説明

口腔乾燥を処置するための糖菓製品

【課題】唾液分泌促進剤および代用唾液を口腔に供給することのできる経口摂取可能な組成物を提供する。更に、中心部充填の経口摂取可能な組成物であって、従来の代用唾液に関連する不快な風味または口当たりを軽減する唾液分泌促進剤および代用唾液を口内および咽喉頭まで運搬することのできる該組成物を提供する。更にまた、投与過程または薬剤運搬過程の異なる段階で複数の成分を送出する薬用キャンデーを得る。
【解決手段】本発明は、本出願書類では、唾液分泌促進剤および/または代用唾液を口腔および咽喉まで運搬するための糖菓製品とも称される経口摂取可能な組成物に関する。経口摂取可能な組成物は、芯が該組成物の概して中心に配置されるか、または実質的に中心に配置されるように、該芯と該芯を取り囲む殻とを含有する。該芯および該殻によって、唾液分泌促進剤または代用唾液を口腔および咽喉まで標的化運搬するのに非常に適した糖菓が作られる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
本出願は、2005年5月19日に出願された米国特許出願番号11/132670号の部分継続出願である。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、唾液分泌促進剤および/または代用唾液を口腔および咽喉まで運搬するための経口摂取可能な組成物(任意的に糖菓製品)に関する。概して、経口摂取可能な組成物は、芯(core)が該組成物のほぼ中心に配置されるか、または実質的に中心に配置されるように、該芯と該芯を取り囲む殻(shell)とを含有する。芯および殻から成る組成物によって、唾液分泌促進剤および/または代用唾液を、口腔および咽喉まで標的化運搬(targeted delivery)するのに非常に適した糖菓が作られる。
【0003】
〔発明の背景〕
口腔乾燥症(xerostomia)(口腔乾燥症候群)は典型的には、唾液流れが低下した結果であり、様々な容態および原因物質(causative agents)と関連することがある。その容態は、乾燥症候群(Sicca Syndrome)[シェーグレン病(Sjogren's disease)]、乾燥腺疾患(dry gland disease)、多腺性機能障害(polyglandular failure disfunction)、等のような病理状態に由来することもある。1986年の米国国立歯科研究所(National Institute of Dental Research)の刊行物によると、通常使用される300種を超える薬剤には、それらを使用したときの副作用として口腔乾燥症が記載されており、それらの薬剤のうち最も罹患率が高いのは、昇圧薬および抗うつ薬であり、また、他の薬剤には、鎮痛剤、精神安定剤、利尿薬が包含され、市販の抗ヒスタミン薬も包含された。更に、年齢およびストレスは、口腔乾燥症と関連があった。
【0004】
上述のように、唾液流れの低下はしばしば、口腔内の灼熱感(burning sensation)、睡眠障害、言語障害、摂取障害、味覚障害、等を包含する様々な口腔乾燥症候群の原因となる。唾液流れの低下はまた、粘膜感染、細菌性唾液腺症(bacterial sialadentis)、歯周疾患および虫歯のような、より重篤な疾患を引き起こすことがある。
【0005】
現在のところ、口腔乾燥症患者は、様々な自助処置を使用している。水および人工唾液のような液体の治療薬は効果が短時間であり、また、人工唾液は、一部の患者には嫌な味と見られる自然唾液に類似する粘稠度を示す。柑橘類の皮および硬質キャンディーのような固体の補助剤も試行されたことがある。上述の困難性を考慮すれば、口腔乾燥症の患者の口腔乾燥症に関連する諸症状の発現の防止または軽減を助けるのに有用な、新規製品または改善された製品の継続的必要性が存在する。
【0006】
したがって、唾液分泌促進剤および代用唾液を口腔に供給することのできる経口摂取可能な組成物を提供することは、望ましいであろう。更に、「中心部充填の(center-fill)」の経口摂取可能な組成物であって、従来の代用唾液に関連する不快な風味または口当たりを軽減する唾液分泌促進剤および代用唾液を口内および咽喉頭まで運搬することのできる該組成物を提供することは、望ましいであろう。更にまた、投与過程または薬剤運搬過程の異なる段階で複数の成分を送出する薬用キャンデーを得ることは、望ましいであろう。
【0007】
〔発明の概要〕
本発明の組成物は、口腔乾燥の諸症状の防止、軽減または緩和を行う少なくとも1種の活性成分を運搬するための経口摂取可能な製品において、
a)唾液分泌促進剤を含有する水溶性または水浸食性の殻と、
b)芯成分であって、
i)代用唾液、およびと、
ii)任意的に(optionally)、唾液分泌促進剤、
を含有する芯成分と、
を含む、製品に関する。
【0008】
上記諸組成物の使用方法も開示する。
【0009】
〔発明の詳細な記述〕
本発明の経口摂取可能な組成物は、本明細書に記述される、本発明の必須の要素および制約の他に、本明細書に記述される追加的もしくは任意的な要素、成分もしくは制約を含むか、それらから成るか、または、それらから実質的に成る。
【0010】
%、部および比は全て、特別の定めがない限り、本発明の経口摂取可能な組成物の総重量に基づく。
【0011】
本明細書で用いられる用語「安全で有効な量(safe and effective amount)」は、本明細書に開示される諸利点を独立して包含する利点(例えば、口腔乾燥の軽減)を有意に生じさせるのに十分であるものの、重篤な副作用を回避するのに十分低い(即ち、当業者の正しい判断の範囲内の妥当な[利点]対[危険]比を提供する)、化合物または組成物[例えば、局所性もしくは全身性の活性成分(または製剤)]の量を意味する。
【0012】
食用殻
本発明の組成物は、水溶性または水浸食性の食用殻を含有する。本明細書で用いられる字句「水溶性または水浸食性の(water dissolvable or erodible)」は、芯成分が口腔の中に放出されるように、口腔環境内で迅速にもしくは徐々に溶解されるか、または浸食されることが可能である殻を意味する。浸食性殻は、チューインガム、または、硬質もしくは軟質のキャンデーである場合がある。浸食性殻はまた、カプセルまたはマイクロカプセルの形態をとることもできる。中心部充填の(center-filled)チューインガムの例は、米国特許第3,894,154号明細書に見出だすことができる。この米国特許明細書は、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。中心部充填の硬質キャンデーは、米国特許第4,372,942号および同第4,466,983号明細書に開示されている。それらの米国特許明細書の各々は、参照によって、その内容全体が組み入れられる。
【0013】
充填剤と食用殻との相互作用を防止または軽減するために、殻の内面は、別個の食用ライニング(edible lining)を更に有することができる。食用殻はまた、以下に更に詳細に記述されるように、香料を更に含有することができる。本発明の組成物で使用するのに適した食用殻の例は、発行日2001年5月29日のキーファー(Kiefer)等に付与された米国特許第6,238,690号、発行日1998年8月18日のキーファー等に付与された米国特許第5,795,590号、発行日1997年1月21日のキーファー等に付与された米国特許第5,595,757号、発行日1994年4月5日のステープラー(Stapler)等に付与された米国特許第5,300,305号の明細書に見出だすことができる。それらの米国特許明細書はそれぞれ、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。
【0014】
幾つかの実施形態において、食用殻は、唾液分泌促進剤を含有する。本発明で使用するのに適した食用殻は、フルーツ酸または酸成分(例えば、リン酸、アジピン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、酢酸、桂皮酸、およびそれらの混合物)を含有するが、それらに限定されない。理論によって制限されるものではないが、唾液分泌促進剤はまた、それの唾液分泌促進効果に加えて、代用唾液の味覚マスキング(taste-masking)に役立つものと思われる。唾液分泌促進剤は、食用殻の中に、該食用殻の約0.1〜約10重量%の濃度で、任意的には約1〜約5重量%の濃度で、また任意的には約1.5〜約3重量%の濃度で存在することができる。幾つかの実施形態において、食用殻中に存在する唾液分泌促進剤は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸およびそれらの混合物である。唾液分泌促進剤は、米国特許第4,820,506号明細書に更に開示されている。その米国特許明細書は、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。本発明では、タカサゴ(Takasago)製ジャンブー(Jambu)(登録商標)だけでなく、無水結晶マルトース[例えば、「ファイントース(FINETOSE)」、シブヤ(Shibuya)等に付与された米国特許第6,897,202号の明細書に記述される、株式会社林原生物化学研究所(Hayashibara Biochemical Laboratories, Inc.)(日本、岡山県)によって商品化された無水結晶マルトース]もまた有用である。この米国特許明細書は、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。
【0015】
<芯充填成分>
本発明の組成物は、芯充填成分を含有する芯を更に含有する。幾つかの実施形態において、本発明の芯充填成分は、少なくとも1種の唾液分泌促進剤、および/または、代用唾液を含有する。本発明の芯充填成分の中には、従来の他の充填成分材料も存在することができる。
【0016】
本明細書で用いられる用語「芯充填成分(core fill component)」は、キャリア材料と活性剤との組合せを含有する。本明細書で用いられる用語「キャリア材料(carrier material)」は、活性剤と組み合わさったとき、芯材料を形成するそれらの原料を意味する。
【0017】
幾つかの実施形態において、芯充填材は、キャリア材料であって、ひとたび口腔にさらされると、形態が液体または液体様状態からゲルまたはゲル様状態に及ぶことのあるキャリア材料で作られる。芯は、薬用キャンデー(lozenge)が口腔まで運搬される前には、低粘性の液体(もしくは液体様状態)、ゲル(もしくはゲル様状態)、または、固体状態の形態であってもよい。芯は、周囲室温(24〜26℃)で、約1,000〜約100,000cps、任意的に約5,000〜約50,000cps、任意的に約10,000〜約20,000cpsの粘度(ブルックフィールド(Brookfield)RVT粘度計、#4または#5のRVスピンドル、10rpm)を有することができる。幾つかの実施形態において、本発明の糖菓がひとたび頬腔(buccal cavity)に投与されれば、芯充填材は、それの粘度が低下して、芯充填成分が口腔全体に渡って分散し口腔を覆うことが可能となるような具合に、口腔の熱によって温められる。口腔温度(30〜37℃)で、芯充填材は、約1〜約1,000cps、任意的に約20〜約800cps、任意的に約100〜約500cpsの粘度(ブルックフィールドRVT粘度計、#4または#5のRVスピンドル、10rpm)を有することができる。
【0018】
幾つかの実施形態において、本発明の経口食用組成物(orally edible composition)が頬腔に投与されると、芯がより低い粘性の液体状態(または液体様状態)ないしゲル状態(もしくはゲル様状態)になり、そうなることによって、芯充填成分が口腔全体に渡って分散し口腔を覆うことが可能となるように、該芯は口腔の熱によって温められる。1つの実施形態において、芯材料は、口腔にさらされるとき、液体になる。幾つかの実施形態において、糖菓製品に対する芯材料の量は典型的には、該糖菓製品の総重量に基づき約75重量%以下、任意的に約10〜約40重量%、任意的に約20〜約60重量%の範囲である。
【0019】
芯充填成分および食用殻は、口腔全体に渡って唾液分泌促進剤もしくは代用唾液の運搬および/または分散を行うのに適したキャリア材料の生成に適合する材料であれば、いかなる材料をも含有することができる。殻、および/または、芯成分の一部として使用することのできる有用な材料には、とりわけ、以下に記述されるような甘味料、レシチン等の乳化剤、ケイ酸マグネシウムアルミニウム等の味覚マスキング剤、および、中鎖脂肪酸トリグリセリド(medium chain triglycerides)等の油脂[例えば、ステパン社(Stepan)によって販売されているネオビー(Neobee)1053]が包含される。メントール(menthol)、ユーカリプトール(eucalyptol)、フィルメニッヒ社(Firmenich)によって販売されているイチゴ香味料等の香味料も包含される。これらの材料の更なる詳細および諸例は、レオン(Leung)等に付与された米国特許第6,596,298号の明細書に記述されている。この米国特許明細書は、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。
【0020】
幾つかの実施形態において、芯充填成分は、食用殻の他に、少なくとも1種の唾液分泌促進剤を含有する。前述された唾液分泌促進剤は、本発明の芯充填成分としても有用である。唾液分泌促進剤は、芯充填成分中に存在する場合、該芯充填成分の約0〜約10重量%、任意的に約0.1〜約5重量%、任意的に約1〜約3重量%の濃度で存在することができる。
【0021】
幾つかの実施形態において、芯充填成分中に存在する唾液分泌促進剤は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、およびそれらの混合物である。加えて、発行日2001年3月13日のモーガン(Morgan)に付与された米国特許第6,200,551号の明細書に記述されているピロカルピン(pilocarpine)等の抗コリン剤、および、エクストレム(Ekstrom)等に付与された米国特許第5,962,503号の明細書に記述されているコリンエステラーゼ阻害薬は、芯中に使用することができる。記載されたそれら米国特許明細書のいずれも、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。
【0022】
幾つかの実施形態において、芯充填成分は、代用唾液または代用薬剤を含有する。本発明の芯充填成分に使用するのに適した代用唾液は、亜麻仁多糖ベース化合物、オート麦またはオート麦由来物質、カルボキシメチルセルロースと無機塩類との混合物、キチンまたはキトサン、合成ポリアルキレンオキシド溶液、または、それらの混合物、を包含するが、それらに限定されない。
【0023】
「亜麻仁多糖ベース化合物(linseed polysaccharide base compounds)」は、アトストローム(Attstrom)等に付与された米国特許第5,260,282号の明細書に開示されているような化合物を意味する。この米国特許明細書は、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。これらの化合物は、英国、シンクレア・ファルマシューティカルズ社(Sinclair Pharmaceuticals Ltd)の商品名「サリナム(Salinum)」で入手することができる。「オート麦またはオート麦由来物質(oat or oat derived materials)」は、公開日2001年11月29日のバーネット(Burnett)等に付与された米国特許出願第2001047157号、公開日2001年8月2日のバー(Barr)等に付与された米国特許出願第20010011083号、公開日2004年5月6日のバー(Barr)プロサイス(Prosise)等に付与された米国特許出願第20040086547号、発行日2001年1月2日のクライン(Klein)等に付与された米国特許第6,168,799号、発行日2004年6月22日のメイン(Mayne)に付与された米国特許第6,753,020号、発行日2004年5月18日のフレイク(Flaig)等に付与された米国特許第6,736,266号、発行日1995年3月21日のポッター(Potter)に付与された米国特許第5,399,350号、発行日2000年9月5日のポッターに付与された米国特許第6,113,964号、および、発行日2002年10月15日のワレレ(Walele)等に付与された米国特許第6,464,991号の明細書に記述されるような化合物{例えば、コロイド状オートミール(oatmeal)、オート麦抽出物、オート麦ベースのタンパク質[例えば、グルテン(gluten)]、オート麦ベースの炭水化物[例えば、キシラン(xylan)、マルトデキストリン(maltodextrin)(例えば、オートリム−5(Oatrim-5))、グルカン(glucan)]、オート麦ベースの界面活性剤、または、それらの混合物}を意味する。それらの米国特許明細書および米国特許出願明細書は全て、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。
【0024】
カルボキシメチルセルロースと無機塩との混合物[例えば、商品名「キセロ・ルーベ(XERO-LUBE)(登録商標)」、「オレックス(OREX)(登録商標)」、「サル・エーセ(SAL-ESE)(登録商標)」、「サリバート(SALIVART)(登録商標)」および「モイ・スター(MOI-STIR)(登録商標)」の製品]、シバサキ(Shibasaki)等に付与された米国特許第4,879,281号の明細書に開示されているようなキチンおよび/またはキトサン、ならびに、ランキン(Rankin)に付与された米国特許第3,767,789号の明細書に開示されているような合成ポリアルキレンオキシド溶液、もまた有用である。それらの米国特許明細書はそれぞれ、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。
【0025】
幾つかの実施形態において、芯充填成分中に存在する代用唾液は、亜麻仁多糖ベース化合物、オート麦またはオート麦由来物質、および、それらの混合物から成る群から選択される。
【0026】
代用唾液は、芯充填成分中に、該芯充填成分の約1〜約95重量%、任意的に約2〜約50重量%、任意的に約5〜約25重量%の濃度で存在することができる。
【0027】
本発明の芯充填成分は、固体(とりわけ、粉末)または液体である場合があり、ペーストもしくはゲルのような中粘稠度(intermediate consistency)の形態を含む。芯充填成分が水性充填成分である場合、水分は、該芯充填成分中に、該芯充填成分の約5〜約95重量%、任意的に約8〜約20重量%、任意的に約10〜約15重量%の濃度で存在することができる。
【0028】
幾つかの実施形態において、芯材料が、溶解する前、糖菓製品の殻の中および糖菓製品の外側に幾らか漏出するとしても、ほとんど漏出しないような具合に、芯は該殻によって取り囲まれている。必要という訳ではないが、限定的な形状で提供され、殻を通して目に見えることが望ましい。糖菓製品の殻を通して目に見えることによって、結果として得られる製品は、活性剤を含有する芯の可視表示(visible display)を有する。
【0029】
芯は、任意の形状で提供することができる。球形、立方体、縞(stripes)等のような型通りの形状が包含され、また、複数個の球形、立方体、縞、等の形状だけでなく、あまり型通りではない(less conventional)形状または偏心形状[例えば、マンガのキャラクター、多角形、記号(例えば、アルファベット文字)、等]が包含される。芯を様々な形状で作り出すことができることによって、(例えば、芯が、マンガのキャラクターの形状であるときのように)子供が関連する場合、本発明を使用することが容易となる。更に、芯の形状は、特定の活性剤を確認するのに有用であろう(例えば、方型は、特定の抗生物質が存在することを示すことができる)。
【0030】
<任意的要素>
本発明の組成物は任意的に、食用殻の中に、または、芯充填成分として(または、食用殻の中に、かつ、芯充填成分として)、薬剤活性成分等の追加要素(additional ingredients)を含有することができる。本発明で任意的要素として有用な薬剤活性成分は、既に組み入れられた参考文献の米国特許第6,596,298号明細書に記述されている。
【0031】
本発明の経口摂取可能な組成物の中に、製造の目的または風味付けの目的のために必要とされる甘味料を組み入れることができる。例えば、糖(sugar)、イソマルト(isomalt)、グルコース、フルトース(frutose)および/または糖アルコール(例えば、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グリセリンもしくはそれらの混合物)は、本発明において有用である。追加的にまたは代替的に、アセサルフェーム(acesulfame)K、スクラロース(sucralose)、アスパルテーム(aspartame)、サッカリン、タガトース(tagatose)またはそれらの混合物のような、いわゆる人工甘味料もまた、本発明の糖菓製品において有用である。甘味料に関する更に詳細な解説は、既に組み入れられた、レオン(Leung)等に付与された米国特許第6,596,298号明細書に見出だすことができる。
【0032】
加えて、本発明の経口摂取可能な組成物は、香味剤を任意的に含有することができる。本出願書類で用いられる用語「香味剤(flavoring agent)」は、それらの天然香料のエキスおよび同等の合成原料であって、糖菓製品に風味を提供するという主目的のために、香料組成物に添加されるものを意味する。本発明の香料組成物には、糖菓の技術分野で周知の香味剤を添加することができる。これらの香味剤は、合成香料液、および/または、植物の葉、花、果実、等に由来する油、ならびに、それらの組合せから選ぶことができる。典型的な香料液には、人工、天然または合成の果物香料(例えば、レモン油、オレンジ油、バナナ油、ブドウ油、ライム油、アンズ油およびグレープフルーツ油)、ならびに、リンゴ、イチゴ、サクランボ、オレンジ、バイナップル、等を包含する果物エキス、豆およびナッツ由来の香料(例えば、コーヒー、ココア、コーラ、ピーナッツ、アーモンド、等)、ならびに、根由来香料(例えば、甘草)が包含される。茶抽出物(例えば、発行日2004年4月27日のパク(Pak)に付与された米国特許第6,726,939号の明細書に記述される、緑茶、ウーロン茶、紅茶からの抽出物)もまた、香料として有用である。この米国特許明細書は、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。使用される香味剤の量は通常、好みの問題であり、香料の種類、ベースの種類、および、所望の強度のような因子に左右される。通常、全組成物の約4重量%以下の量を使用することができ、任意的に約0.1〜約1重量%の量を使用することができる。
【0033】
本組成物においては、任意的にビタミン類もまた有用である。本発明の組成物に組み入れるのに適したビタミン類の例には、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、葉酸、チアミン(thiamin)、リボフラビン(riboflavin)、ビタミンB(6)、ビタミンB(12)、ナイアシン(niacin)、ビオチン(biotin)、パントテン酸(pantothenic acid)またはパントテン酸誘導体[例えば、薬剤形態もしくは栄養学的に受け入れ可能な形態のパンテノール(panthenol)]が包含される。本発明の組成物に組み入れるのに適した無機成分および微量元素には、薬剤形態もしくは栄養学的に受け入れ可能な形態の、カルシウム、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、鉄、セレン、クロムおよびモリブデンが包含される。そのような無機成分は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二カリウムおよびそれらの混合物として供給することができる。ビタミンの有用な量は、約0.05mg〜約3000mgであり、該ビタミンによって決まる。
【0034】
本発明の組成物は任意的に、1種以上の抗菌剤を更に含有することができる。適切な抗菌剤は、エッセンシャルオイル(essential oils)を包含するが、それらに限定されない。エッセンシャルオイルは、合成することのできる揮発性芳香族油であるか、または、蒸留、圧搾もしくは抽出によって植物から得ることのできる揮発性芳香族油であって、通常、それらが得られる該植物の香気もしくは風味を有する該芳香族油である。有用なエッセンシャルオイルは、防腐作用を提供することができる。これらのエッセンシャルオイルの幾種類かは、香味剤としても作用する。有用なエッセンシャルオイルは、チモール(thymol)、メントール(menthol)、サリチル酸メチル(ウインターグリーン油(wintergreen oil))、ユーカリプトール(eucalyptol)、カルバクロール(carvacrol)、樟脳(camphor)、アネトール(anethole)、カルボン(carvone)、オイゲノール(eugenol)、イソオイゲノール(isoeugenol)、リモネン(limonene)、オシメン(osimen)、n−デシルアルコール、シトロネル(citronel)、a−サルピネオール(a-salpineol)、酢酸メチル、酢酸シトロネリル(citronellyl acetate)、メメチルオイゲノール(methyl eugenol)、シネオール(cineol)、リナロール(linalool)、エチルリナロール(ethyl linalaol)、サフローラバニリン(safrola vanillin)、スペアミント油(spearmint oil)、ペパーミント油(peppermint oil)、レモン油、オレンジ油、セージ油(sage oil)、ローズマリー油(rosemary oil)、ケイ皮油(cinnamon oil)、ピメント油(pimento oil)、ラウレル油(laurel oil)、ニオイヒバ油(cedar leaf oil)、ゲリアノール(gerianol)、ベルベノン(verbenone)、アニス油(anise oil)、ベイ油(bay oil)、ベンズアルデヒド、ベルガモット油(bergamot oil)、苦扁桃油(bitter almond)、クロロチモール(chlorothymol)、ケイ皮アルデヒド(cinnamic aldehyde)、シトロネラ油(citronella oil)、チョウジ油(clove oil)、コールタール、ユーカリ油(eucalyptus oil)、グアヤコール(guaiacol)、トロポロン誘導体(tropolone derivative)[例えば、ヒノキチオール(hinokitiol)]、アベンダー油(avender oil)、カラシ油(mustard oil)、フェノール、サリチル酸フェニル、松根油(pine oil)、松葉油(pine needle oil)、サッサフラス油(sassafras oil)、スパイクラベンダー油(spike lavender oil)、蘇合香(storax)、タイム油(thyme oil)、トルーバルサム(tolu balsam)、テレビン油(terpentine oil)、チョウジ油(clove oil)およびそれらの組合せを包含するが、それらに限定されない。1つの実施形態において、エッセンシャルオイルは、チモール、サリチル酸メチル、ユーカリプトール、メントールおよびそれらの組合せから選ばれる。
【0035】
本発明に組み入れることのできる他の物質には、粘度調節剤、味覚マスキング剤、鎮痛薬(demulcents)(即ち、咽喉コーティング剤(throat coating agents))、等だけでなく、それらの混合物も包含される。
【0036】
粘度調節剤の適切な例には、中鎖脂肪酸トリグリセリド、グリセリン、乳化剤(例えば、レシチン、ポリソルベート80、モノグリセリド、ジグリセリド、等)、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、トリアセチン(triacetin)、カルボキシイミド、および、参照によって既に組み入れられた米国特許第6,596,298号明細書に記述されるような、それらの混合物が包含される。
【0037】
本発明で有用な味覚マスキング剤には、油脂(例えば、一部水素化された綿実油、水素化された綿実油)、アロエベラ抽出物、グリチルリチン塩(glycyrrhizin salts)(例えば、グリチルリチン二カリウム)、および、それらの混合物が包含される。
【0038】
本発明で有用な鎮痛薬には、ペクチン(pectin)、グリセリン、ゼラチンおよびゴム[例えば、カラゲナンガム(carrageenan)、ローカストビーンガム(locust bean)、グアールガム(guar)、キサンタンガム(xanthan)、ジェランガム(gellan)、等]、および、それらの混合物が包含される。
【0039】
<中心部充填組成物の調製>
本発明の経口摂取可能な組成物は、芯の中の芯充填成分が殻によって取り囲まれるような方法で、調製することができる。本発明の1つの実施形態において、殻は透明または半透明であり、該殻を通して芯および/もしくは芯充填成分を視覚的に見ることができ、該芯の中に該芯充填成分が存在していることが使用者に「分かる」。視覚的に見ることができる芯および/もしくは芯充填成分はまた、(前述のような)該芯充填成分中に存在する特定の活性剤に適合した指定形状に形成することができる。本発明のもう1つの実施形態において、殻は本質的に清澄であり(即ち、透明または半透明であり、無色であり)、該殻と着色された芯充填成分との間に最大のコントラスト(contrast)が提供される。芯または芯充填成分は、いかなる色であってもよく、食品等級に適した着色剤の選定に依存する。典型的な着色剤の例には、FD&Cレッド40、FD&Cブルー2、カーミン(Carmine)、FD&C黄色5、βカロチン、等が包含される。
【0040】
殻を通して芯を見ることのできる該殻は、例えば、次のようにして調製することができる。例えば、マイクロフィルムクッキング技術(microfilm cooking techniques)によって、イソマルト(isomalt)のスラリーを迅速に加熱する。(例えば、約5分間の)迅速なクッキングによって、イソマルトの褐変(browning)を最小限に抑え、このようにして、非常に清澄な殻を作り出す。所望により、少量の着色剤または唾液分泌促進剤を添加することができる。
【0041】
本発明の糖菓製品は、薬用キャンデー、または、なめられる硬質キャンディーの形態である場合もあるが、本発明による芯充填成分材料および食用殻材料で作ることのできる棒付きキャンデー(lollypops)ならびに他のあらゆる成形製品または形成製品をも包含することができる。
【0042】
本発明の糖菓製品は、二重堆積(double depositing)、手動プレス(hand-pressing)、回転成形(rotary forming)および押出し加工を包含する様々な製造技術を用いて調製することができる。そのような技術は、当該技術分野では周知であり、例えば、1995年、E.B.ジャクソン(Jackson)編集:「砂糖菓子の製造(Sugar Confectionery Manufacture),第二版」に開示されている。この文献は、参照によって、その内容全体が本明細書に組み入れられる。本発明の1つの実施形態において、糖菓製品は、殻原料と芯原料とを容器中で別々に混合する工程、および、該芯原料の割込み可能な流れ(interruptible flow)と該芯を取り囲む該殻原料の連続流とに対応できるマニホールド(manifold:多岐管)まで各々の材料の流れを送出する工程によって作られる。結果として得られる生成物は、該糖菓製品の所望の重量と寸法とに対応する別々の単位体(units)で押し出され、次いで、該糖菓製品が周囲温度まで冷却されるまで、該糖菓製品を保管するための個々の分室(compartments)を有するトレイの中に置かれる。
【0043】
本発明の1つの実施形態において、芯充填成分の原料を脱気する。脱気技術によって、芯材料から空気を除去し、このようにして、該芯材料中の化学反応を少なくとも最小限に抑える。芯は、密閉式混合容器の中で調製し、次いで、真空下で処理することができる。代替的に、複数種の芯充填成分の原料は、組み合わせて一緒に混合し、次いで、その混合物に真空をかけて、その中に含まれるあらゆるガスを除去する。
【0044】
1つの実施形態において、糖菓製品を形成する方法は、芯または芯充填成分が殻の中に直接注入される場合に用いられる。そのようなバルブ装置(valve system)の1つは、マニホールド装置(manifold system)であり、該マニホールド装置は、ボール(ball)/ストール(stall)またはボール/スプリング(spring)のバルブ組立て体を用いることができる。このことによって、確実に、芯が殻によって完全に取り囲まれ、該芯が最終生成物(例えば、薬用キャンデー)の内部に堆積するのが可能となる。
【0045】
前記方法は典型的には、前記殻を約1℃〜約200℃の温度に維持し、かつ、前記芯材料を約1℃〜約200℃の温度に維持するのに十分であることが分かっている一連の加熱器/冷却器で温度制御され、しかも、その温度は、該殻材料内部の中心に配置された前記芯材料を維持するのに十分な温度であり、かつ、該殻材料および該芯材料を前記糖菓製品の別々の単位体として押し出すことを可能にするのに十分な温度である。
【0046】
〔実施例〕
下記の諸実施例に例示される、中心部充填薬用キャンデー組成物は、本発明の中心部充填薬用キャンデー組成物の特定の実施形態を例示するものの、本発明を限定するようには意図されていない。当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の部分的変更を試みることができる。
【0047】
<調製方法>
<殻の調製>
イソマルト(Isomalt)および水を、適切な容器に入れて混合し、約165℃に加熱しながらキャンディーベースを形成する。次いで、適切な唾液分泌促進剤(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、等)を該容器に添加する。次いで、該キャンディーベースを約145℃に冷却する。次いで、適切な甘味料[例えば、アセスファム(acesufame)K、アスパルテーム(aspartame)、ネオテーム(neotame)等またはそれらの混合物のような高強度甘味料]を、任意的ないずれかの活性剤および香味料ならびに他のいずれかの適切な原料と一緒に添加することができる。
【0048】
<中心部の調製>
マルチトールシロップ(maltitol syrup)[ロケット・アメリカ社(Roquette America)からのリカシン(Lycasin)]と、代用唾液または代替の薬剤と、所望により、着色剤とを適切な容器の中で加熱しながら混合してキャンディーベースを形成することによって、芯材料を調製することができる。該キャンディーベースは、次いで、βカロチン、適切な粘度調節剤(例えば、グリセリン)、甘味料(例えば、高強度甘味料)、活性剤、香味料、および、他のあらゆる適切な原料を添加することができるように、約70℃以下に冷却する。
【0049】
前記の各々の殻材料および芯材料は、次いで、分離ホッパー(separate hoppers)に入れ、次いで、それらの材料は、前述のように混合する。
【0050】
<実施例I>
中心部に亜麻仁抽出物を含有する口腔乾燥用中心部充填薬用キャンデー
亜麻仁抽出物を含有する芯を有する口腔乾燥用中心部充填薬用キャンデーは、上記の調製方法に従って調製され、下に記載される配合を有した。
【0051】
【表1】

【0052】
<実施例II>
中心部にオートミール抽出物を含有する口腔乾燥用中心部充填薬用キャンデー
オートミール抽出物を含有する芯を有する口腔乾燥用中心部充填薬用キャンデーは、上記の調製方法に従って調製され、下に記載される配合を有した。
【0053】
【表2】

【0054】
<実施例III>
中心部にカルボキシメチルセルロースを含有する口腔乾燥用中心部充填薬用キャンデー
カルボキシメチルセルロースを含有する芯を有する口腔乾燥用中心部充填薬用キャンデーは、上記の調製方法に従って調製され、下に記載される配合を有した。
【0055】
【表3】

【0056】
<実施例IV>
中心部に亜麻仁抽出物を含有する口腔乾燥用中心部充填薬用キャンデー
亜麻仁抽出物を含有する芯を有する口腔乾燥用中心部充填薬用キャンデーは、上記の調製方法に従って調製され、下に記載される配合を有した。
【0057】
【表4】

【0058】
〔実施の態様〕
(1)口腔乾燥の諸症状を防止、軽減または緩和する少なくとも1種の活性成分を運搬するための糖菓製品において、
a)唾液分泌促進剤を含有する水溶性または浸食性の殻と、
b)芯成分であって、
i)代用唾液、および、
ii)任意的に、唾液分泌促進剤、
を含有する、芯成分と、
を含む、糖菓製品。
(2)実施態様1に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、亜麻仁多糖(linseed polysaccharide)ベース化合物、タマリンド種子多糖(tamarind seed polysaccharide)ベース化合物、オート麦またはオート麦由来物質、カルボキシメチルセルロースと無機塩類との混合物、キチンまたはキトサン、合成ポリアルキレンオキシド溶液、および、それらの混合物から成る群から選択される、糖菓製品。
(3)実施態様2に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、亜麻仁多糖ベース化合物、タマリンド種子多糖ベース化合物、オート麦またはオート麦由来物質、および、それらの混合物から成る群から選択される、糖菓製品。
(4)実施態様1に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、酸である、糖菓製品。
(5)実施態様4に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、フルーツ酸である、糖菓製品。
(6)実施態様5に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、リン酸、アジピン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、酢酸、桂皮酸およびそれらの混合物から成る群から選択されるフルーツ酸である、糖菓製品。
(7)実施態様6に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸およびそれらの混合物から成る群から選択されるフルーツ酸である、糖菓製品。
(8)実施態様3に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、亜麻仁多糖ベース化合物である、糖菓製品。
(9)実施態様3に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、酸である、糖菓製品。
(10)実施態様1に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、フルーツ酸である、糖菓製品。
【0059】
(11)実施態様3に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、タマリンド種子多糖ベース化合物である、糖菓製品。
(12)実施態様11に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、酸である、糖菓製品。
(13)実施態様12に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、フルーツ酸である、糖菓製品。
(14)実施態様3に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、オート麦またはオート麦由来物質である、糖菓製品。
(15)実施態様14に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、酸である、糖菓製品。
(16)実施態様15に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、フルーツ酸である、糖菓製品。
(17)実施態様1に記載の糖菓製品において、
抗コリン剤、コリンエステラーゼ阻害薬、およびそれらの混合物、
を更に含んでいる、糖菓製品。
(18)実施態様8に記載の糖菓製品において、
抗コリン剤、コリンエステラーゼ阻害薬、およびそれらの混合物、
を更に含んでいる、糖菓製品。
(19)実施態様11に記載の糖菓製品において、
抗コリン剤、コリンエステラーゼ阻害薬、およびそれらの混合物、
を更に含んでいる、糖菓製品。
(20)実施態様14に記載の糖菓製品において、
抗コリン剤、コリンエステラーゼ阻害薬、およびそれらの混合物、
を更に含んでいる、糖菓製品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔乾燥の諸症状を防止、軽減または緩和する少なくとも1種の活性成分を運搬するための糖菓製品において、
a)唾液分泌促進剤を含有する水溶性または浸食性の殻と、
b)芯成分であって、
i)代用唾液、および、
ii)任意的に、唾液分泌促進剤、
を含有する、芯成分と、
を含む、糖菓製品。
【請求項2】
請求項1に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、亜麻仁多糖ベース化合物、タマリンド種子多糖ベース化合物、オート麦またはオート麦由来物質、カルボキシメチルセルロースと無機塩類との混合物、キチンまたはキトサン、合成ポリアルキレンオキシド溶液、および、それらの混合物から成る群から選択される、糖菓製品。
【請求項3】
請求項2に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、亜麻仁多糖ベース化合物、タマリンド種子多糖ベース化合物、オート麦またはオート麦由来物質、および、それらの混合物から成る群から選択される、糖菓製品。
【請求項4】
請求項1に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、酸である、糖菓製品。
【請求項5】
請求項4に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、フルーツ酸である、糖菓製品。
【請求項6】
請求項5に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、リン酸、アジピン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、酢酸、桂皮酸、およびそれらの混合物から成る群から選択されるフルーツ酸である、糖菓製品。
【請求項7】
請求項6に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、およびそれらの混合物から成る群から選択されるフルーツ酸である、糖菓製品。
【請求項8】
請求項3に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、亜麻仁多糖ベース化合物である、糖菓製品。
【請求項9】
請求項3に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、酸である、糖菓製品。
【請求項10】
請求項1に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、フルーツ酸である、糖菓製品。
【請求項11】
請求項3に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、タマリンド種子多糖ベース化合物である、糖菓製品。
【請求項12】
請求項11に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、酸である、糖菓製品。
【請求項13】
請求項12に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、フルーツ酸である、糖菓製品。
【請求項14】
請求項3に記載の糖菓製品において、
前記代用唾液は、オート麦またはオート麦由来物質である、糖菓製品。
【請求項15】
請求項14に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、酸である、糖菓製品。
【請求項16】
請求項15に記載の糖菓製品において、
前記唾液分泌促進剤は、フルーツ酸である、糖菓製品。
【請求項17】
請求項1に記載の糖菓製品において、
抗コリン剤、コリンエステラーゼ阻害薬、およびそれらの混合物、
を更に含んでいる、糖菓製品。
【請求項18】
請求項8に記載の糖菓製品において、
抗コリン剤、コリンエステラーゼ阻害薬、およびそれらの混合物、
を更に含んでいる、糖菓製品。
【請求項19】
請求項11に記載の糖菓製品において、
抗コリン剤、コリンエステラーゼ阻害薬、およびそれらの混合物、
を更に含んでいる、糖菓製品。
【請求項20】
請求項14に記載の糖菓製品において、
抗コリン剤、コリンエステラーゼ阻害薬、およびそれらの混合物、
を更に含んでいる、糖菓製品。

【公表番号】特表2008−540632(P2008−540632A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511815(P2008−511815)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【国際出願番号】PCT/IB2006/001324
【国際公開番号】WO2006/123238
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】