説明

可動家具部品のためのダンピング装置

可動家具部品のためのダンピング装置は、可動家具部品に対して結合できるキャッチ(5)と、キャッチ(5)の移動を少なくとも一方向で制動するためのダンパ(21)とを備えており、ダンパ(21)が渦電流ブレーキとして構成されている。これにより、温度の影響とはほぼ無関係に制動効果が引き起こされる。また、渦電流ブレーキはコンパクトな構造を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動家具部品のためのダンピング装置であって、可動家具部品に対して結合可能なドライバと、ダンパとを有し、ダンパによってドライバの移動が少なくとも一方向で制動されるダンピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第1 120 066号は、可動家具部品のための閉塞及び/又は引き戻し装置を開示しており、この場合、スプリングによって予圧されるキャリッジが可動家具部品の閉動作を助け、その動きが流体ダンパによって制動される。このようにすれば、ギシギシという雑音を殆ど伴うことなく、閉塞・引き戻し装置の長い耐用年数をもって、閉動作プロセスを実行することができる。上記タイプの流体ダンパの場合には、通常、ダンピング液体中に浸漬されるロータリーピストンが使用される。フラップピストンとしての実施形態も可能である。そのような流体ダンパの欠点は、これらが温度に依存しており、そのため、特定の温度に関してのみ設計を行うことができ、逸脱した温度ではダンピング作用が軽すぎる或いは重すぎるという点である。また、流体ダンパの頻繁な継続的使用の場合には、ダンピング液体が温まる可能性があり、その結果、動作特性が不都合に変化する。また、高速動作の場合には、液体膜が分離するという問題もあり得る。
【0003】
また、独国特許第203 08 218号は、閉塞プロセスのための引き戻し支援が与えられる可動家具部品のための閉塞・ダンピング装置を開示している。閉塞プロセス中の動きを制動するため、流体を用いて作用される歯付きディスク及びブレーキディスクを有するロータリーダンパが設けられている。この要素においても、ブレーキ作用は流体に基づいており、その結果、前述した不都合が起こる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、可動家具部品のためのダンピング装置であって、簡単な構造を成し且つ温度とはほぼ無関係に可動家具部品のための対応するダンピング作用を与えるダンピング装置を創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、請求項1の特徴を有するダンピング装置によって達成される。
【0006】
本発明によれば、ダンパが渦電流ブレーキとして具現化され、それにより、ブレーキ作用が温度の影響とほぼ無関係になる。また、渦電流ブレーキは、コンパクトな構造を成すことができ、それにより、小さな取り付けサイズをもって対応する家具部品上に組み立てることができる。このようにすることにより、家具部品の移動の対応するダンピングを得ることができる。
【0007】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、ダンパとドライバとの間に歯車装置が設けられる。渦電流ブレーキは、通常、比較的高い回転速度を要し、そのため、歯車装置の対応する伝達比率により、ドライバ及び家具部品の比較的ゆっくりとした移動の場合に渦電流ブレーキで高回転速度が得られる。ここでは、渦電流ブレーキは、歯車装置に結合される歯車によって駆動される回転可能なディスクを有することができる。
【0008】
本発明の更なる実施形態によれば、歯車装置にはフリーホイールが設けられ、ドライバの移動が一方向でのみ制動される。開放方向では制動が与えられず、それにより、開放動作が容易になる。また、同様に僅かな開放位置でも制動が与えられないようにすることもできる。その結果、家具部品のほんの僅かな開放位置での制動を避けることができる。これは、上記制動が厄介であると考え得るからである。僅かな開放を伴う領域では、例えば、スプリング要素によって家具部品を閉位置へと移動させることができる。その場合、僅かな移動のために制動は必要とされない。
【0009】
フリーホイールは、隣接する歯車と噛合する位置から隣接する歯車との噛合が外れる位置へと移動できる可動歯車を有することができる。ここでは、フリーホイールの歯車は、スプリングによって移動して隣接する歯車と噛み合うことができ、スプリングはドライバによって作動できる。
【0010】
本発明の更なる実施形態によれば、ドライバが歯付きラックに対して結合され、この歯付きラックによりフリーホイールの歯車が駆動される。これにより、直線的な動きを簡単な方法で回転動作へと変換することができる。
【0011】
ドライバは、家具部品が閉じられる初期位置から、家具部品が部分的に開かれる終端位置へと移動できることが好ましく、その場合、ドライバは終端位置で掛合可能である。ここでは、ドライバを家具部品の経路の一部にわたってのみ移動させることができ、それにより、家具部品は、終端位置以降で自由に移動できる。
【0012】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、ドライバが少なくとも1つのスプリングによって初期位置へと予圧され、それにより、家具部品の閉動作がスプリング及びダンパによって案内される。コンパクトな構造のため、スプリングは、初期位置から離れているドライバに結合されるアダプタの端部に固定される。ここでは、ハウジングの設置スペースをスプリングの全長のために最適に利用することができる。
【0013】
ダンピング装置は、ガイドレールに沿って移動できるドライバにより作動することができ、その場合、可動食器棚ユニットや引き出し要素又は食器棚扉などの他の可動部品を家具部品として使用することができる。
【0014】
また、本発明は、異なる極性の永久磁石のためのディスク状レセプタクルと、導電性の非磁性金属から成る回転可能なディスクと、磁気導電性金属から成る2つのハウジングシェルとを有する渦電流ブレーキであって、レセプタクルに対して複数の永久磁石を固定することができ、永久磁石の数及び永久磁石の磁場によって渦電流ブレーキの制動力を設定できる渦電流ブレーキを提供する。これは、家具の分野で渦電流ブレーキを使用する場合には、異なる重量の家具部品を制動しなければならないことから、制動力の適合が必要になり、そのため、永久磁石の数によって渦電流のブレーキの制動力を簡単に設定することができるからである。また、渦電流ブレーキは、簡単でコンパクトな構造を成しており、ダンピング要素上に容易に取り付けることができる。
【0015】
渦電流ブレーキのレセプタクルは、プラスチックから形成されることが好ましく、永久磁石を挿入するための開口を備える。その結果、簡単な方法で、永久磁石を渦電流ブレーキ上に取り付けることができるとともに渦電流ブレーキから取り外すことができる。十分な磁場を形成できるように、異なる極性の4個、6個、又は、8個の永久磁石を設けることが好ましい。
【0016】
以下、添付図面を参照して、典型的な実施形態に基づいて本発明を更に詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ダンピング装置1は、可動部品が内部に配置されるハウジング9を備える。ハウジング9はガイドレール2上に取り付けられており、ガイドレール2上では、食器棚ユニットや引き出しなどの可動家具部品に結合されるローラ3が案内される。ローラ3は結合要素(図示せず)によってジャーナル4に対して接続されており、それにより、ローラ3及びジャーナル4が家具部品によって一緒に移動される。ジャーナル4はドライバ5内に保持されており、ドライバ5は初期位置でストッパ6に対して当接する。ドライバ5はスロット形状のスロットガイド7に沿って移動することができ、スロットガイド7の端部8は湾曲形状を成している。
【0018】
図2A及び図2Bは、ドライバ5がストッパ6に当接する初期位置を示している。ドライバ5にはアダプタ10が接続されている。この場合、アダプタ10は、ハウジング9における湾曲端部80を有するスロットガイド12内のピン11を用いて案内され、スロットガイド12はスロットガイド7に対して垂直に配置されている。また、アダプタ10は、フリーホイールの歯車14と噛み合う歯付きラック13に対して結合されている。歯車14にはベアリングジャーナル15が設けられており、ベアリングジャーナル15は、段付きの肩部を備えるとともに、スプリング16の脚部17と当接している。スプリング16の脚部17によってベアリングジャーナル15を歯車18の相対的に小さい歯付きリングに対して押圧することができ、この目的のため、歯車14の軸が移動可能な方法で取り付けられている。歯車18は、順にその相対的に大きな歯付きリングが歯車19の相対的に小さな歯付きリングと噛み合っている。歯車19の相対的に大きな歯付きリングは、渦電流ブレーキ21を駆動させる歯車20を駆動させる。歯車18、19、20は一種の歯車装置を形成しており、それにより、歯付きラック13の動きが渦電流ブレーキ21に対して伝えられる。
【0019】
図3は、家具部品及びダンピング装置の動きの始まりを示している。動きの結果として、ローラ3がジャーナル4と共にストッパ6から離れるように移動し、アダプタ10がスロットガイド12内で案内される。アダプタ10の動きの結果として、歯付きラック13も、端部側の第1の端部23がハウジング9に対して固定されているスプリング22の力に抗して移動する。スプリング22の反対側の端部では、端面24が締結具25に対して結合されている。この場合、締結具25は、端部23から離れて面する歯付きラック13の端部に位置されている。スプリング22には、アダプタ10及び歯付きラック13の動きによってテンションが掛けられており、その一部が図面に概略的にのみ示されている。ここでは、歯付きラック13は、スプリング16の脚部17に抗して、図3の右の方向へ歯車14を押圧する。この場合、歯車14は、当該歯車14の移動可能な案内により、隣接する歯車18との噛合が外れて移動される。このようにして、渦電流ブレーキ21が非噛合状態に保たれるとともに、ダンピングを伴うことなく家具部品の移動を行うことができる。
【0020】
図4A及び図4Bは、終端位置の直前におけるダンピング装置の位置を示している。アダプタ10はピン11を用いてスロットガイド12の湾曲端部80に到達しており、それにより、更なる移動の場合には、アダプタ10が回動される。同様に、ドライバ5は、スロットガイド7の終端より前の短かい距離の地点に到達しており、それにより、更なる移動の場合には、ジャーナル4を解放するようにドライバ5が回動される。
【0021】
図5A及び図5Bはジャーナル4の解放の動きを示しており、これにより、ダンピング装置と家具部品との結合が取り除かれる。ジャーナル4がドライバ5上のレセプタクル27から外れて移動し、その場合、ドライバ5がスロットガイド7によって回動される。また、アダプタ10もスロットガイド12によって回動され、その場合、アダプタ10は、終端位置としてのスロットガイドの湾曲端部80に掛合される。この終端位置で、歯付きラッチ13上に形成される突出部26がスプリング16に対して押圧され、それにより、スプリング16の脚部17が歯車14上のベアリングジャーナル15の肩部に対して押し付けられる。その結果、歯車14は、隣接する歯車18の方へと移動し、歯車18上に形成される歯と噛み合う状態となる。このとき、フリーホイールの歯車14が歯車装置18、19によって渦電流ブレーキ21に対して結合される。概略的にのみ示されるスプリング22は、終端位置に位置されており、歯付きラック13を元の初期位置へと押圧する。
【0022】
図6A及び図6Bは、家具部品がダンピング装置から離間して自由に移動できる位置を示している。ジャーナル4はもはやドライバ5上に保持されていない。上記位置では、アダプタ10が終端位置に掛合され、また、ダンピング装置は、作動されるために家具部品の閉動作を待っている。
【0023】
図7A及び図7Bは閉動作の始まりを示している。ジャーナル4がドライバ5上のレセプタクル27内へ移動し、その結果、ドライバ5は、下方に回動されるとともに、ストッパ6へ向かって初期位置へとスロットガイド7内を移動できる。また、アダプタ10もドライバ5によって回動され、それにより、アダプタ10をスロットガイド12内で同様に初期位置へと移動させることができる。
【0024】
アダプタ10及びドライバ5の動きは、歯付きラック13を同様に初期位置へと移動させるスプリング22によって助けられる。フリーホイールの歯車14は、歯付きラック13により、隣接する歯車18に対して押圧され、それにより、スプリング16はもはや歯車14を噛合状態に維持する必要がなくなる。これは、スプリング22及び歯付きラック13が既に対応する機械的結合作用を与えているからである。
【0025】
更なる歯車18、19、20は歯車14の動きによって駆動され、その場合、歯車20は伝達比率に起因して高い回転速度をもって動かされる。このようにして、最初の回転動作が渦電流ブレーキ21に対して伝えられ、その後、渦電流ブレーキ21がそのダンピング作用を与えることができる。閉動作プロセスの後、ドライバ5は、それがストッパ6と当接する元の初期位置に位置される。
【0026】
図8はダンピング装置の分解図を示している。ドライバ5はジャーナル4のためのレセプタクル27を備えており、反対側のピン28はアダプタ10のレセプタクル29内に保持される。ここでは、ドライバ5は、ハウジングベース30上に形成されるスロットガイド7内の狭い喉部70を用いて案内される。ハウジングベース30には、ハウジング9の側壁上の対応する掛合ラグ32と係合した状態で配置できるスロット31が設けられている。また、上記ハウジングベース30をガイドレール2に螺着できるように、ハウジングベース30には複数の開口33が設けられている。この目的のため、ガイドレール2上には複数の開口35、36が設けられており、これらの開口35、36内にネジ34を螺合させることができる。ストッパ6も端部側開口36を用いてネジ34により固定される。
【0027】
また、ガイドレール2は、スロットガイド7が形成されるプレート38の形状を成す切り抜き部37も有する。したがって、プレート38を用いた形状嵌合形態でハウジングベース30を切り抜き部37内に挿入することができる。
【0028】
歯付きラック13は、スプリング22が挿入されるストリップ40上に形成される。ここでは、スプリング22はヘッド42を用いて締結具25上に係合し、それにより、ストリップ40の動きがスプリング22にテンションを掛け或いはスプリング22を緩ませる。
【0029】
図9は渦電流ブレーキ21を詳しく示している。渦電流ブレーキは、例えば軟鉄プレート、例えば鉄プレートの磁気導電性金属から形成される上側ハウジングシェル50及び下側ハウジングシェル58を備える。上側ハウジングシェル50には中央開口51が設けられており、この中央開口51を通じて歯車20の軸が案内される。
【0030】
ここでは、歯車20の軸は、導電性の非磁性金属、例えばアルミニウム、真鍮又は銅からなるディスク53に対して結合され、この場合、ディスク53には中央レセプタクル57が設けられる。このレセプタクル57は、円形断面から逸脱しており、歯車20に対して回転可能に結合固定することができる。
【0031】
また、ディスク53はリテーナ54に対して接続できる開口56を有しており、リテーナ54上には対応するジャーナル55が形成されている。
【0032】
ディスク53の下側には、円形の端縁を有するプラスチックレセプタクル60が設けられており、端縁上には間隔をおいてジャーナル61が形成されている。上記ジャーナル61は、上側ハウジングシェル50及び下側ハウジングシェル58上に形成される対応する切り抜き部52、59に係合する。このようにして、レセプタクル60は、当該レセプタクル60により間隔をおいて保持されるハウジングシェル50、58に対して回転可能に結合固定され、それにより、その内部でディスク53が回転する空隙が確保される。
【0033】
レセプタクル内にはディスク状プレート69が設けられており、ディスク状プレート69には開口62が一定の角度間隔で形成されている。開口62は中央切り抜き部63の周囲に環状に配置されており、中央切り抜き部63内にリテーナ54のベアリングを挿入することができる。ディスク状プレート69内には永久磁石64、65を挿入することができ、この場合、S極を有する永久磁石がN極を有する永久磁石65に隣接して交互に挿入され、また、同一の永久磁石64、65を単なる異なる配列で取り付けることができる。永久磁石64、65はハウジングシェル50、58を通り抜ける磁場を形成し、磁場及びそれによりディスク53に引き起こされる渦電流の結果としてのディスク53の高速回転によりブレーキ作用が与えられる。
【0034】
渦電流ブレーキ21の簡単な製造のため、歯車20上に直接にディスク53を成型することもできる。
【0035】
渦電流ブレーキ21において、制動力は、永久磁石64、65の数によって設定することができる。大型の家具部品においては、小型の家具部品における場合よりも多くの永久磁石64、65を使用する必要がある。ユーザは、このようにしてダンピング要素を可変設定することができる。
【0036】
図示の典型的な実施形態において、ダンピング装置は、自動引き戻しのための1つ以上のスプリング22を有する。無論、そのような自動引き戻しのためのスプリングを伴うことなくダンピング要素を形成することもできる。この場合、ダンピング要素は、自動引き戻し機能を伴わない単なるブレーキとして作用する。つまり、上記自動引き戻し機能は、必要に応じて可動家具部品の何らかの他のポイントで形成することもできる。
【0037】
また、フリーホイールを省くこともできる。その場合、渦電流ブレーキ21は、開動作中及び閉動作中の両方でブレーキ作用を与える。
【0038】
また、本発明によれば、ダンピング装置は、ドライバの動作、アダプタの動作、或いは、歯付きラック及び歯車による機械的カップリングの動作のための異なる機構を有することもできる。ここでは、本発明の範囲内で使用することもできる幾つかの機械的な解決策が考えられる。
【0039】
本発明に係るダンピング装置は、垂直及び水平の両方で取り付けることができる。これは、渦電流ブレーキ21の結果として重力がブレーキ作用に影響を及ぼさないからである。したがって、ダンピング装置は、効果的にレトロフィットさせることもできる。
【0040】
図示のダンピング装置はガイドレール2を有する。無論、家具のアイテムに対して直接に作動体を固定することもでき、また、ガイドレール2及び介在部品3〜8を省くこともできる。このとき、アダプタ10は、この用途の状況内では、作動体に対して直接に結合可能なドライバとして使用される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係るダンピング装置の典型的な実施形態の斜視図を示している。
【図2】初期位置における図1のダンピング装置の2つの図を示している。
【図3】開放中のダンピング装置の図を示している。
【図4】終端位置に達する直前のダンピング装置の2つの図を示している。
【図5】終端位置を越えたときのダンピング装置の2つの図を示している。
【図6】終端位置におけるダンピング装置の2つの図を示している。
【図7】家具部品が後退する際のダンピング装置の2つの図を示している。
【図8】ダンピング装置の分解図を示している。
【図9】渦電流ブレーキの分解図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動家具部品のためのダンピング装置であって、可動家具部品に対して結合可能なドライバ(5)と、ダンパ(21)とを有し、前記ダンパによって前記ドライバ(5)の移動が少なくとも一方向で制動されるダンピング装置において、
前記ダンパ(21)が渦電流ブレーキとして具現化されることを特徴とするダンピング装置。
【請求項2】
前記ダンパ(21)と前記ドライバ(5)との間に歯車装置(14、18、19)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のダンピング装置。
【請求項3】
前記渦電流ブレーキ(21)が、前記歯車装置(14、18、19)に結合される歯車(20)により駆動される回転可能なディスク(53)を有することを特徴とする、請求項2に記載のダンピング装置。
【請求項4】
前記歯車装置(14、18、19)にはフリーホイールが設けられ、前記ドライバ(5)の移動が一方向でのみ制動されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のダンピング装置。
【請求項5】
前記フリーホイールが、隣接する歯車(18)と噛合する位置から隣接する前記歯車(18)との噛合が外れる位置へと移動できる可動歯車(14)を有することを特徴とする、請求項4に記載のダンピング装置。
【請求項6】
前記フリーホイールの歯車(14)が、スプリング(16)によって移動して隣接する歯車(18)と噛み合うことができ、前記スプリング(16)が前記ドライバ(6)によって作動できることを特徴とする、請求項4又は5に記載のダンピング装置。
【請求項7】
前記ドライバ(5)が歯付きラック(13)に対して結合され、この歯付きラック(13)により前記フリーホイールの歯車(14)が駆動されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のダンピング装置。
【請求項8】
前記ドライバ(5)が、家具部品が閉じられる初期位置から、家具部品が部分的に開かれる終端位置へと移動できることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のダンピング装置。
【請求項9】
前記ドライバ(5)が、直線的に移動できるとともに、前記終端位置で掛合可能であることを特徴とする、請求項8に記載のダンピング装置。
【請求項10】
前記ドライバ(5)が、少なくとも1つのスプリング(23)によって前記初期位置へと予圧されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のダンピング装置。
【請求項11】
前記スプリング(23)が、前記初期位置から離れている前記ドライバ(5)に結合されるアダプタの端部に固定されることを特徴とする、請求項10に記載のダンピング装置。
【請求項12】
前記家具部品が、前記初期位置と前記終端位置との間で前記ドライバ(5)に結合されるとともに、前記終端位置を越えて移動できることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のダンピング装置。
【請求項13】
前記ドライバ(15)がガイドレール(2)の切り抜き部に沿って案内され、前記家具部品が可動食器棚ユニットや引き出し要素等として具現化されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載のダンピング装置。
【請求項14】
特に請求項1〜13のいずれか一項に記載のダンピング要素のための渦電流ブレーキ(21)であって、
−異なる極性の永久磁石(64、65)のためのディスク状レセプタクル(60)と、
−導電性金属から成る回転可能なディスク(53)と、
−導電性金属から成る2つのハウジングシェル(50、58)と、
を有する渦電流ブレーキ(21)において、
前記レセプタクル(60)に対して複数の永久磁石(64、65)を固定することができ、前記永久磁石(64、65)の数及び前記永久磁石の磁場によって前記渦電流ブレーキの制動力を設定できることを特徴とする渦電流ブレーキ(21)。
【請求項15】
前記レセプタクル(16)が、前記永久磁石(64、65)を挿入するための開口(62)を有するプラスチックから形成されることを特徴とする、請求項14に記載の渦電流ブレーキ。
【請求項16】
4個、6個、又は、8個の永久磁石(64、65)を前記レセプタクル(60)上に取り付けることができることを特徴とする、請求項14又は15に記載の渦電流ブレーキ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−538953(P2008−538953A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508180(P2008−508180)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060748
【国際公開番号】WO2006/114352
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(507335056)ヘティッヒ‐ハインゼ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー (11)
【Fターム(参考)】