説明

可動接点付きシート

【課題】各種電子機器の操作部に用いられる可動接点付きシートに関し、可動接点が1〜2個という少ない可動接点付きシートでも、小型化が図れて、良好なクリック感触が得られるものを提供することを目的とする。
【解決手段】1個の可動接点3を下面に保持するベースシート11を、伸張性を有した絶縁フィルム製のものとすると共に、そのベースシート11の下面に貼着されたスペーサシート14を、可動接点収容孔15と、その周囲側方位置に一体となった拡大孔部16Aを有したものとした。これであれば、押圧操作時において、拡大孔部16Aの内部領域に対応するベースシート11位置が上方に膨らむ構成にできるため、小型でクリック感触も良好に得られるものに実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器の操作部に用いられ、固定接点を備えた配線基板上に装着されてパネルスイッチを構成する可動接点付きシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器には、固定接点を備えた配線基板上に装着されてパネルスイッチを構成する可動接点付きシートが多く採用されている。
【0003】
このような従来の可動接点付きシートについて図6〜図10を用いて説明する。
【0004】
図6は従来の可動接点付きシートの平面図、図7は同実装状態での断面図である。
【0005】
同図において、1は可撓性を有する絶縁フィルム製のベースシートであり、下面には粘着剤1Aが塗布されている。なお、一般的にベースシート1は、あまり伸張性を持たない安価なPETフィルムで構成されている。3は上方凸形のドーム形状に形成された弾性薄板金属製の可動接点であり、その上面を粘着剤1Aにより貼着されて、ベースシート1の所定の位置に保持されている。4は上面が粘着剤1Aを介してベースシート1と貼着した絶縁フィルム製のスペーサシートであり、可動接点3の外周よりもわずかに大きい可動接点収容孔5が、可動接点3の配置位置毎に空いていると共に、複数の可動接点収容孔5同士を繋いだ溝部6が設けられている。さらに、スペーサシート4の下面には粘着剤4Aが塗布され、これらで可動接点付きシートが構成されている。
【0006】
上述した可動接点付きシートは、図7に示すように、携帯電話を代表とする電子機器のプリント基板7A上に貼着されて使用される。プリント基板7Aには可動接点3の外周部分に対応する外側固定接点8と、可動接点3の中央部分に対応する中央固定接点9がそれぞれ電気的に独立して配置されている。そして、可動接点付きシートは、外側固定接点8上に可動接点3の外周下端を載せて、スペーサシート4の粘着剤4Aによりプリント基板7A上に貼り合わせられ、パネルスイッチに構成されている。
【0007】
この可動接点付きシートの実装状態で、可動接点3は外部から密閉状態となり、外部からの水分や塵埃等の異物の侵入が防がれるようになっている。
【0008】
次にその動作について説明する。ベースシート1の上面より可動接点3の中央位置を押圧し、その力が所定の押圧力になると、可動接点3のドーム状の中央部分がクリック感を伴って弾性反転し、図8に示すように、その中央部分が、下方の中央固定接点9に接触する。これにより、可動接点3を介して外側固定接点8と中央固定接点9間が電気的に導通して、スイッチオンとなる。このとき、押圧により圧縮された可動接点3内の空気は溝部6を介して隣の可動接点3配置位置の空間に移動する。つまり、その溝部6や隣の可動接点3内等の空間が空気溜り部としてなり、圧縮された空気が当該可動接点3の反転動作を阻害することなく良好な感触が得られるようになっている。そして、操作時の良好なクリック感触を得るためには、一般的に可動接点収容孔5を3〜4個程度を溝部6で繋ぐことが望ましいとされている。
【0009】
なお、当該構成では、溝部6の内部領域に対応するベースシート1位置の下面にも粘着剤1Aが塗布されているが、ベースシート1は、あまり伸張性を持たないPETフィルムで構成されているため、当該可動接点付きシートがプリント基板7A上に貼着された状態でも、当該箇所が不用意にプリント基板7A上に貼り付くことは無い。
【0010】
一方、図9に示すように、可動接点付きシートのベースシート2内の可動接点3の数量が1個である場合では、可動接点収容孔5の周囲側方に一体となって拡大孔部10Aが四方にそれぞれ設けられた構成とし、動作時の圧縮された空気を図10の点線矢印で示すように空気溜り部となる拡大孔部10A内に逃がすことで、可動接点3の反転動作を阻害することなく良好な感触が得られる方法などがとられている。
【0011】
なお、当該構成でも、拡大孔部10Aの内部領域に対応するベースシート2位置の下面にも粘着剤2Aが塗布されているが、このベースシート2も上述したベースシート1と同材料で、あまり伸張性を持たないPETフィルムで構成されているため、当該可動接点付きシートがプリント基板7B上に貼着された状態でも、当該箇所が不用意にプリント基板7B上に貼り付くことは無い。
【0012】
このように、可動接点付きシートにおいて、良好な感触を得るためには十分な体積の空気溜り部を設け、反転動作時の可動接点3内の空気を効率よく逃がし、反転動作を阻害しない構成が必要であるものであった。
【0013】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−77368号公報
【特許文献2】特開平10−289636号公報
【特許文献3】特開2010−192279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記従来の可動接点付きシートにおいては、押圧により圧縮された可動接点3内の空気を逃がすための空気溜り部の体積を十分に得るために、図6に示した形態のものでは、3〜4個の可動接点収容孔5を溝部6で繋ぐ必要があり、可動接点3が1〜2個といった少ない数量での可動接点付きシートに対応させることは困難であった。また、図9に示した可動接点3が1個の場合では、十分にクリック感触の鈍化を防止するためには、拡大孔部10Aの幅寸法や突出量を大きくして、空気溜り部となる拡大孔部10A内の体積を大きく設定する必要が有り、その結果シート面積が大きくなり、小型化への対応が難しいという課題があった。
【0016】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、可動接点の数量が1〜2個という少ない場合でも、小型化が図れて、良好なクリック感触が得られる可動接点付きシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
【0018】
本発明は、伸張性を有した絶縁フィルム製のベースシートと、上方凸形のドーム形状で、そのドームの凸側上面が上記ベースシート下面に形成された粘着剤で保持された弾性薄板金属製の可動接点と、上記ベースシートの下面に重なって、上記可動接点を収容する位置に可動接点収容孔を備えると共に、上記可動接点収容孔の周囲側方位置に拡大孔部を連設したスペーサシートとを有し、実装状態で、上記可動接点を押圧操作したとき、上記可動接点内の空気が上記拡大孔部に流出して、上記拡大孔部の内部領域に対応する上記ベースシート位置が上方に膨らむことを特徴とするものである。
【0019】
これであれば、拡大孔部の上面視の面積が小さくても、拡大孔部の内部領域に対応するベースシート位置が上方に膨らむことで、空気溜り部となる拡大孔部内の体積が大きくできる。すなわち、可動接点の数量が1〜2個のものであっても、空気溜り部となる拡大孔部の上面視の面積が小さく設定されたもので、良好なクリック感触が得られる可動接点付きシートに構成できるという作用を有する。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によれば、可動接点の数量が1〜2個という少ない可動接点付きシートでも、小型化が図れて、良好なクリック感触が得られる可動接点付きシートを提供することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態による可動接点付きシートの平面図
【図2】同実装状態での断面図
【図3】同動作状態を示す断面図
【図4】本発明の他の実施の形態による可動接点付きシートの平面図
【図5】同実装状態での動作状態を示す断面図
【図6】従来の可動接点付きシートの平面図
【図7】同実装状態での断面図
【図8】同動作状態を示す断面図
【図9】従来の可動接点が1個の可動接点付きシートの平面図
【図10】同実装状態での動作状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を用いて説明する。なお、従来の技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
【0023】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による可動接点付きシートの平面図、図2は同実装状態での断面図、図3は同動作状態を示す断面図である。
【0024】
同図において、11は略矩形状でポリオレフィン系の樹脂材料等からなる伸張性を有した絶縁フィルム製のベースシートで、その下面には粘着剤11Aが塗布形成されている。可動接点3は1個のみで、その上面をベースシート11下面の粘着剤11Aに貼着されることによって、略中央位置に保持されている。14はベースシート11と同じ外形に形成された絶縁フィルム製(例えばPETフィルム製)のスペーサシートであり、粘着剤11Aを介してベースシート11の下面側に貼着されている。
【0025】
スペーサシート14においては、可動接点3に対応する位置に、可動接点3の外周よりもわずかに大きい可動接点収容孔15が空いていて、さらに可動接点収容孔15の周囲側方に一体となって、複数の拡大孔部16Aが設けられたものとなっている。
【0026】
この拡大孔部16Aは、可動接点収容孔15の内側面の一部分から側方に、所定の幅寸法で延出していて、可動接点収容孔15から離れる方向の先端の端面は、スペーサシート14の外周の側端面よりも内側に構成されている。なお、上述した拡大孔部16Aは、可動接点収容孔15からの突出量が図9に示した従来の可動接点付きシートの拡大孔部10Aの突出量よりも小さく設定されていて、その上面視の面積は従来のものよりも小さく設定されている。そして、拡大孔部16Aの内部領域に対応するベースシート11の位置の下面には、粘着剤11Aが形成されていない構成となっている。
【0027】
そして、スペーサシート14の下面には粘着剤14Aが塗布形成されており、以上により可動接点付きシートが構成されている。
【0028】
ここに、上述したように、当該可動接点付きシートの拡大孔部16Aにおいては、可動接点収容孔15からの側方への延出寸法については短く、その延出する幅寸法については広幅に設定すれば、ベースシート11などのシート面積をより小さいものに構成できる。また、上記シート面積を拡大しない範囲で拡大孔部16Aの数量を増やしたり、形状を大きくするなどして、拡大孔部16Aの上面視の総面積を拡大してもよい。
【0029】
上述した可動接点付きシートは、図2に示すように、電子機器のプリント基板17上に貼着されて使用される。プリント基板17には可動接点3の外周部分に対応する外側固定接点8と、可動接点3の中央部分に対応する中央固定接点9がそれぞれ電気的に独立して配置されている。そして、可動接点付きシートは、外側固定接点8上に可動接点3の外周下端を載せて、スペーサシート14の粘着剤14Aにより、プリント基板17上に貼り合わせられ、パネルスイッチに構成されている。
【0030】
ここで、その貼り付け作業においては、可動接点付きシートの可動接点収容孔15の内側面の一部分が可動接点3の外周近傍に位置することで、可動接点3の位置決め部15Aとしてなり、伸張性を有したベースシート11の不用意な伸張を防ぎ、粘着剤11Aによってベースシート11に保持されている可動接点3を補助的に支えることで、可動接点3の位置ズレを起こすことなく、プリント基板17上の所定の位置に貼り付けることができる。
【0031】
この可動接点付きシートの実装状態で、可動接点3は外部から密閉状態となり、その可動接点3配置位置に対して、外部からの水分や塵埃等の異物の侵入を防ぐようになっている。さらに、上述したように、拡大孔部16Aの内部領域に対応するベースシート11位置の下面には粘着剤11Aを有していない構成のため、当該実装状態で拡大孔部16Aの内部領域に対応するベースシート11位置の下面が不用意にプリント基板17上に貼り付くことは無い。
【0032】
次にその動作などについて説明する。ベースシート11の上面より可動接点3の中央位置を押圧し、その力が所定の押圧力になると、クリック感を伴って可動接点3のドーム状の中央部分が弾性反転し、その中央部分が下方の中央固定接点9に接触する。これにより、可動接点3を介して外側固定接点8と中央固定接点9間が電気的に導通して、スイッチオンとなる。このとき、押圧により圧縮された可動接点3内の空気は、図3の点線矢印に示すように、可動接点3の外周下端より空気溜り部となる拡大孔部16A内に移動する。ここで、拡大孔部16Aの内部領域に対応するベースシート11位置は拡大孔部16A内に移動した空気により上方に膨らみ、それにより拡大孔部16A内の体積が増大する。
【0033】
つまり、拡大孔部16Aの上面視の面積が小さくても、その位置のベースシート11部分が上方に膨らむことで、空気溜り部となる拡大孔部16A内の体積を大きくできるため、従来よりも小さいシート面積のものとしても、可動接点3の反転動作は圧縮された空気で阻害されることなく良好なクリック感触が得られるものにできる。なお、当該構成であれば、上記動作状態になるため、空気溜り部に流出した空気の圧力で外周側での粘着剤11A、14Aのそれぞれの貼着箇所の剥がれなどの発生も防止できるという追加の作用も得られる。つまり、当該可動接点付きシートは、実装状態で可動接点3の反転動作を繰り返しても、可動接点3の外部への密閉状態を安定して保つことができるものに実現することができる。
【0034】
そして、押圧を解除するとクリック感を伴って可動接点3のドーム状の中央部分が上方に反転復帰して、その中央部分が中央固定接点9と離れる。これにより、外側固定接点8と中央固定接点9間が電気的に絶縁状態に戻り、スイッチオフとなる。このとき、拡大孔部16A内に移動していた空気は、可動接点3の反転復帰動作に伴い可動接点3内に戻ると共に、上方に膨らんだ拡大孔部16Aの内部領域に対応するベースシート11位置も押圧前の図2に示す状態に戻る。
【0035】
以上のように当該実施の形態のものの構成であれば、拡大孔部16Aの内部領域に対応するベースシート11位置が上方に膨らむことで、拡大孔部16Aの面積が小さくても大きな体積の空気溜り部を確保したものにできる。これによって、シート面積が従来のベースシート1を用いて構成した従来の可動接点付きシートのものに比べ、小型化することが可能となる。
【0036】
なお、当該実施の形態では、拡大孔部16Aの構成を図9で示した従来の可動付きシートと同様に、可動接点収容孔15から四方にそれぞれ設けた構成としたが、拡大孔部16Aの形状や数量はこれに限定されることは無い。例えば、可動接点収容孔15の外形を相似に大きくしたもので構成してもよく、当該構成であればその加工を簡単にすることができる。
【0037】
さらに、ベースシート11下面の粘着剤11Aのパターン形状は、上述したものに限定されることは無く、粘着剤11Aを形成していない範囲を拡大孔部16Aの内部領域から拡大したものにしてもよい。例えば、粘着剤11Aが形成されていない範囲を、拡大孔部16Aの内部領域に対応した位置に加え、拡大孔部16A同士の間の箇所も、可動接点3の外周近傍から所定範囲で塗布形成していない構成としてもよい。当該構成であれば、実装時の動作状態において、可動接点3の外周線付近のベースシート11位置が全周に亘って上方に膨らむものにでき、上述した実施の形態のものよりも大きな体積の空気溜り部を確保したものにできる。なお、この構成でも上述した実施の形態のものと同様に、可動接点収容孔15の内側面の一部分が可動接点3の位置決め部15Aとしてなるため、可動接点3の位置ズレを起こすことなく、プリント基板17上の所定の位置に貼り付けることができる。
【0038】
以上には、可動接点3が1個のみの可動接点付きシートの場合を例として説明したが、可動接点3が2個の可動接点付きシートとする場合には、ベースシート11を用いて拡大孔部16Aを各々の可動接点収容孔15毎に設ければよい。または、その2つの可動接点収容孔15同士を従来技術のもののように溝部でつないだものとしてもよい。さらには、その溝部の両端近傍のみを細幅寸法とし、中央部の幅寸法を大きいものに設定した構成としてもよい。それらいずれの構成であっても、溝部の内部領域に対応したベースシート11位置が上方に膨らむ構成となるため、溝部の上面視の面積が小さくても、大きな体積の空気溜り部を確保することができる。
【0039】
なお、当該構成のように、拡大孔部16Aの内部領域に対応するベースシート11位置の下面に、粘着剤11Aが形成されていない構成であれば拡大孔部16Aの内部領域に対応したベースシート11位置の下面がプリント基板17上に不用意に密着することがなく好ましいが、必要に応じて粘着剤が塗布されていてもよい。
【0040】
さらに、図4及び図5に示すように、ベースシート21下面に重ねて配されたスペーサシート24においては、可動接点収容孔25から延出する拡大孔部26Aの数量を一つとし、その内部領域に対応するベースシート21の位置には、上方に貫通する貫通孔23が設けられ、その貫通孔23を上面から覆うように、下面に粘着剤28Aが塗布形成されたカバー28が貼着された構成としてもよい。
【0041】
ここで、ベースシート21とスペーサシート24は、それぞれあまり伸張性を持たないPETフィルムなどの材料を用い、両者は粘着剤21Aを介して互いに貼り合わされている。一方、カバー28は伸張性を有したポリオレフィン系の樹脂材料で形成された絶縁フィルムを用いており、貫通孔23に対応する位置の下面には粘着剤28Aが形成されていない構成となっている。さらに、スペーサシート24の下面には粘着剤24Aが塗布形成され、以上で可動接点付きシートを構成している。なお、当該構成のものの上面視の面積も、従来のものよりも小さく設定されている。
【0042】
当該構成であっても、プリント基板27上への実装後の動作状態において、可動接点3内の空気は、図5の点線矢印に示すように、可動接点3の外周下端より空気溜りとなる拡大孔部26Aに移動する。これにより、貫通孔23の内部領域に対応したカバー28位置は、可動接点3の反転動作で圧縮された空気により上方に膨らみ、拡大孔部26A内の体積が増大するものにできる。
【0043】
なお、当該カバー28については、粘着剤28Aを介してベースシート21と貼着した隙間から水分や塵埃の侵入を防止できる形状であれば特に限定はされないが、好ましくは、貼り付け状態でカバー28が可動接点3上の位置に被さらない形状にしておくとよい。
【0044】
なお、カバー28下面の粘着剤28Aにおいては、上述したように貫通孔23に対応する位置には形成されていない構成とすれば、カバー28がプリント基板27上に不用意に密着することがなく好ましいが、必要に応じて粘着剤が塗布されていてもよい。また、粘着剤28Aの代わりに両面テープを用いてカバー28とベースシート21とを貼り付けた構成のものとしてもよい。
【0045】
そして、図4に示した拡大孔部26Aや貫通孔23を略矩形状で数量を一つのみの構成のものとすると、従来品よりも上面視の面積が小さく細幅のものにできるため、例えばプリント基板上の細長い箇所に貼り付け実装できる有用なものとなるが、それらの形状や数量も特に限定されることは無い。
【0046】
以上のいずれの実施形態のものでは、可動接点3が1個のものを図示して主に説明したが、可動接点3が2個以上のものとしてもよく、また、以上の実施形態の思想を組み合わせた構成のものなどとしてもよい。さらに、そのプリント基板への実装状態においても、スペーサシートの下面に形成された粘着剤で貼着する構成以外に、その粘着剤をプリント基板上に塗布したり両面テープで貼り付ける構成のものなどとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明による可動接点付きシートは、可動接点の数量が1〜2個という少ない可動接点付きシートでも、小型化が図れて、良好なクリック感触が得られるものを提供することができるという有利な効果を有し、各種電子機器の操作部等に有用である。
【符号の説明】
【0048】
3 可動接点
8 外側固定接点
9 中央固定接点
11、21 ベースシート
11A、14A、21A、24A、28A 粘着剤
14、24 スペーサシート
15、25 可動接点収容孔
15A 位置決め部
16A、26A 拡大孔部
17、27 プリント基板
23 貫通孔
28 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸張性を有した絶縁フィルム製のベースシートと、
上方凸形のドーム形状で、そのドームの凸側上面が上記ベースシート下面に形成された粘着剤で保持された弾性薄板金属製の可動接点と、
上記ベースシートの下面に重なって、上記可動接点を収容する位置に可動接点収容孔を備えると共に、上記可動接点収容孔の周囲側方位置に拡大孔部を連設したスペーサシートとを有し、
実装状態で、上記可動接点を押圧操作したとき、上記可動接点内の空気が上記拡大孔部に流出して、上記拡大孔部の内部領域に対応する上記ベースシート位置が上方に膨らむことを特徴とする可動接点付きシート。
【請求項2】
拡大孔部の内部領域に対応するベースシートの下面位置には粘着剤が形成されていない請求項1記載の可動接点付きシート。
【請求項3】
可動接点収容孔の内側面の一部分が、可動接点の位置決め部としてなる請求項1記載の可動接点付きシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−221777(P2012−221777A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87026(P2011−87026)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】