説明

口腔ケア計画

本発明は、口腔表面を清浄にし、口内の健康状態を維持し、および/または口内の健康状態を増進する方法を含む。そのような方法は、口腔表面を一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させること、口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させること(その際、定期口腔ケア維持組成物は遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む)、および場合により口腔表面を定期口腔ケアクリーニング組成物と少なくとも月1回接触させることを含む。この方法に使用するのに適切な定期口腔ケアクリーニング組成物は、研磨剤系を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の引照
[0001] 本出願は、米国特許出願No.12/028,782、2008年2月8日出願;米国特許出願No.61/027,420、2008年2月8日出願;米国特許出願No.61/027,435、2008年2月8日出願;米国特許出願No.61/027,431、2008年2月8日出願;および米国特許出願No.61/027,432、2008年2月8日出願;に基づく優先権を主張し、それらの内容を本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 消費者は、歯科医もしくは衛生士が行なう専門的な歯のクリーニングによる湯治または美容処置後に感じるのと同様な爽快感、満足感、清潔感および全般的な健全性の認識について報告している。したがって当技術分野では、家庭での口腔ケア計画であって、消費者が歯の専門的なクリーニング後に感じる“きわめて清潔な”口内感触および関連する健全感を再現でき、かつ歯の表面を齲食、過敏性に対して保護する計画および他の口腔ケアならびに全身的健康状態の有益性と連携したものが求められている。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本発明は、口腔表面を清浄にし、口内の健康状態を維持し、および/または口内の健康状態を増進する方法を含む。そのような方法は、口腔表面を一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させ、口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させることを含む。本発明は、場合によりさらに、口腔表面を定期口腔ケアクリーニング組成物と少なくとも月1回接触させることを含む。この方法に使用するのに適切な定期口腔ケア維持組成物は、遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む。この方法に使用するのに適切な定期口腔ケアクリーニング組成物は、100,000回転当たり約5mg損失より大きいアインレーナー(Einlehner)硬度をもつ第1研磨剤、および100,000回転当たり約5mg損失未満のアインレーナー硬度をもつ第2研磨剤を含む。定期口腔ケアクリーニング組成物において、第1研磨剤と第2研磨剤の比率は、約1:1.6〜約1.6:1である。定期口腔ケアクリーニング組成物は、約100より大きいペリクルクリーニング比(pellicle cleaning ratio)、および約200未満の放射性象牙質研磨(radioactive dentin abrasion)を特徴とする。さらに、またはあるいは、これらの方法は、第2研磨剤がシリカを含み、約90cm/100gより大きい吸油価、および/または100,000回転当たり約5mg損失未満のアインレーナー硬度をもつ方法を含むことができる。第1研磨剤と第2研磨剤の比率は、約1:1.6〜約1.6:1であってよい。この口腔用組成物中に存在する第1研磨剤と第2研磨剤の全量は、組成物の約25重量%より多くてもよく、ならびに/あるいはこの口腔用組成物は約100より大きいペリクルクリーニング比、および約200未満の放射性象牙質研磨をもつ。
【0004】
[0004] 本発明は、口腔表面の療法処置に使用するための遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む定期口腔ケア維持組成物を提供し、この処置は、a.口腔表面を一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させること、およびb.口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させることを含む。
【0005】
[0005] 本発明はさらに、口腔表面の療法処置に際して対象に同時、逐次または個別に投与する組合わせ製剤を製造するための、定期口腔ケア維持組成物および一次口腔ケア組成物を含む組合わせ製剤を提供し、その際、口腔表面を
a.一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させ、かつ
b.定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させ、
その際、定期口腔ケア維持組成物は遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む。
【0006】
[0006] 本発明はさらに、口腔表面の療法処置に用いる定期口腔ケア維持組成物を製造するための遊離または塩形の塩基性アミノ酸の使用を提供し、この処置は、a.口腔表面を一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させること、およびb.口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させることを含む。
【0007】
[0007] 本発明はさらに、口腔表面の療法処置に際して対象に同時、逐次または個別に投与する組合わせ製剤を製造するための、定期口腔ケア維持組成物および一次口腔ケア組成物の使用を提供し、その際、口腔表面を
a.一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させ、かつ
b.定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させ、
その際、定期口腔ケア維持組成物は遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む。
【0008】
[0008] 本発明はさらに、a.口腔表面を一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させること、およびb.口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させることを含む方法を提供し、その際、定期口腔ケア維持組成物は遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0009] 本発明は、口臭、口内健康不良、歯肉炎、歯肉の炎症、または歯周炎などさまざまな口腔状態をもたらしまたはそれらに関与する可能性のある、たとえば細菌、食物粒子、バイオフィルム、歯垢、および/または他の作用物を除去するために、口腔表面を清浄にする計画法を提供する。本発明の計画法は、歯の表面に対する滑らかな磨かれた感触および外観をも利用者に提供し、これは専門的なクリーニング後に感じる“清潔感”に匹敵すると認識できる。口内の健康状態を維持し、および/または口内の健康状態を増進する方法も提供される。
【0010】
[0010] したがって本発明組成物は、口内の口腔状態を処置し、口腔を清浄にするのに有用であり、口内の健康状態を増進する改良法を提供する。
[0011] 口腔組織は全身感染の入り口となる可能性があるので、口内の健康状態の増進は全身の健康状態にも有益となる。口内の良好な健康状態は、心血管の健康状態を含めた全身の健康状態に関連する。塩基性アミノ酸、特にアルギニンは、NO合成経路に補給する窒素源であり、したがって口腔組織における微小循環を増強するので、本発明の組成物および方法は格別な有益性を提供する。より酸性の低い口腔環境を提供することは、胃部不快感(gastric distress)の軽減にも役立ち、胃潰瘍に関連するヘリコバクター(Heliobacter)にとって、より好ましくない環境を作り出す。アルギニンは特に特定の免疫細胞受容体、たとえばT細胞受容体の高発現に必要であり、したがってアルギニンは有効な免疫応答を増強することができる。したがって本発明の組成物および方法は、心血管の健康状態を含めた全身の健康状態を増進するのに有用である。
【0011】
[0012] 一次および定期口腔ケア組成物は、たとえばブラッシングにより口腔に適用した際に、下記のために有効であり得る:(i)齲歯の形成を軽減または抑制する、(ii)たとえば定量光誘導蛍光(quantitative light−induced fluorescence)(QLF)または電気的齲食測定(electrical caries measurement)(ECM)により検出されるエナメル質の前齲食病変を軽減、修復または抑制する、(iii)歯の脱灰を軽減または抑制し、再石灰化を促進する、(iv)歯の過敏性を軽減する、(v)歯肉炎を軽減または抑制する、(vi)口内の潰瘍または切り傷の治癒を促進する、(vii)酸産生細菌のレベルを低下させる、(viii)アルギニン分解(arginolytic bacteria)細菌の相対レベルを高める、(ix)口腔における微生物バイオフィルムの形成を抑制する、(x)糖負荷後の歯垢pHを少なくともpH5.5のレベルに上昇および/または維持する、(xi)歯垢の蓄積を軽減する、(xii)口内乾燥を治療、寛解または軽減する、(xiii)歯および口腔を清浄にする、(xiv)侵食を軽減する、(xv)歯を増白する、(xvi)歯を齲食原性細菌に対して免疫化する、ならびに/あるいは(xvii)たとえば口腔組織を介した全身感染の潜在性を低下させることにより、心血管の健康状態を含めた全身の健康状態を増進する。
【0012】
[0013] 本発明は、口腔表面を異なる時間間隔で少なくとも2種類の口腔ケア組成物と接触させることを含む口腔ケア計画である。処置すべき口腔表面には、口腔内のいずれの表面も含まれる。表面の例には、硬組織(たとえば歯)および軟組織(たとえば歯肉および舌)が含まれる。
【0013】
[0014] 本発明の計画法に用いられる口腔ケア組成物のひとつは、一次口腔ケア組成物である。一次口腔ケア組成物は、当技術分野で既知のものまたは開発されるもののいずれであってもよく、いかなる形態をとることもできる。たとえば、一次口腔ケア組成物は、リンス、ペースト、ゲル、流体、懸濁液、フィルム、パッチ、ガム、トローチ、菓子、もしくは半固体パテまたはスティックの形態であってもよい。一次口腔ケア組成物は、一般的な練り歯磨き、たとえばCOLGATE(登録商標)の商標(Colgate−Palmolive Company,ニューヨーク州ニューヨーク)またはCREST(登録商標)の商標(Procter & Gamble Corporation,オハイオ州シンシナチ)で市販されているものであってもよい。あるいは、一次口腔ケア組成物は、たとえば下記に記載されたいずれかであってもよい:米国特許No.4,721,614;4,894,220;4,986,981;5,037,635;5,156,835;5,288,480;5,344,641;5,538,715;5,776,435;ならびに米国特許出願公開No.2004/0126332,2004/0136924,2005/0019273,2005/0271601、および2005/0271602;これらのそれぞれの内容を本明細書に援用する。
【0014】
[0015] 一次口腔ケア組成物は、1種類以上の作用物質、たとえば湿潤剤、溶剤、増粘剤、界面活性剤、研磨剤、着香剤、着色剤、粘度および/または流動性の調節剤、ガム、ポリマー、甘味剤などを含有することができる。一次口腔ケア組成物中に存在する可能性のある作用物質の例には、下記のものが含まれる:抗細菌剤、歯垢分散剤、抗付着剤、抗齲食剤、脱感作剤(desensitizing agent)、着香剤、着色剤、スズ(II)イオン剤;トリクロサン(triclosan)、トリクロサンモノホスフェート、クロルヘキシジン(chlorhexidine)、アレキシジン(alexidine)、ヘキセチジン(hexetidine)、サンギナリン(sanguinarine)、塩化ベンザルコニウム、サリチルアニリド、臭化ドミフェン(domiphen bromide)、セチルピリジニウムクロリド、テトラデシルピリジニウムクロリド、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド、オクテニジン(octenidine)、デルモピノール(delmopinol)、オクタピノール(octapinol)、ナイシン(nisin)、亜鉛イオン剤、銅イオン剤、精油、フラノン類、バクテリオシン(bacteriocin)類、エチルラウロイルアルギネート、モクレン(magnolia)エキス、金属イオン源、重炭酸アルギニン、ホノキオール(honokiol)、マゴノール(magonol)、ウルソール酸(ursolic acid)、ウルシン酸(ursic acid)、モリン(morin)、シーバックソーン(sea buckthorn)エキス、ペルオキシド、酵素、ツバキ(Camellia)エキス、フラボノイド、フラバン、ハロゲン化ジフェニルエーテル、クレアチン、および/またはプロポリス(propolis)。
【0015】
[0016] 本発明方法の実施に際しては、一次口腔ケア組成物を少なくとも1日1回、口腔表面に適用または接触させることができる。ある態様において、一次口腔ケア組成物の適用は1日2、3、4、5、6、7回、または最高で1日15回、実施できる。
【0016】
[0017] 口腔表面を一次口腔ケア組成物に、当技術分野で既知の手段または開発される手段のいずれかにより接触させることができる;そのような手段は一次口腔ケア組成物の形態に応じて異なる可能性がある。一次口腔ケア組成物を口腔表面に接触させる手段の例には、用具(たとえばブラシ、歯ブラシ、スティック、スポンジ、綿棒)、洗浄(lavage)、咀嚼、近接配置、および菓子の溶解による適用が含まれる。
【0017】
[0018] 本発明方法に用いられる他の口腔ケア組成物は、定期口腔ケア維持組成物である。この口腔ケア維持組成物は、一般に消費者により適用される。この口腔ケア維持組成物は、マウスリンス(mouthrinse)、練り歯磨き、歯磨きゲル、歯磨き粉、非研磨ゲル、ムース、フォーム、口内スプレー、トローチ、口内錠、バーニッシュ(varnish)、またはシーラントから選択される形態である。定期口腔ケア維持組成物は、有効量の遊離または塩形の塩基性アミノ酸、たとえばアルギニンを含む。この組成物はさらに、有効量の抗細菌剤、たとえばトリクロサン、および/またはZn+2イオン源、たとえばクエン酸亜鉛;有効量のフッ化物源、たとえば可溶性フッ化物塩;ならびに/あるいはポリマーを含むことができる。
【0018】
[0019] 特に、抗細菌剤は下記のものから選択できる:ハロゲン化ジフェニルエーテル(たとえばトリクロサン)、草本エキスおよび精油(たとえばローズマリーエキス、茶エキス、モクレンエキス、チモール(thymol)、メントール、ユーカリプトール(eucalyptol)、ゲラニオール、カルバクロール(carvacrol)、シトラール(citral)、ヒノキトール(hinokitol)、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン(epigallocatechin gallate)、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク(ナチュラルブラシ)(miswak)エキス、シーバックソーンエキス)、ビスグアニド系防腐剤(たとえばクロルヘキシジン、アレキシジンまたはオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(たとえばセチルピリジニウムクロリド(CPC)、塩化ベンザルコニウム、テトラデシルピリジニウムクロリド(TPC)、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC))、フェノール系防腐剤、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、ポビドンヨード(povidone iodine)、デルモピノール、サリフルオル(salifluor)、金属イオン(たとえば亜鉛塩、たとえばクエン酸亜鉛、スズ(II)塩、銅塩、鉄塩)、サンギナリン、プロポリスおよび酸素化剤(たとえば過酸化水素、緩衝化されたペルオキシホウ酸ナトリウムまたはペルオキシ炭酸ナトリウム)、フタル酸およびその塩、モノパーサル酸(monoperthalic acid)ならびにその塩およびエステル、ステアリン酸アスコルビル、オレオイルサルコシン(oleoyl sarcosine)、硫酸アルキル、スルホコハク酸ジオクチル、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、デルモピノール、オクタピノールおよび他のピペリジノ誘導体、ナイシン(nicin)製剤、亜塩素酸塩;ならびに以上のいずれかの混合物。
【0019】
[0020] ある態様において、口腔ケア維持組成物の適用は、口腔ケア維持組成物の送達形態および要望する最終的な有益性に基づいて、毎日、隔日、毎週、毎月、または他の間隔で実施できる。たとえば、口腔ケア送達形態が練り歯磨きである場合は使用はたとえば少なくとも毎日であり、口腔ケア送達形態がバーニッシュである場合は使用はたとえば毎週または毎月である。
【0020】
[0021] 本発明方法に用いられる他の口腔ケア組成物は、定期口腔ケアクリーニング組成物である。定期口腔ケアクリーニング組成物は一般に、約100より大きいペリクルクリーニング比(“PCR”)をもち、一方、約200未満の放射線トレーサー象牙質研磨(Radiotracer Dentin Abrasion)(“RDA”)をもつ。特定の態様において、RDAは約175以下であり、一方、なお約100を超えるPCRをもつ。ある態様において、RDAは約165未満である(PCRおよびRDAを実施する方法は、たとえば米国特許No.5,939,051および6,290,933に記載されており、それらの両方を全体として本明細書に援用する)。
【0021】
[0022] 定期口腔ケアクリーニング組成物は、第1研磨剤および第2研磨剤を含有することができる;それらの研磨剤は、たとえば米国公開No.2007/0140986に記載されており、その内容を本明細書に援用する。
【0022】
[0023] 特定の態様において、この定期口腔用組成物は、100,000回転当たり約5mg損失より大きいアインレーナー硬度をもつ第1研磨剤、および100,000回転当たり約5mg損失未満のアインレーナー硬度をもつ第2研磨剤を含む。100,000回転当たり約5mg損失より大きいアインレーナー硬度をもつ第1研磨剤は、それが口腔表面と接触した際に主に艶出し機能をもつ。100,000回転当たり約5mg損失未満のアインレーナー硬度をもつ第2研磨剤は、より柔らかい粒子であるので、主にクリーニング機能をもつ。第2粒子は、特定の態様においては100,000回転当たり約10mg損失より大きい硬度、他の態様においては100,000回転当たり約15mg損失より大きい硬度をもつ。
【0023】
[0024] 定期口腔ケアクリーニング組成物の第1研磨剤が処置すべき口腔表面以下の硬度をもつクリーニング用研磨剤であってもよく、第2研磨剤が処置すべき口腔表面以上の硬度をもつ艶出し用研磨剤であってもよい。
【0024】
[0025] 定期口腔ケアクリーニング組成物の第1研磨剤および第2研磨剤はそれぞれ、ある粒度をもつ。特定の態様において、第1の粒度は第2の粒度より小さい。平均粒度は、たとえばMalvern Particle Size Analyzer、Model Mastersizer S,Malvern Instruments,Inc.、米国マサチュセッツ州サウスボロー、を用いて測定できる。
【0025】
[0026] 特定の態様において、第1研磨剤は約11μm未満、たとえば約10μm未満の平均粒度をもつ。たとえば、適切な研磨剤の例は、約7μmから約11μmまでの範囲の平均粒度をもつ。ある研磨剤は、約5μm未満の粒度をもつ。他の態様において、第2研磨剤は約8μmより大きい、たとえば約10μmより大きい平均粒度をもつ。ある態様において、第2研磨剤は約8μm〜約14μmの平均粒度をもつことができる。
【0026】
[0027] 前記に述べた要件を満たす口腔用または美容用として許容できる研磨剤はいずれも、定期口腔ケアクリーニング組成物中に使用するために選択できる。適切な研磨剤には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:シリカ、ケイ酸塩、ケイ素、アルミナ(焼成酸化アルミニウムを含む)、アルミノケイ酸塩、たとえばベントナイト、ゼオライト、カオリン、および雲母、ケイ質土またはケイソウ土、軽石、炭酸カルシウム、イカの甲(cuttlebone)、不溶性ホスフェート、複合材料樹脂、たとえばメラミン樹脂、フェノール樹脂、および尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリカーボネート、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ミクロクリスタリンワックス、下記を含めた微結晶性セルロース:コロイド状微結晶性セルロースとカルボキシメチルセルロースの組合わせ、商品名AVICEL(登録商標)でFMC Biopolymer、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア、から市販されているもの、ならびに以上のすべての組合わせおよび誘導体。“雲母”とは、平板形態および完全基底(雲母型(micaceous))へき開(perfect basal cleavage)をもつ一群の含水ケイ酸アルミニウム鉱物のいずれか1つを意味する。雲母は、たとえば板状雲母(sheet mica)、等外雲母(scrap mica)または鱗片状雲母(flake mica)、たとえば白雲母(muscovite)、黒雲母(biotite)または金雲母(phlogopite)型の雲母であってもよい。研磨剤として有用な不溶性ホスフェートには、オルトホスフェート、ポリメタホスフェートおよびピロホスフェートが含まれる。具体例は、オルトリン酸二カルシウム・2水和物、リン酸二カルシウム・2水和物、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、β−ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸カリウムおよびメタリン酸ナトリウムである。
【0027】
[0028] 合成シリカにはシリカゲルおよび沈降シリカの両方が含まれ、これらはたとえばケイ酸塩水溶液を強い鉱酸で中和することにより製造できる。シリカゲルを製造する際には、シリカヒドロゲルを形成し、次いでこれを一般に低い塩含量になるまで洗浄する。洗浄したヒドロゲルを要望するサイズに微粉砕し、あるいは最終的に収縮の結果としてそれの構造がもはや変化することのない時点まで乾燥させることができる。そのような合成シリカを製造する場合、目的は、歯のエナメル質その他の口腔組織に対する損傷を最小限にして最大のクリーニング(すなわち、着色したペリクルの除去)をもたらす研磨剤を得ることである。
【0028】
[0029] 定期口腔用組成物を調製するのに有用な研磨剤には、高クリーニング性、低構造性のシリカ研磨剤、たとえば商品名SYLODENT(登録商標)XWAまたはSYLODENT(登録商標)783でW.R.Grace & Co.,Davison Chemical Division、メリーランド州ボルチモア、により市販されているものが含まれる。SYLODENT(登録商標)XWA 650は、コロイドシリカの粒子からなるシリカヒドロゲルである。シリカヒドロゲルの例には、約3μm〜約12μm、たとえば約5μm〜約10μmの平均粒度をもち、5重量%のスラリーとして測定した際に約4から約10、たとえば約6から約9のpH範囲をもつシリカのコロイド粒子が含まれる。XWA 650の粒子は、約10重量%〜約35重量%の水を含有し、約5μm〜約12μmの平均粒度、100,000回転当たり約5mg損失以上から約20mg損失までのアインレーナー硬度、約90cm/100g未満、たとえば約40cm/100gから約90cm/100gまでの吸油価をもつ。これらの研磨剤は、約100から約700m/gまでのブルナウアー−エメット−テラー(Brunauer,Emmett and Teller)(BET)表面積をもつ。XWA 650は、約96.8テクニダイン(technidyne)の輝度をもつ。そのような研磨剤は、たとえば米国特許No.6,290,933に開示されており、これを全体として本明細書に援用する。
【0029】
[0030] 定期用組成物に含有させることができる他の高クリーニング性シリカ研磨剤は、SYLODENT(登録商標)XWA 300として市販されており、約10重量%〜約25重量%の水を含有するシリカヒドロゲルであり、その平均粒度は約2μm〜約4μmである。これらの粒子は、約150〜約400m/gシリカの範囲のBET表面積をもつ。XWA 300研磨剤は、約90cm/100gシリカ未満の吸油価;および沸騰(COを含まない)脱塩水中の5重量%懸濁液において約8.5以上のpHをもつ。そのような研磨剤は、米国特許No.5,939,051に開示されており、これを全体として本明細書に援用する。
【0030】
[0031] 定期用組成物に含有させることができる他の適切な高クリーニング性シリカには、粒子が約5重量%〜約35重量%の水分であり、約7μm〜約11μmの平均粒度、約12から約19までのアインレーナー硬度、約50cm/100g〜約65cm/100gの吸油価をもつ、シリカ製品が含まれる。BET表面積は約100〜約700m/gシリカである。輝度は一般に約95テクニダインより大きいと報告されている。そのようなシリカ製品は、ZEODENT(登録商標)105としてJ.M.Huber、米国メリーランド州アーブル・デ・グレイス、から市販されている。
【0031】
[0032] 使用できる他の研磨剤には、一般的なクリーニング用シリカ研磨剤、たとえば最高で約20μm、一般に約8〜約14μmの平均粒度をもち、約90〜約110cm/100gより大きい吸油構造をもつ沈降シリカ、たとえばJ.M.Huberにより市販されるZEODENT(登録商標)115が含まれ、これは粒子5%で約6.5〜約7.5のpH、および100,000回転当たり約2〜約4mg損失のアインレーナー硬度をもつ。そのようなシリカ粒子の輝度は約95より大きい。そのようなクリーニング研磨剤は、特定の態様において口腔用組成物の第2研磨剤を構成する。
【0032】
[0033] 本発明に有用なシリカ研磨剤系の研磨材料、および他の研磨剤は、一般に約0.1〜約30ミクロン、約5〜約15ミクロンの範囲の平均粒度をもつ。シリカ研磨剤は、沈降シリカまたはシリカゲルからのもの、たとえば米国特許No.3,538,230,Paderらに付与、および米国特許No.3,862,307,Digiulioに付与(両方を本明細書に援用する)に記載されたシリカキセロゲルであってもよい。具体的なシリカキセロゲルは、商品名Syloid(登録商標)でW.R.Grace & Co.,Davison Chemical Divisionにより市販されている。沈降シリカ材料には、J.M.Huber Corp.が商品名Zeodent(登録商標)で市販しているものが含まれ、これにはZeodent 115および119の表示をもつシリカが含まれる。これらのシリカ研磨剤は米国特許No.4,340,583,Wasonに付与(本明細書に援用する)に記載されている。
【0033】
[0034] 特定の態様において、本発明による口腔ケア組成物の実施に有用な研磨剤には、約100cc/100gシリカ未満、約45cc/100g〜約70cc/100gシリカの範囲の吸油価(oil absorption value)をもつシリカゲルおよび沈降非晶質シリカが含まれる。吸油価は、ASTA Rub−Out、方法D281を用いて測定される。特定の態様において、シリカは約3ミクロン〜約12ミクロン、および約5〜約10ミクロンの平均粒度をもつコロイド粒子である。
【0034】
[0035] 特定の態様において、粒状物質または研磨剤は、たとえば約5ミクロン未満のd50をもつきわめて小さい粒子、たとえば約3〜約4ミクロンのd50をもつ小粒子シリカ(small particle silica)(SPS)、たとえばSorbosil AC43(登録商標)(Ineos)を大きな割合で含む。そのような小粒子は、過敏性の軽減を目標とする配合物に特に有用である。小粒子成分は、より大きい粒子の第2研磨剤との組合わせで存在してもよい。特定の態様において、たとえば配合物は約3〜約8%のSPS、および約25〜約45%の一般的な研磨剤を含む。
【0035】
[0036] 本発明の実施に特に有用な吸油性の低いシリカ研磨剤は、商品名Sylodent XWA(登録商標)でW.R.Grace & Co.,Davison Chemical Division、21203メリーランド州ボルチモア、により市販されている。Sylodent 650 XWA(登録商標)、すなわち約29重量%の含水率、平均約7〜約10ミクロンの直径、および約70cc/100gシリカ未満の吸油価をもつコロイドシリカ粒子からなるシリカヒドロゲルは、本発明の実施に有用な吸油性の低いシリカ研磨剤の一例である。研磨剤は、本発明の口腔ケア組成物中に約10〜約60重量%、他の態様においては約20〜約45重量%、他の態様においては約30〜約50重量%の濃度で存在する。
【0036】
[0037] 歯磨剤が澄明または透明なゲルである態様において、コロイドシリカ研磨剤、たとえば商標SYLOID(登録商標)、たとえばSYLOID(登録商標)72およびSYLOID(登録商標)74、または商標SANTOCEL(登録商標)100で販売されているアルカリ金属アルミナ−ケイ酸塩複合体は、歯磨剤に一般に用いられるゲル化剤−液体(水および/または湿潤剤を含有する)系の屈折率に近い屈折率をもつので、特に有用である。
【0037】
[0038] 本発明の多様な態様によれば、第1研磨剤と第2研磨剤を定期用組成物中で組み合わせて、クリーニング能、低刺激性(mildness)(比較的低い研磨性)、および審美的に許容できる定期ケア組成物が得られる。多様な態様において、第2研磨剤に対する第1研磨剤の量は、約1:1.6から約1.6:1までの範囲の第1研磨剤と第2研磨剤の比率で表わすことができる。たとえば、第1研磨剤と第2研磨剤の比率は約1:1である。口腔用組成物中に存在する第1研磨剤および第2研磨剤それぞれの量は、口腔用組成物の約13〜約21重量%であってよい。
【0038】
[0039] ある態様において、第1研磨剤の量は口腔用組成物の約15重量%〜約19重量%であり、第2研磨剤の量は約15重量%〜約19重量%である。特定の好ましい態様において、第1研磨剤は口腔用組成物の約17重量%で存在し、第2研磨剤は約17重量%で存在する。したがって、本発明の多様な態様によれば、定期口腔ケアクリーニング組成物中の研磨剤の全量は、第1研磨剤および第2研磨剤を含めて、たとえば定期口腔ケアクリーニング組成物の全重量の約25%より多く、約30%より多く、ある態様においては約35%より多い。
【0039】
[0040] ある態様において、定期口腔用組成物は、100,000回転当たり約5mg損失より大きいアインレーナー硬度をもつ第1研磨剤、および100,000回転当たり約5mg損失未満のアインレーナー硬度をもつ第2研磨剤を含む。第1研磨剤と第2研磨剤の比率は、約1:1.6から約1.6:1までの範囲である。さらに、定期口腔用組成物は、約100より大きいPCR、および約200未満のRDAをもつ。特定の態様において、RDAは約175未満である。特定の態様において、第1研磨剤は約90cm/100g未満の吸油価をもち、第2研磨剤は約90cm/100gより大きい吸油価をもつ。ある態様において、第1研磨剤と第2研磨剤の比率は約1:1である。第1研磨剤および第2研磨剤の両方を含めて、研磨剤の全量は約30%より多い。第1研磨剤および第2研磨剤は、場合によりそれぞれ約17重量%ずつ存在する。ある態様において、第1研磨剤および第2研磨剤は、それぞれ定期口腔ケアクリーニング組成物の全量の約15重量%〜約19重量%の量で存在する。第1研磨剤および第2研磨剤は、場合によりシリカを含む。
【0040】
[0041] 特定の態様において、定期口腔用組成物は、シリカを含む、100,000回転当たり約5mg損失より大きいアインレーナー硬度および約90cm/100g未満の吸油価をもつ、第1研磨剤を含む。定期口腔用組成物はさらに、シリカを含む、100,000回転当たり約5mg損失未満のアインレーナー硬度および約90cm/100gより大きい吸油価をもつ、第2研磨剤を含む。第1研磨剤は組成物の約13重量%〜約21重量%の量で存在し、同様に第2研磨剤も約13重量%〜約21重量%の量で存在する。ある態様において、第1研磨剤および第2研磨剤は、それぞれ定期口腔用組成物の約15重量%〜約19重量%の量で存在する。特定の態様において、第1研磨剤および第2研磨剤は、それぞれ口腔用組成物の約17重量%の量で存在する。PCRはたとえば約100より大きく、RDAはたとえば約200未満であり、特定の態様においては約175未満である。口腔用組成物中に存在する第1研磨剤および第2研磨剤の全量は、たとえば約25%より多く、またはたとえば約30%より多い。
【0041】
[0042] 特定の態様において、定期口腔用組成物は、シリカを含む、かつ約90cm/100g未満の吸油価および100,000回転当たり約5mg損失より大きいアインレーナー硬度をもつ、第1研磨剤を含む。定期口腔用組成物はさらに、シリカを含む、かつ約90cm/100gより大きい吸油価および100,000回転当たり約5mg損失未満のアインレーナー硬度をもつ、第2研磨剤を含む。第1研磨剤と第2研磨剤の比率は、約1:1.6〜約1.6:1である。さらに、口腔用組成物中に存在する第1研磨剤および第2研磨剤の全量は、組成物の約25重量%より多い。
【0042】
[0043] 特定の態様において、定期口腔用組成物は、約1:1.6から約1.6:1までの範囲の第1研磨剤と第2研磨剤の比率をもつ。特定の態様において、有効成分は、非イオン性抗細菌成分、たとえばハロゲン化ジフェニルエーテル、たとえばトリクロサンを含み、これについては後記においてより詳細に考察する。ある態様において、第1研磨剤は約90cm/100g未満の吸油価および100,000回転当たり約5mg損失より大きいアインレーナー硬度をもち、かつ第2研磨剤は約90cm/100gより大きい吸油価および100,000回転当たり約5mg損失未満のアインレーナー硬度をもつ。
【0043】
[0044] 本明細書に記載する定期口腔ケアクリーニング組成物(一次と定期の両方)は、口腔用として許容できるキャリヤーを含むことができる。口腔ケア組成物のためのキャリヤーを形成するのに使用できる一般的な成分は、当業者に周知である。キャリヤーは液相、半固相または固相であってよい。口腔用組成物は、歯磨剤(練り歯磨き、歯磨き粉、および予防用ペーストを含む)、菓子(ガム、ビーズおよびチュー類(chew)を含む)、フィルム、塗布用ゲル(paint−on−gel)の形態、または研磨剤を用いる技術分野の専門家に既知である他のいずれかの形態であってもよい。具体的なキャリヤー成分の選択は、要望する製品の形態に依存する。
【0044】
[0045] 特定の好ましい態様において、本発明組成物(1以上)は独立して歯磨剤の形態であり、その際、キャリヤーの例は実質的に半固体または固体である。キャリヤーは水性であってもよく、その場合、キャリヤーはたとえば約5%〜約95%の水を含む。他の態様において、キャリヤーは実質的に非水性である。キャリヤーは、場合によりたとえば口腔ケア有効成分、界面活性作用物質、たとえば界面活性剤、乳化剤、および起泡調節剤、粘度調節剤および増粘剤、湿潤剤、希釈剤、増量剤、追加のpH調節剤、着色剤、保存剤、溶剤、ならびにその組合わせを含む。上記カテゴリーの物質それぞれの全般的な属性は異なるであろうが、何らかの共通の属性がある場合があり、いずれか特定の物質がそのような物質の2以上のカテゴリー内の複数の目的に用いられる可能性があることは理解される。当業者に認識されるように、上記の口腔用組成物(1以上)は前記成分のほかに場合により他の物質を含有し、これにはたとえば皮膚軟化剤、保湿剤(moisturizer)、口当たり改善剤(mouth feel agent)などをが含まれる。口腔用組成物に適切なキャリヤーの例は、米国特許No.6,669,929、6,379,654および4,894,220に開示されており、これらのそれぞれの内容を本明細書に援用する。
【0045】
[0046] 口腔ケア有効成分には、たとえば抗細菌活性薬剤、抗歯石剤、抗齲食剤、抗炎症剤、抗過敏剤、酵素、栄養素などが含まれる。本発明に有用なものに含まれる有効薬剤は、米国特許No.6,290,933および6,685,921にも開示されており、これらのそれぞれの内容を本明細書に援用する。
【0046】
[0047] 一次および/または定期口腔ケア組成物は、さらに、細菌の付着を妨害または阻止する薬剤、たとえばソルブロール(solbrol)またはキトサンを含むことができる。
【0047】
[0048] いずれか適切なフッ化物イオン源が、本発明の一方または両方の口腔用組成物中に存在することができる;たとえば、米国特許No.5,080,887に示されたもの;その内容を本明細書に援用する。フッ化物イオンの供給源、酸性ホスファターゼ、およびピロホスファターゼ酵素阻害剤は、当技術分野で抗齲食剤として周知である。そのような供給源の例は、無機金属および/またはアンモニウムのフッ化物塩および化合物である:たとえばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化アミン、フッ化カルシウム;フッ化銅、たとえばフッ化銅(I);フッ化亜鉛、フッ化バリウム;ケイフッ化ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フルオロジルコン酸ナトリウム;ならびにモノフルオロリン酸ナトリウム、モノ−およびジ−フルオロリン酸アルミニウム、ならびにフッ素化されたピロリン酸カルシウムナトリウム、ならびにその組合わせ。フッ化物源はフッ化アミン、たとえばオラフルル(olaflur)(N’ オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−ジヒドロフルオリド)であってもよい。フッ化ナトリウム、フッ化アミン、フッ化スズ(II)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)、およびその混合物が好ましい。特定の態様において、フッ化物イオン源には、フッ化スズ(II)、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、およびその混合物が含まれる。
【0048】
[0049] 特定の態様において、本発明の定期および/または一次口腔ケア組成物は、フッ化物イオン源またはフッ素供給成分を、約25ppm〜25,000ppm、一般に少なくとも約500ppm、たとえば約500〜約2000ppm、たとえば約1000〜約1600ppm、たとえば約1450ppmのフッ化物イオンを供給するのに十分な量で含有することもできる。フッ化物の適切なレベルは、個々の用途に依存するであろう。たとえばマウスウォッシュ(mouthwash)は、一般に約100〜約250ppmのフッ化物を含むであろう。一般消費者用の練り歯磨きは一般に約1000〜約1500ppmを含み、小児用練り歯磨きはこれより若干少ない量を含むであろう。専門用の歯磨剤またはコーティングは、5,000ppmに及ぶフッ化物、または25,000ppmのフッ化物すら含むことができる。
【0049】
[0050] 本発明の定期および/または一次口腔ケア組成物は、リン酸カルシウム研磨剤、たとえばリン酸三カルシウム(Ca(PO)、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))、またはリン酸二カルシウム・2水和物(CaHPO・2HO、本明細書中で時にはDiCalとも言う)、またはピロリン酸カルシウムを含むことができる。
【0050】
[0051] 一方または両方の組成物は、場合により抗歯石成分、たとえば米国特許No.5,292,526(その内容を本明細書に援用する)に示された抗歯石成分のうち1以上を含む。多様な態様において、抗歯石成分には1種類以上のポリホスフェートが含まれる。抗歯石組成物は、口腔用組成物中に歯石抑制に有効な量で存在する少なくとも1種類の完全または部分的に中和されたトリポリホスフェートまたはヘキサメタホスフェートのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を含有することができる。抗歯石成分は、少なくとも1種類の水溶性、線状の、分子内脱水されたポリホスフェート塩を、歯石抑制に有効な量で含むこともできる。抗歯石成分はカリウム塩とナトリウム塩の混合物を含むこともでき、これらのうち少なくとも1つは歯石抑制に有効な量でポリホスフェート抗歯石剤として存在する。他の有用な抗歯石剤には、ポリカルボキシレートポリマーおよびポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸(PVA/MA)コポリマーたとえばGANTREZ(登録商標)が含まれる。
【0051】
[0052] 口腔ケア組成物中に有用なことが知られている他のすべての物質または分子を、日用組成物または定期用組成物の一方または両方に含有させることができる。たとえば、そのような追加の分子には、抗細菌剤、抗歯垢剤、脱感作剤、抗炎症剤、着色剤、増粘剤、着香剤、界面活性剤、研磨剤、抗付着剤、抗齲食剤、知覚増強剤(sensate)、および/またはビタミンを含めることができる。
【0052】
[0053] 一方または両方の組成物に添加することができる他の成分には、下記のものが含まれる:スズ(II)イオン剤;トリクロサン;トリクロサンモノホスフェート;クロルヘキシジン;アレキシジン;ヘキセチジン;サンギナリン;塩化ベンザルコニウム;サリチルアニリド;臭化ドミフェン;セチルピリジニウムクロリド(CPC);テトラデシルピリジニウムクロリド(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC);オクテニジン;デルモピノール;オクタピノール;ナイシン;亜鉛イオン剤;銅イオン剤;精油;フラノン類;バクテリオシン類、エチルラウロイルアルギネート、モクレンエキス、金属イオン源、重炭酸アルギニン、ホノキオール、マゴノール、ウルソール酸、ウルシン酸、モリン、シーバックソーンエキス、ペルオキシド、酵素、ツバキエキス、フラボノイド、フラバン、ハロゲン化ジフェニルエーテル、クレアチン、キトサンおよびプロポリス。
【0053】
[0054] 全体を通して用いる範囲は、その範囲内にあるあらゆる数値を記述するための略記として用いられる。その範囲内の数値をいずれも範囲の末端として選択できる。さらに、本明細書に引用するすべての参考文献は、それらの全体が本明細書に援用される。本発明の開示における定義と引用した参考文献の定義が矛盾する場合、本発明の開示が支配する。配合物について記載する場合、それらは当技術分野で一般に行なわれるようにそれらの成分により記載することができると理解され、実際の配合物中でその製造、貯蔵および使用に伴ってそれらの成分が互いに反応する可能性があるにもかかわらず、そのような製品は本明細書に記載する配合物に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む、口腔表面の療法処置に使用するための定期口腔ケア維持組成物であって、その処置が、a.口腔表面を一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させること、およびb.口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させることを含む、前記定期口腔ケア維持組成物。
【請求項2】
さらに、有効量の抗細菌剤、有効量のフッ化物源、および/またはポリマーのうち少なくとも1種類を含む、請求項1に記載の定期口腔ケア維持組成物。
【請求項3】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含む、請求項1または請求項2に記載の定期口腔ケア維持組成物。
【請求項4】
塩基性アミノ酸が塩形であり、リン酸アルギニン、重炭酸アルギニン、および塩酸アルギニンから選択される、請求項3に記載の定期口腔ケア維持組成物。
【請求項5】
口腔表面の療法処置に際して対象に同時、逐次または個別に投与する組合わせ製剤を製造するための、定期口腔ケア維持組成物および一次口腔ケア組成物を含む組合わせ製剤であって、口腔表面を
a.一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させ、かつ
b.定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させ、
その際、定期口腔ケア維持組成物が遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む、前記組合わせ製剤。
【請求項6】
定期口腔ケア維持組成物がさらに、有効量の抗細菌剤、有効量のフッ化物源、および/またはポリマーのうち少なくとも1種類を含む、請求項5に記載の組合わせ製剤。
【請求項7】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含む、請求項5または請求項6に記載の組合わせ製剤。
【請求項8】
塩基性アミノ酸が塩形であり、リン酸アルギニン、重炭酸アルギニン、および塩酸アルギニンから選択される、請求項7に記載の組合わせ製剤。
【請求項9】
一次口腔ケア組成物が、研磨剤、抗細菌剤、歯垢分散剤、抗付着剤、抗齲食剤、脱感作剤、着香剤、着色剤、および知覚増強剤から選択される作用物質を含む、請求項5〜8のいずれか1項に記載の組合わせ製剤。
【請求項10】
一次口腔ケア組成物が、スズ(II)イオン剤;トリクロサン;トリクロサンモノホスフェート;クロルヘキシジン;アレキシジン;ヘキセチジン;サンギナリン;塩化ベンザルコニウム;サリチルアニリド;臭化ドミフェン;セチルピリジニウムクロリド(CPC);テトラデシルピリジニウムクロリド(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC);オクテニジン;デルモピノール;オクタピノール;ナイシン;亜鉛イオン剤;銅イオン剤;精油;フラノン類;バクテリオシン類、エチルラウロイルアルギネート、モクレンエキス、金属イオン源、重炭酸アルギニン、ホノキオール、マゴノール、ウルソール酸、ウルシン酸、モリン、シーバックソーンエキス、ペルオキシド、酵素、ツバキエキス、フラボノイド、フラバン、ハロゲン化ジフェニルエーテル、クレアチン、キトサンおよびプロポリスから選択される作用物質を含む、請求項5〜9のいずれか1項に記載の組合わせ製剤。
【請求項11】
口腔表面の療法処置に用いる定期口腔ケア維持組成物を製造するための遊離または塩形の塩基性アミノ酸の使用であって、その処置が、a.口腔表面を一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させること、およびb.口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させることを含む、前記使用。
【請求項12】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含む、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
塩基性アミノ酸が塩形であり、リン酸アルギニン、重炭酸アルギニン、および塩酸アルギニンから選択される、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
口腔表面の療法処置に際して対象に同時、逐次または個別に投与する組合わせ製剤を製造するための、定期口腔ケア維持組成物および一次口腔ケア組成物の使用であって、口腔表面を
a.一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させ、かつ
b.定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させ、
その際、定期口腔ケア維持組成物が遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む、前記使用。
【請求項15】
定期口腔ケア維持組成物がさらに、有効量の抗細菌剤、有効量のフッ化物源、および/またはポリマーのうち少なくとも1種類を含む、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含む、請求項14または請求項15に記載の使用。
【請求項17】
塩基性アミノ酸が塩形であり、リン酸アルギニン、重炭酸アルギニン、および塩酸アルギニンから選択される、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
一次口腔ケア組成物が、研磨剤、抗細菌剤、歯垢分散剤、抗付着剤、抗齲食剤、脱感作剤、着香剤、着色剤、および知覚増強剤から選択される作用物質を含む、請求項14〜17のいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
一次口腔ケア組成物が、スズ(II)イオン剤;トリクロサン;トリクロサンモノホスフェート;クロルヘキシジン;アレキシジン;ヘキセチジン;サンギナリン;塩化ベンザルコニウム;サリチルアニリド;臭化ドミフェン;セチルピリジニウムクロリド(CPC);テトラデシルピリジニウムクロリド(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC);オクテニジン;デルモピノール;オクタピノール;ナイシン;亜鉛イオン剤;銅イオン剤;精油;フラノン類;バクテリオシン類、エチルラウロイルアルギネート、モクレンエキス、金属イオン源、重炭酸アルギニン、ホノキオール、マゴノール、ウルソール酸、ウルシン酸、モリン、シーバックソーンエキス、ペルオキシド、酵素、ツバキエキス、フラボノイド、フラバン、ハロゲン化ジフェニルエーテル、クレアチン、キトサンおよびプロポリスから選択される作用物質を含む、請求項14〜18のいずれか1項に記載の使用。
【請求項20】
a.口腔表面を一次口腔ケア組成物と少なくとも1日1回接触させ、かつ
b.口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも月1回接触させる
ことを含み、その際、定期口腔ケア維持組成物が遊離または塩形の塩基性アミノ酸を含む方法。
【請求項21】
さらに、有効量の抗細菌剤、有効量のフッ化物源、および/またはポリマーのうち少なくとも1種類を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
塩基性アミノ酸がアルギニンを含む、請求項20または請求項21に記載の方法。
【請求項23】
塩基性アミノ酸が塩形であり、リン酸アルギニン、重炭酸アルギニン、および塩酸アルギニンから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
さらに、口腔表面を定期口腔ケアクリーニング組成物と少なくとも月1回接触させることを含む、請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
一次口腔ケア組成物が、研磨剤、抗細菌剤、歯垢分散剤、抗付着剤、抗齲食剤、脱感作剤、着香剤、着色剤、および知覚増強剤から選択される作用物質を含む、請求項20〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
一次口腔ケア組成物が、スズ(II)イオン剤;トリクロサン;トリクロサンモノホスフェート;クロルヘキシジン;アレキシジン;ヘキセチジン;サンギナリン;塩化ベンザルコニウム;サリチルアニリド;臭化ドミフェン;セチルピリジニウムクロリド(CPC);テトラデシルピリジニウムクロリド(TPC);N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC);オクテニジン;デルモピノール;オクタピノール;ナイシン;亜鉛イオン剤;銅イオン剤;精油;フラノン類;バクテリオシン類、エチルラウロイルアルギネート、モクレンエキス、金属イオン源、重炭酸アルギニン、ホノキオール、マゴノール、ウルソール酸、ウルシン酸、モリン、シーバックソーンエキス、ペルオキシド、酵素、ツバキエキス、フラボノイド、フラバン、ハロゲン化ジフェニルエーテル、クレアチン、キトサンおよびプロポリスから選択される作用物質を含む、請求項20〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
一次口腔ケア組成物を1日2〜5回適用する、請求項20〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも毎週接触させる、請求項20〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
口腔表面を定期口腔ケア維持組成物と少なくとも毎日接触させる、請求項20〜28のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2011−510981(P2011−510981A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544953(P2010−544953)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/058650
【国際公開番号】WO2009/099450
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】