説明

可動連結式手摺装置

【課題】固定部間の間隔変位と共に、水平変位と垂直変位とに対応することができる可動連結式手摺装置を提供する。
【解決手段】上横桟13及び下横桟14と縦桟15とを有する対をなす手摺体12,12Aを備え、これら対をなす手摺体12,12Aの先端側を重ね合わせ、且つ一方の手摺体12の基端側を一側固定部たる躯体1に水平回動可能に連結すると共に、他方の手摺体12Aの基端側を他側固定部たる躯体2に水平回動可能に連結する。また、対をなす手摺体12,12Aの横桟たる上横桟13,13を、スライド可能な連結体31により連結すると共に、この連結体31は上横桟13が嵌合する挿通孔32を有し、この一方の挿通孔32の上下寸法が上横枠13の上下寸法より大きいから、連結体31に対して上横桟13がスライド,上下移動や角度変更し、変位に対応することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣り合う躯体などの固定部間に設けられる可動連結式手摺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、所定間隔を置いて対向する床版と、各床版の側部に立設し、互いに所定間隔を置いて対向している手すり本体と、上記両床版の一方の床版の対向面に取り付け床版の幅方向に溝部を有するカバー取付け部と、この取付け部に一端部を上記溝にそってスライド可能に取り付け他端部を他方の床版上に位置させた自由端としている上記床版間隙を覆うカバーと、このカバーの側部に立上げかつ上記両手すり本体の内側で本体の間隙を覆うエキスパンション手すりとからなるエキスパンション継手の構造があり、エキスパンション手摺として、一方の手すり本体の内端に他方の手摺本体の内端を差し入れ、スライド自在にする構造や、手すり本体の間隙を手すりカバーで覆い、このカバー内を手すり本体の内端部が摺動自在とする構造が開示されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】実開昭62−26410号公報(第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記エキスパンション手すりを隣り合う躯体などの固定部間に設け、前記スライド構造や手すりカバーを用いることにより、固定部間の間隔変位を吸収することができる。
【0004】
ところで、近年、ビルなどの建築物の躯体は高層化が図られ、かつそれら躯体の多くには、地震を考慮した免振構造が採用され、共振しないように揺れを吸収することにより地震に対応しており、このような高層化した躯体間を連結するエキスパンション手すりでは、より大きな変位に対応する構造が必要となっている。
【0005】
そして、また、上記従来技術では、間隔を置いて隣り合う躯体が地震などにより振動し、躯体間の水平変位により躯体間に横ずれを生じたり、躯体間の垂直変位により躯体間で高さ位置が変ったりすると、これらを吸収することができないという問題があり、これらを解消する簡易な構造が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題を解決しようとするもので、固定部間の間隔変位と共に、水平変位と垂直変位とに対応することができる可動連結式手摺装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、横桟と縦桟とを有する対をなす手摺体を備え、これら対をなす手摺体の先端側を重ね合わせ、且つ一方の手摺体の基端側を一側固定部に水平回動可能に連結すると共に、他方の手摺体の基端側を他側固定部に水平回動可能に連結し、前記対をなす手摺体の横桟を、少なくとも一方の横桟に対してスライド可能な連結体により連結すると共に、この連結体は少なくとも一方の横桟が嵌合する挿通孔を有し、この一方の前記挿通孔の上下寸法が前記横枠の上下寸法より大きいものである。
【0008】
また、請求項2の発明は、横桟と縦桟とを有する対をなす手摺体を備え、これら対をなす手摺体の先端側を重ね合わせ、且つ一方の手摺体の基端側を一側固定部に水平回動可能に連結すると共に、他方の手摺体の基端側を他側固定部に水平回動可能に連結し、前記対をなす手摺体の横桟を、該横桟に対してスライド可能な連結体により連結すると共に、この連結体はそれら対をなす横桟がそれぞれ嵌合する対をなす挿通孔を有し、それら前記挿通孔の上下寸法が前記横枠の上下寸法より大きいものである。
【0009】
また、請求項3の発明は、前記挿通孔には、前記横桟の外面に接する突起部を設けたものである。
【0010】
また、請求項4の発明は、前記手摺体は、前記横桟を上下に備え、これら上の横桟同士を前記連結体により連結すると共に、それら下の横桟同士を前記連結体により連結したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、固定部間の間隔が変る間隔変位が発生すると、連結体に対して一方の横桟がスライドすることにより、間隔変位が吸収される。また、固定部間に横ずれを生じる水平変位が発生すると、連結体に対して一方の横桟のスライドと、固定部に対する手摺体の回動とにより、前記水平変位が吸収される。また、固定部間に上下のずれを生じる垂直変位が発生すると、連結体の挿通孔内で横桟が上下に移動し、前記垂直変位が吸収される。さらに、例えば互いに平行をなす固定部間の上部が広がったり狭まったりする変位が発生すると、挿通孔に対して一方の横桟が斜めになって前記変位が吸収される。
【0012】
このように本可動連結式手摺では、建築物の高層化と複数棟化による隣接躯体を繋ぐ渡り廊下などにおいて、X,Y,Z方向の大きな可動に対して対応することができる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、連結体に対して両方の横桟がスライドしたり、上下に移動したり、斜めになったりすることにより、一層、大きな変位に対応可能となる。
【0014】
また、請求項3の発明によれば、挿通孔に対して横桟が突起部で接するため、面接触する場合に比べて、横桟の上下移動や斜め移動が容易となる。
【0015】
また、請求項4の発明によれば、上下の横桟同士をそれぞれ連結することにより、安定した連結強度が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な可動連結式手摺装置を採用することにより、従来にない可動連結式手摺装置が得られ、その可動連結式手摺装置を夫々記述する。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の笠木を添付図面を参照して説明する。図1〜図10は、本発明の実施例1を示し、同図に示すように、ビルなどの躯体1,2は所定間隔を置いて隣り合い、これら固定部たる躯体1,2には、出入口3,4が設けられ、これら出入口3,4間に通路たる渡り廊下5が設けられ、図1に示すように、渡り廊下5の床部分は、一方の躯体1から上床版部6を突設し、他方の躯体2から下床版7を突設し、それら床版6,7の先端側を重ね合わせて躯体1,2間の変位を吸収している。尚、上床版6は回動連結部6Aにより躯体1に回動可能に連結し、その上床版6の先端を前記下床版7の上に載せて重ねることが好ましい。
【0018】
前記渡り廊下5の幅方向両側には、躯体1,2間を連結する可動連結式手摺装置11,11が設けられる。この回動連結式手摺装置11は、対をなす手摺体12,12Aを備え、この例では、これら手摺体12,12Aは、同一構成であり、外形が方形で断面角形の上,下横桟13,14と、これら上,下横桟13,14の両端部を連結する縦桟15,15とを有する枠体16を備え、この枠体16内に中上,中下横桟17,18を設け、この中上横桟17は、前記上横桟13の下部との間に100mm程度の間隔をおいて、両側を前記縦桟15,15に固定し、その中下横桟18は、前記下横桟14の上部との間に100mm程度の間隔をおいて、両側を前記縦桟15,15に固定している。また、それら中上,中下横桟17,18の間には、所定間隔で、複数の中縦桟19が配置されている。
【0019】
そして、前記手摺体12,12Aの各部材は、アルミニウムの押出成形品などにより構成される。
【0020】
また、一方の手摺体12の基端側を、回動部21により、前記躯体1に水平回動可能に連結し、他方の手摺体12Aの基端側を、回動部21により、前記躯体2に水平回動可能に連結し、且つそれら手摺体12,12Aの先端側を重ね合わせて配置する。前記回動部21は、図3に示すように、所謂、自由丁番が用いられ、板状の中間体22の両側に軸23,23Aを設け、これら軸23,23Aに取付板24,24Aの軸受部25,25Aを回動自在に連結すると共に、それら取付板24,中間体22及び取付板24Aを図示しない付勢手段により重ね合わせるように常時付勢し、一方の取付板24を補助板26を介して前記躯体1,2にビスなどの固定手段27により固定し、他方の取付板24Aを前記手摺体12,12Aの基端側の縦桟15にビスなどの固定手段27により固定する。また、図1などに示すように、手摺体12,12Aは複数(図中では上下で2つ)の回動部21,21により躯体1,2に連結される。
【0021】
したがって、常時は、図3(A)に示すように、取付板24,中間体22及び取付板24Aが重なり合って、手摺体12,12Aが真っ直ぐな向きにあり、手摺体12,12Aは、軸24を中心に図中下側に回動し、軸24Aを中心として図中上側に回動する。尚、図1などに示すように、手摺体12,12Aは相互に平行になるように、それぞれの基端側を躯体1,2に連結する。
【0022】
前記手摺体12,12Aは、先端側の重なり部分を連結体31により連結され、この連結体31は、図4及び図5などに示すように、前記手摺体12,12Aの上横桟13,13を挿通する挿通孔32,32を有する。具体的には、連結体31は、角パイプ状の外枠33の中央を仕切り板34により仕切り、仕切り板34の用側に隣り合って前記挿通孔32,32が設けられ、さらに、挿通孔32の内面には、内側に突出した突条部35が所定間隔で形成され、この突条部35は断面三角形などの先端が先鋭な断面形状をなし、連結体31の長さ方向に連続して形成されている。そして、連結体31は、鋼製,ステンレス製や硬質樹脂製などの所定の強度を備えた材料から形成される。
【0023】
前記挿通孔32の幅寸法は前記上横桟13の幅寸法に対応し、この上横桟13が挿通孔32に嵌合状態で挿通し、所定以上の力を受けると、上横桟13は、連結体31に対して、長さ方向にスライド可能であり、また、挿通孔32の上下寸法は前記上横桟13の上下寸法より大きく、この上横桟13が前記挿通孔32内で上下に位置が変更可能になっている。尚、この例では、中上横桟17と前記上横桟13の下部との間隔K:100mmと、上横桟13の高さ寸法の合計である130mm〜150mm程度の高さ寸法に、前記挿通孔32が形成されており、少なくとも、挿通孔32の高さ寸法は、前記上横桟13の高さ寸法の2倍以上とすることが好ましい。
【0024】
さらに、前記挿通孔32の両側内面に設けた前記突条部35は、上横桟13の高さの3分の1の間隔で配置されており、少なくとも上横桟13の一側面に対して、常時、2つ以上の突条部35が圧接するように構成している。これにより、上横桟13の側面は、挿通孔32に面接触することがなく、突条部35にて当接する。したがって、突条部35が線接触で上横桟13に当接することにより、所定以上の力が加わると、挿通孔32内で上横桟13が上下移動可能となる。また、挿通孔32の上下においても、上横桟13の上,下面が突条部35において当接するから、長期使用による面接触に伴う挿通孔32と上横桟13との付着を防止し、必要な際には、連結体31に対して、上横桟13が上下及び長さ方向に移動することができる。尚、挿通孔32の上下内面には、2つの突条部35が設けられている。
【0025】
次に、前記構成につきその作用を説明すると、図1に示したように、連結体31は、重ね合わせた手摺体12,12Aの先端側で、相互の縦桟15,15の中間位置に配置し、且つ挿通孔32の上内面が上横杆13の上面に掛かるように配置する。
【0026】
そして、地震などにより、図6に示すように、隣接する躯体1,2間が狭まる間隔変位が生じると、連結体31に対して、上横桟13,13が長さ方向にスライドし、重なり部分が大きくなり、前記間隔変位が吸収される。また、逆に、図7に示すように、隣接する躯体1,2間が広がる間隔変位が生じると、連結体31に対して、上横桟13,13が長さ方向にスライドし、重なり部分が小さくなり、前記間隔変位が吸収される。さらに、図8に示すように、隣接する躯体1,2間が平面逆方向に移動する水平変位が生じると、回動部21,21により手摺体12,12Aが回動し、また、連結体31に対して、上横桟13,13が長さ方向にスライドして、前記水平変位が吸収される。
【0027】
さらに、図9に示すように、沈下・隆起などにより隣接する躯体1,2の上下のずれが生じる垂直変位が発生すると、相対的に下がった方の躯体1側の上横桟13が挿通孔32内において下方に移動し、前記垂直変位が吸収される。さらにまた、図10に示すように、躯体1,2間が交差方向に開いたり狭まったりする変位が発生すると、挿通孔32に対してスライドを伴って上横桟13が傾き、前記変位が吸収される。
【0028】
このように本実施例では、請求項1に対応して、横桟たる上横桟13及び下横桟14と縦桟15とを有する対をなす手摺体12,12Aを備え、これら対をなす手摺体12,12Aの先端側を重ね合わせ、且つ一方の手摺体12の基端側を一側固定部たる躯体1に水平回動可能に連結すると共に、他方の手摺体12Aの基端側を他側固定部たる躯体2に水平回動可能に連結し、対をなす手摺体12,12Aの横桟たる上横桟13,13を、少なくとも一方の上横桟13に対してスライド可能な連結体31により連結すると共に、この連結体31は少なくとも一方の上横桟13が嵌合する挿通孔32を有し、この一方の挿通孔32の上下寸法が上横枠13の上下寸法より大きいから、躯体1,2間の間隔が変る間隔変位が発生すると、連結体31に対して一方の上横桟13がスライドすることにより、間隔変位が吸収される。また、躯体1,2間に横ずれを生じる水平変位が発生すると、連結体31に対して一方の上横桟13のスライドと、躯体1,2に対する手摺体12,12Aの回動により、前記水平変位が吸収される。また、躯体1,2間に上下のずれを生じる垂直変位が発生すると、連結体31の挿通孔32内で上横桟13が上下に移動し、前記垂直変位が吸収される。さらに、例えば互いに平行をなす躯体1,2間の上部が広がったり狭まったりする変位が発生すると、挿通孔32に対して一方の上横桟13が斜めになって前記変位が吸収される。このように本可動連結式手摺では、建築物の高層化と複数棟かによる隣接躯体を繋ぐ渡り廊下などにおいて、X,Y,Z方向の大きな可動に対して対応することができる。
【0029】
このように本実施例では、請求項2に対応して、横桟たる上横桟13及び下横桟14と縦桟15とを有する対をなす手摺体12,12Aを備え、これら対をなす手摺体12,12Aの先端側を重ね合わせ、且つ一方の手摺体12の基端側を一側固定部たる躯体1に水平回動可能に連結すると共に、他方の手摺体12Aの基端側を他側固定部たる躯体2に水平回動可能に連結し、対をなす手摺体12,12Aの横桟たる上横桟13,13を、上横桟13,13に対してスライド可能な連結体31により連結すると共に、この連結体31はそれら対をなす横桟13,13がそれぞれ嵌合する挿通孔32,32を有し、それら挿通孔32,32の上下寸法が上横枠13,13の上下寸法より大きいから、連結体31に対して両方の上横桟13,13がスライドしたり、上下に移動したり、斜めになったりすることにより、一層、大きな変位に対応可能となる。
【0030】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、挿通孔32には、上横桟13の外面に接する突起部たる突条部35を設けたから、挿通孔32に対して上横桟が突条部35で接するため、面接触する場合に比べて、上横桟13の上下移動や斜め移動が容易となる。
【実施例2】
【0031】
図11は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、手摺体12,12Aの下横桟14,14を前記連結体31により連結しており、手摺体12,12Aの上下を連結体31,31により連結することにより、安定した連結強度を得ることができる。
【0032】
このように本実施例では、請求項1〜3に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、このように本実施例では、請求項4に対応して、手摺体12,12Aは、横桟を上下に備え、すなわち上横桟13と下横桟14を備え、これら上横桟13,13同士を連結体31により連結すると共に、それら下横桟14,14同士を連結体31により連結したから、上下の横桟13,13,14,14同士をそれぞれ連結することにより、安定した連結強度が得られる。
【実施例3】
【0033】
図12〜図15は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、手摺体12,12Aの上横桟13Rを断面丸型に形成しており、前記縦桟15の上面15Jを湾曲面に形成し、前記上横桟13Rは、前記上面15Jに固定される横桟部41を有し、この横桟部41に前記上横桟13Rの本体部42が取り付けられ、この本体部42は下方が開口した略C字型をなす。前記横桟部41には、その幅方向両側に係合受部43,43が一体に突設され、前記本体部42には、その幅方向両側に前記係合受部43,43に弾発的に係合する係合部44が形成されており、前記横桟部41の上方から前記本体部42を外嵌するようにして前記係合受部43に前記係合部44を係止することにより、前記横桟部41に本体部42を固定できるようになっている。尚、前記横桟部41はネジ45を螺合することにより、縦桟15の上面15Jに固定される。また、前記上横桟13Rの端部には、蓋体46が固定して設けられ、該端部の開口を塞いでいる。
【0034】
外形が円筒状の前記上横桟13Rに対応して、連結体31Aは、挿通孔32の上下が半円状に形成されており、また、突条部53は、挿通孔32の上下にのみ設けられている。
【0035】
そして、図13に示すように、挿通孔32の上部に上横桟13Rが位置する状態では、上横桟13Rは上の突条部35と、上横桟13Rの両側の2箇所の合わせて3箇所で挿通孔32に線接触し、挿通孔32の上下方向中間では、上横桟13Rの両側の2箇所で線接触し、下部では3箇所で線接触するため、挿通孔32に対して上横桟13Rが長さ方向にスライドしたり、上下方向に移動したり、斜めに向きを変えたりの移動をスムーズに行うことができる。
【0036】
このように本実施例では、請求項1〜4に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例4】
【0037】
図16は、本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、連結体31は、一方の上横桟13を挿通する前記挿通孔32と、他方の上横桟13を挿通孔32Aとを備え、この挿通孔32Aは上横桟13と略同形をなしている。
【0038】
したがって、前記挿通孔32に対して一方の上横桟13の長さ方向スライドと、上下移動と、角度変更が可能であり、固定手段たる前記挿通孔32Aに他方の上横桟13が固定されている。
【0039】
このように本実施例では、請求項1に対応して、対をなす手摺体12,12Aの横桟たる上横桟13,13を、少なくとも一方の上横桟13に対してスライド可能な連結体31により連結すると共に、この連結体31は少なくとも一方の上横桟13が嵌合する挿通孔32を有し、この一方の挿通孔32の上下寸法が上横枠13の上下寸法より大きいから、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0040】
また、図16に示すように、一方の手摺体12の上横桟13を、上側の連結体31の挿通孔32Aに挿通し、他方の手摺体12の上横桟13を、上側の連結体31の挿通孔32に挿通したら、図示しないが、逆に、一方の手摺体12の下横桟14を、下側の連結体31の挿通孔32に挿通し、他方の手摺体12Aの下横桟14を下側の連結体31の挿通孔32Aに挿通すれば、請求項4に対応して、安定した連結強度が得られる。
【実施例5】
【0041】
図17は、本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、連結体31Aは、一方の上横桟13Rを挿通する前記挿通孔32と、他方の上横桟13Rを挿通孔32Bとを備え、この挿通孔32Bは上横桟13Rと略同形をなしている。
【0042】
したがって、前記挿通孔32に対して一方の上横桟13Rが長さ方向スライドと、上下移動と、角度変更が可能であり、固定手段たる前記挿通孔32Bに他方の上横桟13Rが固定されている。
【0043】
このように本実施例では、請求項1及び4に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0044】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上横桟を円筒状にし、下横桟を角形にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例1を示す一部を断面にした側面図である。
【図2】同上、一部を断面にした平面図である。
【図3】同上、回動部の拡大図であり、図3(A)は、回動前の状態、図3(B)は一方に回動した状態、図3(C)は他方に回動した状態を示す。
【図4】同上、連結体の断面図である。
【図5】同上、連結体による連結状態を示す要部の平面図である。
【図6】同上、躯体間が狭まった場合を示し、図6(A)は要部の平面図、図6(B)は側面図である。
【図7】同上、躯体間が広がった場合を示し、図7(A)は要部の平面図、図7(B)は側面図である。
【図8】同上、躯体間が水平変位した場合を示し、図8(A)は要部の平面図、図8(B)は側面図である。
【図9】同上、躯体間が垂直変位した場合を示し、図9(A)は要部の平面図、図9(B)は側面図である。
【図10】同上、躯体間が交差方向に狭まった場合を示し、図10(A)は要部の平面図、図10(B)は側面図である。
【図11】本発明の実施例2を示す一部を断面にした側面図である。
【図12】本発明の実施例3を示す手摺体の要部の分解斜視図ある。
【図13】同上、連結体の断面図である。
【図14】同上、連結体の斜視図である。
【図15】同上、連結体による連結状態を示す要部の平面図である。
【図16】本発明の実施例4を示す連結体の断面図ある。
【図17】本発明の実施例5を示す連結体の断面図ある。
【符号の説明】
【0046】
1 躯体(一側固定部)
2 躯体(他側固定部)
11 可動連結式手摺装置
12 手摺体
12A 手摺体
13 上横桟(横桟)
14 下横桟(横桟)
15 縦桟
21 回動部
31 連結体
32 挿通孔
32A 挿通孔
35 突条部(突起部)
41 横桟部
42 本体部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
横桟と縦桟とを有する対をなす手摺体を備え、これら対をなす手摺体の先端側を重ね合わせ、且つ一方の手摺体の基端側を一側固定部に水平回動可能に連結すると共に、他方の手摺体の基端側を他側固定部に水平回動可能に連結し、前記対をなす手摺体の横桟を、少なくとも一方の横桟に対してスライド可能な連結体により連結すると共に、この連結体は少なくとも一方の横桟が嵌合する挿通孔を有し、この一方の前記挿通孔の上下寸法が前記横枠の上下寸法より大きいことを特徴とする可動連結式手摺装置。
【請求項2】
横桟と縦桟とを有する対をなす手摺体を備え、これら対をなす手摺体の先端側を重ね合わせ、且つ一方の手摺体の基端側を一側固定部に水平回動可能に連結すると共に、他方の手摺体の基端側を他側固定部に水平回動可能に連結し、前記対をなす手摺体の横桟を、該横桟に対してスライド可能な連結体により連結すると共に、この連結体はそれら対をなす横桟がそれぞれ嵌合する対をなす挿通孔を有し、それら前記挿通孔の上下寸法が前記横枠の上下寸法より大きいことを特徴とする可動連結式手摺装置。
【請求項3】
前記挿通孔には、前記横桟の外面に接する突起部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の可動連結式手摺装置。
【請求項4】
前記手摺体は、前記横桟を上下に備え、これら上の横桟同士を前記連結体により連結すると共に、それら下の横桟同士を前記連結体により連結したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の可動連結式手摺装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−218051(P2007−218051A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−43137(P2006−43137)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(592018294)トライエンジニアリング株式会社 (36)
【Fターム(参考)】