説明

可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いたキースイッチ

【課題】接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触が得られる小型の1キーの可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた小型の1キーのスイッチを提供する。
【解決手段】2枚のテープ40,50を上下に重ねた構造の可動接点テープ20は、下部テープ50のテープ基材51の上面自体にその全面にわたって点在した突部54を形成し、この点在した突部54の相互間で、可動接点30のドーム状内と可動接点テープ20の外部との間で空気を出入りさせる通気用の隙間55を形成し、この可動接点テープ20の下面を絶縁基板70の上面に貼着し、可動接点30を固定接点位置70a,70bに固定し、キースイッチ50を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用電話機、PDA(情報携帯端末)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯用オーディオ、携帯用ゲーム機等の小型電子機器、定置型のAV(音響・映像)機器、ゲーム機等のリモートコントローラ、等のキースイッチ部の構成パーツのひとつ(スイッチユニット)である可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いたキースイッチに関するもので、特に1キー(キー1個分)の可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた1キーのキースイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば携帯用電話機では、小型・薄型化が進むと共に、液晶等の表示画面の大型化、多機能化等により、キースイッチの取り付けスペースが減少している。
【0003】
キースイッチには小型・薄型化と共に、良好なクリック感触、さらには高い接触信頼性、耐久性が求められており、可動接点にドーム状金属板を使用し、このドーム状金属板を絶縁基板の表面に形成された固定接点上に直接搭載し、テープで固定するものが採用されている。
【0004】
ドーム状金属板は、バネ性を有し、頂部からの押圧力に対しクリック感触を伴なって変形(反転)するもので、小型スイッチの技術分野において「スナッププレート」、「クリックバネ」、「メタルドーム」、「反転バネ」等と呼ばれるものである。絶縁基板にはPCB(プリント回路板)、PWB(プリント配線板)等のプリント基板(リジット基板,又はFPC:フレキシブル基板)が使用されている。
【0005】
キースイッチは、キー複数個分一体型タイプと1キータイプのものがある。キー複数個分一体型タイプは、例えば携帯用電話機やPDA,リモートコントローラ等に見られるように、機器筐体の一表面に接近して配列(配置)されるキー(キートップ)複数個分の複数個のキースイッチを、キー配列に応じて、一体的に配列構成するものである。これに対し1キータイプは、機器筐体の同一表面でも接近して配列される複数個のキーから少し離れた箇所に配置される1個のキー、機器筐体の他の一表面(例えば側面)に配置される1個のキー、その他、キー数の少ない携帯型オーディオ等の個々のキー、キーが機器筐体の各表面に散在しているデジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の個々のキー(但し、デジタルカメラのピントシャッター用途に使用されるもの等、2段動作のものは除く。)、等のキー1個分のキースイッチを構成するものである。
【0006】
図4乃至図7に可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いたキースイッチの1つの周知例と2つの従来例を示す。
【0007】
図4は、周知例の可動接点テープの一部分(キー1個分)を示す断面図である。図4に示す可動接点テープ1は、キー複数個分一体型タイプのものであり、複数個の可動接点2と、1枚の大きい下部テープ3と、複数枚の小さい上部テープ4とで構成され、可動接点2にはドーム状金属板が使用される。
【0008】
樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材の下面全面に粘着層3aを設けた大きい下部テープ3には、可動接点2よりも少し大きい上下面貫通の孔3bが複数個、キー配列に応じて、配列形成され、各孔3bに可動接点2が1個づつ挿入、配設される。
【0009】
樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材の下面全面に粘着層4aを設けた小さい(孔3aよりやや大きめ)上部テープ4は、可動接点2の上面と下部テープ3の上面とに貼着することで、各可動接点2を個別に下部テープ3に固定し、保持するものである。
【0010】
こうして可動接点テープ1は、可動接点2を複数個、キー配列に応じて、1枚の大きい下部テープ3に複数枚の小さい上部テープ4を用いて配列固定している。
【0011】
図5は、周知例のキースイッチの一部分(キー1個分)を示す断面図である。図5に示すキースイッチ5は、キー複数個分一体型タイプのものであり、可動接点テープ1と、大きい絶縁基板6とを組み合わせて構成される。
【0012】
絶縁基板6の表面には、銅箔等からなる第1の固定接点6aと第2の固定接点6bを1組とする固定接点が複数組、キー配列に応じて、配列形成される。
【0013】
組み立ては、各可動接点2と各固定接点とを対向させた状態で、下部テープ3の下面(可動接点テープ1の下面)を絶縁基板6の上面に貼着し、個々の可動接点2を各固定接点配置に配列固定することで完了する。この時、個々の可動接点2は、その下端部周縁が第2の固定接点6bに常時接触すると共に、ドーム状の頂部が第1の固定接点6aと間隔を置いて対向する。
【0014】
こうしてキースイッチ5は、1個の可動接点2と1組の第1,第2の固定接点6a,6bからなるキースイッチを複数個、キー配列に応じて、配列構成している。
【0015】
個々のキースイッチ動作は、操作者がキー7を介して上部テープ4の上から可動接点2を押圧すると、可動接点2の上部が凹状に反転し、クリック感触を伴なって第1の固定接点6aに接触し、第1の固定接点6aと第2の固定接点6bが可動接点2を介して導通する。そして、押圧力を解除すると、可動接点2の上部が元のドーム状に弾性復帰し、第1の固定接点6aから離れ、第1の固定接点6aと第2の固定接点6bとの導通を断つ。
【0016】
ここで、可動接点2を収納した孔3aを上部テープ3と絶縁基板6とで密閉すると、ドーム状内の空気が反転抵抗になることから、折角、可動接点2にドーム状金属板を使用し、ショートスロークで歯切れが良く明瞭なクリック感触を付与しようとしているにもかかわらず、そのクリック感触が鈍くなってしまう。
【0017】
このため、周知例の可動接点テープ1、及びこの可動接点テープ1を用いた周知例のキースイッチ5では、図4,図5に示すように、1個の可動接点2に対し1個の空気抜きを設けている。この空気抜きは、上部テープ4の側縁近傍に形成された貫通孔4bであり、可動接点2を収納した孔3bと対向して位置し、この孔3bを外部と連通させている。
【0018】
このような空気抜きを設けると、押圧による可動接点2の反転時、ドーム状内の空気が貫通孔4bを通して外部に逃げることから、抵抗のないスナップアクションで良好なクリック感触を得ることができる。そして、押圧解除による可動接点2の弾性復帰時は、ドーム状内に貫通孔4bから空気が入る。
【0019】
こうして周知例の可動接点テープ1を用いた周知例のキースイッチ5は、可動接点2の反転・復帰(スイッチのオン・オフ)により呼吸現象を生じるが、空気抜きの貫通孔4bで孔3bが直接外部と繋がるため、接点部に外部から塵埃等の異物が侵入しやすく、異物侵入による接触不良が問題となる。また、部品点数が多く、コスト高で、生産性が悪いという問題もある(特許文献1参照)。
【0020】
そこで、このような問題を解決すべく、従来例の可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた従来例のキースイッチは、図6,図7に示すように、樹脂フィルムからなり絶縁性を有するテープ基材の下面に粘着剤を設けた1枚のテープに、複数個の可動接点が、キー配列に応じて、直接貼着可能な大きさを付与することで、部品点数の削減を図っている。また、1枚の大きいテープと各可動接点との間、及び同テープと絶縁基板との間に通気性を持たせることで、接点部への異物侵入による接触不良を防止するようにしている。
【0021】
図6は、1つ目の従来例の可動接点テープの一部分(キー1個分)、及びその可動接点テープを用いた1つ目の従来例のキースイッチの一部分(キー1個分)を示す断面図である。図6に示す可動接点テープ8は、キー複数個分一体型タイプのものであり、複数個の可動接点2と、樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材の下面に粘着剤9aを設けた1枚のテープ9とで構成される。
【0022】
1枚のテープ9には複数個の可動接点2が、キー配列に応じて、直接貼着可能な大きさが付与され、この1枚の大きいテープ9の下面にはそこに設ける粘着剤9aによって点在した突部9bが設けられる。
【0023】
可動接点2の上面をテープ9の下面とを対向させた状態で、可動接点2をテープ9の下面にマウントし、可動接点2の上面をテープ9の下面に直接貼着する。この時、可動接点2の上面は、点在した突部9bによってテープ9の下面に貼着される。
【0024】
こうして可動接点テープ8は、可動接点2を複数個、キー配列に応じて、1枚の大きいテープ9に直接配列固定すると共に、点在した突部9bの相互間で、テープ9と各可動接点2との間に通気用の隙間9cを形成している。
【0025】
また、図6に示すキースイッチ10は、キー複数個分一体型タイプのものであり、可動接点テープ8と、大きい絶縁基板6とを組み合わせて構成される。
【0026】
組み立ては、各可動接点2と各固定接点とを対向させた状態で、テープ9の下面(可動接点テープ8の下面)を絶縁基板6の上面に貼着し、個々の可動接点2を絶縁基板6の各固定接点配置に配列固定することで完了する。この時、テープ9の下面は、点在した突部9bによって絶縁基板6の上面に貼着される。
【0027】
こうしてキースイッチ10は、1個の可動接点2と1組の第1,第2の固定接点6a,6bからなるキースイッチを複数個、キー配列に応じて、配列構成すると共に、点在した突部9bの相互間で、1枚の大きいテープ9と各可動接点2との間、及び同テープ9と絶縁基板6との間に通気用の隙間9cを形成している。
【0028】
図7は、2つ目の従来例の可動接点テープの一部分(キー1個分)、及びその可動接点テープを用いた2つ目の従来例のキースイッチの一部分(キー1個分)を示す断面図である。図7に示す可動接点テープ11は、キー複数個分一体型タイプのものであり、複数個の可動接点2と、樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材の下面全面に粘着剤12aを均一な厚みで層状に設けた1枚のテープ12とで構成される。
【0029】
1枚のテープ12には複数個の可動接点2が、キー配列に応じて、直接貼着可能な大きさが付与され、この1枚の大きいテープ12には、凹凸を有する上型とこの上型の凹凸に対応する凹凸を有する下型を用いてテープ12自体に全面にわたって凹凸が付けられる。
【0030】
可動接点2の上面とテープ12の下面とを対向させた状態で、可動接点2をテープ12の下面にマウントし、可動接点2の上面をテープ12の下面に直接貼着する。この時、可動接点2の上面は、点在した突部12b(但し、下向きの突部)によってテープ12の下面に貼着される。
【0031】
こうして可動接点テープ11は、可動接点2を複数個、キー配列に応じて、1枚の大きいテープ12に直接配列固定すると共に、点在した突部12bの相互間で、テープ12と各可動接点2との間に通気用の隙間12cを形成している。
【0032】
また、図7に示すキースイッチ13は、キー複数個分一体型タイプのものであり、可動接点テープ11と、大きい絶縁基板6とを組み合わせて構成される。
【0033】
組み立ては、各可動接点2と各固定接点とを対向させた状態で、テープ12の下面(可動接点テープ11の下面)を絶縁基板6の上面に貼着し、個々の可動接点2を絶縁基板6の各固定接点配置に配列固定することで完了する。この時、テープ12の下面は、点在した突部12bによって絶縁基板6の上面に貼着される。
【0034】
こうしてキースイッチ13は、1個の可動接点2と1組の第1,第2の固定接点6a,6bからなるキースイッチを複数個、キー配列に応じて、配列構成すると共に、点在した突部12bの相互間で、1枚の大きいテープ12と各可動接点2との間、及び同テープ12と絶縁基板6との間に通気用の隙間12cを形成している。
【0035】
このように、図6,図7に示した従来例の可動接点テープ8,11、及びこの可動接点テープ8,11を用いた従来例のキースイッチ10,13では、1枚のテープ9,12に、複数個の可動接点2が、キー配列に応じて、直接貼着可能な大きさを付与することで、部品点数の削減を図り、コスト低下、生産性向上を実現する。また、1枚の大きいテープ9,12と各可動接点2との間、及び同テープ9,12と絶縁基板6との間に通気性を持たせることで、押圧による可動接点2の反転時、ドーム状内の空気を、テープ9,12と可動接点2との間やテープ9,12と絶縁基板6との間を経て外部に逃がし、押圧解除による可動接点2の弾性復帰時、外部からテープ9,12と絶縁基板6との間やテープ9,12と可動接点2との間を経てドーム状内に空気を入れ、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触を得ている(特許文献1、2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特開2002−203454号公報
【特許文献2】国際公開01/080263号公報
【特許文献3】特開2002−109994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
従来例の可動接点テープ8,11、及びこの可動接点テープ8,11を用いた従来例のキースイッチ10,13は、キー複数個分一体型タイプのものであるが、1キータイプの可動接点テープに従来例の可動接点テープ8,11のキー1個分の構造を採用し、1キータイプのキースイッチに従来例のキースイッチ10,13のキー1個分の構造を採用し、1キータイプの可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた1キータイプのキースイッチについても、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触を得るようにすることが考えられる。
【0038】
しかしながら、従来例の可動接点テープ8,11、及びこの可動接点テープ8,11を用いた従来例のキースイッチ10,13では、可動接点テープ8,11の絶縁基板6に対する粘着力(接着力)を犠牲にし(可動接点2に対する粘着力も犠牲にしている。)、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触を得るため、テープ9,12の絶縁基板6に対する粘着力が非常に弱くなってしまう。
【0039】
加えて、テープ9,12にはそれ自体に腰があり、可動接点2のドーム状の頂部に対応するテープ9,12の頂部と、絶縁基板6の上面に貼着するテープ9,12の下面との高低差が大きいため、テープ9,12の頂部が押圧された時、テープ9,12の絶縁基板6への貼着部にはそこを持ち上げて剥がそうとする力が働きやすくなる。
【0040】
このようなことから、テープ9,12の浮きが生じやすく、接点部に異物が侵入しやすくなると共に、可動接点2がキー配置から位置ずれしやすくなり、テープ9,12の浮きによるクリック感触不良、耐久性低下、接触不良を招きやすいという問題がある。そして、このような問題を解決するためには、テープ9,12の絶縁基板6への貼着代を大きく取る必要があるので、1キータイプの可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた1キータイプのキースイッチについて、小型化が極めて困難なるという問題がある。
【0041】
また、従来例の可動接点テープ8,11、及びこの可動接点テープ8,11を用いた従来例のキースイッチ10,13では、通気性を持たせる箇所が絶縁基板6の上面であり、第1,第2の固定接点6a,6bと同じ高さであるため、接点部に外部から異物が侵入すると、第1,第2の固定接点6a,6bに付着しやすいという問題がある。
【0042】
さらに、従来例の可動接点テープ8,11、及びこの可動接点テープ8,11を用いた従来例のキースイッチ10,13では、テープ9,12の下面を絶縁基板6の上面に貼着する時、テープ9,12に上方から押圧力が加わえられると、テープ9の下面に設けた粘着剤9aからなる点在した突部9b,テープ12自体に付けた凹凸形状の下向きの凸形状からなる点在した突部12bが潰れて通気用の隙間9c,12cが減少乃至塞がれやすく、通気性が低下乃至消失しやすいという問題がある。
【0043】
そこで、本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触が得られる小型の1キーの可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた小型の1キーのスイッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0044】
上記の目的を達成するため本発明に係る可動接点テープは、変形可能なバネ性を有するドーム状の金属板からなる1個の可動接点と、樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材の下面全面に粘着剤を設けてなる1枚の上部テープと、樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材の下面全面に粘着剤を設けてなり、中央部には前記可動接点が入る上下面貫通の孔を1個設けた1枚の下部テープとを備え、前記上部テープの下面を前記可動接点の上面と前記下部テープの上面とに貼着し、前記可動接点を前記孔に保持した可動接点テープであって、前記下部テープの前記テープ基材の上面自体にその全面にわたって点在した突部を形成し、点在した前記突部の相互間で、前記可動接点のドーム状内と前記可動接点テープの外部との間で空気を出入りさせる通気用の隙間を形成したことを特徴とするものである。
【0045】
また、本発明に係るキースイッチは、上記の本発明に係る可動接点テープと、上面に固定接点を設けた絶縁基板とを備え、前記可動接点テープの下面を前記絶縁基板の上面に貼着し、前記可動接点を前記固定接点位置に固定したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、可動接点テープの上部テープと下部テープとの間に通気性を持たせることができ、この可動接点テープの上部テープと下部テープとの間に持たせた通気性によって、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触を得ることができる。
【0047】
そして、可動接点テープの上部テープと下部テープとの間に通気性を持たせたことで、絶縁基板の上面に貼着する可動接点テープの下面全面(下部テープの下面)に粘着剤を均一な厚みで層状に設けることができるようになることから、可動接点テープの絶縁基板に対する粘着力を全く犠牲にすることなく(可動接点に対する粘着力も全く犠牲していない。)、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触を得ることができる。
【0048】
加えて、可動接点テープにはそれ自体に腰があるものの、可動接点のドーム状の頂部に対応する上部テープの頂部と、下部テープの上面に貼着する上部テープの下面との高低差が小さいことから、上部テープの頂部が押圧された時、上部テープの下部テープへの貼着部にはそこを持ち上げて剥がそうとする力が働きにくくなり、勿論、下部テープの絶縁基板への貼着部にもそこを持ち上げて剥がそうとする力が働きにくくなる。
【0049】
このようなことから、上部テープ及び下部テープの浮きが生じにくく、接点部に異物が侵入しにくくなると共に、可動接点がキー配置から位置ずれしにくくなり、上部テープ及び下部テープの浮きによるクリック感触不良、耐久性低下、接触不良を招きにくくすることができる。このことから可動接点テープの絶縁基板への貼着代を大きく取る必要がなくなり、1キーの可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた1キーのキースイッチの小型化が容易に行えるようになる。
【0050】
また、通気性を持たせる箇所が絶縁基板より上方(下部テープの上面)であることから、接点部に外部から異物が侵入したとしても、絶縁基板の上面に設けた固定接点に付着しにくくなる。
【0051】
さらに、下部テープのテープ基材の上面自体にその全面にわたって点在した突部を形成することから、この点在した突部は樹脂の塊状のものとなり、上部テープの下面を下部テープの上面に貼着する時や可動接点テープの下面を絶縁基板の上面に貼着する時、上部テープに上方から押圧力が加わえられても潰れにくく、通気用の隙間が減少乃至塞がれにくく、通気性が低下乃至消失しにくくなり、必要な通気性を確実に確保しやすくなる。
【0052】
したがって、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触が得られる小型の1キーの可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた小型の1キーのキースイッチを提供することができる。
【0053】
また、本発明において、前記下部テープの前記テープ基材の上面自体をその全面にわたって粗面に形成し、前記粗面の凹凸によって前記下部テープの前記テープ基材の上面自体にその全面にわたって点在した前記突部を形成した場合、又は、前記下部テープの前記テープ基材の上面自体にその全面にわたって網状の溝を形成し、網状の前記溝によって前記下部テープの前記テープ基材の上面自体にその全面にわたって点在した網目状の前記突部を形成した場合、前者では粗面の粗さ(表面粗さ)、後者では溝の深さ・網の目の大きさを調整することによって、可動接点テープの上部テープと下部テープとの間に所望の通気性を持たせることができる。また、前者ではきめ細かい点在した突部が得やすく、高い防塵効果を得ることができると共に、下部テープのテープ基材として市販の樹脂フィルムを使用することができるようになり、コストを抑えることができる。一方、後者では点在した網目状の突部の端面が平らになることから、上部テープの可動接点及び絶縁基板に対する粘着強度を高めることができると共に、必要な通気性をより確実に確保しやすくなり、また、可動接点の周囲に突部が規則的に配列するようになることから、上部テープの可動接点及び絶縁基板に対する粘着強度をさらに高めることができると共に、必要な通気性がどの方向(可動接点を中心とする放射方向)に対しても優劣なく確実に確保しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態による可動接点テープを示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態による可動接点テープの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態によるキースイッチを示す断面図である。
【図4】周知例の可動接点テープの一部分(キー1個分)を示す断面図である。
【図5】周知例のキースイッチの一部分(キー1個分)を示す断面図である。
【図6】1つ目の従来例の可動接点テープの一部分(キー1個分)、及びその可動接点テープを用いた1つ目の従来例のキースイッチの一部分(キー1個分)を示す断面図である。
【図7】2つ目の従来例の可動接点テープの一部分(キー1個分)、及びその可動接点テープを用いた2つ目の従来例のキースイッチの一部分(キー1個分)を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明の実施形態による可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いたキースイッチを図1乃至図3を参照し説明する。
【0056】
図1は、本発明の実施形態による可動接点テープを示す断面図、図2は本発明の実施形態による可動接点テープを示す分解斜視図である。図1、図2に示す可動接点テープ20は、1キータイプのものであり、1個の可動接点30と、1枚の上部テープ40と、1枚の下部テープ50とで構成される。
【0057】
可動接点30には、バネ性を有し、頂部からの押圧力に対しクリック感触を伴なって変形(反転)する円盤状のドーム状金属板が使用される。
【0058】
ポリエステル等の樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材51の下面に粘着剤52を設けた下部テープ50は、可動接点30の周囲に貼着代を確保できる大きさの方形状(1辺の長さが可動接点30の直径よりも数ミリ程度大きい方形状)に形成される。また、下部テープ50の中央部には円形の上下面貫通の孔53が1個設けられる。この孔53は可動接点30の直径よりも少し大きい直径を有し、この孔53に可動接点30が挿入、配設される。また、下部テープ50の全体の厚み(孔53の軸方向の長さ)は可動接点30の高さよりも少し小さい寸法に設定される。
【0059】
ポリエステル等の樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材41の下面に粘着剤42を設けた上部テープ40は、下部テープ50と略同じ大きさの方形状に形成される。この上部テープ40は、下面中央部を可動接点30の上面に粘着剤42を介して貼着すると共に、下面外側部を下部テープ50の上面に粘着剤42を介して貼着し、可動接点30を下部テープ50の孔53に保持している。また、上部テープ40の全体の厚みは下部テープ50の全体の厚みよりもさらに小さい寸法に設定される。
【0060】
このように2枚のテープ40,50を上下に重ねた構造(2層構造)の可動接点テープ20は、下部テープ50(下層部:2層目)の中央部に可動接点30が入る上下面貫通の孔53を設け、この孔53の上部に上部テープ40(上層部:1層目)の下面中央部を露出させており、この露出部分に粘着剤42を介して可動接点30の上面が貼着され、可動接点30を孔53に保持している。
【0061】
また、2枚のテープ40,50を上下に重ねた構造(2層構造)の可動接点テープ20は、下部テープ50のテープ基材51の上面自体(下部テープ50の上表面)にその全面にわたって点在した突部54を形成し、この点在した突部54の相互間で、可動接点30のドーム状内と可動接点テープ20の外部(周囲)との間で空気を出入りさせる通気用の隙間55を形成することで、上部テープ40と下部テープ50との間に、接点部への塵埃等の異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触を得るための通気性を持たせている。
【0062】
本実施形態では、図2に示すように、下部テープ50のテープ基材51の上面自体(下部テープ50の上表面)にその全面にわたって網状(格子状とも言える。)の溝55aを形成し、この網状の溝55aによって下部テープ50のテープ基材51の上面自体にその全面にわたって点在した網目状の突部54aを形成し、この点在した網目状の突部54aの相互間(網状の溝55a)で、可動接点30のドーム状内と可動接点テープ20の外部(周囲)との間で空気を出入りさせる通気用の隙間55(網状の溝55a自体)を形成している。なお、図2には個々の網目(突部54a)の形状が四角形の網状の溝55aを示しているが、四角形以外の三角形、五角形、六角形のものでもよい。
【0063】
また、図示しないが、下部テープ50のテープ基材51の上面自体(下部テープ50の上表面)をその全面にわたって粗面に形成し、この粗面の凹凸によって下部テープ50のテープ基材51の上面自体にその全面にわたって点在した突部(粗面の凸部)を形成し、この点在した突部の相互間(粗面の凹部)で、可動接点30のドーム状内と可動接点テープ20の外部(周囲)との間で空気を出入りさせる通気用の隙間55(粗面の凹部自体)を形成してもよい。
【0064】
こうして2枚のテープ40,50を上下に重ねた構造(2層構造)の可動接点テープ20であって、上部テープ40と下部テープ50との間に、接点部への塵埃等の異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触を得るための通気性を持たせた可動接点テープ20は、上部テープ40のテープ基材41の下面全面に粘着剤42を均一な厚みで層状に設け、可動接点30の上面との接触面積の減少を皆無とし、下部テープ50の上面との接触面積の減少、及び加圧による変形を抑えている。また、下部テープ50のテープ基材51の下面全面に粘着剤52を均一な厚みで層状に設け、後述する絶縁基板の上面との接触面積の減少を皆無としている。
【0065】
図3は、本発明の実施形態によるキースイッチを示す断面図である。図3に示すキースイッチ60は、1キータイプのものであり、1枚の可動接点テープ20と、絶縁基板70とを組み合わせて構成される。
【0066】
絶縁基板70にはPCB(プリント回路板)、PWB(プリント配線板)等のプリント基板(リジット基板,又はFPC:フレキシブル基板)が使用される。この絶縁基板6の表面には、銅箔等からなる第1の固定接点70aと第2の固定接点70bを1組とする固定接点(接点形状は両面基板に適用される内外円縁接点、片面基板に適用される内外円縁接点:レジストでギャップ・絶縁を形成するもの、その他、櫛歯接点)が1組形成される。ここで、絶縁基板70はキー1個分の独立した一枚の絶縁基板の他、例えばフレキシブル基板で見られるように、キー1個分の絶縁基板部がテール部(プリント配線部)同士で繋がれて一体化されている絶縁基板の1個1個の絶縁基板部、キー複数個分一体型タイプのキースイッチにおける絶縁基板等のメインの絶縁基板にテール部(プリント配線部)で繋がれたキー1個分の絶縁基板部等も含まれる。
【0067】
組み立ては、可動接点30(孔53)と固定接点とを対向させた状態で、下部テープ50の下面(可動接点テープ20の下面)を絶縁基板70の上面に貼着し、可動接点30を固定接点配置に固定することで完了する。この時、可動接点30は、その下端部周縁が第2の固定接点70bに常時接触すると共に、ドーム状の頂部が第1の固定接点70aと間隔を置いて対向する。
【0068】
こうしてキースイッチ60は、1個の可動接点30と1組の第1,第2の固定接点70a,70bからなる1個のキースイッチ(接点部)を構成している。
【0069】
キースイッチ60の動作は、操作者がキー80を介して上部テープ40の上から可動接点30の上部(頂部:中心部)を押圧すると、可動接点30の上部が凹状に反転し、クリック感触を伴なって第1の固定接点70aに接触し、第1の固定接点70aと第2の固定接点70bが可動接点30を介して導通する。この時、可動接点30のドーム内の空気が、可動接点30の端部から抜け出し、通気用の隙間55を通り、上部テープ40と下部テープ50との間から可動接点テープ20の外部(周囲)に逃がすようになっている。そして、押圧力を解除すると、可動接点30の上部が元のドーム状に弾性復帰し、第1の固定接点70aから離れ、第1の固定接点70aと第2の固定接点70bとの導通を断つ。この時、ドーム状内には、可動接点テープ20の外部(周囲)から通気用の隙間55を通り、上部テープ40と下部テープ50との間から空気が入るようになっている。
【0070】
以上、本実施形態の可動接点テープ20は、変形可能なバネ性を有するドーム状の金属板からなる1個の可動接点30と、樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材41の下面全面に粘着剤42を設けてなる1枚の上部テープ40と、樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材51の下面全面に粘着剤52を設けてなり、中央部には可動接点30が入る上下面貫通の孔53を1個設けた1枚の下部テープ50とを備え、上部テープ40の下面を可動接点30の上面と下部テープ50の上面とに貼着し、可動接点30を孔53に保持したものであって、下部テープ50のテープ基材51の上面自体にその全面にわたって点在した突部54を形成し、この点在した突部54の相互間で、可動接点30のドーム状内と可動接点テープ20の外部との間で空気を出入りさせる通気用の隙間55を形成した1キータイプのものである。
【0071】
また、本実施形態のキースイッチ60は、上記の本実施形態の可動接点テープ20と、上面に固定接点70a,70bを設けた絶縁基板70とを備え、可動接点テープ20の下面を絶縁基板70の上面に貼着し、可動接点30を固定接点位置70a,70bに固定した1キータイプのものである。
【0072】
本実施形態によれば、可動接点テープ20の上部テープ40と下部テープ50との間に通気性を持たせることができ、この可動接点テープ20の上部テープ40と下部テープ50との間に持たせた通気性によって、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触を得ることができる。
【0073】
そして、可動接点テープ20の上部テープ40と下部テープ50との間に通気性を持たせたことで、絶縁基板70の上面に貼着する可動接点テープ20の下面全面(下部テープ40の下面)に粘着剤を均一な厚みで層状に設けることができるようになることから、可動接点テープ20の絶縁基板70に対する粘着力を全く犠牲にすることなく(可動接点30に対する粘着力も全く犠牲していない。)、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触を得ることができる。
【0074】
加えて、可動接点テープ20にはそれ自体に腰があるものの、可動接点30のドーム状の頂部に対応する上部テープ40の頂部と、下部テープ50の上面に貼着する上部テープ40の下面との高低差が小さいことから、上部テープ40の頂部が押圧された時、上部テープ40の下部テープ50への貼着部にはそこを持ち上げて剥がそうとする力が働きにくくなり、勿論、下部テープ50の絶縁基板70への貼着部にもそこを持ち上げて剥がそうとする力が働きにくくなる。
【0075】
このようなことから、上部テープ40及び下部テープ50の浮きが生じにくく、接点部に異物が侵入しにくくなると共に、可動接点30がキー80配置から位置ずれしにくくなり、上部テープ40及び下部テープ50の浮きによるクリック感触不良、耐久性低下、接触不良を招きにくくすることができる。このことから可動接点テープ20の絶縁基板70への貼着代を大きく取る必要がなくなり、1キータイプの可動接点テープ20、及びこの可動接点テープ20を用いた1キータイプのキースイッチ60の小型化が容易に行えるようになる。
【0076】
また、通気性を持たせる箇所が絶縁基板70より上方(下部テープ50の上面)であることから、接点部に外部から異物が侵入したとしても、絶縁基板70の上面に設けた固定接点70a,70bに付着しにくくなる。
【0077】
さらに、下部テープ50のテープ基材51の上面自体にその全面にわたって点在した突部54を形成することから、この点在した突部54は樹脂の塊状のものとなり、上部テープ40の下面を下部テープ50の上面に貼着する時や可動接点テープ20の下面を絶縁基板70の上面に貼着する時、上部テープ50に上方から押圧力が加わえられても潰れにくく、通気用の隙間55が減少乃至塞がれにくく、通気性が低下乃至消失しにくくなり、必要な通気性を確実に確保しやすくなる。また、上部テープ40の下面全面に設けた均一な厚みで層状の密な粘着剤42は、上部テープ40の下面を下部テープ50の上面に貼着する時や可動接点テープ20の下面を絶縁基板70の上面に貼着する時、上部テープ40に上方から押圧力が加わえられても、層形状を保持し続けるのに十分な強度を持つので、点在した突部54に食い込みにくく、通気用の隙間55がさらに減少乃至塞がれにくく、通気性がさらに低下乃至消失しにくくなり、必要な通気性をさらに確実に確保しやすくなる。
【0078】
したがって、接点部への異物侵入による接触不良を防止しながら、良好なクリック感触が得られる小型の1キータイプの可動接点テープ20、及びこの可動接点テープ20を用いた小型の1キータイプのキースイッチ50を提供することができる。また、接点部は、可動接点テープ20と絶縁基板70とで覆われることから、防湿、防滴構造になっており、静電気及びノイズにも強くなっている。
【0079】
また、本実施形態において、下部テープ50のテープ基材51の上面自体をその全面にわたって粗面に形成し、この粗面の凹凸によって下部テープ50のテープ基材51の上面自体にその全面にわたって点在した突部を形成した場合、又は、下部テープ50のテープ基材51の上面自体にその全面にわたって網状の溝55aを形成し、この網状の溝55aによって下部テープ50のテープ基材51の上面自体にその全面にわたって点在した網目状の突部54aを形成した場合、前者では粗面の粗さ(表面粗さ)、後者では溝55aの深さ・網の目の大きさを調整することによって、可動接点テープ20の上部テープ40と下部テープ50との間に所望の通気性を持たせることができる。また、前者ではきめ細かい点在した突部が得やすく、高い防塵、防湿、防滴効果を得ることができると共に、下部テープ50のテープ基材51として市販の樹脂フィルムを使用することができるようになり、コストを抑えることができる。一方、後者では点在した網目状の突部54aの端面が平らになることから、上部テープ40の可動接点30及び絶縁基板70に対する粘着強度を高めることができると共に、必要な通気性をより確実に確保しやすくなり、また、可動接点30の周囲に突部54aが規則的に配列するようになることから、上部テープ40の可動接点30及び絶縁基板70に対する粘着強度をさらに高めることができると共に、必要な通気性がどの方向(可動接点30を中心とする放射方向)に対しても優劣なく確実に確保しやすくなる。
【0080】
なお、本実施形態はドーム状金属板からなる円盤状の可動接点を備えた方形状の可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた方形状のキースイッチで本発明の一実施形態を示したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施することができる。例えばドーム状金属板からなる長円形状(小判形)の可動接点を備えた矩形状の可動接点テープ、及びこの可動接点テープを用いた矩形状のキースイッチであってもよい。また、本発明の1キータイプの可動接点テープ構造、及びこの可動接点テープを用いた1キータイプのキースイッチ構造は、キー複数個分一体型タイプの可動接点テープ構造、及びこの可動接点テープを用いたキー複数個分一体型タイプのキースイッチ構造にも適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
20 可動接点テープ
30 可動接点
40 上部テープ
41 テープ基材
42 粘着剤
50 下部テープ
51 テープ基材
52 粘着剤
53 孔
54 点在した突部
54a 点在した網目状の突部
55 通気用の隙間
55a 網状の溝
60 キースイッチ
70 絶縁基板
70a,70b 固定接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形可能なバネ性を有するドーム状の金属板からなる1個の可動接点と、樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材の下面全面に粘着剤を設けてなる1枚の上部テープと、樹脂フィルムからなり絶縁性を持ったテープ基材の下面全面に粘着剤を設けてなり、中央部には前記可動接点が入る上下面貫通の孔を1個設けた1枚の下部テープとを備え、前記上部テープの下面を前記可動接点の上面と前記下部テープの上面とに貼着し、前記可動接点を前記孔に保持した可動接点テープであって、
前記下部テープの前記テープ基材の上面自体にその全面にわたって点在した突部を形成し、点在した前記突部の相互間で、前記可動接点のドーム状内と前記可動接点テープの外部との間で空気を出入りさせる通気用の隙間を形成したことを特徴とする可動接点テープ。
【請求項2】
前記下部テープの前記テープ基材の上面自体をその全面にわたって粗面に形成し、前記粗面の凹凸によって前記下部テープの前記テープ基材の上面自体にその全面にわたって点在した前記突部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の可動接点テープ。
【請求項3】
前記下部テープの前記テープ基材の上面自体にその全面にわたって網状の溝を形成し、網状の前記溝によって前記下部テープの前記テープ基材の上面自体にその全面にわたって点在した網目状の前記突部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の可動接点テープ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の可動接点テープと、上面に固定接点を設けた絶縁基板とを備え、前記可動接点テープの下面を前記絶縁基板の上面に貼着し、前記可動接点を前記固定接点位置に固定したことを特徴とするキースイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−198474(P2011−198474A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60511(P2010−60511)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】