説明

受信装置及び放送信号記録方法

【課題】 放送内容のカテゴリ毎に整理された記録内容をポータブル再生装置により再生可能とする。
【解決手段】 受信アンテナ5やCATV受信器6を介してチューナ7で受信する。受信内容はプログラムセレクタ8や、エンコーダ9を介して大容量メモリ11において、システムコントローラ10の制御に基づきFIFO(先入れ先出し)方式で記録される。駆動装置16はユーザー交替用ディスク4を駆動し、ユーザー交替用ディスク4は駆動装置16を介して大容量メモリ11内の記録内容を入出力自在になされる。ユーザー交替用ディスク4は、ポータブル再生装置で再生する場合や、ユーザー同士が交替して使用する用途に供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリを備えたテレビジョン装置等の受信装置において、特に各種の受信内容から希望の放送プログラムをジャンル別に自動選択して、ファーストイン、ファーストアウトでメモリに蓄積しておき、多忙な視聴者も好きな時間に最新情報を時間を遡って視聴することを可能としたメモリ付テレビジョン装置等の受信装置及び放送信号記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気通信技術の目覚ましい発展により、無線系、有線系のニューメディアが続々登場している。高画質のハイビジョン(HDTV)や、クリアビジョン(EDTV)、静止画放送、文字放送、データ放送、24時間の衛星放送(BS/CS)、そして双方向サービス時代におけるケーブルテレビ(CATV)も普及が期待されている。
【0003】
また、これらのニューメディアが放送する放送内容(番組ソフト)も多種多様であり、映画、スポーツ、ニュース、そしてクイズ番組等の娯楽鑑賞を中心とした従来の番組ソフトに加え、新たに双方向の特徴を生かした、例えばゲームソフトや、カラオケソフト、地域コミュニティ情報、図書館資料、ホームショッピング情報、在宅医療サービス情報、更には番組ソフト予約や、各種イベント予約サービス等を提供する実験も開始されている。
【0004】
一方、記録メディアの発達も著しく、半導体メモリの大容量化やディスク状記録媒体を用いた記録装置の大容量化や高速処理化が一段と進行しつつあり、書換え可能な光磁気ディスク(MO:Magneto Optical)や、新たに光強度を変化させてデータの記録/再生を行う相変化型光ディスク(PC:Phase Change)方式も開発されている。その関連の所謂ミニディスク(以下、単に「MD」と記す)や、デジタルビデオディスク(以下、単に「DVD」と記す)の発達も目ざましい。更に、記録/再生可能なコンパクトディスク(以下、単に「CD」と記す)や、磁気テープ媒体上にデジタル信号を記録するデジタルビデオテープレコーダ(以下、単に「DVTR」と記す)も今後開発が期待されている。
【0005】
これらの記録媒体には後述する圧縮符号化技術を利用して動画を前記MDには1時間程度、CDやDVDにはそれぞれ3時間程度、DVTRには21時間程度、また半導体メモリには20分程度、それぞれ記録/再生可能な装置が開発されつつある。
【0006】
更に、画像と音声信号の圧縮符号化技術の発達も著しく、この圧縮符号化技術の発達により、実際に必要なデータ量を圧縮して削減し、放送に限定されず、通信や記録メディアの媒体を介して、画像と音声信号及びデータ情報を短時間で大量に伝達し、且つ記録/再生する技術も開発されつつある。この画像と音声信号の圧縮符号化技術は、既に実用化の段階にあるMPEG1から拡張されたMPEG2(Moving Picture Image Coding Experts Group Phase 2)と呼称される画像/音声圧縮の世界標準方式により実用化の段階を迎えている。
【0007】
ここで、従来の技術としては、特許文献1に開示されたものが知られている。
【0008】
【特許文献1】特開平6−181566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、これらの記録媒体の応用技術はまだコンピュータストレージ用として利用されているに過ぎず、テレビジョン装置とこれらメモリとの融合した形態はまだ本格的には出現していない。また、テレビジョン装置を取りまく環境や状況の変化の中で、視聴者(ユーザ)の生活様式も多種多様であり、上述のような新たな放送サービスから提供される有り余る情報の中から、ユーザが所望の情報を入手することは益々困難な状況となりつつある。こうした状況の下でユーザのテレビジョン装置に対する要求も高まり、単に多機能なだけではなくよりユーザーインターフェースに叶ったテレビジョン装置が求められている。
【0010】
つまり、多忙なユーザがゆっくりテレビジョン装置を視聴する時間はあまりなく、もっと手軽に所望の情報を入手可能なテレビジョン装置の形態が期待されている。こうした要求に対応するためには放送内容をVTR等の記録機器に常時録画して置けばよいが、VTRは巻き戻して再生するためアクセスに時間がかかりカテゴリ領域も不整合であり、一連の操作も煩雑で現実的な対応ではないのが現状である。
【0011】
また、ポータブル再生装置により再生する用途への適用も望まれている。
【0012】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、膨大な放送情報の中からユーザが煩雑な操作の必要なく気軽にカテゴリ別の最新情報を入手でき、ポータブル再生装置により再生することができるメモリ付テレビジョン装置等の受信装置及び放送信号記録方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる課題を解決するために本発明においては、放送内容を識別するためのカテゴリコードを付加して送信される放送信号を受信する受信手段と、受信した放送信号をカテゴリ別に選別して記録する記録手段と、ユーザー交替用ディスクを駆動する駆動手段とを備え、前記ユーザー交替用ディスクは、前記記録手段の記録内容を前記駆動手段を介して入出力自在になされている。
【0014】
ここで、前記ユーザー交替用ディスクは、ポータブル再生装置で再生する場合や、ユーザー同士が交替して使用する用途に供するものである。
【0015】
また、本発明に係る放送信号記録方法は、放送内容を識別するためのカテゴリコードを付加して送信される放送内容を受信し、受信した放送信号のうち、所定のカテゴリに属する番組の信号を圧縮された状態でランダムアクセスして再生可能な記録手段に記録し、ユーザー交替用ディスクを駆動手段により駆動し、前記ユーザー交替用ディスクは、前記記録手段の記録内容を前記駆動手段を介して入出力自在になすことにより、前記課題を解決する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、放送内容を識別するためのカテゴリコードを付加して送信される放送内容をカテゴリ別に選別し記録手段に記録し、駆動手段はユーザー交替用ディスクを駆動することにより、ユーザー交替用ディスクは駆動手段を介して記録手段の記録内容を入出力自在になされ、ユーザー交替用ディスクを、ポータブル再生装置で再生する場合や、ユーザー同士が交替して使用する用途に供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1ないし図6を参照して、本発明の実施の形態のメモリ付テレビジョン装置を説明する。
【0018】
先ず、図1及び図2の実施の形態を示す概念図を参照して本発明のメモリ付テレビジョン装置の構成と動作を説明する。図1は放送の送信側である放送局センタの一例であり、図2の符号1は本発明のメモリ付テレビジョン装置であり、符号2はリモコン部である。図1の放送局センタは通常番組の制作や中継地からの情報を伝える放送カメラ101や、データバンクの役割を果たすビデオサーバ102、映画配給会社等のデータバンクであるビデオサーバ103で収集され、これらの情報は一旦送信装置104に集約される。
【0019】
送信装置104内の放送信号とは、スポーツ、ニュース、クイズ、そしてコマーシャル等の通常番組Aや、地域情報B、ユーザが自由に閲覧可能な図書資料C、在宅医療等のサービスを享受するための医療登録D、ホームショッピングE、ゲームF、テレビジョン放送の番組ソフト情報を提供するテレビガイドG、カラオケH、ユーザ間の情報伝達や地域コミュニティ情報の伝達手段であるメッセージ宣伝J、映画ソフトK等であり、これらのあらゆる放送信号は、IDコード発生器105により時刻情報やカテゴリ内容等のIDコードを付加されてビデオ編集装置106で編集された後、地上波や放送衛星107、及び同軸ケーブルや光ケーブル108を介して各ユーザに向けて送信される。
【0020】
図2に示したメモリ付テレビジョン装置1では、放送信号を受信する受信アンテナ5や、CATV受信器6を介してチューナ7で受信する。デジタル放送信号や現状のアナログ放送信号はプログラムセレクタ8に入力される。プログラムセレクタ8では、システムコントローラ10の制御の基で放送信号の選択を行い指定データを得る。
【0021】
放送信号がアナログ放送信号の場合には、例えば前記MPEG2システム(またはMPEG2ビデオ、MPEG2オーディオ)の各データにエンコードするためエンコーダ9に送出する。エンコーダ9では入力されたアナログ放送信号を大容量メモリ11に合致した記録フォーマットに符号化するためのエンコード処理を行う。但し、デジタル放送信号はエンコード処理の必要はないため、エンコーダー9では未処理のままデジタル放送信号として処理され、大容量メモリ11に送出されて記録される。
【0022】
前記メモリ付テレビジョン装置1には、大容量メモリ11でなるROM/RAM11A、一次メモリ11B、二次メモリ11C、そしてユーザ交替用ディスク4を駆動するための駆動装置16が装填して内蔵されている。ROM/RAM11Aには、システムコントローラ10用の所定の制御プログラムが格納されており、これにより本メモリ付テレビジョン装置1の動作を円滑に推進する。
【0023】
一次メモリ11Bは、データを一時待機する、所謂キャッシユメモリ的に使用され比較的短時間のデータを保存する。二次メモリ11Cは、数ギガバイトの大容量メモリであり、長時間のデータを保存する。駆動装置16は、例えば、映画や海外ニュース等をユーザが就寝中に記録しておき、翌朝ポータブル再生装置で再生する場合や、ユーザー同士が交替して使用する用途に供するユーザー交替用ディスク4を駆動する動作をする。そのユーザー交替用ディスク4は駆動装置16を介して大容量メモリ11の記録内容を入出力自在になされている。
【0024】
前記大容量メモリ11は記録すべき放送サービスや所望の番組ソフトの記録/再生が可能であり、前記大容量メモリ11は自動選択モードやマルュアル選択モードが存在し、マルュアル選択モードで各カテゴリ領域の記録容量を自在に設定可能である。それらの選択はリモコン部2や本発明のメモリ付テレビジョン装置の操作部(図示しない)で行い、その結果は表示部3に表示される。
【0025】
また、システムコントローラ10は本発明の要点である次のような動作を行う。つまり、放送局センタから送信される放送信号のフォーマット構成(図示せず)は、放送内容を記録するための必要情報が予め記録されているヘッダー部と放送信号部とを最低限含んだパケットで構成され、このパケットは放送内容の先頭に必ず存在するようになされて送信される。前記ヘッダー部には、放送内容検索のためのカテゴリコード等が付加されて送信されており、プログラムID検出12でその放送内容に付加されたカテゴリコードをデコードして読取り、スイッチ制御13を介して、プログラムセレクタ8において予め定められたカテゴリ領域に分類される。一例として、ニュース、スポーツ、映画等にカテゴリ分類された放送内容はエンコーダ9にてエンコード後、大容量メモリ11に格納される。
【0026】
大容量メモリ内のカテゴリ毎の記録容量は、ユーザの指定がない場合には予め所定の時間に分割されている。例えば、ニュースは2時間、天気予報は0.5時間、映画は6時間と決定されている。放送内容が予め決定されたメモリの記録容量を超過した場合には、古い記録内容から順次消去され、新しい放送内容を記録するFIFO機能を駆使して大容量メモリ11の記録内容は更新される。
【0027】
大容量メモリ11の記録内容はデコーダ14で伸張等の復号処理が施されてコンポジットVideo信号やRGBのコンポーネント信号として復元され、スイッチ制御18の制御情報を基にスイッチ/IO15を経由してCRTや液晶表示素子等の表示部3に表示される。また、メモリ付テレビジョン装置1には電話回線16が備えられ、有料放送等の精算をユーザの銀行口座から自動的に行うことが可能である。更に、受信部17はリモコン部2から発信された制御フォーマットに応じてデコードを行いシステムコントローラ10で処理される。
【0028】
本発明のメモリ付テレビジョン装置に内蔵される可能性のある大容量メモリとしては、一次メモリとして益々大容量化が進行する半導体メモリ等の固体メモリであり、二次メモリとして光ディスクを内蔵することを基本とする。また二次メモリの可能性として、MD及び、SHGやブルーレーザ等の短波長光源の開発で実用化が期待されるDVDや、CD、そしてDVTR等今後開発が期待される全ての記録媒体を対象とする。
【0029】
図3はリモコン部2の概要を示し、本発明のメモリ付テレビジョン装置1の操作に必要な各種の制御信号が重畳された電波や赤外線を発光する赤外線発光部20や、前記メモリ付テレビジョン装置1の制御情報を階層構造で表示し、必要に応じて現状の動作点をカラーで強調して表示するLCDパネル部21、操作部である十字キー22やトラックボール23を備えて構成される。前記リモコン部2の十字キー22やトラックボール23は、メモリ付テレビジョン装置1の表示部3に表示されるメニュー画面から前記十字キーのボタン操作又はトラックボール23の操作して、後述するポインタの注目項目を移動させることによりカテゴリ領域の選択を行う。更に、メモリ残量の照会やメモリ内のビデオ棚の確認に使用される。なお、前記リモコン部2のLCDパネル部21には各種の制御情報とともに、メモリ付テレビジョン装置1の表示部3の表示と同一内容を所定の指示により表示可能となされている。
【0030】
次に、図4を参照して本発明のメニュー画面の表示例を説明する。大容量メモリ11内のカテゴリ領域に各カテゴリ毎に区分けされて記録された記録内容は、図示したようなアイコンでメニュー画面として表示部3に表示される。ユーザは前記リモコン部2の、例えばトラックボール23で所望のカテゴリ領域を選択すると表示部3上にポインタ30(指示マーク)が現れ、トラックボール23や十字キー22の所定の場所をクリックすることでそのカテゴリ領域が確定される。
【0031】
確定したカテゴリ領域の最新の記録内容は、直ちに前記メモリ付テレビジョン装置1の表示部3に表示され、ユーザはそのカテゴリ領域に記録されている最新情報を視聴することが可能となる。なお、前記カテゴリ領域にはFIFO動作により常に最新情報が収納されている。例えば、ユーザがニュース31を選択して確定したとすると、前記メモリ付テレビジョン装置1の大容量メモリ11に記録されている最新情報をその先頭から再生開始する。
【0032】
前記メニュー画面は階層構成になされており複数のカテゴリ領域のメニュー表示を容易に行うことができる。また、前記メニュー画面のアイコン表示部はユーザの選択により、アイコンに変わり各カテゴリ領域の記録内容を静止画または一部動画として、所謂斜め読み的に試聴可能となされている。
【0033】
また、前記ポインタ30でくずかご32を選択して確定した場合、現在視聴している記録内容はその時点で消去され、その内容は前記メモリ付テレビジョン装置1の大容量メモリ11から削除される。
【0034】
反対にビデオ棚33が選択された場合、その時点でその放送内容は番組先頭に遡り大容量メモリ内に設けられたユーザ領域に保管される。この時、表示部3のメニュー画面は変化し、あたかもビデオ棚の如き表示がなされその放送内容のタイトル(もしくは静止画)が付加されて整理される。また、別機能として現放送はそのまま表示しながら、大画面まで拡大/縮小可能な小画面に前記カテゴリ領域の最新の再生情報を表示したり、現放送と再生情報を2画面以上のマルチ画面に表示することも可能である。また、前記カテゴリ領域の最新の再生情報の再生スピードはリモコン部にて自由に可変可能である。
【0035】
更に、本発明のID信号アロケーションを図5を参照して説明する。同図はデジタル放送信号のヘッダー部に付加されて送信されているプログラムIDの一例であり、このID信号アロケーションの構成はプログラムID40、記録コントロール41、そして放送プログラム42に大別される。プログラムID40には放送内容検索のための必要情報が含まれており、記録コントロールID41は放送プログラム42の開始位置と終了位置に介挿されており、放送プログラム42の記録開始の制御信号やカテゴリ指示信号や、記録終了の制御信号や記録終了後の巻き戻し指示の制御信号が介挿されている。
【0036】
プログラムID40内のカテゴリ内容Lは、例えば「0011」の如きIDコード付で受信されてた放送プログラム42は末尾の「11」がニュースカテゴリを示している。プログラム内容Mは、プログラムセレクタ8がプログラム選択する場合に活用するデータで、また現時点でどういう放送プログラムがどの放送形態で受信されているかの情報である。その構成はヘッダー情報、番組タイトル、番組が映画であれば、その映画の配給ソフト会社名や、主演者名が表されIDコードとの対応が示される。また、番組が有料の場合にはその旨表示され、ユーザIDと対応された後に受信料が精算される。現在時刻Nは、機器が自動時刻設定機能を備えておりその地域の正確な時刻を内蔵してタイマー予約等に役立てられる。
【0037】
チャンネル割当て情報Oは、放送プログラムの各チャンネルへの割当て状況を示し、放送開始日時情報Pは、放送開始情報として放送開始日時が示され、現時点から1週間程度の放送予定情報が放送されて番組予約等に役立てられる。放送終了日時情報Qは、放送終了情報として放送終了日時が示される。その他Rは、デシタル放送信号では映像や音声信号を例えばMPEG2の規格で圧縮して放送されるが、その圧縮率は番組毎に変化するためそのフォーマット情報を付加して放送される。
【0038】
同じく、本発明のメモリ付テレビジョン装置の記録時の動作を図6のフローチャートを参照して説明する。ユーザがメモリ付テレビジョン装置1を受信中にリモコン部2を操作してこのFIFO動作モードを選択してスタートする(ステップSP1)。ステップSP2において、メモリ付テレビジョン装置1自身の保有する大容量メモリの記録可能な残量をチェックして記憶する。ステップSP3では、放送局からIDコード付で送信されてくる放送内容からカテゴリ等の情報を検出して記憶する。ステップSP4にて、ユーザが番組予約を行ったか否かの確認を行いユーザが番組予約を行った場合にはそのプログラムを優先して受理する。ユーザの番組予約が無い場合は、そのまま放送内容のカテゴリ毎の分類を行う。
【0039】
ステップSP5にて、カテゴリ領域の選択及び放送局の指定があればそのカテゴリコードを検出して記憶する。ステップSP6では、古い記録内容から順次消去され新しい放送内容を記録するFIFO動作を行う。ステップSP7において、そのカテゴリ領域に割り当てられたメモリ容量の残量チェックを行いカテゴリ領域の記録容量に余裕がある場合には、ステップSP8に移り、記録容量に余裕がない場合には、ステップSP6に戻りFIFO動作を繰り返し放送内容の更新を行う。ステップSP8において、放送時間等のIDコードをチェックし合致している場合はステップSP9に移り記録を継続開始し、不一致の場合は再度ステップSP8に戻り放送時刻の一致を図るように作用する。ステップSP10にて、一連の記録モード動作は終了する。
【0040】
次に、再生時の動作を説明する。ユーザによって再生モードが選択されると(ステップSP11)、ステップSP12にて、前記ROM/RAM内の制御プログラムに基づき図3に一例として示した各カテゴリ領域を示すメニューを表示させる。ステップSP13では、それと同時に大容量メモリの再生準備の指定が行われる。ステップSP14で、前記メニュー表示が消去される。
【0041】
ステップSP15に移り、ユーザが前記リモコン部2の例えば、トラックボールを操作して所望のカテゴリ領域を選択しようとするとポインタ(指示マーク)が表示部3上に現れ、トラックボールをクリックして確定するとそのカテゴリ領域が確定し次のステップSP16に移る。カテゴリ選択が確定しない場合メニュー表示を継続する。ステップSP16では、確定したカテゴリ領域のディレクトリ情報と照会されて、ステップSP17で、最新の記録内容を直ちに前記メモリ付テレビジョン装置1の表示部3に表示する。ステップSP18では、ユーザは再生されたその再生内容を操作することが可能で、例えば、前記図2のFFボタン25を操作することで視聴者は再生スピードを自由に変化させることが可能である。更に、ユーザが別のカテゴリ領域を選択する場合ステップSP15に戻り一連の動作を作動する。
【0042】
前記実施の形態では、主に自動記録モードについて説明したが、無論通常の記録装置内蔵テレビジョン装置のように所望の番組ソフトを選択して所望の記録媒体に記録するマニュアル動作も可能である。その場合、図2に示したリモコン部2で所望の番組ソフトが放送内容選択スイッチ(図示しない)により指示され、チューナ7で選択される。同じく所望の記録媒体がリモコン部2からシステムコントローラ10に指示され記録動作を開始する。
【0043】
また、前記実施の形態ではユーザがリモコン部2で直接操作するケースについて説明したが、表示部3に操作モードが表示されそれをトラックボール又は十字キーで操作することも可能であり、また、表示部3はスタンバイ状態で大容量メモリだけ動作することも可能である。更に、以上の一実施形態にとらわれず様々な形態に発展出来ることは言うまでもない。
【0044】
以上説明した本発明の実施の形態の受信装置は、放送内容を識別するためのIDコードを付加して送信される放送信号を受信する受信手段と、受信した放送信号のうち、所定のカテゴリに属する番組の信号を圧縮された状態で記録するランダムアクセスして再生可能な記録手段とを備え、受信した放送信号を前記記録手段に記録する際、記録しようとする放送信号が前記記録手段の記録容量を超過している場合には、前記記録手段内の古い記録内容から順次消去している。
【0045】
また、本発明に係る実施の形態の放送信号記録方法は、放送内容を識別するためのIDコードを付加して送信される放送内容を受信し、受信した放送信号のうち、所定のカテゴリに属する番組の信号を圧縮された状態でランダムアクセスして再生可能な記録手段に記録し、受信した放送信号を前記メモリに記録する際、記録しようとする放送信号が前記記録手段の記録容量を超過している場合には、前記記録手段内の古い記録内容から順次消去している。
【0046】
このとき、メモリ付テレビジョン装置において、カテゴリ別に選別して記録された記録内容を、カテゴリ別に分類してメニューとしてアイコン(ICON)で表示部に表示し、ユーザが特定のカテゴリ領域を示すアイコンを選択して確定したとき、即座に記録内容の再生を開始するものである。
【0047】
また、前記メニューとして表示されたアイコン表示部において、ユーザがアイコン表示部を順次選択したとき、アイコン表示部にカテゴリの放送内容の一部静止画もしくは一部動画をアイコンに代わって表示するものである。
【0048】
また、メモリ付テレビジョン装置において、メモリには、圧縮して記録された放送内容を一定期間記憶しておくユーザー領域を備え、前記記録内容の再生スピードはユーザが自在にコントロール可能である。
【0049】
更に、前記表示部の表示方法は、画面全体まで連続的に拡大縮小可能なピクチャーインピクチャーであり、また2画面以上のマルチ画面も可能なピクチャーアンドピクチャーとすることで前記課題を解決した。
【0050】
このような本発明の実施の形態のメモリ付テレビジョン装置において、放送内容を識別するためのIDコードを付加して送信される放送内容をカテゴリ別に選別しメモリにFIFOで記録し、カテゴリ別に分類してメニューとしてアイコンで表示するため、ユーザが特定のカテゴリを選択し易く、選択されたときに即座に再生することができる。
【0051】
従って、前記メニューとして表示されたアイコン表示部において、ユーザがアイコン表示部を順次選択したとき、アイコン表示部にカテゴリの放送内容の一部静止画もしくは一部動画でアイコンに代わって表示できる。
【0052】
特に、メモリには圧縮して記録された放送内容を一定期間記憶しておくユーザー領域を備え、選択された記録内容を再生する再生スピードは可変することができる。
【0053】
また、前記再生画像は画面全体まで連続的に拡大縮小可能なピクチャーインピクチャーであり、また2画面以上のマルチ画面も可能なピクチャーアンドピクチャーで表示することができる。
【0054】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、将来のニューメディアやマルチメディア対応のテレビジョン装置として各種大容量メモリを内蔵している形態が採用される可能性が高い。これらの大容量メモリは、日進月歩でその機能、容量、質が向上しており、当初からテレビジョン装置に組込まれた形態ばかりでなく、オプションとしてテレビジョン装置に組込まれる可能性もある。こうしたメモリ付テレビジョン装置の到来においても、ユーザは自己の所有する大容量メモリの機能や性質を特別に意識することなく、ユーザが不在の場合でも放送されている膨大な放送プログラムの中から、自動的にカテゴリ分類して記録するため、多忙な視聴者は、VTRの場合のように操作の煩雑さからも開放されて、手軽且つ迅速に最新情報を入手することが可能である。
【0055】
また、本発明の実施の形態のメモリ付テレビジョン装置は、一定量のユーザ領域を備えており、そのためVTR的な使用方法も可能であり、ある程度のライブラリも形成可能である。この場合、システムコントローラが最適記録状態で記録/再生するため記録に失敗することがない。また、大容量メモリの記録後の処理も容易であり大容量メモリはカテゴリ毎また時間毎に整然と整理されているためアクセスも容易である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態のメモリ付テレビジョン装置に関連する放送局センタを示す概念図である。
【図2】本発明のメモリ付テレビジョン装置を示す概念図である。
【図3】本発明の実施の形態のメモリ付テレビジョン装置のリモコン部の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態のメニュー画面の表示例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるID信号アロケーションの説明に供する概略図である。
【図6】本発明の実施の形態のメモリ付テレビジョン装置の説明に供するフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1 メモリ付テレビジョン装置、 2 リモコン部、 3 表示部、 4 ユーザ交替用ディスク、 5 受信アンテナ、 6 CATV受信器、 7 チューナ、 8 プログラムセレクタ、 9 エンコーダ、 10 システムコントローラ、 11 大容量メモリ、 12 プログラムID検出、 14 デコーダ、 13,18 スイッチ制御、 15 スイッチ/IO、 16 電話回線、 17 受信部、 20 発光部、 21 LCDパネル部、 22 十字キー、 23 トラックボール、 24 メモリ操作部、 25 FFボタン、 30 ポインタ、 31 ニュース、 32 くずかご、 33 ビデオ棚、 101 放送カメラ、 104 送信装置、 105 IDコード発生器、 106 ビデオ編集装置、 A 通常番組、 B 地域情報、 C 図書資料、 D 医療登録、 E ホームショッピング、 F ゲーム、 G テレビガイド、 H カラオケ、 J メッセージ宣伝、 K 映画ソフト、 L カテゴリ内容、 M プログラム内容、 N 現在時刻、 O チャンネル割当情報、 P 放送開始日時情報、 Q 放送終了日時情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送内容を識別するためのカテゴリコードを付加して送信される放送信号を受信する受信手段と、
受信した放送信号をカテゴリ別に選別して記録する記録手段と、
ユーザー交替用ディスクを駆動する駆動手段とを備え、
前記ユーザー交替用ディスクは、前記記録手段の記録内容を前記駆動手段を介して入出力自在になされている
ことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記ユーザー交替用ディスクは、ポータブル再生装置で再生する用途に供されることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記ユーザー交替用ディスクは、ユーザー同士が交替して使用する用途に供されることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項4】
放送内容を識別するためのカテゴリコードを付加して送信される放送内容を受信し、
受信した放送信号のうち、所定のカテゴリに属する番組の信号を圧縮された状態でランダムアクセスして再生可能な記録手段に記録し、
ユーザー交替用ディスクを駆動手段により駆動し、前記ユーザー交替用ディスクは、前記記録手段の記録内容を前記駆動手段を介して入出力自在になす
ことを特徴とする放送信号記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−20337(P2006−20337A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−202277(P2005−202277)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【分割の表示】特願2003−124515(P2003−124515)の分割
【原出願日】平成6年8月19日(1994.8.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】