実施形態に限定
されるものではなく、以下に述べるような変形例も想定できる。
(1)上記した各実施形態は、電波時計1への適用を想定したが、本発明の受信装置は
、これに限るものではなく、情報を処理するために正確な時刻情報が必要な情報処理装置
等に適用できる。
(2)一般に、イメージキャンセルミキサは、構成する部品のバラツキに対する安定性
が弱いことから、位相回転角の組合せによって受信特性に差が生じるため、2つの周波数
(844MHz,861MHz)のうち、主たる周波数である861MHzが常用され、
副たる周波数である844MHzはほとんど使用されないという前提で、受信特性の良い
方の組み合わせを、861MHzに適用するように、電波時計1の各回路を構成しても良
い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態1に係る電波時計の機能構成を示すブロック図。
【図2】電波時計が時刻情報を含む電波を受信して、時刻を表示する処理を説明するフローチャート。
【図3】受信する電波の帯域構成を説明する図。
【図4】実施形態2に係る電波時計の機能構成を示すブロック図。
【図5】実施形態3に係る電波時計の機能構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0034】
1…電波時計、10…入力手段、11…アンテナ、12…バンドパスフィルタ、14…
高周波増幅手段、16…周波数変換手段、18…帯域指示手段、20…選局指示手段、2
2…局部発振信号生成手段、24…位相回転量決定手段、30…第1移相手段、32…混
合手段、34…第2移相手段、36…第1中間周波フィルタ、38…第2中間周波フィル
タ、40…加算手段、50…CDMA信号復調手段、52…時刻情報出力手段、54…デ
ィスプレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻情報が変調され、少なくとも2つの周波数で送信された時刻信号であって、前記時
刻信号を含む受信信号が入力される入力手段と、
前記2つの周波数の中間値を示す周波数を有する局部発振信号を生成する生成手段と、
前記局部発振信号および前記受信信号を移相させる位相回転量を決定する決定手段と、
前記決定された位相回転量で、前記局部発振信号および前記受信信号をそれぞれ移相して
混合することにより、前記2つの周波数で送信された時刻信号の中で、前記位相回転量に
対応した一方の周波数の時刻信号を除去すると共に、他方の周波数の時刻信号を一定値で
ある中間周波数の信号に変換する変換手段と、
前記中間周波数の信号を復調することにより、前記他方の周波数で送信された前記時刻情
報を取り出す復調手段と、
前記取り出された時刻情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の受信装置において、
前記位相回転量は、90度および−90度の何れかであることを特徴とする受信装置。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載の受信装置において、
前記2つの周波数の何れかを含む周波数帯域を指示する帯域指示手段と、
前記指示された周波数帯域のフィルタリングを行うバンドパスフィルタとを更に備えるこ
とを特徴とする受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載された受信装置において、
前記2つの周波数は、それぞれ所定の帯域幅を有する周波数帯域の中心周波数であり、
前記バンドパスフィルタは、前記周波数帯域を含む帯域をフィルタリングすることを特徴
とする受信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記変換手段は、
前記入力された受信信号および前記局部発振信号を、前記位相回転量に応じてそれぞれ同
期して移相する少なくとも一対の移相手段と、
前記受信信号、前記局部発信信号、前記移相された受信信号および前記移相された局部発
信信号をそれぞれ混合する混合手段とを備えることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記2つの周波数の何れかを選択するための選択手段を更に備え、
前記決定手段は、前記選択された周波数に応じて前記位相回転量を決定することを特徴と
する受信装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記選択手段は、前記2つの周波数のうち、一方を主たる周波数として選択し、他方を副
たる周波数として選択することを特徴とする受信装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の受信装置において、
前記時刻信号が送信された周波数の中から、それぞれ2つの周波数を一対として選択する
選局指示手段を更に備えることを特徴とする受信装置。
【請求項9】
時刻情報が変調され、少なくとも2つの周波数で送信された時刻信号であって、前記時
刻信号を含む受信信号が入力される入力工程と、
前記2つの周波数の中間値を示す周波数を有する局部発振信号を生成する生成工程と、
前記局部発振信号および前記受信信号を移相させる位相回転量を決定する決定工程と、
前記決定された位相回転量で、前記局部発振信号および前記受信信号をそれぞれ移相して
混合することにより、前記2つの周波数で送信された時刻信号の中で、前記位相回転量に
対応した一方の周波数の時刻信号を除去すると共に、他方の周波数の時刻信号を一定値で
ある中間周波数の信号に変換する変換工程と、
前記変換された中間周波数の信号を復調することにより、前記他方の周波数で送信された
前記時刻情報を取り出す復調工程と、
前記取り出された時刻情報を出力する出力工程とを備えることを特徴とする受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−102013(P2008−102013A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−284688(P2006−284688)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】